JP2023054718A - 電動車両 - Google Patents

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充弘 門田
Michihiro Kadota
真実 国広
Masamitsu Kunihiro
裕一 國友
Yuichi Kunitomo
篤 北口
Atsushi Kitaguchi
知範 高田
Tomonori Takada
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Abstract

【課題】本発明の課題は、平滑コンデンサを大容量化することなく、走行モータが回生動作から力行動作へと移行する場合の主機電圧低下を抑制することにある。【解決手段】本発明の一様態によると、電動車両は、エンジン(11)で発電機(12)を駆動して発電した発電電力を用いて走行モータ(10)を駆動するものであり、走行モータの回生動作により走行モータから出力される回生電力を入力して車両負荷装置(22、31)に出力する第一DC/DCコンバータ(20)と、発電機と第一DC/DCコンバータを制御する制御装置(40)を有している。そして、制御装置は、回生電力の低下に応じて第一DC/DCコンバータの出力電力を低下させる制御を行うことを特徴としている。【選択図】図11

Description

本発明は、回生制動システムを備えた電動車両に関する。
化石燃料の枯渇や地球環境問題の悪化を背景として、ハイブリッド自動車や電気自動車といった電動車両が普及している。鉱山現場における搬送用ダンプトラックのような大型作業車両においても電気駆動システムを用いる場合があり、エンジンで駆動される発電機の発電電力を利用して走行モータを駆動する。
電気駆動システムを搭載したダンプトラックには、エアコンのコンプレッサモータシステム、機器冷却用のブロアモータシステムといった補機が搭載される。これらの補機に電力を供給するために、走行モータ用インバータが接続される直流ライン(以下、主機直流ライン)と補機が接続される直流ライン(以下、補機直流ライン)をDC/DCコンバータで接続する方法が考えられる。DC/DCコンバータは主機直流ラインの電圧(以下、主機電圧)を補機直流ラインの電圧(以下、補機電圧)へと変換し、補機直流ラインに電力を出力する。
特許文献1では車両等の電源装置として、DC/DCコンバータによって高圧バッテリの電圧を変換し、補機と低圧バッテリを含む低圧電力系に電力を供給する構成が記載されている。また、同文献では、バッテリの品質劣化を抑制するために、低圧電力系からの要求および高圧バッテリの充放電電力の状態を表す情報に基づいてDC/DCコンバータによる低圧電力系への供給電圧を制御することが記載されている。
特開2019-205276号公報
前述のような電動車両では、主機電圧を安定に制御することが重要である。特に走行モータが回生動作から力行動作へと移行する場合、発電機の出力応答遅れによる主機電圧の低下が懸念される。この電圧低下は走行モータのトルク低下を引き起こし、車両がスムーズに加速することへの阻害要因となる。前述のようにDC/DCコンバータによって主機直流ラインから補機へ給電する場合、DC/DCコンバータも主機直流ラインの負荷となって電圧低下を引き起こし得る。
主機直流ラインに接続される平滑コンデンサの静電容量を大きくすることは、主機電圧低下の抑制に有効である。しかし、平滑コンデンサの大容量化は電気駆動システム、ひいては電動車両を大型化させる。特に前述のダンプトラックでは主機電圧が高く、比較的大型の高耐圧コンデンサを用いる必要がある。そのため、前述のシステム大型化の問題が特に深刻になると考えられる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行モータが回生動作から力行動作へと移行する場合の主機電圧低下を抑制できる電動車両を提供することである。
本発明の一様態によると、電動車両は、エンジンで発電機を駆動して該発電機で発電し
た発電電力を用いて走行モータを駆動する電動車両であって、前記走行モータの回生動作により前記走行モータから出力される回生電力を入力して車両負荷装置に出力する第一DC/DCコンバータと、前記発電機と前記第一DC/DCコンバータを制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記回生電力の低下に応じて前記第一DC/DCコンバータの出力電力を低下させる制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、平滑コンデンサを大容量化することなく、走行モータが回生動作から力行動作へと移行する場合の主機電圧低下を抑制できる。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1における電動車両の電気駆動システムのハードウェア構成図である。 電気駆動システムにおける電力の定義である。 第一DC/DCコンバータの回路構成例である。 第一DC/DCコンバータの動作波形例である。 第二DC/DCコンバータの回路構成例である。 第二DC/DCコンバータの動作波形例である。 主機電圧制御部のブロック図である。 補機電圧制御部のブロック図である。 実施例1における充放電制御部のブロック図である。 実施例1における充放電電流指令演算部のフローチャートである。 実施例1における駆動制御部のブロック図である。 実施例1における動作タイミングチャートである。 実施例2における電動車両の電気駆動システムのハードウェア構成図である。 実施例2における充放電制御部のブロック図である。 実施例2における充放電電流指令演算部のフローチャートである。 実施例2における動作タイミングチャートである。 ダンプトラックの構成である。
以下、図面を参照して、本発明に係る電力変換装置の実施例について説明する。なお、各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
[実施例1]
<電気駆動システムのハードウェア構成>
図1は、電動車両の電気駆動システムのハードウェア構成図である。エンジン11とこれに接続される発電機12を有し、発電機12はエンジン11によって駆動される。発電機12の出力は、整流回路13の交流入力に接続される。整流回路13の直流出力は、主機直流ライン14(第一直流ライン)を成す。主機直流電圧V(第一直流電圧)は、主機直流ライン14に発生する直流電圧である。走行モータ用インバータ15の直流入力は、主機直流ライン14に接続される。インバータ15の交流出力は、走行モータ10に接続される。走行モータ10は、図示しない電動車両の車輪を駆動し、電動車両を前進また
