JP2022168536A - 積層体およびそれを用いた包装材料および包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷が小さく、リサイクル適性に優れ、かつ十分な強度と耐熱性を有しながらバリア性に優れる包装用の積層体および包装材料、包装袋を提供することを課題とする。【解決手段】基材フィルムと第一の接着剤層と中間フィルムと第二の接着剤層とヒートシールフィルムとがこの順に積層され、前記基材フィルムの最外面側に保護層がさらに積層された積層体であって、前記保護層が熱硬化型樹脂からなり、前記基材フィルムが延伸ポリエチレンフィルムであり、前記中間フィルムと前記ヒートシールフィルムとが無延伸ポリエチレンフィルムであり、前記中間フィルムの一方の面に蒸着膜を備え、前記積層体に占めるポリエチレンの割合が90重量%以上であることを特徴とする積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、包装用の積層体およびそれを用いた包装材料および包装袋に関する。特に材料のリサイクル適性に優れる環境負荷の小さな積層体およびそれを用いた包装材料および包装袋に関するものである。
包装袋は、包装する内容物の性質、内容物の量、内容物の変質を保護するための後処理、包装袋を運搬する形態、包装袋を開封する方法、廃棄する方法などによって、さまざまな素材が組み合わせて用いられている。
たとえば、積層したフィルムを用いるフレキシブルパッケージの包装袋においては、包装袋の機械的強度を得るためにポリプロピレンやポリエステルなどの二軸延伸フィルムを用い、包装袋として内容物を封止するためにポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体などをヒートシール材料とするなどの組み合わせにより用いられている。また、内容物の劣化を抑制するために、アルミ箔や、エチレンビニルアルコール共重合体を積層するなども行われている。
上記の機能分離した各種素材の積層体は、内容物の包装から、輸送、保管、開封するなどの各過程に重点をおいて設計されたものである。しかしながら、近年の環境問題への意識の高まりから、各種製品の省資源、リサイクル適性などの機能に重点がおかれるようになり、包装袋に用いられる積層体にも同様の機能が求められてきている。一般に、包装材料に含まれる主要な樹脂の割合が90質量%以上であるとリサイクル性が高いと考えられているが、従来の包装材料の多くは複数の樹脂材料や場合により紙、金属材料を含んで構成されており、かつこの基準を満たしていないため、リサイクルされていないのが現状である。
たとえば、環境負荷を小さくするために、各種プラスチックを石油由来のものから、植物由来のものとした積層体による包装袋が提案されている(特許文献1)。これによって石油資源の使用量を削減、二酸化炭素の排出量の削減を行うものである。しかしながら、各種素材を組み合わせた積層体であっては、その素材を再利用するために分離、分別することが必要となってくる。そのため熱的、化学的、機械的な各種作用を行って分離したうえで、比重による物理的な作用や、素材ごとに異なる分光学的な手法などにより分別するなど、エネルギを費やすという問題を含んでいた。
そこで、特許文献2には、基材と、接着層と、ヒートシール層とを備えた積層体において、基材およびヒートシール層をポリエチレンから構成することが記載されている。基材およびヒートシール層を同一材料で構成することにより、上記リサイクル性の基準をクリアしやすくなる。しかしながら特許文献2に記載の積層体を包装袋に適用した際に、包装袋を形成する製袋工程では、積層体のシーラント層同士を合わせ、積層体の基材層外面側から高温治具に圧力をかけて挟み込むことで熱溶着(ヒートシール)させる工程がある。ヒートシール機の治具は高温になっており、直接治具に接触する基材層外面側は高温に曝されるため基材層が熱に冒されて治具に付着するなどの不具合が生じる場合がある。そのため、製袋温度の適正条件が狭く、生産性が悪いこと、また、包装袋の強度が十分でない場合があるなど課題となっていた。
また、特許文献3には、ポリエチレンからなる基材層の外面に樹脂からなるコーティング層を備えることで耐ブロッキング性と開封性に優れる包装袋が提案されている。しかし
ながら、この文献においては、リサイクルしやすい観点から層構成の単純化の提案で、基材層にシーラント層を配した単層構成、または、基材を貼り合わせた構成であることから軽包装の用途に留まり、十分な密封保持性が求められる液体を含む包装袋には強度が不十分で適用が難しい。
特許第6699779号公報 特開2020-55157号公報 特開2020-196791号公報
