JP2023047562A - トナー、トナーカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

トナー、トナーカートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性に優れ、再利用される場合でも高温環境下の保存性に優れ、帯電量が充分に維持されるトナー;前記トナーが収容されたトナーカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。【解決手段】実施形態のトナーはトナー母粒子と外添剤とを持つ。トナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂と特定のエステルワックスを含む。外添剤はD50が10~14nmのシリカAとD50が90~150nmの単分散したシリカBとを含む。下記条件が満足される。シリカAの含有量:トナー母粒子100質量部に対して0.1~0.8質量部。シリカBの含有量:トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部。比(シリカBの含有量/シリカAの含有量):1.0~5.0。シリカAの残存率X:70%以上。シリカBの残存率Y:30%以上。比(残存率X/残存率Y):1.0~3.0。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、トナー、トナーカートリッジ、画像形成装置に関する。
結晶性ポリエステル樹脂を含むトナーが知られている(例えば、特許文献1)。結晶性ポリエステル樹脂を含む低温定着トナーは、低温定着性に優れる。
しかし、低温定着トナーを採用した画像形成装置を高温環境下で動作させると、以下の問題が発生する。
・画像形成装置の機体内の温度上昇に伴い、低温定着トナーを含む現像剤がケーキングする。結果、現像装置内の搬送部にケーキング化した現像剤が詰ることで画像不良が起きる。
・結晶性ポリエステル樹脂は吸湿性が高いため、トナーの帯電量が低下してトナー飛散が悪化する。結果、機体内のトナー汚染が発生する。
したがって、低温定着トナーにおいては、低温定着性を維持したまま、高温環境下で保存性、帯電量を維持することが非常に難しい。特にリサイクルシステムを持つ画像形成装置では、表面から外添材が離脱したトナーが現像装置に戻って再利用されることがある。そのため、より顕著にケーキングや帯電量の低下が起きやすい。
特許第3693327号公報
本発明が解決しようとする課題は、低温定着性に優れ、再利用される場合でも高温環境下の保存性に優れ、帯電量が充分に維持されるトナー;前記トナーが収容されたトナーカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
実施形態のトナーは、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤と、を持つ。
トナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂とエステルワックスと着色剤とを含む。
外添剤は、シリカAと、単分散したシリカBとを含む。シリカAは、平均一次粒子径D50が10~14nmである。単分散したシリカBは、平均一次粒子径D50が90~150nmである。
エステルワックスは、第1のモノマー群と第2のモノマー群との縮合重合物である。第1のモノマー群は少なくとも3種類以上のカルボン酸からなる。第2のモノマー群は少なくとも3種類以上のアルコールからなる。
第1のモノマー群中の炭素数18以下のカルボン酸の割合は、第1のモノマー群100質量%に対して5質量%以下である。第2のモノマー群中の炭素数18以下のアルコールの割合は、第2のモノマー群100質量%に対して20質量%以下である。
第1のモノマー群中の最大含有量である炭素数Cのカルボン酸の割合は、第1のモノマー群100質量%に対して70~95質量%である。第2のモノマー群中の最大含有量である炭素数Cのアルコールの割合は、第2のモノマー群100質量%に対して70~90質量%である。
シリカAの含有量は、トナー母粒子100質量部に対して0.1~0.8質量部である。
シリカBの含有量は、トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部である。
シリカAの含有量に対するシリカBの含有量の比は、1.0~5.0である。
下式(1)で算出されるシリカAの残存率Xは、70%以上である。
下式(2)で算出されるシリカBの残存率Yは、30%以上である。
残存率Yに対する残存率Xの比は、1.0~3.0である。
残存率X=(Na2/Na1)×100 ・・・式(1)
残存率Y=(Nb2/Nb1)×100 ・・・式(2)
式(1)中、Na1は、実施形態のトナーについて測定されるシリカAの付着個数であり;Na2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカAの付着個数である。
式(2)中、Nb1は、実施形態のトナーについて測定されるシリカBの付着個数であり;Nb2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカBの付着個数である。
方法Z:実施形態のトナーと水と界面活性剤とを含む水性液体を、20℃、1000Hz、10分間の条件下で超音波処理し、次いで20℃、1000rpm、15分間の条件下で遠心分離し、分離した外添剤を取り除き、その後乾燥して得られる粒子を粒子zとする。
実施形態の画像形成装置の概略構造の一例を示す図である。 図1の画像形成装置の現像装置の斜視図である。 図1の画像形成装置の現像装置の側面図である。 他の実施形態の画像形成装置の概略構造の一例を示す図である。 図4の画像形成装置の現像装置の変形例の斜視図である。
以下、実施形態のトナーについて説明する。
実施形態のトナーは、トナー母粒子と、外添剤とを有する。
トナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂とエステルワックスと着色剤とを含む。
外添剤は、シリカAと、単分散したシリカBとを含む。シリカAの平均一次粒子径D50は10~14nmである。単分散したシリカBの平均一次粒子径D50は90~150nmである。
結晶性ポリエステル樹脂について説明する。
結晶性ポリエステル樹脂は、バインダー樹脂として機能する。実施形態においては、軟化温度と融解温度との比(軟化温度/融解温度)が0.8~1.2であるポリエステル樹脂を「結晶性ポリエステル樹脂」とする。
また、軟化温度と融解温度との比(軟化温度/融解温度)が0.8未満であるか、1.2超であるポリエステル樹脂を「非結晶性ポリエステル樹脂」とする。
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、2価以上のアルコールと2価以上のカルボン酸との縮合重合物が挙げられる。
2価以上のアルコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン、グリセリン、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。2価以上のアルコールとしては、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
2価以上のカルボン酸としては、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、アルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸;これらの酸無水物;これらのエステル等が挙げられる。
アルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸としては、炭素数2~20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸が挙げられる。例えば、n-ドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸等が挙げられる。2価以上のカルボン酸としては、フマル酸が好ましい。
ただし、結晶性ポリエステル樹脂はここで例示した2価以上のアルコールと2価以上のカルボン酸との縮合重合物に限定されない。また、結晶性ポリエステル樹脂は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分子量は、6×10~18×10が好ましく、8×10~14×10がより好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分子量が前記下限値以上であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分子量が前記上限値以下であると、トナーが耐オフセット性にも優れる。
本明細書において質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、60~120℃が好ましく、70~115℃がより好ましく、80~110℃がさらに好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の融点が前記下限値以上であると、トナーが耐熱性にさらに優れる。結晶性ポリエステル樹脂の融点が前記上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、例えば、示差走査熱量計(DSC)により測定できる。
トナー母粒子は実施形態に開示の効果が得られる範囲内であれば、結晶性ポリエステル樹脂以外の他のバインダー樹脂をさらに含んでもよい。
他のバインダー樹脂としては、例えば、非結晶性ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、マレイン酸系樹脂等が挙げられる。なかでも、非結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
ただし、他のバインダー樹脂は、これらの例示に限定されない。また、他のバインダー樹脂は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
非結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、2価以上のカルボン酸と2価のアルコールとの縮合重合物が挙げられる。
