JP2022150883A - 大豆タンパク質含有生地、大豆タンパク質含有食品、及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
大豆タンパク質含有生地。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
大豆タンパク質含有食品。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
前記大豆タンパク質含有生地における、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地の製造方法。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
前記大豆タンパク質含有生地を加工することで大豆タンパク質含有食品を得る食品作製工程と、
を含み、
前記大豆タンパク質含有食品における、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa以下である、
大豆タンパク質含有食品の製造方法。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
本発明の大豆タンパク質含有生地(以下、「本発明の生地」ともいう。)は、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
本発明において「損失正接」(tanδ、損失係数等とも称される。)は、動的粘弾性測定における損失弾性率G’’(ジーダブルプライム)を、貯蔵弾性率G’(ジープライム)で除した値である。本発明における損失正接は、上記(条件1)に基づき特定される。
生地の損失正接が0.28超であると、加工性が著しく低下し、成型が困難になり得る。
本発明において「大豆タンパク質含有生地」とは、大豆タンパク質を主原料とし、媒体(水等)等とともに練ったものである。このような生地は、通常、加工(混練、成型、乾燥等)された後に大豆タンパク質含有食品として食用に供される。
大豆タンパク質は、1種単独で用いてもよく、異なる大豆品種に由来するもの、異なる製造方法や加工方法(エクストルーダー等による方法)で得られたものを2種以上組み合わせてもよい。
本発明の生地は、損失正接が上述した範囲に調整される点以外は、生地の製造方法として従来知られる任意の製造方法によって製造できる。
ただし、その他の成分として調味液を配合する場合、切断混合の際に焦げたり、生地中に均一に分散しにくかったりするという理由から、大豆タンパク質と媒体との切断混合の後に投入することが好ましい。
また、調味液は、風味の保持のしやすさ、加工適性の良さ等の観点から、30~60℃程度に加温してから投入することが好ましい。
大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程を含み、
該大豆タンパク質含有生地における、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地の製造方法。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。
本発明の大豆タンパク質含有食品(以下、「本発明の食品」ともいう。)は、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa以下である。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
本発明において「応力の測定値の標準偏差」は、大豆タンパク質含有食品の同一表面上における複数の地点で測定された応力の測定値の標準偏差である。本発明における応力の測定値の標準偏差は、上記(条件2)に基づき特定される。
(1)まず、大豆タンパク質含有食品(試料)の任意の1表面を測定対象に設定する。測定のしやすさから、表面は平坦であることが好ましい。
(2)測定対象である表面において、最も長い内径(最大内径)を特定する。例えば、図1の点線部に示すように、大豆タンパク質含有食品の形状にかかわらず、最大内径を特定することができる。
また、図示していないが、測定対象である表面の形状が三角形等の場合は、最大内径は、最も長い外辺(長辺)であり得る。
(3)上記(2)で特定された最大内径の中心(最大内径の真ん中に位置する1点)を特定する。例えば、図1の黒点部に示すように、最大内径の中心を特定することができる。
(4)上記(3)で特定された点を頂点の1つとして含むように、10mm格子を設定する。設定された格子の各頂点が応力の測定部位である。例えば、図2の黒点部が、各試料における応力の測定部位である。
食品における応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa超であると、大豆タンパク質含有食品の食感が均一ではなく、歯ごたえにばらつきが生じる。
本発明において「大豆タンパク質含有食品」とは、大豆タンパク質含有生地を任意の方法で加工したものである。
本発明の食品の製造のために用いる大豆タンパク質含有生地は、上述した本発明の生地であることが好ましい。
加工方法としては、例えば、ミンチ化、計量、成型、乾燥、冷凍、冷蔵、レトルト、焼成、フライ等が挙げられる。
大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程と、
該大豆タンパク質含有生地を加工することで大豆タンパク質含有食品を得る食品作製工程と、
を含み、
該大豆タンパク質含有食品における、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa以下である製造方法。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
本発明の食品の形状は特に限定されないが、応力が測定しやすいという観点から、平坦な面を有する形状であることが好ましい。本発明の食品は、例えば、シート状、ブロック状、ミンチ状、棒状、球状等であってもよい。
以下の方法で大豆タンパク質含有生地、及び該生地から得られた大豆タンパク質含有食品を作製した。
表1に示す割合で、大豆タンパク質(商品名「アペックス1000」、不二製油株式会社製)に水を加え、フードプロセッサー(商品名「IHスーププロセッサーSKX-A」、タイガー魔法瓶株式会社製)を用いて、98℃、5分、1500rpmの条件で切断混合を行い、大豆タンパク質含有生地を得た。
上記(1)で得られた各大豆タンパク質含有生地に対し、表2~7に示す配合比の調味液のいずれか137gを60℃に加温してから加え、ミキサー(商品名「キッチンエイドスタンドミキサーKSM7WH」、株式会社エフ・エム・アイ製)を用いて、常温、5分、300rpmの条件で混合し、調味済み大豆タンパク質含有生地を得た。この時点で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、後述する損失正接の測定に供した。
上記(2)で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、ミートチョッパー(商品名「MEAT CHOPPER MS-12B」、株式会社なんつね製)を用いて、常温、150rpmの条件でミンチ状にした。
