JP2022188958A - 剥離層を用いたフレキシブルディスプレイの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高耐熱性と適度な剥離性とを有し、工程中の不必要な剥離を抑制でき、製膜後の安定性に優れる剥離層を与える剥離層形成用組成物を提供する。【解決手段】剥離層形成用組成物を用いて得られる構造物であって、剥離層形成組成物をガラス基板上に塗布し、220℃以上500℃以下で焼成して剥離層を形成した後、当該剥離層を有機系フィルムと接触させ、次にフィルムに物理的破断を与えた後の、剥離層と有機系フィルムとの界面の剥離力が0.2N/25mm以下であるとともに、剥離層及び有機フィルムを搭載したガラス基板が2枚以上貼り合わされている、その際、外部両面がガラス基板となり、内部にガラス基板に接した有機フィルムが搭載され、最終工程では必ず両面が有機フィルムとなる、等の特徴を有する構造体。【選択図】なし
Description
本発明は、フレキシブルディスプレイの製造のための構造物と製造方法に関する。
近年、電子デバイスには曲げるという機能付与や薄型化及び軽量化といった性能が求められている。このことから、従来の重く脆弱で曲げることができないガラス基板に代わって、軽量なフレキシブルプラスチック基板を用いることが求められる。また、新世代ディスプレイでは、軽量なフレキシブルプラスチック基板を用いる、アクティブフルカラー(active full-color)TFTディスプレイパネルの開発が求められている。
そこで、樹脂フィルムを基板とした電子デバイスの製造方法が各種検討され始めており、新世代ディスプレイでは、既存のTFT設備を転用可能なプロセスで製造検討が進められている。
特許文献1、2及び3は、ガラス基板上にアモルファスシリコン薄膜層を形成し、その薄膜層上にプラスチック基板を形成した後に、ガラス面側からレーザーを照射して、アモルファスシリコンの結晶化に伴い発生する水素ガスによりプラスチック基板をガラス基板から剥離する方法を開示する。
特許文献1、2及び3は、ガラス基板上にアモルファスシリコン薄膜層を形成し、その薄膜層上にプラスチック基板を形成した後に、ガラス面側からレーザーを照射して、アモルファスシリコンの結晶化に伴い発生する水素ガスによりプラスチック基板をガラス基板から剥離する方法を開示する。
また、特許文献4は、特許文献1~3開示の技術を用いて被剥離層(特許文献4において「被転写層」と記載される)をプラスチックフィルムに貼りつけて液晶表示装置を完成させる方法を開示する。
しかし、特許文献1~4開示の方法、特に特許文献4開示の方法は、透光性の高い基板を使用することが必須であり、基板を通過させ、さらに非晶質シリコンに含まれる水素を放出させるのに十分なエネルギーを与えるため、比較的大きなレーザー光の照射が必要とされ、被剥離層に損傷を与えてしまうという問題がある。また、レーザー処理に長時間を要し、大面積を有する被剥離層を剥離するのは困難であるため、デバイス作製の生産性を挙げることは難しい、という問題もある。
このような問題を解決する手段として、剥離層を作製し、その上でフレキシブルプラスチック基板を作製する方法が提案されている。剥離層としては、特許5のように、ポリマーを用いて行う方法が一般的である。この方法は、ガラス基板上に、アクティブフルカラー(active full-color)TFTディスプレイパネル作製工程を得た後、剥離を実施する。このため、有機ELディスプレイのように、TFTと発光層が単一のガラス基板上に作製できる場合は高い生産性を有する。一方、特許6の液晶ディスプレイのように、カラーフィルタ側とTFT側を其々作製する必要があるディスプレイをフレキシブル化するためには、カラーフィルタとTFTを貼り合わせた後に両面にガラスが存在する構造物を経由する必要があり、そこから両面のガラスをそれぞれ剥離することが必要となるため、ディスプレイ作製後の剥離工程が困難であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、剥離層を用いることで、容易にカラーフィルタとTFTとを備えたフレキシブルディスプレイを作製できる構造物と製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(V)ヒドロキシ基又はカルボキシ基を有する樹脂、及び/又は(W)光酸発生剤、及び/又は(X)ヒドロキシアルキル基及び/又はアルコキシメチル基で置換された窒素原子を有する化合物から選ばれる架橋剤、及び/又は(Y)所定の繰り返し単位を含む高分子添加剤、並びに(Z)溶剤を含む樹脂組成物を用いることで、露光及び現像工程によって所定の領域に剥離層を形成でき、該剥離層が、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性とを有し、前記樹脂組成物が前記剥離層を再現性よく与え得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記剥離層形成用組成物及び剥離層を提供する。
1.剥離層形成用組成物を用いて得られる構造物であって、剥離層形成組成物をガラス基板上に塗布し、220℃以上500℃以下で焼成して剥離層を形成した後、当該剥離層を有機系フィルムと接触させ、次にフィルムに物理的破断を与えた後の、剥離層と有機系フィルムとの界面の剥離力が0.2N/25mm以下であるとともに、下記(A)から(E)の特徴を有する、有機剥離層形成用組成物を使用した構造物。
(A):剥離層及び有機フィルムを搭載したガラス基板が2枚以上貼り合わされている。
(B):その際、外部両面がガラス基板となり、内部にガラス基板に接した有機フィルムが搭載され、最終工程では必ず両面が有機フィルムとなる。
(C):外部両面のガラス基板の大きさが異なり、片方のガラス基板の四方から、もう片方のガラス基板上の有機フィルム面に物理的破断を与えることが可能である。
(D):使用するいずれか一方または両方の有機系フィルムは450nmに85%以上の透過率を示す。
(E):使用するいずれか一方または両方の有機系フィルムは自己支持性を有する。