は後進させる。主機直流ライン14には、インバータ15の他に、電力消費装置16が接続される。電力消費装置16では、スイッチング素子とダイオードから成るチョッパ回路に、負荷抵抗が接続される。電圧検出器17はVを検出し、検出値を制御装置40に送信する。平滑コンデンサ18はVを平滑する。図1では主機直流ライン14の平滑コンデンサ18を1個だけ示したが、複数の平滑コンデンサが各機器の直流入力または直流出力に分散して配置されてもよい。
主機直流ライン14には第一DC/DCコンバータ20の直流入力が接続される。第一DC/DCコンバータ20の直流出力は中間直流ライン21(第二直流ライン)を成す。中間直流ライン21には、車両負荷装置である蓄電デバイス22が接続される。蓄電デバイス22の電圧をVと定義する。中間直流ライン21に発生する電圧(第二直流電圧)もまたVとなる。第一DC/DCコンバータ20はVをVに変換し、主機直流ライン14から中間直流ライン21へと電力を伝送する。これによって第一DC/DCコンバータ20は後述する補機装置31を駆動するための電力を中間直流ライン21へ供給し、また、蓄電デバイス22の充電電力を供給する。第一DC/DCコンバータ20の入力電流と出力電流をそれぞれIDI、IDOと定義する。蓄電デバイス22の充放電電流をIと定義する。Iの正負極性として、放電方向を正とする。電圧検出器23、電流検出器24、電流検出器25はV、IDO、Iをそれぞれ検出し、検出値を制御装置40に送信する。平滑コンデンサ26はVを平滑する。図1では中間直流ライン21の平滑コンデンサ26を1個だけ示したが、複数の平滑コンデンサが各機器の直流入力または直流出力に分散して配置されてもよい。
中間直流ライン21には第二DC/DCコンバータ27の直流入力が接続される。第二DC/DCコンバータ27の直流出力は補機直流ライン(第三直流ライン)30を成す。補機直流電圧V(第三直流電圧)は、補機直流ライン30に発生する直流電圧である。補機直流ライン30には、車両負荷装置である補機装置31が接続される。補機装置31の例として、エアコン用のインバータ及びコンプレッサモータシステム、機器冷却用のインバータ及びブロアモータシステムなどがある。図1では、これらを1個の等価インピーダンスにまとめた。第二DC/DCコンバータ27はVをVに変換し、中間直流ライン21から補機直流ライン30へと電力を伝送する。第二DC/DCコンバータ27は、第一DC/DCコンバータ20が中間直流ライン21に伝送した電力を変換して、または、蓄電デバイス22を放電して補機装置31を駆動する。電圧検出器32はVを検出し、検出値を制御装置40に送信する。第二DC/DCコンバータ27の入力電流と出力電流をそれぞれIAI、IAOと定義する。平滑コンデンサ33はVを平滑する。図1では補機直流ライン30の平滑コンデンサ33を1個だけ示したが、複数の平滑コンデンサが各機器の直流入力または直流出力に分散して配置されてもよい。
図1の電流検出器50と速度検出器51は走行モータ10の電流Iと回転速度ωをそれぞれ検出する。電流については1個の電流検出器と1本の検出信号を示したが、実際には走行モータ10に流れる三相交流電流のうち少なくとも二相分を検出する。また、走行モータと車輪が複数ある場合、全ての走行モータについて電流と速度を検出する。Iとωは、後述する制御装置40の駆動制御部41に入力される。
<ハードウェア構成に関する補足>
図1に示したように、電気駆動システムは主機直流ライン14、中間直流ライン21、補機直流ライン30の3つの直流ラインを備える。図1では省略したが、各直流ラインには平滑コンデンサの放電抵抗、バリスタやアレスタといったサージプロテクタが接続されていてもよい。また、前述の各機器を直流ラインに接続するとき、ヒューズ、リレー、遮断器を挿入してもよい。
インバータ15、及び、電力消費装置16のスイッチング素子(以下、素子と略す場合がある。)としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を想定し、IGBTの回路記号を示した。しかし、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、サイリスタなど他種の素子を利用してもよい。整流回路13として、スイッチング素子を用いたAC/DCコンバータを利用してもよい。以下では、発電機12が巻線励磁型の同期発電機であり、アクチュエータである励磁装置が付属されていると考える。しかし、前述のように整流回路13としてAC/DCコンバータを利用し、永久磁石同期発電機など他種の発電機を適用してもよい。
蓄電デバイス22の例として、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池、または、電気二重層コンデンサやリチウムイオンキャパシタといったコンデンサがある。第一DC/DCコンバータ20と第二DC/DCコンバータ27の回路構成や動作については後述する。
<制御装置と制御信号>
制御装置40は、電圧検出器17からVを、電圧検出器32からVを、電流検出器25からIをそれぞれ検出する。また、制御装置40には、車両情報信号Sが入力される。Sは、電動車両の車体速度情報や、オペレータの操作入力情報(アクセルペダル操作量SACLやブレーキペダル操作量SBRKなど)といった複数の情報を含む。自動運転(AD)の場合には、自動運転制御により算出された加速または制動の指令値が入力される。
制御装置40は、検出信号に基づいて前述の各機器に制御信号を出力し、電気駆動システム内のエネルギーフローを制御する。制御装置40は、車両走行状態に応じてエンジン11、発電機12、電力消費装置16、第一DC/DCコンバータ20、第二DC/DCコンバータ27を制御する。図1では、制御装置40からエンジン11、発電機12、インバータ15、電力消費装置16、第一DC/DCコンバータ20、第二DC/DCコンバータ27への制御信号を示した。発電機12については、制御信号を励磁電圧の指令値とする。発電機12の励磁装置は、指令値に従って励磁電圧を制御する。
制御装置40は、駆動制御部41、主機電圧制御部42、補機電圧制御部43、充放電制御部44を備える。駆動制御部41は、Sに含まれるSACLやSBRKにしたがってエンジン11とインバータ15に制御信号を出力する。Vは発電機12、電力消費装置16、第一DC/DCコンバータ20によって制御される。主機電圧制御部42は、Vが所定の指令値と一致するようにこれらの機器に対する制御信号を生成する。Vは第二DC/DCコンバータ27によって制御される。補機電圧制御部43は、Vが所定の指令値と一致するように第二DC/DCコンバータ27に対する制御信号を生成する。充放電制御部44は、Iが所定の値に制御されるように後述の電流上限値IDmax2を生成し、主機電圧制御部42に出力する。
