JP2022150883A - 大豆タンパク質含有生地、大豆タンパク質含有食品、及びそれらの製造方法 - Google Patents

大豆タンパク質含有生地、大豆タンパク質含有食品、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、歯ごたえのばらつきが抑制された大豆タンパク質含有食品を提供することである。【解決手段】本発明は、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、大豆タンパク質含有生地を提供する。(条件1)直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。【選択図】なし

Description

本発明は、大豆タンパク質含有生地、大豆タンパク質含有食品、及びそれらの製造方法に関する。
近年、消費者の健康志向にともない、種々の代替肉が開発されている。代替肉とは、畜肉等の代わりに植物性原料を用いて、肉の風味や食感を再現しようとするものである。
代替肉に用いられる植物性原料としては、大豆タンパク質等が挙げられる(例えば、特許文献1等)。大豆タンパク質は、タンパク質含量が多く、脂質含量が低い等の特性から、健康的な食材として支持されている。
特開昭62-74246号公報
しかし、大豆タンパク質を含む既存の食品には、食感等の点において改善の余地がある。特に、本発明者らが検討した結果、大豆タンパク質含有食品は、摂食した際の歯ごたえが均一ではなく、噛みづらく硬い箇所や、脆く軟らかい箇所等が混在していることを見出した。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、歯ごたえのばらつきが抑制された大豆タンパク質含有食品の提供を目的とする。
本発明者らは、大豆タンパク質含有生地の損失正接、及び/又は、大豆タンパク質含有食品における応力の測定値の標準偏差を所定の範囲に調整することで、上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(1) 下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
(2) 下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である、
大豆タンパク質含有食品。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
(3) 大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程を含み、
前記大豆タンパク質含有生地における、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地の製造方法。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
(4) 大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程と、
前記大豆タンパク質含有生地を加工することで大豆タンパク質含有食品を得る食品作製工程と、
を含み、
前記大豆タンパク質含有食品における、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である、
大豆タンパク質含有食品の製造方法。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
本発明によれば、歯ごたえのばらつきが抑制された大豆タンパク質含有食品が提供される。
本発明における応力の測定部位の設定方法を示す図である。 本発明における応力の測定部位の設定方法を示す図である。 実施例における応力の測定部位の設定方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
<大豆タンパク質含有生地>
本発明の大豆タンパク質含有生地(以下、「本発明の生地」ともいう。)は、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
本発明者らの検討の結果、大豆タンパク質含有生地の損失正接を上記のように調整することで、生地が良好な加工性を有しつつ、該生地から得られる大豆タンパク質含有食品における歯ごたえのばらつきが抑制されることが見出された。
本発明において「大豆タンパク質含有食品における歯ごたえにばらつきがある」とは、摂食した際の歯ごたえが異なる部分(噛みづらく硬い箇所や、脆く軟らかい箇所等)が混在していることを意味する。このようなばらつきがある食品を摂食した場合、歯ごたえ(噛み心地)が異なる箇所が多いと感じられる。
本発明において「大豆タンパク質含有食品における歯ごたえにばらつきが抑制されている」とは、摂食した際の歯ごたえが異なる部分が感じられにくく、歯ごたえが均一であるか、それに近いことを意味する。
(損失正接)
本発明において「損失正接」(tanδ、損失係数等とも称される。)は、動的粘弾性測定における損失弾性率G’’(ジーダブルプライム)を、貯蔵弾性率G’(ジープライム)で除した値である。本発明における損失正接は、上記(条件1)に基づき特定される。
本発明の生地における損失正接は、0.28以下である。損失正接をこのような値に調整することで、生地の良好な加工性と、該生地から得られる大豆タンパク質含有食品における歯ごたえのばらつきの抑制とを両立できる。
生地の損失正接が0.28超であると、加工性が著しく低下し、成型が困難になり得る。
(大豆タンパク質含有生地の組成)
本発明において「大豆タンパク質含有生地」とは、大豆タンパク質を主原料とし、媒体(水等)等とともに練ったものである。このような生地は、通常、加工(混練、成型、乾燥等)された後に大豆タンパク質含有食品として食用に供される。
本発明の生地の組成は特に限定されないが、少なくとも大豆タンパク質、及び媒体を含む。
