JP2022542089A - Mramパターニングのための不揮発性材料の化学エッチング - Google Patents

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Abstract

【解決手段】方法が提供される。チャンバ内に配置された基板を、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスに曝露し、プラズマを点火して基板の表面を改質し、改質表面を形成する。基板を活性化された活性化ガスに曝露し、改質表面の少なくとも一部をエッチングする。【選択図】 図2

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年7月31日出願の米国特許出願第62/881,131号の優先権の利益を主張する。上記の出願は、すべての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
ここに提供される背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示することを目的としている。この背景技術に記載されている内容、および場合によっては明細書に記載の各態様も、明示的にも暗示的にも本願に関する先行技術とは認められない。
半導体製造プロセスには、金属や金属合金などの種々の材料のエッチングが含まれる。しかし、装置の小型化や、各種構造の製造複雑化に伴い、エッチングされた副生成物の一部が基板の他の露出領域に再堆積し、欠陥や、ひいては装置の故障の原因となることがある。そのため、他のエッチング技術が注目されている。
メモリスタックのエッチングでは、異なる金属含有層がエッチングされる。誘電体層が、異なる金属含有層間に配置される場合がある。これらの異なる金属層は、再堆積が最小となるようにエッチングする必要がある。
上記を達成するために、かつ本開示の目的に従って、方法が提供される。チャンバ内に配置された基板を、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスに曝露する。本明細書および特許請求の範囲において、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスとは、ガスが分子を有し、分子がハロゲンの少なくとも1つの原子と、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズの群のうちの少なくとも1つの少なくとも1つの原子とを有することを意味する。プラズマを点火して、前記基板の表面を改質し、改質表面を形成する。前記基板を活性化された活性化ガスに曝露し、前記改質表面の少なくとも一部をエッチングする。
別の態様において、スタックのフィーチャをエッチングするための装置が提供される。プラズマチャンバが設けられる。前記プラズマチャンバ内に、基板支持台が設けられる。供給システムが、前記プラズマチャンバにガスを供給する。ガス源が、前記ガスを前記供給システムに供給する。前記ガス源は、ハロゲン含有ガス源と、活性化ガス源とを含む。電極が、無線周波数(RF)電力を前記プラズマチャンバに供給する。少なくとも1つのRF発生器が、前記電極に接続される。コントローラが、前記ガス源および前記少なくとも1つのRF発生器に制御可能に接続される。前記コントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、前記スタックの少なくとも一部をエッチングするためのコンピュータ可読コードを含むコンピュータ可読媒体と、を含む。前記コンピュータ可読コードは、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスを前記ハロゲン含有ガス源から前記プラズマチャンバに流すためのコンピュータ可読コードと、前記ハロゲン含有ガスからプラズマを点火して前記基板の表面を改質し、改質表面を形成するためのコンピュータ可読コードと、前記活性化ガス源から活性化ガスを流すためのコンピュータ可読媒体と、前記活性化ガスを活性化して前記プラズマチャンバ内に活性化された活性化ガスを形成し、前記改質表面の少なくとも一部をエッチングするためのコンピュータ可読コードと、を含む。
上記および他の本開示の特徴を、以下の図面と合わせて、本開示の詳細な説明にて、以下により詳しく説明する。
図1は、例示的な基板の概略図である。
図2は、本開示の実施形態に従って実行される方法の工程を示すプロセスフローチャートである。
図3Aは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。 図3Bは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。 図3Cは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。 図3Dは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。 図3Eは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。 図3Fは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。 図3Gは、本開示の実施形態に係る工程中の例示的な基板の概略図である。
図4Aは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Bは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Cは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Dは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Eは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Fは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Gは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Hは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Iは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Jは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。 図4Kは、本開示の特定の実施形態に従って基板をエッチングするための例示的なメカニズムの概略図である。
図4Lは、金属サイロ複合体の模式図である。
図5は、本開示の実施形態を実施するための例示的なプロセスチャンバの概略図である。
図6は、本開示の実施形態を実施するための例示的なプロセス装置の概略図である。
図7は、本開示の特定の実施形態に従って行われた実験により得られた、CoPt材料をSiCl4およびHeに曝露した場合と、Heスパッタリングのみを行った場合とのエッチング速度を示すグラフである。
図8は、別の実施形態にて用いられる別のプラズマ処理チャンバの概略構成図である。
図9は、一実施形態の実施に使用可能なコンピュータシステムの概略図である。
以下の説明において、提示される実施形態の詳細な理解に供するため、数々の具体的詳細を示す。本開示の実施形態は、これらの具体的詳細の一部またはすべてを除いて実施されてもよい。他の例においては、本開示の実施形態が不必要に曖昧になることを避けるため、周知のプロセス工程については、詳細な説明を省いている。なお、本開示の実施形態を具体的な実施形態に関連付けて説明するが、本開示の実施形態の範囲を限定する意図ではないことが理解される。
半導体ウエハの処理では、金属含有層を通過してフィーチャがエッチングされることがある。磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の形成において、複数の金属薄層または薄膜を連続的にエッチングして磁気トンネル接合スタックが形成されることがある。
磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)は、2つの磁性材料間の誘電体バリア薄層で構成される。電子は、量子トンネル効果によってバリアを通過する。これを、磁気ベースメモリの基礎として用いることができる。
スピントランスファトルクは、MTJにおける磁性層の向きをスピン偏極電流を用いて変更できる効果である。電荷キャリア(例えば、電子)は、キャリアに固有の少量の角運動量である、スピンとして知られる特性を有する。電流は通常、非偏極状態である(スピンアップ電子を50%、スピンダウン電子を50%有する)。電流を厚い磁性層(一般的に「固定層」と呼ばれる)に通すことにより、どちらかのスピンの電子が多いスピン偏極電流を生成できる。このスピン偏極電流を、より薄い第2の磁性層(「自由層」)に向けると、この層に角運動量が伝わり、層の向きを変えることができる。この効果を用いて、振動を励起したり、さらには磁性体の向きを反転させたりできる。
スピントランスファトルクを用いて、磁気ランダムアクセスメモリ内の能動素子を反転させることができる。スピントランスファトルク磁気ランダムアクセスメモリ(STT-RAMまたはSTT-MRAM)は、磁界によって能動素子を反転させる従来の磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)に比べて、消費電力が少なく、拡張性が高いという利点を有する。スピントランスファトルク技術によって、低消費電流と低コストを両立したMRAM装置が実現できる可能性がある。Ralph,D.C.、Stiles,M.D.「Spin transfer torques」、Journal of Magnetism and Magnetic Materials、第320巻第7号、1190~1216頁(2008年4月)。
MTJスタックの例を図1に示す。図1には、シリコン酸化物エッチング停止層101、窒化タンタルバリア層103、ルテニウム金属層105、固定層107、誘電体層109、自由層111、タンタル層113、および別のルテニウム金属層115を含むスタック100が示されている。図示するように、MTJスタック120は、自由層111、誘電体層109、および固定層107で構成される。なお、図1には特定の化学物質が示されているが、他の適切な化学物質がこのようなスタックに存在してもよい。自由層および固定層は、コバルト鉄やコバルト白金などの金属および/または金属合金を含んでもよい。誘電体層109は、固定層107および自由層111に隣接している。
スピントランスファトルク磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(STT-MRAM)の高密度スケーリングにおいて未解決の重要課題の一つは、MRAMスタックのパターニングである。MRAMスタックには、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)などの不揮発性の強磁性材料が含まれており、これらは、イオンビームエッチング(IBE:Ion Beam Etching)、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)、およびウェット化学反応を用いた複雑な手法でなければパターニングが極めて困難である。長年の開発にもかかわらず、現在のパターニング技術には依然として、側壁への再堆積によるテーパ形状の発生およびMTJの固定層への短絡、腐食によるMTJ層の損傷など、多くの欠点がある。いくつかの従来の技術では、塩素含有化学物質を用いて金属をエッチングするが、エッチングされた副生成物には不揮発性の化合物が含まれており、これが後にフィーチャの側壁に再堆積する可能性がある。
