JP2023048617A - 車両プラットフォーム、自動運転システム、および車両制御インターフェースボックス - Google Patents
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Abstract
【課題】自動運転システムを搭載可能な車両プラットフォームにおいて、マニュアルモードと自動モードとを適切に切り替える。【解決手段】VCIB40は、自動運転キット(ADK)10と車両プラットフォーム(VP)20との間のインターフェースを行なう。VP20は、車両モードとして、運転者の制御下にあるマニュアルモードと、ADK10の制御下にある自動運転モードとを含む。マニュアルモードにおいて第1条件が成立すると、VCIB40は、車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移させる。第1条件は、(1)VCIB40によりADK10が認証されたという条件、(2)電源モード状態信号が「ドライブモード」であるという条件、(3)自動化準備信号が「自動運転モードの準備完了」であるという条件、(4)車両モード要求が「自律性の要求」であるという条件を含む。【選択図】図3
Description
本開示は、自動運転システムを搭載可能に構成された車両プラットフォーム、車両プラットフォームに搭載可能に構成された自動運転システム、および車両プラットフォームと車両プラットフォームに搭載される自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスに関する。
近年、車両の自動運転技術の開発が進められている。たとえば特開2018-132015号公報(特許文献1)は、車両の自動運転制御を統括的に実行する自動運転システムを開示する。この自動運転システムは、カメラと、レーザ装置と、レーダ装置と、操作装置と、勾配センサと、自動運転機器と、自動運転ECU(Electronic Control Unit)とを備える。
自動運転システムを車両本体に外付けすることが考えられる。この場合、車両プラットフォーム(後述)が自動運転システムからの指令に従って車両を制御することで自動運転が実現される。この場合、たとえば、車両プラットフォームは、運転者の制御下にあるマニュアルモード(Manual Mode)と、自動運転システムの制御下にある自動運転モード(Autonomous Mode)とを車両モードとして含み得る。マニュアルモードと自動運転モードとを適切に切り替える要望が存在する。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、自動運転システムを搭載可能な車両プラットフォームにおいて、マニュアルモードと自動運転モードとを適切に切り替えることである。
(1)本開示のある局面に係る車両プラットフォームは、自動運転システムを搭載可能に構成された車両プラットフォームである。車両プラットフォームは、車両と、車両と自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスとを備える。車両プラットフォームは、車両モードとして、車両の運転者の制御下にあるマニュアルモードと、自動運転システムの制御下にある自動運転モードとを含む。車両プラットフォームは、電源モードとして、車両電源がオフの状態であるスリープモードと、車両制御インターフェースボックスが起動している状態であるウェイクモードと、車両電源がオンの状態であるドライブモードとを含む。車両制御インターフェースボックスは、車両モードの制御を要求する車両モード要求を自動運転システムから受信可能に構成されるとともに、車両プラットフォームの自動運転モードの準備可否を示す自動化準備信号を自動運転システムに出力するように構成される。車両制御インターフェースボックスは、自動運転システムの認証後、自動運転モードを要求する車両モード要求を受信し、かつ、電源モードがドライブモードであり、かつ、自動化準備信号が自動運転モードの準備完了を示す場合、車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移させる。
上記構成によれば、車両プラットフォームの電源モードがドライブモードであり、かつ、自動化準備信号が自動運転モードの準備完了を示す場合、すなわち、車両プラットフォームが自動運転モードへの対応が可能な状態である場合に、自動運転モードを要求する車両モード要求に応じて、車両モードがマニュアルモードから自動運転モードに移行される。よって、車両モードのマニュアルモードから自動運転モードへの移行を適切に行なうことができる。
(2)ある実施の形態においては、車両制御インターフェースボックスは、電源モードをスリープモードからウェイクモードまたはドライブモードに遷移させた場合における車両モードを、マニュアルモードに設定する。
上記構成によれば、車両モードの初期状態をマニュアルモードに設定しておくことができる。
(3)ある実施の形態においては、車両制御インターフェースボックスは、車両モードが自動運転モードである場合において、自動運転システムから自動運転モードの解除を要求する車両モード要求を受信すると、車両モードを自動運転モードからマニュアルモードに遷移させる。
上記構成によれば、車両モードの自動運転モードからマニュアルモードへの移行条件をシンプルにすることができる。よって、車両プラットフォームへの自動運転システムの実装の難易度を下げることが可能になる。
(4)本開示の他の局面に係る自動運転システムは、車両プラットフォームに搭載可能に構成された自動運転システムである。車両プラットフォームは、車両と、車両と自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスとを含む。車両プラットフォームは、車両モードとして、車両の運転者の制御下にあるマニュアルモードと、自動運転システムの制御下にある自動運転モードとを含む。車両プラットフォームは、電源モードとして、車両電源がオフの状態であるスリープモードと、車両制御インターフェースボックスが起動している状態であるウェイクモードと、車両電源がオンの状態であるドライブモードとを含む。自動運転システムは、コンピュータと、車両制御インターフェースボックスとの通信を行なう通信モジュールとを備える。コンピュータは、通信モジュールを通じて、車両モードの制御を要求する車両モード要求を車両制御インターフェースボックスへ送信するように構成される。コンピュータは、車両制御インターフェースボックスにより自動運転システムが認証された後に、車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移させる場合、自動運転モードを要求する車両モード要求を車両制御インターフェースボックスへ送信する。
