JP2022504427A - ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の徐放配合物 - Google Patents

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の徐放配合物 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の徐放配合物に関する。
【解決手段】本開示は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)又はその誘導体若しくはアイソフォームの徐放剤形に関する。徐放hCG剤形は、生分解性ポリマーマイクロスフェアを含み、所望の期間にわたりhCGの徐放を提供する。
【選択図】なし

Description

I.背景
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、ヒト胎盤及び性腺の合胞体性栄養膜により産生されるホルモンである。hCGは、黄体形成ホルモン/コリオゴナドトロピン受容体(LHCGR)(両性の性腺に見出されるルトロピン/コリオゴナドトロピン受容体(LCGR)又は黄体形成ホルモン受容体(LHR)としても知られる)と相互作用する。hCGの作用は、以下の点で下垂体黄体形成ホルモン(LH)のものと類似する:両方のホルモンは、精巣のライディッヒ細胞によるテストステロン及び他のステロイドホルモンの産生を刺激し、両方のホルモンが卵巣の黄体によるプロゲステロンの産生を刺激する。
胎児発育の間、胎盤により産生されるhCGは、胎児精巣を刺激して正常な雄性発育に重要であるアンドロゲンを産生する。成人において、外因性hCGの投与は、精巣のライディッヒ細胞からのテストステロン産生を刺激する。低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を有する男性について、外因的に投与されるhCGは、精巣ライディッヒ細胞を刺激し、正常なテストステロン産生を回復させ得る。hCGの投与は、下降の解剖学的妨害が存在しない場合、停留睾丸を有する男児における睾丸下降も刺激し得る。
女性において、胎盤により産生されるhCGは卵巣を刺激し、妊娠の開始の間の黄体の維持を促進する。これは、黄体が最初の3か月の間、ホルモンのプロゲステロンを分泌するのを可能とする。プロゲステロンは、子宮に血管及び毛細血管の厚い層を濃縮させ、その結果、子宮は胎児の成長を持続し得る。
正常な月経サイクルの間、LHは正常卵胞の発育及び成熟におけるFSHに関与し、中期LHサージは排卵を誘発する。成人女性において、外因性hCGの臨床的投与は、LHサージの代用となり得る。体外受精を受けた女性について、hCGは最終成熟誘導のために広範に非経口で使用される。1つ以上の成熟卵胞の存在下で、排卵は、hCGの投与により誘発され得る。さらに、hCGは、不妊治療の間、臨床目的のためにプロゲステロンの産生を向上させるために使用されることもある。
最も豊富な生物学的資源は、現在妊娠している女性であるため、一部の組織は、商品名Novarel(登録商標)及びPregnyl(登録商標)のもと市場に出される剤形(dosage form)における薬学的使用のためにhCGを抽出するために、妊娠女性から尿を回収する。組換えhCGは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を介して産生され、商品名Ovidrel(登録商標)のもと市場に出される剤形で市販される。
現在市販されているhCGの剤形は、血清hCGレベルを短期間にわたり治療レベルに上昇させる筋肉内(IM)又は皮下(SC)注射形態に限定される。hCGの持続投薬が必要とされるいくつかの臨床的用途に、高頻度の注射が要求される。これらの用途としては、限定されるものではないが、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の治療及び女性妊娠のためのプロゲステロン産生の刺激が挙げられる。hCGの徐放剤形が当分野において必要とされている。本発明は、この必要性を満たす。
II.概要
本開示は、徐放ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)配合物の当分野における長きにわたる切実な必要性に関する。特に、本開示は、徐放プロファイルを有するhCG剤形を対象とする。一部の実施形態において、hCG剤形は、約1週間から約2か月の放出プロファイルを示す。他の実施形態において、本明細書に記載のhCG剤形は、約1週間から約6か月の徐放プロファイルを有し得る。
一部の態様において、徐放hCG剤形は、マイクロスフェア中にカプセル化されたhCGを含む。さらなる態様において、マイクロスフェアは、コポリマーにより形成される。いっそうさらなる態様において、コポリマーは、ブロックコポリマー又はマルチブロックコポリマーである。このような態様において、ブロックコポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)又はPEG含有ポリマーブロック及び1つ以上の他のポリマーブロックを含み得、或いは本質的にそれからなる。
本明細書に記載のhCG徐放配合物は、ホルモン療法に関する種々の治療、例として、限定されるものではないが、不妊及び下垂体障害の治療において有用であり得る。したがって、本開示のさらなる態様は、本明細書に記載の徐放hCG配合物を投与する方法、及び本明細書に記載の徐放hCG配合物を用いて治療する方法に関する。このような方法としては、妊娠及び下垂体障害の治療が挙げられる。本明細書に開示のさらなる方法としては、乳癌の治療が挙げられる。一部の実施形態において、治療は、未経産女性における既存の乳癌のための治療である。一部の実施形態において、女性は、約25歳以下である。
別の実施形態において、記載の徐放hCG剤形を、図1の理論徐放プロファイルを達成し、又はそれに近似するレジメンに従って投与する方法が包含される。
本明細書に記載の及び特許請求される発明は、多くの特性及び実施形態、例として、限定されるものではないが、この概要に説明され、又は記載され、又は参照されるものを有する。これは包括的なものではなく、本明細書に記載の及び特許請求される発明は、説明のみで制限されない目的のために含まれるこの概要で特定される特徴部にも実施形態にも限定されず、それらによって限定もされない。追加の実施形態は、以下の図面の説明及び詳細な説明に開示され得る。
III.図面の簡単な説明
hCG徐放配合物についての例示的な理論放出プロファイル。 14日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を示す、hCGマイクロスフェアを含むhCG徐放配合物の累積放出プロファイル(μg放出);パネルAは、それぞれの個々の配合物の累積放出を示し、パネルBは、それぞれの配合物の平均累積放出を示す。 hCGマイクロスフェアについてのhCGの総含有率(%放出)に正規化されたhCGマイクロスフェアを含むhCG徐放配合物の放出プロファイル。放出プロファイルは、14日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を示し;パネルAは、それぞれの個々の配合物の累積放出を示し、パネルBは、それぞれの配合物の平均累積放出を示す。 hCGマイクロスフェアを含むhCG徐放配合物である配合物11について計算された14日間の期間にわたる実測インビトロ放出プロファイル(%放出)。 18ng/mlのCminでの7日間ごとの3mgのレジメン化投与に基づく配合物11の予測放出プロファイル。 1.7ng/mlのCminでの14日間ごとの3mgのレジメン化投与に基づく配合物11の予測放出プロファイル。 0.07ng/mlのCminでの28日間ごとの3mgのレジメン化投与に基づく配合物11の予測放出プロファイル。 36時間のt1/2及び3ng/mlのCminでの7日間ごとの250μgのレジメン化投与に基づく配合物11の予測放出プロファイル。 36時間のt1/2及び0.3ng/mlのCminでの14日間ごとの250μgのレジメン化投与に基づく配合物11の予測放出プロファイル。 50日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を実証する、hCGマイクロスフェアを含むhCG徐放配合物の累積放出プロファイル(μg放出);パネルAは、それぞれの個々の配合物の平均累積放出を示し、パネルBは、それぞれの配合物の正規化放出プロファイル(%放出)を示す。 濃縮時のhCGの純度を実証するHPLCクロマトグラム。 Dong-A hCGと比較したOvidrel(登録商標)の分子量のゲル分析。 ラウンド1インビトロ放出からのhCGの純度分析。 40日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を実証する、hCGマイクロスフェアを含む徐放配合物の累積放出プロファイル(それぞれの配合物について3つのレプリケートでラン):パネルAは、それぞれのレプリケートの累積放出プロファイル(μg放出)を示し、パネルBは、正規化プロファイル(高速サイズ排除クロマトグラフィーに基づく%)を示し、パネルCは、それぞれの配合物の正規化放出プロファイル(%放出)を示す。 図14に示されるレプリケートの平均放出プロファイル。 40日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を実証する、hCGマイクロスフェアを含む徐放配合物695-01-0034についての3つのレプリケートランについての累積放出プロファイル:パネルAは、それぞれのレプリケートの累積放出プロファイル(μg放出)を示し、パネルBは、正規化プロファイル(高速サイズ排除クロマトグラフィーに基づく%)を示し、パネルCは、それぞれの配合物の正規化放出プロファイル(%放出)を示す。 濃縮hCG溶液のRP-UPLCクロマトグラム。 SynBiosys50CP10C20-LL40及び30CP30C40-LL40のブレンドから構成されるhCG徐放マイクロスフェアのSEM写真。 SynBiosys50CP10C20-LL40及び30CP30C40-LL40のブレンドから構成されるhCGマイクロスフェアを含むhCG徐放配合物の累積放出プロファイル。放出プロファイル(それぞれの配合物についての3つのレプリケートの平均)は、それぞれの配合物のhCGの総含有率(%放出)について正規化され、60日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を示す。 SynBiosys50CP10C20-LL40及び30CP30C40-LL40の33/66%w/wのブレンドから構成されるhCGマイクロスフェアを含むhCG徐放配合物(JA16043)の累積放出プロファイル。放出プロファイル(それぞれの配合物についての3つのレプリケートの平均)は、配合物のhCGの総含有率(%放出)について正規化され、35日間の期間にわたり放出されたhCGの総量及び%インタクトhCG(総量に対する)を示す。 20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO](バッチ番号JA16101)から構成されるhCG徐放マイクロスフェアのSEM写真。 SynBiosys20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]から構成されるhCG徐放配合物(JA16101及びJA16102)の累積放出プロファイル。放出プロファイル(それぞれの配合物についての3つのレプリケートの平均)は、それぞれの配合物のhCGの総含有率(%放出)について正規化され、70日間の期間にわたり放出されたhCGの総量及び%インタクトhCG(総量に対する)を示す。 毎日のhCG注射を受けた対照群サルにおける血清hCGレベル(パネルA)及び血清テストステロンレベル(パネルB)。 200、600及び1200μgのhCGの総用量を表すhCG徐放マイクロスフェアにより処理されたサルにおける血清r-hCG及びテストステロンレベル:パネルAは、最初の48時間についての血清r-hCGレベルを示し、パネルBは、試験の完全な28日間の継続期間についての血清r-hCGレベルを示し、パネルCは、試験の完全な28日間の継続期間についての血清テストステロンレベルを示す。 200μg(パネルA)、600μg(パネルB)及び1200μgのhCG(パネルC)の総用量を表すhCG徐放マイクロスフェアにより処理されたサルにおける血清r-hCG及びテストステロンレベル。 rhCG及びその潜在的分解産物のSEC-UPLCクロマトグラム。 SynBiosys20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]から構成されるOvidrel hCG徐放配合物の累積放出プロファイル。放出プロファイル(それぞれの配合物についての3つのレプリケートの平均)は、それぞれの配合物のhCGの総含有率(%放出)について正規化され、最適化インビトロ溶解法を用いて測定された49日間の期間にわたり放出されたhCGの総量を示す。 Ovidrelにより産生されたプロゲステロンに対する産生されたhCG誘導プロゲステロンのパーセント。A)2時間、23及び37日間においてマイクロスフェアロットから放出されたhCG;B)抽出緩衝液中のマイクロスフェアから抽出されたhCG(AMD-18-022-1)又は添加されたhCG(AMD-18-022-4)及びC)Ovidrelに対する時間に応じた、ロットMS18-037、MS18-038及びSR18-031から放出されたhCGにより産生されたプロゲステロンの平均パーセント。 hCG徐放マイクロスフェアから抽出されたhCGの2-ABグリカンマッピングの結果。