本明細書に記載するように、MRAM用途において、MRAMの自由層および固定層に用いられる材料は主に、コバルト-鉄-ホウ素(CoFeB)、コバルト-白金合金(CoPt)、およびその他の不揮発性金属からなる。酸化マグネシウム(MgO)層が、自由層と固定層との間の重要な層となるが、この層は電気的、磁気的特性に非常に敏感で、ハロゲンプラズマプロセスによる損傷を受けやすい。そのため、イオンビームエッチングによる物理スパッタリングを利用したエッチングプロセスは、MRAMスタックの各層に悪影響を与える可能性がある。スパッタリングを用いたプロセスには課題がある。例えば、場合によっては、金属材料の再堆積が起こり、それによって歩留まりに影響が出ることある。また、場合によっては、エッチング中に金属種が側壁に沿って再堆積し、MTJのショートパスが形成される可能性がある。同様に、エッチフロントでの再堆積により、ピラー間を接続するシャントパスが形成される。場合によっては、アスペクト比が制限され、装置をより小型化する際にこのプロセスが適用できないことがある。例えば、ピッチが小さくなると、隣接するピラーからのイオンシェーディングにより、IBEを用いたパターン転写が困難になる可能性がある。これは、角度付きイオンはエッチフロントやピラーの底部に到達しにくいためである。そしてこれにより、エッチングプロファイルが影響を受ける場合がある。場合によっては、反応物および副生成物の輸送制限のない等密度(iso-dense)領域ではスパッタリングがより効率的になるため、等密度ローディングが発生することがある。等密度とは、領域が均一な密度を有することを意味する。
Co、CoFe、CoPtなどの不揮発性金属のエッチングは、金属ハロゲン化物の一般的な副生成物は揮発性ではないため、困難を伴う。装置に用いられるこのような材料の化学エッチングを行うために、揮発性の副生成物を形成することにより、IBE技術に関する現在の問題に対処する。
本開示により、ハロゲンと、シリコン、ゲルマニウム、チタン、炭素、およびスズのうちの1つ以上とを含む分子を有するガスを用いて、原子層エッチング(ALE:Atomic Layer Etching)プロセスによりMRAMスタックをエッチングする化学エッチング手法が提供される。例えば、本開示の特定の実施形態において用いられるALE化学プロセスは2つの工程、すなわち、(i)シリコンと塩素とを含有するプラズマ(四塩化シリコン(SiCl4)など)によって表面を改質する工程と、(ii)方向性イオンを用いて揮発性の副生成物を形成することにより、この改質表面を除去する工程とを含んでもよい。本明細書では、シリコンとハロゲンとを含有するプラズマを用いて改質する例を説明するが、種々の実施形態において、ゲルマニウムとハロゲンとを含有するプラズマや、スズとハロゲンとを含有するプラズマを用いてもよいことが理解される。SiCl4を用いたALEプロセスを用いることで、MRAMパターニングのために不揮発性金属を処理する際の上述した様々な課題が根本的に克服される。
ALEは、連続的な自己制限反応を用いて、材料の薄層を除去する技術である。ALEは一般的に、任意の適切な技術によって実行してよい。「ALEサイクル」の概念は、本明細書における種々の実施形態の説明に関係する。ALEサイクルとは一般的に、単層のエッチングなどのエッチングプロセスを1回実行するために用いられる、最小数の工程セットを指す。1つのサイクルを実行すると、基板表面の膜層が、予測可能な一定量だけエッチングされる。ALEサイクルは通常、改質層を形成する改質工程と、それに続く、この改質層のみを除去またはエッチングする除去工程とを含む。ALEサイクルは、反応物または副生成物の一方を清掃するなどの、特定の補助工程を含んでもよい。一般的に、1つのサイクルには、一連の工程からなる1つのインスタンスが含まれる。一例として、ALEサイクルは、(i)チャンバへの反応ガスの供給、(ii)チャンバからの反応ガスのパージ、(iii)除去ガスおよび任意でのプラズマの供給、および(iv)チャンバのパージの工程を含んでもよい。いくつかの実施形態において、エッチングをノンコンフォーマルに実行してもよい。
本開示の方法によれば、MRAMフィーチャのコンフォーマル性とエッチングの均一性に加えて、エッチング速度の正確な制御やMTJの損傷防止を実現できる。本明細書に記載するように、揮発性のエッチング副生成物は一般的に、Siなどの材料を、Clなどのハロゲンおよび金属イオンと略化学量論的に反応させて、M-SiClxなどの種を形成することにより形成できる。ここで、MはCo、Fe、Mn、Ni、Pt、Pd、またはRuであってよい。いくつかの実施形態では、金属へのシリル基(-SiClx)の付着により、M-SiClx種の融点/沸点が大きく低下し、特に真空中で分圧が大きく上昇する。
略化学量論量の反応物を用いることで、プロセスへの悪影響が回避される。例えば、プラズマ中のシリコン(Si)フラックスが多すぎると、Siの堆積が起こり、M-SiClxなどの種が反応によって形成されなくなる場合がある。逆に、例えば、Siが少なすぎると、M-SiClx種の形成が阻害されるため、エッチング速度が抑制される。同様に、金属表面に過剰な塩化物(Cl)を加えると、(沸点が1200℃超である)不揮発性の塩化コバルト(II)(CoCl2)や塩化第二鉄(FeCl3)などの金属塩化物が形成される。
一実施形態によれば、ハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに金属と反応して揮発性種を形成する略化学量論量の材料が、原子層体積(ALD:Atomic Layer Deposition)プロセスによりチャンバ内で金属(例えば、CoFe)表面に堆積される。材料の例としては、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸化物(SiO2)、Si、二酸化チタン(TiO2)が挙げられる。ALEプロセスでは、堆積したSi層および金属表面を、塩素(Cl2)または三塩化ホウ素(BCl3)としてのClで活性化する。その後、過剰なCl2はチャンバから排出される。いくつかの実施形態において、アルゴン(Ar)脱着を行ってもよく、これにより、塩素化した表面を衝撃するとともにさらに活性化して、揮発性の金属シリル種を形成させる。金属シリル種はその後、チャンバから排出される。SiとClの反応物が化学量論的に一致したときに、エッチング速度は最大となる。いくつかの実施形態において、ALE工程およびALD工程は、同じチャンバ内、またはツールにおける異なるチャンバモジュール内で、真空破壊することなく行ってもよい。
本開示の特定の実施形態では、不揮発性のエッチング生成物(例えば、MClx)が形成されない。ハロゲンを用いた通常のプラズマプロセスは、金属と反応して不揮発性のMClx種を形成し、酸化マグネシウム(MgO)層と反応して損傷を引き起こす。SiCl4プラズマを使用する本開示の特定の実施形態では、エッチング反応により、金属サイロ複合体を有する揮発性種を形成できる。金属サイロ複合体は、M-SiClxの式を有してもよい。金属サイロ複合体は、化学エッチングを改善する揮発性の副生成物である。この画期的な手法により、物理的なスパッタリングプロセスに依存していた「不揮発性金属」を、プラズマエッチングの領域へと移行させる。
スパッタリングを用いたプロセスにおいて形成される不揮発性のエッチング生成物を、以下の反応式1に示す。
M+Cl→MClx(s) (不揮発性) (1)
本開示の特定の実施形態において形成される揮発性のエッチングプロファイルを、以下の反応式2に示す。
M+SiClx→M-SiClx (揮発性) (2)
種々の実施形態において、本明細書に記載の式中でMとして示された金属は、Co、Pt、Pd、Fe、Cr、およびIrのうちのいずれか1つ以上であってよい。
SiCl4ベースのエッチング化学物質を、MRAMパターニングのためのALEプロセスに組み込んで、MTJの損傷を最小限に抑えることもできる。SiCl4ベースのALEプロセスは、サイクル化可能な2つの工程を含む。これら2つの工程は、金属表面を改質して改質金属表面を形成するSiCl4プラズマを用いた吸収工程と、揮発性のエッチング副生成物を形成して改質金属表面を除去するイオン衝撃工程とを含む。このようなALEプロセスでは、改質表面が除去されることにより、各ALEサイクル後にエッチフロントおよび側壁表面がリセットされる。化学反応物に常時曝露するのではなく、金属表面を層ごとにエッチングすることで、MTJ層への損傷を低減することができる。
また、異なる前駆体を用いた他の種類のプラズマ化学物質を使用して、Si種およびCl種を供給することもできる。Si前駆体の非限定的な例としては、シラン(SiH4)、SixRy(RはCl、フッ素(F)、臭素(Br)、またはヨウ素(I))、およびSiijk(iは1以上4以下の整数、jは1以上10以下の整数、kは1以上10以下の整数)などのシランが挙げられる。場合により、xは1以上10以下の整数であり、y=2x+2である。いくつかの実施形態において、シランのシリコン原子上の置換基は、少なくとも1つのハロゲンを含み、残りの置換基は、水素、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素のうちのいずれか1つ以上である。シランは、シクロシランであってもよいし、直鎖状シランであってもよい。任意の適切なハロシランを用いてもよい。ハロシランは、少なくとも1つのハロゲン基を含み、水素および/または炭素基を含んでもよいし、含まなくてもよい。ハロシランの例としては、ヨードシラン、ブロモシラン、クロロシラン、ヒドロクロロシラン、およびフルオロシランが挙げられる。ハロシラン、特にフルオロシランは、プラズマ発生時に反応性ハロゲン化物種を形成してシリコン材料をエッチングする可能性があるが、いくつかの実施形態では、プラズマ発生時にハロシランをチャンバに導入せず、ハロシランからの反応性ハロゲン化物種の形成を低減してもよい。クロロシランの具体例としては、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、クロロアリルシラン、クロロメチルシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、クロロエチルシラン、t-ブチルクロロシラン、ジ-t-ブチルクロロシラン、クロロイソプロピルシラン、クロロ-sec-ブチルシラン、t-ブチルジメチルクロロシラン、テキシルジメチルクロロシラン、SiHCl-(N(CH322などが挙げられる。
このプロセスは、MRAMスタック以外の他の不揮発性材料のエッチングや装置プロセスにも使用できる。
いくつかの実施形態において、本開示の特定の実施形態により様々な利点が得られる。利点の1つは、本開示の特定の実施形態により、残留物の金属の再堆積を最小限に抑えられることである。選択されたエッチング化学物質により揮発性の副生成物が形成され、これにより、側壁への再堆積を生じさせる物理的スパッタリングプロセスと比較して、再堆積に起因するスパッタリングを最小限に抑えることができる。同時に、化学エッチングにより金属層が除去され、エッチフロントに金属残留物が残留または再堆積する問題が克服される。
もう1つの利点は、本開示の特定の実施形態では、最小のローディング効果でMRAMスタックをパターニングできることである。SiCl4プラズマを伴うALE化学エッチングプロセスでは、MRAMパターニングにおいて最小のローディングとすることができる。IBEプロセスは通常、等密度でより効率的かつ高密度なアレイエッチングを行う。SiCl4を用いたALEでは、MRAMピラー間でアスペクト比に依存しない凹部を実現できる。
さらにもう一つの利点として、本開示の特定の実施形態では、狭ピッチのスケーリングが可能である。ピッチは例えば、200nm、または100nm、または50nm、または20nm、または10nm、または5nmよりも狭いピッチであってよい。IBEによる物理的スパッタリングプロセスでは、狭ピッチデバイスの製造に向けたプロセスのスケーリングが困難なことが大きな課題である。イオンビームによるパターニングでは、ピッチがイオンビームの角度に相当する形状に達すると、パターン転写時の効率が著しく低下する。これに対し、SiCl4によるALE化学エッチングでは、マスクからのイオンシェーディングによる制限がなく、パターニング用のウインドウが広がる。
次に、本開示の実施形態について、いくつかの具体的な実施形態を参照してさらに詳しく説明する。図2は、本開示の実施形態に従って工程を実行するためのプロセスフローチャートである。図3A~図3Gは、本開示の実施形態に従ってエッチングされた例示的なスタックの概略図である。図4A~図4Kは、本開示の実施形態に従ってエッチングを行うための例示的なメカニズムの概略図である。なお、図4A~図4Kでは金属層のエッチングを例に説明しているが、本開示の実施形態は、半導電性材料、導電性材料、誘電体材料など種々の材料のエッチングに用いてもよい。さらに、図4A~図4Kは例示的なメカニズムを示しているに過ぎず、本開示または特許請求の範囲は、いかなる特定の動作理論によっても制限されないことを理解されたい。これらの図面について、まとめて説明する。