(5)ある実施の形態においては、コンピュータは、さらに、通信モジュールを通じて、電源モードの制御を要求する電源モード要求を車両制御インターフェースボックスへ送信するように構成される。コンピュータは、車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移させる場合、自動運転モードを要求する車両モード要求に加えて、ドライブモードを要求する電源モードを車両制御インターフェースボックスへ送信する。
(6)ある実施の形態においては、コンピュータは、車両プラットフォームを起動させる場合、ウェイクモードを要求する電源モードを車両制御インターフェースボックスへ送信する。
(7)ある実施の形態においては、コンピュータは、車両モードを自動運転モードからマニュアルモードに遷移させる場合、自動運転モードの解除を要求する車両モード要求を車両制御インターフェースボックスへ送信する。
(8)ある実施の形態においては、コンピュータは、通信モジュールを通じて、車両プラットフォームの自動運転モードの準備可否を示す自動化準備信号を車両制御インターフェースボックスから受信する。
(9)本開示の他の局面に係る車両制御インターフェースボックスは、車両プラットフォームと車両プラットフォームに搭載される自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスである。車両プラットフォームは、車両モードとして、車両プラットフォームの運転者の制御下にあるマニュアルモードと、自動運転システムの制御下にある自動運転モードとを含む。車両プラットフォームは、電源モードとして、車両電源がオフの状態であるスリープモードと、車両制御インターフェースボックスが起動している状態であるウェイクモードと、車両電源がオンの状態であるドライブモードとを含む。車両制御インターフェースボックスは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備える。プロセッサは、車両モードの制御を要求する車両モード要求を自動運転システムから受信可能に構成され、車両プラットフォームの自動運転モードの準備可否を示す自動化準備信号を自動運転システムに出力するように構成される。
(10)ある実施の形態においては、プロセッサは、さらに、電源モードの制御を要求する電源モード要求を自動運転システムから受信可能に構成される。車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移させるに場合に、プロセッサは、自動運転システムを認証し、自動運転モードを要求する車両モード要求、および、ドライブモードを要求する電源モードを自動運転システムから受信し、自動運転モードの準備完了を示す自動化準備信号を自動運転システムに出力する。
(11)ある実施の形態においては、プロセッサは、さらに、車両プラットフォームの電源モードの状態を示す電源モード状態信号を自動運転システムに出力するように構成される。車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移させるに場合に、プロセッサは、自動運転システムを認証し、自動運転モードを要求する車両モード要求を自動運転システムから受信し、自動運転モードの準備完了を示す自動化準備信号、および、ドライブモードを示す電源モード状態信号を自動運転システムに出力する。
(12)ある実施の形態においては、車両モードを自動運転モードからマニュアルモードに遷移させる場合に、プロセッサは、自動運転システムから、自動運転モードの解除を要求する車両モード要求を受信する。
本開示によれば、自動運転システムを搭載可能な車両プラットフォームにおいて、マニュアルモードと自動モードとを適切に切り替えることができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
[実施の形態]
図1は、本開示の実施の形態に係る車両の概要を示す図である。車両1は、自動運転キット(ADK:Autonomous Driving Kit)10と、車両プラットフォーム(VP:Vehicle Platform)20とを備える。ADK10は、VP20に取り付け可能(車両1に搭載可能)に構成されている。ADK10とVP20とは、車両制御インターフェース(後述するVCIB40)を介して相互に通信可能に構成されている。
図1は、本開示の実施の形態に係る車両の概要を示す図である。車両1は、自動運転キット(ADK:Autonomous Driving Kit)10と、車両プラットフォーム(VP:Vehicle Platform)20とを備える。ADK10は、VP20に取り付け可能(車両1に搭載可能)に構成されている。ADK10とVP20とは、車両制御インターフェース(後述するVCIB40)を介して相互に通信可能に構成されている。
VP20は、ADK10からの制御要求に従って自動運転を行うことができる。なお、図1では、ADK10がVP20から離れた位置に示されているが、ADK10は、実際にはVP20のルーフトップ等に取り付けられる。ADK10をVP20から取り外すことも可能である。ADK10が取り外されている場合には、VP20は、マニュアルモードによる走行制御(ユーザ操作に応じた走行制御)を実行する。
ADK10は、車両1の自動運転を行うための自動運転システム(ADS:Autonomous Driving System)11を含む。ADS11は、たとえば、車両1の走行計画を作成する。ADS11は、走行計画に従って車両1を走行させるための各種制御要求を、制御要求毎に定義されたAPI(Application Program Interface)に従ってVP20に出力する。また、ADS11は、車両状態(VP20の状態)を示す各種信号を、信号毎に定義されたAPIに従ってVP20から受ける。そして、ADS11は、車両状態を走行計画に反映する。ADS11の詳細な構成については図2にて説明する。
VP20は、ベース車両30と、車両制御インターフェースボックス(VCIB:Vehicle Control Interface Box)40とを含む。
ベース車両30は、ADK10(ADS11)からの制御要求に従って各種車両制御を実行する。ベース車両30は、ベース車両30を制御するための各種システムおよび各種センサを含む。より具体的には、ベース車両30は、統合制御マネージャ31と、ブレーキシステム32と、ステアリングシステム33と、パワートレーンシステム34と、アクティブセーフティシステム35と、ボディシステム36と、車輪速センサ51,52と、ピニオン角センサ53と、カメラ54と、レーダセンサ55,56とを含む。