IV.詳細な説明
本発明は、徐放hCG剤形を対象とする。現在、市販のhCG剤形の全てが筋肉内又は皮下注射用の液体であるため、このような剤形は当分野において長きにわたり切実に必要とされてきた。さらに、現在の市販のhCG剤形の全ては、即時放出プロファイルを有し、その結果、血清レベルは持続されず、hCGの半減期、約36時間により限定される。このことは、患者が一定期間にわたり所望のhCG治療レベルを得るために高頻度の注射を受ける必要があることを意味し、それは不便であり得、したがって不良な患者コンプライアンスをもたらし、又は患者及び提供者が効果の少ない治療を選択するように導き得る。
一部の態様において、徐放hCG剤形は、マイクロスフェア中にカプセル化されたhCG又はその誘導体若しくはアイソフォームを含む。さらなる態様において、マイクロスフェアは、コポリマーにより形成される。いっそうさらなる態様において、コポリマーは、ブロックコポリマー又はマルチブロックコポリマーである。このような態様において、ブロックコポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)又はPEG含有ポリマーブロック、及び1つ以上の他のポリマーを含み得、或いは本質的にそれからなる。
本開示による実施形態は、以下により完全に記載される。しかしながら、本開示の態様は、異なる形態で具現化することができ、本明細書に説明される実施形態に限定されると解釈すべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。本明細書の詳細な説明において使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のためのものにすぎず、限定的なものでない。
A.ヒト絨毛性ゴナドトロピン
本明細書において使用される用語「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」又は「hCG」は、この名称と関連する規定の糖タンパク質及び天然発生hCG又はそのアイソフォームと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を共有する類似の生物学的機能を有する任意の他の分子を指す。hCG誘導体及びアイソフォームは、本明細書に記載の組成物及び方法において利用することもできる。他の実施形態において、天然発生hCGとの少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%のアミノ酸配列同一性を有するhCGバリアントを、本発明の組成物において使用することができる。
実際、hCGは、着床後に胎盤中の合胞体性栄養膜により産生され、且つ性腺により少量産生される。これは、全ての年齢の男性及び女性の下垂体中で産生されるLHのアナログである。hCGは合成によっても産生することができ、市販されている。本明細書において使用されるhCGは、糖タンパク質の組換えバージョン、例えば、限定されるものではないが、Ovidrel(登録商標)、Dong-Aの組換えhCG[製品コードDA-3803]、それらの製品のいずれかとの生物学的同等性を実証する別の組換えhCG、又はそれらのジェネリック版を指し得る。例えば、Seo et al.,BioDrugs,1;25(2):115-27(2011)参照。一部の実施形態において、このような組換えhCGは、動物(例えば、ヒト又は他の哺乳動物)細胞系又は細菌細胞系により産生される。一部の実施形態において、このような組換えhCGは、約40から約60kDaであり、例えば、少なくとも約40kDa又は約40kDa、少なくとも約41kDa又は約41kDa、少なくとも約42kDa又は約42kDa、少なくとも約43kDa又は約43kDa、少なくとも約44kDa又は約44kDa、少なくとも約45kDa又は約45kDa、少なくとも約46kDa又は約46kDa、少なくとも約47kDa又は約47kDa、少なくとも約48kDa又は約48kDa、少なくとも約49kDa又は約49kDa、少なくとも約50kDa又は約50kDa、少なくとも約51kDa又は約51kDa、少なくとも約52kDa又は約52kDa、少なくとも約53kDa又は約53kDa、少なくとも約54kDa又は約54kDa、少なくとも約55kDa又は約55kDa、少なくとも約56kDa又は約56kDa、少なくとも約57kDa又は約57kDa、少なくとも約58kDa又は約58kDa、少なくとも約59kDa又は約59kDa、又は約60kDaである。本明細書において使用されるhCGは、単離天然産生hCG、例えば、限定されるものではないが、Novarel(登録商標)、Pregnyl(登録商標)の尿由来hCG、それらの製品のいずれかとの生物学的同等性を実証する別の組換えhCG、又はそれらのジェネリック版も指し得る。
hCGは、アルファ及びベータサブユニットを含む約38kDaのヘテロ二量体である。アルファサブユニットは、92個のアミノ酸及び2つのN結合炭水化物鎖を有する。ベータサブユニットは、145個のアミノ酸を有し、2つのN結合及び4つのO結合炭水化物鎖を有する。個々のサブユニットはヘテロ二量体中で非共有結合相互作用により一緒に保持される一方、ヘテロ二量体並びにアルファ及びベータサブユニットは疎水性コアをほとんど有さず、又は有さない。アルファサブユニット中の5つ及びベータサブユニット中の6つのジスルフィド結合は、構造を安定化させる。アルファサブユニット中の10個のハーフシスチンの相同配置が存在し、ベータサブユニットは12個の保存ハーフシスチンを含有する。Banerjee et al.,Indian J.of Exp.Biol.,40:434-447(2002)。サブユニットの両方は、3つのジスルフィド架橋及び4つのポリペプチド鎖により形成されるシスチンノットモチーフからなる。それぞれのサブユニットにおいて、3つのヘアピンループが中央シスチンノットから現れる。糖タンパク質ホルモン、例えば、hCGは、ホルモン活性を有する最も複雑な分子である。Cahoreau et al.,Front Endocrinol.(Lausanne),6:26(2015)。
hCG不均一性:hCGの多数の分子形態が妊娠血清中に存在し、生物学的活性を有さない解離又は分解分子も含まれる。hCGの公知のアイソフォームの例としては、インタクトhCG(「hCG」)、ニック形成hCG(「hCGn」)、hCGベータサブユニット(「hCGβ」)、ニック形成hCGベータサブユニット(「hCGβn」)、hCGベータコア断片(「hCGβcf」)、及びhCGアルファサブユニット(「hCGα」)が挙げられる。
B.コポリマーマイクロスフェア
本明細書において使用される用語「マイクロスフェア」は、薬物送達のために1つ以上の治療剤を負荷することができる内部ボイドをカプセル化する、直径約999μm以下の球状又はスフェロイド粒子を指す。
本開示の態様は、コポリマーにより形成されるマイクロスフェアに関する。一部の実施形態において、これらのコポリマーは、以下の特徴の1つ以上を有するコポリマー又はその一部に基づき選択することができる:(i)ポリマーは、格子を形成して酸の自由流動又は酸の放出を可能とする、(ii)ポリマーは、hCG活性成分を、それが貯蔵され、及び/又はマイクロスフェアが放出される環境から保護する(例えば、温度安定性)、(iii)ポリマーは、親水性である、(iv)ポリマーは、hCGの純度に影響を与えずに分解する、(v)ポリマーは、生分解性である、(vi)ポリマーは、活性成分(hCG)の拡散を可能とする、及び/又は(vii)ポリマーは、流体力学的半径のhCG(例えば、Ovidrel(登録商標)又はDong-A hCGのもの)を収容する。
マイクロスフェアは、マイクロスフェアの総重量に基づきその中の約3%未満から約40%のhCGを約24時間以内に放出し得る。
本明細書に記載のポリマーを利用するhCGの安定的な徐放配合物を作製することができることは、予測されなかった。それというのも、hCGは、上昇温度、例えば、体温において分解することが公知であるためである。pH変化に応答して分解することも公知である。したがって、本発明前は、患者又は対象にhCGを良好に投与する唯一の手法は注射を介するものであると考えられた。本発明は、ポリマーを使用して構成成分のhCGがインビボで存在する温度によってもpHによっても分解されないhCGの安定的な徐放配合物を形成することができるという驚くべき発見を詳述する。
hCG又はその誘導体若しくはアイソフォームを含むマイクロスフェアは、当業者に公知の技術、例として、限定されるものではないが、溶媒蒸発及び噴霧乾燥技術により調製することができる。一部の実施形態において、マイクロスフェアは、約0.1から約1.0、例えば、限定されるものではないが、約0.5から約1.0、約0.55から約1.0、約0.6から約1.0、約0.65から約1.0、約0.7から約1.0、約0.75から約1.0、約0.8から約1.0、約0.85から約1.0、約0.9から約1.0、又は約0.95から約1.0の水-ポリマー比を用いて形成される。一部の実施形態において、マイクロスフェアの水-ポリマー比は、約0.5、約0.55、約0.6、約0.65、約0.7、約0.75、約0.8、約0.85、約0.9、約0.95、又は約1.0である。これらの水ポリマー比は、hCG又はその誘導体若しくはアイソフォーム及び/又はマイクロスフェアを形成するために使用されるポリマーの濃度に基づき特定の放出プロファイルを達成するように調整することができる。Bos et al.,Pharmaceutical Technology,October 2011:110-120参照。
一部の実施形態において、マイクロスフェアは、少なくとも約1μm、少なくとも約2μm、少なくとも約5μm、少なくとも約10μm、少なくとも約20μm、少なくとも約30μm、少なくとも約40μm、少なくとも約50μm、大きくとも約50μm、大きくとも約60μm、大きくとも約70μm、大きくとも約80μm、大きくとも約90μm、又は大きくとも約100μmの直径を有する。一部の実施形態において、マイクロスフェアは、約20μmから約100μm、約30μmから約100μm、約30μmから約50μm、又は約50μmから約100μmの直径を有する。
一部の実施形態においてマイクロスフェアの調製に使用されるhCGの濃度は、少なくとも約5mg/ml、少なくとも約10mg/ml、少なくとも約15mg/ml、少なくとも約20mg/ml、少なくとも約25mg/ml、少なくとも約30mg/ml、少なくとも約35mg/ml、少なくとも約40mg/ml、少なくとも約45mg/ml、少なくとも約50mg/ml、少なくとも約55mg/ml、少なくとも約60mg/ml、少なくとも約65mg/ml、少なくとも約70mg/ml、少なくとも約75mg/ml、少なくとも約80mg/ml、少なくとも約85mg/ml、少なくとも約90mg/ml、少なくとも約95mg/ml、少なくとも約100mg/mlである。マイクロスフェアの調製に使用されるhCGの濃度は、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約35mg/ml、約40mg/ml、約45mg/ml、約50mg/ml、約55mg/ml、約60mg/ml、約65mg/ml、約70mg/ml、約75mg/ml、約80mg/ml、約85mg/ml、約90mg/ml、約95mg/ml、約100mg/ml以上のタンパク質であり得る。
B1.PolyActive(商標)マルチブロックコポリマーから構成されるhCGマイクロスフェア
ある態様において、コポリマーは、ブロックコポリマーであり、任意選択により、ポリエチレングリコール(PEG)及び1つ以上の他のポリマーを含み、或いは本質的にそれからなり得る。一部の態様において、1つ以上の他のポリマーは、任意選択により、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)から選択することができる。非限定的な例示的なポリマーは、反復ポリマー単位の化学構造、例えば、
