JP2022169883A - 水素精製システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、カソードの経時的な乾燥に起因した水素純化効率の低下を抑制する水素精製システムを提供する。【解決手段】本開示の水素精製システムは、水素精製モードで運転しているときに、アノード触媒層とカソード触媒層との間の電圧が正常値よりも高く設定された所定値以上になったことから、カソード触媒層が乾燥して水素純化効率が低下したと判断すると、カソード流路とアノード流路のガスの圧力差を小さくすることによって、圧力差でカソード触媒層からアノード触媒層に移動する水分を減らし、電気化学デバイスに供給する水素含有ガスと電流とを水素利用率が変わらないように増加させることによって、水素イオンに随伴してアノード触媒層からカソード触媒層に移動する水分を増やすことで、カソード触媒層を加湿することができる。【選択図】図1

Description

本開示は、電気化学デバイスを用いて、水素含有ガスから水素を精製する水素精製システムに関する。
特許文献1は、電解質膜をアノードとカソードとで挟んだ電気化学デバイスのアノードに、水素純度の低い水素含有ガスを供給して、アノードから電解質膜を経てカソードへ電流を流すことによって、カソードから水素純度の高い高圧の水素を得る水素精製システムを開示している。
特開2019-210205号公報
本開示は、水素を精製するための運転中にカソードが乾燥して水素純化効率が低下したと判断すると、カソードを加湿して、電気化学デバイスの水素純化効率の低下を抑制する水素精製システムを提供する。
本開示における水素精製システムは、電気化学デバイスと、水素含有ガス供給手段と、電源と、電圧計と、アノード圧力調整手段と、カソード圧力調整手段と、制御器と、を備えている。
電気化学デバイスは、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、アノードと当接する面にアノード流路が形成されたアノードセパレータと、カソードと当接する面にカソード流路が形成されたカソードセパレータと、を備えている。
電気化学デバイスは、アノード流路を介してアノードに水素含有ガスが供給されているときに、アノードから電解質膜を介してカソードへ電流が流されると、アノードに供給された水素含有ガスに含まれる水素を、電解質膜を介してカソードに昇圧して送って、カソード流路から排出するように構成されている。
水素含有ガス供給手段は、水蒸気を含む水素含有ガスを、指示された供給量で、アノード流路を介してアノードに供給できるように構成されている。
電源は、アノードの電位をカソードの電位よりも高くして、アノードから電解質膜を介してカソードへ、指示された電流値の電流を流すことができるように構成されている。電圧計は、アノードとカソードとの間の電圧を計測できるように構成されている。
アノード圧力調整手段は、アノード流路の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されている。カソード圧力調整手段は、カソード流路の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されている。
水素精製システムは、電気化学デバイスにおいて水素を精製する、水素精製モードで運
転するときは、制御器の制御によって、水素含有ガス供給手段が指示された供給量でアノードに水素含有ガスを供給し、電源がアノードから電解質膜を介してカソードへ指示された電流値の電流を流し、アノード圧力調整手段とカソード圧力調整手段とによりカソード流路の圧力がアノード流路の圧力よりも所定圧力だけ高くなるように調整される。
制御器は、水素精製モードでの運転中に、電圧計により計測した電圧が正常値よりも高く設定された所定値以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成されている。
加湿モードに移行すると、制御器は、カソード流路とアノード流路の圧力差が所定値まで小さくなるように、アノード圧力調整手段とカソード圧力調整手段を調整して、水素含有ガス供給手段に指示する供給量と電源に指示する電流値の両方を、電気化学デバイスの水素利用率が変化しないように増加させる。
本開示における水素精製システムは、水素を精製するための運転中にカソードが乾燥して水素純化効率が低下したと判断すると、カソードを加湿することができる。そのため、カソードの経時的な乾燥に起因した水素純化効率の低下を抑制できる。
実施の形態1における水素精製システムの構成を示す概略図 実施の形態1における水素精製システムの動作を示すフローチャート 実施の形態2における水素精製システムの構成を示す概略図 実施の形態2における水素精製システムの動作を示すフローチャート
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、電解質膜をアノードとカソードとで挟んだ電気化学デバイスのアノードに、水素純度の低い水素含有ガスを供給して、アノードから電解質膜を経てカソードへ電流を流すことによって、カソードから水素純度の高い高圧の水素を得る水素精製システムの技術があった。
水素精製システムには、水素を生成・昇圧させる水素精製モードでの運転を長く続けると、水素純化効率が低下する課題があった。
ここで、水素純化効率とは、電気化学デバイスに投入する電気エネルギーに対する精製する水素のエネルギーの割合である。
当該業界では、水素精製システムの水素純化効率の低下は、電気化学デバイスの電解質膜の乾燥が要因であると推定し、電解質膜が乾燥したと思われるタイミングで、例えば、電気化学デバイス外部の湿度調節器により、電解質膜を加湿する方法が検討されていた。
しかし、電気化学デバイス内部の乾燥による水素純化効率の低下について、内部乾燥のメカニズムや、その評価方法について、十分な検討がされていなかった。
また、対策として、湿度調節器等の新たな部品を設けずに、電気化学デバイスの乾燥を抑制する方法が望まれていた。
そうした状況において、発明者らは、水素純化効率が低下する要因として、更にカソードを構成する高分子電解質が乾燥し、水素イオン伝導性が低下する課題を発見した。
そして、アノードとカソードの間で水が移動するメカニズムをヒントにして、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、水素を精製するための運転中にカソードが乾燥して水素純化効率が低下したと判断すると、カソードとアノードのガスの圧力差を小さくすることによってカソードからアノードに移動する水分を減らし、水素イオンに随伴してアノードからカソードに移動する水分を増やすことで、カソードを加湿して、水素純化効率の低下を抑制できる水素精製システムを提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。
例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1及び図2を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
図1に示すように、本実施の形態の水素精製システム180は、電気化学デバイス100と、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、温度調節手段123と、制御器150と、を備えている。
電気化学デバイス100は、水素イオン伝導性の高分子からなる電解質膜101と、電解質膜101の一方の主面に設けられたアノードと、電解質膜101の他方の主面に設けられたカソードと、アノードと当接する面に溝状のアノード流路109が形成されたアノードセパレータ107と、カソードと当接する面に溝状のカソード流路110が形成されたカソードセパレータ108と、を備えている。
また、電気化学デバイス100は、アノード流路109を介してアノードに水素含有ガスが供給されているときに、アノードから電解質膜101を介してカソードへ電流が流されると、アノードに供給された水素含有ガスに含まれる水素を、電解質膜101を介してカソードに昇圧して送って、カソード流路110から排出するように構成されている。
アノードは、2層構造になっていて、電解質膜101の一方の主面と接するアノード触媒層102と、アノードセパレータ107と接するアノードガス拡散層105とを有している。
カソードは、2層構造になっていて、電解質膜101の他方の主面と接するカソード触媒層103と、カソードセパレータ108と接するカソードガス拡散層106とを有している。
電解質膜-電極接合体104は、水素イオン透過性の電解質膜101と、電解質膜101を挟んで電解質膜101の一方の主面に配置されるアノード触媒層102と、他方の主面に配置されるカソード触媒層103と、で構成される。