本発明が解決しようとする課題は、環境負荷が小さく、リサイクル適性に優れ、かつ十分な強度と耐熱性を有しながらバリア性に優れる包装用の積層体および包装材料、包装袋を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、基材フィルムと第一の接着剤層と中間フィルムと第二の接着剤層とヒートシールフィルムとがこの順に積層され、前記基材フィルムの最外面側に保護層がさらに積層された積層体であって、前記保護層が熱硬化型樹脂からなり、前記基材フィルムが延伸ポリエチレンフィルムであり、前記中間フィルムと前記ヒートシールフィルムとが無延伸ポリエチレンフィルムであり、前記中間フィルムの一方の面には蒸着膜を備え、前記積層体に占めるポリエチレンの割合が90重量%以上であることを特徴とする積層体である。
また本発明の請求項2にかかる発明は、前記熱硬化型樹脂がウレタン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、エポキシからなる1種以上の樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする請求項1に記載の積層体である。
また本発明の請求項3にかかる発明は、前記蒸着膜が金属酸化物からなるバリア膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
また本発明の請求項4にかかる発明は、前記基材フィルムと前記中間フィルムとが、高密度ポリエチレンまたは中密度ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体である。
また本発明の請求項5にかかる発明は、前記ヒートシールフィルムが低密度ポリエチレンを含むこと特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体である。
また本発明の請求項6にかかる発明は、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体からなる包装材料である。
また本発明の請求項7にかかる発明は、前記ヒートシールフィルムの厚さが20μm以上150μm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体をもちいたことを特徴とする包装袋である。
本発明からなる積層体を提供することにより、材料のリサイクルが容易で、強度、耐熱性やバリア性を有し、生産性の高い包装袋を製造することができる。
本発明の積層体の一実施形態を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明からなる積層体1の断面模式図である。積層体1は、基材フィルム10と、第一の接着剤層40と、中間フィルム20と、第二の接着剤層50とヒートシールフィルム30とを備え、基材フィルム10の最外面側に保護層11を備え、中間フィルム20の一方の面に蒸着膜14を備える。
基材フィルム10は、ポリエチレンにより構成される延伸フィルムであり、積層体1を用いて包装材料を形成する際に外面となる部分である。基材フィルム10は、一軸延伸フィルムであっても、二軸延伸フィルムであってもよい。ここでは、高密度ポリエチレン(密度0.94g/cm以上)、中密度ポリエチレン(密度0.925~0.945g/cm)からなるフィルムを用いることができる。これらの材料は、石油由来からなるものでも、植物由来からなるものでもよく、これらの混合物であってもよい。また、フィルムは、キャスト法、インフレーション法など、公知の製法にて製造することができ、フィルムの表面にコロナ処理、大気圧プラズマ処理などの乾式の表面処理により易接着処理をすることができる。また、密度が異なるポリエチレンを共押出法により押出した多層構造の延伸ポリエチレンフィルムを基材フィルム10として用いることも可能である。基材フィルム10の厚さは、10μm以上50μm以下であることが好ましく、12μm以上35μm以下であることがより好ましい。基材フィルム10の厚さを10μm以上とすることにより、積層体1の強度を向上できる。基材フィルム10の厚さを50μm以下とすることにより、積層体1の加工適性を向上できる。
基材フィルム10において、最外面に備えられた保護層11には、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、エポキシからなる1種以上の樹脂組成物の硬化物を生成するコーティング剤により形成することができる。保護層11の厚さは、0.3~4.0μmである。