Figure 2022504427000001

を有する、OctoPlus及び/又はDr.Reddy’s Laboratoriesにより産生されるPolyActive(商標)ポリマーである。
PolyActive(商標)ポリマーは、ポリ(エチレングリコール)、PEG、及びポリ(ブチレンテレフタレート)、PBTをベースとする一連のポリ(エーテルエステル)マルチブロックコポリマーにより表される。この系の主な利点は、2つのビルディングブロックのそれぞれの量及び長さを変動させ、カスタム化ポリマーの多様なファミリーを作出する能力である。ポリマーマトリックス特徴、例えば、制御放出の速度、分解、膨潤及び強度は、2つのコポリマーセグメントの適切な組み合わせにより正確に制御することができる。
本発明前は、薬物送達系においてPolyActive(商標)ポリマーが使用されている一方、本発明前は、ポリマーは高度に複雑な糖タンパク質、例えば、hCGのために良好に製剤化されていない。特に、PolyActive(商標)ポリマーに関する先行刊行物は、ポリマーは「生物医薬及び小型親油性分子」の制御放出に有用であることを記述している、P.Mansell,“OctoPlus broadens rights to PolyActive delivery technology,”In-Pharma Technologist.com,dated April 26,2007(http://www.in-pharmatechnologist.com/Ingredients/OctoPlus-broadens-rights-to-PolyActive-delivery-technology,downloaded on March 9,2016参照)。生物医薬の例としては、タンパク質が挙げられる。
PolyActivePEG/PBTマルチブロックコポリマーから調製されたhCGマイクロスフェア剤形中にPEGポリマーが存在する場合、PEGの長さは、約1000から約2500g/molの間で変えることができる。非限定的な例としては、少なくとも約1000g/mol、少なくとも約1100g/mol、少なくとも約1200g/mol、少なくとも約1300g/mol、少なくとも約1400g/mol、少なくとも約1500g/mol、少なくとも約1600g/mol、少なくとも約1700g/mol、少なくとも約1800g/mol、少なくとも約1900g/mol、大きくとも約2000g/mol、大きくとも約2100g/mol、大きくとも約2200g/mol、大きくとも約2300g/mol、大きくとも約2400g/mol、又は大きくとも約2500g/molのPEG長さが挙げられる。
一部の実施形態において、PolyActivePEG/PBTマルチブロックコポリマーから調製されたhCGマイクロスフェア剤形中に存在するPEG及び1つ以上の他のポリマーは、約80/20から約60/40、例えば、限定されるものではないが、約79/21から約60/40、約78/22から約60/40、約77/23から約60/40、約76/24から約60/40、約75/25から約60/40、約74/26から約60/40、約73/27から約60/40、約72/28から約60/40、約71/29から約60/40、約70/30から約60/40、約69/31から約60/40、約68/32から約60/40、及び約67/33から約60/40の比(重量基準)で存在する。重量比の例としては、約80/20、約79/21、約78/22、約77/23、約76/24、約75/25、約74/26、約73/27、約72/28、約71/29、約70/30、約69/31、約68/32、又は約67/33が挙げられる。
B2.結晶性ポリ(L-ラクチド)ビルディングブロックを含有するマルチブロックコポリマーから構成されるhCGマイクロスフェア
本発明の持続放出hCG組成物中で利用することができる他の例示的ポリマーとしては、Innocore Pharmaceuticalsにより産生されるSynBiosys(登録商標)ポリマーが挙げられる。InnoCoreのSynBiosys(登録商標)技術は、薬物送達系として機能するように特別に設計される生体吸収性ポリマーの新規プラットフォームを提供する。ポリマーは、ヒト用途に承認されたD,L-ラクチド、グリコリド、ε-カプロラクトン及びポリエチレングリコールから構成される。本発明前は、SynBiosys(登録商標)ポリマーが薬物送達系において使用されている一方、本発明前は、ポリマーは高度に複雑な糖タンパク質、例えば、hCGのために良好に製剤化されていない。
SynBiosys(登録商標)ポリマーは、全内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第A2013/015685号に記載されている。それに記載の生分解性、半結晶性、相分離、熱可塑性マルチブロックコポリマーは、少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(A)セグメント及び少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含み、前記マルチブロックコポリマーは、生理学的条件下で37℃以下のT及び110~250℃のTを有し、セグメントは、多官能性鎖延長剤により結合しており、セグメントは、ポリマー鎖上でランダム分布しており、プレポリマー(A)セグメントは、ポリエチレングリコールを含む。
生理学的条件下(すなわち、体内)での形態及び特性は、周囲温度(乾燥、室温)下での形態及び特性と異なり得る。本明細書において使用される転移温度T及びTは、インビボで適用される場合、すなわち、水蒸気により飽和された雰囲気との平衡における及び体温における材料の対応値を指す。これは、材料を水飽和雰囲気と平衡させた後にDSC測定を実施することによりインビトロで模擬することができる。
プレポリマー(A)セグメントは、ジオール、ジカルボン酸、及びヒドロキシカルボン酸から選択されるエステル形成モノマーの反応生成物を含み得る。好ましくは、プレポリマー(A)セグメントは、グリコリド、ラクチド(D及び/又はL)、ε-カプロラクトン、及び/又はδ-バレロラクトンの反応生成物を含む。
プレポリマー(A)セグメントは、約500g/mol以上、例えば、約700g/mol以上、約1000g/mol以上、約2000g/mol以上、約3000g/mol以上、又は約4000g/mol以上のMを有し得る。典型的には、プレポリマー(A)セグメントは、約80000g/mol以下のMを有する。
プレポリマー(B)セグメントは、好ましくは、ポリ(L-ラクチド)、より好ましくは、約1000g/mol以上、例えば、約2000g/mol以上、約3000g/mol以上、又は約4000g/mol以上のMを有するポリ(L-ラクチド)を含む。典型的には、プレポリマー(B)セグメントは、約80000g/mol以下のMを有する。
マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、マルチブロックコポリマーの総重量に基づき約10%から約90%、例えば、約30%から約75%、又は約50%から約70%であり得る。
マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(B)の含有率は、マルチブロックコポリマーの総重量に基づき約10%から約90%、例えば、約25%から約70%、又は約30%から約50%であり得る。
多官能性鎖延長剤は、二官能性脂肪族鎖延長剤、好ましくは、ジイソシアネート、例えば、1,4-ブタンジイソシアネート又は1,6-ヘキサンジイソシアネートであり得る。
ポリ(L-ラクチド)ベースのSynBiosys(登録商標)マルチブロックコポリマー中のポリエチレングリコールは、約150から約5000g/mol、例えば、約200g/molから約1500g/mol、約600から約1000g/mol、約400から約3000g/mol、約600から約1500g/mol、約600から約5000g/mol、又は約1000から約3000g/molのMを有し得る。
好ましくは、生分解性マルチブロックコポリマーは、約1から約4、好ましくは、約1から約2、より好ましくは、約1から約1.5の生理学的条件下の膨潤比を有する。
一実施形態において、生分解性マルチブロックコポリマーは、[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(L-ラクチド)]マルチブロックコポリマーである。
B2.結晶性ポリ(p-ジオキサノン)ビルディングブロックを含有するマルチブロックコポリマーから構成されるhCGマイクロスフェア
ある態様において、生分解性マルチブロックコポリマーは、少なくとも1つのアモルファス加水分解性プレポリマー(A)セグメント及び少なくとも1つの半結晶性加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含む生分解性、相分離、熱可塑性マルチブロックコポリマーを含み、
- 生理学的条件下の前記マルチブロックコポリマーは、約37℃以下のT及び約50から約110℃のTを有し;
- セグメントは、多官能性鎖延長剤により結合しており;
- セグメントは、ポリマー鎖上でランダム分布しており;
- プレポリマー(B)セグメントは、X-Y-Xトリブロックコポリマーを含み、式中、Yは、重合開始剤であり、Xは、約7以上のp-ジオキサノンモノマー単位で表されるブロック長さを有するポリ(p-ジオキサノン)セグメントであり、
Xは、好ましくは、約7から約35、例えば、約8から約30、約9から約25、約10から約20、又は約12から約15のp-ジオキサノンモノマー単位で表されるブロック長さを有するポリ(p-ジオキサノン)セグメントである。
プレポリマー(A)セグメントの少なくとも一部、例えば、プレポリマー(A)の総重量基準の約30%以上、約40から約95%、約50から約90%、又は約60から約85%は、水溶性ポリマーに由来することができる。
プレポリマー(A)は、例えば、環状モノマー及び/又は非環状モノマーの反応生成物を含み得る。好適な非環状モノマーは、例えば、コハク酸、グルタル酸(gluratic acid)、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール及び/又は1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択することができる。好適な環状モノマーは、例えば、グリコリド、ラクチド、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、1,5-ジオキセパン-2-オン、1,4-ジオキサン-2-オン(p-ジオキサノン)及び/又は環状無水物、例えば、オキセパン-2,7-ジオンからなる群から選択することができる。
好ましくは、プレポリマー(B)セグメントは、比較的大きいポリ(p-ジオキサノン)部分を含む。例えば、プレポリマー(B)セグメントの総重量基準の約70%以上、好ましくは、約80%以上、より好ましくは、約90%以上は、ポリ(p-ジオキサノン)であり得る。
プレポリマー(B)セグメントは、約1300から約7200g/mol、好ましくは、約1300から約5000g/mol、より好ましくは、約1500から約4500g/mol、さらにより好ましくは、約2000から約4000g/mol、例えば、約2200から約3000g/molの数平均分子量Mを有し得る。
プレポリマー(B)セグメントは、約1800から約10800g/mol、好ましくは、約1800から約7000g/mol、より好ましくは、約2100から約6300g/mol、さらにより好ましくは、約2600から約5600g/mol、例えば、約3000から約4200g/molの重量平均分子量Mを有し得る。
プレポリマー(B)セグメントは、約0℃未満、例えば、約-20℃未満、又は約-40℃未満のTを有し得る。プレポリマー(B)セグメントは、約60から約100℃の範囲、好ましくは、約75から約95℃の範囲のTを有し得る。
水溶性ポリマーは、ポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリテトラメチレンオキシド(PTMO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルカプロラクタム、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(ポリ-HEMA))、ポリホスファゼン、又はそれらのポリマーのコポリマーからなるポリマーの群から選択し、又は由来することができる。好ましくは、水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールに由来する。より好ましくは、水溶性ポリマーは、約150から約5000g/molのMを有するポリエチレングリコールに由来する。
