JP2022162333A - アルコール検査システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査の信頼性を向上できるアルコール検査システムを提供すること。【解決手段】アルコール検査システムは、呼気のアルコール濃度を測定するアルコール検知器2と、アルコール検知器に接続される情報処理装置6とを有し、情報処理装置は、アルコール検知器により呼気が検出されると、呼気中のアルコール濃度を判定するアルコール判定部15と、アルコール検知器により呼気が検出されると、アルコール検知器に呼気を吹きかける方向を撮影する撮影部12と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、アルコール検査システムおよび方法に関する。
例えば、鉄道運転士、客室乗務員、タクシー、バス、トラック、船舶の乗務員などに対しては、出勤時(または退勤時も)にアルコール検査が義務づけられている。そこで、運転手などの乗務員のアルコール検査を行う技術が提案されている(特許文献1)。
従来技術は、アルコールセンサが劣化しやすい性質に着目し、アルコール検査アダプタを携帯電話と別体に構成して交換可能とするため、検査アダプタと携帯電話とをそれぞれ個別にメンテナンスすることができる。しかし、従来技術では、アルコール検査をすり抜けようとする乗務員への対策は全く考慮されていない。このため、従来技術では、例えば、酒気を帯びた乗務員に代わって、酒気を帯びていない別人がアルコールセンサに呼気を吹きかけることもできるため、別人が本人になりすましてアルコール検査を受けることができる。あるいは、酒気を帯びていない別人の呼気を風船などの容器に入れておき、その容器中の呼気をアルコールセンサへに向けて噴出させることにより、アルコール検査をすり抜けることもできる。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査の信頼性を向上できるようにしたアルコール検査システムおよび方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うアルコール検査システムは、呼気のアルコール濃度を測定するアルコール検知器と、アルコール検知器に接続される情報処理装置とを有し、情報処理装置は、アルコール検知器により呼気が検出されると、呼気中のアルコール濃度を判定するアルコール判定部と、アルコール検知器により呼気が検出されると、アルコール検知器に呼気を吹きかける方向を撮影する撮影部と、を備える。
本発明によれば、検査対象者がアルコール検知器へ呼気を吹きかけると、呼気中のアルコール濃度が判定されると共に、アルコール検知器に呼気を吹きかける方向が撮影されるため、検査対象者の顔画像と呼気中のアルコール濃度とを略同時に検出することができ、なりすましやすり抜けを抑制できる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態のアルコール検査システムでは、アルコール検知器で呼気が検出されると略同時に、アルコール判定とユーザ認証とが実行されるため、いわゆるなりすましやすり抜けを抑制し、アルコール検査の信頼性を向上させることができる。
図1~図12を用いて第1実施例を説明する。図1は、本実施形態に係るアルコール検査システムの全体概要図である。アルコール検査システムは、例えば、アルコール検知器2と、情報処理装置6とを含む。アルコール検査システムは、さらに管理者端末4を含んでもよい。
情報処理装置6は、アルコール検知器2の測定結果に基づいて、検査対象者U1が酒気を帯びていないか検査するコンピュータシステムである。情報処理装置6は、例えば、検査対象者U1により把持される携帯情報端末1と、携帯情報端末1と双方向通信可能な管理サーバ3とを備えることができる。
本実施形態では、以下、携帯情報端末1がスマートフォン1である場合を例に挙げて説明するが、スマートフォンに限らずタブレット端末などでもよい。検査対象者U1は、運転手、乗務員、搭乗員などであり、従業員と呼ぶことがある。
以下に述べるスマートフォン1で実行可能な処理の少なくとも一部を、管理サーバ3で実行してもよい。後述の実施例で明らかになるように、ユーザ認証部14またはアルコール判定部15のうち少なくとも一方は、管理サーバ3で実行することもできる。管理サーバ3は、複数台のスマートフォン1を管理することができる。
スマートフォン1には、アルコール検知器2が近接して配置されている。アルコール検知器2は、例えば、スマートフォン1の充電コネクタに電気的接続されることにより、スマートフォン1に密着して取り付けられる。これに限らず、アルコール検知器2をスマートフォンのカバーのような形態に構成し、いわゆる非接触充電および無線通信により、スマートフォン1と電気的に接続してもよい。