2.使用する剥離層形成組成物の含有組成が、ポリイミド、アクリル、ポリウレアのいずれかから選択される上記1記載の構造物
3.使用する剥離層形成組成物が、310nm以上の波長で感光性を有し、露光部と未露光部の剥離力の差が10倍の差を有する上記2記載の構造物
4.上記2、または3記載の構造物から得られるフレキシブルディスプレイ
5.上記2、または3記載の構造物を経由することを特徴とするフレキシブルディスプレイの製造方法。
1.剥離層形成用組成物を用いて得られる構造物であって、剥離層形成組成物をガラス基板上に塗布し、220℃以上500℃以下で焼成して剥離層を形成した後、当該剥離層を有機系フィルムと接触させ、次にフィルムに物理的破断を与えた後の、剥離層と有機系フィルムとの界面の剥離力が0.2N/25mm以下であるとともに、下記(A)から(E)の特徴を有する、有機剥離層形成用組成物を使用した構造物。
(A):剥離層及び有機フィルムを搭載したガラス基板が2枚以上貼り合わされている。
(B):その際、外部両面がガラス基板となり、内部にガラス基板に接した有機フィルムが搭載され、最終工程では必ず両面が有機フィルムとなる。
(C):外部両面のガラス基板の大きさが異なり、片方のガラス基板の四方から、もう片方のガラス基板上の有機フィルム面に物理的破断を与えることが可能である。
(D):使用するいずれか一方または両方の有機系フィルムは450nmに85%以上の透過率を示す。
(E):使用するいずれか一方または両方の有機系フィルムは自己支持性を有する。
2.使用する剥離層形成組成物の含有組成が、ポリイミド、アクリル、ポリウレアのいずれかから選択される上記1記載の構造物
3.使用する剥離層形成組成物が、310nm以上の波長で感光性を有し、露光部と未露光部の剥離力の差が10倍の差を有する上記2記載の構造物
4.上記2、または3記載の構造物から得られるフレキシブルディスプレイ
5.上記2、または3記載の構造物を経由することを特徴とするフレキシブルディスプレイの製造方法。
本発明のフレキシブルディスプレイの製造方法を用いることで、両面がガラスで挟まれた構造体を経由し、カラーフィルタとTFTとを備えたフレキシブルディスプレイを再現性よく得ることできる。また、フレキシブル電子デバイスの製造プロセスにおいて、基体上に形成された樹脂基板や、更にその上に設けられる回路等に損傷を与えることなく、製造途中に不必要な剥離を抑制でき、必要な時に当該回路等とともに当該樹脂基板を当該基体から分離することが可能となる。したがって、本発明のフレキシブルディスプレイの製造方法は、カラーフィルタとTFTとを備えたフレキシブル電子デバイスの製造プロセスの高速化やその歩留り向上等に寄与し得る。
[剥離層形成用組成物]
本発明の構造体およびフレキシブル基板の製造に用いる剥離層形成用組成物は、ガラス基板上に塗布し、220℃以上500℃以下で焼成して形成した剥離層が、ガラスとの密着性を有し、なおかつ、その上に樹脂基板を形成した際に、樹脂基板との剥離力が0.2N/25mm以下のものとなる組成物であることが好ましい。
本発明の構造体およびフレキシブル基板の製造に用いる剥離層形成用組成物は、ガラス基板上に塗布し、220℃以上500℃以下で焼成して形成した剥離層が、ガラスとの密着性を有し、なおかつ、その上に樹脂基板を形成した際に、樹脂基板との剥離力が0.2N/25mm以下のものとなる組成物であることが好ましい。
このような剥離層形成組成物としては、含有組成が、ポリイミド、アクリル、ポリウレアのいずれかから選択されるものが好ましい。
ポリイミドを含有する剥離層形成組成物としては、WO2015/152120に記載のポリイミド、WO2017/204182に記載のポリイミド、WO2017/204186に記載のポリイミド等から選ばれるポリイミドを含有する剥離層形成組成物が挙げられる。
アクリルやポリウレアを含有する剥離層形成組成物としては、WO2019/022185に記載の剥離層形成組成物などが挙げられる。
[剥離層]
本発明の構造体及びフレキシブル基板の製造に用いる剥離層は、上記の剥離層形成組成物をガラス基体上に塗布した後、220~500℃で焼成する工程を含む焼成法にて、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性とを有する剥離層を得ることができる。本発明に用いる場合、プロセス上での剥離を抑制するため、樹脂基板とのガラス密着性を担保する必要がある。このため、剥離層を形成する際に、ガラス基体上に剥離層が形成されていない領域を有することが必要である。このような領域は、例えば、ガラス基体の端部から1mm~100mm、好ましくは製造面積の観点から1~10mm幅で形成されていることが好ましい。このような製造面積を担保するためには、剥離層を形成する領域に選択的に塗布を行うという方法が挙げられる。そのための塗布方法としては、インクジェット、スプレー、スリットコート、バーコートなどが考えられるがこの限りでは無い。好ましくは、塗布性の観点からインクジェット、スプレー、スリットコートであり、装置導入の容易さの観点からインクジェット、スリットコートがより好ましい。
本発明の構造体及びフレキシブル基板の製造に用いる剥離層は、上記の剥離層形成組成物をガラス基体上に塗布した後、220~500℃で焼成する工程を含む焼成法にて、基体との優れた密着性及び樹脂基板との適度な密着性と適度な剥離性とを有する剥離層を得ることができる。本発明に用いる場合、プロセス上での剥離を抑制するため、樹脂基板とのガラス密着性を担保する必要がある。このため、剥離層を形成する際に、ガラス基体上に剥離層が形成されていない領域を有することが必要である。このような領域は、例えば、ガラス基体の端部から1mm~100mm、好ましくは製造面積の観点から1~10mm幅で形成されていることが好ましい。このような製造面積を担保するためには、剥離層を形成する領域に選択的に塗布を行うという方法が挙げられる。そのための塗布方法としては、インクジェット、スプレー、スリットコート、バーコートなどが考えられるがこの限りでは無い。好ましくは、塗布性の観点からインクジェット、スプレー、スリットコートであり、装置導入の容易さの観点からインクジェット、スリットコートがより好ましい。