鎖延長剤は、二官能性脂肪族鎖延長剤であり得る。好ましくは、鎖延長剤は、ジイソシアネート、例えば、1,4-ブタンジイソシアネート又はヘキサメチレンジイソシアネートである。
一実施形態において、生分解性マルチブロックコポリマーは、[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(p-ジオキサノン)]マルチブロックコポリマーである。
ある態様において、生分解性マルチブロックコポリマーは、[(R [(R )]により表され、
式中、
、及びRは、それぞれ
Figure 2022504427000002

であり、
は、
Figure 2022504427000003

であり、
及びRは、それぞれ
Figure 2022504427000004

であり、
nは、繰り返しR部分の数であり、約20から約115、好ましくは、約35から約100、より好ましくは、約45から約85であり;
pは、繰り返しR及びR部分の数であり、約7以上、好ましくは、約7から約35、より好ましくは、約10から約20、さらにより好ましくは、約10から約14であり;
qは、(R )ブロックの数平均分子量であり、約1000から約7000g/mol、好ましくは、約3000から約5000g/mol、より好ましくは、約3800から約4200g/molであり;
r/sは、プレポリマー(A)セグメントとプレポリマー(B)セグメントとの比であり、約0.10から約1.0、例えば、約0.15から約0.50、又は約0.20から約0.30である。
一実施形態において、生分解性マルチブロックコポリマーは、[(R [(R )]により表され、R、R、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立して上記定義のとおりであり、nは、約65から約71であり、pは、約11から約13であり、qは、約3800から約4200であり、rは、約15から約25であり、sは、約75から約85である。
ポリ(p-ジオキサノン)ベースマルチブロックコポリマーから調製されたhCGマイクロスフェア剤形中にPEGポリマーが存在する場合、PEGの長さは、約1000から約5000g/molの間で変えることができる。非限定的な例としては、少なくとも約1000g/mol、少なくとも約1200g/mol、少なくとも約1400g/mol、少なくとも約1600g/mol、少なくとも約1800g/mol、少なくとも約2000g/mol、少なくとも約2200g/mol、少なくとも約2400g/mol、少なくとも約2600g/mol、少なくとも約2800g/mol、少なくとも約3000g/mol、少なくとも約3200g/mol、少なくとも約3400g/mol、少なくとも約3600g/mol、少なくとも約3800g/mol、大きくとも約4000g/mol、大きくとも約4200g/mol、大きくとも約4400g/mol、大きくとも約4600g/mol、大きくとも約4800g/mol、又は大きくとも約5000g/molのPEG長さが挙げられる。
C.配合物
本開示の態様は、複数のhCGマイクロスフェアを含む配合物に関する。このような配合物は、本明細書に開示のパラメータのいずれか1つに従うマイクロスフェアの均一又は不均一混合物を含み得る。さらなるこのような配合物は、任意選択により、治療される規定の適応症に関する薬学的に許容可能な賦形剤及び/又は他の構成成分をさらに含み得る。
D.投与の方法及び放出プロファイル
本明細書に開示のマイクロスフェアの特徴部は、hCG又はその誘導体若しくはアイソフォームの徐放を可能とする放出プロファイルである。一部の態様において、マイクロスフェア又はマイクロスフェア配合物中のhCG又はその誘導体若しくはアイソフォームの1/7未満若しくは約1/7、例えば、1/14未満若しくは約1/14、1/21未満若しくは約1/21、1/28未満若しくは約1/28、1/29未満若しくは約1/29、1/30未満若しくは約1/30、1/31未満若しくは約1/31、1/33未満若しくは約1/33、1/34未満若しくは約1/34、1/35未満若しくは約1/35、1/42未満若しくは約1/42、1/49未満若しくは約1/49、1/56未満若しくは約1/56、1/57未満若しくは約1/57、1/58未満若しくは約1/58、1/59未満若しくは約1/59、1/60未満若しくは約1/60、1/61未満若しくは約1/61、又は1/62未満若しくは約1/62が、投与後の最初の24時間において放出される。一部の態様において、マイクロスフェア又はマイクロスフェア配合物中のhCG又はその誘導体若しくはアイソフォームの約2%から約40%、例えば、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約10.5%、約11%、約11.5%、約12%、約12.5%、約13%、約13.5%、約14%、約14.5%、約15%、約15.5%、約16%、約16.5%、約17%、約17.5%、約18%、約18.5%、約19%、約19.5%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、又は約40%、又はそれらの値の2つを含む任意の範囲、例えば、約18.5%から約26%が、最初の24時間において放出される。
いかなる理論によっても拘束されるものではないが、上記の放出プロファイルは、規定の期間、例えば、限定されるものではないが、約1週間以上、約2週間以上、約3週間以上、約4週間以上、約5週間以上、約6週間以上、約7週間以上、約8週間以上、約1か月以上、約2か月以上、又は約7日間以上、約8日間以上、約9日間以上、約10日間以上、約11日間以上、約12日間以上、約13日間以上、約14日間以上、約15日間以上、約16日間以上、約17日間以上、約18日間以上、約19日間以上、約20日間以上、約21日間以上、約22日間以上、約23日間以上、約24日間以上、約25日間以上、約26日間以上、約27日間以上、約28日間以上、約29日間以上、約30日間以上、約31日間以上、約32日間以上、約33日間以上、約34日間以上、約35日間以上、約36日間以上、約37日間以上、約38日間以上、約39日間以上、約40日間以上、約41日間以上、約42日間以上、約43日間以上、約44日間以上、約45日間以上、約46日間以上、約47日間以上、約48日間以上、約49日間以上、約50日間以上、約51日間以上、約52日間以上、約53日間以上、約54日間以上、約55日間以上、約56日間以上、約57日間以上、約58日間以上、約59日間以上、約60日間以上、約61日間以上、又は約62日間以上、約1か月以上、約2か月以上、約3か月以上、約4か月以上、約5か月以上、約6か月以上のhCG又はその誘導体若しくはアイソフォームの徐放を可能とすることが想定される。
マイクロスフェア及びそれらのマイクロスフェアを含む配合物は、当分野において公知の投与の任意の方式、例として、限定されるものではないが、局所、腸内、非経口、経口、舌下、吸入を介するもの、鼻腔、注射を介するもの、皮内、経皮、筋肉内、皮下、ボーラス投与、注入、及び/又は任意の他の好適な方法に従って投与することができることが想定される。
ある態様において、本開示は、図1による理論放出プロファイルを達成し、又はそれに近似する投与の方法に関する。一部の実施形態において、放出プロファイルは、最小のバースト放出を示し、又はバースト放出を示さない。
本開示の態様は、例えば、図1による放出プロファイルに近似する投与のレジメンに関する。このようなレジメンとしては、約1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、1か月、2か月、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、約30、約31、約32、約33、約34、約35、約36、約37、約38、約39、約40、約41、約42、約43、約44、約45、約46、約47、約48、約49、約50、約51、約52、約53、約54、約55、約56、約57、約58、約59、約60、約61、又は約62日間ごとの徐放hCG配合物の投与が挙げられる。
E.治療の方法
本明細書に開示のhCGマイクロスフェア及びその配合物は、種々の治療を治療するために使用することができ、適応症に基づく適切な周期及び用量に従って投与することができる。適応症は、ヒト又は動物であり得る。例示的な適応症としては性腺機能低下症(hyogonadotropism)、停留睾丸、黄体期維持(例えば、生殖補助技術におけるもの)、避妊、体重損失、下垂体障害、乳癌及び/又はhCG欠損と関連する任意の他の疾患若しくは障害が挙げられる。
ある実施形態は、本明細書に開示のhCGマイクロスフェア及び配合物による乳癌の治療に関する。妊娠は、乳癌に対して保護性であることが公知である。理論により拘束されるものではないが、本明細書に開示のhCGマイクロスフェア及び配合物の投与が、乳癌リスクの約30%から約40%の低減まで達成し得ることが予測される。Russo and Russo,Molecular Basis of Breast Cancer:Prevention and Treatment (Springer Science&Business Media,2004)参照。さらに、hCGの投与についての当分野において開示される方法とは異なり、本明細書に開示のhCGマイクロスフェア及び配合物は、3か月間にわたる慣用のhCGの45回の投与に対して少ない投与、例えば、約10回未満、約9回未満、約8回未満、約7回未満、約6回未満、約5回未満、約4回未満、約3回未満の投与、又は約1若しくは2回の投与を要求する。他の実施形態において、記載の配合物は、乳癌の治療及び/又は予防のために週1回の投与、又は月1、2若しくは3回の投与スケジュールで有効であり得る。一部の実施形態において、治療は、未経産女性における既存の乳癌のための治療である。一部の実施形態において、記載の配合物は、1か月よりも長い治療効果を提供する1回の注射の形態である。
F.一般的定義
本発明の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が特にそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むものとする。
本明細書において使用される用語「約」は、測定可能な値、例えば、量又は濃度などを指す場合、規定量の20%、10%、5%、1%、0.5%、又はさらには0.1%の変動を包含することを意味する。
用語「許容可能な」、「有効な」又は「十分な」は、本明細書に開示の任意の構成成分、範囲、用量形態などの選択を説明するために使用される場合、前記構成成分、範囲、用量形態などが開示目的に好適であることを意図する。
また、本明細書において使用される「及び/又は」は、関連する列記項目の1つ以上の任意の及び全ての考えられる組み合わせを指し、包含し、並びに択一的に(「又は」で)解釈される場合の組み合わせを含まない。
本明細書において使用される用語「含む」は、配合物及び方法が引用される要素を含むが、他のものを除外しないことを意味するものとする。本明細書において使用される移行句「から本質的になる」(及び文法的変化形)は、引用される実施形態の引用される材料又はステップ「並びに(1つ以上の)基礎及び新規特徴に実質的に影響を与えないもの」を包含すると解釈すべきである。In re Herz,537 F.2d 549,551-52,190 U.S.P.Q.461,463(CCPA 1976)(強調は原文のまま)参照;MPEP § 2111.03も参照。したがって、本明細書において使用される用語「から本質的になる」は、「含む」と同等であると解釈すべきでない。「からなる」は、微量を超える他の成分の要素及び本明細書に開示の配合物を投与する実質的な方法ステップを除外することを意味するものとする。これらの移行語のそれぞれにより定義される態様は、本開示の範囲内である。
「配合物」は、活性剤と、不活性(例えば、検出可能な薬剤又は標識)又は活性の、別の化合物又は組成物(例えば、アジュバント)との組み合わせを意味するものとする。
「医薬配合物」は、活性剤と、インビトロ、インビボ又はエクスビボでの診断又は治療的使用に配合物を好適にする不活性又は活性担体との組み合わせを含むものとする。
「薬学的に許容可能な担体」は、本発明の配合物中で使用することができる任意の希釈剤、賦形剤、又は担体を指す。薬学的に許容可能な担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベース物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が挙げられる。好適な医薬担体は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company、本分野の標準参照教本に記載されている。これらは、好ましくは、意図される投与形態、すなわち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などに関して選択され、慣用の医薬実務と一致する。