2価以上のカルボン酸としては、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸の酸無水物、2価以上のカルボン酸のエステル等が挙げられる。2価以上のカルボン酸のエステルとしては、2価以上のカルボン酸の低級アルキル(炭素数1~12)エステルが挙げられる。
2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。ただし、2価のアルコールはこれらの例示に限定されない。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、ビスフェノールAに、炭素数2~3のアルキレンオキシドを平均1~10モル付加した化合物が挙げられる。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
2価のアルコールとしては、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物が好ましい。2価のアルコールは、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
非結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分子量は、6×10~18×10が好ましく、8×10~14×10がより好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分子量が前記下限値以上であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。また、非結晶性ポリエステル樹脂の質量平均分子量が前記上限値以下であると、トナーが耐オフセット性にも優れる。
非結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、60~120℃が好ましく、70~115℃がより好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂の融解温度が前記数値範囲の下限値以上であると、トナーが定着時にローラに付着しにくい。結果、高温での耐オフセット性が優れる。また、トナーが耐熱性にさらに優れる。非結晶性ポリエステル樹脂の融解温度が前記数値範囲の上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。
非結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、例えば、定試験力押出形細管式レオメータ(フローテスタ)により測定できる。
他のバインダー樹脂は、例えば、ビニル重合性単量体を単独で又は複数種で重合することにより得られる。
ビニル重合性単量体としては、例えば、芳香族系ビニル単量体、エステル系単量体、カルボン酸含有単量体、アミン系単量体が挙げられる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、クロロスチレン、これらの誘導体が挙げられる。
エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、これらの誘導体が挙げられる。
カルボン酸含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、これらの誘導体が挙げられる。
アミン系単量体としては、例えば、アミノアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、これらの誘導体が挙げられる。
他のバインダー樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分とからなる重合性単量体成分の重縮合によって得てもよい。重合性単量体成分の重合に際しては、連鎖移動剤、架橋剤、重合開始剤、界面活性剤、凝集剤、pH調整剤、消泡剤等の種々の助剤を用いてもよい。
エステルワックスについて説明する。
エステルワックスは、炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物からなる。トナー母粒子がエステルワックスを含むため、トナーは耐熱性に優れる。
エステルワックスは、第1のモノマー群と第2のモノマー群との縮合重合物である。
第1のモノマー群について説明する。
第1のモノマー群は、少なくとも3種類以上のカルボン酸からなる。そのため、トナーが凝集しにくく、耐熱性に優れる。第1のモノマー群のカルボン酸の種類数は、エステルワックスの入手が容易である点から、7種類以下が好ましく、5種類以下がより好ましい。
最大含有量である炭素数Cのカルボン酸の割合は、第1のモノマー群100質量%に対して70~95質量%であり、80~95質量%が好ましく、85~95質量%がより好ましい。炭素数Cのカルボン酸の割合が前記下限値以上であるため、エステルワックスの炭素数分布の極大ピークが充分に高炭素数側に位置する。その結果、トナーが流動性(現像剤の搬送性)に優れる。
炭素数Cのカルボン酸の割合が前記上限値以下であるため、低温での耐オフセット性が優れる。また、エステルワックスの入手が容易である。
第1のモノマー群中の炭素数18以下のカルボン酸の割合は、第1のモノマー群100質量%に対して5質量%以下であり、0~5質量%が好ましく、0~1質量%がより好ましい。炭素数18以下のカルボン酸の割合が前記下限値以上であると、エステルワックスの入手が容易である。
炭素数18以下のカルボン酸の割合が前記上限値以下であるため、低温での耐オフセット性が優れる。
第1のモノマー群における各炭素数のカルボン酸の含有量は、例えば、エステルワックスをメタノリシス反応後の生成物についてFD-MS(Field Desorption Mass Spectrometry)による質量分析を行うことで測定できる。FD-MSによる測定で得られる生成物中の各炭素数のカルボン酸のイオン強度の合計を100とする。前記合計に対する各炭素数のカルボン酸のイオン強度の相対値を算出する。この相対値を、第1のモノマー群中の各炭素数のカルボン酸の含有量とする。また、この相対値が最大である炭素数のカルボン酸における炭素数をCとする。
第1のモノマー群におけるカルボン酸としては、エステルワックスの入手が容易である点から長鎖カルボン酸が好ましく、長鎖アルキルカルボン酸が好ましい。長鎖カルボン酸は、エステルワックスが所定の要件を満たすように適宜選択される。
長鎖カルボン酸としては、炭素数19~28の長鎖カルボン酸が好ましく、炭素数20~24の長鎖カルボン酸がより好ましい。長鎖カルボン酸の炭素数が前記下限値以上であると、トナーが耐熱性にさらに優れる。長鎖カルボン酸の炭素数が前記上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。
長鎖アルキルカルボン酸として、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキデン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸等が挙げられる。
第2のモノマー群について説明する。
第2のモノマー群は、少なくとも3種類以上のアルコールからなる。そのため、トナーが凝集しにくく、耐熱性に優れる。第2のモノマー群のアルコールの種類数は、エステルワックスの入手が容易である点から、5種類以下が好ましい。
最大含有量である炭素数Cのアルコールの割合は、第2のモノマー群100質量%に対して70~90質量%であり、80~90質量%が好ましく、85~90質量%がより好ましい。炭素数Cのアルコールの割合が前記下限値以上であるため、エステルワックスの炭素数分布の極大ピークが充分に高炭素数側に位置する。その結果、トナーが流動性(現像剤の搬送性)に優れる。
炭素数Cのアルコールの割合が前記上限値以下であるため、低温での耐オフセット性が優れる。また、エステルワックスの入手が容易である。
第2のモノマー群中の炭素数18以下のアルコールの割合は、第2のモノマー群100質量%に対して20質量%以下であり、10~20質量%が好ましく、15~20質量%がより好ましい。炭素数18以下のアルコールの割合が前記下限値以上であると、エステルワックスの入手が容易となる。
炭素数18以下のアルコールの割合が前記上限値以下であるため、低温での耐オフセット性が優れる。
第2のモノマー群における各炭素数のアルコールの含有量は、例えば、エステルワックスをメタノリシス反応後の生成物についてFD-MSによる質量分析を行うことで測定できる。FD-MSによる測定で得られる生成物中の各炭素数のアルコールのイオン強度の合計を100とする。前記合計に対する各炭素数のアルコールのイオン強度の相対値を算出する。この相対値を、第2のモノマー群中の各炭素数のアルコールの含有量とする。また、この相対値が最大である炭素数のアルコールにおける炭素数をCとする。
第2のモノマー群におけるアルコールとしては、エステルワックスの入手が容易である点から長鎖アルコールが好ましく、長鎖アルキルアルコールがより好ましい。長鎖アルコールは、エステルワックスが所定の要件を満たすように適宜選択される。長鎖アルコールとしては、炭素数19~28の長鎖アルコールが好ましく、炭素数20~22の長鎖アルコールがより好ましい。長鎖アルコールの炭素数が前記下限値以上であると、エステルワックスの耐熱性が向上し、トナーが耐熱性にさらに優れる。長鎖アルコールの炭素数が前記上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。
長鎖アルキルアルコールとしては、例えば、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキデルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、モンタニルアルコールが挙げられる。
エステルワックスにおける各炭素数のエステル化合物の含有量は、例えば、FD-MSによる質量分析により測定できる。FD-MSによる測定で得られるエステルワックス中の各炭素数のエステル化合物のイオン強度の合計を100とする。前記合計に対する各炭素数のエステル化合物のイオン強度の相対値を算出する。この相対値を、エステルワックス中の各炭素数のエステル化合物の含有量とする。また、この相対値が最大である炭素数のエステル化合物における炭素数をCとする。
エステルワックスの調製方法について説明する。