電気化学デバイス100は、電解質膜101の両主面が鉛直方向と略平行となる向きで使用される。
本実施の形態では、電解質膜101として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード触媒層102及びカソード触媒層103は、触媒としての白金を担持した多孔性のカーボン粒子と、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子材料と、分散媒との混合物を、カーボン製フェルト上に塗布して乾燥させて分散媒を除去したものである。
アノード触媒層102及びカソード触媒層103の主面の大きさは、電解質膜101の主面よりも小さく、電解質膜101の主面の外周部分が露出するように配置される。
アノードガス拡散層105及びカソードガス拡散層106は、炭素繊維からなる多孔質なフェルトに撥水材を含侵させて撥水処理したものを用いる。
アノードガス拡散層105の主面の大きさは、アノード触媒層102の主面と略同じ大きさである。
カソードガス拡散層106の主面の大きさは、カソード触媒層103の主面と略同じ大きさである。
アノードセパレータ107には、アノードセパレータ107における外側の面から内側の面にわたって貫通するように、アノード入口111とアノード出口112が、それぞれ設けられる。
アノード入口111は、水素含有ガスをアノード流路109(アノード)に供給するための孔である。アノード出口112は、アノード流路109に供給された水素含有ガスのうちで、カソードに透過しなかった残余のガスを、アノード流路109から排出するための孔である。
アノード触媒層102の両主面は、重力方向に対して略平行であり、アノード流路109とアノード入口111とが接続する部分は、アノード触媒層102の主面における上端部近傍であり、アノード流路109とアノード出口112とが接続する部分は、アノード触媒層102の主面における下端部近傍である。
なお、アノード流路109は、アノード入口111からアノード流路109に流入した水素含有ガスが、蛇行しながら重力に逆らわずにアノード出口112に向かって流れるように形成されている。
カソードセパレータには、カソード流路110とカソード出口113が、それぞれ設けられる。
カソード出口113は、電気化学デバイス100において水素を精製する時に、カソードからカソード流路110に流出した精製水素を、カソード流路110から排出するための孔である。
カソード触媒層103の両主面は、重力方向に対して略平行であり、カソード流路11
0とカソード出口113とが接続する部分は、カソード触媒層103の主面における下端部近傍である。
アノードセパレータ107及びカソードセパレータは、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノードセパレータ107及びカソードセパレータ108の主面の大きさは、電解質膜101の主面と略同じ大きさである。
電気化学デバイス100は、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に水素含有ガスが供給されている時に、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間に所定方向の電流が流されると、アノード触媒層102において、水素含有ガスに含まれる水素が、水素イオンと電子とに解離し、水素イオンが電解質膜101を透過してアノード触媒層102からカソード触媒層103に移動し、電子が電源120を経由してアノード触媒層102からカソード触媒層103に移動し、カソード触媒層103において、水素イオンと電子とが結合して水素になることによって、アノード触媒層102に供給される水素含有ガスよりも水素の純度が高い水素が、カソード触媒層103からカソードガス拡散層106を介してカソード流路110に排出されるように構成されている。
水素含有ガス供給手段114は、アノード供給経路115を介してアノードセパレータ107のアノード入口111に、水蒸気を含む所定の温度に調整された水素含有ガスを、制御器150に指示された供給量で供給するように構成されている。そして、アノード入口111に供給された水素含有ガスは、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に供給される。
本実施の形態では、水素含有ガス供給手段114として、都市ガスなどの炭化水素系の燃料から水蒸気改質反応を利用して水素含有ガスを生成する燃料改質器を用いている。
水素含有ガスには、水素以外の不純物ガスとして、水蒸気、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、窒素、アンモニア等が含まれる。なお、一酸化炭素がアノード触媒層102、またはカソード触媒層103に吸着することで生じる触媒被毒を抑制するために、不純物ガスとして、酸素を含ませることもある。
アノード供給経路115は、水素含有ガス供給手段114とアノードセパレータ107のアノード入口111とが連通するように、経路の入口が水素含有ガス供給手段114の出口に接続され、経路の出口がアノードセパレータ107のアノード入口111に接続されている。
アノード排出経路116は、アノードセパレータ107のアノード出口112に接続されている。アノード排出経路116は、アノード流路109に供給された水素含有ガスのうちで、カソードに透過しなかった残余のガスを、電気化学デバイス100の外部に排出するための経路である。
アノード圧力調整手段118は、アノード排出経路116の途中に設けられる。アノード圧力調整手段118は、アノード流路109のガスの圧力を設定圧力に保つための背圧弁と、背圧弁よりも上流側のアノード排出経路116のガスを吸引する減圧ポンプと、減圧ポンプから排出されたガスを貯めるバッファータンクと、背圧弁よりも上流側のアノード排出経路116のガスの圧力を計測する圧力計と、アノード出口112から排出されるガス流量を計測する流量計と、を備えている。
アノード圧力調整手段118は、アノード流路109のガスの圧力の数値と、アノード出口112から排出される残余のガス流量の数値とを、それぞれの目標とする数値に調整できるように構成されている。
カソード排出経路117は、カソードセパレータのカソード出口113に接続される。カソード排出経路117は、カソード流路110の精製水素を電気化学デバイス100の外部に排出するための経路である。
カソード圧力調整手段119は、カソード排出経路117の途中に設けられる。カソード圧力調整手段119は、カソード流路110の水素の圧力を設定圧力に保つための背圧弁と、背圧弁よりも上流側のカソード排出経路117の水素を吸引する減圧ポンプと、減圧ポンプから排出された水素を貯めるバッファータンクと、背圧弁よりも上流側のカソード排出経路117の水素の圧力を計測する圧力計と、カソード出口113から排出されるガス流量を計測する流量計と、を備えている。
カソード圧力調整手段119は、カソード流路110のガスの圧力の数値と、カソードセパレータのカソード出口113から排出される精製水素の流量の数値とを、それぞれの目標とする数値に調整できるように構成されている。
電源120は、アノード触媒層102の電位をカソード触媒層103の電位よりも高くして、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ、制御器150に指示された電流値の電流を流すことができるように構成された定電流型の直流電源である。
電源120のプラス側の出力端子は、アノード触媒層102に電気的に接続され、電源120のマイナス側の出力端子は、カソード触媒層103に電気的に接続されている。
電圧計121は、アノード触媒層102とカソード触媒層103とに電気的に接続されており、水素精製システム180の起動後から終了指示か入るまでの間において、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧を計測するように構成されている。
温度調節手段123は、電気化学デバイス100と接するように設けられ、電気化学デバイス100の温度を計測する温度計と、ヒーターとを備え、電気化学デバイス100の温度を、所定の温度に調節できるように構成されている。
制御器150は、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、温度調節手段123と、に接続されている。
制御器150は、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、温度調節手段123と、を制御することができるように構成されている。
