JP2023022458A - Ddt類を含有する土壌の浄化方法 - Google Patents

Ddt類を含有する土壌の浄化方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023022458000001
【課題】新規なDDT類を含有する土壌の浄化方法を提供すること。
【解決手段】DDT類を含有する土壌に、(A)鉄粉と、(B)界面活性剤を添加することを特徴とする、土壌の浄化方法。
【選択図】図4

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 一般社団法人防衛施設学会主催年次フォーラム2021、令和3年4月19日 令和3年6月3日、http://www.jsdfe.org/kaishi/2021AnnualForum_Thesis.pdf
本発明は、DDT類を含有する土壌の浄化方法に関する。
管理型又は遮断型の最終処分場や焼却施設を利用し、DDT類で汚染されている土壌を処理する方法がある。しかし、最終処分場や焼却施設の数が日本国内では限られている。またいずれの方法も環境に対する負荷が大きく、処理コストも高いという問題がある。
DDT類を無害な物質に転換することによってDDT類に汚染された土壌を脱汚染する方法として、微生物を使用する方法が知られている(特許文献1)。
特表平10-507687号公報
本発明は、DDT類を含有する土壌の新規な浄化方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、DDT類を含有する土壌に対して、(A)鉄粉、及び、(B)界面活性剤を添加することにより、DDT類を含有する土壌を浄化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の各発明に関する。
[1]DDT類を含有する土壌の浄化方法であって、前記土壌に、(A)鉄粉と、(B)界面活性剤と、を添加することを特徴とする、土壌の浄化方法。
[2](B)成分が、アニオン界面活性剤である、[1]に記載の土壌の浄化方法。
[3](B)成分が、非石鹸系アニオン界面活性剤である、[1]又は[2]に記載の土壌の浄化方法。
[4](B)成分が、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アミドエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン塩、スルホコハク酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のアニオン界面活性剤である、[1]~[3]に記載の土壌の浄化方法。
[5](B)成分が、ノニオン界面活性剤である、[1]に記載の土壌の浄化方法。
[6](B)成分が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選択される少なくとも1種のノニオン界面活性剤である、[1]又は[5]に記載の土壌の浄化方法。
[7](B)成分が、HLB値が8.1~16.9のノニオン界面活性剤である、[1]、[5]又は[6]に記載の土壌の浄化方法。
[8](A)成分の土壌に対する含有割合が、0.1~30質量%になるように添加する、[1]~[7]のいずれかに記載の土壌の浄化方法。
[9](B)成分の土壌に対する含有割合が、1~15質量%になるように添加する、[1]~[8]のいずれかに記載の土壌の浄化方法。
[10](A)成分と(B)成分の添加量の質量比が、1~10:1~10である、[1]~[9]のいずれかに記載の土壌の浄化方法。
本発明によれば、DDT類を含有する土壌の新規な浄化方法の提供が可能となる。
DDT類を含有する土壌に鉄粉及びアニオン界面活性剤を添加した場合の浄化作用を示したグラフである。 DDT類を含有する土壌に鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合の浄化作用を示したグラフである。 DDT類を含有する土壌に鉄粉及びHLB値が8.1~16.9の範囲内のノニオン界面活性剤を添加した場合の浄化作用を示したグラフである。 DDT類を高濃度に含有する土壌に鉄粉及びノニオン界面活性剤(HLB値13.6)を添加した場合の対象土壌中のDDT類の濃度の経時変化を示したグラフである。 DDT類を高濃度に含有する土壌に鉄粉及びノニオン界面活性剤(HLB値13.6)を添加した場合の浄化作用を示したグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法は、DDT類を含有する土壌に、(A)鉄粉と、(B)界面活性剤と、を添加することを特徴とする。
本明細書において「DDT類」とは、1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス(4-クロロフェニル)エタン(p,p’-DDT)、1,1,1-トリクロロ-2-(2-クロロフェニル)-2-(4-クロロフェニル)エタン(o,p’-DDT)、1,1-ジクロロ-2,2-ビス(4-クロロフェニル)エタン(p,p’-DDD)、1,1-ジクロロ-2-(2-クロロフェニル)-2-(4-クロロフェニル)エタン(o,p’-DDT)、1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2-ジクロロエテン(p,p’-DDE)、1,1-ジクロロ-2-(2-クロロフェニル)-2-(4-クロロフェニル)エテン(o,p’-DDE)、1-クロロ-2,2-ビス(4-クロロフェニル)エテン(p,p’-DDMU)、1-クロロ-2-(2-クロロフェニル)-2-(4-クロロフェニル)エテン(o,p’-DDMU)、2,2-ビス(4-クロロフェニル)エタノール(p,p’-DDOH)、2-(2-クロロフェニル)-2-(4-クロロフェニル)エタノール(o,p’-DDOH)を含むDDT及びその分解生成物を意味する。