本発明において「大豆タンパク質」とは、任意の大豆から分離されたタンパク質を意味する。大豆タンパク質の分離方法は公知の方法を採用できる。大豆タンパク質は市販のものを使用してもよい。
大豆タンパク質は、1種単独で用いてもよく、異なる大豆品種に由来するもの、異なる製造方法や加工方法(エクストルーダー等による方法)で得られたものを2種以上組み合わせてもよい。
本発明において「媒体」としては、大豆タンパク質と混合でき、生体に害を及ぼさないものであれば特に限定されない。具体的な媒体としては、例えば、水、各種飲料(野菜飲料、果実飲料等)、植物性ミルク(ココナッツミルク、アーモンドミルク、豆乳等)が挙げられる。
本発明の生地には、大豆タンパク質、及び媒体以外のその他の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、食品分野において通常使用できるものが挙げられ、例えば、大豆タンパク質以外のタンパク質(例えば、豆類タンパク質(エンドウ豆タンパク質等)、穀類タンパク質(米タンパク質等)、種実類のタンパク質(チアシードタンパク質等))、調味液、穀物、抗酸化剤、香辛料、水あめ、グリセリン、乳化剤等の添加物等が挙げられる。
調味液の組成は特に限定されず、大豆タンパク質含有食品に付与しようとする味等に応じて適宜選択できる。調味液の組成例としては、実施例に示したものが挙げられる。
大豆タンパク質の含有量は、生地全体に対して、好ましくは10質量%以上90質量%以下である。
媒体の含有量は、生地全体に対して、好ましくは30質量%以上75質量%以下である。
(大豆タンパク質含有生地の製造方法)
本発明の生地は、損失正接が上述した範囲に調整される点以外は、生地の製造方法として従来知られる任意の製造方法によって製造できる。
本発明の生地における損失正接を0.28以下に調整できる方法としては、大豆タンパク質と、媒体とを十分に切断混合することが挙げられる。
切断混合は、フードプロセッサー、ミキサー、ブレンダー、サイレントカッター、ニーダー等を用いて行うことができる。
切断混合の温度条件は特に限定されないが、好ましくは60℃以上である。
切断混合における回転数は特に限定されないが、好ましくは1000rpm以上である。
本発明の生地に、大豆タンパク質及び媒体以外のその他の成分が配合される場合、このような成分の投入のタイミングは特に限定されない。
ただし、その他の成分として調味液を配合する場合、切断混合の際に焦げたり、生地中に均一に分散しにくかったりするという理由から、大豆タンパク質と媒体との切断混合の後に投入することが好ましい。
また、調味液は、風味の保持のしやすさ、加工適性の良さ等の観点から、30~60℃程度に加温してから投入することが好ましい。
切断混合後、必要に応じてミキサー等で撹拌し、大豆タンパク質含有生地を得ることができる。得られた生地の損失正接を測定し、その値が0.28以下であれば本発明の生地が得られたものと判断できる。
本発明の大豆タンパク質含有生地の製造方法は、以下を包含する。
大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程を含み、
該大豆タンパク質含有生地における、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地の製造方法。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
<大豆タンパク質含有食品>
本発明の大豆タンパク質含有食品(以下、「本発明の食品」ともいう。)は、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
本発明者らの検討の結果、大豆タンパク質含有食品の応力の測定値の標準偏差を上記のように調整することで、大豆タンパク質含有食品における歯ごたえのばらつきが抑制されることが見出された。
(応力の測定値の標準偏差)
本発明において「応力の測定値の標準偏差」は、大豆タンパク質含有食品の同一表面上における複数の地点で測定された応力の測定値の標準偏差である。本発明における応力の測定値の標準偏差は、上記(条件2)に基づき特定される。
上記(条件2)について、応力の測定部位である、10mm格子の各頂点の設定方法について以下説明する。
(1)まず、大豆タンパク質含有食品(試料)の任意の1表面を測定対象に設定する。測定のしやすさから、表面は平坦であることが好ましい。
(2)測定対象である表面において、最も長い内径(最大内径)を特定する。例えば、図1の点線部に示すように、大豆タンパク質含有食品の形状にかかわらず、最大内径を特定することができる。
また、図示していないが、測定対象である表面の形状が三角形等の場合は、最大内径は、最も長い外辺(長辺)であり得る。
(3)上記(2)で特定された最大内径の中心(最大内径の真ん中に位置する1点)を特定する。例えば、図1の黒点部に示すように、最大内径の中心を特定することができる。
(4)上記(3)で特定された点を頂点の1つとして含むように、10mm格子を設定する。設定された格子の各頂点が応力の測定部位である。例えば、図2の黒点部が、各試料における応力の測定部位である。
各試料における全ての測定部位で測定された応力の測定値から、応力の測定値の標準偏差が特定される。
本発明の食品における応力の測定値の標準偏差は、1.0×10Pa以下である。応力の測定値の標準偏差をこのような値に調整することで、大豆タンパク質含有食品における歯ごたえのばらつきが抑制される。
食品における応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa超であると、大豆タンパク質含有食品の食感が均一ではなく、歯ごたえにばらつきが生じる。
(大豆タンパク質含有食品の製造方法)
本発明において「大豆タンパク質含有食品」とは、大豆タンパク質含有生地を任意の方法で加工したものである。