エステルワックスは、例えば、長鎖カルボン酸と長鎖アルコールとをエステル化反応させることで調製できる。エステル化反応においては、所定の要件を満たすエステルワックスが得られやすい点から、少なくとも3種類以上の長鎖アルキルカルボン酸と少なくとも3種類以上の長鎖アルキルアルコールを使用することが好ましい。少なくとも3種類の長鎖アルキルカルボン酸、少なくとも3種類の長鎖アルキルアルコールのそれぞれの使用量を調整すると、エステルワックスに含まれるエステル化合物の炭素数分布を調整できる。エステル化反応は、窒素気流下で加熱しながら行うと好ましい。
エステル化反応物は、エタノール、トルエン等を含む溶媒により溶解し、さらに、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液を添加し、有機層と水層に分離して精製されてもよい。水層を除去することで、エステルワックスを得ることができる。精製操作は、複数回繰り返すことが好ましい。
着色剤について説明する。
着色剤は特に限定されない。例えば、カーボンブラック、シアン、イエロー、マゼンタ系の顔料、染料等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、アニリンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
顔料、染料としては、例えば、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、キノリンイエロー、インドファストオレンジ、イルガジンレッド、カーミンFB、パーマネントボルドーFRR、ピグメントオレンジR、リソールレッド2G、レーキレッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、デュポンオイルレッド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、ウルトラマリンブルー、ブリリアントグリーンB、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、メチレンブルークロライド、ローズベンガル、キナクリドン等が挙げられる。
着色剤としては、カラーインデックスナンバーによる表記で、例えば、C.I.ピグメントブラック1、6、7、C.I.ピグメントイエロー1、12、14、17、34、74、83、97、155、180、185、C.I.ピグメントオレンジ48、49、C.I.ピグメントレッド5、12、31、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、81、81:4、122、146、150、177、185、202、206、207、209、238、269、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、75、76、79、C.I.ピグメントグリーン1、7、8、36、42、58、C.I.ピグメントバイオレット1、19、42、C.I.アシッドレッド52等が挙げられる。ただし、着色剤はこれらの例示に限定されない。
着色剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
トナー母粒子は、実施形態に開示の効果が得られる範囲内であれば、バインダー樹脂、エステルワックス、着色剤以外の他の成分をさらに含んでもよい。
他の成分としては、荷電制御剤、界面活性剤、塩基性化合物、凝集剤、pH調整剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。ただし、添加剤は、これらの例示に限定されない。また、添加剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
荷電制御剤について説明する。
トナー母粒子が荷電制御剤を含む場合、トナーが紙等の記録媒体上に転写されやすくなる。荷電制御剤としては、含金属アゾ化合物、含金属サリチル酸誘導体化合物、金属酸化物疎水化処理物、ポリサッカライドの包接化合物等が挙げられる。含金属アゾ化合物としては、金属が鉄、コバルトもしくはクロムである錯体又は錯塩、これらの混合物が好ましい。含金属サリチル酸誘導体化合物、金属酸化物疎水化処理物としては、金属がジルコニウム、亜鉛、クロムもしくはボロンの錯体又は錯塩、これらの混合物が好ましい。ポリサッカライドの包接化合物としては、アルミニウム(Al)とマグネシウム(Mg)を含むポリサッカライドの包接化合物が好ましい。
トナー母粒子の組成について説明する。
結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、トナー母粒子100質量%に対して5~25質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の含有量が前記下限値以上であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。また、結晶性ポリエステル樹脂の含有量が前記上限値以下であると、トナーが耐オフセット性に優れる。
エステルワックスの含有量は、トナー母粒子100質量%に対して3~15質量%が好ましく、3~13質量%がより好ましく、5~10質量%がさらに好ましい。エステルワックスの含有量が前記下限値以上であると、トナーが耐熱性にさらに優れる。エステルワックスの含有量が前記上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。また、帯電量が充分に維持されやすい。
トナー母粒子が非結晶性ポリエステル樹脂を含む場合、非結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、トナー母粒子100質量%に対して60~90質量%が好ましく、65~85質量%がより好ましく、70~80質量%がさらに好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂の含有量が前記下限値以上であると、トナーが耐オフセット性に優れる。また、非結晶性ポリエステル樹脂の含有量が前記上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。
着色剤の含有量は、トナー母粒子100質量%に対して2~13質量%が好ましく、3~8質量%がより好ましい。着色剤の含有量が前記下限値以上であると、トナーが色再現性に優れる。また、着色剤の含有量が前記上限値以下であると、着色剤の分散性が優れる。また、トナーの帯電量を制御しやすい。
外添剤について説明する。
シリカAは通常、2以上のシリカ粒子が合着又は凝集したシリカの二次粒子である。シリカの二次粒子は不定形となる。二次粒子の具体的な形状は特に限定されない。二次粒子の形状は、多角柱上でもよく、多面体形状でもよく、楕円体状でもよい。
一方で、シリカBは単粒子のシリカ粒子からなる。つまり、シリカBはシリカの一次粒子である。シリカBは単分散した状態でトナー母粒子の表面に付着する。シリカの一次粒子とは、シリカからなる1粒の粒子を意味する。シリカの一次粒子は球状が好ましく、真球状がより好ましい。
シリカAの平均一次粒子径D50は、2以上のシリカ粒子が合着又は凝集した複合粒子について測定される値である。また、シリカBの平均一次粒子径D50は、単粒子のシリカ粒子について測定される値である。
外添剤がシリカAを含むため、実施形態のトナーは流動性、帯電性がよくなる。また、リサイクルトナーの流動性、帯電性もよくなる。
シリカAの平均一次粒子径D50は10~14nmであり、11~13nmが好ましく、11~12nmがより好ましい。シリカAの平均一次粒子径D50が前記下限値以上であるため、シリカAはトナー母粒子の表面に適切にかつ充分に付着する。結果、シリカAが帯電付与効果を発揮でき、トナーの帯電性が向上する。そのため、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
シリカAの平均一次粒子径D50が前記上限値以下であるため、シリカAがトナー母粒子の表面で埋没しにくい。そのため、トナーが流動性に優れる。そのため、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
シリカAの含有量はトナー母粒子100質量部に対して0.1~0.8質量部であり、0.3~0.6質量部が好ましく、0.4~0.5質量部がより好ましい。
シリカAの含有量が前記下限値以上であるため、トナーの流動性が向上する。そのため、現像剤が搬送性に優れる。また、トナーの帯電性が向上するため、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
シリカAの含有量が前記上限値以下であるため、トナー帯電量が過度に高くならない。そのため、リサイクルトナーを用いた画像形成における画像濃度が充分に確保される。
外添剤はシリカBを含むため、トナー間におけるスペーシング効果を発揮できる。そのため、実施形態のトナーは凝集しにくく、流動性がよくなる。また、トナーのソフトケーキングが起きにくい。
シリカBの平均一次粒子径D50は90~150nmであり、100~140nmが好ましく、115~130nmがより好ましい。シリカBの平均一次粒子径D50が前記下限値以上であるため、スペーシング効果が発揮される。結果、トナーが凝集しにくく、耐熱性、流動性がよくなる。
シリカBの平均一次粒子径D50が前記上限値以下であるため、シリカAによる帯電性の向上が阻害されにくい。結果、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
シリカBの含有量はトナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部であり、0.5~1.0質量部が好ましく、0.7~0.9質量部がより好ましい。
シリカBの含有量が前記下限値以上であるため、スペーシング効果が発揮される。結果、トナーが凝集しにくく、耐熱性、流動性がよくなる。
シリカBの含有量が前記上限値以下であるため、シリカAによる帯電性の向上が阻害されにくい。結果、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
再利用時のリサイクルトナーは、転写残りトナーやかぶりトナーのような表面から外添材が離脱したトナーを含む。また、低温定着トナーは低温で軟化するため、凝集しやすい。そのため通常のトナーに比べ流動性、帯電性、耐熱性が低下しやすい。結果、低温定着トナーのリサイクルトナーを用いた画像形成においては、トナー飛散による機体内の汚染、画像濃度の低下が起きやすい。