制御装置40の実現方法については任意であるが、一例として基板上に電子回路として実装する方法がある。基板にはCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのデバイスが搭載される。制御装置40は前述のように複数の演算ブロックを備えるため、各演算ブロックを別々の基板またはデバイスに実装してもよい。また、一つの演算ブロックを複数の基板またはデバイスに分割して実装してもよい。例えば、主機電圧制御部42は、発電機12、電力消費装置16、第一DC/DCコンバータ20の制御信号を生成するが、各制御信号の生成を別の基板またはデバイスに割り当ててもよい。
<電気駆動システムにおける電力とエネルギーフロー>
図2に電気駆動システムにおける電力の定義を示す。図2では、図1に示した電気駆動システムのうち、平滑コンデンサ18、26、33、電圧検出器17、23、32、電流検出器24、25を省略した。発電機12から主機直流ライン14に入力される電力をPと定義する。主機直流ライン14からインバータ15に入力される電力をPと定義する。走行モータ10が回生動作をしているとき、Pは負となる。主機直流ライン14から電力消費装置16、第一DC/DCコンバータ20に入力される電力をそれぞれP、Pと定義する。PとPについては、スイッチング素子のオン・オフ動作に応じて変動するが、以下ではこのような変動を無視し、スイッチング周期における平均電力を考える。図2から、定常状態においてP=P+P+Pが成り立つ。
ここでは、第一DC/DCコンバータ20の損失が無視できるほど小さいと仮定し、第一DC/DCコンバータ20が中間直流ライン21に出力する電力もPと考える。また、第二DC/DCコンバータ27の損失も同様に無視し、中間直流ライン21から第二DC/DCコンバータ27に入力される電力、及び、第二DC/DCコンバータ27から補機直流ライン30に出力される電力をPと定義する。蓄電デバイス22から中間直流ライン21への放電電力をPと定義する。蓄電デバイス22が充電状態であるとき、Pは負となる。図2から、定常状態においてP=P+Pが成り立つ。
電動車両の加速時における電気駆動システムのエネルギーフローについて説明する。エンジン11により発電機12が駆動されると、発電機12が出力する交流電圧は整流回路13によってVに変換され、インバータ15に入力される。オペレータがアクセルペダルを踏み込む、あるいは自動運転により加速の指令値が入力されると、インバータ15から走行モータ10に交流電力が供給され、走行モータ10は車輪を駆動して車体を加速させる。この場合、Vは発電機12によって制御される。電力消費装置16は電力を消費しない。図2に示した各電力としては、P>0、P>0、P=0となる。
次に、電動車両の制動時、すなわち、走行モータ10の回生期間におけるエネルギーフローについて説明する。オペレータがブレーキペダルを踏み込む、あるいは自動運転により制動の指令値が入力されると、走行モータ10は車体の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、インバータ15を介して主機直流ライン14へ回生電力を出力する。すなわち、走行モータ10は発電機として動作する。電力消費装置16は、回生電力を熱に変換し、Vが過大になることを防ぐ。したがって、この場合のVは電力消費装置16によって制御される。このように回生電力が消費されることで電気ブレーキがかかり、車体は減速する。なお、車体の制動には、電気ブレーキと図示しない機械ブレーキを併用してもよい。発電機12は発電しない。図2に示した各電力としては、P=0、P<0、P>0となる。
車両負荷装置である補機装置31と蓄電デバイス22に関するエネルギーフローについて説明する。図1や図2に示した電気駆動システムでは、主機直流ライン14の電力を補機直流ライン30へ伝送することで補機装置31を駆動する。主機直流ライン14の電力は、エンジン11と発電機12によって生成されるか、または、走行モータ10の回生動作によって生成される。また、蓄電デバイス22は、主機直流ライン14の電力を一時的に蓄えることができる。蓄電デバイス22を充電するとき、図2に示した各電力としては、P<0、P>P>0となる。蓄電デバイス22を放電することで、蓄電デバイス22が単独で、または、蓄電デバイス22と第二DC/DCコンバータ27が分担して補機装置31を駆動することができる。蓄電デバイス22を放電するとき、図2に示した各電力としては、P>0、P>P>0となる。
<第一DC/DCコンバータ20の回路構成例と動作波形例>
図3は、第一DC/DCコンバータ20の構成例である。DC/DCコンバータであれば、他の回路構成を利用してもよい。図3では、第一DC/DCコンバータ20の他に主機直流ライン14と中間直流ライン21も示した。第一DC/DCコンバータ20は、2個の素子(Q~Q)による上下アーム(ハーフブリッジ回路)201、チョークコイル202、コンデンサ203と204を備える。駆動制御装置205は、制御装置40から入力される制御信号に基づき、各素子の駆動電圧を出力する。図3では、素子をIGBTとしたが、MOSFETなど他種の素子を利用してもよい。第一DC/DCコンバータ20は以上の要素の他にも、ブレーカやリレーなどの制御部品、ヒューズやサージプロテクタなどの保護部品、ノイズフィルタを備えていてもよい。
図4は、図3に示した第一DC/DCコンバータ20の動作波形例である。図4では、素子のスイッチング動作2周期分の動作波形を示した。図4の縦軸項目として、素子Q~Qの駆動信号(オン・オフ信号)、上下アーム201の出力電圧VCH、出力電流IDO、チョークコイル202の電流ILDを示した。IDOとILDについては重ねて示し、IDOを破線とした。図4では、第一DC/DCコンバータ20の動作の概要を示すことを目的としており、回路の寄生容量や寄生インダクタンスが引き起こす電圧・電流振動、及び、素子の電圧降下を無視した。図示した期間においてVとVはそれぞれ一定とした。また、コンデンサ204の静電容量が十分大きいと仮定し、IDOも同様に一定とした。
は常時オフ状態である。Qがオンの期間では、VCHはVに、チョークコイル202の電圧VLDは(V-V)になり、ILDは時間とともに増大する。Qがオフの期間では、Qの逆並列ダイオードが導通してVCHはゼロに、VLDは-Vになり、ILDは時間とともに減少する。以上のようにILDは増減を繰り返し、その平均値がIDOとなる。図4のようなスイッチング周期をTSWDと定義し、Qのオン時間をTONDと定義する。このとき、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)のデューティdはTOND/TSWDとなる。dは第一DC/DCコンバータ20の操作量となる。
<第二DC/DCコンバータ27の回路構成例と動作波形例>
