JP2022541647A - 観察デバイスおよび方法 - Google Patents

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タチアナ・ブティコスキー・ラメゴ
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Abstract

多数の用途のための、観察デバイスおよび観察技術が開示される。測定部位に取り付けられる観察デバイスは、光センサ、温度センサ、または第1および第2の電気的接触センサのうちの少なくとも1つを含む。観察デバイスまたはスマート衣服は、ユーザの体(たとえば、皮膚)または動物と接触している電極によって各々形成される1つまたは複数の生物電池によって電力供給され得る。光センサ、温度センサ、ならびに/または第1および第2の電気的接触センサから受信される信号を処理するために、様々な方法およびアルゴリズムが使用され得る。光センサ、温度センサ、ならびに/または第1および第2の電気的接触センサから受信された信号は、ホストデバイスに送信され得る。ホストデバイス上のアプリケーションプログラムは、信号を処理して、1つもしくは複数の生理学的パラメータ、波形データ、傾向データ、および/または1つもしくは複数の報告を計算することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、PCT国際特許出願として2020年7月27日に出願されており、2019年7月25日に出願された「Software and Firmware For Medical, Fitness, and Wellness Real-Time Applications」という表題の米国仮出願第62/878,670号、2019年8月8日に出願された「Software and Firmware For Medical, Fitness, and Wellness Real-Time Applications and with Extended Ranges」という表題の米国仮出願第62/884,578号、2019年11月7日に出願された「Software and Firmware For Medical, Fitness, and Wellness Real-Time Applications and with Extended Ranges」という表題の米国仮出願第62/932,394号、および2019年12月20日に出願された「Software and Firmware For Medical, Fitness, and Wellness Real-Time Applications and with Extended Ranges」という表題の米国仮出願第62/951,651号の優先権を主張し、これらの各々の開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
様々な健康パラメータを決定するデバイスが、消費者および医療従事者により常用されている。たとえば、血中酸素飽和度(SpO2)、脈拍数(PR)、および灌流指数(PI)は、ユーザの健康および/またはフィットネスについてフィードバックを受けるために消費者および医療従事者が観察する健康パラメータである。
米国特許出願第16/198,550号 米国特許出願第16/198,504号
John W.Severinghaus、Simple, Accurate Equations for Human Blood O2 Dissociation Computations.J.Appl.Physiol: Respirat.Environ.Exercise Physiol.46(3):599~602頁、1979.Revisions,1999,2002,2007
低コストの、ワイヤレスの、マルチパラメータの、一回限り使用の、または複数回使用の、医療およびフィットネスならびに/またはウェルネスデバイスが有用であり有益であるような、多数の応用における臨床用観察技術を、本明細書において開示される実施形態は可能にする。ワイヤレスであるという特性は、利便性、快適性、および移動の自由をユーザに与える。一回限り使用の設計と複数回使用の設計との相互作用は、使用事例のフレキシビリティを可能にする。医療への応用では、一回限り使用の設計は、感染に関連する交叉汚染および健康管理上の危険性を減らし、ワークフローを簡単にし、機器の装着および破損による故障をなくす。フィットネスおよびウェルネスへの応用では、複数回使用の設計が、個人による使用に対してより安価なソリューションを可能にする。この観察技術の実施形態は、とりわけ、COPDのためのパルスオキシメトリ、麻酔、航空およびスポーツ、無呼吸検出、酸素療法、糖尿病の管理のための非侵襲的で継続的な血糖値観察、継続的な体温観察、ECGスポットチェック観察、脳波(EEG)の継続的な観察、体水分量管理のための血中水分の非侵襲的な観察、貧血および/または輸血管理のための非侵襲的な総ヘモグロビン観察、継続的なディスヘモグロビネミア(dyshemoglobinemia)観察を含む、多くの臨床環境ならびにフィットネスおよびウェルネスへの応用に適用することができる。
観察デバイスは、ユーザまたは動物の測定部位に取り付けられる、個別の観察デバイスであり得る。代替として、1つまたは複数の観察デバイスが、ウェアラブル観察デバイスまたはスマート衣服に含まれてもよい。ウェアラブル観察デバイスは、限定はされないが、アイウェア、宝飾品、および、ユーザまたは動物に接して、もしくはその体内に装着される他の技術を含む。いくつかの実施形態では、ウェアラブル観察デバイスまたはスマート衣服は、ユーザまたは動物の体(たとえば、皮膚)と部分的にまたは完全に接触しているカソード電極およびアノード電極により各々形成される、1つまたは複数の生物電池により電力供給される。
観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服は、処理デバイス(たとえば、マイクロプロセッサ)に動作可能に接続された1つまたは複数の認証および/またはストレージメモリと、ワイヤレス通信デバイスと、入力/出力(IO)インターフェース回路と、電力管理回路とを備える、第1の回路を含み得る。観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服はさらに、光センサに動作可能に接続された光フロントエンド、電気センサに動作可能に接続された電気フロントエンド、超音波センサに動作可能に接続された超音波フロントエンド、温度センサに動作可能に接続された温度フロントエンド、モーションおよび/もしくは姿勢センサに動作可能に接続されたモーションおよび/もしくは姿勢フロントエンド、ならびに/または、位置および/もしくは環境センサに動作可能に接続された位置および/もしくは環境フロントエンドを備える、第2の回路を含み得る。電気センサ、超音波センサ、温度センサ、モーションおよび/または姿勢センサ、ならびに位置/環境センサは、補助センサである。一実施形態では、光フロントエンド、電気フロントエンド、超音波フロントエンド、温度フロントエンド、モーションおよび/もしくは姿勢フロントエンド、ならびに/または位置および/もしくは環境フロントエンドは、それぞれ、光センサ、電気センサ、超音波センサ、温度センサ、モーションおよび/もしくは姿勢センサ、ならびに/または位置および/もしくは環境センサにより獲得されたデータの送信を制御する。
一態様では、観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服は、光センサ、温度センサ、第1の電気的接触センサ、および第2の電気的接触センサを、観察デバイスの筐体内に含む。光センサは、光源と、筐体の第1の面に隣接して配置された光検出器とを含む。光源は測定部位に向かって光を放出するように動作可能であり、光検出器は、第1の面がユーザの第1の体の部分の測定部位と接触しているときに、測定部位から反射された光を受け取るように動作可能である。温度センサは、筐体の第1の面に隣接して配置され、第1の面が測定部位と接触しているとき、測定部位における温度を測定するように動作可能である。第1の電気的接触センサは、筐体の第1の面が測定部位と接触しているときに測定部位と接触するように、第1の面に隣接して配置される。第2の電気的接触センサは、筐体の第2の面に隣接して配置される。第1および第2の電気的接触センサは、ユーザの異なる第2の体の部分が第2の電気的接触センサに接触すると、心拍信号を検出する。観察デバイスはまた、光検出器から受け取られた信号、温度測定結果、および心拍信号を、ホストデバイス上のアプリケーションプログラムに送信するように動作可能な、ワイヤレス通信デバイスを含む。
いくつかの態様では、ユーザの温度(たとえば、皮膚温)が、ユーザの1つまたは複数の末端において測定される。この温度は、ユーザの「快適性レベル」の代理として使用され得る。ユーザの「快適性レベル」を決定するために、継続的な温度測定結果と組み合わせて他の測定結果が使用され得る。たとえば、心拍数、灌流指数、脈波振幅、呼吸数、酸素飽和度などの他の生理学的な測定結果が、継続的な温度測定結果と組み合わせられ得る。
観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服は、ホストデバイス、コンピューティングシステム、および/またはクラウドコンピューティングシステムに動作可能に接続され得る。ホストデバイスおよびコンピューティングシステムは各々、観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服と同じ位置(たとえば、部屋)にあり得る。代替として、観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服は、ホストデバイスおよび/またはコンピューティングシステムとともに分散型システムを形成してもよく、このとき、観察デバイス、ウェアラブル観察デバイス、またはスマート衣服はある位置にあり、ホストデバイスおよび/またはコンピューティングシステムは別の(異なる)位置にある。
観察デバイスは、継続的に、または選択された時間に、様々な生理学的パラメータの測定結果を取得し、測定結果をホストデバイス、コンピューティングシステム、および/またはクラウドコンピューティングシステムに送信することができる。ホストデバイス上のアプリケーションプログラムは、1つまたは複数の生理学的パラメータの測定計、体温計、1つまたは複数の波形、および/または傾向の波形もしくはチャートを、アプリケーションプログラムのユーザインターフェース画面に表示することができる。アプリケーションプログラムは、生理学的パラメータが上限を超えるとき、および/または下限を下回るとき、アラームを生成することができる。上限および下限は、アプリケーションプログラムの設定ユーザインターフェース画面において設定され得る。
いくつかの態様では、観察デバイスの電池の電池持続時間が、ホストデバイス上のアプリケーションプログラムによって、観察デバイスによって、または、ホストデバイスと観察デバイスの両方を使用する分散型のプロセスにおいて推定され得る。この計算は、異なる関数を介して、閉ループと開ループの両方で実行される。閉ループでは、電池の充電量を直接推定するために、電池の電圧および/または他の利用可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)が使用される。開ループでは、電池の充電量は、1つまたは複数のカウンタおよび/または他の利用可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)を使用して間接的に推定される。
いくつかの実施形態では、認証方法は、ホストデバイスが観察デバイスから第1の識別子を受信することを含む。ホストデバイスは、第1の識別子に基づいて観察デバイスを認証する。限定しない例において、第1の識別子は、観察デバイスが製造されるときに、観察デバイスの処理デバイスまたはメモリ(たとえば、セキュアメモリ)に記憶された固有の工場でプログラムされた識別子を使用して作成される。認証が成功する場合、ホストデバイスは第2の識別子を観察デバイスに送信する。一実施形態では、第2の識別子は、認証された第1の識別子から計算される。観察デバイスは、第2の識別子を受信し、第2の識別子を内部的に計算または記憶された第3の識別子と比較する。一実施形態では、第2の識別子は、ホストデバイスによって計算された第2のハッシュコードであり、第3の識別子は、第1の識別子に記憶されているのと同じデータから観察デバイスによって計算された第3のハッシュコードである。第2の識別子および第3の識別子が一致するとき、観察デバイスは認証され、観察デバイスとホストデバイスとの間の接続(たとえば、ワイヤレス接続)が確立される。
一態様では、ウェアラブル観察デバイスまたは衣服は、ユーザの生体組織(たとえば、皮膚)が電池の電解質として働き、ウェアラブル観察デバイスまたは衣服の中の回路が電池の電極(すなわち、カソードおよびアノード)を提供するように作られる。
いくつかの実施形態では、観察デバイスの電池持続時間を測定するために、分散型残量計システムが使用される。分散型残量計システムは、観察デバイスにより取られてホストデバイスに送信される、電池および回路の測定結果(たとえば、温度、クロック周波数、電流、電圧、負荷など)に依存する。加えて、観察デバイスは、観察デバイスの状態の各々において観察デバイスにより消費されるエネルギーを記録する、1つまたは複数の不揮発性カウンタを維持することができる。一例では、観察デバイスは、観察デバイスがスタンバイ状態でありホストデバイスに接続されていないときには常に作動している、スタンバイカウンタを有し得る。追加または代替として、観察デバイスは、観察デバイスが実行中である、および/またはホストデバイスに接続されているときには常に作動している、使用カウンタを有し得る。接続タイマー(ウォッチドッグタイマー)も使用され得る。
観察デバイスが実行中でありホストデバイスに接続されている間に実行され得る例示的な動作は、データストリームを取得し、データストリームを復調および逆多重化して個々のデータストリームを生み出すことを含む。補助データストリームも、復調および/または逆多重化され得る。たとえば、観察デバイスはまた、時間多重化されたデータストリームを生み出すことができ、このとき、各タイムスロットは、電流、抵抗、もしくは電圧変数、温度変数、デジタルカウンタ変数、または診断変数に由来し得る値を提供する。補助データストリームは、各々の時間多重化された変数に対して1つの、多数のデータストリームを生み出すために逆多重化される。逆多重化されたデータストリームは次いで、デシメーション処理を受け、このとき、信号処理の要件を最小限にするために、電力消費を減らすために、および/またはデシメーションフィルタによる平均化を通じて信号対雑音比を上げるために、逆多重化されたデータストリームのサンプリングレートおよび周波数帯域幅が低減される。補助データストリームは、所望のサンプリング周波数に応じてデシメートされ、または補間され得る。追加の計算を実行することができ、ここで、追加の計算は、データストリームおよび変数のスケールを変換するための、電気的な飽和の検出のための、または、観察デバイスのデバイスファームウェアにより、もしくはそのために実行される任意の他の計算のための動作を含む。復調され、逆多重化され、デシメートされたデータストリームおよび補助データストリーム(もしあれば)は、他の任意選択のパラメータおよび変数とともに、ホストデバイスに送信される。データストリームは、ホストデバイスによってリアルタイムに受信され、一実施形態では、ホストデバイスによってさらに処理される。
別の態様では、ハイブリッドシステムが、測定アルゴリズムの状態空間表現を利用する。ハイブリッドシステムは、連続的な挙動と離散的で動的な挙動の両方を示すシステムである。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムにおけるデータは、離散的な期間において処理される。そのような実施形態では、データ処理は各エポック(たとえば、各離散期間)のために実行される。方法は、1つまたは複数の初期化された定数および/または1つまたは複数のデフォルト値を使用して、1つまたは複数の定数、ならびに入力、出力、および現在の状態変数(すなわち、現在のエポックにおいて定義される状態変数)を初期化するステップを含む。観察デバイスから、リアルタイムデータがホストデバイスによって受信され、1つまたは複数の入力、現在の状態、および1つまたは複数の定数から、次の状態および出力が計算される。現在の状態は次いで、計算された次の状態から更新される。表示され、共有され、および/または記憶されるデータは、任意のアラーム、残量計(たとえば、電池アイコン)、および/または通知とともに更新される。
ある例示的な実施形態では、観察デバイスの筐体内に光センサが配置される。光センサは光源および光検出器を含み、ここで、光源は、測定部位に向かって光を放出するように動作可能であり、光検出器は、第1の面がユーザの第1の体の部分の測定部位と接触しているときに、測定部位から反射された光を受け取るように動作可能である。観察デバイスはまた、筐体内に、補助センサと、ワイヤレス通信デバイスと、メモリと、光センサ、補助センサ、メモリ、およびワイヤレス通信デバイスに動作可能に接続される処理デバイスとを含む。メモリは、処理デバイスによって実行されると、動作が実行されるようにする命令を記憶する。動作は、光センサからデータストリームを受信し、補助センサから補助データストリームを受信することを含む。データストリームは、復調および逆多重化されて、少なくとも2つの個別のデータストリームを生み出す。少なくとも2つの個別のデータストリームはデシメートされ、少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームを生み出す。補助データストリームは、復調されてデシメートされ、時間多重化されたデータストリームを生み出す。少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームおよび時間多重化されたデータストリームは、ワイヤレス通信デバイスを使用してコンピューティングデバイスに送信される。
一態様では、方法は、光センサからデータストリームを受信するステップと、補助センサから補助データストリームを受信するステップと、データストリームを復調および逆多重化して少なくとも2つの個別のデータストリームを生み出すステップと、少なくとも2つの個別のデータストリームをデシメートして少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームを生み出すステップと、補助データストリームを復調および逆多重化して時間多重化されたデータストリームを生み出すステップと、ワイヤレス通信デバイスを使用して、少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームおよび時間多重化されたデータストリームをコンピューティングデバイスに送信するステップとを含む。
非限定的で非網羅的な例が以下の図面を参照して説明される。図の要素は必ずしも互いに対して縮尺通りではない。複数の図に共通の同一の特徴を指定するために、可能な場合には、同一の参照番号が使用されている。
コンピューティングデバイスに接続された観察デバイスの第1の例を示すブロック図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスのための例示的な測定部位を示す図である。 観察デバイスの第2の例を示すブロック図である。 観察デバイスの第3の例を示すブロック図である。 例示的な観察デバイスを図示する概略図である。 例示的な観察デバイスを図示する概略図である。 例示的な観察デバイスを図示する概略図である。 例示的な観察デバイスを図示する概略図である。 例示的な観察デバイスの断面図である。 観察デバイスの例示的な実施形態を示す図である。 観察デバイスの例示的な実施形態を示す図である。 観察デバイスの例示的な実施形態を示す図である。 観察デバイスの例示的な実施形態を示す図である。 温度センサおよび電気センサのためのフロントエンド回路を示す図である。 観察デバイスのある接触面構成を示す図である。 観察デバイスの別の接触面構成を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した第1の例示的な分散型システムおよび観察デバイスとともに使用するのに適した第1の例示的な変調方式を示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した第2の例示的な変調方式を示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した第3の例示的な変調方式を示す図である。 観察デバイスにおいて使用するための変調方式を決定する第1の例示的な方法のフローチャートである。 観察デバイスにおいて使用するための変調方式を決定する第2の例示的な方法のフローチャートである。 観察デバイスによって生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第2の例を示す図である。 観察デバイスおよびホストデバイスを含む統合されたデバイスを示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第3の例を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第4の例を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第5の例を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第6の例を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第7の例を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第8の例を示す図である。 観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第9の例を示す図である。 観察デバイスを作動させるためのステップを示す図である。 観察デバイスをホストデバイスに接続するための認証プロセスの例示的な方法のフローチャートである。 観察デバイスのアクティブノイズフロアを決定する第1の例示的な方法を示す図である。 観察デバイスのアクティブノイズフロアを決定する第2の例示的な方法を示す図である。 観察デバイスを動作させる第1の例示的な方法のフローチャートである。 ホストデバイスの例示的な状態図である。 観察デバイスの例示的な状態図である。 観察デバイスによる使用に適した例示的なセンサ較正プロセスのフローチャートである。 図27に示されるセンサ較正プロセスを実行するのに適した例示的なセンサ較正システムを示す図である。 ホストデバイスと組み合わせて使用されるときの観察デバイスの例示的な技術仕様を示す図である。 反射ベースのパルスオキシメトリシステムの典型的なSpO2臨床性能を示す例示的な散布図および例示的なBland-Altmanプロットである。 パルスオキシメトリシステムのための典型的な較正曲線の例示的な実験点を示す図である。 100パーセントを超えるSpO2値を提供する例示的な方法のフローチャートである。 観察デバイスが実行中でありホストデバイスに接続されている間に実行される例示的な動作のフローチャートである。 観察デバイスから受信された測定データを処理する例示的な方法を示すフローチャートである。 測定データの脈波振幅(PA)対数ボラティリティまたは灌流指数(PI)対数ボラティリティを計算する例示的な方法のフローチャートである。 測定データの脈拍数(PR)ボラティリティを計算する例示的な方法のフローチャートである。 測定データの自然対数ボラティリティを計算する例示的な方法のフローチャートである。 測定データの自然対数ボラティリティを計算する方法のフローチャートである。 測定アルゴリズムの状態空間表現を利用してハイブリッドシステムを記述するために使用されるフローチャートである。 図39に示されるブロック3900において実行され得る例示的な動作のフローチャートである。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 例示的なデータフロー図である。 インデクシングされたモデルの系列(すなわち、i=1,2,...,I)および参照モデルの系列(すなわち、j=1,2,...,J)に対して各エポックにおいて、図41A~図41Hに示される例示的なデータフロー図がどのように一緒に接続されて処理され得るかを示すブロック図である。 インデクシングされたモデルの系列(すなわち、i=1,2,...,I)および参照モデルの系列(すなわち、j=1,2,...,J)に対して各エポックにおいて、図41A~図41Hに示される例示的なデータフロー図がどのように一緒に接続されて処理され得るかの代替の実施形態のブロック図である。 図39に示されるブロック3906において使用するのに適した例示的な動作のフローチャートである。 図44に示されるブロック4400において使用するのに適した例示的な動作のフローチャートである。 図44に示されるブロック4402および4404において使用するのに適した例示的な動作のフローチャートである。 観察デバイスの電池持続時間を測定する分散型残量計システムを動作させる方法のフローチャートである。 ジッタリングを防ぐためにヒステリシスを考慮する例示的な残量計インジケータを示す図である。 図49Aは、電池のエネルギーと関連付けられる1つまたは複数のカウンタに基づいて観察デバイスを初期化して再始動する方法のフローチャートであり、図49Bは、ウォッチドッグタイマーを動作させる方法のフローチャートである。 例示的な電池放電曲線を示す図である。 図50に示される電池放電曲線に基づいて観察デバイスにおける電池の持続時間を推定する方法のフローチャートである。 観察デバイスのための不正改造防止方法のフローチャートである。 図50に示される例示的な電池放電曲線を示す図である。 観察デバイスの電池の電池持続時間を推定する例示的な方法を示す図である。 観察デバイスの電池の電池持続時間を推定する代替の例示的な方法のフローチャートである。 観察デバイスとともに動作するホストデバイスにインストールされたホストアプリケーションのグラフィック表現を示す図である。 ホストデバイスにおいてホストアプリケーションを起動するための例示的な動作を示す図である。 ホストデバイスにおいてホストアプリケーションを起動するための例示的な動作を示す図である。 観察デバイスをホストデバイスに接続するための例示的な動作を示す図である。 観察デバイスをホストデバイスに接続するための例示的な動作を示す図である。 観察デバイスをホストデバイスに接続するための例示的な動作を示す図である。 ホストデバイスにおいて表示され得る例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイスにおいて表示され得る例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイスにおいて表示され得る例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイスに表示され得るいくつかのユーザインターフェース画面を示す図である。 観察デバイスから受信されるデータを共有するホストデバイスのワークフローを示す図である。 観察デバイスから受信されるデータを共有するホストデバイスのワークフローを示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上に表示するのに適した、および報告として出力されるデータに含めるのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストデバイス上のホストアプリケーションによって生み出される識別パラメータの例示的な画面を示す図である。 ホストアプリケーションによって生み出されるハードウェア診断パラメータの例示的な画面を示す図である。 観察デバイスの技術サポートチームと測定データを共有することについての例示的な実施形態を示す図である。 アラーム/警告システムの例示的な実施形態を示す図である。 ホストデバイス上で実行されるホストアプリケーションの例示的な設定画面を示す図である。 電池アイコンおよび例示的な電池状態を示す図である。 100パーセントを超えるSpO2測定値を提供する例示的な方法のフローチャートである。 100パーセントを超える1つまたは複数の測定値を表示するために使用するのに適したホストアプリケーションのユーザインターフェース画面を示す図である。 100パーセントを超える拡張された測定値を表示することになり得るホストアプリケーションの例示的な設定ユーザインターフェース画面を示す図である。 ホストアプリケーションの例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 観察デバイスおよび例示的なアクセサリを含むパッケージを示す図である。 観察デバイスおよび例示的なアクセサリを含むパッケージを示す図である。 指の測定部位に観察デバイスを取り付けるためのプロセスを示すワークフローを示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す図である。 観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す図である。 ユーザの額に取り付けられた観察デバイスを示す図である。 ユーザの額に取り付けられた観察デバイスを示す図である。 ユーザの額に取り付けられた観察デバイスを示す図である。 ユーザの後部外耳(耳)に取り付けられた観察デバイスを示す図である。 観察デバイスを含む例示的なウェアラブル帽子を示す図である。 図84に示されるウェアラブル帽子のいくつかの例示的な構成を示す図である。 ユーザに配置される例示的なウェアラブルパッチを示す図である。 図12Aに示されるような観察デバイス、ホストデバイス、およびコンピューティングシステムを使用した獣医学への応用のための例示的な実施形態を示す図である。 図12Aに示されるような観察デバイス、ホストデバイス、およびコンピューティングシステムを使用した獣医学への応用のための例示的な実施形態を示す図である。 獣医学での使用における100パーセントを超えるSpO2値を提供する例示的な第1の方法のフローチャートである。 獣医学での使用における100パーセントを超えるSpO2値を提供する例示的な第2の方法のフローチャートである。 図12Aに示されるような観察デバイス、ホストデバイス、コンピューティングシステム、およびクラウドコンピューティングシステムを使用した宇宙への応用のための例示的な実施形態を示す図である。 観察デバイスを使用する別の例示的な方法を示す図である。 人または動物のユーザの疾病診断および/またはスクリーニング、ならびに疾病治療の有効性評価のための、例示的な方法のフローチャートである。 ユーザへの観察デバイスのある配置を示す図である。 ユーザへの観察デバイスの異なる配置を示す図である。 ユーザへの観察デバイスの異なる配置を示す図である。 ユーザへの観察デバイスの異なる配置を示す図である。 ユーザへの観察デバイスの異なる配置を示す図である。 ユーザの快適性レベルを決定する例示的な第1の方法を示す図である。 ユーザの快適性レベルを決定する例示的な第2の方法を示す図である。 ユーザの少なくとも1つの末端において測定された温度を使用してカロリー計算値を決定する例示的な第1の方法を示す図である。 ユーザの少なくとも1つの末端において測定された温度を使用してカロリー計算値を決定する例示的な第2の方法を示す図である。 有効な測定部位にセンサが正しく配置されていると決定するための、パルスオキシメトリおよびサーモメトリデータを使用する例示的な第1の方法を示す図である。 有効な測定部位にセンサが正しく配置されていると決定するための、パルスオキシメトリおよびサーモメトリデータを使用する例示的な第2の方法を示す図である。 ホストデバイスに表示するのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。 観察デバイスによって収集される光データおよびサーモメトリデータを示す図である。 正確なサーモメトリシステムを設計するときに考慮すべき様々な様相を示す図である。 正確なサーモメトリシステムを設計するときに考慮すべき様々な様相を示す図である。 内蔵のサーモメトリおよびパルスオキシメトリを含む例示的な観察デバイスを示す図である。 観察デバイスにおいて内蔵温度センサとして使用するのに適した例示的な回路を示す図である。 ともにユーザにより装着される腕時計および額パッチを伴う分散型バイオセンシングシステムを実装するために、本明細書において説明される実施形態をどのように適用するかを説明するために使用される例示的な実施形態を示す図である。 1つまたは複数の生物電池を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な第1の方法のフローチャートである。 1つまたは複数の生物電池を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な第2の方法のフローチャートである。 1つまたは複数の生物電池を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な第3の方法のフローチャートである。 再利用可能な回路および使い捨ての構成要素を少なくとも1つの生物電池とともに含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な方法のフローチャートである。 測定部位の断面図、ならびに生物電池により電力供給される例示的なウェアラブル観察デバイスの断面図および上面図である。 図111に示されるウェアラブル観察デバイスの生物電池を示す図である。 図111に示されるウェアラブル観察デバイスの例示的な動作を示すチャートである。 1つまたは複数の生物電池を含む衣服を動作させる例示的な方法のフローチャートである。 1つまたは複数の生物電池および1つまたは複数の観察デバイスを含む衣服を動作させる例示的な第1の方法のフローチャートである。 1つまたは複数の生物電池および1つまたは複数の観察デバイスを含む衣服を動作させる例示的な第2の方法のフローチャートである。 再利用可能な回路、少なくとも1つの生物電池、および少なくとも1つの観察デバイスを含む、使い捨てのスマート衣服を動作させる例示的な方法のフローチャートである。 洗えるスマート衣服を動作させる例示的な第1の方法のフローチャートである。 洗えるスマート衣服を動作させる例示的な第2の方法のフローチャートである。 スマート衣服全体に分散した生物電池のカソード電極およびアノード電極を有する例示的なスマート衣服を示す図である。 スマート衣服全体に分散した生物電池のカソード電極およびアノード電極を有する例示的なスマート衣服を示す図である。 スマート衣服全体に分散した生物電池のカソード電極およびアノード電極を有する例示的なスマート衣服を示す図である。 スマート衣服において使用するのに適した生物電池のネットワークを示す図である。 図123に示される生物電池のネットワークとともに使用するのに適した例示的な第1の回路を示す図である。 図123に示される生物電池のネットワークとともに使用するのに適した例示的な第2の回路を示す図である。 生物電池のカソード電極およびアノード電極として機能する2つの連続するエリアを含む例示的なシャツの前面図および後面図である。 図126に示されるシャツとともに使用するのに適した例示的な回路を示す図である。 図120~図122および図126に示される衣服から受信されるデータから計算された測定結果を表示するのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す図である。
本明細書において使用される場合、「最適」という用語は、広く解釈されることが意図され、最良の、実質的に最良の、および許容可能な値とモデルを提供する、値およびモデルを包含することが意図されている。本明細書において使用される場合、「データストリーム」という用語は、外因性の量(たとえば、時間、空間など)により逐次インデクシングされるデータを指す。たとえば、時間の関数であるデータストリームは、離散時間系などにおけるように、時間によりインデクシングされると考えられる。空間の関数であるデータストリームは、空間によりインデクシングされると考えられる。適用例に応じて、データストリームは、物理的な意味を有する、または本質的に抽象的である量により、インデクシングされ得る。本明細書において開示される実施形態は、そのインデクシング方法またはサンプリング方法にかかわらず、あらゆるデータストリームに適用され得る。
本明細書において使用される場合、変数および関数は、式、図面、およびテキストにおいて暗黙的なまたは明示的な引数を有し得る。これは表記を簡単にするために使用される。たとえば、可能な場合にはいつでも、記述をより短くしてより読みやすくするために、変数または関数x(t,i)は、特定の式、図面、またはテキストにおいて、その引数の一部が省略されていることがある(たとえば、x(i)、x(t))。たとえば、変数または関数x(t,i)がx(i)と書かれる場合、これは、「t」が暗黙的な引数であり、「i」が明示的な引数であることを意味する。加えて、文脈に応じて、x(t)は、時間の変数もしくは関数、変数もしくは関数の離散時間点の集合、または、時間の変数もしくは関数に対する連続的な値の範囲を表すことができる。「エポック」という用語は、特定の実施形態に対する時間または時間周期性を定義するために使用される。たとえば、データストリームs(t)は「エポック」のたびに処理されてもよく、これは、あるサンプル、またはサンプルのある有限集合、またはある範囲の値、またはある連続する範囲の値が、経過した時間間隔の全体または一部であり得る、ある長さの時間のたびに処理されたことを意味する。同じことがデータストリームの集合sk(t)に当てはまり、ここで「k」または何らかの他の変数が、集合の中の各データストリームをインデクシングする。エポック間の時間間隔は、文脈および適用例に応じて、定数または変数であり得る。したがって、エポック「t」、「(t+1)」、...、は定数または変数の時間間隔により表される時間の進行を示し得る。各エポック「t」、「(t+1)」、...、において起こる計算、処理、および操作は、適用例および/または文脈に応じて、単一の時間点、いくつかの時間点、隣接する、連続する、または隣り合わないエポック間の、もしくは時間間隔間の、いくつかの時間点を参照し得る。特定の式、図、またはテキストでは、x(t,i)という表記は、特定の「i」によりインデクシングされる「x」の単一のインスタンスに対する単一の時間点、「i」によりインデクシングされる「x」のすべてのインスタンスに対する単一の時間点、特定の「i」によりインデクシングされる「x」の単一のインスタンスに対するいくつか時間点、「i」によりインデクシングされる「x」のす
べてのインスタンスに対するいくつかの時間点などを表し得る。x(t,i)という表記はまた、「i」によりインデクシングされた多次元変数または関数の、あるインスタンスまたはいくつかのインスタンスを表すこともできる。この場合、点は、ベクトル、アレイ、行列、または値の集合になる。連続系の場合、いくつかの時間点または時間の値の集合は、連続する時間の値の範囲または連続する時間の値の集合により置き換えられる。
本明細書において使用される場合、関数、変数、データストリーム、データセット、モデル、参照モデルなどの系列は、系列全体、系列のあるインスタンス、または系列のいくつかのインスタンスを表すように、変数によりインデクシングされる。たとえば、mk,i(t)またはfk,i(t)は、「i」によりインデクシングされたデータストリームまたはデータセットの系列を表し、要素は「k」によりインデクシングされ、このとき、各要素は、タイムエポック「t」の関数として単一の値または複数の値を伴うストリームからなる。rk,j、Corrk(i)、およびwk,iなどの変数は、たとえば、「j」または「i」によりインデクシングされるパラメータまたはメトリクスの系列を表し、各要素「k」は単一の値または複数の値からなる。表記を簡単にするために、引数「t」は、rk,j、Corrk(i)、およびwk,iから省略されている。しかしながら、それらはまた、タイムエポック「t」のたびに評価され、結果として、それらは暗黙的に、時間の関数、または、事象もしくは動的な挙動を配列するために使用され得る何らかの他の外因性の成分量の関数になる。
本明細書において使用される場合、記号「*」および「+」は、特定の変数または関数の最適解または最適値を表記するための上付き文字として使用され得る。たとえば、gk,i *はパラメータgk,iの最適値、または「i」によりインデクシングされるパラメータの系列gk,iの最適値を表し、ここで、各パラメータは、「k」によりインデクシングされる値の集合からなる。引数「t」がgk,i *から省略されているが、その1つまたは複数の値は、各タイムエポック「t」において評価され、結果として、gk,i *は暗黙的に時間の関数になる。PR(i)、SpO2(i)、およびPI(i)などのインデクシングされた測定結果の系列が「i」によりインデクシングされ、各タイムエポック「t」において計算される。対応する測定結果PR(i+)、SpO2(i+)、およびPI(i+)は、計算アルゴリズム(たとえば、分類、最適化、探索など)により確定的である最適なインデックス「i+」値を介して各タイムエポック「t」において選択される。
一般に、「ファームウェア」という用語が、ホストデバイスにおけるプログラム命令と区別するために観察デバイスとともに使用され、「ソフトウェア」および「アプリケーション」という用語が、観察デバイスにおけるプログラム命令と区別するためにホストデバイスとともに使用される。しかしながら、「ファームウェア」、「ソフトウェア」、および「アプリケーション」という用語は、広く解釈されるべきであり、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組合せを包含することが意図される。「ファームウェア」という用語の使用は、観察デバイスにおけるファームウェアのみに実施形態を限定しない。同様に、「ソフトウェア」および「アプリケーション」という用語の使用は、ホストデバイスにおけるソフトウェアおよび/またはアプリケーションだけに実施形態を限定しない。
ユーザは、一般の人、医療現場の、もしくは看護を受けている患者、アスリート、動物、または本明細書において説明されるような観察デバイスを使用する別の人であり得る。看護者は、医師、看護師、別の医療専門家、在宅介護者、家族もしくは友人、または、ユーザを支援する、見守る、またはユーザの看護に別様に関連する任意の他の人物であり得る。
ここで、添付の図面に示される代表的な実施形態に対して、詳細な言及が行われる。以下の説明は、説明される例示的な実施形態に実施形態を限定することは意図されないことが理解されるべきである。観察デバイスは、ユーザの快適性レベルに関するデータ、および/または、限定はされないが、心拍数、灌流指数、酸素飽和度、体温、カロリー計算値などを含む、1つまたは複数の生理学的パラメータの測定結果を測定し、追跡し、および/または報告する、電子フィットネスまたは観察デバイスである。1つまたは複数の生理学的パラメータの測定結果または測定結果に関するデータは、さらなる処理のためにコンピューティングデバイスに送信され得る。たとえば、酸素飽和度(SpO2)、脈拍数(PR)、灌流指数(PI)、および/または脈波振幅(PA)が、コンピューティングデバイス上で推定され得る。
図1は、コンピューティングデバイスおよびネットワークに接続される観察デバイスの第1の例を示すブロック図である。観察デバイス100は1つまたは複数の測定部位に取り付けられ、センサはそこから血液灌流情報を容易に入手できる。示される実施形態では、測定部位111は親指以外の手の指または手足の指である(図2Aも参照されたい)。他の例示的な測定部位は、限定はされないが、ユーザのこめかみ(図2B)、額(図2C)、首(図2D)、腕(図2Eおよび図2F)、耳もしくは耳たぶ(図2G)、鼻(図2H)、および/または耳の後部外耳(図2I)を含む。
一実施形態では、観察デバイス100は、処理デバイス102、計器回路107、通信デバイス103、および記憶デバイス115を含む。計器回路107、通信デバイス103、および記憶デバイス115は、処理デバイス102に接続される。コンバータ108は、計器回路107およびスイッチング回路112に接続される。通信デバイス103、記憶デバイス115、処理デバイス102、および計器回路107が、電源109とともにスイッチング回路112に接続される。観察デバイス100はまた、観察デバイス100を測定部位に取り付けるための接着テープを含み得る。
観察デバイス100は、スイッチング回路112を使用してオンにされ得る。1つの事例では、スイッチング回路112は、一回限り使用の導電性テープスイッチである。計器回路107は、発光ダイオード(LED)などの1つまたは複数の光源、制御回路および論理、ならびにフォトダイオードなどの1つまたは複数の光検出器を含み得る。通信デバイス103は、限定はされないが、ワイヤレス低エネルギー無線(限定はされないが、その例はBLE、ANT、Zigbee(登録商標)などを含む)を含む、任意の適切なタイプの通信デバイスであり得る。通信デバイス116と103との間のワイヤレス接続および認証(必要なとき)は、標準的なペアリング方法(すなわち、Just Worksなど)、および近距離通信(NFC)、バーコード/画像スキャンなどの帯域外方法を通じて、または、光センサ110とホストデバイス105に収容されるカメラ(または光センサ)との間の光リンクを介して達成され得る。観察デバイス100の構成に応じて、記憶デバイス115は、限定はされないが、揮発性ストレージ(たとえば、ランダムアクセスメモリ)、不揮発性ストレージ(たとえば、読取り専用メモリ)、フラッシュメモリ、またはそのようなメモリの任意の組合せを備え得る。
観察デバイス100は、スマートフォン、タブレットコンピューティングデバイス、デスクトップもしくはラップトップコンピュータ、ワイヤレスコンピューティングおよび/もしくはデータアグリゲータアプライアンスデバイス、ベッドサイドモニタ、または同様のコンピューティングデバイスなどのホストデバイス105に、有線接続もしくはワイヤレス接続を通じて通信可能に結合され得る。ホストデバイス105は、処理デバイス117に接続された通信デバイス116および記憶デバイス118を含み得る。観察デバイス100は、通信デバイス103を介して、処理され、表示され、および/または記憶されるようにするために、測定データをホストデバイス115に(通信デバイス116を介して)送信する。測定データは、アラームのために、電子的な医療記録データの移送のために、データ共有のために、および/またはデータの他の用途のために使用され得る。
ホストデバイス105はさらに、1つもしくは複数の入力デバイス(入力デバイス121により表される)および/または1つもしくは複数の出力デバイス(出力デバイス122により表される)を含み得る。入力デバイス121および出力デバイス122は、処理デバイス117に接続される。入力デバイス121は、キーボード(物理キーボードまたは仮想キーボード)、マウス、トラックボール、マイクロフォン(音声認識のための)、画像キャプチャデバイス、および/またはタッチスクリーンもしくはタッチディスプレイなどの、任意の適切な入力デバイス、あるいは任意の他のコンピュータで生成される知覚入力情報として実装され得る。出力デバイス122は、ディスプレイ、1つもしくは複数のスピーカ、および/またはプリンタなどの任意の適切な出力デバイス、あるいは任意の他のコンピュータで生成される知覚出力情報として実装され得る。いくつかの実施形態では、測定データまたは測定データを表すデータは、出力デバイス122に提供され得る。たとえば、測定データまたは測定データを表すデータは、ディスプレイに表示され得る。
いくつかの実施形態では、ホストデバイス105および/または観察デバイス100は、測定データを記憶し、および/または取り出すために、1つまたは複数のネットワーク(ネットワーク120により表される)を通じて外部記憶デバイス119にアクセスすることができる。1つまたは複数の実施形態において、ネットワーク120は、任意の適切なタイプのネットワーク、たとえばイントラネット、ならびに/または、コンピューティングデバイスおよび/もしくは観察デバイス100が他のコンピューティングデバイスとそれを介して通信し得る分散型コンピューティングネットワーク(たとえば、インターネット)を例示するものである。
後でより詳しく説明されるように、観察デバイス100により生み出される測定データは、1つまたは複数の生理学的パラメータ(たとえば、脈拍数、血中酸素飽和度、カロリー計算値)を決定または推定するために処理され得る。処理の一部として、1つまたは複数の信号は数値ソルバーデバイスを用いて処理される。数値ソルバーデバイスは、1つもしくは複数の回路(回路構成)、1つもしくは複数の処理デバイス(たとえば、処理デバイス102および/または処理デバイス117)によって実行されるソフトウェアアルゴリズムもしくはプログラム、または回路構成とソフトウェアアルゴリズムの組合せを用いて実装され得る。
たとえば、一実施形態では、観察デバイス100の記憶デバイス115は、数値ソルバーデバイスを含む、多数のソフトウェアプログラムまたはアルゴリズムおよびデータファイルを含み得る。処理デバイス102上で実行される間、数値ソルバーデバイスは、限定はされないが、本明細書において説明されるような態様を含むプロセスを実行し、および/またはプロセスが実行されるようにし得る。別の実施形態では、ホストデバイス105の記憶デバイス118は、数値ソルバーデバイスを含む、多数のソフトウェアプログラムまたはアルゴリズムおよびデータファイルを含み得る。処理デバイス117上で実行される間、数値ソルバーデバイスは、限定はされないが、本明細書において説明されるような態様を含むプロセスを実行し、および/またはプロセスが実行されるようにし得る。さらに他の実施形態では、動作の一部が処理デバイス102によって実行され、動作の一部が処理デバイス117によって実行されるように、数値ソルバーデバイスの動作は分散している。
小さいフットプリント
観察デバイスの実施形態は、比較的小さいフットプリント(サイズ)を提供することができる。様々な様相の中でもとりわけ、よりサイズが小さいことにより、製造時に必要な材料がより少なくなることがあり、使い勝手が改善されることがあり、ストレージに必要な空間が少なくなることがあり、輸送のコストが減ることがあり、デバイスおよび器具がより煩わしくなくなるので観察デバイスを使用するときのユーザの快適性と移動性が向上することがある。一実施形態では、観察デバイス100は、統合された通信デバイス103を伴う処理デバイス102と、信号調整およびLED電流駆動のための計器回路107を含む小型集積回路と、電源109と、コンバータ108とを備える、プリント回路基板(PCB)を含み得る。電源109はコンバータ108と組み合わせて、光センサ110の光源113および/または光検出器114を駆動するのに必要なより高い電圧を供給する。一実施形態では、コンバータ108は単一のDC-DCスイッチングコンバータであり、電源109は使い捨ての電池であり、光源113はLEDであり、光検出器114はシリコンフォトダイオードである。
処理デバイス102および計器回路107は、電源109により直接電力供給され得る。光センサ110は、(例として)様々なタイプの可撓性のある接着テープ(任意選択でPTFEと組み合わせられた)をPCBに取り付けることによるものを含めて、多種多様な適切な装置および方法のうちの任意の1つによりPCBとともに封入され得る。PCBはリジッドであってもよく、またはフレキシブルであってもよく、または一部もしくはすべての構成要素がダイに取り付けられて基板にワイヤボンディングされ、エポキシもしくは何らかの他の封入材料を使用して保護のために封入されるような、基板の形態であってもよいことを、当業者は理解するだろう。さらに、光センサ110は、(例として)光センサ110の封入構造(本明細書において説明されるような)の一部である接着テープを使用することによるものを含めて、多種多様な適切な装置および方法のいずれかを使用して測定部位111に取り付けられ得る。
低消費電力
いくつかの態様では、処理デバイス102は、ワイヤレス低エネルギー無線(通信デバイス103)および計器回路107を制御するための二重の機能を有する、低電力ARMプロセッサである。光センサ110は、高効率のLEDと、反射するような構成で並べられた少なくとも1つのシリコンフォトダイオードとを、それらのLEDおよび少なくとも1つのシリコンフォトダイオードが互いに物理的に分離しており、必要とされるLED電流および計器電子回路におけるフロントエンド利得が最小限になるように、含み得る。計器回路107は、非常に低いバイアス電流を有し、低電圧で動作し得る。一実施形態では、生成され検出された光信号のスペクトル成分を、周辺光干渉が起こりにくいスペクトルの範囲へとずらすために、より高い周波数でLEDの電流を変調して時間多重化することによって、周辺光干渉を避けることができ、または少なくとも減らすことができる。
図3は、観察デバイスの第2の例を示すブロック図である。観察デバイス100は、第2のセクション302に動作可能に接続された第1のセクション300を含む。第1のセクション300は、マイクロプロセッサ306、ワイヤレス通信デバイス308、入力/出力(IO)インターフェース回路310、および電力管理回路312に動作可能に接続された、1つまたは複数の認証および/またはストレージメモリ304を含む。第2のセクション302は、光センサ316に動作可能に接続された光フロントエンド314、電気センサ320に動作可能に接続された電気フロントエンド318、超音波センサ324に動作可能に接続された超音波フロントエンド322、温度センサ328に動作可能に接続された温度フロントエンド326、モーションおよび/もしくは姿勢センサ332に動作可能に接続されたモーションおよび/もしくは姿勢フロントエンド330、ならびに/または、位置および/もしくは環境センサ336に動作可能に接続された位置および/もしくは環境フロントエンド334を含み得る。一実施形態では、光フロントエンド314、電気フロントエンド318、超音波フロントエンド322、温度フロントエンド326、モーションおよび/または姿勢フロントエンド330、ならびに位置および/または環境フロントエンド334は、それぞれのセンサからのセンサデータの第1のセクション300への送信を制御する。フロントエンド314、318、322、326、330、334は、センサ316、320、324、328、332、336とインターフェースして、制御信号、通信信号、および電力信号をそれぞれのセンサ316、320、324、328、332、336にそれぞれ提供し、センサ修正動作を可能にするために使用される。センサ修正動作は、限定はされないが、電圧レベルおよび電流レベルの転換、アナログデジタル変換、デジタルアナログ変換、電気的利得の選択、飽和検出、エラー検出、変調、復調、フィルタリング、デシメーション、ならびに/または、時間および/もしくは周波数の多重化と逆多重化を含む。
一実施形態では、図3に示される構成要素のすべてが観察デバイス100に含まれる。別の実施形態では、適用例および測定部位に応じて、構成要素の一部分のみが観察デバイス100に含まれる。たとえば、図92および図94B~図94Eに示される例示的な実施形態では、観察デバイス100は、マイクロプロセッサ306と、ワイヤレス通信デバイス308と、1つまたは複数の認証および/またはストレージメモリ304と、電力管理回路312と、光フロントエンド314と、光センサ316と、温度フロントエンド326と、温度センサ328と、電気フロントエンド318と、電気センサ320とを含む。電力管理回路312は、線形の昇圧および降圧レギュレータ、環境発電回路、再充電可能および/もしくは再充電不可能な電池、ならびに/または電池残量計回路からなり得る。マイクロプロセッサ306は、観察デバイス100を制御するファームウェア(たとえば、図12Aのファームウェア118)を実行することができる。ワイヤレス通信デバイス308は、観察デバイス100から処理エンティティ(たとえば、データ処理施設もしくは業者および/またはホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105))にデータを移送するために使用され得る。1つまたは複数の認証およびストレージメモリは、観察デバイス100によって収集されたデータ(たとえば、波形、測定結果の傾向など)を、収集されたデータが処理エンティティ(たとえば、データ処理施設および/またはホストデバイス)に移送される前に記憶するために使用され得る。1つまたは複数の認証および/またはストレージメモリ304はまた、観察デバイス100(またはメモリデバイス100からの任意の使い捨ての組立体)が偽造されること、および/または認可されていない第三者に接続されることを防ぐために使用され得る。追加または代替として、1つまたは複数の認証およびストレージメモリ304に収集されたデータを記憶することで、収集されたデータが最大の使用量(たとえば、最大の回数の移行、最長の使用時間など)を超えないことを確実にすることができる。
ユーザ(たとえば、患者)が睡眠中または覚醒中であるとき、脳波図データは変化し、脳波パターンの展開は、睡眠モード(たとえば、レム睡眠およびノンレム睡眠)の検出を補強することができる。電気センサがユーザの胸上部または胸下部または背上部の測定部位に配置されるような適用例では、電気センサは心電図(ECG)データを収集するために使用され得る。ECGデータは、循環器疾患のスクリーニングまたは診断のために使用され、ならびに、脈波伝播時間および血圧を推定するために光センサにより取得される光データとともに使用され得る。超音波フロントエンド322および超音波センサ324は、幾何学的構造、組織層、および機械的特性に関する情報について測定部位を調査し、血圧、血糖値などの生理学的パラメータを測定するときの測定部位のばらつきを補強して考慮するために使用され得る。モーションおよび/または姿勢フロントエンド330ならびにモーションおよび/または姿勢センサ332は、たとえば、睡眠中のユーザの身体的な動きおよび姿勢を測定して、睡眠モードの検出を改善するために使用され得る。位置および環境フロントエンド334ならびに位置および/または環境センサ336は、ユーザの身体的な位置、ならびに/または環境的な高度、気圧、湿度、および/もしくは温度を測定して、環境要因による生理状態の変化によって引き起こされる測定誤差を考慮するために利用され得る。
図4は、観察デバイスの第3の例を示すブロック図である。適用例に応じて、観察デバイス100は、使い捨ての構成要素400および/または再利用可能な構成要素402を有するように構築され得る。ユーザの皮膚と接触している構成要素(たとえば、電極、電気センサ、光センサなど)は、ユーザ(たとえば、患者)間の交叉汚染の危険性を最小限にするために、一回限り使用(使い捨て)であるように設計され得る。観察デバイスのユーザ当たりの最終的なコストを減らすために、電子回路および基板は、完全に使い捨てであるか、または再利用可能(または部分的に再利用可能)であり得る。適用例が長期間の使用を必要とするときに、観察デバイス100の測定部位への取り付けを最適化するために、封入構造および/または接着テープ404が利用され得る。封入構造は、コスト、危険性、および規制に応じて、再利用可能であってもよく、部分的に再利用可能であってもよく、または完全に使い捨てであってもよく、フォーム、プラスチック、炭素繊維、有機材料および/またはリサイクル可能な材料、紙などから作られてもよい。接着テープは、使い捨て可能な一体成型品または非一体成型品として設計されてもよく、電気的な、光学的な、熱的な、および機械的な接続406を可能にするために、熱伝導性および/または導電性のあるテープ、低コストのコネクタおよび/またはケーブル、低コストの自己整列磁気コネクタを伴う。病院または医師の診察室などの医療現場において、使用前に観察デバイス100の電池を再充電することは、複雑なスケジュール、リソースの不足、その日に検査すべきユーザの数、および/または実行されるべき手順を考慮すると、困難であることがある。ワークフローを簡単にするために、観察デバイスの電池は、再充電可能ではないように作られてもよく、接着テープ、封入構造、および/または他の電子構成要素(たとえば、偽造を防ぎ、デバイスの使用を監視する、1つ/複数の認証および/またはストレージメモリ304の低コスト耐タンパメモリ)を伴う一回限り使用の組立体の一部であってもよい。
図5A~図5Cは、例示的な観察デバイスを示す概略図である。図5A~図5Cに示される構成要素、および図5A~図5Cの対応する説明は、例示が目的であり、ステップの特定のシーケンスまたはハードウェアもしくはソフトウェア構成要素の特定の組合せに実施形態を限定することは意図されない。
