JP2022150721A - 対向ピストンエンジン - Google Patents

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Abstract

Figure 2022150721000001
【課題】排気側ピストンの熱負荷の低減を図ることができる対向ピストンエンジンを提供する。
【解決手段】軸方向の一方側に掃気ポートが形成されるとともに、軸方向の他方側に排気ポートが形成されたシリンダと、シリンダの内部における軸方向の上記一方側に配置された掃気側ピストンと、シリンダの内部における軸方向の上記他方側に配置された排気側ピストンと、シリンダの内部における掃気側ピストンと排気側ピストンとの間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置と、を備え、排気側ピストンの頂面は、フラット形状に形成され、掃気側ピストンの頂面には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティが形成され、少なくとも1つの燃料噴射装置は、シリンダの径方向の内側に向かって軸方向の上記一方側に傾斜した中心軸線を有する少なくとも1つの掃気側燃料噴射装置を含む。
【選択図】 図2

Description

本開示は、対向ピストンエンジンに関する。
2サイクルディーゼルエンジンには、1つのシリンダの内部に2つのピストンを対向して配置し、2つのピストンの間に燃焼室を形成する対向ピストンエンジンがある(例えば、特許文献1)。対向ピストンエンジンは、ピストンが1往復する間にシリンダ内の燃焼ガスをシリンダ壁に形成された排気ポートから排出する排気行程と、シリンダ壁に形成された掃気ポートからシリンダの内部に空気を取り込む掃気行程と、が行われる。シリンダ壁に形成した掃気ポートを傾斜させ、掃気ポートから取り込んだ空気にスワール流(旋回流)を形成させることで、掃気と排気の入れ換え効果を高めることが行われることがある。
特許文献1には、2つのピストンの互いに対向する頂面によりドーナツ状の燃焼用空間が形成され、この燃焼用空間にシリンダ壁に設けられた燃料噴射装置から燃料が噴射されることが開示されている。上記燃料噴射装置は、シリンダの軸方向に沿った断面において、シリンダの径方向に沿って燃料を噴射している。
特開2013-24240号公報
対向ピストンエンジンでは、シリンダ壁に設けられた燃料噴射装置から燃料が噴射される。シリンダの内部に噴射された燃料が、シリンダ内に形成されたスワール流に流されて、燃料室の外周側領域で燃えることがある。燃焼室の外周側領域に燃焼火炎が広がることで、ピストンの内部からの冷却作用が及びにくいピストンの外周部の熱負荷が増大する虞がある。ピストンの外周部の熱負荷が増大することで、ピストン潤滑の悪化(潤滑油の劣化)によるピストンの摺動不良や、ピストンに生じる熱応力によるピストンの損傷などの問題が生じる虞がある。
対向ピストンエンジンの2つのピストンのうち、掃気ポートに近いピストンである掃気側ピストンは、掃気行程中に低温の空気(低温ガス)により頂面が冷却されるが、排気ポートに近いピストンである排気側ピストンは、排気行程中にも高温の排ガスにさらされている。図6は、比較例にかかる対向ピストンエンジンの排気側ピストンの頂面に面するガスの温度分布を説明するための説明図である。図7は、比較例にかかる対向ピストンエンジンの掃気側ピストンの頂面に面するガスの温度分布を説明するための説明図である。図6および図7では、掃気側ピストン03と排気側ピストン04は同じ形状になっている。図6および図7に示されるように、排気側ピストン04の頂面041に面するガスの温度は、掃気側ピストン03の頂面031に面するガスの温度よりも高くなる。このため、排気側ピストン04の外周部043の熱負荷が、排気側ピストンの損傷などの問題につながることが懸念される。
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、排気側ピストンの熱負荷の低減を図ることができる対向ピストンエンジンを提供することにある。
本開示の一実施形態にかかる対向ピストンエンジンは、
軸方向の一方側に掃気ポートが形成されるとともに、前記軸方向の他方側に排気ポートが形成されたシリンダと、
前記シリンダの内部における前記軸方向の前記一方側に配置された掃気側ピストンと、
前記シリンダの内部における前記軸方向の前記他方側に配置された排気側ピストンと、
前記シリンダの内部における前記掃気側ピストンと前記排気側ピストンとの間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置と、を備え、
