JP2023012914A - 培養デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】電極が培養物の観察の妨げとなることを抑制しつつ、測定室の広域に電流を有効に印加する技術を提供する。【解決手段】培養デバイス1は、細胞9の電気抵抗の測定に適用可能である。培養デバイス1は、測定室100と、透過層30と、上側作用電極40と、下側作用電極50とを有する。測定室100は、第1方向の長さが、第1方向と交差する第2方向の長さよりも長い。透過層30は、測定室100を、上側の第1室110と、下側の第2室120とに仕切る。透過層30は、液体を通過させることが可能である。上側作用電極40は、測定室100に対して上側に位置し、第1方向の長さが第2方向の長さよりも長い作用電極部41,42を有する。下側作用電極50は、測定室100に対して上側に位置し、第1方向の長さが第2方向の長さよりも長い作用電極部51,52を有する。【選択図】図1

Description

本明細書で開示される主題は、培養デバイスに関する。
培養した細胞などの培養物の性質や、培養状態を調べるために、培養物の電気抵抗を計測する技術が知られている。例えば、経上皮電気抵抗(TEER)測定では、培養液中において細胞培養用の膜の一方側と他方側とに電極を配置して電極間の電気抵抗が測定され、これによって、膜上に培養された細胞の電気抵抗が測定される。このような細胞の電気抵抗を計測する技術は、例えば特許文献1に記載されている。
また、特許文献2には、流路内に細胞を培養する透過膜が配置され、透過膜の上下に複数対の電極が配置されたマイクロ流体デバイスが開示されている。特許文献2では、上部作用電極および下部作用電極は、流路の短手方向に延びており、短手方向に流路を横断するように配置されている。
特開2005-137307号公報 特開2020-146015号公報
ところで、TEER測定では、測定室内の培養物全体に対して、均一に電流が印加されることが望ましい。特許文献2のように、電極を流路の短手方向に配置した場合、流路内の広域に電流を印加するために、流路の長手方向において、電極の幅を大きくすることが考えられる。しかしながら、この場合、電極の幅が大きくなることによって、電極が培養物の観察の妨げとなるおそれがあった。また、流路内の広域に電流を印加するために、流路の長手方向に電極を複数配置することが考えられる。しかしながら、この場合も、電極数が増えることにより、電極が培養物の観察の妨げとなるおそれがあった。
本発明の目的は、電極が培養物の観察の妨げとなることを抑制しつつ、測定室内の広域に電流を有効に印加する技術を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1態様は、培養物の電気抵抗の測定に適用可能な培養デバイスであって、第1方向の長さが、前記第1方向と交差する第2方向の長さよりも長い測定室と、前記第1方向および前記第2方向とそれぞれ交差する第3方向において、前記測定室を一方側の第1室と他方側の第2室とに仕切る層であって、液体を通過させることが可能な透過層と、前記測定室に対して前記第3方向の一方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する一方側作用電極と、前記測定室に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する他方側作用電極とを備える。
第2態様は、第1態様の培養デバイスであって、前記他方側作用電極は、前記第1方向に延びており、前記測定室内において前記一方側作用電極と対向する他方側第1作用電極部を有する。
第3態様は、第1態様または第2態様の培養デバイスであって、前記他方側作用電極は、前記第1方向に延びており、前記測定室内において前記一方側作用電極に対して前記第2方向に離れて位置する他方側第2作用電極部を有する。
第4態様は、第1態様の培養デバイスであって、前記一方側作用電極は、前記第1方向に延びる一方側第1作用電極部と、前記第1方向に延びており、前記一方側第1作用電極部に対して前記第2方向に離れて位置する一方側第2作用電極部とを有する。
第5態様は、第4態様の培養デバイスであって、前記他方側作用電極は、前記第1方向に延びる他方側第1作用電極部と、前記第1方向に延びており、前記他方側第1作用電極部に対して前記第2方向に離れて位置する他方側第2作用電極部とを有する。
第6態様は、第5態様の培養デバイスであって、前記測定室内において、前記一方側第1作用電極部が前記他方側第1作用電極部と対向する。
第7態様は、第6態様の培養デバイスであって、前記測定室内において、前記一方側第2作用電極部が前記他方側第2作用電極部と対向する。
第8態様は、第5態様から第7態様のいずれか1つの培養デバイスであって、前記一方側第1作用電極部と前記他方側第1作用電極部との間の距離を第1距離、前記一方側第1作用電極部と前記他方側第2作用電極部との間の距離を第2距離とした場合、前記第2距離が前記第1距離の1.5倍以下である。
第9態様は、第1態様から第8態様のいずれか1つの培養デバイスであって、前記測定室に対して前記第3方向の一方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する一方側参照電極と、前記測定室に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する他方側参照電極とをさらに備える。