観察デバイス100は、フォトダイオードフロントエンド、LEDドライバ、および制御論理を含む、Texas InstrumentsのAFE4403またはAFE4490回路などの、集積回路502(図5A)を含み得る。OSRAMのSFH7050センサなどの光センサ503(図5A)は、緑色、赤色、および近赤外線LED、ならびにシリコンフォトダイオードを含み得る。観察デバイス100は、Nordic Semiconductorsから入手可能なARM Cortex M0プロセッサなどの、メイン処理デバイス501(図5B)を含み得る。さらに、観察デバイス100は、16MHzの水晶発振器505、32.768kHzの水晶発振器504(ANT低エネルギー無線が使用される)、2.45GHzインピーダンスバルーンフィルタ(シングルからディファレンシャル)506、インピーダンス整合回路507、およびアンテナ508(図5B)を含み得る。観察デバイス100の電力管理回路は、図5Cに示されており、Texas InstrumentsのTPS61220などの昇圧コンバータ521、フェライトインダクタ511、昇圧コンバータ電圧設定抵抗509、510、メイン処理デバイス501のためのデバッグパッド512、ノイズ除去プルダウン抵抗513、電池電圧端子514、ONスイッチパッド515、ならびに、メイン処理デバイス501(図5B)および集積回路のための電圧516、517、518、519、520、522を含み得る。一実施形態では、ONスイッチパッド515は一回限り使用のパッドである。
理解され得るように、図5A~図5Cに図示される構成要素、および図5A~図5Cの対応する説明は、例示を目的とするものにすぎず、ステップの特定のシーケンスまたはハードウェアもしくはソフトウェア構成要素の特定の組合せに実施形態を限定することは意図されていない。
図6は、例示的な観察デバイスの断面図を示す。図6は、観察デバイス100の様々な構成要素のスタックアップ(stack-up)を製造するための多数の方法のうちの1つを図示する。生体適合性のあるテープ610から作られたPTFE封入ポケットまたは折り紙構造が、観察デバイス100の構成要素を収容し得る。上面610から底面611に向かって、示される観察デバイス100は、アンテナ609、電池608、プリント回路基板(PCB)601およびPCB回路602、ならびに光センサ603を含む。指先などのユーザの測定部位への取り付けのために、観察デバイス100はPCB対皮膚接着層606を含む。接触層605は導電性テープ(等方的に導電性の感圧テープ)で作られ、接触層604は(閉じられると)電力をPCB601に供給する電気的コンタクトを含む。剥離紙607が引き抜かれると、測定部位への取り付けのために光センサ603および接着層606が露出するように、接触層604と605の間に、かつ接着層606に接して、剥離紙607が配設され得る。観察デバイス100をオンにするために、接続層604および605も露出する。
図7A~図7Eは、観察デバイスの例示的な実施形態を示す。図7Aにおいて、観察デバイス100は光センサからの信号(たとえば、フォトプレチスモグラフ)を取得する。観察デバイス100は、測定部位700に貼られ、光センサ110を含む。前に説明されたように、光センサ110は、1つまたは複数の光源113および1つまたは複数の光検出器114を含む。1つまたは複数の光源113は、表皮703および血液が灌流する真皮704を貫通し心臓の脈動信号と相互作用して光脈動信号を作り出す、光702を測定部位700に向かって放出する。図7A~図7Dの破線は、心臓の活動により引き起こされる、血液灌流のある真皮704において生じる血液量の変化を表す(プレチスモグラフ)。光脈動信号(フォトプレチスモグラフ)は、1つまたは複数の光検出器114に接続されるフロントエンド回路(たとえば、図1の計器回路107および処理デバイス102)により獲得される。フロントエンド回路は、光脈動信号をフィルタリングし、調整し、および/またはデジタル信号に変換する。これらのデジタル信号は、さらなる処理および分析、リアルタイムの測定結果の表示、警告(アラーム)の生成、ならびに/または被験者のSpO2、PR、PIなどの記憶のために、ホストデバイスにワイヤレスに(たとえば、図1の通信デバイス103を使用してホストデバイス105に)送信され得る。
図7Bにおいて、観察デバイス100は、光センサからの信号、ならびに温度センサからの信号の両方を取得する。観察デバイス100は、光センサ110および測定部位700と接触している1つまたは複数の温度センサ(温度センサ(T)705により代表される)を含む。温度センサ705は、深部体温を測定するために使用される。たとえば、観察デバイス100は、額、耳(後部外耳)、または深部体温と相関する表面温度を伴うユーザの体の何らかの他の位置に取り付けられ得る。温度センサ705は、温度信号を調整し、フィルタリングし、および/またはデジタル温度信号に変換する、温度フロントエンド回路706(図7Eに図示される)に接続され得る。デジタル温度信号は次いで、さらなる処理および分析、リアルタイムの測定結果の表示、警告(アラーム)生成、および/または深部体温の記憶のために、ホストデバイスにワイヤレスに(たとえば、図1の通信デバイス103を使用してホストデバイス105に)送信され得る。一実施形態では、温度フロントエンド回路706は、図1に示される処理デバイス102と(データ収集のために)インターフェースする計器回路107に含まれ得る。
図7の観察デバイス100は、光センサからの信号ならびに電気センサからの信号を取得する。観察デバイス100は、第1の電気的接触センサ(E1)707および第2の電気的接触センサ(E2)708を含む。温度センサ(T)705が必要とされないか、または測定部位における表面温度が深部体温と相関しないかのいずれかであるような測定部位で、この例示的な実施形態が使用され得る。示される実施形態では、観察デバイス100は測定部位700(たとえば、ユーザの指)に取り付けられる。第1の電気的接触センサ(E1)707は、観察デバイス100の第1の面の内側に配置され、このとき、第1の面の外側は、観察デバイス100が測定部位700に取り付けられると測定部位700と接触する。したがって、第1の電気的接触センサ(E1)707は、観察デバイス100が測定部位700に配置されると、測定部位700と常に接触している(またはほぼ常に接触している)。
第2の電気的接触センサ(E2)708は、観察デバイス100の第2の面の内側に配置される。図7Cでは、第2の面は第1の面の反対であるが、他の実施形態はこの構成に限定されない。第2の電気的接触センサ(E2)708は、観察デバイス100が測定部位700に取り付けられるときに第2の電気的接触センサ(E2)708が測定部位700と接触しないように、任意の面のある1つの側に位置し得る。
観察デバイス100が測定部位700に配置され、または取り付けられると、ユーザは、異なる体の部分(たとえば、反対側の手の親指709)で電気的接触センサ708を触り、ユーザの心臓710までの閉じた電気的経路を作り出し、ユーザの心臓の電気的活動の測定(たとえば、ECG)を可能にすることができる。第1の電気的接触センサ707および第2の電気的接触センサ708は、ECGフロントエンド回路711(図7Eに図示される)に接続され得る。ECFフロントエンド回路711は、ECGデジタル信号へとECG信号を調整し、フィルタリングし、および/または変換する。ECGデジタル信号は、さらなる処理および分析、測定結果のリアルタイム表示、警告(アラーム)生成、ならびに/またはECG信号の記憶のために、ホストデバイスへワイヤレスに(たとえば、図1の通信デバイス103を使用してホストデバイス105に)送信され得る。一実施形態では、ECGフロントエンド回路711は、計器回路107の一部であり、図1に示される処理デバイス102を含む。
図7Dを参照すると、観察デバイスは、光センサからの信号、温度センサからの信号、および電気センサからの信号を取得する。例示的な実施形態では、観察デバイス100は、図7A~図7Cからの光センサ110(図7Dの要素113および114により表される)、温度センサ(T)705、ならびに第1の電気的接触センサ707および第2の電気的接触センサ708を含む。示される実施形態では、測定部位700は、深部体温に相関する表面温度を有する(すなわち、額、耳(後部外耳)、脇の下など)、または深部体温と相関するように対応付けられ得る温度を有する(すなわち、指など)と考えられる。図7Cのように、第1の電気的接触センサ(E1)707が測定部位700に接触するように観察デバイス100が測定部位700に配置されると、ユーザはユーザの心臓710までの閉じた経路を作り出し、ユーザは第2の電気的接触センサ(E2)708を異なる体の部分(たとえば、親指709または任意の他の体の部分)で触れ、これはユーザの心臓710までの閉じた電気的経路を作り出す。図7Cおよび図7Dに図示される第1の電気的接触センサ707および第2の電気的接触センサ708は、観察デバイス100とユーザの体との電気的絶縁が好ましい実施形態では、容量性接触センサで置き換えられ得る。そのような実施形態では、ECGフロントエンド回路711は、容量性接触センサにより作り出され得るどのような低周波の高調波歪み(減衰)も伴わずに心臓のECGの取得を可能にするために、高い入力インピーダンスを有し得る。
図7Eは、図3に図示される光フロントエンド314に加えて、サーモメトリおよび電気的活動(たとえば、ECG)の観察を可能にするための計器回路107の一部であり得る、追加のフロントエンド回路706および711を図示する。観察デバイス100へと内蔵され得る、あり得るフロントエンド(すなわち、図3のフロントエンド314、316、322、326、330、334)およびセンサの網羅的なリストが、図3に関連して説明される。
図8A~図8Bは、観察デバイスの異なる接触面構成を示す。限定しない例では、接触面構成は、獣医学への応用または人への応用において使用され得る。動物の患者またはユーザの測定部位800が、グラデーション表現により図8Aおよび図8Bに示されている。より暗い領域802は、周辺の血液循環がより多い組織(真皮)、または血液灌流がより多い組織を表す。光センサ806(たとえば、図1の光センサ110)により近い、より明るい領域804は、周辺の血液循環がより少ない組織(表皮)、または血液灌流がより少ない組織を表す。図8Aでは、観察デバイス100の表面808は、光センサ806が表面808に取り付けられた平面構成810において図示されている。図8Aの観察デバイス100が測定部位800に取り付けられると、光センサ806および血液灌流のある組織の光追従性を高めるために、追加の配置圧力が必要とされ得る。これは、任意の適切な技法(図示せず)を使用することによって達成され得る。たとえば、可能な場合には常に、テープが観察デバイス100および測定部位800に巻かれてもよい。追加または代替として、観察デバイス100および測定部位800を覆って絆創膏が貼られてもよい。
図8Bにおいて、観察デバイス100の表面812は、凸面構成814において凸面として図示されている。凸面構成814では、凸面812が突き出て組織を押すことを考えると、観察デバイス100を測定部位800に取り付けるだけで、光センサ806の位置の周りの組織に追加の配置圧力が生じる。凸面構成814は、光センサ806および測定部位800の光追従性を高め、ならびに、光センサ806の位置の周辺の血液循環を増やすことができる。図8Bに示される実施形態では、観察デバイス100の凸面812に基づいて、テープ、絆創膏、または観察デバイス100と測定部位800との間に追加の配置圧力を加えるための別の取り付け機構の使用は、任意選択または不要である。観察デバイスを測定部位800に取り付ける観察デバイス100の中の接着層で十分であり得る。
図9は、観察デバイスによって生み出される信号を処理するのに適した分散型システムと、観察デバイスとともに使用するのに適した例示的な変調方式とを図示する。変調方式900は、アルゴリズムブロック図902に示される復調、デシメーション、LED電流の較正、センサオフユーザ、エラー処理およびアラーム、診断、ならびに/または通信アルゴリズムの複雑さを下げることができる。アルゴリズムブロック図902の中のブロックの一部またはすべてが、観察デバイス100に含まれる。LEDドライバアルゴリズム、フロントエンドアルゴリズム、および管理アルゴリズムは各々、記憶デバイス(たとえば、図1の記憶デバイス115)に記憶されるソフトウェアプログラムであり得る。
図9に図示される変調方式では、各LED(光源113)は、変調時間サイクル(LEDデューティサイクル)の約25%の間オンになる。他の実施形態では、全体の電力消費を減らすために、より小さいLEDデューティサイクルが使用され得る。LEDは、変調時間サイクルの約50%の間オフになり得る。LEDがオフにされる間隔はまた、LEDデューティサイクルが低減されるべきである場合、および変調周波数が同じに保たれる場合には、長くされてもよい。波形の中の2つのスロット904、906は、LEDのすべてがオフになる時間を表す。2つのスロット904、906は、周辺光の影響を調べて打ち消すために使用され得る。LED光信号と測定部位の血液灌流のある組織により引き起こされる減衰との相互作用により生成される光信号を復元するために、洗練されたフィルタリングおよびその復調方式における信号処理を実行する実施形態では、1キロヘルツ(1KHz)程度に低い変調周波数を、医療用のパルスオキシメータと同様の信号対雑音比の数字とともに採用することができる。
いくつかの実施形態では、分散型コンピューティングアーキテクチャが、血中酸素飽和度(SpO2)、脈拍数(PR)、脈波振幅(PA)、および/または灌流指数(PI)などの、1つまたは複数の生理学的パラメータを計算するために使用され得る。たとえば、SpO2、PR、PA、およびPIは、観察デバイス100の電池持続時間を延ばすために、ホストデバイス105(たとえば、携帯電話またはラップトップ)上で推定される。一実施形態では、1つまたは複数の数値ソルバーデバイスが、ホストデバイス105のバックエンドアルゴリズムに含まれ得る。たとえば、数値ソルバーデバイスは、酸素飽和度および脈拍数アルゴリズムに、ならびに灌流指数アルゴリズムに含まれ得る。別の例では、1つまたは複数の数値ソルバーデバイスは、酸素飽和度および脈拍数アルゴリズムにより、ならびに灌流指数アルゴリズムにより呼び出される別個のアルゴリズムであり得る。
他の実施形態では、1つまたは複数の数値ソルバーデバイスは、観察デバイス100に含まれ得る。たとえば、1つまたは複数の数値ソルバーデバイスは、たとえば復調アルゴリズムなどのフロントエンドアルゴリズムにおいて実装され得る。
観察デバイス100の処理デバイス(たとえば、図1の処理デバイス102)は、タイムクリティカルな、高頻度の、低遅延の、および低複雑度のタスクを実行し得る。観察デバイス100の処理デバイスによって処理されるデータは、デシメーションアルゴリズムによって帯域幅が低減され、ホストデバイス105に(たとえば、ホストデバイス105の処理デバイス117に)ワイヤレスに送信され得る。一実施形態では、ホストデバイス105は、SpO2、PR、およびPIの測定値を計算して継続的に表示するために、より複雑で高遅延のタスクを実行し得る。
ある例示的な実施形態では、Texas Instrumentsからの観察デバイスフロントエンド(AFE4403)が、図1の計器回路107として使用され得る。そのような実施形態では、観察デバイスフロントエンドは、観察デバイス100の処理デバイス(たとえば、図1の処理デバイス102)からの追加のリソースを必要とすることなく、必要とされるLED変調方式を直接生成して制御するようにプログラムされ得る。
他の例示的な変調方式が図10Aおよび図10Bに示されている。図10Aに図示されるRED-GREEN-IR変調方式1000および/または図10Bに図示されるMulti-Wavelength Sequential変調方式1002が、灌流の少ない、および/または過剰な体動にさらされる測定部位とともに使用され得る。図11Aおよび図11Bは、どの変調方式を使用すべきかを決定する例示的な方法のフローチャートを図示する。図11A~図11Bは、特定のタイプの変調が有利であり得る例示的なシナリオを示す。図11Aに示される方法では、採用される変調方式は前述の要因(たとえば、灌流が少ないことおよび/または過剰な体動にさらされること)に依存する。最初に、ブロック1100に示されるように、測定部位の灌流が少ないかどうか、および/または測定部位が体動にさらされるかどうかの決定が行われる。そうではない場合、プロセスはブロック1102に進み、そこで図9に示される変調方式900が使用され得る。測定部位の灌流が少ないとき、および/または測定部位が体動にさらされるとき、方法はブロック1104に続き、そこで、RED-GREEN-IR変調方式1000(図10A)またはMulti-Wavelength Sequential変調方式1002(図10B)が使用され得る。
図11Bに示される方法では、他の血液パラメータの1つまたは複数の測定結果が取得または決定されるべきかどうかについての決定が、ブロック1106において行われる。血液パラメータは、限定はされないが、グルコース、水分、およびヘモグロビンを含み得る。他の血液パラメータの1つまたは複数の測定結果が決定されるべきである場合、プロセスはブロック1108に進み、そこで、図9に示される変調方式900または図10Aに示されるRED-GREEN-IR変調方式1000が使用され得る。他の血液パラメータの1つまたは複数の測定結果が決定されない場合、方法はブロック1110に続き、そこで、Multi-Wavelength変調方式1102(図10B)が使用され得る。
図10Aに示されるRED-GREEN-IR変調方式1000では、説明されるオンオフパターンに従って、緑色LEDおよび赤色LEDがある期間の間作動して変調され、次いで、赤色LED(RED)が近赤外線LED(IR)で置き換えられ、やはりある期間の間変調される。測定部位が体動にさらされている間、および/または測定部位の灌流レベルが低い間、この事象のシーケンスが繰り返される。紫と黄の間の波長範囲(すなわち、約400から590nm)にある光を血液灌流のある測定部位に当てると、この領域で見られる光の散乱と吸収が大きいほど、赤および近赤外線の波長領域におけるフォトプレチスモグラフと比較して、はるかに振幅の大きいフォトプレチスモグラフが得られる。通常は、緑色の波長が使用され、それは、この範囲にあるLEDは効率が高く、信頼性があり、ならびに紫-黄の範囲の他の波長と比較してよりコストが低いからである。また、緑色の領域における血液の光学特性は、散乱および吸収のレベルに関して望ましい。緑色LEDと関連付けられるフォトプレチスモグラフは、心拍数の検出、ならびに/または、赤色および近赤外線の真のフォトプレチスモグラフの振幅および波形の検出を改善するために使用されてもよく、これらは、灌流が少なく体動がある条件のもとでの血液の酸素飽和度の正確な測定のために必要とされる。
図10Bに示されるMulti-Wavelength Sequential変調方式1002は、関心対象のパラメータが赤色LEDおよび近赤外線LEDに加えて他の波形を必要とするいくつかの実施形態において使用され得る。例には、糖尿病管理のためのグルコース、耐水分量管理のための水分、貧血および/または輸血管理のための総ヘモグロビンなどの、他の血液組成(パラメータ)の非侵襲的な測定がある。図10Bに示されるように、様々な重心波長の多数の光源(すなわち、λ1、λ2、...、λn LED)が時間とともに逐次オンおよびオフされる。グルコースの非侵襲的な測定の場合、900nmから1700nmの範囲にある複数のLEDが採用され得る。総ヘモグロビンおよび/または水分の非侵襲的な測定の場合、600nmから1350nmの範囲で十分であるはずである。定義されたスペクトル範囲で十分であり、それは、測定部位における血液成分および非血液成分が、考慮される波長の部分範囲に応じて通常はとても目立つスペクトル特徴を有するからである。たとえば、水分およびグルコースは、1550nmから1700nmの範囲において他の成分より高い吸収率を有し、ヘモグロビン種は、600nmから1350nmに顕著な特徴を有し、脂肪は、他の血液成分と比較して全範囲にわたり全般的に顕著な散乱特性を有する、などである。図9、図10A、および図10Bにそれぞれ示される変調方式900、1000、1002は、具体的な適用例および/または測定条件に応じて、時間とともに切り替えられ得る。
いくつかの実施形態では、図11Bに示される方法は、図9に示される変調方式900および/または図10Aに示されるRED-GREEN-IR変調方式1000を使用して、SpO2、PR、PA、およびPIを継続的に測定する、マルチパラメータ観察デバイスにおいて使用され得る。本明細書において説明される観察デバイスの実施形態は、マルチパラメータ観察デバイスを備える。マルチパラメータ観察デバイスは、Multi-Wavelength変調方式1002(図10B)を使用して前に言及されたもの(すなわち、グルコース、水分など)などの、他の血液パラメータの低頻度の定期的なスポットチェック測定を実行することができる。そのような低頻度の定期的なスポットチェック測定は、血液中の水分、グルコース、ヘモグロビンなどの濃度の変化が、通常はSpO2、PR、PA、およびPIと比較して遅いので可能である。上記のパラメータ(たとえば、グルコース、水分、総ヘモグロビンなど)のための典型的な測定周期は、一般にはるかに長い(すなわち、毎分、数分、または何分かに1回、1時間に1回、数時間に1回など)ので、マルチパラメータ観察デバイスの電力消費の増大は重大ではない。いくつかの事例では、マルチパラメータ観察デバイスにおいて使用され得る追加のLEDおよび光検出器技術(すなわち、600nmから1700nmの波長の測定範囲に対するシリコンおよびインジウムガリウムヒ素フォトダイオード)による追加のコストは少なく、光センサのフットプリントの増大は無視できる。
図10Bに示されるMulti-Wavelength変調方式1002は、SpO2、PR、PA、およびPIを測定するためにも使用され得る。この実施形態では、赤色LEDおよび近赤外線LEDが他の波長と組み合わせられて、「n」個のフォトプレチスモグラフを生み出し、これを、SpO2の正確さまたは体動に対する性能を高めるために使用することができる。正確さの改善は、少なくとも一部には、可視光の範囲および近赤外線の範囲全体にわたる追加のLEDにより、酸素飽和度、脈拍数、および/または灌流の測定に必要ではない他の血液成分および非血液成分による光干渉の影響を、推定アルゴリズムが打ち消すことが可能になることによるものである。波長範囲に依存する明瞭な形態的特徴を有し、したがって本明細書において説明される数値ソルバーデバイスなどの高度な信号処理を通じてフォトプレチスモグラフから除去される可能性のより高い光干渉が、静脈および毛細血管への体動加速の影響により測定部位において作り出されるので、体動にさらされるときの動作が改善される。
本明細書において論じられる波長および他の測定結果と範囲は一般に、本発明のいくつかの実施形態を表すことが意図されており、本発明が実践され得る多数の方法への限定として意図されていないことを、当業者は理解するだろう。
前に説明されたように、SpO2、PR、PA、および/またはPIを計算するために、分散型コンピューティングアーキテクチャが使用されてもよく、SpO2、PR、PA、および/またはPIは、観察デバイス100の電池持続時間を延ばすためにホストデバイス105上で推定される。観察デバイス100の処理デバイス(たとえば、図1の処理デバイス102)は、タイムクリティカルな、高頻度の、低レイテンシの、および低複雑度のタスクを実行し得る。観察デバイス100の処理デバイスにより処理されるデータは、デシメーションアルゴリズムによって帯域幅が低減され、ホストデバイス105にワイヤレスに送信され得る。一実施形態では、ホストデバイスの1つまたは複数の処理デバイス(たとえば、図1の処理デバイス117)は、SpO2、PR、PA、および/またはPIの測定値を計算して継続的に表示するために、より複雑な高レイテンシのタスクを実行し得る。
図12Aは、観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの第2の例を図示する。システム1200は、観察デバイス100、ホストデバイス105、コンピューティングシステム1202、およびクラウドコンピューティングシステム1204を含む。観察デバイス100は、医療、フィットネス、およびウェルネスへの応用などの応用のためにバイオセンシング技術を利用する、一回限り使用の、または再利用可能な観察デバイスであり得る。観察デバイス100は、たとえば、パルスオキシメータ、パルスコオキシメータ、ECGパッチ、超音波センサ、イメージングセンサ、非侵襲血糖値計、活動量計、腕時計、指輪、スマート衣服、および他の適切な実装形態であり得る。
ホストデバイス105は、携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップまたはラップトップコンピュータ、家電機器、専用モニタ、マルチパラメータモニタ、機能性とワイヤレスカバレッジ範囲を広げるために分散型アーキテクチャにおいて一緒に動作する家電機器および/またはコンピュータデバイスなどであり得る。ホストデバイス105は、接続1206を介して観察デバイス100にワイヤレス接続または有線接続され得る。ホストデバイス105は、観察デバイス100からスポットチェックデータまたは連続データを受信し、観察デバイス100から受信されたデータに基づく測定結果、分析、結果、およびアラームを伝える、視覚的な、聴覚的な、嗅覚的な、または触覚的な情報を処理し、記憶し、提示する。
コンピューティングシステム1202は、携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップまたはラップトップコンピュータ、家電機器、専用モニタ、マルチパラメータモニタ、機能性を高めてワイヤレスカバレッジ範囲を広げるために分散型アーキテクチャにおいて一緒に動作するいくつかの家電機器および/またはコンピュータデバイスなどであり得る。一実施形態では、コンピューティングシステム1202は、有線接続またはワイヤレス接続1208を介してホストデバイス105に接続され得る。コンピューティングシステム1202およびホストデバイス105は、それぞれ、有線接続1210またはワイヤレス接続1212を介してクラウドコンピューティングシステム1204に接続されて、電子健康記録(EHR)への接続、分散型アラーム、測定、警告、および通知システムなどの、追加の機能を提供し得る。
本明細書において説明されるバイオセンシングおよび支援機能は、観察デバイス100のファームウェア1214およびホストデバイス105のソフトウェア1216により可能にされる。一実施形態では、ファームウェア1214およびソフトウェア1216は、リアルタイムシステムを実装する。リアルタイムシステムは、即刻のまたはタイムリーな応答を必要とする応用において、実質的に時間通りにすべてのタスクが確実に実行されるようにする。別の実施形態では、ファームウェア1214およびソフトウェア1216は、リアルタイムシステムがタイムクリティカルではないシステムと組み合わせられるハイブリッド構成を実装する。ハイブリッド構成は、リアルタイムタスクがタイムクリティカルではないタスクより優先され得るような、より柔軟で効率的なコンピューティングアーキテクチャを可能にする。リアルタイムシステムの1つの限定しない例は、データサンプルが連続する時間間隔において非常に低いレイテンシで収集されて処理されることになるような、離散時間データ収集システムである。タイムクリティカルではないシステムの限定しない例は、測定リフレッシュレートの要件およびデータバッファリング能力がシステムの安全性と有効性を犠牲にすることなく可変のレイテンシ時間を許容するような、経時的に測定結果を計算して表示するモニタである。
いくつかの事例では、観察デバイス100およびホストデバイス105は、バイオセンシング機能、ユーザインターフェース画面を見るためのディスプレイ、ストレージ、処理機能、および接続機能を伴う腕時計などの、単一の物理ユニット1218(図12B)へと統合され得る。追加または代替として、コンピューティングシステム1202は、ホストデバイス105へと統合され得る。限定しない例において、図13~図16に示されるホストデバイス105は、コンピューティングシステム1202が組み込まれたホストデバイス105であり得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム1202およびクラウドコンピューティングシステム1204は、単一のデバイスへと統合され得る。たとえば、クラウドコンピューティングシステム1204およびコンピューティングシステム1202は、クラウドコンピューティングシステム1204へと統合され得る。
図13~図19は、観察デバイスにより生み出される信号を処理するのに適した分散型システムの他の例示的な実施形態を示す。観察デバイス100は、ユーザの皮膚1300(図13)、手足の指1400(図14)、額1500(図15、図18、および図19)に接して、またはユーザの耳1600(たとえば、後部外耳)(図16)の後ろに配置され得る。図13~図15、図18、および図19の観察デバイス100は、接続1206を使用してデータをホストデバイス105に送信する。図14~図16に示されるように、ホストデバイス105は、SpO2、PR、および/または温度などの測定値を表示するように(ソフトウェア1216を介して)構成され得る。図14~図16および図18において、ホストデバイス105は、マルチパラメータモニタ、モバイルデバイス、デスクトップ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、または他のコンピューティングデバイスであり得る。
図17において、観察デバイスはユーザの腕1700に配置される。腕時計1702が例示的な実施形態であり、ここで、観察デバイス100およびホストデバイス105は、接続1212を介してクラウドコンピューティングシステム1204と通信する単一の物理ユニット(たとえば、図12Bのユニット1218)へと統合される。腕時計1702は、1つまたは複数の光センサを使用して、光センサの設計および信号処理に応じた光ベースの測定結果の中でもとりわけ、SpO2、PR、PI、PAまたは信号強度、間質血糖濃度、呼吸数(RR)、総ヘモグロビン、ディスヘモグロビンの濃度を、継続的かつ非侵襲的に測定することができる。しかしながら、指先または額と比較すると、たとえば測定部位としての手首は、ユーザ間での解剖学的な差異(人種、性別、体重などに依存した)が大きく、また比較的周辺の血液灌流が少ない。加えて、光センサからの信号は、筋肉から指の関節に運動を伝える長い腱の内部の動きによる体動アーティファクトの影響を受ける。いくつかの事例では、これらの要因は、手首でのSpO2の測定を困難にし、より大きな測定誤差にさらし得る。SpO2を測定結果として直接表示することに対する代替の方法は、SpO2の瞬時測定結果から導出される長期の測定結果、メトリクス、およびスコア(すなわち、O2avg、ODI、CT90など)を計算して表示することである。たとえば、O2avgおよびCT90の場合、SpO2の瞬時測定結果により大きな誤差があるが、長期間にわたって偏ってはいないときには常に、より長い平均化時間(30分、1時間、8時間など)が測定の正確さを改善することができる。ODIの場合、SpO2の瞬時測定結果が長期間にわたって偏っている場合であっても、正確さはかなり改善され得る。これは、ODIの計算が飽和度低下事象の大きさの長期的なスコアリングを伴い、このことが、飽和度低下の大きさを計算するために比較的短い間隔内の異なる時間におけるSpO2の瞬時測定結果の減算を必要とするからである。この減算演算が偏りをなくし、長期的な平均が測定誤差を減らす。他の瞬時測定結果(たとえば、PR、PI、RR、グルコース濃度など)、および腕時計または手首に置かれるパッチセンサにより測定されるそれらの長期的な派生物にも、同じ理屈を適用することができる。
図18および図19は、ユーザの額に取り付けられる観察デバイス100を示す。図18では、観察デバイス100とホストデバイス105の両方が同じ位置(たとえば、部屋)に位置する。観察デバイス100は、接続1216を介してデータをホストデバイス105に送信し、ホストデバイス105は、接続1212を介してクラウドコンピューティングシステム1204に通信する(たとえば、データを送信する)。
図19において、観察デバイス100およびホストデバイス105は同じ位置(たとえば、部屋A)に位置しているが、コンピューティングシステム1202は異なる位置(たとえば、部屋B)に位置している。観察デバイス100は、接続1216を介してホストデバイス105と通信する(たとえば、それにデータを送信する)。示されるように、ホストデバイス105は、壁のコンセントに差し込まれる家電機器である。いくつかの態様では、ホストデバイス105のソフトウェア1216は、ユーザインターフェース機能を提供しなくてもよい。代わりに、ユーザインターフェース機能は、接続1208を介してホストデバイス102から測定結果およびデータを受信するマルチパラメータモニタの形式のコンピューティングシステム1202(部屋Bの中の)によって提供され得る。
図13~図19の実施形態は、分画酸素飽和度および機能的酸素飽和度(SpO2)、脈拍数(PR)または心拍数、灌流指数(PI)、脈波振幅(PA)または信号強度、呼吸数(RR)、間質血糖濃度、総ヘモグロビン、ディスヘモグロビンの濃度、酸素飽和度低下指数(ODI)、酸素飽和度が90%未満である時間の累積の百分率(CT90)、平均酸素飽和レベル(O2avg)、ユーザの体動または活動などの、ワイヤレスで、継続的で、非侵襲的な観察のために使用され得る。観察デバイス100がユーザの額に配置されると、ユーザの深部体温(Temp)の非侵襲的で継続的な観察も可能である(図15、図18、および図19)。図13~図17の実施形態は、スポーツ、航空などの、フィットネスおよびウェルネスの観察用途に使用され得る。図13~図19に示される実施形態は、皮下注射または輸液ポンプを通じたオピオイドを用いた疼痛管理のための麻酔、麻薬の投与、ユーザの移動、ユーザの回復、在宅酸素療法の評価、歯科(一般に、歯列矯正、歯内療法)での鎮痛、睡眠モニタリング調査、火傷または骨折を負ったユーザなどの短時間の手術のための鎮痛、モルヒネ(皮下注射または輸液ポンプ)を使用した腎疝痛の管理、終末状態にある癌患者、胃腸の処置(内視鏡検査、大腸内視鏡検査)などの、臨床上の観察用途(自宅および病院の環境)において使用され得る。
図17~図19の実施形態は、睡眠モニタリング調査において、以前に診断された閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)を確認するために、またはそれを迅速に認識するためにも利用され得る。観察デバイス100の低コストの、ワイヤレスの、継続的な、一回限り使用の、または再利用可能な実装形態の場合、図17~図19の実施形態は、高価で複雑な睡眠ポリグラフィ(PSG)観察ソリューションを待っているより重症のOSAユーザの治療を早めることができる。図17~図19の実施形態は、OSAの診断を助けるために、O2avg、ODI、CTI90などの、単一または複数の睡眠サイクルにわたってスコアおよびメトリクスを計算する、比較的低コストのソリューションを提供することができる。図17~図19において、要素1704は、重症のOSAユーザを観察している間にO2avgが異常に低い値に落ちた、睡眠調査の間のアラーム事象の例示的な実施形態を図示する。図17~図19の要素1706、1708は、ODIおよびCT90が異常に高い値に達した、睡眠調査の間のアラーム事象の例を図示する。
図20は、観察デバイスを作動させるためのステップを示す。ステップ1において、「1」と標識された第1のつまみ2000が、電気的接触を閉じて観察デバイス100をオンにするために除去される。一実施形態では、第1のつまみ2000は導電性のテープでできている。ステップ2において、観察デバイスをオンにする電気的接触が閉じられたことを確認するために、観察デバイス100の外側表面上のインジケータ2002(たとえば、円または点)がユーザにより押される。観察デバイス100がオンになると(ステップ3)、光2004がオンになり、観察デバイス100がホストデバイスに動作可能に接続されることが可能であることを示す。1つの事例では、光204は、光センサの1つまたは複数の光源113のうちの少なくとも1つ(たとえば、緑色の光)により生み出される。光センサの光源を使用することで、観察デバイスのコストとフットプリントを減らすことができる。
ステップ3について続けると、観察デバイス100を測定部位に取り付けるために使用される接着テープを露出するために、「2」と標識された第2のつまみ2006が取り除かれる。たとえば、接着テープは生体適合性の接着テープであり得る。一実施形態では、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)は、図9Dのステップ1において図示されるラベル2008である。ラベル2008は、観察デバイス100を識別して第2の電気的接触センサとして機能する二重の機能を有するように、金属の接着テープからできていてもよい。追加または代替として、第1の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの707)および温度センサ(たとえば、図7Dの705)は、第2のつまみ2006が取り除かれると露出する接着テープの一部であり得る。接着テープは、観察デバイスの外殻または筐体の一部として、被験者の皮膚への良好な接着をもたらすように、ならびに、深部体温および心臓のECGのより正確な測定を可能にするための良好な電気的特性と熱的特性を有するように設計され得る。
観察デバイスが作動すると、観察デバイスはホストデバイスに接続され得る。図21は、観察デバイスをホストデバイスに接続するための認証プロセスの例示的な方法のフローチャートを図示する。一実施形態では、ホストデバイスのホストアプリケーションの現在の状態が状態0(図25に図示される状態2502)であるとき、および観察デバイスのファームウェアの現在の状態が状態0(図26に示される状態2602)であるとき、認証プロセスが実行される。他の実施形態は、ホストデバイスおよび/または観察デバイスの現在の状態が1つまたは複数の異なる状態にあるとき、認証プロセスを実行することができる。
最初に、ホストデバイスが以前の認証プロセスからの観察デバイスのための認証された第1の識別子(たとえば、識別子A)を有するかどうかの決定が、ブロック2100において行われる。ホストデバイスが以前に認証された第1の識別子を有しない場合、方法はブロック2102に進み、そこで、ホストデバイスは観察デバイスから第1の識別子を受信する。ホストデバイスは次いで、第1の識別子を使用して観察デバイスを認証する(ブロック2104)。一実施形態では、観察デバイスが、観察デバイスの処理デバイスまたはメモリ(たとえば、セキュアメモリ)に記憶されている固有の工場でプログラムされた識別子を使用して製造されるときに、第1の識別子が作成される。製造プロセスからの他の情報(たとえば、ロット番号、有効期限など)が、第1の識別子とともに観察デバイスに記憶され得る。第1の識別子は、製造プロセスの間に観察デバイスのラベル、内部回路、もしくは製品パッケージに印刷され、または移送され得る。
限定しない例では、観察デバイスのラベルまたは製品パッケージのバーコードスキャンを介して、第1の識別子がホストデバイスによって受信される。ホストデバイスは、Radio-Frequency Identificationによる、光学識別による、光センサによる、または識別子の移送を可能にする任意の他の技法によって、スキャンを実行する。例示的な認証プロセスは、ホストデバイス(たとえば、ホストデバイス上で実行されるソフトウェア)が、第1の識別子に記憶されている情報に基づいてハッシュコード(たとえば、第1のハッシュコード)を計算して、計算されたハッシュコードを第1の識別子に記憶されているハッシュコードと比較することを含み得る。観察デバイスの認証(たとえば、第1の識別子の認証)は、計算されたハッシュコードが記憶されているハッシュコードと一致するとき成功する。
次に、ブロック2106において示されるように、認証が成功するかどうかの決定が行われる。認証が失敗する(成功しない)場合、方法は、ブロック2100に戻り、ブロック2100、2102、2104、および2106が繰り返す。一実施形態では、ブロック2100、2102、2104、2106は、所与の期間の間繰り返す。その期間の終わりにおいて、認証がまだ成功しない場合、認証の不成功に関する通知および/またはアラートが、観察デバイスおよび/またはホストデバイスに提供され得る。たとえば、ホストデバイスは、通知を表示し、および/または可聴のアラートを出すことができる。
認証がブロック2106において成功するとき、またはホストデバイスが以前に認証された第1の識別子を有するとき(ブロック2100)、プロセスはブロック2108に進む。ブロック2108において、ホストデバイスは第2の識別子(たとえば、識別子B)を観察デバイスに送信する。一実施形態では、第2の識別子は認証された第1の識別子から計算される。たとえば、第1の識別子に記憶されているデータの一部もしくはすべてが観察デバイスに送信されてもよく、または、ホストデバイスが第1の識別子に記憶されているデータを使用して第2のハッシュコードを計算してもよい。
ブロック2110において、観察デバイスは、第2の識別子を受信し、内部で計算された、または記憶されている第3の識別子(たとえば、識別子B')と第2の識別子を比較する。一実施形態では、第2の識別子は、ホストデバイスによって計算される第2のハッシュコードであり、第3の識別子は、観察デバイスの処理デバイスまたはメモリ(たとえば、セキュアメモリ)に記憶されている第1の識別子(たとえば、第1の固有の工場でプログラムされた識別子)に記憶されている同じデータから観察デバイスによって計算される第3のハッシュコードである。
第2の識別子と第3の識別子が一致するかどうかの決定が次いで、ブロック2112において行われる。一致しない場合、方法はブロック2100に戻り、ブロック2100、2102、2104、および2106が繰り返す。一実施形態では、ブロック2100、2102、2104、2106は、所与の期間の間繰り返す。その期間の終わりにおいて、認証がまだ成功しない場合、認証の不成功に関する通知および/またはアラートが、観察デバイスおよび/またはホストデバイスに提供され得る(ブロック2116)。たとえば、ホストデバイスは、通知を表示し、および/または可聴のアラートを出すことができる。
第2の識別子と第3の識別子がブロック2112において一致するとき、観察デバイスが認証され、観察デバイスとホストデバイスとの間の接続(たとえば、ワイヤレス接続)が確立される(ブロック2114)。いくつかの実施形態では、認証プロセスは、認証プロセスが終了するまでに有限の回数繰り返すことができる。認証プロセスが終了するとき、認証プロセスの継続を可能にするために、他のセキュリティ機構(たとえば、復元パスワード、検証コードなど)が実行され得る。
図22は、観察デバイスのアクティブノイズフロアを決定する第1の例示的な方法を図示する。最初に、観察デバイスがブロック2200においてオンにされる。たとえば、一実施形態では、観察デバイスは、第1のつまみを取り除き、インジケータを押す(たとえば、図20の第1のつまみ2000およびインジケータ2002)ことによりオンにされる。ブロック2202において、観察デバイスが認証され、ホストデバイスに接続(たとえば、ワイヤレスに接続)される。例示的な実施形態では、観察デバイスは、BLUETOOTH(登録商標)を使用してホストデバイスとペアリングされる。
観察デバイスとホストデバイスとの間の接続が確立されると、ホストデバイス上でアクティブノイズフロア測定が実行される(ブロック2204)。限定しない例では、観察デバイスは、アクティブノイズフロアの測定のための暗い環境(たとえば、周辺光が限られている、またはない)に置かれる。別の限定しない例では、観察デバイスは、周辺光および/または電磁干渉のもとでのアクティブノイズフロアの測定を可能にするために、光源信号を変調し、および/または受信された光信号を復調する。変調および復調アルゴリズムは、アクティブノイズフロアの測定との干渉による周辺光信号の干渉および/または電磁干渉を防ぐ。ノイズフロアの測定は、測定部位に観察デバイスを置く前に、信号対雑音比と、観察デバイスの性能を定量化するメトリクスとを定量化するために使用される。ノイズフロアの測定は、製造、保管、出荷、および/または取り扱いの過程で予想しない事象により観察デバイスが仕様から外れ得るような用途において有用である。例示的な実施形態では、ノイズフロアの測定は、観察デバイスが普通の動作状態であるかのように観察デバイスの中の1つまたは複数の光源(たとえば、図1の113)を作動させることによって生成される。光は、図20の第2のつまみ2006の中の材料を通って拡散し、拡散反射および/または鏡面反射を介して1つまたは複数の光検出器に達する。光検出器(たとえば、図1の114)により生み出される信号は、観察デバイスによって収集され、信号対雑音比およびメトリクスの計算のために復調され、フィルタリングされ、処理され、ホストデバイスに送信される。
ブロック2206において、計算された信号対雑音比および/またはメトリクスが許容可能である(たとえば、あらかじめ定められた閾値より大きい)かどうかについての決定が行われる。許容可能ではない場合、ホストデバイスは、観察デバイスが動作していない、または不完全であることをユーザに示し、動作は停止する(ブロック2208および2209)。たとえば、ホストデバイスは、視覚的な通知および/または可聴のアラートを生み出すことができる。ある代替の実施形態では、ブロック2206が実行される前に、複数のノイズフロアのランが取得されて処理され得る。
計算された信号対雑音比および/またはメトリクスが許容可能であるとき、プロセスはブロック2210に進み、そこで、観察デバイスが測定部位に取り付けられる。たとえば、接着材料を露出させて観察デバイスを測定部位に取り付けるために、図20の第2のつまみ2006が取り除かれる。観察デバイスおよびホストデバイスは次いで、普通の観察動作に入る(ブロック2212)。
図23は、観察デバイスのアクティブノイズフロアを決定する第2の例示的な方法を示す。示される実施形態では、ノイズフロアの計算は、ホストデバイスとの接続の前に観察デバイスによって実行される。最初に、観察デバイスはブロック2200においてオンにされる。アクティブノイズフロアの測定結果が次いで、ブロック2300において観察デバイスによって取得される。ノイズフロアの測定結果は、観察デバイスが普通の動作状態にあるかのように観察デバイスの1つまたは複数の光源(たとえば、図1の光源113)を作動させることによって決定される。光は、図20の第2のつまみ2006の中の材料を通って拡散し、拡散反射および/または鏡面反射を介して1つまたは複数の光検出器(たとえば、図1の光検出器114)によって検出される。光検出器により生み出される信号は、信号対雑音比およびメトリクスを計算するために観察デバイスによって復調され、フィルタリングされ、処理される。
次いで、計算された信号対雑音比および/またはメトリクスが許容可能である(たとえば、あらかじめ定められた閾値より大きい)かどうかについての決定が、ブロック2302において行われる。計算された信号対雑音比および/またはメトリクスが許容可能ではない場合、観察デバイスは、観察デバイスが動作していないこと、または不完全であることをユーザに示し、動作は終了する(それぞれ、ブロック2304および2209)。たとえば、観察デバイスは、観察デバイスの少なくとも1つの光源を使用して、特定のパターンまたはモードの点滅する光を生み出すことができる。ある代替の実施形態では、ブロック2202が実行される前に、複数のノイズフロアのランが取得されて処理され得る。
計算された信号対雑音比および/またはメトリクスが許容可能であるとき、プロセスはブロック2110に進み、そこで、観察デバイスが測定部位に取り付けられる。観察デバイスは次いで、ホストデバイスおよび観察デバイスに接続され(たとえば、ワイヤレスに接続され)、ホストデバイスは普通の観察動作に入る(それぞれ、ブロック2102および2112)。
図24は、観察デバイスを動作させる第1の例示的な方法のフローチャートを示す。最初に、ブロック2400に示されるように、観察デバイスがオンにされて、観察デバイスがオンにされてスタンバイモードにあることを、インジケータ光が示す。スタンバイモードは、観察デバイスがホストデバイスに動作可能に接続される(たとえば、ホストデバイスにワイヤレスに接続される)のを待機しているモードを表す。一実施形態では、観察デバイスがオンにされると接続タイマーが始動し、接続タイマーは、観察デバイスがホストデバイスに接続しようと試みる所与の期間を監視する(たとえば、カウントダウンする)。
ブロック2402において、観察デバイスは次いで、ホストデバイスに接続することを試みる。一実施形態では、観察デバイスは、観察デバイスのホストデバイスへの接続が成功するか、または接続タイマーがタイムアウトする(たとえば、期限切れになる)かのいずれかまで、ホストデバイスへの接続を繰り返し試みる。観察デバイスのホストデバイスへの接続が成功すると、プロセスはブロック2404に進み、ここで観察デバイスは動作を開始する。いくつかの実施形態では、接続タイマーは、観察デバイスが普通の動作状態にあるときに常に、観察デバイス(たとえば、図12Aのファームウェア1214)によって選択された時間においてまたは定期的に再初期化される、ウォッチドッグタイマーである。接続タイマーを再初期化することで、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの障害が発生した場合、および接続タイマー(すなわち、ウォッチドッグタイマー)がタイムアウトした場合にのみ、観察デバイスの中のプロセッサおよび回路がリセットされることが確実になる。観察デバイスがスタンバイモードにある場合、接続タイマー(すなわち、ウォッチドッグタイマー)は、選択された時間に、または定期的にタイムアウトし、観察デバイスが強制的にリセットする。これにより確実に、観察デバイスが常に動作しており(すなわち、スタンバイ状態にある、または接続されている)、観察デバイス回路のリセットスイッチおよび/または電源スイッチの必要が完全になくなり、ソフトウェアまたはハードウェアの障害の際にユーザによる手動のリセットまたは起動シーケンスが不要になる。
ブロック2402において、観察デバイスが所与の期間内にホストデバイスに接続することが可能ではないとき、または、ブロック2404において、ハードウェアもしくはソフトウェアの障害によりホストデバイスとの接続を観察デバイスが失う場合、接続タイマー(すなわち、ウォッチドッグタイマー)はタイムアウトし、方法はブロック2406に続き、ここで、観察デバイス上でリセット動作が実行される。観察デバイスのプロセッサおよび回路はリセットされ、インジケータ光はオフにされる。所与の期間の後で、方法はブロック2400に戻り、ここで、観察デバイスのプロセッサおよび回路が再初期化され(たとえば、オフにされオンにされる)、インジケータ光がオンにされる。ブロック2402および2404またはブロック2402および2406は繰り返す。
図25は、ホストデバイスのための例示的な状態図を示す。状態図2500は、ホストデバイスのソフトウェア(「ホストソフトウェア」)(たとえば、図12Aのソフトウェア1216)を論理的な挙動を記述するために使用される。示される例では、ホストソフトウェアは、観察デバイス(たとえば、図12Aのファームウェア1214)のファームウェア(「デバイスファームウェア」)と連携して動作する。ホストデバイスの現在の状態が状態0(状態2502)であるとき、ホストデバイスは初期化され、観察デバイスから切断され、観察デバイスへ接続される準備ができる。
ワイヤレス接続もしくは有線接続(たとえば、図12Aの接続1206)を介したホストデバイスと観察デバイス100との間の認証プロセスの成功の後で事象「接続完了」2506が発生するとき、または内部的にホストデバイスおよび観察デバイスが単一の物理ユニット(たとえば、図12Bのユニット1218)に統合される場合、状態は状態1(状態2504)に遷移する。状態1において、ホストデバイスは、観察デバイスが較正プロセスの完了を待機している。事象「較正完了」2508が発生すると、ホストソフトウェアの状態は状態1から状態2(状態2510)に遷移する。
状態2は、観察デバイスにおける較正プロセスが成功裏に完了したことを知らせる。ホストソフトウェアを状態2から状態3(状態2514)へ遷移させる事象「実行中」2512は、観察デバイスからホストデバイスへのリアルタイムのデータ移送が行われていることと、測定結果、分析、および結果を伝える視覚的な、聴覚的な、嗅覚的な、または触覚的な情報を記憶して共有するために、ホストソフトウェアがリアルタイムのデータ処理を開始できることとを示す。状態3から状態4(状態2516)への遷移は、「例外取り扱い」事象2518が起こるときには常に起こり、例外またはエラーが発生したことを示す。例示的な例外には、限定はされないが、測定アラームおよび警告、観察デバイスとホストデバイスとの間の信頼できない接続、観察デバイスの電池残量が少なく、またはないこと、ホストデバイスの電池残量が少ないこと、生体信号の喪失または無効な生体信号を含むエラー、ホストデバイスと観察デバイスとの間の接続の喪失、ソフトウェア障害などがある。ホストソフトウェアは、例外が処理されると状態3(状態2514)に戻る。たとえば、測定アラームは、ユーザが普通の状態に戻ると不活動になり得る。
例外が処理されると、事象「例外処理完了」2520が発生し、ホストソフトウェアは状態3(状態2514)に遷移する。「エラーまたは切断」事象2522の場合、ホストソフトウェアは状態5(状態2524)に遷移し、ここでホストソフトウェアのサービス、ライブラリ、変数、およびパラメータの一部またはすべてが再初期化される。再初期化が完了すると、事象「初期化完了」2526が発生し、ホストソフトウェアは状態0(状態2502)に遷移する。状態0(状態2502)にある間、あらゆる「エラー」事象2528が、再初期化、致命的なエラーの処理、および/または致命的なエラーの処理のためにホストソフトウェアを状態5(状態2524)へ遷移させる。状態1(状態2504)にある間、あらゆる「エラーまたは切断」事象2530も、再初期化、致命的なエラーの処理、および/または致命的なエラーの処理のためにホストソフトウェアを状態5(状態2524)へ遷移させる。
図26は、観察デバイスのための例示的な状態図を示す。状態図2600は、デバイスファームウェア(たとえば、図12Aのファームウェア1214)の論理的な挙動を記述するために使用される。この例では、デバイスファームウェアは、ホストソフトウェアと連携して動作する。デバイスファームウェアの現在の状態が0(状態2602)であるとき、観察デバイスは初期化され、ホストデバイスから切断され、ホストデバイスへ接続される準備ができる。
ワイヤレス接続もしくは有線接続(たとえば、図12Aの接続1206)を介したホストデバイスと観察デバイスとの間の認証プロセスの成功の後で事象「接続完了」2606が発生するとき、または内部的にホストデバイスおよび観察デバイスが単一の物理ユニット(たとえば、図12Bのユニット1218)に統合される場合、デバイスファームウェアの状態は状態1(状態2604)に遷移する。事象「較正進行中」2608が発生すると、状態は状態1から状態2(状態2610)に遷移する。
状態2は、観察デバイスの較正プロセスが進行中であることを知らせる。較正プロセスは、測定部位の身体的および生理学的特性に対して好ましいまたは最適な追従性を求めて、観察デバイスのダイナミックレンジ、センシング、およびデータ収集の設定を構成する。デバイスファームウェアは、「較正完了」事象2614が発生した後で状態2から状態3(状態2612)に遷移し、観察デバイスの較正プロセスが完了したことを示す。
デバイスファームウェアを状態3から状態4(状態2618)へと遷移させる、「実行中」事象2616は、観察デバイスが、好ましいまたは最適なダイナミックレンジ、センシング、およびデータ収集の設定とともにデータをホストデバイスに送信中であることを示す。エラーが発生したこと、または観察デバイスとホストデバイスとの間の接続が動作不可能になったことを示す、「エラーまたは切断」事象2622が発生すると常に、状態4から状態5(状態2620)への遷移が発生する。例示的なエラーには、限定はされないが、測定部位の変化、外部環境要因、干渉、センサの故障などにより引き起こされる、フロントエンドの電気的または光学的な飽和がある。状態5において、デバイスファームウェアのソフトウェアサービス、ライブラリ、変数、およびパラメータの一部またはすべてが、再初期化される。
再初期化が完了すると、事象「初期化完了」2624が発生し、デバイスファームウェアは状態0(状態2602)に戻る。状態0において、あらゆる「エラー」事象2626が、デバイスファームウェアを再初期化のために状態0から状態5へ遷移させる。同様に、状態2において、あらゆる「エラーまたは切断」事象2628が、再初期化のためにデバイスファームウェアを状態2から状態5へ遷移させる。
図27は、観察デバイスによる使用に適した例示的なセンサ較正プロセスのフローチャートを示す。一実施形態では、センサ較正プロセスは、デバイスファームウェアが図26に示される状態図の状態2(状態2610)であるときに実行される。一般に、観察デバイスは、測定部位にエネルギー(光学的な、電気的な、機械的な、など)を加える、および/または測定部位におけるエネルギーを測定する、1つまたは複数のセンサを通じてバイオセンシング機能を実行する。センサは通常、センサがバイオセンシングデータを収集するためにデバイスファームウェアによって使用され得るよりも前に、何らかの形式のリアルタイム較正を必要とする。
最初に、センサ較正プロセスは、テーブルの形式で、データベースの形式で、またはデバイスファームウェアに記憶される他の形式で、初期のあらかじめ定められたセンサ較正設定を受信して使用する(ブロック2700)。測定部位へのエネルギー信号(たとえば、光)の印加をもたらす、初期のセンサ較正値がブロック2702において設定される。エネルギー信号は測定部位と相互作用して、ブロック2704において取得される初期のセンサ較正結果を生み出す。初期のセンサ較正結果は次いで、新しいセンサ較正設定を計算するために使用される(ブロック2706)。
新しいセンサ較正設定は、新しいセンサ較正値を決定するために使用される(ブロック2708)。新しいセンサ較正値は、測定部位への新しいエネルギー信号の印加をもたらし、これにより、ブロック2710において取得される新しいセンサ較正結果が生み出される。新しいセンサ較正結果は、あらかじめ定められたセンサ較正仕様に対して試験または比較され、新しいセンサ較正結果があらかじめ定められたセンサ較正仕様を満たすかどうかについての決定が、ブロック2712において行われる。あらかじめ定められたセンサ較正仕様が満たされる場合、センサ較正プロセスはブロック2714に進み、ここでセンサ較正プロセスは終了する。
あらかじめ定められたセンサ較正仕様が満たされないとき、方法はブロック2706に戻る。ブロック2706、2708、2710、および2712は、あらかじめ定められたセンサ較正仕様が満たされるまで繰り返す。代替として、他の実施形態では、ブロック2706、2708、2710、および2712を伴うループは、最大の反復回数繰り返し、またはセンサ較正仕様が満たされるまで繰り返す。次いで、観察デバイスは(デバイスファームウェアを介して)、ホストデバイスにセンサの較正の成功を知らせるか、または不成功を知らせるかを決定することができる。較正プロセスが不成功である場合、観察デバイスは(デバイスファームウェアを介して)、センサ較正プロセスを繰り返す(または繰り返さない)と決定することができる。
いくつかの実施形態では、初期のあらかじめ定められたセンサ較正設定(ブロック2700)および新しいセンサ較正設定(ブロック2706)をホストデバイスに記憶し、初期のあらかじめ定められたセンサ較正設定および新しいセンサ較正設定を観察デバイスへ、また観察デバイスから移すことによって、フレキシビリティを高めることができる。加えて、センサ較正プロセスは分散型システムにおいて実行されてもよく、ここで、ブロック2700、2702、2704、2708、および2710は、観察デバイスのデバイスファームウェアによって実行され、ブロック2706および2712は、ホストデバイスのソフトウェアによって実行される。分散型システムを使用してセンサ較正プロセスを実行することで、好ましいまたは最適なセンサ較正設定およびセンサ較正仕様の計算のためにホストがより複雑なアルゴリズムを使用することが可能になる。分散型システムは、観察デバイスが、計算リソースと電池持続時間が限られている低コストの、一回限り使用の、および完全に使い捨ての観察デバイスであるときに、有用であり得る。観察デバイスにおける計算リソースおよび電池持続時間を犠牲にすることなく、センサ較正設定およびセンサ較正仕様の計算の複雑なアルゴリズムを可能にするために、ホストデバイスの中のより高度で高速な計算リソースが活用され得る。