前記排気側ピストンの頂面は、フラット形状に形成され、
前記掃気側ピストンの頂面には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティが形成され、
前記少なくとも1つの燃料噴射装置は、前記シリンダの径方向の内側に向かって前記軸方向の前記一方側に傾斜した中心軸線を有する少なくとも1つの掃気側燃料噴射装置を含む。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、排気側ピストンの熱負荷の低減を図ることができる対向ピストンエンジンが提供される。
本開示の一実施形態にかかる対向ピストンエンジンの構成を概略的に示す概略断面図である。 本開示の第1の実施形態にかかる対向ピストンエンジンの燃焼室近傍を概略的に示す概略断面図である。 第1の実施形態における排気側ピストンの頂面に面する燃焼ガスの温度分布を説明するための説明図である。 本開示の第2の実施形態にかかる対向ピストンエンジンの燃焼室近傍を概略的に示す概略断面図である。 掃気側燃料噴射装置と排気側燃料噴射装置の位置関係を説明するための説明図である。 比較例にかかる対向ピストンエンジンの排気側ピストンの頂面に面する燃焼ガスの温度分布を説明するための説明図である。 比較例にかかる対向ピストンエンジンの掃気側ピストンの頂面に面する燃焼ガスの温度分布を説明するための説明図である。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
(対向ピストンエンジン)
図1は、本開示の一実施形態にかかる対向ピストンエンジンの構成を概略的に示す概略断面図である。図1に示されるように、幾つかの実施形態にかかる対向ピストンエンジン1は、内部に軸方向に沿って延在するシリンダボア21が形成されたシリンダ2と、シリンダ2の内部における上記軸方向の一方側(図1中上側)に配置された掃気側ピストン3と、シリンダ2の内部における上記軸方向の他方側(図1中下側)に配置された排気側ピストン4と、シリンダ2の内部における掃気側ピストン3と排気側ピストン4との間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置(燃料噴射弁)5と、を備える。以下、シリンダ2の軸方向の上記一方側(図1中上側)を掃気側と定義し、シリンダ2の軸方向の上記他方側(図1中下側)を排気側と定義する。
シリンダ2は、シリンダボア21を形成する内面22を有する。シリンダ2の掃気側における内面22には、少なくとも1つ(図示例では複数)の掃気ポート23が形成されている。シリンダ2の排気側における内面22には、少なくとも1つ(図示例では複数)の排気ポート24が形成されている。複数の掃気ポート23は、シリンダ2の周方向に間隔をあけて設けられている。複数の排気ポート24は、シリンダ2の周方向に間隔をあけて設けられている。
複数の掃気ポート23の夫々は、シリンダ2の外部から内部に向けて、シリンダ2の径方向に対して周方向の一方側に傾斜した方向に燃焼用気体CG(図示例では圧縮空気)を導く形状になっている。或る実施形態では、複数の掃気ポート23の夫々は、シリンダ2の径方向に対して周方向の一方側に所定角度傾斜した方向に延在している。掃気ポート23を通じてシリンダ2の内部(すなわち、シリンダボア21)に導かれた燃焼用気体CGは、シリンダ2の内部にスワール流SF(旋回流)を形成する。このため、掃気ポート23を通じてシリンダ2の内部に導かれた燃焼用気体CGは、旋回しながら排気側に流れる。シリンダ2の内部にスワール流SFを形成することで、掃気工程および排気工程において、シリンダボア21における掃気や排気の入れ替え効果を高めることができると共に、噴射燃料の燃焼を促進する効果を高めることができる。
掃気側ピストン3は、シリンダボア21の掃気側にシリンダ2の軸方向に沿って往復動可能に配置されている。排気側ピストン4は、シリンダボア21の排気側にシリンダ2の軸方向に沿って往復動可能に配置されている。シリンダボア21における掃気側ピストン3の頂面31と排気側ピストン4の頂面41との間に燃焼室11が形成される。換言すると、掃気側ピストン3の頂面31は、燃焼室11を挟んで排気側ピストン4の頂面41に対向するようになっている。
図1では、下死点における掃気側ピストン3および排気側ピストン4が実線で示されており、上死点における掃気側ピストン3の頂面31および上死点における排気側ピストン4の頂面41の夫々が二点鎖線で示されている。