統合制御マネージャ31は、プロセッサおよびメモリを含み、車両1の動作に関わる上記各システム(ブレーキシステム32、ステアリングシステム33、パワートレーンシステム34、アクティブセーフティシステム35、ボディシステム36)を統合して制御する。
ブレーキシステム32は、ベース車両30の各車輪に設けられた制動装置を制御するように構成されている。制動装置は、たとえば、アクチュエータによって調整される油圧に応じて動作するディスクブレーキシステム(図示せず)を含む。
ブレーキシステム32には車輪速センサ51,52が接続されている。車輪速センサ51は、ベース車両30の前輪の回転速度を検出し、検出された前輪の回転速度をブレーキシステム32に出力する。車輪速センサ52は、ベース車両30の後輪の回転速度を検出し、検出された後輪の回転速度をブレーキシステム32に出力する。ブレーキシステム32は、各車輪の回転速度を車両状態に含まれる情報の一つとしてVCIB40に出力する。また、ブレーキシステム32は、ADS11からVCIB40および統合制御マネージャ31を介して出力される所定の制御要求に従って、制動装置に対する制動指令を生成する。ブレーキシステム32は、生成された制動指令を用いて制動装置を制御する。なお、統合制御マネージャ31は、各車輪の回転速度に基づいて車両1の速度(車速)を算出できる。
ステアリングシステム33は、車両1の操舵輪の操舵角を操舵装置を用いて制御可能に構成されている。操舵装置は、たとえば、アクチュエータにより操舵角の調整が可能なラック&ピニオン式の電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)を含む。
ステアリングシステム33にはピニオン角センサ53が接続されている。ピニオン角センサ53は、アクチュエータの回転軸に連結されたピニオンギヤの回転角(ピニオン角)を検出し、検出されたピニオン角をステアリングシステム33に出力する。ステアリングシステム33は、ピニオン角を車両状態に含まれる情報の一つとしてVCIB40に出力する。また、ステアリングシステム33は、ADS11からVCIB40および統合制御マネージャ31を介して出力される所定の制御要求に従って、操舵装置に対する操舵指令を生成する。ステアリングシステム33は、生成された操舵指令を用いて操舵装置を制御する。
パワートレーンシステム34は、複数の車輪のうちの少なくとも1つに設けられた電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)システム341と、車両1のトラッスミッションに設けられたパーキングロック(P-Lock)システム342と、シフトレンジを選択可能に構成されたシフト装置(図示せず)を含む推進システム343とを制御する。パワートレーンシステム34のより詳細な構成については図2にて説明する。
アクティブセーフティシステム35は、カメラ54およびレーダセンサ55,56を用いて前方または後方の障害物(歩行者、自転車、駐車車両、電柱など)を検出する。アクティブセーフティシステム35は、車両1と障害物との間の距離、および、車両1の移動方向に基づいて、車両1が障害物と衝突する可能性があるかどうかを判定する。アクティブセーフティシステム35は、衝突の可能性があると判定した場合、制動力が増加するように、統合制御マネージャ31を介してブレーキシステム32に制動指令を出力する。
ボディシステム36は、たとえば、車両1の走行状態または環境等に応じて、方向指示器、ホーン、ワイパー等の部品(いずれも図示せず)を制御するように構成されている。ボディシステム36は、ADS11からVCIB40および統合制御マネージャ31を介して出力される所定の制御要求に従って、上記の各部品を制御する。
VCIB40は、CAN(Controller Area Network)等を通じてADS11と通信可能に構成されている。VCIB40は、信号毎に定義された所定のAPIを実行することにより、ADS11から各種制御要求を受信したり、車両状態をADS11に出力したりする。VCIB40は、ADK202から制御要求を受信すると、その制御要求に対応する制御指令を統合制御マネージャ31を介して、その制御指令に対応するシステムに出力する。また、VCIB40は、ベース車両30の各種情報を各種システムから統合制御マネージャ31を介して取得し、ベース車両30の状態を車両状態としてADS11に出力する。
なお、車両1は、MaaS(Mobility as a Service)システムの構成の一つとして使用され得る。MaaSシステムは、車両1に加えて、たとえば、データサーバと、モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF:Mobility Service Platform)(いずれも図示せず)とを備える。
MSPFとは、様々なモビリティサービスが接続される統一プラットフォームである。MSPFには、自動運転関連のモビリティサービスが接続される。MSPFには、自動運転関連のモビリティサービス以外にも、ライドシェア事業者、カーシェア事業者、レンタカー事業者、タクシー事業者、保険会社等により提供されるモビリティサービスが接続され得る。
車両1は、データサーバと無線通信が可能なDCM(Data Communication Module)(図示せず)をさらに備える。DCMは、たとえば、速度、位置、自動運転状態のような車両情報をデータサーバに出力する。また、DCMは、たとえば、自動運転関連のモビリティサービスにおいて車両1を含む自動運転車両の走行を管理するための各種データを、モビリティサービスからMSPFおよびデータサーバを通じて受信する。
MSPFにおいては、ADS11の開発に必要な車両状態および車両制御の各種データを利用するためのAPIが公開されている。各種モビリティサービスは、MSPF上で公開されたAPIを用いて、MSPFが提供する様々な機能をサービス内容に応じて利用できる。たとえば自動運転関連のモビリティサービスは、MSPF上で公開されたAPIを用いて、車両1の運転制御データ、データサーバに蓄えられた情報等をMSPFから取得できる。また、自動運転関連のモビリティサービスは、上記APIを用いて、車両1を含む自動運転車両を管理するためのデータ等をMSPFへ送信できる。
<詳細構成>
図2は、ADS11、VCIB40およびVP20の構成をより詳細に示す図である。図2に示すように、ADS11は、コンピュータ111と、HMI(Human Machine Interface)112と、認識用センサ113と、姿勢用センサ114と、センサクリーナ115とを含む。