この問題に対し、実施形態のトナーは、平均一次粒子径D50が相対的に小さいシリカAを含む。そのため、リサイクルトナーの流動性と帯電性が改善される。加えて、実施形態のトナーは、平均一次粒子径D50が相対的に大きいシリカBを含む。そのため、トナー母粒子の表面に相対的にサイズの大きなシリカが存在する。結果、熱やストレスによるトナー粒子同士の合一によるブロッキングを防止できる。よって、高温環境下でのリサイクルトナーの流動性、現像剤の搬送性が改善される。
このように実施形態のトナーにおいては、外添剤が2種類のシリカA、シリカBを含むため、再利用される場合のトナー特性が改善される。
シリカAの含有量に対するシリカBの含有量の比(シリカBの含有量/シリカAの含有量)は1.0~5.0であり、1.5~4.0が好ましく、2.0~3.0がより好ましい。前記比が前記下限値以上であるため、トナー帯電量が過度に高くならない。そのため、リサイクルトナーを用いた画像形成における画像濃度が充分に確保される。
前記比が前記上限値以下であるため、トナーの帯電性が向上する。結果、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
シリカAの含有量とシリカBの含有量の合計は、トナー母粒子100質量部に対して0.5~1.7質量部が好ましく、0.8~1.4質量部がより好ましい。シリカA及びシリカBの含有量の合計が前記下限値以上であると、トナーが保存性にさらに優れる。シリカA及びシリカBの含有量の合計が前記上限値以下であると、定着時にトナーが充分に溶融しやすい。
実施形態のトナーにおいてシリカAの残存率Xは70%以上であり、75~100%が好ましく、85~95%がより好ましい。残存率Xが前記下限値以上であるため、トナーの帯電性が向上する。結果、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。残存率Xが前記上限値以下であると、トナーを製造しやすい。
実施形態のトナーにおいてシリカBの残存率Yは30%以上であり、40~90%が好ましく、50~80%がより好ましい。残存率Yが前記下限値以上であるため、スペーシング効果が発揮される。結果、トナーが凝集しにくく、流動性がよくなる。残存率Yが前記上限値以下であると、トナーを製造しやすい。
残存率Yに対する残存率Xの比(残存率X/残存率Y)は、1.0~3.0であり、1.3~2.7が好ましく、1.6~2.4がより好ましい。前記比が前記下限値以上であるため、トナーの帯電性が向上する。結果、リサイクルトナーの飛散による機体内の汚染が低減される。
前記比が前記上限値以下であるため、トナー帯電量が過度に高くならない。そのため、リサイクルトナーを用いた画像形成における画像濃度が充分に確保される。
残存率Xは下式(1)で算出される。
残存率X=(Na2/Na1)×100 ・・・式(1)
式(1)中、Na1は、実施形態のトナーについて測定されるシリカAの付着個数であり;Na2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカAの付着個数である。
方法Z:実施形態のトナーと水と界面活性剤とを含む水性液体を、20℃、1000Hz、10分間の条件下で超音波処理し、次いで20℃、1000rpm、15分間の条件下で遠心分離し、分離した外添剤を取り除き、その後乾燥して得られる粒子を粒子zとする。
残存率Yは下式(2)で算出される。
残存率Y=(Nb2/Nb1)×100 ・・・式(2)
式(2)中、Nb1は、実施形態のトナーについて測定されるシリカBの付着個数であり;Nb2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカBの付着個数である。
方法Z:実施形態のトナーと水と界面活性剤とを含む水性液体を、20℃、1000Hz、10分間の条件下で超音波処理し、次いで20℃、1000rpm、15分間の条件下で遠心分離し、分離した外添剤を取り除き、その後乾燥して得られる粒子を粒子zとする。
前記式(1)、(2)について、Na1、Na2、Nb1、Nb2は、走査電子顕微鏡(SEM)像において、各シリカの付着個数を数えることで求められる。
また、方法Zについて、トナーと水と界面活性剤とを含む水性液体を超音波処理する前に、トナー層がなくなるまで攪拌することが好ましい。攪拌方法は特に限定されない。例えば、スターラーを用いることができる。
方法Zについて、脱離した外添剤を取り除く際には、遠心管の上澄み液をデカンテーションで除くことが好ましい。その後、イオン交換水をさらに加えて再度、遠心分離、デカンテーションを繰り返すことも好ましい。繰り返し回数は特に限定されないが、2回が好ましい。
方法Zで得られる粒子zは、実施形態のトナーから外添剤の少なくとも一部が脱離した脱離トナーであるとも言える。
シリカA、シリカBは特に限定されない。一般にシリカの粒子は、製法によって湿式シリカと焼成シリカに大別され得る。湿式シリカは、例えば、珪砂を原料とする珪酸ソーダを原料とし、珪酸ソーダを含む水溶液を中和してシリカを析出し、ろ過、乾燥する方法(液相法)で製造できる。焼成シリカ(乾式シリカ)は、例えば、四塩化珪素を高温の炎の中で反応させて得られる。湿式シリカ、焼成シリカはいずれも疎水性を示す。
シリカA、シリカBは、粒子の表面のシラノール基が例えば、シラン、シリコーン等で疎水化処理されてもよい。疎水性シリカの疎水化度は、例えば、下記の方法で測定できる。
イオン交換水50ml、試料0.2gをビーカーに入れ、マグネチックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下する。次にビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれ粉体は徐々に沈降していき、その全量が沈んだ終点におけるメタノールとイオン交換水の混合溶液中のメタノールの容量%を疎水化度(%)とする。
実施形態のトナーから外添剤を取り出し、外添剤について粒子径を測定して粒子径分布を得ると、シリカA、シリカBに由来する少なくとも2つのシリカの極大ピークが存在すると考えられる。
前記粒子径分布においては、少なくとも2つの極大ピークのうち、10~14nm、90~150nmの各範囲内に少なくとも1つずつ極大ピークが存在することが好ましい。この場合、シリカAの平均一次粒子径D50は、前記粒子径分布における10~14nmの範囲内のモード値(最頻値)とすることができる。また、シリカBの平均一次粒子径D50は、前記粒子径分布における90~150nmの範囲内のモード値(最頻値)とすることができる。
各シリカ粒子の粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定できる。
ただし、外添剤は、実施形態に開示の効果が得られる範囲内であれば、シリカA、シリカB以外の他のシリカをさらに含んでもよい。すなわち、実施形態に開示の効果が得られる範囲内であれば、外添剤は、平均一次粒子径D50が14nm超90nm未満のシリカを含んでもよい。
外添剤は、シリカ粒子以外の他の無機酸化物をさらに含んでもよい。他の無機酸化物としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、アルミナ、酸化錫等が挙げられる。
シリカ粒子及び無機酸化物からなる粒子は、安定性が向上する点から、疎水化剤で表面処理されてもよい。無機酸化物は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
実施形態のトナーの平均一次粒子径D50は、5.8~10.0μmが好ましく、7.0~9.0μmがより好ましい。トナーの体積平均一次粒子径D50が前記下限値以上であると、トナーが流動性にさらに優れる。トナーの体積平均一次粒子径D50が前記上限値以下であると、画像濃度が充分に確保されやすい。
トナーの製造方法について説明する。
実施形態のトナーは、トナー母粒子と外添剤とを混合して製造できる。トナー母粒子と外添剤との混合により、トナー母粒子の表面に外添剤が付着する。
実施形態のトナー母粒子は、例えば、混練粉砕法、ケミカル法により製造できる。
混練粉砕法について説明する。
混練粉砕法としては、例えば、下記の混合工程と混練工程と粉砕工程を含む製造方法が挙げられる。混練粉砕法は、下記の分級工程を必要に応じてさらに含んでもよい。
・混合工程:少なくとも結晶性ポリエステル樹脂とエステルワックスと着色剤とを混合して混合物を得る工程。
・混練工程:前記混合物を溶融混練して混練物を得る工程。
・粉砕工程:前記混練物を粉砕して粉砕物を得る工程。
・分級工程:前記粉砕物を分級する工程。
混合工程では、トナーの原料が混合されて混合物が得られる。混合工程では混合機が用いられてもよい。混合機は特に限定されない。混合工程では、他のバインダー樹脂、添加剤が必要に応じて使用されてもよい。
混練工程では、混合工程で得られた混合物が溶融混練されて混練物が得られる。混練工程は混練機が用いられてもよい。混練機は特に限定されない。
粉砕工程では、混練工程で得られた混練物が粉砕されて粉砕物が得られる。粉砕工程では粉砕機が用いられてもよい。粉砕機としては、ハンマーミル等の種々の粉砕機を用いることができる。また、粉砕機で得られた粉砕物はさらに微粉砕されてもよい。粉砕物をさらに微粉砕する粉砕機としては、種々の粉砕機を用いることができる。粉砕工程で得られた粉砕物は、このままトナー母粒子とされてもよく、必要に応じて分級工程を経てトナー母粒子とされてもよい。
分級工程では、粉砕工程で得られた粉砕物が分級される。分級工程では分級機が用いられてもよい。分級機は特に限定されない。
ケミカル法について説明する。
ケミカル法では、結晶性ポリエステル樹脂、エステルワックス、着色剤、必要に応じて他のバインダー樹脂、添加剤を混合して混合物を得る。次に混合物を溶融混練して混練物を得る。次に混練物を粉砕して粗く粒状化された中砕粒子を得る。次に中砕粒子を水系媒体と混合して混合液を調製する。次に混合液を機械的せん断に供して微粒子分散液を得る。最後に微粒子分散液中で微粒子を凝集させてトナー母粒子とする。
外添剤の添加方法について説明する(外添工程)。
外添剤は、例えば、混合機によりトナー母粒子と攪拌される。混合機としては、温度調節機能を備えたものが好ましい。外添剤をトナー母粒子に付着させる際の温度は、特に限定されるものではないが、例えば、15~30℃が好ましい。外添剤をトナー母粒子に付着させる際の温度が高いほど、シリカA、シリカBがトナー母粒子に付着しやすい。そのため、残存率X、残存率Yが高くなりやすい。
シリカA、シリカBの付着順序は特に限定されない。つまり、シリカAを付着させた後にシリカBを付着させてもよく、シリカBを付着させた後にシリカAを付着させてもよく、シリカA、シリカBを同時に攪拌して付着させてもよい。