なお、剥離層に感光性を付与し、剥離力のコントラストを付与する場合は、樹脂基板と剥離層に密着性を付与できるため、剥離層はガラス基板上に全面塗布し、使用することも可能である。このような場合の塗布方法としては、スピンコート、インクジェット、スプレー、スリットコート、バーコートなどが考えられるがこの限りでは無い。好ましくは、塗布性の観点からスピンコート、インクジェット、スプレー、スリットコートであり、装置導入の容易さの観点からスピンコート、インクジェット、スリットコートがより好ましい。
[有機系フィルム]
剥離層と有機系フィルムを接触させる方法としては、剥離層を形成した後に、当該剥離層の上に有機系フィルムを与える組成物を塗布し、製膜することにより、有機系フィルムを形成する方法が好ましい。このとき、有機系フィルムは、剥離層を覆い、なおかつ、剥離層が形成されていない領域でガラス基板と接するように形成することが好ましい。このような有機系フィルムとしては、例えば、樹脂基板や、カラーフィルタが挙げられる。
剥離層と有機系フィルムを接触させる方法としては、剥離層を形成した後に、当該剥離層の上に有機系フィルムを与える組成物を塗布し、製膜することにより、有機系フィルムを形成する方法が好ましい。このとき、有機系フィルムは、剥離層を覆い、なおかつ、剥離層が形成されていない領域でガラス基板と接するように形成することが好ましい。このような有機系フィルムとしては、例えば、樹脂基板や、カラーフィルタが挙げられる。
[樹脂基板の形成方法]
本発明においては、上記の通り剥離層を形成したガラス基体の、剥離層を形成した面に、剥離層を覆うように樹脂基板形成組成物を塗布し、焼成することにより、樹脂基板を作成する。そして、この樹脂基板上に、TFT等の構造物を形成する。
本発明においては、上記の通り剥離層を形成したガラス基体の、剥離層を形成した面に、剥離層を覆うように樹脂基板形成組成物を塗布し、焼成することにより、樹脂基板を作成する。そして、この樹脂基板上に、TFT等の構造物を形成する。
[カラーフィルタの形成方法]
本発明においては、上記の通り剥離層を形成したガラス基体の、剥離層を形成した面に、剥離層を覆うようにカラーフィルタ形成組成物を塗布し、焼成することにより、カラーフィルタを作成する。
本発明においては、上記の通り剥離層を形成したガラス基体の、剥離層を形成した面に、剥離層を覆うようにカラーフィルタ形成組成物を塗布し、焼成することにより、カラーフィルタを作成する。
[構造体の形成方法]
次に、上記の通り樹脂基板を形成し、その上にTFTを形成したガラス基板と、上記の通りカラーフィルタを形成したガラス基板とを、貼り合わせる。その際、TFT側とカラーフィルタ側が接するように、すなわち、ガラス基板が外側になるように、構造体を形成する。本発明の場合、ガラス基板の大きさが異なるものであることが好ましい。そして、大きいガラス基板の剥離層未形成領域が、小さいガラス基板を囲むような位置に、小さいガラス基板を貼り合わせることが好ましい。ガラス基板の張り合わせ方法として、ガラス基板間に両面テープ、光学接着シート、熱圧着シート、及び/又はエポキシ樹脂等を用いて張り合わる等が使用できるその限りでは無い。
次に、上記の通り樹脂基板を形成し、その上にTFTを形成したガラス基板と、上記の通りカラーフィルタを形成したガラス基板とを、貼り合わせる。その際、TFT側とカラーフィルタ側が接するように、すなわち、ガラス基板が外側になるように、構造体を形成する。本発明の場合、ガラス基板の大きさが異なるものであることが好ましい。そして、大きいガラス基板の剥離層未形成領域が、小さいガラス基板を囲むような位置に、小さいガラス基板を貼り合わせることが好ましい。ガラス基板の張り合わせ方法として、ガラス基板間に両面テープ、光学接着シート、熱圧着シート、及び/又はエポキシ樹脂等を用いて張り合わる等が使用できるその限りでは無い。
[ガラス基板の剥離方法]
本発明におけるガラス基板の剥離方法は、第1の剥離工程と、第2の剥離工程とを有する。以下、それぞれについて説明する。
本発明におけるガラス基板の剥離方法は、第1の剥離工程と、第2の剥離工程とを有する。以下、それぞれについて説明する。
第1の剥離工程は、まず、小さいガラス基板の周囲から、大きいガラス基板の上に形成されたTFTを有する樹脂基板またはカラーフィルタのうち、いずれか大きいほうの有機系フィルムに切り込みを入れる。その際、剥離層未形成部の内側に、途中で途切れないように切り込みを入れる。次に、小さいガラス基板を持ち上げることにより、大きいガラス基板と、その上に形成された剥離層とが、構造体から分離される。これで、第1の剥離工程は完了する。
第2の剥離工程は、第1の剥離工程が終わった後のガラス基板に、剥離層未形成部の内側に沿って、切り込みを入れる。そして、ガラス基板と剥離層を構造体から剥離する。これで、第2の剥離工程が完了し、TFTとカラーフィルタを有するフレキシブルディスプレイが得られる。
なお、切り込みを入れる方法としては、ナイフを用いる方法、レーザー光線を用いる方法などが挙げられる。
このような工程でフレキシブルディスプレイを簡便に得ることができる。なお、このような工程を経るため、TFTを有する樹脂基板と、カラーフィルタとの少なくとも一方は、自己支持性を持つフィルムであることが必要である。
また、TFTを有する樹脂基板と、カラーフィルタとの少なくとも一方は、450nmに85%以上の透過率を示すことが必要である。
以下、合成例、調製例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
下記例で使用した化合物は、以下のとおりである。なお、溶媒には蒸気圧も記載した。
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル(蒸気圧1013Pa)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(蒸気圧493Pa)
EL:エチルラクテート(蒸気圧360Pa)
GBL:γ―ブチロラクトン(蒸気圧60Pa)
EDM:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(蒸気圧30Pa)
