JP2023006340A - 注出キャップ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第2の目的は、前記栓筒内への液体の浸入を規制する手段を備えた注出キャップを簡易に製造できるようにすることである。
前記頂壁20の上面を覆うようにキャップ本体4に取り付けられており、当該頂壁20と向かい合う天板40から前記注出筒22内へ嵌入される栓筒42を垂設した上蓋30と
を具備し、前記栓筒42は、天板40と連設した筒周壁43と、筒周壁43の下端部44から当該筒周壁43の筒孔46を遮蔽するように突設された突端部50とを有する。
この構造によれば、栓筒42内へ液体が入り込んで汚れの原因となることを抑制できる。
前記突端部50は、前記筒周壁43の下端部44より下側へ一体的に突設されているとともに、当該筒周壁43より薄肉の膜状に形成されている。
前記突端部50は、図1、図3、及び図5に示すように、栓筒42の筒周壁43の下端部44より下側へ一体的に突設されているとともに、前記筒周壁43より薄肉の膜状に形成されている。
この構造によれば、キャップ本体4及び上蓋30を一体成形した後に、薄肉膜状の突端部50を図2(B)及び図4(B)に示すように治具Tを用いて折り曲げ、筒孔46を遮蔽できる形とすることが容易であり、簡単に製造することができる。
この構造によれば、前記筒孔46を周方向に連続する単一の膜でほぼ隙間なく遮蔽することにより、栓筒42内への液体の浸入を的確に抑制することができる。
この構造によれば、各羽片部50Bがそれぞれ折り曲げられることで、突端部50全体を窄んだ形状に曲げ変形させ易い。
前記仕切り壁部26は通液孔28を有しており、
前記突端部50は、前記上蓋30の閉蓋時に前記仕切り壁部26の上面27に当接しており、この当接状態で前記通液孔28を閉塞するように形成した。
この構造によれば、この当接状態で前記通液孔28を閉塞するように形成したから、仕切り壁部26の上面27へ前記突端部50を十分に密着させることができ、シール性が向上する。
また本発明によれば、前記栓筒内への液体の浸入を規制する部位(突端部)を備えた注出キャップを簡易に製造できる。
注出キャップ2は、図1(A)に示す如くキャップ本体4と上蓋30とを具備する。
これらキャップ本体4及び上蓋30は例えば合成樹脂で形成することができる。
前記キャップ本体4及び上蓋30は、熱可塑性を有する材料で一体成形することが好適であるが、別体として成形しても構わない。
図示例の装着筒6は、図1(A)に示す如く、外筒部8と内筒部12との各上端を環状壁部14で連結させた2重筒である。
前記外筒部8と内筒部12との間には、前記口頸部102が挟持されている。
もっとも、前記装着筒6の構造は適宜変更することができる。例えば、装着筒6は、口頸部102の外面へ螺合可能なネジ筒とすることができる。
前記環状壁部14の上面からは、上蓋30側へ係合させるための蓋係合突部15が立設されている。
また
前記外筒部8の内面下部には、前記口頸部102に係止させる係合突部9が付設されている。
前記外筒部8の後壁部の上端には、ヒンジ11を介して上蓋30が連結されている。また外筒部8の前壁部には内側にへこむ凹み10が付設されている。
なお、本明細書では、説明の便宜のために、図1(A)の右側を“後”と、同図の左側を“前”と、紙面と直交する方向を“左右”と称する。
縦方向引き裂きラインは、ヒンジ11の近傍で、外筒部8の外周面に当該外周面の上端から下端付近まで穿設した縦溝状の外周切込み部(図示せず)の内方先端部と外筒部8の内周面との間の薄肉部として形成されている。
また周方向引き裂きライン18は、外筒部8の上端面から、外周切込み部よりヒンジ11と反対側に向かって周方向へ延びるスリット溝16を穿設し、図1(A)に示す如く、このスリット溝の底面17の内端を外筒部8の内周面に接近させることにより、これら底面17の内端及び外筒部8の内周面の間の破断可能な薄肉部として形成される。
前記頂壁20の下面には、図1(B)に示す如く、前記貫通孔21を囲むように上向きの凹陥部cが形成されている。
また図示例では、前記注出筒22の内周面23の下部を小内径部23aに、当該内周面23の上部を、小内径部23aより上向き段差部BUを介して拡開する大内径部23bにそれぞれ形成している。
そして前記天板40からは、前記注出筒22内へ嵌挿された栓筒42が垂設されている。
栓筒42の周囲では、天板40の下面に変形可能な環状薄肉部56が形成されている。
また図示例では、前記側周壁32の下端部内周に、前記蓋係合突部15の外面と係合して閉塞状態を維持する係合凹部34が周設されている。
また前記側周壁32の内面には、図1(A)に示す如く、前記係合凹部34の上方に位置させて、前記蓋係合突部15の内面上端に係止する係合凸片36が付設されている。
また前記側周壁32の前部からは、摘み部38が前方へ突設されている。