掃気側ピストン3および排気側ピストン4は、互いに同期してシリンダ2の内部を往復動する。掃気側ピストン3は、掃気側ピストン3の上死点(最も排気側ピストン4に接近した位置)から下死点(最も排気側ピストン4から離れた位置)までの間を往復動可能に構成されている。排気側ピストン4は、排気側ピストン4の上死点(最も掃気側ピストン3に接近した位置)から下死点(最も掃気側ピストン3から離れた位置)までの間を往復動可能に構成されている。掃気側ピストン3と排気側ピストン4は、上死点や下死点に到達する時期が一致していてもよいし、上死点や下死点に到達する時期がずれていてもよい。
図示される実施形態では、図1に示されるように、掃気側ピストン3は、掃気側ピストンピン12を介して掃気側コネクティングロッド14の一端に連結され、掃気側コネクティングロッド14の他端はクランクシャフト16に連結されている。排気側ピストン4は、排気側ピストンピン13を介して排気側コネクティングロッド15の一端に連結され、排気側コネクティングロッド15の他端は上記クランクシャフト16に連結されている。クランクシャフト16が回転軸17を中心に回転することで、掃気側ピストン3および排気側ピストン4は、互いに同期し、互いの摺動方向がシリンダ2の軸方向の反対側になるようにシリンダ2の内部を往復動する。
燃料噴射装置5は、シリンダ2の内面22に設けられている。燃料噴射装置5は、シリンダボア21に燃料Fを噴射する少なくとも1つの噴射孔51を有する。燃料噴射装置5は、クランク角(クランクシャフト16の回転角)が所定角度になったとき(例えば、掃気側ピストン3や排気側ピストン4が上死点に到達したとき)に、燃料をシリンダボア21に噴射する。
対向ピストンエンジン1は、掃気ポート23を通じてシリンダ2の内部に導かれた燃焼用気体CGを、掃気側ピストン3および排気側ピストン4により、燃料Fの発火点以上に圧縮加熱する。この圧縮加熱された燃焼用気体CGに、燃料噴射装置5から燃料Fを噴射することで、燃料Fを自己発火させる。燃料Fの自己発火により燃焼火炎が形成される。自己発火により生じた燃焼ガスの膨張により掃気側ピストン3および排気側ピストン4が互いに離隔する方向に押し出される。そして、掃気側ピストン3や排気側ピストン4の往復動がクランクシャフト16に伝達され、クランクシャフト16により回転力(動力)に変換される。
複数の掃気ポート23の夫々は、上死点における掃気側ピストン3の頂面31よりも掃気側に形成され、且つ下死点における掃気側ピストン3の頂面31よりも排気側に形成されている。複数の排気ポート24の夫々は、上死点における排気側ピストン4の頂面41よりも排気側に形成され、且つ下死点における排気側ピストン4の頂面41よりも掃気側に形成されている。
掃気側ピストン3の頂面31が各掃気ポート23よりも掃気側に摺動することで、各掃気ポート23を介したシリンダボア21への燃焼用気体CGの供給が可能になる。排気側ピストン4の頂面41が各排気ポート24よりも排気側に摺動することで、各排気ポート24を介したシリンダボア21からの排ガスEGの排出が可能になる。シリンダボア21に供給される燃焼用気体CGは、不図示の過給機により圧縮されているため、掃気ポート23と排気ポート24との間の圧力差により、シリンダボア21への燃焼用気体CGの供給やシリンダボア21からの排ガスEGの排出が行われる。
(第1の実施形態)
図2は、本開示の第1の実施形態にかかる対向ピストンエンジンの燃焼室近傍を概略的に示す概略断面図である。
幾つかの実施形態にかかる対向ピストンエンジン1は、図2に示されるように、上述したシリンダ2と、上述した掃気側ピストン3と、上述した排気側ピストン4と、上述した少なくとも1つの燃料噴射装置5と、を備える。排気側ピストン4の頂面41は、フラット形状に形成されている。掃気側ピストン3の頂面31には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティ6が形成されている。上述した少なくとも1つの燃料噴射装置5は、シリンダ2の径方向の内側に向かって掃気側(シリンダ2の軸方向の上記一方側)に傾斜した中心軸線CA1を有する掃気側燃料噴射装置5Aを含む。
図示される実施形態では、掃気側キャビティ6は、掃気側ピストン3の頂面31の中央部に凹んで形成され、掃気側ピストン3の頂面31は、掃気側キャビティ6の外周縁61からシリンダ2の軸方向に直交する方向に沿って外周側(シリンダ2の径方向の外側)に向かって延在する掃気側外周縁部32を含む。掃気側外周縁部32の外周端は、シリンダ2の軸方向に沿って延在する掃気側ピストン3の外周部33の一端に連なる。掃気側キャビティ6は、外周縁61からシリンダ2の径方向における内側に向かうにつれて外周縁61からの深さが大きくなる凹湾曲面62を有する。