本明細書において使用される用語「徐放」は、活性成分(hCG)を規定の期間にわたり放出する能力を指す。用語「バースト放出」は、長期間にわたる継続放出が持続性でないような環境中への活性成分(hCG)の急速放出期を指す。
本明細書において使用される用語「対象」又は「患者」は、任意の動物を意味するために互換的に使用される。一部の実施形態において、対象は、哺乳動物であり得;さらなる実施形態において、対象は、ヒト、マウス、又はラットであり得る。
本明細書において使用される対象における疾患を「治療すること」又はその「治療」は、(1)疾患にかかりやすい若しくはその症状を依然として呈していない対象において症状若しくは疾患が発生するのを予防すること;(2)疾患を阻害し、若しくはその発生を停止させること;又は(3)疾患若しくは疾患の症状を改善し、若しくは退行を引き起こすことを指す。当分野において理解されるとおり、「治療」は、有益又は所望の結果、例として、臨床結果を得るためのアプローチである。現在の技術の目的のため、有益又は所望の結果としては、1つ以上の、限定されるものではないが、検出可能か検出不可能かにかかわらず、1つ以上の症状の緩和又は改善、病態(例として、疾患)の程度の縮小、病態(例として、疾患)の安定化(すなわち、悪化しない)状態、病態(例として、疾患)、進行の遅滞又は遅延、病態(例として、疾患)、状態の改善又は軽減、及び寛解(部分か完全かを問わない)を挙げることができる。
特に規定のない限り、本明細書において使用される全ての用語(例として、技術及び科学用語)は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。用語、例えば、一般に使用される辞書において定義されるものは、本出願の文脈及び関連分野におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化された又は過剰に形式的な意味で解釈すべきでないことがさらに理解される。例えば、特定の器官の特徴を示す生物材料(例えば、組織、オルガノイド、試料)を指すため記述語を使用することができ、例えば、肝臓由来組織又は肝臓様オルガノイドを記載するために「肝」を使用することができる。以下により明示的に定義されない場合、そのような用語は、それらの一般的な意味に従って解釈すべきである。
本明細書の詳細な説明において使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のためにすぎず、本発明を限定するものではない。本明細書に挙げられる全ての刊行物、特許出願、特許及び他の参照文献は、参照により全体として組み込まれる。
本技術の実施は、特に示されない限り、当業者の技能の範囲内の慣用の技術を用いる。
文脈が特に示さない限り、本明細書に記載の本発明の種々の特徴部は、任意の組み合わせで使用することができることが具体的に意図される。さらに、本開示は、一部の実施形態において、本明細書に説明される任意の特徴部又は特徴部の組み合わせを除外し、又は省略することができることも企図する。説明すると、複合体が構成成分A、B及びCを含むことを本明細書が記述する場合、A、B若しくはCのいずれか、又はその組み合わせを単体で又は任意の組み合わせで省略し、放棄することができることが明確に意図される。
全ての数値指定、例えば、pH、温度、時間、濃度、及び分子量は、範囲を含め、適宜1.0又は0.1の増分だけ、或いは+/-15%、或いは10%、或いは5%、或いは2%の変動だけ(+)又は(-)に変動する近似値である。常に明示されるものではないが、全ての数値指定には、用語「約」が先行することを理解すべきである。常に明示されるものではないが、本明細書に記載の試薬は単に例示であること及びそのようなものの同等物は当分野において公知であることも理解すべきである。
V.実施例
以下の実施例は、非限定的なものであり、本開示の実施における種々の例において使用することができる手順の説明である。さらに、本明細書に開示の全ての参照文献は、参照により全体として組み込まれる。
実施例1-市販hCGの比較
EMD Seronoから入手したOvidrel(登録商標)(「Serono」)及びDong-A hCGを、分子量の差について比較した。
コロイダルブルーネイティブ及びSDS pageゲルを調製した。銀染色に好適なゲルも調製したが、読取不能な結果を生成した。
ネイティブ試料及びランニング緩衝液を用いるネイティブゲル条件下で、Dong-A及びSeronoの両方のAPI hCGの調製試料は、同じバンドパターンを示した。
ネイティブPAGE分析は、Dong-A及びSeronoからのhCG間に有意な分子量の差が存在しないことを実証した。ネイティブPAGEゲル上の分子量は類似であるが、非適合マーカーに起因して読み取ることは困難である。非ネイティブ及び半ネイティブ条件(SDSの存在)において、Dong-A及びSeronoからのhCGの分子量(44から52kDaのバンド形成)は、50~60kDaの列記される単一拡散バンドと類似する(図12)。
実施例2-PolyActive hCGマイクロスフェアの産生
pH7.4におけるPBS緩衝液+メチオニンを使用してDong-A hCGを20mg/mlの標的濃度に濃縮した。分析のまとめを以下の表1に提示する。
Figure 2022504427000005
タンパク質の統合性は濃縮ステップの間維持され、約20mg/ml(21.5mg/ml)のタンパク質溶液をもたらし、次いでそれは1.5~2%のタンパク質/ポリマー比を可能とする。したがって、最終薬物生成物は0.2cc中約0.2~0.6mgのhCGの範囲であるべきである。タンパク質の統合性は、濃縮の間維持された(図11)。
濃縮hCGを、ポリマーを含む有機溶液(PolyActive(商標)ポリマー(1g/9gのジクロロメタン))を有する一次エマルジョン中に、ポジティブディスプレイスメントピペットを使用して導入し、次いで19000rpmにおいて室温において30秒間ホモジナイズした。次いで、この一次エマルジョンをPBS PVA 7%と5分間混合し、次いでPBS+メチオニンを5時間添加し、次いで5回洗浄した。プラセボ(PBS+メチオニン)負荷マイクロスフェアを用いて同様のプロセスを繰り返した。
マイクロスフェアをこの方法に従って種々のポリマー、例として、以下に列記されるものについて生成した:
PolyAvctive(商標)PEG1500シリーズ:PEG/PBT重量比=70/30、75/25、80/20、90/10
PolyActive(商標)PEG1000シリーズ:PEG/PBT重量比=70/30、67/33
PolyActive(商標)PEG2000シリーズ:PEG/PBT重量比=60/40、75/25、80/20
表2に記載のとおり、Mastersizerを使用して、得られた粒子をサイジングした。
Figure 2022504427000006
顕微鏡観察は、Mastersizerを用いて得られた結果を裏付けた。大きい卵形のマイクロスフェア形状を与えた重量比1500/90/10を有するマイクロスフェア配合物を除き、有意な形態差は観察されなかった。サイズ分布に基づき、表3の配合物、一般に、いかなる追加の加工も有さない約50から100μmのサイズの範囲のものをさらなる分析のために選択した。
Figure 2022504427000007
実施例3-PolyActive hCGマイクロスフェアの放出プロファイルの分析
マイクロスフェアを実施例2の方法に従って調製した。表4に列記される一連の配合物を、インビトロ放出アッセイを介して検査した。
Figure 2022504427000008
試料及び対照を、pH7.4におけるPBS中0.05%のNaN及び0.05%のTween20と37℃においてインキュベートした。14日間まで実施された予備累積及び正規化放出プロファイルを決定した(図2~3)。配合物695-01-0008、695-01-0010、及び695-01-0011は全て、低~無バースト放出を実証した。hCGは、対照配合物について実質的に純粋のままであり(図13)、表5により示されるとおり、14日間にわたり約5%のみ減少した。
Figure 2022504427000009
配合物695-01-0011(「配合物11」)は、徐放hCG投与に好適な放出プロファイルを示した。理論放出プロファイルを配合物11の変動hCG用量についてその実測インビトロ放出プロファイル(図4)に基づき決定し(図5~9)、以下を想定した、バイオアベイラビリティ=0.5;分布容積=5.5l;吸収半減期=8時間;終末排泄半減期=24時間;23~25G針を用いる注射容易性(injectability)のための最大マイクロスフェア密度は15%w/v(150mg/ml)であり;2%の薬物負荷;1cc注射は3mgのhCGを送達する;及び1回の注射:「配合物11」PolyActiveマイクロスフェアとして製剤化された1ml中3mgのhCG。表6は、いかにhCGの半減期及び投与間隔が配合物11中の3mgのhCGを有する生成物について血液中の最小の持続hCGレベル、ng/mlをもたらすかを示す。
Figure 2022504427000010
min及びCmax間の比も、大きい差t1/2=24及び36時間を示す。血漿レベルは投与される用量及び排泄半減期に比例する。例えば、2週間に1回の投薬について実に4又は6週間までのより低い放出速度を有する配合物は、より低いCmax/Cmin比及び用量のより効率的な使用を提供し得、より高い負荷%のhCGの必要性を低減させる。
したがって、機能的配合物11のパラメータを変えてインビトロ放出の別のラウンドを検討した。提案されるバリエーションを表7に列記する。さらなる検討としては、PolyActive(商標)PEG1500 75/25及びPolyActive(商標)PEG1500 70/30を1:4、1:1、1.5:1、又は4:1の重量比においてブレンドしてPolyActive(商標)PEG1500 71/29、72.5/27.5、73/27、及び74/26をそれぞれ模倣することを含む。
Figure 2022504427000011
インビトロ放出アッセイの2回目及び3回目のラウンドを、表8に列記される追加の試料について実施した。多数の配合物-695-01-0021(少なくとも4から6週間の放出)、695-01-0025、695-01-0031、695-01-0032、695-01-0033(最適と考えられる)、及び695-01-0034が、1週間から50日間超の範囲の徐放継続期間に好適なhCG放出プロファイルを示した(図10、14~16)。これらの配合物のさらなる分析を表8に提供する。
Figure 2022504427000012
実施例4-SynBiosys[PCL-co-PEG-co-PCL]-b-[PLLA]マルチブロックコポリマーから構成されるhCG徐放マイクロスフェアの産生
本実施例は、SynBiosys[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(L-ラクチド)](PCL-co-PEG-co-PCL]-b-[PLLA])マルチブロックコポリマーから調製されたhCG徐放マイクロスフェアの調製及び特徴付けを記載する。
hCG(Dong-A Pharmaceutical Co.,Ltd;Korea)を、pH7.4におけるPBS緩衝液+メチオニン及び10kDaのカットオフサイズを有するポリエーテルスルホン膜を有するAmicon Ultra-15バイアルを使用して30mg/mlの標的濃度に濃縮した。濃縮溶液のhCG濃度は、RP-UPLCにより決定して30.7mg/mlのhCGであった。濃縮タンパク質溶液の可視的試験は、不溶性粒子が存在しないことを示した。hCGの統合性は、濃縮ステップの間維持された。RP-UPLC分析(図17、UPLCクロマトグラム)は凝集物の不存在を裏付け、分解の徴候は存在しなかった。
およそ0.35gの濃縮hCG溶液を、2.92gのジクロロメタン(DCM)中0.50gのポリマーの溶液に添加し、次いで22000rpmにおいて40秒間ホモジナイズして油中水型(W/O)一次エマルジョンを得た。次いで、この一次エマルジョンを、連続フロー反応器を使用して5.0w/v%のNaClを含有する4.0%の水性PVA溶液により乳化させ、それにより水中油中水型(W/O/W)二重エマルジョンを形成させた。W/O/Wエマルジョンを室温において3時間撹拌してジクロロメタンの抽出及び蒸発を可能とした。溶媒蒸発の完了後、hCGマイクロスフェアを濾過により回収し、凍結乾燥させて乾燥hCGマイクロスフェアを得た。
上記手順を使用して、マイクロスフェアをSynBiosys50[PCL-co-PEG1000-co-PCL]2000-b-[PLLA]4000及びSynBiosys30[PCL-co-PEG3000-co-PCL]4000-b-[PLLA]4000のブレンドから、異なる配合及びプロセスパラメータ設定(ポリマーブレンド比、ポリマー濃度、CP:DP比)において調製した。