図2を参照すると、工程202にて、基板が設けられる。基板はシリコンウエハであってもよく、種々の層からなるスタックがシリコンウエハ上に設けられる。シリコンウエハは、200mmウエハ、300mmウエハ、または450mmウエハであってもよい。スタックには、誘電体材料、導電性材料、半導電性材料などの材料からなる1つ以上の層が堆積されてもよい。種々の実施形態において、基板はパターニングされている。パターニングされた基板は、ピラー、ポール、トレンチ、ビア、コンタクトホールなどの「フィーチャ」を有してもよい。これらのフィーチャは、狭小および/またはリエントラント状の開口部、フィーチャ内の狭窄部、および高アスペクト比のうち、1つ以上を特徴としてもよい。フィーチャは、上述した層のうちの1つ以上に形成されてもよい。フィーチャの一例としては、半導体ウエハまたはウエハ上の層に形成されたピラーまたはポールが挙げられる。別の例としては、基板または層に形成されたトレンチが挙げられる。種々の実施形態において、フィーチャは、バリア層や接着層などの下層を備えてもよい。下層の非限定的な例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、および金属層などの誘電体層および導電層が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ピラーなどのフィーチャは、少なくとも約1:1、少なくとも約2:1、少なくとも約4:1、少なくとも約6:1、少なくとも約10:1、またはそれ以上のアスペクト比を有してもよい。また、フィーチャは、開口部付近の寸法、例えば開口部直径または線幅が、約10nm~500nm、例えば約25nm~約300nmであってもよい。本開示の方法は、約150nm未満の開口部を有するフィーチャを備えた基板に対して実行してもよい。ビア、トレンチ、または他の凹状フィーチャを、未充填フィーチャまたはフィーチャと呼ぶ場合がある。種々の実施形態によれば、フィーチャの形状は、徐々に狭くなってもよいし、かつ/またはフィーチャ開口部にオーバーハングを有してもよい。リエントラント形状とは、フィーチャの底部、閉端部または内部からフィーチャ開口部に向けて狭くなる形状である。リエントラント形状は、パターニング時の非対称なエッチング動作、および/または、拡散バリアの堆積など前段の膜堆積の際にノンコンフォーマルな膜ステップカバレッジを行ったために生じたオーバーハングにより形成されることがある。種々の例において、フィーチャは、上部における開口部の幅が、底部における幅よりも狭くてもよい。
いくつかの実施形態において、パターニングされた基板は、基板全体に種々のトポグラフィを有してもよい。いくつかの実施形態において、部分的に製造されたゲートが基板上に存在してもよい。種々の実施形態において、基板は、後段の処理においてMRAMスタックをエッチングするのに適した金属、誘電体材料、および半導体材料の層を含んでもよい。例えば、一部の基板は、メモリ素子にMTJが含まれるMRAMデザインを有してもよい。本明細書の他の箇所に記載するように、MTJメモリ素子は、薄いトンネルバリアで分離された2つの電極を含む。これら2つの電極は、強磁性の薄膜層であってもよく、これらは楕円形であってもよい。いくつかの実施形態において、MTJメモリ素子は、追加の磁性層を含む。例えば、MTJメモリ素子は、金属薄層を挟む一対の強磁性層をさらに含んでもよく、これらの強磁性層は、合成反強磁性体および反強磁性層と呼ばれることがある。本明細書に記載の方法によって基板上に製造可能な例示的なMRAMメモリ素子の形状およびデザインについてのさらなる説明は、「Semiconductor Manufacturing Magazine」90~96頁に公開されている「Cell Shape and Patterning Considerations for Magnetic Random Access Memory(MRAM)Fabrication」(Ditizio,Robertら)に提供されている。
図2に戻ると、工程202にて、基板をウェットエッチングにより準備してもよい。例えば、図3Bでは、ウェットエッチングを実行して基板上の第1の金属層315をエッチングしている。いくつかの実施形態では、ウェットエッチングは実行されない。
図3Aは、本明細書に記載される基板の一部として存在してもよいMRAMスタックの一例を示す図である。なお、図中、各スタックの例示的な化学物質が示されているが、これらの化学物質の代わりに、またはこれらと組み合わせて、他の任意の適切な材料が存在してもよい。例えば、本開示の実施形態は、異なるパターン(たとえば、非MRAMパターン)用の材料エッチングに用いてもよい。なお、図3A~図3Gには例示的な層が示されているが、本開示の実施形態は、不揮発性の副生成物が基板のコンポーネントに再堆積するのを低減しながら、表面上の他の材料をエッチングするのに用いてもよい。
基板300は、SiO2からなるエッチング停止層301を含む。なお、エッチング停止層301は、基板300の他の層(図示しない)の上に設けられてもよい。窒化タンタル(TaN)からなる薄バリア層303が、このスタックにおいてエッチング停止層301の上に設けられる。TaNバリア層303の上には、ルテニウム(Ru)を含む金属層305が設けられる。いくつかの実施形態において、金属層305は約8nmの厚さを有してもよい。Ru金属層305の上には、金属または金属合金層307が設けられる。金属合金層307は、コバルト白金(CoPt)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、金属合金層307は、PtMnを含んでもよい。本明細書において、この層307を「固定層」307と呼ぶ場合がある。いくつかの実施形態において、固定層307は約10~30nmの厚さを有してもよい。また、図3Aには、誘電体バリア層309が示されている。誘電体バリア層309は、MgOを含んでもよい。本明細書において、誘電体バリア層309を「誘電体層」309と呼ぶ場合がある。いくつかの実施形態において、誘電体層309は例えば約1.5nm以下の厚さを有する極薄層であってよい。
誘電体層309の上には、金属合金層311が設けられる。金属合金層311は、コバルト鉄(CoFe)を含んでもよい。金属合金層311は、CoFeBを含んでもよい。本明細書において、金属合金層311を「自由層」と呼ぶ場合がある。自由層311の上には、タンタル(Ta)バリア層313が設けられる。Taバリア層313の上には、Ru金属層315が設けられる。本明細書に開示する実施形態において、Ru金属層315を「第1の金属層」、Ru金属層305を「第2の金属層」と呼ぶ場合がある。Taハードマスク317を堆積し、図3Aに示すようなパターンにエッチングしてもよい。なお、ハードマスク317は、必ずしもタンタルハードマスクでなくてもよい。例えば、他の適切なハードマスクとして、炭素含有ハードマスク、窒素含有ハードマスク、および酸素含有ハードマスクがある。
図2に戻ると、工程204にて、材料が基板上に任意でコンフォーマルに堆積される。この材料は、ハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに基板の層の材料と反応して、揮発性種を形成する。いくつかの実施形態において、材料は、1つ以上のハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに基板の層の1つ以上の材料と反応して揮発性種を形成する。例えば、材料は、コバルト含有金属およびBCl3とCl2の混合物と反応して揮発性種を形成してもよい。材料は、揮発性種を形成するための材料ソースと、基板の保護層との両方の役割を果たす。以下の説明では、このコンフォーマルな材料を「保護層」と呼ぶ場合があるが、保護層は、ハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに基板上の材料と反応して揮発性種を形成する材料を含み、コンフォーマルであってよいことが理解される。
工程202にて任意で堆積される保護層は、金属ハロゲン化物と揮発性種を形成可能な元素を含む。保護層は、IV族元素の遷移金属含有材料を含んでもよい。例えば、保護層は、シリコン含有層、チタン含有層、ゲルマニウム含有層、スズ含有層、炭素含有層、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。シリコン含有層の例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、およびこれらの混合物が挙げられる。チタン含有層の例としては、酸化チタン、窒化チタン、チタン、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、保護層は誘電体材料である。
保護層は、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)、プラズマ励起CVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ励起ALD(PEALD:Plasma Enhanced ALD)、スピンオン堆積、およびスパッタリングを含む任意の適切な方法で堆積してよい。いくつかの実施形態において、保護層は、ハロゲン化物および/またはハロゲンならびに金属含有化合物と反応して揮発性種を形成するための材料ソースとなる。例えば、SiH4、SiCl4などのガス、またはオルトシリケート化合物(例えば、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、スピンオングラス(SOG)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS))などの液体を用いて、PVD、PECVD、スピンコーティングプロセスなどのALD以外の方法によって反応を行うために、SiソースをMRAM表面に導入してもよい。
例えば、PECVDによって保護層を堆積してもよい。その一例として、基板をプラズマによりシリコン含有前駆体および窒素含有反応物に同時に曝露するものがある。例えば、基板をシランおよび窒素プラズマに同時に曝露してもよい。上述した化学物質のいずれかを含む保護層を堆積可能な任意の適切な前駆体および反応物を用いて、保護層を堆積してもよい。
図3Cに、基板300上に堆積された保護層320を示す。なお、保護層320を図示しているが、いくつかの実施形態ではこの層は任意であってよい。いくつかの実施形態において、保護層320を第1の保護層としてもよい(例えば、一部の工程では、別の保護層320を堆積してもよい)。なお、図示の保護層320はコンフォーマルである。いくつかの実施形態において、保護層320はコンフォーマルでなくてもよい。いくつかの実施形態において、保護層320の一部を犠牲層としてもよい。
図4Aは、基板400の一部を概略的に示した別の例である。この例では、基板400は金属層411を含む。金属層411は例えば、Co、Fe、Mn、Pd、Pt、これらの合金、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。ここでは、Ruからなる第1の金属層がウェットエッチングされており、シリコン含有保護層420(例えば、Siソース)がタンタルハードマスクおよび金属層411の上に堆積されている。なお、シリコン含有保護層420が設けられているが、いくつかの実施形態、特に改質時に用いるエッチング化学物質がシリコンを含む実施形態では、この層は任意であってよい。なお、図4Aの基板は図3Cに類似しているが、図示の便宜上、タンタルバリア層を省略している。図4Aでは層の具体例が示されているが、任意の適切な金属がハードマスクの下に設けられてもよく、任意の組成のハードマスクが設けられてもよい。さらに、本開示の実施形態では任意の適切な保護層420を用いてよく、このような保護層は、図4Aに示すようなシリコン含有層に限定されない。
図2に戻ると、工程206にて、基板がハロゲン含有反応物に曝露され、基板の表面が改質される。種々の実施形態において、工程206にて基板は、IV族元素(例えば、シリコン)とハロゲンとを含有するプラズマに曝露される。すなわち、種々の実施形態において、シリコンとハロゲンとを含有するプラズマを、事前に保護層を堆積せずに工程206にて用いるか、または、保護層を堆積した後に、ハロゲン含有反応物を工程206にて用いる。保護層を堆積する代わりに、シリコンとハロゲンとを含有するプラズマを用いることの利点の1つは、層ごとのエッチングを実現するために行われる工程の削減が可能なことである。したがって、最初に保護層を堆積することなく、金属表面をエッチングすることができ、これにより、MRAMスタックのパターニングのため処理が効率化される。