図示される実施形態では、排気側ピストン4の頂面41は、シリンダ2の軸方向に直交する方向に沿って延在するフラット面41Aを含む。フラット面41Aの外周端は、シリンダ2の軸方向に沿って延在する排気側ピストン4の外周部43の一端に連なる。掃気側燃料噴射装置5Aは、シリンダ2の内面22にシリンダ2の径方向に対して中心軸線CA1が傾斜して設けられている。掃気側燃料噴射装置5Aは、中心軸線CA1の延長方向に沿ってシリンダボア21に燃料を噴射する。中心軸線CA1の延長方向は、掃気側キャビティ6の中央部を指向している。
上記の構成によれば、排気側ピストン4の頂面41は、フラット形状に形成され、掃気側ピストン3の頂面31には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティ6が形成されている。このため、掃気側ピストン3と排気側ピストン4との間に形作られる燃焼室11は、掃気側が排気側よりも容積が大きい。掃気側燃料噴射装置5Aから噴射された燃料は、掃気側燃料噴射装置5Aの中心軸線CA1の延長方向に沿って掃気側(軸方向の一方側)に向かって流れて、掃気側キャビティ6内で燃焼する。このように燃料を主に燃焼室11の掃気側で燃焼させることで、排気側ピストン4の熱負荷を低減できる。
図3は、第1の実施形態における排気側ピストンの頂面に面する燃焼ガスの温度分布を説明するための説明図である。図3および図6に示されるように、第1の実施形態における排気側ピストン4の頂面41に面する燃焼ガスの温度は、比較例にかかる対向ピストンエンジン01の排気側ピストン04の頂面041に面する燃焼ガスの温度よりも全体的に低くなっている。すなわち、第1の実施形態における排気側ピストン4は、比較例における排気側ピストン04に比べて、熱負荷が低減している。
また、上記の構成によれば、排気側ピストン4の頂面41をフラット形状にすることで、燃焼室11から排気側ピストン4の頂面41への入熱を抑制できる。これにより、燃焼室11における燃焼の熱損失を抑制でき、ひいては対向ピストンエンジン1の熱効率の低下を抑制できる。
(第2の実施形態)
図4は、本開示の第2の実施形態にかかる対向ピストンエンジンの燃焼室近傍を概略的に示す概略断面図である。
幾つかの実施形態にかかる対向ピストンエンジン1は、図4に示されるように、上述したシリンダ2と、上述した掃気側ピストン3と、上述した排気側ピストン4と、上述した少なくとも1つの燃料噴射装置5と、を備える。排気側ピストン4の頂面41には、所定のキャビティ容積を有する排気側キャビティ7が形成されている。掃気側ピストン3の頂面31には、排気側キャビティ7よりも大きなキャビティ容積を有する掃気側キャビティ6が形成されている。上述した少なくとも1つの燃料噴射装置5は、シリンダ2の径方向の内側に向かって掃気側(シリンダ2の軸方向の上記一方側)に傾斜した中心軸線CA1を有する掃気側燃料噴射装置5Aを含む。
図示される実施形態では、掃気側キャビティ6は、掃気側ピストン3の頂面31の中央部に凹んで形成され、掃気側ピストン3の頂面31は、掃気側キャビティ6の外周縁61からシリンダ2の軸方向に直交する方向に沿って外周側(シリンダ2の径方向の外側)に向かって延在する掃気側外周縁部32を含む。掃気側外周縁部32の外周端は、シリンダ2の軸方向に沿って延在する掃気側ピストン3の外周部33の一端に連なる。掃気側キャビティ6は、外周縁61からシリンダ2の径方向における内側に向かうにつれて外周縁61からの深さが大きくなる凹湾曲面62を有する。
図示される実施形態では、排気側キャビティ7は、排気側ピストン4の頂面41の中央部に凹んで形成され、排気側ピストン4の頂面41は、排気側キャビティ7の外周縁71からシリンダ2の軸方向に直交する方向に沿って外周側(シリンダ2の径方向の外側)に向かって延在する排気側外周縁部42を含む。排気側外周縁部42の外周端は、シリンダ2の軸方向に沿って延在する排気側ピストン4の外周部43の一端に連なる。排気側キャビティ7は、外周縁71からシリンダ2の径方向における内側に向かうにつれて外周縁71からの深さが大きくなる凹湾曲面72を有する。
シリンダ2の軸方向に直交する方向に沿って延在し、且つ掃気側キャビティ6の外周縁61を外周縁とする仮想面63と、上述した凹湾曲面62とにより形作られる立体の体積を、上述した掃気側キャビティ6のキャビティ容積としてもよい。また、シリンダ2の軸方向に直交する方向に沿って延在し、且つ排気側キャビティ7の外周縁71を外周縁とする仮想面73と、上述した凹湾曲面72とにより形作られる立体の体積を、上述した排気側キャビティ7のキャビティ容積としてもよい。
或る実施形態では、掃気側キャビティ6の深さ(例えば、最大深さや平均深さ)を排気側キャビティ7よりも深くすることで、掃気側キャビティ6のキャビティ容積を排気側キャビティ7よりも大きくしている。また、或る実施形態では、掃気側キャビティ6の外周縁61の径寸法を排気側キャビティ7の外周縁71よりも大きくすることで、掃気側キャビティ6のキャビティ容積を排気側キャビティ7よりも大きくしている。