DEGEEA :ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(蒸気圧7Pa)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
PL-LI:1,3,4,6-テトラキス(メトキシエチル)グリコールウリル(オルネクス社製、商品名:POWDERLINK 1174)
PPTS:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム
HPMA:メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル
ADMA:メタクリル酸2-アダマンチル
HFiPMA:メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
p-PDA:p-フェニレンジアミン
DA-4P:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
OPDA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル(蒸気圧1013Pa)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(蒸気圧493Pa)
EL:エチルラクテート(蒸気圧360Pa)
GBL:γ―ブチロラクトン(蒸気圧60Pa)
EDM:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(蒸気圧30Pa)
DEGEEA :ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(蒸気圧7Pa)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
PL-LI:1,3,4,6-テトラキス(メトキシエチル)グリコールウリル(オルネクス社製、商品名:POWDERLINK 1174)
PPTS:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム
HPMA:メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル
ADMA:メタクリル酸2-アダマンチル
HFiPMA:メタクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
p-PDA:p-フェニレンジアミン
DA-4P:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
OPDA:4,4’-オキシジフタル酸二無水物
また、ポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定は、日本分光(株)製GPC装置(カラム:Shodex(登録商標)KD801及びKD805(昭和電工(株)製);溶離液:ジメチルホルムアミド/LiBr・H2O(29.6mM)/H3PO4(29.6mM)/THF(0.1質量%);流量:1.0mL/分;カラム温度:40℃;Mw:標準ポリスチレン換算値)を用いて行った。
[1]ポリマーの合成
[合成例1]ポリウレア(L1)の合成
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)製)100g、5,5-ジエチルバルビツール酸66.4g及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド4.1gをPGME 682g(固形分濃度20質量%)に溶解させた後、130℃で24時間反応させ、ポリウレア(L1)を含む溶液を得た。GPC分析の結果、得られたポリウレア(L1)のMwは8,000、Mw/Mnは1.5であった。
[合成例1]ポリウレア(L1)の合成
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)製)100g、5,5-ジエチルバルビツール酸66.4g及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド4.1gをPGME 682g(固形分濃度20質量%)に溶解させた後、130℃で24時間反応させ、ポリウレア(L1)を含む溶液を得た。GPC分析の結果、得られたポリウレア(L1)のMwは8,000、Mw/Mnは1.5であった。
[合成例2]アクリルポリマー(S1)の合成
HFiPMA3.62g、HPMA0.74g、ADMA3.00g及びAIBN0.28gをPGME31.9gに溶解し、70℃にて20時間反応させ、アクリルポリマー(S2)溶液(固形分濃度20質量%)を得た。各単位の組成比は、HFiPMA:HPMA:ADMA=45:15:40であった。GPC分析の結果、得られたアクリルポリマー(S2)のMwは4,470、Mw/Mnは1.8であった。
HFiPMA3.62g、HPMA0.74g、ADMA3.00g及びAIBN0.28gをPGME31.9gに溶解し、70℃にて20時間反応させ、アクリルポリマー(S2)溶液(固形分濃度20質量%)を得た。各単位の組成比は、HFiPMA:HPMA:ADMA=45:15:40であった。GPC分析の結果、得られたアクリルポリマー(S2)のMwは4,470、Mw/Mnは1.8であった。
[合成例3] ポリアミック酸(L2)の合成
p-PDA 1.11g(10.3mmol)をNMP 26.4gに溶解させた。得られた溶液に、PMDA 2.49g(11.4mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。その後、アニリン 0.21g(2.3mmol)を添加し、更に24時間反応させた。得られたポリマーのMwは55,700、分子量分布2.6であった。
p-PDA 1.11g(10.3mmol)をNMP 26.4gに溶解させた。得られた溶液に、PMDA 2.49g(11.4mmol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させた。その後、アニリン 0.21g(2.3mmol)を添加し、更に24時間反応させた。得られたポリマーのMwは55,700、分子量分布2.6であった。