アルコール検知器2には、その前面側に呼気検知部21(後述の例ではアルコールセンサ21)が設けられている。アルコール検知器2は、呼気検知部21に呼気が吹きかけられたときに、その呼気を吹きかけた者の顔をスマートフォン1の撮影部12により撮影できる位置および姿勢で、スマートフォン1に近接して配置されていればよい。
したがって、アルコール検知器2は必ずしも、スマートフォン1と有線接続される必要はなく、アルコール検知器2はスマートフォン1へ近距離無線通信によってデータを送信してもよい。すなわち、アルコール検知器2とスマートフォン1とは互いに連携できる位置および姿勢であればよく、両者が物理的に接触している必要はない。
以下、アルコール検知器2は、スマートフォン1の下側に着脱可能に取り付けられる場合を例に挙げて説明するが、これに限らず、アルコール検知器2はスマートフォン1の上側、または左右両側のいずれかに着脱可能に取り付けられてもよい。アルコール検知器2をスマートフォン1に着脱可能とすることにより、アルコール検知器2が劣化した場合のメンテナンスが容易となる。
スマートフォン1の機能構成を説明する。スマートフォン1は、例えば、撮影部12と、ユーザ認証部14と、アルコール判定部15と、通信部18と、表示部19を含むことができる。これら機能の一例は図2で後述する。なお、スマートフォン1は、検査対象者U1が装着するウェアラブル端末5からバイタル情報を取得するバイタル情報取得部51を備えることもできる。バイタル情報は、必要に応じて、ユーザ認証の結果およびアルコール判定結果と一緒に管理部3へ送信してもよい。
撮影部12は、詳しくは、光学系と撮像素子と画像処理部(いずれも図示せず)とを備える。撮影部12は、スマートフォン1の上部に位置して前面側に設けられる。スマートフォン1の上部背面側にも設けられてもよい。撮影部12は、検査対象者U1がアルコール検知器2の呼気検知部21に息を吹きかけたときの、検査対象者U1の顔を撮影できる位置にあればよい。図2では、撮影部12をカメラ12と呼ぶ。
ユーザ認証部14は、検査対象者U1を顔画像データに基づいて本人であるか認証する機能を持つ。ユーザ認証部14は、撮影部12により撮影された顔の画像データとあらかじめ登録されている各従業員の顔画像データとを照合することにより、アルコール検査システムを起動させたユーザが登録済みの検査対象者U1であるか判定する。
アルコール判定部15は、アルコール検知器2により測定された呼気中のアルコール濃度が所定の閾値以上であるか判定する機能を持つ。
表示部19は、スマートフォン1の画面として構成される。撮影位置誘導部191は、アルコール検査に際して、表示部19に人型のシルエットG1を表示させる。検査対象者U1は、そのシルエットG1の輪郭と撮影部12の撮影している自画像の輪郭とが略一致するように、スマートフォン1と自分との位置関係を調整する。これにより、呼気を吹きかけるときの検査対象者U1の顔画像が撮影部12により撮影されて記憶される。
ユーザ認証の結果とアルコール判定の結果とは、管理サーバ3へ送られる。管理サーバ3は、必要に応じて、管理者U2の使用する管理者端末4へ情報を通知する。通知される情報には、警報がある。警報は、検査対象者U1が酒気を帯びている場合、アルコール検査のなりすましやすり抜けなどの異常が検出された場合に発生する。
管理サーバ3と管理者端末4は、通信ネットワークCN2により接続される。これに代えて、管理者U2は管理サーバ3のユーザインターフェース部(不図示)を直接利用することにより、検査対象者U1のアルコール検査の結果などを確認することもできる。
図2は、アルコール検査システムのブロック図である。図2では、ユーザ認証とアルコール判定とをスマートフォン1内で実行する場合を述べる。後述の実施例では、ユーザ認証およびアルコール判定を管理サーバ3内で実行する場合を述べる。これに限らず、アルコール判定をスマートフォン1内で実行し、ユーザ認証を管理サーバ3内で実行してもよいし、逆に、アルコール判定を管理サーバ3内で実行し、ユーザ認証をスマートフォン1内で実行してもよい。
アルコール検知器2の構成を説明する。アルコール検知器2は、スマートフォン1に着脱可能に近接して(または密着して)取り付けられる装置であり、例えば、「呼気検知部」としてのアルコールセンサ21とスマホ通信部22を備える。スマホとはスマートフォンの略称である。
スマホ通信部22は、アルコールセンサ21で測定されたアルコール濃度の値をデジタルデータとして、スマートフォン1の検知器通信部11へ送信する。スマホ通信部22と検知器通信部11とは、有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。