図2は、ADS11、VCIB40およびVP20の構成をより詳細に示す図である。図2に示すように、ADS11は、コンピュータ111と、HMI(Human Machine Interface)112と、認識用センサ113と、姿勢用センサ114と、センサクリーナ115とを含む。
コンピュータ111は、車両1の自動運転時に各種センサ(後述)を用いて車両1の環境、ならびに、車両1の姿勢、挙動および位置を取得するとともに、VP20からVCIB40を経由して車両状態を取得して車両1の次の動作(加速、減速、曲がる等)を設定する。コンピュータ111は、次の動作を実現するための各種指令をVCIB40に出力する。コンピュータ111は、通信モジュール111A,111Bを含む。通信モジュール111A,111Bの各々は、VCIB40と通信可能に構成されている。
HMI112は、自動運転時、ユーザ操作を要する運転時、自動運転とユーザ操作を要する運転との間の移行時などに、ユーザに情報を提示したりユーザ操作を受け付けたりする。HMI112は、たとえば、ベース車両30に設けられたタッチパネルディスプレイ等の入出力装置(図示せず)と接続されるように構成されている。
認識用センサ113は、車両1の環境を認識するためのセンサである。認識用センサ113は、たとえばLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)と、ミリ波レーダと、カメラ(いずれも図示せず)とのうちの少なくとも1つを含む。LIDARは、たとえば赤外パルスのレーザ光を発し、そのレーザ光の対象物からの反射光を検出することによって対象物の距離および方向を計測する。ミリ波レーダは、ミリ波を発し、そのミリ波の対象物からの反射波を検出することによって対象物の距離および方向を計測する。カメラは、たとえばルームミラーの裏側に配置され、車両1の前方の画像を撮影する。
姿勢用センサ114は、車両1の姿勢、挙動、位置を検出するためのセンサである。姿勢用センサ114は、たとえば、IMU(Inertial Measurement Unit)と、GPS(Global Positioning System)(いずれも図示せず)とを含む。IMUは、たとえば、車両1の前後方向、左右方向および上下方向の加速度と、車両1のロール方向、ピッチ方向およびヨー方向の角速度とを検出する。GPSは、地球の軌道上を周回する複数のGPS衛星から受信する情報を用いて車両1の位置を検出する。
センサクリーナ115は、洗浄液、ワイパー等を用いて、車両1の走行中に上記の各種センサ(カメラのレンズ、レーザ光の照射部など)に付着する汚れを除去するように構成される。
VCIB40は、VCIB41と、VCIB42とを含む。VCIB41,42の各々は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶する。VCIB41と通信モジュール111Aとは相互に通信可能に接続されている。VCIB42と通信モジュール111Bとは相互に通信可能に接続されている。さらに、VCIB41とVCIB42とは相互に通信可能に接続されている。
VCIB41,42の各々は、ADS11とVP20との間で制御要求および車両情報を中継する。より具体的には、VCIB41は、APIを用いて、ADS11からの制御要求から制御指令を生成する。制御指令は、たとえば、シフトレンジの切り替えを要求する推進方向指令と、EPBシステム341およびP-Lockシステム342の作動/作動解除を要求する不動指令と、車両1の加速または減速を要求する加速指令と、操舵輪のタイヤ切れ角を要求するタイヤ切れ角指令と、自律(Autonomous)モードとマニュアルモードとの切り替えを要求する自律化指令とを含む。そして、VCIB41は、生成された制御指令を、VP20に含まれる複数のシステムのうちの対応するシステムに出力する。また、VCIB41は、APIを用いて、VP20の各システムからの車両情報から車両状態を示す情報を生成する。車両状態を示す情報は、車両情報と同一の情報であってもよいし、車両情報からADS11で実行される処理に用いられる情報が抽出されたものであってもよい。VCIB41は、生成された車両状態を示す情報をADS11に出力する。VCIB42についても同様である。
ブレーキシステム32は、ブレーキシステム321,322を含む。ステアリングシステム33は、ステアリングシステム331,332を含む。パワートレーンシステム34は、EPBシステム341と、P-Lockシステム342と、推進システム343とを含む。
VCIB41とVCIB42とは基本的には同等の機能を有するが、VCIB41とVCIB42との間では、VP20を含まれるシステムへの接続先が一部異なっている。具体的には、VCIB41と、ブレーキシステム321と、ステアリングシステム331と、EPBシステム341と、P-Lockシステム342と、推進システム343と、ボディシステム36とは、通信バスを介して相互に通信可能に接続されている。VCIB42と、ブレーキシステム322と、ステアリングシステム332と、P-Lockシステム342とは、通信バスを介して相互に通信可能に接続されている。
このように、一部システムの動作(ブレーキ、操舵など)に関して同等の機能を有するVCIB41,42をVCIB40が含むことにより、ADS11とVP20との間の制御系統が冗長化されている。したがって、当該システムに何らかの障害が発生した場合に、適宜、制御系統を切り替えたり障害が発生した制御系統を遮断したりすることによって、VP20の機能を維持できる。
ブレーキシステム321,322の各々は、制動装置を制御可能に構成されている。ブレーキシステム321は、ADS11からVCIB41を介して出力される制御要求に従って、制動装置に対する制動指令を生成する。ブレーキシステム322は、ADS11からVCIB42を介して出力される制御要求に従って、制動装置に対する制動指令を生成する。ブレーキシステム321とブレーキシステム322とは同等の機能を有していてもよい。あるいは、ブレーキシステム321,322のうちの一方は各車輪の制動力を独立して制御可能に構成され、他方は各車輪において同じ制動力が発生するように制御可能に構成されていてもよい。ブレーキシステム321,322は、たとえば、いずれか一方のブレーキシステムにより生成された制動指令を用いて制動装置を制御し、そのブレーキシステムに異常が発生した場合に他方のブレーキシステムにより生成された制動指令を用いて制動装置を制御してもよい。