シリコンとハロゲンとを含有するプラズマは、ハロシランなどの、シリコンとハロゲンとを含有するガスを導入し、プラズマを点火することによって生成されてもよい。いくつかの実施形態において、プラズマは遠隔生成される。いくつかの実施形態において、プラズマはインサイチュで生成される。プラズマは、ICPプラズマまたはCCPプラズマのいずれを用いて生成されてもよい。
プラズマは、約100ワット(W)~900Wのプラズマパワーを用いて生成されてもよい。曝露は、基板表面の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%を吸着するのに十分な時間だけ行ってもよい。この工程時の温度は、約60℃~約200℃であってもよい。この工程時のチャンバ圧力は、約1ミリトール(mTorr)~約500mTorrであってもよい。シリコンとハロゲンとを含有する前駆体の流量は、約5標準立方センチメートル/分(sccm)~約200sccmであってもよい。いくつかの実施形態において、ヘリウムなどのキャリアガスを用いてもよい。キャリアガスの流量は、約50sccm~約500sccmであってもよい。いくつかの実施形態において、シリコンとハロゲンとを含有する前駆体は、ヘリウムを含んでもよい。いくつかの実施形態において、バイアスを供給してもよい。いくつかの実施形態において、バイアスをパルス化してもよい。バイアスは、100V~2000Vの範囲であってもよい。
Si前駆体の非限定的な例としては、SiH4、SixRy(RはCl、F、Br、またはI)、およびSiijkなどのシラン挙げられる。場合により、xは1以上10以下の整数であり、y=2x+2である。いくつかの実施形態において、シランのシリコン原子上の置換基は、少なくとも1つのハロゲンを含み、残りの置換基は、水素、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素のうちのいずれか1つ以上である。シランは、シクロシランであってもよいし、直鎖状シランであってもよい。任意の適切なハロシランを用いてもよい。ハロシランは、少なくとも1つのハロゲン基を含み、水素および/または炭素基を含んでもよいし、含まなくてもよい。ハロシランの例としては、ヨードシラン、ブロモシラン、クロロシラン、およびフルオロシランが挙げられる。ハロシラン、特にフルオロシランは、プラズマ発生時に反応性ハロゲン化物種を形成してシリコン材料をエッチングする可能性があるが、いくつかの実施形態では、プラズマ発生時にハロシランをチャンバに導入せず、ハロシランからの反応性ハロゲン化物種の形成を低減してもよい。クロロシランの具体例としては、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、クロロアリルシラン、クロロメチルシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、クロロエチルシラン、t-ブチルクロロシラン、ジ-t-ブチルクロロシラン、クロロイソプロピルシラン、クロロ-sec-ブチルシラン、t-ブチルジメチルクロロシラン、テキシルジメチルクロロシラン、SiHCl-(N(CH322などが挙げられる。
図4Gでは、コバルト含有表面(CoPtなど)が、任意でのヘリウム環境下で、SiCl4を用いて生成されたシリコンとハロゲンとを含有するプラズマに曝露されている。特定の理論に限定されるものではないが、プラズマによってSiCl4分子が解離し、塩素およびSi-Cl種が生成されると考えられる。図4Hに示すように、パルス状にバイアスを印加してコバルト含有表面をエッチングすることにより、揮発性のCoSiClx種が形成される。バイアスは、ALE反応の相乗効果を高めるために、特定のデューティサイクルでパルス化される。バイアスは,100V~2000Vの電圧で印加してもよい。デューティサイクルとは、ある期間中にバイアスがONとなっている時間のことである。バイアスは、ON状態とOFF状態との間、あるいはハイ状態とロー状態との間でパルス化してもよい。ハイ状態は、約200V~約2000Vの電圧を有してもよい。ロー状態は、約0Vまたはちょうど0V~約200Vの電圧を有してもよい。バイアスパルスには繰り返しの期間が含まれてもよく、各期間は持続時間Tだけ持続してもよいことが理解される。持続時間Tは、所与の期間中に、パルスON時間の持続時間(バイアスのONオン状態の持続時間)と、バイアスOFF時間の持続時間(バイアスのOFF状態の持続時間)とを含む。パルス周波数は、1/Tとして理解される。例えば、バイアスパルスの周期がT=100μsの場合、周波数は1/T=1/100μs、すなわち10キロヘルツ(kHz)である。デューティサイクルまたはデューティ比は、期間TにおいてバイアスがON状態になっている割合またはパーセンテージであり、パルスON時間をTで割ったものがデューティサイクルまたはデューティ比となる。例えば、バイアスパルスの周期がT=100μsの場合、パルスON時間が70μs(ある期間においてバイアスのON状態の持続時間が70μs)、パルスOFF時間が30μs(ある期間においてバイアスのOFF状態の持続時間が30μs)であれば、デューティサイクルは70%となる。図7は、バイアス電圧を変化させて得られた実験データの一例を示したものであり、SiCl4-Heへの曝露によるエッチング速度と、バイアスパルスのみを用いたCoPt表面のヘリウムスパッタリングによるエッチング速度とを比較するとともに、これらのプロセスの総合的な相乗効果の割合を示したものである。全体として、バイアスパルスはスパッタリング速度を低下させ、SiCl4による化学エッチングの成分を増加させる。
図4Iは、SiClxプラズマを用いてSiClxをコバルト表面に吸着させた例を示す図である。図示するように、SiClxプラズマを点火して生成された反応種は、コバルト表面に吸着する。いくつかの実施形態において、この吸着動作中にバイアスが印加される。図4Jでは、バイアスを用いて活性化アルゴンを導入し、図4Kに示すように、改質された表面を除去する。その結果、揮発性の金属サイロ複合体副生成物CoSiClxが形成される。図4Lに、本開示の特定の実施形態によって形成可能な揮発性の金属サイロ複合体副生成物の一例を示す。サイロ複合体は、少なくとも1つの金属原子、少なくとも1つのシリコン原子、および少なくとも1つのハロゲン原子を含む。
いくつかの実施形態において、ハロゲン含有反応物は、シリコン原子を含まない。このような実施形態の多くにおいて、シリコンソースは、シリコン含有材料からなる保護層を介して供給される。このようなシリコンを含まないハロゲン含有反応物は、ホウ素ハロゲン含有ガス、ハロゲン含有ガス、ハロゲン化物ガス、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。これらの例としては、BCl3、三臭化ホウ素(BBr3)、三ヨウ化ホウ素(BI3)、Cl2、フッ素(F2)、臭素(Br2)、およびヨウ素(I2)が挙げられる。ガスの組み合わせの一例として、BCl3/Cl2としてもよい。ハロゲン含有反応物は、保護層と反応してもよいし、かつ/または、保護層に吸着してもよい。例えば、シリコンからなる保護層は、ハロゲン含有反応物と反応して、基板の表面にハロゲン化シリコンを形成してもよい。なお、いくつかの実施形態において、ハロゲン含有反応物は、基板の少なくとも約90%、または基板の少なくとも約99%を飽和させてもよい。いくつかの実施形態において、ハロゲン含有反応物は、基板の表面にコンフォーマルに吸着してもよい。一例として、塩素原子および/または分子が、シリコン含有保護層の表面に吸着してもよい。
図4Bは、Cl2の塩素分子450aが保護層420と反応し、保護層420の表面に吸着して表面上に吸着層450bを形成する様子を示す例示的な概略図である。図4Bに示す例示的な基板400において、Cl2分子450aが基板400の表面に向かって移動して基板400の表面に吸着または表面と反応する方向を、矢印で示している。バイアスを、約100V未満または約60V未満(例えば約50V)の出力で供給してもよい。
図2の工程208にて、基板が活性化ガスに曝露され、基板の改質表面がエッチングされる。種々の実施形態において、活性化ガスは、アルゴン、二酸化炭素、アンモニア、水素含有ガス、およびこれらの組み合わせなどの1つ以上の不活性ガスを含んでもよい。工程208にて、プラズマなどの活性化源を発生させて活性化ガスを活性化し、活性化された活性化ガスを供給して基板をエッチングする。種々の実施形態において、活性化された活性化ガスは、活性化ガスからプラズマを形成すること、活性化ガスからイオンビームを形成すること、および活性化ガスを熱的に活性化することのうちの少なくとも1つによって供給される。図2の工程208にて、ハロゲン含有化合物が吸着した、バイアスエッチングの方向に垂直な表面を、完全にエッチングしてもよい。いくつかの実施形態において、基板の方向性エッチングを行うために、低バイアスを印加してもよい。例えば、約100V未満(例えば、約50V)の出力でバイアスを供給してもよい。プラズマの出力は、約500W~約1500Wとしてもよい。
図4Cにおいて、シリコン塩化物470を含むエッチングされた化合物が、タンタルハードマスクのフィールド領域の水平面から除去されるとともに、堆積したコンフォーマル層または保護層420が除去されて、露出した金属層411が現れる。なお、図4Cに示すように、ハードマスクおよび第1の金属層(ここでは、それぞれTaおよびRu)の側壁に堆積した保護層の一部は、側壁に残る。この残留保護層が、エッチング反応により生成され得る何らかの副生成物による損傷や劣化からハードマスクを継続的に保護する層として機能してもよい。
この結果、工程206および208を実行後の図3Cの基板は、図3Dに示す構造を有してもよい。図3Dに示すように、一部の保護層322がフィーチャの側壁に残るとともに、その下の1つ以上の層(例えば、タンタルバリア層313と、CoFe自由層311の大部分)がエッチングされるように、方向性エッチングを行ってもよい。なお、種々の実施形態において、CoFe自由層311は、誘電体層309が容易にエッチングされてフィーチャの側面にまでエッチングが進行するのを防ぐため、完全にはエッチングされない。例えば、基板が、自由層311に隣接してMgO含有誘電体層309を含む場合、自由層311を約0Å~約10Åだけ基板に残るようにエッチングしてもよい。なお、種々の実施形態において、種々の工程をサイクルで実行することにより、基板のこれらの層がエッチングされる。
例えば、図2に示すように、工程210にて、工程206~208が任意で繰り返されてもよい。いくつかの実施形態において、工程206および208を繰り返すことが、1回のサイクルを構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、工程206および208を、2回以上のサイクル繰り返してもよい。各サイクルは、サイクルごとに約1Å~約10Å、例えばサイクルごとに約6Åだけエッチングするように実行してもよい。したがって、いくつかの実施形態において、図3Cに示す基板は、工程206および208のサイクルを用いて、バイアスの印加により実施される方向性エッチングの方向に垂直な基板の表面をエッチングしてもよい。例えば、図3Cに示すように、工程206および208を繰り返して、コンフォーマル層または保護層320、タンタルバリア層313、およびCoFe/CoFeB自由層311の大部分をエッチングしてもよい。上述したように、工程206および208のサイクルは、MgO誘電体層309を保護するためにCoFe/CoFeB自由層311を完全にエッチングする前に停止してもよいし、MgO誘電体層309を完全にエッチングするまで継続してもよい。
図3Eにおいて、基板をハロゲン含有ガスに曝露せずに工程208を実行して、CoFe/CoFeB自由層311の薄層をエッチングし、MgO誘電体層309をエッチングしてもよい。いくつかの実施形態において、工程208は、基板をハロゲン非含有ガスに曝露することにより実行される。種々の実施形態において、誘電体層上で粗いエッチング化学反応を実行しないように、バイアスを用いてアルゴンガスをスパッタリングすることによって誘電体層がエッチングされる。いくつかの実施形態において、誘電体層に粗いエッチング化学反応を適用すると、誘電体層がマスクの下までエッチングされ、それによって劣化や装置故障の問題が発生する可能性がある。いくつかの実施形態において、誘電体のエッチングの際にバイアスが印加される。例えば、約100V未満(例えば約50V)の出力でバイアスを供給してもよい。