スマートフォン1の構成を説明する。スマートフォン1は、プロセッサ(図中、CPU)101と、メモリ102と、ユーザインターフェース制御部103といったコンピュータ資源を有する。メモリ102は、主記憶装置および補助記憶装置に該当する。メモリ102には、オペレーティングシステムのほかに所定のコンピュータプログラムが記憶されている。プロセッサ101がメモリ102に記憶された所定のコンピュータプログラムを実行することにより、後述する各機能が実現される。
スマートフォン1は、例えば、検知器通信部11と、「撮影部」としてのカメラ12と、データ記憶部13と、ユーザ認証部14と、アルコール判定部15と、閾値記憶部16と、従業員管理部17と、サーバ通信部18と、ユーザインターフェース部19とを含んでいる。
検知器通信部11は、アルコール検知器2のスマホ通信部22との間で通信する機能を持つ。アルコール検知器2から受信されたアルコール濃度の測定データは、検知器通信部11を介してデータ記憶部13へ記憶される。
上述したカメラ12は、アルコールセンサ21が呼気を検出したときに、アルコール検知器2のアルコールセンサ21の前方(アルコールセンサ21へ呼気を吹きかける方向)を撮影し、撮影した画像データをデータ記憶部13へ記憶する。
アルコール濃度の測定データと画像データとは、それぞれのタイムスタンプに基づいて対応付けることができる。アルコール濃度の測定データの取得時刻と画像データの取得時刻との差が所定時間内であれば、測定データと画像データとは対応するものとして扱うことができる。本実施例では、アルコールセンサ21が呼気を検出したときに、カメラ12が所定方向を撮影するため、アルコール濃度の測定タイミングと撮影タイミングとの差は所定時間内である。
ユーザ認証部14は、呼気検出時に撮影された画像データをデータ記憶部13から読み出し、ユーザ認証を実行する。ユーザ認証部14は、従業員管理部17に記憶されている従業員情報内の画像データと撮影された画像データとを比較することにより、撮影された画像データ中の顔画像が登録済従業員のいずれかの顔画像と一致するか判定する。
従業員管理部17は、検査対象者U1についての従業員情報を管理する。従業員情報の例は後述する。スマートフォン1に従業員管理部17を設ける場合、検査対象の全ての従業員についての情報が従業員管理部17に記憶されている必要はない。そのスマートフォン1を用いてアルコール検査をする可能性のある従業員情報だけが従業員管理部17に記憶されていればよい。
アルコール判定部15は、アルコールセンサ21により測定されたアルコール濃度と閾値記憶部16に記憶されている所定の閾値とを比較することにより、検査対象者U1の呼気のアルコール濃度が所定の閾値以上であるか判定する。
サーバ通信部18は、ユーザ認証部14によるユーザ認証の結果とアルコール判定部15による判定結果とを対応付けて、管理サーバ3へ送信する。
ユーザインターフェース部19は、ユーザインターフェース制御部103により制御される機能である。ユーザインターフェース部19は、スマートフォン1の操作者(例えば検査対象者U1)との間で情報を交換する。ユーザインターフェース部19は、スマートフォン1の画面に、撮影位置を示すシルエットG1を表示させることができる。
管理サーバ3の構成を説明する。管理サーバ3も、スマートフォン1と同様に、プロセッサ、メモリ、ユーザインターフェース制御部などのコンピュータ資源を有しており(いずれも図示せず)、メモリに記憶された所定のコンピュータプログラムをプロセッサが実行することにより、管理サーバ3としての機能が実現される。
管理サーバ3は、例えば、スマホ通信部31と、データ記憶部32と、管理部33と、従業員管理部34と、管理者端末通信部35を備える。
スマホ通信部31は、第1通信ネットワークCN1を介してスマートフォン1と双方向通信する機能を持つ。管理者端末通信部35は、第2通信ネットワークCN2を介して管理者端末4と双方向通信する機能を持つ。第1通信ネットワークCN1と第2通信ネットワークCN2とは同一でもよいし、異なってもよい。
データ記憶部32は、スマートフォン1から取得したデータ(ユーザ認証結果とアルコール判定結果)を記憶する。スマートフォン1から取得したデータは、従業員管理部34に記憶される従業員情報に対応付けられる。
管理部33は、スマートフォン1から取得したデータに基づいて、警報を発するか判定する機能を持つ。さらに、管理部33は、管理者端末4からの検索要求にしたがって従業員管理部34に記憶された従業員情報を検索し、その検索結果を管理者端末4へ返信する機能も持つ。