図5は、第二DC/DCコンバータ27の回路構成例である。DC/DCコンバータであれば、他の回路構成を利用してもよい。図5では、第二DC/DCコンバータ27の他に中間直流ライン21と補機直流ライン30も示した。第二DC/DCコンバータ27は、4個の素子(Q~Q)によるフルブリッジインバータ271、トランス272、4個のダイオード(D~D)によるフルブリッジ整流回路273、チョークコイル274、コンデンサ275と276を備える。駆動制御装置277は、制御装置40から入力される制御信号に基づき、各素子の駆動電圧を出力する。図5では、素子をIGBTとしたが、MOSFETなど他種の素子を利用してもよい。第二DC/DCコンバータ27は以上の要素の他にも、ブレーカやリレーなどの制御部品、ヒューズやサージプロテクタなどの保護部品、ノイズフィルタを備えていてもよい。
フルブリッジインバータ271は、第二DC/DCコンバータ27に入力されるVを交流電圧VTRに変換し、トランス272の一次巻線に印加する。トランス272は、第二DC/DCコンバータ27の入出力間を絶縁しつつ、一次巻線に印加された電圧を変圧して二次巻線に交流電圧を発生させる。この交流電圧は、フルブリッジ整流回路273によって直流電圧に変換され、チョークコイル274とコンデンサ276から構成されるフィルタ回路を介して第二DC/DCコンバータ27から出力される。
図6は、図5に示した第二DC/DCコンバータ27の動作波形例である。図6では、
素子のスイッチング動作2周期分の動作波形を示した。図3の縦軸項目として、Q~Qの駆動信号(オン・オフ信号)、トランス272の一次巻線電圧VTR、出力電流IAO、チョークコイル274の電流ILAを示した。IAOとILAについては重ねて示し、IAOを破線とした。図6では、回路の寄生容量や寄生インダクタンスが引き起こす電圧・電流振動、及び、素子の電圧降下を無視した。図示した期間においてVとVはそれぞれ一定とした。また、コンデンサ276の静電容量が十分大きいと仮定し、IAOも同様に一定とした。
とQがオンの期間では、VTRの絶対値はVと等しくなり、VTRの極性は正となる。QとQがオンの期間では、VTRの絶対値はVと等しくなるが、VTRの極性は負となる。トランス272の巻数比(一次巻線の巻数÷二次巻線の巻数)をNと定義すると、これらの期間においてチョークコイル274の電圧VLAは(V/N-V)になり、ILAは時間とともに増大する。全素子がオフの期間では、VTRはゼロに、VLAは-Vになり、ILAは時間とともに減少する。以上のようにILAは増減を繰り返し、その平均値がIAOとなる。図6のようなスイッチング周期をTSWAと定義し、QとQ(またはQとQ)のオン時間をTONAと定義する。このとき、PWMデューティdは(2TONA)/TSWAとなる。dを操作量することで、第二DC/DCコンバータ27の出力電圧を制御できる。
<主機電圧制御部42のブロック図>
図7は、制御装置40における主機電圧制御部42のブロック図である。主機電圧制御部42は、Vを制御するための電圧制御系421(第一電圧制御系または第一電圧制御部)、422(第二電圧制御系または第二電圧制御部)、423(第三電圧制御系または第三電圧制御部)を備える。電圧制御系421は、Vが第一電圧指令値Vと一致するように第一DC/DCコンバータ20を制御するための演算を行う。電圧制御系422は、Vが第二電圧指令値Vと一致するように発電機12を制御するための演算を行う。電圧制御系423は、Vが第三電圧指令値Vと一致するように電力消費装置16を制御するための演算を行う。このとき、三点の電圧指令値の大小関係はV>V>Vに設定される。本発明ではV~Vをそれぞれ一定とするが、前述の不等式を満たす限り、V~Vを可変としてもよい。
第一DC/DCコンバータ20の制御演算について説明する。電圧制御系421は、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部424(第一電圧制御演算部)にて電流指令値IDref1を生成する。この電流指令値をリミッタ前電流指令値(第一電流指令値)と定義する。電圧制御演算部424は、比例積分(PI:Proportional Integral)制御などの制御則を利用して、Vの偏差を小さくするようにIDref1を変化させる。具体的には、V>VであればIDref1を増大させる。IDref1は可変リミッタ425に入力される。可変リミッタ425には、後述する電流上限値IDmax2も入力される。可変リミッタ425は、上限値をIDmax2としてIDref1にリミッタ処理を施し、リミッタ後電流指令値(第二電流指令値)IDref2を生成する。IDref2は電圧制御系421のマイナーループである電流制御系(第一電流制御部)426に入力される。
電流制御系426はIDref2にしたがってIDOを制御する。IDOの代わりに図3のILDを制御してもよい。電流制御系426は、IDref2とIDOの偏差(IDref2-IDO)を計算した後、電流制御演算部427(第一電流制御演算部)にて第一DC/DCコンバータ20の操作量を計算して出力する。図3と4を用いて説明したように、第一DC/DCコンバータ20の操作量はPWMデューティdである。電流制御演算部427は、PI制御などの制御則を利用して、IDref2とIDOの偏差を小さくするようにdを変化させる。V>Vのとき、電圧制御演算部424はIDref1を増大させる。IDref1<IDmax2であれば、IDref1に合わせてIDref2も増大させる。電流制御演算部427は、IDOを増大させるためにdを増大させる。これによって第一DC/DCコンバータ20は出力電力(図2のP)を増大させ、Vを減少させようとする。
発電機12の制御演算について説明する。電圧制御系422は、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部428(第二電圧制御演算部)にて発電機12の操作量を計算して出力する。前述の通り、発電機12として巻線励磁型の同期発電機を想定し、励磁電圧Vを操作量とする。電圧制御演算部428は、V<VであればVを増大させる。これによって発電機12は出力電力(図2のP)を増大させ、Vを増大させようとする。
電力消費装置16の制御演算について説明する。電圧制御系423は、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部429(第三電圧制御演算部)にて電力消費装置16の操作量を計算して出力する。前述の通り、電力消費装置16におけるチョッパ回路のPWMデューティdを操作量とする。電圧制御演算部429は、V>Vであればdを増大させる。これによって電力消費装置16は入力電力(図2のP)を増大させ、Vを減少させようとする。
<補機電圧制御部43のブロック図>
図8は、制御装置40における補機電圧制御部43のブロック図である。補機電圧制御部43は、Vを制御するための電圧制御系431(第四電圧制御系)を備える。電圧制御系431は、Vが第四電圧指令値Vと一致するように第二DC/DCコンバータ27を制御するための演算を行う。