第10態様は、第1態様から第9態様のいずれか1つの培養デバイスであって、前記第1室を形成する内面を有する第1部材と、前記第1部材に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記第2室を形成する内面を有する第2部材と、前記第1部材に対して前記第3方向の一方側に位置し、前記一方側作用電極が配置されている表面を有する一方側電極基材と、前記第2部材に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記他方側作用電極が配置されている表面を有する他方側電極基材とをさらに備え、前記透過層が、前記第1部材と前記第2部材との間に配置される。
第11態様は、第1態様から第10態様のいずれか1つの培養デバイスであって、前記一方側作用電極が、前記第1方向における前記測定室の一端から他端まで延びる電極部分を有し、前記他方側作用電極が、前記一方側における前記測定室の一端から他端まで延びる電極部分を有する。
第1態様から第11態様の培養デバイスによると、測定室に対して、測定室の長手方向に延びるように一方側作用電極が配置される。これにより、一方側作用電極が培養物の観察の妨げになることを抑制しつつ、測定室内の広域に電流を有効に印加できる。
第2態様の培養デバイスによれば、他方側第2作用電極部が一方側作用電極と互いに対向するため、一方側作用電極部と他方側作用電極部との間の培養物に対して、電流を有効に印加できる。
第3態様の培養デバイスによれば、他方側第2作用電極部が一方側作用電極に対して第2方向に離れて配置されるため、電流が流れる範囲を第2方向に広げることができる。
第4態様の培養デバイスによれば、電流を印加する範囲を第2方向に広げることができる。
第5態様の培養デバイスによれば、電流が流れる範囲を第2方向に広げることができる。
第6態様の培養デバイスによれば、一方側第1作用電極部と他方側第1作用電極部との間の培養物に電流を印加できる。
第7態様の培養デバイスによれば、一方側第2作用電極部と他方側第2作用電極部との間の培養物に電流を印加できる。
第8態様の培養デバイスによれば、一方側第1作用電極部と他方側第2作用電極部との間にある培養物に対する電流密度を、一方側第1作用電極部と他方側第1作用電極部との間にある培養物に対する電流密度に近づけることができる。これにより、第2方向において、培養物に対する電流密度を均一にすることができる。
第9態様の培養デバイスによると、一方側第1作用電極部と他方側第1作用電極部との間に電流を印加し、一方側第1参照電極部と他方側第1参照電極部との間の電圧を測定することによって、4端子法によるTEER測定を実施できる。
第10態様の培養デバイスによると、第1部材、第2部材、一方側電極基材、他方側電極基材および透過層を所定の順で積層することによって、両側に作用電極が配置された測定室を容易に形成できる。
第11態様の培養デバイスによると、一方側作用電極が、第1方向における測定室の一端から他端まで延びる電極部分を有しているため、測定室の長手方向全域に電流を印加できる。
実施形態に係る培養デバイスを示す上面図(A)および下面図(B)である。 図1に示すA-A線に沿う位置における培養デバイスの断面図である。 図1に示すB-B線に沿う位置における培養デバイスの断面図である。 細胞の抵抗値を測定する際の回路図である。 比較例に係る解析モデルを用いた電流密度のシミュレーション結果を示す図である。 図1に示す培養デバイスに対応する解析モデルを用いた電流密度のシミュレーション結果を示す図である。 図6に示す解析モデルを用いた電流密度のシミュレーション結果から算出される細胞の抵抗値を示す図である。 第1変形例に係る培養デバイスの断面図である。 第2変形例に係る培養デバイスの断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の長さや数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
<1. 第1実施形態>
図1は、実施形態に係る培養デバイス1を示す上面図(A)および下面図(B)である。なお、図1においては、培養デバイス1のうち、測定室100および測定室100の周囲の構造を示している。図2は、図1に示すA-A線に沿う位置における培養デバイス1の断面図である。図3は、図1に示すB-B線に沿う位置における培養デバイス1の断面図である。
以下の説明では、各要素の位置関係を説明するため、「第1方向」、「第2方向」および「上下方向(第3方向)」を定義する。第2方向は、第1方向と交差し、より好ましくは、第1方向と直交する。上下方向は、第1方向および第2方向と交差し、より好ましくは、第1方向および第2方向と直交する。以下の説明では、上下方向における上側を単に「上側」と略し、上下方向における下側を単に「下側」と略す場合がある。
図1に示すように、培養デバイス1は、内部空間である測定室100が、微細な供給流路14および排出流路15を除いて閉空間となる、いわゆるマイクロ流路デバイスである。培養デバイス1は、測定室100内で培養された細胞9(培養物)の電気抵抗(レジスタンス、インスタンス、またはインピーダンス)を4端子法で測定するTEER測定に適用される。なお、測定の対象となる培養物は、細胞9に限定されるものではなく、生体組織等の生物学的試料であってもよい。
図2および図3に示すように、培養デバイス1は、測定容器10と、上側電極基材21(一方側電極基材)と、下側電極基材22(他方側電極基材)とを備えている。測定容器10は、板状である第1部材11と、第2部材12とで構成されている。第2部材12は、第1部材11の下側に配置されている。第1部材11および第2部材12は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタラート)で形成されている。