管理者端末4の構成を説明する。管理者端末4も、スマートフォン1と同様に、プロセッサ、メモリ、ユーザインターフェース制御部などのコンピュータ資源を有する(いずれも図示せず)。プロセッサがメモリに記憶された所定のコンピュータプログラムを実行することにより、管理者端末4としての機能が実現される。
管理者端末4は、例えば、サーバ通信部41と、データ記憶部42と、労務状況管理部43とを備える。
サーバ通信部41は、第2通信ネットワークCN2を介して管理サーバ3と双方向通信する機能を持つ。データ記憶部42は、例えば、アルコール濃度の判定に使用する所定の閾値、管理サーバ3へ登録させる従業員情報などを記憶する。労務状況管理部43は、従業員のアルコール検査の結果を検索する機能を持つ。
図3のフローチャートを用いて、スマートフォン1で実行されるアルコール検査処理を説明する。
検査対象者U1は、例えば、スマートフォン1にインストールされたアプリケーションのアイコンを操作することにより、アルコール検査用アプリを起動させる。スマートフォン1の電源投入時にアルコール検査用アプリが自動的に起動する設定でもよい。
検査対象者U1がスマートフォン1の画面に表示される撮影ボタンを操作すると、検査対象者U1の画像がカメラ12によって撮影され(S11)、ユーザ認証部14によりユーザ認証が行われる(S12)。
スマートフォン1は、撮影された検査対象者U1が登録済みの従業員であるか判定する(S13)。検査対象者U1が登録されていない場合(S13:NO)、従業員情報登録処理が実行される(S14)。従業員情報登録処理の一例は、図5で後述する。
スマートフォン1は、検査対象者U1が登録されている場合(S13:YES)、画面にアルコール検査用のシルエットG1を表示させる(S15)。スマートフォン1は、アルコール検知器2が呼気を検知したことをスマートフォン1に通知するまで待機する(S16)。
検査対象者U1は、スマートフォン1の画面に表示されたシルエットG1に自画像が重なるように位置を合わせた状態で、アルコール検知器2に呼気を吹きかける。アルコール検知器2は、呼気を検知すると、そのアルコール濃度を測定し、測定したアルコール濃度をスマートフォン1へ送信する。
スマートフォン1は、アルコール検知器2に呼気が吹きかけられるまで待機する(S16:NO)。そして、スマートフォン1は、アルコール検知器2に呼気が吹きかけられたと判定すると(S16:YES)、カメラ12により検査対象者U1を複数回撮影する(S17)。
スマートフォン1は、ステップS16で取得したアルコール濃度の測定値が所定の閾値以上であるか判定すると共に(S18)、ステップS17で撮影した複数の画像データについてユーザ認証を実行する(S19)。アルコール濃度の判定(S18)とユーザ認証(S19)とは略同時に行われるため、最初のユーザ認証の直後に検査対象者U1が別人と成り代わってアルコール検知器2に呼気を吹きかけたとしても、そのなりすましは検知される。呼気をアルコール検知器2へ吹きかける時点と、呼気を吹きかける方向をカメラ12が撮影する時点とは略同時であり、検査対象者U1が別人と入れ替わる時間はないため、アルコール検査の信頼性が向上する。
スマートフォン1は、アルコール濃度の判定結果(S18)とユーザ認証の結果(S19)を管理サーバ3へ送信する(S20)。アルコール濃度の判定結果の正否とユーザ認証の結果の正否は問わない。なりすましなどの不正行為の事実も従業員情報の一部として記録するためである。
スマートフォン1は、アルコール判定結果(S18)とユーザ認証結果(S19)のいずれもが正常である場合(S21:YES)、スマートフォン1の画面にアルコール検査が正常に終了した旨のメッセージを表示させて、本処理を終了する(S22)。
スマートフォン1は、アルコール判定結果またはユーザ認証結果のいずれかが異常である場合(S21:NO)、スマートフォン1の画面にエラーメッセージを表示させ、ステップS15へ戻り、検査対象者U1に再検査を促す。
図4のフローチャートを用いて、管理サーバ3で実行されるアルコール検査処理を説明する。
管理サーバ3は、スマートフォン1からデータを受信すると(S31)、受信したデータをデータ記憶部32へ保存する(S32)。管理サーバ3は、受信データに基づいて、管理者U2の使用する管理者端末4へ警告を送信すべきか判定する(S33)。管理サーバ3は、アルコール判定結果またはユーザ認証結果のいずれか一方でも正常ではなかった場合(S33:YES)、管理者端末4へ警告を送信する(S34)。管理サーバ3は、アルコール判定結果およびユーザ認証結果の両方が正常である場合(S33:NO)、本処理を終了する。
