JP2022512632A - 発作性夜間ヘモグロビン尿症(pnh)の処置のための抗c5抗体の皮下投薬及び投与 - Google Patents

発作性夜間ヘモグロビン尿症(pnh)の処置のための抗c5抗体の皮下投薬及び投与 Download PDF

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Abstract

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の臨床的処置のための方法であって、抗C5抗体、またはその抗原結合断片を患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、特定の臨床的投薬レジメンに従って(すなわち、特定の用量の量で及び特定の投薬スケジュールに従って)皮下に投与される(または投与のためのものである)、方法が提供される。一実施形態では、患者は、エクリズマブ(Soliris(登録商標))ですでに処置されている。

Description

関連出願
本出願は、米国仮出願第62/752,563号(2018年10月30日出願)の優先権及び利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
補体系は、身体の他の免疫系と連携して作用し、細胞及びウイルス病原体の侵入を防御する。血漿タンパク質及び膜補因子の複合集合体として見られる少なくとも25種の補体タンパク質が存在する。血漿タンパク質は、脊椎動物の血清中のグロブリンの約10%を構成する。補体成分は、一連の複雑であるが正確な酵素切断及び膜結合事象を相互作用させることによってそれらの免疫防御機能を達成する。得られる補体カスケードは、オプソニン、免疫調節、及び溶解機能を有する生成物の生成につながる。補体活性化に関連する生物学的活動の簡潔な要約が、例えば、The Merck Manual,16th Editionに提供されている。
適正に機能する補体系は、感染性微生物に対する強固な防御を提供するが、補体経路の不適切な制御または活性化は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を含む様々な障害の発病に関与している。PNHは、慢性的な制御されない補体活性化によって引き起される極めて稀な障害である。その結果生じる炎症及び細胞損傷は、この疾患の壊滅的臨床症状につながる。
PNHは、制御されない補体活性が、主に血管内溶血及び血小板活性化を介して全身性合併症につながる病態である(Socie G,et al.,French Society of Haematology.Lancet.1996;348(9027):573-577及びBrodsky,R.,Blood.2014;124(18):2804-2811参照)。持続的な血管内溶血は、感染症または身体運動などの様々なストレス因子によって誘発され得、これは平滑筋の収縮(遊離ヘモグロビン)、慢性貧血、及び重篤な血栓塞栓症のリスク増加につながる。PNHを有する患者において最も一般的な死亡原因としての血栓塞栓症は、肺高血圧症ならびに肝臓、腎臓、脳及び腸などの重要な器官の末梢器官損傷につながり得る(Hillmen,P.,et al,Am.J.Hematol.2010;85(8):553-559)。これらの有害病原性プロセスに起因して、PNHを有する患者は、消耗性倦怠感、慢性疼痛、不十分な身体機能、息切れ、腹痛、勃起不全、抗凝固療法、輸血の必要性及びいくつかの場合では、透析の必要性を含み得る、低下した生活の質(QoL)を有する(Weitz,IC.,et al.,Thromb Res.2012;130(3):361-368)。
PNHを有する患者は、罹患率及び死亡率の高いリスク下にある。したがって、本発明の目的は、PNHを有する患者を処置するための改善された方法を提供することである。
Socie G,et al.,French Society of Haematology.Lancet.1996;348(9027):573-577 Brodsky,R.,Blood.2014;124(18):2804-2811 Hillmen,P.,et al,Am.J.Hematol.2010;85(8):553-559 Weitz,IC.,et al.,Thromb Res.2012;130(3):361-368
本明細書では、ヒト患者におけるPNHを処置するための組成物及び方法であって、抗C5抗体、またはその抗原結合断片を患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、特定の臨床的投薬レジメンに従って(すなわち、特定の用量の量で及び特定の投薬スケジュールに従って)皮下に投与される(または投与のためのものである)、組成物及び方法が提供される。一実施形態では、患者は、エクリズマブ(Soliris(登録商標))ですでに処置されている。
例示的な抗C5抗体は、配列番号14及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含むラブリズマブ(Ultomiris(商標)、ALXN1210及び抗体BNJ441としても知られている)、またはその抗原結合断片及び変異体である。他の実施形態では、抗体は、ラブリズマブの重鎖及び軽鎖相補性決定領域(CDR)または可変領域(VR)を含む。したがって、一実施形態では、抗体は、配列番号12に示される配列を有するラブリズマブの重鎖可変(VH)領域のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有するラブリズマブの軽鎖可変(VL)領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列を含む。
別の実施形態では、抗体は、配列番号12及び配列番号8にそれぞれ示されるアミノ酸配列を有するVH及びVL領域を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号13に示される重鎖定常領域を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号14に示される重鎖ポリペプチド及び配列番号11に示される軽鎖ポリペプチドを含む。別の実施形態では、抗体は、ヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異型ヒトFc定常領域を含み、可変ヒトFcのCH3定常領域は、天然ヒトIgGのFc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基でMet-429-Leu及びAsn-435-Ser置換(それぞれEUナンバリング)を含む。
別の実施形態では、抗体は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2及びCDR3重鎖配列、及び配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2及びCDR3軽鎖配列、ならびにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異型ヒトFc定常領域を含み、可変ヒトFcのCH3定常領域は、天然ヒトIgGのFc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434に相当する残基でMet-429-Leu及びAsn-435-Ser置換(それぞれEUナンバリング)を含む。
別の実施形態では、抗体は、上記抗体と同じC5上のエピトープとの結合について競合し、及び/またはそれに結合する。別の実施形態では、抗体は、上記抗体と少なくとも約90%の可変領域アミノ酸配列同一性(例えば、配列番号12及び配列番号8と少なくとも約90%、95%または99%の可変領域同一性)を有する。
別の実施形態では、抗体は、pH7.4及び25℃で0.1nM≦KD≦1nMの範囲内の親和性解離定数(KD)でヒトC5に結合する。別の実施形態では、抗体は、pH6.0及び25℃でKD≧10nMでヒトC5に結合する。さらに別の実施形態では、抗体の[(pH6.0及び25℃でのヒトC5についての抗体またはその抗原結合断片のKD)/(pH7.4及び25℃でのヒトC5についての抗体またはその抗原結合断片のKD)]は、25を超える。
一態様では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)をPNH患者に400mg~600mgの用量で皮下に投与する方法が提供される。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、450~550mgの用量でPNH患者に皮下に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、約400mg、405mg、410mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、または600mgの用量でPNH患者に皮下に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、約490mgの用量でPNH患者に皮下に投与される。
別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、約490mgの用量で毎週1回(例えば、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、3年間、または慢性的に、例えば、患者の残りの人生の間)PNH患者に皮下に投与される。
別の態様では、PNH患者を処置する方法であって、患者は、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)の初期用量(例えば、負荷用量)が静脈内に投与され、続いて抗C5抗体、またはその抗原結合断片が皮下投与される(例えば、2週間後)、方法が提供される。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の静脈内用量は、患者の体重に基づく。例えば、一実施形態では、≧40~<60kgの体重の患者は、抗C5抗体、またはその抗原結合断片で皮下処置される前に2400mgの抗C5抗体、またはその抗原結合断片が静脈内投与される。別の実施形態では、≧60~<100kgの体重の患者は、抗C5抗体、またはその抗原結合断片で皮下処置される前に2700mgの抗C5抗体、またはその抗原結合断片が静脈内投与される。
別の実施形態では、患者は、投与サイクルの1日目に抗C5抗体、またはその抗原結合断片の用量(例えば、2400mgまたは2700mg)が静脈内投与され、続いて投与サイクルの15日目及びその後毎週(例えば、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、3年間、または慢性的に、例えば、患者の残りの人生の間)に抗C5抗体、またはその抗原結合断片が(例えば、490mgの用量で)皮下投与される。
別の実施形態では、PNHを有するヒト患者を処置する方法であって、方法は、投与サイクル中に有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量で、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
投与される、方法が提供される。
別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧40~<60kgの体重のPNH患者に:(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2400mgの用量で;及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。
別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧60~<100kgの体重のPNH患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2700mgの用量で;及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。
別の実施形態では、PNHを有するヒト患者を処置する方法であって、方法は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3重鎖配列、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3軽鎖配列を含む有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を投与サイクル中に患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量で、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
投与される、方法が提供される。
別の実施形態では、PNHを有するヒト患者を処置する方法であって、
方法は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3重鎖配列、配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3軽鎖配列、ならびにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異型ヒトFc定常領域を含む有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を投与サイクル中に患者に投与することを含み、可変ヒトFcのCH3定常領域は、天然ヒトIgGのFc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434(それぞれEUナンバリング)に対応する残基でMet-429-Leu及びAsn-435-Ser置換を含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
(a)投与サイクルの1日目に静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量で、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
投与される、方法が提供される。
一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、静脈内投与のために(例えば、初期負荷用量として)製剤化される。例えば、一実施形態では、静脈内投与のための製剤は、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.02%ポリソルベート80、及び注射用水中の300mgのラブリズマブ(10mg/mL)を含む。別の実施形態では、静脈内投与のための製剤は、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.02%ポリソルベート80、及び注射用水中の300mgのラブリズマブ(10mg/mL)からなる。別の実施形態では、静脈内投与のためのラブリズマブは、単回使用の30mLバイアル中の濃縮された無菌防腐剤非含有水溶液(10mg/mL)として製剤化される。
一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、皮下投与のために製剤化される。例えば、一実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)からなる。別の実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)からなる。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、7.4のpHで製剤化される。
本明細書に記載の方法による抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)の皮下投与は、任意の好適な手段によって達成され得る。また、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、医療専門家によって皮下に投与され得るか、または自己投与され得る。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、身体上送達システム(OBDS)を使用して皮下に投与される。一実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、3.5mLの単回使用カートリッジで供給される。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブの各カートリッジは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含有する。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブの各カートリッジは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含有する。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、単回使用の身体上送達システムにおいて使用するために設計された単回使用の3.5mLの事前充填されたカートリッジにおいて濃縮された無菌防腐剤非含有水溶液(70mg/mL)として製剤化される。
一実施形態では、投与サイクルは、合計で10週の処置である。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、投与サイクル後毎週1回、最大で3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、15ヶ月、18ヶ月、21ヶ月、2年、または慢性的に、例えば、患者の残りの人生の間、490mgの用量で皮下投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される患者は、補体阻害剤ですでに処置されている。一実施形態では、患者は、エクリズマブですでに処置されている。別の実施形態では、患者は、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、または少なくとも24ヶ月間エクリズマブですでに処置されている。特定の実施形態では、患者は、少なくとも6ヶ月間エクリズマブですでに処置されている。別の実施形態では、患者は、エクリズマブで2週間毎に900mgの用量ですでに処置されている。別の実施形態では、処置は、患者のエクリズマブの最後の用量の少なくとも2週間後に開始する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される患者は、処置の開始前3年以内またはその時に髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種されている。一実施形態では、髄膜炎菌ワクチンの摂取後2週間未満に処置を受けた患者はまた、ワクチン接種の2週間後まで適切な予防的抗生物質で処置される。別の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される患者は、髄膜炎菌血清型A、C、Y、W135、及び/またはBに対してワクチン接種される。
別の態様では、本明細書に記載される処置レジメンは、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の特定の血清トラフ濃度を維持するのに十分である。例えば、一実施形態では、処置は、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、200、205、210、215、220、225、230、240、245、250、255、260、265、270、280、290、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、もしくは400μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、100μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、150μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、200μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、250μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、300μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、100μg/ml~200μg/mlの抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、約175μg/mlの抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。
いくつかの実施形態では、有効な反応を得るために、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり少なくとも50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、または260μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり50μg~250μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり100μg~200μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり約175μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。
処置方法の有効性は、任意の好適な手段を使用して評価され得る。一実施形態では、PNH患者のため、処置は、倦怠感、腹痛、呼吸困難、貧血[ヘモグロビン<10g/dL]、嚥下障害、胸痛、及び勃起不全の低減または停止からなる群から選択される少なくとも1つの治療効果をもたらす。
別の実施形態では、処置は、終末補体阻害をもたらす。
別の実施形態では、処置は、輸血の必要性の低減をもたらす。
別の実施形態では、処置は、患者の処置前ベースラインからのヘモグロビン安定性の上昇をもたらす。
別の実施形態では、処置は、遊離ヘモグロビン、ハプトグロビン、網状赤血球数、PNH赤血球(RBC)クローン及びD-ダイマーからなる群から選択される溶血関連血液学的バイオマーカーの正常レベルに向かうシフトをもたらす。
別の実施形態では、処置は、エクリズマブでの処置と比べてブレイクスルー溶血の減少をもたらす。別の実施形態では、処置は、処置期間中にブレイクスルー溶血の排除をもたらす。別の実施形態では、処置は、ブレイクスルー溶血の処置前ベースライン量と比較してブレイクスルー溶血の減少をもたらす。
別の実施形態では、処置は、主要有害血管性事象(MAVE)の減少をもたらす。別の実施形態では、処置は、推算糸球体濾過率(eGFR)及びスポット尿:アルブミン:クレアチニンならびに血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)からなる群から選択される慢性疾患関連バイオマーカーの正常レベルに向かうシフトをもたらす。
別の実施形態では、処置は、慢性疾病療法の機能的評価(FACIT)-倦怠感スケール、バージョン4(Assessment of Chronic Illness Therapy(FACIT)-Fatigue Scale,version 4)及び欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケール(European Organisation for Research and Treatment of Cancer,Quality of Life Questionnaire-Core 30 Scale)により評価される生活の質におけるベースラインからの変化をもたらす。
特定の実施形態では、乳酸脱水素酵素(LDH)レベルは、療法に対する反応性を評価するために使用される(例えば、乳酸脱水素酵素(LDH)レベルによって評価される溶血の低減は、PNHの少なくとも1つの徴候の改善を示す)。例えば、一実施形態では、本明細書に記載の処置は、LDHレベルの正常化をもたらす。
一実施形態では、開示される方法に従って処置される患者は、ほぼ正常レベルまでまたは正常レベルと考えられるもの(例えば、105~333IU/L(リットル当たりの国際単位))よりも10%以内、または20%以内だけ高いレベルまでのLDHレベルの減少を経験する。別の実施形態では、患者のLDHレベルは、処置の維持期間全体を通して正常化される。別の実施形態では、処置された患者のLDHレベルは、処置の維持期間中の時間の少なくとも95%で正常化される。別の実施形態では、処置された患者のLDHレベルは、処置の維持期間中の時間の少なくとも90%、85%または80%で正常化される。
一実施形態では、開示される方法に従って処置される患者は、正常レベルの範囲内までまたは正常レベルの上限と考えられるもの(例えば、105~333IU/L(リットル当たりの国際単位)よりも10%、20%、30%、40%低い範囲内もしくは50%低い範囲内までのLDHレベルの減少を経験する。
別の態様では、
(a)投与サイクルの1日目に静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量での、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量での
投与のための、配列番号12に示される配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体、またはその抗原結合断片が提供される。
また、本明細書に記載の方法において使用するために適合された治療的有効量で抗C5抗体、またはその抗原結合断片、例えば、ラブリズマブ、及び薬学的に許容可能な担体を含有するキットが提供される。例えば、一実施形態では、ヒト患者におけるPNHを処置するためのキットであって、キットは、(a)配列番号12に示される配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体、またはその抗原結合断片の用量;及び(b)本明細書に記載の方法において抗C5抗体、またはその抗原結合断片を使用するための指示書を含む、キットが提供される。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧40~<60kgの体重の患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2400mgの用量で;及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧60~<100kgの体重の患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2700mgの用量で;及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。特定の実施形態では、抗C5抗体は、ラブリズマブである。
身体上注射器と共包装された皮下投与のためのラブリズマブの事前充填されたカートリッジを含むデバイスがさらに提供される。一実施形態では、デバイスは、無菌であり、単回使用のためのものであり、使い捨てであり、及び/または電気機械式である。別の実施形態では、身体上注射器は、29ゲージの針を含む。別の実施形態では、事前充填されたカートリッジは、3.5mLのカートリッジである。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)からなる。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)からなる。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、約7.4のpHで製剤化される。
エクリズマブで現在処置されたPNHを有する成人患者における皮下対静脈内で投与されるラブリズマブの第3相非劣性試験の設計を示す概略図である。
I.定義
本明細書で使用される場合、用語「対象」または「患者」は、ヒト患者(例えば、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を有する患者)である。
発作性夜間ヘモグロビン尿症は、成人に最も頻繁に生じる後天性溶血性障害である(Brodsky RA.,Blood.2015;126:2459-65)。その疾患は、PIGA遺伝子における体細胞変異を獲得した造血幹細胞のクローン性増殖から開始する(Brodsky RA.,Blood.2014;124:2804-1)。結果として、PNHの血球は、グリコホスファチジルイノシトール(GPI)アンカータンパク質を欠き、膜結合補体阻害性タンパク質CD55とCD59を欠損している。CD55の非存在下では、血球膜表面上で補体タンパク質C3の切断産物の蓄積が増加し、後にC5のC5a及びC5bへの切断につながる。PNHを有する患者における病状及び臨床症状は、制御されない終末補体活性化によって引き起こされる。