測定容器10は、内部に測定室100を有する。測定室100は、培養液などの液体を収容することが可能な空間を形成している。測定室100の側面は、第1部材11および第2部材12に形成された、貫通穴の内面13a,13bによって構成されている。図3に示すように、測定室100は、第2方向一方側の第1側面101と、第2方向他方側の第2側面102とを有する。第1側面101および第2側面102は、第2方向において、互いに対向している。
図1に示すように、測定室100は、第1方向の長さが、第2方向の長さよりも長い。本例では、測定室100は、上側から見た平面視において、第1方向を長手方向、第2方向を短手方向とする長方形状である。
上側電極基材21および下側電極基材22は、例えば石英ガラスなどで形成された基板であって、透明性を有する基板である。図2及び図3に示すように、上側電極基材21は、第1部材11の上側に配置されている。下側電極基材22は、第2部材12の下側に配置されている。図2および図3に示すように、上側電極基材21の下面は、測定室100の上側の開口を塞いでいる。また、下側電極基材22の上面は、測定室100の下側の開口を塞いでいる。
なお、図1(A)に示すように、上側電極基材21が透明であるため、上方からの培養デバイス1の内部に配置された、上側作用電極40、上側参照電極60、および測定室100等が視認可能である。同様に、図1(B)に示すように、下側電極基材22が透明性を有するため、下方から培養デバイス1の内部に配置された下側作用電極50、下側参照電極70および測定室100等が視認可能である。
図2および図3に示すように、培養デバイス1は、透過層30を有している。透過層30は、液体を透過させるシート状の透過膜である。透過層30は、例えば、PC(ポリカーボネート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、またはPETなどで形成されている。透過層30は、第1部材11と第2部材12との間に挟み込まれて保持されている。
透過層30は、上下方向において、測定室100を上側の第1室110と、下側の第2室120とに仕切る層である。測定室100内に収容された液体は、透過層30を介して、第1室110と第2室120との間を行き来することが可能である。第1室110は、第1部材11の内面13aにより形成されており、第2室120は、第2部材12の内面13bによって形成されている。
図1および図2に示すように、培養デバイス1は、供給口210と供給流路14とを有している。供給流路14は、外部から測定室100内へ供給される液体が通過する流路である。供給口210は、外部から供給流路14に液体を供給するための開口である。本例では、供給口210は、上側電極基材21を上下方向に貫通する穴によって構成されている。供給口210は、供給流路14を介して、測定室100の第1室110と連通している。なお、「連通」とは、液体が流通可能に連結されている状態をいう。供給流路14は、第1方向に沿って延びる管状に形成されている。図2に示すように、供給流路14は、第1部材11を上下に貫通する穴の内面と、上側電極基材21の下面と、第2部材12の上面とで構成されている。
図1および図2に示すように、培養デバイス1は、排出口220と排出流路15とを有している。排出流路15は、測定室100内から外部へ排出される液体が通過する流路である。排出口220は、排出流路15から液体を排出するための開口である。本例では、排出口220は、上側電極基材21および第1部材11を上下に貫通する穴によって構成されている。排出口220は、排出流路15を介して、測定室100の第2室120と連通している。排出流路15は、第1方向に沿って延びる管状に形成されている。図2に示すように、排出流路15は、第2部材12を上下に貫通する穴の内面と、第1部材11の下面と、下側電極基材22の上面とで構成されている。
培養デバイス1を用いて細胞9の電気抵抗を測定する場合、供給口210には培養液などの液体を測定室100に供給するための供給チューブが接続され、排出口220には測定室100から培養液を排出するための排出チューブが接続される。
図1に示すように、培養デバイス1は、上側作用電極40(一方側作用電極)と、下側作用電極50(他方側作用電極)と、上側参照電極60(一方側参照電極)と、下側参照電極70(他方側参照電極)とをさらに備えている。
上側作用電極40および上側参照電極60は、上側電極基材21の下面にそれぞれ配置されている。上側作用電極40および上側参照電極60は、測定室100に対して上側(第3方向の一方側)に配置されている。下側作用電極50および下側参照電極70は、下側電極基材22の上面にそれぞれ配置されている。下側作用電極50および下側参照電極70は、測定室100に対して下側(第3方向の他方側)に配置されている。
上側作用電極40および上側参照電極60は、例えば、上側電極基材21の下面に電極用の金属を蒸着させることによって形成される。蒸着によって形成された上側作用電極40および上側参照電極60のうち少なくとも測定室100と上下に重なる部分は、好ましくは、絶縁保護膜(酸化膜)などで覆われる。このように、絶縁保護膜で覆うことによって、電極金属と液体との界面で生じる電気化学反応を抑制でき、経時的な電極金属の劣化や摩耗を抑制できる。下側作用電極50および下側参照電極70についても、上側作用電極40および上側参照電極60と同様に、下側電極基材22の上面に対して蒸着によって形成されるとともに、適宜、絶縁保護膜で覆われる。
<上側作用電極40>
図1(A)に示すように、上側作用電極40は、作用電極部41(一方側第1作用電極部)と、作用電極部42(一方側第2作用電極部)と、作用バス部43とを有している。図1(A)に示すように、作用電極部41,42は、第1方向の長さが第2方向の長さよりも長い。本例では、作用電極部41,42は、第1方向に沿って直線状に延びている。図1(A)に示すように、第1方向における、作用電極部41,42の各一端部は、作用バス部43と電気的に接続されている。