また本明細書において「浄化」とは、土壌中のDDT類の濃度を低減することを意味する。
本実施形態において浄化の対象となる土壌は、DDT類を含有する土壌であり、土壌の種類や土質は特に制限されない。
<(A)成分>
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法では、(A)成分として、鉄粉を添加する。(A)成分として使用する鉄粉は、還元作用を有する鉄粉であれば特に制限されない。鉄粉としては、例えば、市販されている通常の鉄粉、アトマイズ鉄粉、還元鉄粉、電解鉄粉、海綿鉄粉、鋳鉄粉、合金鉄粉等が挙げられる。鉄粉の平均粒径としては、土壌への添加及び混合のしやすさ、混合に使用する機器の特性、DDT類との反応性等の観点から、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、200μm以下であることがさらに好ましい。本明細書における「平均粒径」としては、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される体積基準のメジアン径を用いる。
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法において、(A)成分の添加量は、特に制限されず、浄化の対象となる土壌のDDT類の濃度、土壌の種類、土質等に応じて適宜設定される。(A)成分を土壌に添加する場合、(A)成分の添加量としては、土壌に対する含有割合が0.1~30質量%になるように添加することが好ましく、0.1~15質量%になるように添加することがより好ましく、0.5~10質量%になるように添加することがさらに好ましい。上記(A)成分の添加量は、(A)成分を土壌に均一に分散させDDT類を効率よく浄化するという観点に加えてコストを抑えるという観点からも好適である。
<(B)成分>
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法では、(B)成分として、界面活性剤を添加する。(B)成分として使用する界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。(B)成分としては、アニオン界面活性剤又はノニオン界面活性剤であることが好ましい。
(B)成分として使用するアニオン界面活性剤は、鉄粉による浄化作用を促進する作用を有するものであれば、特に制限されない。アニオン界面活性剤としては、例えば、石鹸系アニオン界面活性剤(高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等)、非石鹸系アニオン界面活性剤(スルホン酸塩(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩等)、硫酸エステル塩(アルキル硫酸エステル塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)、アミドエーテル硫酸エステル塩等)等が挙げられる。なお、本明細書において「非石鹸系アニオン界面活性剤」とは、カルボン酸塩からなるアニオン界面活性剤を除くアニオン界面活性剤を意味するものとする。(B)成分として使用するアニオン界面活性剤としては、鉄粉表面の還元作用を維持し鉄粉による浄化作用を促進させるという観点、すなわち土粒子や鉄粉の分散をよくして、かつ、土壌中の陽イオンと沈殿物を生じにくくし、鉄粉による浄化作用を促進させるという観点から、非石鹸系アニオン界面活性剤であることが好ましく、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アミドエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン塩、スルホコハク酸塩であることがより好ましい。これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
α-オレフィンスルホン酸塩としては、例えば、テトラデセンスルホン酸塩(オレフィン(C14-16)スルホン酸塩)等が挙げられる。アルキル硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸塩、アルキル(C6-18)硫酸エステル塩等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキル(C8-18)エーテル硫酸エステル塩、ラウレス硫酸エステル塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステル塩))等が挙げられる。アミドエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、脂肪酸(C12-14)アミドエーテル硫酸エステル塩、アルキルアミドエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。メチルタウリン塩としては、例えば、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン塩、N-ミリストイル-N-メチルタウリン塩等が挙げられる。スルホコハク酸塩としては、例えば、ジアルキル(C6-18)スルホコハク酸塩(例えばジオクチルスルホコハク酸塩等)、ポリオキシエチレンジアルキル(C8-18)スルホコハク酸塩(例えばジ-ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸塩等)等が挙げられる。