[調製例1]樹脂基板形成用組成物F1の調製
四塩化炭素100gを入れたナスフラスコに、ゼオノア(登録商標)1020R(日本ゼオン(株)製シクロオレフィンポリマー)10g及びエポリード(登録商標)GT401((株)ダイセル製)3gを添加した。この溶液を、窒素雰囲気下、24時間攪拌して溶解し、樹脂基板形成用組成物F1を調製した。なお、スピンコータ(条件:回転数200rpmで約15秒)を用いて、ガラス基板上に塗布し、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で30分間加熱した後、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製UV-2600)を用いて光透過率を測定した結果、樹脂基板は、450nmで90%以上の透過率を示した。
四塩化炭素100gを入れたナスフラスコに、ゼオノア(登録商標)1020R(日本ゼオン(株)製シクロオレフィンポリマー)10g及びエポリード(登録商標)GT401((株)ダイセル製)3gを添加した。この溶液を、窒素雰囲気下、24時間攪拌して溶解し、樹脂基板形成用組成物F1を調製した。なお、スピンコータ(条件:回転数200rpmで約15秒)を用いて、ガラス基板上に塗布し、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で30分間加熱した後、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製UV-2600)を用いて光透過率を測定した結果、樹脂基板は、450nmで90%以上の透過率を示した。
[合成例F2]樹脂基板形成用組成物ポリアミック酸F2の合成
DA-4P 392.1g(1.3mol)をNMP3,200gに溶解させた。得られた溶液にODPA407.8g(1.3mol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させ、ポリアミック酸F1を得た。ポリアミック酸F1のMwは60,400、Mw/Mnは2.9であった。なお、この樹脂基板形成用組成物をバーコータ―250μmでガラス基板上に塗布し、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で60分間加熱した後、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製UV-2600)を用いて光透過率を測定した結果、樹脂基板は、450nmで80%以上の透過率を示した。
DA-4P 392.1g(1.3mol)をNMP3,200gに溶解させた。得られた溶液にODPA407.8g(1.3mol)を加え、窒素雰囲気下、23℃で24時間反応させ、ポリアミック酸F1を得た。ポリアミック酸F1のMwは60,400、Mw/Mnは2.9であった。なお、この樹脂基板形成用組成物をバーコータ―250μmでガラス基板上に塗布し、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で60分間加熱した後、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製UV-2600)を用いて光透過率を測定した結果、樹脂基板は、450nmで80%以上の透過率を示した。
[2]剥離層形成用組成物の調製
[実施例1-1]剥離層形成用組成物1の調製
合成例1で得られた反応液20gに、PL-LI1.00g、PPTS0.12g、アクリルポリマー(S1)溶液1.50g、PGME54.5g、およびPGMEA30.9を加え、固形分濃度が5質量%、PGMEA濃度が30質量%となるように剥離層形成用組成物1を調製した。
[実施例1-1]剥離層形成用組成物1の調製
合成例1で得られた反応液20gに、PL-LI1.00g、PPTS0.12g、アクリルポリマー(S1)溶液1.50g、PGME54.5g、およびPGMEA30.9を加え、固形分濃度が5質量%、PGMEA濃度が30質量%となるように剥離層形成用組成物1を調製した。
[実施例1-2]剥離層形成用組成物2の調製
合成例3で得られたポリアミック酸(L2)に、BCSとNMPを加え、ポリマー濃度が5質量%、BCSが20質量%となるように希釈し、剥離層形成用組成物2を得た。
合成例3で得られたポリアミック酸(L2)に、BCSとNMPを加え、ポリマー濃度が5質量%、BCSが20質量%となるように希釈し、剥離層形成用組成物2を得た。
[3]剥離層の作製
下記の条件で作製した。なお、評価項目として、減圧真空乾燥後のタック性とムラを確認した。その結果を表1に示す。ムラが無い系については、剥離性を確認した。
下記の条件で作製した。なお、評価項目として、減圧真空乾燥後のタック性とムラを確認した。その結果を表1に示す。ムラが無い系については、剥離性を確認した。
[実施例2-1]
剥離層形成用組成物1を、ガラス基板(100mm×100mm、以下同様)上にダイコータ(テクノマシーン製 製品名:卓ダイ、条件:液量7μL、ギャップ25μm、塗布速度20mm/sec)を用いて塗布した。その後、得られた塗膜を、真空デシケータ(減圧度300Pa)で3分間真空乾燥させた。得られた剥離層にタック性は無かった。
その後、基板周辺部を5mm感覚でPGMEを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
剥離層形成用組成物1を、ガラス基板(100mm×100mm、以下同様)上にダイコータ(テクノマシーン製 製品名:卓ダイ、条件:液量7μL、ギャップ25μm、塗布速度20mm/sec)を用いて塗布した。その後、得られた塗膜を、真空デシケータ(減圧度300Pa)で3分間真空乾燥させた。得られた剥離層にタック性は無かった。
その後、基板周辺部を5mm感覚でPGMEを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2-2]