SynBiosys50[PCL-co-PEG1000-co-PCL]2000-b-[PLLA]4000(50CP10C20-LL40とも略される)は、2000g/molの分子量を有する親水性[PCL-co-PEG1000-co-PCL]プレポリマーセグメント(A)(1000g/molの分子量を有する50モル%のポリエチレングリコールを含有)及び1,4-ブタンジイソシアネートにより50/50重量%のブロック比で鎖延長されている4000g/molの分子量を有する半結晶性ポリ(L-ラクチド)プレポリマーセグメント(B)から構成されるマルチブロックコポリマーである。SynBiosys 30[PCL-co-PEG3000-co-PCL]4000-b-[PLLA]4000(30CP30C40-LL40とも略される)は、4000g/molの分子量を有する親水性[PCL-co-PEG3000-co-PCL]プレポリマーセグメント(A)(3000g/molの分子量を有する75モル%のポリエチレングリコールを含有)、及び1,4-ブタンジイソシアネートにより30/70重量%のブロック比で鎖延長されている4000g/モルの分子量を有する半結晶性ポリ(L-ラクチド)プレポリマーセグメント(B)から構成されるマルチブロックコポリマーである。
得られたhCGマイクロスフェアを、それらの粒子サイズ分布についてCoulter Counter Multisizer IIIを使用して特徴付けした。平均粒子サイズは、21から48μmで変動した(表9)。
Figure 2022504427000013
JEOL JCM-5000 Neoscopeを使用する走査型電子顕微鏡観察により評価されたhCGマイクロスフェアの顕微鏡観察試験は、Coulter Counterを用いた結果を裏付けた。全てのhCGマイクロスフェアは、類似の形態学的特徴、すなわち、平滑表面を有する球状に成形されたマイクロ粒子を有した(図18)。
全てのマイクロスフェアのhCG含有率及びカプセル化効率(EE)は、0.1MのNaOH中でのポリマーの加水分解、加水分解物と100mMのリン酸緩衝液pH7.4との混合及びRP-UPLCによるhCG濃度の後続の分析により決定した。hCGマイクロスフェアバッチのhCG含有率は、1.3%から1.8%で変動し、75%から95%のカプセル化効率を表した(表9)。
インビトロ放出キネティクスは、hCGマイクロスフェアを、0.01%のTween-20及び0.01%のアジ化ナトリウムを含有するPBS緩衝液pH7.4中で37℃においてインキュベートすること、所定の試料採取、及びRP-UPLCによるhCG濃度の分析により決定した。少なくとも4週間まで実施された累積放出プロファイルを決定した(図19)。全ての配合物は、低~無バースト放出とそれに続くその後のhCGの持続的放出を実証した。配合物の一部は、ラグタイムとそれに続く不規則な放出パターンを示した(JA16044及びJA16045)。JA16043は、最も有望な放出キネティクスを示した。それというのも、それはバーストを有さず、1週間の線形放出及び>75%の回収率を有したためである。JA16-043を、放出hCGの統合性についてさらに分析した。インタクトhCGの濃度をRP-UPLCにより決定した。図20に示されるとおり、hCGはほぼ完全にそのインタクト形態でhCGマイクロスフェアから放出された。
実施例5-SynBiosys20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]マルチブロックコポリマーの合成
実施例4において使用された[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(L-ラクチド)]マルチブロックコポリマーは、比較的緩慢に分解することが公知である。ポリ(p-ジオキサノン)ベース結晶性ブロックから構成されるマルチブロックコポリマーは、より早く分解することが公知であり、それは反復皮下投与時のポリマー担体蓄積の防止において有益であり得た。
本実施例は、PEG3000及び20/80重量%のブロック比をベースとする[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(p-ジオキサノン)]マルチブロックコポリマーの合成及び特徴付けを記載する。
約4000g/molの分子量(M)を有するポリ(ε-カプロラクトン)-co-PEG3000-co-ポリ(ε-カプロラクトン)プレポリマー(PCL-PEG3000-PCLと略される)を、開始剤としての3000g/molの分子量を有するポリエチレングリコール(PEG3000)及び触媒としてのオクタン酸スズを使用するε-カプロラクトンの開環重合により調製した。約2500g/molの分子量(M)を有するポリ(p-ジオキサノン)プレポリマー(PDOと略される)を、開始剤としての1,4-ブタンジオール及び触媒としてのオクタン酸スズを使用するp-ジオキサノンの開環重合により合成した。プレポリマーの分子量をH-NMRにより分析した。
20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]と略される、20/80重量%のブロック比を有する[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]マルチブロックコポリマーを、鎖延長剤としての1,4-ブタンジイソシアネートを使用するp-ジオキサン中のPDOプレポリマーを用いるPCL-PEG3000-PCLプレポリマーの鎖延長とそれに続くp-ジオキサンを除去するための凍結乾燥又は沈殿により調製した。
ポリマーを、H-NMRによりポリマー組成、固有粘度(ウベローデ、クロロホルム)、残留p-ジオキサン含有率(ガスクロマトグラフィー)及び変調示差走査熱量測定により熱的特徴について分析した。表10は、種々の[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-PEG-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(p-ジオキサノン)]マルチブロックコポリマーの特徴を列記する。
Figure 2022504427000014
実施例6-SynBiosys20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]マルチブロックコポリマーから構成されるhCG徐放マイクロスフェアの産生
hCG(Dong-A Pharmaceutical Co.,Ltd.Korea)を、実施例4に記載のとおり30mg/mlに濃縮した。1.5gの20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]マルチブロックコポリマー(RCP-1557)を、ジクロロメタン中で15重量%の濃度に溶解させた。0.73gの濃縮hCG溶液をポリマー溶液に添加し、22000rpmにおいて40秒間ホモジナイズして油中水型(W/O)一次エマルジョンを得た。次いで、一次エマルジョンを、20μmの細孔を有する膜を使用する膜乳化を介して5.0w/v%のNaClを含有する4.0%の水性PVA溶液により乳化させ、それにより水中油中水型(W/O/W)二重エマルジョンを形成させた。W/O/Wエマルジョンを室温において3時間撹拌してジクロロメタンの抽出及び蒸発を可能とした。溶媒蒸発の完了後、hCGマイクロスフェアを濾過により回収し、凍結乾燥させて乾燥hCGマイクロスフェアを得た。
実施例4に記載の方法を使用して特徴付けされたhCGマイクロ粒子は、平滑表面形態を有する球状であり(図21)、38μmの平均粒子サイズ及び狭い粒子サイズ分布(CV=14~18%)を有した。hCG含有率は、1.33から1.62重量%で変動し、67から86%のカプセル化効率を表した(表10)。全てのマイクロ粒子は、rhCGを徐々に且つ大部分インタクトで11週間の期間にわたり、いかなる有意なバースト放出も示さずに放出した(図22)。
Figure 2022504427000015
バッチJA16101及びJA16102を、インビボ薬物動態/薬力学のさらなる検査のために1つのバッチに組み合わせた。
実施例7-若年成体カニクイザルにおけるhCG徐放マイクロスフェアのパイロット薬物動態/薬力学試験
JA16101及びJA16102(実施例5)から回収されたhCG徐放マイクロスフェアを用いるインビボ薬物動態/薬力学試験を、5匹の健常な若年成体雄カニクイザルにおいて実施した。
試験の継続期間、全てのサルを3日間ごとにGnRHアンタゴニスト(Cetrorelix 250μg)により処理して下垂体機能及び内因性テストステロン産生を抑制した。全てのサルをCetrorelixにより前処理し(-5及び-2日目)、hCG及びテストステロンレベルの両方について評価した。2匹のサルは、試験の継続期間、3μgのhCGの毎日の皮下注射を受け(対照群):一方のサルにはOvidrelを投与し、他方のサルにはDong-A hCGを投与した。3匹のサルに単一用量のhCG徐放マイクロスフェア(200μg、600μg、及び1200μgのr-hCG)を皮下投与した(hCG-MSP群)。
両方の群について、血液試料を最初の24時間にわたり高頻度で、及びその後は定期的な間隔において得た。得られた血清をhCGについてELISA法(LLOQ=0.5ng/ml)により、及びテストステロンレベルについてLC/MS/MS法(LLOQ=0.25ng/ml)により、hCG及びテストステロンレベルが低レベルに降下するまで評価した。
対照群のサルは、最初に血清hCGレベルの上昇を有し、これは血清テストステロンレベルの対応する上昇を伴った(図23)。血清レベルは、3日目までに定常状態に達した。しかしながら、血清hCG及び血清テストステロンレベルの両方は、hCGの継続的な毎日の注射にもかかわらず、後に最終的にほぼゼロまで下降した。
結合阻害分析を使用してhCGに対する抗薬物抗体(ADA)の存在を確認した。対照群のサルから55日目に回収された試料に対する添加回収分析は、血清hCG及び血清テストステロンレベルの下降がhCGに対するADA応答を伴うことを裏付けた。処理サル血清に対する5及び55ng/nlの参照標準の両方の添加は、ELISAアッセイを使用して未投与サル血清又は投与前のものが添加された場合の80%+超の回収率と異なりhCG回収率の完全な阻害をもたらした。
hCG徐放マイクロスフェアにより処理された3匹全てのサルについて、hCGレベルは、近線形及び用量依存的に上昇する。48時間にわたる血清hCGレベルは、最大用量についても、ほぼゼロのバーストが存在することを裏付けた(図24、パネルA)。試験の継続期間にわたる血清hCGレベル及び血清テストステロンレベルを、図24のパネルB及びパネルC)にグラフ化する。図25は、200μg(パネルA)、600μg(パネルB)及び1200μgのhCG(パネルC)を表すhCG徐放マイクロスフェアを受けたそれぞれの個々のサルについての同じグラフ上の血清hCG及び血清テストステロンを示す。これらのグラフは、試験全体にわたる血清hCG及び血清テストステロンレベルの明確な類似を示す。さらに、これらは血清hCGが、約14日間で有意な減少が生じるまで安定的に放出されることを示す。33日目に回収されたhCG徐放マイクロスフェア処理サル血清の添加回収分析は、血清hCGレベルの下降が対照群と同様に不活性化ADA応答により引き起こされることを裏付けた。
Figure 2022504427000016
まとめると、このパイロット試験は、hCG徐放マイクロスフェアの単一皮下注射がカニクイザルにおけるhCGの用量依存的な持続放出を最小のバーストで提供すること、及びマイクロスフェアから放出されたhCGがその生物活性を保持し、テストステロン応答を誘導することを実証する。
しかしながら、組換えヒトタンパク質に対する抗薬物抗体(ADA)の配合物に関する霊長類モデルの制限に起因して、放出の完全な継続期間にわたる薬物動態を評価することはできなかった。
抗薬物抗体は動物において反復曝露後にhCGに対して形成することが公知であるため、本試験におけるhCGに対するADAの形成は驚くべきことではなかった。まとめると、これらの観察は、hCGレベルの降下が配合物についての問題を反映するのではなく、単にヒトタンパク質の持続放出の評価のための動物モデルの制限であることを示す。不活性化ADAの発生はヒトにおいて予測されず、治療効果を縮小する可能性は低い。ヒト男性は、極めて低レベルであるが検出可能な天然発生レベルのhCGを成人期において有し、hCGの投与に対する免疫応答を有することが予測されない。まとめると、hCG徐放マイクロスフェアの単一皮下注射は、カニクイザルにおけるhCGの用量依存的な持続放出を最小のバーストで提供する。