なお、ここで例えば(C14-16)とは、アルキル基の炭素数が14から16であることを意味する。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩(モノエタノールアンモニウム)、ジエタノールアミン塩(ジエタノールアンモニウム)、トリエタノールアミン塩(トリエタノールアンモニウム)等のアルカノールアミン塩;トリエチルアミン塩(トリエチルアンモニウム)等のアンモニウム塩などが挙げられる。具体的には、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルトリエタノールアミン、脂肪酸アミドエーテル硫酸エステルトリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン酸ナトリウム、N-デカノイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が例示でき、いずれも(B)成分のアニオン界面活性剤として好適に使用することができる。
またα-オレフィンスルホン酸塩の市販品としては、例えば、リポランPJ-400CJ、KリポランPJ-400CJ、リポランLB-440、リポランLJ-441、リポランLB-840、リポランPB-800CJ(以上商品名/ライオン株式会社製)等を使用することができる。アルキルエーテル硫酸エステル塩の市販品としては、例えば、サンノールLMT-1430、サンノールTD-3130(以上商品名/ライオン株式会社製)、シントレッキスEH-R、パーソフトSP、パーソフトSK、パーソフトSF-T、ニッサントラックスK-40、ニッサントラックスK-300、パーソフトEF、パーソフトEDO、パーソフトEL、パーソフトEK、パーソフトEF-T、パーソフトEL-T、サンアミドCF-3、サンアミドCF-10(以上商品名/日油株式会社製)、エマール0、エマール10G、エマール2Fペースト、エマール2FG、エマール2F-30、エマール40ペースト、エマールTD、ラテムルAD-25、エマール20C、エマールE-27C、エマール270J、エマール20CM、エマールD-3-D、エマールD-4-D、ラテムルE-118B、ラテムルE-150、レベノールWX、ラテムルWX、エマール20T、ラテムルE-108MB(以上商品名/花王株式会社製)等を使用することができる。メチルタウリン酸塩の市販品としては、例えば、リポタックTE(以上商品名/ライオン株式会社製)、ダイヤポンS、ダイヤポンLM、ダイヤポンK、ダイヤポンK-SF、ダイヤポンK-SFパウダー、ダイヤポンHF-SF(以上商品名/日油株式会社製)等を使用することができる。スルホコハク酸塩の市販品としては、例えば、リパール835I、リパール860K、リパール870P、リパールMSC、リパールNTD(以上商品名/ライオン株式会社製)、サンモリンOT-70(以上商品名/三洋化成工業株式会社製)、ラピゾールA-30、ラピゾールA-80(以上商品名/日油株式会社製)等を使用することができる。
(B)成分として使用するノニオン界面活性剤は、鉄粉による浄化作用を促進するものであれば、特に制限されない。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、アルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられる。(B)成分として使用するノニオン界面活性剤としては、鉄粉表面の還元作用を促進させるという観点、すなわち土粒子や鉄粉の分散をよくして鉄粉による浄化作用を促進させるという観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミンであることが好ましい。これらのノニオン界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン-2-エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル等)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル(ポリオキシプロピレンステアリルエーテル等)等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート等が挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンモノカプリート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート等が挙げられる。ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等が挙げられる。ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレイン酸等が挙げられる。