図1(A)および図3に示すように、作用電極部42は、作用電極部41に対して、第2方向に離れて配置されている。作用電極部41は、測定室100の中央に対して、第2方向の一方側に寄った位置に配置されている。また、作用電極部42は、測定室100の中央に対して、第2方向の他方側に寄った位置に配置されている。
図3に示すように、作用電極部41は、測定室100の第1側面101に対して、第2方向他方側に間隔W31だけ離れて配置されている。作用電極部42は、測定室100の第2側面102に対して、第2方向一方側に間隔W32だけ離れて配置されている。
<下側作用電極50>
図1(B)に示すように、下側作用電極50は、作用電極部51(他方側第1作用電極部)と、作用電極部52(他方側第2作用電極部)と、作用バス部53とを有している。作用電極部51,52は、第1方向の長さが第2方向の長さよりも長い。本例では、作用電極部51,52は、第1方向に沿って直線状に延びている。第1方向における、作用電極部51,52の各一端部は、作用バス部53と電気的に接続されている。
図1(B)および図3に示すように、作用電極部52は、作用電極部51に対して、第2方向他方側に離れて配置されている。作用電極部51は、測定室100の中央に対して、第2方向の一方側に寄った位置に配置されている。また、作用電極部52は、測定室100の中央に対して、第2方向の他方側に寄った位置に配置されている。図3に示すように、作用電極部52は、作用電極部41に対して、第2方向他方側に離れて配置されている。
図3に示すように、作用電極部51は、測定室100の第1側面101に対して、第2方向他方側に間隔W33だけ離れて配置されている。作用電極部52は、測定室100の第2側面102に対して、第2方向一方側に間隔W34だけ離れて配置されている。
作用電極部41,42,51,52の幅(第2方向の寸法)W11,W12,W13,W14は、好ましくは同じ大きさである。
図3に示すように、作用電極部41,51は、第2方向において同じ位置に配置されている。測定室100内において、作用電極部41は、作用電極部51と上下方向に対向している。図3に示すように、作用電極部42,52は、第2方向において同じ位置に配置されている。測定室100内において、作用電極部42は、作用電極部52と上下方向に対向している。
作用電極部41,42,51,52は、測定室100と上下に重なる位置にそれぞれ配置されている。また、図1および図2に示すように、第1方向における作用電極部41,42,51,52の各長さは、第1方向における測定室100の長さよりも長い。また、図1および図2に示すように、作用電極部41,42,51,52は、測定室100を第1方向に縦断するようにそれぞれ配置されている。すなわち、上側作用電極40および下側作用電極50は、第1方向における測定室100の一端から他端まで延びる電極部分(作用電極部41,42,51,52)をそれぞれ有している。
<上側参照電極60>
図1(A)および図3に示すように、上側参照電極60は、参照電極部61(一方側第1参照電極部)と、参照電極部62(一方側第2参照電極部)と、参照バス部63とを有している。
図1(A)に示すように、参照電極部61,62は、第1方向の長さが第2方向の長さよりも長い。本例では、参照電極部61,62は、第1方向に沿って直線状に延びている。第1方向における、参照電極部61,62の各一端部は、参照バス部63と電気的に接続されている。
図3に示すように、参照電極部61は、測定室100の中央に対して、第2方向の一方側に寄った位置に配置されている。また、参照電極部62は、測定室100の中央に対して、第2方向の他方側に寄った位置に配置されている。
図3に示すように、参照電極部62は、参照電極部61に対して、第2方向の他方側に間隔W51だけ離れて配置されている。参照電極部61,62は、第2方向において、作用電極部41,42の間に配置されている。
図3に示すように、参照電極部61は、作用電極部41に対して、第2方向他方側に間隔W41だけ離れて配置されている。参照電極部62は、作用電極部42に対して、第2方向一方側に間隔W42だけ離れて配置されている。
培養デバイス1では、測定室100の長手方向(第1方向)の全体にわたって、作用電極部41,42の間に隙間が形成されている。そして、当該隙間に、上側参照電極60の参照電極部61,62が配置されている。また、参照電極部61,62の間には、間隔W51の隙間が形成される。このため、観察者は、培養デバイス1の上側から、参照電極部61,62の間の隙間を介して、透過層30に支持された細胞9を観察できる。
上側参照電極60の参照電極部61,62の幅(第2方向の寸法)W21,W22は、好ましくは、上側作用電極40の作用電極部41,42の幅W11,12よりも小さい。このように、参照電極部61,62の幅W21,W22を小さくすることによって、上側参照電極60が細胞9の観察の妨げとなることを抑制できる。
<下側参照電極70>
下側参照電極70は、参照電極部71(他方側第1参照電極部)と、参照電極部72(他方側第2参照電極部)と、参照バス部73とを有している。参照電極部71および参照電極部72は、第1方向の長さが第2方向の長さよりも長い。本例では、参照電極部71および参照電極部72は、第1方向に沿って直線状に延びている。第1方向における、参照電極部71および参照電極部72の各一端部は、参照バス部73と電気的に接続されている。