管理者端末4は、管理サーバ3からの警告を通信ネットワークCN2およびサーバ通信部41を介して受信すると(S41)、その警告をデータ記憶部42に記憶すると共に(S42)、受信した警告を管理者端末4の画面に表示させる(S43)。
図5は、スマートフォン1を用いて従業員情報をアルコール検査システムへ登録する処理を示すフローチャートである。本処理は、図3のステップS14の一例である。
検査対象者U1がアルコール検査システムに登録されていない場合(図13のステップS13でNO)、図5に示す処理が開始され、スマートフォン1は、その未登録の検査対象者U1に対して、ユーザ登録を案内する(S51)。スマートフォン1は、例えば、「あなたはアルコール検査システムへ登録されていません。ユーザ登録のために呼気をアルコールセンサへ吹きかけてください。」のような案内メッセージをスマートフォン1の画面に表示させる。
未登録の検査対象者U1が呼気をアルコール検知器2へ吹きかけると、その呼気がアルコールセンサ21により検出されてスマートフォン1へ通知される。スマートフォン1は、呼気が検出されるのを監視している(S52)。
スマートフォン1は、呼気が検出されたことを確認すると(S52:YES)、直ちにカメラ12によりアルコール検知器2に息を吹きかける方向を複数回撮影し(S53)、撮影した複数の画像データを管理サーバ3へ送信する(S54)。
管理サーバ3は、スマートフォン1から複数の画像データを受信すると(S61)、それら画像データをデータ記憶部32へ記憶する(S62)。管理サーバ3は、記憶された画像データを従業員管理部34へ登録し、登録が完了した旨をスマートフォン1へ通知する(S63)。
未登録の検査対象者U1は、スマートフォン1のタッチパネルまたは音声認識装置(不図示)を用いて、例えば自分の氏名および所属などの管理情報を管理サーバ3へ送信することもできる。または、管理情報は、管理者が管理者端末4から管理サーバ3へ登録してもよい。
スマートフォン1は、管理サーバ3から登録完了通知を受信すると(S55:YES)、従業員情報の登録の結果をスマートフォン1の画面表示させる(S56)。スマートフォン1は、従業員情報の登録が正常に終了したか判定し(S57)、正常に終了した場合(S57:YES)、本処理を終了する。スマートフォン1は、従業員情報の登録が正常に終了しなかった場合(S57:NO)、ステップS51へ戻り、再登録を促す。従業員情報の登録に失敗する場合としては、例えば、管理サーバ3が受信した画像データから顔画像を認識できなかった場合などがある。
図6のフローチャートを用いて、管理者端末4から従業員情報を管理サーバ3へ登録する処理を説明する。従業員を雇用する会社(鉄道会社、航空会社、バス会社、タクシー会社など)は、管理者端末4から従業員情報を一括して、または個々に管理サーバ3へ登録させることもできる。
管理者端末4は、あらかじめデータ記憶部42に記憶された従業員情報を読み出し(S71)、読出した従業員情報を管理サーバ3へ送信する(S72)。
管理サーバ3は、管理者端末4から従業員情報を受信すると(S81)、受信した従業員情報をデータ記憶部32へ記憶させる(S82)。そして、管理サーバ3は、受信した従業員情報を従業員管理部34に登録し、登録処理が完了した旨を管理者端末4へ通知する(S83)。
管理者端末4は、管理サーバ3から登録完了通知を受信すると(S73:YES)、従業員情報の登録結果を管理者端末4の画面に表示させる(S74)。管理者端末4は、従業員情報の登録が正常に行われた場合(S75:YES)、本処理を終了する。管理者端末4は、従業員情報の登録が正常に行われなかった場合(S75:NO)、ステップS71へ戻る。従業員情報の登録が正常に行われない場合としては、例えば通信エラーなどがある。
図7のフローチャートを用いて、アルコール濃度を判定する際に使用する所定の閾値(以下、閾値)を登録する処理を説明する。
管理者端末4は、管理者から閾値が設定されると(S91)、その閾値を管理サーバ3へ送信する(S92)。
管理サーバ3は、管理者端末4から閾値を受信すると(S101)、受信した閾値をデータ記憶部32へ記憶し(S102)、登録が完了した旨を管理者端末4へ通知する(S103)。図示は省略するが、アルコール濃度と閾値を比較するアルコール判定がスマートフォン1側で実行される場合、管理サーバ3は管理者端末4から受信した閾値を、スマートフォン1へ送信して記憶させる。
管理者端末4は、管理サーバ3から閾値の登録が完了した旨の通知を受信すると(S93)、閾値の登録結果を管理者端末4の画面に表示させる(S94)。管理者端末4は、閾値が正常に登録された場合(S95:YES)、本処理を終了する。管理者端末4は、閾値が正常に登録されなかった場合(S95:NO)、ステップS91へ戻る。閾値が正常に登録されない場合としては、例えば通信エラーなどがある。