印刷層12は、基材フィルム10において、保護層11が形成される側である外面10a、もしくは、中間フィルム20と積層される側である内面10bに形成することができる。画像の形成方法は、特に限定されることなく通常のグラビア印刷やフレキソ印刷などにより、それぞれに応じたインキにより形成することができる。溶剤系インキ、水系インキとがあるが、環境面から水系インキを用いることが好ましい。また、基材フィルム10の外面10a若しくは内面10bには、印刷層12の密着性を向上させるために、コロナ処理やプラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。
基材フィルム10が延伸フィルムであり、透明性に優れるため、内面10b側に設けられた印刷層12による表示を好適に視認できる。好適な視認を可能とする透明性は、JIS K 7105に準拠して測定したヘイズ値として20%以下であり、10%以下でさらに良好となる。
また、よりリサイクル適性を考慮すると、印刷層12を基材フィルム10の外側とすることで、脱墨が容易となり、リサイクル処理時に印刷層12のインキがリサイクルされたポリエチレン樹脂へ異物として混入することを抑制する。
中間フィルム20は、ポリエチレンにより構成された無延伸フィルムである。中間フィ
ルム20に含まれるポリエチレンとしては、強度および耐熱性の観点からは、高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンが好ましい。中間フィルム20は、基材フィルム10と同様に、多層フィルムであってもよい。
中間フィルム20の厚さは、9μm以上50μm以下であることが好ましく、12μm以上30μm以下であることがより好ましい。中間フィルム20の厚さを9μm以上とすることにより、積層体の強度および耐熱性を向上できる。中間フィルム20の厚さを50μm以下とすることにより、積層体の加工適性を向上できる。
中間フィルム20は、ポリエチレンをTダイ法またはインフレーション法などにより製膜することで作製できる。Tダイ法により中間フィルム20を作製する場合、ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、3g/10分以上、20g/10分以下であることが好ましい。MFRを3g/10分以上とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。また、MFRを20g/10分以下とすることにより、作製された基材が破断してしまうことを防止できる。
インフレーション法により中間フィルム20を作製する場合、ポリエチレンのMFRは、0.5g/10分以上、5g/10分以下であることが好ましい。MFRを0.5g/10分以上とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。また、MFRを5g/10分以下とすることにより、製膜性を向上することができる。
中間フィルム20となる無延伸フィルムは、上述の方法で作製するほか、流通しているものを入手してもよい。
中間フィルム20の一方の面には、蒸着膜14が形成されている。本実施形態において、蒸着膜14は、第二の接着剤層50に対向する面に形成されているが、反対面に形成してもよい。蒸着膜14は、積層体1に酸素バリア性及び水蒸気バリア性を付与する。
蒸着膜14の構成としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化錫等の金属酸化物からなる蒸着膜が挙げられる。透明性及びバリア性の観点から、金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び酸化マグネシウムからなる群より選択されてよい。さらに、コストを考慮すると、酸化アルミニウム、酸化珪素から選択される。さらに、加工時に引っ張り延伸性に優れる観点から、酸化珪素を用いた層とすることがより好ましい。蒸着膜14を金属酸化物としてバリア膜とすることにより、積層体1のリサイクル性に影響を与えない範囲のごく薄い層で、高いバリア性を得ることができる。
金属酸化物からなる蒸着膜は、透明性を有するため、金属からなる蒸着膜と比べて、積層体からなる包装材料を手にする使用者に、金属箔が使用されているとの誤認を生じさせにくいという利点がある。
酸化アルミニウムからなる蒸着膜の膜厚は、5nm以上30nm以下であることが好ましい。膜厚が5nm以上であると、十分なガスバリア性を得ることができる。また、膜厚が30nm以下であると、薄膜の内部応力による変形によりクラックが発生することを抑制し、ガスバリア性の低下を抑制することができる。なお、膜厚が30nmを超えると、材料使用量の増加、及び膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し易いため、経済的観点からも好ましくない。上記と同様の観点から、蒸着膜の膜厚は、7nm以上15nm以下であることがより好ましい。