C5aは、強力なアナフィラトキシン、化学走化性因子、及び細胞活性化分子であり、複数の炎症促進性及び血栓促進性作用を媒介する(Matis LA,et al.,Nat.Med.1995;1:839-42;Prodinger et al.,Complement.In:Paul WE,editor.Fundamental immunology(4th ed).Philadelphia:Lippincott-Raven Publishers;1999.p.967-95)。C5bは、終末補体成分C6、C7、C8、及びC9を動員して、炎症促進性で血栓促進性の細胞溶解孔分子C5b-9を形成するが、これは、通常の状況下では赤血球(RBC)の膜上でCD59によって遮断されるであろうプロセスである。しかしながら、PNHを有する患者では、これらの最終工程は、チェックされずに進行し、溶血及び遊離ヘモグロビンの放出、ならびに血小板活性化に至る(Hill,et al.,Blood 2013;121:4985-96)。PNHの徴候及び症状は、慢性の制御されない補体C5切断、ならびにRBC溶血につながるC5a及びC5b-9の放出に起因し得、これらが一緒になって(Hill,et al.,Blood 2013;121:4985-96;Brodsky RA.,Blood.2014;124:2804-1)、溶血の直接の結果として細胞内遊離ヘモグロビン及び乳酸脱水素酵素(LDH)の循環への放出、ヘモグロビンによる一酸化窒素(NO)への不可逆的結合及びその不活性化、ならびにNO合成の阻害;血管拡張性NOの非存在に起因する血管収縮及び組織層虚血、ならびに腹痛、嚥下困難、及び勃起不全として現れる可能性のある微小血栓;血小板活性化;ならびに炎症促進性及び血栓促進性状態をもたらす。
PNHを有する患者のかなりの割合が、腎機能障害及び肺高血圧を経験する(Hillmen,et al.,Am J Hematol.2010;85:553-9.[erratum in Am J Hematol.2010;85:911.];Hill,et al.,Br.J Haematol.2012;158:409-14.;Hill,et al.,Blood 2013;121:4985-96)。患者はまた、腹部または中枢神経系を含む多様な部位で静脈または動脈の血栓症を経験する(Brodsky RA.,Blood.2014;124:2804-1)。
本明細書で使用される場合、「有効な処置」は、有益な効果、例えば、疾患または障害の少なくとも1つの症状の好転をもたらす処置を指す。有効な処置は、PNHの少なくとも1つの症状(例えば、倦怠感、腹痛、呼吸困難、貧血、嚥下障害、胸痛、または勃起不全)の軽減を指し得る。有益な効果は、ベースラインに対する改善、すなわち、方法による療法の開始前に行われた測定結果または観察に対する改善の形態をとり得る。
用語「有効量」は、所望の生物学的、療法的、及び/または予防的結果を提供する薬剤の量を指す。結果は、疾患の徴候、症状、または原因のうちの1つ以上の低減、好転、抑制、減少、遅延、及び/または軽減、または生物学的システムの任意の他の所望の変化であり得る。一例では、「有効量」は、PNHの少なくとも1つの症状(例えば、倦怠感、腹痛、呼吸困難、貧血、嚥下障害、胸痛、または勃起不全)を軽減するために臨床的に証明された抗C5抗体、またはその抗原結合断片の量を指す。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。
本明細書で使用される場合、用語「導入」及び「導入相」は、互換的に使用され、処置の第1相を指す。
本明細書で使用される場合、用語「維持」及び「維持相」は、互換的に使用され、処置の第2相を指す。所定の実施形態では、処置は、臨床的有益性が観察される限り、または管理不能な毒性または疾患の進行が生じるまで継続される。
本明細書で使用される場合、用語「負荷用量」は、患者に投与される初期用量を指す。例えば、負荷は、2400mgまたは2700mgであり得る。負荷用量は、体重に基づいて調整され得る。一実施形態では、負荷用量は、患者に静脈内投与される。別の実施形態では、負荷用量は、患者に皮下投与される。
本明細書で使用される場合、用語「維持用量」は、負荷用量の後に患者に投与される用量を指す。例えば、維持用量は、約400mg、405mg、410mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、または600mgの用量であり得る。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の維持用量は、490mgである。一実施形態では、負荷用量は、患者に皮下投与される。
本明細書で使用される場合、用語「血清トラフレベル」は、薬剤(例えば、抗C5抗体、またはその抗原結合断片)または医薬が血清中に存在する最も低いレベルを指す。対照的に、「ピーク血清レベル」は、血清中の薬剤の最も高いレベルを指す。「平均血清レベル」は、経時的な血清中の薬剤の平均レベルを指す。
一実施形態では、記載される処置レジメンは、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の特定の血清トラフ濃度を維持するのに十分である。例えば、一実施形態では、処置は、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、または400μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。一実施形態では、処置は、100μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、150μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、200μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、250μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、300μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、100μg/ml~200μg/mlの抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、約175μg/mlの抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。
いくつかの実施形態では、有効な反応を得るために、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり少なくとも50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、または260μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり50μg~250μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり100μg~200μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり約175μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。
別の実施形態では、有効な反応を得るために、抗C5抗体は、最小遊離C5濃度を維持するための量及び頻度で患者に投与される。例えば、一実施形態では、抗C5抗体は、0.2μg/mL、0.3μg/mL、0.4μg/mL、0.5μg/mLまたはそれ未満の遊離C5濃度を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、0.309~0.5μg/mLの遊離C5濃度を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、本明細書に記載の処置は、処置期間全体を通して遊離C5濃度を99%超低下させる。別の実施形態では、処置は、処置期間全体を通して遊離C5濃度を99.5%超低下させる。
用語「抗体」は、少なくとも1つの抗体誘導抗原結合部位(例えば、VH/VL領域もしくはFv、またはCDR)を含むポリペプチドを表す。抗体には、既知の形態の抗体が含まれる。例えば、抗体は、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異的抗体、またはキメラ抗体であり得る。抗体はまた、Fab、Fab’2、ScFv、SMIP、Affibody(登録商標)、ナノボディ、またはドメイン抗体であり得る。抗体は、以下のアイソタイプ:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、及びIgEのいずれかのものであり得る。抗体は、天然に存在する抗体であり得るか、またはタンパク質工学技術(例えば、変異、欠失、置換、非抗体部位へのコンジュゲーション)によって変更された抗体であり得る。例えば、抗体は、抗体の特性(例えば、機能的特性)を変化させる1つ以上の変異アミノ酸(天然に存在する抗体と比較して)を含み得る。例えば、多数のそのような変更は、当該技術分野で知られており、例えば、患者における抗体の半減期、エフェクター機能、及び/または免疫反応に影響を及ぼす。抗体という用語はまた、少なくとも1つの抗体誘導抗原結合部位を含む人工のまたは改変されたポリペプチドコンストラクトを含む。
II.抗C5抗体
本明細書に記載の抗C5抗体は、補体成分C5(例えば、ヒトC5)に結合し、C5の断片C5a及びC5bへの切断を阻害する。本発明において使用するのに好適な抗C5抗体(またはそれから誘導されるVH/VLドメイン)は、当該技術分野でよく知られている方法を使用して生成され得る。代替的には、当該技術分野で認識されている抗C5抗体が使用され得る。C5への結合についてこれらの当該技術分野で認識されている抗体のいずれかと競合する抗体も使用され得る。
エクリズマブ(Soliris(登録商標)としても知られている)は、配列番号10及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含む抗C5抗体、またはその抗原結合断片及び変異体である。エクリズマブは、PCT/US1995/005688及び米国特許第6,355,245号に記載されており、その教示は、参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態では、抗C5抗体は、配列番号7に示される配列を有するエクリズマブのVH領域のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有するエクリズマブのVL領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号1、2、及び3にそれぞれ示される配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示される配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号7及び配列番号8にそれぞれ示されるアミノ酸配列を有するVH及びVL領域を含む。
例示的な抗C5抗体は、配列番号14及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含むラブリズマブ、またはその抗原結合断片及び変異体である。ラブリズマブ(Ultomiris(商標)、BNJ441、及びALXN1210としても知られている)は、PCT/US2015/019225及び米国特許第9,079,949号に記載されており、その教示は、参照により本明細書に組み込まれる。ラブリズマブ、Ultomiris(商標)、BNJ441、及びALXN1210という用語は、本文書全体を通して互換的に使用され得るが、すべて同じ抗体を指す。ラブリズマブは、ヒト補体タンパク質C5に選択的に結合し、補体活性化中にそのC5a及びC5bへの切断を阻害する。この阻害は、微生物のオプソニン化及び免疫複合体のクリアランスに不可欠な補体活性化の近位または初期成分(例えば、C3や及び3b)を保持しつつ、炎症性メディエーターC5aの放出及び細胞溶解孔形成膜攻撃複合体(MAC)C5b-9の形成を防止する。
他の実施形態では、抗体は、ラブリズマブの重鎖及び軽鎖CDRまたは可変領域を含む。例えば、一実施形態では、抗体は、配列番号12に示される配列を有するラブリズマブのVH領域のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有するラブリズマブのVL領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示される配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示される配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号12及び配列番号8にそれぞれ示されるアミノ酸配列を有するVH及びVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、配列番号20及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含む抗体BNJ421、またはその抗原結合断片及び変異体である。BNJ421(ALXN1211としても知られている)は、PCT/US2015/019225及び米国特許第9,079,949号に記載されており、その教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
他の実施形態では、抗体は、BNJ421の重鎖及び軽鎖CDRまたは可変領域を含む。したがって、一実施形態では、抗体は、配列番号12に示される配列を有するBNJ421のVH領域のCDR1、CDR2、及びCDR3ドメイン、及び配列番号8に示される配列を有するBNJ421のVL領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示される配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示される配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号12及び配列番号8にそれぞれ示されるアミノ酸配列を有するVH及びVL領域を含む。
CDRの正確な境界は、異なる方法に応じて異なって定義されてきた。いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖可変ドメイン内のCDRまたはフレームワーク領域の位置は、Kabat et al.[(1991)“Sequences of Proteins of Immunological Interest.” NIH Publication No.91-3242,U.S.Department of Health and Human Services,Bethesda,MD]によって定義され得る。そのような場合、CDRは、「Kabat CDR」(例えば、「Kabat LCDR2」または「Kabat HCDR1」)と称され得る。いくつかの実施形態では、軽鎖または重鎖可変領域のCDRの位置は、Chothia et al.(1989)Nature 342:877-883によって定義されるとおりであり得る。したがって、これらの領域は、「Chothia CDR」(例えば、「Chothia LCDR2」または「Chothia HCDR3」)と称され得る。いくつかの実施形態では、軽鎖及び重鎖可変領域のCDRの位置は、Kabat-Chothia統合定義によって定義されるとおりであり得る。そのような実施形態では、これらの領域は、「統合Kabat-Chothia CDR」と称され得る。Thomas et al.[(1996)Mol Immunol 33(17/18):1389-1401]は、Kabat及びChothiaの定義に従ったCDR境界の特定を例示している。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:
Figure 2022512632000001
(配列番号19)を含むか、またはそれからなる重鎖CDR1を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:
Figure 2022512632000002
(配列番号18)を含むか、またはそれからなる重鎖CDR2を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:
Figure 2022512632000003
を含む重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、以下のアミノ酸配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCGASENIYGALNWYQQKPGKAPKLLIYGATNLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQNVLNTPLTFGQGTKVEIK(配列番号8)を含む軽鎖可変領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、米国特許第8,241,628号及び第8,883,158号に記載の7086抗体である。一実施形態では、抗体は、7086抗体の重鎖及び軽鎖CDRまたは可変領域を含む(米国特許第8,241,628及び8,883,158参照)。別の実施形態では、抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号21、22、及び23にそれぞれ示される配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、及び配列番号24、25、及び26にそれぞれ示される配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号27に示される配列を有する7086抗体のVH領域、及び配列番号28に示される配列を有する7086抗体のVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、米国特許第8,241,628号及び第8,883,158号にまた記載されている8110抗体である。一実施形態では、抗体は、8110抗体の重鎖及び軽鎖CDRまたは可変領域を含む。別の実施形態では、抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号29、30、及び31にそれぞれ示される配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、及び配列番号32、33、及び34にそれぞれ示される配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号35に示される配列を有する8110抗体のVH領域、及び配列番号36に示される配列を有する8110抗体のVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、US2016/0176954A1に記載の305LO5抗体である。一実施形態では、抗体は、305LO5抗体の重鎖及び軽鎖CDRまたは可変領域を含む。別の実施形態では、抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号37、38、及び39にそれぞれ示される配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、及び配列番号40、41、及び42にそれぞれ示される配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号43に示される配列を有する305LO5抗体のVH領域、及び配列番号44に示される配列を有する305LO5抗体のVL領域を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、Fukuzawa T.,et al.,Rep.2017 Apr 24;7(1):1080)に記載のSKY59抗体である。一実施形態では、抗体は、SKY59抗体の重鎖及び軽鎖CDRまたは可変領域を含む。別の実施形態では、抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号45を含む重鎖及び配列番号46を含む軽鎖を含む。
別の例示的な抗C5抗体は、US20170355757に記載のREGN3918抗体(H4H12166PPとしても知られている)である。一実施形態では、抗体は、配列番号47を含む重鎖可変領域及び配列番号48を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、抗体は、配列番号49を含む重鎖及び配列番号50を含む軽鎖を含む。
別の実施形態では、抗体は、上記抗体(例えば、エクリズマブ、ラブリズマブ、7086抗体、8110抗体、305LO5抗体、SKY59抗体、またはREGN3918抗体)と同じC5上のエピトープとの結合について競合し、及び/またはそれに結合する。別の実施形態では、抗体は、上記抗体と少なくとも約90%の可変領域アミノ酸配列同一性を有する(例えば、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の可変領域同一性)。
本明細書に記載の抗C5抗体は、いくつかの実施形態では、変異型ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域のものよりも高い親和性でヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異型ヒトFc定常領域を含み得る。例えば、Fc定常領域は、変異型ヒトFc定常領域が誘導された天然ヒトFc定常領域と比べて1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、もしくは8またはそれを超える)アミノ酸置換を含み得る。6.0のpHレベルでは、置換は、相互作用のpH依存性を維持しつつ、変異型Fc定常領域を含有するIgG抗体のFcRnに対する結合親和性を増大させ得る。
抗体のFc定常領域のFcRnに対する結合親和性を増強する置換は、当該技術分野で知られており、例えば、(1)Dall’Acqua et al.(2006)J Biol Chem 281:23514-23524によって記載されているM252Y/S254T/T256E三重置換;(2)Hinton et al.(2004)J Biol Chem 279:6213-6216及びHinton et al.(2006)J Immunol 176:346-356に記載されているM428LまたはT250Q/M428L置換;ならびに(3)Petkova et al.(2006)Int Immunol 18(12):1759-69に記載されているN434AまたはT307/E380A/N434A置換を含む。追加の置換の組み合わせ:P257I/Q311I、P257I/N434H、及びD376V/N434Hが、例えば、Datta-Mannan et al.(2007)J Biol Chem 282(3):1709-1717(その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。抗体のFc定常領域における1つ以上の置換が、(相互作用のpH依存性を維持しつつ)pH6.0におけるFcRnに対するFc定常領域の親和性を増大させるかどうかを検査するための方法は、当該技術分野で知られており、実施例で例示されている。例えば、PCT/US2015/019225及び米国特許第9,079,949号(各々の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、変異型定常領域は、EUアミノ酸残基255でバリンに対する置換を有する。いくつかの実施形態では、変異型定常領域は、EUアミノ酸残基309でアスパラギンに対する置換を有する。いくつかの実施形態では、変異型定常領域は、EUアミノ酸残基312でイソロイシンに対する置換を有する。いくつかの実施形態では、変異型定常領域は、EUアミノ酸残基386で置換を有する。
いくつかの実施形態では、変異型Fc定常領域は、それが誘導された天然定常領域に対して30個以下(例えば、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2個以下)のアミノ酸置換、挿入、または欠失を含む。いくつかの実施形態では、変異型Fc定常領域は、M252Y、S254T、T256E、N434S、M428L、V259I、T250I、及びV308Fからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、変異型ヒトFc定常領域は、EUナンバリングでそれぞれ天然ヒトIgGのFc定常領域の位置428でメチオニン及び位置434でアスパラギンを含む。いくつかの実施形態では、変異型Fc定常領域は、例えば、米国特許第8.088,376号に記載されているように428L/434S二重置換を含む。
いくつかの実施形態では、変異型定常領域は、天然ヒトFc定常領域に対してアミノ酸位置237、238、239、248、250、252、254、255、256、257、258、265、270、286、289、297、298、303、305、307、308、309、311、312、314、315、317、325、332、334、360、376、380、382、384、385、386、387、389、424、428、433、434、または436(EUナンバリング)で置換を含む。いくつかの実施形態では、置換は、EUナンバリングで、位置237でグリシンの代わりにメチオニン;位置238でプロリンの代わりにアラニン;位置239でセリンの代わりにリジン;位置248でリジンの代わりにイソロイシン;位置250でトレオニンの代わりにアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、グルタミン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシン;位置252でメチオニンの代わりにフェニルアラニン、トリプトファン、またはチロシン;位置254でセリンの代わりにトレオニン;位置255でアルギニンの代わりにグルタミン酸;位置256でトレオニンの代わりにアスパラギン酸、グルタミン酸、またはグルタミン;位置257でプロリンの代わりにアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、セリン、トレオニン、またはバリン;位置258でグルタミン酸の代わりにヒスチジン;位置265でアスパラギン酸の代わりにアラニン;位置270でアスパラギン酸の代わりにフェニルアラニン;位置286でアスパラギンの代わりにアラニン、またはグルタミン酸;位置289でトレオニンの代わりにヒスチジン;位置297でアスパラギンの代わりにアラニン;位置298でセリンの代わりにグリシン;位置303でバリンの代わりにアラニン;位置305でバリンの代わりにアラニン;位置307でトレオニンの代わりにアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、バリン、トリプトファン、またはチロシン;位置308でバリンの代わりにアラニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、グルタミン、またはトレオニン;位置309でロイシンまたはバリンの代わりにアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、またはアルギニン;位置311でグルタミンの代わりにアラニン、ヒスチジン、またはイソロイシン;位置312でアスパラギン酸の代わりにアラニンまたはヒスチジン;位置314でロイシンの代わりにリジンまたはアルギニン;位置315でアスパラギンの代わりにアラニンまたはヒスチジン;位置317でリジンの代わりにアラニン;位置325でアスパラギンの代わりにグリシン;位置332でイソロイシンの代わりにバリン;位置334でリジンの代わりにロイシン;位置360でリジンの代わりにヒスチジン;位置376でアスパラギン酸の代わりにアラニン;位置380でグルタミン酸の代わりにアラニン;位置382でグルタミン酸の代わりにアラニン;位置384でアスパラギンまたはセリンの代わりにアラニン;位置385でグリシンの代わりにアスパラギン酸またはヒスチジン;位置386でグルタミンの代わりにプロリン;位置387でプロリンの代わりにグルタミン酸;位置389でアスパラギンの代わりにアラニンまたはセリン;位置424でセリンの代わりにアラニン;位置428でメチオニンの代わりにアラニン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、またはチロシン;位置433でヒスチジンの代わりにリジン;位置434でアスパラギンの代わりにアラニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、セリン、トリプトファン、またはチロシン;及び位置436でチロシンまたはフェニルアラニンの代わりにヒスチジンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、これらの変異の正確な位置は、抗体工学のため、天然ヒトFc定常領域の位置からシフトされ得る。例えば、428L/434S二重置換は、IgG2/4キメラFcにおいて使用される場合、BNJ441(ラブリズマブ)で見られ、米国特許第9,079,949号(その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているM429L及びN435S変異体のように429L及び435Sに相当し得る。