図28は、図27に示されるセンサ較正プロセスを実行するのに適した例示的なセンサ較正システムを示す。示される実施形態では、センサ較正システム2800は、時間多重化されて測定部位2804に加えられる複数のエネルギー源2802を有する、観察デバイスのセンサを較正するために使用され得る。測定部位2804は、エネルギー源2802の物理特性および測定部位2804の組成に依存する特性(利得または減衰)を伴う未知の伝達関数2806を有する。測定部位の例示的な組成は、限定はされないが、血液、脂肪、および骨を含む。1つの例示的な実施形態では、エネルギー源2802は、発光ダイオード(LED)またはレーザーなどの光源であり、測定部位2804の伝達関数2806は、測定部位2804の組成の光学特性および光源の光学波長発光に依存する。
各エネルギー源2802は、その入力励振と出力パワーとの間に未知の非線形関数の関係を有すると仮定される。たとえば、LEDおよびレーザーの場合、励振の電流および出力光パワーは、S字の曲線に似た非線形の関係を有する。非常に低い励振電流では、出力光パワーは、励振電流の変化とともにわずかに変化する。LEDの普通の動作範囲における励振電流では、励振電流と出力光パワーとの関係は、アフィンまたは単調増加であり、結果として、出力光パワーは、励振電流の変化とともにほぼ線形に変化する。非常に高い値の励振電流では、出力光パワーは飽和し、励振電流の変化とともにもはや変化しない。S字の曲線は、LEDユニットごとに変化することがあり、設計および製造技術、製造プロセスのばらつき、動作条件、ならびに周囲温度に依存することがある。
フロントエンド2808は、信号2814がトランスデューサまたは検出器(または複数のトランスデューサもしくは検出器)を使用して未知の伝達関数2806によって減衰された後で時間多重化されたエネルギー信号2812を収集する、フロントエンド増幅器2810を含む。光エネルギーの場合、フロントエンド増幅器2812の一部である、光検出器(たとえば、フォトダイオード)または光電子増倍管が、時間多重化された減衰された光エネルギー信号2810を収集して電気信号へと変換するために使用され得る。電気信号は次いで、フロントエンド増幅器の調整可能な利得2816により増幅されて、増幅された信号2818を生み出す。フロントエンド増幅器2810は、振幅が限られているエネルギー信号を変換して増幅することができる。許容される入力-出力のダイナミックレンジは、飽和要素2820により表される。信号2822は、信号2812が飽和要素2820および調整可能な利得2816により定義される許容されるダイナミックレンジ内にある限り、増幅された信号2818と同一であり、または実質的に同一である。信号2822は、アナログデジタルコンバータ(ADC)2826によってデジタル信号2824へと変換される。
図27に示されるセンサ較正プロセスでは、エネルギー源2802のための入力励振は、観察デバイスのデバイスファームウェアを介して知られ、調整可能であると考えられるので、デジタル信号2824は、デバイスファームウェアによっても読み取られ得る。他のエネルギー源がオフのままでありながら信号エネルギー源kが作動する場合、2802における調整可能な入力励振xkとデジタル信号yk(デジタル信号2824)との間の関係を、次の式により表すことができる。
yk(i)=gGgkfk(xk(i)) 式1
ここで、gkは、k=1,2,...,nについての、エネルギー源kに対する未知の伝達関数2806の利得(または減衰)であり、fkはエネルギー源kに対する未知の非線形関数であり、Gはフロントエンド増幅器の調整可能な利得2816であり、gは、デジタル信号yk2824を生み出す信号経路における他の減衰、利得およびスケール変換係数を考慮した、未知の不変の変換係数である。インデックス「i」は、較正インスタンスまたは値を指す。したがって、xk(i)は、入力励振xkに対するi番目の較正値を指し、yk(i)は、デジタル信号ykのための対応するi番目の較正結果を指す。便宜的に、式1の未知の項は一緒に結合されて次の式を生み出す。
yk(i)=Ghk(xk(i)) 式2
ここで、hk(xk(i))=ggkfk(xk(i))である。各々の未知の関数hkは、多項式または何らかの他のパラメータ化された非線形関数によって近似され得る。例示的な多項式近似では、
Figure 2022541647000002
ここで、k=1,2,...,nおよびp=0,1,...,Pに対する係数αp,kは未知である。以下の式4は、式2と3を組み合わせることによって取得され得る。
Figure 2022541647000003
式4は、次数Pの多項式関数kを介して、入力励振xkのためのi番目の較正値を、デジタル信号ykのための対応するi番目の較正結果へとマッピングする。
式4は、図28に図示される例示的なセンサ較正システムと一緒に図27に示されるセンサ較正プロセスに適用され得る。以下のステップは、例示的な適用例を説明する。
1. 図27のブロック2700:入力励振xkとデジタル信号ykとの間の関数の関係を、式4において記述されるようなP次の多項式によって近似することができ、観察デバイスのデバイスファームウェアが、xkの少なくとも(P+1)個の較正値(すなわち、{xk(i):i=1,2,...,(P+1),(P+2),...})を伴う各エネルギー源kのための初期のあらかじめ定められたセンサ較正設定、およびあらかじめ定められた利得値Gを読み取ると仮定する。
2. 図27のブロック2702および2704:フロントエンド増幅器の調整可能な利得2816(図28)のあらかじめ定められた利得値Gが、観察デバイスのデバイスファームウェアによって設定される。次いで、各エネルギー源kに対して、デバイスファームウェアが、対応する初期センサ較正値を設定し、ykの対応するセンサ較正結果を取得する(すなわち、yk(i):i=1,2,...,(P+1),(P+2),...)。
3. 図27のブロック2706:観察デバイスのデバイスファームウェアが、取得されたセンサ較正結果から新しいセンサ較正設定を決定する。この決定は、各Akについて以下の線形方程式系を解くことによって達成され得る。
Yk=GXkAk 式5
ここで、
Figure 2022541647000004
および
Figure 2022541647000005
であり、Ykはベクトル形式の取得されたセンサ較正結果であり、Xkは行列形式(多項式表現)のセンサ較正値であり、Akは各エネルギー源kに対するベクトル形式の多項式係数である。各エネルギー源kに対する最適な最小二乗解は、以下の式を通じて計算され得る。
Figure 2022541647000006
ここで、
Figure 2022541647000007
である。上付き文字「-1」および「T」は、行列逆演算子および転置演算子を示す。行列Xkが正方である場合、(Xk)-1=(Xk TXk)-1Xk Tである。代替の実施形態では、「Method and System for Processing Data Streams」という表題の、米国特許出願第_______号において開示される技法および/またはシステムは、
Figure 2022541647000008
を計算するために使用され得る。この代替の技法は、回路および/または光学素子の飽和、非線形性、ならびに他の要因により、取得されたセンサ較正結果Ykに存在し得る異常値の影響を受けないままでありながら、
Figure 2022541647000009
のグローバルな最適解の効率的な数値計算を実現する。各エネルギー源kに対して計算される
Figure 2022541647000010
の値について、新しいセンサ較正設定が計算され得る。まず、デバイスファームウェアが、各エネルギー源に対する所望のセンサ較正結果(図28の飽和要素2820によって定義されるダイナミックレンジの制限内にある)のセットを作成し、または取り出す。
Figure 2022541647000011
ベクトル
Figure 2022541647000012
は、主要な目標センサ較正結果前後のデジタル信号2824のセンサ較正結果であり得る。たとえば、デジタル信号2824の主要な目標センサ較正結果が、飽和要素2820において定義されるフルダイナミックレンジの
Figure 2022541647000013
である場合、所望のセンサ較正結果は、飽和要素2820におけるフルダイナミックレンジの40%と60%の間の別個の値であり得る。次に、各エネルギー源k=1,2,...,nに対して、観察デバイスのデバイスファームウェアが、新しいセンサ較正値
Figure 2022541647000014
およびフロントエンド増幅器の調整可能な利得2816に対する新しい利得値
Figure 2022541647000015
を、xk(i)およびGについて式4の多項式を解くことによって計算し、
Figure 2022541647000016
および
Figure 2022541647000017
が、
Figure 2022541647000018
および
Figure 2022541647000019
を取得するために規定される。この計算は、多項式の根の分析および根発見方法によって、数値最適化技法によって、または、ykおよびGの値をxkにマッピングする点の2次元テーブルを、次数Pの各多項式kに対して1つずつ作成し、次いで新しいセンサ較正値
Figure 2022541647000020
(式8のための)と、飽和要素2820のダイナミックレンジ制限に違反することなく所望のセンサ較正結果
Figure 2022541647000021
(式7)に最も近い結果を生み出す新しい利得値
Figure 2022541647000022
とを選択することによって、達成され得る。ブロック2706における新しいセンサ較正設定は、式8の新しいセンサ較正値、および新しい利得値
Figure 2022541647000023
である。新しいセンサ較正値およびフロントエンド増幅器の調整可能な利得2816の新しい利得値を計算するために使用され得る別の技法は、xk(iTARGET)およびGについて式4を解くことであり、
Figure 2022541647000024
および
Figure 2022541647000025

Figure 2022541647000026
および
Figure 2022541647000027
を取得するために規定される。この計算は、k=1,2,...,nについての、(n+1)個の変数を伴う、利得Gにより結合されるn個の方程式系をもたらす。
Figure 2022541647000028
式9におけるxk(iTARGET)およびGの解は、多項式の根の分析および根発見方法によって、数値最適化技法によって、または、
Figure 2022541647000029
およびGの値をxkにマッピングする点の2次元テーブルを、次数Pの各多項式kに対して1つずつ作成し、次いで目標センサ較正値
Figure 2022541647000030
と、飽和要素2820のダイナミックレンジ制限に違反することなく最も近い目標センサ較正結果
Figure 2022541647000031
を生み出す新しい利得値
Figure 2022541647000032
とを選択することによって、決定され得る。所望のセンサ較正結果および新しいセンサ較正値を計算して、式7のベクトルエントリを完成させ、式8の集合要素を完成させるために、
Figure 2022541647000033
の値が、計算された
Figure 2022541647000034
の周辺で生成され、各値に対して、対応する
Figure 2022541647000035
が式4を介して直接計算され、
Figure 2022541647000036
である。言い換えると、式4の多項式は、yk(i)について解かれ、
Figure 2022541647000037
であり、
Figure 2022541647000038
が、飽和要素2820のダイナミックレンジ制限に違反することなく
Figure 2022541647000039
を取得するために規定される。新しいセンサ較正設定は、式8の新しいセンサ較正値、およびフロントエンド増幅器の調整可能な利得2816の新しい利得値
Figure 2022541647000040
である。
4. 図27のブロック2708および2710:各エネルギー源kに対して、観察デバイスのデバイスファームウェアが、新しいセンサ較正値
Figure 2022541647000041
(式8)およびフロントエンド増幅器の調整可能な利得2816の新しい利得値
Figure 2022541647000042
を決定し、対応する新しいセンサ較正結果を取得する。
5. 図27のブロック2712:新しいセンサ較正結果が、メトリクス(すなわち、最大絶対誤差、二乗平均平方根誤差など)の計算を介して式7から決定される所望のセンサ較正結果に近く(たとえば、所与の差分の範囲内にある)、飽和要素2820のダイナミックレンジ限界に違反しない場合、センサ較正プロセスが完了し、好ましいまたは最適なセンサ較正設定は、フロントエンド増幅器の調整可能な利得2816の新しい利得値
Figure 2022541647000043
および各エネルギー源k(すなわち、
Figure 2022541647000044
)に対する新しいセンサ較正値
Figure 2022541647000045
によって与えられる。それ以外の場合、観察デバイスのデバイスファームウェアは、番号を付けられた段落3において計算される新しい利得値および番号を付けられた段落3において計算されるセンサ較正値を使用して、番号を付けられた段落3(図27のブロック2706)から開始するセンサ較正プロセスを繰り返して行列Xkを組み立てて、番号を付けられた段落4(図27のブロック2708および2710)において取得される新しいセンサ較正結果を使用して、ベクトルYkを組み立てる。
いくつかの実施形態では、図27に示されるセンサ較正プロセスは反復的である。反復的なセンサ較正プロセスは、フレキシビリティを高め、エネルギー源2802のための未知の非線形関数のより簡単な近似(たとえば、一次多項式または二次多項式)を可能にすることができる。正しいあらかじめ定められたセンサ較正設定により、図27に示されるアルゴリズムの反復的なバージョンは、各反復におけるセンサ較正設定の計算を改善することができる。好ましいまたは最適なセンサ較正設定に達するために、通常は数回の反復が実行される。いくつかの実施形態では、式9を使用して番号を付けられた段落3における新しいセンサ較正設定を計算するとき(図27のブロック2706)、式9の各多項式kに対して、xk(iTARGET)およびGについて複数の解があり得る。たとえば、P=1およびn=2であり、iTARGET=1である(P+1)個のセンサ較正値があると考える。そうすると、式9は、3つの変数(たとえば、x1(1)、x2(1)、およびG)を伴う2つの方程式系になる。
Figure 2022541647000046
この劣決定方程式系(たとえば、独立した方程式の数より変数の数が多い)は、計算された解が実行可能なダイナミックレンジの範囲内にあるときはいつでも、複数の実行可能な解を可能にする。選ばれる解は、Gの最小値を生み出す解、Gの最高値を生み出す解、もしくはあらかじめ定められた目標値に最も近いG値を生み出す解、または、信号対雑音比を最大にすること、電力消費を最小にすること、電力消費および/もしくは信号対雑音比をあらかじめ定められた目標値に維持することなどのための、x1(1)、x2(1)、および/もしくはGの実行可能な値および/もしくは範囲を伴う何らかの他の基準による解であり得る。
観察デバイスのデバイスファームウェアは、最小の許容される利得値、最大の許容される利得値、または、エネルギー源1のための実行可能な目標センサ較正値
Figure 2022541647000047
およびエネルギー源2のための
Figure 2022541647000048
を生み出すG(フロントエンド増幅器の調整可能な利得2816)の任意の許容可能な新しい利得値を選ぶことができる。利得G(フロントエンド増幅器の調整可能な利得2816)の許容可能な値は通常、有限個の設定可能な利得値(たとえば、8、16、32、64、128など)を通常は有する、プログラム可能利得増幅器(PGA)の関数である。利得Gの値が選ばれると(すなわち、
Figure 2022541647000049
)、残りのセンサ較正値および所望のセンサ較正結果が、x1(2)を
Figure 2022541647000050
よりわずかに高いまたは低い値(たとえば、+/-10、+/-20など)である
Figure 2022541647000051
に設定し、x2(2)を
Figure 2022541647000052
よりわずかに高いまたは低い値(たとえば、+/-10、+/-20など)である
Figure 2022541647000053
に設定し、
Figure 2022541647000054
および
Figure 2022541647000055
について以下の式
Figure 2022541647000056
を解いて、所望のセンサ較正結果(すなわち、
Figure 2022541647000057

Figure 2022541647000058

Figure 2022541647000059
、および
Figure 2022541647000060
)、新しいセンサ較正値(すなわち、
Figure 2022541647000061

Figure 2022541647000062

Figure 2022541647000063
、および
Figure 2022541647000064
)、およびフロントエンド増幅器の調整可能な利得2816の新しい利得値
Figure 2022541647000065
を取得するための処理を完了することによって計算され得る。
一実施形態では、本明細書において説明される観察デバイス、ホストデバイス、ならびに関連する方法および装置は、人または動物に対して使用する臨床用パルスオキシメトリシステムを表し得る。図29は、ホストデバイスと組み合わせて使用されるとき、観察デバイスの例示的な技術仕様を図示する。他の実施形態は、図29に示される仕様のいずれにも限定されない。
一態様では、例示的な仕様2900は、設計によって、および生物適合性試験を通じて、EMCおよび電気的安全性試験によって、環境試験によって、ベンチテストによって、および/または臨床試験によって取得され得る。パルスオキシメトリシステムは通常、たとえば、いくつかの電気器具の安全規格、電磁適合性、およびFCC規格に適合していることの証明を得ている。例示的な規格は、限定はされないが、(i)IEC60601-1-2:2014 Medical Electrical Equipment - Part1-2: General requirements for basic safety and essential performance - Collateral Standard: Electromagnetic Compatibility - Requirements and Test. Safety Requirements for Electrical Equipment for Measurement. Control and Laboratory Use - Part 1: General Requirements、(ii)ANSI/AAMI ES 60601-1:2005/(登録商標)2012 Medical electrical equipment - Part 1:General requirement for basic safety and essential performance、および(iii)47 CFR Part 15 Subpart B Class B Devices and Innovation、Science、(iv)FCC Part 15, Subpart C and IC RSS-247、Issue 1、2015年5月を含み得る。
例示的な意図される使用法2902は、成人の、小児の、新生児の患者、ならびに動物の患者(獣医学での使用)の動脈ヘモグロビンの機能的酸素飽和度(SpO2)、脈拍数(PR)、脈波振幅(PA)、および/または灌流指数(PI)を測定して表示することなどの、使用法を示し得る。パルスオキシメトリシステムは、体動がない間およびある間の、ならびに/または、灌流が多い状態もしくは少ない状態の、人のユーザ(たとえば、患者)および動物の患者の継続的な観察を目的とし得る。例示的な意図される使用環境は、病院、診療所、医師の診察室、および家庭/住宅環境、ならびに、密閉区域、放牧地、および屋外であり得る。
臨床用のパルスオキシメトリシステムは一般に、パルスオキシメトリシステムが意図される使用法2902を満たすかどうかを証明するために臨床試験を受けている。たとえば、米国食品医薬品局(FDA)により認められているSpO2の正確さについての臨床研究の場合、パルスオキシメトリシステムは、適宜ISO 14155:2011に沿った、Non-Significant Risk(NSR)調査研究のためのCode of Federal Regulations(CFR)に従って、および、ISO 80601-2-61:2011, and Pulse Oximeters- Premarket Notifications Submissions [510(k)s] Guidance For Industry and Food and Drug Administration Staff(2013年3月4日発行)のパルスオキシメトリガイドラインの適用可能なセクションに従って、試験され得る。そのような臨床研究の目的は、CO-Oximetryにより評価される、動脈血液サンプルの70~100%の範囲のSaO2にわたる、人の被験者(指、額、こめかみ、耳など)に配置された医療機器を用いた、飽和度低下の間のSpO2の正確さおよび性能を査定することである。目的は、試験対象のパルスオキシメトリシステムのSpO2の正確さの性能を示すことである。通常、皮膚色が明るい人から暗い人にまでわたる、所与の数の被験者の集団(たとえば、少なくとも10人の健康な成人の被験者(男性および女性))が、そのような飽和度低下の研究に登録する。臨床試験の間、各被験者は、後ろに倒れた姿勢をとり、医療用の酸素および窒素を投与するための呼吸回路に接続されている。被験者の快適性のために、気体流の供給が調整される。気体の混合が、100%と70%の間のSaO2で安定した酸素飽和度の平坦域をもたらす様々なレベルの人工的な低酸素状態に向けて制御される。動脈血液サンプルが、試験対象のパルスオキシメトリシステムからの同時のデータ収集の間に取り込まれる。動脈血液サンプルは直ちに、SpO2の正確さの比較の基礎とするために機能的SaO2を提供する基準CO-Oximetryにより分析される。
図30は、反射ベースのパルスオキシメトリシステムの典型的なSpO2臨床性能を示す、例示的な散布図および例示的なBland-Altmanプロットを示す。示される実施形態では、散布図3000およびBland-Altmanプロット3002は、反射ベースのパルスオキシメトリシステムの典型的なSpO2臨床性能が70~100%のSaO2範囲にあることを図示する。例示的な性能メトリクス3004は一般に、多数の対になったサンプル(SaO2、SpO2)にわたって計算される、確度二乗平均平方根(Arms)、偏り、線形回帰、相関などである。図30に示される散布図3000およびBland-Altmanプロット3002では、70~100%のSaO2範囲にわたって均等に間隔が開いている943個の対になったサンプルが、性能メトリクス3004を計算するために使用された。
ユーザが、鼻カニューレまたはフェイスマスクにより、または高圧チャンバーの内部で、高濃度の酸素を与えられるような、医療、フィットネス、およびウェルネスへの応用がある。これらの応用は、一般に酸素療法と呼ばれる。酸素療法は、治療およびウェルネストリートメントとしての酸素の使用であり、一酸化炭素中毒の治療、頭痛の治療、麻酔手術の間の酸素濃度供給、および慢性的に酸素飽和度の低いユーザにおけるCOPD(嚢胞性線維症など)の治療に適用される。飛行士は、血中酸素飽和度を許容可能なレベルに保つために、高い高度において加圧されていないキャビンで航空機を操縦するとき、または緊急時に、経鼻酸素カニューレを使用し、または酸素マスクを装着することがある。アスリートは、パフォーマンスを高めるために経鼻酸素カニューレを使用することがあり、または運動の後により早く回復するためにある期間加圧された酸素チャンバーにとどまることがある。
通常、医療機器は、成人の患者が70~100%のSaO2の範囲にわたる酸素飽和度低下にさらされるような、前述の臨床研究を介して較正される。これらの患者は通常、正常な心肺系をもつ健康な成人である。通常、健康な成人の患者は、正常な動脈酸素分圧において、97~100%程度の高いSaO2の測定値を有する。しかしながら、それでも患者は、正常な動脈酸素分圧において酸素結合部位の一部がまだ埋まっていない、ある割合のヘモグロビンを有する。このことは、そのような患者またはユーザがより高濃度の酸素にさらされる場合(酸素療法の間など)、さらなるヘモグロビン部位が酸素分子に結合することを示唆する。しかしながら、この増加は従来の医療機器では捉えることができず、それは、それらの医療機器は、正常な動脈酸素分圧において100%のSpO2を測定するように較正されているからである。SpO2は飽和度(濃度)の尺度であるので100%に制限されるべきであるという慣習を、医学界および規制当局が採用しているので、より高い値は通常は100%に切り捨てられる。ここで見逃される可能性があるのは、100%の飽和度の値は飽和度低下の研究による器具の較正の結果であり、酸素療法を受けていない正常な心肺系をもつ患者、ユーザ、および動物の患者に適用可能であるという事実である。酸素療法を受けている患者には、100%より高い酸素飽和度の値を読み取れることは非常に有用であり、それは、(100%を超えるSpO2測定値に基づいて)特定の患者に適用されるべき酸素分圧設定に関して医師および/または看護者を導き、また、脆弱な心肺系をもつ(酸素療法を受けている)患者の治療のためのメトリックとして役立ち得るからである。患者およびユーザのSpO2の観察を通じて、酸素分圧設定を制御することはまた、酸素毒性(すなわち、細胞膜への酸化障害、網膜剥離など)を最小限にし、酸素の消費およびそれに関係する金銭的なコストを減らす。酸素毒性は、成熟していない乳児(新生児)、パイロット、宇宙飛行士、水中ダイバー、および高圧酸素チャンバーでの治療を受けている患者にとっての関心事である。
コオキシメータ(RadiometerからのABL90 FLEXなど)は、100%を超えるSaO2(たとえば、コオキシメータにより測定される血液中の動脈酸素飽和度)の指示範囲を提供する(ABL90 FLEXでは102%)。通常、ユーザは、「範囲外抑制」オプションを有効化して、コオキシメータが100%より高い値を報告するのを防ぐためのオプションを有する。これらのin-vitro機器のSaO2の正確さは、1%よりも良好である。測定誤差を考慮するために、ならびに、酸素療法を受けている患者に対して100%を超えるSaO2測定値を臨床医に提供するために、100%を超える指示範囲が備わっている。そのようなin-vitro機器(コオキシメータ)の不便な点は、継続的な測定を行うことができないこと、ならびに動脈血液サンプルが必要であることに関係している。したがって、100%を超えるSpO2の値を継続的に観察することもできる、ホストデバイスと組み合わせて動作する本明細書において開示される観察デバイスなどの非侵襲的なパルスオキシメトリシステムは、酸素療法が必要とされもしくは採用されるような、または酸素毒性が問題になるような、臨床環境および非臨床環境においては、非常に貴重であり得る。
図31は、パルスオキシメトリシステムの典型的な較正曲線(calcurve)の例示的な実験の点(丸)を示す。図31のcalcurve3100は、パルスオキシメトリシステム(たとえば、観察デバイスおよびホストデバイス)によって生み出される光学比(赤対赤外線)をSpO2値へとマッピングする。そのようなcalcurveは通常、ユーザが酸素飽和度低下にさらされるような前述のものなどの臨床研究によって実験的に、光子拡散法(たとえば、ボルツマン方程式)を使用した光学的および生理学的なモデリングを介して、または、モデリングと実験データの組合せを介して得られる。観察デバイスおよびホストデバイスが100%を超えるSpO2の値を測定して表示することを可能にするために、calcurveは100%を超えるSaO2値について外挿される。示される実験的なcalcurve3100では、0.42の赤対赤外線の比が100%のSpO2に対応する。calcurve3100を外挿するために、実験の点に曲線をフィッティングすることができ、そして得られた曲線の式を使用して、0.42未満の赤対赤外線の比(すなわち、100%を超えるSpO2値)について外挿することができる。破線3102は、実験の点が二次多項式にフィッティングされた後の滑らかな外挿を表す。いくつかの実施形態では、得られるcalcurve多項式は以下の式によって定義される。
y=-16.79x2-8.19x+106.43 式12
ここで、xは赤対赤外線の比の値であり、yはSpO2値である。「赤対赤外線」の比は、必ずしも2つの量の除算(赤のフォトプレチスモグラフ割る赤外のフォトプレチスモグラフ)により取得または計算されるのではない。数値的な安定性、ノイズ、および干渉により、本明細書において説明される実施形態(すなわち、図41A~図41H、図42、および図43)などの、2つの関心対象の量の間の最良の線形関係を見つける反復的な方法で、除算が置き換えられることがある。計算された線形関係は、その比の推定となり、式12においてxの値として使用され得る。「赤対赤外線」の比は、式32に示されるレシオメトリック関数形式、または反復的な方法を通じて解かれる代数ループを伴う何らかの他の関数形式などの、赤、赤外線、および他の波長のフォトプレチスモグラフ振幅間のより複雑なレシオメトリック関係を表すこともできる。
三次、指数などの他のフィッティングが、同様の結果を生み出すために使用され得る。加えて、光子拡散モデルと組み合わせられた条件付き最適化(フィッティング)が、所与の名目酸素分圧に対して、calcurve実験(モデル)データとヒルの式(より高い正確さのために三次の項を伴う、たとえばSimple, Accurate Equations for Human Blood O2 Dissociation Computations.J.Appl.Physiol: Respirat.Environ.Exercise Physiol.46(3):599~602頁、1979.Revisions,1999,2002,2007においてJohn W.Severinghausにより開示されるようなもの)との両方を満たす外挿された曲線を見つけるために適用され得る。図31はまた、外挿されたSpO2 calcurve3100の拡大図3104を示す。
図29に戻ると、SpO2の測定範囲は、「SpO2範囲外抑制」が有効である状態2904と無効である状態2906について示されている。一実施形態では、拡大されたSpO2範囲の最大値は107%であってもよく、これは、0に等しい赤対赤外線の比に対する延長されたcalcurve(たとえば、図31のcalcurve3102)から計算されるSpO2値を切り上げることにより得ることができる。採用されるcalcurve、ユーザ集団、および/または適用例に応じて、他のより低いまたは高い最大値が使用され得る。100%を超えるSpO2値を提供するための例示的な方法が、図32および図73に関連して示されより詳しく論じられる。
拡大図3104を伴う図31の外挿されたSpO2 calcurve3102を実装する別の態様は、パルスオキシメータ機器の基本的な安全性および必須の性能の規格である、ISO 80601-2-61:2011において記述される推奨に関する。ISO 80601-2-61:2011(セクションEE.2.3.4 Data analysis)によれば、侵襲的な制御された飽和度低下研究のデータ分析は、次のように実行されるべきである。「表示されるSpO2に上限(たとえば、99%または100%)を設けるパルスオキシメータモニタでは、Armsの結果を偏らせない手段が使用されるべきである。例1 - SpO2測定値が表示上限未満であるような観測値のみを含める。例2 - SpO2=100%である値の重みを統計的に下げる(たとえば、生存率データの分析で行われるように、100%という観測値を検閲されるものとして扱う)。例3 - SpO2>100%の値を記録するようにデータ収集システムを構成する。」したがって、「例3」は、試験対象のパルスオキシメトリシステムのSpO2 Armsの正確さを計算するために、(制御された飽和度低下の臨床研究の間に)パルスオキシメトリシステムによる100%を超えるSpO2データの収集を可能にする。「例1」および「例2」などの特別な考慮または例外は必要ではない。「例3」は、外挿されたSpO2 calcurve(たとえば、calcurve3102)によって可能にされ、「SpO2範囲外抑制」設定は無効にされる。
酸素療法を受けているユーザを観察するための、アドホックなプロプライエタリインデックスを表示する他のパルスオキシメトリソリューションがある。これらの実装形態では、インデックスは通常0から1まで変動し、0の値は恣意的な下限に対応し、1は恣意的な上限に対応する。この手法は混乱を招くことがあり、臨床医にとってあまり実用的ではない。臨床医は通常、普通のスケール単位と範囲でSpO2の値を解釈するように訓練されている。標準的な範囲(0~100%)におけるSpO2の値と同じスケールで、100%を超えるSpO2値を表示することは自然であるだけではなく、医師および他の健康管理従事者が、(標準的なスケールでSpO2測定値を解釈する限り)自分の臨床経験を活かし、酸素療法を受けているユーザについてより正確な臨床上の決定を行うことも可能にする。インデックスの使用は、科学的な原理に基づかない。インデックスの使用は、医療機器の製造業者が、科学的な方法に基づく正確さについての主張または臨床的な妥当性確認を行うことなく、酸素療法の間の観察能力について主張できるようにするための戦略であることがある。加えて、インデックスは単位のないスケールを使用するので、製造業者は、自分の戦略に合った、そして科学的な方法および原理に必ずしも沿わない測定原理を、自由に公開できる。calcurve3102などの外挿されたSpO2 calcurveは、酸素療法を受けているユーザから、ならびに、特定の生理学的条件および/または環境条件によりSpO2の基準線が上方に移っているユーザ全般から、100%を超えるSpO2値を測定して表示するための、モデルベースおよびデータベースの手法である。外挿されたSpO2 calcurveは、現在市場にある恣意的でアドホックなインデックスの、科学に基づく代替物を提供する。
図32は、100パーセントを超えるSpO2値を提供する例示的な方法のフローチャートを図示する。最初に、「SpO2範囲外抑制」が無効であるかどうかについての決定が、ブロック3200において行われる。一実施形態では、範囲外抑制は、ユーザインターフェース画面における設定(たとえば、図75の設定7502)を使用して無効にされる。範囲外抑制が有効である(たとえば、範囲外抑制が無効にされていない)場合、プロセスはブロック3202に進み、そこで、SpO2値が、100%という最大のSpO2値を有するcalcurveまたはプロットを使用して決定される。100%を超えるあらゆるSpO2値は、100%に切り捨てられ得る。次いで、1つまたは複数のSpO2値が、100%以下の整数として出力デバイス(たとえば、ディスプレイ)に提供される(ブロック3204)。
範囲外抑制が無効であるという決定がブロック3200において行われると、方法はブロック3206に続き、そこで、SpO2値が、100%を超える最大値を有するcalcurveまたはプロットを使用して決定される。たとえば、前に説明されたように、最大値は107%であり得る。calcurveは、100%を超える光学比(赤対赤外線)を含み、または表す。いくつかの事例では、値に曲線をフィッティングすることができ、そして、得られた曲線の式を使用して、100%を超えるSpO2値を外挿することができる。
ブロック3208において、SpO2値が、出力デバイス(たとえば、ディスプレイ)に提供され、整数により、および任意選択で1つまたは複数の小数位の値(たとえば、小数点第一位までの値、小数点第二位までの値など)により表される。任意選択で、アラームのためのSpO2値の上限は、ブロック3210において100%を超える値(たとえば、100%を超える最大値)に自動的に調整され得る。たとえば、図75に示されるように、SpO2アラーム限界設定7504の上限は、100%より高い値に自動的に調整され得る。
図33は、観察デバイスが実行中でありホストデバイスに接続される間に実行される例示的な動作のフローチャートを示す。最初に、データストリームは、観察デバイスから取得される(ブロック3300)。デシメーションプロセスを通じた平均化を可能にするために、データストリームの固有の周波数帯域幅(たとえば、10Hz、20Hz、100Hzなど)と比較して相対的に高いサンプリング周波数(たとえば、4kHz、20kHzなど)で、信号対雑音比の要件に応じたデータストリームが取得され得る。データ取得の比較的高いサンプリング周波数はまた、エネルギー源(光学的な、電気的な、機械的な、など)によって時間多重化されて変調され得るデータストリームの正しい変調および逆多重化も可能にし得る。
ある例示的な実施形態では、観察デバイスは、赤色または赤外線の光源(たとえば、図1の光源113)を使用して、酸素飽和度および脈拍数を測定する。時間多重化され変調された赤色および赤外線の光が、観察デバイス(たとえば、フロントエンド回路)によって生成され、測定部位に当てられる。赤色および赤外線の光は、血液灌流のある真皮を貫通して、心臓の脈動信号と相互作用し、脈動成分を伴う時間多重化され変調された赤色および赤外線の光信号を作り出す(フォトプレチスモグラフ)。赤色および赤外線の光信号は、観察デバイス(たとえば、フロントエンド回路)の1つまたは複数の光検出器(たとえば、図1の光検出器114)によって獲得され、アナログデジタルコンバータを通じて離散時間デジタルサンプルに変換される。離散時間デジタルサンプルのシーケンスは、ブロック3300において取得されるデータストリームを形成する。
ブロック3302において、1つまたは複数のデータストリームが、個々のデータストリームを生み出すために復調され逆多重化される。限定しない例では、逆多重化および復調プロセスは、赤色の光信号に対して1つ、および赤外線の光信号に対してもう1つの、2つのデータストリームを生み出す。補助データストリームも、復調および/または逆多重化され得る。たとえば、観察デバイスはまた、各タイムスロットが、電流、抵抗、もしくは電圧の変数、温度の変数、デジタルカウンタの変数、または診断の変数に由来し得る値を提供するような、時間多重化されたデータストリームも生み出し得る。補助データストリームは、各々の時間多重化された変数に対して1つの、多数のデータストリームを生み出すために、ブロック3302において逆多重化される。
次に、ブロック3304において示されるように、逆多重化されたデータストリームはデシメーションプロセスにより操作され、ここで、逆多重化されたデータストリームのサンプリングレートおよび周波数帯域幅は、信号処理要件を最小にするために、電力消費を減らすために、および/またはデシメーションフィルタによる平均化を通じて信号対雑音比を高めるために低減される。ブロック3302および3304において、任意の適切な復調技法およびデシメーション技法が使用され得る。たとえば、一実施形態では、「Method And System For Symmetric Square-Wave Demodulation」という表題の米国特許出願第_______号において開示される、復調ならびにデシメーション技法および/またはシステムが、ブロック3300において観察デバイスにより生み出される個別のデータストリームを復調し、逆多重化し、デシメートするために、ブロック3302および3304において使用され得る。
ブロック3306において、補助データストリームが、所望のサンプリング周波数に応じてデシメートまたは補間され得る。たとえば、測定部位の温度(観察デバイスが額に配置されるときのユーザの深部体温に関係する)は、ユーザの深部体温の周波数帯域幅が通常は5Hzよりはるかに低いことを考慮して、1kHzのサンプリングレートで収集され、5Hzにデシメートされ得る。補助データストリームのタイプに応じて、補助データストリームのすべてが同じサンプリング周波数を有するようになるようにサンプリングレートを上げるために、補間が実行され得る。全体として合理的なデシメーション係数を達成するために、デシメーションの前にも補間が使用され得る。
ブロック3308において、追加の計算が実行される。追加の計算は、データストリームおよび変数のスケールの変換、電気的な飽和の検出、または観察デバイスのデバイスファームウェアによって、もしくはそのために実行される任意の他の計算のための動作であり得る。ブロック3310において、電池のエネルギーの減少を反映するために、インクリメント(またはデクリメント)を用いて、残量計の使用カウンタデータ構造が更新される。残量計の例示的な使用カウンタは、図52に関連してより詳しく説明される。
ブロック3312において、復調された、逆多重化された、およびデシメートされたデータストリームと補助データストリーム(もしあれば)が、他の任意選択のパラメータおよび変数とともに、ホストデバイスに送信される。データストリームは、ホストデバイスによってリアルタイムで受信され、一実施形態では、ホストデバイスによってさらに処理される。ブロック3904(図39)において図示されるものなどのある例示的な実施形態では、データストリームは、非線形関数(対数、双曲線、指数、多項式関数など)、線形関数、またはアフィン関数を通され、得られたデータストリームは、正規化されたデータストリームを得るために、線形または非線形のローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、もしくはハイパスフィルタへと供給される。正規化されたデータストリームは、図41A~図41H、図42、および図43の実施形態に示されるように、ホストデバイスのホストソフトウェアによって使用される。
次に、ブロック3314に示されるように、ウォッチドッグタイマーの割り込みが作動して観察デバイスの正常な動作を止めるのを防ぐために、ウォッチドッグタイマーが更新される。例示的なウォッチドッグタイマーは、図49に関連してより詳しく説明される。
図34~図38は、ホストデバイスによって実行され得る測定データを処理する異なる例示的な方法を図示する。図34は、観察デバイスから受信される測定データを処理する例示的な方法を示すフローチャートを図示する。示される方法は、測定データをモデルにフィッティングし、そのモデルに基づいて、1つまたは複数の生理学的パラメータ(たとえば、PR、SpO2、PI)を決定する。適用例に応じて、図34の方法は一度実行され、または方法は所与の回数繰り返す。たとえば、観察デバイスと組み合わせて動作している間、図34に示される方法は、測定データの1つまたは複数のストリームが受信される限り繰り返し得る。限定されない例において、図34の方法は実質的に0.75秒ごとに繰り返す。
最初に、ブロック3400に示されるように、測定データのストリームが受信される。一実施形態では、測定データのストリームは、測定データの時間多重化され変調されたデジタルストリームである。ある観察デバイスの実施形態では、測定データのストリームは、所与のサンプリング周波数(たとえば、4kHz)で観察デバイスによって獲得される任意の適切な数の測定サンプルを表す。一実施形態では、測定データのストリームは観察デバイスによって継続的に獲得されるが、他の実施形態はこの実装形態に限定されない。
次いで、ブロック3402において、各波長チャネル(たとえば、赤、赤外線など)のための個別のデータストリームを生み出すために、測定データのストリームが復調されてフィルタリングされる。任意の適切な復調技法が使用され得る。ある限定しない例示的な実施形態では、復調システムは、2018年11月21日に出願された同時係属中の米国特許出願第16/198,550号において開示されるような、フィルタデバイスに動作可能に接続されるマルチチャネル対称方形波復調器デバイスを含み得る。フィルタデバイスは、単段または多段フィルタデバイスとして実装され得る。いくつかの実施形態では、復調器デバイスおよび/またはフィルタデバイスはデシメーションを実行し、ここで、サンプリング周波数は、信号処理の要件、ワイヤレス帯域幅、および/または電力消費を減らすために、より低い値に(たとえば、4kHzから1kHz、1kHzから50Hzに)下げられる。追加または代替として、復調システムおよび技法は、あらかじめ定められた連続する周波数範囲(すなわち、0Hzから800Hz)内の大半のまたは実質的にすべての干渉信号を除去することが可能である。
いくつかの態様では、各々の個別のデータストリームは、フォトプレチスモグラフデータストリームである。ブロック3404において、各々の個別のデータストリームが正規化される。一実施形態では、各データストリームのログが取られ、バンドパスフィルタを通されて、各波長チャネルのためのフォトプレチスモグラフデータストリームを生み出す。
次に、ブロック3406において、フォトプレチスモグラフデータストリームが、数値ソルバーデバイスによって処理され、費用関数を最小にする最適化変数を計算または推定して、1つまたは複数のフォトプレチスモグラフモデルを生み出す。一実施形態では、フォトプレチスモグラフデータストリームは、特定の適用例に適した任意のサイズのデータバッチで処理される。たとえば、ある観察デバイスについて、データバッチサイズは、数秒のデータと等価であり(たとえば、5秒にわたって収集される250個のサンプル)、ある時間間隔(たとえば、0.75秒)ごとにリアルタイムで更新され得る。
一態様では、数値ソルバーは、データストリームを、最適化変数によってパラメータ化されたインデクシングされたフォトプレチスモグラフモデルの系列と比較することができる。たとえば、1BPMのステップで25BPMから250BPMまでの各々の脈拍数(PR)値に対して、数値ソルバーデバイスは、費用関数を最小にする最適化変数の値を計算して、所与のデータストリームに対する最良のフォトプレチスモグラフモデルを生み出す。2018年11月21日に出願された同時係属中の米国特許出願第16/198,504号において開示されるように、一実施形態では、費用関数を以下の式によって定義することができ、
Figure 2022541647000066
ここで、k≧mであるA∈Rk×mは不変の行列であり、i=1,2,...nであるbi∈Rkは不変のベクトルであり、x∈Rmおよびz=[z1 z2 … zn]T∈Rnは最適化可変ベクトルであり、上付き文字Tは転置演算子である。
数値ソルバーデバイスおよびその対応するPR値に基づいて生み出される各フォトプレチスモグラフモデルは、データ点(ペア)であると考えられる。結果として、この例では、フォトプレチスモグラフモデルは、PR値によってインデクシングされる。費用関数が式13によって与えられる場合、各フォトプレチスモグラフモデルは、ベクトルAxおよびスケーリング係数ziによって表され、フォトプレチスモグラフデータストリームはベクトルbiによって表される。最適化変数は、ベクトルxおよびスケーリング係数ziである。行列Aの各列は、背後にある適用例または現象に関する情報を提供する。一実施形態では、行列AはPR値によってインデクシングされる(その関数である)。結果として、行列Aのエントリは、各PR値に対して変化し、このことは、式1の費用関数を最小にするxおよびスケーリング係数ziに対する最適な解を変える。
次に、ブロック3408において示されるように、1つまたは複数のメトリクスは、フォトプレチスモグラフモデルを基準のフォトプレチスモグラフモデルと比較することによって、PR値によってインデクシングされる各フォトプレチスモグラフモデルに対して計算される。基準のフォトプレチスモグラフモデルは、測定データと関連付けられるユーザのための最良のまたは選択されたフォトプレチスモグラフモデルを表す。一実施形態では、1つまたは複数のメトリクスは、フォトプレチスモグラフモデルと関連付けられる。例示的なメトリクスは、限定はされないが、二乗平均平方根確度(Arms)、相関、L2ノルム、L1ノルム、Linfノルム、パワー、相関、および高調波および形態分析一致を含む。1つまたは複数のメトリクスはPR値によりインデクシングされるフォトプレチスモグラフモデルから計算されるので、1つまたは複数のメトリクスも同じPR値によりインデクシングされる。
たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の計算されたメトリクスが対応する基準メトリクスにどれだけ近いか、または類似しているかを決定するために、1つまたは複数の計算されたメトリクスが、基準フォトプレチスモグラフモデル(基準メトリクス)と関連付けられる対応するメトリクスと比較される。追加または代替として、各フォトプレチスモグラフモデルが基準フォトプレチスモグラフモデルにどれだけ類似しているか、または類似していないかを決定するために、各フォトプレチスモグラフモデルの形状が、基準フォトプレチスモグラフモデルの形状と比較される。いくつかの実施形態では、二乗平均平方根確度(Arms)、相関、L2ノルム、L1ノルム、Linfノルム、相関、ならびに高調波および形態分析一致などのメトリクスは、フォトプレチスモグラフモデルと基準フォトプレチスモグラフモデルとの間の追従性(形状の類似性)の程度を評価するために使用され得る。
ブロック3410において、最適なフォトプレチスモグラフモデルが、各波長チャネルのために選択または決定され、1つまたは複数の関心対象の値が推定または計算される。関心対象の値は、SpO2、PR、PA、PI、および/または関心対象の他の生理学的パラメータなどの、生理学的パラメータの関心対象の値を含み得る。関心対象の値は、分類基準(アルゴリズム)を計算されたメトリクス(すなわち、最大値、最小値、値の比、線形および非線形の分類アルゴリズムなど)を適用することによって計算される。たとえば、所与の赤および赤外線のデータストリームに対して、PRの最良の推定値は、対応するフォトプレチスモグラフモデルのArms誤差値(直近の基準フォトプレチスモグラフモデルと比較したときの)が指定された閾値未満である限り、最大の正規化されたパワーをもつフォトプレチスモグラフモデルを生み出すPR値を選ぶことによって取得され得る。SpO2およびPIの最良の推定値は、PRの最良の推定値を生み出したフォトプレチスモグラフモデルからスケーリング係数(赤および赤外線の振幅)を介して計算され得る。
次いで、関心対象の値の部分集合を生み出すために、1つまたは複数の異常値が関心対象の推定された値から除去される。いくつかの実施形態では、関心対象の値の平均の推定値が、ブロック3412において生み出される。異常値を除去するために任意の適切な技法が使用され得る。
関心対象の値の部分集合は次いで、記憶デバイス(たとえば、メモリ)および/または出力デバイスに提供される(ブロック3414)。たとえば、関心対象の1つまたは複数の値がディスプレイに表示され得る。次に、ブロック3416に示されるように、基準フォトプレチスモグラフモデルが、関心対象の値の部分集合および/または最適なフォトプレチスモグラフモデル(たとえば、関連する最適化変数)に基づいて更新される。一実施形態では、基準フォトプレチスモグラフモデルは、現在の基準フォトプレチスモグラフモデルと最適なフォトプレチスモグラフモデルの加重平均を生み出す更新規則を介して更新される。
図35は、測定データの脈波振幅(PA)対数ボラティリティまたは灌流指数(PI)対数ボラティリティを計算する例示的な方法のフローチャートを示す。PAまたはPI対数ボラティリティは、脈波振幅または灌流指数の短期的な変動性を表す。たとえば、図66Oに示されるプロセスが、図66Lに図示されるPI対数ボラティリティ分布を生み出すことができる。
最初に、ブロック3500に示されるように、測定データストリームの中の測定データが正規化される。限定しない例では、測定データは、測定データの自然対数を決定することによって正規化される。たとえば、測定データストリームは、PA、PI、PR、温度、またはSpO2測定データストリームであり得る。
次に、ブロック3502において、正規化された測定データは、元の測定データストリームの正規化された変動性を表す対称のまたは非対称のデータストリームを(原点の周囲に)生み出すようにフィルタリングされる。一実施形態では、正規化された測定データをフィルタリングするために、バンドパスフィルタが使用される。ブロック3504において、変動性の値のすべてを正にするために、測定データの絶対値が決定される。ブロック3506において、対数ボラティリティデータストリームを取得するために、測定データがフィルタリングされる。一実施形態では、測定データは、平均化の目的でローパスフィルタによってフィルタリングされる。得られる測定データは、元の測定データストリームの経時的な対数ボラティリティを表す。たとえば、ボラティリティメトリクスおよび/または確率分布を決定するために、得られる測定データに統計分析(ブロック3508)が適用され得る。
図36は、測定データの脈拍数(PR)ボラティリティを計算する例示的な方法のフローチャートを図示する。PRボラティリティは、心拍数(または脈拍数)の短期的な変動性を表す。たとえば、図36に図示される方法は、図66Kに図示されるPRボラティリティ分布を生み出すことができる。
図10Oの方法により生み出される、結果として生じるデータとは異なり、図36に示されるプロセスにより生み出されるPRボラティリティの尺度は、元の測定データストリームと同じ単位を有する。図36の方法は、図36では省略されるブロック3500を除き、図35の方法と同じプロセスである。したがって、ブロック3600において、正規化されていない測定データがフィルタリングされる。いくつかの実施形態では、ブロック3504および3506が図36の方法から省略されてもよく、統計分析(ブロック3508)がブロック3600の後に実行される。
ブロック3504および3506が省略される実施形態では、データは正の値および負の値を有し得る。次いで、指し挟まれる確率分布が原点の周囲で対称であることまたは非対称であることを考慮して、ブロック3508において、結果として生じる統計が計算される。たとえば、いくつかの実施形態では、平均値は0であり得るが、ブロック3504が使用されないので、二次モーメント(たとえば、分散、標準偏差)またはより高次のモーメントは0ではないことがある。したがって、ブロック3504および3506が省略される実施形態では、背後にあるデータのボラティリティおよび変動性を表すことに、二次モーメントまたはより高次のモーメントが充当され得る。また、いくつかの事例では、図66Kおよび図66Lにそれぞれ図示されるPRボラティリティ分布およびPI対数ボラティリティ分布は、経時的なPRボラティリティおよびPI対数ボラティリティを示す報告により置き換えられ得る。
図37は、測定データの自然対数ボラティリティを計算する例示的な方法のフローチャートを示す。示される方法は、図35に示される方法の一般化である。したがって、図35のブロックのいくつかは、図37に示されるプロセスの中にあり、簡潔にするためにより詳しく説明されない。
最初に、ブロック3500に示されるように、測定データストリームの中の測定データが正規化される。限定しない例では、測定データは、測定データの自然対数を決定することによって正規化される。次に、ブロック3502に示されるように、正規化された測定データは、元の測定データストリームの正規化された変動性を表す(原点の周囲で)対称のデータストリームを生み出すようにフィルタリングされる。ブロック3504において、測定データの絶対値が、変動性の値のすべてを正に変えるために決定される。
次に、ブロック3700において示されるように、測定データがn乗される。数nは任意の正の数であり得る。n=1では、図37において説明されるアルゴリズムは、図35において説明されるアルゴリズムと同一になる。次いで、ブロック3506において、測定データがフィルタリングされる。次に、測定データの振幅に基づいて、各測定データサンプルのためのより大きいまたは小さい重みをもたらすために、データのn乗根が決定される(ブロック3702)。ブロック3702は、測定データを、測定データストリームの中の元の測定データと同じスケールに戻すように変換する。一実施形態では、ブロック3506および3700は同時に実行される。たとえば、ボラティリティメトリクスおよび/または確率分布を決定するために、統計分析(ブロック3508)が、結果として生じる測定データに適用され得る。
図38は、測定データの自然対数ボラティリティを計算する方法のフローチャートを図示する。図38の方法は、図38において省略されているブロック3500を除き、図37の方法と同じプロセスである。したがって、ブロック3800において、正規化されていない測定データがフィルタリングされる。いくつかの実施形態では、測定結果の振幅に基づいて、計算されたボラティリティの値が測定データと同じであるとき(正規化なし)、およびブロック3702を介したより大きいまたは小さい重みが各測定データサンプルに対して必要とされるとき、データストリームのボラティリティを計算するために、図38の方法が使用され得る。
図39~図46は、観察デバイスによって生み出されるデータストリームを処理するためのリアルタイム測定アルゴリズムの実施形態を図示する。リアルタイムデータは、観察デバイスから受信され、ホストデバイスによって測定アルゴリズムに供給される。一実施形態では、アルゴリズムは、ホストソフトウェアが状態3(状態2514)にあるときはホストソフトウェアによって、および状態4(状態2618)にあるデバイスファームウェアによって、実行される。
図39は、測定アルゴリズムの状態空間表現を利用するハイブリッドシステムを説明するために使用される。ハイブリッドシステムは、連続的な動的挙動と離散的な動的挙動の両方を示すシステムである。ハイブリッドシステムは、浮動小数点数、固定小数点数、整数、離散値、リテラルの形式の、入力、出力、状態、および定数を有する。ホストソフトウェアへの例示的な入力は、限定はされないが、データストリームおよび波形、データストリームおよび波形バッチ、測定部位の温度、気圧、湿度、身長、体重、およびボディレート(body rate)、画像、動画、加速度、速度、位置、時間、および日付、電池の電圧と温度、マイクロプロセッサのクロック周波数と温度、回路負荷、電流、電圧、周辺光、カウンタ、タイマー、電気的利得、および光学的利得の値、視覚的な、聴覚的な、嗅覚的な、および/または触覚的な情報を含む。ホストソフトウェアからの、またはホストソフトウェアによる限定しない例示的な出力は、測定値、傾向、変化率、より高次の変化率、比率、積、および測定値の他の派生物、パフォーマンスの、予想の、および診断のメトリクス、モデルパラメータ、計器、チャート、画像を、動画を、メッセージを、および通知を伴うデータ構造、ならびに、視覚的な、聴覚的な、嗅覚的な、および触覚的な情報などである。出力は、状態、入力、および/または定数の知識により完全に規定される。
ホストソフトウェアの例示的な状態(すなわち、システムのすべての可能な構成および/または挙動を完全に規定する変数および/またはパラメータの集合)は、限定はされないが、アレイ、ベクトル、行列、構造、クラス、多次元データ構造、データストリームおよび波形、データストリームおよび波形バッチ、画像および動画を伴うデータ構造、正規化されたパワー、相関、二乗平均平方根確度、モデルパラメータ、測定結果、限界の、最大の、平均の、メジアンの、およびモデルの値、モデル、基準モデル、最適モデル、探索間隔、経過時間、信号パワー測定値、ベクトルおよび行列ノルム、相関、分散、共分散、標準偏差、確率分布、より高次の確率分散モーメント、確度、誤差、測定値および傾向、変化率、より高次の変化率、比率、積、および測定値と中間値の他の派生物、パフォーマンスの、予想の、および診断のメトリクス、視覚的な、聴覚的な、嗅覚的な、および触覚的な情報などの、バッファおよびインデクシングされたバッファ、フィルタ状態、入力および出力、カウンタ、タイマー、温度、気圧、湿度、身長、体重、およびボディレート、電流の、電圧の、抵抗の、経過時間の、周辺光の、および強度の値、ならびに/または、入力および定数が知られている限り各エポック(たとえば、各々の所与の期間)においてホストソフトウェアの動的挙動を完全に規定するために使用される任意の他の変数もしくは中間値などの、フィルタバッファを含む。
ホストソフトウェアにおける限定しない例示的な定数は、データ転送ブロックサイズ、フィルタ定数、離散的なおよび連続的な範囲、値、アレイ、ベクトル、行列、構造、およびクラスの形式のモデル定数、限界定数、閾値、平均化時定数、時定数、タイムアウト定数、較正曲線、範囲、閾値、限界、高調波の数、および/または一般に基数、エポックもしくはサンプルにおける平均化時間、サンプリング周波数、窓関数と窓パラメータ、インデクシングされたバッファ、アレイ、ベクトル、行列、またはモデル定数および基準モデル定数を含む多次元データ構造、パラメータリフレッシュレート、表示レート、およびタイムアウトレート、フィルタパラメータ、データ認証、符号化、および復号のための、ならびに/または暗号化および暗号化解除のための、テーブルとデータ構造である。
図39は、ホストデバイスによって実行される例示的な状態表現動作のフローチャートを図示する。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムにおけるデータは、離散期間において処理される。そのような実施形態では、示されるプロセスは各エポック(たとえば、各々の離散期間)のために実行される。他の実施形態では、エポックは、ハイブリッドシステムの動的な挙動および展開を定義することもできる、他の外因性の変数(位置、速度、加速度、温度、気圧、コンピュータ反復など)を指し得る。