図8のフローチャートを用いて、アルコール検査の結果を検索する処理を説明する。管理者は、管理者端末4を用いて管理サーバ3に蓄積されたアルコール検査の結果を検索することができる。これにより、管理者は、各従業員についてのアルコール検査の状況を把握することができる。
管理者端末4は、管理者から検索条件が設定されると(S111)、その検索条件に基づいた検索要求を管理サーバ3へ送信する(S112)。検索条件としては、検索対象の従業員番号、検索対象の所属部署、検索期間などがある。
管理サーバ3は、管理者端末4から検索要求を受信すると(S121)、指定された検索条件で従業員管理部34を検索し(S122)、その検索結果を管理者端末4へ送信する(S123)。
管理者端末4は、管理サーバ3から検索結果を受信すると(S113:YES)、受信した検索結果を管理者端末4の画面に表示させる(S114)。管理者端末4は、検索が正常に行われた場合(S115:YES)、本処理を終了する。管理者端末4は、検索が正常に行われなかった場合(S115:NO)、ステップS111へ戻る。検索が正常に行われない場合としては、例えば、検索条件の設定ミスなどがある。
図9は、スマートフォン1に記憶される検査結果情報の例である。検査結果情報を管理するテーブルT1は、例えば、管理番号C11と、受信日時C12と、従業員ID C13と、複数の静止画ファイルC14-C16と、検査値C17と、位置情報(図中、GPS)C18を含む。
管理番号C11は、テーブルT1の各レコードに設けられる連続番号である。受信日時C12は、アルコール検査の結果を受信した日時である。静止画ファイルC14-C16は、アルコール判定時の検査対象者U1を撮影した静止画像ファイルの格納場所を示す。検査値C17は、アルコール濃度の測定値である。位置情報C18は、アルコール検査をしたときのスマートフォン1の位置を示す。
図10は、管理サーバ3に記憶される検査結果情報の例である。管理サーバ3に記憶される検査結果情報管理テーブルT2は、図9で述べたテーブルT1と同様に、例えば、管理番号C21と、受信日時C22と、従業員ID C23と、複数の静止画ファイルC24-C26と、検査値C27と、位置情報C28を含む。
図11は、呼気中のアルコール濃度の判定に使用される閾値を管理するテーブルT3の例である。
閾値管理テーブルT3は、例えば、管理番号C31と、閾値C32と、適用従業員IDリストC33を含む。管理番号C31は、テーブルT3のレコードを管理する連続番号である。閾値C32は、所定の閾値としてのアルコール濃度である。適用従業員IDリストC33は、閾値C32に記録された閾値が適用される従業員IDのリストである。図11では、複数の閾値Th1,Th2を管理する場合を示すが、閾値を一つだけ管理してもよいし、3つ以上の閾値を管理してもよい。
図12は、従業員情報を管理するテーブルT4の例である。従業員情報管理テーブルT4は、例えば、管理番号C41と、登録日時C42と、従業員ID C43と、静止画像ファイルC44~C46と、所属部署C47と、年齢C48を含む。テーブルT4は、図12に示す項目以外に、例えば氏名、住所、連絡先電話番号、連絡先メールアドレス、性別などを管理してもよい。
管理番号C41は、テーブルT4のレコードを管理する連番である。登録日時C42は、従業員情報がテーブルT4へ登録された日時である。従業員ID C43は、従業員を識別する情報である。静止画像ファイルC44-C46は、従業員IDで特定される従業員を撮影した画像データの格納先である。所属部署C47は、従業員の所属する部署名である。年齢C48は、従業員の年齢である。
このように構成される本実施例によれば、検査対象者U1が呼気をアルコール検知器2へ吹きかけると同時にアルコール検査が行われ、アルコール検査時の検査対象者U1の顔がカメラ12により複数回撮影される。したがって、従来技術のように、アルコール検査を開始させるためのボタン操作などが不要であり、簡単にアルコール検査を行うことができる上に、なりすましなどの不正行為を抑制することができる。これにより、本実施例のアルコール検査システムは、信頼性および使い勝手を向上できる。
本実施例によれば、検査対象者U1がアルコール検知器2へ呼気を吹きかけると同時に、アルコール濃度が閾値以上であるか判定されると共に、呼気を吹きかけた者の画像を複複数回撮影するため、検査対象者U1が別人になりすましたり、風船等の容器に収容した呼気をアルコール検知器2へ向けて流出させたりといった不正行為を抑制できる。
