JP2022120248A - ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 - Google Patents
ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022120248A JP2022120248A JP2021017024A JP2021017024A JP2022120248A JP 2022120248 A JP2022120248 A JP 2022120248A JP 2021017024 A JP2021017024 A JP 2021017024A JP 2021017024 A JP2021017024 A JP 2021017024A JP 2022120248 A JP2022120248 A JP 2022120248A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- cells
- chain
- virus
- viral infection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
Description
特許文献1には、所定の化合物を含有する細胞凝集抑制剤が記載されている。
[2] 後述する式1中のYの親水性高分子がポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載のウィルス感染抑制剤。
[3] 上記親水性高分子の重量平均分子量が4400以上である、[1]又は[2]に記載のウィルス感染抑制剤。
[4] 後述する式1中のYの高分子鎖の鎖長が4.9nm以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のウィルス感染抑制剤。
[5] 細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞からなる群より選択される少なくとも一方と、液体媒体とを含有する対象物に、[1]~[4]のいずれかに記載のウィルス感染抑制剤を添加する、細胞へのウィルス感染抑制方法。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「(ポリ)オキシアルキレン」はポリオキシアルキレン及びオキシアルキレンの双方、又は、いずれかを表す。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、後述する式1で表される化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)を含有する。
図1は、細胞に固定された特定化合物を表す模式図である。図1の記載のとおり、疎水性部位2と、親水性部位3とを有する特定化合物は、液体媒体と細胞1とを含有する混合物中に添加されると、細胞膜側に疎水性部位が固定され、細胞の外側(液体媒体側)に親水性部位が張り出す形態となる。
なお、ウィルス感染抑制剤は、特定化合物の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤が、2種以上の特定化合物を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
式1中、Xで表される疎水性部位は、ステロール、及び、ステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基(以下、「置換基A」ともいう)、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基、及び、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、置換基A、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、及び、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、置換基A、及び、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、置換基Aが更に好ましい。
置換基Aはステロール、及び、ステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基である。
本明細書において、ステロール誘導体とは、ステロイド核を有し、かつ、ステロイド核の3位の炭素原子にヒドロキシ基が結合されてなり、かつ、ステロイド核の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1個が、任意の1価の基で置換された化合物を意味し、1価の基としては特に制限されないが、後述する置換基Wが挙げられ、なかでも、炭化水素基、ヒドロキシ基、及び、ハロゲン原子等が好ましい。
また、上記ステロイド核の炭素原子に結合した水素原子は1価の基で置換されていてもよく、1価の基としては後述する置換基Wが挙げられる。
コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレスタノール、コプロスタノール、エピコプロステロール、エピコプロスタノール、22-デヒドロコレステロール、デスモステロール、24-メチレンコレステロール、ラノステロール、24,25-ジヒドロラノステロ-ル、ノルラノステロ-ル、スピナステロール、ジヒドロアグノステロール、アグノステロール、ロフェノール、及び、ラトステロール等の動物性ステロール;
デヒドロエルゴステロール、22,23-ジヒドロエルゴステロール、エピステロール、アスコステロール、及び、フェコステロール等の菌類性ステロール等;
が挙げられる。
特に制限されないが、Yが置換基Aである場合の特定化合物としては、例えば、以下の式(3)で表される化合物が好ましい。
式3中、Lbは、単結合、又は、-C(O)-であり、Lcは、単結合、又は、m+1価の基であり、Lcのm+1価の基の形態は、式1中のLと同様である。
また、*は、結合位置を表す。
直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基としては、直鎖状の炭素数8以上のアルキル基が好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基としては、直鎖状の炭素数8以上のアルケニル基が好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基としては、直鎖状の炭素数8以上のアルキニル基が好ましい。