酸化珪素からなる蒸着膜の膜厚は、10nm以上50nm以下であることが好ましい。
膜厚が10nm以上であると、十分なガスバリア性を得ることができる。また、膜厚が50nm以下であると、薄膜の内部応力による変形によりクラックが発生することを抑制し、ガスバリア性の低下を抑制することができる。なお、膜厚が50nmを超えると、材料使用量の増加、及び膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し易いため、経済的観点からも好ましくない。上記と同様の観点から、蒸着膜の膜厚は、20nm以上40nm以下であることがより好ましい。
蒸着膜14は、例えば真空成膜で形成することができる。真空成膜では、物理気相成長法あるいは化学気相成長法を用いることができる。物理気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。化学気相成長法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記真空成膜では、抵抗加熱式真空蒸着法、EB(Electron Beam)加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等が特に好ましく用いられる。ただし、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましい。
本実施形態の様に、中間フィルム20に蒸着膜14が形成される側の面に公知のアンカーコート剤を用いて、アンカーコート層を形成してもよい。これにより、金属酸化物からなる蒸着膜の密着性を向上させることができる。アンカーコート剤としては、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂等を例示できる。耐熱性及び層間接着強度の観点からは、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
さらに、第一の接着剤層40および第二の接着剤層50、蒸着膜14、および上述のアンカーコート層との密着性を向上する目的で、中間フィルム20の対応する面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理が施されてもよい。
ヒートシールフィルム30は、ポリエチレンにより構成されており、積層体1を用いて包装袋等の包装材料を形成する際に熱融着(ヒートシール)により接合される。ヒートシールフィルム30を構成するポリエチレンは、ヒートシール性という観点からは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)および超低密度ポリエチレン(VLDPE)が好ましい。また、環境負荷の観点から、バイオマス由来のポリエチレンまたはリサイクルされたポリエチレンがヒートシールフィルム30に使用されることが好ましい。
低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm以上0.925g/cm未満のポリエチレンを使用することができる。直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm以上0.925g/cm未満のポリエチレンを使用することができる。超低密度ポリエチレンとしては、密度が0.900g/cm未満のポリエチレンを使用することができる。ヒートシールフィルム30には、積層体1の特性を損なわない範囲において、エチレンとその他のモノマーとの共重合体を使用することができる。
ヒートシールフィルム30の厚さは、作製される包装材料に充填する内容物の重量等に応じて適宜変更できる。例えば、1g以上、200g以下の内容物を充填する包装袋を作製する場合、ヒートシールフィルム30の厚さは、20μm以上、60μm以下であることが好ましい。厚さを20μm以上とすることにより、充填された内容物が、ヒートシールフィルム30の破損により漏れてしまうことを防止できる。厚さを60μm以下とする
ことにより、積層体1の加工適性を向上できる。
他の例として、50g以上、2000g以下の内容物を充填するスタンディングパウチを作製する場合、ヒートシールフィルム30の厚さは、50μm以上、200μm以下であることが好ましい。厚さを50μm以上とすることにより、充填された内容物が、ヒートシールフィルム30の破損により漏れてしまうことを防止することができる。また、厚さを200μm以下とすることにより、積層体1の加工適性を向上でき、さらに150μmとすることが好ましい。
前記基材フィルム10、前記中間フィルム20、前記ヒートシールフィルム30に用いるポリエチレンには、酸化防止剤、帯電防止剤、造核剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加してもよい。