図4D~図4Fは、図4Cに続けて、図2の工程206および208を工程210にて繰り返した場合の、例示的なエッチングメカニズムの概略図である。図4Dは、工程206が繰り返された基板400を示している。図4Cにおいて金属層411が露出した後、基板は、図4DにおいてCl2450aに曝露され、その表面が改質される。図示するように、Cl2は、基板400の表面に吸着するかまたは基板の表面と反応して、塩素450bからなる吸着層を形成してもよい。なお、シリコン含有材料を前工程で堆積したことによる保護層420が側壁に残っているため、一部の塩素450bが保護層420に吸着または反応し、一部の塩素450bが金属表面411に吸着または反応してもよい。
図4Eは、工程208が繰り返された基板を示している。図示するように、アルゴン(例えば、活性化ガス)440が基板に導入され、プラズマが点火して基板がエッチングされる。種々の実施形態において、図4Eの矢印で示すように、バイアスが印加されて基板が方向性エッチングされる。シリコン含有保護層420の存在により、吸着した塩素450bと金属表面411の金属とで複合体475が形成される。なお、すべての複合体475が同じ化学構造を有しているとは限らない。ただしこの例では、保護層420がシリコンを供給することにより、基板の処理が行われるチャンバからパージ可能な揮発性種475が形成される。種々の実施形態において、保護層420は、上記に加えて、または上記に代えて、他の材料(金属ならびにハロゲン化物および/またはハロゲンガスと反応して揮発性種を形成するチタン、ゲルマニウムやその他の材料など)を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、Siを用いたALEエッチングの際に、SiO2/SiN保護層(図4Aの保護層420など)がMRAM金属表面に堆積される。次に、(図4Bに示す)Siドープされた金属表面がBCl3/Cl2ガス(塩素分子450aなど)により活性化されて、塩素(450b)からなる吸着層が形成される。Arガス(440)からなる方向性Arイオンビームが改質層を衝撃し、その過程で壊れて新たな結合の形成を可能にし、最終的に、揮発性エッチング生成物(M-SiClx)(475)を気相へと脱着させる。
要約すると、例示的な活性化反応は次の通りであってもよい。
Figure 2022542089000002
例示的な脱着/再結合反応は次の通りであってもよい。
Figure 2022542089000003
M-SiClx複合体は安定性と揮発性を有するため、金属形態に分解することなくArスパッタ脱着に耐えることができる。その結果、側壁への再堆積が低減または回避される。
本開示の実施形態は、ハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに金属と反応して揮発性種を形成する材料を堆積することを含む。材料は例えば、シリコン含有材料、チタン含有材料、ゲルマニウム含有材料、スズ含有材料、炭素含有材料、およびこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、堆積される材料は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物などのシリコン含有材料であってもよい。いくつかの実施形態において、堆積される材料は、チタンまたは酸化チタンであってもよい。
本開示の実施形態は、固定層(CoPt、CoPd、PtMn)、ならびにCo、Fe、Mn、Pt、Ru、およびTaを含む他の種々の材料のエッチングにも適している。本開示の原理は、Cuなどの金属を含む、第1列、第2列、および第3列の他のすべての遷移金属(例えば、IV族遷移金属、V族遷移金属、およびVI族遷移金属)に適用可能である。同じIV族に属するもの(例えば、GeやSn)など、他の安定したガス複合種も同様の挙動を示すことができる。
Siの他に、周期表における他のIV族元素(C、Ge、Snなど)を用いて同様の揮発性エッチング生成物を形成して、M-CClx、M-GeClX、M-SnClXなどの安定した揮発性種をプラズマ中で形成することもできる。これらの反応物は、CClX、SiClX、GeClX、およびSnClX(Xはハロゲン(例えば、種々の化学量論比を有するF、Cl、またはBr))などのハロゲン化物ガスとして、またはこれらの元素のMRAM金属表面への堆積を可能にする他のソースとして導入できる。
揮発性金属エッチング生成物の活性化、形成、および脱着は、ALE以外の方法で行ってもよい。いくつかの実施形態において、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)、電子サイクロトロン共鳴エッチング(ECR:Electron Cyclotron Resonance)、または熱脱着およびUVプロセスなどの方法を用いてもよい。本開示の実施形態を、ウェットエッチングプロセスおよび/または反応性イオンエッチングプロセスと統合してもよい。
図4Fは、金属表面411の層がエッチングされた後の基板を示している。なお、工程206および208が様々なサイクルで実行される際に、保護層420の一部がエッチングされてもよい。
したがって、図2の工程212にて、工程204~210が任意で繰り返されてもよい。このようにすることで、工程204にて、第1のコンフォーマル材料を形成した後、繰り返しによる工程204にて、基板に堆積される第2のコンフォーマル材料を形成することにより、ハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに基板の金属と反応して揮発性種を形成するさらなる材料を供給する。
図3Fは、工程212に対応する基板の一例を示している。図示するように、工程204が繰り返されて、基板の上に第2の保護層324がさらに堆積されている。この保護層324が、Taバリア層313、CoFe自由層311、およびエッチングされたMgO誘電体層309をさらに保護するように機能してもよい。
したがって、基板の残りの部分がエッチング停止層までエッチングされるまで、工程206および208が(同じくサイクルで)繰り返されてもよい。図3Gは、工程206および208がサイクルで繰り返された結果、CoPt固定層307、第2のRu金属層305、およびTaNバリア層303がエッチングされた、エッチング後の基板を示している。なお、図示の基板300では、保護層322および324が側壁に残っている。種々の実施形態において、スタックの製造後にこれらの層を削減または除去してもよい。いくつかの実施形態において、本開示の実施形態を実施する際に、これらの層のいくつかまたは一部をエッチングしてもよい。
本開示は理論によって何ら限定されるものではないが、MRAM金属(例えば、Co、Fe、Mn、Pd、およびPt)の堆積-エッチングメカニズムは、以下のように進行可能であると考えられる。このメカニズムは、(例えば、BCl3および/またはCl2により供給される)ClとArを用いたALEの際にSiを導入することにより、金属を側壁に再堆積させることなく、これらの金属をドライ化学エッチングすることを含む。上述したように、いかなる特定の理論にも制限されるものではないが、ハロゲン化物および/またはハロゲン含有ガスならびに金属と反応するSiまたは他の材料が存在することにより、Co-SiClx、Fe-SiClxなどの揮発性エッチング生成物が形成されると考えられる。これらの生成物は、エッチングチャンバ内で高い分圧を有し、容易に排出できる。
[装置]
次に、特定の実施形態において原子層エッチング(ALE)工程および原子層堆積(ALD)工程に好適に用い得る誘導結合プラズマ(ICP)反応器について説明する。このようなICP反応器は、米国特許出願公開第2014/0170853号(発明の名称「IMAGE REVERSAL WITH AHM GAP FILL FOR MULTIPLE PATTERNING」、2013年12月10日出願)にも記載されており、本明細書においてその全体がすべての目的のために参照により援用される。本明細書ではICP反応器について説明するが、いくつかの実施形態では、容量結合プラズマ反応器を用いてもよいことを理解されたい。
図5は、本明細書の特定の実施形態を実施するのに適した、誘導結合プラズマ統合型エッチング・堆積装置500の概略断面図である。この装置の一例としては、Lam Research Corp.(カリフォルニア州フレモント)製のKiyo(登録商標)反応器が挙げられる。誘導結合プラズマ装置500は、チャンバ壁501および窓511によって構造が規定された全体プロセスチャンバ524を備える。チャンバ壁501は、ステンレス鋼またはアルミニウム製であってもよい。窓511は、石英または他の誘電体材料製であってもよい。任意の構成としての内部プラズマグリッド550が、全体プロセスチャンバを上部サブチャンバ502と下部サブチャンバ503とに分割する。ほとんどの実施形態において、プラズマグリッド550を取り除いてもよく、それによってサブチャンバ502および503からなるチャンバ空間が活用できる。下部サブチャンバ503の内部底面付近に、チャック517が配置される。チャック517は、エッチングおよび堆積プロセスが実行される半導体基板またはウエハ519を受け取って保持するように構成される。チャック517は、ウエハ519が配置された場合にこれを支持する静電チャックとすることができる。いくつかの実施形態において、エッジリング(図示しない)がチャック517を取り囲む。エッジリングの上面は、チャック517の上に配置されたときのウエハ519の上面とほぼ同一平面上にある。チャック517は、ウエハ519をチャックおよびデチャックするための静電電極をさらに含む。このために、フィルタおよびDCクランプ電源(図示しない)が設けられてもよい。ウエハ519をチャック517から持ち上げるための他の制御システムを設けることもできる。チャック517は、RF電源523によって帯電可能である。RF電源523は、接続部527を介して整合回路521に接続される。整合回路521は、接続部525を介してチャック517に接続される。このようにして、RF電源523がチャック517に接続される。
プラズマ生成のための要素は、窓511の上方に配置されたコイル533を含む。いくつかの実施形態では、コイルは、本開示の実施形態において使用されない。コイル533は導電性材料製であり、少なくとも1回の完全な巻きを含む。図5に示すコイル533の例では、3回の巻きを含む。コイル533の断面が記号で示されており、「X」のコイルは、紙面奥に向かって回転して延び、「●」のコイルは、紙面手前に向かって回転して延びる。プラズマ生成のための要素は、RF電力をコイル533に供給するように構成されたRF電源541をさらに含む。RF電源541は一般的に、接続部545を介して整合回路539に接続される。整合回路539は、接続部543を介してコイル533に接続される。このようにして、RF電源541がコイル533に接続される。任意の構成としてのファラデーシールド549が、コイル533と窓511との間に配置される。ファラデーシールド549は、コイル533に対して離間して維持される。ファラデーシールド549は、窓511の真上に配置される。コイル533、ファラデーシールド549、および窓511は、互いに略平行になるように構成される。ファラデーシールド549によって、金属または他の種がプロセスチャンバ524の窓511に堆積するのを防止してもよい。
プロセスガス(例えば、ハロゲン化物ガス、ハロゲン含有ガス、シリコンとハロゲンとを含有するガス、ゲルマニウムとハロゲンとを含有するガス、スズとハロゲンとを含有するガス、四塩化シリコン、塩素、アルゴン、四塩化シリコン、酸素、窒素など)を、上部サブチャンバ502に配置された1つ以上のメインガス流入口560を通じて、かつ/または1つ以上の側方ガス流入口570を通じて、プロセスチャンバに流してもよい。同様に、明示は省略するが、同様のガス流入口を用いて、プロセスガスを容量結合プラズマ処理チャンバに供給してもよい。真空ポンプ(例えば、1段もしくは2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ540)を用いて、プロセスチャンバ524からプロセスガスを抜き出し、プロセスチャンバ524内の圧力を維持してもよい。例えば、真空ポンプを用いて、ALDのパージ工程時に下部サブチャンバ503を真空にしてもよい。バルブ制御された導管を用いて真空ポンプをプロセスチャンバ524に流体接続して、真空ポンプによる真空環境の適用を選択的に制御してもよい。これは、プラズマ工程処理中に、スロットルバルブ(図示しない)や振り子式バルブ(図示しない)などの閉ループ制御式の流量制御装置によって実行してもよい。同様に、容量結合プラズマ処理チャンバに対して真空ポンプおよびバルブ制御流体接続を用いてもよい。