本明細書に記載の方法において使用するための好適な抗C5抗体は、いくつかの実施形態では、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド及び/または配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む。代替的に、本明細書に記載の方法において使用するための抗C5抗体は、いくつかの実施形態では、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド及び/または配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む。
一実施形態では、抗体は、少なくとも0.1(例えば、少なくとも0.15、0.175、0.2、0.25、0.275、0.3、0.325、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.525、0.55、0.575、0.6、0.625、0.65、0.675、0.7、0.725、0.75、0.775、0.8、0.825、0.85、0.875、0.9、0.925、0.95、または0.975)nMの親和性解離定数(KD)で7.4のpHで25oCで(及び、そうでなければ、生理的条件下で)C5に結合する。いくつかの実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片のKDは、1nM以下(例えば、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、または0.2nM以下)である。
他の実施形態では、解離率[(pH6.0で25℃でC5に対する抗体のKD)/(pH7.4で25℃でC5に対する抗体のKD)]は、21を超える(例えば、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、または8000を超える)。
抗体がタンパク質抗原に結合するかどうか及び/または抗体のタンパク質抗原に対する親和性を決定するための方法は当該技術分野で知られている。例えば、抗体のタンパク質抗原に対する結合は、様々な技術、例えば、限定されないが、ウェスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴(SPR)法(例えば、BIAcoreシステム;Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して検出及び/または定量化され得る。例えば、Benny K.C.Lo(2004)“Antibody Engineering:Methods and Protocols,”Humana Press(ISBN:1588290921);Johne et al.(1993)J Immunol Meth 160:191-198;Jonsson et al.(1993)Ann Biol Clin 51:19-26;及びJonsson et al.(1991)Biotechniques 11:620-627を参照されたい。また、親和性(例えば、解離及び会合定数)を測定するための方法は、実施例に示されている。
本明細書で使用される場合、用語「ka」は、抗原に対する抗体の会合についての速度定数を指す。用語「kd」は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離についての速度定数を指す。そして、用語「KD」は、抗体-抗原相互作用の平衡解離定数を指す。平衡解離定数は、速度論的速度定数の比KD=ka/kdから推定される。そのような決定は好ましくは、25℃または37℃で測定される(実施例参照)。例えば、ヒトC5に対する抗体結合の速度論は、抗体を固定化するための抗Fc捕捉方法を使用してBIAcore3000機器での表面プラズモン共鳴(SPR)によりpH8.0、7.4、7.0、6.5及び6.0で決定され得る。
一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、C5タンパク質(例えば、ヒトC5タンパク質)のC5a及び/またはC5b活性断片の生成または活性を遮断する。この遮断効果により、抗体は、例えば、C5aの炎症促進作用及び細胞の表面でのC5b-9膜攻撃複合体(MAC)の生成を阻害する。
本明細書に記載の特定の抗体がC5の切断を阻害するかどうかを決定するための方法は、当該技術分野で知られている。ヒト補体成分C5の阻害は、対象の体液中の補体の細胞溶解能力を低下させ得る。体液(複数可)に存在する補体の細胞溶解能力のそのような低減は、当該技術分野でよく知られている方法によって、例えば、従来の溶血アッセイ、例えば、“Experimental Immunochemistry,2nd Edition,”135-240,Springfield,IL,CC Thomas(1961),pages 135-139によって記載されている溶血アッセイ、またはそのアッセイの従来の類型、例えば、Hillmen et al.(2004)N Engl J Med 350(6):552に記載されているニワトリ赤血球溶血法によって測定され得る。候補化合物が、ヒトC5の形態C5a及びC5bへの切断を阻害するかどうかを決定するための方法は、当該技術分野で知られており、Evans et al.(1995)Mol Immunol 32(16):1183-95に記載されている。例えば、体液中のC5a及びC5bの濃度及び/または生理的活性は、当該技術分野でよく知られている方法によって測定され得る。C5bについては、溶血アッセイまたは可溶性C5b-9についてのアッセイが使用され得る。当該技術分野で知られている他のアッセイも使用され得る。これらのまたは他の好適な種類のアッセイを使用して、ヒト補体成分C5を阻害することが可能な候補剤がスクリーニングされ得る。
免疫学的技術、例えば、限定されないが、ELISAは、抗C5抗体、またはその抗原結合断片が、C5を生物学的に活性な生成物に変換することを阻害する能力を決定するために、C5及び/またはその分割生成物のタンパク質濃度を測定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、C5aの生成が測定される。いくつかの実施形態では、C5b-9ネオエピトープ特異的抗体が、終末補体の形成を検出するために使用され得る。
溶血アッセイは、補体活性化に対する抗C5抗体、またはその抗原結合断片の阻害性活性を決定するために使用され得る。例えば、溶血素で被覆されたヒツジ赤血球または抗ニワトリ赤血球抗体で感作されたニワトリ赤血球が標的細胞として使用されて、in vitroで血清検査溶液において古典的補体経路媒介溶血に対する抗C5抗体、またはその抗原結合断片の効果を決定し得る。溶解のパーセンテージは、阻害剤の非存在下で生じる溶解に等しい100%の溶解を考慮することによって正規化される。いくつかの実施形態では、古典的補体経路は、例えば、Wieslab(登録商標)Classical Pathway Complement Kit(Wieslab(登録商標)COMPL CP310,Euro-Diagnostica,Sweden)において利用されるように、ヒトIgM抗体によって活性化される。簡潔には、検査血清は、ヒトIgM抗体の存在下で抗C5抗体、またはその抗原結合断片と共にインキュベートされる。生成されるC5b-9の量は、混合物を酵素複合体化抗C5b-9抗体及び蛍光性基質と接触させ、適切な波長で吸光度を測定することによって測定される。対照として、検査血清が、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の非存在下でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、検査血清は、C5ポリペプチドで再構成されたC5欠損血清である。
代替経路媒介溶血に対する抗C5抗体、またはその抗原結合断片の効果を決定するために、未感作ウサギまたはモルモットの赤血球が標的細胞として使用され得る。いくつかの実施形態では、血清検査溶液は、C5ポリペプチドで再構成されたC5欠損血清である。溶解のパーセンテージは、阻害剤の非存在下で生じる溶解に等しい100%の溶解を考慮することによって正規化される。いくつかの実施形態では、代替補体経路は、例えば、Wieslab(登録商標)Alternative Pathway Complement Kit(Wieslab(登録商標)COMPL AP330,Euro-Diagnostica,Sweden)において利用されるように、リポ多糖分子によって活性化される。簡潔には、検査血清は、リポ多糖の存在下で抗C5抗体、またはその抗原結合断片と共にインキュベートされる。生成されるC5b-9の量は、混合物を酵素複合体化抗C5b-9抗体及び蛍光性基質と接触させ、適切な波長で蛍光度を測定することによって測定される。対照として、検査血清が、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の非存在下でインキュベートされる。
いくつかの実施形態では、C5活性、またはその阻害は、CH50eqアッセイを使用して定量化される。CH50eqアッセイは、血清における総古典的補体活性を測定するための方法である。これは、古典的補体経路の活性化因子としての抗体感作赤血球、及び検査血清の様々な希釈物を使用して、50%溶解を得るのに必要とされる量(CH50)を決定する溶解アッセイ検査である。溶血率は、例えば、分光光度計を使用して決定され得る。CH50eqアッセイは、終末補体複合体(TCC)形成の間接的指標を提供するが、それはTCC自体が、測定される溶血に直接的に関与するからである。
アッセイはよく知られており、当業者によって一般的に実施される。簡潔には、古典的補体経路を活性化するために、希釈されていない血清サンプル(例えば、再構成されたヒト血清サンプル)が、抗体感作赤血球を含有するマイクロアッセイウェルに添加され、これによりTCCが生成される。次に、活性化された血清は、捕捉試薬(例えば、TCCの1つ以上の成分に結合する抗体)で被覆されたマイクロアッセイウェルにおいて希釈される。活性化されたサンプルに存在するTCCは、マイクロアッセイウェルの表面を被覆するモノクローナル抗体に結合する。ウェルは洗浄され、検出可能に標識され、結合したTCCを認識する検出試薬が各ウェルに添加され得る。検出可能な標識は、例えば、蛍光標識または酵素標識であり得る。アッセイの結果は、1ミリリットル当たりのCH50単位当量(CH50 U Eq/mL)で表される。
阻害は、例えば、終末補体活性に関する場合、同様の条件下で等モル濃度で対照抗体(またはその抗原結合断片)の効果と比較した場合、例えば、溶血アッセイまたはCH50eqアッセイで、少なくとも5(例えば、少なくとも6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、または60)%の終末補体の活性の低下を含む。有意な阻害は、本明細書で使用される場合、少なくとも40(例えば、少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、もしくは95またはそれを超える)%の所与の活性(例えば、終末補体活性)の阻害を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、エクリズマブのCDR(すなわち、配列番号1~6)に対して1つ以上のアミノ酸置換を含有し、溶血アッセイまたはCH50eqアッセイにおいてエクリズマブの補体阻害性活性の少なくとも30(例えば、少なくとも31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95)%を依然として保持する。
本明細書に記載の抗C5抗体は、少なくとも20(例えば、少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55)日のヒトにおける血清半減期を有する。別の実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、少なくとも40日のヒトにおける血清半減期を有する。別の実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、およそ43日のヒトにおける血清半減期を有する。別の実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体は、39~48日のヒトにおける血清半減期を有する。抗体の血清半減期を測定するための方法は、当該技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、例えば、実施例に記載のマウスモデル系(例えば、C5欠損/NOD/重症複合免疫不全マウスまたはhFcRnトランスジェニックマウスモデル系)のうちの1つで測定した場合、エクリズマブの血清半減期よりも少なくとも20(例えば、少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、250、300、400、500)%高い血清半減期を有する。
一実施形態では、抗体は、本明細書に記載の抗体と同じC5上のエピトープとの結合について競合し、及び/またはそれに結合する。2つ以上の抗体に関する用語「同じエピトープに結合する」は、抗体が、所与の方法によって決定して、アミノ酸残基の同じセグメントに結合することを意味する。抗体が本明細書に記載の抗体と「同じC5上のエピトープ」に結合するかどうかを決定するための技術には、例えば、エピトープマッピング法、例えば、エピトープの原子分解能を提供する抗原:抗体複合体の結晶のX線解析及び水素/重水素交換質量分析法(HDX-MS)が含まれる。他の方法は、抗原のペプチド抗原断片または変異類型に対する抗体の結合をモニタリングし、その場合、抗原配列内のアミノ酸残基の修飾に起因して結合の喪失がしばしばエピトープ成分の指標と考えられる。また、エピトープマッピングのための計算的統合方法も使用され得る。これらの方法は、対象となる抗体が、コンビナトリアルファージディスプレイペプチドライブラリから特定の短いペプチドを親和的に単離する能力に依存する。同じVH及びVLまたは同じCDR1、2及び3配列を有する抗体は、同じエピトープに結合することが予期される。
「標的への結合について別の抗体と競合する」抗体は、標的への他の抗体の結合を(部分的または完全に)阻害する抗体を指す。2つの抗体が標的に対する結合について互いに競合するかどうか、すなわち、一方の抗体が他方の抗体の標的に対する結合を阻害するかどうか及びその程度は、既知の競合実験を使用して決定され得る。所定の実施形態では、抗体は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%標的への別の抗体の結合と競合し、その結合を阻害する。阻害または競合のレベルは、どの抗体が「ブロッキング抗体」(すなわち、標的と最初にインキュベートされるコールド抗体)であるかに応じて異なり得る。競合する抗体は、同じエピトープ、重複するエピトープ、または隣接するエピトープに結合する(例えば、立体障害によって証明される)。
本明細書に記載の方法で使用される本明細書に記載の抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、様々な当該技術分野で認識されている技術を使用して生成され得る。モノクローナル抗体は、当業者によく知られた様々な技術によって得られ得る。簡潔には、所望の抗原で免疫した動物の脾臓細胞が、一般的にはミエローマ細胞との融合によって不死化される(Kohler & Milstein,Eur.J.Immunol.6:511-519(1976))。不死化の代替的方法には、エプスタインバールウイルス、がん遺伝子、またはレトロウイルスを用いる形質転換、または当該技術分野でよく知られている他の方法が含まれる。単一の不死化細胞から生じたコロニーは、抗原に対する所望の特異性及び親和性の抗体の産生についてスクリーニングされ、そのような細胞によって産生されたモノクローナル抗体の収率は、脊椎動物の宿主の腹腔内に注入することを含む様々な技術によって増強され得る。代替的に、Huse,et al.,Science 246:1275-1281(1989)によって概説されている一般的なプロトコルに従ってヒトB細胞からのDNAライブラリーをスクリーニングすることによってモノクローナル抗体、またはその結合断片をコードするDNA配列を単離し得る。
III.組成物
また、本明細書では、本明細書に記載の処置方法において使用するための抗C5抗体、またはその抗原結合断片を含む組成物(例えば、製剤)が提供される。一実施形態では、組成物は、配列番号12に示される配列を有する重鎖可変領域におけるCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有する軽鎖可変領域におけるCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体を含む。別の実施形態では、抗C5抗体は、配列番号14及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含む。別の実施形態では、抗C5抗体は、配列番号20及び11にそれぞれ示される配列を有する重鎖及び軽鎖を含む。
組成物は、例えば、PNHの処置または予防のために対象に投与するための薬学的溶液として製剤化され得る。薬学的組成物は一般に、薬学的に許容可能な担体を含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」は、生理的に適合性のある任意の及びすべての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌及び抗真菌剤、等張化及び吸収遅延剤などを指し、これらを含む。組成物は、薬学的に許容可能な塩、例えば、酸付加塩もしくは塩基付加塩、糖、炭水化物、ポリオール及び/または張力改変剤を含み得る。
組成物は、標準的方法に従って製剤化され得る。薬学的製剤化は、よく確立された技術であり、例えば、Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy,”20th Edition,Lippincott,Williams & Wilkins(ISBN:0683306472);Ansel et al.(1999)“Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,”7th Edition,Lippincott Williams & Wilkins Publishers(ISBN:0683305727);及びKibbe(2000)“Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association,”3rd Edition(ISBN:091733096X)にさらに記載されている。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、好適な濃度で2~8℃(例えば、4℃)での保管に好適な緩衝溶液として製剤化され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、0℃未満の温度(例えば、-20℃または-80℃)での保管のために製剤化され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、最大で2年(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、1年半、または2年)間2~8℃(例えば、4℃)での保管のために製剤化され得る。よって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、少なくとも1年間2~8℃(例えば、4℃)での保管において安定である。
薬学的組成物は、様々な形態であり得る。これらの形態には、例えば、液体、半固体及び固体投薬形態、例えば、液体溶液(例えば、注射用及び注入用溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、丸剤、粉末、リポソーム及び坐剤が含まれる。好ましい形態は、部分的に、意図される投与様式及び治療用途に依存する。例えば、全身または局所送達が意図された組成物を含有する組成物は、注射用及び注入用溶液の形態であり得る。したがって、組成物は、非経口様式(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内注射)による投与のために製剤化され得る。「非経口投与」、「非経口で投与される」、及び他の文法的に等価の語句は、本明細書で使用される場合、通常は注射による、腸内及び局所投与以外の投与様式を指し、静脈内、鼻腔内、眼内、肺、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、肺内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、脳内、頭蓋内、頸動脈内及び胸骨内注射及び注入を含むがこれらに限定されない。
一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、静脈内投与のために製剤化される。例えば、一実施形態では、静脈内投与のための製剤は、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.02%ポリソルベート80、及び注射用水中の300mgのラブリズマブ(10mg/mL)を含む。別の実施形態では、静脈内投与のための製剤は、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.02%ポリソルベート80、及び注射用水中の300mgのラブリズマブ(10mg/mL)からなる。別の実施形態では、静脈内投与のためのラブリズマブは、単回使用の30mLバイアル中の濃縮された無菌防腐剤非含有水溶液(10mg/mL)として製剤化される。
一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、皮下投与のために製剤化される。例えば、一実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のための製剤は、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、7.4のpHで製剤化される。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、3.5mLの単回使用カートリッジで供給される。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブの各カートリッジは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含有する。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブの各カートリッジは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含有する。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、単回使用の身体上送達システムにおいて使用するために設計された単回使用の3.5mLの事前充填されたカートリッジにおいて濃縮された無菌防腐剤非含有水溶液(70mg/mL)として製剤化される。
IV.方法
本明細書では、ヒト患者におけるPNHを処置するための組成物及び方法であって、抗C5抗体、またはその抗原結合断片を患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、特定の臨床的投薬レジメンに従って(すなわち、特定の用量の量で及び特定の投薬スケジュールに従って)皮下に投与される(または投与のためのものである)、組成物及び方法が提供される。一実施形態では、患者は、エクリズマブ(Soliris(登録商標))ですでに処置されている。
一態様では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)をPNH患者に400mg~600mgの用量で皮下に投与する方法が提供される。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、450~550mgの用量でPNH患者に皮下に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、約400mg、405mg、410mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、または600mgの用量でPNH患者に皮下に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、約490mgの用量でPNH患者に皮下に投与される。
別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、約490mgの用量で毎週1回(例えば、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、3年間、または慢性的に、例えば、患者の残りの人生の間)PNH患者に皮下に投与される。
別の態様では、PNH患者を処置する方法であって、患者は、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)の初期用量(例えば、負荷用量)が静脈内に投与され、続いて抗C5抗体、またはその抗原結合断片が皮下投与される(例えば、2週間後)、方法が提供される。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の静脈内用量は、患者の体重に基づく。例えば、一実施形態では、≧40~<60kgの体重の患者は、抗C5抗体、またはその抗原結合断片で皮下処置される前に2400mgの抗C5抗体、またはその抗原結合断片が静脈内投与される。別の実施形態では、≧60~<100kgの体重の患者は、抗C5抗体、またはその抗原結合断片で皮下処置される前に2700mgの抗C5抗体、またはその抗原結合断片が静脈内投与される。
別の実施形態では、患者は、投与サイクルの1日目に抗C5抗体、またはその抗原結合断片の用量(例えば、2400mgまたは2700mg)が静脈内投与され、続いて投与サイクルの15日目及びその後毎週(例えば、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間、11ヶ月間、1年間、2年間、3年間、または慢性的に、例えば、患者の残りの人生の間)に抗C5抗体、またはその抗原結合断片が(例えば、490mgの用量で)皮下投与される。
別の実施形態では、PNHを有するヒト患者を処置する方法であって、方法は、投与サイクル中に有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量で、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
投与される、方法が提供される。
別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧40~<60kgの体重のPNH患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2400mgの用量で及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。
別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧60~<100kgの体重のPNH患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2700mgの用量で及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。
別の実施形態では、PNHを有するヒト患者を処置する方法であって、方法は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3重鎖配列、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3軽鎖配列を含む有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を投与サイクル中に患者に投与することを含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量で、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
投与される、方法が提供される。
別の実施形態では、PNHを有するヒト患者を処置する方法であって、
方法は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3重鎖配列、配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3軽鎖配列、ならびにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異型ヒトFc定常領域を含む有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を投与サイクル中に患者に投与することを含み、可変ヒトFc CH3定常領域は、天然ヒトIgGのFc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434(それぞれEUナンバリング)に対応する残基でMet-429-Leu及びAsn-435-Ser置換を含み、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
(a)投与サイクルの1日目に静脈内に
i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
ii.
≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
の用量で、及び
(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
投与される、方法が提供される。
一実施形態では、投与サイクルは、合計で10週の処置である。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、投与サイクル後毎週1回、最大で3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、12ヶ月間、15ヶ月間、18ヶ月間、21ヶ月間、2年間、または慢性的に、例えば、患者の残りの人生の間、皮下に490mgの用量で投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される患者は、補体阻害剤ですでに処置されている。一実施形態では、患者は、エクリズマブですでに処置されている。別の実施形態では、患者は、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、または少なくとも24ヶ月間エクリズマブですでに処置されている。特定の実施形態では、患者は、少なくとも6ヶ月間エクリズマブですでに処置されている。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、患者に投与され、その患者は、投与サイクルの1日目の前に少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約4ヶ月、少なくとも約5ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約7ヶ月、少なくとも約8ヶ月、少なくとも約9ヶ月、少なくとも約10ヶ月、少なくとも約11ヶ月、または少なくとも約12ヶ月間エクリズマブで処置されている。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、患者に投与され、その患者は、投与サイクル1日目の前に少なくとも約1年間エクリズマブで処置されている。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、患者に投与され、その患者は、投与サイクルの1日目の前に少なくとも約6ヶ月間エクリズマブで処置されている。
いくつかの実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、患者に投与され、その患者は、2週毎に約600mg、約700mg、約800mg、または約900mgの用量でエクリズマブですでに処置されている。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、患者に投与され、その患者は、2週毎([q2w])に約900mgの用量でエクリズマブですでに処置されている。
いくつかの実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、患者に投与され、投与サイクルは、患者のエクリズマブの最後の投薬の少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、または少なくとも約8週間後に開始する。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片(例えば、ラブリズマブ)は、患者に投与され、投与サイクルは、患者のエクリズマブの最後の投薬の少なくとも約2週間後に開始する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される患者は、処置の開始前3年以内またはその時に髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種されている。一実施形態では、髄膜炎菌ワクチンの摂取後2週間未満に処置を受けた患者はまた、ワクチン接種の2週間後まで適切な予防的抗生物質で処置される。別の実施形態では、本明細書に記載の方法に従って処置される患者は、髄膜炎菌血清型A、C、Y、W135、及び/またはBに対してワクチン接種される。
別の態様では、記載される処置レジメンは、抗C5抗体、またはその抗原結合断片の特定の血清トラフ濃度を維持するのに十分である。例えば、一実施形態では、処置は、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、もしくは400μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。一実施形態では、処置は、100μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、150μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、200μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、250μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、300μg/mlまたはそれを超える抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、100μg/ml~200μg/mlの抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。別の実施形態では、処置は、約175μg/mlの抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する。
別の実施形態では、有効な反応を得るために、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり少なくとも50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、または260μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり50μg~250μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり100μg~200μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。別の実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液1ミリリットル当たり約175μgの抗体を維持するための量及び頻度で患者に投与される。
V.アウトカム
PNHの症状には、疲労(例えば、倦怠感、日常活動の実施困難、集中力の低下、目まい、衰弱)、疼痛(例えば、胃痛、足の疼痛または腫れ、胸痛、背痛)、濃い色の尿、息切れ、貧血、嚥下困難、皮膚及び/または眼の黄色化、勃起不全、血栓、腎臓疾患、組織に対する損傷、脳卒中、または心臓発作が含まれるがこれらに限定されない。本明細書に開示される方法に従って処置される患者は好ましくは、PNHの少なくとも1つの徴候の改善を経験する。例えば、処置は、倦怠感、腹痛、呼吸困難、嚥下障害、胸痛、及び勃起不全の低減または停止からなる群から選択される少なくとも1つの治療効果をもたらし得る。
LDHは、血管内溶血のマーカーである(Hill,A.et al.,Br.J.Haematol.,149:414-25,2010;Hillmen,P.et al.,N.Engl.J.Med.,350:552-9,2004;Parker,C.et al.,Blood,106:3699-709,2005)。赤血球は大量のLDHを含有し、無細胞ヘモグロビンとLDH濃度との間の相関関係がin vitro(Van Lente,F.et al.,Clin.Chem.,27:1453-5,1981)及びin vivo(Kato,G.et al.,Blood,107:2279-85,2006)で報告されている。溶血の結果は、貧血とは無関係である(Hill,A.et al.,Haematologica,93(s1):359 Abs.0903,2008;Kanakura,Y.et al.,Int.J.Hematol.,93:36-46,2011)。ベースライン時及び次いで処置期間全体を通して連続して得られるLDH濃度は、溶血の重要な指標である。無細胞血漿ヘモグロビンのベースラインレベルは、正常の上限の≧1.5のLDH(LDH≧1.5×ULN)を有するPNHを有する患者において非常に上昇し、LDHと無細胞血漿ヘモグロビンとの間には有意な相関関係がある(Hillmen,P.et al.,N.Engl.J.Med.,355:1233-43,2006)。正常LDH値の範囲は、105~333IU/L(リットル当たりの国際単位)である。
公表されているデータは、PNHを有する患者における血管内溶血の信頼性が高く、客観的で直接的な指標としてのLDHを支持しており、PNHの疾患活性の特徴である補体媒介溶血の最良の指標であると専門家によって考えられている(Dale J.et al.,Acta Med Scand.,191(1-2):133-136,1972;Parker C.et al.,Blood.106(12):3699-3709,2005;Canalejo K et al.,Int J Lab Hemat.,36(2):1213-1221,2013)。エクリズマブの臨床プログラムからの結果は、未処置(プラセボ)の患者ではLDH濃度が顕著に上昇したまま変化しなかったのに対し、エクリズマブで処置された患者は、血清LDHが(処置開始後1週間以内に)正常またはほぼ正常レベルまで直ちに減少したことを示した(Brodsky RA et al.,Blood,111(4):1840-1847,2008;Hillmen P et al.,Am J Hematol.,85(8):553-559,2010.Erratum in Am J Hematol.2010;85(11):911)。この低減は、症状の急速な低減及び倦怠感の改善を反映していた(Hillmen P et al.,Am J Hematol.,85(8):553-559,2010;Brodsky RA et al.,Blood,111(4):1840-1847,2008)。
LDHレベルは、Ferri FF,ed.Ferri’s Clinical Advisor 2014.Philadelphia:Pa:Elsevier Mosby;2014:Section IV-Laboratory tests and interpretation of resultsによって記載されているものなどの任意の好適な検査またはアッセイを使用して測定され得る。LDH濃度は、患者から得られる様々なサンプル、特に、血清サンプルで測定され得る。本明細書で使用される場合、用語「サンプル」は、対象からの生物学的物質を指す。血清LDH濃度が対象となるが、サンプルは、例えば、単一の細胞、複数の細胞、組織、腫瘍、生物学的流体、生物学的分子または前述のいずれかの上清もしくは抽出物を含む他の供給源から誘導され得る。例には、生検のために取り出された組織、切除中に取り出された組織、血液、尿、リンパ組織、リンパ液、脳脊髄液、粘液、及び便のサンプルが含まれる。使用されるサンプルは、アッセイフォーマット、検出方法及びアッセイされる腫瘍、組織、細胞または抽出物の性質に基づいて異なる。サンプルを調製するための方法は、当該技術分野で知られており、利用される方法と適合性のあるサンプルを得るために容易に適合され得る。
一実施形態では、LDHレベルは、療法に対する反応性を評価するために使用される(例えば、LDHレベルによって評価される溶血の低減は、PNHの少なくとも1つの徴候の改善を示す)。例えば、一実施形態では、本明細書に記載の処置は、LDHレベルの正常化をもたらす。別の実施形態では、開示される方法に従って処置される患者は、ほぼ正常レベルまでまたは正常レベルと考えられるもの(例えば、105~333IU/L(リットル当たりの国際単位)よりも10%以内、または20%以内だけ高いレベルまでのLDHレベルの減少を経験する。別の実施形態では、患者のLDHレベルは、処置を開始する前に正常の上限の≧1.5倍高い(LDH≧1.5×ULN)。別の実施形態では、患者のLDHレベルは、処置の維持期間全体を通して正常化される。別の実施形態では、処置された患者のLDHレベルは、処置の維持期間中の時間の少なくとも95%で正常化される。別の実施形態では、処置された患者のLDHレベルは、処置の維持期間中の時間の少なくとも90%、85%または80%で正常化される。一実施形態では、患者のLDHレベルは、処置を開始する前に正常の上限の≧1.5倍高い(LDH≧1.5×ULN)。
別の実施形態では、処置は、エクリズマブでの処置と比べてブレイクスルー溶血の減少をもたらす。別の実施形態では、処置は、処置期間中にブレイクスルー溶血の排除をもたらす。別の実施形態では、処置は、ブレイクスルー溶血の処置前ベースライン量と比較してブレイクスルー溶血の減少をもたらす。
別の実施形態では、処置は、輸血の必要性の低減をもたらす。別の実施形態では、処置は、輸血回避の増加をもたらす。別の実施形態では、処置は、輸血回避の少なくとも50%の増加をもたらす。別の実施形態では、処置は、輸血回避の少なくとも60%の増加をもたらす。別の実施形態では、処置は、輸血回避の70%を超える増加をもたらす。すべての場合において、輸血回避は、輸血を受ける要件についての処置前の頻度に対して測定される。
別の実施形態では、処置は、主要有害血管性事象(MAVE)(例えば、血栓性静脈炎/深部静脈血栓症、肺動脈塞栓、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、不安定狭心症、腎静脈血栓症/腎動脈血栓症/糸球体血栓症、腎梗塞、急性末梢血管閉塞、腸間膜/内臓静脈/動脈血栓症または梗塞、肝臓/門脈血栓症、脳動脈閉塞/脳血管発作、脳静脈閉塞、腎動脈血栓症、または多発梗塞性認知症)の低減をもたらす。
別の実施形態では、処置は、遊離ヘモグロビン、ハプトグロビン、網状赤血球数、PNH赤血球(RBC)クローン及びD-ダイマーからなる群から選択される溶血関連血液学的バイオマーカーの正常レベルに向かうシフトをもたらす。別の実施形態では、処置は、患者の処置前ベースラインからのヘモグロビン安定性の上昇をもたらす。
別の実施形態では、処置は、推算糸球体濾過率(eGFR)及びスポット尿:アルブミン:クレアチニンならびに血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)からなる群から選択される慢性疾患関連バイオマーカーの正常レベルに向かうシフトをもたらす。
別の実施形態では、処置は、慢性疾病療法の機能的評価(FACIT)-倦怠感スケール、バージョン4及び欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケールにより評価され、実施例にさらに詳細に記載される生活の質におけるベースラインからの変化をもたらす。別の実施形態では、処置は、慢性疾病療法の機能的評価(FACIT)-倦怠感スケール、バージョン4及び欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケールにより評価される、処置されていない患者のベースラインスコアから少なくとも7ポイントの、生活の質におけるベースラインからの変化をもたらす。
VI.キット
また、本明細書では、先行する方法において使用するために適合された治療的有効量で抗C5抗体、またはその抗原結合断片、例えば、ラブリズマブ、及び薬学的に許容可能な担体を含有するキットが提供される。キットはまた任意に、実施者(例えば、医師、看護師、または患者)がそこに含有される組成物をPNHを有する患者に投与することを可能にするために、例えば、投与スケジュールを含む指示書を含み得る。キットはまた、シリンジまたは身体上送達システム(OBDS)を含み得る。
一実施形態では、ヒト患者におけるPNHを処置するためのキットであって、キットは、(a)配列番号12に示される配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、ならびに配列番号8に示される配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体、またはその抗原結合断片の用量;及び(b)本明細書に記載の方法において抗C5抗体、またはその抗原結合断片を使用するための指示書を含む、キットが提供される。一実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧40~<60kgの体重の患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2400mgの用量で;及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。別の実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧60~<100kgの体重の患者に、(a)投与サイクルの1日目に1回静脈内に2700mgの用量で;及び(b)投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で投与される。特定の実施形態では、抗C5抗体は、ラブリズマブである。
VII.デバイス
身体上注射器と共包装された皮下投与のためのラブリズマブの事前充填されたカートリッジを含むデバイス(例えば、身体上送達システム(OBDS)がさらに提供される。一実施形態では、デバイスは、無菌であり、単回使用のためのものであり、使い捨てであり、及び/または電気機械式である。別の実施形態では、身体上注射器は、29ゲージの針を含む。別の実施形態では、事前充填されたカートリッジは、3.5mLのカートリッジである。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)からなる。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgのラブリズマブ(70mg/mL)からなる。別の実施形態では、皮下投与のためのラブリズマブは、約7.4のpHで製剤化される。
本明細書に記載される皮下投与のためにラブリズマブと合わせて使用するための例示的なデバイスは、West Pharmaceuticals,Inc.によって製造されている身体上送達システム(OBDS)であり、これは現在、米国では併用剤としてエボロクマブ(Repatha(登録商標))との使用について承認されており、欧州連合ではクラスIIA医学的デバイスとしてCEマークされている。そのデバイスは、ピストン及び伸縮式スクリュー組立体(TSA)を有する事前充填された栓がされたCrystal Zenith(登録商標)カートリッジと一緒に使用されるように設計された、29ゲージの統合針(West Pharmaceuticals,Inc.によって製造されている)を有するコンパクトな無菌の単回使用の使い捨ての電気機械式(バッテリー駆動、マイクロプロセッサ制御)の調査用医学的デバイスである。
以下の実施例は単なる例示であり、多くの類型及び均等物が本開示を読むと当業者に明らかになるため、本開示の範囲をいかなる形でも限定するものと解釈されるべきではない。
本出願全体を通して引用されているすべての文献、Genbankエントリー、特許及び公開特許出願の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施例1:第3相臨床試験
現在エクリズマブで処置されている発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を有する成人患者において皮下対静脈内で投与されるラブリズマブの第3相無作為化並行群間多施設非盲検薬物動態非劣性試験が行われる。
1.目標
一次目標は、試験参入前の少なくとも6ヶ月間エクリズマブですでに処置されている臨床的に安定な発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を有する患者において身体上送達システム(OBDS)を介して皮下(SC)投与されるラブリズマブの薬物動態(PK)をラブリズマブ静脈内(IV)と比較することである。ラブリズマブIVのPK曝露と臨床有効性との間の確立された関係性に基づいて、ラブリズマブIVに対するラブリズマブSCのPK非劣性は、ラブリズマブIVからラブリズマブSCへの有効性及び安全性データの橋渡しを可能にする。試験仮説は、71日目のラブリズマブSC血清Cトラフが、71日目のラブリズマブIV血清Cトラフと比較して非劣性であるということである。試験はまた、ラブリズマブSC及び薬物-デバイス統合製品であるラブリズマブOBDSの安全性及び耐容性を実証することが意図されている。