最初に、1つまたは複数の定数が初期化され、入力、出力、および現在の状態変数(すなわち、現在のエポックにおいて定義される状態変数)は、1つまたは複数の初期化された定数および/または1つまたは複数のデフォルト値を使用して初期化される(それぞれ、ブロック3900および3902)。リアルタイムデータは、観察デバイスからホストデバイスによって受信される(ブロック3904)。いくつかの実施形態では、リアルタイムデータは、データストリームをフィルタリングおよび/または正規化するために処理される。正規化プロセスの一例は、非線形関数(たとえば、対数、双曲線、指数、多項式関数など)、線形関数、またはアフィン関数にデータストリームを供給し、次いで得られたデータストリームを線形のもしくは非線形のローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、またはハイパスフィルタに供給して、正規化されたデータストリームを得る。
次に、ブロック3906に示されるように、次の状態および出力が、1つまたは複数の入力、現在の状態、および1つまたは複数の定数から計算される。次いで、現在の状態が、計算された次の状態から更新される(ブロック3908)。表示され、共有され、および/または記憶されるデータが、任意のアラーム、残量計(たとえば、電池アイコン)、および/または通知とともに更新される(ブロック3910)。
前に述べられたように、図39に示される方法は、各エポック(たとえば、各期間)のために実行され得る。ブロック3912は、ある長さの時間(エポック)が経過したことと、プロセスが次の反復のためにブロック3904に戻ることができることとを知らせる事象の検出を表す。ブロック3912において、処理すべきデータを有する新しいエポックがあるかどうかについての決定が行われる。ある場合、方法はブロック3904に戻り、ブロック3904、3906、3908、3910、および3912が繰り返す。新しいエポックがないという決定がブロック3912において行われると、新しいエポックがあるまでプロセスはブロック3912において待機する。
図40は、図39に示されるブロック3900において実行され得る例示的な動作のフローチャートを示す。最初に、ブロック4000に示されるように、1つまたは複数の限界および範囲、バッファサイズ、フィルタ、時定数、閾値、サンプリング設定、測定設定、平均化設定、および/またはモデル更新設定が、医療および/またはフィットネスとウェルネスにおける特定の観察の用途または用途のセットに適した値を用いて初期化される。次に、インデクシングされたモデルの系列のための1つまたは複数のパラメータ定数が、ブロック4002において初期化される。インデクシングされたモデルの系列のためのパラメータ定数は、次元、式の数、式のタイプ、式のパラメータ、動作領域、可変のサイズおよびタイプ、限界、閾値、トポロジー、アーキテクチャ、アルゴリズム構成、および/または定数を、インデクシングされたモデルの系列の初期化と計算のために使用されるインデクシングされたモデルの数学的な演算子から定義することができる。
ブロック4002において、「インデクシングされたモデルの系列」という用語が使用される。インデクシングされたモデルの系列は、1つまたは複数の調整可能なパラメータまたは最適化変数によってパラメータ化される式の集合である。最適化変数は、データセットを最適に再現するモデルを選択して調整するように、所与のデータセットに対して計算されなければならない。モデルの最適化変数の一部を、効率的なアルゴリズムまたは最適化問題を通じて計算できないときには常に、指定されるデータセットにモデルを最も良くフィッティングする値を決定するために、最適化変数がある範囲内で複数のステップにおいて試験され(変化させられ)なければならない。図40において、そのような最適化変数はモデルのためのインデックスと呼ばれ、それは、最適化変数がある数の離散値または離散的な部分範囲内で変化させられ、そのような値または離散的な部分範囲がモデルに影響する(モデルをインデクシングする)からである。たとえば、ユーザの心臓の活動から取得される、パルスオキシメータ、パルスコオキシメータ、ECGモニタ、または非侵襲的な光血糖値計モニタの波形は、数学的な式またはモデルにより表現され得る。波形モデルは心拍数によりインデクシングされてもよく、それは、心拍数が心拍のある範囲内で可変であるからである(たとえば、毎分25回(BPM)から250BPM)。データセットがノイズ、体動によるアーティファクト、または干渉にさらされるとき、暗示される心拍数は通常、効率的なアルゴリズムまたは最適化問題を用いて所与の波形データセットから計算するのが難しい。
1つの例示的な実施形態では、1BPMのステップで、25BPMから250BPMの心拍数によってインデクシングされた、226個のモデルの系列が定義され得る。所与のデータセットに対して、226個のインデクシングされたモデルの系列は、関連する費用関数またはメトリクスとともにアルゴリズムまたは最適化問題によってデータセットと比較され、性能が最良である(たとえば、最小の費用関数値、最高の利益関数値など)モデルを生み出す心拍数が選択される。この選択プロセスの間に、アルゴリズムまたは最適化問題は、他の最適化変数の計算を伴い得る。たとえば、人または動物への応用のための、パルスオキシメータ、パルスコオキシメータ、ECGモニタ、または非侵襲的な血糖値計モニタの波形のための、完全なインデクシングされたモデルの系列は、便利なことに、1BPMのステップで25BPMから250BPMの心拍数によりインデクシングされる周波数を用いて、正弦関数の加重和の226個の式により表現され得る。結果として、226個の最適化問題が、226個のインデクシングされたモデルの系列から最良の(最適な)モデルを見つけるために解かれ、各最適化問題は、所与の心拍数に対するデータセットに最も良く合う最適な重みを決定する。全体的な性能が最良である心拍数および関連する重みが、最適なモデルを定義する。心拍数および重みは最適化変数である。
しかしながら、この例では、他方の最適化変数(すなわち、重み)が所与の心拍数に対するアルゴリズムまたは最適化問題により効率的に計算され得ることを考慮すると、心拍数だけがインデクシングされたモデルの系列をインデクシングする。呼吸数がインデクシングされたモデルの系列をインデクシングすると仮定すると、同様の分析を呼吸数モニタに適用することができる。ユーザの呼吸数も計算するパルスオキシメータのフォトプレチスモグラフモデルを表現するより複雑なインデクシングされたモデルの系列は、呼吸数および心拍数の値により二次元的にインデクシングされ得る。
一実施形態では、9,718個のインデクシングされたモデルの系列が、毎分1呼吸のステップで毎分3回から毎分45回の呼吸数によって、および1BPMのステップで25BPMから250BPMの心拍数によって、二次元的にインデクシングされる。インデクシングされたモデルの系列のサイズに応じて、最適なモデルを決定するために解かれるべきアルゴリズムまたは最適化問題の数は、リアルタイムの用途では極めて多くなり得る。そのような実施形態では、インデクシングされたモデルの系列をインデクシングする最適化変数は、インデックスとして機能する最適化変数の各部分範囲内で定義される効率的なアルゴリズムおよび最適化問題によって、ローカルモデルを使用して他の最適化変数と一緒に解かれ得る。
たとえば、パルスオキシメータによって計算される呼吸数のための完全なインデクシングされたモデルの系列は、便利なことに、[25,30)、[30,36)、[36,43)、[43,51)、[51,61)、[61,72)、[72,86)、[86,103)、[103,123)、[123,147)、[147,175)、[175,209)、[209,250]などの25BPMから250BPMまでの心拍数の部分範囲、および、[3,4)、[4,5)、[5,7)、[7,9)、[9,12)、[12,15)、[15,20)、[20,26)、[26,34)、[34,45]などの毎分3回の呼吸から毎分45回の呼吸までの呼吸数の部分範囲によって二次元的にインデクシングされる周波数を用いて、正弦関数の積の加重和の130個の式によって表現され得る。130個のインデクシングされたモデルの系列から最良の(最適な)モデルを見つけるために、130個の最適化問題が解かれ、各最適化問題は、所与の心拍数および呼吸数の二次元の部分範囲(たとえば、[25,30)x[3,4)、[25,30)x[4,5)、...、[25,30)x[34,45]、...[209,250)x[3,4)、[209,250)x[4,5)、...、[209,250]x[34,45])に対する指定されたデータセットに最も良く合う、最適な重み、心拍数、および呼吸数の値を決定する。二次元の部分範囲[25,30)x[3,4)の場合、たとえば、最適化問題は、25BPMと30BPMの間の心拍数の値、および毎分3回と毎分4回の間の呼吸数に対するモデルに最も良く合う、重み、心拍数、呼吸数の値を効率的に計算する。130個のインデクシングされたモデルの系列から最適なモデルを得るために、同じプロセスが、残りの129個の二次元の部分範囲に適用される。
次に、ブロック4004に示されるように、インデクシングされた基準モデルの系列のためのパラメータ定数が次いで初期化される。インデクシングされた基準モデルの系列のためのパラメータ定数は、次元、式の数、式のタイプ、式のパラメータ、動作領域、変数のサイズおよびタイプ、限界、閾値、トポロジー、アーキテクチャ、アルゴリズム構成、および/または定数を、インデクシングされた基準モデルの系列の初期化と計算のために使用される基準モデルの数学的演算子から定義することができる。ブロック4006において、現在の基準モデルのための1つまたは複数のパラメータ定数が初期化される。現在の基準モデルのためのパラメータ定数は、次元、式の数、式のタイプ、式のパラメータ、動作領域、変数のサイズおよびタイプ、限界、閾値、トポロジー、アーキテクチャ、アルゴリズム構成、および/または定数を、現在の基準モデルの系列の初期化と計算のために使用される現在の基準モデルの数学的な演算子から定義することができる。
図41Aは、インデクシングされたモデルの系列を伴う最適化プロセスを詳述する例示的な方法のデータフロー図を示す。要素4100はインデクシングされたモデル(modeli)である。要素4100は、インデックス変数「i」によりインデクシングされ、これは、離散値、部分範囲、離散値のnタプル、または特定のインデクシングされたモデルの系列をインデクシングするために使用される部分範囲値のnタプルを、同じインデクシングされたモデルの系列を同様にインデクシングする整数列へと変換する。インデックス変数「i」は、インデクシングの表記を一般化する便利な方法を提供する。たとえば、多次元の部分範囲または格子は、インデックス変数「i」によって表される整数値のシーケンスへと容易にマッピングされ得る。
要素4102は、特定の用途に適したデータストリームまたはデータセットの形式で、変遷または挙動の系列にまたがるようにインデクシングされたモデルにより使用される、「m」個の実関数または複素関数の「i」個のシーケンスを表す。要素4102の中の関数は、超越的な、多項式による、再帰フィルタおよびシステムの出力、FIRフィルタおよびIIRフィルタの出力、ニューラルネットワークの出力などであり得る。
要素4104は、実数値または複素数値であり得る、「n」個のデータストリームのデータセットまたはシーケンスを表す。「n」個のデータストリームのデータセットまたはシーケンスは、アプリケーションにより収集され、データ処理および分析に利用可能な、リアルタイムデータを表す。たとえば、「n」個の離散時間フォトプレチスモグラフのシーケンスは、要素4104によって表され得る。
要素4106は、要素4100(たとえば、インデクシングされたモデル)により模擬される挙動を表す。要素4106は、インデクシングされたモデルの系列により生み出される「n」個の実数または複素数のデータストリームの「i」個のデータセットまたは「i」個のシーケンスを表す。要素4102、4104、および4106は、時間、空間、速度、位置などを表し得る外因性の変数「t」によりインデクシングされる。たとえば、時間の関数であるデータストリームは、離散時間系などにおけるように、時間によりインデクシングされると考えられる。空間の関数であるデータストリームは、空間によりインデクシングされると考えられる。用途に応じて、データセットまたはデータストリームは、物理的な意味を有する、または本質的に抽象的な量によってインデクシングされ得る。本明細書において使用される場合、データストリームまたはデータセットという用語は、「t」により逐次インデクシングされるデータを指す。
要素4108は、最適化問題ソルバーである。所与の「i」に対して、要素4108は、所与の要素4102のために要素4104において観測される挙動を要素4106において最も良く再現するモデルパラメータ(たとえば、最適化変数)の値を計算する。要素4100の挙動が最適になるまで最適化変数を変化させるプロセスが、要素4110によって表される。いくつかの適用例では、インデクシングされたモデルは、要素4104(たとえば、データストリーム)を処理することによって定義される異なる動作領域を有し得る。異なる動作領域は要素4114によって表され、これは、動作領域の処理、分類、および/または選択のために、要素4104を要素4100へと供給する。
図41Aに示される実施形態の全体の挙動は、次のように説明され得る。
1. 観察デバイスが、観察デバイスのデバイスファームウェアを通じてリアルタイムデータを収集して処理し、ホストデバイスに送信されるデータストリームを生み出す。
2. ホストデバイスがデータストリームを受信し、ホストデバイスのホストソフトウェアが要素4104(たとえば、データストリームまたはデータセット)を生み出す。いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、ホストソフトウェアを介して、非線形関数(対数、双曲線、指数、多項式関数など)、線形関数、またはアフィン関数を使用してホストデバイスから受診されたデータストリームを処理し、次いで、結果を線形または非線形のローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、またはハイパスフィルタに供給して、正規化されたデータストリームまたはデータセットを取得する。
3. 要素4108(たとえば、最適化問題ソルバー)が、ホストソフトウェアにおいて実装される。要素4108は、各々のインデクシングされたモデル「i」(たとえば、要素4100)に対して、所与の要素4102のために要素4104において観測される挙動を要素4106において最も良く再現する最適化変数の最適値を計算する。要素4102によって表される関数またはデータストリームは、ホストデバイスのホストソフトウェアによって内部的に生成される。
4. 要素4100によって表される各々のインデクシングされたモデル「i」が、図41Bの要素4116によって表されるインデクシングされた最適モデル「i」を生み出す。要素4106のための最適な挙動(たとえば、インデクシングされたモデルの系列により生み出される「n」個の実数または複素数のデータストリームの「i」個のデータセットまたは「i」個のシーケンス)は、図41Bの要素4118によって表される。要素4120は、すべてのパラメータ(たとえば、最適化変数またはモデルのパラメータなどの最適値)と、要素4116によって表されるインデクシングされた最適モデル「i」から要素4118によって表される「n」個の実数または複素数のデータストリームの「i」個のデータセットまたは「i」個のシーケンス以外の、内部/中間の信号および変数とを表す。適用例と、要素4116によって表されるインデクシングされた最適モデル「i」によって生み出されるべき情報とに応じて、要素4120は、クラス、集合、アレイ、行列、ベクトル、構造、リスト、または特定の適用例に適した任意の他の表現の形式であり得る。
5. 最適化問題ソルバー4108はまた、数値的な収束の後で、要素4116により表される各最適モデル「i」に対する最適パラメータ(最適化変数の最適値)を、および適用例に応じて、メトリクス、パラメータ、および結果の系列を、要素4122によってすべて表される、スカラー、アレイ、nタプル、範囲、部分範囲、格子、ベクトル、行列、リスト、構造、および/またはクラスの形式で出力する。
要素4100は、最適化問題ソルバー4108を介して決定されるべきパラメータを伴う、任意のトポロジー、システム、または回路であり得る。要素4100は、マルチレイヤニューラルネットワーク、放射基底ネットワーク、ルールベースまたはベイジアンネットワークエキスパートシステム、ファジー論理エキスパートシステム、離散的なおよび連続的な変数、パラメータ、重み、および/もしくは内部メモリを伴うハイブリッドシステム、ならびにこれらの任意の融合または組合せであり得る。すべてのこれらのあり得る実施形態において、入力は要素4102および4104によって表され、出力は要素4106によって表される。(インデクシングされた最適モデル4116を決定するために)最適化問題ソルバー4108を介してネットワークまたはシステムの最適パラメータ(すなわち、最適化変数、パラメータ、重みなど)を計算するプロセスは、要素4110によって表される。
図41Cは、最適化変数の積を伴うインデクシングされたモデルの系列を含む例示的な実施形態を示す。インデクシングされたモデルの系列の中のインデクシングされたモデルを、異なる振幅の同じ背後にある波形を共有する、ならびにノイズ、干渉、および/または体動によるアーティファクトにより破損し得る、いくつかのデータストリームを備えるデータセットへ効率的に適用することができ、これにより、知覚されるデータストリーム波形が互いに異なるものになる。たとえば、異なる波長において、パルスオキシメータ、パルスコオキシメータ、または光学的な非侵襲血糖値計により集められる測定部位からの波形(フォトプレチスモグラフ)は、単一のソース(心臓の活動または拍動)から作成される。フォトプレチスモグラフの振幅は、励振波長における測定部位の物理的特性の関数である。一方では、フォトプレチスモグラフは、ノイズ、干渉、および/または体動によるアーティファクトが存在しないときには常に、振幅の異なる類似した波形を有する。他方では、干渉、ノイズ、および/または体動によるアーティファクトが存在する場合には、取得されるデータストリームは、心臓の活動により生成されるデータストリーム成分が振幅の異なるノイズのない同じ基本波形を共有していても、大きく異なる波形を有し得る。図41Cにおいて説明される実施形態は、ノイズ、干渉、および/または体動によるアーティファクトにさらされるデータストリームから、ノイズのない基本波形およびそれらの関連する振幅の正確な推定値を取得するために使用され得る。
図41Cに示される実施形態の全体の挙動は、次のように説明され得る。
1. 観察デバイスが、観察デバイスのデバイスファームウェアを通じてリアルタイムデータを収集して処理し、ホストデバイスに送信されるデータストリームを生み出す。
2. ホストデバイスがデータストリームを受信し、ホストデバイスのホストソフトウェアが要素4104(たとえば、データストリームまたはデータセット)を生み出す。いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、ホストソフトウェアを介して、非線形関数(対数、双曲線、指数、多項式関数など)、線形関数、またはアフィン関数を使用してホストデバイスから受信されたデータストリームを処理し、次いで、正規化されたデータストリームまたはデータセットを得るために、その結果を線形または非線形のローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、もしくはハイパスフィルタに供給する。
3. ホストデバイスが、ホストソフトウェアを介して、要素4100によって表される各々のインデクシングされたモデル「i」に対して、所与の要素4102のために要素4104において観測される挙動を要素4106において最も良く再現する調整可能な重み4124、4126によって表される最適化変数の最適値を計算する。要素4100によって表される各々のインデクシングされたモデル「i」は、調整可能な重み4124、4126、および要素4128、4130によって表される。要素4128は、要素4102からの信号を、調整可能な重み4124と乗じられた後で加算し、要素4130によって表される波形を生み出す。要素4130によって表される波形は次いで、調整可能な重み4126と乗じられて、要素4106によって表される信号を生み出し、この信号は、ノイズ、体動によるアーティファクト、および/または干渉により破損した4104により表されるデータストリームの中の信号をある程度再現することができる、スケーリングされた波形である。最適化問題ソルバー4108は、要素4132を通じて調整可能な重み4124、4126を計算する。要素4132は、要素4116によって表される図41Dのインデクシングされた最適モデルの系列(「i」によりインデクシングされる)を生み出すために、最適化問題ソルバー4108を介して要素4100の中の最適化変数およびパラメータの最適値(解)を計算するプロセスを表す。この例示的な実施形態では、要素4100によって表されるインデクシングされたモデルには、単一の動作領域しかなく、結果として、要素4104によって表されるデータストリームは、複数の動作領域の場合のために図41Aに図示されるように要素4114を介してインデクシングされたモデル(要素4100によって表される)へと供給されない。代替の実施形態では、要素4100によって表されるインデクシングされたモデルが複数の動作領域を有する場合、適用可能な動作領域および最適化変数とパラメータの対応する集合の選択を可能にするために、要素4114を要素4100に供給することができ、そうすると、それらの最適化変数およびパラメータは、最適化問題ソルバー4108によって計算される最適値を有する。
4. 要素4100によって表される各々のインデクシングされたモデル「i」は、図41Dに図示される要素4116によって表されるインデクシングされた最適モデル「i」を生み出す。要素4106の最適な挙動は、図41Dの要素4134によって表される。要素4134によって表される最適な挙動は、要素4102によって表される関数からの信号を、最適な重み4134と乗じた後で加算し、最適な波形4136を生み出すことによって作り出される。最適な波形4136は次いで、要素4138によって表される最適な重みと乗じられて、要素4118によって表される最適な信号を生み出す。要素4118によって表される最適な信号は、ノイズ、体動によるアーティファクト、および/または干渉により破損した要素4104により表されるデータストリームの中の信号の最適な推定である、最適なスケーリングされた波形である。この例示的な実施形態では、要素4116によって表されるインデクシングされた最適モデルには、単一の動作領域しかなく、結果として、要素4104によって表されるデータストリームは、複数の動作領域の一般的な場合について図41Bに図示されるように要素4114を介して要素4100によって表されるインデクシングされたモデルへと供給されない。代替の実施形態では、要素4100によって表されるインデクシングされたモデルが複数の動作領域を有する場合、適用可能な動作領域および最適化変数とパラメータの対応する集合の選択を可能にするために、要素4114を要素4100に供給することができ、そうすると、それらの最適化変数およびパラメータは、最適化問題ソルバー4108によって計算される最適値を有する。
5. 最適化問題ソルバー4108は、数値的な収束の後、要素4116によって表される各々の最適モデル「i」に対して、最適なパラメータ(最適化変数の最適値)、ならびに用途に応じて、メトリクス、パラメータ、および結果の1つまたは複数の系列を、要素4122(たとえば、相関、相互相関、共分散、標準偏差、ヒストグラム、確率分布関数、確率質量関数、同時確率分布関数、同時確率質量関数、二乗平均平方根確度、最大値、最小値、平均値、メジアン、モード、位相、振幅、周波数、スペクトルの、時間の、および形態の測定結果など)によってすべて表されるスカラー、アレイ、nタプル、範囲、部分範囲、格子、ベクトル、行列、リスト、構造、および/またはクラスの形式で出力する。最適化問題ソルバー4108は、数値的な収束の後で、すべてのパラメータ(たとえば、最適化変数またはモデルのパラメータの最適値など)と、要素4118によって表されるデータセットまたはデータストリーム以外の内部/中間の信号および変数とを表す、要素4118および4120によって表されるデータセットまたはデータストリームを伴う、要素4116によって表される(「i」によりインデクシングされる)インデクシングされた最適モデルの系列を生み出す。
図41Cにおいて、最適化問題ソルバー4108は、要素4132を通じて最適化変数(たとえば、調整可能な重み4124、4126)を調整する。最適化プロセスは、調整可能な重み4124、4126を調整または計算するために利用される数値ソルバー(たとえば、技法)によっては、最適な解に収束することもしないこともある。これは、最適化変数(重み)の積の加重和を伴う問題が本質的に凸ではなく、効率的な数値ソルバーにより正しく解かれないと、グローバルに最適ではなく(すなわち、ローカルな最適解)所望の性能を欠いた解をもたらし得るからである。一実施形態では、「Method and Systems for Processing Data Streams」という表題の米国特許出願第_______号において開示される技法および/またはシステムが、調整可能な重み4124、4126を計算するために使用され得る。この技法は、要素4102によって表される関数および要素4104によって表されるデータセットまたはデータストリームのための調整可能な重み4124、4126(すなわち、図41Dの最適な重み4134、4138)の、グローバルな最適解の効率的な数値計算を、設計によって生み出す。
図40のブロック4004は、「インデクシングされた基準モデルの系列」という用語を使用する。インデクシングされた基準モデルの系列は、4118によって表されるデータセットまたはデータストリームの理想的な時間的挙動、スペクトル的挙動、動的挙動、または形態的挙動を表す、パラメータ、データストリーム、および仕様のインデクシングされた集合である。図41Eは、要素4144によって表される正規化されたパラメータの集合を伴うインデクシングされた最適モデル「i」4116を最も良く表す、要素4142によって表される正規化されたパラメータの集合を伴うインデクシングされた基準モデル「j」4140を探すプロセスを図示する。各「i」に対する最適な表現「j」である、出力4146のインデックスペア「(i,j(i))」の中の「j(i)」は、要素4144によって表される正規化されたパラメータの集合を要素4142によって表される正規化されたパラメータの集合と比較するためのメトリクス、スコア、およびルールを使用する探索プロセス4148によって決定される。要素4150は、所与の最適モデル「i」4116のための最良の基準モデル「j」4140を探すプロセスを象徴する。要素4152は、1つまたは複数の領域および範囲の正規化を行い、各最適モデル「i」4116からの1つまたは複数のパラメータ抽出が後に続く。領域および範囲の正規化は、いくつかの適用例ではパラメータ抽出の前に実行され、このとき、基準モデル4140は、インデクシング「i」を必要とするパラメータまたはパラメータの集合に依存しない。
限定しない例において、パルスオキシメータ、パルスコオキシメータ、光ベースのフィットネストラッカー、または非侵襲的な光ベースの血糖値計により測定されるフォトプレチスモグラフのための基準モデル4140を考える。フォトプレチスモグラフの理想的な挙動は、心拍数の値に依存しない。同じユーザからの2つの異なる心拍数に対して、フォトプレチスモグラフが時間または周波数(領域)および振幅またはパワー(範囲)において正規化される場合、フォトプレチスモグラフは互いに非常に似たものになるはずである。「i」が心拍数の値を介してモデル「i」4100(図41Aおよび図41C)のインデクシングを表す場合、基準モデル「j」4140は「i」に依存しないことがある。「i」に依存しないことは、必ずしもインデクシングされた最適モデル「i」4116に依存しないことを示唆しないことに留意されたい。インデクシングされた最適モデル4116は、各モデルインスタンス「i」とともに変化する最適値を伴う他のパラメータ(最適化変数)を有してもよく、最適値と挙動のそのようなガンマが、インデクシングされた基準モデル「j」4140により獲得される理想的な最適値および挙動に対して試験されることになる。たとえば、インデックス「j」は、正規化された振幅および周波数の正弦関数の加重和である基準モデルをインデクシングすることができる。加重和の重み(パラメータ)は、インデクシングされた最適モデル「i」4116の理想的な挙動を再現するために、各基準モデル「j」4140に対して異なっていてもよい。各基準モデル「j」は、結果として生じるフォトプレチスモグラフの正弦波拡張を表すことができ、その中で、正規化された周期の中の所与の点が、最大の正規化された振幅値の発生を定義する。たとえば、「j=1」は、最小値において正規化された周期が開始し、フォトプレチスモグラフの正規化された周期の60%において最大の振幅値に達する、フォトプレチスモグラフに対応し得る。1から41まで変化するjに対して、インデックス変数「j」は、41個のフォトプレチスモグラフを表すことができ、第1(j=1)は正規化された周期の60%において最大値を有し、第2(j=2)は61%において、第3(j=3)は62%において、...、最後(j=41)は100%において最大値を有する。
図41Eに図示される実施形態の全体の挙動が、以下で説明され得る。
1. 要素4152が、インデクシングされた最適モデル「i」4116から要素4118によって表されるデータセットまたはデータストリームを取り、領域および範囲においてデータセットまたはデータストリームを正規化して、要素4144によって表されるパラメータの集合を取得する。いくつかの実施形態では、要素4144によって表されるパラメータの集合は、各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116を備える最適化変数の最適値(モデル最適パラメータ)から、より効率的に、または直接取得され得る。モデル最適パラメータは、要素4120から取得され得る。
2. 各々のインデクシングされたモデル「i」4100に対して、探索プロセス4148が、要素4144の中のパラメータ集合と要素4142の中のパラメータ集合を比較するメトリクスを通じて、インデクシングされた最適モデル「i」4116を最も良く再現する基準モデル「j」4140を決定する。
3. 数値的な収束の後、探索プロセス4148は、インデクシングされた最適モデル「i」4116を最も良く再現する基準モデル「j(i)」をインデクシングするインデックスペア「(i,j(i))」を出力する。図41Fは、要素4156によって表されるパラメータの最適な集合を伴う、「j(i)」4154によってインデクシングされるインデクシングされた最適基準モデルの系列を示す。探索プロセス4148の結果として、各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116は、対応するインデクシングされた最適基準モデル「j(i)」4154を有する。
要素4140は、要素4148によって定義される探索プロセスを伴う任意のトポロジー、システム、または回路であり得る。要素4140は、マルチレイヤニューラルネットワーク、放射基底ネットワーク、ルールベースまたはベイジアンネットワークエキスパートシステム、ファジー論理エキスパートシステム、離散的なおよび連続的な変数、外因性の関数と信号、パラメータ、重み、および/もしくは内部メモリを伴うハイブリッドシステム、ならびにこれらの任意の融合または組合せであり得る。すべてのこれらのあり得る実施形態において、出力は要素4142によって表される。探索プロセス4148を介してインデクシングされた最適基準モデル4154を探すプロセスは、要素4150によって表される。
図41Gは、図41Eに示される一般的なデータフロー図のある例示的なデータフロー図を示す。示される実施形態は、非侵襲的な光ベースのパルスオキシメータ、ヘモグロビン計、フィットネストラッカー、血糖値計などに適用され得る。以下は、図41Gに示される例示的な動作を説明する。
1. インデクシングされた基準モデル(j)4140は、41個のインデクシングされた基準モデルの系列「j」4140である。インデクシングされた基準モデル4158(j=1)、インデクシングされた基準モデル4160(j=20)、およびインデクシングされた基準モデル4162(j=41)は、41個のインデクシングされた基準モデル4140の3つのインスタンスを表す。各基準モデル「j」は、要素4142によって表される正規化されたパラメータの集合によってパラメータ化される以下の式により定義される波形を有し、
Figure 2022541647000067
θは正規化された時間を表し、qは偶数である。q=6(図41Gに図示されるように)の場合、式14は、フォトプレチスモグラフの基準の挙動を表す三角波の3次高調波正弦波近似であり、この中で、正規化された周期の中の所与の点が、最大の正規化された振幅値の発生を定義する。たとえば、インデクシングされた基準モデル4158(j=1)は、正規化された周期の60%において最大値を伴う三角波に近く、これは、要素4164の中のパラメータについて以下の値(小数点以下第4位)をもたらす:r1,1=0.0000、r2,1=0.1611、r3,1=0.0012、r4,1=1.0000、r5,1=0.0091、r6,1=0.0747。インデクシングされた基準モデル4160(j=20)は、正規化された周期の79%において最大値を伴う三角波に近く、これは、要素4166の中のパラメータについて以下の値(小数点以下第4位)をもたらす:r1,20=0.0000、r2,20=0.3998、r3,20=0.0100、r4,20=1.0000、r5,20=0.0224、r6,20=-0.1585。インデクシングされた基準モデル4162(j=41)は、正規化された周期の100%において最大値を伴う三角波に近く、これは、要素4168の中のパラメータについて以下の値(小数点以下第4位)をもたらす:r1,41=0.0000、r2,41=0.4997、r3,41=0.0189、r4,41=1.0000、r5,41=0.0283、r6,41=-0.3335。探索プロセス4148は、要素4150を通じて、インデクシングされた基準モデルインスタンス「j」(たとえば、インデクシングされた基準モデル4158、4160、4162)のパラメータ(たとえば、要素4164、4166、4168の中の)を選択し、要素4142の中のパラメータの集合にパラメータを移す。任意の数の高調波に対して、または、任意の数のインデクシングされた基準モデルを用いてフォトプレチスモグラフを表現することができる他の式(たとえば、ボルテラ、テイラー、および/またはフーリエ系列、多項式および/または超越系列、複素指数系列など)に対して、同じ理屈が有効である。加えて、フォトプレチスモグラフの代わりに、波形は、たとえば、超音波の、熱の、抵抗性の、容量性の、誘導性の、圧力の、加速度の、速度の、もしくは位置のトランスデューサアレイシステム、または光学カメラの画素によって感知される、波形であり得る。
2. 要素4152が、最適モデル(i)4116に対して領域および範囲の正規化を実行して、パラメータ抽出を実行する。インデクシングされた最適モデル「i」4116の系列が図41Dの例示的な実施形態において示されるように実装されると仮定すると、要素4102は次の関数成分を有する。
mを偶数、i=1,2,...,226として、k=1,2,...,m/2に対して、
fk,i(t)=sin(2π(i+24)(1/60)(1/Fs)kt) 式15
k=m/2+1,m/2+2,...,mに対して、
fk,i(t)=cos(2π(i+24)(1/60)(1/Fs)(k-m/2)t) 式16
定数Fsは、ヘルツ単位のサンプリング周波数(たとえば、50Hz、60Hz、100Hzなど)である。変数tは正規化された時間(t=1,2,3,...)である。q=6(図41Gに図示されるように)では、要素4102は、6つの離散時間正弦波を表す。インデックス「i」は、1BPMのステップで25BPMから250BPMまで変化する心拍数の値に対する最適モデル4116の系列をインデクシングする。各エポック(たとえば、サンプルの数によって定義される正規化された時間間隔)に対して、図41Cにおいて図示されるようなインデクシングされたモデル「i」4100は、要素4104の中のデータストリームまたはデータセットおよび要素4102の中の関数のためのあるサンプルサイズ(たとえば、250個、400個、500個のサンプルなど)について解かれ、同じサンプリング周波数Fsで収集され生成されて、図41Dに示されるようなインデクシングされた最適モデル「i」4116を生み出す。各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116に対して、要素4152の中の領域および範囲の正規化は、三角関数の公式を通じて、信号4136
Figure 2022541647000068
を正規化された信号
Figure 2022541647000069
へと変換するプロセスであり得る。6に等しいmおよびqに対して、要素4152の中のパラメータ抽出は、図41Gにおける要素4144の中のパラメータ(たとえば、p1,i *、p2,i *、p3,i *、p4,i *、p5,i *、およびp6,i *)として各々の正規化された正弦信号を乗じる重みを出力することによって起こる。正規化プロセスの間に、r1,jおよびr4,jと適合するように、パラメータp1,i *は0に設定されてもよく、p4,i *は1に設定されてもよい。
3. 探索プロセス4148が、各々のインデクシングされた最適モデル「i」4146のための最良のインデクシングされた基準モデル「j」4140を選択する。一実施形態では、この選択は、要素4142、4144の中のパラメータに関するメトリクスを計算することによって達成され得る。たとえば、各々のインデクシングされたモデル「i」4116に対して、最小の共分散(Cov)
Figure 2022541647000070
を生み出すインデクシングされた基準モデル「j」4140、または最小の二乗平均平方根確度(Arms)
Figure 2022541647000071
が、「i」に対するインデクシングされた最適な基準モデルとして選択され得る
Figure 2022541647000072
。代替として、各々のインデクシングされたモデル「i」4100に対して、最大の相関(Corr)を生み出すインデクシングされた基準モデル「j」4140
Figure 2022541647000073
が、「i」に対するインデクシングされた最適基準モデルとして選択され得る
Figure 2022541647000074
。この特定の例に対して、式19および21のqは6に等しい。使用される正弦関数の数に応じて、qのより大きいまたは小さい値が採用され得る。最小の比Arms/Corr、最大の比Corr/Arms、cos-1(Corr)とArmsの最小の指定された加重和、または1つもしくは複数の特定の関心対象のメトリクスを計算する任意の他の表現もしくは表現の合成を生み出す、「i」に対するインデクシングされた基準モデル「j(i)」4140を選択することも可能である。
図40のブロック4006は、「現在の基準モデル」という用語を使用する。現在の基準モデルは、インデクシングされた最適な基準モデル4116の系列からのインスタンスである。現在の基準モデルは、図41Hに示される例示的なデータフロー図を介して取得され、これは、出力測定結果4170を計算し、分類プロセス4176、ならびに異常値除去および平均化プロセス4178によって、現在の基準モデル4172および現在の探索限界4174を更新する。図41Hに示される実施形態は、図41A~図41Dの実施形態において取得される要素4120、4122、図41E~図41Gの実施形態において取得される要素4144、4156、ならびに現在の探索限界4174から取得される要素4180および現在の基準モデル4172から取得される要素4182の中のパラメータを入力として使用して、出力測定結果4170を計算し、現在の基準モデル4172および現在の探索限界4174を更新する。以下は、図7Hの例示的な動作を説明する。
1. 要素4122が、分類プロセス4176へと入力される前に、最適化問題ソルバー4108によって図41Aおよび図41Cにおいて示される実施形態において計算される。ある例示的な実施形態では、要素4122は、各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116に対して、パワー、サンプリングされた相関、およびサンプリングされた二乗平均平方根確度アレイを記憶する、構造またはコンテナであり得る。各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116(図41D)に対して、パワーアレイの対応するエントリ「i」が、次の式を使用して最適な重み4134から計算され得る。
Figure 2022541647000075
同様に、サンプリングされた相関アレイの対応するエントリ「i」およびサンプリングされた二乗平均平方根確度アレイの対応するエントリ「i」を、最適な波形4136、要素4118、および要素4104の中のデータストリームまたはデータセットから、次の式
Figure 2022541647000076
および
Figure 2022541647000077
を使用して計算することができ、k=1,2,...,nに対して
Figure 2022541647000078
および
Figure 2022541647000079
である。式23において、Corrk(i)は、波形4136と要素4104の中の各データストリーム「k」との間で計算されるサンプリングされた相関であり、式24において、Armsk(i)は、要素4104の中の各データストリーム「k」と要素4118の中の各データストリーム「k」との間で計算されるサンプリングされた二乗平均平方根確度である。サンプリングされた平均は、要素4104、4118の中の有限離散時間データセット、および変数「t」によってインデクシングされる波形4136(たとえば、250個のサンプル)にわたって取られる。この例では、所与の「i」に対して、Corr(i)はすべてのCorrk(i)値(n個の値)にわたるkにおける最大値であり、Arms(i)はすべてのArmsk(i)値(n個の値)にわたるkにおけるサンプリングされた平均である。パワー、サンプリングされた相関、およびサンプリングされた二乗平均平方根確度のアレイは、各エポックに対して計算され、式22、23、および24の表現に従った、「t」における有限の連続的な数のサンプルからなり、要素4104、4118および波形4136は、図41A~図41Dとともに説明される実施形態に従って、各エポックにおいて計算および/または更新される。
2. 要素4182の中のパラメータは、現在の基準モデル4172からのパラメータの集合である。現在の基準モデル4172は、インデクシングされた最適基準モデル4154の系列からのインスタンスであるので、要素4182の中のパラメータは、要素4144および4156の中のパラメータと同じ記述およびサイズを有する。要素4144および4182の中のパラメータは、現在の基準モデル4172についての各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116に関するメトリックアレイを計算するために、分類プロセス4176において使用される。要素4144の中のパラメータは、図41Eまたは図41Gに示される実施形態から取得され得る。メトリックの例示的な実施形態は、二乗平均平方根確度アレイの計算であり得る。
Figure 2022541647000080
この例では、要素4144および4182の中のパラメータは、要素4116の中の加重正弦モデルおよびインデクシングされた基準モデル4140(たとえば、q=6に対する)などの、加重正弦モデルから取得され得る。
3. 現在の探索限界4174は、現在の基準モデル4172によって提供される。現在の探索限界4174は、分類プロセス4176が、過去のエポックにおいて取得され計算された以前の情報に基づいて測定結果(たとえば、心拍数、呼吸数、体温および/または皮膚温、血圧、酸素飽和度、脈波振幅、灌流指数、血糖濃度、血中水分など)およびパラメータ(たとえば、光学比、高次の小数値、および他の正規化された値などの、測定結果の計算において使用される関係値および関数関係値)の最良の推定値を見つける可能性が高い、部分範囲である。パルスオキシメータが、脈拍数(PR)、脈波振幅(PA)、酸素飽和度(SpO2)、および/または灌流指数(PI)を測定するような例示的な実施形態を考える。ユーザの現在のPR、SpO2、PA、および/またはPIが、100BPM、95%、および1%という現在の値をそれぞれ有する場合、それより後の短い期間の間、PR、SpO2、およびPIの測定値は、相対的なまたは絶対的な閾値により定義されるある上限および下限を超えて変化しない可能性が高い。たとえば、ユーザのPRは通常、次の数秒以内に現在のPR基準線から+/-25%を超えて変化しない。これは、ヒトの心臓が、その大きさにより定められる最大の周波数帯域幅と、典型的な臨床の、フィットネスの、およびウェルネスのシナリオにおいて急激にヒトの心臓の周波数が変化するのを防ぐ構造とを有しているという事実に関係している。SpO2の測定の場合、現在のSpO2基準線は通常、次の数秒以内に+25%および-35%を超えて変化しない。人体は、血液中の特定の酸素のバランスを必要とし、その結果、人体は、血液中の酸素レベルが急激に低下または上昇するのを防ぐ機構を備えている。これは、測定信号としてのSpO2が、典型的な臨床の、フィットネスの、およびウェルネスのシナリオのもとでの瞬時的なまたは急激な変化を防ぐ最大の帯域幅を有することを示唆する。測定信号としてのPIに同様の理屈を適用することができる。通常、周辺の血液循環および灌流を支配する動特性を考慮すると、現在のPIの基準線は、次の数秒以内に+1000%および-90%を超えて変化しない。灌流指数信号は通常、酸素飽和度および脈拍数測定信号より広い周波数帯域幅を有する。しかしながら、PIはそれでも、周辺の血液循環の固有の動
特性により制限される。バイオセンシング測定、パラメータ、および機能の文脈における探索限界の概念は、均衡点の周囲でパラメータ動特性を刺激し、統制し、制御するバイオフィードバックシステムと生理学が組み合わされることを考慮すると、あらゆる臨床の、フィットネスの、およびウェルネスの環境に有用に適用され得る。パルスオキシメータのこの例示的な実施形態では、現在の探索限界4174が、以下の不等式を使用して分類プロセス4176によって利用されてもよく、
m1PR(t)<PR(i)<M1PR(t), 式28
m2SpO2(t)<SpO2(i)<M2SpO2(t), 式29
m3PI(t)<PI(i)<M3PI(t), 式30
ここで、M1、M2、およびM3は1より大きく、m1、m2、およびm3は1より小さい。M1、M2、M3、m1、m2、およびm3の値は用途により定義される。パルスオキシメータの例では、M1=1.25、M2=1.25、M3=10、m1=0.75、m2=0.65、およびm3=0.1である。式27、28、および29の不等式の解釈は、次のエポック「(t+1)」におけるSpO2(i)、PR(i)、およびPI(i)の測定結果候補が、インデクシングされた最適モデル4116の系列から取得されるというものである。式27、28、および29の不等式は、SpO2(t)、PR(t)、およびPI(t)の現在のエポック「t」の測定結果によって定められる、上側および下側の相対的な限界によって制限され得る。
4. 分類プロセス4176が、性能基準に最も良く合う測定結果およびパラメータを推定する、多基準および多変量技法を通じて実装され得る。ある例示的な実施形態では、性能基準は、分類プロセス4176の間に閾値に対して試験されるとき、式22、23、24、および27によって定義され得る。測定結果は、分類プロセス4176に入力される情報から取得され得る。たとえば、インデクシングされた最適モデル「i」4116の系列がPR値によってインデクシングされる場合、インデックス「i」を、アフィン変換を介してPR値に直接マッピングすることができ、
PR(i)=PRMIN+ci 式31
ここで、PRMINおよびcは、用途により定義される定数である。たとえば、「i」が単位ステップで1から226まで変化し、PRMIN=24BPMであり、c=1である場合、PRは1BPMのステップで25BPMから250BPMまで変化する。SpO2値は、関数レシオメトリック形式で表されるフォトプレチスモグラフの振幅から推定され得る。要素4138によって表される最適な重みは、要素4120を通じて分類プロセス4176へと入力され、次の方式で各「i」に対するSpO2値を計算するために使用されてもよく、
Figure 2022541647000081
ここでal,k、bl,k、αl、βl、al,0、bl,0(k=1,2,...,n、およびl=1,2,...,Lに対して)、α0、およびβ0は、ボルツマン方程式(または光子拡散モデリング近似)などの光学モデリング技法、またはデータフィッティング技法とシミュレーション技法の組合せを通じて、臨床データおよびフィッティング技法から実験的に取得された定数である。関数「cal」は、レシオメトリック量に一緒にまとめられた光データを、測定単位(たとえば、SpO2では%)へとマッピングする(すなわち、変換する)。関数「cal」はまた、値のテーブルを通じた、多項式の、線形もしくはアフィンの、区分的線形の、区分的非線形の、超越的な、もしくは離散的なマッピング、またはこれらの組合せであり得る。式32はまた、測定部位を調査する光波長信号の数に応じた、かつ要素4104の中のデータストリームによって収集された、グルコース、総ヘモグロビン、ディスヘモグロビン、水分、タンパク質、コレステロール、骨密度、体脂肪、カロリー消費、カロリー摂取、ある期間にわたるカロリーバランスなどの、他の血液または体の組成およびレートの測定値を計算する(推定する)ために使用され得る。PI値は、フォトプレチスモグラフの振幅の加重和によって計算され得る。要素4138の中の最適な波形4136および最適な重みは、要素4120を通じて分類プロセス4176へと入力され、次の方式で各「i」に対するPI値を計算するために使用されてもよく、
Figure 2022541647000082
ここで、
Figure 2022541647000083
であり、dkは、臨床データおよびフィッティング技法から、ボルツマン方程式(または光子拡散モデリング近似)などの光学モデリング技法を通じて、またはデータフィッティング技法とシミュレーション技法の組合せを通じて、実験的に取得された定数である。式33は、少なくとも1つの心拍数サイクルを獲得することが可能なある期間にわたり、(最適な波形4136および最適な重み4138およびdk定数から取得される)要素4118の中のデータストリームの加重和である、Ampi(t)のピークピーク値を計算する。
5. 分類プロセス4176において発生する測定およびパラメータ選択は、観察デバイスおよびホストデバイスによって収集されて処理されるリアルタイムデータおよび情報を最も良く反映する測定値およびパラメータ値を推定するために、線形、非線形、放射基底、ベイズ、決定木、ニューラルネットワーク、k近傍、ルールベース、およびエキスパートシステム全般などの、分類技法を適用することを目的とする。ある例示的な実施形態では、式21、26、27、28、および29の使用を、次のルールベースの記述によって記述することができ、
Figure 2022541647000084
ここで、φ={i:(PowerNORM(i)>PowerMIN)&(Arms(i)<ArmsMAX)&(m1PR(t)<PR(i)<M1PR(t))&(m2SpO2(t)<SpO2(i)<M2SpO2(t))&(m3PI(t)<PI(i)<M3PI(t))} 式36
かつ
Figure 2022541647000085
であり、φはインデックス「i」に対する許容される値の集合を表し、「&」は論理和演算子であり、PowerMINは最小の正規化されたパワー閾値レベルに対応し、ArmsMAXは、最適モデル4116と現在の基準モデル4172との間の最大の許容される二乗平均平方根誤差に対応する。最適モデル4116は、ある値(すなわち、PowerMIN)より大きい正規化されたエネルギーまたはパワーレベル(式37)と、有効であると見なされるべきある値(すなわち、ArmsMAX)より低い、現在の基準モデル4172と比較したときの二乗平均平方根確度(式27)とを有する。式35、36、および37によって定義されるルールベースの分類プロセス4176の結果は、Power(i+)が最大値であるような、インデックスi=i+∈φの決定である。これは、測定値(たとえば、SpO2(i+)、PR(i+)、PI(i+))の選択または計算、選択インデックス「j(i+)」の選択または計算、ならびにインデクシングされたパラメータおよびメトリクスの選択を可能にし、これらはすべて、分類プロセス4176の出力4184、4186、4188によって表される。出力4184の中の信号および/または値は、出力測定結果の計算において使用される。出力4188の中の信号および/または値は、新しい基準モデルの計算において使用され、出力4186の中の信号および/または値は、新しい探索限界の計算において使用される。適用例に応じて、出力4184の中の信号および/または値の一部も、要素4186および4188の一部であり得る。分類結果「i+」は、最適モデル4116、最適基準モデル4154、ならびに、最適モデル4116および最適基準モデル4154から計算されるインデクシングされた測定結果およびパラメータのすべてをインデクシングする。たとえば、ブロック4190において探索限界4180を更新するために、ブロック4192において次のエポック「(t+1)」において測定結果SpO2(t+1)、PR(t+1)、PI(t+1)を更新するために、ブロック4194において新しい基準モデルを計算するために、およびブロック4196において次のエポック「(t+1)」のための現在の基準モデルを更新するために使用され得る「j(i+)」インデックスを更新するために、測定値SpO2(i+)、PR(i+)、およびPI(i+)が使用され得る。
6. 新しい出力測定結果4170を計算または更新するために、分類プロセス4176の出力4184が使用され得る。これは、ブロック4178において示される異常値除去および平均化プロセスにおいて行われる。ブロック4178は、出力4184(たとえば、SpO2(i+)、PR(i+)、およびPI(i+))を受信し、次のエポック「(t+1)」の出力測定結果4170(たとえば、SpO2(t+1)、PR(t+1)、PI(t+1))を計算する。ブロック4178は、現在および過去の出力4184を使用して、次のエポックの出力測定結果4170を計算する。現在および過去の出力4184は、次のエポックの出力測定結果4170のための最良の推定値を抽出するために異常値除去および平均化プロセス4178によって使用され得る、アレイまたは行列に記憶され得る。一実施形態では、「Method and System for Processing Data Streams」という表題の米国特許出願第_______号において開示される技法および/またはシステムが、異常値を除去し、ブロック4178における平均化を実行し、次のエポックの出力測定結果4170を計算するために使用され得る。この技法は、現在および過去の出力4184を使用した次のエポックの出力測定結果4170のためのグローバルな最適解の効率的な数値計算を、設計によって生み出す。
7. 新しい探索限界の計算が、ブロック4190において行われる。ブロック4190は、分類プロセス4176からの出力4186、ブロック4178からの出力を使用して、新しい探索限界を計算する。式28、29、および30によって定義される例示的な実施形態では、新しい探索限界の計算は、現在および過去のエポックの測定結果4198と相対的な限界とを使用することによって行われる。適用例に応じて、ブロック4178からの他の情報4199(たとえば、モデルパラメータ、メトリクスなど)が、現在および過去の選択された最適モデルのパラメータとメトリクス、ならびに、分類プロセス4176から取得される現在および過去の選択された最適基準モデルのパラメータとメトリクスの関数である、探索限界を定義するために使用され得る。特定の測定結果またはパラメータの候補に対して、複数の探索間隔があることも可能である。ある例示的な実施形態では、PRの測定値の式28は、
m1,kPR(t)<PR(i)<M1,kPR(t) 式38
として一般化することができ、ここで、k=1,2,...について各ペアm1,kおよびM1,kが、探索限界間隔を定義する。適用例に応じて、探索限界間隔は交わっていなくても、いてもよい。探索限界間隔はまた多次元であってもよく、このとき、探索限界は
(x(i)-x0(t))TAk(x(i)-x0(t))<1 式39
などの多次元領域になり、変数xは測定結果および/またはパラメータの候補を表すベクトルであり(たとえば、x(i)=[PR(i) SpO2(i) PI(i) ...]T)、変数x0は現在のエポックtの測定結果および/またはパラメータを表すベクトルであり(たとえば、x0(t)=[PR(t) SpO2(t) PI(t) ...]T)、k=1,2,...に対するAkは、文脈により示唆される次元(すなわち、ベクトルxの次元)を有する正定値行列である。各行列Akは探索領域を定義する。式39は、x0(t)およびAkのペアによって定義される楕円により囲まれた多次元の探索領域を表す。探索領域はまた、ボロノイ図、または探索領域全体のある区分を形成する重複しない多次元領域の集合によって定義され得る。この文脈では、各々の重複しない多次元領域は、特定のエポックにおいて分類プロセス4176によって現在の探索限界(領域)4174として(実現形態4180とともに)使用され得る探索領域である。新しい探索限界がブロック4190において取得されると、分類プロセス4176によって次のエポックにおいて使用される現在の探索限界4174は、ブロック4192において更新される。現在の探索限界4174は、メモリを節約するために、および/またはデータ取り出しを改善するために、特定の構成で記憶され得る。要素4174によって表される現在の探索限界は、分類プロセス4176によってより効率的に使用され得る要素4180によって表される実現形態における、現在の探索限界を出力する。たとえば、ボロノイ図の各々の重複しない多次元領域は、点(シード、ジェネレータ、サイト)の集合として要素4174に記憶され得る。現在の探索限界(領域)に応じて、要素4174は、分類プロセス4176によってより簡単に評価され得る要素4180を通じて入手可能な不等式の集合へと、シードから計算された重複しない多次元領域をマッピングすることができる。
8. 基準モデルの計算が、ブロック4194において行われる。ブロック4194は、分類プロセス4176からの出力4188と、ブロック4178からの現在および過去のエポックの測定結果と相対的な限界4198とを使用して、新しい基準モデルを計算する。ある例示的な実施形態では、新しい基準モデルは、「j(i+)」に対する現在および過去のエポックの値4198を使用することによって計算されてもよく、このとき、各最適モデルインデックス「i+」は、式35、36、および37に示されるような分類プロセス4176によって選択され、「j(i+)」は対応する最適基準モデル4154をインデクシングする。「j(i+)」に対する現在および過去のエポックの値4198は、基準モデルのインスタンスを決定(たとえば、選択)する。結果として、いくつかの実施形態では、現在および過去のエポックの値4198は、新しい基準モデルのための最適な平均インデックスを計算するために、ブロック4178へとフィードバックされ得る。新しい基準モデルは、新しい基準モデルの決定のために、他の情報4199を介してブロック4194へと供給され得る。任意選択で、「j(i+)」に対する現在および過去のエポックの値から選択された、基準モデルの現在および過去のエポックのインスタンスは、新しい基準モデルの決定のための追加の情報をもたらすために、出力4188を介してブロック4194へと供給され得る。適用例に応じて、現在および過去の選択された最適モデルのパラメータとメトリクス、ならびに分類プロセス4176から取得される現在および過去の選択された最適基準モデルのパラメータとメトリクスなどの、各エポックにおける新しい基準モデルの決定または計算において使用され得る。新しい基準モデルがブロック4194において取得されると、分類プロセス4176によって次のエポックにおいて使用される現在の基準モデル4172は、ブロック4198において更新される。現在の基準モデル4172は、メモリを節約するために、および/またはデータ取り出しを改善するために、特定の構成で記憶され得る。現在の基準モデル4172は、分類プロセス4176によってより効率的に使用され得る実現形態で、要素4182の中のパラメータを出力する。たとえば、要素4182の中のパラメータは、式27に示されるような要素4144の中の正規化されたパラメータの集合との直接比較を可能にするフォーマットで出力され得る。