スピンコータ(条件:回転数1,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-1で得られた剥離層形成用組成物を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を5mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
スピンコータ(条件:回転数1,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-1で得られた剥離層形成用組成物を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を5mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例2-3]
スピンコータ(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-2で得られた剥離層形成用組成物を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を2mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、その後、オーブンを用いて、350℃まで昇温5℃で加熱した後350℃60分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。なお、昇温の間、剥離層付きガラス基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
スピンコータ(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-2で得られた剥離層形成用組成物を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を2mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、その後、オーブンを用いて、350℃まで昇温5℃で加熱した後350℃60分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。なお、昇温の間、剥離層付きガラス基板をオーブンから取り出すことはせず、オーブン内で加熱した。
[実施例2-4]
オーブンでの焼成条件を窒素置換した後500℃まで昇温5℃で加熱した後500℃10分間加熱した以外は、実施例2-3同様に焼成し、剥離層付きガラス基板を得た。
オーブンでの焼成条件を窒素置換した後500℃まで昇温5℃で加熱した後500℃10分間加熱した以外は、実施例2-3同様に焼成し、剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例3-1]
スピンコータ(条件:回転数1,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-1で得られた剥離層形成用組成物1を、ガラス基体としての30mm×30mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を2mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
スピンコータ(条件:回転数1,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-1で得られた剥離層形成用組成物1を、ガラス基体としての30mm×30mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を2mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例3-2]
スピンコータ(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-2で得られた剥離層形成用組成物2を、ガラス基体としての30mm×30mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を2mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、その後、オーブンを用いて、350℃まで昇温5℃で加熱した後350℃60分間加熱し、剥離層付きガラス基板を得た
スピンコータ(条件:回転数3,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-2で得られた剥離層形成用組成物2を、ガラス基体としての30mm×30mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。そして、得られた塗膜について基板周辺部を2mm感覚でNMPを用いてふき取った後、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、その後、オーブンを用いて、350℃まで昇温5℃で加熱した後350℃60分間加熱し、剥離層付きガラス基板を得た
[実施例3-3]
オーブンを用いて、窒素置換した後500℃まで昇温5℃で加熱した後500℃10分間加熱した以外は、実施例3-2同様に焼成し、剥離層付きガラス基板を得た
オーブンを用いて、窒素置換した後500℃まで昇温5℃で加熱した後500℃10分間加熱した以外は、実施例3-2同様に焼成し、剥離層付きガラス基板を得た
[比較例-1]
スピンコータ(条件:回転数1,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-1で得られた剥離層形成用組成物1を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。その後、中央1cm角以外の塗布部分をPGMEでふき取り、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