一次及び二次目標、ならびにそれらのエンドポイントが以下の表1にまとめられている:
Figure 2022512632000004
略語:ADA=抗薬物抗体;C5=補体成分5;Cトラフ=投薬前濃度;EORTC=欧州がん研究治療機構;FACIT=慢性疾病療法の機能的評価;HRQoL=健康に関連する生活の質;IV=静脈内;LDH=乳酸脱水素酵素;OBDS=身体上送達システム;PD=薬力学(複数可);PK=薬物動態(複数可);QLQ-C30=生活の質質問票-コア30スケール;SC=皮下;TASQ=治療管理達成度質問票(Treatment Administration Satisfaction Questionnaire)。
2.全体の設計
これは、試験参入の前の少なくとも6ヶ月間、エクリズマブですでに処置されている臨床的に安定なPNHを有する成人患者において静脈内投与されたラブリズマブIVと比較してOBDSを介して投与されたラブリズマブSCのPK非劣性を評価するための第3相無作為化非盲検並行群間多施設試験である。試験の概要が図1に示されている。
試験は、最大で4週のスクリーニング期間、10週の無作為化処置期間、及び42週の延長期間からなる。試験参入は、インフォームドコンセントが提供された日として定義される。患者は、体重群(≧40~<60kg及び≧60~<100kg)によって層別化され、次いで2:1の比で無作為化されてラブリズマブSCまたはラブリズマブIVのいずれかを摂取する。
無作為化処置期間中のすべての投薬(SC投薬を含む)は、現場試験チームのトレーニングを受けたメンバーによってクリニックで投与される。試験処置の1日目は、患者のエクリズマブの最後の用量から12~16日に生じる。評価可能なPKデータを有する患者の適切な数を確保するために、試験薬の投与及び投薬前のPKサンプル取得のタイミングが重要である。
試験は、少なくとも105人の患者(ラブリズマブSC群で70人の患者;ラブリズマブIV群で35人の患者)を含む。サンプルサイズ再推定のための中間分析を行い、サンプルサイズを最大で144人の患者まで増加させ得る。ラブリズマブIV及びSCの製剤が以下の表2に記載されている。
Figure 2022512632000005
略語:IV=静脈内;OBDS=身体上送達システム;SC=皮下。
ラブリズマブOBDSは、単回使用の注射器と共包装された無菌の単回使用の事前充填されたカートリッジ組立体中に245mgのラブリズマブSCを含有するキットで供給される。2つキットは、ラブリズマブSCの十分な490mg用量を送達するために使用される。
ラブリズマブIV負荷及び維持用量は、各投薬来訪における投薬前の患者体重に基づく。
ラブリズマブSC群に無作為に割り当てられた患者は、1日目でラブリズマブIVの負荷用量を摂取し、続いて15日目及びその後毎週、合計で試験処置の10週間ラブリズマブSCの維持用量を摂取する。2つのラブリズマブOBDSキットは、ラブリズマブSCの十分な維持用量を送達するために使用される。ラブリズマブIV群に無作為に割り当てられた患者は、1日目でラブリズマブIVの負荷用量を摂取し、続いて15日目でラブリズマブIVの維持用量を摂取する。26週の無作為化処置期間中の投薬が以下の表3に示されている。
Figure 2022512632000006
a体重群≧40~<60kg。
b体重群≧60~<100kg。
c現場試験チームのトレーニングを受けたメンバーによってクリニックで投与される。
d患者による自己投与。
略語:IV=静脈内;OBDS=身体上送達システム;qw=毎週;SC=皮下。
71日目は、無作為化処置期間の終了及び延長期間の開始である。投薬前に完了した71日目のすべての評価は、無作為化処置期間の一部とみなされる。71日目での投薬は、延長期間の開始である。延長期間中、(1)ラブリズマブSC群に無作為化された患者は、71日目及びその後毎週延長期間の終了(365日目)まで2つのOBDSキットを使用して490mgのラブリズマブSCの摂取を継続し、(2)ラブリズマブIV群に無作為化された患者は、71日目及びその後毎週延長期間の終了(365日目)まで2つのOBDSキットを使用して490mgのラブリズマブSCに切り替える。
延長期間中のラブリズマブSC投薬は、ラブリズマブSCがクリニックで投与されなければならない以下の例外を除いて患者によって自宅で自己投与される:(1)71日目でのラブリズマブSCの490mgの用量が、自宅での自己投与のために必要とされるトレーニングプログラムの一部としてクリニックで患者によって自己投与される、(2)試験来訪と一致する用量が、クリニックで患者によって自己投与される、及び(3)自宅投与が不可能である領域/国において、ラブリズマブSC投与が延長期間中にクリニックで行われ得る。
3.活動のスケジュール
スクリーニングのための活動のスケジュール(SoA)及び無作為化処置期間を、表4におけるラブリズマブSC群及び表5におけるラブリズマブIV群のために提供する。71日目は、無作為化処置期間の終了である。71日目についてのすべての評価は、投薬前に実施する。71日目での投薬は、延長期間の開始である。延長期間のためのSoAが表6に示されている。延長期間におけるラブリズマブSCの最初の用量は、自宅環境で自己投与のための必要とされるトレーニングプログラムの一部としてクリニックで自己投与される。
Figure 2022512632000007
Figure 2022512632000008
a投薬は、無作為化処置期間中に示された来訪日に投与される。
b無作為化処置期間についての71日目の評価は、71日目に投薬前に実施される。
cすべての患者は、試験薬の開始の前の3年以内または開始時に、髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種される。
dスクリーニング時及び1日目に高感度フローサイトメトリーによって測定された白血球(顆粒球及び単球)及び赤血球のクローンサイズ;71日目では赤血球クローンサイズのみ。
e妊娠を予定している女性患者のみ:スクリーニング時及び71日目での血清妊娠検査;すべての他の必要な時点での尿妊娠検査。示された来訪時に妊娠の可能性のある女性患者にラブリズマブを投与する前に陰性の尿検査結果が必要とされる。
f1日目の評価が実施された後、1日目でのラブリズマブIVの体重に基づく投薬(≧40~<60kgの患者の場合2400mg及び≧60~<100kgの患者の場合2700mg)が投与される。
g15日目及びその後のラブリズマブSCの490mgの毎週の維持用量。
h新たなまたは悪化する異常はAEとして報告される
iPK/PD/ADA分析のための血清サンプルは、可能な限り投薬の近くで取得されるが、投薬前の30分以内に取得される。サンプルは、IV投薬のために使用されたものとは反対側の腕から取得される。サンプルは、ヘパリン化ラインからは取得されない。
jスクリーニング時に、患者は、そのエクリズマブ用量の摂取の24時間以内にTASQ-IVを完了する。
kラブリズマブSC群に無作為化された患者は、スクリーニング時、1日目及び15日目にTASQ-IVを完了し、次いで43日目及び71日目にTASQ-SCを完了する。
l投薬日に、試験薬投与の前にバイタルサインが得られる。
m卵胞刺激ホルモンレベルは、閉経後の状態を確認するためにスクリーニング中にのみ測定される。
n省略された身体検査は、治験責任医師(または被指名者)の判断及び患者の症状に基づく身体系関連検査からなる。省略された身体検査のために少なくとも1つの身体系がチェックされる。
oブレイクスルー溶血が疑われる事象が生じた場合、LDH、PK、PD、及びADAパラメータのための血液サンプルが取得され、分析のために中央ラボラトリに送られる。予定された来訪時にブレイクスルーが疑われる事象が生じていない場合、患者の評価及び必要とされる血液サンプルの取得のために予定されていない来訪が行われる。
略語:ADA=抗薬物抗体;ECG=心電図;EORTC QLQ-C30=欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケール;FACIT-倦怠感=慢性疾病療法の機能的評価-倦怠感スケール;HIV=ヒト免疫不全ウイルス;IV=静脈内;LDH=乳酸脱水素酵素;PD=薬力学(複数可);PK=薬物動態(複数可);PNH=発作性夜間ヘモグロビン尿症;qw=毎週;SC=皮下;TASQ=治療管理達成度質問票。
Figure 2022512632000009
Figure 2022512632000010
a投薬は、無作為化処置期間中に示された来訪日に投与される。
b無作為化処置期間についての71日目の評価は、71日目に投薬前に実施される。
cすべての患者は、試験薬の開始の前の3年以内または開始時に、髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種される。
dスクリーニング時及び1日目に高感度フローサイトメトリーによって測定された白血球(顆粒球及び単球)及び赤血球のクローンサイズ;71日目では赤血球クローンサイズのみ。
e妊娠の可能性のある女性患者のみ。スクリーニング時及び71日目での血清妊娠検査;すべての他の必要な時点での尿妊娠検査。示された来訪時に妊娠の可能性のある女性患者にラブリズマブを投与する前に陰性の尿検査結果が必要とされる。
f1日目の評価が実施された後、1日目でのラブリズマブIVの体重に基づく負荷用量(≧40~<60kgの体重の患者の場合2400mg及び≧60~<100kgの体重の患者の場合2700mg)が投与される。
g15日目でのラブリズマブの体重に基づく維持投薬は、≧40~<60kgの体重の患者の場合3000mg及び≧60~<100kgの体重の患者の場合3300mg)。
h新たなまたは悪化する異常はAEとして報告される
iPK/PD/ADA分析のための血清サンプルは、可能な限り投薬の近くで取得されるが投薬前の30分以内に取得される。サンプルは、IV投薬のために使用されたものとは反対側の腕から取得される。サンプルは、ヘパリン化ラインからは取得されない。
j57日目に投与されたラブリズマブの用量はない;57日目でのサンプル評価中の任意の時間にサンプルが取得される。
kスクリーニング中、患者は、エクリズマブの用量の摂取の24時間以内にTASQ-IVを完了する。
l投薬日に、試験薬投与の前にバイタルサインが得られる。
m卵胞刺激ホルモンレベルは、閉経後の状態を確認するためにスクリーニング中にのみ測定される。
n省略された身体検査は、治験責任医師(または被指名者)の判断及び患者の症状に基づく身体系関連検査からなる。省略された身体検査のために少なくとも1つの身体系がチェックされる。
oブレイクスルー溶血が疑われる事象が生じた場合、LDH、PK、PD、及びADAパラメータのための血液サンプルが取得され、中央ラボラトリに送られる。予定された来訪時にブレイクスルーが疑われる事象が生じていない場合、患者の評価及び必要とされる血液サンプルの取得のために予定されていない来訪が行われる。
略語:ADA=抗薬物抗体;AE=有害事象;ECG=心電図;EORTC QLQ-C30=欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケール;FACIT-倦怠感=慢性疾病療法の機能的評価-倦怠感スケール;HIV=ヒト免疫不全ウイルス;IV=静脈内;LDH=乳酸脱水素酵素;PD=薬力学(複数可);PK=薬物動態(複数可);PNH=発作性夜間ヘモグロビン尿症;TASQ=治療管理達成度質問票。
Figure 2022512632000011
Figure 2022512632000012
a71日目の投薬は、延長期間の開始である。71日目でのラブリズマブSCの490mgの用量は、必要とされるトレーニングプログラムの一部としてクリニックで自己投与される。
b来訪日ではない:患者が、投与される試験薬用量、患者の電子日記の完了、及びデバイス状態について質問されることを確保するために最初の自宅投薬日に電話によって患者に連絡するための現場
cPNHのための代替処置に移行する患者は、365日目でのすべての試験評価の完了またはET来訪後に移行することができる。
d現場試験チームの資格のあるメンバーは、必要とされる2つのOBDSキットを使用したラブリズマブSCの適正な自己投与の仕方について初期の(及び必要に応じて継続的な)実演トレーニングを提供する。試験来訪日に一致する投薬は、クリニックで事故投与される。
ePK/PD/ADA分析のための血清サンプルは、投薬前に取得される。サンプルは、ヘパリン化ラインからは取得されない。
f試験薬投与の前にバイタルサインが得られる。
g妊娠の可能性のある女性患者についてのみ。ETのみでの血清妊娠検査;すべての他の時点での尿妊娠検査。示された来訪時に妊娠の可能性のある女性患者にラブリズマブを投与する前に陰性の尿検査結果が必要とされる。
h省略された身体検査は、治験責任医師(または被指名者)の判断及び患者の症状に基づく身体系関連検査からなる。省略された身体検査のために少なくとも1つの身体系がチェックされなければならない。
iブレイクスルー溶血が疑われる事象が生じた場合、LDH、PK、PD、及びADAパラメータのための血液サンプルが取得され、分析のために中央ラボラトリに送られる。予定された来訪時にブレイクスルーが疑われる事象が生じていない場合、患者の評価及び必要とされる血液サンプルの取得のために予定されていない来訪が行われる。
j追跡調査の電話は、試験薬の最後の用量の30日後に行われ、有害事象及び併用薬モニタリングに限定される。
k新たなまたは悪化する異常はAEとして報告される
略語:ADA=抗薬物抗体;ECG=心電図;EORTC QLQ-C30=欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケール;ET=早期終了;FACIT-倦怠感=慢性疾病療法の機能的評価-倦怠感スケール;LDH=乳酸脱水素酵素;NA=該当なし;OBDS=身体上送達システム;PD=薬力学(複数可);PK=薬物動態(複数可);PNH=発作性夜間ヘモグロビン尿症;SC=皮下;TASQ=治療管理達成度質問票。
4.包含基準
患者は、すべての包含基準を満たし、除外基準満たさないことが必要である。患者適格性は、無作為化の前に審査され、確認される。適格基準のいずれかを満たさない患者は、1回再スクリーニングされ得る。患者は、以下の基準のすべて満たす場合、試験についての適格性がある:
1.患者は、インフォームドコンセントの署名時に少なくとも18歳である。
2.試験参入前の少なくとも6ヶ月間PNHのためにラベルの投薬推奨(14日±2日毎に900mg)に従ってエクリズマブで処置され、試験参入前の2ヶ月以内に投薬忘れがなく、2つ以下の用量が来訪ウィンドウ外である。
3.スクリーニング時に中央ラボラトリに従って乳酸脱水素酵素レベル≦1.5×ULN(正常の上限)。サンプルは、予定されたエクリズマブの用量投与前の24時間以内または直前(すなわち、エクリズマブのトラフレベル)に得なければならない。
4.高感度フローサイトメトリー評価によって確認されたPNHの診断を文書化した(Borowitz MJ,et al.,Cytometry B Clin Cytom.2010;78(4):211-230)。
5.髄膜炎菌感染症(N meningitidis)のリスクを低減するために試験薬を開始する前の3年以内、または開始時に髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種されている。
6.体重≧40~<100kgであり、治験責任医師の意見において、試験の継続期間、この体重範囲内を維持する可能性が高い。
7.妊娠の可能性のある女性患者及び妊娠の可能性のある女性パートナーを有する男性患者は、処置中及び試験薬の最後の用量の後少なくとも8ヶ月間、プロトコルで特定された避妊ガイダンスに従わなければならない。
8.患者(またはその法的に承認された代理人)は、書面によるインフォームドコンセントを提供する意思があり、かつ提供することができなければならず、ラブリズマブSC用量の自己投与、及び患者データを直接記録するための任意のデータ取得デバイス(複数可)の使用を含む、すべての試験来訪及び手順に従う意思があり、かつ従うことができなければならない。
5.除外基準
以下の基準のいずれかに該当する場合、患者は試験から除外される:
1.試験参入前の6ヶ月以内に1超のLDH値>2×ULN。
2.試験参入前の6ヶ月以内の主要な有害血管性事象(MAVE)。
3.スクリーニング時に血小板数<30,000/mm3(30×109/L)。
4.スクリーニング時に絶対好中球数<500/μL(0.5×109/L)。
5.骨髄移植の既往歴。
6.N meningitidis感染症の既往歴。
7.原因不明の感染症の既往歴。
8.1日目での試験薬投与前の14日以内の活性全身性細菌、ウイルス、または真菌感染症。
9.1日目での試験薬投与前の7日以内の発熱≧38℃(100.4°F)の存在。
10.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症(HIV-1またはHIV-2抗体力価によって証明される)。
11.スクリーニングの5年以内の悪性腫瘍の既往歴(再発の証拠を伴わずに処置されている非黒色腫皮膚癌または子宮頸部の上皮内癌を除く)。
12.調査用臨床試験における患者の参加を不可能にする重大な心臓、肺、腎臓、内分泌、または肝臓疾患(例えば、活動性肝炎)の既往歴またはその進行中のもの。
13.患者がプロトコルの要件に耐容する可能性を低いものとするであろう不安定な医学的状態(例えば、心筋虚血、活動性消化管出血、重度鬱血性心不全、1日目の6ヶ月以内に重大な手術の必要性が予想されること、PNHとは無関係の慢性貧血の併発)。
14.マウスのタンパク質に対する過敏症を含む、試験薬に含有される任意の成分に対する過敏症の既往歴。
15.妊娠を計画している、または現在妊娠中または授乳中の女性患者。
16.スクリーニング時または1日目に陽性の妊娠検査結果を有する女性患者。
17.患者の試験への全面的な参加を妨げる可能性があるか、患者に対する追加のリスクをもたらす可能性があるか、または試験のアウトカムを混乱させる可能性のある既知の医学的または心理学的な状態(複数可)またはリスク因子。
18.スクリーニング前の1年以内の既知のまたは疑われる薬物またはアルコールの乱用または依存症の既往歴。
19.SC自己投与のための要件を満たすことが不可能。
20.無作為化処置期間中に毎週の来訪のためにクリニックに移動することが不可能、または試験薬の物流要件を満たすことが不可能。
21.試験参入前の少なくとも2週間、抗凝固剤の併用は、安定したレジメン上にない場合、禁止される。
22.本試験における1日目での試験薬の開始前30日以内またはその調査用製品の5半減期以内のいずれか長い方での他の試験への参加または任意の実験的療法の使用(観察試験[例えば、:PNH登録]への参加を除く)。
23.任意の時点で任意の他の実験的C5アンタゴニストを摂取した。
6.試験薬及び医学的デバイス
a.ラブリズマブ
ラブリズマブSCは、pH7.4で製剤化され、3.5mLの単回使用カートリッジで供給される。ラブリズマブSCの各カートリッジは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中の245mgまたは262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含有する。ラブリズマブIVは、7.0のpHで製剤化され、30mLの単回使用バイアルで供給される。ラブリズマブIVの各バイアルは、10mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、0.02%ポリソルベート80、及び注射用水中の300mgのラブリズマブ(10mg/mL)を含有する。
ラブリズマブSC及びラブリズマブIVの製剤は両方とも、ヒトの使用に好適であり、現行の適正製造基準下で製造される。ラブリズマブSC及びラブリズマブIV製剤に関する詳細が表7に示されている。ラブリズマブSC群及びラブリズマブIV群についての投薬参照チャートが表8及び9にそれぞれ示されている。