水素精製システム180は、電気化学デバイス100が、水素含有ガス供給手段114からアノード流路109に所定の流量で供給された水素含有ガスに含まれる水素を、電解質膜101を介してカソード触媒層103に昇圧して送って、カソード流路110から所定の流量で排出するように、水素精製モードで運転するときは、制御器150の制御によって、温度調節手段123が電気化学デバイス100の温度を指示された所定の温度(水素精製に適した温度)に調節し、水素含有ガス供給手段114が指示された供給量でアノ
ード入口111に水素含有ガスを供給し、電源120がアノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ指示された電流値の電流を流し、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119とによりカソード流路110のガスの圧力がアノード流路109のガスの圧力よりも所定圧力だけ高くなるように調整されるように構成されている。
制御器150は、水素精製モードでの運転中に、電圧計121により計測した電圧が正常値よりも高く設定された所定値以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成されている。
加湿モードに移行すると、制御器150は、カソード流路110とアノード流路109の圧力差が所定値まで小さくなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整して、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量と電源120に指示する電流値の両方を、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が変化しないように増加させるように構成されている。
ここで、水素利用率とは、カソード流路110から排出する水素の流量を、水素含有ガス供給手段114からアノード流路109に供給した水素含有ガスに含まれる水素の流量で割った比率である。
[1-2.動作]
以上のように構成された本実施の形態の水素精製システム180について、図1及び図2に基づいて、その動作と作用を以下に説明する。
水素精製システム180の運転モードは、水素精製モードと、加湿モードとの2つからなる。まず、水素精製モードについて説明する。
まず、制御器150は、温度調節手段123に対して、所定の温度として、60℃を指示して、電気化学デバイス100の温度が60℃になる(60℃を維持する)ように、温度調節手段123を作動させる(S101)。
本実施の形態の電気化学デバイス100にとって、60℃という温度は、水素精製の効率が良い温度である。
次に、制御器150は、水素含有ガスがアノード入口111に所定条件(温度、組成、流量)で供給されるように、水素含有ガス供給手段114を作動させる(S102)。
このとき、制御器150の制御によって、水素含有ガス供給手段114がアノード入口111に供給する水素含有ガスの温度は、60℃である。
また、制御器150の制御によって、水素含有ガス供給手段114がアノード入口111に供給する水素含有ガスの組成は、水素が80%で、二酸化炭素が20%で、露点が60℃である。なお、水素と二酸化炭素の組成比率の数値は、水蒸気を除いた状態の水素含有ガスの組成比率である。
また、制御器150の制御によって、水素含有ガス供給手段114がアノード入口111に供給する水素含有ガスの流量は、電気化学デバイス100と水素含有ガスの温度と水素含有ガスの組成とが、上記条件を満たしているときに、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ0.3A/cmの電流密度で電流を流した場合に、水素利用率が85%になる流量(所定流量)である。
次に、制御器150は、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ0.3A/cmの電流密度で電流が流れるように、電源120を作動させる(S103)。
本実施の形態の水素精製システム180では、電気化学デバイス100と水素含有ガスの温度と水素含有ガスの組成とが、上記条件を満たしているときに、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ0.3A/cmの電流密度で電流を流すと、電気化学デバイス100の水素利用率が85%になり、カソード出口113から単位時間当たりに所定の水素精製量を得ることができる。
S103を実行することにより、アノード触媒層102では、(化1)に示す、水素含有ガスに含まれる水素が水素イオン(H)と電子(e)とに解離する酸化反応が起こる。そして、水素イオン(H)が電解質膜101を透過してカソード触媒層103に移動し、電子(e)が電源120を経由してカソード触媒層103に移動する。そして、カソード触媒層103では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子(e)が結びついて水素になる還元反応が起こる。
Figure 2022169883000002
Figure 2022169883000003
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス100は、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に供給された水素含有ガスに含まれる水素を、カソード触媒層103に移動させることによって、水素含有ガスの水素を精製して、カソード触媒層103からカソードガス拡散層106を介してカソード流路110に、精製された水素を排出する。
次に、制御器150は、カソード流路110の水素の圧力がアノード流路109の水素含有ガスの圧力よりも所定圧力(100kPa)だけ高くなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整する(S104)。
電気化学デバイス100において、水素含有ガスから精製・昇圧された精製水素は、カソード出口113から、カソード排出経路117に排出され、カソード排出経路117の途中でカソード圧力調整手段119を通過する。
水素含有ガス供給手段114からアノード流路109に供給された水素含有ガスのうちで電解質膜101を透過してアノード触媒層102からカソード触媒層103に移動しなかった残余のガスは、アノード出口112からアノード排出経路116に排出され、十分安全な水素濃度まで希釈されて大気へ放出される。
ここで、アノード触媒層102及びカソード触媒層103の湿り具合を把握するため、アノード出口112とカソード出口113のそれぞれから排出されるガスの水分量比を評価した結果、アノード側:カソード側=65:35となっていたことから、アノード触媒層102に比べてカソード触媒層103が乾燥している(カソード触媒層103の含水量が適量よりも少ない)ことが把握された。
次に、制御器150は、電圧計121によって、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧Vを計測し(S105)、S105で計測した電圧Vが所定電圧(55mV)以上になったか確認する(S106)。
本実施の形態では、電気化学インピーダンス法等の電気化学解析を用いて、S101からS104を実行した後のカソード触媒層103が乾燥した(カソード触媒層103の含水量が適量よりも少ない)状態になることを把握し、その際の電圧を予め実験により確認して、S106における所定電圧を55mVに設定している。
S106の確認の結果、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧Vが所定電圧(55mV)以上になっていなければ、S106をNo側に分岐して、現状の水素精製モードでの運転を10分間継続してから(S107)、S105に戻る。
S106の確認の結果、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧Vが所定電圧(55mV)以上になっていれば、カソード触媒層103が乾燥した(カソード触媒層103の含水量が適量よりも少ない)と判断して、加湿モードに移行する。
次に、加湿モードについて説明する。
S106の確認の結果、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧Vが所定電圧(55mV)以上になっていれば、S106をYes側に分岐して、制御器150は、カソード流路110の水素の圧力とアノード流路109の水素含有ガスの圧力との圧力差が0kPaになるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整する(S108)。