シリカA、シリカBをトナー母粒子に付着させる際の攪拌速度は、特に限定されない。また、撹拌速度は製造設備のスケールに応じて適宜設定される。ラボスケールの撹拌機であれば、例えば、2000~3000rpmが好ましい。外添剤をトナー母粒子に付着させる際の攪拌速度が高いほど、シリカA、シリカBがトナー母粒子に付着しやすい。そのため、残存率X、残存率Yが高くなりやすい。
シリカA、シリカBの攪拌時間は180~480秒が好ましい。シリカA、シリカBの攪拌時間が前記数値範囲内であると、シリカA、シリカBがトナー母粒子に付着しやすい。そのため、残存率X、残存率Yが高くなりやすい。
撹拌前の外添剤は、必要に応じて篩い装置により篩分けされてもよい。篩い装置は特に限定されない。種々の篩い装置を用いることができる。
実施形態のトナーカートリッジについて説明する。
実施形態のトナーカートリッジは、上述の実施形態のトナーが収容されている。例えば、トナーカートリッジは、容器を有し、前記容器に実施形態のトナーが収容されている。容器は特に限定されず、画像形成装置に適用可能な種々の容器を用いることができる。
実施形態のトナーは一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと組み合わせて二成分現像剤として用いてもよい。
以下、実施形態の画像形成装置について、図面を参照して説明する。図1は、回収されたトナーを再利用できる画像形成装置の概略構造の一例を示す図である。
図1に示す複写機本体101は、中央一側部に設けられた画像形成部101Aと;上面部に設けられた原稿載置台135と;原稿載置台135の下部側に設けられたスキャナ136と;下部側に設けられた複数段の給紙カセット142,143と;を備える。
画像形成部101Aは、矢印方向に回転自在な感光体ドラム102と;感光体ドラム102の表面を帯電する帯電チャージャー103と;感光体ドラム102の表面に静電潜像を形成するレーザユニット104と;感光体ドラム102上の静電潜像をトナーで現像する現像装置105と;感光体ドラム102上のトナー像を用紙に転写させる転写チャージャー106と;感光体ドラム102上の残留トナーを除去するクリーニング装置107と;現像装置105の上方部に設けられた補給容器108と;を有する。
帯電チャージャー103、レーザユニット104、現像装置105、転写チャージャー106、クリーニング装置107は、感光体ドラム102の周囲部に、感光体ドラム102の回転方向に沿ってこの順に設けられている。
補給容器108は、現像装置105に実施形態のトナーを補給する。補給容器108には実施形態のトナーが貯留されている。
スキャナ136は、原稿載置台135上の原稿を露光する。スキャナ136は、原稿に光を照射する光源137と;原稿から反射される光を所定方向に反射させる第1の反射ミラー138と;第1の反射ミラー138から反射される光を順次反射させる第2の反射ミラー139及び第3の反射ミラー140と;第3の反射ミラー140から反射される光を受光する受光素子141と;を有する。
給紙カセット142,143は、用紙を画像形成部101Aに送り出す。用紙は、搬送系144を介して上方へ搬送される。搬送系144は、搬送ローラ対145とレジストローラ対146と転写チャージャー106と定着ローラ対147と排出ローラ対148を有する。
図1に示す画像形成装置においては、例えば以下のようにして画像形成が行われる。
まず、原稿載置台135上の原稿に光源137から光が照射される。照射された光は、原稿から反射され、第1の反射ミラー138、第2の反射ミラー139、第3の反射ミラー140を順に経由して受光素子141に受光されて原稿像が読み取られる。次いで、受光素子141の読取情報に基づいて、レーザユニット104からレーザー光LBが感光体ドラム102の表面に照射される。
ここで、感光体ドラム102の表面は帯電チャージャー103により負に帯電されている。レーザユニット104からレーザー光LBが照射されると、感光体ドラム102が露光され、照射した部分の電位が0に近づく。そのため、原稿の画像部分に対応する領域では、感光体ドラム102の表面電位が画像の濃度に応じて0に近づき、静電潜像が形成される。
静電潜像は、感光体ドラム102の回転により現像装置105に対向する位置でトナーを吸着してトナー像となる。トナー像が形成される際には、用紙が給紙カセット142、143から搬送系144に供給される。用紙はレジストローラ146で整位されたのち、転写チャージャー106と感光体ドラム102との間に送り込まれる。その後、感光体ドラム102上のトナー像が用紙に転写される。
トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対147へ搬送される。定着ローラ対147では、用紙が加圧及び加熱されて、トナー像が用紙に定着される。実施形態のトナーは、低温定着性に優れる。そのため、例えば140~170℃程度での定着が可能である。定着後、用紙は排紙ローラ対148を介して排紙トレイ150上に排出される。
一方、用紙に転写されずに感光体ドラム102の表面上に残留したトナーは、クリーニング装置107で除去される。その後、トナーは回収機構110によって現像装置105へ戻されて再利用される。また、図1に示す画像形成装置においては、現像装置105内のトナーが消費されると、補給容器108から実施形態のトナーが、フレッシュトナーとして新たに補給される。
現像装置105について、図2、図3を参照して説明する。
現像装置105は、トナーを再利用のために回収する回収機構110と;実施形態のトナーを含む現像剤が収納されている現像容器111と;現像容器111内に回転自在に設けられた現像ローラ112と;現像容器111内に第1の室116、第2の室117、第3の室118を形成する第1の仕切壁114及び第2の仕切壁115と;第1の室116内に設けられた第1のミキサー120と;第2の室117内に設けられた第2のミキサー121と;第3の室118内に設けられた第3のミキサー122と;補給容器から供給されるフレッシュトナーを受けるフレッシュトナー受部123と;リサイクルトナー受部124と;トナー濃度検知器129と;を有する。
現像装置105は、回収機構110を介してクリーニング装置107に接続されている。現像装置105においては、回収機構110は、再利用のトナーが搬送されるオーガである。ただし、回収機構110はオーガに限定されない。
クリーニング装置107は、クリーニングブレードでもよく、クリーニングブラシでもよい。
現像ローラ112は感光体ドラムの下面部に対向する位置に配置されている。現像ローラ112は、回転することにより現像剤を感光体ドラムに供給する。
第1の仕切壁114の第1の端部側には、第1の連通部125が形成されている。また、第1の仕切壁114の第2の端部側には第2の連通部126が形成されている。また、第2の仕切壁115には、第3の連通部127、第4の連通部128がそれぞれ形成されている。
現像容器111内は、第1の仕切壁114及び第2の仕切壁115によって第1の室116、第2の室117、第3の室118に仕切られている。第1の室116、第2の室117、第3の室118は、感光体ドラム102の軸方向に沿って略平行に形成されている。
ここで紙面上、第1の仕切壁114において、第2の連通部126から第1の連通部125に向かう向きを第1の方向とする。また、第1の方向と逆向き、すなわち第1の連通部125から第2の連通部126に向かう向きを第2の方向とする。
第1のミキサー120は回転することにより、第1の方向に現像剤を攪拌搬送して現像ローラ112に供給する。第2のミキサー121、第3のミキサー122は、第2の方向に現像剤を攪拌搬送して第1のミキサー120の上流側に送り込む。
第2のミキサー121、第3のミキサー122は、駆動手段によって回転駆動される。現像装置105においては、駆動手段は単一の駆動源としての駆動モータ162と;駆動モータ162によって回転される駆動ギヤ163と;を備えている。駆動ギヤ163には、大径の動力伝達ギヤ164を介して第3のミキサー122の回転シャフト151が接続されている。また、大径の動力伝達ギヤ164には小径の動力伝達ギヤ165を介して第2のミキサー121の回転軸121aが接続されている。
以上説明した構成を備える現像装置105においては、第3のミキサー122による現像剤の搬送速度が、第2のミキサー121による現像剤の搬送速度よりも低い。そのため、第3のミキサー122による現像剤の搬送時間が、第2のミキサー121による現像剤の搬送時間よりも長くなる。
ここで他の実施形態においては、第2及び第3のミキサー121,122は、回転速度を異にする複数の駆動モータによって個別に回転駆動するようにしてもよい。また、回収トナーを第2の方向とは逆の方向に搬送する逆送り羽根を第3のミキサー122に設けてもよい。いずれの手法を採用しても、第3のミキサー122による回収トナーの搬送速度を第2のミキサー121の現像剤の搬送速度よりも低くできる。
次に、図2、3を参照して現像装置105の現像動作について説明する。
現像容器111内において現像剤は、第1のミキサー120の回転により第1の方向に向かって、攪拌搬送され、現像ローラ112に供給される。その後、現像剤は現像ローラ112の回転により感光体ドラム102上の静電潜像に供給され、静電潜像が顕像化される。
第1のミキサー120から搬出される現像剤は、第1の連通部125を介して第2の室117内に案内される。その後、第2の室117内で、現像剤は第2のミキサー121の回転により矢印方向(第2の方向)に搬送される。第2のミキサー121により搬出される現像剤は、第2の連通部126を介して第1のミキサー120の上流側に送り出され、第1のミキサー120との間で循環するように搬送される。
第2のミキサー121によって搬送される現像剤の一部は、第3の連通部127から第3の室118内に送り込まれて、矢印方向(第2の方向)に搬送される。現像剤は第4の連通部128から再び第2の室117内に送り込まれ、第2のミキサー121によって攪拌搬送される。その後、現像剤は、第2の連通部126を介して第1のミキサー120の上流側に送り込まれる。
ここで、第2のミキサー121によって攪拌搬送される現像剤は、トナー濃度検知器129によってトナー濃度が検出される。トナー濃度検知器129によって検知されたトナー濃度が所定値以下になると、補給容器108から実施形態のトナーが補給される。このトナーは現像容器111のフレッシュトナー受部123に落下する。フレッシュトナーは第2のミキサー121の回転により矢印方向(第2の方向)に攪拌搬送され、第1のミキサー120の上流側に送り込まれる。