第一の接着剤層40は、少なくとも1種類の接着剤を含有した層であり、基材フィルム10と中間フィルム20との間に設けられて両者を接合する。第二の接着剤層50は、少なくとも1種類の接着剤を含有した層であり、中間フィルム20とヒートシールフィルム30との間に設けられて両者を接合する。1液硬化型、もしくは2液硬化型ウレタン系接着剤等のいずれの接着剤も第一の接着剤層40および第二の接着剤層50に使用できる。これらの接着剤は、バリア性をさらに高める目的で、層状無機化合物を含んでもよい。
硬化後にガスバリア性を発現し得る接着剤を用いて第一の接着剤層40や第二の接着剤層50を形成することもできる。特に、ガスバリア性を発現する接着剤で蒸着膜に接触する第二の接着剤層50を形成すると、蒸着膜14のクラック発生によるガスバリア性の低下をさらに抑制することが可能である。これにより、積層体1のガスバリア性能をさらに向上できる。このようなガスバリア性接着剤としては、エポキシ系接着剤、ポリエステル・ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。具体例としては、三菱ガス化学社製の「マクシーブ」、DIC社製の「Paslim」等が挙げられる。
第一の接着剤層40および第二の接着剤層50の厚さは、0.5μm以上6μm以下であることが好ましく、0.8μm以上5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上4.5μm以下であることがさらに好ましい。第一の接着剤層40および第二の接着剤層50の厚さを0.5μm以上とすることにより、第一の接着剤層40および第二の接着剤層50の接着性を向上することができる。第一の接着剤層40および第二の接着剤層50の厚さを6μm以下とすることにより、積層体1の加工適性を向上することができる。
第一の接着剤層40および第二の接着剤層50は、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法およびトランスファーロールコート法などの公知の各種方法により形成できる。
上記の様に構成された本実施形態の積層体1は、基材フィルム10、中間フィルム20、およびヒートシールフィルム30がポリエチレンで構成されていることにより、積層体1に占めるポリエチレンの割合が90質量%(wt%)以上となっている。これにより、積層体1は、高いリサイクル性を有する。積層体1に占めるポリエチレンの割合(wt%)は、下記式(1)により算出できる。
(基材フィルムの質量+中間フィルム20の質量+ヒートシールフィルム30の質量)/積層体1全体の質量×100・・・・・(1)
ヒートシールフィルム30を対向させつつ1枚の積層体1を折り曲げたり、ヒートシールフィルム30を対向させつつ2枚の積層体1を重ねたりした状態で、内容物の充填部を
残して周縁部のヒートシールフィルム30をヒートシールにより接合すると、積層体1からなる包装袋を形成できる。折り曲げた底フィルムを挟みつつ上記の様な接合を行うことにより、スタンディングパウチを形成できる。その他、ピロー包装、四方シール、三方シール、ガゼット袋など、各種包装袋として用いることができる。このように、積層体1は、各種包装袋に適用できる。
本発明からなる積層体は、延伸された高密度ポリエチレンフィルムからなる基材フィルム10の最外層に熱硬化型樹脂からなる保護層11を備えることで、ヒートシール部の耐熱性を高めるもので適正な条件での製袋が可能となり、包装袋として要求される強度及び外観を良好にするものである。また、蒸着膜14を備える無延伸フィルムからなる中間フィルム20を組み合わせた構成とすることにより、内容物に液体を充填した包装袋を落とした際の衝撃により容易に破袋することが無く、包装袋の強度が高まるものである。
本実施形態の積層体について、実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明は実施例および比較例の具体的内容により、何ら限定されない。
(アンカーコート剤の調製)
アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを、アクリルポリオールのOH基の数に対してトリレンジイソシアネートのNCO基の数が等量となるように混合し、全固形分(アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量)が5質量%になるよう酢酸エチルで希釈した。希釈後の混合液に、さらにβ-(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランを、アクリルポリオール及びトリレンジイソシアネートの合計量100質量部に対して5質量部となるように添加し、これらを混合することでアンカーコート剤を調製した。