これにより、カソード流路110の水素の圧力がアノード流路109の水素含有ガスの圧力よりも高いことに起因したカソード触媒層103からアノード触媒層102への水の移動を抑制でき、カソード触媒層103の乾燥を抑制できる。
ここで、アノード触媒層102及びカソード触媒層103の湿り具合を把握するため、アノード出口112とカソード出口113のそれぞれから排出されるガスの水分量比を評価した結果、アノード側:カソード側=48:52となっていたことから、S108を実行することによって、S108を実行する前よりもカソード触媒層103が加湿されている(カソード触媒層103の含水量が増加した)ことが把握された。
次に、制御器150は、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量(水素含有ガス供給手段114による水素含有ガスの供給量)と電源120に指示する電流値(電源120が流す電流)の両方を、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間を流れる電流の電流密度が0.8A/cmに達するまで、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が85%から変化しないように徐々に増加させる(S109)。
これにより、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ流れる水素イオン(H)に随伴する水の移動(電気浸透現象)を促進し、カソード触媒層103を加湿(カソード触媒層103の含水量を増加)できる。
ここで、アノード触媒層102及びカソード触媒層103の加湿状態を把握するため、アノード出口112とカソード出口113のそれぞれから排出されるガスの水分量比を評価した結果、アノード側:カソード側=43:57となっていたことから、S109を実行することによって、S109を実行する前よりもカソード触媒層103が加湿されてい
る(カソード触媒層103の含水量が増加した)ことが把握された。
次に、制御器150は、電圧計121によって、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧を計測し、計測した電圧が所定電圧(80mV)以下になったか確認する(S110)。
本実施の形態では、S108及びS109を実行することによって、カソード触媒層103が十分に加湿された状態になることを、電気化学インピーダンス法等の電気化学解析を用いて予め把握し、S109で設定した所定電流(0.8A/cm)におけるカソード触媒層103が十分に加湿された状態の電圧を予め実験により確認して、S110における所定電圧を80mVに設定している。
S110の確認の結果、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧が所定電圧(80mV)以下になっていなければ、S110をNo側に分岐して、現状の加湿モードでの運転を10分間継続してから(S111)、S110に戻る。
S110の確認の結果、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧が所定電圧(80mV)以下になっていれば、カソード触媒層103が十分に加湿されたと判断して、S110をYes側に分岐して、制御器150は、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量(水素含有ガス供給手段114による水素含有ガスの供給量)と電源120に指示する電流値(電源120が流す電流)の両方を、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間を流れる電流の電流密度が0.3A/cmに達するまで、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が85%から変化しないように徐々に減少させる(S112)。
次に、制御器150は、カソード流路110の水素の圧力がアノード流路109の水素含有ガスの圧力よりも所定圧力(100kPa)だけ高くなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整する(S113)。
次に、制御器150は、水素精製モードを終了する指示が入ったか否かを確認する(S114)。S114の確認の結果、終了の指示が入っていなければ、S114をNo側に分岐して、水素精製モードのS105に戻る。
S114の確認の結果、終了の指示が入っていれば、S114をYes側に分岐して、制御器150は、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、温度調節手段123と、を停止させて(S115)、水素精製システム180の動作を終了する。
[1-3.効果等]
以上のように本実施の形態の水素精製システム180は、電気化学デバイス100と、水素含有ガス供給手段114と、電源120と、電圧計121と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、制御器150と、を備えている。
電気化学デバイス100は、電解質膜101と、電解質膜101の一方の主面に設けられたアノード触媒層102と、アノード触媒層102の外側に積層されたアノードガス拡散層105と、電解質膜101の他方の主面に設けられたカソード触媒層103と、カソード触媒層103の外側に積層されたカソードガス拡散層106と、アノードガス拡散層105と当接する面にアノード流路109が形成されたアノードセパレータ107と、カソードガス拡散層106と当接する面にカソード流路110が形成されたカソードセパレータ108と、を備えている。
電気化学デバイス100は、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に水素含有ガスが供給されているときに、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ電流が流されると、アノード触媒層102に供給された水素含有ガスに含まれる水素を、電解質膜101を介してカソード触媒層103、カソードガス拡散層106の順に昇圧して送って、カソード流路110から排出するように構成されている。
水素含有ガス供給手段114は、水蒸気を含む水素含有ガスを、制御器150に指示された供給量で、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に供給できるように構成されている。
電源120は、アノード触媒層102の電位をカソード触媒層103の電位よりも高くして、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ、制御器150に指示された電流値の電流を流すことができるように構成されている。電圧計121は、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧を計測できるように構成されている。
アノード圧力調整手段118は、アノード流路109の圧力を、目標とする圧力に調整できるように構成されている。カソード圧力調整手段119は、カソード流路110の圧力を、目標とする圧力に調整できるように構成されている。
水素精製システム180は、電気化学デバイス100において水素を精製する、水素精製モードで運転するときは、制御器150の制御によって、水素含有ガス供給手段114が指示された供給量でアノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に水素含有ガスを供給し、電源120がアノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ指示された電流値の電流(電流密度が0.3A/cmとなる電流)を流し、電気化学デバイス100の水素利用率が85%になり、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119とによりカソード流路110の圧力がアノード流路109の圧力よりも所定圧力(100kPa)だけ高くなるように調整される。
制御器150は、水素精製モードでの運転中に、電圧計121により計測した電圧が正常値よりも高く設定された所定値(55mV)以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成されている。