スピンコータ(条件:回転数1,000rpmで約30秒)を用いて、実施例1-1で得られた剥離層形成用組成物1を、ガラス基体としての100mm×100mmガラス基板(以下同様)の上に塗布した。その後、中央1cm角以外の塗布部分をPGMEでふき取り、ホットプレートを用いて100℃で2分間加熱し、次いでホットプレートを用いて230℃で10分間加熱し、ガラス基板上に厚さ約0.1μmの剥離層を形成し、剥離層付きガラス基板を得た。
[4]樹脂基板の作製
樹脂基板を下記のように作製した。
樹脂基板を下記のように作製した。
[実施例4-1 剥離サンプル4-1の作成]
得られた剥離層付ガラス(実施例2-1)上にスピンコータ(条件:回転数200rpmで約15秒)を用いて、前記ガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物F1を塗布した。得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で2分間加熱し、その後、ホットプレートを用いて230℃で30分間加熱し、剥離層上に厚さ約3μmの樹脂基板を形成し、樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。その後、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製UV―2600)を用いて光透過率を測定した結果、樹脂基板は、400nmで90%以上の透過率を示した。
得られた剥離層付ガラス(実施例2-1)上にスピンコータ(条件:回転数200rpmで約15秒)を用いて、前記ガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物F1を塗布した。得られた塗膜を、ホットプレートを用いて80℃で2分間加熱し、その後、ホットプレートを用いて230℃で30分間加熱し、剥離層上に厚さ約3μmの樹脂基板を形成し、樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。その後、紫外可視分光光度計((株)島津製作所製UV―2600)を用いて光透過率を測定した結果、樹脂基板は、400nmで90%以上の透過率を示した。
[実施例4-2 剥離サンプル4-2の作成]
実施例2-2で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-1と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
実施例2-2で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-1と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例4-3 剥離サンプル4-3の作成]
バーコーター(ギャップ:250μm)を用いて、実施例2-3で得られた剥離層付きガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物F2を全面塗布した。そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて100℃で30分間加熱し、その後、オーブンを用いて、230℃で60分間加熱し、剥離層上に厚さ約20μmのポリイミド基板を形成した。
バーコーター(ギャップ:250μm)を用いて、実施例2-3で得られた剥離層付きガラス基板上の剥離層(樹脂薄膜)の上に樹脂基板形成用組成物F2を全面塗布した。そして、得られた塗膜を、ホットプレートを用いて100℃で30分間加熱し、その後、オーブンを用いて、230℃で60分間加熱し、剥離層上に厚さ約20μmのポリイミド基板を形成した。
[実施例4-4 剥離サンプル4-4の作成]
実施例2-4で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-3と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
実施例2-4で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-3と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例5-1、剥離サンプル5-1の作製]
実施例3―1で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-1と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
実施例3―1で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-1と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[実施例5-2、5-3 剥離サンプル5-2、5-3の作成]
実施例3-2と3-3で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-3と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
実施例3-2と3-3で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-3と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
[比較例4-1 比較例剥離サンプル4-1の作成]
比較例2-1で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-1と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
比較例2-1で得られた剥離層付きガラス基板を用いた以外は、実施例4-1と同様に樹脂基板・剥離層付きガラス基板を得た。
<剥離力の評価>
[実施例4-1~4-4および比較例4-1の剥離力]