ステアリングシステム331,332の各々は、車両1の操舵輪の操舵角を操舵装置を用いて制御可能に構成されいてる。ステアリングシステム331は、ADS11からVCIB41を介して出力される制御要求に従って、操舵装置に対する操舵指令を生成する。ステアリングシステム332は、ADS11からVCIB42を介して出力される制御要求に従って、操舵装置に対する操舵指令を生成する。ステアリングシステム331とステアリングシステム332とは同等の機能を有していてもよい。あるいは、ステアリングシステム331,332は、たとえば、いずれか一方のステアリングシステムにより生成された操舵指令を用いて操舵装置を制御し、そのステアリングシステムに異常が発生した場合に他方のステアリングシステムにより生成された操舵指令を用いて操舵装置を制御してもよい。
EPBシステム341は、ADS11からVCIB41を介して出力される制御要求に従ってEPBを制御する。EPBは、制動装置(ディスクブレーキシステムなど)とは別に設けられ、アクチュエータの動作によって車輪を固定する。EPBは、たとえば、複数の車輪のうちの一部に設けられたパーキングブレーキ用のドラムブレーキをアクチュエータを用いて作動させて車輪を固定したり、ブレーキシステム321,322とは別に制動装置に供給される油圧を調整可能なアクチュエータを用いて制動装置を作動させて車輪を固定したりする。EPBシステム341は、ブレーキホールド機能を有し、ブレーキホールドの作動と解除とを切替可能に構成されてもよい。
P-Lockシステム342は、ADS11からVCIB41を介して出力される制御要求に従ってP-Lock装置を制御する。P-Lockシステム342は、たとえば、制御要求がシフトレンジをパーキングレンジ(Pレンジ)にする制御要求を含む場合にP-Lock装置を作動させ、制御要求がシフトレンジをPレンジ以外にする制御要求を含む場合にP-Lock装置の作動を解除する。P-Lock装置は、車両1のトランスミッション内の回転要素に連結して設けられた歯車(ロックギヤ)の歯部に対して、アクチュエータによる位置調整が可能なパーキングロックポールの先端の突起部を嵌合させる。これにより、トランスミッションの出力軸の回転が固定され、車輪が固定される。
推進システム343は、ADS11からVCIB41を介して出力される制御要求に従って、シフト装置のシフトレンジを切り替えたり、駆動源(モータジェネレータ、エンジンなど)からの駆動力を制御したりする。シフトレンジは、Pレンジに加えて、たとえば、ニュートラルレンジ(Nレンジ)と、前進走行レンジ(Dレンジ)と、後進走行レンジ(Rレンジ)とを含む。
アクティブセーフティシステム35は、ブレーキシステム321と通信可能に接続されている。アクティブセーフティシステム35は、前述のとおり、カメラ54および/またはレーダセンサ55を用いて前方の障害物を検出し、衝突の可能性があると判定した場合に制動力が増加するようにブレーキシステム321に制動指令を出力する。
ボディシステム36は、ADS11からVCIB41を介して出力される制御要求に従って、方向指示器、ホーン、ワイパー等の部品を制御する。
車両1においては、たとえば、ADK10からの要求によって後述の自動運転モードが選択された場合に自動運転が実行される。前述したように、ADS11は、自動運転中には、まず走行計画を作成する。走行計画の例としては、たとえば、直進を継続する計画、予め定められた走行経路の途中の所定の交差点で左折/右折する計画、走行車線を変更する計画などが挙げられる。ADS11は、作成された走行計画に従って、車両1が動作するために必要な制御的な物理量(加速度、減速度、タイヤ切れ角など)を算出する。ADS11は、APIの実行周期毎の物理量を分割する。ADS11は、APIを用いて、分割された物理量を表す制御要求をVCIB40に出力する。さらに、ADS11は、VP20から車両状態(車両1の実際の移動方向、車両の固定化の状態など)を取得し、取得された車両状態を反映した走行計画を再作成する。このようにして、ADS11は、車両1の自動運転を可能とする。
<モード遷移>
図3は、車両モードの遷移を示すステートマシンである。この例において、車両1は、車両モードとして、マニュアルモード(Manual Mode)と、自動運転モード(Autonomous Mode)とを有する。
図3は、車両モードの遷移を示すステートマシンである。この例において、車両1は、車両モードとして、マニュアルモード(Manual Mode)と、自動運転モード(Autonomous Mode)とを有する。
マニュアルモードとは、自動運転に非対応の車両と同様のモード、すなわち、VP20が運転者の制御下にあるモードである。マニュアルモードにおいては、ADK10は、一部の要求を除き、基本的にはVP20を制御することができない。
自動運転モードとは、VP20がADK10の制御下にあり、車両1の自動運転が可能なモードである。自動運転モードにおいては、ADK10は、VCIB40によるADK10の認証が成功した後に、VP20との通信が可能となる。自動運転モードにおいて、VP20は、ADK10から車両モード要求(後述)として「自律性の要求(Request for Autonomy)」が発行された結果として、ADK10の制御下にある。
マニュアルモードにおいては、電源モード状態(Power mode status)は、「ウェイクモード(Wake)」または「ドライブモード(Drive)」である。車両モード状態(Vehicle mode state)は、「マニュアルモード」である。
自動運転モードにおいては、電源モード状態は、「ドライブモード」である。車両モード状態は、「自動運転モード」である。
図4は、モード間の遷移に関連する各種信号または指令(要求)の伝送方向を示す図である。モード遷移に際し、VCIB40は、電源モード要求(Power mode command)および車両モード要求(Vehicle Mode Command)をADK10(ADS11)から受ける。また、VCIB40は、電源モード状態信号、車両モード状態信号および自動化準備信号(Readiness for autonomization)をADK10に出力する。
電源モード要求は、VP20の電源モードを制御するための要求である。電源モード状態信号は、VP20の現在の電源モードの状態を示す信号である。
図5は、電源モード要求を説明するための図である。図5を参照して、この車両1では、所定のAPIに従ってADS11からVCIB40へ電源モード要求を送信することにより、ADS11からVP20の電源モードを制御することができる。
本実施の形態に係るVP20は、電源モードとして、スリープモード(Sleep)と、ウェイクモード(Wake)と、ドライブモード(Drive)との3つの電源モードを有する。