電圧制御系431は、VとVの偏差(V-V)を計算した後、電圧制御演算部432(第四電圧制御演算部)にて第二DC/DCコンバータ27の操作量を計算して出力する。図5と6を用いて説明したように、第二DC/DCコンバータ27の操作量はPWMデューティdである。電圧制御演算部432は、PI制御などの制御則を利用して、Vの偏差を小さくするようにdを変化させる。V>Vのとき、電圧制御演算部432はdを増大させる。これによって第二DC/DCコンバータ27は出力電力(図2のP)を増大させ、Vを増大させようとする。以上の動作によってVはVに制御され、Pは補機装置31の消費電力と一致する。
<充放電制御部44のブロック図>
図9は、制御装置40における充放電制御部44のブロック図である。充放電制御部44は、VとIの検出値から蓄電デバイス22のSOC(State of Charge)を演算するSOC演算部441と、SOCに基づいてIの指令値IBref(第三電流指令値)を計算する充放電電流指令演算部442と、IBrefにしたがってIを制御するための電流制御系443(第二電流制御系)を備える。
充放電電流指令演算部442では、SOCが上限値より小さければ、IBrefを負の値「-I」に設定する。I>0である点に注意されたい。本発明ではIを一定とするが、Iを可変としてもよい。SOCが上限値以上であれば、IBrefをゼロまたは正の値にする。以上から、充放電電流指令演算部442のフローチャートは図10となる。充放電制御部44の演算をCPUに実装する場合、図10のフローチャートによるIBrefの計算を周期的に実行する。
電流制御系443は、IがIBrefと一致するように第二DC/DCコンバータ27を制御するための演算を行う。電流制御系443は、IとIBrefの偏差(I
Bref)を計算した後、電流制御演算部444(第二電流制御演算部)にて電流上限値IDmax1を計算する。この電流上限値をリミッタ前電流上限値と定義する。電流制御演算部444は、PI制御などの制御則を利用して、Iの偏差を小さくするようにIDmax1を変化させる。IDmax1はリミッタ445に入力される。リミッタ445は、IDmax1の上限値がIとなるようにIDmax1にリミッタ処理を施し、リミッタ後電流上限値IDmax2を生成する。IDmax2は主機電圧制御部42の可変リミッタ425に出力される。
前述のIの定義から、蓄電デバイス22を充電するときIは負の値になる。I>IBrefであることは、充電電流が不足していることを意味する。このとき、電流制御演算部444はIDmax1を増大させる。これによって第一DC/DCコンバータ20はIDOを、ひいては充電電流(Iの絶対値)を増大させることが可能になる。
<駆動制御部41のブロック図>
図11は、制御装置40における駆動制御部41のブロック図である。駆動制御部41において、エンジン制御部411は、Sに含まれるSACLとSBRKからエンジン11の制御信号を生成する。モータトルク指令演算部412は、SACL、SBRK、走行モータ10の回転速度ωから走行モータ10のトルク指令を演算する。モータトルク制御部413は、走行モータ10のトルクが前述のトルク指令と一致するように制御演算を行い、インバータ15の制御信号を生成する。モータのトルク制御として、トルク指令からモータ電流の指令を生成し、この指令にしたがってモータ電流を制御する方法が一般的である。モータ電流の制御演算方法にも様々あるが、モータの回転速度を利用する方法が一般的である。そのため、モータトルク制御部413にはωと走行モータ10の電流Iが入力される。
<動作タイミングチャート>
図12は、実施例1において想定される電気駆動システムの動作タイミングチャートである。同図を用いて電気駆動システムの具体的な動作と、これによって得られる効果を説明する。
図12の縦軸項目は、SACLとSBRK、走行モータ10に入力される電力P、発電機12の発電電力P、電力消費装置16に入力される電力P、第一DC/DCコンバータ20の出力電力Pと電流IDO、蓄電デバイス22の充放電電力Pと電流I、主機直流電圧Vである。図12では、電力、電流、電圧の変化の概形を示している。同図ではこれらが直線的に変化しているが、実際において直線的に変化するとは限らない。
説明を簡単化するために、電力、電流、電圧の値について以下の仮定を設ける。補機電圧制御部43によってVはVに理想的に制御される。また、補機装置31の消費電力、すなわち第二DC/DCコンバータ27の出力電力PはPで一定である。これらの仮定により、第二DC/DCコンバータ27の出力電流IAOも一定となり、その値をI(=P/V)とする。図12ではPとIAOの波形を示す代わりに、縦軸にPとIを示した。蓄電デバイス22の電圧Vは一定である。蓄電デバイス22が充電状態であり、Iが前述の-IであるときのPを-P(=-V)とする。P>0である点に注意されたい。このとき、PとIDOはそれぞれP(=P+P)、I(=I+I)で一定となる。最後に、充放電制御部44におけるリミッタ445の上限値Iは、I>Iに設定される。
図12では、オペレータがブレーキペダルを離し、その後、アクセルペダルを踏み込むことにより、走行モータ10が回生動作から力行動作へと移行する場合の動作タイミング
チャートを示した。図12のように、SBRKがゼロまで徐々に減少した後、SACLがゼロから徐々に増大する。これにより、Pは負から正へと増大する。図12では、ブレーキペダルを離してからアクセルペダルを踏み込むまでのインターバルを無視した。図12のように時刻t1~t4を定義する。以下、各期間の動作について順に説明する。
<t1以前>
時刻t1以前では、P<-P<0であり、走行モータ10が回生動作をしている。回生電力は|P|と書ける。|P|>Pであり、回生電力は前述のPより大きくなっている。この期間において、第一DC/DCコンバータ20は補機装置31の消費電力と蓄電デバイス22の充電電力を全て供給する。すなわち、P=P、IDO=I、P=-P、I=-Iとなる。
主機電圧制御部42の電圧制御系421、422、423に従って、第一DC/DCコンバータ20、発電機12、電力消費装置16がVを制御する。しかし、後述のようにPは可変リミッタ425によって、また、Pは物理的な制約によって飽和した状態となる。結果として、Vは電力消費装置16によってVに制御される。
電圧制御系421の前に、充放電制御部44の動作を説明する。Iを-Iに制御するためには、IDO=Iでなければならない。充放電制御部44の電流制御演算部444は、IDmax1をIまで増大させる。前述のようにI>Iであるため、IDmax2はリミッタ445の制限を受けずにIとなり、電圧制御系421の可変リミッタ425へ出力される。