本発明の食品の製造のために用いる大豆タンパク質含有生地としては、上述した構成を採用できる。
本発明の食品の製造のために用いる大豆タンパク質含有生地は、上述した本発明の生地であることが好ましい。
大豆タンパク質含有食品を作製するための加工方法としては、生地から製造される食品(例えば、焼成品等)の製造方法として従来知られる任意の製造方法によって製造できる。
加工方法としては、例えば、ミンチ化、計量、成型、乾燥、冷凍、冷蔵、レトルト、焼成、フライ等が挙げられる。
「ミンチ化」としては、ミートチョッパー等を用いて生地を細切れにすることが挙げられる。このような工程により、生地が細かい繊維状となり、生地から得られる大豆タンパク質含有食品の歯ごたえのばらつきをより抑制できる。
「計量」としては、包餡機等を用いて、生地を定量分割することが挙げられる。
「成型」としては、ローラーや型を用いて、生地を所望の形状や大きさに整えることが挙げられる。
「乾燥」としては、乾燥機を用いて、生地中の水分量を調整することが挙げられる。この工程により、大豆タンパク質含有食品の硬さ(軟らかさ)を調整することができる。
本発明の大豆タンパク質含有食品の製造方法は、以下を包含する。
大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程と、
該大豆タンパク質含有生地を加工することで大豆タンパク質含有食品を得る食品作製工程と、
を含み、
該大豆タンパク質含有食品における、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である製造方法。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
(大豆タンパク質含有食品の形状等)
本発明の食品の形状は特に限定されないが、応力が測定しやすいという観点から、平坦な面を有する形状であることが好ましい。本発明の食品は、例えば、シート状、ブロック状、ミンチ状、棒状、球状等であってもよい。
本発明の食品の大きさは特に限定されないが、応力の測定部位を3個以上設定できる大きさであることが好ましい。
本発明の食品の厚さは特に限定されない。
本発明の食品に含まれる水の含有量は、特に限定されないが、食品全体に対して、好ましくは20質量%以下である。
本発明の食品の水分活性値は、特に限定されないが、好ましくは0.8以下である。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<大豆タンパク質含有生地及び大豆タンパク質含有食品の作製-1>
以下の方法で大豆タンパク質含有生地、及び該生地から得られた大豆タンパク質含有食品を作製した。
(1)大豆タンパク質の切断混合
表1に示す割合で、大豆タンパク質(商品名「アペックス1000」、不二製油株式会社製)に水を加え、フードプロセッサー(商品名「IHスーププロセッサーSKX-A」、タイガー魔法瓶株式会社製)を用いて、98℃、5分、1500rpmの条件で切断混合を行い、大豆タンパク質含有生地を得た。
Figure 2022150883000001
(2)調味液の混合
上記(1)で得られた各大豆タンパク質含有生地に対し、表2~7に示す配合比の調味液のいずれか137gを60℃に加温してから加え、ミキサー(商品名「キッチンエイドスタンドミキサーKSM7WH」、株式会社エフ・エム・アイ製)を用いて、常温、5分、300rpmの条件で混合し、調味済み大豆タンパク質含有生地を得た。この時点で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、後述する損失正接の測定に供した。
Figure 2022150883000002
Figure 2022150883000003
Figure 2022150883000004
Figure 2022150883000005
Figure 2022150883000006
Figure 2022150883000007
(3)生地の分割計量
上記(2)で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、ミートチョッパー(商品名「MEAT CHOPPER MS-12B」、株式会社なんつね製)を用いて、常温、150rpmの条件でミンチ状にした。
次いで、卓上包餡機(商品名「卓上包あん機CN001」、レオン自動機株式会社製)を用いて生地の分割を行い、各生地を10gずつの塊に分けた。
(4)生地の成型及び乾燥
各生地をローラーで厚さを均一にした後、小判型(縦約50mm×横約20mm×厚さ約8mm)に成型し、90℃で120分乾燥させ、大豆タンパク質含有食品を得た(実施例1~7、比較例1)。得られた大豆タンパク質含有食品を、後述する応力のばらつきの測定に供した。
<大豆タンパク質含有生地及び大豆タンパク質含有食品の作製-2>
従来の方法に基づき、大豆タンパク質含有生地、及び該生地から得られた大豆タンパク質含有食品を作製した。具体的には、特開昭62-74246の「実施例1」に記載された方法を参照し、以下の方法で、大豆タンパク質含有生地及び大豆タンパク質含有食品を作製した。
(1)大豆タンパク質の膨化
分離大豆タンパク質80部、コーンスターチ15部、及び粉末油脂5部(油分40%)を混合し、得られた混合物を、二軸型エクストルーダー供給口より投入した。同時に、定量ポンプで全原料の水分が40%となるように水を供給し、大豆タンパク質含有生地を得た。なお、上記組成を有する本例の生地を「生地D」という。
次いで、エクストルーダーのスクリュー回転数160rpm、先端バレル温度146℃、ダイ直前の圧力28kg/cmで加圧及び加熱処理して、膨化物を得た。
得られた膨化物に対し10倍量の水を加え、撹拌しながら75℃まで加熱し、45分間撹拌を続けた。撹拌後、遠心分離機を用いて脱水を行い、水分85%の繊維状大豆たん白を得た。
(2)調味液の混合