図示される実施形態では、掃気側燃料噴射装置5Aは、シリンダ2の内面22にシリンダ2の径方向に対して中心軸線CA1が傾斜して設けられている。掃気側燃料噴射装置5Aは、中心軸線CA1の延長方向に沿ってシリンダボア21に燃料を噴射する。中心軸線CA1の延長方向は、掃気側キャビティ6の中央部を指向している。
上記の構成によれば、掃気側キャビティ6のキャビティ容積は、排気側キャビティ7のキャビティ容積よりも大きい。このため、掃気側ピストン3と排気側ピストン4との間に形作られる燃焼室11は、掃気側が排気側よりも容積が大きい。掃気側燃料噴射装置5Aから噴射された燃料は、掃気側燃料噴射装置5Aの中心軸線CA1の延長方向に沿って掃気側(軸方向の一方側)に向かって流れて、掃気側キャビティ6内で燃焼する。このように燃料を主に燃焼室11の掃気側で燃焼させることで、排気側ピストン4の熱負荷を低減できる。また、排気側ピストン4の頂面41に排気側キャビティ7を形成することで、排気側ピストン4の頂面41がフラット形状の場合に比べて、燃料を短期間で燃焼できるため、対向ピストンエンジン1の等容度を大きなものにすることができる。対向ピストンエンジン1の等容度を大きなものにすることで、対向ピストンエンジン1の熱効率の低下を抑制できる。
幾つかの実施形態では、図2および図4に示されるように、上述した掃気側ピストン3の頂面31は、上述した掃気側キャビティ6と、上述した掃気側外周縁部32と、を含む。上記の構成によれば、掃気側ピストン3の頂面31は、中央部に掃気側キャビティ6が形成されており、掃気側キャビティ6よりも外周側に掃気側外周縁部32が形成されている。この場合には、掃気側キャビティ6内の燃焼火炎が、掃気側外周縁部32に面する空間を通じて掃気側ピストン3や排気側ピストン4の外周部33、43へ到達することを抑制できるため、掃気側ピストン3や排気側ピストン4の外周部33、43の熱負荷の低減を図ることができる。
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、上述した排気側ピストン4の頂面41は、上述した排気側キャビティ7と、上述した排気側外周縁部42と、を含む。上記の構成によれば、排気側ピストン4の頂面41は、中央部に排気側キャビティ7が形成されており、排気側キャビティ7よりも外周側に排気側外周縁部42が形成されている。この場合には、排気側キャビティ7内の燃焼火炎が、排気側外周縁部42に面する空間を通じて掃気側ピストン3や排気側ピストン4の外周部33、43へ到達することを抑制できるため、掃気側ピストン3や排気側ピストン4の外周部33、43の熱負荷の低減を図ることができる。
幾つかの実施形態では、図4に示されるように、上述した少なくとも1つの燃料噴射装置5は、上述した掃気側燃料噴射装置5Aと、シリンダ2の径方向の内側に向かって排気側(シリンダ2の軸方向の上記他方側)に傾斜した中心軸線CA2を有する排気側燃料噴射装置5Bと、を含む。
図示される実施形態では、排気側燃料噴射装置5Bは、シリンダ2の内面22にシリンダ2の径方向に対して中心軸線CA2が傾斜して設けられている。排気側燃料噴射装置5Bは、中心軸線CA2の延長方向に沿ってシリンダボア21に燃料を噴射する。中心軸線CA2の延長方向は、排気側キャビティ7の中央部を指向している。
図5は、掃気側燃料噴射装置と排気側燃料噴射装置の位置関係を説明するための説明図である。図示される実施形態では、排気側燃料噴射装置5Bは、掃気側燃料噴射装置5Aに対してシリンダ2の軸心25(シリンダ2の内面22の軸方向に直交する方向における断面の中心)を挟んで対向するようにシリンダ2の周方向にずらして配置されている。この場合には、掃気側燃料噴射装置5Aから噴射された燃料による燃焼火炎と、排気側燃料噴射装置5Bから噴射された燃料による燃焼火炎の干渉を抑制できるため、掃気側燃料噴射装置5Aおよび排気側燃料噴射装置5Bから噴射される燃料を好適に燃焼できる。或る実施形態では、排気側燃料噴射装置5Bは、掃気側燃料噴射装置5Aに対してシリンダ2の周方向に180°±5°以内にずらして配置されている。
上記の構成によれば、排気側燃料噴射装置5Bから噴射された燃料は、排気側燃料噴射装置5Bの中心軸線CA2の延長方向に沿って排気側(軸方向の他方側)に向かって流れて、排気側キャビティ7内で燃焼する。排気側燃料噴射装置5Bにより、燃料を燃焼室11の掃気側だけでなく排気側でも燃焼させることで、燃料を短期間で燃焼できるため、対向ピストンエンジン1の等容度を大きなものにすることができる。対向ピストンエンジン1の等容度を大きなものにすることで、対向ピストンエンジン1の熱効率の低下を抑制できる。