装置500の動作中に、ガス流入口560および/または570を通じて1つ以上のプロセスガスを供給してもよい。特定の実施形態において、プロセスガスは、メインガス流入口560のみを通じて供給してもよいし、側方ガス流入口570のみを通じて供給してもよい。場合により、図示のガス流入口をより複雑なガス流入口(例えば、1つ以上のシャワーヘッド)に置き換えてもよい。ファラデーシールド549および/または任意の構成としてのグリッド550は、プロセスチャンバ524へのプロセスガスの供給を可能にする内部チャネルおよび孔を備えてもよい。ファラデーシールド549および任意の構成としてのグリッド550の一方または両方が、プロセスガスを供給するためのシャワーヘッドとして機能してもよい。いくつかの実施形態において、液体気化供給システムがプロセスチャンバ524の上流に配置されてもよい。この場合、液体反応物または前駆体が気化されると、気化された反応物または前駆体がガス流入口560および/または570を通じてプロセスチャンバ524内に導入されるようになる。
RF電源541からコイル533に無線周波数電力が供給され、RF電流がコイル533に流れる。コイル533を流れるRF電流によって、コイル533の周囲に電磁場が発生する。この電磁場が、上部サブチャンバ502内に誘導電流を発生させる。発生した種々のイオンおよびラジカルとウエハ519との物理的および化学的相互作用により、ウエハ519のフィーチャがエッチングされ、ウエハ519に層が堆積される。
上部サブチャンバ502および下部サブチャンバ503の両方が設けられるようにプラズマグリッド550を用いた場合、誘導電流は上部サブチャンバ502内のガスに作用して、上部サブチャンバ502内に電子-イオンプラズマを発生させる。任意の構成としての内部プラズマグリッド550は、下部サブチャンバ503内のホットエレクトロンの数を制限する。いくつかの実施形態において、装置500は、下部サブチャンバ503内のプラズマがイオン-イオンプラズマとなるように設計および動作される。
上部の電子-イオンプラズマと下部のイオン-イオンプラズマは、いずれも正イオンおよび負イオンを含んでもよいが、イオン-イオンプラズマでは負イオンの割合が正イオンよりも大きくなる。揮発性のエッチング副生成物および/または堆積副生成物を、ポート522を介して下部サブチャンバ503から除去してもよい。本明細書に開示するチャック517は、約10℃~約250℃の範囲の高温で動作してもよい。温度は、プロセス工程および具体的なレシピに依存する。
装置500は、クリーンルームまたは製造施設に設置される際に、設備(図示しない)に連結されてもよい。設備は、プロセスガス、真空、温度制御、および環境粒子制御を提供する配管設備を含む。これらの設備は、装置500が対象の製造施設に設置される際に、装置500に連結される。さらに、装置500は、一般的なオートメーションを用いてロボットにより半導体ウエハを装置500に対して搬入出する搬送チャンバに連結されてもよい。
いくつかの実施形態において、システムコントローラ530(1つ以上の物理的または論理的コントローラを含んでもよい)が、プロセスチャンバ524の動作の一部またはすべてを制御する。システムコントローラ530は、1つ以上のメモリ装置と、1つ以上のプロセッサとを含んでもよい。いくつかの実施形態において、装置500は、本開示の実施形態を実施する際の流量および時間を制御するためのスイッチングシステムを含む。いくつかの実施形態において、装置500は、最大約500ms、または最大約750msのスイッチング時間を有してもよい。スイッチング時間は、フロー化学反応、選択されたレシピ、反応器の構造、および他の要因に依存してもよい。
いくつかの実装形態において、システムコントローラ530はシステムの一部であり、システムは上述した例の一部であってもよい。このようなシステムは、1つ以上の処理ツール、1つ以上のチャンバ、1つ以上の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理用コンポーネント(ウエハ台座やガス流量システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、処理後におけるシステムの動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。電子機器をシステムコントローラ530に統合して、1つ以上のシステムの様々なコンポーネントまたはサブ部品を制御してもよい。システムコントローラ530は、処理パラメータおよび/またはシステムの種類に応じて、本明細書に開示したいずれのプロセスも制御するようにプログラムされてもよい。これらのプロセスには、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入出、ならびに、特定のシステムと接続または連携されたその他の移送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入出が含まれる。
広義には、システムコントローラ530は、様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよく、命令の受信、命令の送出、動作の制御、洗浄動作の有効化、エンドポイント測定の有効化などを行う。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアとしてのチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または1つ以上のマイクロプロセッサ、もしくはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個別の設定(またはプログラムファイル)としてコントローラに通信される命令であってもよく、半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して、特定のプロセスを実施するための動作パラメータを定義する。いくつかの実施形態において、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハダイの製造および除去において1つ以上の処理工程を達成するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
いくつかの実装形態において、システムコントローラ530は、コンピュータの一部であってもよいし、コンピュータに結合されていてもよい。ここで、コンピュータは、システムと一体化しているか、システムに結合されているか、その他の形でシステムとネットワーク接続されているか、これらを組み合わせた形態をとる。例えば、コントローラは、「クラウド」上に存在してもよいし、工場ホストコンピュータシステムのすべてまたは一部に存在してもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能になる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを有効化して、製造工程の進捗状況の監視、過去の製造工程履歴の調査、または複数の製造工程から傾向もしくは性能指標の調査を行うことができ、現在の処理のパラメータを変更したり、現在の処理に続く処理工程を設定したり、新たなプロセスを開始したりできる。いくつかの例において、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)からシステムに対して、ネットワークを介してプロセスレシピを提供できる。ここで、ネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力やプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでもよい。これらのパラメータおよび/または設定はその後、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、システムコントローラ530は、データとして命令を受信する。このデータは、1つ以上の動作において実行される各処理工程のパラメータを指定する。なお、これらのパラメータは、実行するプロセスの種類、およびコントローラが連携または制御するように構成されているツールの種類に対して固有のパラメータであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ530は、1つ以上の個別のコントローラを備えることなどによって分散されてもよい。これらの個別のコントローラはネットワーク化され、本明細書に記載のプロセスおよび制御といった共通の目的に向けて動作する。このような目的のための分散コントローラの一例として、(例えばプラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔設置された1つ以上の集積回路と通信するチャンバに搭載された1つ以上の集積回路が挙げられる。これらの集積回路は協働してチャンバにおけるプロセスを制御する。
システムの非限定的な例として、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD:Physical Vapor Deposition)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、ALDチャンバまたはモジュール、ALEチャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製造および/または生産に関連してもよいもしくは使用可能なその他のあらゆる半導体処理システムが挙げられる。
上述した通り、ツールによって実行される1つ以上のプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはツールモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、付近のツール、工場内の各所に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体生産工場内のツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハコンテナの受け渡しを行う材料輸送で使用されるツールのうち、1つ以上と通信してもよい。
図6は、真空搬送モジュール(VTM:Vacuum Transfer Module)638と連携する種々のモジュールを備えた半導体プロセスクラスタ構造を示す図である。複数の貯蔵設備およびプロセスモジュール間でウエハを「搬送」する種々のモジュールの配置構成を、「クラスタツール構造」システムと呼ぶ場合がある。ロードロックまたは搬送モジュールとしても知られるエアロック630がVTM638と連携し、VTM638が4つの処理モジュール620a~620dと連携する。処理モジュール620a~620dは、種々の製造プロセスを実行するように個別に最適化されてもよい。一例として、処理モジュール620a~620dは、基板のエッチング、堆積、イオン注入、ウエハ洗浄、スパッタリング、および/または他の半導体プロセスを実行するように実装されてもよい。いくつかの実施形態において、ALDおよびALEは、同じモジュールで実行される。いくつかの実施形態において、ALDおよびALEは、同じツールにおける異なるモジュールで実行される。基板エッチング処理モジュールのうちの1つ以上(620a~620dのいずれか)が、本明細書に開示するように実装されてもよい。すなわち、コンフォーマルな膜堆積、ALDによる選択的な膜堆積、パターンのエッチング、および本開示の実施形態に従った他の適切な機能を実行するように実装されてもよい。エアロック630および処理モジュール620a~620dは、「ステーション」と呼ばれる場合がある。各ステーションは、ステーションをVTM638と連携させるファセット636を備える。各ファセットの内部では、センサ1~18によって、ウエハ626がそれぞれのステーション間を移動する際のウエハ626の通過を検出する。