回収機構110によってクリーニング装置107から回収された回収トナーは、リサイクルトナー受部124に落下する。回収トナーは、第3のミキサー122の回転により第2の方向に搬送される。ここで、第3の連通部127から第3の室118内に案内された現像剤は、第3のミキサー122の逆送り羽根153の回転により一旦、矢印aで示すようにリサイクルトナー受部124側に向かって攪拌搬送される。その後、現像剤は回収トナーとともに、順送り羽根152の回転により矢印bで示すように、第2の方向に攪拌搬送される。回収トナーは第4の連通部128、第2の連通部126を順に経由して第1のミキサー120の上流側に送り込まれる。
現像剤、回収トナーのなかには、第4の連通部128を介して第2の室117内に送られずに、搬送方向の下流側に送られるものがある。このような現像剤、回収トナーは、逆送り羽根155の回転により逆送りされて第4の連通部128に戻され、第4の連通部128を介して第2の室117へ送られる。
従来、トナーを含む現像剤が再利用される場合には、物理的なストレスにより外添剤がトナー母粒子から剥がれ落ちやすく、ソフトケーキングが顕著に発生していた。そのため、現像剤の搬送性が低下し、トナーの帯電量、飛散量が低下するという問題があった。
これに対して、実施形態のトナーは再利用される場合でも高温環境下の保存性に優れ、帯電量が充分に維持される。そのため、トナーの帯電量、飛散量が充分維持され、良好な現像が行われる。
図4は、実施形態のトナーを含む現像剤が適用された画像形成装置の一例を示す。
図4に示す画像形成装置は、トナー像を定着させる形態である。ただし、実施形態の画像形成装置はこの形態に限定されない。他の実施形態に係る画像形成装置は、例えば、インクジェット式の形態であってもよい。
図4に示す画像形成装置1は、4連タンデム方式のカラー複写機MFPである。画像形成装置1は、スキャナ部2と;排紙部3と;給紙カセット4と;中間転写ベルト10と;中間転写ベルト10の走行方向Sに沿って配置された4つの画像形成ステーション11Y、11M、11C、11Kと;二次転写ローラ27と;定着装置30と;手差し機構31と;を備える。
中間転写ベルト10は、従動ローラ20とバックアップローラ21に巻かれて支持されている。中間転写ベルト10には、従動ローラ20、バックアップローラ21に加えて、第1のテンションローラ22、第2のテンションローラ23、第3のテンションローラ24により任意の張力がかけられている。
各画像形成ステーション11Y、11M、11C、11Kは、中間転写ベルト10と接触した感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kをそれぞれ有している。
感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kの周囲には、帯電チャージャー13Y、13M、13C、13Kと;現像装置14Y、14M、14C、14Kと;感光体クリーニング装置16Y、16M、16C、16Kと;一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kと;が配置される。
帯電チャージャー13Y、13M、13C、13Kは、感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kの表面を負に帯電する。帯電チャージャー13Y、13M、13C、13Kと現像装置14Y、14M、14C、14Kとの間で、レーザー露光装置17が感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kに露光光を照射する。そして、静電潜像が感光体ドラム12Y、12M、12C、12K上に形成される。
現像装置14Y、14M、14C、14Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナー及びキャリアからなる二成分現像剤を有する。現像装置14Y、14M、14C、14Kは、感光体ドラム12Y、12M、12C、12K上の静電潜像にトナーをそれぞれ供給する。このようにして、画像形成ステーション11Y、11M、11C、11Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の単色の画像をそれぞれ形成する。
一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kは、感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kとそれぞれ対向する位置の中間転写ベルト10上に設けられている。一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kは、感光体ドラム12Y、12M、12C、12K上のトナー像を中間転写ベルト10に一次転写するためのものである。
一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kは、それぞれ導電ローラである。一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kには一次転写バイアス電圧がそれぞれ印加される。
二次転写ローラ27は、中間転写ベルト10がバックアップローラ21により支持される転写位置に配置されている。バックアップローラ21は導電ローラである。バックアップローラ21には所定の二次転写バイアスが印加される。
印刷対象物のシート紙が、中間転写ベルト10と二次転写ローラ27間を通過すると、シート紙上に、中間転写ベルト10上のトナー像が二次転写される。二次転写終了後、中間転写ベルト10はベルトクリーナ10aによりクリーニングされる。
給紙カセット4は、レーザー露光装置17の下方に設けられている。給紙カセット4は、二次転写ローラ27に向けてシート紙P1を供給する。給紙カセット4と二次転写ローラ27との間には、ピックアップローラ4a、分離ローラ28a、搬送ローラ28b、レジストローラ対36が設けられている。
手差し機構31は、画像形成装置1の一側面部に設けられている。手差し機構31は、手差しによりシート紙P2を給紙するためのものである。手差し機構31においては、手差しトレイ31aとレジストローラ対36の間に、手差しピックアップローラ31b、手差し分離ローラ31cが設けられている。
給紙カセット4又は手差しトレイ31aからシート紙が搬送される縦搬送路35上には、シート紙の種類を検知するメディアセンサ39が配置されている。画像形成装置1は、メディアセンサ39による検知結果から、シート紙の搬送速度、転写条件、定着条件等を制御できる。シート紙は、縦搬送路35に沿って、レジストローラ対36、二次転写ローラ27を経て、定着装置30に搬送される。
定着装置30は、一対の加熱ローラ51及び駆動ローラ52に巻かれた定着ベルト53と;定着ベルト53を介して、加熱ローラ51に対向して配置された対向ローラ54と;を有する。定着装置30は、加熱ローラ51と接触する部分の定着ベルト53を加熱できる。そして、定着装置30は、定着ベルト53と対向ローラ54の間で、トナー像が転写されたシート紙を加熱及び加圧し、トナー像をシート紙に定着する。
実施形態のトナーは、低温定着性に優れている。そのため、例えば140~170℃程度での定着が可能である。
定着装置30の下流には、ゲート33が設けられている。シート紙は、排紙ローラ41方向又は再搬送ユニット32方向に振り分けられる。排紙ローラ41に振り分けられたシート紙は、排紙部3に排紙される。一方、再搬送ユニット32に振り分けられたシート紙は、再度二次転写ローラ27に向かって案内される。
図4に示す画像形成装置1においては、画像形成ステーション11Yは、感光体ドラム12Yとプロセス部材を一体的に有し、画像形成装置本体に対して着脱自在に設けられている。プロセス部材としては、帯電チャージャー13Y、現像装置14Y、感光体クリーニング装置16Yが挙げられる。ただし、他の実施形態においては、各画像形成ステーション11Y、11M、11C、11Kは、画像形成装置に対して各々着脱自在であってもよく、一体の画像形成ユニット11として画像形成装置に対して着脱自在であってもよい。
実施形態のトナーは、図4に示す画像形成装置の現像装置14Yが変形された画像形成装置に適用されてもよい。図5は、図4の画像形成装置に適用可能な現像装置の変形例の一例を示す。
図5に示す現像装置64Yは、イエロートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が収容されたものである。現像装置64Yは、トナー濃度センサQを有する。トナー濃度センサQは、トナーの濃度低下を検知する。現像装置64Yは、濃度低下を検知すると、トナーカートリッジ(図示略)からイエロートナーを補給する。このようにして、現像装置64Yは、トナー濃度を一定に維持できる。
加えて、現像装置64Yはトナーカートリッジ(図示略)から現像剤補給口64Y1を介してキャリアを補給できる。そして、現像装置64Yは補給された分だけ、現像剤排出口64Y2から現像剤をオーバーフローにより排出できる。
このように、現像装置64Yにおいては、現像剤量が一定に維持され、かつ、古く劣化したキャリアが少しずつ新しいキャリアと入れ替わる。
図4の現像装置14M、14C、14Kも、現像装置14Yと同様に、イエロートナーに代えてマゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーがそれぞれ用いられること以外は現像装置64Yと同様の現像装置64M、64C、64K(図示せず)にそれぞれ変形されてもよい。
以上述べた少なくともひとつの実施形態のトナーは、低温定着性に優れ、再利用される場合でも高温環境下の保存性に優れ、帯電量が充分に維持される。
以下、実施例を示し、実施形態をより具体的に説明する。
実施例のエステルワックスA1~A12、B1~B8の調製について説明する。
攪拌器、熱電対、窒素導入管を取り付けた4つ口フラスコに、少なくとも3種類以上の長鎖アルキルカルボン酸80質量部と、少なくとも3種類以上の長鎖アルキルアルコール20質量部を投入した。窒素気流下、220℃でエステル化反応を行い、反応物を得た。得られた反応物をトルエン及びエタノールの混合溶媒を添加して反応物を溶解した。さらに、フラスコに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、70℃で30分間撹拌した。さらに30分間静置し、フラスコの内容物を有機層と水層に分離し、内容物から水層を除去した。その後、フラスコにイオン交換水を添加して、70℃で30分間撹拌した。フラスコを30分間静置し、フラスコ内の内容物を水層と有機層とに分離し、内容物から水層を除去した。この操作を5回繰り返した。フラスコ内の内容物の有機層から減圧条件下で溶媒を留去しエステルワックスA1を得た。