図42は、図41A~図41Hに示される例示的なデータフロー図がどのように一緒に接続されて、インデクシングされたモデルの系列(すなわち、i=1,2,...,I)、および基準モデルの系列(すなわち、j=1,2,...,J)について各エポックにおいて処理され得るかを示す、ブロック図である。入力4200は、インデックス「i」の各値に対して1つずつ、要素4102の中の関数の「I」個のインスタンスを表す。入力4200および要素4114により表される異なる動作領域は、インデクシングされた最適モデル4202の系列に入力される。インデクシングされた最適モデル4202の系列は、インデックス「i」の各値に対して1つずつ、インデクシングされた最適モデル4116の「I」個のインスタンスを備える。インデクシングされた最適モデル4202の系列は、最適化問題ソルバー4108によって各エポックに対して計算される。一実施形態では、インデクシングされた最適モデル4202の系列は、図41A~図41Dに図示される例示的な実施形態に従って決定される。
各エポックに対して、要素4204は、インデクシングされた最適モデル4202の系列を取得するために、インデクシングされたモデル4100の系列にわたって「I」回最適化問題ソルバー4108を適用するプロセスを表す。最適化問題ソルバー4108は要素4206を出力し、これは、インデックス「i」の各値に対して1つずつ、要素4122の「I」個のインスタンスを備える。前に論じられたように、ある例示的な実施形態では、要素4122は、各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116に対して、パワーの、サンプリングされた相関の、およびサンプリングされた二乗平均平方根確度のアレイを記憶する、構造またはコンテナであり得る。
要素4208および4210は、要素4202によって生み出され、インデックス「i」の各値に対して1つずつ、要素4118(たとえば、データセットまたはデータストリーム)および要素4120の「I」個のインスタンスからなる。前に論じられたように、要素4120は、要素4118によって表される「n」個の実数または複素数データストリームの「i」個のデータセットまたは「i」個のシーケンス以外の、すべてのパラメータ(たとえば、最適化変数またはモデルのパラメータなどに対する最適値)ならびに内部/中間の信号および変数を表す。要素4118および4120は、パラメータ抽出を伴う領域および範囲の正規化のために要素4152に入力される。要素4152は要素4212を出力し、これは、インデックス「i」の各値に対して1つずつ、要素4144によって表される正規化されたパラメータの集合の「I」個のインスタンスを備える。
インデクシングされた最適基準モデル4214の系列は、探索プロセス4148によって各エポックに対して決定される。一実施形態では、インデクシングされた最適基準モデル4214の系列は、図41E~図41Gに示される実施形態に従って計算される。各エポックに対して、要素4216は、インデクシングされた最適基準モデル4214の系列を取得するために、インデクシングされた最適モデル4116の系列およびインデクシングされた基準モデル4140の系列にわたって「I」回探索プロセス4148を適用するプロセスを表す。インデクシングされた最適基準モデル4214の系列は、インデックス「j(i)」の各値に対して1つずつ、「j(i)」によってインデクシングされるインデクシングされた最適基準モデル4154の「I」個のインスタンスを備え、i=1,2,...,Iに対してj(i)∈{1,2,...,J}である。
インデクシングされた最適基準モデル4214の系列は要素4218を出力し、これは、要素4156によって表されるパラメータの最適な集合の「I」個のインスタンスを備える。探索プロセス4148は要素4220を出力し、これは、インデックス「i」の各値に対して1つずつ、要素4146によって表されるインデックスペア「(i,j(i))」の「I」個のインスタンスを備える。
要素4180、4182、4206、4210、4212、4218、および4220は、分類プロセス4176へと入力され、これは、出力4184、4186、および4188を決定する。一実施形態では、出力4184、4186、4188は、図41Hに図示される実施形態に従って計算される。出力4184、4186、および4188は、出力測定結果4170、ブロック4190における新しい探索限界、および新しい基準モデルを計算する(ブロック4194)ために、ブロック4178、4190、および4194によって使用される。新しい探索限界および新しい基準モデルは、現在の探索限界4174、4180、現在の基準モデル4172、および次のエポックにおいて使用される要素4182の中のパラメータを更新するために、ブロック4192および4196によって使用される。
図43は、図41A~図41Hに示される例示的なデータフロー図が、インデクシングされたモデルの系列(すなわち、i=1,2,...,I)および基準モデルの系列(すなわち、j=1,2,...,J)について各エポックにおいてどのように一緒に接続されて処理され得るかの、代替の実施形態のブロック図を示す。示される実施形態は、より少ない(および可変の)数のインスタンスを伴うインデクシングされたモデルの系列を使用することによって、より効率的になり得る。より少ない(および可変の)数のインスタンスを伴うインデクシングされたモデルの系列を使用することは、インデクシングされたモデルインスタンスの数を「I」未満の(またはそれに等しい)数「IR」に減らすために、要素4174から受信された現在の探索限界4180を最適化問題ソルバー4108へと入力することによって達成される。
最初のまたは第1のエポックにおいて、インスタンスの数は「I」に等しくてもよい。より多くのエポックからのデータが処理されるにつれて、および出力の測定結果と関連する情報が知られ、または安定化するにつれて、モデルインスタンスの数「IR」とともに検索限界を狭めることができる。ユーザからの観察デバイスの取り外し、または有線接続もしくはワイヤレス接続の中断と再開などの、出力測定結果および関連情報が不連続である場合、または、データストリームもしくはデータセット4104に存在するノイズ、干渉、および/もしくは体動によるアーティファクトがより高いレベルに増大し、統計的に信頼性がより低い測定結果の傾向および関連情報をもたらす場合、モデルインスタンスの数「IR」とともに探索限界を広げることができる。
一般に、モデルインスタンスの数「IR」は、現在の探索限界4180に応じて各エポックにおいて更新される。たとえば、以下の式
IR=|φ| 式40
ただし、
φ{iALLOWED:(m1PR(t)-PRMIN)≦ciALLOWED≦(M1PR(t)-PRMIN),1≦iALLOWED≦I} 式41
が、各エポックにおけるモデルインスタンスを選択するために、最適化問題ソルバー4108によって採用され得る。演算子|φ|は、集合φの濃度であり、PRMIN、c、m1、およびM1は、用途により定義される定数である。一例では、m1PR(t)およびM1PR(t)は、要素4174、4180から入手可能な脈拍数測定結果からの現在の探索限界(すなわち、下限および上限)を表す。引数「t」は、現在の探索限界4180が計算されたときのタイムエポックを表すので、次のタイムエポック「(t+1)」において測定結果および関連情報を計算するために利用可能である。
図43の入力4300は、インデックス「iALLOWED」の各値に対して1つずつ、要素4102によって表される関数の「IR」個のインスタンスを表す。入力4300および要素4114によって表される異なる動作領域は、インデクシングされた最適モデル4302の系列へと入力される。要素4302は、インデックス「iALLOWED」の各値に対して1つずつ、要素4116によって表されるインデクシングされた最適モデルの「IR」個のインスタンスを備える。インデクシングされた最適モデル4302の系列は、最適化問題ソルバー4108によって各エポックに対して計算される。一実施形態では、インデクシングされた最適モデル4302の系列は、図41A~図41Dに図示される例示的な実施形態に従って決定される。
各エポックに対して、要素4304は、インデクシングされた最適モデル4302の系列を取得するために、インデクシングされたモデルのある系列にわたって「IR」回最適化問題ソルバー4108を適用するプロセスを表す。最適化問題ソルバー4108は要素4306を出力する。要素4306は、インデックス「iALLOWED」の各値に対して1つずつの、要素4122の「IR」個のインスタンスからなる。前に論じられたように、ある例示的な実施形態では、要素4122は、各々のインデクシングされた最適モデル「i」4116に対して、パワーの、サンプリングされた相関の、およびサンプリングされた二乗平均平方根確度のアレイを記憶する、構造またはコンテナであり得る。
要素4308、4310は、要素4302によって生み出され、インデックス「iALLOWED」の各値に対して1つずつ、要素4118(たとえば、データセットまたはデータストリーム)および要素4120の「IR」個のインスタンスを備える。前に論じられたように、要素4120は、要素4118によって表される「n」個の実数または複素数のデータストリームの「i」個のデータセットまたは「i」個のシーケンス以外の、すべてのパラメータ(たとえば、最適化変数またはモデルのパラメータなどに対する最適値)ならびに内部/中間の信号および変数を表す。要素4118、4120は、パラメータ抽出を伴う領域および範囲の正規化のために要素4152に入力される。要素4152は要素4312を出力する。要素4312は、インデックス「iALLOWED」の各値に対して1つずつ、要素4144によって表される正規化されたパラメータの集合の「IR」個のインスタンスを備える。
インデクシングされた最適基準モデル4314の系列は、探索プロセス4148によって各エポックに対して決定される。一実施形態では、インデクシングされた最適基準モデル4314の系列は、図41E~図41Gに図示される例示的な実施形態に従って計算される。各エポックに対して、要素4316は、インデクシングされた最適基準モデル4314の系列を取得するために、インデクシングされた最適モデル4116の系列およびインデクシングされた基準モデル4140の系列にわたって「IR」回探索プロセス4148を適用するプロセスを表す。要素4314は、インデックス「j(iALLOWED)」の各値に対して1つずつ、「j(i)」によってインデクシングされるインデクシングされた最適基準モデル4154の系列の「IR」個のインスタンスを備え、iALLOWED∈φに対してj(iALLOWED)∈{1,2,...,J}である。要素4314は要素4318を出力し、これは、要素4156によって表されるパラメータの最適な集合の「IR」個のインスタンスからなる。
要素4320は探索プロセス4148によって出力される。要素4320は、インデックス「iALLOWED」の各値に対して1つずつ、インデックスペア「(i,j(i))」の「IR」個のインスタンスを備える。要素4180、4182、4306、4310、4312、4318、および4320は分類プロセス4176へと入力され、これは次いで、出力4184、4186、4188を決定する。一実施形態では、出力4184、4186、4188は、図41Hに図示される例示的な実施形態に従って計算される。
出力4184、4186、4188は、出力測定結果4170、ブロック4192における新しい探索限界、およびブロック4194における新しい基準モデルを計算するために、ブロック4178、4190、および4194によって使用される。新しい探索限界および新しい基準モデルは、現在の探索限界4174、4180、現在の基準モデル4172、および次のエポックにおいて使用される要素4182の中のパラメータを更新するために、ブロック4192および4196によって使用される。
図44は、図39に示されるブロック3906において使用するのに適した例示的な動作のフローチャートを示す。ブロック4400において、ホストデバイス(たとえば、ホストソフトウェアを介して)、各タイムエポックにおいて、インデクシングされた最適モデルの系列を計算する。一実施形態では、インデクシングされた最適モデルの系列は、図41A~図41D、図42、および図43に示される例示的な実施形態を使用して、最適化問題ソルバーによって決定される。
次に、ブロック4402において示されるように、ホストデバイスが、各エポックにおいてインデクシングされた最適基準モデルの系列を計算する。一実施形態では、インデクシングされた最適基準モデルの系列は、図41E~図41G、図42、および図43に示される例示的な実施形態に従って探索プロセスによって決定される。ホストデバイスはまた、瞬時的な測定結果(たとえば、中間の値と量、光学比および他の汎関数、酸素飽和度、脈拍数、灌流指数、脈波振幅、ディスヘモグロビン濃度、血中グルコース濃度、ヘマトクリット、血中水分、血中タンパク質、血中脂肪、血液温度または深部体温、血圧など)および基準モデルをブロック4404において計算する。一実施形態では、瞬時的な測定結果および基準モデルは、図41H、図42、および図43に示される例示的な実施形態に従った分類プロセスによって決定される。
平均の測定結果を計算するのに十分な量のデータ履歴が存在するかどうかについての決定が、ブロック4406において行われる。ブロック4406は、十分な瞬時的な測定結果、基準モデル、および関連情報(すなわち、データ履歴)が、平均の測定結果の計算の前に分類プロセスによって計算されることが確実に成功するようにする。十分な量のデータが存在しないという決定が行われる場合、プロセスはブロック4408に進み、ソフトウェア120の中の次の状態変数が、ブロック4400、4402、および4404からの結果(たとえば、最適化問題ソルバー、探索プロセス、分類プロセス、および関連情報からの結果)を使用して更新される。
十分な量のデータが存在するという決定がブロック4406において行われると、方法はブロック4410に進み、瞬時的な測定データの履歴から平均の測定結果が計算される。一実施形態では、平均の測定結果の計算は、図41H、図42、および図43に示されるブロック4178を介して実行される。前に説明されたように、ブロック4178は、異常値の除去および瞬時的な測定データの履歴の平均化を実行するために、分類プロセス4176によって出力される出力4184(たとえば、瞬時的な測定データの履歴など)および関連情報を使用する。ブロック4178は、要素4198、4199の中の情報および出力測定結果4170を生み出す。
次に、ブロック4412において示されるように、新しい基準モデルが計算される。一実施形態では、新しい基準モデルの計算は、ブロック4194において行われ、図41H、図42、および図43に図示される例示的な実施形態と併せて論じられる。ブロック4194は、出力4188の中の情報(たとえば、基準モデルデータの履歴など)ならびに分類プロセス4176および要素4178によって生み出される要素4199を受信する。ブロック4194は、次のエポックにおいて使用されるべき新しい基準モデルを計算する。
ブロック4414は、ブロック4400、4402、および4404からの結果を使用して、新しい探索限界を計算する。一実施形態では、新しい探索限界の計算は、図41H、図42、および図43に示されるようにブロック4190によって実行される。ブロック4190は、次のエポックにおいて使用されるべき新しい探索限界を計算するために、分類プロセス4176およびブロック4178によってそれぞれ生み出される、出力4186および要素4198の中の情報を受信する。
ブロック4416は、ブロック4400、4402、および4404からの結果を使用して、次の状態および出力変数を更新する。一実施形態では、次の状態および出力変数を更新するために使用される結果は、最適化問題ソルバー、探索プロセス、分類プロセス766からの結果、ブロック4410からの平均の測定結果、ブロック4412からの新しい基準モデル、ブロック4414からの新しい探索限界、および関連情報を含む。
図45は、図44に示されるブロック4400における使用に適した例示的な動作のフローチャートを図示する。最初に、ブロック4500に示されるように、最適化変数によってパラメータ化されるインデクシングされたモデルの系列は、ホストソフトウェアの中の状態変数から取り出される。図41A~図41D、図42、および図43は、インデクシングされた(最適な)モデルの系列のための例示的な実施形態を説明する。次に、ブロック4502に示されるように、最適化変数のインデクシングされた最適値が、各々のインデクシングされたモデルに対して計算される。一実施形態では、インデクシングされた最適値の計算は、インデクシングされたモデルの系列によって生み出されるデータストリーム(たとえば、図41Aの要素4106)を介した各々のインデクシングされたモデル(たとえば、図41Aのインデクシングされたモデル4100)を、入力変数に記憶されている正規化されたデータストリーム(すなわち、図41Aの要素4104)と比較する、費用関数を最小にする最適化問題ソルバーによって実行される。インデクシングされたモデルの系列によって生み出されるデータストリームは、図41Aの要素4102および4114によって表される関数および異なる動作領域を各々のインデクシングされたモデル(たとえば、図41Aのインデクシングされたモデル4100)に入力することによって生成される。
次に、ブロック4504に示されるように、最適化変数のためのインデクシングされた最適値から、インデクシングされたパラメータの系列が計算される。各エポックにおける要素4104において表される正規化されたデータストリームを特徴付ける形態および時間-周波数のインデクシングされた尺度(たとえば、振幅、位相、パワー、エネルギー、分布、高調波成分など)の系列を計算するために、インデクシングされたパラメータの系列および最適化変数の最適値の系列が使用される。ブロック4506において、結果として生じるインデクシングされた最適モデルの系列が、インデクシングされたパラメータの系列および最適化変数の最適値の系列から計算される。一実施形態では、インデクシングされた最適モデルの系列(たとえば、図41Bの4116、図42の4202、および図43の4302であるインデクシングされた最適モデルの系列)が、図41A~図41D、図42、および図43に図示される例示的な実施形態を使用して得られる。
次いで、インデクシングされたメトリクス(たとえば、二乗平均平方根確度、相関、分散、絶対誤差、最小値ベース、最大値ベース、平均ベース、およびメジアンベースのメトリクスなど)の系列が、インデクシングされた最適モデルの系列を図41の要素4104において表される正規化されたデータストリームと比較することによって計算される(ブロック4508)。ブロック4504、4506、および4508からの結果ならびにインデクシングされた最適モデルの系列が出力される。一実施形態では、ブロック4504、4506、および4508からの結果は、最適化問題ソルバー4108(図41A)によって生み出され、インデクシングされた最適モデルの系列(たとえば、図41Bの4116、図42の4202、および図43の4302であるインデクシングされた最適モデルの系列)は、図41A~図41Dの要素4118、4120、および4122、図42の要素4206、4208、4210、または図43の要素4306、4308、および4310によって表される。
図46は、図44に示されるブロック4402および4404において使用するのに適した例示的な動作のフローチャートを示す。ブロック4402および4404は、ブロック4410(図44)における平均の測定結果、ブロック4412における新しい基準モデル、およびブロック4414における新しい探索限界の計算を可能にするために、インデクシングされた最適基準モデルの系列、瞬時的な測定結果、および基準モデルの系列を計算して、複数のエポックを通じたデータ履歴を組み立てるための、例示的なプロセスを説明する。一実施形態では、新しい基準モデルが、インデクシングされた最適基準モデルの系列から選択されるモデルインスタンスである。新しい基準モデルの選択は、基準モデル自体またはインデックスであり得る(たとえば、図41Hにおいて説明されるような「j(i+)」)。ブロック4412における新しい基準モデルの計算は、複数のエポック(データ履歴)を通じて得られる、選択された基準モデルおよび/またはそれらの選択されたインデックス値を用いた計算を伴い得る。たとえば、新しい基準モデルは、選択されたインデックス値に対して直接、異常値除去、平均化、および丸めを実行し、平均化された丸められたインデックス結果によってインデクシングされるインデクシングされた最適基準モデルの系列からインスタンスを選ぶことによって、決定され得る。
図46を参照すると、インデクシングされた最適モデル、パラメータ、およびメトリクスの系列、ならびにインデクシングされた基準モデルの系列は、ホストデバイス(たとえば、ホストソフトウェア)において状態変数から取り出される(ブロック4600、4602)。次に、ブロック4604において示されるように、インデクシングされた最適モデルの系列が正規化される。一実施形態では、インデクシングされた最適モデルの系列は、図41E、図41G、図42、および図43の要素4152において表されるパラメータ抽出を伴う領域および範囲の正規化を使用して正規化される。
インデクシングされた基準モデルの系列を(正規化された)インデクシングされた最適モデルの系列と比較するインデクシングされたメトリクスの系列が、ブロック4606において決定される。インデクシングされたメトリクスの限定しない例は、二乗平均平方根確度、相関、分散、絶対誤差、最小値ベースのメトリクス、最大値ベースのメトリクス、平均ベースのメトリクス、およびメジアンベースのメトリクスを含む。インデクシングされた最適基準モデルの系列が次いで、ブロック4606において計算されるインデクシングされたメトリクスの系列を使用して、ブロック4608において計算される。一実施形態では、インデクシングされたメトリクスおよび最適基準モデルの系列の計算は、図41E~図41G、図42、および図43に図示される例示的な実施形態において詳述される探索プロセス4148(図41E)によって実行される。
ブロック4610、4612、4614、4616、および4618は、各エポックにおいて(最適な)瞬時的な測定結果および基準モデルを計算してデータ履歴を組み立てるために、分類プロセス4176によって実行される例示的な動作を説明する。ブロック4610において、現在の基準モデルのパラメータ(たとえば、現在の基準モデル4172のパラメータ4182)は、ホストデバイス(たとえば、ホストソフトウェア)において状態変数から取り出される。現在の基準モデルとの(正規化された)インデクシングされた最適モデルの系列の比較を可能にする、インデクシングされたメトリクスの追加の系列が、ブロック4612において計算される。一実施形態では、(正規化された)インデクシングされた最適モデルの系列が、図41E、図41G、図42、および図43における、それぞれの要素4116、4242、および4302によって表され、現在の基準モデルのパラメータが、図41Hの要素4182によって表される。
次に、ブロック4614に示されるように、インデクシングされた瞬時的な測定結果(たとえば、SpO2、PR、PIなど)の系列が、インデクシングされた最適なパラメータおよびメトリクスの系列から計算される。インデクシングされた瞬時的な測定結果、パラメータ、およびメトリクスの系列からの瞬時的な測定結果の選択が、ブロック4616において実行される。一実施形態では、瞬時的な測定結果の選択は、図41H、図42、および図43の分類プロセス4176によって実行される。
基準モデル(すなわち、インデックス「j(i+)」)が、ブロック4618において、インデクシングされた最適基準モデル、パラメータ、およびメトリクスの系列から選択される。一実施形態では、基準モデル(すなわち、インデックス「j(i+)」)の選択は、図41H、図42、および図43の分類プロセス4176によって実行される。分類プロセス4176は、複数のエポックを通じて基準モデル(たとえば、現在および過去のエポックの「j(i+)」の値)、瞬時的な測定結果、および関連パラメータを計算して、データ履歴の組み立てを可能にする。データ履歴は、平均の測定結果(ブロック4178)、新しい基準モデル(ブロック4194)、および新しい探索限界(ブロック4190)を計算するために、出力4184、4188、および4186を介して、それぞれ、ブロック4178、4194、および4190へと入力される。
いくつかの実施形態では、ホストデバイスのホストソフトウェアおよび観察デバイスのデバイスファームウェアは、観察デバイスの電池持続時間を測定するための分散型残量計システムを実装するように動作可能である。分散型残量計システムは、構成要素の数、ハードウェアの複雑さ、および/または観察デバイスの製造コストを減らすことができる。分散型残量計システムは、観察デバイスによって取られてホストデバイスに送信される、電池および回路(たとえば、温度、クロック周波数、電流、電圧、負荷など)の測定結果に依存する。加えて、観察デバイスは、観察デバイスの状態(たとえば、図26に示される状態)の各々において観察デバイスによって消費されるエネルギーを記録する、1つまたは複数の不揮発性カウンタを維持することができる。1つの例示的な実施形態では、観察デバイスは、観察デバイスがスタンバイ状態にありホストデバイスに接続されていないとき(たとえば、図26の状態0)には常に作動している、スタンバイカウンタを有し得る。スタンバイ状態において、観察デバイスは、ホストデバイスに接続されておらずどのようなバイオセンシング機能も実行していないので、より消費電力が少ない。
追加または代替として、観察デバイスは、観察デバイス(図26の状態0にない)が実行中であるとき、および/またはホストデバイスに接続されるときには常に作動している使用カウンタを有し得る。観察デバイスが実行中であるとき、および/またはホストデバイスに接続されるとき、観察デバイスの電力消費は、有線接続もしくはワイヤレス接続および/または1つもしくは複数のバイオセンシング機能の実行により増大する。
スタンバイカウンタの変化率は、一定(スタンバイ電力消費が常に同じであると仮定して)または可変(温度、クロック周波数、電流、電圧、負荷などの、観察可能な変数に応じたスタンバイ電力消費の変化を仮定して)であり得る。同じ理屈を使用カウンタに適用することができる。使用カウンタの変化率は、一定(実行中の電力消費が常に同じであると仮定して)または可変(温度、クロック周波数、電流、電圧、負荷などの、観察可能な変数に応じた実行中の電力消費の変化を仮定して)であり得る。一実施形態では、スタンバイカウンタと使用カウンタの両方の変化率が、離散時間間隔におけるインクリメントまたはデクリメントである。
図47は、観察デバイスの電池持続時間を測定する分散型残量計システムを動作させる方法のフローチャートを図示する。このプロセスは、ホストデバイスによって実行され、電池持続時間の測定を4つの領域に分ける。
1. 第1の領域は、あらかじめ定められた上側閾値より高い電池電圧と関連付けられる。第1の領域では、電池は満充電であり、電池エネルギーの変化(減少)は、電池電圧を変化させる(低下させる)。第1の領域における電池電圧の低下の結果として、電池電圧は電池に残っているエネルギー(すなわち、残されている電池エネルギー)にマッピングされ得る。
2. 第2の領域は、上側閾値以下の、かつあらかじめ定められた中間閾値より大きい電池電圧と関連付けられる。第2の領域では、電池エネルギーの変化(減少)は、電池電圧を変化させない。このように電池電圧の変化がないことで、電池に残っているエネルギーへの電池電圧の対応付けが可能になる。第2の領域では、電池エネルギーの消費は、観察デバイスによって消費されるエネルギーを記録する観察デバイスにおいて実装される1つまたは複数の不揮発性カウンタにより把握される。
3. 第3の領域は、中間閾値以下の、かつあらかじめ定められた下側閾値より大きい電池電圧と関連付けられる。第3の領域では、電池の残量は少なく、電池エネルギーの変化(減少)は電池電圧を変化させる(低下させる)。電池電圧の低下の結果として、電池電圧は、電池に残っているエネルギーにマッピングされ得る。
4. 第4の領域は、下側閾値より低い電池値と関連付けられる。第4の領域では、電池に残っているエネルギーは、電池が完全に放電している(空)と見なされるレベルに達していると見なされる。
図47のブロック4700を参照すると、電池電圧が上側閾値より大きいかどうかの決定が行われる。大きい場合、プロセスはブロック4702に進み、電池残量計の値(すなわち、電池の残されている正規化されたエネルギー)が、
E=min(100,e0+e1VBAT), VBAT>VH 式42
などの式によって計算され、Eは0から100%の電池の正規化されたエネルギーであり、e0およびe1は定数であり、VHは電池電圧の上側閾値であり、VBATは観察デバイスにより読み取られホストデバイスに送信されるデバイスの電池電圧である。式42の「min」関数および数「100」は、100%より高い正規化されたエネルギー値の計算を防ぐためのものである。式42はまた、VBATのより高次の多項式関数、またはVBATおよび任意選択で他の測定可能なパラメータ(たとえば、電池の温度、環境の気圧、温度、および湿度、デバイスの回路の電流消費など)を正規化されたエネルギー値Eにマッピングする何らかの他の関数であり得る。
電池電圧が上側閾値より大きくないという決定がブロック4700において行われる場合、電池電圧が上側閾値以下であり中間閾値より大きいかどうかについての決定が行われるブロック4704へと、方法は続く。大きい場合、プロセスは、電池の正規化されたエネルギーが
E=max(EL,100-e2CSTANDBY-e3CUSAGE), VH≧VBAT>VI 式43
などの式によって計算され得るブロック4706に進み、e2およびe3は定数であり、VIは電池電圧の中間閾値であり、CSTANDBYおよびCUSAGEは観察デバイスによって読み取られホストデバイスに送信されるスタンバイカウンタ値および使用カウンタ値である。定数ELは、式43によって計算される最小の正規化されたエネルギー閾値(たとえば、8%、10%、15%など)の値である。式43はまた、CSTANDBYおよびCUSAGEのより高次の多項式関数、またはCSTANDBYおよびCUSAGEおよび任意選択で他の測定可能なパラメータ(たとえば、電池の温度、環境の気圧、温度、および湿度、デバイスの回路の電流消費など)を正規化されたエネルギー値Eへとマッピングする何らかの他の関数であり得る。
電池電圧が上側閾値以下であるが、中間閾値より大きくないという決定が、ブロック4704において行われる場合、プロセスは、電池電圧が中間閾値以下であり下側閾値より大きいかどうかの決定が行われるブロック4708に続く。大きい場合、方法はブロック4702に進み、電池の正規化されたエネルギーが
E=max(0,e4+e5VBAT), VI≧VBAT>VL 式44
などの式によって計算されてもよく、e4およびe5は定数であり、VLは電池電圧の下側閾値である。式44における「max」関数および数「0」は、0%未満の正規化されたエネルギー値の計算を防ぐためのものである。式44はまた、VBATのより高次の多項式関数、またはVBATおよび任意選択の他の測定可能なパラメータ(たとえば、電池の温度、環境の気圧、温度、および湿度、デバイスの回路の電流消費など)を正規化されたエネルギー値Eへとマッピングする何らかの他の関数であり得る。
電池電圧が中間閾値以下であり下側閾値未満であるブロック4704において決定が行われる場合、プロセスは、電池が完全に放電している(たとえば、空である)ことを示すために正規化されたエネルギーが0に設定されるブロック4710に続く。
図47において、電池のエネルギーの測定は、固有のノイズを受ける電圧および他の測定結果を利用する複数の式、ならびに1つまたは複数のカウンタを伴う。結果として、式42、43、および44からの電池の継続的な正規化されたエネルギー値を電池の残量計インジケータにおける離散値へと変換するとき、ジッタリングを防ぐために、ある離散レベルから別の離散レベルへの遷移を可能にするための論理にヒステリシスが追加され得る。図48は、ジッタリングを防ぐために、ヒステリシスを考慮する例示的な残量計インジケータを示す。図48は、電池の6つの状態および各状態の電池アイコンを図示しているが、他の実施形態はこの構成に限定されない。他の実施形態では、電池の残量計インジケータは、電池または電池エネルギーの、任意の数の状態および/または任意のタイプのグラフィック表現を有し得る。
残量計インジケータは、電池が満充電されている状態4800において開始する。電池の正規化されたエネルギーが75%未満であるとき、残量計インジケータは、電池エネルギーの残量が3/4である状態4802に遷移する。示される実施形態において、状態4802は、電池の正規化されたエネルギーが87.5%より多いときにのみ状態4800に戻る。75%~87.5%におけるヒステリシスは、残量計インジケータが状態4800から状態4802に遷移するときジッタリングを防ぐ。
電池の正規化されたエネルギーが50%未満であるとき、残量計インジケータは、電池エネルギーの残量が1/2である状態4804へ状態4802から遷移する。例示的な実施形態では、状態4804は、電池の正規化されたエネルギーが62.5%より多い場合にのみ状態4802に戻る。50%~62.5%におけるヒステリシスは、残量計インジケータが状態4802から状態4804に遷移するときジッタリングを防ぐ。
電池の正規化されたエネルギーが25%未満であるとき、残量計インジケータは、電池エネルギーの残量が1/4である状態4806に状態4804から遷移する。示される実施形態では、状態4806は、電池の正規化されたエネルギーが37.5%より多い場合にのみ状態4804に戻る。25%~37.5%におけるヒステリシスは、残量計インジケータが状態4804から状態4806に遷移するときジッタリングを防ぐ。
電池の正規化されたエネルギーが8%未満であるとき、残量計インジケータは、電池エネルギーが少ない状態4808に状態4806から遷移する。例示的な実施形態では、状態4808は、電池の正規化されたエネルギーが16.5%より大きい場合にのみ状態4806に戻る。8%~16.5%におけるヒステリシスは、残量計インジケータが状態4806から状態4808に遷移するときジッタリングを防ぐ。
電池の正規化されたエネルギーが0%に等しい、または実質的に0%に等しいとき、残量計インジケータは、電池が空である状態4810に状態4808から遷移する。示される実施形態では、状態4810は、電池の正規化されたエネルギーが4%より多い場合にのみ状態4808に戻る。0%~4%におけるヒステリシスは、残量計インジケータが状態4808から状態4810に遷移するときジッタリングを防ぐ。
図49Aは、電池エネルギーと関連付けられる1つまたは複数のカウンタに基づいて、観察デバイスを初期化して再起動する方法のフローチャートを図示する。一実施形態では、方法は観察デバイスによって実行される。最初に、ブロック4900に示されるように、スタンバイカウンタのカウントが最大のカウントであるかどうかの決定が行われる。最大のカウントである場合、プロセスはブロック4902に進み、そこで観察デバイスはオフにされて再起動される。
スタンバイカウンタのカウントが最大のカウントではないという決定がブロック4900において行われる場合、方法はブロック4904に続き、そこで、使用カウンタのカウントが最大のカウントであるかどうかについての決定が行われる。最大のカウントである場合、プロセスはブロック4902に遷移する。スタンバイカウンタまたは使用カウンタが最大のカウントに達するとき、観察デバイスはシャットダウンし、ブロック4902において再起動される。スタンバイカウンタまたは使用カウンタのカウントが最大になると、観察デバイスはもはやホストデバイスに接続されず、どのようなバイオセンシング機能も実行しない。一実施形態では、スタンバイカウンタおよび使用カウンタは、不揮発性であり、スタンバイカウンタまたは使用カウンタが最大のカウントに達するとリセットすることができない。したがって、スタンバイカウンタおよび使用カウンタは、認められてないユーザが観察デバイスの使用を延ばすのを防ぐことができる。観察デバイスの使用の延長を防ぐことは特に、観察デバイスが使い捨てであり、交換できない充電不可能な電池を有するような、一回限り使用の用途において有用である。たとえば、いくつかの状況において、電池が完全に放電した後で、安全性および/または規制上の理由で電池を交換できない。
使用カウンタのカウントが最大のカウントではないブロック4904において決定が行われる場合、方法はブロック4906に続き、電池のエネルギーの減少を反映するためにスタンバイカウンタデータ構造が、インクリメントを用いて更新される。ブロック4908において、観察デバイスのデバイスファームウェアの中のファームウェアデータ構造が初期化される。初期化は、限定はされないが、データポインタ、構造、和集合、アレイ、および/または多次元アレイを含む。
次に、ブロック4910において示されるように、1つまたは複数のワイヤレスおよび/または通信サービスが初期化される。ある例示的な実施形態では、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)接続のためのワイヤレスサービスは、BLEソフトウェアスタックおよびメインアプリケーションを介してデバイスファームウェアによって使用されるワイヤレス機能(ペアリングおよび接続管理、データ転送、割り込み、エラー処理など)を可能にするための、データの収集ならびに関連する挙動および機能であり得る。ブロック4912において、データ収集割り込みサービスが初期化される。データ収集割り込みサービスは、観察デバイスのフロントエンド回路によって定期的に取得されるリアルタイムデータをデバイスファームウェアが記憶して処理することを可能にする。ある数の収集されたデータサンプルによって、または経過時間によって惹起され得る、割り込みにより管理されるデータ収集サービスは、観察デバイスの電力消費を減らし、他のサービス(たとえば、管理、通信など)によって使用され得るリソースを解放する。
ブロック4914において、管理割り込みサービスが初期化される。管理割り込み機能は、観察デバイスの状態を監視して制御するために定期的に有効にされる。たとえば、デバイスファームウェアの状態は、図26に図示される状態である。ブロック4916において、ウォッチドッグタイマー割り込みサービスが初期化される。ウォッチドッグタイマーの割り込みは、ある長さの時間(たとえば、ウォッチドッグタイマータイムアウト期間)が経過した後で、ソフトウェアもしくはハードウェアの障害により、または観察デバイスとホストデバイスとの間のネットワーク切断により、ウォッチドッグタイマーのタイムアウトが発生したときには常に発生する。たとえば、ウォッチドッグタイマータイムアウト期間は、5秒または10秒であり得る。ウォッチドッグタイマー割り込みサービスは、観察デバイスが、ハードウェアまたはソフトウェアの障害からの再初期化および復元を可能にするリセットスイッチまたはインターフェースを含まない、低コストの、一回限り使用の、使い捨ての観察デバイスである実施形態において、特に有用である。
図49Bは、ウォッチドッグタイマーを動作させる方法のフローチャートを示す。一実施形態では、図49Bに示されるプロセスは、観察デバイスによって実行され、図49Aに示される方法と同時に動作する。観察デバイスがホストデバイスから切断されるときは常に、ウォッチドッグタイマーは、管理割り込みサービスまたはデータ収集割り込みサービスによってリフレッシュされない。ブロック4918において、ウォッチドッグタイマーがタイムアウトする(たとえば、タイムアウト期間に達する)かどうかの決定が行われる。タイムアウトする場合、方法はブロック4902に進み、観察デバイスはシャットダウンされて再起動される。観察デバイスがオンにされるがホストデバイスに接続されない間、シャットダウンおよび再初期化プロセスが定期的に発生する。シャットダウンおよび再初期化プロセスは、ウォッチドッグタイマータイムアウト期間によって、ならびに任意選択で、観察デバイスのマイクロプロセッサおよび周辺機器のブートアップ時間などの他の要因によって定義される頻度で発生する。
ウォッチドッグタイマーがタイムアウトしていないという決定がブロック4918において行われるとき、方法はブロック4918において待機する。ウォッチドッグタイマーは、観察デバイスがホストデバイスに接続される間、障害が確実に検出されて処理されるようにする。加えて、ウォッチドッグタイマーはまた、観察デバイスがホストデバイスから切断されているとき、観察デバイスが常に動作の準備ができていて障害がない(可能な場合は常に)ことを確実にする。
いくつかの実施形態では、電池は再充電不可能な電池である。再充電不可能な電池の残量および/または観察デバイスの使用についての情報は、観察デバイスがいつ交換されるべきかをユーザが予測することを可能にするために、選択された時間に、または継続的にユーザに提供される。図50および図51は、観察デバイスの電池の持続時間を計算するための方法を示す。この方法は、観察デバイスの製造コストを上げることがある特別な回路を使用しない。電池電圧から直接電池持続時間を正確に推定する際の課題は、放電曲線の大半において電池電圧の変化がごくわずかであり、これにより電池電圧から電池持続時間(または残り時間)への対応付けが信頼できないものになり得るということである。
図50は、例示的な電池放電曲線を図示する。電池電圧(x軸)は、Va(満充電)で開始し、Vc(完全放電)で終了する。VaからVbに向かって、電池電圧から電池持続時間(y軸)の正確な推定値を生み出すには、電池放電曲線5000はあまりにも急峻である。y軸は、時間、百分率、ジュール、または別の適切な値を表し得る。電池持続時間を推定することの課題は、電池持続時間を推定するハイブリッド方法によって本明細書では対処される。ハイブリッド方法は、電池電圧の測定結果と組み合わせて1つまたは複数のカウンタを使用し、電池持続時間をより正確に推定する。
図51は、図50に示される電池充電曲線に基づいて、観察デバイスの電池の持続時間を推定する方法のフローチャートを示す。観察デバイスが作動し、観察デバイスの処理デバイス(たとえば、図1の102)が使用カウンタTを始動する(ブロック5100および5102)。Taは、観察デバイスが動作中であるときに、電圧を完全に放電するのにかかる時間を表す。たとえば、電池持続時間が24時間という典型的な値、最低の値、最大の値、または平均の値を有する場合、Taは、24時間の電池持続時間に対応する値に設定される。
一実施形態では、使用カウンタは、出力急変の際にカウンタ値を失わないように、不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)において実装される。使用カウンタは、観察デバイスの回路の電気的負荷に基づいて、ブロック5104において処理デバイスによって定期的にデクリメントされる。特定の負荷の電力消費が多いほど、対応するデクリメント(ΔTi)は多くなる。一部の負荷は経時的に一定であり、一部は既知の要因に応じて変化する傾向がある。たとえば、必要とされる光源(LED)の電流は、測定部位の光学的不透明性に応じて変化し得る。結果として、特定のLEDの対応するΔTiは、その設定された電流によって調整されるべきである。電流が多いほど、ΔTi値は高くなる。
電池電圧VbatがVbより低く、Vc以上であるとき(図50)、残っている電池持続時間の長さ(たとえば、電池の残量)が、ブロック5106において関数f(Vbat,Tb)を通じて推定される。関数f(Vbat,Tb)はいくつかの方法で実装され得る。f(Vbat,Tb)の一実装形態は、電池電圧曲線(図50に図示される)からの電池持続時間の推定値と、使用カウンタからの最後の(Tb)電池持続時間の推定値とのうちの小さい方の値となり、Vbat=Vbに対して、f(Vbat,Tb)=Tbである。これにより、周辺温度、回路負荷などの変化により電池電圧が一時的に上昇した場合であっても、電池持続時間の測定結果の関数的な連続性が確保される。ブロック5108において、電池電圧がVc(図50)を下回ると、電池は完全に放電している(空)と見なされる。1つまたは複数の任意の適切な技法を介してユーザに知らせるために、図50に示される電池持続時間の推定値の様々な段階が使用され得る。たとえば、グラフィック表現(たとえば、電池アイコン)が、ホストデバイスに表示され得る。追加または代替として、観察デバイスおよび/またはホストデバイスは、聴覚的なアラートまたは触覚的なアラートなどのアラートを生み出すことができる。電池が完全に放電しているときに電池残量なしアラーム/警告を出すために、電池ラインの段階も使用され得る。
観察デバイスの使用時間を監視するために、図51のブロック5102において実装される使用カウンタも使用され得る。いくつかの実施形態では、観察デバイスがスタンバイモード(すなわち、作動しているがホストデバイスに接続されていない)時間の長さを考慮するために、追加のカウンタ(たとえば、スタンバイカウンタ)が使用され得る。スタンバイカウンタは、使用カウンタとともに同じ不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)において実装され得る。使用量およびスタンバイ時間は、前述の使用カウンタおよびスタンバイカウンタに基づいて計算され、それらは不揮発性メモリにおいて実装される。ある例示的な実施形態では、使用カウンタおよびスタンバイカウンタの値は、ホストデバイスに選択された時間に(たとえば、定期的に)ワイヤレスに送信される。加えて、例示的な実施形態では、使用カウンタおよびスタンバイカウンタは、ファームウェア全体を削除することにより観察デバイスを動作不能にしない限り、外部からまたは認められていないユーザにより削除できないので、使用カウンタおよび/またはスタンバイカウンタがある値に達すると、観察デバイスを無効にするために、使用カウンタおよびスタンバイカウンタを使用することができる。前に論じられたように、スタンバイカウンタおよび使用カウンタは、延長された期間の間観察デバイスが使用されることを可能にするために、認められていないユーザが再充電不可能な電池を交換すること(不正改造)を防ぐ。観察デバイスの回路を損傷することなく、観察デバイスを修理または分解することはできないので、使用カウンタおよびスタンバイカウンタは、観察デバイスの安全性を高めることができる。
別の安全機能は、電池の電圧がある閾値を下回ると常に電圧タイマーまたはカウンタ(「電圧タイマー」)を始動することにより実装され得る。電圧タイマーがあらかじめ定められた値に達するまで電池電圧が閾値を下回ったままである場合、電池電圧は、電池が再充電不可能であることを考慮すると閾値を超えて上昇することはできず、電池が完全に放電したことを示すフラグが不揮発性メモリにおいて設定される。その後、使用カウンタおよび/またはスタンバイカウンタが満了した状態で、電池電圧が閾値より高くなると、認められていないユーザ(または第三者)が観察デバイスを不正改造したという推測を行うことができる。この場合、観察デバイスのデバイスファームウェアは、観察デバイスの認められていない使用または目的外利用を防ぐために、処理デバイス(たとえば、図1の処理デバイス102)をリセットし、アイドル状態に移り得る。
図52は、観察デバイスのための不正改造防止方法のフローチャートを示す。最初に、ブロック5200において示されるように、観察デバイスが作動しており使用されているかどうかの決定が行われる。観察デバイスが使用されている場合、プロセスはブロック5202に進み、使用カウンタがインクリメントされる。使用カウンタが最大値に達したかどうかの決定が、ブロック5204において行われる。達した場合、方法はブロック5206に続き、観察デバイスは動作を停止し、使用できなくなる。代替の実施形態では、使用カウンタが最大値に達した場合、動作を停止するために、観察デバイスとホストデバイスとの間の接続(たとえば、ワイヤレス接続)が失われた後にのみ、ブロック5206が実行され得る。これにより、使用カウンタがその限界(最大値)に達したことが原因で観察デバイスが動作しなくなることによる危険性にユーザがさらされないことが確実になる。
ブロック5200に戻ると、観察デバイスが使用されていないという決定が行われる場合、観察デバイスがスタンバイモードにあり、ブロック5208においてスタンバイカウンタがインクリメントされると想定される。スタンバイカウンタが最大値に達したかどうかについての決定が、ブロック5210において行われる。達した場合、プロセスはブロック5212に進み、観察デバイスは動作を停止し、使用できなくなる。再び、代替の実施形態では、スタンバイカウンタが最大値に達した場合、動作を停止するために、観察デバイスとホストデバイスとの間の接続(たとえば、ワイヤレス接続)が失われた後にのみ、ブロック5212が実行され得る。これにより、スタンバイカウンタがその限界(最大値)に達したことが原因で観察デバイスが動作しなくなることによる危険性にユーザがさらされないことが確実になる。
スタンバイカウンタおよび使用カウンタが最大値に達しないとき、方法はブロック5214に続き、電池電圧があらかじめ定められた電圧閾値を下回るかどうかの決定が行われる。下回る場合、閾値カウンタがブロック5216においてインクリメントされる。それ以外の場合、閾値カウンタがブロック5218においてリセットされる。
閾値カウンタが最大値に達したかどうかの決定が、ブロック5220において行われる。達した場合、方法はブロック5222に進み、観察デバイスは動作を停止する(たとえば、直ちに)か、スタンバイカウンタもしくは使用カウンタが満了するまで正常な動作を続けるか、または電池電圧があらかじめ定められた電圧閾値よりも高くなった後で動作を停止するかのいずれかである。閾値カウンタが最大値に達していないという決定がブロック5220において行われるとき、方法はブロック5200に戻る。
いくつかの実施形態では、スタンバイカウンタ、使用カウンタ、および閾値カウンタは、観察デバイスの不揮発性メモリにおいて実装される。代替として、典型的な使用またはスタンバイの時間間隔よりはるかに短い時間間隔を測定するために、閾値カウンタが通常は使用されることを考慮すると、閾値カウンタは、観察デバイスの揮発性メモリにおいて、またはホストデバイスの揮発性メモリにおいて実装されてもよい。不揮発性メモリにおいてカウンタを実装することは、カウンタに現在の値を失わせ得る電力供給の途絶、障害、またはリセットの発生の確率を低くする。
図53は、図50に示される例示的な電池放電曲線を図示する。x軸は電池電圧を表し、y軸は時間、百分率、ジュール、電圧、または他の値を表し得る。例示的な電池放電曲線は、3つの充電電圧領域5300、5302、および5304に分けられる。第1の充電電圧領域5300において、電池は満充電またはほぼ満充電である。領域5300では、電池残量の小さな変化(減少)が電池電圧の比較的大きな変化(低下)を生み出し、これは観測可能である。結果として、電池電圧および/または他の入手可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)から、電池残量(たとえば、電池持続時間)を決定することが可能である。
第2の充電電圧領域5302では、電池残量の変化は電池電圧に影響しない(または実質的に影響しない)。結果として、第2の充電電圧領域5302では、電池残量は1つまたは複数のカウンタ(またはタイマー)を介して把握される。言い換えると、領域5302は、電池残量を直接推定するために使用され得る観測可能または測定可能なパラメータを含まない。したがって、1つまたは複数のカウンタおよび/または他の入手可能な関心対象のパラメータについての情報(たとえば、周辺温度、回路負荷など)が、電池残量を推定するために使用される。
電池が放電するにつれて、電池は第3の充電電圧領域5304に入り、そこでは、電池残量は再び、観測可能な電池電圧および/または他の入手可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)から推定され得る。代替の実施形態では、第1の領域5300および第2の領域5302は、単一の第1/第2の観測不可能な充電電圧領域5306へと合成されてもよく、領域5302について説明されるように計算が実行される。
図54および図55は、観察デバイスの電池の電池持続時間を推定する例示的な方法を示す。各方法における計算は、異なる関数を介して、閉ループと開ループの両方で実行される。閉ループでは、電池電圧および/または他の入手可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)が、電池残量を直接推定するために使用される。開ループでは、電池残量は、1つまたは複数のカウンタおよび/または他の入手可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)を使用して間接的に推定される。
図54において、観察デバイスの電池は、ブロック5400において第1の充電電圧領域で動作している(たとえば、図53の5300)。ある例示的な実施形態では、電池残量は、電池電圧および他の関心対象のパラメータ(すなわち、電圧、温度、回路負荷など)を正規化された電池残量値にマッピングする関数によって計算される。一実施形態では、観察デバイスは、電池電圧および他の関心対象のパラメータを測定し、測定結果をホストデバイスに送信する。ホストデバイスは、正規化された電池残量値を決定する。
ブロック5402は、電池残量が第2の充電電圧領域(たとえば、図53の5302)に達し、電池残量は、観察デバイスにおいて(たとえば、不揮発性メモリにおいて)実装される1つまたは複数のカウンタを使用して推定される。カウンタ値は、処理のためにホストデバイスに送信され、ホストデバイスは、カウンタ値の関数として時間とともに充電残量を減らす。一実施形態では、1つまたは複数のカウンタが、観察デバイスの異なる動作モードを表す。ある例示的な実施形態では、第1のカウンタおよび第2のカウンタは、観察デバイスにおいて実装され得る。第1のカウンタ(たとえば、スタンバイカウンタ)は、観察デバイスがスタンバイモードにある(たとえば、ホストデバイスに接続されない)ときは常にインクリメントされる。第2のカウンタ(たとえば、使用カウンタ)は、観察デバイスがホストデバイスに接続されており動作中であるときは常にインクリメントされる。スタンバイモードおよび使用モードは各々異なる電力消費レベルを有することがあり、結果として、観察デバイスのエネルギー消費に比例した値を記録するために、異なるスタンバイカウンタおよび使用カウンタが使用される。スタンバイカウンタおよび使用カウンタは、経時的な電池の放電を把握するために、経過時間および/または他の入手可能な関心対象のパラメータ(たとえば、周辺温度、回路負荷など)に基づいてインクリメント(またはデクリメント)され得る。スタンバイカウンタおよび使用カウンタの値は、電池が第2の充電電圧領域5302において動作しているときは常に、正規化された電池エネルギー値へホストデバイスによってマッピングされる。
次に、ブロック5404において示されるように、電池は第3の充電電圧領域(たとえば、図53の領域5304)において動作しており、第1の充電電圧領域と同様に、電池残量は、電池電圧と他の関心対象のパラメータ(たとえば、電圧、温度、回路負荷など)をマッピングする関数によって計算される。電池が完全に放電するまで、電池は第3の充電電圧領域に残る。電池が完全に放電すると、ホストデバイスは、観察デバイスの電池の残量が少ないこと、または空であることの警告および通知を生成することができる。
図55は、観察デバイスの電池の電池持続時間を推定する代替の例示的な方法のフローチャートを示す。図55において、第1および第2の充電電圧領域(たとえば、図53の領域5300および5302)は、合成された充電電圧領域(図53の5306)へと合成される。合成された領域は、充電電圧領域の数を減らし、電池持続時間の推定の動作を簡単にする。通常、電池は、第2の充電電圧領域(たとえば、5302)にある期間よりも、第1の充電電圧領域(たとえば、図53の5300)にある期間の方が短い。したがって、第1および第2の充電電圧領域を1つの合成された領域へと合成することは、推定の正確さに大きく影響しない。
最初に、ブロック5500に示されるように、観察デバイスの電池は合成された(たとえば、第1+第2)充電電圧領域にあり、電池残量は観察デバイスにおいて実装される1つまたは複数のカウンタを使用して推定される。カウンタ値は、処理のためにホストデバイスに送信される。ホストデバイスは、カウンタ値の関数として時間とともに電池残量を減らす。限定しない実施形態では、カウンタは、使用カウンタおよびスタンバイカウンタとして実装される。電池が合成された領域において動作しているときは常に、スタンバイカウンタおよび使用カウンタの値は、正規化された電池エネルギー値へとホストデバイスによってマッピングされる。
次に、ブロック5404において示されるように、電池は第3の充電電圧領域(たとえば、図53の5304)において動作しており、電池残量は、電池電圧および他の関心対象のパラメータ(すなわち、電圧、温度、回路負荷など)を正規化された電池エネルギー値にマッピングする関数によって計算される。電池が完全に放電するまで、電池は第3の充電電圧領域に残る。電池が完全に放電すると、ホストデバイスは、観察デバイスの電池の残量が少ない、または空であるという警告および通知を生成することができる。
図56は、観察デバイスとともに動作するホストデバイスにインストールされるホストアプリケーションのグラフィック表現を示す。一実施形態では、ホストアプリケーションは、オンラインアプリケーションプログラムサイトまたはホストアプリケーションの提供者のウェブサイトからダウンロードされ、ホストデバイスにインストールされる。グラフィック表現5600は、ホストアプリケーションを表すアイコンである。グラフィック表現5600は、ホストデバイスのディスプレイ5604上のユーザインターフェース画面5602に表示され得る。たとえば、観察デバイスはOXXIOMパルスオキシメータであり、ホストアプリケーションはTrue Wearables, Inc.によるOXXIOM Applicationである。例示的なホストデバイスは、限定はされないが、スマートウォッチ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、および携帯電話または他のモバイルコンピューティングデバイスを含む。
図57~図58は、ホストデバイスのホストアプリケーションを起動するための例示的な動作を図示する。図57および図58に示されるように、ホストデバイスのワイヤレス通信デバイス(たとえば、図1の116)は、ホストデバイスの設定ユーザインターフェース画面5702における設定5700を介して有効にされる。たとえば、一実施形態では、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス通信デバイスが、スイッチ5800(図58参照)を使用して可能にされる。
図59~図61は、観察デバイスをホストデバイスに接続するための例示的な動作を示す。図59に示されるように、ユーザは、観察デバイスと対話するホストアプリケーションを起動し、このことは任意選択で、ホストアプリケーションについての情報とともに起動画面5900(たとえば、アプリケーションプログラムの名称、製造者の名称、著作権などの情報)が表示されるようにし得る。選択可能な要素6002を伴う画面6000が表示される(図60)。図60において、選択可能な要素6002は「スキャン」と標識されたボタンであるが、他の実施形態はこの実装形態に限定されない。ユーザが初めてホストアプリケーションを起動する(たとえば、ホストアプリケーションが以前に使用されていない)とき、いくつかの実施形態では、ユーザが製品ラベル(たとえば、図77Aの製品ラベル7704)から有効なバーコードをスキャンするまで、ホストアプリケーションは画面6000にロックされる。
ユーザが選択可能な要素6002(たとえば、スキャンボタン)を選択すると、ホストアプリケーションがホストデバイス上の撮像デバイス(たとえば、カメラ)へのアクセスを要求していることを述べる任意選択の通知6004が提示される(図60)。撮像デバイスは、製品ラベルのバーコードをスキャンするために使用される。図61は、スキャンされた製品ラベルの画像6102を表示する例示的な画面6100を示す。いくつかの実施形態では、スキャンされたバーコードの画像6102の周りに、インジケータ(たとえば、色付きの正方形、図示されていない)がホストデバイスの画面上で生成される。追加または代替として、バーコードがスキャンされて有効であることを示すために、ビープ音などの可聴音が生成される。スキャンされたバーコードが有効ではない場合、無効なバーコードの隣または周りに、異なるインジケータまたは異なる色(たとえば、赤い正方形)を有するインジケータが表示される。いくつかの事例では、そのインジケータに加えて、またはその代わりに、異なる可聴音(たとえば、ベル)が生成される。他の実施形態では、ホストデバイスは、バーコードが無効であることを示すために、触覚フィードバック(たとえば、ハプティックトランスデューサにより生成される振動)を生成する。