ロボット622が、ウエハ626をステーション間で搬送する。一実施形態では、ロボット622は1つのアームを備え、別の実施形態では、ロボット622は2つのアームを備え、各アームは、ウエハ626などのウエハを搬送用に選び取るためのエンドエフェクタ624を備える。大気搬送モジュール(ATM:Atmospheric Transfer Module)640内のフロントエンドロボット632を用いて、ウエハ626を、ロードポートモジュール(LPM:Load Port Module)642内のカセットまたは前開き一体型ポッド(FOUP:Front Opening Unified Pod)634からエアロック630に搬送する。処理モジュール620a~620d内のモジュールセンタ628が、ウエハ626を載置するための1つの場所となる。ATM640内のアライナ644によって、ウエハが位置合わせされる。
例示的な処理方法では、ウエハがLPM642内のFOUP634のいずれかに載置される。フロントエンドロボット632が、ウエハをFOUP634からアライナ644に搬送し、アライナ644によって、ウエハ626がエッチングまたは処理前に適切にセンタリングされる。位置合わせ後、ウエハ626はフロントエンドロボット632によってエアロック630内に移動される。エアロック630はATM640とVTM638との間で環境を一致させる機能を有するため、ウエハ626は、損傷を受けることなく2つの圧力環境間を移動できる。ウエハ626はエアロック630から、ロボット622によってVTM638を通じて処理モジュール620a~620dのいずれかに移動される。このウエハの移動を実現するために、ロボット622はその各アームに設けられたエンドエフェクタ624を使用する。ウエハ626が処理されると、ウエハ626はロボット622によって処理モジュール620a~620dからエアロック630に移動される。ここから、ウエハ626はフロントエンドロボット632によって、FOUP634のいずれかまたはアライナ644に移動されてもよい。
なお、ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスタ構造の内部に位置してもよいし、生産現場においてクラスタ構造の外部に位置してもよいし、遠隔地に位置してネットワークを介してクラスタ構造に接続されてもよい。図5を参照して上述したコントローラが、図6のツールに実装されてもよい。
[実験]
[実験1]
実験により、CoPt表面をSiCl4-Heプラズマに曝露して改質し、改質表面をバイアスを印加した活性化ヘリウムに曝露してバイアスパルスのみでスパッタリングを行った。このような実験を様々なバイアス電圧にて行い、CoPt表面のエッチング速度を評価した。また、これらのエッチングプロセスの相乗効果も確認した。いくつかの実施形態において、ALEの相乗効果は65%~80%である。
図7は、バイアス電圧を変化させて得られた実験データを示したものであり、SiCl4-Heへの曝露によるエッチング速度と、バイアスパルスのみを用いたCoPt表面のヘリウムスパッタリングによるエッチング速度とを比較するとともに、これらのプロセスの総合的な相乗効果の割合を示したものである。全体として、バイアスパルスはスパッタリング速度を低下させ、SiCl4による化学エッチングの成分を増加させる。
図8は、一実施形態において使用可能なプラズマ処理チャンバシステム800の別の例を示す概略図である。プラズマ処理チャンバシステム800は、プラズマ反応器802を含む。プラズマ反応器802は、内部にプラズマ処理閉じ込めチャンバ804を備える。プラズマ整合ネットワーク808によって調整されたプラズマ電源806が、誘電体誘導電力窓812の近くに配置されたトランス結合プラズマ(TCP:Transformer Coupled Plasma)コイル810に電力を供給し、これにより誘導結合電力を供給することで、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内にプラズマ814を発生させる。プラズマ処理閉じ込めチャンバ804のチャンバ壁876から誘電体誘導電力窓812まで頂部872が延び、頂部リングを形成している。頂部872は、チャンバ壁876および誘電体誘導電力窓812に対して角度が付けられており、頂部872とチャンバ壁876との間の内角、および頂部872と誘電体誘導電力窓812との間の内角が、それぞれ90度超180度未満となっている。図示するように、頂部872によって、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804の上部付近には傾斜したリングが設けられる。TCPコイル(上部電源)810は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内に均一な拡散プロファイルを生成するように構成されてもよい。例えば、TCPコイル810は、プラズマ814内に環状の電力分布を生成するように構成されてもよい。誘電体誘導電力窓812は、TCPコイル810をプラズマ処理閉じ込めチャンバ804から分離しつつ、TCPコイル810からのエネルギーをプラズマ処理閉じ込めチャンバ804に通過させるために設けられている。バイアス整合ネットワーク818によって調整されたウエハバイアス電圧電源816が電極820に電力を供給し、基板866に対してバイアス電圧を設定する。基板866は、電極820によって支持される。コントローラ824は、プラズマ電源806およびウエハバイアス電圧電源816を制御する。
プラズマ電源806およびウエハバイアス電圧電源816は、例えば、13.56メガヘルツ(MHz)、27MHz、2MHz、60MHz、400キロヘルツ(kHz)、2.54ギガヘルツ(GHz)、またはこれらの組み合わせなどの特定の無線周波数で動作するように構成されてもよい。プラズマ電源806およびウエハバイアス電圧電源816は、所望のプロセス性能を達成すべく、様々な範囲の電力を供給するのに適切なサイズを有してもよい。例えば、一実施形態において、プラズマ電源806は、50~5000ワットの範囲の電力を供給してもよく、ウエハバイアス電圧電源816は、20~2000ボルト(V)の範囲のバイアス電圧を供給してもよい。さらに、TCPコイル810および/または電極820は、2つ以上のサブコイルまたはサブ電極で構成されてもよい。また、TCPコイル810は、閉じ込めチャンバ804内にRF電力を供給するための電極の一種である。サブコイルまたはサブ電極は、単一の電源から給電されてもよいし、複数の電源から給電されてもよい。
図8に示すように、プラズマ処理チャンバシステム800は、ガス源/ガス供給機構830をさらに含む。この実施形態において、ガス源830は、ハロゲン含有ガス源832、活性化ガス源、IV族元素含有ガス源836、および誘電体エッチングガス源838を備える。ここで、ハロゲン含有ガスは、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含む。ガス源830は、ガス注入器840などのガス流入口を介して、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804と流体連通する。ガス注入器840は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内の任意の好適な位置に配置されてよく、ガスを注入するための任意の形態であってもよい。ただし、好ましくは、ガス注入口は「調整可能な」ガス注入プロファイルを生成するように構成されてよい。調整可能なガス注入プロファイルにより、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内の複数のゾーンへのガス流をそれぞれ独立して調整することが可能になる。ガス注入器840は、誘電体誘導電力窓812に取り付けられることがより好ましい。ガス注入器840は、誘電体誘導電力窓312の上に取り付けられてもよいし、その中に取り付けられてもよいし、その一部を形成してもよい。プロセスガスおよび副生成物は、圧力制御バルブ842およびポンプ844を介して、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804から除去される。圧力制御バルブ842およびポンプ844は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内を特定の圧力に維持する機能も果たす。圧力制御バルブ842は、処理中に1torr未満の圧力を維持できる。エッジリング860が、基板866の周囲に配置される。ガス源/ガス供給機構830は、コントローラ824によって制御される。一実施形態の実施にあたり、Lam Research Corp.(カリフォルニア州フレモント)製のKiyoを用いてもよい。
図9は、各実施形態にて用いられる図8のコントローラ824を実装するのに適した、コンピュータシステム900を示す高レベルのブロック図である。コンピュータシステムは、集積回路、プリント回路基板、および小型の携帯装置から大型のスーパーコンピュータにわたる数多くの物理的形態を有してもよい。コンピュータシステム900は、1つ以上のプロセッサ902を含み、さらに、(画像、テキストやその他のデータを表示するための)電子ディスプレイ装置904、メインメモリ906(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置908(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶装置910(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインタフェース装置912(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、マウスやその他のポインティングデバイスなど)、および通信インタフェース914(例えば、無線ネットワークインタフェース)を含むことができる。通信インタフェース914により、コンピュータシステム900と外部装置との間で、リンクを介してソフトウェアやデータの転送が可能になる。また、システムは、上述した装置/モジュールが接続される通信インフラストラクチャ916(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、またはネットワーク)を含んでもよい。
通信インタフェース914を介して転送される情報は、信号を搬送する通信リンクを介して通信インタフェース914が受信可能な電子信号、電磁信号、光信号、または他の信号などの信号の形態であってもよく、また、この通信インタフェース914は、電線もしくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、無線周波数リンク、および/または他の通信チャネルを用いて実装されてもよい。このような通信インタフェースにより、1つ以上のプロセッサ902が、上述の方法ステップを実行する過程で、ネットワークから情報を受信したり、ネットワークに情報を出力してもよいことが考えられる。さらに、方法の実施形態は、プロセッサのみで実行してもよいし、処理の一部を共有するリモートプロセッサと連携して、インターネットなどのネットワーク上で実行してもよい。
「非一時的なコンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブル記憶装置、および記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、およびその他の形態の永続メモリなど)などの媒体を指すものであり、搬送波や信号などの一時的な対象を含むものと解釈されるべきではない。コンピュータコードの例としては、コンパイラによって生成されたコードなどの機械コードや、解釈プログラムを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含むファイルが挙げられる。また、コンピュータ可読媒体は、搬送波として具体化されたコンピュータデータ信号によって送信され、プロセッサにより実行可能な一連の命令を表すコンピュータコードであってもよい。
このようなコンピュータ可読媒体は、チャンバ内に位置する基板を、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスに曝露し、プラズマを点火して基板の表面を改質し、改質表面を形成する(ステップ206)ためのコンピュータ可読コードを含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、基板を活性化された活性化ガスに曝露し、改質表面の少なくとも一部をエッチングする(ステップ208)ためのコンピュータ可読コードをさらに含んでもよい。