そして大外径部45bに注出筒22の大内径部23bを密着させて主シール部s1とする。
前記小外径部45aと注出筒22の小内径部23aとは、外部との衝撃により主シール部s1が外れたときに相互に密接するように設けることで、仮シール部s2を形成する。
また前記主シール部s1と仮シール部s2との間には、浸入した液体を溜めるための空間Vが形成されている。
ここで「遮蔽」という用語は、前記筒孔46を閉塞している構造を含むが、少なくとも、実質的に液体が筒孔46内に入らない程度に当該筒孔46を蔽っていればよい。
また「突端部」は、栓筒42の端部であって筒周壁43の下端側から突設された部位という程度の意味である。図示例の突端部50は、筒周壁43の下端部から下方へ略半球状に膨出した形状に形成されているが、その形態は適宜変更することができる。
前記突端部50は、図1(A)に示す如く、筒周壁43の下端部44より下側へ一体的に突設させるとよく、筒周壁43より薄肉の膜状に形成されている。
「薄肉の膜状」とは、金型で成形した直後に治具を押し付けることで曲げ変形することが可能な程度に薄肉なものをいう。
本実施形態では、図1(B)に示す如く、前記突端部50は、前記筒周壁43の下端部44の全周に連設して下方へ膨出する単一の薄肉膜50Aとして形成している。
図示例では、突端部50の内表面bsと筒孔46の内面とは無段差の連続面となっており、他方、突端部50の外表面fsと筒周壁43の外周面の下端部(小外径部45a)との間には下向き段差部BLが形成されている。もっともこれらの構造は適宜変更することができる。
前記突端部50は、キャップ本体4及び上蓋30を一体成形した直後の段階では、図2(A)に示す如く、栓筒42の筒周壁43の下端部44から下方へ延びる下端小径で薄肉のテーパ筒状に成形されている。
この状態から、図2(B)に示す如く、上蓋30及び図示しないキャップ本体4を開蓋状態のままとし、次に、半球状の圧接面Rを有する治具Tを用意する。
そして、注出キャップの成形工程の後に、成形後の余熱が注出キャップに残っている状態で、前記テーパ筒状の突端部50に前記治具Tの圧接面Rに押し付ける。
そうすると、薄肉の突端部50は前記圧接面Rの形状に沿って容易に曲げ変形される。これにより、前記半球状の形状を突端部50に簡単に付形させることができる。
図示例の半球状の形状は、好適な形状の一例であり、適宜変更することができる。
具体的には、前記突端部50の構造として、筒周壁43の下端部44の全周に連設して下方へ膨出する単一の薄肉膜50Aに代えて、図3(A)に示す如く、複数の羽片部50Bからなる構造を採用している。
この構造では、注出キャップの成形後の曲げ加工において、各羽片部50Bを折り曲げ変形させることができる。故に曲げ加工を行うことが容易である。
前記羽片部50Bは、図3(B)に示す如く、前記筒周壁43の下端部44から相互に間隙54を存して下内方へ突設されている。
図示例では、4本の羽片部50Bを等角的に配置しているが、その個数は適宜変更することができる。
各羽片部50Bは、同一寸法かつ同一形状に形成するとよい。
図示の羽片部50Bは、基端部51から先端部52に向かうに従って巾狭となる帯状(舌片状)に形成されている。もっともこれらの形状は適宜変更することができる。
この形状は、第1実施形態で述べた下端小径のテーパ筒(図2(A)参照)に間隙54として三角形状の切込みを穿設したものである。
その後は、第1実施形態と同様に圧接面Rを有する治具Tを用いて、当該圧接面Rに突端部50を押し付けて、圧接面Rの形状に沿って各羽片部50Bの曲げ変形を生じさせ、突端部50全体の形状が例えば前記半球状の形状になるようにすればよい。
なお、図示例では、突端部50の構造として、第1実施形態の単一の薄肉膜50Aを採用しているが、これに代えて第2実施形態の複数の羽片部50Bからなる構造を採用してもよい。
前記仕切り壁部26は、前記注出筒22の内部(図示例では注出筒の下端部の内部)に横設されている。
前記仕切り壁部26は、下方へ凸形に膨出する形状を有する。図示例の仕切り壁部26は、下方へ凸形の椀状(半球状を含む)に形成されている。
そして、キャップ本体4及び上蓋30を一体成形した直後に図6(A)に示すように、上蓋30を閉方向へ回動すると、図6 (B)に示すように、前記突端部50が仕切り壁部26の上面27に圧接されることで、曲げ変形され、仕切り壁部26に沿った形状に付形されるようにしている。注出キャップの成形直後に上蓋30を閉蓋操作するために、突端部50である薄肉膜や羽片部は折り曲げ易い状態となっている。
本実施形態では、第1、第2実施形態のように治具Tを用いて突端部50の形を整える必要がないから、工程が減り作業効率がよい。
前記仕切り壁部26には、内容液の流路である通液孔28が穿設されている。通液孔28は、上蓋30の閉蓋状態において、前記突端部50によって閉塞されている。
図示例では、通液孔28として、円形状の孔が一つ設けられているが、複数形成しても構わない。