図62~図64は、ホストデバイスにおいて表示され得る例示的なユーザインターフェース画面を図示する。ユーザインターフェース画面6200は、ポートレートモードまたはランドスケープモードで提示され得る。図62において、ユーザインターフェース画面6200は、観察デバイスがホストデバイス(たとえば、ホストアプリケーション)に接続されていないことの通知6202を表示する(またはそれが表示されるようにする)ことができる。観察デバイスが動作中でありホストデバイスに接続されているとき、測定結果および波形が提示される。
図63に示されるように、波形6300(フォトプレチスモグラフ)がユーザインターフェース画面6200に表示される。図64において、SpO2測定計6400、PR測定計6402、PI測定計6404、深部体温計6406、および波形6300(フォトプレチスモグラフ)がユーザインターフェース画面6200に表示される。観察デバイスが第1および第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの707、708)を含み、ユーザが体の部分(たとえば、指)で第2の電気的接触センサに触れると、スポットチェックECG波形6408がユーザインターフェース画面6200に表示される。スポットチェックECG波形6408は、その体の部分(たとえば、指)がもはや第2の電気的接触センサと接触しなくなるまで、ユーザインターフェース画面6200上でリアルタイムに更新され得る。ユーザがその体の部分を第2の電気的接触センサから取り除くと、ECG波形6408はユーザインターフェース画面6200上で停止してもよく、および/または、ユーザインターフェース画面6200から消えてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、ECG波形6408が停止したままとなるように、または除去されるように、設定を行うことができる。
図65は、ホストデバイスに表示され得るいくつかのユーザインターフェース画面を図示する。ユーザインターフェース画面6500は、図64に示される計器6400、6402、6404、6406、および波形6300、6408に加えて、SpO2傾向6502を表示する。ユーザインターフェース画面6503は、図64に示される計器および波形に加えて、PR傾向6504を表示する。ユーザインターフェース画面6505は、図64に示される計器および波形に加えて、PI傾向6506を表示する。他の実施形態では、ユーザインターフェース画面6500、6503、6505に、より少数の計器および/または波形が提示されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、傾向6502、6504、6506、計器6400、6402、6404、6406、および波形6300、6408のいずれをユーザインターフェース画面に表示すべきかを選択することができる。たとえば、ユーザは、ユーザインターフェース画面6200上の特定の計器に触れて、ユーザインターフェース画面6500に対応する傾向を表示することができる。追加または代替として、ユーザは、設定ユーザインターフェース画面を使用して、傾向6502、6504、6506、計器6400、6402、6404、6406、および波形6300、6408のいずれを表示するかを選択することができる。
図66A~図66Bは、観察デバイスから受信されたデータをホストデバイスが共有するワークフローを図示する。図66Aは、ホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)のホストアプリケーションによって表示される画面6600を示す。一実施形態では、ホストアプリケーションは、選択可能な要素6608の選択に基づいて、報告6602、傾向6604、および波形6606を別のコンピューティングデバイスと共有することができる。図66Aにおいて、選択可能な要素6608は「共有」と標識されたボタンであるが、他の実施形態はこの実装形態に限定されない。
報告6602は、ファイル(すなわち、PDF、PS、HTMLなど)として共有される、またはユーザと対話するように設計される、分析およびチャートの組合せであり得る。傾向6604は、経時的なデータ傾向測定結果を伴うスプレッドシートまたはデータベース(対話型の、またはファイルとして共有される)であり得る。波形6606は、収集された波形を記録するデータベースもしくはスプレッドシートファイル、または、波形および他の関心対象の変数がそこから抽出され得る生データであり得る。
図66Bにおいて、画面6610は、Wi-Fi、転送6612、メッセージ6614、メール6616、クラウド6618、印刷6620などの、例示的なデータ共有方法を図示する。転送6612データ共有方法の一例は、AppleによるAIRDROPである。利用可能なデータ共有方法は、ホストデバイスの構成および/または共有されるデータのタイプに応じて変化し得る。
一実施形態では、観察デバイスがホストデバイスに接続され、ホストデバイスが、1つまたは複数の測定計、所与の期間にわたって受信された1つまたは複数の波形および/または1つまたは複数の傾向(たとえば、SpO2、PR、PA、および/またはPI、ならびに温度の測定結果、フォトプレチスモグラフ、ならびに/またはECG波形)を表示した後、ユーザは報告6602を介してデータを共有することができる。図66C~図66Lは、観察デバイスを装着するユーザによって所与の期間(たとえば、終夜すなわち569分)にわたって収集されたデータからの分析を伴う例示的な報告を示す。特定の値を含む例示的な報告、および他の実施形態が、異なる値を提示することができる。例示的な報告は、限定はされないが以下を含む。
1. 経時的なSpO2測定結果 - 図66Cの報告6622は、SpO2傾向の例を示す。報告6622は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。正常なSpO2レベルは通常、94%と100%の間にある。しかしながら、睡眠中、運動中、またはストレスの多い状況、または高地では、SpO2測定値はより低い値(すなわち、94%より低い)に達し得る。例示的な報告6622は、収集されたデータについての情報を伴う任意選択のフッター6624(すなわち、データ収集において使用される観察デバイスの識別情報6626、データ収集の期間6628、および報告が作成されたデータおよび時間6630)を含む。図66D~図66Lには示されないが、図66D~図66Lに示される実施形態は、フッター6624も含み得る。
2. 経時的なPR測定結果 - 図66Dの報告6632は、PR傾向の例を示す。報告6632は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。成人の正常な安静時PRは通常、60bpm(6634)から100bpm(6636)の範囲にある。しかしながら、睡眠中、運動中、またはストレスの多い状況、または高地では、PR測定値はより高い値6638に達し得る。他の実施形態では、異なる値を有する報告が生成され得る。
3. 経時的なPI測定結果 - 図66Eの報告6640は、PI傾向の例を示す。例示的な報告6640が、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。PI値は通常、0.02%(非常に弱い脈動信号)6642から20%(非常に強い脈動信号)にわたる。例示的なPI値6644は、不快な状況(たとえば、寒い、暑い、ストレスなど)を示し得る。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
4. SpO2分布 - 図66Fの報告6646は、SpO2分布の例を示す。例示的な報告6646は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告6646に示されるように、時間の87.4%(6648)(すなわち、497分)において、SpO2値は94%と100%の間にあり、時間の12%(6650)(すなわち、68分)において、SpO2値は88%と93%の間であった。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
5. PI分布- 図66Gの報告6652は、PI分布の例を示す。例示的な報告6652は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告6652に示されるように、時間の58.1%(6654)(すなわち、331分)において、PR値は60bpmから80bpmであり、時間の39.1%(6656)(すなわち、222分)において、PR値は50bpmから59bpmであった。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
6. PI分布 - 図66Hの報告6658は、PI分布の例を示す。例示的な報告6658は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告に示されるように、時間の64.2%(6660)(すなわち、365分)において、PI値は0.1%と0.5%の間にあり、時間の35%(6662)(すなわち、199分)において、PI値は0.01%と0.1%の間にあった。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
7. 毎時間当たりのSpO2飽和度低下 - 図66Iの報告6664は、基準線からの毎時間当たりの飽和度低下の回数を示す。例示的な報告6664は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告6664によれば、ユーザは、4%より大きな振幅の飽和度低下を毎時間当たり1.9回(6666)起こしていた。通常、健康な人では、4%より大きな振幅の飽和度低下は毎時間当たり約5回未満である。毎時間当たりの飽和度低下の値は、運動中、ストレスの多い状況、または高地において増加し得る。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
8. SpO2が閾値未満である累積の時間百分率 - 図66Jの報告6668は、SpO2が閾値未満である累積の時間百分率を示す。例示的な報告6668は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告6668によれば、時間の1.5%(すなわち、8.5分)において、ユーザのSpO2値6670が90%未満であった。通常、健康な人では、SpO2が90%未満である時間百分率は小さい。この時間百分率は、運動中、ストレスの多い状況、または高地において増加し得る。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
9. PRボラティリティ分布 - PRボラティリティは、心拍数の短期的なボラティリティを表す。一実施形態では、PRボラティリティは、図35に関して説明される例示的な演算に従って計算され、このとき、ブロック3502における測定データは、PRの瞬時的で逐次的な測定結果の系列であり、対応する分布は、ブロック3508において計算される統計のうちの1つである。通常、健康な成人では、PRボラティリティ値は高い方が良い。PRボラティリティが増大する傾向は、肯定的なものであり、良い適応および/またはフィットネスの向上を示すものである。図66Kの報告6672は、PRボラティリティ分布の例を示す。報告6672は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告において示されるように、時間の50%(6674)(すなわち、286分)にわたって、PRボラティリティ値は0.46BPMと1BPMの間であった。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
10. PI対数ボラティリティ分布 - PI対数ボラティリティは、灌流の短期的な変動性を表す。一実施形態では、PI対数ボラティリティは、図35において図示される実施形態で説明される例示的な演算に従って計算され、このとき、ブロック3500における測定データは、PIの瞬時的で逐次的な測定結果の系列であり、対応する分布は、ブロック3508において計算される統計のうちの1つである。通常、健康な成人では、PI対数ボラティリティ値は低い方が良い。PI対数ボラティリティが低下する傾向は、肯定的なものであり、良い適応および/または全体的なストレスレベルの低下を示すものである。図66Lの報告6676は、PI対数ボラティリティ分布の例を示す。報告6676は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって作成され得る。例示的な報告に示されるように、時間の52%(6678)(すなわち、286分)にわたって、PI対数ボラティリティ値は9.4%と15%の間であった。他の実施形態では、異なる値を有する報告が作成され得る。
追加または代替として、ユーザは、ホストデバイスのホストアプリケーションを通じて、任意の時間におけるSpO2、PR、PA、PI、および/または温度の測定結果の傾向をあるファイルにおいて共有し得る(たとえば、図66Aの傾向6604)。ファイルの一例は、Comma-Separated Values(CSV)ファイルである。このファイルは、ホストデバイスによって直接、または、EXCELおよびNUMBERSなどの大半のプレゼンテーションもしくはスプレッドシートソフトウェアによって、開かれ表示され得る。図66Mにおいて、例示的なCSVファイル6680は6列を含む。他の実施形態は、異なる値、異なる数の行、および/または異なる数の列を表示することができる。例示的なファイル6680の中の示される列は次の通りである。
1. 日付/時刻 - 列6682が、取られた各測定結果の日付および時間を記憶する。測定結果は、毎秒(12時間の傾向の記憶の場合)、2秒に一度(24時間の傾向の記憶の場合)、3秒に一度(36時間の傾向の記憶の場合)、4秒に一度(48時間の傾向の記憶の場合)記憶され得る。他の実施形態は、異なる時間に測定結果を記憶することができる。
2. 製品ラベルバーコード。列6684が、対応する時間および日付において使用される観察デバイスを識別する、8桁の16進数を記憶する。
3. SpO2(%) - 列6686がSpO2測定結果を記憶する。
4. PR(BPM) - 列6688がPR測定結果を記憶する。
5. PI(%) - 列6690がPI測定結果を記憶する。
6. 温度(℃) - 列6692が深部体温(または皮膚温)の測定結果を記憶する。
いくつかの事例では、ユーザは、ホストデバイスのホストアプリケーションを通じて(たとえば、図66Aの波形6606を使用して)波形を共有し得る。一実施形態では、波形は、観察デバイスによって(最大で数時間)収集されホストデバイスに記憶される、生のデータ、補助変数、およびパラメータの形式で共有される。他の実施形態は、異なる形式で波形を共有することができる。データは、符号化されたデータフォーマットを使用してデータベースファイル(たとえば、WaveformsDB.db)へと記憶され得る。データは、ユーザによって検出される潜在的な問題の詳細な技術分析のために、または、心拍数の変動性、呼吸数などの他の関心対象のパラメータのオフライン計算のために、または、特定のオフライン用途により適していることがあるカスタムアルゴリズムを使用してSpO2、PR、PI、温度、フォトプレチスモグラフ、およびECG波形の値をオフラインで再計算するために、使用され得る。
図66Nは、ファイル6694の例示的なフォーマットを図示する。ファイル6694は、インデックス6696、タイムスタンプ6697、およびデータ6698という3つの列を含む。インデックス列6696は、ファイル6694の行をインデクシングする。タイムスタンプ列6697は、例示的なフォーマットYYYY-MM-DD hh:mm:ss.uuuを有し、YYYY-MM-DDは年、月、および日であり、hh:mm:ss.uuuは時間、分、秒、およびミリ秒であり、測定データがファイル6694に保存された日付と時間である。測定データがリアルタイムでファイル6694にホストデバイスによって保存されるので、各タイムスタンプ値は、測定データが実際に収集された時間の近似である。ファイル6694に記憶されている測定データを他の測定システムと時間的に同期して、そのような時間同期が使用される分析を実行するために、タイムスタンプ値が使用され得る。
データ列6698は、ファイル6694に保存される実際のデータである。図66Nにおいて、データ列6698は、四角の括弧([第1のデータアレイ][第2のデータアレイ][第3のデータアレイ])によって分離される例示的なデータの3つのアレイを有する。3つのアレイの各々は、行当たり40個のサンプルを有する。各データアレイのサンプルは、20ミリ秒ごとに(50Hzのサンプリング周波数)観察デバイスによって同時に収集され、データストレージのためにホストデバイスへワイヤレスに送信される。一実施形態では、ホストデバイスは、レイテンシ要件を下げるために一時バッファにデータをリアルタイムで記憶し、次いで、N秒ごとにバッファの中のデータをファイル6694に保存し、Nは0より大きい整数または分数である。たとえば、データは、4分の3秒ごとにファイル6694に記憶され得る。データアレイは、光センサの1つまたは複数の光源(たとえば、赤色、赤外線、および緑色の光源)からの生の波形データ、観察デバイスのハードウェア診断変数およびパラメータ、たとえば、電池電圧、SoC温度、光センサの1つまたは複数の光源の現在の設定、光フロントエンド、温度フロントエンド、およびECGフロントエンドの利得、SoC使用時間カウンタ、SoCスタンバイタイマーカウンタ、光フロントエンドによって検出される周辺光強度、デバイス識別番号などを含む。
いくつかの実施形態では、ホストデバイス(たとえば、スマートウォッチまたはスマートフォン)の電池持続時間を延ばすために、波形(たとえば、図66Aの波形6606)はホストデバイスに記憶されないことがある。この状況において、ユーザは波形の記憶を無効にし得る。一実施形態では、波形の記憶は、ユーザ設定インターフェースを使用して無効にされ得る(たとえば、図71参照)。
ユーザの記録のために、または第三者との共有のために、測定計および傾向データのスクリーンショットを取るのが望ましいような状況がある。通常、ホストデバイスは、この機能性を標準的な機能として提供する。たとえば、Apple, Inc.からのiOSデバイスの場合、ユーザは、ディスプレイのスクリーンショットをキャプチャするために、上(または横)のボタンおよび音量ボタンのうちの1つを同時に押し続ける。ユーザインターフェースは、iOSデバイスのディスプレイに表示され、および/またはiOSデバイスによって共有され得る。
図67は、ホストデバイスのホストアプリケーションによって生み出される識別パラメータの例示的な画面を示す。例示的な画面6700は、以下の識別パラメータのうちの1つまたは複数を含み得る。
1. シリアル番号6702 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスは、画面6700にM桁の16進数を表示することができ、Mは0より大きい数である。たとえば、M桁の16進数は16桁の16進数である。一実施形態では、M桁の16進数は、観察デバイスのシリアル番号である。
2. バーコード6704 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスは、観察デバイスを識別するP桁の16進数を画面6700に表示することができ、Pは0より大きい数である。たとえば、P桁の16進数は、製品ラベル(たとえば、図77Aの製品ラベル7704)からのバーコードである。加えて、ホストデバイスは、ホストアプリケーションの起動画面に、および/またはホストデバイスにより共有されるファイル(たとえば、図66Nのデータファイル6694)にバーコードを表示することができる。限定しない例では、P桁の16進数は8桁の16進数である。
3. ロット番号6706 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスは、観察デバイスの製造ロット番号を画面6700に表示することができる。
4. 期限切れ日6708 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスは、それより後には観察デバイスが販売または画面6700において使用されるべきではない日付を表示し得る。
5. モデル6710 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスは、観察デバイスのモデル番号のQ桁の16進数を画面6700に表示することができる。Qは0より大きい数である。たとえば、Q桁の16進数は4桁の16進数である。
6. バージョン6712 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスは、観察デバイスのバージョン番号のR桁の16進数を表示し得る。たとえば、R桁の16進数が4桁の16進数である。
7. アプリバージョン6714 - 観察デバイスがホストデバイスに接続されるとき、ホストデバイスはソフトウェアバージョンのS桁の番号を表示することができる。限定しない例では、S桁の番号は3桁の数字である。
図68は、ホストアプリケーションによって生み出されるハードウェア診断パラメータの例示的な画面を図示する。例示的な画面6800は、以下のパラメータのうちの1つまたは複数を含み得る。
1. LEDパワー6802 - 画面6800のLEDパワーパラメータは、観察デバイスの中の光センサの各光源のパワーレベル(タイムスタンプにおいて報告される)を表示する。たとえば、光源1(LED1)および光源2(LED2)のパワーレベルが提示される。各光源のパワーレベルは0%と100%の間で変化する。
2. 電気利得6804 - 画面6800の電気利得パラメータは、観察デバイスのアナログフロントエンド電気利得(タイムスタンプにおいて報告される)を表す。電気利得は0dBから40dBの間で変動する。
3. 周辺光6806 - 画面6800の周辺光パラメータは、観察デバイスの光センサの中の1つまたは複数の光検出器によって検出される周辺光強度(タイムスタンプにおいて報告される)を表す。それは、0%と100%の間で変動する。
4. SoC温度6808 - 画面6800のSoCパラメータは、観察デバイスにおけるシステムオンチップ(SoC)温度を表す。SoC温度は、摂氏(タイムスタンプにおいて報告される)または華氏で表示され得る。
5. 電池電圧6810 - 画面6800の電池電圧パラメータは、観察デバイスの電池のボルト単位の電池電圧(タイムスタンプにおいて報告される)を表す。
6. スタンバイ時間6812 - 画面6800のスタンバイ時間パラメータは、観察デバイスが作動しておりホストデバイスから切断されている時間の長さ(タイムスタンプにおいて報告される)を表す。
7. 使用時間6814 - 画面6800の使用時間パラメータは、観察デバイスが作動しておりホストデバイスに接続されている(タイムスタンプにおいて報告される)時間の長さを表す。
8. タイムスタンプ6816 - 画面6800のタイムスタンプパラメータは、1つまたは複数のハードウェア診断パラメータが報告される日付および時間である。
図69は、観察デバイスの技術サポートチームと測定データを共有することについての例示的な実施形態を図示する。ユーザが測定データを共有することを望むとき、ホストデバイスは画面6900を表示する。この例示的な実施形態では、ユーザは、電子メールメッセージを介して、識別ならびにハードウェア診断パラメータおよび変数を共有するが、他の実施形態は電子メールに限定されない。ユーザは、セクション6902において見出される具体的な問題または課題に関するコメントを追加することもできる。製造者とそのような情報を共有するために、いくつかの他の方法が使用され得る。加えて、課題に応じて、ユーザは、ユーザによって検出される潜在的な問題の詳細な技術分析のために、技術サポートチームと波形データのファイル(たとえば、図66Nのファイル6694)を共有することを選び得る。
いくつかの適用例では、観察デバイス、ホストデバイス、およびホストアプリケーションを含むシステムは、ユーザ(たとえば、患者)を通知された状態に、および/または安全に保つために、内蔵のアラーム/警告システムを含み得る。図70は、アラーム/警告システムの例示的な実施形態を図示する。図70は例示的な画面7000を示し、測定値があらかじめ設定された上限もしくは下限から出ると常に、または、観察デバイスが測定データの提供を止めると常に、測定計7002がある色(たとえば、赤)で点滅し得る。追加または代替として、測定値があらかじめ設定された上限値もしくは下限値から出ると常に、または観察デバイスが測定データの提供を止めると常に、聴覚的なアラーム/警告7004(たとえば、声、音)が生成され、および/または、文字による通知7006が表示される。
例示的なアラーム/警告がここで説明される。例示的なアラームが優先順位の降順で列挙されるが、他の実施形態は示される優先順位に限定されない。
1. 観察デバイスがホストデバイスに接続されていない - このアラームは、観察デバイスがホストデバイスに接続されないとき常に出される。視覚的な警告は、1つまたは複数の残量計を点滅させること、および/またはそれが破線で表示されるようにすることを含み得る。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「デバイスが接続されていません」などの聴覚的な通知を含み得る。このアラーム/警告は、観察デバイスがホストデバイスに接続されていないこと、範囲外にあり得ること、欠陥があり得ること、またはオフにされている可能性があることを示すことを考慮すると、一実施形態では最も優先順位が高い。
2. 電池が空 - この警告は、観察デバイスの電池の残量が少ない、または空であるとき常に出される。視覚的な警告は、グラフィック表現(たとえば、電池アイコン7008)を点滅させること、および/またはそれが破線で表示されるようにすることを含み得る。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「電池の残りが空か、または少なくなっています」などの聴覚的な通知を含み得る。一実施形態では、このアラーム/警告は2番目に優先順位が高い。いくつかの実施形態では、観察デバイスの電池の残量が少ないとき、測定計はもはやホストデバイスに表示されない。観察デバイスの電池が空であるとき、測定結果はホストデバイスに表示されない。
3. 観察デバイスが有効な信号を探している - この警告は、観察デバイスがホストデバイスに接続されているが、観察デバイスが被験者に正しく配置されていないこと、または、信頼性のある測定結果の集合を生み出すのに十分な収集データがない一時的な時間内にデータが収集されたことのいずれかにより、測定結果がまだホストデバイスに表示されていないとき、常に出される。一実施形態では、このアラーム/警告は3番目に優先順位が高い。視覚的な警告は、1つまたは複数の測定計を点滅させること、および/またはそれが破線で表示されるようにすることを含み得る。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「信号を探しています」などの聴覚的な通知を含み得る。
4. ホストデバイスとのワイヤレス接続が不安定である - この警告は、観察デバイスがホストデバイスとの不安定なワイヤレスまたは有線接続を有するとき常に出される。一実施形態では、視覚的な警告は、測定計のすべてを赤などのある色で点滅させる。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「接続が不安定です」などの聴覚的な通知を含み得る。
5. SpO2測定結果が上限または下限のいずれかから出ている - この警告は、SpO2値があらかじめ設定された正常な限界値の外側にあるとき常に出される。一実施形態では、視覚的な警告は、SpO2測定計を赤などのある色で点滅させ、および/またはそれが異なる色で表示されるようにする。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「飽和度の警告です」などの聴覚的な通知を含み得る。いくつかの事例では、図71に関連してより詳しく説明されるように、SpO2測定結果の上限および/または下限は、設定画面においてユーザによって定義され得る。
6. PR測定結果が上限または下限のいずれかから出ている - この警告は、PR値があらかじめ設定された正常な限界値の外側にあるとき常に出される。一実施形態では、視覚的な警告は、PR測定計を赤などのある色で点滅させ、および/またはそれが異なる色で表示されるようにする。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「脈拍数の警告です」などの聴覚的な通知を含み得る。いくつかの事例では、図71に関連してより詳しく説明されるように、PR測定結果の上限および/または下限は、設定画面においてユーザによって定義され得る。
7. SpO2およびPR測定結果が上限または下限のいずれかから出ている - この警告は、SpO2値とPR値の両方があらかじめ設定された正常な限界値の外側にあるとき常に出される。一実施形態では、視覚的な警告は、SpO2測定計およびPR測定計を赤などのある色で点滅させ、および/またはそれらが異なる色で表示されるようにする。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「飽和度および脈拍数の警告です」などの聴覚的な通知を含み得る。
8. ホストデバイスの電池の残量が少ない - この警告は、ホストデバイスの電池の残量が少ない、または空であるとき常に出される。一実施形態では、視覚的な警告は、「ホストデバイスを充電してください」などのメッセージが表示されるようにする。聴覚的な警告は、ビープ音および/または「ホストデバイスを充電してください」などの聴覚的な通知を含み得る。限定しない例では、この警告は、ホストデバイスの電池の残量が23%未満であるときに出されるが、他の実施形態はこの百分率の値に限定されない。
図71は、ホストデバイスで実行されるホストアプリケーションの例示的な設定画面を図示する。画面7100は、アラーム/警告制限および/またはオーディオ設定をユーザが設定することを可能にする。選択可能なコントロール7102(たとえば、スイッチ)が、聴覚的な警告を有効/無効にする。選択可能なオプション7104は、無音時間間隔(すなわち、30秒、60秒、90秒、または120秒)をユーザが設定することを可能にする。無音時間間隔は、所与の期間警告を無音にするために使用され、アラーム/警告が有効でありユーザが測定計(すなわち、SpO2、PR、PI、または温度)のうちの1つに触れるとき常に有効にされる。警告/アラームは、無音時間間隔の間は休止され、そして、無音時間間隔が期限切れになると自動的に再開する。選択可能な要素7106および7108(たとえば、スライドコントロール要素)は、特定の測定計のためにアラーム制限をユーザが設定することを可能にする。たとえば、示される実施形態では、アラーム制限はSpO2のために設定されてもよく、PR測定計および選択された値が各上限および下限について表示される。一実施形態では、SpO2およびPRアラーム/警告制限は最初、それらのデフォルト値に設定される。
図71において、選択可能なオプション7110(音声ギャップと呼ばれる)は、音声ベースの測定結果の周期性をユーザが定義することを可能にする。図71に図示される例示的な実施形態では、周期のオプションは30秒、60秒、120秒、または「なし」である。たとえば、ユーザが30秒のオプションを選択する場合、30秒ごとに、ホストデバイスは音声合成装置を通じてユーザに話しかけ、現在の測定値を知らせる。ホストデバイスは、オーディオシステムを通じて、またはホストデバイスにワイヤレスにもしくは有線で接続されたオーディオシステム(すなわち、ヘッドフォン、スピーカ、カーサウンドシステムなど)を通じてユーザに話しかけてもよく、たとえば、「酸素飽和度は100パーセントです。脈拍数は毎分65回です。灌流指数および/または脈波振幅は1%です。体温は摂氏36度です」ということを知らせる。この機能により、ユーザは、観察デバイスを装着しておりホストデバイスの表示画面を直接見られないがそれでも現在の測定値を定期的に聞くことは可能である間に、ホストデバイスの画面をオフにすること、または運転、運動などが可能になる。
ユーザが測定値を聞くことを望まない場合、選択可能なオプション7110におけるオプション「なし」が、音声ベースの測定を無効にする。いくつかの実施形態では、測定値の1つまたはいくつかがある閾値(絶対値または相対値)を超えて変化するときは常に、音声ベースの測定結果のみを提供するようにホストデバイスを設定することが可能である。たとえば、ホストデバイスは、最後に発声された測定値から、SpO2の値が+/-2ポイントより大きく変化するとき、またはPRの値が+/-5bpmより大きく変化するとき、またはPIの値が+/-10%より大きく変化するとき、または体温の値が+/-摂氏0.3度より大きく変化するときは常に、現在の測定結果を聴覚的に出力することができる。測定結果の発声はまた、特定の測定変数の変化率(一階微分)、または変化率の変化率(二階微分)などが経時的にどのように変動するかに応じて惹起され得る。
追加または代替として、ユーザは、最後の発声された測定結果からの、経時的な測定結果の傾向(または変化率)について知らされる。たとえば、ホストデバイスは、「酸素飽和度は94パーセントで低下しています」、「心拍数は毎分100回で安定しています」、「灌流指数および/または脈波振幅は0.2パーセントで上昇しています」、「体温は摂氏36度で安定しています」などのメッセージをユーザに話しかけることができる。変化率は、「徐々に上昇しています」、「急速に上昇しています」、「徐々に低下しています」、または「急速に低下しています」などのように、数値的にまたは定性的に指定されてもよい。測定メッセージのタイプおよび内容、トリガルール、ならびにそれらに含まれる情報は、観察の用途およびその具体的な要件に依存する。
一態様では、ホストデバイスは、ハードウェアボタンを用いてそのアプリケーション(単一のアプリケーション)に制限され、ホストアプリケーションメニューへのアクセスは、認められていないユーザが設定を変更することまたはアプリケーションプログラムを無効にすることを防ぐために、無効にされパスワード(または何らかの他の形式の認証)によって保護される。一例では、ホストアプリケーションは、ホストデバイスがiOSデバイスであるとき、iOSアクセスガイドモードに対応する。アクセスガイドモードは、iOSデバイスを一時的に単一のアプリケーションに制限し、アプリケーションのどの機能が利用可能かをユーザが制御できるようにする。アクセスガイドセクションの間のホストアプリケーションのデフォルト挙動は、(1)アプリケーション終了が無効にされる、(2)アプリケーションメニューが無効にされる、(3)ポートレートビューおよびランドスケープビューが有効にされる、(4)ハードウェアボタンが無効にされる(たとえば、音量、スリープ/起動など)、および(5)ユーザが任意の測定計をタップすることによってある期間聴覚的な警告を(有効でありアクティブであれば)無音にすることができる、というものであり得る。しかしながら、無音期間(すなわち、30秒、60秒、90秒、または120秒)が期限切れになると、聴覚的な警告が再開する。必要な場合、聴覚的な警告は、アクセスガイドセクションを開始する前に恒久的に無効化され得る。
図70および図71において説明されるアラーム/警告システムはまた、ホストデバイスを介してアクティブなアラーム/警告についての情報を第三者に中継することができる。ホストデバイスは、第三者に直接通知を(ワイヤレスに、または有線で)送信することができる。例示的な第三者は、限定はされないが、看護師、医師、および看護者を含む。追加または代替として、通知は、中央アラーム/警告システムに送信され、そして、通知を適切な受信機に中継する。
前に論じられたように、観察デバイスの電池は、再充電不可能な電池である。デバイス使用および/または電池の残量についての情報は、観察デバイスがいつ交換されるべきかをユーザが予測することを可能にするために、選択された時間に、または継続的にユーザに提供される。図70に示される電池アイコン7008は、図72に詳細に示される(図48も参照されたい)。図72は、電池アイコンおよび例示的な電池状態(たとえば、満充電、満充電ではない、残量が少ない、および電池が空)を図示する。
いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、100%より高いSpO2値、および/または関心対象の他の拡張された測定結果を計算することができる。図73は、100パーセントを超えるSpO2測定値を提供する例示的な方法のフローチャートを示す。このプロセスは、SpO2値を参照して説明されるが、方法は、関心対象の他のパラメータまたは測定結果とともに使用され得る。関心対象の他のパラメータまたは測定結果の限定しない例は、PR、PI、非侵襲的な血糖、総ヘモグロビン、カルボキシヘモグロビン、メトヘモグロビン、体脂肪、および体水分量のレベルである。
最初に、「SpO2範囲外抑制」が無効であるかどうかの決定が行われる(図75の7502参照)。抑制が有効である(たとえば、「SpO2範囲外抑制」が有効である)場合、プロセスはブロック7302に進み、最適化問題ソルバー(たとえば、図41Cの最適化問題ソルバー4108)における最適化変数、パラメータ、およびメトリクスの計算範囲が、100パーセントを超えないSpO2値を決定するように設定され、または延長されない範囲まで短縮される。次に、ブロック7304において示されるように、現在の探索限界(たとえば、図41Hの現在の探索限界4174)の許容される探索範囲は、最適化問題ソルバーの設定、ならびに関連する最適化メトリクス、変数、およびパラメータの延長されない範囲と適合するように設定され、または延長されない値へと短縮される。適用例に応じて、許容される探索範囲はまた、絶対的な(すなわち、特定の単位で表現される)および/または相対的な(すなわち、百分率で表現される)仕様を反映するように変更され得る。
100パーセントを超えないSpO2値を決定するために使用される延長されない(たとえば、外挿されない)曲線は、ブロック7306において選択される。SpO2値は次いで、ブロック7308において計算されて出力デバイスに提供される。たとえば、図42または図43に示される実施形態は、延長されない範囲(たとえば、100%を超えない)においてSpO2値を計算するために使用され得る。たとえば、100%を超えるあらゆるSpO2値は、100%に切り捨てられ、100%以下の整数として出力デバイス(たとえば、ディスプレイ)に提供され得る。
ブロック7300に戻ると、「SpO2範囲外抑制」が無効である(たとえば、抑制無効)という決定が行われると、方法はブロック7310に続き、100パーセントを超え得るSpO2値を決定するように、最適化問題ソルバーにおける最適化変数、パラメータ、およびメトリクスの計算範囲が設定され、または延長された範囲に延長される。次に、ブロック7312に示されるように、現在の探索限界(たとえば、図41Hの現在の探索限界4174)のための許容される探索範囲は、最適化問題ソルバーにおける設定、ならびに関連する最適化メトリクス、変数、およびパラメータの延長されない範囲と適合するように設定され、または延長された値に延ばされる。適用例に応じて、許容される探索範囲はまた、絶対的な(すなわち、特定の単位で表現される)および/または相対的な(すなわち、百分率で表現される)仕様を反映するように変更され得る。
100パーセントを超えるSpO2値を決定するために使用される延長された(たとえば、外挿された)曲線が、ブロック7314において選択される。例示的な外挿された曲線が図31に示される。SpO2値が次いで、ブロック7316において計算されて出力デバイスに提供される。SpO2値は、100パーセントを超える1つまたは複数のSpO2値を含み得る。限定しない例では、100%を超えるSpO2値は、整数および(任意選択で)1つまたは複数の小数点以下の値(たとえば、小数点第一位までの値、小数点第二位までの値など)によって表現され得る。
たとえば、図42または図43に示される実施形態は、延長された範囲(たとえば、100%を超える)におけるSpO2値を計算するために使用され得る。式32、ならびに他の多項式(すなわち、テイラー、ボルテラなど)、超越式、および/または、テーブルベースの(すなわち、シード、ジェネレータ、サイトなどの点の集合として記憶されるボロノイ図により定義される補間/外挿グリッド)表現も、SpO2のための延長された値を計算するために使用され得る、延長(外挿)された、および延長されない(外挿されない)、一次元または多次元の曲線を実装することができる。
図74は、100パーセントを超える1つまたは複数の測定値を表示するために使用するのに適したホストアプリケーションのユーザインターフェース画面を示す。ユーザインターフェース画面7400は、102.3%のSpO2数値7402を表示する。臨床医およびユーザにより高い測定粒度を与えるために、およびSpO2値が100%を超えるときにより小さいダイナミックレンジを補償するために、SpO2が100%より大きいときは常に、小数点以下第一位の値が数値7402に追加され得ることに留意されたい。加えて、SpO2の全体的な正確さは、SpO2の測定値が増大するにつれて良くなり得るので、結果として、追加の小数点以下の値(小数点第一位)は、有意義なさらなる測定精度を表示する。
図75は、100パーセントを超える延長された測定値を表示するためのものであり得るホストアプリケーションの例示的な設定ユーザインターフェース画面を示す。ユーザインターフェース画面7500は、「SpO2範囲外抑制」の設定7502を含む。設定7502は、100%を超えるSpO2値を表示する(または表示しない)というオプションを臨床医に提供する。図74および図75の破線は、ユーザインターフェース画面7400、7500を表示するホストデバイスに動作可能に接続されるディスプレイを表す。
図76は、ホストアプリケーションの例示的なユーザインターフェース画面を図示する。ユーザインターフェース画面7600の1つのセクション(たとえば、左側)が、SpO2、PR、およびPIのためのそれぞれの測定計7602、7604、7606、ならびに波形7608(フォトプレチスモグラフ)を表示する。他の実施形態では、PAの測定計は、SpO2、PR、およびPIの測定計7602、7604、7606に加えて、またはそれらの代わりに表示され得る。SpO2測定計7602は、1%から105.0%のSpO2値を表示することが可能である。示される実施形態では、SpO2の目盛りの上限7610は、「SpO2範囲外抑制」が無効であるときは常に105%である(たとえば、図75の7502参照)。SpO2の目盛りの上限7610は、適用例および/または被験者の集団(成人、新生児、動物の患者など)に基づいて定義され調整され得る(すなわち、上げられ、または下げられ得る)。式12の較正曲線を使用する例示的な実施形態では、酸素療法を受けているユーザが0.136未満(105%より高いSpO2値に対応する)の赤対赤外線の比(すなわち、x値)を生み出す可能性が非常に低いことを、実験的な臨床データが示している。結果として、SpO2測定計7602のSpO2の目盛りの上限7610は105%に保たれる。
ユーザインターフェース画面7600の別のセクション(たとえば、右側)は、SpO2データの傾向7612を示す。一実施形態では、ユーザがホストデバイスの表示デバイス(たとえば、タッチスクリーン)上で対応する測定計を選択するときは常に、他のデータ傾向(たとえば、PR、PIなど)が表示される。SpO2データの傾向7612は、SpO2値が100%より高いレベルに達したので、105%という上限の目盛り7614を有する。
SpO2データの傾向7612は、SpO2、PR、およびPI(または代替の実施形態ではPA)の継続的な観察の間に起きた事象/行為をタグ付けする、3つのラベル(A、B、およびC)を含む。ラベルAは、ユーザが過呼吸になるようにより高い頻度で呼吸するように求められた時間の点(SpO2は99%前後である)を示す。これは、ユーザのSpO2レベルを、破線7616によって定義される率で増大させた。ラベルBは、ユーザが普通の呼吸パターンに戻るように求められた時間の点(SpO2は101.5%前後である)を示す。ユーザのSpO2レベルは、破線7618によって定義される率で以前の基準線へ徐々に戻った。ラベルCは、ユーザが酸素マスクを介して酸素を与えられた時間の点(SpO2は100.3%前後である)を示す。結果として、ユーザのSpO2レベルは、破線7602によって定義される率で再び上昇し始めた。SpO2データの傾向7612において表示される最後の値7622は、酸素をユーザに約1.5分与えた後、102.5%前後である。
グラフィック要素7624は、矢印が上を向いた計器である。インジケータ7626は、現在のSpO2変化率(すなわち、1.5%/分)を表示し、これは破線7620の勾配によって定義される。グラフィック要素7624は、インジケータ7626において表示されるSpO2変化率に比例した長さを有する。グラフィック要素7624は、PR変化率(インジケータ7630によって示されるような)についてグラフィック要素7628(すなわち、-3bpm/分)に図示されるように、変化率が負であるときは常に下を向いている。
破線7616、7618、および7620の勾配は、「Method and System for Processing Data Streams」という表題の米国特許出願第_______号において開示される推定技法および/またはシステムを使用して、リアルタイムで計算され得る。この推定技法および/またはシステムは、生理学的な変化、体動によるアーティファクト、干渉、およびノイズが原因でSpO2データの傾向に存在し得る異常値の影響を受けない、勾配のグローバルな、最適な、数値解を効率的に計算するために使用され得る。破線7616、7618、および7620は、SpO2と時間との間のアフィン(または線形)関係を表す。適用例に応じて、破線7616、7618、および7620は、SpO2と時間との間の非線形の関係を反映する二次またはより高次の多項式曲線で置き換えられ得る。推定技法は、二次またはより高次の多項式にも適用され得る。一実施形態では、多項式係数は、測定計を介してユーザにも表示され得るより高次の変化率(二階微分、三階微分など)、および/またはデータの傾向に関する追加の情報を、ホストアプリケーションのユーザインターフェース画面において提供する。
図77Aおよび図77Bは、観察デバイスおよび例示的なアクセサリを含むパッケージを示す。保管および/または輸送の間の観察デバイスの不正改造を防ぐために、ユーザによる使用のために観察デバイスの準備ができるまで、不正改造防止つまみ7700がパッケージ7702を封止する(図77A)。ユーザが観察デバイス100を使用する準備ができると、ユーザは、不正改造防止つまみ7700をはぎ取り、バーコードを伴う製品ラベル7704を取り除く。
図77Bにおいて、観察デバイス100およびアクセサリは、パッケージ7702から取り除かれるものとして示されている。この例では、観察デバイス100および製品ラベル7704に加えて、パッケージ7702は、テープ7706のロールおよびヘッドバンド7708を含む。一実施形態では、テープ7706は、粘着性の軟らかい通気性のあるテープである。ヘッドバンド7708は、テープ7706のロールの内部に保管され、テープ7706のロールがパッケージ7702から取り除かれると取り除かれ得る(矢印により表されるヘッドバンド908の除去)。
図78は、ユーザの手足のある指の測定部位に観察デバイスを取り付けるためのプロセスを示すワークフローを図示する。例示的な実施形態では、観察デバイス100を作動させるための図20に示される動作は、観察デバイス100を測定部位に取り付ける前に実行されている。観察デバイス100は、光源113と、測定部位7800の上に、かつそれに接触して配置された光検出器114(ならびに観察デバイス100に含まれる場合、温度センサ801および/または第1の電気的接触センサ802)とを伴って、測定部位7800(たとえば、指先)に取り付けられる。いくつかの実施形態では、観察デバイス100は、観察デバイス100と測定部位7800との間の光学的な、電気的な、および/または熱的な結合を改善するために、テープ7708により巻かれる。テープ7708は、限定はされないが、機械的衝撃、無理な取り外し、および直射日光への曝露を含む、種々の事象から観察デバイス100を保護することができる。
しかしながら、観察デバイス100が第1および第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの707、708)を含む実施形態では、テープ7708は、テープ7708が測定部位7800および観察デバイス100にどのように巻かれているかに応じて、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)を覆い得る。したがって、導電性の繊維(図示されない)が、導電性のあるテープを生み出すためにテープ7708に含まれ得る。テープ7708の中の導電性の繊維は、第2の電気的接触センサとテープ7708との間の電気的接触を生み出す。被験者が体の別の部分(たとえば、図7Dの反対側の手709)で導電性の繊維を伴うテープ7708に触れると常に、被験者の心臓までの閉じた電気的経路(たとえば、図7Dの710)ができる。いくつかの事例では、導電性の繊維は、観察デバイス100がホストデバイスとワイヤレスに通信することを可能にするために、適用可能なワイヤレス周波数範囲(たとえば、Bluetooth(登録商標) Low Energyでは、周波数範囲は2400MHzと2483.5MHzの間である)における波の周波数を阻害しないようになされる。
別の実施形態では、導電性の繊維を伴うテープ7708は、観察デバイス100のワイヤレスアンテナの利得を上げる機能を実行するための、観察デバイス100の部分として作られ得る。ワイヤレス効率を上げるために、導電性の繊維を伴う導電性のテープ7708を使用するとき、測定部位7800にテープ907を巻くことは、指先の末端に空洞(または開口、間隙)を残すような方法で行われ得る。空洞7802は、テープ7708が観察デバイス100および測定部位7800(たとえば、指先)にどのように巻かれるかに基づいて、ならびに/または、テープ7708が設計される、および/もしくは観察デバイス100に取り付けられる方法に基づいて、生み出され得る。
テープ7708の中の導電性の繊維は、測定部位7800において圧力が観察デバイス100に加えられると、測定部位7800との光学的な、電気的な、および/または熱的な結合(接触)を改善することができる。追加または代替として、導電性の繊維は、被験者がテープ7708に導電性の繊維で触れると心臓への閉じた電気的経路をユーザが作ることを可能にする、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)として機能し得る。
図79A~図79Fは、観察デバイスとともに使用するのに適した例示的なテープレイアウトを示す。これらの図において、各観察デバイスは、それぞれ図2Aおよび図2Bに図示されるものなどの、異なるテープレイアウトを使用する。具体的には、図2Aに示される実施形態では、観察デバイス100は、平らな絆創膏202を使用して指先200に固定される。観察デバイスは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポケットに、またはテープ7708から作られた折り紙構造に封入される。図79Aに示されるように、観察デバイス100の光センサ110は、下側204がユーザの皮膚に接着されるとユーザの皮膚と接触するように、下側204に配置される。図79Bから図79Fに示されるものなどの、多くの代替の構成のいくつかでは、絆創膏またはテープ202が、測定部位に観察デバイス100を取り付けるために使用され得る。テープ202は異なる形状を有してもよく、観察デバイス100は異なる位置および/または向きに配置される。
図78の測定部位はユーザの手足の指として説明されているが、他の実施形態はその構成に限定されない。観察デバイスは、図2B~図2Iに示される測定部位などの、他のタイプの測定部位とともに使用され得る。図80は、ユーザの額に取り付けられた観察デバイスを図示する。ある例示的な実施形態では、観察デバイス100を作動させるための図20に示される動作は、額(測定部位)に観察デバイス100を取り付ける前に実行される。観察デバイス100は、光源と、測定部位8000の上に、かつそれと接触して配置される光センサの光検出器(ならびに観察デバイス100に含まれる場合、温度センサおよび/または第1の電気的接触センサ)とを伴って、測定部位8000(たとえば、額)に取り付けられる。
いくつかの実施形態では、測定部位8000として額を使用することは、SpO2、PR、PA、および/またはPIの測定結果の改善をもたらし得る。額の領域における灌流のある組織は、厚さ数ミリメートルであり、1つまたは複数の光源と1つまたは複数の光検出器(たとえば、図1の光源113および光検出器114)との間の分離(間隙)が比較的小さい、反射性パルスオキシメータに適している。いくつかの実施形態では、観察デバイス100は、2.5mmと7mmの間の分離間隙を有する。しかしながら、光センサの設計に応じて、2.5mmより小さい分離間隙を達成することができる。観察デバイス100は、額からの浅く血液灌流のある組織を調べることができ、比較的信号対雑音比の高い波形を提供し、非常に低い灌流レベルでも、SpO2、PR、PA、および/またはPIの正確な検出を可能にする。
測定部位8000としての額は、身体的活動の間にも有利であり得る。測定部位8000は、被験者の頭に位置していることを考慮すると、体動によるアーティファクトの影響を受けにくい。脳の損傷からの自己保護の機構として、体動の影響は、骨格および筋肉により可能にされる動きの減衰を通じて、被験者の頭において常に最小になる。加えて、脳への近さを考慮すると、額は生理学的な変化(すなわち、SpO2、PR、PA、および/またはPIの変化など)に対する伝達遅れがより短く、寒さへの血管収縮応答もより少ない。任意選択で、ヘッドバンド8002(たとえば、図77Bのヘッドバンド7708)が、機械的衝撃、無理な取り外し、および直射日光への曝露などの、様々な事象から観察デバイス100を保護するために使用され得る。ヘッドバンド8002はまた、測定部位8000との光学的な、熱的な、および/または電気的な結合を改善することができる。
しかしながら、観察デバイス100が第1および第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの707、708)を含む実施形態では、ヘッドバンド8002は第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)を覆うことができる。したがって、導電性の繊維(図示せず)が、導電性のある繊維またはヘッドバンドを生み出すために、ヘッドバンド8002に含まれ得る。ヘッドバンド8002の中の導電性の繊維は、第2の電気的接触センサとヘッドバンド8002との間に電気的接触を作り出す。ユーザが導電性の繊維を伴うヘッドバンド8002に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)を置くと常に、被験者の心臓への閉じた電気的経路(たとえば、図7Dの710)ができる。
観察デバイス100がホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)とワイヤレスに通信することを可能にするために、ヘッドバンド8002の中の導電性の繊維は、適用可能なワイヤレス周波数範囲における波の周波数を阻害しないようになされ得る。別の実施形態では、導電性の繊維を伴うヘッドバンド8002は、導電性の繊維を通じて観察デバイス100のワイヤレスアンテナの利得を上げる機能、ならびに/または、圧力が測定部位8000において観察デバイス100に加えられるときの測定部位8000(たとえば、額)との光学的な、電気的な、および熱的な結合(接触)を改善する機能を実行するための、観察デバイス100の部分として作られ得る。追加または代替として、導電性の繊維は、ユーザが導電性の繊維を伴うヘッドバンド8002に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)を置くと常に、心臓への閉じた電気的経路をユーザが作り出すことを可能にする、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)として機能し得る。
図81は、ユーザの額に取り付けられる観察デバイスを図示する。光センサの光源および光検出器(ならびに、観察デバイス100に含まれる場合、温度センサおよび/または第1の電気的接触センサ)が、測定部位8000の上に、かつそれに接触して配置される。この実施形態では、機械的衝撃、無理な取り外し、および直射日光への曝露を含む、様々な事象から観察デバイス100を保護するために、絆創膏8100が使用される。絆創膏8100はまた、測定部位8000(たとえば、額)との光学的な、熱的な、および/または電気的な結合を改善することができる。
しかしながら、観察デバイス100が第1および第2の電気的接触センサ(たとえば、図7の707、708)を含む実施形態では、絆創膏8100が第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)を覆い得る。したがって、導電性のある絆創膏を生み出すために、導電性の繊維(図示せず)が絆創膏8100に含まれ得る。絆創膏8100の中の導電性の繊維は、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)と絆創膏8100との間に電気的接触を作り出す。ユーザが導電性の繊維を伴う絆創膏8100に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)を置くと常に、ユーザの心臓への閉じた電気的経路(たとえば、図7Dの710)ができる。
観察デバイス100がホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)とワイヤレスに通信することを可能にするために、絆創膏8100の中の導電性の繊維は、適用可能なワイヤレス周波数範囲における波の周波数を阻害しないようになされ得る。別の実施形態では、導電性の繊維を伴う絆創膏8100は、導電性の繊維を通じて観察デバイス100のワイヤレスアンテナの利得を上げる機能、ならびに/または、圧力が測定部位8000において観察デバイス100に加えられるときの測定部位8000(たとえば、額)との光学的な、電気的な、および熱的な結合(接触)を改善する機能を実行するための、観察デバイス100の部分として作られ得る。追加または代替として、導電性の繊維は、ユーザが導電性の繊維を伴う絆創膏8100に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)で触れると常に、心臓への閉じた電気的経路をユーザが作り出すことを可能にする、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)として機能し得る。
図82は、ユーザの額に取り付けられる観察デバイスを図示する。観察デバイス100は測定部位8000(たとえば、額)に取り付けられ、光センサの光源および光検出器(ならびに、観察デバイス100に含まれる場合、温度センサおよび/または第1の電気的接触センサ)が、測定部位8000の上に、かつそれに接触して配置される。この実施形態では、機械的衝撃、無理な取り外し、および直射日光への曝露を含む、様々な事象から観察デバイス100を保護するために、帽子8200が使用され得る。帽子8200はまた、測定部位8000との光学的な、熱的な、および/または電気的な結合を改善することができる。
しかしながら、観察デバイス100が第1および第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの707、708)を含む実施形態では、帽子8200が第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)を覆い得る。したがって、導電性の繊維(図示せず)が、導電性のある繊維または帽子8200を生み出すために、帽子8200に含まれ得る。帽子8200の中の導電性の繊維は、第2の電気的接触センサと帽子8200との間に電気的接触を作り出す。ユーザが導電性の繊維を伴う帽子8200に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)を置くと常に、ユーザの心臓への閉じた電気的経路(たとえば、図7Dの710)ができる。