使用した長鎖アルキルカルボン酸、長鎖アルキルアルコールの種類、使用量を変更した以外はエステルワックスA1と同様にしてエステルワックスA2~A12を得た。また、同様の操作によりエステルワックスB1~B8を得た。
使用した長鎖アルキルカルボン酸は、以下の通りである。
・パルミチン酸 (C1632
・ステアリン酸 (C1836
・アラキデン酸 (C2040
・ベヘニン酸 (C2244
・リグノセリン酸 (C2448
・セロチン酸 (C2652
・モンタン酸 (C2856
使用した長鎖アルキルアルコールは、以下の通りである。
・パルミチルアルコール (C1634O)
・ステアリルアルコール (C1838O)
・アラキデルアルコール (C2042O)
・ベヘニルアルコール (C2246O)
・リグノセリルアルコール(C2450O)
・セリルアルコール (C2654O)
・モンタニルアルコール (C2858O)
実施例1のトナーを以下のように製造した。
まず、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に、トナー母粒子の原料を入れて混合した。さらに、トナー母粒子の原料の混合物を二軸押し出し機で溶融混練した。この溶融混練物を冷却した後、ハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物を、ジェット粉砕機で微粉砕した。この微粉砕物を分級してトナー母粒子を得た。
トナー母粒子の原料の組成を下記に示す。
結晶性ポリエステル樹脂 5質量部
非結晶性ポリエステル樹脂 85質量部
エステルワックスA1 5質量部
カーボンブラック 4.5質量部
帯電制御剤 0.5質量部
次に、温度調節機能付きのヘンシェルミキサーの温度を25℃に設定した。攪拌部にトナー母粒子を投入した後、トナー母粒子100質量部に対し、0.5質量部の酸化チタンを投入し、25℃、2500rpmの条件で6分間攪拌した。その後攪拌を停止し、トナー母粒子100質量部に対し0.45質量部のシリカAを攪拌部に添加し、25℃、2500rpmの条件で360秒間攪拌した。再び、攪拌を停止し、トナー母粒子100質量部に対し0.75質量部のシリカBおよびその他必要な外添剤を攪拌部に添加し、25℃、2500rpmの条件で360秒間さらに攪拌し、実施例1のトナーを得た。
実施例2~23、比較例1~22のトナーを以下のように製造した。
まず、トナー母粒子の原料の組成について、エステルワックスA1の代わりにエステルワックスA2~A12、B1~B8を表1、2、3、4に示すように使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2~23、比較例1~22のトナー母粒子をそれぞれ製造した。
次に、シリカAの平均一次粒子径D50(r)、シリカBの平均一次粒子径D50(r)、シリカAの含有量w、シリカBの含有量wを表1、2、3、4の各欄に示すように変更し、かつ、シリカA、シリカBの外添条件を表5、6、7、8に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして外添剤を各例のトナー母粒子と混合し、実施例2~23、比較例1~22のトナーを製造した。
Figure 2023047562000001
Figure 2023047562000002
Figure 2023047562000003
Figure 2023047562000004
Figure 2023047562000005
Figure 2023047562000006
Figure 2023047562000007
Figure 2023047562000008
残存率X、残存率Yの測定方法について説明する。
残存率X、残存率Yは下記の式にしたがって算出した。
残存率X=(Na2/Na1)×100 ・・・式(1)
残存率Y=(Nb2/Nb1)×100 ・・・式(2)
式(1)中、Na1は、各例のトナーについて測定されるシリカAの付着個数であり;Na2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカAの付着個数である。
式(2)中、Nb1は、各例のトナーについて測定されるシリカBの付着個数であり;Nb2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカBの付着個数である。
a1、Na2、Nb1、Nb2は、走査電子顕微鏡(SEM)像において、各シリカの付着個数を数えた。具体的には、SEM(ZEISS製「ULTRA55」)にて50000倍の倍率で観察した。視野上に縦横1μmの枠(1μm)を設け、この枠内に存在するシリカ粒子の個数を、各種のシリカごとに測定した。
方法Z:100mlビーカーに各例のトナー11g、イオン交換水56.8g、界面活性剤12.8gを加えて混合し、マグネチックスターラーを用いて、液面にトナー層が無くなるまで攪拌し、分散液を調製した。これは、トナーの分散工程である。界面活性剤として、サラヤ製「ヤシノミ洗剤」を使用した。
次いで、超音波洗浄機(ASONE US-1R)を用いて、分散液に20℃、1000Hz、10分間の条件で超音波処理をした。これは、トナーの衝撃工程である。
この衝撃工程の後、分散液を遠心管2本に注ぎ、各遠心管で45mlになるようにイオン交換水を加えた。遠心管を20℃、1000rpm、15分間の条件下で遠心分離した。遠心分離機は、アズワン製「HSIANGTAI CN-2060」を用いた。その後、遠心管の上澄み液をデカンテーションで除き、45mlになるようにイオン交換水を加えて再度攪拌する。これらの作業をさらに2回行った。その後、脱離した外添剤を分離し、イオン交換水100mlを加えることでろ過して洗浄した。ろ過に際してろ紙はADVANTEC GC90を用いた。洗浄後、8時間、30℃で真空乾燥し、粒子zとした。
実施例で使用した結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂は以下の通りである。
・結晶性ポリエステル樹脂(質量平均分子量:9.5×10、融点:100℃)
・非結晶性ポリエステル樹脂(質量平均分子量:20×10、融解温度:110℃)
結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定方法について説明する。
結晶性ポリエステル樹脂は、DSC「DSC Q2000(ティー・エイ・インスツルメント製)」により測定された。測定条件は、以下のとおりである。
試料量:5mg。
蓋及びパン:アルミナ。
昇温速度:10℃/min。
測定方法:試料を20℃から200℃まで昇温する。その後、試料を20℃以下まで冷却する。再度、試料を加熱して75~120℃付近の温度範囲において測定される最大吸熱ピーク温度を結晶性ポリエステル樹脂の融点とした。
非結晶性ポリエステル樹脂の融解温度の測定方法について説明する。
各例のトナーを応圧機で圧力をかけ、ペレット状に成形した。このペレットについてフローテスタ「CFT-500D 株式会社島津製作所製)」を用いて、以下の条件で非晶性ポリエステル樹脂の融解温度を測定した。
測定開始温度:30℃
測定終了温度:200℃
荷重:10kgf
昇温速度:10℃/min
フローテスタにおいて、溶融流出が始まる流出開始温度と、試料の全てが溶融流出する流出終了温度との中点(1/2)に相当する温度を、融解温度とした。
エステルワックスを構成するエステル化合物の炭素数分布(各炭素数のエステル化合物の割合)の測定方法について説明する。
各例のトナーを0.5g秤量し、三角フラスコに収容した。次に、三角フラスコに塩化メチレン2mLを添加してトナーを溶解した。さらに、三角フラスコに、ヘキサン4mlを添加して混合液とした。混合液をろ過し、ろ液と不溶物とに分離した。窒素気流下で前記ろ液から溶媒を留去し、析出物を得た。この析出物について、トナーから抽出したエステルワックス中のエステル化合物の炭素数分布を測定した。
各炭素数のエステル化合物の割合は、FD-MS「JMS-T100GC(日本電子株式会社製)」により測定された。測定条件は、以下の通りである。
試料濃度:1mg/ml(溶媒:クロロホルム)。
カソード電圧:-10kv。
スペクトル記録間隔:0.4s。
測定質量範囲(m/z):10~2000。
測定で得られた各炭素数のエステル化合物のイオン強度の合計を100とした。合計に対する各炭素数のエステル化合物のイオン強度の相対値を求めた。相対値を、エステルワックス中の各炭素数のエステル化合物の割合とした。また、相対値が最大となる炭素数のエステル化合物における炭素数をCとした。
第1のモノマー群、第2のモノマー群の分析方法について説明する。
各エステルワックス1gを温度70℃、3時間の条件下でメタノリシス反応を行った。メタノリシス反応後の生成物について、FD-MSによる質量分析を行い、各炭素数の長鎖アルキルカルボン酸の含有量、各炭素数の長鎖アルキルアルコールの含有量を求めた。
第1のモノマー群を構成するカルボン酸の炭素数分布(各炭素数のカルボン酸の割合)の測定方法について説明する。
各炭素数のカルボン酸の割合は、FD-MS「JMS-T100GC(日本電子株式会社製)」により測定された。測定条件は、以下の通りである。
試料濃度:1mg/ml(溶媒:クロロホルム)。
カソード電圧:-10kv。
スペクトル記録間隔:0.4s。
測定質量範囲(m/z):10~2000。
測定で得られた各炭素数のカルボン酸のイオン強度の合計を100とした。合計に対する各炭素数のカルボン酸のイオン強度の相対値を求めた。相対値を、エステルワックス中の各炭素数のカルボン酸の割合とした。また、相対値が最大となる炭素数のカルボン酸における炭素数をCとした。
第2のモノマー群を構成するアルコールの炭素数分布(各炭素数のアルコールの割合)の測定方法について説明する。
各炭素数のアルコールの割合は、FD-MS「JMS-T100GC(日本電子株式会社製)」により測定された。測定条件は、以下の通りである。
試料濃度:1mg/ml(溶媒:クロロホルム)。
カソード電圧:-10kv。
スペクトル記録間隔:0.4s。
測定質量範囲(m/z):10~2000。
測定で得られた各炭素数のアルコールのイオン強度の合計を100とした。合計に対する各炭素数のアルコールのイオン強度の相対値を求めた。相対値を、エステルワックス中の各炭素数のアルコールの割合とした。また、相対値が最大となる炭素数のアルコールにおける炭素数をCとした。