本実施形態の構成によれば、第1実施形態及び第2実施形態の構成に比較して、前記突端部50が仕切り壁部26により密接するため、シール性が向上する。
全ての態様に共通する事柄として、上蓋30の天板40からキャップ本体4の注出筒22内へ嵌入される栓筒42を垂設させ、この栓筒42の筒周壁43の下端部44から突設した突端部50で、当該筒周壁43の筒孔46を遮蔽した態様では、栓筒42内へ液体が入り込んで汚れの原因となることを抑制できる。
また、前記キャップ本体4及び上蓋30は、ヒンジ11を介して一体的に連結されており、前記突端部50は、栓筒42の筒周壁43の下端部44より下側へ一体的に突設されているとともに、前記筒周壁43より薄肉の膜状に形成された態様では、キャップ本体4及び上蓋30を一体成形した後に、筒孔46を遮蔽するように形を整えることが容易であり、簡単に製造することができる。
また、突端部50は、前記栓筒42の筒周壁43の下端部44の全周に連設して下方へ膨出する単一の薄肉膜50Aとして形成されている態様では、前記筒孔46を周方向に連続する単一の膜で遮蔽して、栓筒42内への液体の浸入を的確に抑制することができる。
突端部50は、前記筒周壁43の下端部44から相互に間隙54を存して下内方へ突設させた複数の羽片部50Bからなる態様では、突端部50全体を窄んだ形状に曲げ変形させ易い。
また、前記注出筒22の内部には、通液孔28を有する下方へ凸形に膨出する仕切り壁部26が横設されており、前記突端部50は、前記上蓋30の閉蓋時に前記仕切り壁部26の上面27に当接しており、この当接状態で前記通液孔28を閉塞するように形成した態様では、仕切り壁部26の上面27へ前記突端部50を十分に密着させることができ、シール性が向上する。
10…凹み 11…ヒンジ 12…内筒部 14…環状壁部 15…蓋係合突部
16…スリット溝 17…(スリット溝の)底面 18…周方向引き裂きライン
20…頂壁 21…貫通孔 22…注出筒 23…内周面
23a…小内径部 23b…大内径部 24…注出口
26…仕切り壁部 27…上面(上凹面) 28…通液孔
30…上蓋 32…側周壁 34…係合凹部 36…係止凸片 38…摘み部
40…天板 42…栓筒 43…筒周壁 44…下端部(下端面) 45…外周面
45a…小外径部 45b…大外径部 46…筒孔
50…突端部 50A…薄肉膜 50B…羽片部 51…基端部 52…先端部
54…間隙 56…環状薄肉部
100…容器体 102…口頸部
BU…上向き段差部 BL…下向き段差部 bs…(突端部の)内表面 c…凹陥部
fs…(突端部の)外表面 R…圧接面 s1…主シール部 s2…仮シール部
T…治具 V…空間(液貯め部)
Claims (5)
- 容器体(100)の口頸部(102)へ装着される装着筒(6)の上端に頂壁(20)を付設し、この頂壁(20)から注出筒(22)を起立したキャップ本体(4)と、
前記頂壁(20)の上面を覆うようにキャップ本体(4)に取り付けられており、当該頂壁(20)と向かい合う天板(40)から前記注出筒(22)内へ嵌入される栓筒(42)を垂設した上蓋(30)と
を具備し、前記栓筒(42)は、天板(40)と連設した筒周壁(43)と、筒周壁(43)の下端部(44)から当該筒周壁(43)の筒孔(46)を遮蔽するように突設された突端部(50)とを有することを特徴とする、注出キャップ。 - 前記キャップ本体(4)及び上蓋(30)は、ヒンジ(11)を介して相互に一体的に連結されており、
前記突端部(50)は、前記筒周壁(43)の下端部(44)より下側へ一体的に突設されているとともに、当該筒周壁(43)より薄肉の膜状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の注出キャップ。 - 前記突端部(50)は、前記筒周壁(43)の下端部(44)の全周に連設して下方へ膨出する単一の薄肉膜(50A)として形成したことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の注出キャップ。
- 前記突端部(50)は、前記筒周壁(43)の下端部(44)から相互に間隙(54)を存して下内方へ突設させた複数の羽片部(50B)からなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の注出キャップ。
- 前記注出筒(22)の内部には、下方へ凸形に膨出する仕切り壁部(26)が横設されており、
前記仕切り壁部(26)は通液孔(28)を有しており、
前記突端部(50)は、前記上蓋(30)の閉蓋時に前記仕切り壁部(26)の上面(27)に当接しており、この当接状態で前記通液孔(28)を閉塞するように形成したことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の注出キャップ。
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