観察デバイス100がホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)とワイヤレスに通信することを可能にするために、帽子8200の中の導電性の繊維は、適用可能なワイヤレス周波数範囲における波の周波数を阻害しないようになされ得る。別の実施形態では、導電性の繊維を伴う帽子8200は、導電性の繊維を通じて観察デバイス100のワイヤレスアンテナの利得を上げる機能、ならびに/または、圧力が測定部位8000において観察デバイス100に加えられるときの測定部位8000との光学的な、電気的な、および熱的な結合(接触)を改善する機能を実行するための、観察デバイス100の部分として作られ得る。追加または代替として、導電性の繊維は、ユーザが導電性の繊維を伴う帽子8200に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)で触れると常に、心臓への閉じた電気的経路をユーザが作り出すことを可能にする、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)として機能し得る。
図83は、ユーザの後部外耳(耳)に取り付けられる観察デバイスを示す。観察デバイス100は測定部位8300(たとえば、耳)に取り付けられ、光センサの光源および光検出器(ならびに観察デバイス100に含まれる場合、温度センサおよび/または第1の電気的接触センサ)が、測定部位8300の上に、かつそれに接触して配置される。いくつかの事例では、光の強度およびユーザの皮膚の色に応じて、1つまたは複数の光源によって放出される光は、耳の軟骨を通過して見ることができることがある(領域8302参照)。
一態様では、測定部位8300として後部外耳を使用することで、SpO2、PR、およびPIの測定結果の改善をもたらすことができる。耳のこの領域における耳の軟骨の厚さは通常、厚さ数ミリメートルにすぎない。したがって、測定部位8300は、1つまたは複数の光源と光センサの1つまたは複数の光検出器(たとえば、図1の113、114)との間に小さい分離(間隙)を有する、反射性パルスオキシメータに適している。
測定部位8300は、観察デバイス100が、浅く血液灌流のある組織を後部外耳から調査することを可能にし、信号対雑音比の高い波形を提供し、非常に低い灌流レベルでもSpO2、PR、PA、および/またはPIの正確な検出を可能にする。測定部位8300としての後部外耳は、身体的活動の間にも有利である。測定部位8300は、ユーザの頭に位置していることを考慮すると、体動によるアーティファクトの影響を受けにくい。脳の損傷からの自己保護の機構として、体動の影響は、骨格および筋肉により可能にされる動きの減衰を通じて、ユーザの頭において常に最小になる。加えて、脳への近さを考慮すると、後部外耳は生理学的な変化(すなわち、SpO2、PR、PA、および/またはPIの変化など)に対する伝達遅れがより短く、寒さへの血管収縮応答もより少ない。
いくつかの実施形態では、接着テープ8304は、機械的衝撃、無理な取り外し、および直射日光への曝露を含む、様々な事象から観察デバイス100を保護するために使用され得る。接着テープ8304はまた、測定部位8300(後部外耳)との光学的な、熱的な、および/または電気的な結合を改善し得る。しかしながら、観察デバイス100が第1および第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの707、708)を含む実施形態では、接着テープ8304は第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)を覆い得る。したがって、導電性のある接着テープ8304を生み出すために、導電性の繊維(図示せず)が接着テープ8304に含まれ得る。接着テープ8304の中の導電性の繊維は、第2の電気的接触センサと接着テープ8304との間に電気的接触を作り出す。ユーザが導電性の繊維を伴う接着テープ8304を体の一部(たとえば、図7Dの指先709)で触れると常に、ユーザの心臓への閉じた電気的経路(たとえば、図7Dの710)ができる。
観察デバイス100がホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)とワイヤレスに通信することを可能にするために、接着テープ8304の中の導電性の繊維は、適用可能なワイヤレス周波数範囲における波の周波数を阻害しないようになされ得る。別の実施形態では、導電性の繊維を伴う接着テープ8304は、導電性の繊維を通じて観察デバイス100のワイヤレスアンテナの利得を上げる機能、ならびに/または、圧力が測定部位8300において観察デバイス100に加えられるときの測定部位8300との光学的な、電気的な、および熱的な結合(接触)を改善する機能を実行するための、観察デバイス100の部分として作られ得る。追加または代替として、導電性の繊維は、ユーザが導電性の繊維を伴う接着テープ8304に体の一部(たとえば、図7Dの指先709)で触れると常に、心臓への閉じた電気的経路をユーザが作り出すことを可能にする、第2の電気的接触センサ(たとえば、図7Dの708)として機能し得る。
図84は、観察デバイスを含む例示的なウェアラブル帽子を図示する。ウェアラブル帽子8400は、帽子8400が医療、フィットネス、および/またはウェルネスの適用例のためのウェアラブルデバイスとなることを可能にする、内蔵の帽子回路8402を含む。帽子8400はさらに、1つまたは複数の内蔵の脳波図(EEG)電極8404を含み得る。適用例に応じて、EEG電極8404は、帽子8400の生地の一部であってもよく、または帽子8400に取り付けられてもよい。適用例に応じて、他の光センサ、温度センサ、電気的接触センサ、電気的容量性接触センサ、超音波センサなどが、帽子回路8402の一部であってもよく、または、(EEG電極として)帽子レイアウトの周りに分散していてもよく、および/もしくは帽子8400の生地の一部であってもよい。
帽子回路8402は、図1に示される観察デバイス100の回路の一部またはすべてを、含むことも含まないこともある。帽子回路8402は、1つまたは複数の生理学的な測定結果および/または環境データを感知し、生理学的および/または環境データを処理し調整して、データをワイヤレスにホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)へ送信する。一実施形態では、データはリアルタイムでホストデバイスに送信される。たとえば、光検出器、EEG電極、および/または温度センサからの信号はホストデバイスに送信される。
ホストデバイスは、データを処理して分析し、1つまたは複数の測定結果および傾向を表示し、アラームまたは警告を生成し、データを記憶し、データを共有するなどする。示される実施形態では、帽子回路8402は次の機能を有する。
1. 感知回路 - 帽子回路8402は、体温、環境温度、環境気圧、環境紫外線(A、B、および/またはC帯)、体水分量、非侵襲的な血液総ヘモグロビン、カルボキシヘモグロビンおよびメトヘモグロビン、SpO2、PR、PA、および/またはPI、プレチスモグラフ、非侵襲的な血糖レベル、呼吸数、ユーザの活動およびカロリー消費、EEGなど、ならびに、ECG波形のスポットチェック測定結果を、継続的にまたは選択された時間に感知するために、個別のおよび/もしくは分散型の構成要素、標準的な集積回路、ならびに/または特定用途向け集積回路(ASIC)として、電子機器およびセンサなどの感知回路8406を含む。
2. 処理デバイス - 低電力処理デバイス(たとえば、ARMベース、ASICなど)などの処理デバイス8408は、感知回路8406からデータを受信し、データを処理し、通信デバイス8410を使用してデータを(たとえば、ワイヤレスに)ホストデバイスに送信する。いくつかの実施形態では、ASIC回路などの処理デバイスは、全体の電力消費および帽子回路8402のフットプリントを減らすために、特別な信号処理機能を実行する。限定しない例において、処理デバイス8408は、低複雑度で低レイテンシの機能(すなわち、ハードリアルタイム処理)を実行し、ホストデバイスは、より複雑でレイテンシの多いデータを処理する(すなわち、ソフトリアルタイム処理)。適用例に応じて、処理デバイス8408は、帽子回路8402の一部であってもよく、または、帽子レイアウトの周りに分散していてもよく、および/もしくは帽子の生地の一部であってもよい。
3. 電力管理回路 - 電力管理回路8412は、電池を含み、電圧および負荷、電池持続時間、ならびに電池の残量を管理する。一実施形態では、帽子8400の電池は、ワイヤレス充電器8414を通じて充電される。ワイヤレス充電器8414は、回路絶縁の要件を最小にし、ケーブルおよび/またはコネクタの必要をなくす。それはまた、帽子8400の電池を充電するために、ユーザがワイヤレス充電器8414の上または近くに帽子を置くことができることを考慮すると、ユーザにとってより便利であり得る。最大ノイズレベルが電池の要件と一致する電圧レベルを提供するように設計され得る昇圧コンバータおよび降圧コンバータを通じて、電圧を調整することができる。用途に応じて、電力管理ユニットは、帽子回路8402の一部であってもよく、または、帽子レイアウトの周りに分散されていてもよく、および/もしくは帽子の生地の一部であってもよい。
4. 環境発電回路 - 環境発電回路8416は、環境中の一部のまたはすべての形態のエネルギーを、帽子回路8402に直接電力供給できる電力へと変換する、または再充電もしくは電池持続時間の延長のために電力管理回路8412の電池を再充電するために使用され得る、焦電性の、圧電性の、熱電性の、光電池の、環境放射性のトランスデューサおよび電子機器からなり得る。適用例に応じて、トランスデューサおよび電子機器は、帽子回路8402の一部であってもよく、または、帽子レイアウトの周りに分散していてもよく、および/もしくは帽子の生地の一部であってもよい。
5. 通信デバイス - 任意の適切なワイヤレス通信デバイス8410が使用され得る。一実施形態では、通信デバイス8410は、データを受信してホストデバイスまたはネットワーク(たとえば、図1のネットワーク120)に送信するためのワイヤレス無線ユニットである。限定しない例では、帽子8400は、BLUETOOTH(登録商標) Smartプロトコルを介してIPV6(インターネットプロトコルバージョン6)を使用してルータとワイヤレスに通信することができる。一実施形態では、通信デバイス8410は、BLUETOOTH(登録商標) Low Energy、ZIGBEE(登録商標)、ANT、または何らかのカスタム/プロプライエタリ低エネルギープロトコルなどの、複数の低エネルギープロトコルをサポートする。適用例に応じて、1つまたは複数のアンテナを含む通信デバイス8410は、帽子回路8402の一部であってもよく、または、帽子レイアウトの周りに分散していてもよく、および/もしくは帽子の生地の一部であってもよい。具体的には、低エネルギー無線のアンテナ設計は、帽子のレイアウト、材料、およびエリアにより大きな利益を得ることができるので、関心対象の周波数帯域における真性利得が非常に高い分散型アンテナレイアウトが可能になり、それにより、無線の電力消費が大幅に減る。
図85は、図84に示されるウェアラブル帽子のいくつかの例示的な構成を示す。構成8500は、帽子8400および観察デバイス100を含む。構成8500は一回限り使用の使い捨ての用途において使用されてもよく、このとき、帽子8400および帽子回路8402は、電池の残量がなくなった後廃棄される。構成8500において、電池は充電不可能な電池であり、結果として、電力管理回路8412および環境発電回路8416は帽子回路8402から省略され得る。一実施形態では、充電不可能な電池は、観察デバイス100の一部であり得る。
構成8502は、帽子8400、観察デバイス100、および取り外し可能な電池8504を含む。構成8502は、複数回使用の使い捨ての用途で使用されてもよく、このとき、帽子8400および帽子回路8402は複数回使用される。この実施形態では、取り外し可能な電池8504の電池の残量が少ない、または空であるときは常に、取り外し可能な電池8504は新しい取り外し可能な電池と交換される。取り外し可能な電池8504は、標準的な充電不可能な電池からなっていてもよく、または、帽子8400の製造者によって提供されない電池をユーザが使用するのを防ぐ、耐タンパメモリを伴うカスタムモジュールであってもよい。
構成8506は構成8502と似ており、環境発電回路8416が追加されている。環境発電回路8416は、取り外し可能な電池8504の残量を増やし、交換または再充電までに取り外し可能な電池8504が使用される時間を延ばすために使用され得る。
構成8508は、帽子8400、観察デバイス100、および充電器8510(たとえば、ワイヤレス充電器8414)を含む。構成8508は、電池が再充電可能であり、充電器8510が電池を充電するために使用される再利用可能な適用例において使用される。一実施形態では、再充電可能な電池、残量計、保護、およびワイヤレス充電受信機回路は、観察デバイス100の一部であり得る。
図86は、ユーザに配置される例示的なウェアラブルパッチを図示する。ウェアラブルパッチ8600は、観察デバイス100と、1つまたは複数の生理学的データおよび/または環境データを感知し、生理学的データおよび/または環境データを処理して調整し、データをワイヤレスにホストデバイスへ送信する、パッチ回路8602とを含む。一実施形態では、データはリアルタイムでホストデバイスに送信される。
ホストデバイスは、データを処理して分析し、1つまたは複数の測定結果および/または傾向を表示し、1つまたは複数のアラームもしくは警告を生成し、データを記憶し、ならびに/または別のコンピューティングデバイスとデータを共有する。一実施形態では、パッチ回路8602は、図84に示される帽子回路8402と同様の機能を有する。しかしながら、帽子8400と比較してウェアラブルパッチ8600のサイズが比較的小さいことを考慮すると、パッチ回路8602は統合されており軽量であり得る。
ウェアラブルパッチ8600は、使い捨ての、一回限り使用のパッチ、複数回使用のパッチ、または再利用可能なパッチであり得る。示される実施形態では、ヘッドバンドまたは接着テープの代わりに、ウェアラブルパッチ8600を測定部位(たとえば、額)に取り付けるために、モノフィラメント8604が使用される。一実施形態では、モノフィラメント8604は、透明または半透明のモノフィラメントである。モノフィラメント8604は、ウェアラブルパッチ8600に合う空洞を伴うケース8606に取り付けられ得る。ケース8606は、測定部位に対して作用する目立たない観察ソリューションを生み出すために、ユーザの皮膚の色と一致するように作られ得る。モノフィラメント8604を伴うケース8606は、観察ソリューションをより目立たないようにして、ウェアラブルパッチ8600と測定部位との間の光学的な、電気的な、および/または熱的な結合を改善することができる。モノフィラメント8604は、機械的衝撃、無理な取り外し、および直射日光への曝露などの、様々な事象からウェアラブルパッチ8600を保護し得る。
再利用可能な実施形態では、パッチ8600の電池は、ワイヤレス充電器8414を通じて充電される再充電可能な電池であり得る。ワイヤレス充電器8414は、回路絶縁の要件を下げ、もしくは最小にし、ならびに/または、ケーブルおよび/もしくはコネクタの必要性を下げ、もしくはなくすことができる。ワイヤレス充電はまた、ウェアラブルパッチ8600の電池を充電するために、ユーザはワイヤレス充電器8414の上または近くにウェアラブルパッチ8600を置くだけであることを考慮すると、ユーザにとってより便利であり得る。ウェアラブルパッチ8600、ケース8606、およびモノフィラメント8604を伴う観察ソリューションは、額以外の測定部位に適用され得る。たとえば、腕、脚、手首、足、胸、および首などの測定部位が使用され得る。加えて、いくつかの適用例では、ウェアラブルパッチ8600、ケース8606、およびモノフィラメント8604を伴う再利用可能な観察ソリューションは、コストを減らし使用のワークフローを簡単にして、日常使用に対してより便利にするために、単一のデバイスへと統合され得る。
図87~図88は、図12Aに示されるような、観察デバイス、ホストデバイス、およびコンピューティングシステムを使用する、獣医学への応用のための例示的な実施形態を示す。観察デバイス100は、灌流特性および光学特性が連続的な、強い、安定した、再現可能な信号を提供するような測定部位に配置され得る。動物8700の種類(たとえば、ウシ、イヌ、ネコなど)に応じて、非侵襲的な測定のために、尾、鼻中隔、耳、生殖器粘膜、舌、唇、外陰、包皮、陰嚢、後足、前足、唇、または何らかの他の測定部位が、他の測定部位より好ましいことがある。図87および図88において、ホストデバイスは、ソフトウェアを実行することが可能な任意の電子デバイスであり得る。図87において、ホストデバイス105は、マルチパラメータモニタ、モバイルデバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータであり得る。図88において、ホストデバイス105は、壁(または獣医学への適用例に応じて何らかの他の場所の)コンセントに差し込まれ、接続1206を介して観察デバイス100に接続される家電機器である。図88の実施形態では、ホストデバイス105のソフトウェア1216はインターフェース機能を提供しない。インターフェース機能は、接続1208を介してホストデバイス105から測定結果およびデータを受信する、マルチパラメータモニタの形態のコンピューティングシステム1202によって提供される。図87および図88において、接続1206および接続1208はワイヤレス接続である。
獣医学への応用のためのいくつかの非侵襲的で継続的な観察の実施形態では、多種多様な動物の種類、特性、および測定部位が、測定部位における広範囲の物理的な(光学的な、機械的な、など)および生理学的な特性を考慮するために、異なるアルゴリズムおよび/またはcalcurveを必要とし得る。図89~図90に図示される例示的なフローチャートは、動物の測定部位の広範囲の物理的および生理学的特性を考慮するために図32および図73に示される実施形態を拡張する。図32および図73のように、図89および図90の実施形態は、SpO2測定に関連して説明される。しかしながら、他の実施形態では、示される例示的な方法において、関心対象の他のパラメータの測定が使用され得る。
図89は、獣医学での使用において100パーセントを超えるSpO2値を提供する例示的な第1の方法のフローチャートを図示する。このプロセスはSpO2値を参照して説明されるが、この方法は関心対象の他のパラメータまたは測定結果とともに使用され得る。関心対象の他のパラメータまたは測定結果の限定しない例は、PR、PA、PI、非侵襲的な血糖、総ヘモグロビン、カルボキシヘモグロビン、メトヘモグロビン、体脂肪、および/または体水分量のレベルである。
最初に、ブロック8900に示されるように、動物の種類(たとえば、ウシ、イヌ、ネコなど)、動物の特性(年齢、性別、体重、身長などを含む)、および/または測定部位の位置についての情報が、動物の種類、動物の特性、および/または選ばれた測定部位の位置と最も良く一致する、100%までのおよび100%を超えるSpO2測定値のための1つまたは複数の曲線を決定して選択するために、取得される。次いで、ブロック3200、3202、3204、3206、3208、3210が、選択された曲線を使用して実行される。
図90は、獣医学での使用において100パーセントを超えるSpO2値を提供する例示的な第2の方法のフローチャートを示す。このプロセスはSpO2値を参照して説明されるが、この方法は関心対象の他のパラメータまたは測定結果とともに使用され得る。関心対象の他のパラメータまたは測定結果の限定しない例は、PR、PA、PI、非侵襲的な血糖、総ヘモグロビン、カルボキシヘモグロビン、メトヘモグロビン、体脂肪、および/または体水分量のレベルである。
最初に、ブロック9000に示されるように、動物の種類、動物の特性(年齢、性別、体重、身長などを含む)、および/または測定部位の位置が、動物の種類、動物の特性、および/または選ばれた測定部位の位置と最も良く一致する、SpO2測定値のための1つまたは複数のアルゴリズム設定(たとえば、拡張されない、および拡張される範囲、曲線、探索限界など)を決定して選択するために、取得される。ブロック7300、7302、7304、7306、7308、7310、7312、7314、および7316が次いで、選択されたアルゴリズム設定を使用して実行される。
測定部位への取り付けを容易にする粘着性の接着テープを伴う、小型の、軽量の、使い捨ての(または再利用可能な)ワイヤレス観察デバイスが、獣医学への応用において非常に有利であり得る。動物の患者において見られる部位の色素沈着、毛皮、および他の理想的ではない皮膚の特性は、灌流特性および光学特性が継続的で、強く、安定した、再現可能な信号を提供するような、利用可能な測定部位の位置およびエリアを制約することがある。反射ベースの光センサを伴う小型の、軽量の、ワイヤレス観察デバイスは、測定部位の反対側において透過率ベースの信号が適用されて収集される必要なく、動物の体の任意の部分に容易に取り付けられ得る。1つまたは複数の光源(たとえば、図1の113)と1つまたは複数の光検出器(たとえば、図1の114)との分離が、透過率ベースの光センサにおいて見られる典型的な分離よりはるかに小さいことを考慮すると、反射ベースの光センサでは光パワーが低減される。たとえば、図7Aに示される観察デバイス100を使用すると、観察デバイス100は、光センサ110を通じて光データを収集するために、測定部位700に取り付けられる。1つまたは複数の光源113は、血液灌流のある真皮704を貫通して心臓の脈動信号(破線により表される)と相互作用し、光脈動信号を作り出す光を放出する。光脈動信号(フォトプレチスモグラフ)は、1つまたは複数の光検出器114に接続されるフロントエンドによって獲得され、フィルタリングされ、調整され、デジタル信号に変換される。フォトプレチスモグラフは、リアルタイムの測定結果の表示、警告(アラーム)生成、および/または動物の患者のSpO2、PR、PIなどの記憶を含む、さらなる処理および分析のためにホストデバイスへワイヤレスに送信される。
獣医学で使用するための観察デバイスはまた、測定部位700と接触している温度センサ705(図7B)も含み得る。温度センサ705は、動物の患者の深部体温を測定するために使用され得る。観察デバイス100は、深部体温と相関する表面体温をもつ、動物の患者の体のある位置に取り付けられ得る。観察デバイス100は、温度センサ測定結果を収集して処理し、温度センサ測定結果をデジタル信号に変換する。デジタル信号は、リアルタイムの測定結果の表示、警告(アラーム)生成、および/または動物の患者の深部体温の記憶を含む、さらなる処理および分析のためにホストデバイスへワイヤレスに送信され得る。
図91は、図12Aに示されるような、観察デバイス、ホストデバイス、コンピューティングシステム、およびクラウドコンピューティングシステムを使用する、宇宙への応用のための例示的な実施形態を図示する。観察デバイス100は、灌流特性および光学特性が継続的で、強い、安定した、再現可能な信号を提供するような、宇宙飛行士の体の1つまたは複数の測定部位(すなわち、額、指、手、耳、胸、手首など)に配置され得る。観察デバイス100は、使い捨てもしくは再利用可能であってもよく、宇宙服9100に内蔵されていてもよく、または宇宙飛行士の体に取り付けられる別個のユニットであってもよい。ホストデバイス105は、ソフトウェア1216を実行することが可能であり、宇宙服9100もしくは宇宙飛行士により装着されるウェアラブルデバイス(たとえば、腕時計など)の一部である、任意のコンピューティングデバイスであり得る。
ホストデバイス105は、分析、表示、警告、記憶などのために、宇宙船9102の中のコンピューティングシステム1202に情報を転送する。コンピューティングシステム1202は、惑星(たとえば、地球)、月、または宇宙飛行士の生理学的情報が他者により評価される別の位置9104(たとえば、ミッションコントロールセンター)に位置するクラウドコンピューティングシステム1204へ、分析、表示、警告、記憶などのために情報を送信する。図91において、接続1206、1208、および1210はワイヤレス接続(たとえば、Deep Space Network)である。
図91の実施形態は、宇宙飛行士が特定のミッションの間に宇宙服9100を着ている間、または宇宙飛行士が宇宙船9102の中にいて宇宙服9100を着ていない間の、宇宙飛行士の生理学的測定結果(すなわち、SpO2、PR、PA、PI、RR、Tempなど)の継続的な観察に適用され得る。この実施形態は、宇宙飛行士の生理学的状態および/またはバイタル信号が許容可能な範囲内にあることを確実にするために、極めて重要であり得る。たとえば、100%を超える酸素飽和度の測定結果は、酸素消費を制御して、宇宙服9100および/または宇宙船9102からの高濃度の酸素に長時間さらされることによる酸素毒性の影響を避けるのを助けることができる。
図92は、観察デバイスを使用する別の例示的な方法を示す。示される実施形態では、観察デバイス100は、データ収集のためだけに使用されるファームウェア1214を含む。観察デバイス100のハードウェアは、シリアルインターフェースまたはパラレルインターフェースを介して処理デバイス(たとえば、図1の処理デバイス102)に接続される、内部または外部メモリ9200を有する。一実施形態では、メモリ9200は不揮発性メモリである。別の実施形態では、メモリ9200は、観察デバイス100全体のサイズとコストを下げるために、観察デバイス100の処理デバイスに埋め込まれ得る。
観察デバイス100は、ユーザからの光学的および/または電気的および/または熱的および/または音響的(音および超音波を含む)データ、ならびに、ユーザが位置する環境からのデータ(すなわち、環境の温度、気圧、湿度、周辺光、オーディオなど)を、連続的な、および/または間欠的なデータストリームとして収集する。観察デバイス100は任意選択で、メモリ9200に処理されたデータストリーム9202を記憶する前に、収集されたデータをリアルタイムで処理する(すなわち、復調、フィルタリング、ダウンサンプリング、アップサンプリングなど)。処理されたデータストリーム9202は次いで、データ処理施設9204によって処理される。処理されたデータストリーム9202を収集し、処理し、データ処理施設9204に移すための、いくつかの例示的な技法が使用され得る。1つの例示的な実施形態では、以下のワークフローが使用され得る。
1. メモリ9200を伴う観察デバイス100が、ユーザの測定部位に配置される。ビュー9206は、額に配置された観察デバイス100を示すが、他の実施形態はこの実装形態に限定されない。適用例に応じて、観察デバイス100の配置は、ユーザまたは看護者により行われ得る。病院、診療所、および医師の診察室などの環境では、たとえば、観察デバイス100は通常、看護者によりユーザに配置される。住宅の環境では、観察デバイス100は、ユーザ、家族、または参加している看護者により測定部位に取り付けられ得る。代替として、ユーザは、医師の診察室、外来の診療所、または薬局の予約を取ってもよく、そこでメモリ9200を伴う観察デバイス100がユーザに配置されてもよい。
2. メモリ9200を伴う観察デバイス100が、ある期間動作して、ユーザからの連続的または間欠的なデータストリームを収集し、処理し、記憶する。ビュー9208は、ユーザの睡眠中にデータが収集される例を示すが、他の実施形態はこの実装形態に限定されない。一実施形態では、この期間は、適用例に応じて数時間から数週間にわたり得る。睡眠障害(たとえば、不眠症、無呼吸、睡眠行動異常など)では、たとえば、終夜のデータ収集で十分であり得る。心血管の診断(異常な脈または不整脈、心筋症など)では、許容可能な特異度および感度でユーザの心血管状態の評価を行うために、1週間以上のデータ収集が必要とされ得る。
3. 次いで、観察デバイス100が、データ処理施設9204に郵送され(ビュー9210)、そこで、観察デバイス100において収集され記憶されたデータが、コンピュータシステム9212によって読み取られて処理され、診断的看護のための疾病の診断、予防的看護のための潜在的な将来の疾病の予測、および/またはユーザのウェルビーイングについての全般的な調査(すなわち、ライフスタイル、精神的ストレス、労働環境条件、ならびに関連する身体的および/もしくは精神的ストレスなど)において使用される、測定結果、分析、メトリクス、分布、チャート、および範囲を伴う報告9214を生み出す。
4. 次いで、生成された報告9214が、ユーザの評価、診断、および処置を助けるために、ユーザの看護者(および任意選択でユーザ)に送信(たとえば、郵送)され得る。
別の実施形態では、手動のデータ転送9210は、データ処理施設9204がデータストリーム9202を読み取り、分析し、処理することを可能にするために、データ処理施設9204の一部である、またはデータ処理施設9204によってアクセス可能である、コンピュータシステム9212またはリモートストレージ(たとえば、クラウドベースのストレージ)へ処理されたデータストリーム9202を電気的に送信する(9216)ことにより置き換えられる。
別の実施形態では、データ処理施設9204は、ユーザの電子医療記録(EHR)9218で置き換えられ、生成された報告9214は、データ処理施設などの特定の物理的位置をもたない(分散型または集中型の)クラウドコンピューティングシステムであり得るコンピューティングシステム9212を介してEHR9218へ電気的に送信され、任意選択でユーザおよび/またはユーザの看護者9220に郵送される。一実施形態では、処理されたデータストリーム9202の電気的な送信および/または報告9204の電気的な送信は自動的である(どのようなユーザ入力も必要としない)。
図92に図示される実施形態の1つの利点は、観察デバイス100だけがデータ収集の間に使用されるということである。ホストデバイスのデータ処理能力はデータ処理施設9204により置き換えられ、これは、ホストデバイスと関連付けられる簡潔性、信頼性、およびコストを改善する。図92に示される実施形態は、測定結果、傾向、および/またはメトリクスが特定の疾病または状態を診断するために必要とされ、任意のリアルタイムの測定結果またはアラームが看護者に伝えられる必要のない、臨床、フィットネス、および/またはウェルネスの適用例において使用され得る。
いくつかの適用例では、ホストデバイスは、データ処理施設9204のコンピュータシステム9212への処理されたデータストリーム9202の転送を助けるために使用され得る。処理されたデータストリーム9202は、データ収集が完了した後に、またはデータ収集が行われている間に転送され得る。ホストデバイスは、モバイルデバイス、家電機器、処理されたデータストリーム9202をコンピュータシステム9212に転送する目的で観察デバイス100とのワイヤレス接続もしくは有線接続を確立することができるデスクトップまたはラップトップコンピュータであり得る。
コンピュータシステム9212によって実行されるアルゴリズムのタイプは、ホストデバイスによって実行され本明細書において説明されるアルゴリズムと類似している。しかしながら、処理されたデータストリーム9202は、報告9214を生み出すために、コンピュータシステム9212によってバッチモードで処理され得る。追加または代替として、処理時間および電力消費の要件が障害ではない可能性があるということを考慮して、より複雑度の高い非因果アルゴリズムが利用されてもよい。
別の代替の実施形態では、観察デバイス100は、通信デバイス(たとえば、図1の通信デバイス103)を含まない。代わりに、観察デバイス100は、コンピュータシステム9212への有線接続が、処理されたデータストリーム9202を、コンピュータシステム9212またはコンピュータシステム9212によってアクセスされ得るクラウドベースのシステムにアップロードすることを可能にするために使用され得る、コネクタまたはプラグを含む。通信デバイス103を省略することは、観察デバイス100を簡単にし、および/または観察デバイス100のコストを下げることができる。ワイヤレス接続の欠如は、観察デバイス100の処理要件および電力消費を下げることができる。代替として、有線接続のための観察デバイス100のコネクタまたはプラグは、ユーザから隠されてもよく(内部にある)、それは、それらがデータ収集の間には使用されず、観察デバイス100が処理されたデータストリーム9202をコンピュータシステム9212に転送するときにだけ使用されるからである。
観察デバイス100は、一回限り使用のユーザデバイスまたは再利用可能なデバイスであり得る。一回限り使用の実装形態の利点は、処理されたデータストリーム9202がコンピュータシステム9212またはEHR9218に転送された後で観察デバイス100がリサイクルされ得るということである。一回限り使用の実装形態は、出荷、取り扱い、および消毒に関連するコストを最小にし、ワークフローを簡単にし、ならびに/またはユーザ間の交叉汚染の危険性を最小にすることができる。
再利用可能な実装形態では、観察デバイス100が複数回使用され得るので、観察デバイス100の全体のコストを下げることができる。そのようなデータ収集プロセスの危険性を最小限にし、利益を最大にするために、観察デバイス100のために再利用可能な、使い捨ての、および/または交換可能な部品もしくは組立体を含むハイブリッド実装形態が採用され得る。ある例示的な実施形態では、観察デバイス100は再利用可能であり、観察デバイス100をユーザに接着する1つまたは複数のテープは一回限り使用の使い捨てのテープであってもよい。別の例示的な実施形態では、電池の充電の必要をなくすために、観察デバイス100は、使い捨てのテープと一緒に組み立てられる再充電不可能な電池を使用してもよく、電池とテープが一緒に単一の使い捨ての組立体を形成する。そのような実施形態では、観察デバイス100は複数回再利用され、各々の使用の前にテープおよび充電不可能な電池が交換される。再利用可能な、使い捨ての、および/または交換可能な部品もしくは組立体を伴ういくつかのハイブリッド構成は、観察デバイス100を特定の臨床、フィットネス、またはウェルネスの適用例に適したものにするように設計され得る。
図93は、人または動物のユーザに対する疾病診断および/またはスクリーニング、ならびに疾病治療の有効性評価のための例示的な方法のフローチャートを図示する。このプロセスは、ユーザの診断および/またはスクリーニングを助けるための、ならびに、診断されたユーザが治療中になると治療の有効性を評価するための、データの収集および報告の生成を説明する。データの収集および転送、ならびに報告の生成および転送は、図92に関連して説明される実施形態ごとに実装され得る。
最初に、ブロック9300に示されるように、診断および/またはスクリーニングを助けるために、ユーザについてデータ収集が実行される。限定しない例では、データ収集は、図92に図示される実施形態のいくつかまたはすべてに従って実行される。他の実施形態では、診断されないユーザについてのデータを収集するための1つまたは複数の他のプロセスが実行される。一態様では、ユーザには、睡眠障害または呼吸障害に関する症状があり、データ収集は障害を診断することに関係する。
次いで、収集されたデータは、報告を作成するためにデータ処理施設に送信される(ブロック9302)。看護者、および任意選択でユーザが、ブロック9304において報告を受信する。報告はブロック3312において受信される。たとえば、看護者は、報告を受信し、ブロック9306に進んでユーザについての疾病診断を実行する。ユーザにある疾患があると診断される場合、ブロック9308において治療が処方される。たとえば、ユーザが睡眠調査の後で睡眠時無呼吸であると診断される場合、看護者は、睡眠時にContinuous Positive Air Pressure(CPAP)機器が装着されること、または、神経筋疾患をもつユーザのための高度な住宅用人工呼吸器を処方し得る。酸素補充を必要とするユーザ(たとえば、肺の疾患など)のために、酸素供給システムも処方され得る。これらのタイプの機械は、図94の機械9400およびユニット9402(たとえば、フェイスマスク)によって表される。機械9400およびユニット9402は、ユーザが経験し得る呼吸器の合併症を減らし、またはなくす。たとえば、睡眠時無呼吸症が治療されていないユーザの場合、ユーザは、心房細動などの異常な心拍を有する可能性がより高く、これは、脳血管障害(CVA)の危険性を高め得る。限定しない例では、機械9400は、管を介してユニット9402に接続される、CPAP機械、高度な住宅用人工呼吸器、または酸素供給システムであり得る。
診断されたユーザが治療または療法を開始すると、看護者は、治療の有効性を評価するために、定期的にまたは選択された時間にデータ収集を処方し得る。ブロック9310、9312、9314、9316、9318、および9320は、治療の有効性を評価する(定期的に、または選択された時間に)ための例示的なプロセスを説明する。ブロック9310において、ユーザについての別のデータ収集が実行される。収集されたデータは次いで、報告を作成するためにデータ処理施設に送信される(ブロック9312)。報告はブロック9314において受信され、治療の有効性がブロック9316において評価される。必要な場合、治療の修正がブロック9318において実行される。ブロック9320において、ユーザおよび/または看護者は、治療の有効性を評価するための次回のまたは予定されているデータ収集について、定期的にまたは非定期的に(すなわち、治療の進展として医師により定められるスケジュールに基づいて)アラートを受け得る。たとえば、コンピュータシステム、EHRシステム、または第三者が、看護者のためにリマインダおよびアラートを生成することができる。
図94A~図94Eは、ユーザへの観察デバイスの様々な配置を示す。図94Aでは、観察デバイス100はユーザの額に配置される。額は、電気的な(たとえば、脳波および生体インピーダンス)、光学的な、機械的な、超音波の、および深部体温の信号の測定を可能にする。観察デバイス100はまた、図2Aおよび図2Gまたは図2Iにそれぞれ示される、手足の指または耳などの、別の体の部分にも配置され得る。図94B~図94Eは、観察デバイス100が胸の左上(図94B)、胸の中央(図94C)、胸の右下(図94D)、および背中の右上(図94E)に配置される例示的な実施形態を示す。図94B~図94Eの位置はまた、たとえば、ECG、パルスオキシメトリ、呼吸数、および脈波伝播時間のデータ収集のために利用され得る、電気的な、機械的な、超音波の、および光学的な信号の観察を可能にする。ECG信号の場合、センサ(たとえば、電極9404(拡大図において詳細に示される))は、測定可能な(検出可能な)電位(電圧)差をもつ異なる等電位(equipotential)(または等電位(isopotential))曲線に電極が触れるような、任意の胸の位置(前および後)に配置され得る。等電位曲線は、電位が同じである連続的な線を定義する。等電位曲線は、許容可能な信号対雑音比をもつECG信号を生み出すために、測定される電圧(電位差)を最大にすることができる、観察デバイスおよび電極の位置と向きの選択を可能にする。
図94Bは、観察デバイス100の位置および向きを選択するために使用された等電位曲線9406(破線)の例を図示する。この例示的な実施形態における2つの電極9404(拡大図において詳細に示される)は、測定されるECG信号を最大化または改善するために、図示される等電位曲線9406に直角に配置される。加えて、観察デバイス100はまた、診断を助けるために、および/または治療の有効性のために、睡眠中のユーザの活動およびいびきを捉える、モーションセンサおよびオーディオセンサ(図示せず)も有し得る。光および/または超音波(機械的)の源と検出器の数に応じて、体水分量、体脂肪、ならびに代謝および血液の変数(たとえば、血糖値、総ヘモグロビン、など)も取得され得る。
一実施形態では、図93のブロック9302および9312において作成される報告は、酸素飽和度、脈拍数、灌流指数、呼吸数、体および/または皮膚の温度と生体インピーダンス、酸素飽和度低下インデックスなどの傾向および/または統計(すなわち、ODI 3%、ODI 4%などの、ある閾値より高い時間当たりの飽和度低下の回数)、酸素飽和度がある閾値を下回る累積時間(たとえば、酸素飽和度が90%を下回る時間(T90))、脈拍数の変動性、脈拍数ボラティリティインデックス、灌流指数対数ボラティリティ、体温のボラティリティ、ヒストグラム測定結果、呼吸事象の時間長および強さと、測定パラメータおよび睡眠モード(すなわち、レム睡眠およびノンレム睡眠)の重要な遷移段階とを示すチャート、代謝変数および血液パラメータの傾向と統計、ECGおよび脳波図の傾向と統計、脈波伝播時間の傾向と統計、血圧の傾向と統計など、ならびに自動的な疾病の診断(たとえば、呼吸器、心血管、脳血管、代謝などの)の、一部またはすべてを示す。本明細書において説明されるアルゴリズムおよび技法は、そのような報告を作成するために必要とされるデータを処理するために使用され得る。
いくつかの状況では、継続的なサーモメトリは、医療および/またはフィットネスウェルネスデバイス(たとえば、観察デバイス)における重要な機能であり得る。皮膚温は、測定部位に依存して深部体温と密接に相関している。結果として、皮膚温を直接または間接的に測定するセンサが、深部体温を観察するために使用され得る。継続的な皮膚温の測定結果には、いくつかの臨床的なおよび非臨床的な用途がある。例示的な臨床的用途には深部体温の観察があり、これは、温度センサが、限定はされないが、ユーザの額、頭、耳、脇の下、および脇の下の近くなどの測定部位に配置されれば、達成され得る。
継続的な温度センサが1つまたは複数の末端(たとえば、手首、腕、手足の指、脚、足など)におけるユーザの皮膚温を測定するとき、皮膚温がユーザの「快適性レベル」の代理として使用され得る。ユーザの「快適性レベル」を決定するために、他の測定結果が、継続的な温度測定結果と組み合わせて使用され得る。たとえば、心拍数、灌流指数、脈波振幅、呼吸数、酸素飽和度などの他の生理学的な測定結果が、継続的な温度の測定結果と組み合わせられ得る。たとえば、ユーザが低温にさらされると、体の臓器の温度が管理されてほとんど変化しないことを確実にするために、血液は主に臓器の周りを循環する。臓器の温度の維持は、末端における血液循環が減ることで可能になるので、結果として、末端(たとえば、手首、腕、手足の指、脚、足など)の温度は低下する傾向がある。
ユーザが高温にさられると、反対のことが起こる。臓器が変化をほとんど受けないように臓器の温度を制御するために、周辺環境との熱交換を高めるように、主に体の末端において血液が循環する。結果として、末端における温度は上昇する傾向がある。ユーザの「快適性レベル」の尺度は、末端(または複数の末端)からの温度を、深部体温と密接に相関する測定部位(たとえば、頭、額、耳、脇の下)からの温度と、または、ユーザが正常な健康状態にあり(すなわち、熱または感染がない)深部体温の重大な変化が観測されない場合には、何らかのあらかじめ定められた深部体温と比較することによって、取得される。末端の温度と深部体温との差に応じて、ユーザの「快適性レベル」を定量化するマッピングを作り出すことが可能である。
図95は、ユーザの快適性レベルを決定する例示的な第1の方法を図示する。この方法は、人に対して、または獣医学への応用において使用され得る。ブロック9500において、少なくとも1つの末端の皮膚温が測定される。いくつかの実施形態では、様々な末端に配置される複数の温度センサが、末端の平均温度についてのより正確な情報を取得するために使用される。ブロック9502において、皮膚温の測定が、深部体温に密接に相関する測定部位において行われる。ブロック9504において、心拍数、灌流、酸素飽和度、ECG、および呼吸数などの他の生理学的パラメータの測定が任意選択で行われ得る。
次に、ブロック9506において示されるように、ユーザの「快適性レベル」を決定するために、ブロック9500および9502(および任意選択でブロック9504)において取得される測定結果が使用される。「快適性レベル」を決定するための1つの例示的な技法において、深部体温と1つまたは複数の末端における温度との差が、単一変量または多変量関数(またはcalcurve)を通じて「快適性レベル」を示す値にマッピングされる。快適性レベル測定結果および/または傾向データは、適切なスケールで出力される(ブロック9508)。例示的なスケールは0~100%であり、100%は非常に快適であることを意味し、0%は非常に不快であることを示す。任意選択で、低、中、および高「快適性レベル」などの、定性的なスケールが採用され得る。一実施形態では、快適性レベルの測定結果および/または傾向データが、表示デバイスに表示される。
図96は、ユーザの快適性レベルを決定する例示的な第2の方法を示す。このプロセスにおいて、深部体温は、あるユーザ、ある集団、または外因性の要因に依存したある期間のために定義される、一定の基準値であると見なされる。外因性の要因は、限定はされないが、位置、時刻、気象条件、および/またはユーザのストレスレベルを含む。
最初に、ブロック9600において示されるように、深部体温の基準値が決定される。ブロック9502において、少なくとも1つの末端の皮膚温が測定される。ブロック9504において、心拍数、灌流、酸素飽和度、ECG、および呼吸数などの他の生理学的パラメータの測定結果が任意選択で測定され得る。次に、ブロック9602に示されるように、ユーザの「快適性レベル」を決定するために、ブロック9600および9502(および任意選択でブロック9504)において取得される測定結果が使用される。次いで、快適性レベルの測定結果および/または傾向データが、適切なスケールで出力される(ブロック9508)。
末端における継続的な温度測定の別の適用例は、カロリー消費計算(たとえば、カロリー計算)の修正に関する。典型的なカロリー計算メーターは、ユーザの日常的な活動の間にユーザのカロリー消費を推定するために、心拍数の測定結果、属性データ(たとえば、身長、体重、性別、年齢、体面積、民族など)、およびモーションセンサ(たとえば、加速度計、光センサなど)に依存する。しかしながら、カロリー消費は、ユーザの快適性レベルに大きく依存する。ユーザが健康な状態にあるとき深部体温が実質的に変化しないと仮定すると、カロリー消費計算を修正するために、体の末端における温度を使用することができる。腕時計などの観察デバイスは、手首の皮膚温を継続的にまたは選択された時間に測定し、温度測定値に基づいてカロリー計算(たとえば、心拍数およびモーションセンサの測定結果から得られた)を修正する、内蔵温度センサを有し得る。たとえば、手首における摂氏33度前後の温度が、ある特定のユーザに対する、そのユーザが安静にしており快適であるときの平衡温度または基準温度であると見なされると仮定する。温度の上昇または低下は、温めることまたは冷やすことのいずれかによって、体がより多くのエネルギーを消費していることを示し得る。内部の臓器の温度をほとんど一定の温度(たとえば、摂氏36.5~37.5度)に実質的に維持するために、体は温まり、または冷える。温度変化に基づく代謝の増加または減少は、心拍数の変化によって検出されないことがあるので、カロリーメーターは、末端の温度を測定しない場合、代謝の変化を検出または補償できないことがある。代謝の変化を補償しないと、カロリー消費の推定に誤差が生じ得る。
図97は、ユーザの少なくとも1つの末端において測定された温度を使用して、カロリー計算を決定する例示的な第1の方法を図示する。図97に示されるプロセスは、既存のカロリー計算メーターの再設計により適していることがあり、再設計は温度測定を含む。最初に、ブロック9700において、ユーザと関連付けられる属性データが取得される。例示的な属性データは、限定はされないが、身長、体重、性別、年齢、体面積、および民族を含む。一実施形態では、属性データは、特定のユーザまたは集団に対するカロリー計算を最良に推定する1つまたは複数の式または式のセットを選択するために使用される。選択された式のタイプに応じて、カロリー計算を推定するために、属性データのすべてが使用されてもよく、一部が使用されてもよく、全く使用されなくてもよい。
次に、ブロック9702に示されるように、モーションセンサのデータ、生理学的パラメータ(たとえば、心拍数、呼吸数、灌流指数、脈波振幅など)および/または生理学的データ(すなわち、光学的な、電気的な、機械的な、音の、超音波の、フォトプレチスモグラフ、ECG、EEGなど)が、所与の期間の間に取得または計算される。再び、カロリー計算を推定するために選択される式のタイプに応じて、カロリー計算を推定するために、モーションセンサのデータ、生理学的パラメータ、および/もしくは生理学的データのすべてが使用されてもよく、一部が使用されてもよく、または全く使用されなくてもよい。
ユーザの1つまたは複数の末端における温度が、所与の期間の間に測定される(ブロック9704)。次いで、所与の期間の間のエネルギー消費の推定値が、モーションデータ、生理学的データ、生理学的パラメータ、および/または温度測定結果を使用して決定される(ブロック9706)。ブロック9708において、ブロック9704で取得された温度測定結果を使用して、エネルギー消費推定への修正が決定される。一実施形態では、この修正は、ブロック9706において決定されるエネルギー消費推定値に対して必要な修正を生み出すために、温度汎関数を時間とともに重み付け、微分し、および/もしくは積分する、線形または非線形のフィルタまたはカーネルを用いて、1つまたは複数の末端における温度のデータストリームを畳み込むことによって計算される。次いで、所与の期間に対する修正されたカロリー計算値が出力される(ブロック9710)。限定しない例では、修正されたカロリー計算値は表示デバイスに表示される。
図98は、ユーザの少なくとも1つの末端において測定された温度を使用してカロリー計算値を決定する例示的な第2の方法を示す。図98に示されるプロセスは、図98のプロセスがブロック9708を含まないことを除き、図97に示される方法と同様である。最初に、ユーザと関連付けられる属性データが、ブロック9700において取得される。次に、ブロック9702に示されるように、モーションセンサデータ、生理学的パラメータ(たとえば、心拍数、呼吸数、灌流指数、脈波振幅など)および/または生理学的データ(すなわち、光学的な、電気的な、機械的な、音の、超音波の、フォトプレチスモグラフ、ECG、EEGなど)が、所与の期間の間に取得または計算される。
ユーザの1つまたは複数の末端における温度が、所与の期間の間に測定される(ブロック9704)。次いで、ブロック9800において、所与の期間の間のエネルギー消費の推定値が、温度データと、モーションデータ、生理学的データ、または生理学的パラメータのうちの1つまたは複数とを使用して決定される。次いで、ブロック9802において、所与の期間に対するカロリー計算値が出力される。
図98の方法では、ブロック9704において取得される温度測定結果が、エネルギー消費を決定するために直接使用される。図98に示される方法は、既存のカロリー計算値の式を利用しない新しいカロリー計算メーターの設計により適していることがある。追加または代替として、温度測定結果は、カロリー計算値を推定するために使用され臨床試験および/またはデータ収集を通じて妥当性確認される式に、変数として直接組み込まれ得る。
継続的な温度測定結果の別の適用例は、継続的な温度測定結果をパルスオキシメータと組み合わせて使用することである。たとえば、コロナウイルス感染症2019(Covid-19)および他のウイルスなどのパンデミックでは、酸素飽和度の低下(酸素飽和度低下)およびユーザの深部体温の時間的な変化などの症状の早期の検出において、継続的なパルスオキシメトリおよびサーモメトリが極めて貴重な道具になり得る。温度および酸素飽和度の継続的な観察は、治療中のCovid-19の患者(および他の呼吸器疾患をもつ患者)に対して使用される。
サーモメトリおよびパルスオキシメトリを同じ観察デバイスに統合することの利点の1つは、測定部位が実際の生きているユーザのものであるかどうか、および、観察デバイスの1つまたは複数のセンサが測定部位に正しく配置されているかどうかを検出するための能力に関する。温度センサを用いると、温度についての情報だけでは、温度センサが有効な測定部位に適用されたかどうかを検出するのに十分ではないことがある。しかしながら、光信号(およびいくつかのマルチパラメータ観察の適用例では電気信号)が同じ測定部位において測定されるとき、および、有効なプレチスモグラフ、飽和度、心拍数、灌流指数、脈波振幅、呼吸数、電気インピーダンス、ECG、および/またはEEGの測定結果などの有効な測定結果が受信されるとき、測定部位が有効な(たとえば、人または動物の)測定部位であることを強く示すものが提供される。代替として、測定部位に応じて、温度が低すぎる場合、これは、観察デバイス(たとえば、パルスオキシメータ)の性能を高めるために測定部位が暖められなければならないことを示し得る。低温に関する通知は、視覚的な、触覚的な、および/または聴覚的な通知を介して、ユーザまたは看護者に伝えられ得る。異常に高いまたは低い温度の値は、パルスオキシメトリ測定値を取得できないことと組み合わせて、観察デバイスのセンサがずれていること、または測定部位が生きている人もしくは生きている動物のものではないことのいずれかであることを強く示すものである。長期間の観察の間に、センサはユーザの活動によりずれる傾向がある。追加または代替として、使い捨てのセンサでは、接着剤が時間とともに弱くなる傾向があり、これはセンサのずれの確率を高める。接触温度センサが接触パルスオキシメータと組み合わせて使用される場合、測定部位からのセンサの無理な取り外しは、パルスオキシメータおよび温度センサからの測定値に影響し、それにより、センサのずれを検出する確率、およびアラート/アラームをユーザもしくは看護者に提供する確率を高める。
図99は、有効な測定部位にセンサが正しく配置されているかどうかを決定するための、パルスオキシメトリおよびサーモメトリデータを使用する例示的な第1の方法を図示する。最初に、ブロック9900に示されるように、1つまたは複数のセンサを含む観察デバイスが測定部位に配置される。1つまたは複数のセンサは、パルスオキシメトリのための温度センサおよび光センサを含む。次に、ブロック9902に示されるように、温度データおよびパルスオキシメトリデータが受信または収集される。温度データおよびパルスオキシメトリデータに基づいて、サーモメトリ測定結果およびオキシメトリ測定結果が計算される(ブロック9904)。
ブロック9906において、サーモメトリ測定結果およびオキシメトリ測定結果が有効であるかどうかについての決定が行われる。有効である場合、プロセスはブロック9908に続き、サーモメトリ測定結果およびオキシメトリ測定結果が出力される。たとえば、サーモメトリ測定結果およびオキシメトリ測定結果は、表示デバイスに表示され、ならびに/または、聴覚的なサーモメトリ測定結果およびオキシメトリ測定結果としてスピーカに出力され得る。ブロック9906において、有効な測定結果が検出されないという決定が行われる場合、方法はブロック9910に進み、ユーザおよび/または看護者にアラートを出すために1つまたは複数のアラームが提供される。有効な測定結果を検出する限定しない例は、有効な範囲にある酸素飽和度、有効な範囲にある脈拍数、有効な範囲にある脈波振幅、有効な範囲にある灌流指数、有効なフォトプレチスモグラフ(すなわち、人または動物の心臓の活動から生み出される)、測定部位に応じた有効な臨床範囲にある温度、および/または有効な範囲にある呼吸数であり得る。
図100は、センサが有効な測定部位に正しく配置されていると決定するために、パルスオキシメトリデータおよびサーモメトリデータを使用する例示的な第2の方法を示す。最初に、ブロック10000に示されるように、1つまたは複数のセンサを含む観察デバイスが測定部位に配置される。1つまたは複数のセンサは、パルスオキシメトリのための温度センサおよび光センサを含む。次に、ブロック10002に示されるように、温度データ、ならびに任意選択で他の生理学的データおよび/または非生理学的データが、受信または収集される。生理学的データは、限定はされないが、パルスオキシメトリデータ、血圧、ECG、EEG、身体的活動(加速度計)、光データ、超音波データを含み得る。非生理学的データは、限定はされないが、環境の温度、気圧、および高度、位置、速度、および加速度、デバイスまたは第三者から受信されるデータを含み得る。
温度データならびに任意選択の生理学的データおよび/または非生理学的データに基づいて、サーモメトリならびに他の生理学的測定結果および/または非生理学的測定結果が計算される(ブロック10004)。ブロック10006において、サーモメトリ測定結果およびオキシメトリ測定結果が有効であるかどうかについての決定が行われる。有効である場合、プロセスはブロック10008に続き、サーモメトリ測定結果ならびに任意選択の他の生理学的測定結果および/または非生理学的測定結果が出力される。たとえば、サーモメトリ測定結果ならびに他の生理学的測定結果および/または非生理学的測定結果は、表示デバイスに表示され、および/または、聴覚的な測定結果としてスピーカに出力され得る。ブロック10006において、有効な測定結果が検出されないという決定が行われる場合、方法はブロック10010に進み、ユーザおよび/または看護者にアラートを出すために、1つまたは複数のアラームが提供される。
図101Aは、ホストデバイスに表示するのに適した例示的なユーザインターフェース画面を図示する。一実施形態では、ユーザインターフェース画面はホストデバイスに表示される。図101Bは、観察デバイスによって収集される光データおよびサーモメトリデータを示す。光データ10126は、観察デバイス100の光センサ(たとえば、図1に示される光センサ110)によって生み出される。サーモメトリデータ10128は、観察デバイス100の1つまたは複数の温度センサ(たとえば、図7Bに示される温度センサ705)から出力される。前に説明されたように、光データ10126およびサーモメトリデータ10128は、処理および記憶のために、ならびに対応する測定データおよび/または波形データの表示のために、ワイヤレス接続1206を介してホストデバイス105に送信される。図101Aおよび図101Bは一緒に説明される。
ユーザインターフェース画面10102は、正常な動作のもとで行われるデータ収集に基づいて作成され、有効な光データ10126およびサーモメトリデータ10128が検出され受信される。SpO2、PR、PI、および温度(Temp)の測定データが、画面10102に示される。ユーザインターフェース画面10102とは異なり、ユーザインターフェース画面10104は、有効な光データが受信されないときに表示される。したがって、SpO2、PR、PI、およびTemp測定結果はダッシュとして表示され(10106)、警告メッセージ10108「信号検索中」が表示される。警告メッセージ10108は、観察デバイス100がずれていること、無効な測定部位(すなわち、人または動物の測定部位ではない)に配置されていること、または有効な脈波信号(フォトプレチスモグラフ)を生み出すことが不可能な測定部位に配置されていることを示し得る。
ユーザインターフェース画面10110およびユーザインターフェース画面10114は、有効な光データおよびサーモメトリデータが収集されるがサーモメトリデータがユーザの正常な臨床範囲の外側にあるシナリオを図示する。サーモメトリデータは、正常な臨床範囲より高いことがあり、または低いことがある。サーモメトリデータが正常な臨床範囲より高い(高温)とき、アラームが惹起される(ユーザインターフェース画面10110のアラーム10112を参照されたい)。サーモメトリデータが正常な臨床範囲より低い(低温)とき、アラームが生成され得る(ユーザインターフェース画面10114のアラーム10116を参照されたい)。正常な臨床範囲は、温度上限10130および温度下限10132によって定義され得る。
ユーザインターフェース画面10118は、温度測定結果が最低の許容される臨床値10120を下回った状況を例示しており、これは、センサがずれていること、または無効な測定部位に配置されていることを示し得る。結果として、SpO2、PR、PI、およびTemp測定結果は表示されず(たとえば、ダッシュとして表示される)、「温度が低すぎます」という警告メッセージ10122が表示される。一実施形態では、警告メッセージ10122は、有効な光データが取得されていないときでも提示される。
ユーザインターフェース画面10124は、最低の許容される臨床値10120未満であった温度測定結果が上昇して正常な臨床範囲に達した後、ホストデバイスが正常な動作を再開することを図示する。図101Bに示されるように、体動によるアーティファクトおよび干渉10134が、取得された光信号10126に存在する。体動によるアーティファクトおよび干渉10134は、本明細書において説明されるアルゴリズム(たとえば、図39~図46)を介して除去される。結果として、収集された光信号が干渉(たとえば、電気的な、機械的な、光学的な、など)にさらされ、ユーザの身体的活動により引き起こされる体動にさらされるときでも、ホストデバイスは有効な測定結果を出力することが可能である。
図102および図103は、正確なサーモメトリシステムを設計するときに考慮すべき様々な様相を示す。これらの様相は、測定部位および/または環境との熱交換、内部温度の変化、ならびに測定部位における温度推定の影響を含む。図102および図103は、マルチパラメータ観察デバイスの内部温度を考慮した測定部位における温度の正しい推定を伴う、1つまたは複数の温度センサを含むマルチパラメータ観察デバイスの設計に関連して説明される。