Figure 2022512632000013
aラブリズマブOBDSは、ラブリズマブを含有する事前充填されたカートリッジ及びSC投与のために共包装されたWest SmartDoseデバイスの薬物-デバイス統合製品である。
略語:IV=静脈内;OBDS=身体上送達システム;SC=皮下。
Figure 2022512632000014
注:追加の用量調製指示書が薬局マニュアルに提供される。
aラブリズマブIV用量。
bSC注入速度はデバイスに事前プログラム化されている。9分は使用指示書に基づく目安である。
略語:IV=静脈内;NA=該当なし;SC=皮下。
Figure 2022512632000015
注:追加の用量調製指示書が薬局マニュアルに提供される。
a用量レジメンは、最後に記録された試験来訪体重に基づく。
略語:IV=静脈内;NA=該当なし;SC=皮下。
無作為化処置期間中、現場試験チームのトレーニングを受けたメンバーが、クリニックにおいてラブリズマブSCを患者に毎週投与する。延長期間中、必要とされるトレーニングの完了後、患者は、評価のスケジュールに記述されている場合を除き、自宅でその毎週の注入剤を自己投与する。
患者は、使用指示書(「IFU」)に記述されているように従う。用量が送達されず、または部分的な用量が送達される身体上送達システム(OBDS)の機能不全の事象では、患者は、新たなOBDSを使用して、患者が少なくとも490mgのラブリズマブSCを摂取することを確保する。
ラブリズマブIVは、IVプッシュまたはボーラス注射として投与されない。ラブリズマブIVの注入は、無菌技術を使用して調製される。患者のラブリズマブの必要とされる用量は、表8及び9で特定されているようにさらに希釈される。投薬溶液が患者のために調製されると、それはその患者にしか投与されない。薬物は、注入ポンプを介してIVチューブセットを使用して投与される。0.2ミクロンフィルターの使用は、ラブリズマブIVの注入中に必要とされる。試験薬のバイアルは1回のみの使用のためのものであり、バイアル内に残ったいかなる薬物製品も別の患者に使用されない。
投薬溶液の使用期限は、周囲温度で6時間である。投薬溶液の有効日時は、最初のバイアルの開封から計算される。用量は有効日時の範囲内で投与される。
b.身体上送達システム(OBDS)
ラブリズマブOBDS薬物-デバイス統合製品は、ラブリズマブSCを含有する事前充填されたカートリッジ及び身体上注射器からなる。ラブリズマブOBDSは、事前充填されたカートリッジ組立体からSC組織に固定用量のラブリズマブをステンレス鋼の29ゲージの針を介して固定速度で投与するコンパクトで無菌の単回使用の電気機械式のウェアラブル注入デバイスである。そのデバイスは、Medical Device Directive93/42/EECの定義のとおり、一時使用のための無菌の単回使用の外科的侵襲性能動的医学的デバイスである。デバイスは、除去不可能なバッテリーを含有し、生体適合性接着パッチを含む。接着剤を有するデバイスは、投薬の完了後に皮膚から除去される。
一次容器クロージャ(カートリッジ)は、クロロブチルエラストマー隔膜、クロロブチルエラストマーピストン、及びピストンに螺入されたTSAを有する5mLのCZカートリッジからなる。事前充填されたCZカートリッジは、2区画ブリスタートレイにおいて身体上注射器と共包装される。事前充填されたカートリッジ組立体は、患者によって使用される直前にデバイスに装填される。デバイスは、提供される3.5mLの事前充填されたカートリッジでの使用のためにのみ設計される。
カートリッジをデバイスに装填し、デバイスを皮膚と接着させ、デバイスを起動させた後、3.5mLの用量が10分未満で送達される。
無作為化処置期間及び現場試験チームの資格のあるメンバーによるデバイスの使用についてのトレーニングの完了の後、すべての患者は、SoAに特定されるラブリズマブSC用量を自己投与する。
ラブリズマブOBDS薬物-デバイス統合物は、2つの部分:ラブリズマブを含有する事前充填されたカートリッジ及び身体上注射器からなる。事前充填されたカートリッジ及びデバイス構成部分は、無菌障壁を提供するためにデバイスを含有する区画の上にTyvek蓋を有する熱成型されたブリスターパック内に共包装される。二次包装は、ブリスターパックを含有するブランクカートン及び関連する指示書を有するブックレットラベルからなる。識別追跡ラベルはTyvekで覆われたブリスターに貼付され、シリアル番号ラベルはデバイスの側面に貼付され、シングルパネルラベルは各カートリッジに添付される。
c.取り扱い、保管、説明責任、及び投与
試験薬(ラブリズマブIV及びラブリズマブOBDSキットの一部としてのラブリズマブSC)の調製、取り扱い、保管、説明責任、及び投与に関する詳細は、クリニックでの投与または自宅での自己投与にかかわらず、以下のとおりである。
ラブリズマブIV及びラブリズマブSCのクリニック内投与のため、試験薬キットは、該当する規制に基づいてすべての必要書類の受領後に各現場にリリースされる。試験現場で試験薬キットが到着すると、薬剤師または被指名者が速やかに試験薬キットを輸送クーラーから取り出し、それらを2℃~8℃(35°F~47°F)の冷蔵条件下で遮光してそれらの元のカートン内で保管する。ラブリズマブIV混合薬物製品及びラブリズマブOBDSキットは、投与前に周囲温度にする。その物質は、(例えば、マイクロ波または他の熱源を使用して)加熱されない。承認された現場スタッフのみが試験薬を供給または投与し得る。患者は、71日目にラブリズマブOBDSを使用して自己投与するためのトレーニングを、現場の試験チームの資格のあるメンバーによって受け、指定された時間に自己投与する。すべての試験薬は、アクセスが治験責任医師及び承認された現場スタッフに限定されたラベル化された保管条件に従って、安全で、環境的に制御され、モニタリング(手動または自動)される領域で保管される。治験責任医師、機関、薬剤師、または医療機関の長(該当する場合)は、試験薬の説明責任、照合、及び記録維持(すなわち、受領、照合、及び最終処分記録)の責任を負う。機関の手順が、使用済ラブリズマブIV試験薬の即座の破壊を必要としない限り、使用済及び未使用のIV試験薬バイアルに対する説明責任が実施される。ラブリズマブOBDSは、薬物投与後に生物学的廃棄容器に直ちに廃棄される単回使用デバイスである。説明責任は、使用済及び未使用のカートリッジ及びデバイスに対して実施される。試験の終了時に、供給され、調剤され、その後破棄または返却された試験薬キットの量の間で最終照合が実施される。
ラブリズマブSCの自宅投与のため、延長期間中の毎週の自己投与のためのラブリズマブOBDSキットが、領域及び現地の要件に従って患者に提供される。ラブリズマブOBDSキットを受領すると、患者は、使用指示書に従って速やかにそれらを保管する。患者は、各投薬日にトレーニング指示書及び使用説明書に従い、それらのラブリズマブの用量の適切な投与を確保し、また、電子日記を使用して自己投与及びアウトカムを文書化する。
d.事前療法及び併用療法
スクリーニングの開始前の28日以内から試験薬の最初の用量までに患者が服用または受ける除外基準及び手続(手術/生検または理学療法などの任意の療法的介入)で議論されているものを含む事前の投薬(ビタミン及びハーブ調製物を含む)は、患者の電子症例報告フォーム(eCRF)に記録される。また、髄膜炎菌ワクチン接種歴が、試験薬の最初の用量の前の3年間取得される。最初の試験薬の投与前1年以内に受けた濃厚赤血球の輸血は、患者のeCRFに記録される。
試験中に行われるすべての薬剤の使用及び手順が、患者の情報源文書/医学的チャート及びeCRFに記録される。この記録には、すべての処方薬、ハーブ製品、ビタミン、ミネラル、市販薬、及びPNHのための現在の薬剤が含まれる。併用薬は、患者がPNHの代替処置に移行しない限り、試験薬の最初の注入から患者の試験薬の最後の用量の30日後まで記録される。併用薬の任意の変更はまた、患者のソース文書/カルテ及びeCRFに記録される。試験中の患者の標準的治療、または任意の有害事象の処置に必要と考えられる任意の併用薬は、以下に記載の許可された薬剤と合わせて、治験責任医師の裁量で提供され得る。しかしながら、すべての薬剤に関する詳細が、患者のソース文書/カルテ及びeCRFに十分に記録されることを確保することは治験責任医師の責任である。
抗凝固剤の併用は、試験参入前の少なくとも2週間、安定した用量レジメン上にない場合、禁止される。患者の割り当てられた試験処置以外の補体阻害剤の使用は禁止される。
e.用量または処置群の改変
無作為化処置期間中にラブリズマブIVを摂取した患者は、延長期間の開始時に毎週のラブリズマブSC490mgに切り替えられ、試験の継続期間中この処置で継続する。
無作為化処置期間中、ラブリズマブIVが投与された任意の患者が71日目前に体重≧100kgに達した場合、患者のデータは、一次エンドポイント分析から除外され、患者を試験から中断させる。患者の体重が71日目で≧100kgである場合、患者のデータは一次分析に含められる。その患者は、71日目の投薬前評価の完了後に試験から中断させる。無作為化処置期間中、ラブリズマブSCが投与された任意の患者が体重≧100kgに達した場合、患者を処置から中断させる。その患者のデータは、この患者についてのそのような体重の最初の観察が71日目の評価時になかった場合を除き、一次エンドポイント分析に含められない。ラブリズマブSCが投与された任意の患者が体重≧100kgに達した場合、患者を処置から中断させる。用量または処置群の変更は試験おいて許可されない。
7.試験評価及び手順
試験手順及びそれらのタイミングが表4~6にまとめられている。プロトコル放棄または免状は認められない。
血液及び尿サンプルは、表4~6に示された時点で取得される。試験中に以下の疾患関連のラボラトリパラメータが測定される:乳酸脱水素酵素、網状赤血球数、高感度フローサイトメトリーによって評価される発作性夜間ヘモグロビン尿症のRBCクローンサイズ(Borowitz MJ,et al.,Cytometry B Clin Cytom.2010;78(4):211-230)、及び推算糸球体濾過率(腎疾患における食事の変更(Modification of Diet in Renal Disease)の式を使用して計算される)が測定される。
輸血回避の達成は、輸血をしないままであり、試験薬の最初の用量の後に輸血を必要としない患者として定義される。
ブレイクスルー溶血は、中央ラボラトリによって評価される上昇したLDH≧2×ULNの存在下で血管内溶血の少なくとも1つの新たなまたは悪化する症状または徴候(倦怠感、ヘモグロビン尿症、腹痛、息切れ[呼吸困難]、貧血[ヘモグロビン<10g/dL]、血栓症を含むMAVE、嚥下障害、または勃起不全)として定義される。
安定化されたヘモグロビンは、ベースラインから対象となる期間の終了まで輸血の非存在下でベースラインからのヘモグロビンレベルの≧2g/dLの低下の回避として定義される。
治験責任医師または被指名者はそれぞれ、以下:倦怠感、胸痛、腹痛、呼吸困難、嚥下障害、勃起不全、及び赤色/暗色尿またはヘモグロビン尿症を含み得るPNHの徴候及び症状について患者を評価する。
試験薬の投与の前、及び表4~6に特定される時点で2つの認証されたHRQoLスケールが患者に適用される。慢性疾病療法の機能的評価(FACIT)-倦怠感スケール、バージョン4.0は、慢性疾病に起因する疲労症状の管理に関するHRQoL質問票の集合である。FACIT-倦怠感は、過去7日間にわたる自己申告された倦怠感及びその日常の活動及び機能に対する影響を評価する13項目の質問票である。患者は、各項目を5ポイントのスケール:0(全くなし)~4(極めて多い)でスコア化する。総スコアは0~52の範囲であり、より高いスコアはより良好なHRQoLを示す。
欧州がん研究治療機構(EORTC)生活の質質問票-コア30スケール(QLQ-C30)、バージョン3.0は、がん患者のHRQoLを評価するために開発された質問票である。質問票には、以下のサブスケール:全体的健康状態、機能スケール(身体機能、役割機能、情緒機能、認知機能、及び社会的活動)、症状スケール(倦怠感、吐き気及び嘔吐、ならびに疼痛)、及び単項目(呼吸困難、不眠症、食欲喪失、便秘、下痢、及び経済的困難)が含まれる。30の質問がHRQoLに関連し、最初の28の質問は、4ポイントスケール(1=全くなし~4=極めて多い)でスコア化され、患者の全体的健康及びHRQoLを精査する最後の2つの質問は、1(極めて不良)~7(優)のスケールでスコア化される。各サブスケールは0%~100%の範囲を有し、高いスコアは、より高い反応レベルを表す。よって、機能スケールについての高いスコアは、高いレベルの機能を表すが、症状スケールについての高いスコアは、高いレベルの症状/問題を表す。
処置達成度及び患者選好質問票(PPQ)がまた、表4~6に特定される時点で患者に提供される。治療管理達成度質問票(TASQ)は、エクリズマブIV、ラブリズマブIV、またはラブリズマブSC処置での患者の感覚及び満足度を評価する認証された質問票である(Theodore-Oklota C,et al.,Validation of a treatment satisfaction questionnaire in non-Hodgkin lymphoma:assessing the change from intravenous to subcutaneous administration of rituximab.Patient Preference and Adherence.2016;10:1767-1776)。TASQは、治療達成度を5つの領域「身体的影響」、「心理的影響」、「ADLへの影響」、「利便性」、及び「達成度」によりスコア化する。各領域は、最大で5つの回答オプションを提供し、より低いスコアは、より肯定的な回答を示す。スコア化は、5つのドメインの各々を合計することによって完了する。
患者選好質問票(PPQ)は、エクリズマブIVと比べたラブリズマブSCについての患者の全体的選好を評価する。PPQは、選好を「IV.」、「SC.」、または「選好なし」として記録し、選好を「極めて強い」、「かなり強い」、または「あまり強くない」として3ポイントスケールで格付けする。評価に合わせて、患者はまた、処置選好のための2つの主要な理由を提供することを求められる。オプションには、「感情的ストレスがより少ないと感じる」、「クリニックにおいてより少ない時間を必要とする」、「注入部位の疼痛のより低いレベル」、「投与中、より快適に感じる」、「他の理由」が含まれる。
8.安全性評価
治験責任医師または被指名者は、患者と会って主要有害血管性事象(MAVE)の潜在的な安全性リスクを議論する。診断の方法(例えば、磁気共鳴画像化、超音波、血管造影)、診断日、及び解決された(または継続する)日を含むMAVEの記載が、(ベースライン前に)患者の病歴の一部として試験全体を通してeCRF上で取得される。MAVEは、以下:血栓性静脈炎/深部静脈血栓症、肺動脈塞栓、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、不安定狭心症、腎静脈血栓症、急性末梢血管閉塞、腸間膜/内臓静脈血栓症または梗塞、腸間膜/内臓動脈血栓症または梗塞、肝臓/門脈血栓症(Budd-Chiari症候群)、脳動脈閉塞/脳血管発作、脳静脈閉塞、腎動脈血栓症、壊疽(非外傷性;非糖尿病性)、切断(非外傷性;非糖尿病性)、及び/または皮膚血栓症として定義される。
身体検査には、以下の評価:全般的外観;皮膚;頭部、耳、眼、鼻、及び喉;首;リンパ節;胸部;心臓;腹腔;四肢;中枢神経系;ならびに筋骨格系が含まれる。省略された身体検査は、治験責任医師の判断及び患者の症状に基づく身体系関連検査からなる。バイタルサイン測定は、患者が少なくとも5分間休息を取った後に取得され、最高及び最低血圧(BP;mmHg)、心拍数(脈拍/分)、呼吸数(呼吸/分)、及び体温(℃または°F)を含む。
単一12誘導心電図(ECG)は、心拍数を自動で計算し、かつPR、QRS、QT、及びQTc間隔を測定するECG機械を使用して表4~6にまとめられたように得られる。患者は、ECG取得前のおよそ5~10分間、仰向けにならなければならず、ECG取得中も目を覚ましていなければならない。治験責任医師または被指名者は、ECGが正常限度以内であるかどうかを評価し、結果の臨床的有意性を決定するためにECGを審査する責任がある。これらの評価は、eCRF上に示される。
ラボラトリ評価は、中央ラボラトリ施設で検査される。任意の臨床的に有意な異常結果は、解決または安定化まで追跡される。ブレイクスルー溶血が疑われる事象が生じた場合、中央ラボラトリによるLDH、PK、PD、及びADAの分析のためにサンプルが取得される時に予定されていない来訪が行われなければならない。基礎疾患に関連する臨床的に有意な異常なラボラトリ所見は、患者の病態について予想されたものよりも重大であると治験責任医師によって判断される場合を除き、AEとはみなされない。
尿サンプルが分析される。尿サンプルの顕微鏡検査は、巨視的な分析の結果が異常な場合に実施される。尿サンプルはまた、タンパク質及びクレアチニンを測定して尿タンパク質:クレアチニン比を計算するために分析される。
HIV-1及びHIV-2のためのヒト免疫不全ウイルス検査は、登録前にすべての患者に必要とされる。HIV陽性の患者は登録されない。
試験薬投与の前に血清におけるラブリズマブに対するADAの存在について検査するために血液サンプルが取得される。ラブリズマブの結合及び中和抗体、PK/PD、安全性、及び活性を含む抗体反応のさらなる特性化が適切な場合に行われ得る。表4~6に従ってすべての患者から取得された血清サンプルにおいてラブリズマブに対する抗体が評価される。血清サンプルは、ラブリズマブに結合する抗体についてスクリーニングされ、確認された陽性サンプルの力価が報告される。スポンサーは、ラブリズマブに対する抗体を検出し、特性化するために、認証されたアッセイを実施するかまたは監督する。
患者(または適切な場合には、世話人、代理者、または患者の法的に承認された代理人)は、治験責任医師または資格のある被指名者に有害事象(AE)及び重篤有害事象(SAE)を報告する。有害デバイス事象(ADE)は、調査用医学的デバイスの使用に関連するAEである。治験責任医師または資格のある被指名者は、ADE及び重篤ADE(SADE)を決定する。
有害事象は、医薬製品が投与された患者における任意の予期しない医学的出来事であって、必ずしも処置との因果関係を有するものではないものである。そのため、有害事象は、薬剤製品と関連すると考えられるか否かにかかわらず、薬剤製品の使用に一時的に関連する任意の好ましくないまたは意図しない徴候(例えば、異常なラボラトリ所見)、症状、または疾患であり得る。有害事象の定義を満たす事象には、(1)任意の異常なラボラトリ検査結果(血液学、臨床化学、または尿検査)または他の安全性評価(例えば、ECG、放射線学的スキャン、バイタルサイン測定)であって、ベースラインから悪化するもの、または治験責任医師の医学的及び科学的判断において臨床的に有意であると考えられるもの(すなわち、基礎疾患の進行に関係しない)を含むもの;(2)病態の頻度及び/または強度のいずれかの増加を含む慢性または断続的な既存の病態の増悪;(3)試験の開始前に存在していた可能性のある場合であっても、試験薬投与の後に検出または診断された新たな病態;及び(4)薬物-薬物相互作用の疑いの徴候、症状、または臨床的後遺症が含まれる。「有効性の欠如」または「予期された薬理学的作用の不具合」はそれ自体、有害事象または重篤有害事象として報告されない。そのような増加は、有効性評価で捕捉される。しかしながら、有効性の欠如に起因する徴候、症状、及び/または臨床的後遺症は、それらが定義を満たす場合、有害事象または重篤有害事象して報告される。
有害事象の定義を満たさない事象には、(1)内科的または外科的処置(例えば、内視鏡検査、虫垂切除):処置につながる病態はAEである。予期しない医学的出来事が生じなかった状況(例えば、ICFに署名する前に計画された場合の選択的手術のための入院、社会的理由からのまたは便宜上の入院);(2)試験の開始時に存在するかまたは検出された既存の疾患(複数可)または病態(複数可)の予想された日々の変動であって、悪化しないもの;(3)臨床試験の目的は薬物効果を確立するためであるため、薬物効果の欠如は、臨床試験におけるAEではない;または(4)投薬過誤(意図的誤用、乱用、及び製品の過量摂取を含む)またはプロトコルで定義されたもの以外の使用は、投薬過誤の結果として予期しない医学的出来事が存在しない限り、有害事象とはみなされない。