電圧制御系421の電圧制御演算部424は、VをVへ減少させるためにIDref1を増大させ、結果としてPを増大させようとする。しかし、可変リミッタ425によってIDref2はIDmax2すなわちIに制限される。電流制御系426によってIDOはIに制御(維持)され、PはPで一定となる。このように可変リミッタ425の制限によってPが飽和するため、第一DC/DCコンバータ20はVをVへ減少させることができない。
電圧制御系422は、VをVへ減少させるためにVを減少させ、結果としてPを減少させようとする。しかし、発電機12は電力消費装置16や第一DC/DCコンバータ20と違って、主機直流ライン14から電力を吸収することができない。言い換えれば、Pはゼロまでしか減少させることができない。そのため、発電機12はVをVへ減少させることができない。
電圧制御系423は、VをVに維持するためにdを、ひいてはPを制御する。電力消費装置16が回生電力からP=Pを差し引いた電力を消費する、すなわち、P=|P|-Pとなるようにdを制御することで、主機直流ライン14の入出力電力がバランスし、結果としてVはVに維持される。|P|の減少に合わせてPも減少し、時刻t1にてP=-P、|P|=P、P=0となる。
以上のように、時刻t1以前では、エンジン11と発電機12の出力が抑制され、走行モータ10の回生電力によって補機装置31を駆動できる。また、回生電力を蓄電デバイス22に蓄えることで、後に蓄えられた回生電力で補機装置31を駆動できる。
<t1~t2期間>
t1~t2期間でも走行モータ10は回生動作するため、回生電力を|P|と記す。t1~t2期間では、|P|がPより小さくなり、Pが可変リミッタ425の制限を受けなくなる。
時刻t1の直後において|P|がPより僅かに小さくなったとき、電圧制御系421がPをPに維持することでVを即座に減少させることができる。電圧制御系423がこれに反してVをVに制御するには、Pを減少させる必要がある。しかし、時刻t1においてPはゼロになっているため、VがVに制御されることはない。一方、電圧制御系422はPを増大させることで、VをVに制御できる。しかし、電圧制御系422がVを増大させ始めてからPが立ち上がるまでに遅延が発生する。すなわち、発電機12の端子電圧がある程度増大するまで、Pは発生しない。以上の結果として、時刻t1の直後にVはVへ減少する。
がVへ減少した後も、|P|は減少し続ける。仮に、第一DC/DCコンバータ20がPを出力し続けると、VはVからさらに減少し、主機電圧低下の問題が発生する。ここで、P=0になっていることから、|P|=PとなるようにPを制御すれば、主機直流ライン14の入出力がバランスしてVはVに維持される。電圧制御系421は前述のようにVをVへと減少させた後、VをVに維持するために、|P|に合わせてPをゼロへと減少させる。
がPから減少し始めた後も、補機電圧制御部43によるVの制御は継続される。この制御により、第二DC/DCコンバータ27が蓄電デバイス22の充電電流を減少させ始める。すなわち、IとPは強制的にそれぞれ-Iと-Pから増大し始める。これは、充放電制御部44の電流制御演算部444の動作に反して発生する。電流制御演算部444は、Iを-Iに制御するためにIDmax1をIからさらに増大させ、IDmax2はリミッタ445の制限を受けてIとなる。このことから分かるように、リミッタ445はこのような場合でもIDmax2が過大とならないように設けられる。図12では、t1~t3期間について、IDOやIとともにIDmax2を点線で示した。Pの減少に対してP+P=Pが成り立つようにPが増大することで、補機装置31に供給される電力はPを維持する。このとき、電流についてはIDO+I=Iが成り立つ。図12のようにIとPが負から正に反転すると、蓄電デバイス22は充電から放電へと転じる。これにより、第一DC/DCコンバータ20と蓄電デバイス22の両者によって補機装置31が駆動されるようになる。
以上のように、t1~t2期間では、電圧制御系421が第一DC/DCコンバータ20の出力を減少させることでVをVに制御(維持)し、結果として主機電圧低下を抑制できる。また、蓄電デバイス22の充電電流を減少させて放電へと転じさせることで、補機装置31の駆動は継続される。さらに、走行モータ10が回生動作をしている間にV=V(<V)となることで、走行モータ10が力行動作へと移行する前に電圧制御系422がVを増大させ、発電機12の立ち上げを開始することができる。
<t2~t3期間>
時刻t2においてPが増大し始める。これ以降、電圧制御系422はVをVまで増大させるためにPを増大させる。一方、電圧制御系421はVをVに維持するためにPを増大させる。これらの相互作用によってVはV~Vの範囲内に制御され、PとPはそれぞれ徐々に増大する。
t1~t2期間とは反対に、補機電圧制御部43はVを制御するために、蓄電デバイス22の放電電流を減少させる。すなわち、IとPをそれぞれ減少させる。蓄電デバイス22は再び充電へと転じ、充電電流が徐々に増大する。
<t3~t4期間>
時刻t3においてP=P、IDO=I、P=-P、I=-Iとなる。こ
れは、時刻t1以前と同じ状態である。すなわち、第一DC/DCコンバータ20が補機装置31の消費電力と蓄電デバイス22の充電電力を全て供給している。時刻t3以降、充放電制御部44は、時刻t1以前と同様にIを-Iに制御する。この制御によってIDmax2はIとなり、可変リミッタ425と電流制御系426によってIDOはIに制御(維持)される。既に説明したように、IDOがIに制御されていれば、Iは-Iとなる。図12では説明を簡単化するために、時刻t3にてIDmax2が即座にIまで減少するものとした。実際には、IDmax2=Iとなるまでに遅延が発生し、これによってIDOやIのオーバーシュートが発生する。
時刻t1以前と同様に、電圧制御系421はVをVへ減少させるためにPを増大させようとする。しかし、Pが可変リミッタ425の制限を受けるため、第一DC/DCコンバータ20はVをVまで減少させることができない。電圧制御系422はPをPより僅かに増大させることで、即座にVをVまで増大させることができる。その後はPをPに制御することで、VをVに維持できる。以上から、t3~t4期間では発電機12によってVがVに制御される。
<t4以降>
時刻t4においてP=0となり、走行モータ10が回生動作から力行動作へと移行する。電圧制御系422はPに合わせてPを増大させることで、VをVに制御しつつ、発電機12から走行モータ10へと電力を供給できる。走行モータ10が回生動作のうちにPを立ち上げたため、Pをスムーズに増大させることができる。
<効果>
本発明の実施例1では、主機電圧制御部42の電圧制御系421によって第一DC/DCコンバータ20がVを制御することで、走行モータ10が回生動作から力行動作へ移行するときの主機電圧低下を抑制することができる。