(オーバーコート剤の調製)
下記のA液、B液及びC液を、それぞれ70/20/10の質量比で混合することで、オーバーコート剤を調製した。
A液:テトラエトキシシラン(Si(OC)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5質量%(SiO2換算)の加水分解溶液。
B液:ポリビニルアルコールの5質量%水/メタノール溶液(水:メタノールの質量比は95:5)。
C液:1,3,5-トリス(3-トリアルコキシシリルプロピル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコールの混合液(水:イソプロピルアルコールの質量比は1:1)で固形分5質量%に希釈した加水分解溶液。
(中間フィルムAの作製)
両面にコロナ処理を施した厚み25μmの無延伸ポリエチレンフィルム(HDPE/MDPE/HDPEの3層構成)の一方の面に上述したアンカーコート剤をグラビアコート法により塗布、乾燥し、厚み0.1μmのアンカーコート層を設けた。次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化珪素からなる厚さ30nmの透明な蒸着膜を前記アンカーコート層上に形成した。蒸着膜のO/Si比は、蒸着材料種を調整することにより1.8とした。蒸着膜の上に上述したオーバーコート剤をグラビアコート法により塗布して乾燥し、ガスバリア機能を有する厚さ0.3μmのオーバーコート層を形成した。以上により、シリカからなる蒸着膜が形成された中間フィルムAを得た。
(中間フィルムBの作製)
中間フィルムAと同一の無延伸ポリエチレンフィルムの一方の面にアンカーコート剤をグラビアコート法により塗布、乾燥し、厚み0.1μmのアンカーコート層を設けた。次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化アルミニウムからなる厚さ10nmの透明な蒸着膜をアンカーコート層上に形成した。蒸着膜のO/Al比は、蒸着材料種を調整することにより1.5とした。さらに蒸着膜の上にオーバーコート剤をグラビアコート法により塗布して乾燥し、ガスバリア機能を有する厚さ0.3μmのオーバーコート層
を形成した。以上により、アルミナからなる蒸着膜が形成された中間フィルムBを得た。(中間フィルムCの作製)
両面にコロナ処理を施した厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンフィルム(HDPE/MDPE/HDPEの3層構成)にアンカーコート剤をグラビアコート法により塗布、乾燥し、厚み0.1μmのアンカーコート層を設けた。次に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化珪素からなる厚さ30nmの透明な蒸着膜を形成した。蒸着膜のO/Si比は、蒸着材料種を調整することにより1.8とした。蒸着膜の上に上述したオーバーコート剤をグラビアコート法により塗布して乾燥し、ガスバリア機能を有する厚さ0.3μmのオーバーコート層を形成した。以上により、シリカからなる蒸着膜が形成された中間フィルムCを得た。
(保護層形成のための塗布液)
東洋紡製のポリアミドイミドを含む有機溶剤系の塗布液(バイロマックスHR-15ET)を不揮発成分濃度を5質量%として保護層形成のための塗布液とした。
(実施例1)
基材フィルムとして、両面がコロナ処理された厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンフィルム(HDPE/MDPE/HDPEの3層構成)を準備した。基材フィルムの外面側のコロナ処理面に、上述した保護層形成のための塗布液をグラビアコート法により塗布して乾燥し、厚さ0.5μmの保護層を形成した。さらに、基材フィルムの内面側のコロナ処理面に、水性フレキソインキを使用してフレキソ印刷法により画像を形成した。
次に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いたノンソルラミネート法により、基材フィルムのインキ層が形成された面と、中間フィルムAの蒸着膜が形成されていないコロナ処理面とを接着した。該接着剤層を第一の接着剤層とした。
さらに、ヒートシールフィルムとして、厚み40μmの無延伸ポリエチレンフィルム(LLDPEの単層構成)を準備し、第二の接着剤層として2液硬化型ウレタン系接着剤を用い、ノンソルラミネート法により、中間フィルムAの蒸着膜側の面とヒートシールフィルムとを接合した。以上により、実施例1に係る積層体を得た。
(実施例2)