図1において、図示を省略しているが、作用バス部43,53および参照バス部63,73は、外部機器と電気的に接続するための接点部をそれぞれ有している。各接点部は、外部機器の電極(プローブピンなど)が接触できるように、培養デバイス1外に露出している。
図3に示すように、参照電極部71は、測定室100の中央に対して、第2方向の一方側に寄った位置に配置されている。また、参照電極部72は、測定室100の中央に対して、第2方向の他方側に寄った位置に配置されている。
図3に示すように、参照電極部72は、参照電極部71に対して、第2方向他方側に間隔W52だけ離れて配置されている。参照電極部71,72は、第2方向において、作用電極部51,52の間に配置されている。
図3に示すように、参照電極部61,71は、第2方向において同じ位置に配置されている。測定室100内において、参照電極部61は、参照電極部71と上下方向に対向している。また、図3に示すように、参照電極部62,72は、第2方向において同じ位置に配置されている。測定室100内において、参照電極部62は、参照電極部71と上下方向に対向している。
参照電極部61,62,71,72の幅W21,W22,W23,W24は、好ましくは同じである。参照電極部71,72の幅W23,W24は、好ましくは、下側作用電極50の作用電極部51,52の幅W13,W14よりも小さい。
測定室100において、参照電極部61は参照電極部71と、参照電極部62は参照電極部72と、上下方向にそれぞれ重なっている。参照電極部61,62,71,72は、第1方向の長さが第1方向における測定室100の長さよりも長い。図1(A)および(B)に示すように、参照電極部61,62,71,72は、測定室100を第1方向に縦断するように配置されている。すなわち、上側参照電極60および下側参照電極70は、第1方向において測定室100の一端から他端まで延びる電極部分(参照電極部61,62,71,72)を有している。
測定室100の第1方向の長さは、好ましくは100mm以下であり、より好ましくは20mm以上、30mm以下である。測定室100の第2方向の長さは、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは1mm以上、2mm以下である。測定室100の上下方向の長さは、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは1mm以上、2mm以下である。
作用電極部41,42,51,52の幅W11~W14は、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは300μm以上、500μm以下であり、例示的には400μmである。なお、幅W11~W14は、同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
図3に示すように、参照電極部61,62,71,72の幅W21~W24は、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは50μm以上150μm以下であり、例示的には100μmである。なお、幅W21~W24は、同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
図3に示すように、作用電極部41と第1側面101との間、作用電極部42と第2側面102との間、作用電極部51と第1側面101との間、作用電極部52と第2側面102との間の間隔W31,W32,W33,W34は、好ましくは100μm以上300μm以下であり、例示的には200μmである。なお、間隔W31~W34は、同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
図3に示すように、作用電極部41と参照電極部61との間、作用電極部42と参照電極部62との間、作用電極部51と参照電極部71との間、および、作用電極部52と参照電極部72との間の間隔W41,W42,W43,W44は、好ましくは200μm以下であり、例示的には100μmである。なお、間隔W41~W44は、同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
図3に示すように、参照電極部61,62の間、および、参照電極部71,72の間の間隔W51,W52は、好ましくは300μm以上500μm以下であり、例示的には400μmである。なお、間隔W51,W52は、同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
上側から見た平面視において、上側作用電極40の作用電極部41,42のうち、測定室100と重なる部分の面積は、測定室100の面積に対して、好ましくは30%以上50%以下あり、例示的には40%である。
<電気抵抗の測定について>
図4は、細胞9の電気抵抗を測定する際の回路図である。細胞9の電気抵抗を測定する場合、培養デバイス1に対して、電源装置91および電圧計92が接続される。電源装置91の出力端子は、導線94aを介して、上側作用電極40の接点部および下側作用電極50の接点部とそれぞれ電気的に接続される。また、電圧計92の入力端子は、導線94bを介して、上側参照電極60の接点部および下側参照電極70の接点部とそれぞれ電気的に接続される。
また、細胞9の電気抵抗を測定する場合、測定室100内における透過層30の上面に、多数の細胞9が支持される。そして、供給口210および供給流路14を介して、培養液などの液体が測定室100に充填される。また、排出口220および排出流路15を介して、測定室100内の液体が排出される。これにより、測定室100の第1室110および第2室120において、液体の交換(または循環)が行われる。