幾つかの実施形態では、図4に示されるような対向ピストンエンジン1において、上述した掃気側燃料噴射装置5Aは、上述した排気側燃料噴射装置5Bよりも燃料噴射量が多くなるように構成された。
掃気側燃料噴射装置5Aおよび排気側燃料噴射装置5Bは、電気信号の入力で内部の不図示の弁機構が作動、または機械式噴射ポンプにより高圧となった燃料により内部の不図示の弁機構が作動することで燃料を噴射するように構成されている。一実施形態では、掃気側燃料噴射装置5Aや排気側燃料噴射装置5Bの上記弁機構の開弁期間を調整することで、掃気側燃料噴射装置5Aや排気側燃料噴射装置5Bの燃料噴射量の調整が行われる。掃気側燃料噴射装置5Aや排気側燃料噴射装置5Bの上記弁機構の開弁期間の調整は、対向ピストンエンジン1が備えるエンジンコントロールユニット18が行うようにしてもよい。上記弁機構の開弁期間を長くすることで、燃料噴射量を多くすることができる。
一実施形態では、エンジンコントロールユニット18は、上記弁機構の開弁期間ではなく、掃気側燃料噴射装置5Aや排気側燃料噴射装置5Bの燃料圧力の制御を行う。掃気側燃料噴射装置5Aの燃料圧力を排気側燃料噴射装置5Bの燃料圧力よりも高めることで、掃気側燃料噴射装置5Aの燃料噴射量を排気側燃料噴射装置5Bよりも多くすることができる。
一実施形態では、掃気側燃料噴射装置5Aの噴射孔51Aの孔径を、排気側燃料噴射装置5Bの噴射孔51Bの孔径よりも大きくすることで、掃気側燃料噴射装置5Aの燃料噴射量を排気側燃料噴射装置5Bよりも多くすることができる。
上記の構成によれば、掃気側燃料噴射装置5Aおよび排気側燃料噴射装置5Bにより、燃焼室11の掃気側に燃焼室11の排気側よりも多量の燃料を噴射することで、燃料を主に燃焼室11の掃気側で燃焼させることができるため、排気側ピストン4の熱負荷を低減できる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる対向ピストンエンジン(1)は、
軸方向の一方側に掃気ポート(23)が形成されるとともに、前記軸方向の他方側に排気ポート(24)が形成されたシリンダ(2)と、
前記シリンダ(2)の内部における前記軸方向の前記一方側に配置された掃気側ピストン(3)と、
前記シリンダ(2)の内部における前記軸方向の前記他方側に配置された排気側ピストン(4)と、
前記シリンダ(2)の内部における前記掃気側ピストン(3)と前記排気側ピストン(4)との間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置(5)と、を備え、
前記排気側ピストン(4)の頂面(41)は、フラット形状に形成され、
前記掃気側ピストン(3)の頂面(31)には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティ(6)が形成され、
前記少なくとも1つの燃料噴射装置(5)は、前記シリンダ(2)の径方向の内側に向かって前記軸方向の前記一方側に傾斜した中心軸線(CA1)を有する掃気側燃料噴射装置(5A)を含む。
上記1)の構成によれば、排気側ピストン(4)の頂面(41)は、フラット形状に形成され、掃気側ピストン(3)の頂面(31)には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティ(6)が形成されている。このため、掃気側ピストン(3)と排気側ピストン(4)との間に形作られる燃焼室(11)は、掃気側が排気側よりも容積が大きい。掃気側燃料噴射装置(5A)から噴射された燃料は、掃気側燃料噴射装置(5A)の中心軸線(CA1)に沿って掃気側(軸方向の一方側)に向かって流れて、掃気側キャビティ(6)内で燃焼する。このように燃料を主に燃焼室(11)の掃気側で燃焼させることで、排気側ピストン(4)の熱負荷を低減できる。また、排気側ピストン(4)の頂面(41)をフラット形状にすることで、燃焼室(11)から排気側ピストン(4)の頂面(41
)への入熱を抑制できる。これにより、燃焼室(11)における燃焼の熱損失を抑制でき、ひいては対向ピストンエンジン(1)の熱効率の低下を抑制できる。
2)本開示の少なくとも一実施形態にかかる対向ピストンエンジン(1)は、
軸方向の一方側に掃気ポート(23)が形成されるとともに、前記軸方向の他方側に排気ポート(24)が形成されたシリンダ(2)と、
前記シリンダ(2)の内部における前記軸方向の前記一方側に配置された掃気側ピストン(3)と、
前記シリンダ(2)の内部における前記軸方向の前記他方側に配置された排気側ピストン(4)と、