事象が上記の定義による有害事象ではない場合、そのときは重篤条件(例えば、試験下の疾患の徴候/症状による入院、疾患の進行による死亡)を満たしていても重篤有害事象にはなり得ない。重篤有害事象は、任意の用量で以下の基準のうちの1つを満たす任意の予期しない医学的出来事として定義される。
1.死に至る。
2.生命を脅かす。「重篤」の定義における用語「生命を脅かす」は、患者が事象の時点で死亡のリスクにあった事象を指す。それは、より深刻であった場合、仮に死を生き起こした可能性がある事象を指すものではない。
3.入院または既存の入院の延長を必要とする。一般に、入院は、観察及び/または処置のために患者が病院または救急病棟に拘束(通常、少なくとも一晩の滞在を伴う)されていることであって、医師のオフィスまたは外来環境では適切ではなかったであろうものを示す。入院中に生じる合併症は有害事象である。合併症が入院を長引かせる場合または任意の他の重篤基準を満たす場合、その事象は重篤である。「入院」が生じたか、または必要であったかどうかが疑わしい場合、その有害事象は重篤であるとみなされるべきである。ベースラインから悪化しなかった既存病態の選択的処置のための入院はAEとみなされない。
4.持続的な身体障害/能力不足に至る。身体障害という用語は、通常の生活機能を行う人の能力の実質的な崩壊を意味する。
5.先天性奇形/出生時欠損である。
この定義は、日常生活の機能に干渉し得るか、またはそれを妨げ得るが、実質的な崩壊を構成しない、合併症を伴わない頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、インフルエンザ、及び偶発的外傷(例えば、足首の捻挫)などの比較的小さな医学的重大性の経験を含めることは意図されていない。
IBに列挙されていないが、治験責任医師が調査用製品または手順に関連したと特定する予期せぬ重篤有害反応の疑い(SUSAR)は、重篤事象である。米国連邦規則集(CFR)21条312.32、及び関連する詳細なガイダンス文書を有する欧州連合臨床試験指針2001/20/EC、または参加国における国内規制要件は、SUSARの報告を必要とする。
調査用医学的デバイスの使用に関連する有害事象には、使用、展開、導入、稼働のための指示書における不十分性または不備、または調査用医学的デバイスの任意の機能不全に起因する任意の有害事象が含まれる。
有害デバイス事象(ADE)には、使用過誤または意図的な誤用の結果である任意の事象が含まれる。使用過誤は、製造者または使用者によって意図されるものとは異なるデバイス反応をもたらす行為または行為の省略を指す。対象の予期せぬ生理的反応は、それ自体で使用過誤を構成しない。
重篤有害デバイス作用(SADE)は、SAEに特徴的な結果のいずれかをもたらしたADEである。
想定外の重篤有害デバイス作用(USADE)は、その性質、発生率、重症度またはアウトカムによって現行バージョンのラブリズマブOBDS IBにおいて予想される事象として特定されていないSADEである。
デバイス欠陥は、その同一性、品質、耐久性、信頼性、安全性または性能に関する調査用医学的デバイスの不備である。これは、故障、誤用、使用者の過誤、ラベル不備または製造者によって提供される不十分な情報に起因し得る。
任意の終末補体アンタゴニストと同様に、ラブリズマブの使用は、髄膜炎菌感染症(N.meningitidis)に対する患者の感受性を増加させる。髄膜炎菌感染症のリスクを低減するために、すべての患者は、試験薬の開始の前の3年以内または開始時に、髄膜炎菌感染症に対してワクチン接種されなければならない。髄膜炎菌ワクチンの摂取後2週間未満に試験薬処置を開始する患者は、ワクチン接種の2週間後まで適切な予防的抗生物質での処置を受ける。
血清型A、C、Y、W135、及びBに対するワクチンは、利用可能な場合、一般的な病原性髄膜炎菌血清型を予防するために推奨される。患者は、補体阻害剤(例えば、エクリズマブ)と共にワクチン接種を使用するための現行の国内のワクチン接種ガイドラインまたは現地の実務に従ってワクチン接種またはワクチン再接種されなければならない。
ワクチン接種は、髄膜炎菌感染症を予防するには十分ではない場合がある。抗生物質剤の適切な使用に対する公式のガイダンス及び現地の実務に従って考慮がなされる。すべての患者は、髄膜炎菌感染症の早期徴候についてモニタリングされ、感染症が疑われる場合は直ちに評価され、必要に応じて適切な抗生物質で処置される。リスク認識を高めるために、及び試験の過程中に患者が経験した感染症の任意の潜在的な徴候または症状の迅速な開示を促進するために、患者には常に携帯するための安全カードが提供される。各来訪時に、潜在的なリスク、徴候、及び症状について追加の議論及び説明が行われる。
注入部位反応は、SCまたはIV薬物投与の部位に局在化したものであり、紅斑、掻痒、及び打撲を含み得る。注入関連反応は、一般的に薬物投与後数時間以内に生じる免疫または非免疫媒介性であり得る本質的に全身性のものである。免疫媒介反応には、アレルギー反応(例えば、アナフィラキシー)が含まれ得るのに対し、非免疫媒介反応は、非特異的(例えば、頭痛、目まい、吐き気)である。これらの反応のためのモニタリングは、本試験についての慣用の安全性評価の一部として行われる。
注入関連反応は、場合により、恐らく、または確定的に試験薬と関連があると治験責任医師によって評価されるIVまたはSC注入の開始の24時間の間または24時間以内に生じる全身性AE(例えば、発熱、悪寒、紅潮、心拍の変化及びBP、呼吸困難、吐き気、嘔吐、下痢、及び全般性皮膚発疹)として定義される。
デバイス性能は、IFUにおける要件に従って試みられた全用量投与の報告されたアウトカム(デバイス不具合/機能不全を含む)を使用して評価される。
9.薬物動態評価
PKのためのサンプルの取得のためのタイミングは、本試験の一次エンドポイントにとって重要である。1日目に投与された用量の開始の時刻は、その後のすべての投与及び関連のサンプルについての公称時刻である。割り当てられたPK来訪ウィンドウ外で得られたサンプルは、プロトコル逸脱とみなされる。次のサンプル取得のためのタイミングは、1日目での用量投与の開始の公称時刻に相対したままである。血清薬物濃度の決定のための血液サンプルは、表4~6に示された時点及びウィンドウ内で試験薬の投与前に取得される。SC群の1日目ならびにIV群の1日目及び15日目については、投薬後の血液サンプルが注入の終了の30分以内に取得される。IV群の57日目については、血液サンプルは現場来訪中に取得される;57日目で用量は投与されない。各サンプル取得の日時(24時間時刻)が記録される。
ブレイクスルー溶血の事象では追加のPKサンプルが必要とされる。未使用のサンプルは、必要に応じて追加のラブリズマブ関連評価を実施するために最大で5年の期間保持され得る。
血清ラブリズマブ濃度は、対象となる主要PKパラメータとして一次エンドポイント(71日目でのCトラフ)を用いて経時的に評価される。他のPKパラメータが調査され得る。
10.薬力学
遊離C5濃度が経時的に評価される。血液サンプルは、表4~6に示された時点及びウィンドウ範囲内で試験薬の投与前に取得される。SC群の1日目ならびにIV群の1日目及び15日目については、投薬後の血液サンプルが注入の終了の30分以内に取得される。IV群の57日目については、血液サンプルは現場来訪中に取得される;57日目で用量は投与されない。割り当てられた来訪ウィンドウ外で得られたサンプルは、プロトコル逸脱とみなされる。ブレイクスルー溶血の事象では、追加のPDサンプルが必要とされる。未使用のサンプルは、必要に応じて追加評価を実施するために最大で5年の期間保持され得る。
11.統計方法及び計画された分析
統計的仮説は、OBDSを介してラブリズマブSCで処置された患者の71日目のCトラフ濃度が、ラブリズマブIVで処置された患者のものに対して劣らないということである。
Cトラフ(SC/IV)の幾何平均の比の想定は1.03であり、変動係数は0.4であり、ラブリズマブSC群における62人の患者及びラブリズマブIV比較群における31人の患者は、0.05のアルファレベル及び0.8のPK非劣性境界(NIB)で片側検定を使用して非劣性を検出するための90%の検出力を達成する。アルファレベル及びNIBは、米国食品医薬品局及び欧州医薬品庁のそれぞれのガイダンス文書「Standard Approaches to Establishing Bioequivalence」及び「Guideline on Investigation of Bioequivalence」における推奨に基づく。このサンプルサイズは、最大で患者の10%が、PK分析セットにおける包含基準を満たさない場合がある可能性を考慮するために105人の患者(ラブリズマブSC群における70人の患者及びラブリズマブIV群における35人の患者)まで増加させる。無益性を評価し、サンプルサイズ再推定を実施するための中間分析が実施される。このサンプルサイズ再推定は、最大で144人の患者(最大でラブリズマブSC群における96人の患者及びラブリズマブIV比較群における48人の患者)の増加につながり得る。
分析の目的のため、集団が表10に定義されている。
Figure 2022512632000016
略語:ICF=インフォームドコンセントフォーム;PD=薬力学;PK=薬物動態。
評価可能なPKデータは、サンプル取得、保管、輸送、及び生物分析中にサンプルの完全性の要件に準拠するサンプルから得られた欠落のない結果として定義される。
すべての患者が無作為化処置期間においてプロトコルが必要とするすべての評価を完了した後に、ラブリズマブSCの血清CトラフにおけるラブリズマブIVと比較した非劣性を評価するための一次分析が行われる。一次分析は、PK分析セットについて実施される。
一次エンドポイントは、71日目の血清ラブリズマブCトラフである。ラブリズマブSC群の幾何平均Cトラフ分の、ラブリズマブIV群の幾何平均Cトラフの比が両側90%CIを伴って計算される。幾何平均の比(ラブリズマブSC/ラブリズマブIV)についての90%CIの下限が80%のNIBよりも高い場合、そのときはラブリズマブSC処置は、ラブリズマブIV処置に対して非劣性であると結論付けられる。
上記の90%CIを得るために、検討下のCトラフデータは、分散分析を使用して分析される。製剤(SCまたはIV)に加えて、統計的分析のためのモデルは、体重を考慮する。データは、対数変換を使用して分析前に変換される。対数変換されたパラメータの平均差のために点推定値及びCIが計算され、構築される。これらは次いで、比スケールで示すために逆変換される。感度分析は、評価可能なPKデータを有する全分析セット(FAS)の患者及びパープロトコルセット(PPS)についての一次分析を繰り返すことによって実施される。
二次分析は、全分析セット(FAS)について実施される。該当する場合、無作為化処置期間からの結果は、正式な比較を実施せずに、処置群毎に並列して示される。患者がラブリズマブのSC投与を摂取している間の経時的なデータの概要は、ラブリズマブSCに対する最初の曝露からの時間に基づく。延長期間の開始は、SC群に無作為化された患者については患者のラブリズマブSCの最初の用量から56日目であるのに対し、IV群に最初に無作為化された患者は、ラブリズマブSCの最初の用量を摂取する。この曝露の差が考慮され、例として、183日目(ラブリズマブSCの最初の用量から)についての要約は、SC群に無作為化された患者からの試験183日目のデータ及びIV群に無作為化された患者についての試験239日目からのデータを使用する。
薬物動態分析は、評価可能なPKデータを有する全分析セット(FAS)からのすべての患者について実施される。これは、多施設患者試験であるため、サンプル取得または取り扱いの過誤が推察される場合には、PKまたはPDデータの審査が検討され得る。
生活の質は、FACIT-倦怠感バージョン4質問票、及びEORTC QLQ-C30バージョン3.0質問票を使用して評価される。これらの質問票からのデータは、観察された値及びベースラインからの変化の連続変数についての記述統計を使用してベースライン及び183日目、ならびに各々の該当するベースライン後の時点でまとめられる。処置による患者達成度は、TASQスコアを使用して評価される。これらのデータは、観察された値及びベースラインからの変化の連続変数についての記述統計を使用してベースライン及び183日目、ならびに各々の該当するベースライン後の時点でまとめられる。
乳酸脱水素酵素は、観察された値、及びベースラインからの変化の連続変数についての記述統計を使用してベースライン及び各々の該当するベースライン後の時点でまとめられる。
ブレイクスルー溶血を有する患者の数及び割合は、各々の該当するベースライン後の時点について両側95%CIと共にブレイクスルーを有する患者の数及び割合を提示することによって経時的にまとめられる。輸血を必要としない患者の数及び割合ならびに安定化されたヘモグロビンを有する患者の数及び割合が同様にまとめられる。
すべての安全性分析は、ラブリズマブの少なくとも1つの用量を摂取するすべての患者として定義される安全性セットについて行われる。以下の定義は、有害事象及び有害デバイス事象(ADE)のために使用される。処置前有害事象は、インフォームドコンセントを提供した後であるが、試験薬の最初の注入前に開始する任意の有害事象である。処置出現AE(TEAE)は、試験薬の最初の注入の間または後に開始する任意の有害事象である。すべてのADEは、最初の注入の間またはその開始後に生じる定義による。
処置出現有害事象(TEAE)の発生率は、器官別大分類(SOC)及び基本語全体、重症度、及び処置に対する関係性毎にまとめられる。SAEの発生率もまとめられる。ADE及び重篤有害デバイス事象(SADE)の発生率は、SOC及び基本語毎に及び重症度毎に同様にまとめられている。すべてのAE及びADEは、Medical Dictionary for Regulatory Activitiesのバージョン18以降を使用してコード化されている。身体検査所見におけるベースラインからの有害な変化は、AEとして分類され、それに応じて分析される。
ECG、バイタルサイン、及びラボラトリ評価における観察された値及びベースライン(ラブリズマブ前の最後の評価)からの変化は、すべての該当する試験来訪についてまとめられる。正常範囲の値に基づいて正常、低、または高として分類される得るラボラトリの結果については、分類におけるベースラインからのシフトが、すべての該当する試験来訪についてまとめられる。
ECG間隔(PR、RR、QT、及びQTcF)におけるベースラインからの変化は、すべての該当する試験来訪についてまとめられる。QT間隔は、Fridericiaの式(QTcF)を使用して心拍数について補正される。
免疫原性データについては、ラブリズマブに対してADAを発症する患者の数及び割合、ならびに力価値がまとめられる。経時的に少なくとも1回のADAの結果(過去における陽性)を有する患者の割合及び常に陰性の患者の割合が調査され得る。
計画された患者(n=105)の50%が一次エンドポイントについて評価される場合(すなわち、ラブリズマブSC群における34人の患者及びラブリズマブIV比較群における17人の患者)、中間分析が実施される。これは、PK分析セットにおける包含基準を満たす少なくとも45人の患者が出てくることが予期される。分析の初期部分は、有意な最終結果に至る可能性が低い場合、スポンサーが試験を早期に停止することを可能にするために無益性を評価することである。これは、資源を節約し、非劣性の可能性が極めて低いようである事象において追加の患者を試験薬に曝露しない。
無益性評価に続いて、同じ患者のセット及びデータを使用するが、一次エンドポイントの推定に基づいて必要とされる試験のサイズを再評価するために中間サンプルサイズ再推定分析が実施される。スポンサーが試験の継続を決定した場合、無益性の境界を超えたとしても、一次分析タイプIの過誤率に影響を及ぼさないように、20%の非劣性についての条件付き検出力(CPni)に基づく拘束力のない無益性の境界が使用される。
サンプルサイズ再推定(SSR)分析はまた、この中間分析時に得られる結果を使用して計算されるCPniに基づく。CPniは、「観察された効果」値を想定して計算される;すなわち、サンプルサイズ再推定時に集団平均Cトラフは、サンプル平均Cトラフに等しい。患者の最大総数は144人である。サンプルサイズは、計画された105人の患者のサンプルサイズから減少することはない。CPniが、計画された105人の患者の総サンプルサイズに対して少なくとも90%である場合、そのときはサンプルサイズの増加は行われない。このサンプルサイズ再推定分析に基づいて行われる決定は、次の規則に従う:
CPmin≦CPni<0.9である場合、144人の患者の上限として、CPniが90%に増加するような適量だけサンプルサイズを増加させる。範囲CPmin≦CPni<0.9は、非劣性にとっての有望ゾーンと呼ばれる。具体的には、CPniがその有望ゾーンにある場合、この決定規則は、144人の患者またはCPniを90%に高めるために必要な数のうち少ない方までサンプルサイズを増加させる。
Figure 2022512632000017
略語:CPmin=CPni=非劣性についての条件付き検出力;N=[患者の]数。
有望ゾーンの下限であるCPminは、Mehta and Pocock(Mehta,2011)で説明されているアプローチに従って決定され、このサンプルサイズ再推定分析に基づいてなされた任意の決定の後に、潜在的な試験バイアスを回避するためにここでは明示的に記述されていない。
配列概要
配列番号1
GYIFSNYWIQ
配列番号2
EILPGSGSTEYTENFKD
配列番号3
YFFGSSPNWYFDV
配列番号4
GASENIYGALN
配列番号5
GATNLAD
配列番号6
QNVLNTPLT
配列番号7
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYIFSNYWIQWVRQAPGQGLEWMGEILPGSGSTEYTENFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARYFFGSSPNWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号8
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCGASENIYGALNWYQQKPGKAPKLLIYGATNLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQNVLNTPLTFGQGTKVEIK
配列番号9
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号10
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYIFSNYWIQWVRQAPGQGLEWMGEILPGSGSTEYTENFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARYFFGSSPNWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号11
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCGASENIYGALNWYQQKPGKAPKLLIYGATNLADGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQNVLNTPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号12
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGHIFSNYWIQWVRQAPGQGLEWMGEILPGSGHTEYTENFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARYFFGSSPNWYFDVWGQGTLVTVSS
配列番号13
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKG
FYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGN
VFSCSVLHEALHSHYTQKSLSLSLGK
配列番号14