制御装置40は、回生電力の低下に応じて第一DC/DCコンバータ20の出力電力を低下させる制御を行う。図12のt1~t2期間でも説明したように、回生電力がある程度減少した時点から電圧制御系421が第一DC/DCコンバータ20の出力を減少させることで、VをVに制御できる。第一DC/DCコンバータ20は主機側から補機側へと電力を伝送する役割を担うものであり、これが積極的にVを制御する点が従来との違いである。
制御装置40は、主機直流ライン14から第一DC/DCコンバータ20に入力される負荷電力の減少に応じて、蓄電デバイス22から中間直流ライン21に入力される放電電力Pを増大させる制御を行う。つまり、第一DC/DCコンバータ20が出力を減少させる期間では、蓄電デバイス22の充電電流が自動的に減少することで、補機装置31には第二DC/DCコンバータ27から一定の電力が供給され続ける。
以上の制御によって主機電圧低下が抑制されると、力行動作への移行後にトルク低下が起こらず、車両をスムーズに加速させることができる。また、以上の制御は平滑コンデンサの静電容量に依らず成立するため、平滑コンデンサを大容量化する必要はない。平滑コンデンサの静電容量が小さく済むことは、電気駆動システムの小型化に対して有効である。
電圧指令値の大小関係V>V>Vがもたらす効果について説明する。V>Vと設定されていることによって、走行モータ10が回生動作をしている間に電圧制御系422がVを増大させ、発電機12の出力を立ち上げることができる。力行動作への移行後、発電機12はスムーズに出力を増大させることができ、これも車両のスムーズな加速
に貢献する。
また、V>V>Vと設定されていることによって、走行モータ10が回生動作をしており、かつ、回生電力が十分に大きければ、エンジン11と発電機12の出力が抑制され、走行モータ10の回生電力によって補機装置31を駆動できる。また、回生電力を蓄電デバイス22に蓄えることで、後に蓄えられた回生電力で補機装置31を駆動できる。このような動作は、電動車両の省エネルギー化に有効である。
[実施例2]
<電気駆動システムのハードウェア構成>
図13は、実施例2における電気駆動システムのハードウェア構成である。実施例1(図1)との違いとして、Iとωが制御装置40の充放電制御部44に入力される。
<充放電制御部44のブロック図>
図14は、実施例2における充放電制御部44のブロック図である。実施例1(図9)との違いとして、充放電制御部44はモータ電力演算部446を備える。また、充放電電流指令演算部442は、SOCの他にモータ電力演算部446が計算するモータ電力推定値PMOからIBrefを計算する。
モータ電力演算部446は、走行モータ10の入力電力を演算し、演算結果をモータ電力推定値PMOとして充放電電流指令演算部442に出力する。モータ電力演算部446は、IとωからPMOを計算する。PMOはこれまでに示したPの推定値に当たる。充放電電流指令演算部442は、SOCが上限値より小さく、かつ、PMOが電力上限値より小さければ、IBrefを負の値に設定する。いずれかの条件が成立しない場合、IBrefをゼロまたは正の値に設定する。なお、後述の動作タイミングチャートでは、前述の条件が成立しない場合にIBrefをゼロとするときの動作を示す。PMOの上限値をゼロ付近に設定すると、走行モータ10が回生動作をする場合に蓄電デバイス22を充電するようにIBrefが生成される。以上から、実施例2における充放電電流指令演算部442のフローチャートは図15となる。
<動作タイミングチャート>
図16は、実施例2において想定される電気駆動システムの動作タイミングチャートである。縦軸項目は実施例1(図12)と同じである。前述のPMOに関する上限値をPとして、Pの縦軸に示した。時刻t1~t4の定義についても実施例1と同じである。図5では、これらの時刻に加えてt5が追加される。そのため、時刻t4以前の動作については説明を省略する。
時刻t4以降、走行モータ10は力行動作をしており、Pが徐々に増大する。Vは発電機12によってVに制御されている。電圧制御系421の電圧制御演算部424は、VをVへ減少させるためにIDref1を増大させようとしているが、可変リミッタ425によってIDref2はIDmax2=Iに制限されている。電流制御系426によってIDOはIに制御され、PはPになっている。
時刻t5において、PがPに達する。Pが正しく推定されてPMO=Pであれば、この時点で充放電制御部44の充放電電流指令演算部442はIBrefを-Iからゼロに変化させる。Iがゼロとなるためには、IDO=Iでなければならない。電流制御系443は、IDmax1とIDmax2をそれぞれIからIへと減少させる。電圧制御系421の可変リミッタ425と電流制御系426によってIDOはIに制御され、PはPへと減少する。結果として、IとPはそれぞれゼロに制御される。
<効果>
本発明の実施例2では、走行モータ10が力行動作し、モータ電力Pが閾値より大きい場合では蓄電デバイス22を充電しない。仮に力行動作中に蓄電デバイス22を充電すると、SOCが上限値に達して走行モータ10の回生動作中に蓄電デバイス22を充電できない状況が起こり得る。実施例2では、力行動作中の充電を抑制することで、回生電力によって充電する機会を増大させる。これによって回生電力の利用効率が高くなり、電動車両の省エネルギー化を可能とする。
<ダンプトラック外観>
全ての実施例に共通する構成として、図17を用いてダンプトラックの基本的な構成を説明する。ダンプトラックは、フレーム1上に土砂等を積載するためのボディ5が搭載され、両者がホイストシリンダ6により連結されている。またフレーム1には、図示しない機構部品を介して前輪2、後輪3、燃料タンク9などが取り付けられている。後輪3の回転軸部には、後輪3を駆動するための走行モータ10と、後輪3の回転数を調整する減速機が収められている。フレーム1にはさらに、オペレータが歩行可能なデッキが取り付けられている。デッキにはダンプトラックの操作を行うためにオペレータが搭乗するためのキャブ4、各種電力機器が収納されたコントロールキャビネット8、余剰エネルギーを熱として放散するための複数のグリッドボックス7が搭載されている。図1などに示した電力消費装置16の抵抗は、グリッドボックス7に収納される。また、図17で前輪2により隠れた部分には、エンジンおよび主に走行モータ用電力源としての主機発電機、主に補機類用電力源としての補機発電機、主に油圧機器用油圧源としての不図示のメインポンプなどが搭載されている。