前記シリンダ(2)の内部における前記掃気側ピストン(3)と前記排気側ピストン(4)との間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置(5)と、を備え、
前記排気側ピストン(4)の頂面(41)には、所定のキャビティ容積を有する排気側キャビティ(7)が形成され、
前記掃気側ピストン(3)の頂面(31)には、前記排気側キャビティ(7)よりも大きなキャビティ容積を有する掃気側キャビティ(6)が形成され、
前記少なくとも1つの燃料噴射装置(5)は、前記シリンダ(2)の径方向の内側に向かって前記軸方向の前記一方側に傾斜した中心軸線(CA1)を有する少なくとも1つの掃気側燃料噴射装置(5A)を含む。
上記2)の構成によれば、掃気側キャビティ(6)のキャビティ容積は、排気側キャビティ(7)のキャビティ容積よりも大きい。このため、掃気側ピストン(3)と排気側ピストン(4)との間に形作られる燃焼室(11)は、掃気側が排気側よりも容積が大きい。掃気側燃料噴射装置(5A)から噴射された燃料は、掃気側燃料噴射装置(5A)の中心軸線(CA1)に沿って掃気側(軸方向の一方側)に向かって流れて、掃気側キャビティ(6)内で燃焼する。このように燃料を主に燃焼室(11)の掃気側で燃焼させることで、排気側ピストン(4)の熱負荷を低減できる。また、排気側ピストン(4)の頂面(41)に排気側キャビティ(7)を形成することで、排気側ピストン(4)の頂面(41)がフラット形状の場合に比べて、燃料を短期間で燃焼できるため、対向ピストンエンジン(1)の等容度を大きなものにすることができる。対向ピストンエンジン(1)の等容度を大きなものにすることで、対向ピストンエンジン(1)の熱効率の低下を抑制できる。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載の対向ピストンエンジン(1)であって、
前記排気側キャビティ(7)は、前記排気側ピストン(4)の頂面(41)の中央部に凹んで形成され、
前記排気側ピストン(4)の頂面(41)は、前記排気側キャビティ(7)の外周縁(71)から前記軸方向に直交する方向に沿って外周側に向かって延在する排気側外周縁部(42)を含む。
上記3)の構成によれば、排気側ピストン(4)の頂面(41)は、中央部に排気側キャビティ(7)が形成されており、排気側キャビティ(7)よりも外周側に排気側外周縁部(42)が形成されている。この場合には、排気側キャビティ(7)内の燃焼火炎が、排気側外周縁部(42)に面する空間を通じて掃気側ピストン(3)や排気側ピストン(4)の外周部(33、43)へ到達することを抑制できるため、掃気側ピストン(3)や排気側ピストン(4)の外周部(33、43)の熱負荷の低減を図ることができる。
4)幾つかの実施形態では、上記1)から上記3)までの何れかに記載の対向ピストンエンジン(1)であって、
前記掃気側キャビティ(6)は、前記掃気側ピストン(3)の頂面(31)の中央部に凹んで形成され、
前記掃気側ピストン(3)の頂面(31)は、前記掃気側キャビティ(6)の外周縁(61)から前記軸方向に直交する方向に沿って外周側に向かって延在する掃気側外周縁部(32)を含む。
上記4)の構成によれば、掃気側ピストン(3)の頂面(31)は、中央部に掃気側キャビティ(6)が形成されており、掃気側キャビティ(6)よりも外周側に掃気側外周縁部(32)が形成されている。この場合には、掃気側キャビティ(6)内の燃焼火炎が、掃気側外周縁部(32)に面する空間を通じて掃気側ピストン(3)や排気側ピストン(4)の外周部(33、43)へ到達することを抑制できるため、掃気側ピストン(3)や排気側ピストン(4)の外周部(33、43)の熱負荷の低減を図ることができる。
5)幾つかの実施形態では、上記1)から上記4)までの何れかに記載の対向ピストンエンジン(1)であって、
前記少なくとも1つの燃料噴射装置(5)は、前記シリンダ(2)の径方向の内側に向かって前記軸方向の前記他方側に傾斜した中心軸線(CA2)を有する少なくとも1つの排気側燃料噴射装置(5B)をさらに含む。
上記5)の構成によれば、排気側燃料噴射装置(5B)から噴射された燃料は、排気側燃料噴射装置(5B)の中心軸線(CA2)の延長方向に沿って排気側(軸方向の他方側)に向かって流れて、排気側キャビティ(7)内で燃焼する。排気側燃料噴射装置(5B)により、燃料を燃焼室(11)の掃気側だけでなく排気側でも燃焼させることで、燃料を短期間で燃焼できるため、対向ピストンエンジン(1)の等容度を大きなものにすることができる。対向ピストンエンジン(1)の等容度を大きなものにすることで、対向ピストンエンジン(1)の熱効率の低下を抑制できる。
6)幾つかの実施形態では、上記5)に記載の対向ピストンエンジン(1)であって、