アルキルアミンとしては、ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキル(ヤシ)アミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイルアミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキル(牛脂)アミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキル(硬化牛脂)アミン等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン(ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンアルキル(ヤシ)アミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンアルキル(牛脂)アミン、ポリオキシエチレンアルキル(硬化牛脂)アミン)等が挙げられる。
またポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、例えば、ノニオンK-204、ノニオンK-220、ノニオンK-230、ノニオンK-2100W、パーソフトNK-60、パーソフトNH-90C、パーソフトNK-100、パーソフトNK-100C、ノニオンP-208、ノニオンP-210、ノニオンP-213、ノニオンE-202、ノニオンE-202S、ノニオンE-205、ノニオンE-205S、ノニオンE-212、ノニオンE-215、ノニオンE-230、ノニオンS-202、ノニオンS-207、ノニオンS-215、ノニオンS-220、ノニオンB-250、ノニオンEH-204、ノニオンEH-208、ノニオンID-203、ノニオンID-206、ノニオンID-209、ディスパノールTOC、ノニオンHT-505、ノニオンHT-507、ノニオンHT-510、ノニオンHT-512、ノニオンHT-515、ノニオンHT-518(以上商品名/日油株式会社製)、レオックスCL-30、レオコールNL-30C、レオコールTD-50、レオコールTD-70、レオコールTD-90、レオコールTD-90D、レオコールTDA-90-25、レオコールTDN-90-80、レオコールTD-120、レオコールTD-150、レオコールTD-200、レオコールTDA-400-75、レオコールSC-50、レオコールSC-70、レオコールSC-80、レオコールSC-90、レオコールSC-120、レオコールSC-150、レオコールSC-200、レオコールSC-300、レオコールSC-400、レオックスCL-2008、ライオノールL-535、ライオノールL-745、ライオノールL-785、ライオノールL-950、ライオノールNH-1509、ライオノールTD-730、ライオノールTD-2180、ライオノールTDL-20、ライオノールTDL-30、ライオノールTDL-50(以上商品名/ライオン株式会社製)、エマルゲン102KG、エマルゲン103、エマルゲン104P、エマルゲン105、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン130K、エマルゲン147、エマルゲン150、エマルゲン210P、エマルゲン220、エマルゲン306P、エマルゲン320P、エマルゲン350、エマルゲン404、エマルゲン408、エマルゲン409PV、エマルゲン420、エマルゲン430、エマルゲン705、エマルゲン707、エマルゲン709、エマルゲン1108、エマルゲン1118S-70、エマルゲン1135S-70、エマルゲン1150S-60、エマルゲン4085、エマルゲン2020G-HA、エマルゲン2025G(以上商品名/花王株式会社製)、エマルミンCC-100、エマルミンCC-130、エマルミンCC-150、エマルミンCC-200、エマルミンCO-50、エマルミンCO-100、エマルミンNL-70、エマルミンLS-80、エマルミンNL-80、エマルミンNL-90、エマルミンLS-90、エマルミンNL-100、エマルミンNL-110、エマルミンL-380、サンノニックSS-70、サンノニックSS-90、サンノニックSS-120、サンノニックSS-50、サンノニックFN-80、サンノニックFN-100、サンノニックFN-140、ナロアクティーCL-40、ナロアクティーCL-50、ナロアクティーCL-70、ナロアクティーCL-85、ナロアクティーCL-95、ナロアクティーCL-100、ナロアクティーCL-120、ナロアクティーCL-140、ナロアクティーCL-160、ナロアクティーCL-200、ナロアクティーCL-400(以上商品名/三洋化成工業株式会社製)等を使用することができる。ポリオキシアルキレンアルキルエステルの市販品としては、例えば、ノニオンL-2、ノニオンL-4、ノニオンS-2、ノニオンS-4、ノニオンS-6、ノニオンS-15、ノニオンS-15K、ノニオンS-15.4、ノニオンS-15.4V、ノニオンS-40、ノニオンO-2、ノニオンO-3、ノニオンO-4、ノニオンO-6(以下商品名/日油株式会社製)等を使用することができる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ノニオンCP-08R、ノニオンLP-20R、ノニオンMP-30R、ノニオンPP-40Rペレット、ノニオンSP-60Rペレット、ノニオンOP-80R、ノニオンOP-83RAT、ノニオンOP-85R(以上商品名/日油株式会社製)、カデナックスSO-83M(以上商品名/ライオン株式会社製)、レオドールSP-L10、レオドールSP-P10、レオドールSP-S10V、レオドールSP-S20、レオドールSP-S30V、レオドールSP-O10V、レオドールSP-O30V、レオドールスーパーSP-L10、レオドールAS-10V、レオドールAO-10V、レオドールAO-15V(以上商品名/花王株式会社製)等を使用することができる。ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、ノニオンLT-221、ノニオンLT-280、ノニオンLT-280W、ノニオンST-221、ノニオンOT-221、ノニオンOT-521(以上商品名/日油株式会社製)、レオドールTW-L120、レオドールTW-L106、レオドールTW-P120、レオドールTW-S120V、レオドールTW-S106V、レオドールTW-S320V、レオドールTW-O120V、レオドールTW-O106V、レオドールTW-O320V、レオドールTW-IS399C、レオドールスーパーTW-L120(以上商品名/花王株式会社製)等を使用することができる。ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、ユニオックスST-30E、ユニオックスST-40E、ユニオックスST-60E(以上商品名/日油株式会社製)、レオドール430V、レオドール440V、レオドール460V(以上商品名/花王株式会社製)等を使用することができる。アルキルアミンの市販品としては、例えば、リポノールC/12、リポノールO/12、リポノールT/12、リポノールHT/12(以上商品名/ライオン株式会社製)等を使用することができる。ポリオキシアルキレンアルキルアミンの市販品としては、例えば、ナイミーンL-201、ナイミーンL-202、ナイミーンL-207、ナイミーンF-202、ナイミーンF-215、ナイミーンT2-202、ナイミーンT2-210、ナイミーンT2-230、ナイミーンS-202、ナイミーンS-204、ナイミーンS-210、ナイミーンS-215、ナイミーンS-220、ナイミーンO-205(以上商品名/日油株式会社製)、リポノールC/15、リポノールC/25、リポノールO/15、リポノールO/25、リポノールT/15、リポノールT/25、リポノールHT/14、リポノールC/18-18(以上商品名/ライオン株式会社製)、アミート102、アミート105、アミート105A、アミート302、アミート320(以上商品名/花王株式会社製)等を使用することができる。
ノニオン界面活性剤では、水と油への親和性の程度を表す値としてHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値を用いることがある。本明細書において「HLB」の値は、グリフィン法によって計算される数値を意味する。また2種以上のノニオン界面活性剤を組み合わせて使用する場合には、各ノニオン界面活性剤のHLB値を加重平均した値を意味するものとする。(B)成分として使用するノニオン界面活性剤のHLB値は、鉄粉表面の還元作用を維持し鉄粉による浄化作用を促進する、すなわち土粒子や鉄粉の分散をよくして鉄粉による浄化作用を促進するものであれば、特に制限されない。(B)成分として使用する界面活性剤のHLB値としては、鉄粉表面にDDT類を接触させやすくし鉄粉による浄化作用を促進するという観点、すなわち土粒子や鉄粉の分散をよくして鉄粉による浄化作用を促進させるという観点から、8.1~16.9であることが好ましく、10.5~12.1であることがより好ましい。
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法において、(B)成分の添加量は、特に制限されず、浄化の対象となる土壌のDDT類の濃度、土壌の種類、土質、(A)成分の添加量等に応じて適宜設定される。(B)成分を土壌に添加する場合、(B)成分の添加量としては、土壌に対する含有割合が1~15質量%になるように添加することが好ましく、1~10質量%になるように添加することがより好ましく、2~8質量%になるように添加することがさらに好ましい。上記(B)成分の添加量は、鉄粉表面にDDT類を接触させやすくし鉄粉による浄化作用を促進するという観点、すなわち土粒子や鉄粉の分散をよくして鉄粉による浄化作用を促進させるという観点から好適である。
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法において、土壌に添加する(A)成分と(B)成分の質量比は、特に制限されず、浄化の対象となる土壌のDDT類の濃度、土壌の種類、土質、(A)成分及び(B)成分の種類等に応じて適宜設定される。土壌に添加する(A)成分と(B)成分の添加量の質量比としては、鉄粉表面の還元作用を維持し鉄粉にDDT類を接触させやすくするという観点、すなわち土粒子や鉄粉の分散をよくして鉄粉による浄化作用を促進させるという観点から、(A)成分:(B)成分=1~10:1~10であることが好ましく、(A)成分:(B)成分=1~6:1~6であることがより好ましく、(A)成分:(B)成分=2~6:3~6であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法は、例えば、浄化施設において、掘削した土壌に(A)成分と(B)成分とを添加することで実施できる。この場合、浄化後の土壌は、元の場所(すなわち掘削した場所)に埋め戻すことができる。或いは、本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法は、DDT類を含有する土壌を浄化施設に運搬することなく、原位置で(A)成分と(B)成分とを直接添加することで実施できる。