スリープモード(Sleep)は、VP20の電源がオフである状態(車両電源がオフの状態)である。スリープモードでは、車載の主機バッテリ(図示せず)から各システムへの給電はなく、VCIB40(VCIB41,42)およびベース車両30の各システム(ECU)は起動していない。
ウェイクモード(Wake)は、車載の補機バッテリ(図示せず)からの給電によってVCIB40が起動している状態である。ウェイクモードでは、主機バッテリからの給電はなく、ボディシステム36の一部のボディ系ECU(例えば、スマートキーの照合等を行なう照合ECUや、ドアのロック/アンロック等を制御するボディECU等)を除いて、VCIB40以外のECUは起動していない。
ドライブモード(Drive)は、VP20の電源がオンである状態(車両電源がオンの状態)である。ドライブモードでは、主機バッテリからの給電が行なわれ、VCIB40およびベース車両30の各システムが起動し、VP20は、走行可能な状態となる。
電源モード要求は、引数に値0~6のいずれかをとり得る。値0は、ADS11からVP40の電源モードの要求を行なわない場合に設定される。値0が設定された電源モード要求をVCIB40が受信した場合、VP20は、そのときの電源モードを維持する。
値1は、ADS11からスリープモード(Sleep)を要求する場合に設定される。すなわち、値1が設定された電源モード要求は、VP20の停止を要求する。値1が設定された電源モード要求をVCIB40が受信すると、VP20の電源モードがスリープモードに遷移し、VP20は電源がオフの状態となる。
値2は、ADS11からウェイクモード(Wake)を要求する場合に設定される。すなわち、値2が設定された電源モード要求は、VCIB40の起動を要求する。値2が設定された電源モード要求をVCIB40が受信すると、VP20の電源モードがウェイクモードに遷移し、補機バッテリから給電を受けてVCIB40が起動する。
値3~5は、将来の拡張のために予約された値である。値3~5は、本実施の形態では未使用である。
値6は、ADS11からドライブモード(Drive)を要求する場合に設定される。すなわち、値6が設定された電源モード要求は、VP20の起動を要求する。値6が設定された電源モード要求をVCIB40が受信すると、VP20の電源モードがドライブモードに遷移し、VP20は電源がオンの状態となる。
図6は、電源モード状態信号を説明するための図である。図6を参照して、この車両1では、所定のAPIに従ってVCIB40からADS11へ電源モードの状態を示す信号を送信することにより、VP20の電源モードの状態がADS11に通知される。
ADS11へ送信される電源モード状態信号は、引数に値0~7のいずれかをとり得る。値0,3~5は、現時点では未使用であり、予備である。
値1は、電源モードがスリープモード(Sleep)である場合に設定される。値2は、電源モードがウェイクモード(Wake)である場合に設定される。値6は、電源モードがドライブモード(Drive)である場合に設定される。値7は、VP20の電源において何らかの不健全な状況が生じている場合に設定される。
図7は、車両モード要求を説明するための図である。図7を参照して、この車両1では、所定のAPIに従ってADS11からVCIB40へ車両モード要求を送信することにより、ADS11からVP20の車両モードを制御することができる。
上述のとおり、本実施の形態に係るVP20は、車両モードとして、マニュアルモードと、自動運転モードとの2つの車両モードを有する。
車両モード要求は、引数に値0~2のいずれかをとり得る。値0は、ADS11からVP40の車両モードの要求を行なわない場合に設定される。値0が設定された車両モード要求をVCIB40が受信した場合には、そのときの車両モードが維持される。
値1は、ADS11から自動運転モードを要求する場合に設定される(自律性の要求:Request For Autonomy)。すなわち、値1が設定された車両モード要求(自律性の要求:Request For Autonomy)は、車両モードのマニュアルモードから自動運転モードへの移行を要求する。
値2は、ADS11からマニュアルモードを要求する場合に設定される(非アクティブ化の要求:Deactivation Request)。すなわち、値2が設定された車両モード要求(非アクティブ化の要求:Deactivation Request)は、車両モードの自動運転モードからマニュアルモードへの移行を要求する。
図8は、車両モード状態信号を説明するための図である。この車両1では、所定のAPIに従ってVCIB40からADS11へ車両モードの状態を示す信号を送信することにより、VP20の車両モードの状態がADS11に通知される。
車両モード状態信号は、引数に値0,1のいずれかをとり得る。値0は、車両モードがマニュアルモードである場合に設定される。値1は、車両モードが自動運転モードである場合に設定される。なお、VP20の起動時(電源モード状態がウェイクまたはドライブ)には、車両モードは、マニュアルモードから始まる。すなわち、車両モードの初期状態は「マニュアルモード」に設定されている。
図9は、自動化準備信号を説明するための図である。この車両1では、所定のAPIに従ってVCIB40からADS11へ、VP20の自動化の準備状態を示す信号を送信することにより、VP20の自動運転モードへの移行可否がADS11に通知される。
自動化準備信号は、引数に値0~2のいずれかをとり得る。値0は、自動運転モードの準備ができていない場合に設定される(自動運転モードの準備未完了:Not Ready For Autonomous Mode)。値1は、自動運転モードの準備ができている場合に設定される(自動運転モードの準備完了:Ready For Autonomous Mode)。値2は、状態がまだ決定されていない場合に設定される。値2は、無効な値(Invalid)を意味する。
<<遷移a>>
再び図3を参照して、モード間の遷移について詳細に説明する。遷移aは、マニュアルモードから自動運転モードへの遷移を示す。マニュアルモードにおいて、第1条件が成立した場合に、車両モードがマニュアルモードから自動運転モードに遷移する。第1条件は、以下の(1)~(4)の条件を含む。第1条件は、以下の(1)~(4)の条件が全て成立した場合に成立する。第1条件は、以下の(1)~(4)の条件のいずれかが成立していない場合には、成立しない。
再び図3を参照して、モード間の遷移について詳細に説明する。遷移aは、マニュアルモードから自動運転モードへの遷移を示す。マニュアルモードにおいて、第1条件が成立した場合に、車両モードがマニュアルモードから自動運転モードに遷移する。第1条件は、以下の(1)~(4)の条件を含む。第1条件は、以下の(1)~(4)の条件が全て成立した場合に成立する。第1条件は、以下の(1)~(4)の条件のいずれかが成立していない場合には、成立しない。