中間フィルムAに代えて中間フィルムBを使用した点を除き、実施例1と同様の手順で実施例2に係る積層体を得た。
(比較例1)
実施例1において、保護層を形成しない点、中間フィルムAに代えて中間フィルムCを使用した点を除き、実施例1と同様の手順で比較例1に係る積層体を得た。
(比較例2)
基材フィルムとして、一方の面がコロナ処理された厚み25μmの無延伸ポリエチレンフィルム(HDPE/MDPE/HDPEの3層構成)を使用した点、保護層を形成しない点、中間フィルムAに代えて中間フィルムCを使用した点を除き、実施例1と同様の手順で比較例2に係る積層体を得た。
各実施例および比較例に係る積層体に対し、以下の評価を行った。
(リサイクル性)
上記式(1)に基づき、各例の積層体におけるポリエチレンのwt%を算出した。評価は、以下の2段階とした。
〇(good):ポリエチレンを90wt%以上含有する。
×(bad):ポリエチレンの含有率が90wt%未満である。
(ヒートシール性の評価)
作製した積層体をそれぞれ10cm角に切り出し、ヒートシールフィルムを内側になるように二つ折りし、ヒートシールテスターを用いて、温度140℃、圧力0.1MPa、時間1秒の条件にてヒートシールした。得られたサンプルのヒートシール部を目視により
観察し、官能評価した。評価は、以下の2段階とした。
〇(good):包装材料表面にしわが無く、シールバーへの溶融付着がみられない。
×(bad):包装材料表面にしわが発生し、シールバーへの溶融付着がみられる。
(突き刺し強度)
JIS Z 1707:2019に準拠して突刺し強度を測定した。各例に係る積層体をテンションを掛けて平坦に保持し、直径1.0mm、先端が半径0.5mmの半球状の針を基材側から50mm/分で押し当て、突き破られた際の力量(ニュートン:N)を測定した。
(耐衝撃性)
各例に係る積層体を用いて、周縁部がヒートシールされた100mm×150mmの包装袋を10個作製した。この包装袋に蒸留水200gを充填してヒートシールにより封止し、5℃で1日保存した。保存後に各包装袋を1.5mの高さから50回落下させ、破袋した包装袋の数を記録した。
(酸素透過度:OTR)
モコン法により、30°、70%RH(相対湿度)の条件下で測定した。
(水蒸気透過度:WVTR)
モコン法により、40°、90%RHの条件下で測定した。
評価した結果を表1に示した。
表1に示されるように、実施例および比較例のすべてが高いリサイクル性を有していたが、保護層が無い比較例1、2の積層体ではヒートシール性が不良であり、中間フィルムが延伸ポリエチレンフィルムで構成された比較例1、2の積層体は、耐衝撃性において十分でなかった。
Figure 2022168536000002
1 ・・・積層体
10 ・・・基材フィルム
10a・・・基材フィルム外面
10b・・・基材フィルム内面
11 ・・・保護層
14 ・・・蒸着膜
20 ・・・中間フィルム
30 ・・・ヒートシールフィルム
40 ・・・第一の接着剤層
50 ・・・第二の接着剤層

Claims (7)

  1. 基材フィルムと第一の接着剤層と中間フィルムと第二の接着剤層とヒートシールフィルムとがこの順に積層され、前記基材フィルムの最外面側に保護層がさらに積層された積層体であって、前記保護層が熱硬化型樹脂からなり、前記基材フィルムが延伸ポリエチレンフィルムであり、前記中間フィルムと前記ヒートシールフィルムとが無延伸ポリエチレンフィルムであり、前記中間フィルムの一方の面には蒸着膜を備え、前記積層体に占めるポリエチレンの割合が90重量%以上であることを特徴とする積層体。
  2. 前記熱硬化型樹脂がウレタン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、エポキシからなる1種以上の樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記蒸着膜が金属酸化物からなるバリア膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記基材フィルムと前記中間フィルムとが、高密度ポリエチレンまたは中密度ポリエチレンからなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記ヒートシールフィルムが低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体からなる包装材料。
  7. 前記ヒートシールフィルムの厚さが20μm以上150μm以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体を用いたことを特徴とする包装袋。
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