前記少なくとも1つの掃気側燃料噴射装置(5A)は、前記少なくとも1つの排気側燃料噴射装置(5B)よりも燃料噴射量が多くなるように構成された。
上記6)の構成によれば、掃気側燃料噴射装置(5A)および排気側燃料噴射装置(5B)により、燃焼室(11)の掃気側に燃焼室(11)の排気側よりも多量の燃料を噴射することで、燃料を主に燃焼室(11)の掃気側で燃焼させることができるため、排気側ピストン(4)の熱負荷を低減できる。
1,01 対向ピストンエンジン
2 シリンダ
3,03 掃気側ピストン
4,04 排気側ピストン
5 燃料噴射装置
5A 掃気側燃料噴射装置
5B 排気側燃料噴射装置
6 掃気側キャビティ
7 排気側キャビティ
11 燃焼室
12 掃気側ピストンピン
13 排気側ピストンピン
14 掃気側コネクティングロッド
15 排気側コネクティングロッド
16 クランクシャフト
17 回転軸
18 エンジンコントロールユニット
21 シリンダボア
22 内面
23 掃気ポート
24 排気ポート
25 軸心
31,031,41,041 頂面
32 掃気側外周縁部
33,43 外周部
41A フラット面
42 排気側外周縁部
51,51A,51B 噴射孔
61,71 外周縁
62,72 凹湾曲面
63,73 仮想面
CA1,CA2 中心軸線
CG 燃焼用気体
EG 排ガス
F 燃料
SF スワール流

Claims (6)

  1. 軸方向の一方側に掃気ポートが形成されるとともに、前記軸方向の他方側に排気ポートが形成されたシリンダと、
    前記シリンダの内部における前記軸方向の前記一方側に配置された掃気側ピストンと、
    前記シリンダの内部における前記軸方向の前記他方側に配置された排気側ピストンと、
    前記シリンダの内部における前記掃気側ピストンと前記排気側ピストンとの間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置と、を備え、
    前記排気側ピストンの頂面は、フラット形状に形成され、
    前記掃気側ピストンの頂面には、所定のキャビティ容積を有する掃気側キャビティが形成され、
    前記少なくとも1つの燃料噴射装置は、前記シリンダの径方向の内側に向かって前記軸方向の前記一方側に傾斜した中心軸線を有する掃気側燃料噴射装置を含む、
    対向ピストンエンジン。
  2. 軸方向の一方側に掃気ポートが形成されるとともに、前記軸方向の他方側に排気ポートが形成されたシリンダと、
    前記シリンダの内部における前記軸方向の前記一方側に配置された掃気側ピストンと、
    前記シリンダの内部における前記軸方向の前記他方側に配置された排気側ピストンと、
    前記シリンダの内部における前記掃気側ピストンと前記排気側ピストンとの間に燃料を噴射するように構成された少なくとも1つの燃料噴射装置と、を備え、
    前記排気側ピストンの頂面には、所定のキャビティ容積を有する排気側キャビティが形成され、
    前記掃気側ピストンの頂面には、前記排気側キャビティよりも大きなキャビティ容積を有する掃気側キャビティが形成され、
    前記少なくとも1つの燃料噴射装置は、前記シリンダの径方向の内側に向かって前記軸方向の前記一方側に傾斜した中心軸線を有する掃気側燃料噴射装置を含む、
    対向ピストンエンジン。
  3. 前記排気側キャビティは、前記排気側ピストンの頂面の中央部に凹んで形成され、
    前記排気側ピストンの頂面は、前記排気側キャビティの外周縁から前記軸方向に直交する方向に沿って外周側に向かって延在する排気側外周縁部を含む、
    請求項2に記載の対向ピストンエンジン。
  4. 前記掃気側キャビティは、前記掃気側ピストンの頂面の中央部に凹んで形成され、
    前記掃気側ピストンの頂面は、前記掃気側キャビティの外周縁から前記軸方向に直交する方向に沿って外周側に向かって延在する掃気側外周縁部を含む、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の対向ピストンエンジン。
  5. 前記少なくとも1つの燃料噴射装置は、前記シリンダの径方向の内側に向かって前記軸方向の前記他方側に傾斜した中心軸線を有する排気側燃料噴射装置をさらに含む、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の対向ピストンエンジン。
  6. 前記掃気側燃料噴射装置は、前記排気側燃料噴射装置よりも燃料噴射量が多くなるように構成された、
    請求項5に記載の対向ピストンエンジン。
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