(1)VCIB40によりADK10が認証されたという条件。
(2)電源モード状態信号が「ドライブモード(Drive)」であるという条件。
(3)自動化準備信号が「自動運転モードの準備完了(Ready For Autonomous Mode)」であるという条件。
(4)車両モード要求が「自律性の要求(Request For Autonomy)」であるという条件。
<<遷移b>>
遷移bは、自動運転モードからマニュアルモードへの遷移を示す。自動運転モードにおいて、車両モード要求が「非アクティブ化の要求(Deactivation Request)」であるという第2条件が成立した場合に、車両モードが自動運転モードからマニュアルモードに遷移する。
遷移bは、自動運転モードからマニュアルモードへの遷移を示す。自動運転モードにおいて、車両モード要求が「非アクティブ化の要求(Deactivation Request)」であるという第2条件が成立した場合に、車両モードが自動運転モードからマニュアルモードに遷移する。
図10は、車両モードの遷移に関する処理の手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、電源モードがスリープモードからウェイクモードまたはドライブモードになった際に、VCIB40により開始される。図10のフローチャートは、すなわち、VCIB40の起動とともに開始される。
S1において、VCIB40は、車両モードをマニュアルモードに設定する。すなわち、車両モードの初期状態は「マニュアルモード」に設定される。
S2において、VCIB40は、電源モードのスリープモードへの移行が要求されたか否かを判断する。VCIB40は、電源モードのスリープモードへの移行が要求されていないと判断した場合(S2においてNO)、処理をS3に進める。VCIB40は、電源モードのスリープモードへの移行が要求されたと判断した場合(S2においてYES)、この一連の処理を終了させる。
S3において、VCIB40は、第1条件が成立したか否かを判断する。具体的には、VCIB40は、第1条件に含まれる上述の(1)~(4)の条件の成否を判断する。VCIB40は、第1条件が成立していないと判断すると(S3においてNO)、処理をS1に戻し、車両モードをマニュアルモードに維持する。VCIB40は、第1条件が成立したと判断すると(S3においてYES)、処理をS4に進める。
S4において、VCIB40は、車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移(移行)させる。
S5において、VCIB40は、電源モードのスリープモードへの移行が要求されたか否かを判断する。VCIB40は、電源モードのスリープモードへの移行が要求されていないと判断した場合(S5においてNO)、処理をS6に進める。VCIB40は、電源モードのスリープモードへの移行が要求されたと判断した場合(S5においてYES)、この一連の処理を終了させる。
S6において、VCIB40は、第2条件が成立したか否かを判断する。VCIB40は、第2条件が成立していないと判断すると(S6においてNO)、処理をS4に戻し、車両モードを自動運転モードに維持する。VCIB40は、第2条件が成立したと判断すると(S6においてYES)、処理をS1に戻し車両モードを自動運転モードからマニュアルモードに遷移(移行)させる。
以上のように、本実施の形態においては、VCIB40は、ADK10を認証した後に、電源モード状態信号が「ドライブモード(Drive)」であり、かつ、自動化準備信号が「自動運転モードの準備完了(Ready For Autonomous Mode)」であり、かつ、車両モード要求が「自律性の要求(Request For Autonomy)」である場合に、車両モードをマニュアルモードから自動運転モードに遷移(移行)させる。上記の条件(第1条件)の成立により、VP20が自動運転モードへの対応が可能な状態であることを担保することができる。よって、VP20が自動運転モードへの対応が可能な状態において、車両モードがマニュアルモードから自動運転モードに移行される。それゆえに、車両モードのマニュアルモードから自動運転モードへの移行を適切に行なうことができる。
また、VCIB40は、車両モード要求が「非アクティブ化の要求(Deactivation Request)」である場合に、車両モードを自動運転モードからマニュアルモードに遷移(移行)させる。車両モードの自動運転モードからマニュアルモードへの移行条件をシンプルにすることにより、ADS11の実装の難易度を下げることが可能になる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 自動運転キット(ADK)、11 自動運転システム(ADS)、111 コンピュータ、111A,111B 通信モジュール、113 認識用センサ、114 姿勢用センサ、115 センサクリーナ、20 車両プラットフォーム(VP)、30 ベース車両、31 統合制御マネージャ、32,321,322 ブレーキシステム、33,331,332 ステアリングシステム、34 パワートレーンシステム、341 EPB、342 P-Lockシステム、343 推進システム、35 アクティブセーフティシステム、36 ボディシステム、40~42 車両制御インターフェースボックス(VCIB)、51,52 車輪速センサ、53 ピニオン角センサ、54 カメラ、55,56 レーダセンサ。
Claims (12)
- 自動運転システムを搭載可能に構成された車両プラットフォームであって、
車両と、
前記車両と前記自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスとを備え、
前記車両プラットフォームは、
車両モードとして、前記車両の運転者の制御下にあるマニュアルモードと、前記自動運転システムの制御下にある自動運転モードとを含み、
電源モードとして、車両電源がオフの状態であるスリープモードと、前記車両制御インターフェースボックスが起動している状態であるウェイクモードと、前記車両電源がオンの状態であるドライブモードとを含み、
前記車両制御インターフェースボックスは、前記車両モードの制御を要求する車両モード要求を前記自動運転システムから受信可能に構成されるとともに、前記車両プラットフォームの前記自動運転モードの準備可否を示す自動化準備信号を前記自動運転システムに出力するように構成され、