またDDT類を含有する土壌に(A)成分と(B)成分とを添加する方法として、(A)成分及び(B)成分に水を混合してスラリー状にした後、土壌に添加する方法、また処理の対象土壌に水を混合しスラリー状にした後、(A)成分及び(B)成分を添加する方法等を使用することができる。(A)成分及び(B)成分を添加する場合に用いる水分量は、特に制限されず、浄化の対象となる土壌の種類、土質、土壌中に含まれる水分量、(A)成分及び(B)成分の添加量等に応じて適宜設定される。上記水分量としては、浄化の対象となる土壌に対して0~300質量%であることが好ましく、5~250質量%であることがより好ましく、10~200質量%であることがさらに好ましい。上記水分量は、浄化の対象となる土壌に(A)成分及び(B)成分を効率よく混合し均一に分散させるという観点から好適である。
DDT類を含有する土壌に(A)成分と(B)成分とを添加する場合、それぞれ所定の添加量を一度に、又は、複数回に分けて添加することができる。またDDT類を含有する土壌に(A)成分と(B)成分とを添加してから、1~12週間ほど静置することで、土壌中のDDT類の濃度を低減させることができる。上記静置期間中に(A)成分及び(B)成分を複数回に分けて追添加することにより、土壌中のDDT類の濃度をより効率よく低減させることができる。
本実施形態に係るDDT類を含有する土壌の浄化方法において、DDT類を含有する土壌に(A)成分と(B)成分とを添加する工程に加えて、さらにこれらを混合する工程を含めてもよい。DDT類を含有する土壌、(A)成分及び(B)成分を混合する方法は、特に制限されず、バックホウ、ミキシングバケット装着バックホウ、スタビライザー、自走式土質改良機、定置式ミキサー、トレンチャー型攪拌混合器、深層混合処理機、パワーブレンダー等のプラント混合に通常使用される装置を用いて混合することができる。上記混合する工程を備えることにより、浄化の対象となる土壌に(A)成分及び(B)成分がより均一に分散されるため、土壌中のDDT類の濃度をより効率よく低減させることができる。
以上説明した実施形態に係る浄化方法によれば、DDT類を含有する土壌の浄化を安価で簡便に行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
本実施例において「質量%」とは、DDT類を含有する土壌に対する質量%を意味する。
[試験例1:土壌中のDDT類の濃度測定]
DDT類によって汚染された2か所の実現場から土壌(以下、それぞれ「試料土No.1」、「試料土No.2」ともいう。)を採取し、それぞれの土壌中に含まれるDDT類の濃度を測定した。試料土中のDDT類の濃度の測定にあたっては、公定法である「農薬等の環境残留実態調査分析法」(平成11年10月 環境庁水質保全局土壌農薬課)の「IV土壌編」「1.有機塩素系化合物、オクタクロロスチレン及びベンゾ(a)ピレン分析法」(GC/MS法)に記載の方法に則って測定を行った。
具体的に、本実施例においては、試料土No.1及び2に含まれるDDT類のうち、p,p’-DDT、o,p’-DDT、p,p’-DDD、o,p’-DDD、p,p’-DDE、及び、o,p’-DDEの濃度(mg/kg)を上記記載の方法に則って測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2023022458000002
表1から、試料土No.1には、試料土No.2に比べてDDT類を高濃度に含有していることが分かる。
[試験例2:鉄粉の添加量と浄化作用]
DDT類を含有する試料土No.2に鉄粉のみを添加した場合の浄化作用について、以下の方法により評価した。100ml容積のガラス瓶に試料土No.2を40g入れた後、水60mlを加えた。上記ガラス瓶に、検討例1では対照として鉄粉を添加せず、検討例2では鉄粉を0.8g(2質量%)添加し、検討例3では鉄粉を1.6g(4質量%)添加し、検討例4では鉄粉を2.4g(6質量%)添加し、それぞれ攪拌混合した後、1週間静置した。そして、検討例1~4において、1週間静置後のDDT類の濃度を試験例1と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2023022458000003
表2から、鉄粉を添加することにより、1週間静置後の試料土中のDDT類の濃度が低減されていることが分かる。また鉄粉の添加量を増加させることにより、1週間静置後の試料土中のDDT類の濃度がより低減されていることが分かる。すなわち、鉄粉の添加量を増加させることにより、浄化作用が強くなっていることが分かる。また表2から、鉄粉の添加量を0.8g(2質量%)(検討例2)から1.6g(4質量%)(検討例3)に増加させた場合に比べて、鉄粉の添加量を1.6g(4質量%)(検討例3)から2.4g(6質量%)(検討例4)に増加させた場合の方が、浄化作用の増強幅が小さくなっていることが分かる。このことから試験例3~5では、鉄粉の添加量を試料土に対して4質量%になるように設定して実験することにした。
[試験例3:鉄粉及びアニオン界面活性剤の浄化作用]