式1中、Lは、n+m(nとmの和)が2のとき、単結合、又は、2価の基である。n+mが3以上のとき、Lはn+m価の基である。
L3としては、3価の炭化水素基(炭素数1~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、3価の複素環基(5員環~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L3の具体例としては、グリセリン残基、トリメチロールプロパン残基、フロログルシノール残基、及びシクロヘキサントリオール残基等が挙げられる。
なお、L4の好適形態としては、4価の炭化水素基(炭素数1~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、4価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L4の具体例としては、ペンタエリスリトール残基、及びジトリメチロールプロパン残基等が挙げられる。
なお、L5の好適形態としては、5価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、5価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L5の具体例としては、アラビニトール残基、フロログルシドール残基、及びシクロヘキサンペンタオール残基等が挙げられる。
なお、L6の好適形態としては、6価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、6価の複素環基(6~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。L6の具体例としては、マンニトール残基、ソルビトール残基、ジペンタエリスリトール残基、ヘキサヒドロキシベンゼン、及び、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン残基等が挙げられる。
また、Lが7価以上の基である場合には、式1a~式1dで表した基を組み合わせた基を用いることができる。
式1中、Yは親水性部位であり、水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な長さが、4.5nm以上の親水性高分子からなる高分子鎖である。なお、本明細書において、「親水性高分子からなる高分子鎖」とは、親水性高分子がLと結合して得られた特定化合物における部分構造を意味し、親水性高分子におけるLとの結合位置としては特に制限されないが、例えば、親水性高分子の末端が挙げられる。
親水性基の種類は特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及び、スルホン酸基のアルカリ金属塩等が挙げられる。
なお、ポリ(メタ)アクリル酸エステルとは、ポリアクリル酸エステル及びポリメタアクリル酸エステルの両方を含む概念である。
ポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンは、ほとんどの生体分子との相互作用が弱く、ウイルスとの相互作用も弱いと推測される。そのため、ウイルスの種類によらず、より優れた感染抑制作用が得られやすいものと推測される。
鎖長は、4.5nm以上であれば特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、4.9nm以上が好ましく、7.0nm以上がより好ましく、7.3nm以上が更に好ましく、10nm以上が特に好ましく、10.9nm以上が最も好ましい。
なお、親水性高分子の鎖長を調整する方法としては特に制限されないが、親水性高分子の一次構造、及び、分子量等により調整することができ、その方法は当業者にとって公知である。
分子量の上限値としては特に制限されないが、一般に、200000以下が好ましく、100000以下がより好ましい。
なお、本明細書において分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定した重量平均分子量を意味する。
特定化合物は公知の方法で合成することができ、また、sigma社、nanocs社Biochempeg社、及び、Avanti Polar Lipids社製の市販品を用いることもできる。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、本発明の効果を奏する範囲内において、特定化合物以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては特に制限されないが、緩衝化剤、及び、キレート剤等が挙げられる。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、緩衝化剤を含有していてもよい。
ウィルス感染抑制剤中における緩衝化剤の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、一般にウィルス感染抑制剤の全質量に対して、0.001~99質量%が好ましい。なお、ウィルス感染抑制剤は、緩衝化剤の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤が、2種以上の緩衝化剤を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、キレート剤を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤におけるキレート剤の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、一般にウィルス感染抑制剤の全質量に対して、0.001~99質量%が好ましい。なお、ウィルス感染抑制剤は、キレート剤の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤が、2種以上のキレート剤を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン-N,N′-ジコハク酸、及び、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸等のアミノカルボン酸系;