別の実施形態において、イオンビーム処理チャンバを用いてもよい。一実施形態において、メモリスタックを有する基板が、イオンビーム処理チャンバ内に配置される。シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスをイオンビーム処理チャンバに流すことにより、イオンビームエッチングが行われる。ハロゲン含有ガスをプラズマ化することにより、基板のメモリスタックの表面を改質し、基板のスタックの改質表面を形成する。ハロゲン含有ガスをイオンビーム処理チャンバに流してプラズマ化している間に、活性化された活性化ガスを供給して、改質表面をエッチングする。この実施形態において、活性化ガスはアルゴンである。アルゴンガスは、基板に向けてイオンビーム化することにより活性化される。
別の実施形態において、容量結合プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)チャンバを用いてもよい。一実施形態において、メモリスタックを有する基板が、CCPチャンバ内に配置される。シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスをCCPチャンバに流すことにより、エッチングが行われる。ハロゲン含有ガスをプラズマ化することにより、基板のメモリスタックの表面を改質し、基板のスタックの改質表面を形成する。ハロゲン含有ガスをCCPチャンバに流してプラズマ化している間に、活性化された活性化ガスを供給して、改質表面をエッチングする。この実施形態において、活性化ガスはアルゴンである。アルゴンガスは、CCPエネルギーによって活性化され、バイアスを印加してこの活性化されたアルゴンガスを基板に向けて加速させる。
[結び]
明確な理解に資する目的で上記の実施形態をある程度詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で、一部変更や変形を行ってもよいことは明らかである。なお、本実施形態のプロセス、システムおよび装置を実現する方法として多くの代替方法が存在する。したがって、本実施形態は、あくまでも例示であって本開示を限定するものではない。実施形態は、本明細書に記載の詳細に限られるものではない。
SiCl4ベースのエッチング化学物質を、MRAMパターニングのためのALEプロセスに組み込んで、MTJの損傷を最小限に抑えることもできる。SiCl4ベースのALEプロセスは、サイクル化可能な2つの工程を含む。これら2つの工程は、金属表面を改質して改質金属表面を形成するSiCl4プラズマを用いた吸工程と、揮発性のエッチング副生成物を形成して改質金属表面を除去するイオン衝撃工程とを含む。このようなALEプロセスでは、改質表面が除去されることにより、各ALEサイクル後にエッチフロントおよび側壁表面がリセットされる。化学反応物に常時曝露するのではなく、金属表面を層ごとにエッチングすることで、MTJ層への損傷を低減することができる。
図8に示すように、プラズマ処理チャンバシステム800は、ガス源/ガス供給機構830をさらに含む。この実施形態において、ガス源830は、ハロゲン含有ガス源832、活性化ガス源834、IV族元素含有ガス源836、および誘電体エッチングガス源838を備える。ここで、ハロゲン含有ガスは、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含む。ガス源830は、ガス注入器840などのガス流入口を介して、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804と流体連通する。ガス注入器840は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内の任意の好適な位置に配置されてよく、ガスを注入するための任意の形態であってもよい。ただし、好ましくは、ガス注入口は「調整可能な」ガス注入プロファイルを生成するように構成されてよい。調整可能なガス注入プロファイルにより、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内の複数のゾーンへのガス流をそれぞれ独立して調整することが可能になる。ガス注入器840は、誘電体誘導電力窓812に取り付けられることがより好ましい。ガス注入器840は、誘電体誘導電力窓312の上に取り付けられてもよいし、その中に取り付けられてもよいし、その一部を形成してもよい。プロセスガスおよび副生成物は、圧力制御バルブ842およびポンプ844を介して、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804から除去される。圧力制御バルブ842およびポンプ844は、プラズマ処理閉じ込めチャンバ804内を特定の圧力に維持する機能も果たす。圧力制御バルブ842は、処理中に1torr未満の圧力を維持できる。エッジリング860が、基板866の周囲に配置される。ガス源/ガス供給機構830は、コントローラ824によって制御される。一実施形態の実施にあたり、Lam Research Corp.(カリフォルニア州フレモント)製のKiyoを用いてもよい。

Claims (24)

  1. 方法であって、
    a)チャンバ内に配置された基板を、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスに曝露し、プラズマを点火して前記基板の表面を改質し、改質表面を形成することと、
    b)前記基板を活性化された活性化ガスに曝露し、前記改質表面の少なくとも一部をエッチングすることと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記ハロゲン含有ガスは四塩化シリコンである、
    方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    前記ハロゲン含有ガスは、クロロシラン、ブロモシラン、ヨードシラン、ヒドロクロロシラン、およびフルオロシランからなる群から選択される、
    方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板を前記活性化された活性化ガスに前記曝露することは、バイアスを印加することを含む、
    方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、
    前記バイアスはパルス化される、
    方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、
    前記バイアスは、100V~2000Vの電圧で印加される、
    方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板を前記ハロゲン含有ガスに曝露し、前記プラズマを点火することは、バイアスを印加することを含む、
    方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板を前記活性化された活性化ガスに曝露することで、揮発性の金属サイロ複合体が生成される、
    方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、
    前記工程a)の前に、IV族元素含有材料の層を前記基板に堆積することをさらに含む、
    方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板を前記活性化された活性化ガスに曝露し、前記改質表面の少なくとも一部をエッチングすることにより、前記改質表面がイオン衝撃され、前記イオン衝撃は揮発性の副生成物を形成し、前記揮発性の副生成物は、ハロゲン、前記基板からの元素、ならびにシリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズのうちの少なくとも1つを含む複合体である、
    方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、
    前記工程a)および前記工程b)は、同時に実行される、
    方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、
    複数のサイクルの原子層エッチングプロセスにおいて、前記工程a)は前記工程b)の前に実行される、
    方法。
  13. 請求項1に記載の方法であって、
    前記活性化された活性化ガスは、活性化ガスから形成されるプラズマ、および前記活性化ガスから形成されるイオンビームからなる群から選択される、
    方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、
    前記工程b)は、前記工程a)中にイオンビームを供給することを含む、
    方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、
    前記イオンビームは、アルゴンのイオンビームである、
    方法。
  16. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板は、金属材料の1つ以上の層を含み、前記1つ以上の層のうちの少なくとも1つの層の前記金属材料は、IV族遷移金属、V族遷移金属、VI族遷移金属、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、
    方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、
    前記基板の前記1つ以上の層のうちの少なくとも1つの材料は、誘電体材料を含む、
    方法。
  18. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板上の1つ以上の層を反応性イオンエッチングによりエッチングすることをさらに含む、
    方法。
  19. 請求項1に記載の方法であって、
    前記基板は、1つ以上の金属層、自由層、誘電体バリア層、および固定層を含み、前記誘電体バリア層は、前記自由層と前記固定層の間に設けられ、前記自由層、前記誘電体バリア層、および前記固定層は、前記1つ以上の金属層の間に設けられる、
    方法。
  20. 基板のフィーチャをエッチングするための装置であって、
    プラズマチャンバと、
    前記プラズマチャンバにガスを供給するための供給システムと、
    前記供給システムに前記ガスを供給するための1つ以上のガス源と、
    少なくとも1つのRF発生器と、
    前記1つ以上のガス源および前記少なくとも1つのRF発生器に制御可能に接続されたコントローラであって、
    前記供給システムを制御して、シリコン、ゲルマニウム、炭素、チタン、およびスズからなる群から選択される元素を含むハロゲン含有ガスを、前記1つ以上のガス源から前記プラズマチャンバに流し、
    前記少なくとも1つのRF発生器を制御して、前記1つ以上のガス源からプラズマを点火し、前記基板の表面を改質して改質表面を形成し、
    前記供給システムを制御して、前記1つ以上のガス源から前記プラズマチャンバに活性化ガスを流し、
    前記供給システムを制御して、前記1つ以上のガス源から前記プラズマチャンバに前記活性化ガスを流して、前記改質表面の少なくとも一部をエッチングするように構成された1つ以上のプロセッサを含むコントローラと、
    を含む、装置。
  21. 請求項20に記載の装置であって、
    前記1つ以上のガス源は、四塩化シリコンのガス源を含む、
    装置。
  22. 請求項20に記載の装置であって、
    前記1つ以上のガス源は、クロロシラン、ブロモシラン、ヨードシラン、ヒドロクロロシラン、およびフルオロシランのガス源のうちの少なくとも1つを含む、
    装置。
  23. 請求項20に記載の装置であって、
    バイアス電圧電源をさらに含み、
    前記コントローラは、前記バイアス電圧電源を制御して、前記活性化ガスを活性化するようにさらに構成されている、
    装置。
  24. 請求項20に記載の装置であって、
    バイアス電圧電源をさらに含み、
    前記コントローラは、前記バイアス電圧電源を制御して、前記プラズマの点火中にバイアスを印加するようにさらに構成されている、
    装置。
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