加湿モードに移行すると、制御器150は、カソード流路110とアノード流路109の圧力差が所定値(0kPa)まで小さくなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整して、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量と電源120に指示する電流値の両方を、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間を流れる電流の電流密度が0.8A/cmに達するまで、電気化学デバイス100の水素利用率が85%から変化しないように増加させる。
これにより、本実施の形態の水素精製システム180は、水素精製モードで運転しているときに、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧が正常値よりも高く設定された所定値以上になったことから、カソード触媒層103が乾燥して水素純化効率が低下したと判断すると、カソード流路110とアノード流路109のガスの圧力差を小さくすることによって、圧力差でカソード触媒層103からアノード触媒層102に移動する水分を減らし、水素含有ガスと電流とを水素利用率が変わらないように増加させることによって、水素イオンに随伴してアノード触媒層102からカソード触媒層103に
移動する水分を増やすことで、カソード触媒層103を加湿することができる。
そのため、カソード触媒層103の経時的な乾燥に起因した水素純化効率の低下を抑制できる。
本実施の形態のように、水素精製システム180は、加湿モードに移行した後に、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧が、カソード触媒層103が十分に加湿された状態になったと推定できる所定電圧以下に低下すると、水素精製モードに戻るようにしても良い。
そのようにすれば、加湿モードを継続する時間を、無駄に長くせずに、水素精製モードを再開することができる。
(実施の形態2)
以下、図3及び図4を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図3に示すように、本実施の形態の水素精製システム280は、図1に示す実施の形態1の水素精製システム180の構成に、抵抗計122を更に加え、制御器150を、抵抗計122に対応した制御器250に替えたものに相当する。
本実施の形態の水素精製システム280において、図1に示す実施の形態1の水素精製システム180と同一構成については、同一符号を付して、重複する説明は省略することがある。
抵抗計122は、アノード触媒層102とカソード触媒層103とに接続されており、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電気抵抗を計測する。
制御器250は、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、抵抗計122と、温度調節手段123と、に接続されている。
制御器250は、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、抵抗計122と、温度調節手段123と、を制御することができるように構成されている。
水素精製システム280は、電気化学デバイス100が、水素含有ガス供給手段114からアノード流路109に所定の流量で供給された水素含有ガスに含まれる水素を、電解質膜101を介してカソード触媒層103に昇圧して送って、カソード流路110から所定の流量で排出するように、水素精製モードで運転するときは、制御器250の制御によって、温度調節手段123が電気化学デバイス100の温度を指示された所定の温度(水素精製に適した温度)に調節し、水素含有ガス供給手段114が指示された供給量でアノード入口111に水素含有ガスを供給し、電源120がアノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ指示された電流値の電流を流し、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119とによりカソード流路110のガスの圧力がアノード流路109のガスの圧力よりも所定圧力だけ高くなるように調整されるように構成されている。
制御器250は、水素精製モードでの運転中に、電圧計121で計測した電圧と、抵抗計122で計測した抵抗と、電源120によりアノード触媒層102とカソード触媒層1
03との間に流す電流量と、温度調節手段123により調節した電気化学デバイス100の温度と、アノード圧力調整手段118により調整したアノード圧力と、カソード圧力調整手段119により調整したカソード圧力と、から、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧を計算し、計算したカソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧が所定値以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成されている。
加湿モードに移行すると、制御器250は、電気化学デバイス100の温度が加湿モードに移行する前よりも低くなるように、温度調節手段123を制御し、カソード流路110とアノード流路109の圧力差が所定値まで小さくなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整して、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量と電源120に指示する電流値の両方を、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が変化しないように増加させるように構成されている。
[2-2.動作]
以上のように構成された本実施の形態の水素精製システム280について、図3及び図4に基づいて、その動作と作用を以下に説明する。
水素精製システム280の運転モードは、水素精製モードと、加湿モードとの2つからなる。まず、水素精製モードについて説明する。
まず、制御器250は、温度調節手段123に対して、所定の温度として、60℃を指示して、電気化学デバイス100の温度が60℃になる(60℃を維持する)ように、温度調節手段123を作動させる(S201)。
本実施の形態の電気化学デバイス100にとって、60℃という温度は、水素精製の効率が良い温度である。
次に、制御器250は、水素含有ガスがアノード入口111に所定条件(温度、組成、流量)で供給されるように、水素含有ガス供給手段114を作動させる(S202)。
このとき、制御器250の制御によって、水素含有ガス供給手段114がアノード入口111に供給する水素含有ガスの温度は、60℃である。
また、制御器250の制御によって、水素含有ガス供給手段114がアノード入口111に供給する水素含有ガスの組成は、水素が80%で、二酸化炭素が20%で、露点が60℃である。なお、水素と二酸化炭素の組成比率の数値は、水蒸気を除いた状態の水素含有ガスの組成比率である。
また、制御器250の制御によって、水素含有ガス供給手段114がアノード入口111に供給する水素含有ガスの流量は、電気化学デバイス100と水素含有ガスの温度と水素含有ガスの組成とが、上記条件を満たしているときに、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ0.3A/cmの電流密度で電流を流した場合に、水素利用率が85%になる流量(所定流量)である。
次に、制御器250は、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ0.3A/cmの電流密度で電流が流れるように、電源120を作動させる(S203)。
本実施の形態の水素精製システム280では、電気化学デバイス100と水素含有ガスの温度と水素含有ガスの組成とが、上記条件を満たしているときに、アノード触媒層10
2から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ0.3A/cmの電流密度で電流を流すと、電気化学デバイス100の水素利用率が85%になり、カソード出口113から単位時間当たりに所定の水素精製量を得ることができる。
S203を実行することにより、アノード触媒層102では、(化1)に示す、水素含有ガスに含まれる水素が水素イオン(H)と電子(e)とに解離する酸化反応が起こる。そして、水素イオン(H)が電解質膜101を透過してカソード触媒層103に移動し、電子(e)が電源120を経由してカソード触媒層103に移動する。そして、カソード触媒層103では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子(e)が結びついて水素になる還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス100は、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に供給された水素含有ガスに含まれる水素を、カソード触媒層103に移動させることによって、水素含有ガスの水素を精製して、カソード触媒層103からカソードガス拡散層106を介してカソード流路110に、精製された水素を排出する。