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGHIFSNYWIQWVRQAPGQGLEWMGEILPGSGHTEYTENFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARYFFGSSPNWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVLHEALHSHYTQKSLSLSLGK
配列番号15
ASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGMEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号16
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYIFSNYWIQWVRQAPGQGLEWMGEILPGSGSTEYTENFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARYFFGSSPNWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGMEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号17
GASENIYHALN
配列番号18
EILPGSGHTEYTENFKD
配列番号19
GHIFSNYWIQ
配列番号20
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGHIFSNYWIQWVRQAPGQGLEWMGEILPGSGHTEYTENFKDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARYFFGSSPNWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号21
SYAIS
配列番号22
GIGPFFGTANYAQKFQG
配列番号23
DTPYFDY
配列番号24
SGDSIPNYYVY
配列番号25
DDSNRPS
配列番号26
QSFDSSLNAEV
配列番号27
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISVWRQAPGQGLEWMGGIGPFFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARDTPYFDYWGQGTLVTVSS
配列番号28
DIELTQPPSVSVAPGQTARISCSGDSIPNYYVYWYQQKPGQAPVLVIYDDSNRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISGTQAEDEADYYCQSFDSSLNAEVFGGGTKLTVL
配列番号29
NYIS
配列番号30
IIDPDDSYTEYSPSFQG
配列番号31
YEYGGFDI
配列番号32
SGDNIGNSYVH
配列番号33
KDNDRPS
配列番号34
GTYDIESYV
配列番号35
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTNYISWVRQMPGKGLEWMGIIDPDDSYTEYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARYEYGGFDIWGQGTLVTVSS
配列番号36
SYELTQPPSVSVAPGQTARISCSGDNIGNSYVHWYQQKPGQAPVLVIYKDNDRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISGTQAEDEADYYCGTYDIESYVFGGGTKLTVL
配列番号37
SSYYVA
配列番号38
AIYTGSGATYKASWAKG
配列番号39
DGGYDYPTHAMHY
配列番号40
QASQNIGSSLA
配列番号41
GASKTHS
配列番号42
QSTKVGSSYGNH
配列番号43
QVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTSHSSYYVAWVRQAPGKGLEWVGAIYTGSGATYKASWAKGRFTISKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCASDGGYDYPTHAMHYWGQGTLVTVSS
配列番号44
DVVMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQNIGSSLAWYQQKPGQAPRLLIYGASKTHSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQSTKVGSSYGNHFGGGTKVEIK
配列番号45
QVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTVHSSYYMAWVRQAPGKGLEWVGAIFTGSGAEYKAEWAKGRVTISKDTSKNQVVLTMTNMDPVDTATYYCASDAGYDYPTHAMHYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELRRGPKVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVLHEALHAHYTRKELSLSP
配列番号46
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGISSSLAWYQQKPGKAPKLLIYGASETESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQNTKVGSSYGNTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号47
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGDSVSSSYWTWIRQPPGKGLEWIGYIYYSGSSNYNPSLKSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAREGNVDTTMIFDYWGQGTLVTVSS
配列番号48
AIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFAGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCLQDFNYPWTFGQGTKVEIK
配列番号49
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGDSVSSSYWTWIRQPPGKGLEWIGYIYYSGSSNYNPSLKSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAREGNVDTTMIFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号50
AIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNDLGWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFAGRGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCLQDFNYPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

Claims (36)

  1. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を有するヒト患者を処置する方法であって、前記方法は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3重鎖配列、ならびに配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3軽鎖配列を含む有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を投与サイクル中に前記患者に投与することを含み、前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
    (a)前記投与サイクルの1日目に1回静脈内に
    i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
    ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
    の用量で、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、前記方法。
  2. 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を有するヒト患者を処置する方法であって、前記方法は、配列番号19、18、及び3にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3重鎖配列、配列番号4、5、及び6にそれぞれ示されるCDR1、CDR2、及びCDR3軽鎖配列、ならびにヒト新生児Fc受容体(FcRn)に結合する変異型ヒトFc定常領域を含む有効量の抗C5抗体、またはその抗原結合断片を投与サイクル中に前記患者に投与することを含み、前記可変ヒトFcのCH3定常領域は、天然ヒトIgGのFc定常領域のメチオニン428及びアスパラギン434(それぞれEUナンバリング)に対応する残基でMet-429-Leu及びAsn-435-Ser置換を含み、前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
    (a)前記投与サイクルの1日目に静脈内に
    i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
    ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
    の用量で、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、前記方法。
  3. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧40~<60kgの体重の患者に、
    (a)前記投与サイクルの1日目に静脈内に2400mgの用量で1回、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、先行請求項のいずれか1項の方法。
  4. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧60~<100kgの体重の患者に、
    (a)前記投与サイクルの1日目に静脈内に2700mgの用量で1回、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、先行請求項のいずれか1項の方法。
  5. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、前記投与サイクルの15日目及びその後7週間皮下に490mgの用量で投与される、先行請求項のいずれか1項の方法。
  6. 前記投与サイクルは、合計で10週の処置である、先行請求項のいずれか1項の方法。
  7. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、前記投与サイクル後毎週1回、最大で3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、12ヶ月間、15ヶ月間、18ヶ月間、21ヶ月間、2年間、または慢性的に前記患者の残りの人生の間、皮下に490mgの用量で投与される、先行請求項のいずれか1項の方法。
  8. 前記患者は、エクリズマブですでに処置されている、先行請求項のいずれか1項の方法。
  9. 前記投与サイクルは、前記患者のエクリズマブの最後の用量の少なくとも2週間後に開始する、請求項8の方法。
  10. 前記患者は、前記投与サイクルの1日目の前に少なくとも6ヶ月間エクリズマブで処置されている、請求項8または9の方法。
  11. 前記患者は、2週間毎にエクリズマブで900mgの用量ですでに処置されている、請求項8、9、または10のいずれか1項の方法。
  12. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号12に示される重鎖可変領域及び配列番号8に示される軽鎖可変領域を含む、先行請求項のいずれか1項の方法。
  13. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号13に示される重鎖定常領域をさらに含む、先行請求項のいずれか1項の方法。
  14. 前記抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖ポリペプチド及び配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖ポリペプチドを含む、先行請求項のいずれか1項の方法。
  15. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、pH7.4及び25oCで0.1nM≦KD≦1nMの範囲内の親和性解離定数(KD)でヒトC5に結合する、先行請求項のいずれか1項の方法。
  16. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、pH6.0及び25oCでKD≧10nMでヒトC5に結合する、先行請求項のいずれか1項の方法。
  17. 前記処置は、前記投与サイクル中に100μg/ml以上の前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片の血清トラフ濃度を維持する、先行請求項のいずれか1項の方法。
  18. 前記処置は、終末補体阻害をもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  19. 前記処置は、乳酸脱水素酵素(LDH)レベルによって評価される溶血の減少をもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  20. 前記処置は、倦怠感、腹痛、呼吸困難、貧血、嚥下障害、胸痛、及び勃起不全の低減または停止からなる群から選択される少なくとも1つの治療効果をもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  21. 前記処置は、遊離ヘモグロビン、ハプトグロビン、網状赤血球数、PNH赤血球(RBC)クローン及びD-ダイマーからなる群から選択される溶血関連血液学的バイオマーカーの正常レベルに向かうシフトをもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  22. 前記処置は、推算糸球体濾過率(eGFR)及びスポット尿:アルブミン:クレアチニンならびに血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)からなる群から選択される慢性疾患関連バイオマーカーの正常レベルに向かうシフトをもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  23. 前記処置は、輸血の必要性及び/または主要有害血管性事象(MAVE)の低減をもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  24. 前記処置は、慢性疾病療法の機能的評価(FACIT)-倦怠感スケール、バージョン4、及び欧州がん研究治療機構、生活の質質問票-コア30スケールにより評価される生活の質におけるベースラインからの変化をもたらす、先行請求項のいずれか1項の方法。
  25. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、身体上送達システム(OBDS)を使用して皮下に投与される、先行請求項のいずれか1項の方法。
  26. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、前記患者に皮下に自己投与される、先行請求項のいずれか1項の方法。
  27. 前記抗体は、ラブリズマブである、先行請求項のいずれか1項の方法。
  28. 皮下投与のための前記ラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中に262.5mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む、請求項27の方法。
  29. 皮下投与のための前記ラブリズマブは、50mMリン酸ナトリウム、25mMアルギニン、5%スクロース、0.05%ポリソルベート80、及び注射用水中に245mgのラブリズマブ(70mg/mL)を含む、請求項27の方法。
  30. ヒト患者における発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を処置するためのキットであって、前記キットは、
    (a)配列番号12に示される配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、及び配列番号8に示される配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体、またはその抗原結合断片の用量、及び
    (b)先行請求項のいずれか1項の方法において前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片を使用するための指示書
    を含む、前記キット。
  31. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧40~<60kgの体重の患者に、
    (a)前記投与サイクルの1日目に静脈内に2400mgの用量で1回、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、請求項30のキット。
  32. 前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、≧60~<100kgの体重の患者に、
    (a)前記投与サイクルの1日目に静脈内に2700mgの用量で1回、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、請求項30のキット。
  33. 前記抗C5抗体は、ラブリズマブである、請求項30~32のいずれか1項のキット。
  34. 処置サイクルにおける投与のための、配列番号12に示される配列を有する重鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメイン、及び配列番号8に示される配列を有する軽鎖可変領域のCDR1、CDR2及びCDR3ドメインを含む抗C5抗体、またはその抗原結合断片であって、前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片は、
    (a)前記投与サイクルの1日目に静脈内に
    i.≧40~<60kgの体重の患者に2400mg、または
    ii.≧60~<100kgの体重の患者に2700mg
    の用量で、及び
    (b)前記投与サイクルの15日目及びその後毎週皮下に490mgの用量で
    投与される、前記抗C5抗体、またはその抗原結合断片。
  35. 前記患者は、エクリズマブですでに処置されている、請求項34の抗体。
  36. 前記抗体は、PNH患者における使用のための複数の皮下投薬の後に安全であり、耐容性があり、有効であり、十分に非免疫原性であると決定される、請求項34または35の抗体。
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