次いで、卓上包餡機(商品名「卓上包あん機CN001」、レオン自動機株式会社製)を用いて生地の分割を行い、各生地を10gずつの塊に分けた。
各生地をローラーで厚さを均一にした後、小判型(縦約50mm×横約20mm×厚さ約8mm)に成型し、90℃で120分乾燥させ、大豆タンパク質含有食品を得た(実施例1~7、比較例1)。得られた大豆タンパク質含有食品を、後述する応力のばらつきの測定に供した。
従来の方法に基づき、大豆タンパク質含有生地、及び該生地から得られた大豆タンパク質含有食品を作製した。具体的には、特開昭62-74246の「実施例1」に記載された方法を参照し、以下の方法で、大豆タンパク質含有生地及び大豆タンパク質含有食品を作製した。
分離大豆タンパク質80部、コーンスターチ15部、及び粉末油脂5部(油分40%)を混合し、得られた混合物を、二軸型エクストルーダー供給口より投入した。同時に、定量ポンプで全原料の水分が40%となるように水を供給し、大豆タンパク質含有生地を得た。なお、上記組成を有する本例の生地を「生地D」という。
次いで、エクストルーダーのスクリュー回転数160rpm、先端バレル温度146℃、ダイ直前の圧力28kg/cm2で加圧及び加熱処理して、膨化物を得た。
得られた膨化物に対し10倍量の水を加え、撹拌しながら75℃まで加熱し、45分間撹拌を続けた。撹拌後、遠心分離機を用いて脱水を行い、水分85%の繊維状大豆たん白を得た。
上記(1)で得られた繊維状大豆たん白に対し、ナタネ硬化油9部、ソルビット9部を加え、さらに調味液(食塩、香辛料、ビーフエキス、ビーフフレーバー、ガム質天然色素を含む)10部を加え、ケンウッドミキサー中で混和してペースト状にし、調味済み大豆タンパク質含有生地を得た。
なお、上記組成を有する本例の調味液を「調味液g」という。また、この時点で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、後述する損失正接の測定に供した。
上記(2)で得られた生地を、予め剥離剤を薄く塗布したアルミプレート上に引き伸ばし、小判型(縦約50mm×横約20mm×厚さ約8mm)に成型し、60℃の乾熱乾燥機中で水分が17%になるまで乾燥させ、大豆タンパク質含有食品(比較例2)を得た。得られた大豆タンパク質含有食品を、後述する応力のばらつきの測定に供した。
参考例として、市販の大豆タンパク質含有食品(ジャーキー様食品)を用意した。
この食品の具体的な製造方法は不明だが、大豆タンパク質を主原料とし、調味液(香辛料等)を含み、畜肉は含まないことを確認した。
以下の方法で、上記実施例、比較例、及び参考例で得られた各大豆タンパク質含有生地の損失正接(tanδ)、及び各大豆タンパク質含有食品における応力のばらつきを測定した。
各例で得られた調味済み大豆タンパク質含有生地を、卓上ケーキミキサーでビータ-を使用して混合撹拌した(撹拌時間:60秒、撹拌回転:4.5目盛)後、5mm厚に引き延ばした。
次いで、各生地について、直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接(tanδ)を測定した。損失正接は、生地の動的粘弾性を表す。
各大豆タンパク質含有食品の表面における最大内径(長辺)の中心を頂点の1つとして含むように、10mm格子を設定した。
具体的には、各食品は小判型(縦約50mm×横約20mm×厚さ約8mm)であるので、本例では図3のように各頂点を設定した。
格子の各頂点での応力を、最大応力測定機(商品名「RHEONER II CREEP METER RE2-33005B」、株式会社ヤマデン製)を用いて、下記条件で測定した。
各頂点の応力の測定値から平均値を算出し、応力について「平均値±標準偏差」を特定した。
φ3mm円柱プランジャー
90%圧縮
200Nロードセル
1mm/s
上記分析結果を表8の「損失正接」、及び「応力」の項にそれぞれ示す。
これに対し、損失正接が0.28超である生地は、過度な流動性を有し、成型が困難だった。したがって、これらの生地については、大豆タンパク質含有食品を作製できなかったので、応力の分析を行っていない。
これに対し、応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa超である大豆タンパク質含有食品は、摂食した際に感じる歯ごたえが一定ではなく、硬い歯ごたえや、軟らかい歯ごたえが混在していた。
また、各実施例の大豆タンパク質含有食品は、歯ごたえが均一であるだけではなく、味のムラも少なかった。
Claims (4)
- 下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。 - 下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa以下である、
大豆タンパク質含有食品。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。 - 大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程を含み、
前記大豆タンパク質含有生地における、下記(条件1)で特定される損失正接が0.28以下である、
大豆タンパク質含有生地の製造方法。
(条件1)
直径25mmパラレルプレートを用いた25℃、1Hzでの歪依存測定における0.01%歪での損失正接を特定する。 - 大豆タンパク質と、媒体とを切断混合することで大豆タンパク質含有生地を得る生地作製工程と、
前記大豆タンパク質含有生地を加工することで大豆タンパク質含有食品を得る食品作製工程と、
を含み、
前記大豆タンパク質含有食品における、下記(条件2)で特定される応力の測定値の標準偏差が1.0×106Pa以下である、
大豆タンパク質含有食品の製造方法。
(条件2)
食品の同一表面における最大内径の中心を頂点の1つとして含むように設定された10mm格子の各頂点での応力を、φ3mm円柱プランジャーを用いて、90%圧縮、及び1mm/sの条件で測定し、応力の測定値の標準偏差を特定する。
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JPS5356355A (en) * | 1976-11-01 | 1978-05-22 | Ajinomoto Kk | Method of producing novel food material |
JPS60186252A (ja) * | 1984-11-07 | 1985-09-21 | Ajinomoto Co Inc | 肉様食品の製造法 |
-
2021
- 2021-03-26 JP JP2021053679A patent/JP7161565B2/ja active Active
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JPS60186252A (ja) * | 1984-11-07 | 1985-09-21 | Ajinomoto Co Inc | 肉様食品の製造法 |
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