次に、制御器250は、カソード流路110の水素の圧力がアノード流路109の水素含有ガスの圧力よりも所定圧力(100kPa)だけ高くなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整する(S204)。
電気化学デバイス100において、水素含有ガスから精製・昇圧された精製水素は、カソード出口113から、カソード排出経路117に排出され、カソード排出経路117の途中でカソード圧力調整手段119を通過する。
水素含有ガス供給手段114からアノード流路109に供給された水素含有ガスのうちで電解質膜101を透過してアノード触媒層102からカソード触媒層103に移動しなかった残余のガスは、アノード出口112からアノード排出経路116に排出され、十分安全な水素濃度まで希釈されて大気へ放出される。
ここで、アノード触媒層102及びカソード触媒層103の湿り具合を把握するため、アノード出口112とカソード出口113のそれぞれから排出されるガスの水分量比を評価した結果、アノード側:カソード側=65:35となっていたことから、アノード触媒層102に比べてカソード触媒層103が乾燥している(カソード触媒層103の含水量が適量よりも少ない)ことが把握された。
次に、制御器250は、電圧計121によって、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧Vを計測する(S205)。
次に、制御器250は、抵抗計122によって、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の抵抗Rを計測する(S206)。
次に、制御器250は、S206で抵抗計122によって計測した抵抗Rと、電源120によりアノード触媒層102とカソード触媒層103との間に流す電流値Iと、を用いて、(数1)より、IR過電圧ηIRを計算する(S207)。
Figure 2022169883000004
次に、制御器250は、温度調節手段123により調節した電気化学デバイス100の温度Tと、アノード圧力調整手段118により調整したアノード流路109のガスの圧力PANと、カソード圧力調整手段119により調整したカソード流路110のガスの圧力PCAと、定数Cを用いて、(数2)よりネルンスト過電圧ηネルンストを計算する(S208)。
Figure 2022169883000005
次に、制御器250は、S205で電圧計121によって計測した電圧Vと、S207で(数1)より計算したIR過電圧ηIRと、S208で(数2)より計算したネルンスト過電圧ηネルンストと、を用いて、(数3)より、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードを計算する(S209)。
Figure 2022169883000006
本実施の形態では、アノード触媒層102とカソード触媒層103とで起きる電荷移動反応に伴う過電圧は、IR過電圧ηIR及びネルンスト過電圧ηネルンストに比べ非常に小さな値であることを、電気化学インピーダンス法等の電気化学解析から予め把握し、(数3)の計算では、電荷移動反応に伴う過電圧は考慮していない。
次に、制御器250は、S209で(数3)より計算したカソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが、所定電圧(20mV)以上になったか確認する(S210)。
S210の確認の結果、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが、所定電圧(20mV)以上になっていなければ、S210をNo側に分岐して、現状の水素精製モードでの運転を10分間継続してから(S211)、S205に戻る。
S210の確認の結果、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが、所定電圧(20mV)以上になっていれば、カソード触媒層103が乾燥した(カソード触媒層103の含水量が適量よりも少ない)と判断して、加湿モードに移行する。
次に、加湿モードについて説明する。
S210の確認の結果、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが、所定電圧(20mV)以上になっていれば、S210をYes側に分岐して、制御器250は、カソード流路110の水素の圧力とアノード流路109の水素含有ガスの圧力との圧力差が0kPaになるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整する(S212)。
これにより、カソード流路110の水素の圧力がアノード流路109の水素含有ガスの圧力よりも高いことに起因したカソード触媒層103からアノード触媒層102への水の移動を抑制でき、カソード触媒層103の乾燥を抑制できる。
次に、制御器250は、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量(水素含有ガス供給手段114による水素含有ガスの供給量)と電源120に指示する電流値(電源120が流す電流)の両方を、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間を流れる電流の電流密度が0.8A/cmに達するまで、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が85%から変化しないように徐々に増加させる(S213)。
これにより、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ流れる水素イオン(H)に随伴する水の移動(電気浸透現象)を促進し、カソード触媒層103を加湿(カソード触媒層103の含水量を増加)できる。
次に、制御器250は、温度調節手段123に対して、所定の温度として、57℃を指示して、電気化学デバイス100の温度が57℃になる(57℃を維持する)ように、温度調節手段123を作動させる(S214)。
これにより、電気化学デバイス100の温度を水素精製モードのときよりも低くすることで、水蒸気を多く含む水素含有ガスをアノードガス拡散層105とアノード触媒層102において結露させ、アノード触媒層102の含水量を増やしてアノード触媒層102とカソード触媒層103との含水量の勾配を大きくし、アノード触媒層102からカソード触媒層103への水の移動を促進し、カソード触媒層103を加湿できる。
ここで、アノード触媒層102及びカソード触媒層103の加湿状態を把握するため、アノード出口112とカソード出口113のそれぞれから排出されるガスの水分量比を評価した結果、アノード側:カソード側=41:59となっていたことから、カソード触媒層103が加湿されている(カソード触媒層103の含水量が増加した)ことが把握された。
次に、制御器250は、(数3)より計算したカソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが、所定電圧(29mV)以下になったか確認する(S215)。
本実施の形態では、S212~S214を実行することによって、カソード触媒層103が十分に加湿された状態になることを、電気化学インピーダンス法等の電気化学解析を用いて予め把握し、S213で設定した所定電流(0.8A/cm)におけるカソード触媒層103が十分に加湿された状態の電圧を予め実験により確認して、S215における所定電圧を29mVに設定している。
S215の確認の結果、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが所定電圧(29mV)以下になっていなければ、S215をNo側に分岐して、現状の加湿モードでの運転を10分間継続してから(S216)、S215に戻る。
S215の確認の結果、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧ηカソードが所定電圧(29mV)以下になっていれば、カソード触媒層103が十分に加湿されたと判断し、S215をYes側に分岐して、制御器250は、温度調節手段123に対して、所定の温度として、60℃を指示して、電気化学デバイス100の温度が60℃になる(60℃を維持する)ように、温度調節手段123を作動させる(S217)。