実施例8-SynBiosysマルチブロックコポリマー20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]から構成されるOvidrelベースhCGマイクロスフェア
本実施例は、代替hCG資源としてOvidrelを使用するhCG徐放マイクロスフェアの調製及び特徴付けを記載する。実施例5に記載のとおり合成された20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]の様々なバッチ(RCP-1801、RCP-1803、RC1811及びRCP-1814)を使用した。
hCG溶液(Ovidrel、Serono)を、実施例4に記載のとおり30mg/mlに濃縮した。hCGの統合性は、濃縮ステップの間維持された。SEC-UPLC分析は、凝集物及びhCG分解の不存在を裏付けた。hCG徐放マイクロスフェアを、実施例5に記載の一般的手順に従う一方、重要な配合及びプロセスパラメータを変えて1.5gのスケールにおいて製造した(表13)。
全てのhCGマイクロスフェアを、レーザ回折により粒子サイズ分布について特徴付けした。粒子は狭い粒子サイズ分布を有し、平均粒子サイズは38から49μmであった(表14)。SEMによる顕微鏡観察試験は、全てのマイクロ粒子が平滑表面形態を有することを示した。
hCG UPLC法を、インタクトhCG及び主にそのサブユニットからなる分解産物間の最大分解能について最適化した。この方法を、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器及び蛍光検出器を備えるWaters Acquity H-Class UPLCシステム上で実施した。hCG統合性は、インタクトタンパク質の濃度を全てのhCG関連化合物の総濃度と比較することにより決定した。インタクトhCG、α及びβサブユニット、可溶性凝集物並びにタンパク質断片を含有する典型的なクロマトグラムの一例を、図26に示す。
Figure 2022504427000017
Figure 2022504427000018
マイクロ粒子からのhCGの抽出及び最適化SEC-UPLC法によるhCG濃度の分析により決定されたhCG含有率は、0.88%(EE44%)から1.93%(EE97%)まで変動した(表14)。
hCG及びhCG統合性のより正確な同定及び定量を可能とするより高い緩衝能を用いる最適化法を使用してインビトロ放出キネティクスを分析した。0.025%のTween-20及び0.02%のアジ化ナトリウムを含有する1.0mlの100mMのリン酸緩衝液pH7.4を含有し、振盪サーモスタット水浴中に配置されたバイアル中で37℃においてhCGマイクロスフェアをインキュベートした。試料を1週間以内の2日間の試料採取間隔の制限で週2回採取した。それぞれの試料採取時点において、試料を遠心分離し、0.85mlの上清を分析のために取り出した。試料をフレッシュIVR培地により2回洗浄し、取り出した容量をフレッシュPBS緩衝液により置き換えた。インビトロ放出試料における総及びインタクトhCG含有率を、SEC-UPLCにより決定した。放出rhCGの統合性は、2日間の試料採取間隔後に採取された試料についてのみ確立して放出rhCG(溶液中)の最小の分解を確保した。
最適化インビトロ放出アッセイを使用し、hCGは、旧式の方法と比較して有意に早くhCG徐放マイクロ粒子から放出した。図27は、表13に従って調製された20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]ベースhCG徐放マイクロスフェアの累積放出キネティクスを示す。12.5%の低ポリマー濃度を使用して調製されたMS18-035を除き、全ての配合物は、1から4週間、及びおよそ5週間の放出の総継続期間、rhCGの低いバースト放出とそれに続くほぼ線形の放出により特徴付けされた類似のhCGインビトロ放出キネティクスを示した。SEC-UPLCにより測定された放出rhCGの統合性は、85から99%で変動した(表15)。
Figure 2022504427000019
まとめると、マイクロカプセル化プロセスはロバストであり、再現可能であり、狭い粒子サイズ分布、約1.62重量%の平均hCG含有率、>80%の許容可能なEE、カプセル化hCGの良好な統合性(>86%)及び約5週間の継続期間を有するS字形インビトロ放出プロファイルを有するhCG徐放マイクロスフェアを生じさせることを結論付けることができる。
実施例9-カプセル化hCG及びhCG-MSPから放出されたhCGの生物活性
カプセル化及び放出hCGの生物活性を、マウスMA-10ライディッヒ細胞バイオアッセイにおいて測定した。検査試料を、実施例8に記載のとおり調製された20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]ベースhCG徐放マイクロスフェアの3つの代表的なロット(MS18-031、MS18-037及びMS18-038)から生成した。徐放マイクロスフェアをインビトロ放出アッセイに供し、hCGを放出させ、2時間、23日及び37日後に回収した。さらに、カプセル化rhCGの安定性を評価するため、hCGを、5か月間凍結貯蔵された徐放マイクロスフェアのロットから抽出し、ライディッヒ細胞バイオアッセイにおいて検査した。
ENZOプロゲステロン酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)キットを介してネズミライディッヒ細胞腫瘍系MA-10中のプロゲステロンのhCG誘導産生を測定するhCGバイオアッセイを使用してそれぞれのhCG-MSPロットからの放出rhCGの生物活性を測定し、Ovidrel(組換え絨毛性ゴナドトロピン)の生物活性と比較した。
高速液体クロマトグラフィー(SEC-UPLC)法により測定されたそれぞれの検査試料の総hCG濃度及びインタクトhCGのパーセントを、表16に列記する。
Figure 2022504427000020
様々なhCG試料により誘導されたプロゲステロンの測定レベルを表17にまとめる。
Figure 2022504427000021
MA-10細胞中のプロゲステロン産生を誘導するhCG検査試料の能力における差のパーセントを、参照標準に対して計算した、表18及び図28(パネルA及びB)参照。
Figure 2022504427000022
IVR試料について、それぞれの試料採取時における3つのロットの平均を計算し(表19、図28(パネルC)にプロットした。
Figure 2022504427000023
データは、マイクロスフェアから抽出され、又は放出されたhCGがネズミMA-10ライディッヒ細胞によるプロゲステロンの産生を誘導し得ることを示す。抽出hCGについて、生物学的活性は参照標準(>90%)のものと類似しており、これは、hCG-MSP中のOvidrelが5.5か月間凍結貯蔵された場合にその効力を維持したことを示唆する。さらに、抽出溶媒は、hCG統合性を減弱させず、それはhCGバイオアッセイを干渉することもなかった。hCG-MSPから放出されたhCGについて、プロゲステロン応答は初期、中期及び後期の放出時点にわたり維持された。プロゲステロン応答は、9つのうち8つの放出試料において75%超であり、9つの試料のうち6つにおいて84%超であった。プロゲステロン応答の減少は経時的に存在した一方、これは全てのhCGマイクロスフェアバッチについて生じるわけではなく、例えば、バッチMS18-037は、3つの時点にわたり活性の変化を実証しなかった。
まとめると、本試験は、hCGをマイクロスフェア中にカプセル化し、hCG徐放マイクロスフェアから経時的に放出させることができる一方、その生物学的活性の薬理学的に重要な部分を維持することを実証する。
実施例10-マイクロカプセル化hCGの2-ABグリカンマッピング
hCGは、高グリコシル化及びシアリル化分子である。hCGシアリル化は、受容体相互作用、シグナル伝達、薬物動態及びインビボ曝露に影響するCQAである。特に末端シアル酸に関するhCG分子への糖部分のリンカーは、潜在的に不安定である。水中油中水型プロセスを介するマイクロスフェア中へのhCGのカプセル化がシアリル化レベル又は一般的グリコシル化に影響したか否か、次いでそれがタンパク質のインビトロ生物活性を必ずしも変化させずに薬物動態に影響を与えたか否かを調査するため、マイクロカプセル化hCGのシアリル化及び一般的グリコシル化レベルを2-ABグリカンマッピングの特徴付けにより分析した。20[PCL-PEG3000-PCL]-b-[PDO]ベースhCG-MSP(MS18-037)を、実施例8に記載のとおり調製した。hCGを実施例7に記載の手順に従って抽出し、抽出hCGの濃度及び統合性をSEC-UPLCにより決定した(表20)。抽出緩衝液(すなわち、0.2%のSDSを有するPBS:MeOH(67:33))に関して考えられるマトリックス干渉又は試料調製に要求される真空濃縮の潜在的な効果を考慮するため、数層の対照を含めた。
Figure 2022504427000024
69個の異なるグリカン種を、r-hCGについてモニタリングした。それぞれの種の存在量を総面積に関して評価し、相対的存在量で表した。主な種を図29のパネルAにまとめる。全てのN-グリカン種を、それらの構造的特性を考慮してそれらをグループ化することによりさらに詳細に示した。分岐性(antennarity)、ガラクトシル化、フコシル化及びシアリル化分布を得、図29のパネルBに提示する。
RHSを用いる実用性実験において、抽出材料からの2-ABグリカンマッピングの適用及び結果の解釈を考慮して主にフコシル化種上で、部分的にはシアリル化種上でもマトリックス効果が観察された(図29、パネルBにおいて抽出緩衝液中のRHSに対するRHSについての値により示されるとおり))。シアリル化(hCGの活性及び効力についての重要品質特性として公知である)に関して、MSPから抽出されたhCGの「試料」中で観察されるレベルは、「抽出緩衝液中の関連対照」と同等であり、これは、それぞれの対照に対するシアリル化レベルに対するカプセル化の影響がないことを示す。Ovidrel(抽出緩衝液の添加なしのベースラインとしての「参照」)と比較された差は、実用性実験において観察されたマトリックス効果と完全に並び、これは、追加の干渉を示さない。まとめると、カプセル化/抽出は、関連対照に対するシアリル化プロファイルを改変しなかった。フコシル化について、一部の差はマトリックス効果に関して明確に存在した。オルソゴナルに確認した場合の抽出手順の標準化を考慮してあるレベルの変動がMSPから抽出された2つの試料間で観察された。全ての他のグリカン種は完全に並んだ。
本明細書に記載の規定の方法及び組成物は好ましい実施形態の代表例であり、例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。他の目的、態様、及び実施形態は、本明細書の検討時に当業者に想起され、特許請求の範囲の範囲により定義される本発明の主旨内に包含される。種々の置換及び改変を、本発明の範囲及び主旨から逸脱せずに本明細書に開示の本発明になすことができることが当業者には容易に明らかである。本明細書に説明として記載される本発明は、好適には、本明細書に不可欠なものとして具体的に開示されていない任意の1つ若しくは複数の要素、又は1つ若しくは複数の限定の不存在下で実施することができる。したがって、例えば、本明細書のそれぞれの例において、本発明の実施形態又は実施例において、用語「含む」、「から本質的になる」、及び「からなる」のいずれも、本明細書において他の2つの用語のいずれかにより置き換えることができる。また、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、含有する」などは、広く限定なしで読むべきである。本明細書に説明として記載される方法及びプロセスは、好適には、ステップの異なる順序で実施することができ、それらは本明細書又は特許請求の範囲に示されるステップの順序に必ずしも制限されない。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り複数の参照対象を含む。いかなる状況下でも、特許が本明細書に具体的に開示される規定の実施例又は実施形態又は方法に限定されると解釈することはできない。
本発明を本明細書において広く一般的に記載してきた。包括的開示内に収まるより狭い種及び準包括的な群のそれぞれも、本発明の一部を形成する。これは、除外された材料が本明細書に具体的に引用されるか否かにかかわらず、属から任意の主題を除く条件又は負の限定を有する本発明の包括的説明を含む。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に存在する。さらに、本発明の特徴部又は態様がマーカッシュ群で記載される場合、当業者は、それにより本発明がマーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーの下位群によっても記載されることを認識する。