図4において、抵抗Rmは、透過層30のうち測定室100内に配置されている部分と、その透過層30の部分に支持されている細胞9の層(以下、「細胞層90」と称する。)の電気抵抗に相当する。抵抗Rw1は、上側作用電極40と細胞層90との間(すなわち、第1室110)における液体の電気抵抗に相当する。抵抗Rw2は、下側作用電極50と細胞層90との間(すなわち、第2室120)における液体の電気抵抗に相当する。
また、図4において、抵抗Rr1は、上側参照電極60と細胞層90との間(すなわち、第1室110)における液体の電気抵抗に相当する。抵抗Rr2は、下側参照電極70と細胞層90との間(すなわち、第2室120)における液体の電気抵抗に相当する。
電源装置91によって上側作用電極40と下側作用電極50との間に電流が印加されるとともに、電圧計92によって上側参照電極60と下側参照電極70間の電圧が測定される。そして、電圧計92によって測定された電圧値から、上側作用電極40と下側作用電極50との間の電気抵抗が算出される。さらに、上側作用電極40と下側作用電極50との間の算出された電気抵抗から、細胞層90の抵抗Rmが算出される。
電源装置91が上側作用電極40と下側作用電極50との間に電流を印加すると、上側作用電極40および下側作用電極50の各電極表面において、液体の酸化反応および還元反応が起き、電気二重層が形成される場合がある。この場合、電源装置91による出力電圧と上側作用電極40と下側作用電極50との間に印加される電圧とが異なってしまうおそれがある。培養デバイス1の場合、測定室100の内部において、上側作用電極40および下側作用電極50の近傍に、上側参照電極60および下側参照電極70がそれぞれ配置されている。このため、上側参照電極60と下側参照電極70との間の電圧を測定し、測定された電圧を、上側作用電極40と下側作用電極50との間の電圧として利用することによって、細胞層90の抵抗Rmを精度良く測定できる。
<効果>
培養デバイス1によれば、上側作用電極40および下側作用電極50を、測定室100の長手方向である第1方向に延ばすことによって、測定室100の短手方向に電極を延ばす場合よりも、測定室100に面する電極部分の長さを大きくすることができる。これにより、電極数を増やさずに、かつ、電極を太くせずに、電流が印加される領域を広げることができる。したがって、上側作用電極40が細胞9の観察の妨げとなることを抑制しつつ、測定室100の広域に電流を有効に印加できる。
また、上側作用電極40が、第1方向における測定室100の一端から他端まで延びる電極部分(作用電極部41,42)を有している。これにより、測定室100の長手方向の全域に電流を印加できるため、測定室100の広域に電流を印加できる。また、下側作用電極50も、第1方向における測定室100の一端から他端まで延びる電極部分(作用電極部51,52)を有している。これにより、測定室100の長手方向全域に電流を印加できる。
作用電極部41,51が対向しているため、作用電極部41,51の間にある細胞9に電流を印加できる。また、作用電極部42,52が対向しているため、作用電極部42,52の間にある細胞9に電流を印加できる。
作用電極部41に対して、作用電極部52が第2方向に離れて配置されている。これにより、作用電極部41,52間で電流が流れることにより、細胞層90の中間部に電流を印加できる。これと同様に、作用電極部42,51間に電流が流れることにより、細胞層90の中間部に電流を印加できる。
培養デバイス1は、第1部材11、第2部材12、上側電極基材21、下側電極基材22、透過層30によって構成されている。このため、これらの部材を所定の順で上下に積層することによって、両側に一対の上側作用電極40および下側作用電極50が配置された測定室100を容易に形成することができる。
<シミュレーション>
図5は、比較例に係る解析モデル8aを用いた電流密度のシミュレーション結果を示す図である。図6は、図1に示す培養デバイス1に対応する解析モデル8bを用いた電流密度のシミュレーション結果を示す図である。電流密度のシミュレーションは、具体的には、COMSOL Multiphysics(COMSOL AB社製)等の解析ソフトウェアを用いた有限要素法により行っている。また、解析モデル8a,8bにおいては、測定室100の第1方向(長手方向)の長さを30mm、第2方向(短手方向)の長さを1mm、上下方向の長さを1mmとしている。また、図5及び図6では、細胞層90の電気抵抗を全域に渡って一様としている。またシミュレーションを簡易にするため、解析モデル8a,8bでは、上側作用電極40および下側作用電極50のみを備え、上側参照電極60および下側参照電極70は省略している。
図5(A)は、解析モデル8aを示す上面図であり、図5(B)は、解析モデル8aを示す側面図である。図5(C)は、電流密度のシミュレーション結果を示す図である。図5(C)において、横軸は測定室100の第1方向における位置(mm)を示しており、縦軸は電流密度(A/cm)を示している。
図5(A)、図5(B)に示すように、比較例に係る解析モデル8aでは、上側作用電極40および下側作用電極50が、第2方向の長さが第1方向の長さよりも長い電極部分(作用電極部41a,42a,51a,52a)でそれぞれ構成されており、各電極部分が、測定室100の第1方向における両端部に配置されている。また、作用電極部41a,51a、および、作用電極部42a,52aは、それぞれ上下に対向している。
解析モデル8aの場合、図5(C)に示すように、第1方向における測定室100の中央付近に近づくほど、電流密度が小さくなる。具体的には、電極の直下の電流密度がおよそ1.00×10-9であるのに対して、測定室100の中央付近の電流密度がおよそ1.00×10-12であり、両者間に1000倍程度の開きがある。すなわち、解析モデル8aのような電極形状の場合、電流密度に大きなバラツキが生じる。