試料土No.2に鉄粉及びアニオン界面活性剤を添加した場合の浄化作用について、以下の方法により評価した。100ml容積のガラス瓶に試料土No.2を40g入れた後、水60mlを加えた。実施例1-1~1-10では、さらに鉄粉を1.6g(4質量%)、及び、アニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)それぞれ添加し攪拌混合した。実施例1-1~1-10で添加したアニオン界面活性剤の成分及び分類は表3に示すとおりである。これに対し、比較例1-1は試料土No.2と水のみとし、比較例1-2は試料土No.2、水、及び、鉄粉を1.6g(4質量%)添加し攪拌混合したものとした。比較例1-1及び1-2、並びに、実施例1-1~1-10において、2週間静置後のDDT類の濃度を試験例1と同様の方法で測定した。その結果を図1に示す。
なお、ここで例えば、「ポリオキシエチレン(3)」とは、オキシエチレン基の平均繰返し数が3(エチレンオキシドの平均付加モル数が3)であることを意味する。
Figure 2023022458000004
図1から、鉄粉及びアニオン界面活性剤を添加した場合(実施例1-1~1-10)、いずれも添加しない場合(比較例1-1)と比べて、2週間静置後の試料土中のDDT類の濃度が低減されていることが分かる。また鉄粉のみを添加した場合(比較例1-2)に比べて、鉄粉及びアニオン界面活性剤を添加した場合(実施例1-1~1-6、1-9、及び、1-10)の方が、浄化作用が増強されていることが分かる。これに対し、実施例1-7及び1-8の結果から、アニオン界面活性剤としてカルボン酸系のアニオン界面活性剤を用いた場合には、浄化作用が強くなっていないことが分かる。これは、カルボン酸系のアニオン界面活性剤では、土粒子や鉄粉の分散をよくして、かつ、土壌中の陽イオンと沈殿物を生じにくくし、鉄粉による浄化作用を促進させるという効果が発揮されにくくなっていることが推測される。
[試験例4:鉄粉及びノニオン界面活性剤の浄化作用]
試料土No.2に鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合の浄化作用について、以下の方法により評価した。100ml容積のガラス瓶に試料土No.2を40g入れた後、水60mlを加えた。実施例2-1~2―10では、さらに鉄粉を1.6g(4質量%)、及び、ノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)それぞれ添加し攪拌混合した。実施例2―1~2-10で添加したノニオン界面活性剤の成分、分類、及び、HLB値は表4に示すとおりである。これに対し、比較例2-1は試料土No.2と水のみとし、比較例2-2は試料土No.2、水、及び、鉄粉を1.6g(4質量%)添加し攪拌混合したものとした。比較例2-1及び2-2、並びに、実施例2-1~2-10において、2週間静置後のDDT類の濃度を試験例1と同様の方法で測定した。その結果を図2に示す。
Figure 2023022458000005
図2から、鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合(実施例2-1~2-10)、いずれも添加しない場合(比較例2-1)と比べて、2週間静置後の試料土中のDDT類の濃度が低減されていることが分かる。また鉄粉のみを添加した場合(比較例2-2)に比べて、鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合(実施例2-1~2-10)の方が、浄化作用が増強されていることが分かる。
[試験例5:ノニオン界面活性剤のHLB値と浄化作用]
試料土No.2に鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合に、ノニオン界面活性剤のHLB値が浄化作用に及ぼす影響について、以下の方法で評価した。100ml容積のガラス瓶に試料土No.2を40g入れた後、水60mlを加えた。実施例3-1~3-6では、さらに鉄粉を1.6g(4質量%)、及び、ノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)それぞれ添加し攪拌混合した。実施例3-1~3-6で添加したノニオン界面活性剤の種類及びHLB値は表5に示すとおりである。これに対し、比較例3-1は、試料No.2と水のみとし、比較例3-2は試料土No.2、水、及び、鉄粉を1.6g(4質量%)添加し攪拌混合したものとした。比較例3-1及び3-2、並びに、実施例3-1~3-6において、2週間静置後のDDT類の濃度を試験例1と同様の方法で測定した。その結果を図3に示す。
Figure 2023022458000006
図3から、鉄粉及びHLBの値が8.1~16.9の範囲内のノニオン界面活性剤を添加した場合(実施例3-1~3-6)、いずれも添加しない場合(比較例3-1)と比べて、2週間静置後の試料土中のDDT類の濃度が低減されていることが分かる。また鉄粉のみを添加した場合(比較例3-2)に比べて、鉄粉及びHLBの値が8.1~16.9の範囲内のノニオン界面活性剤を添加した場合(実施例3-1~3-6)の方が、浄化作用が増強されていることが分かる。
[試験例6:DDT類を高濃度に含有する土壌の浄化]