次に、制御器250は、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量(水素含有ガス供給手段114による水素含有ガスの供給量)と電源120に指示する電流値(電源120が流す電流)の両方を、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間を流れる電流の電流密度が0.3A/cmに達するまで、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が85%から変化しないように徐々に減少させる(S218)。
次に、制御器250は、カソード流路110の水素の圧力がアノード流路109の水素含有ガスの圧力よりも所定圧力(100kPa)だけ高くなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整する(S219)。
次に、制御器250は、水素精製モードを終了する指示が入ったか否かを確認する(S220)。S220の確認の結果、終了の指示が入っていなければ、S220をNo側に分岐して、水素精製モードのS205に戻る。
S220の確認の結果、終了の指示が入っていれば、S220をYes側に分岐して、制御器250は、水素含有ガス供給手段114と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、電源120と、電圧計121と、抵抗計122と、温度調節手段123と、を停止させて(S221)、水素精製システム280の動作を終了する。
[2-3.効果等]
以上のように本実施の形態の水素精製システム280は、電気化学デバイス100と、水素含有ガス供給手段114と、電源120と、電圧計121と、抵抗計122と、温度調節手段123と、アノード圧力調整手段118と、カソード圧力調整手段119と、制御器250と、を備えている。
電気化学デバイス100は、電解質膜101と、電解質膜101の一方の主面に設けられたアノード触媒層102と、アノード触媒層102の外側に積層されたアノードガス拡散層105と、電解質膜101の他方の主面に設けられたカソード触媒層103と、カソード触媒層103の外側に積層されたカソードガス拡散層106と、アノードガス拡散層105と当接する面にアノード流路109が形成されたアノードセパレータ107と、カソードガス拡散層106と当接する面にカソード流路110が形成されたカソードセパレータ108と、を備えている。
電気化学デバイス100は、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に水素含有ガスが供給されているときに、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ電流が流されると、アノード触媒層102に供給された水素含有ガスに含まれる水素を、電解質膜101を介してカソード触媒層103、カソードガス拡散層106の順に昇圧して送って、カソード流路110から排出するように構成されている。
水素含有ガス供給手段114は、水蒸気を含む水素含有ガスを、制御器250に指示された供給量で、アノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に供給できるように構成されている。
電源120は、アノード触媒層102の電位をカソード触媒層103の電位よりも高くして、アノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ、制御器250に指示された電流値の電流を流すことができるように構成されている。
電圧計121は、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電圧を計測できるように構成されている。抵抗計122は、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間の電気抵抗を計測できるように構成されている。
アノード圧力調整手段118は、アノード流路109の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されている。カソード圧力調整手段119は、カソード流路110の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されている。
温度調節手段123は、電気化学デバイス100の温度を、制御器250に指示された温度に調節できるように構成されている。
水素精製システム280は、電気化学デバイス100において水素を精製する、水素精製モードで運転するときは、制御器250の制御によって、水素含有ガス供給手段114が指示された供給量でアノード流路109とアノードガス拡散層105を介してアノード触媒層102に水素含有ガスを供給し、電源120がアノード触媒層102から電解質膜101を介してカソード触媒層103へ指示された電流値の電流(電流密度が0.3A/cmとなる電流)を流し、電気化学デバイス100の水素利用率が85%になり、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119とによりカソード流路110の圧力がアノード流路109の圧力よりも所定圧力(100kPa)だけ高くなるように調整される。
制御器250は、水素精製モードでの運転中に、電圧計121によって計測した電圧Vと、抵抗計122で計測した抵抗R、電源120によりアノード触媒層102とカソード触媒層103との間に流す電流Iを基に計算したIR過電圧と、温度調節手段123により調節した電気化学デバイス100の温度T、アノード圧力調整手段118により調整したアノード流路109のガスの圧力PAN、カソード圧力調整手段119により調整したカソード流路110のガスの圧力PCAを基に計算したネルンスト過電圧と、を基に計算したカソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧が、所定電圧(20mV)以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成されている。
加湿モードに移行すると、制御器250は、カソード流路110とアノード流路109の圧力差が所定値(0kPa)まで小さくなるように、アノード圧力調整手段118とカソード圧力調整手段119を調整して、水素含有ガス供給手段114に指示する供給量と電源120に指示する電流値の両方を、アノード触媒層102とカソード触媒層103との間を流れる電流の電流密度が0.8A/cmに達するまで、電気化学デバイス100の水素利用率が85%から変化しないように増加させる。
これにより、本実施の形態の水素精製システム280は、水素精製モードで運転しているときに、計算により得られたカソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧が所定電圧に上昇したことから、カソード触媒層103が乾燥して水素純化効率が低下したと判断すると、電気化学デバイス100の温度を下げることによって、アノード触媒層102の含水量を増加させ、カソード流路110とアノード流路109のガスの圧力差を小さくすることによって、圧力差でカソード触媒層103からアノード触媒層102に移動する水分を減らし、水素含有ガスと電流とを水素利用率が変わらないように増加させることによって、水素イオンに随伴してアノード触媒層102からカソード触媒層103に移動する水分を増やすことで、カソード触媒層103を加湿することができる。
そのため、カソード触媒層103の経時的な乾燥によって水素純化効率が低下したことを、実施の形態1の水素精製システム180よりも的確にタイミング良く把握して、カソード触媒層103を加湿することができ、カソード触媒層103の経時的な乾燥に起因した水素純化効率の低下を抑制できる。
本実施の形態のように、水素精製システム280の制御器250は、加湿モードでは、電気化学デバイス100の温度が水素精製モードでの設定温度(60℃)よりも低く設定された加湿モードでの設定温度(57℃)になるように温度調節手段123を制御してもよい。
そのようにすれば、カソード触媒層103の乾燥に起因した過電圧が上昇し、加湿モードに移行したときに、電気化学デバイス100の温度を下げることによって、水素含有ガスに含まれる水蒸気の凝縮を促進して、アノード触媒層102の含水量を増加させることができるので、電気化学デバイス100の温度を下げない場合よりも、カソード触媒層103の加湿を促進することができる。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1~2のように、水素含有ガス供給手段114として、都市ガスなどの炭化水素系の燃料から水蒸気改質反応を利用して水素含有ガスを生成する燃料改質器を用いると、水素含有ガスに一酸化炭素が含まれるが、一酸化炭素は、アノード触媒層102やカソード触媒層103の触媒を被毒して、電気化学デバイス100の水素純化効率が低下するので、そのような場合は、電気化学デバイス100のアノード触媒層102に供給される水素含有ガスに酸素が含まれるようにするとよい。