図6(A)は、解析モデル8bを示す上面図であり、図6(B)は、図6(A)に示すC-C線に沿う位置における解析モデル8bを示す断面図である。図6(C)および図6(D)は、電流密度のシミュレーション結果を示す図である。図6(C)中、横軸は測定室100の第1方向における位置(mm)を示しており、縦軸は電流密度(A/cm)を示している。図6(D)中、横軸は測定室100の第2方向における位置(mm)を示しており、縦軸は電流密度(A/cm)を示している。
解析モデル8bの場合、図6(C)に示すように、第1方向において、電流密度のバラツキがほぼない。また、解析モデル8bの場合、図6(D)に示すように、第2方向においても、電流密度の差が5%未満である。これらのシミュレーション結果は、解析モデル8bの電極形状の場合、細胞9全体に、電流を均一に印加できることを示している。
解析モデル8bの場合、図6(B)に示すように、作用電極部41,51間の距離L1(第1距離、ここでは1mm)に対して、作用電極部41,52間の距離L2(第2距離)が充分に小さい。このため、作用電極部41,52間にも充分に電流が流れる。また、作用電極部41,52間と同様に、作用電極部42,51間にも、充分に電流が流れる。したがって、図6(D)に示すように、第2方向において、電流密度が均一になると考えられる。
なお、距離L2は、距離L1の1.5倍以下であることが望ましい。距離L2が距離L1の1.5倍より大きい場合、作用電極部52が作用電極部41に対して第2方向に離れる。このため、作用電極部41,52間の細胞9に対する電流密度が、作用電極部41,51間の細胞9に対する電流密度よりも顕著に小さくなる。したがって、細胞層90に対する電流密度にバラツキが生じるおそれがある。
図7は、図6に示す解析モデル8bを用いたシミュレーションから算出される細胞層90の抵抗値を示す図である。図7には、細胞層90の抵抗を全域で均一としてシミュレーションした場合に算出される抵抗値と、細胞層90のうち、第1方向一端の領域A1の抵抗、または、第1方向中央の領域A2の抵抗を、他の領域に対して1/10または1/100に設定してシミュレーションした場合に算出される各抵抗値とをそれぞれ示している。
図7に示すように、一端の領域A1の電気抵抗、および、中央の領域A2の抵抗を1/10にそれぞれ設定した場合、「197.5Ω」、「197.9Ω」となっている。また、一端の領域A1の抵抗および中央の領域A2の抵抗を1/100にそれぞれした場合、算出される抵抗値は「190.6Ω」、「191.3Ω」となっている。このように、解析モデル8bの場合、細胞層90における一端の領域A1および中央の領域A2のいずれの抵抗値を変動させた場合であっても、電流密度から算出される細胞層90の抵抗値がほぼ同じ値となる。
解析モデル8aの場合、図5(C)に示すように、細胞層90の端部と中央付近とで、電流密度にバラツキが生じる。このため、細胞層90における一端の領域A1の抵抗が低くなった場合と、細胞層90の中央の領域A2の抵抗が低くなった場合とでは、電流密度から算出される細胞層90の抵抗値に差異が生じ得る。これに対して、解析モデル8bの場合、図6(C)に示すように、第1方向における電流密度が均一であるため、細胞層90の一部分が低抵抗であったとしても、他部分に対して電流が均一に流れる。したがって、抵抗が周囲と異なる部分が細胞層90のどの位置にあったとしても、細胞層90の他部分に電流を均一に印加できるため、最終的に同程度の抵抗値を算出できる。したがって、解析モデル8bの電極形状の場合、解析モデル8aの電極形状と比べて、TEER測定の再現性を向上できる。
以上のように、解析モデル8bの解析結果から、作用電極部41,42,51,52を測定室100の長手方向に延ばすことによって、細胞層90の広域に電流を均一に印加することができる。また、細胞9の死滅や細胞9の欠如などにより、細胞層90の一部分の抵抗が変動しても、細胞層90の他部分に電流が均一に流れる。したがって、細胞層90の抵抗を適切に算出できる。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
図8は、第1変形例に係る培養デバイス1の断面図である。図8に示すように、第2方向において、上側作用電極40の作用電極部41,42が、測定室100の外側まで延びていてもよい。この第1変形例において、作用電極部41の幅W11は、例えば800μmである。このように作用電極部41,42を測定室100の外側まで延ばすことによって、第2方向における測定室100の端部に電流を印加できる。また、図8に示すように、第2方向において、下側作用電極50の作用電極部51,52が、測定室100の外側まで延びていてもよい。
図9は、第2変形例に係る培養デバイス1の断面図である。図9に示すように、上側作用電極40は、作用電極部41,42に加えて、作用電極部44,45をさらに備えていてもよい。作用電極部44,45は、第1方向に沿って直線状に延びている。
参照電極部61は、第2方向において、作用電極部41,44の間に配置されている。また、参照電極部62は、第2方向において、作用電極部42,45の間に配置されている。この第2変形例において、作用電極部41の幅W11は、例えば500μmである。また、作用電極部44の幅W15は、例えば200μmである。参照電極部61と作用電極部44間の間隔W45は、例えば100μmである。作用電極部44,45間の間隔W53は、例えば400μmである。