上記(1)で得られた繊維状大豆たん白に対し、ナタネ硬化油9部、ソルビット9部を加え、さらに調味液(食塩、香辛料、ビーフエキス、ビーフフレーバー、ガム質天然色素を含む)10部を加え、ケンウッドミキサー中で混和してペースト状にし、調味済み大豆タンパク質含有生地を得た。
なお、上記組成を有する本例の調味液を「調味液g」という。また、この時点で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、後述する損失正接の測定に供した。
(3)生地の成型及び乾燥
上記(2)で得られた生地を、予め剥離剤を薄く塗布したアルミプレート上に引き伸ばし、小判型(縦約50mm×横約20mm×厚さ約8mm)に成型し、60℃の乾熱乾燥機中で水分が17%になるまで乾燥させ、大豆タンパク質含有食品(比較例2)を得た。得られた大豆タンパク質含有食品を、後述する応力のばらつきの測定に供した。
<市販の大豆タンパク質含有食品の準備>
参考例として、市販の大豆タンパク質含有食品(ジャーキー様食品)を用意した。
この食品の具体的な製造方法は不明だが、大豆タンパク質を主原料とし、調味液(香辛料等)を含み、畜肉は含まないことを確認した。
<大豆タンパク質含有生地及び大豆タンパク質含有食品の分析>
以下の方法で、上記実施例、比較例、及び参考例で得られた各大豆タンパク質含有生地の損失正接(tanδ)、及び各大豆タンパク質含有食品における応力のばらつきを測定した。
(1)大豆タンパク質含有生地の損失正接の測定
各例で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、卓上ケーキミキサーでビータ-を使用して混合撹拌した(撹拌時間:60秒、撹拌回転:4.5目盛)後、5mm厚に引き延ばした。
次いで、各生地について、直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接(tanδ)を測定した。損失正接は、生地の動的粘弾性を表す。
(2)大豆タンパク質含有食品における応力のばらつきの測定
各大豆タンパク質含有食品の表面における最大内径(長辺)の中心を頂点の1つとして含むように、10mm格子を設定した。
具体的には、各食品は小判型(縦約50mm×横約20mm×厚さ約8mm)であるので、本例では図3のように各頂点を設定した。
格子の各頂点での応力を、最大応力測定機(商品名「RHEONER II CREEP METER RE2-33005B」、株式会社ヤマデン製)を用いて、下記条件で測定した。
各頂点の応力の測定値から平均値を算出し、応力について「平均値±標準偏差」を特定した。
[応力の測定条件]
φ3mm円柱プランジャー
90%圧縮
200Nロードセル
1mm/s
(3)結果
上記分析結果を表8の「損失正接」、及び「応力」の項にそれぞれ示す。
損失正接が0.28以下である調味済み大豆タンパク質含有生地は、いずれも均一な硬さを有するうえ、適切に成型可能だった。
これに対し、損失正接が0.28超である生地は、過度な流動性を有し、成型が困難だった。したがって、これらの生地については、大豆タンパク質含有食品を作製できなかったので、応力の分析を行っていない。
応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である大豆タンパク質含有食品は、いずれも摂食した際に感じる歯ごたえが均一だった。
これに対し、応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa超である大豆タンパク質含有食品は、摂食した際に感じる歯ごたえが一定ではなく、硬い歯ごたえや、軟らかい歯ごたえが混在していた。
各実施例において、調味液の組成の違いは、歯ごたえの均一性にほとんど影響を及ぼさなかった。
また、各実施例の大豆タンパク質含有食品は、歯ごたえが均一であるだけではなく、味のムラも少なかった。
Figure 2022150883000008

Claims (4)

  1. 下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
    大豆タンパク質含有生地。
    (条件1)
    直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
  2. 下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である、
    大豆タンパク質含有食品。
    (条件2)
    食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
  3. 大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程を含み、
    前記大豆タンパク質含有生地における、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
    大豆タンパク質含有生地の製造方法。
    (条件1)
    直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
  4. 大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程と、
    前記大豆タンパク質含有生地を加工することで大豆タンパク質含有食品を得る食品作製工程と、
    を含み、
    前記大豆タンパク質含有食品における、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×10Pa以下である、
    大豆タンパク質含有食品の製造方法。
    (条件2)
    食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
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