Claims (37)

  1. 徐放ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)剤形であって、
    (a)hCG又はその生物学的に活性な誘導体若しくは生物学的に活性なアイソフォーム;及び
    (b)生分解性ポリマーマイクロスフェア
    を含み、
    前記hCGは、前記マイクロスフェア中に存在し、前記マイクロスフェアは、前記hCGの徐放を提供する剤形。
  2. 前記マイクロスフェアは、前記マイクロスフェア中に存在するhCGの総重量に基づき約3%未満から約40%の前記hCGを約24時間以内に放出する、請求項1に記載の剤形。
  3. 前記生分解性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)を含むコポリマーである、請求項1又は2に記載の剤形。
  4. 前記PEGは、約1000から約2500g/mol、例えば、約1200から約2400g/mol、約1400から約2300g/mol、約1500から約2200g/mol、約1600から約2100g/mol、約1800から約2000g/molの分子量を有する、請求項3に記載の剤形。
  5. 前記PEG及びPBTポリマーは、75/25及び77/23からなる群から選択される重量比で存在し、前記コポリマー中に含まれる前記PEGは、1500g/molの鎖長を有し;前記マイクロスフェアは、0.5から1.0の水ポリマー重量比を有する、請求項3又は4に記載の剤形。
  6. 前記生分解性ポリマーは、少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(A)セグメント及び少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含むマルチブロックコポリマーを含み、前記マルチブロックコポリマーは、生理学的条件下で37℃以下のT及び110~250℃のTを有し、前記セグメントは、多官能性鎖延長剤により結合しており、前記セグメントは、前記ポリマー鎖上でランダム分布しており、プレポリマー(A)セグメントは、ポリエチレングリコールを含む、請求項1又は2に記載の剤形。
  7. 前記プレポリマー(A)セグメントは、ジオール、ジカルボン酸、及びヒドロキシカルボン酸から選択されるエステル形成モノマーの反応生成物を含み、好ましくは、前記プレポリマー(A)セグメントは、グリコリド、ラクチド(D及び/又はL)、ε-カプロラクトン、及び/又はδ-バレロラクトンの反応生成物を含む、請求項6に記載の剤形。
  8. 前記マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、前記マルチブロックコポリマーの総重量に基づき約10%から約90%、例えば、約30%から約75%、又は約50%から約70%である、請求項6又は7に記載の剤形。
  9. 前記プレポリマー(A)セグメントは、約500g/mol以上、例えば、約700g/mol以上、約1000g/mol以上、約2000g/mol以上、約3000g/mol以上、又は約4000g/mol以上のMを有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の剤形。
  10. 前記プレポリマー(B)セグメントは、ポリ(L-ラクチド)を含み、好ましくは、約1000g/mol以上、例えば、約2000g/mol以上、約3000g/mol以上、又は約4000g/mol以上のMを有するポリ(L-ラクチド)を含む、請求項6~9のいずれか一項に記載の剤形。
  11. 前記コポリマー中のプレポリマー(B)の含有率は、前記マルチブロックコポリマーの総重量に基づき約10%から約90%、例えば、約25%から約70%、又は約30%から約50%である、請求項6~10のいずれか一項に記載の剤形。
  12. 前記多官能性鎖延長剤は、二官能性脂肪族鎖延長剤であり、好ましくは、ジイソシアネート、例えば、1,4-ブタンジイソシアネートである、請求項6~11のいずれか一項に記載の剤形。
  13. 前記ポリエチレングリコールは、約150から約5000g/mol、例えば、約200g/molから約1500g/mol、約600から約1000g/mol、約400から約3000g/mol、約600から約1500g/mol、約600から約5000g/mol、又は約1000から約3000g/molのMを有する、請求項6~12のいずれか一項に記載の剤形。
  14. 前記生分解性マルチブロックコポリマーは、約1から約4、好ましくは、約1から約2、より好ましくは、約1から約1.5の生理学的条件下の膨潤比を有する、請求項6~13のいずれか一項に記載の剤形。
  15. 前記生分解性マルチブロックコポリマーは、[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(L-ラクチド)]マルチブロックコポリマーである、請求項6~14のいずれか一項に記載の剤形。
  16. 前記生分解性ポリマーは、少なくとも1つのアモルファス加水分解性プレポリマー(A)セグメント及び少なくとも1つの半結晶性加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含む生分解性、相分離、熱可塑性マルチブロックコポリマーを含み、
    - 生理学的条件下の前記マルチブロックコポリマーは、37℃以下のT及び50~110℃のTを有し;
    - 前記セグメントは、多官能性鎖延長剤により結合しており;
    - 前記セグメントは、前記ポリマー鎖上でランダム分布しており;
    - 前記プレポリマー(B)セグメントは、X-Y-Xトリブロックコポリマーを含み、式中、Yは、重合開始剤であり、Xは、7以上のp-ジオキサノンモノマー単位で表されるブロック長さを有するポリ(p-ジオキサノン)セグメントである、請求項1又は2に記載の剤形。
  17. Xは、約7から約35、例えば、約8から約30、約9から約25、約10から約20、又は約12から約15のp-ジオキサノンモノマー単位で表されるブロック長さを有するポリ(p-ジオキサノン)セグメントである、請求項16に記載の剤形。
  18. 前記プレポリマー(A)セグメントの少なくとも一部は、水溶性ポリマーに由来し、好ましくは、プレポリマー(A)の総重量基準の約30%以上、例えば、約40から約95%、約50から約90%、又は約60から約85%は、水溶性ポリマーに由来する、請求項16又は17に記載の剤形。
  19. 前記プレポリマー(B)セグメントの総重量基準の約70%以上、好ましくは、約80%以上、より好ましくは、約90%以上は、ポリ(p-ジオキサノン)である、請求項17又は18に記載の剤形。
  20. 前記プレポリマー(B)セグメントは、約1300から約7200g/mol、好ましくは、約1300から約5000g/mol、より好ましくは、約1500から約4500g/mol、さらにより好ましくは、約2000から約4000g/mol、最も好ましくは、約2200から約3000g/molの数平均分子量Mを有する、請求項16~19のいずれか一項に記載の剤形。
  21. 前記プレポリマー(B)セグメントは、約1800から約10080g/mol、好ましくは、約1800から約7000g/mol、より好ましくは、約2100から約6300g/mol、さらにより好ましくは、約2600から約5600g/mol、最も好ましくは、約3000から約4200g/molの重量平均分子量Mを有する、請求項16~20のいずれか一項に記載の剤形。
  22. 前記プレポリマー(B)は、約0℃未満、好ましくは、約-20℃未満、より好ましくは、約-40℃未満のTを有する、請求項16~21のいずれか一項に記載の剤形。
  23. 前記プレポリマー(B)は、約60から約100℃の範囲、好ましくは、約75から約95℃の範囲のTを有する、請求項16~22のいずれか一項に記載の剤形。
  24. 前記水溶性ポリマーは、ポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリテトラメチレンオキシド(PTMO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルカプロラクタム、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(ポリ-(HEMA))、ポリホスファゼン、又はそれらのポリマーのコポリマーからなる群から選択され、好ましくは、前記水溶性ポリマーは、約150から約5000g/molのMを有するポリ(エチレングリコール)(PEG)に由来する、請求項16~23のいずれか一項に記載の剤形。
  25. 前記鎖延長剤は、二官能性脂肪族鎖延長剤であり、好ましくは、ジイソシアネート、例えば、1,4-ブタンジイソシアネートである、請求項16~24のいずれか一項に記載の剤形。
  26. プレポリマー(A)は、環状モノマー及び/又は非環状モノマーの反応生成物を含み、前記非環状モノマーは、好ましくは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール及び/又は1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択され、前記環状モノマーは、好ましくは、グリコリド、ラクチド、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、1,5-ジオキセパン-2-オン、1,4-ジオキサン-2-オン(p-ジオキサノン)及び/又は環状無水物、例えば、オキセパン-2,7-ジオンからなる群から選択される、請求項16~25のいずれか一項に記載の剤形。
  27. 前記生分解性マルチブロックコポリマーは、[ポリ(ε-カプロラクトン)-co-ポリエチレングリコール-co-ポリ(ε-カプロラクトン)]-b-[ポリ(p-ジオキサノン)]マルチブロックコポリマーである、請求項16~26のいずれか一項に記載の剤形。
  28. 前記生分解性マルチブロックコポリマーは、[(R [(R )]により表され、
    式中、
    、及びRは、それぞれ
    Figure 2022504427000025

    であり、
    は、
    Figure 2022504427000026

    であり、
    及びRは、それぞれ
    Figure 2022504427000027

    であり、
    nは、繰り返しR部分の数であり、20~115、好ましくは、35~100、より好ましくは、45~85であり;
    pは、繰り返しR及びR部分の数であり、7以上、好ましくは、7~35、例えば、10~20、又は10~14であり;
    qは、(R )ブロックの数平均分子量であり、1000~7000g/mol、好ましくは、3000~5000g/mol、より好ましくは、3800~4200g/molであり;
    r/sは、プレポリマー(A)セグメントとプレポリマー(B)セグメントとの比であり、0.10~1.0、例えば、0.15~0.50、又は0.20~0.30である、
    請求項16~27のいずれか一項に記載の剤形。
  29. nは、63~73であり、pは、10~14であり、qは、3800~4200であり、r/sは、0.15~0.35である、請求項28に記載の剤形。
  30. 前記マイクロスフェアは、約14から約50日間の徐放を可能とする放出プロファイルを有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の剤形。
  31. 少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の剤形。
  32. 請求項1~31のいずれか一項に記載の剤形を投与する方法であって、前記マイクロスフェアは、前記マイクロスフェアのhCG含有量の総量に基づき約20%未満、好ましくは、約10%未満、より好ましくは、約5%未満のhCGを最初の約24時間以内に放出する方法。
  33. 前記投与は、皮内、筋肉内、経皮、又は皮下である、請求項32に記載の方法。
  34. hCGを必要とする対象を治療する方法であって、請求項1~31のいずれか一項に記載の剤形を投与することを含む方法。
  35. 前記治療は、性腺機能低下症、停留睾丸、黄体期維持、避妊、下垂体障害、乳癌、及び体重損失からなる群から選択される適応症のための治療である、請求項34に記載の方法。
  36. hCGを必要とする対象の治療において、前記剤形を前記対象に投与することを含む使用のための、請求項1~31のいずれか一項に記載の剤形。
  37. 好ましくは、hCGの徐放のための、請求項1~31のいずれか一項に記載の生分解性ポリマーマイクロスフェアの使用。
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