図9に示すように、下側作用電極50は、作用電極部51,52に加えて、作用電極部54,55をさらに備えていてもよい。作用電極部54,55は、第1方向に沿って直線状に延びている。参照電極部71は、第2方向において、作用電極部51,54の間に配置されていてもよい。また、参照電極部72は、第2方向において、作用電極部52,55間に配置されていてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1 培養デバイス
9 細胞
11 第1部材
12 第2部材
13a,13b 内面
21 上側電極基材(一方側電極基材)
22 下側電極基材(他方側電極基材)
30 透過層
40 上側作用電極(一方側作用電極)
41 作用電極部(一方側第1作用電極部)
42 作用電極部(一方側第2作用電極部)
50 下側作用電極(他方側作用電極)
51 作用電極部(他方側第1作用電極)
52 作用電極部(他方側第2作用電極)
60 上側参照電極(一方側参照電極)
70 下側参照電極(他方側参照電極)
90 細胞層
100 測定室
110 第1室
120 第2室

Claims (11)

  1. 培養物の電気抵抗の測定に適用可能な培養デバイスであって、
    第1方向の長さが、前記第1方向と交差する第2方向の長さよりも長い測定室と、
    前記第1方向および前記第2方向とそれぞれ交差する第3方向において、前記測定室を一方側の第1室と他方側の第2室とに仕切る層であって、液体を通過させることが可能な透過層と、
    前記測定室に対して前記第3方向の一方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する一方側作用電極と、
    前記測定室に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する他方側作用電極と、
    を備える、培養デバイス。
  2. 請求項1に記載の培養デバイスであって、
    前記他方側作用電極は、前記第1方向に延びており、前記測定室内において前記一方側作用電極と対向する他方側第1作用電極部を有する、培養デバイス。
  3. 請求項1または請求項2に記載の培養デバイスであって、
    前記他方側作用電極は、前記第1方向に延びており、前記測定室内において前記一方側作用電極に対して前記第2方向に離れて位置する他方側第2作用電極部を有する、培養デバイス。
  4. 請求項1に記載の培養デバイスであって、
    前記一方側作用電極は、
    前記第1方向に延びる一方側第1作用電極部と、
    前記第1方向に延びており、前記一方側第1作用電極部に対して前記第2方向に離れて位置する一方側第2作用電極部と、
    を有する、培養デバイス。
  5. 請求項4に記載の培養デバイスであって、
    前記他方側作用電極は、
    前記第1方向に延びる他方側第1作用電極部と、
    前記第1方向に延びており、前記他方側第1作用電極部に対して前記第2方向に離れて位置する他方側第2作用電極部と、
    を有する、培養デバイス。
  6. 請求項5に記載の培養デバイスであって、
    前記測定室内において、前記一方側第1作用電極部が前記他方側第1作用電極部と対向する、培養デバイス。
  7. 請求項6に記載の培養デバイスであって、
    前記測定室内において、前記一方側第2作用電極部が前記他方側第2作用電極部と対向する、培養デバイス。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の培養デバイスであって、
    前記一方側第1作用電極部と前記他方側第1作用電極部との間の距離を第1距離、前記一方側第1作用電極部と前記他方側第2作用電極部との間の距離を第2距離とした場合、前記第2距離が前記第1距離の1.5倍以下である、培養デバイス。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の培養デバイスであって、
    前記測定室に対して前記第3方向の一方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する一方側参照電極と、
    前記測定室に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記第1方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い電極部分を有する他方側参照電極と、
    をさらに備える、培養デバイス。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の培養デバイスであって、
    前記第1室を形成する内面を有する第1部材と、
    前記第1部材に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記第2室を形成する内面を有する第2部材と、
    前記第1部材に対して前記第3方向の一方側に位置し、前記一方側作用電極が配置されている表面を有する一方側電極基材と、
    前記第2部材に対して前記第3方向の他方側に位置し、前記他方側作用電極が配置されている表面を有する他方側電極基材と、
    をさらに備え、
    前記透過層が、前記第1部材と前記第2部材との間に配置される、培養デバイス。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の培養デバイスであって、
    前記一方側作用電極が、前記第1方向における前記測定室の一端から他端まで延びる電極部分を有し、
    前記他方側作用電極が、前記一方側における前記測定室の一端から他端まで延びる電極部分を有する、培養デバイス。
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