前記車両制御インターフェースボックスは、前記自動運転システムの認証後、前記自動運転モードを要求する前記車両モード要求を受信し、かつ、前記電源モードが前記ドライブモードであり、かつ、前記自動化準備信号が前記自動運転モードの準備完了を示す場合、前記車両モードを前記マニュアルモードから前記自動運転モードに遷移させる、車両プラットフォーム。 - 前記車両制御インターフェースボックスは、前記電源モードを前記スリープモードから前記ウェイクモードまたは前記ドライブモードに遷移させた場合における前記車両モードを、前記マニュアルモードに設定する、請求項1に記載の車両プラットフォーム。
- 前記車両制御インターフェースボックスは、前記車両モードが前記自動運転モードである場合において、前記自動運転システムから前記自動運転モードの解除を要求する前記車両モード要求を受信すると、前記車両モードを前記自動運転モードから前記マニュアルモードに遷移させる、請求項1または請求項2に記載の車両プラットフォーム。
- 車両プラットフォームに搭載可能に構成された自動運転システムであって、
前記車両プラットフォームは、
車両と、
前記車両と前記自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスとを含み、
前記車両プラットフォームは、
車両モードとして、前記車両の運転者の制御下にあるマニュアルモードと、前記自動運転システムの制御下にある自動運転モードとを含み、
電源モードとして、車両電源がオフの状態であるスリープモードと、前記車両制御インターフェースボックスが起動している状態であるウェイクモードと、前記車両電源がオンの状態であるドライブモードとを含み、
前記自動運転システムは、
コンピュータと、
前記車両制御インターフェースボックスとの通信を行なう通信モジュールとを備え、
前記コンピュータは、前記通信モジュールを通じて、前記車両モードの制御を要求する車両モード要求を前記車両制御インターフェースボックスへ送信するように構成され、
前記コンピュータは、前記車両制御インターフェースボックスにより前記自動運転システムが認証された後に、前記車両モードを前記マニュアルモードから前記自動運転モードに遷移させる場合、前記自動運転モードを要求する前記車両モード要求を前記車両制御インターフェースボックスへ送信する、自動運転システム。 - 前記コンピュータは、さらに、前記通信モジュールを通じて、前記電源モードの制御を要求する電源モード要求を前記車両制御インターフェースボックスへ送信するように構成され、
前記コンピュータは、前記車両モードを前記マニュアルモードから前記自動運転モードに遷移させる場合、前記自動運転モードを要求する前記車両モード要求に加えて、前記ドライブモードを要求する前記電源モードを前記車両制御インターフェースボックスへ送信する、請求項4に記載の自動運転システム。 - 前記コンピュータは、前記車両プラットフォームを起動させる場合、前記ウェイクモードを要求する前記電源モードを前記車両制御インターフェースボックスへ送信する、請求項5に記載の自動運転システム。
- 前記コンピュータは、前記車両モードを前記自動運転モードから前記マニュアルモードに遷移させる場合、前記自動運転モードの解除を要求する前記車両モード要求を前記車両制御インターフェースボックスへ送信する、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の自動運転システム。
- 前記コンピュータは、前記通信モジュールを通じて、前記車両プラットフォームの前記自動運転モードの準備可否を示す自動化準備信号を前記車両制御インターフェースボックスから受信する、請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の自動運転システム。
- 車両プラットフォームと前記車両プラットフォームに搭載される自動運転システムとの間のインターフェースを行なう車両制御インターフェースボックスであって、
前記車両プラットフォームは、
車両モードとして、前記車両プラットフォームの運転者の制御下にあるマニュアルモードと、前記自動運転システムの制御下にある自動運転モードとを含み、
電源モードとして、車両電源がオフの状態であるスリープモードと、前記車両制御インターフェースボックスが起動している状態であるウェイクモードと、前記車両電源がオンの状態であるドライブモードとを含み、
前記車両制御インターフェースボックスは、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能なプログラムを記憶するメモリとを備え、
前記プロセッサは、
前記車両モードの制御を要求する車両モード要求を前記自動運転システムから受信可能に構成され、
前記車両プラットフォームの前記自動運転モードの準備可否を示す自動化準備信号を前記自動運転システムに出力するように構成される、車両制御インターフェースボックス。 - 前記プロセッサは、さらに、前記電源モードの制御を要求する電源モード要求を前記自動運転システムから受信可能に構成され、
前記車両モードを前記マニュアルモードから前記自動運転モードに遷移させるに場合に、前記プロセッサは、
前記自動運転システムを認証し、
前記自動運転モードを要求する前記車両モード要求、および、前記ドライブモードを要求する前記電源モードを前記自動運転システムから受信し、
前記自動運転モードの準備完了を示す前記自動化準備信号を前記自動運転システムに出力する、請求項9に記載の車両制御インターフェースボックス。 - 前記プロセッサは、さらに、前記車両プラットフォームの前記電源モードの状態を示す電源モード状態信号を前記自動運転システムに出力するように構成され、
前記車両モードを前記マニュアルモードから前記自動運転モードに遷移させるに場合に、前記プロセッサは、
前記自動運転システムを認証し、
前記自動運転モードを要求する前記車両モード要求を前記自動運転システムから受信し、
前記自動運転モードの準備完了を示す前記自動化準備信号、および、前記ドライブモードを示す前記電源モード状態信号を前記自動運転システムに出力する、請求項9に記載の車両制御インターフェースボックス。 - 前記車両モードを前記自動運転モードから前記マニュアルモードに遷移させる場合に、前記プロセッサは、前記自動運転システムから、前記自動運転モードの解除を要求する前記車両モード要求を受信する、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の車両制御インターフェースボックス。
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