次に、オペレータによるダンプトラックの操作方法について説明する。キャブ4内には不図示のアクセルペダル、ブレーキペダル、ホイストペダル、ハンドルが設置されている。また、オペレータはキャブ4内のアクセルペダル、ブレーキペダルの踏み込み量によりダンプトラックの加速力、制動力を制御することができる。さらにオペレータはハンドルを左右に回転させることによって油圧駆動による操舵操作を行い、ホイストペダルを踏み込むことにより油圧駆動によるダンプ操作を行うが、操舵操作、ダンプ操作のシステムについては本発明において従来同様のため、詳述しない。なお、図17では、ダンプトラックがオペレータによって運転操作されるものである場合について説明したが、自動運転によって操作されるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10・・・走行モータ、11・・・エンジン、12・・・発電機、13・・・整流回路、14・・・主機直流ライン(第一直流ライン)、15・・・インバータ、16・・・電力消費装置、17、23、32・・・電圧検出器、18、26、33・・・平滑コンデンサ、20・・・第一DC/DCコンバータ、21・・・中間直流ライン(第二直流ライン)、22・・・蓄電デバイス(車両負荷装置)、24、25、50・・・電流検出器、27・・・第二DC/DCコンバータ、30・・・補機直流ライン(第三直流ライン)、31
・・・補機装置(車両負荷装置)、40・・・制御装置、41・・・駆動制御部、42・・・主機電圧制御部、43・・・補機電圧制御部、44・・・充放電制御部、51・・・速度検出器、421・・・電圧制御系(第一電圧制御系または第一電圧制御部)、422・・・電圧制御系(第二電圧制御系または第二電圧制御部)、423・・・電圧制御系(第三電圧制御系または第三電圧制御部)、424・・・第一電圧制御演算部、431・・・電圧制御系(第四電圧制御系、第四電圧制御部)、442・・・充放電電流指令演算部、444・・・第二電流制御演算部、446・・・モータ電力演算部、V・・・第一直流電圧、V・・・第二直流電圧、V・・・第一電圧指令値、V・・・第二電圧指令値、V・・・第三電圧指令値、V・・・第四電圧指令値、IDref1・・・第一電流指令値、IBref・・・第三電流指令値、IDmax1・・・電流上限値、IDmax2・・・リミッタ後電流上限値、PMO・・・モータ電力推定値

Claims (7)

  1. エンジンで発電機を駆動して該発電機で発電した発電電力を用いて走行モータを駆動する電動車両であって、
    前記走行モータの回生動作により前記走行モータから出力される回生電力を入力して車両負荷装置に出力する第一DC/DCコンバータと、
    前記発電機と前記第一DC/DCコンバータを制御する制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記回生電力の低下に応じて前記第一DC/DCコンバータの出力電力を低下させる制御を行うことを特徴とする電動車両。
  2. 前記発電機と前記走行モータが接続される第一直流ラインと、
    該第一直流ラインに発生する第一直流電圧を消費する電力消費装置と
    を有し、
    前記第一DC/DCコンバータは、前記第一直流ラインに入力部が接続され、前記第一直流ラインに発生する第一直流電圧を第二直流電圧に変換して出力し、
    前記制御装置は、
    前記第一直流電圧が第一電圧指令値と一致するように前記第一DC/DCコンバータを制御する第一電圧制御部と、
    前記第一直流電圧が第二電圧指令値と一致するように前記発電機を制御する第二電圧制御部と、
    前記第一直流電圧が第三電圧指令値と一致するように前記電力消費装置を制御する第三電圧制御部と、を備え、
    前記第一電圧指令値は、前記第二電圧指令値より低く、かつ、前記第三電圧指令値より低く設定されることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記第一DC/DCコンバータの出力側に接続される第二直流ラインと、
    該第二直流ラインに接続される前記車両負荷装置の蓄電デバイスと、
    前記第二直流ラインに入力部が接続され、前記第二直流電圧を第三直流電圧に変換して出力する第二DC/DCコンバータと、
    該第二DC/DCコンバータの出力側に接続される第三直流ラインと、
    該第三直流ラインに接続される前記車両負荷装置の補機装置と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記第一直流ラインから前記第一DC/DCコンバータに入力される負荷電力の減少に応じて、前記蓄電デバイスから前記第二直流ラインに入力される放電電力を増大させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の電動車両。
  4. 前記制御装置は、
    前記第三直流電圧が第四電圧指令値と一致するように前記第二DC/DCコンバータを制御する第四電圧制御部を備えることを特徴とする請求項3に記載の電動車両。
  5. 前記第一電圧制御部は、前記第一直流電圧が前記第一電圧指令値より大きい場合に、第一電流指令値を増大させる第一電圧制御演算部と、前記第一電流指令値が電流上限値以下となるように前記第一電流指令値にリミッタ処理を施して第二電流指令値を生成する可変リミッタと、前記第一DC/DCコンバータの出力電流を制御するための第一電流制御部とを備え、
    該第一電流制御部は、前記第一DC/DCコンバータの出力電流が前記第二電流指令値より小さい場合に、前記第一DC/DCコンバータの出力電力が増大するように前記第一DC/DCコンバータの制御信号を変化させる第一電流制御演算部を備え、
    前記制御装置は、前記電流上限値を生成することによって、放電方向を正とする前記蓄
    電デバイスの充放電電流を制御するための充放電制御部を備え、
    該充放電制御部は、前記充放電電流が第三電流指令値より大きい場合に、前記電流上限値を増大させる第二電流制御演算部を備えることを特徴とする請求項4に記載の電動車両。
  6. 前記充放電制御部は、前記第三電流指令値を生成する充放電電流指令演算部と、前記走行モータの入力電力を演算し、演算結果をモータ電力推定値として前記充放電電流指令演算部に出力するモータ電力演算部とを備え、
    前記充放電電流指令演算部は、前記モータ電力推定値が電力上限値より小さい場合、前記第三電流指令値を負の値に設定し、前記モータ電力推定値が前記電力上限値以上である場合、前記第三電流指令値をゼロまたは正の値に設定することを特徴とする請求項5に記載の電動車両。
  7. 前記第二電圧指令値は、前記第三電圧指令値より低く設定されることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の電動車両。
JP2021163755A 2021-10-04 2021-10-04 電動車両 Pending JP2023054718A (ja)

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