本実施例では、検査対象者U1の静止画像を複数回撮影するため、動画像を撮影する場合に比べてデータ保存量を少なくできると共に、不正の生じる余地を低減できる。
本実施例では、従業員情報を登録する際に複数の静止画像ファイルを記憶するため、検査対象者U1が登録済み従業員であるかの判別の精度を高めることができる。呼気を吹きかける際には、口をすぼめるなどのように顔の表情が普段とは異なるため、顔画像の認識精度が低下する可能性があるが、本実施例では複数の静止画像ファイルを登録するため、ユーザ認証の精度を高めることができる。
本実施例では、未登録の検査対象者U1の従業員情報を登録する際に、スマートフォン1を用いることができるため、アルコール検査時での表情を従業員情報の一部としてテーブルT4に記録させることができる。したがって、アルコール検査時のユーザ認証の精度を高めることができる。
図13~図15を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に述べる。本実施例では、アルコール判定とユーザ認証とを管理サーバ3で実行する。
図13は、本実施例のアルコール検査システムのブロック図である。本実施例のスマートフォン1Aは、図1で述べたスマートフォン1に比べて、ユーザ認証およびアルコール判定に関する機能を備えていない。スマートフォン1Aは、ユーザ認証部14と、アルコール判定部15と、閾値記憶部16と、従業員管理部17を有していない。
本実施例の管理サーバ3Aは、図1で述べた管理サーバ3に比べて、ユーザ認証部36と、アルコール判定部37と、閾値記憶部38を備えている。
図14は、スマートフォン1Aにより実行されるアルコール検査処理のフローチャートである。本処理は、図3で述べた処理に比べると、アルコール判定およびユーザ認証に関するステップS18-S19を備えていない。
図15は、管理サーバ3Aにより実行されるアルコール検査処理のフローチャートである。本処理は、図4で述べた処理に比べて、スマートフォン1Aからのデータをデータ記憶部32へ保存した後(S32)、ユーザ認証(S311)およびアルコール判定(S312)を実施し、それらの結果を記憶する(S313)。すなわち、本実施例の管理サーバ3Aは、スマートフォン1Aから受信した画像データおよびアルコール濃度に基づいて、ユーザ認証およびアルコール判定を実行する。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施例では、管理サーバ3Aにおいて各スマートフォン1Aからのデータに基づき、ユーザ認証およびアルコール判定を実行するため、スマートフォン1Aの処理負荷を軽減することができる。
図16を用いて第3実施例を説明する。本実施例では、アルコール検知器2がスマートフォン1から着脱された場合に、カメラ12によりアルコール検知器2を着脱した者の画像を撮影する。
スマートフォン1は、アルコール検知器2がスマートフォン1から着脱されたか監視している(S201)。着脱とは、アルコール検知器2をスマートフォン1に取り付けること、およびアルコール検知器2をスマートフォン1に取り付けることである。例えば、アルコール検知器2がスマートフォン1から給電される場合、電源回路の切断と接続とから、スマートフォン1はただちにアルコール検知器2の着脱を検知できる。
スマートフォン1は、アルコール検知器2の着脱を検知すると(S201:YES)、カメラ12でスマートフォン1の前面側を撮影する(S202)。カメラ12は、複数回撮影することもできる。スマートフォン1は、カメラ12で撮影したアルコール検知器2の着脱時の画像データをデータ記憶部13へ保存すると共に(S203)、管理サーバ3へ送信する(S204)。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、アルコール検知器2がスマートフォン1から着脱されるときの画像をカメラ12で撮影するため、例えば、改造されたアルコール検知器2がスマートフォン1に取り付けられるのを抑制することができ、後日の証拠を事前に収集することができる。本実施例は、第1実施例または第2実施例のいずれとも結合可能である。
図17を用いて第4実施例を説明する。本実施例では、検査対象者U1によるアルコール検知器2への呼気の吹きかけをトリガとして(S10)、最初のユーザ認証を実行する(S11,S12)。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、アルコール検知器2へ呼気を吹きかけるだけで、最初のユーザ認証を実行することができ、より一層簡単にアルコール検査を実施することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されず、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換することが可能である。