そのようにすれば、一酸化炭素と酸素とが触媒上で反応して二酸化炭素になるので、触媒被毒を抑制でき、触媒被毒による電気化学デバイス100の水素純化効率の低下を抑制できる。
また、実施の形態1のS109と、実施の形態2のS213において、水素含有ガス供給手段114による水素含有ガスの供給量と電源120が流す電流の両方を、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が85%から変化しないように徐々に増加させたが、水素含有ガス供給手段114による水素含有ガスの供給量と電源120が流す電流の両方を徐々に増加させるときに、電気化学デバイス100の水素利用率(Uf)が徐々に小さくなってもよい。
そのようにすれば、アノードのガスの圧力を更に高めることができ、カソードとアノードとの圧力差に起因したカソードからアノードへの水の移動を更に抑制でき、カソード触媒層の乾燥を更に抑制できる。
本開示は、電解質膜-電極接合体を備えた電気化学デバイスを用いて、水素を純化する水素精製システムなどに適用可能である。
100 電気化学デバイス
101 電解質膜
102 アノード触媒層
103 カソード触媒層
104 電解質膜-電極接合体
105 アノードガス拡散層
106 カソードガス拡散層
107 アノードセパレータ
108 カソードセパレータ
109 アノード流路
110 カソード流路
111 アノード入口
112 アノード出口
113 カソード出口
114 水素含有ガス供給手段
115 アノード供給経路
116 アノード排出経路
117 カソード排出経路
118 アノード圧力調整手段
119 カソード圧力調整手段
120 電源
121 電圧計
122 抵抗計
123 温度調節手段
150,250 制御器
180,280 水素精製システム

Claims (3)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、前記アノードと当接する面にアノード流路が形成されたアノードセパレータと、前記カソードと当接する面にカソード流路が形成されたカソードセパレータと、を備え、前記アノード流路を介して前記アノードに水素含有ガスが供給されているときに、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ電流が流されると、前記アノードに供給された水素含有ガスに含まれる水素を、前記電解質膜を介して前記カソードに昇圧して送って、前記カソード流路から排出するように構成された電気化学デバイスと、
    水蒸気を含む水素含有ガスを、指示された供給量で、前記アノード流路を介して前記アノードに供給できるように構成された水素含有ガス供給手段と、
    前記アノードの電位を前記カソードの電位よりも高くして、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ、指示された電流値の電流を流すことができるように構成された電源と、
    前記アノードと前記カソードとの間の電圧を計測できるように構成された電圧計と、
    前記アノード流路の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されたアノード圧力調整手段と、
    前記カソード流路の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されたカソード圧力調整手段と、
    制御器と、を備え、前記電気化学デバイスにおいて水素を精製する、水素精製モードで運転するときは、前記制御器の制御によって、前記水素含有ガス供給手段が指示された供給量で前記アノードに水素含有ガスを供給し、前記電源が前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ指示された電流値の電流を流し、前記アノード圧力調整手段と前記カソード圧力調整手段とにより前記カソード流路の圧力が前記アノード流路の圧力よりも所定圧力だけ高くなるように調整される、水素精製システムであって、
    前記制御器は、前記水素精製モードでの運転中に、前記電圧計により計測した電圧が正常値よりも高く設定された所定値以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成され、
    前記加湿モードに移行すると、前記制御器は、前記カソード流路と前記アノード流路の圧力差が所定値まで小さくなるように、前記アノード圧力調整手段と前記カソード圧力調整手段を調整して、前記水素含有ガス供給手段に指示する供給量と前記電源に指示する電流値の両方を、前記電気化学デバイスの水素利用率が変化しないように増加させることを特徴とする、水素精製システム。
  2. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、前記アノードと当接する面にアノード流路が形成されたアノードセパレータと、前記カソードと当接する面にカソード流路が形成されたカソードセパレータと、を備え、前記アノード流路を介して前記アノードに水素含有ガスが供給されているときに、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ電流が流されると、前記アノードに供給された水素含有ガスに含まれる水素を、前記電解質膜を介して前記カソードに昇圧して送って、前記カソード流路から排出するように構成された電気化学デバイスと、
    水蒸気を含む水素含有ガスを、指示された供給量で、前記アノード流路を介して前記アノードに供給できるように構成された水素含有ガス供給手段と、
    前記アノードの電位を前記カソードの電位よりも高くして、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ、指示された電流値の電流を流すことができるように構成された電源と、
    前記アノードと前記カソードとの間の電圧を計測できるように構成された電圧計と、
    前記アノードと前記カソードとの間の電気抵抗を計測するように構成された抵抗計と、
    前記アノード流路の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されたアノード圧力調整手段と、
    前記カソード流路の圧力を目標とする圧力に調整できるように構成されたカソード圧力調整手段と、
    前記電気化学デバイスの温度を、指示された温度に調整可能に構成された温度調節手段と、
    制御器と、を備え、前記電気化学デバイスにおいて水素を精製する、水素精製モードで運転するときは、前記制御器の制御によって、前記水素含有ガス供給手段が指示された供給量で前記アノードに水素含有ガスを供給し、前記電源が前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードへ指示された電流値の電流を流し、前記アノード圧力調整手段と前記カソード圧力調整手段とにより前記カソード流路の圧力が前記アノード流路の圧力よりも所定圧力だけ高くなるように調整される、水素精製システムであって、
    前記制御器は、前記水素精製モードでの運転中に、前記電圧計で計測した電圧と、前記抵抗計で計測した抵抗と、前記電源により前記アノードと前記カソードとの間に流す電流と、前記温度調節手段により調節した前記電気化学デバイスの温度と、前記アノード圧力調整手段により調整したアノード圧力と、前記カソード圧力調整手段により調整したカソード圧力と、から前記カソードの乾燥に起因した過電圧を計算し、前記カソードの乾燥に起因した過電圧が所定値以上になった場合に、加湿モードに移行するように構成され、
    前記加湿モードに移行すると、前記制御器は、前記カソード流路と前記アノード流路の圧力差が所定値まで小さくなるように、前記アノード圧力調整手段と前記カソード圧力調整手段を調整して、前記水素含有ガス供給手段に指示する供給量と前記電源に指示する電流値の両方を、前記電気化学デバイスの水素利用率が変化しないように増加させることを特徴とする、水素精製システム。
  3. 前記制御器は、前記加湿モードでは、前記加湿モードに移行する前よりも低い温度を、前記温度調節手段に指示する、請求項2に記載の水素精製システム。
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