実施例4-1~4-4および比較例4-1で形成した樹脂基板を、カッターを用いて25mm幅の短冊状にカットした。そして、カットした樹脂基板の先端に粘着テープ(商品名:セロテープ、ニチバン製、登録商標)を貼り付け、これを試験片とした。この試験片を、(株)アトニック製プッシュプルテスターを用いて剥離角度が90°となるように剥離試験を行い、下記の基準に基づいて剥離力を評価した。なお、剥離面を光学顕微鏡で確認し、剥離層がガラス基板と剥離した場合、不良とした。その結果、全て、ガラス基板上に剥離層は残存し、0.2N以下の剥離力を示した。
[実施例4-1~4-4および比較例4-1の剥離力]
実施例4-1~4-4および比較例4-1で形成した樹脂基板を、カッターを用いて25mm幅の短冊状にカットした。そして、カットした樹脂基板の先端に粘着テープ(商品名:セロテープ、ニチバン製、登録商標)を貼り付け、これを試験片とした。この試験片を、(株)アトニック製プッシュプルテスターを用いて剥離角度が90°となるように剥離試験を行い、下記の基準に基づいて剥離力を評価した。なお、剥離面を光学顕微鏡で確認し、剥離層がガラス基板と剥離した場合、不良とした。その結果、全て、ガラス基板上に剥離層は残存し、0.2N以下の剥離力を示した。
[実施例5-1~5-3の剥離力]
実施例5-1~5-3で形成した樹脂基板を、カッターを用いて13mm幅の短冊状にカットした。そして、カットした樹脂基板の先端に粘着テープ(商品名:セロテープ、ニチバン製、登録商標)を貼り付け、これを試験片とした。この試験片を、(株)アトニック製プッシュプルテスターを用いて剥離角度が90°となるように剥離試験を行い、下記の基準に基づいて剥離力を評価した。なお、剥離面を光学顕微鏡で確認し、剥離層がガラス基板と剥離した場合、不良とした。その結果、全て、ガラス基板上に剥離層は残存し、0.1N以下の剥離力を示した。
実施例5-1~5-3で形成した樹脂基板を、カッターを用いて13mm幅の短冊状にカットした。そして、カットした樹脂基板の先端に粘着テープ(商品名:セロテープ、ニチバン製、登録商標)を貼り付け、これを試験片とした。この試験片を、(株)アトニック製プッシュプルテスターを用いて剥離角度が90°となるように剥離試験を行い、下記の基準に基づいて剥離力を評価した。なお、剥離面を光学顕微鏡で確認し、剥離層がガラス基板と剥離した場合、不良とした。その結果、全て、ガラス基板上に剥離層は残存し、0.1N以下の剥離力を示した。
[サンプル作製と剥離の可否]
実施例5-1~5-3で作製した樹脂基板・剥離層付きガラス基板に両面粘着テープ(商品名:ニチバン製両面テープナイスタック25mm幅、登録商標)をもちいて張り付けた。その後、実施例4-1~4-4で作製した樹脂基板・剥離層付きガラス基板中央部に張り付けた後、実施例4-1~4-4
側の基板の剥離層塗布部の内側4辺にカッターで切り込みを入れた後、剥離した。更に、剥離した基板に対して、実施例5-1~5-3で作製した樹脂基板・剥離層付きガラス基板の剥離層塗布部の内側4辺にカッターで切り込みを入れたあと、剥離の可否を確認した。結果を下記に示す。
実施例5-1~5-3で作製した樹脂基板・剥離層付きガラス基板に両面粘着テープ(商品名:ニチバン製両面テープナイスタック25mm幅、登録商標)をもちいて張り付けた。その後、実施例4-1~4-4で作製した樹脂基板・剥離層付きガラス基板中央部に張り付けた後、実施例4-1~4-4
側の基板の剥離層塗布部の内側4辺にカッターで切り込みを入れた後、剥離した。更に、剥離した基板に対して、実施例5-1~5-3で作製した樹脂基板・剥離層付きガラス基板の剥離層塗布部の内側4辺にカッターで切り込みを入れたあと、剥離の可否を確認した。結果を下記に示す。
剥離1
〇:使用基板2を持ち上げることで使用基板1の樹脂基板が剥離する
×:使用基板2を持ち上げることで使用基板1の樹脂基板が剥離せず。
剥離2:
〇:表面のフィルムから剥離工程をすることによって使用基板2の樹脂基板が剥離し、自己支持性を有する。
△:表面のフィルムを剥離工程をすることによって使用基板2の樹脂基板が剥離するが自己支持性はない
×:表面のフィルムを剥離工程ができない。
以上のように、基板の大きさが異なる基板と剥離層の塗布面積を変化する事によって、フレキシブルフィルムを得ることが可能となった。
Claims (5)
- 剥離層形成用組成物を用いて得られる構造物であって、剥離層形成組成物をガラス基板上に塗布し、220℃以上500℃以下で焼成して剥離層を形成した後、当該剥離層を有機系フィルムと接触させ、次にフィルムに物理的破断を与えた後の、剥離層と有機系フィルムとの界面の剥離力が0.2N/25mm以下であるとともに、下記(A)から(E)の特徴を有する、有機剥離層形成用組成物を使用した構造物。
(A):剥離層及び有機フィルムを搭載したガラス基板が2枚以上貼り合わされている。
(B):その際、外部両面がガラス基板となり、内部にガラス基板に接した有機フィルムが搭載され、最終工程では必ず両面が有機フィルムとなる。
(C):外部両面のガラス基板の大きさが異なり、片方のガラス基板の四方から、もう片方のガラス基板上の有機フィルム面に物理的破断を与えることが可能である。
(D):使用するいずれか一方または両方の有機系フィルムは450nmに85%以上の透過率を示す。
(E):使用するいずれか一方または両方の有機系フィルムは自己支持性を有する。 - 使用する剥離層形成組成物の含有組成が、ポリイミド、アクリル、ポリウレアのいずれかから選択される請求項1記載の構造物。
- 使用する剥離層形成組成物が、310nm以上の波長で感光性を有し、露光部と未露光部の剥離力の差が10倍の差を有する請求項1または2記載の構造物。
- 請求項1~3のいずれかに記載の構造物から得られるフレキシブルディスプレイ。
- 請求項1~3のいずれかに記載の構造物を経由することを特徴とするフレキシブルディスプレイの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021097264A JP2022188958A (ja) | 2021-06-10 | 2021-06-10 | 剥離層を用いたフレキシブルディスプレイの製造方法 |
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