DDT類を高濃度に含有する試料土No.1に、鉄粉及びノニオン界面活性剤(HLB値13.6)を添加した場合の浄化作用について、試料土中のDDT類の濃度の経時変化を測定することで評価した。100ml容積のガラス瓶に試料土No.1を40g入れた後、水60mlを加えた。実施例4-1では、鉄粉を1.6g(4質量%)、及び、ノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)それぞれ添加した。実施例4-2では、鉄粉を1.6g(4質量%)、及び、ノニオン界面活性剤を2.4g(6質量%)それぞれ添加した。実施例4-3では、鉄粉を0.8g(2質量%)、及び、ノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)それぞれ添加した。実施例4-4では、鉄粉を2.4g(6質量%)、及び、ノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)それぞれ添加し攪拌混合した。実施例4-1~4-4で添加したノニオン界面活性剤の成分、添加量及びHLB値は表6に示すとおりである。これに対し、比較例4-1は試料土No.1と水のみとし、比較例4-2は試料土No.1、水、及び、鉄粉を1.6g(4質量%)添加し攪拌混合したものとした。また比較例4-2、及び、実施例4-1~4-4においては、7週間静置後、比較例4-2では鉄粉を1.6g(4質量%)追添加し、また実施例4-1~4-4では最初に添加したのと同量の鉄粉及びノニオン界面活性剤をそれぞれ追添加し攪拌混合した。図4に、比較例4-1及び4-2、並びに、実施例4-1~4-4において、1週間静置後、2週間静置後、3週間静置後、及び、10週間静置後のDDT類の濃度を試験例1と同様の方法で測定した結果を示す。また図5は、比較例4-1及び4-2、並びに、実施例4-1~4-4の10週間静置後のDDT類の濃度を示したものである。
Figure 2023022458000007
図4及び図5から、鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合(実施例4-1~4-4)、いずれも添加しない場合(比較例4-1)と比べて、10週間静置後の試料土中のDDT類の濃度が低減されていることが分かる。また鉄粉のみを添加した場合(比較例4-2)に比べて、鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加した場合(実施例4-1~4-4)の方が、鉄粉による還元作用が長期間にわたって維持され浄化作用が持続していることが分かる。また鉄粉を1.6g(4質量%)及びノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)添加した場合(実施例4-1)に比べて、鉄粉を1.6g(4質量%)及びノニオン界面活性剤を2.4g(6質量%)添加した場合(実施例4-2)の方が、浄化作用が増強されていることが分かる。さらに鉄粉を2.4g(6質量%)及びノニオン界面活性剤を1.2g(3質量%)添加した場合(実施例4-3)に比べ、鉄粉を1.6g(4質量%)及びノニオン界面活性剤を2.4g(6質量%)添加した場合(実施例4-2)の方が、浄化作用が増強されていることが分かる。このことから、鉄粉とノニオン界面活性剤の添加量の質量比は、鉄粉表面でのDDT類の還元作用を維持し、鉄粉とDDT類を接触させやすくする作用に影響を及ぼすものと推測される。
また図4及び図5から、DDT類を高濃度に含有する試料土No.1に対しても、鉄粉及びノニオン界面活性剤を添加することにより、試料土中のDDT類の濃度を大幅に低減させられることが分かる(実施例4-1~4-4)。

Claims (10)

  1. DDT類を含有する土壌の浄化方法であって、
    前記土壌に、(A)鉄粉と、(B)界面活性剤と、を添加することを特徴とする土壌の浄化方法。
  2. (B)成分が、アニオン界面活性剤である、請求項1に記載の土壌の浄化方法。
  3. (B)成分が、非石鹸系アニオン界面活性剤である、請求項1又は2に記載の土壌の浄化方法。
  4. (B)成分が、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アミドエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン塩、スルホコハク酸塩からなる群から選択される少なくとも1種のアニオン界面活性剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の土壌の浄化方法。
  5. (B)成分が、ノニオン界面活性剤である、請求項1に記載の土壌の浄化方法。
  6. (B)成分が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選択される少なくとも1種のノニオン界面活性剤である、請求項1又は5に記載の土壌の浄化方法。
  7. (B)成分が、HLB値が8.1~16.9のノニオン界面活性剤である、請求項1、5又は6に記載の土壌の浄化方法。
  8. (A)成分の土壌に対する含有割合が、0.1~30質量%になるように添加する、請求項1~7のいずれか一項に記載の土壌の浄化方法。
  9. (B)成分の土壌に対する含有割合が、1~15質量%になるように添加する、請求項1~8のいずれか一項に記載の土壌の浄化方法。
  10. (A)成分と(B)成分の添加量の質量比が、1~10:1~10である、請求項1~9のいずれか一項に記載の土壌の浄化方法。
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JP2011020007A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Taisei Corp 汚染土壌中の有機塩素化合物の抽出方法

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