1,1A:スマートフォン、2:アルコール検知器2、3:管理サーバ、4:管理者端末、5:ウェアラブル端末、12:カメラ、13:データ記憶部、14:ユーザ認証部、15:アルコール判定部、16:閾値記憶部、17:従業員管理部、32:データ記憶部、33:管理部、34:従業員管理部、42:データ記憶部、43:労務状況管理部、36:ユーザ認証部、37:アルコール判定部、38:閾値記憶部
Claims (8)
- アルコール検査システムであって、
呼気のアルコール濃度を測定するアルコール検知器と、
前記アルコール検知器に接続される情報処理装置とを有し、
前記情報処理装置は、
前記アルコール検知器により呼気が検出されると、呼気中のアルコール濃度を判定するアルコール判定部と、
前記アルコール検知器により呼気が検出されると、前記アルコール検知器に呼気を吹きかける方向を撮影する撮影部と、
を備えるアルコール検査システム。 - 前記情報処理装置は、前記撮影部により撮影された画像データ内の顔画像に基づいて、あらかじめ登録されたユーザであるか認証するユーザ認証部をさらに備える、
請求項1に記載のアルコール検査システム。 - 前記情報処理装置は、前記アルコール判定部の判定結果と前記ユーザ認証部の認証結果とを対応付けて記憶する、
請求項2に記載のアルコール検査システム。 - 前記情報処理装置は、前記アルコール判定部の判定結果が所定の閾値を越えている場合、または、前記ユーザ認証部による本人認証が失敗した場合のいずれかの場合に、警報を出力する、
請求項3に記載のアルコール検査システム。 - 前記撮影部は、前記アルコール検知器により呼気が検出されてから所定時間内に複数の静止画像を撮影する、
請求項4に記載のアルコール検査システム。 - 前記ユーザ認証部にユーザを登録する場合は、登録対象ユーザが前記アルコール検知器に呼気を吹きかけるときの画像データを前記撮影部に撮影させることにより行われる、
請求項2に記載のアルコール検査システム。 - 前記情報処理装置は、ユーザが使用する携帯情報端末と、前記携帯情報端末と双方向通信可能に接続された管理サーバとを備え、
前記アルコール検知器は前記携帯情報端末に近接して設けられており、
前記撮影部は前記携帯情報端末に設けられている、
請求項1に記載のアルコール検査システム。 - 情報処理装置を用いてアルコール検査を行う方法であって、
前記情報処理装置は、呼気のアルコール濃度を測定するアルコール検知器と、前記アルコール検知器に呼気を吹きかける方向を撮影するカメラとに接続されており、
前記情報処理装置は、
前記アルコール検知器により呼気が検出されると、呼気中のアルコール濃度を判定するステップと、
前記アルコール検知器により呼気が検出されると、前記アルコール検知器に呼気を吹きかける方向を撮影するステップと、
前記撮影された画像データ内の顔画像に基づいて、あらかじめ登録されたユーザであるか認証するステップと、
前記アルコール濃度を判定するステップの判定結果が所定の閾値を越えている場合、または、前記ユーザであるか認証するステップによるユーザ認証が失敗した場合のいずれかの場合に、警報を出力するステップと、
を実行するアルコール検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021067119A JP2022162333A (ja) | 2021-04-12 | 2021-04-12 | アルコール検査システムおよび方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=83720852
Family Applications (1)
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JP2021067119A Pending JP2022162333A (ja) | 2021-04-12 | 2021-04-12 | アルコール検査システムおよび方法 |
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JP (1) | JP2022162333A (ja) |
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2021
- 2021-04-12 JP JP2021067119A patent/JP2022162333A/ja active Pending
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