各例で使用されたエステルワックスA1~A12、B1~B8について説明する。
エステルワックスA1~A12についていずれも、最大含有量であるエステル化合物の炭素数Cは44であり、第1のモノマー群中の最大含有量であるカルボン酸の炭素数Cは22であり、第2のモノマー群中の最大含有量であるアルコールの炭素数Cは20であった。
また、エステルワックスA1~A12について、エステルワックスの炭素数分布は炭素数43以上の領域に極大ピークを1つだけ有していた。
質量分布の測定結果から得られたエステルワックスA1~A12の性状を表9に示す。また、エステルワックス、B1~B8の性状を表10に示す。
Figure 2023047562000009
Figure 2023047562000010
表9、10中、aは、第1のモノマー群中のカルボン酸の種類の数[個]である。aは、第2のモノマー群中のアルコールの種類の数[個]である。bは、第1のモノマー群100質量%に対する炭素数18以下のカルボン酸の合計割合[質量%]である。bは、第2のモノマー群100質量%に対する炭素数18以下のアルコールの合計割合[質量%]である。cは、第1のモノマー群100質量%に対する炭素数Cのカルボン酸の割合[質量%]である。cは、第2のモノマー群100質量%に対する炭素数Cのアルコールの割合[質量%]である。
シリカA、シリカBの平均一次粒子径D50の測定方法について説明する。
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製(SALD7000))を使用した。
実施例の現像剤について説明する。
フェライトキャリア100質量部に対し各例のトナー8.5質量部をターブラミキサーで撹拌し、各例の現像剤を得た。フェライトキャリアの表面は、平均粒径が40μmであるシリコーン樹脂でコートされている。
低温定着性の評価方法について説明する。
各例の現像剤をトナーカートリッジに収容した。このトナーカートリッジを低温定着性評価用の画像形成装置内に配置した。低温定着性評価用の画像形成装置は、定着温度を100℃から200℃まで0.1℃刻みで変更して設定できるように市販のe-studio5018A(東芝テック製)を改造したものである。低温定着性評価用の画像形成装置を用い、定着温度を150℃に設定し、トナー付着量が1.5mg/cmのベタ画像を10枚取得した。10枚のベタ画像のすべてにオフセット、未定着による画像剥がれが生じなかった場合、設定温度を1℃低下させて、上記と同様にしてベタ画像を取得した。この操作を繰り返し、ベタ画像に画像剥がれが生じない定着温度の下限の温度を求め、この下限の温度をトナーの最低定着温度とした。最低定着温度が120℃以下であるとき、トナーの低温定着性を合格(○)と評価した。最低定着温度が120℃超であるとき、トナーの低温定着性を不合格(×)と評価した。
高温環境下の保存性の評価方法について説明する。
下記の「耐熱性」、「搬送性」、「トナー飛散」、「画像濃度」の4項目の評価結果がいずれも合格(〇)である場合、高温環境下の保存性が優れていると評価した。
「耐熱性」の評価方法について説明する。
各例のトナーを55℃で10時間放置した。55℃で10時間放置した後のトナー15gを目開き0.07mmのメッシュで篩い、メッシュ上に残ったトナーを秤量した。メッシュ上に残ったトナーの量が少ないほど、凝集が少なく、耐熱性がよい。メッシュ上に残ったトナーが3g以下であるとき、トナーの耐熱性を合格(○)と評価した。メッシュ上に残ったトナーが3g超であるとき、トナーの耐熱性を不合格(×)と評価した。
「搬送性」の評価方法について説明する。
市販のe-studio5018A(東芝テック製)を使用し、現像器Dc-Sl温度が47℃にて飽和するよう調整した。そして、リサイクルシステムを稼働させながら、高温多湿環境下にてA4サイズの印字率8%の画像を30,000枚、両面印刷を行い、冷却Fanの風量調整で現像器Dc-Sl温度が47℃を維持するように調整した。30,000枚印刷した後の画像濃度差を濃度計(エックスライト社製「eXact」)で測定した。画像濃度はベタ画像の画像濃度を主走査方向に1cm毎に濃度計で測定し、これら全値の最大値と最小値の差を求めた。
画像濃度差が0.8未満であるとき、現像剤の搬送性を合格(○)と評価した。画像濃度差が0.8以上であるとき、現像剤の搬送性を不合格(×)と評価した。
「トナー飛散」の評価方法について説明する。
市販されているe-studio5018A(東芝テック製)を使用し、印字率8.0%の原稿をA4用紙に連続的に200,000枚コピーした。その後、現像器のマグネットローラの下側に堆積したトナーを掃除機で吸引し、堆積したトナー量を飛散トナー量として測定した。飛散トナー量が170mg以下であるとき、トナーの帯電量を合格(○)と評価した。飛散トナー量が170mg超であるとき、トナーの帯電量を不合格(×)と評価した。
「画像濃度」の評価方法を説明する。
各例の現像剤を温度10℃、湿度20%の恒温槽内で24時間放置した後、トナーカートリッジに収容した。このトナーカートリッジを市販のe-studio5018A(東芝テック製)内に配置した。印字率10%のチャートを100枚印刷後、A4サイズのベタ画像を印刷し、画像4角と中央の画像濃度を濃度計(エックスライト社製「eXact」)で測定し、これら5カ所の平均値を求めた。画像濃度の平均値が1.0以上であるとき、画像濃度を合格(○)と評価した。画像濃度の平均値が1.0未満であるとき、画像濃度を不合格(×)と評価した。
各例のトナーの低温定着性、耐熱性、搬送性、トナー飛散、画像濃度の評価結果は、表1、2、3、4に示される。
実施例1~23のトナーは、低温定着性に優れ、高温環境下の保存性に優れる結果であった。e-studio5018Aは、トナーを再利用する画像形成装置である。したがって、実施例1~23のトナーは、再利用される場合でも高温環境下の保存性に優れ、帯電量が充分に維持される。
これに対して比較例1~22のトナーは、低温定着性、耐熱性、搬送性、トナー飛散、画像濃度のすべてが同時に合格基準に達することはなかった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…画像形成装置、2…スキャナ部、3…排紙部、4…給紙カセット、10…中間転写ベルト、11Y、11M、11C、11K…画像形成ステーション、12Y、12M、12C、12K…感光体ドラム、13Y、13M、13C、13K…帯電チャージャー、14Y、14M、14C、14K…現像装置、30…定着装置、31…手差し機構、64Y…現像装置、101…複写機本体、102…感光体ドラム、103…帯電チャージャー、104…レーザユニット、105…現像装置、106…転写チャージャー、107…クリーニング装置、108…補給容器、110…回収機構、111…現像容器、112…現像ローラ、114,115…第1,第2の仕切材、116~118…第1~第3の室、120~122…第1~第3のミキサー、123…フレッシュトナー受部、124…リサイクルトナー受部、125~128…第1~第4の連通部、129…トナー濃度検知器。

Claims (5)

  1. トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有し、
    前記トナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂とエステルワックスと着色剤とを含み、
    前記外添剤は、平均一次粒子径D50が10~14nmであるシリカAと、平均一次粒子径D50が90~150nmである単分散したシリカBとを含み、
    前記エステルワックスが、少なくとも3種類以上のカルボン酸からなる第1のモノマー群と、少なくとも3種類以上のアルコールからなる第2のモノマー群との縮合重合物であり、
    前記第1のモノマー群中の炭素数18以下のカルボン酸の割合が、前記第1のモノマー群100質量%に対して5質量%以下であり、
    前記第2のモノマー群中の炭素数18以下のアルコールの割合が、前記第2のモノマー群100質量%に対して20質量%以下であり、
    前記第1のモノマー群中の最大含有量である炭素数Cのカルボン酸の割合が、前記第1のモノマー群100質量%に対して70~95質量%であり、
    前記第2のモノマー群中の最大含有量である炭素数Cのアルコールの割合が、前記第2のモノマー群100質量%に対して70~90質量%であり、
    シリカAの含有量が、トナー母粒子100質量部に対して0.1~0.8質量部であり、
    シリカBの含有量が、トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部であり、
    シリカAの含有量に対するシリカBの含有量の比が、1.0~5.0であり、
    下式(1)で算出されるシリカAの残存率Xが、70%以上であり、
    下式(2)で算出されるシリカBの残存率Yが、30%以上であり、
    残存率Yに対する残存率Xの比が、1.0~3.0である、トナー。
    残存率X=(Na2/Na1)×100 ・・・式(1)
    残存率Y=(Nb2/Nb1)×100 ・・・式(2)
    式(1)中、Na1は、前記トナーについて測定されるシリカAの付着個数であり;Na2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカAの付着個数である。
    式(2)中、Nb1は、前記トナーについて測定されるシリカBの付着個数であり;Nb2は、下記方法Zで得られる粒子zについて測定されるシリカBの付着個数である。
    方法Z:実施形態のトナーと水と界面活性剤とを含む水性液体を、20℃、1000Hz、10分間の条件下で超音波処理し、次いで20℃、1000rpm、15分間の条件下で遠心分離し、分離した外添剤を取り除き、その後乾燥して得られる粒子を粒子zとする。
  2. 前記トナー母粒子が、非結晶性ポリエステル樹脂をさらに含む、請求項1に記載のトナー。
  3. シリカAの含有量とシリカBの含有量の合計が、トナー母粒子100質量部に対して0.5~1.7質量部である、請求項1または2に記載のトナー。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のトナーが収容された、トナーカートリッジ。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載のトナーが収容された、画像形成装置。
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