図102において、最初に、内蔵皮膚温センサおよび他の内部温度センサを伴うマルチパラメータ観察デバイスが、ブロック10202において設計される。マルチパラメータ観察デバイスとユーザの皮膚との間の熱抵抗が最低または実質的に最低となるように、内蔵皮膚温センサがマルチパラメータ観察デバイスに配置されるような、熱設計がなされる(ブロック10204)。これにより確実に、測定部位における温度は、内蔵皮膚温センサにより測定される温度に可能な限り近くなる。ブロック10206において、マルチパラメータ観察デバイスの低電力電子装置の設計が実行され、マルチパラメータ観察デバイスのカプセル化は、測定部位においてユーザの皮膚と熱交換を増やし、または最大にするように、かつ、周辺環境との熱交換を減らし、または最小にするように設計される。低電力電子装置の設計は、マルチパラメータ観察デバイスの電子装置による熱放散が測定部位の温度に与える影響を減らし、または最小にする。
図103は、温度測定結果または傾向に基づいて皮膚温の測定結果および傾向を修正するための方法を図示する。図103に示されるプロセスは、マルチパラメータ観察デバイスの1つまたは複数の温度センサから受信される温度測定結果および/または傾向を使用する。前に述べられたように、本明細書において説明される観察デバイスの実施形態は、マルチパラメータ観察デバイスを備える。
最初に、ブロック10302において、温度データが内蔵温度センサならびに他の内部および/または外部の温度センサから受信される。一実施形態では、内蔵温度センサならびに他の内部および/または外部温度センサは、測定部位において皮膚温を測定する。内蔵温度センサから受信される温度データを使用して、温度測定結果および傾向がブロック10304において計算される。他の内部および/または外部の温度センサから受信される温度データを使用して、内部および/または外部の温度測定結果と傾向がブロック10306において計算される。次に、ブロック10308に示されるように、内蔵温度センサから受信された温度データを用いて決定された温度測定結果および傾向は、内部および/または外部の温度測定結果と傾向を使用して修正される。一実施形態では、内蔵温度センサによって測定される温度は、測定部位の温度(すなわち、皮膚)、環境温度、観察デバイスの内部温度、内蔵温度センサと皮膚との間の熱抵抗、デバイスの内部回路と構成要素、および環境に依存する。熱抵抗は、被験者集団に適用されるとき、同じ観察デバイスの設計に対して概ね一定であると仮定すると、測定部位における温度を、関数
Figure 2022541647000086
として表現することができ、ここで
Figure 2022541647000087
は、測定部位の単一の位置および/もしくは時間間隔(エポック)における、または測定部位の複数の位置および/もしくは時間間隔(複数のエポック)における、温度推定値を表すベクトルである。Tsenは、測定部位の単一の位置および/もしくは時間間隔(エポック)の近くもしくはそこにおける、または測定部位の複数の位置および/もしくは時間間隔(複数のエポック)の近くもしくはそこにおける、温度測定値を表すベクトルである。Tintは、観察デバイスの内部の単一の位置および/もしくは時間間隔(エポック)、または観察デバイスの内部の複数の位置および/もしくは時間間隔(複数のエポック)における、温度測定値を表すベクトルである。Tenvは、観察デバイスの外部(環境)の単一の位置および/もしくは時間間隔(エポック)における、または、観察デバイスの外部の複数の位置および/もしくは時間間隔(エポック)における、温度測定値を表すベクトルである。パラメータpは、設計パラメータを表すベクトルである。ある例示的な実施形態では、関数fは、物理法則(熱力学、熱静力学など)を介したモデリングによって定義される関数形式を有してもよく、パラメータpのベクトルは実験データを通じて決定されてもよく、ゴールドスタンダートセンサ(測定部位に配置される較正されたセンサ)からの測定値が、多変量解析を通じてTsen、Tint、およびTenvの測定値と相関付けられ、一方、測定部位および環境は時間的な温度の変化にさらされる。これを、最適化問題によって表現することができ、
Figure 2022541647000088
ここで、Tsiteは、測定部位の単一の位置および/もしくは時間間隔(エポック)における、または、測定部位の複数の位置および/もしくは時間間隔(複数のエポック)における、ゴールドスタンダートセンサからの温度測定値を表すベクトルである。Jは、サンプリングされた費用関数(たとえば、絶対値(L1)、最小二乗(L2)、絶対上限(L∞)など)である。インデックスtは、異なる時間の点(エポック)において取得されるデータサンプル(n個のサンプリングされたデータセット{Tsen,t,Tint,t,Tenv,t,Tsite,t})、ならびに環境および測定部位の温度を表記する。
観察デバイスのいくつかの設計では、Tsenからの測定値だけで、正確な
Figure 2022541647000089
の推定値を得るのに十分である。他の観察デバイスの設計では、TsenおよびTintからの測定値で、正確な
Figure 2022541647000090
の推定値を得るのに十分であり得る。特定の設計に適用可能ではない温度ベクトルを省略することに関して、最適化問題(式46)の変更が行われ得る。
図104A~図104Cは、内蔵のサーモメトリおよびパルスオキシメトリを含む例示的な観察デバイスを示す。図104Aは、測定部位700に取り付けられる観察デバイス100(断面図)を図示する。観察デバイス100は、1つまたは複数の光源113および1つまたは複数の光検出器114を有する光センサ110と、測定部位700において温度(たとえば、皮膚温)を測定する内蔵温度センサ(T)705と、観察デバイス100の内部温度を測定する内蔵温度センサTi10400とを含む。内蔵温度センサ705の少なくとも1つの表面は、内蔵温度センサ705が皮膚に直接触れるのを防ぐために、角の取れた熱伝導性の材料10402で覆われる。熱伝導性のある材料10402のサイズおよび形状は、観察デバイス100の熱設計に依存する。たとえば、測定部位700と接触している観察デバイス100のほとんどすべての縁が、測定部位700および観察デバイス100の内部構成要素の温度等化(安定状態の均衡)のために熱的な時定数を最小化するように、同じ熱伝導性の材料10402で作られ得る。材料10402は、内蔵温度センサ705と測位部位における皮膚との間の熱抵抗を下げながら、内蔵温度センサ705が皮膚に直接触れるのを防いで、皮膚への刺激(生体適合性の問題による)ならびにユーザへの電気的衝撃および/または放電の危険性を最小にするために、接着テープ(3M(商標) Thermally Conductive Adhesive Transfer Tapes 8805、8810、8815、および8820など)または生体適合性があり熱伝導性が高く導電性が低い(絶縁体)何らかの他の材料であり得る。
図104Bは観察デバイスの上面図を示し、図104Cは観察デバイスの下面図を示す。上面図は、測定部位に取り付けられる観察デバイスの縁を示す。観察デバイス100の外殻10406は、環境との熱交換を最小にするための断熱材(および絶縁体)である。内蔵温度センサ705からの測定結果を、ベクトルTsenで表現することができ、内蔵温度センサ10400からの測定結果を、式45および46のベクトルTintで表現することができる。この例示的な実施形態では、観察デバイス100の周りの外部(環境)温度は測定されない。この例示的な実施形態における観察デバイス100は、どのような大きな熱も内部で発生させることなく、内蔵温度センサ705、10400から、および光センサ110からのデータを収集し、処理し、送信するのに、十分小さく十分低電力であると考えられる。結果として、観察デバイス100の比較的小さいサイズおよび内蔵温度センサ705と測定部位の皮膚との間の低い熱抵抗を考慮すると、内部損失が少なく断熱性(および絶縁性)の外殻10406と組み合わせられた小さなサーマルマスが、内蔵温度センサ705、10400のみを使用した測定部位700における温度(式45の
Figure 2022541647000091
)の正確な推定を可能にする。内部温度センサ10400の利用は、熱過渡条件および環境温度の大きな逸脱の間の
Figure 2022541647000092
の正確さを改善することができる。
図105は、観察デバイスの内蔵温度センサとして使用するのに適した例示的な回路を示す。内蔵温度センサ705は、Texas Instruments Incorporatedからの、I12C互換インターフェース集積回路を伴う高確度の、低電力の、デジタル温度センサであるTMP117(要素10510)に基づく。TMP117 10510は、信号線SDA_I2C_TMP 10508(データ)およびSCL_I2C_TMP 10506(クロック)を介して処理デバイス(たとえば、図5B-1の501)とI2Cを介して通信し、電流レベルは、電源電圧522(VCC_TMP)およびキャパシタ10006(C19)に接続された2つのプルアップ抵抗10500、10502(R5およびR6)によって定義される。一実施形態では、抵抗10500、10502は、5000オーム(または5kオーム)の抵抗であり、キャパシタ10506は、0.1マイクロファラドのデカップリングキャパシタである。内蔵温度センサ705のための温度プローブは、集積回路10510のSMDパッケージおよびリードである。
内蔵内部温度センサ10400のための例示的な温度センサは、処理デバイス(たとえば、図5B-1の501)のダイ温度を測定する内蔵温度センサであり得る。
図106は、ともにユーザにより装着される腕時計および額パッチを伴う分散型バイオセンシングシステムを実装するために、本明細書において説明される実施形態をどのように適用するかを説明するために使用される、例示的な実施形態を図示する。額パッチは観察デバイス100である。この例の腕時計1702は、ホストデバイス(たとえば、図1のホストデバイス105)、および統合されたデバイス(たとえば、図12Bの統合されたデバイス1218)という二重の機能を有する。観察デバイス100は、観察デバイス100が額から外れるのを防ぐための、観察デバイス100の一部であり得る、または額における接着面積を増やすために別個であり得る、追加の接着テープ10602(図2C、図79A~図79Fに示される実施形態と同様の)を含み、これは、観察デバイス100の長期の使用を可能にする。観察デバイス100および腕時計1702は、接続1206を通じてワイヤレスに接続される。腕時計1702はまた、ワイヤレス接続1212によってクラウドコンピューティングサーバ1204にワイヤレスに接続される。温度データおよび光データは、収集され、処理され、観察デバイス100から腕時計1702(たとえば、ホストデバイス)にワイヤレスに送信される。腕時計1702は、受信されたデータを処理し、温度10604、SpO2 10606、PR 10608、およびPI 10610(または代替の実施形態ではPA)などの測定結果ならびにアラーム(図示されず)を記憶して出力する。カロリーおよび快適性の測定に関する、腕時計1702のセンサにより収集される温度データ、モーションデータ、および光データは、カロリー10614および快適性10616の測定結果として、腕時計1702によって処理され、記憶され、出力される。カロリーおよび快適性の測定10614、10616のために、腕時計1702は統合されたデバイス(たとえば、図12Bの統合されたデバイス1218)として動作する。腕時計1702は、ユーザの活動、心拍数、および手首の温度を感知して、腕時計1702により提示される(たとえば、継続的にまたは選択された時間に表示される)カロリー計算値および快適性レベルの正確な計算を可能にするための、光センサ、モーションセンサ、および内蔵皮膚温センサを含む、回路10620を有する。観察デバイス100から受信された温度データおよび光データを使用して、カロリー計算値および/または快適性レベルの確度を改善することも可能である。同様に、腕時計1702は、測定される額のフォトプレチスモグラフ(波形)と手首のフォトプレチスモグラフとの間の時間遅延(または位相シフト)を推定するために、観察デバイス100から受信されたデータ(たとえば、観察デバイス100の光センサから受信されたデータ)を使用することができる。これらの時間遅延は、腕時計1702に継続的にまたは選択された時間に出力され得る(たとえば、BP10612)、ユーザの動脈血圧レベルを推定するために使用されてもよい(またはその代理として役立つことがある)。時間遅延がストレスレベルの代わりでもあることを考慮すると、時間遅延は、快適性10616の測定結果の確度を改善するためにも使用され得る。額(または頭、こめかみなど)のフォトプレチスモグラフと手首(または手足の指、足、脚、腕など)のフォトプレチスモグラフとの間の時間遅延(または位相シフト)がより短いと、ユーザのストレスレベルまたは血圧が高くなり、これは、ユーザの快適性レベルに影響を及ぼし得る。ユーザの活動に応じて、腕時計1702は、観察デバイス100から受信された光データから、または腕時計1702の光センサによって収集されたデータから直接、またはこれらの両方の組合せのいずれかで波形10618を表示する、内蔵アルゴリズムを有し得る。すべてのこれらの異なる構成が、図106に図示されるシステムの分散型の性質により可能になる。
電池技術は、ウェアラブルデバイス(衣服を含む)の1つの側面である。ウェアラブルデバイスは通常、ウェアラブルデバイスの回路に電力供給するために、電池および/または環境発電技術を利用する。電池は再充電または交換を必要とし、環境発電技術(すなわち、機械的な、光学的な、電磁的な、熱的な、など)は、エネルギーがすべてのあり得る動作条件において利用可能であることを必ずしも保証しない。
ユーザの生体組織が電池の電解質として動作し、ウェアラブル観察デバイスまたは衣服の回路が電池の電極(すなわち、カソードおよびアノード)となるように、ウェアラブル観察デバイスおよび衣服が作られ得るような、いくつかの実施形態が本明細書において開示される。本明細書では、「ウェアラブル観察デバイス」という用語は、ウェアラブル電子デバイス、衣服、アイウェア、宝飾品、およびユーザの体に接して、またはその中に装着される他の技術を広く含むものと解釈されるべきである。ウェアラブル観察デバイスの電極(またはプレート)がユーザの生体組織(すなわち、皮膚)と接触すると、生物電池が形成され、エネルギーがユーザの電解質(皮膚、生体組織)およびウェアラブル観察デバイスの回路の中のプレートまたは電極(カソードおよびアノード)から生成される。
いくつかの材料および技術が、特定の用途に適した電極またはプレートを作成するために採用され、または適合され得る。たとえば、ウェアラブル観察デバイスは、マグネシウムのアノードプレートおよび銅のカソードプレートを有する回路とともに構築され得る。マグネシウムのプレートと銅のプレートは、それらがユーザの皮膚に接触すると生物電池を形成する。マグネシウムのプレートと銅のプレートによって形成される生物電池は、ウェアラブル観察デバイスの回路に電力供給するために使用され得る。いくつかの材料および化合物が、カソードおよびアノードとして使用され得る。カソード電極またはプレートのための材料の例は、銅、鉄、グラファイトなどを含み、アノード電極またはプレートのための例示的な材料は、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどを含む。カソードおよびアノードのプレート/電極のための材料は、純粋であってもよく、または合金および化合物であってもよい。生物電池の電圧、電流、およびエネルギーレベルは、カソード電極およびアノード電極の材料と寸法、ユーザの生体組織(表皮の水分量、皮膚の発汗レベル、電解質レベルなど)、ならびにカソード電極およびアノード電極とユーザの生体組織との間の接触の形式とに依存する。たとえば、生物電池は、銅箔電極(カソード電極)および薄いマグネシウム電極(アノード電極)をユーザの生体組織に取り付けることによって形成され、これらの電極の両方が数平方インチの接触表面積を有する(電極は数ミリメートルの間隙により隔てられている)。このタイプの生物電池は、数マイクロアンペアから数十マイクロアンペアの短絡電流と、1.5ボルト前後の開放端子電圧を生み出すことができる。生物電池は、表示、アラーム、および/または記憶のために測定部位からの測定結果を30秒または60秒ごとに取得して測定結果をホストデバイス105にワイヤレスに送信する、1つまたは複数のサーモメトリセンサ、PHセンサ、湿度センサ、間質乳酸およびグルコースセンサ、ならびに/または心拍数センサを伴うウェアラブル観察デバイス100にエネルギーを提供するのに、十分にインピーダンスが低いテブナン等価電圧源回路をもたらす。材料、カソード電極およびアノード電極のユーザの皮膚との有効接触面積、ならびに低電力回路設計に応じて、生物電池は、パルスオキシメータ、継続的で非侵襲的なまたは最小限に侵襲的な血糖値計、バイタルサインパッチおよび/またはモニタ、ECGおよび/またはEEGパッチ、生物インピーダンスベースのデバイス、超音波ベースのデバイス、シャツ、Tシャツ、靴下、下着、ドレス、パンツなどのスマート衣服(すなわち、回路および/または感知機能を伴う衣服)に電力供給するために使用され得る。
図107は、1つまたは複数の生物電池を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な第1の方法のフローチャートを示す。最初に、ブロック10700に示されるように、回路、カソード電極、およびアノード電極を伴うウェアラブル観察デバイスが、ユーザの生体組織(たとえば、皮膚)に取り付けられる。取り付けの後、カソード電極およびアノード電極は1つまたは複数の生物電池を形成し、ユーザの生体組織は、1つまたは複数の生物電池のための電解質として働く(ブロック10702)。
図108は、1つまたは複数の生物電池を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な第2の方法のフローチャートを図示する。一実施形態では、動作の周波数(動作と動作の間の間隔)は、1つまたは複数の生物電池およびウェアラブル観察デバイスの回路の電力レベルによって定義される。示される実施形態では、1つまたは複数の生物電池は、関心対象の測定データおよび/または傾向データが確実に獲得されるように、ウェアラブル観察デバイスの測定頻度に適合した電流容量を有する。
最初に、ブロック10800において、1つまたは複数の生物電池により生み出されるエネルギーが、1つまたは複数の蓄電器(たとえば、1つまたは複数のキャパシタなど)に蓄積する。ブロック10802において、十分な量のエネルギーが蓄積されているかどうかについての決定が行われる。たとえば、蓄積されたエネルギーがあらかじめ定められた閾値(たとえば、1つまたは複数のキャパシタの電圧レベルによって定義される)に等しいかどうかについての決定が行われ得る。等しくない場合、プロセスはブロック10800に戻る。
ブロック10802において、十分な量の蓄積されたエネルギーがあるという決定が行われると、方法はブロック10804に続き、そこで、蓄積された電気エネルギーが、ウェアラブル観察デバイスの回路の電源を入れる(オンにする)のに適切な電圧および/または電流レベルに変換される。ブロック10806において、ウェアラブル観察デバイスの回路は、データを取得または受信して、データを処理する。ウェアラブル観察デバイスの回路は次いで、データを記憶し、送信し、受信し、および/または出力する(ブロック10808)。データは、ホストデバイス、コンピューティングシステム(たとえば、図12Aのコンピューティングシステム1202)、および/またはクラウドコンピューティングシステム(たとえば、図12Aのクラウドコンピューティングシステム1204)に送信される、測定データおよび/または傾向データであり得る。図108に示されるプロセスは、1つまたは複数の生物電池の最大電力容量がウェアラブル観察デバイスの回路の継続的な動作を確実にするのに十分ではないが、ウェアラブル観察デバイスの定期的なまたは非定期的なスポットチェック動作を確実にするには適当であるような用途に適している。
図109は、1つまたは複数の生物電池を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な第3の方法のフローチャートを示す。図109に示されるプロセスは、生物電池の電力容量がウェアラブル観察デバイス100の継続的な動作を可能にするのに十分大きいときに使用され得る。最初に、ウェアラブル観察デバイス(回路、カソード電極、およびアノード電極を伴う)は、ウェアラブル観察デバイスの回路を継続的に電力供給することができる1つまたは複数の生物電池を形成するために、ユーザの生体組織(たとえば、測定部位と関連付けられる皮膚)に取り付けられる(ブロック10700、10702)。ブロック10900において、ウェアラブル観察デバイスの回路の電源が入り、これにより、ホストデバイスとの認証およびペアリングのプロセス、または、ウェアラブル観察デバイスをコンピューティングシステムもしくはクラウドコンピューティングシステム(たとえば、図12Aのコンピューティングシステム1202またはクラウドコンピューティングシステム1204)に接続するルータもしくは家電機器との接続のプロセスも実施され得る。
次に、ブロック10902に示されるように、ウェアラブル観察デバイス(たとえば、電力管理モジュール)の回路は、1つまたは複数の生物電池によって生み出されるエネルギーを継続的に蓄積し、蓄積されたエネルギーを、ウェアラブル観察デバイスの回路に電力供給するために使用される適切な電圧および電流レベルへと変換する。ウェアラブル観察デバイスの回路は、データを継続的に取得/受信して処理し(ブロック10806)、データを継続的に記憶し、送信し、受信し、および/または出力する(ブロック10808)。たとえば、データは、継続的にもしくは選択された時間にホストデバイスへ、またはコンピューティングシステムへ直接、またはクラウドコンピューティングシステムへ直接送信される、測定結果、傾向、パラメータ、および/または波形であり得る。
図110は、少なくとも1つの生物電池を用いて、再利用可能な回路および使い捨ての構成要素を含むウェアラブル観察デバイスを動作させる例示的な方法のフローチャートを図示する。最初に、ウェアラブル観察デバイスの再利用可能な回路は、少なくとも1つのカソード電極および/または少なくとも1つのアノード電極を含む、1つまたは複数の使い捨ての構成要素に取り付けられる(ブロック11000)。ブロック11002において、再利用可能な回路および使い捨ての構成要素を伴うウェアラブル観察デバイスは、ユーザの生体組織(たとえば、皮膚)に取り付けられ、動作を開始する。ある期間の後、たとえば、1つまたは複数の接着テープの摩耗もしくは破れ、アノード電極の酸化、および/またはカソード電極の還元により、ウェアラブル観察デバイスの少なくとも1つの使い捨ての構成要素が交換される。ウェアラブル観察デバイスは次いで、生体組織から取り外され、少なくとも1つのカソード電極および/または少なくとも1つのアノード電極を含む少なくとも1つの使い捨ての構成要素が交換される(ブロック11004、11006)。いくつかの実施形態では、ブロック11004は任意選択であり、それは、使い捨ての構成要素の少なくとも一部が、ウェアラブル観察デバイスを生体組織から取り外すことなく交換され得るからである。図110に示されるプロセスは、1つまたは複数の使い捨ての構成要素が交換されるべきである選択された時間に繰り返され得る。
図110において、使い捨ての構成要素は、生物電池の電極の適用例に適した、異なる金属箔および/またはプレートおよび/または化学的な要素/化合物を伴う接着テープであり得る。いくつかの実施形態では、使い捨ての構成要素は、再利用可能な回路ならびにウェアラブル観察デバイスのカソード電極およびアノード電極を収容することと、測定部位(たとえば、皮膚)である生体組織にウェアラブル観察デバイス(回路、接着テープ、ならびにカソード電極およびアノード電極を伴う)に取り付けることという、二重の役割を有し得る。図110に示される実施形態におけるウェアラブル観察デバイスは、バイタルサインモニタ、継続的で侵襲的なまたは最小限に侵襲的な血糖値計、パルスオキシメータなどとして実装され得る。使い捨ての構成要素は、総使用時間を制限して偽造を防ぐことによりユーザに対する危険性を最小にするために、ウェアラブル観察デバイスの回路とのセキュア認証を提供するための、耐タンパセキュアメモリを有し得る。
図111は、測定部位の断面図、ならびに生物電池により電力供給される例示的なウェアラブル観察デバイスの断面図および上面図を示す。示される実施形態では、ウェアラブル観察デバイス100は、一回限り使用の、完全に使い捨てのウェアラブル観察デバイスまたは再利用可能なウェアラブル観察デバイスであり得る。例示的なウェアラブル観察デバイス100は、温度センサ705、カソード電極11000、アノード電極11102、ならびに1つまたは複数の光源113および1つまたは複数の光検出器114を備える光センサ110を含む。ウェアラブル観察デバイス100は、測定部位700(ユーザの皮膚)と接触しているカソード電極11100およびアノード電極11102によって形成される生物電池により電力供給される。
ウェアラブル観察デバイス100(生物電池により電力供給される)は、温度センサ705を通じて温度を感知し、光センサ110を使用して光信号を感知することが可能である。1つまたは複数の光源113は、表皮703および血液灌流のある真皮704を貫通し心臓の脈動信号と相互作用して光脈動信号を生み出す光702を、測定部位700に放出する。図112は、図111に示されるウェアラブル観察デバイスの生物電池を図示する。生物電池11200は、測定部位700と相互作用するカソード電極11100およびアノード電極11102を含み、測定部位700は生物電池11200の電解質として動作する。生物電池11200は、ウェアラブル観察デバイス100の回路11202に動作可能に接続される。ウェアラブル観察デバイス100の動作の説明を簡単にするために、回路11202は、電気キャパシタ11204、ならびに、ウェアラブル観察デバイス100の電力管理集積回路、マイクロプロセッサ、レシオ、フロントエンド、センサなどのすべての他の構成要素およびシステムを含む回路ボックス11606という、2つの構成要素へと分割されるものとして示されている。たとえば、回路11606は、図3に示される構成要素の一部またはすべてを含み得る。
図113は、図111に示されるウェアラブル観察デバイスの例示的な動作を示すチャートである。例示的なウェアラブル観察デバイス100は、生物電池の最大電力容量が、ウェアラブル観察デバイスの継続的な動作を確実にするのに十分ではないが、定期的なまたは非定期的なスポットチェック動作を確実にするのに適当であるような適用例に適した動作モードを含む。チャート11300は、ウェアラブル観察デバイス100の充電段階11302(曲線11304)およびウェアラブル観察デバイス100のON段階11306(曲線11308)の間の、キャパシタ11204(図112)の電圧を図示する。カソード電極11100およびアノード電極11102の所与のセット(図111)に対して、充電段階11302の時間長は、キャパシタ11204(図112)の静電容量(キャパシタンス)、生物電池11200(図112)の電気インピーダンス、およびウェアラブル観察デバイス100の正常な動作(たとえば、感知動作)を開始するために使用される電圧によって定義される。キャパシタ11204のキャパシタンスは、ウェアラブル観察デバイス100が動作してON段階11306におけるスポットチェック動作の完全なシーケンスを実行するのに必要とされる最低エネルギーレベル、および、スポットチェック動作の完全なシーケンスをウェアラブル観察デバイス100が開始して安全に終了するのに必要とされる電気キャパシタの電圧に依存する。生物電池11200のインピーダンスは、測定部位の電気的特性および生理学的特性、カソード電極11100およびアノード電極11102の寸法および組成、ならびにカソード電極11100およびアノード電極11102と測定部位700との間の接触インピーダンスに依存する。
キャパシタ11204に蓄積されている電気エネルギーは、ON段階11306の間にウェアラブル観察デバイス100が動作するために使用される適切な電圧および/または電流レベルへと変換され得る。曲線11310は、キャパシタ11204の電圧レベルをウェアラブル観察デバイス100の動作に適したより高い/低い調整された電圧に変換する電力管理システム(回路11202の部分)によって生成される典型的な電圧プロファイルである。図113において、ON段階11306の間に、電力管理システムは、キャパシタ11204が放電しておりキャパシタ11204の電圧が最高電圧値11312から最低電圧値11314に低下しているときは常にウェアラブル観察デバイス100の正常な動作を確実にするために、必要とされる電圧(曲線11310)を維持することが可能な昇圧および/または降圧コンバータを有し得る。キャパシタ11204の電圧が最低電圧値11314に達すると、回路11202は無効にされ、または、キャパシタ11204が生物電池11200によって再充電されることを可能にするための低電力モード(機能がない、または機能の数が減らされた)に入る。ON段階11306において、ウェアラブル観察デバイス100は、たとえば、図108のブロック10806および10808に関連して論じられる動作などの、スポットチェック動作を実行する。
図111に示されるカソード電極11100およびアノード電極11102は、特定の用途に適した任意の形状または形態を有し得る。加えて、複数の電極(すなわち、複数のカソードおよびアノード)が、生物電池の等価開放回路電圧およびインピーダンス特性を最適化し、もしくは上げる/下げるために、直列におよび/または並列に接続され得る。
図114~図128は、1つまたは複数の観察デバイスを含むスマート衣服において生物電池が実装されるような実施形態を示す。生物電池のカソード電極およびアノード電極を衣服に追加するために使用され得るいくつかの製造技法があり、衣服は、様々な材料の導電性の生地もしくは繊維からできており、またはそれを含む。導電性の生地は、多数の異なる被覆プロセスを介して、導電性材料または化合物で、綿、ナイロン、羊毛、ポリエステルなどでできている非導電性の生地を被覆することにより作ることができる。被覆プロセスは、限定はされないが、無電解めっき、プラズマ処理、化学蒸着、および捺染を含む。導電性の生地はまた、非導電性の繊維に、金、銀、炭素、ニッケル、チタン、銅、および/またはステンレス鋼などの導電性材料および合金を混ぜることによって作ることもできる。導電性の生地または繊維を作るための技術が進化するにつれて、バイオセンシング用途により適した電気的、熱的、光学的、および機械的性質をもつ導電性の生地を製造するための、他の新しいより効率的なプロセスが開発されるだろう。
図114は、1つまたは複数の生物電池を含む衣服を動作させる例示的な動作のフローチャートを図示する。最初に、ユーザは、回路、1つまたは複数のカソード電極、ユーザの生体組織と部分的にまたは完全に接触している1つまたは複数のアノード電極を含む、衣服を着ている(ブロック11400)。ブロック11402において、カソード電極、アノード電極、およびユーザの生体組織が、1つまたは複数の生物電池を形成する。前に論じられたように、生体組織は、1つまたは複数の生物電池の電解質として動作する。
図115は、1つまたは複数の生物電池および1つまたは複数の観察デバイスを含む衣服を動作させる例示的な第1の方法のフローチャートを示す。代表的なプロセスでは、スマート衣服の1つまたは複数の観察デバイスの動作の頻度(動作と動作の間の間隔)は、1つまたは複数の生物電池および(1つまたは複数の観察デバイスを含む)スマート衣服の回路の電力レベルによって定義される。この例示的な適用例では、1つまたは複数の生物電池は、観察デバイスによって関心対象の測定データおよび/または傾向データが確実に獲得されるように、スマート衣服の動作周波数に適合した電流容量を有する。
ブロック11500において、1つまたは複数の生物電池によって生み出されるエネルギーが、1つまたは複数の蓄電器(すなわち、キャパシタなど)に蓄積する。ブロック11502において、十分な量のエネルギーが蓄積されているかどうかについての決定が行われる。たとえば、蓄積されたエネルギーがあらかじめ定められた閾値(たとえば、1つまたは複数のキャパシタの電圧レベルによって定義される)に等しいかどうかについての決定が行われ得る。等しくない場合、プロセスはブロック11500に戻る。
ブロック11502において、十分な量の蓄積されたエネルギーがあるという決定が行われると、方法はブロック11504に続き、そこで、蓄積された電気エネルギーが、スマート衣服の回路の電源を入れる(オンにする)のに適切な電圧および/または電流レベルに変換される。ブロック11506において、スマート衣服の1つまたは複数の観察デバイスは、データを取得または受信して、データを処理する。スマート衣服の回路は次いで、データを記憶し、送信し、受信し、および/または出力する(ブロック11508)。データは、ホストデバイス、コンピューティングシステム(たとえば、図12Aのコンピューティングシステム1202)、および/またはクラウドコンピューティングシステム(たとえば、図12Aのクラウドコンピューティングシステム1204)に送信される、測定結果であり得る。図115に示されるプロセスは、1つまたは複数の生物電池の最大電力容量がスマート衣服の継続的な動作を確実にするのに十分ではないが、スマート衣服の観察デバイスによる定期的なまたは非定期的なスポットチェック動作を確実にするには適当であるような用途に適している。
図116は、1つまたは複数の生物電池および1つまたは複数の観察デバイスを含む衣服を動作させる例示的な第2の方法のフローチャートを図示する。図116に示されるプロセスは、1つまたは複数の生物電池の電力容量がスマート衣服の継続的な動作を可能にするのに十分大きいときに使用され得る。最初に、スマート衣服を継続的に電力供給することができる1つまたは複数の生物電池を形成するためのユーザの生体組織(たとえば、皮膚)と部分的にまたは完全に接触している、回路、カソード電極、およびアノード電極を伴う、スマート衣服が着られる(ブロック11400、11402)。ブロック11600において、1つまたは複数の観察デバイスを含むスマート衣服の回路の電源が入り、これにより、ホストデバイスとの認証およびペアリングのプロセス、または、スマート衣服の回路をコンピューティングシステムもしくはクラウドコンピューティングシステム(たとえば、図12Aのコンピューティングシステム1202またはクラウドコンピューティングシステム1204)に接続するルータもしくは家電機器との接続のプロセスも実施され得る。
次に、ブロック11602に示されるように、スマート衣服の回路(たとえば、電力管理モジュール)は、1つまたは複数の生物電池によって生み出されるエネルギーを継続的に蓄積し、蓄積されたエネルギーを、スマート衣服の回路(1つまたは複数の観察デバイスを含む)に電力供給するために使用される適切な電圧および/または電流レベルに変換する。スマート衣服の1つまたは複数の観察デバイスは、データを継続的に取得/受信して処理し(ブロック11506)、スマート衣服(たとえば、1つまたは複数の観察デバイス)は、データを記憶し、送信し、受信し、および/または出力する(ブロック11508)。たとえば、データは、ホストデバイス、コンピューティングシステム、および/またはクラウドコンピューティングシステムに、継続的にまたは選択された時間に送信される、測定結果、傾向、パラメータ、および/または波形であり得る。
図117は、再利用可能な回路、少なくとも1つの生物電池、および少なくとも1つの観察デバイスを含む、使い捨てのスマート衣服を動作させる例示的な方法のフローチャートを示す。最初に、再利用可能な回路が、新しい使い捨てのスマート衣服に取り付けられる(ブロック11700)。一実施形態では、再利用可能な回路は少なくとも1つの観察デバイスを含み、使い捨てのスマート衣服は少なくとも1つの生物電池のカソード電極およびアノード電極を含む。ブロック11702において、ユーザが使い捨てのスマート衣服を着て、使い捨てのスマート衣服の回路(少なくとも1つの観察デバイスを含む)が動作を開始する(少なくとも1つの生物電池によって電力供給される)。ユーザは、少なくとも1つの生物電池のカソード電極およびアノード電極がユーザの生体組織と部分的にまたは完全に接触している状態で、スマート衣服をある期間着る(ブロック11704)。その期間の後、たとえば、摩耗および破れ、アノード電極の酸化、および/またはカソード電極の還元により、使い捨てのスマート衣服が交換される。再利用可能な回路は使い捨てのスマート衣服から取り外され、使い捨てのスマート衣服は廃棄またはリサイクルされる(ブロック11706)。再利用可能な回路が別の使い捨てのスマート衣服への取り付けに利用可能になったので、プロセスはブロック11700に戻ることができる。図117に示されるプロセスは、使い捨てのスマート衣服が交換されるべきである選択された時間に繰り返され得る。
限定しない例では、図117に示される実施形態における1つまたは複数の観察デバイスは、バイタルサインモニタ、継続的で侵襲的なまたは最小限に侵襲的な血糖値計、パルスオキシメータなどとして実装され得る。使い捨てのスマート衣服はまた、総使用時間を制限して偽造を防ぐことによりユーザに対する危険性を最小にするために、再利用可能な回路とのセキュア認証を提供するための、耐タンパセキュアメモリを伴う内蔵回路を有し得る。
図118は、洗うことができるスマート衣服を動作させる例示的な第1の方法のフローチャートを図示する。図118に示されるプロセスは、取り外し可能な洗うことができない回路を含む、洗うことができるスマート衣服に適している。一実施形態では、洗うことができない回路は、少なくとも1つの生物電池および少なくとも1つの観察デバイスのカソード電極とアノード電極を含む。
最初に、ブロック11800に示されるように、洗うことができない回路は、洗うことができるスマート衣服に取り付けられる。ユーザは、ある期間、洗うことができない回路がその間は動作している状態で、洗うことができるスマート衣服を着ている(ブロック11802)。洗うことができない回路に電力供給するために、少なくとも1つの生物電池のカソード電極およびアノード電極は、ユーザが使い捨てのスマート衣服を着ている間はユーザの生体組織と部分的または完全に接触しており、洗うことができるスマート衣服をユーザが着ている間は少なくとも1つの観察デバイスが動作可能である(ブロック11804)。次に、ブロック11806に示されるように、洗うことができるスマート衣服を洗えるようにするために、洗うことができない回路が、洗うことができるスマート衣服から取り外される。図118に示されるプロセスは、洗うことができるスマート衣服がユーザにより着られるべきであるときは常に繰り返され得る。
図119は、洗うことができるスマート衣服を動作させる例示的な第2の方法のフローチャートを示す。図119に示されるプロセスは、洗うことができる回路を含む、洗うことができるスマート衣服に適している。一実施形態では、洗うことができる回路は、洗うことができるスマート衣服に内蔵され、少なくとも1つの生物電池および少なくとも1つの観察デバイスを含む。
最初に、ユーザが、ある期間、洗うことができる回路がその間は動作している状態で、洗うことができるスマート衣服を着ている(ブロック11900、11902)。洗うことができる回路に電力供給するために、少なくとも1つの生物電池のカソード電極およびアノード電極は、ユーザが使い捨てのスマート衣服を着ている間はユーザの生体組織と部分的にまたは完全に接触しており、洗うことができるスマート衣服をユーザが着ている間は少なくとも1つの観察デバイスが動作可能である(ブロック11904)。次に、ブロック11906に示されるように、洗うことができる回路を伴う洗うことができるスマート衣服が洗われる。図119に示されるプロセスは、洗うことができるスマート衣服がユーザにより着られるべきであるときは常に繰り返され得る。
図120~図122は、スマート衣服全体に分布する生物電池のカソード電極およびアノード電極を有する例示的なスマート衣服を図示する。図120~図122の衣服は、カソード電極およびアノード電極が見えるように透明であるものとして示されている。しかしながら、本明細書において説明される衣服は、透明であってもよく、不透明であってもよく、任意の色、手触り、および適切な形状、ルーズフィット、タイトフィット、もしくはカスタムフィットで実装されてもよく、特定の用途に適した導電性、半導電性、および/または絶縁性の材料からできていてもよい。
図120は、シャツ12000の内側表面に分布するアノード電極12002およびカソード電極12004を有するシャツ12000を示す。アノード電極12002およびカソード電極12004は、アノード電極12002およびカソード電極12004がユーザの皮膚と接触することを可能にするために、シャツ12000の内側表面に接している。図121は、ショーツ12100の内側表面に分布するアノード電極12002およびカソード電極12004を有するショーツ12100を示す。再び、アノード電極12002およびカソード電極12004は、アノード電極12002およびカソード電極12004がユーザの皮膚と接触することを可能にするために、ショーツ12100の内側表面に接している。図122は、アノード電極12002およびカソード電極12004がユーザの皮膚と接触することを可能にするために、靴下1200の内側表面に分布しているアノード電極12002およびカソード電極12004を有する靴下12200を図示する。他の実施形態は、任意の適切なタイプの衣服を使用することができ、シャツ、ショーツ、または靴下に限定されない。
アノード電極12002およびカソード電極12004の分布、形状、および材料は、生物電池によって電力供給される1つまたは複数の観察デバイスの機能、電力、コンピューティングおよびワイヤレス要件、ならびに使用のタイプ(すなわち、継続的、スポットチェック)に依存する。アノード電極12002およびカソード電極12004は、図123に示されるような生物電池のネットワーク12300を形成するために、衣服の1つまたは複数の内側の層を介して電気的に接続される。ノード12302によって表されるネットワーク12300の各ノードは、電気的接続、アノード電極12002およびカソード電極12004、ならびにユーザの皮膚のインピーダンスに依存した電気インピーダンスを有する。ネットワーク12300のレイアウトは通常、体の電気的活動(たとえば、ECG)、生体インピーダンス、ならびに/または呼吸数および/もしくは心拍数などのバイタルサインを測定するセンサ電極として、カソード電極12002およびアノード電極12004の一部またはすべてが動作することを可能にしながら、生物電池の電力容量を最大化するように、または増やすように選ばれる。アノード電極12002とカソード電極12004のこの二重性は、バイオセンシング機能に関して大きなフレキシビリティを生み出す。
シャツ12000、ショーツ12100、および靴下12200(衣服)は、図124に示される内蔵回路12400を有し得る。一実施形態では、回路12400は衣服の周りに分布する。アノード電極12002およびカソード電極12004は、電力を供給して体の電気的活動、生体インピーダンス、および/またはバイタルサインを測定するために、内蔵回路12400に入力される。内蔵回路12400はまた、酸素飽和度、体温、血糖、総ヘモグロビン、ディスヘモグロビネミア、プレチスモグラフ、脈波伝播時間(シャツ12000を用いた)などの測定を可能にするための、光学センサおよびフロントエンド、温度センサおよび温度フロントエンド、モーションセンサおよびフロントエンド、超音波センサおよびフロントエンドなどを有し得る。たとえば、回路12400は、図3に示される構成要素の一部またはすべてを含み得る。
いくつかの実施形態では、衣服12000、12100、12200は、ネットワーク12300と、内蔵回路12500(図125)に電力供給する単一の正極12502(+Vbiobat)および単一の負極12504(-Vbiobat)へと接続がすべてまとめられている内蔵回路12500とを含み得る。図124の回路12400と同様に、回路12500は図3に示される構成要素の一部またはすべてを含み得る。
個々のアノード電極12002およびカソード電極12004は、センサ電極としても機能することができる容量性結合ネットワーク12506を介して回路12500に入力され得る。生物電池のネットワーク12300(図123)は、同じ電解質(ユーザの皮膚)を共有し、結果として、電池の並列接続は必ずしも電流容量の増大を示唆せず、電池の直列接続は必ずしも全体の電圧の増大を示唆しない。同じ電解質を共有するとき、生物電池の並列接続と直列接続の正味の結果は、生体電池の全体の電気インピーダンスの低下および生体電池の全体の容量の増大である。
図126は、例示的なシャツの前面図および背面図を示し、シャツは生体電池のカソード電極およびアノード電極として機能する2つの連続するエリアを含む。シャツ12600は、生体電池のカソード電極およびアノード電極として機能する連続するエリアの視覚化を容易にするために透明である。しかしながら、シャツは、透明であってもよく、不透明であってもよく、任意の色、手触り、および適切な形状、ルーズフィット、タイトフィット、もしくはカスタムフィットで実装されてもよく、特定の用途に適した導電性、半導電性、および/または絶縁性の材料からできていてもよい。
前面図12602および背面図12604におけるカソード電極は第1の領域12606によって表され、アノード電極は第2の領域12608によって表される。第1および第2の連続する導電性の領域12606、12608は、直接ユーザの皮膚に触れて、図127に示される回路12700に電力供給する生物電池を生み出す。一実施形態では、回路12700はシャツ12600の周りに分布する。
第1の領域12606および第2の領域12608におけるカソード電極およびアノード電極は、心臓の電気的活動の感知を可能にするためのセンサ電極としても機能することができる。いくつかの実施形態では、第1の領域12606および第2の領域12608におけるカソード電極およびアノード電極は、心臓からの電気信号を生物電池の電流および/または電圧からフィルタリングするために、容量性結合ネットワーク12702を介して回路12700に入力され得る。生体電気インピーダンス解析(BIA)を実行するために、ならびに/または、体細胞の、脂肪の、細胞外組織の、および脂肪以外の濃度および/もしくは質量を推定するために、回路12700からの周波数掃引(電圧/電流信号)をカソード電極およびアノード電極に適用することも可能である。
等曲線12610、12612は、心臓の電気的活動によって作られるユーザ上の等電位線を表し、生物電池のカソード電極およびアノード電極とセンサ電極との両方として機能する第1および第2の連続する領域12606、12608の形状と分類を最適に設計するために使用され得る。ユーザ上の示される等曲線12610、12612は、境界条件を伴う準静的なマクスウェル方程式および/または一般化されたラプラス方程式を介してモデル化され得る。準静的なマクスウェル方程式および/または一般化されたラプラス方程式を使用することによって、シャツ12600の内蔵回路12700(図127)に電気エネルギーを供給しながら、様々な平面(すなわち、サジタル、コロナル、およびトランスバース)の下で心臓の電気的活動を感知することもできる、生物電池のカソード電極およびアノード電極(たとえば、第1の領域12606および第2の領域12608)の形状と位置を生み出すことが可能である。
図126に図示されるシャツ12600は、本明細書において説明される動作の一部もしくはすべてのために、ホストデバイスに、コンピューティングシステムに、および/または、クラウドコンピューティングシステムにワイヤレスに接続され得る。動作は、限定はされないが、ディスプレイ、ストレージ、アラーム生成、通知、および第三者(たとえば、在宅看護の環境における離れた場所にいる看護者)とのリアルタイムデータ共有を含む。他の実施形態は、任意の適切なタイプの衣服を使用することができ、シャツに限定されない。
図128は、図120~図122および図126に示される衣服から受信されるデータから計算される測定結果を表示するのに適した例示的なユーザインターフェース画面を示す。一実施形態では、ユーザインターフェース画面12800はホストデバイスに表示される。衣服の回路(たとえば、シャツ12600の回路12700)は、たとえば、温度12802、SpO2 12804、PR12814、PI12806、RR12808、およびフォトプレチスモグラフ12810の測定結果の計算を可能にする光データおよび温度データを取得するための、光センサおよびフロントエンドならびに温度センサおよびフロントエンドを有し得る。たとえば、図124、図125、および図127に示される回路は、図3に示される構成要素の一部またはすべてを含み得る。
カソード電極およびアノード電極(たとえば、カソード電極12606およびアノード電極12608)はまた、心臓の電気的活動の波形および胴体の電気インピーダンスの変化を感知することができ、これは、たとえばECG12812、PR12814、およびRR12808を測定するために衣服の回路(たとえば、シャツ12600の回路12700)によって取得され得る。1つまたは複数の生物電池のカソード電極およびアノード電極(たとえば、12606、12608)は、ユーザが衣服(たとえば、シャツ12600)を着ている間に酸化および還元のプロセスを経る。酸化および還元は、衣服の回路(たとえば、シャツ12600の回路12700)にエネルギーを提供するための、1つまたは複数の生物電池の容量に影響を及ぼす。したがって、使用中の1つまたは複数の生物電池の内部インピーダンスを計算し、ユーザインターフェース画面12800の電池シンボル12816によって図示されるような等価な測定結果(たとえば、電池持続時間)へ変換することが有用である。たとえば、満充電のアイコンは、衣服(たとえば、シャツ12600)がユーザを継続的に観察できる、所定の数の時間または日を表し得る。
設計および適用例に応じて、図120~図122および図126の衣服は、洗うことができてもよく、使い捨てであってもよく、取り外し可能/取り外し不可能な、洗うことができる/洗うことができない、継続的な/スポットチェック回路を伴ってもよい。図120~図122および図126の衣服により取得され処理されるデータは、表示、記憶、アラーム生成、通知、第三者(たとえば、在宅看護の環境における離れた場所にいる看護者)とのリアルタイムのデータ共有などのために、ホストデバイスに、コンピューティングシステムに、および/またはクラウドコンピューティングシステムに、継続的に(またはスポットチェック)かつワイヤレスに送信され得る、バイオセンシングの測定結果、傾向、パラメータ、および/または波形であり得る。
本明細書において開示される実施形態の一部の説明および/または図面は、特定の構成要素、構成要素の構成、構成要素の値、ユーザインターフェースの値およびレイアウト、技術仕様、測定値、傾向データ、波形、ならびに他の値を含む。特定の構成要素、構成要素の構成、構成要素の値、ユーザインターフェースの値およびレイアウト、技術仕様、測定値、傾向データ、波形、ならびに他の値は、限定しない例であることが意図される。他の実施形態は、これらの特定の構成要素、構成要素の構成、構成要素の値、ユーザインターフェースの値およびレイアウト、技術仕様、測定値、傾向データ、波形、ならびに他の値に限定されない。
本出願において提供される1つまたは複数の態様の説明および例示は、特許請求される本開示の範囲を如何様にも限定または制限することは意図されていない。本出願において提供される態様、例、および詳細は、特許権を与えるのに、また他者が特許請求される開示のベストモードを実施して使用するのに十分であると考えられる。特許請求される開示は、本明細書において提供されるどのような態様、例、または詳細にも限定されるものとして解釈されるべきではない。組合せで示され説明されているか、または別々に示され説明されているかにかかわらず、様々な特徴(構造的な特徴と方法論的な特徴の両方)が、特徴の特定のセットを伴う実施形態を生み出すために、選択的に含まれまたは省略されることが意図される。本出願の説明および例示を提供されれば、当業者は、特許請求される本開示のより広い範囲から逸脱しない本出願において具現化される全般的な発明概念のより広い態様の趣旨の範囲内にある、変形、修正、および代替の態様を想起することができる。
100 観察デバイス
102 処理デバイス
103 通信デバイス
105 ホストデバイス
107 計器回路
108 コンバータ
109 電源
110 センサ
112 スイッチング回路
115 記憶デバイス
116 通信デバイス
117 処理デバイス
118 記憶デバイス
119 記憶デバイス
120 ネットワーク
121 入力デバイス
122 出力デバイス
304 認証および/またはストレージメモリ
306 マイクロプロセッサ
308 ワイヤレス無線
310 IOインターフェース回路
312 電力管理回路
314 光フロントエンド
316 光センサ
318 電気フロントエンド
320 電気センサ
322 超音波フロントエンド
324 超音波センサ
326 温度フロントエンド
328 温度センサ
330 モーションおよび/または姿勢フロントエンド
332 モーションおよび/または姿勢センサ
334 位置および環境フロントエンド
336 位置および環境センサ
601 プリント回路基板
602 PCB回路
603 光センサ
604 接触層
605 接触層
606 接着層
607 剥離紙
608 電池
609 アンテナ
610 テープ
611 底面
706 温度フロントエンド
711 ECGフロントエンド
1202 コンピューティングシステム
1204 ファームウェア
1206 ソフトウェア
4100 モデルi
4108 最適化問題ソルバー
4116 最適モデルi
4154 最適基準モデルj(i)
5702 設定ユーザインターフェース画面
7700 不正改造防止つまみ
7702 パッケージ
7704 製品ラベル
7706 テープ
7708 ヘッドバンド

Claims (15)

  1. 観察デバイスであって、
    前記観察デバイスの筐体内にあり、光源および光検出器を備える、光センサであって、前記観察デバイスがユーザの体の一部の測定部位と接触しているとき、前記光源が前記測定部位に向かって光を放出するように動作可能であり、前記光検出器が前記測定部位から反射された光を受信するように動作可能である、光センサと、
    前記筐体内の補助センサと、
    ワイヤレス通信デバイスと、
    前記光センサ、前記補助センサ、および前記ワイヤレス通信デバイスに動作可能に接続される処理デバイスと、
    前記処理デバイスに動作可能に接続され、前記処理デバイスによって実行されると動作が実行されるようにする命令を記憶するメモリとを備え、前記動作が、
    前記光センサからデータストリームを受信することと、
    前記補助センサから補助データストリームを受信することと、
    前記データストリームを復調および逆多重化して少なくとも2つの個別のデータストリームを生み出すことと、
    前記少なくとも2つの個別のデータストリームをデシメートして少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームを生み出すことと、
    前記補助データストリームを復調および逆多重化して時間多重化されたデータストリームを生み出すことと、
    前記ワイヤレス通信デバイスを使用して、前記少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームおよび前記時間多重化されたデータストリームをコンピューティングデバイスに送信することとを備える、観察デバイス。
  2. 前記コンピューティングデバイスが宇宙服に組み込まれる、請求項1に記載の観察デバイス。
  3. 前記観察デバイスがウェアラブルパッチを備え、前記ウェアラブルパッチを前記測定部位に取り付けるためにモノフィラメントが使用される、請求項1に記載の観察デバイス。
  4. 前記筐体をカプセル化するカプセル化組立体であって、前記カプセル化組立体の表面の接着剤を使用して前記観察デバイスを前記測定部位に取り付けるように構成される、カプセル化組立体をさらに備え、前記カプセル化組立体が、
    前記光センサの上方に配置されるセンサウィンドウと、
    第1の取り外し可能なつまみを受けるための前記カプセル化組立体のカプセル化構成要素を貫通して延びるコンタクト開口であって、前記第1の取り外し可能なつまみが、プリント回路基板上の少なくとも1つのコンタクトパッドを覆う前記カプセル化構成要素の第1の表面に配設されるライナー層部分と、前記カプセル化構成要素の反対側の第2の表面に配設されるつまみ部分とを含む、コンタクト開口と、
    前記カプセル化組立体の表面に配置される第2の取り外し可能なつまみであって、前記第2の取り外し可能なつまみが前記カプセル化組立体から取り外されると、前記第2の取り外し可能なつまみが前記カプセル化組立体の前記表面上に接着層を提供する接着材料を含む、第2の取り外し可能なつまみとを備える、請求項1に記載の観察デバイス。
  5. 前記第1の取り外し可能なつまみが、取り除かれると、一回限り使用のターンオンスイッチを作動させる、請求項4に記載の観察デバイス。
  6. 前記観察デバイスが前記観察デバイスに動作可能に接続される1つまたは複数の生物電池によって電力供給され、各生物電池が、前記ユーザの生体組織と接触しているアノード電極およびカソード電極と、電解質として動作する前記生体組織とを備える、請求項1に記載の観察デバイス。
  7. 前記メモリが、前記観察デバイスを較正するためのさらなる命令を記憶し、前記較正が、
    あらかじめ定められたセンサ設定を受信することと、
    初期センサ較正値を決定することと、
    前記初期センサ較正値に基づいて、センサ較正結果を受信することと、
    前記センサ較正結果に基づいて、新しいセンサ較正設定を決定することと、
    前記新しいセンサ較正設定に基づいて、新しいセンサ較正値を決定することと、
    前記新しいセンサ較正値に基づいて、新しいセンサ較正結果を受信することと、
    前記新しい較正結果が前記観察デバイスと関連付けられる1つまたは複数の仕様を満たすとき、前記較正を終了することとを備える、請求項1に記載の観察デバイス。
  8. 前記ユーザの前記体の部分の前記測定部位が、動物の体の部分の測定部位を備える、請求項1に記載の観察デバイス。
  9. 前記観察デバイスが帽子に組み込まれ、前記帽子がさらに1つまたは複数の内蔵の脳波図電極を含む、請求項1に記載の観察デバイス。
  10. 前記観察デバイスおよび前記コンピューティングデバイスが腕時計に組み込まれる、請求項1に記載の観察デバイス。
  11. 前記メモリが、
    第1の期間において、第1の光波長範囲だけが、変調時間周期の約25パーセントの間オンにされ、約75パーセントの間オフにされることと、
    第2の期間において、第2の光波長範囲だけが、前記変調時間周期の約25パーセントの間オンにされ、第3の光波長範囲だけが、前記変調時間周期の約25パーセントの間オンにされ、前記第2の光波長範囲と前記第3の光波長範囲の両方が、前記変調時間周期の約50パーセントの間オフにされることと
    を備える変調方式を使用して、前記光源を変調するためのさらなる命令を記憶する、請求項1に記載の観察デバイス。
  12. 前記メモリが、複数の光波長範囲を逐次オンおよびオフすることを備える変調方式を使用して、前記光源を変調するためのさらなる命令を記憶する、請求項1に記載の観察デバイス。
  13. 前記光源および前記光検出器が、関心対象の1つまたは複数の光波長範囲に関して光学的に暗い1つまたは複数の壁を含む少なくとも1つの光空洞に据え付けられる、請求項1に記載の観察デバイス。
  14. 観察デバイスの筐体内に光センサおよび補助センサを含む前記観察デバイスを動作させる方法であって、
    前記光センサからデータストリームを受信するステップと、
    前記補助センサから補助データストリームを受信するステップと、
    前記データストリームを復調および逆多重化して少なくとも2つの個別のデータストリームを生み出すステップと、
    前記少なくとも2つの個別のデータストリームをデシメートして少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームを生み出すステップと、
    前記補助データストリームを復調および逆多重化して時間多重化されたデータストリームを生み出すステップと、
    ワイヤレス通信デバイスを使用して、前記少なくとも2つのデシメートされた個別のデータストリームおよび前記時間多重化されたデータストリームをコンピューティングデバイスに送信するステップとを備える、方法。
  15. 前記観察デバイスに動作可能に接続される電池のエネルギーレベルの低下を反映するように使用カウンタを更新するステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
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