カルボキシメチルタルトロン酸(CMT)、及び、カルボキシメチルオキシコハク酸(CMOS)等のエーテルカルボン酸系;
等が挙げられる。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、細胞にウィルスが付着するのを抑制する目的で、液体媒体に本ウィルス感染抑制剤を分散させたものを組織等に添加して用いることができる。また、組織等に液体媒体を加えたものに添加することもできる。また、予め液体媒体に本ウィルス感染抑制剤を分散させ、ここに組織等を添加してもよい。本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤を用いることで、各細胞表面へのウィルスの付着を抑制することができる。
従って、本発明の実施形態に係るウイルス感染抑制剤の添加により、外部溶液中におけるウイルスの細胞への付着を抑制するとともに、すでにウイルス感染を起こした細胞から出芽するウイルスが隣接・接着する細胞へ細胞間感染を引き起こす事を抑制することができる。
置換基Wとしては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、及び、ペンタデシル等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、及び、シクロヘキシル等)、アルケニル基(例えば、ビニル、及び、アリル等)、アルキニル基(例えば、エチニル、及び、プロパルギル等)、芳香族炭化水素環基(芳香族炭素環、アリール等ともいい、例えば、フェニル、p-クロロフェニル、メシチル、トリル、キシリル、ナフチル、アントリル、アズレニル、アセナフテニル、フルオレニル、フェナントリル、インデニル、ピレニル、及び、ビフェニリル等)、芳香族へテロ環基(5又は6員環の芳香族へテロ環基が好ましく、また環構成ヘテロ原子は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ホウ素、及び、セレン原子が好ましく、例えば、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、トリアゾリル(例えば、1,2,4-トリアゾール-1-イル、及び、1,2,3-トリアゾール-1-イル等)、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、チエニル、キノリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾチエニル、インドリル、カルバゾリル、カルボリニル、ジアザカルバゾリル(上記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル、ピリダジニル、トリアジニル、キナゾリニル、フタラジニル、ボロール、アザボリン等)、ヘテロ環基(芳香族でないヘテロ環基で、飽和環であっても不飽和環であってもよく、5又は6員環が好ましく、また環構成ヘテロ原子は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、又は、セレン原子が好ましく、例えば、ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2-ピリジルアミノスルホニル等)、
これらの各基は、更に置換基を有していてもよく、この置換基としては上記の置換基が挙げられる。例えば、アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基、アルキル基にヒドロキシ基が置換したヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、置換基Wが更に複数の置換基を有する場合、複数の置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制方法は、細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞からなる群より選択される少なくとも一方と、液体媒体と、を含有する対象物に、上記のウィルス感染抑制剤を添加する、細胞へのウィルス感染抑制方法である。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制方法が適用できる組織等としては特に制限されず、生体器官から採取された組織(気管支、鼻腔、及び、咽頭等)であってもよいし、培養された細胞又は組織であってもよいし、生体器官そのものであってもよい。
なお、ウィルス感染抑制剤の添加量としては特に制限されないが、一般に、対象物中において、0.1nM~10mMが好ましい。
特定化合物は、いずれもBiochempegから購入した。特定化合物は以下の式で表される化合物であり、使用した特定化合物とその鎖長とが表1に示されている。なお、以下では、各特定化合物をあわせてPEG-CLSといい、高分子鎖(PEG鎖)の重量平均分子量により、「PEG-2000CLS」等と呼ぶものとする。
・レンチウイルス
理研バイオリソース研究センター(RIKEN BRC)からpCAG-HIVgp、pCMV-VSV-G-RSV-Rev(これらのVSV-GをHCV E1E2に組み替えたもの)、及び、AddgeneからpLV-eGFP(又はpLenti CMV Puro LUC)を入手した。これらのプラスミドベクターをポリエチレンイミンを用いてDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地中で培養中のHEK293T細胞にトランスフェクションし、その48時間後に培地溶液からレンチウイルスを回収した。
レンチウイルス(又はその組み替え体)の回収溶液は、0.22μmのフィルターにより夾雑物をろ過した後に、必要に応じてPEG8000による共沈法又は超遠心法により濃縮し、ディープフリーザー内で-80℃で保管した。
AddgeneからAAV-GFP、pAAV2/2、pAdDeltaF6を入手した。これらのプラスミドベクターをポリエチレンイミンを用いてDMEM培地中で培養中のHEK293T細胞にトランスフェクションし、48時間後に培地溶液と細胞破砕液からアデノ随伴ウィルスを回収した。
RIKEN BRCからAx1-CA-gfpを入手した。これをDMEM培地中で培養中のHEK293T細胞に感染させて増幅し、48時間後に培地溶液と細胞破砕液から回収した。
アデノ随伴ウイルス、及び、アデノウイルスは各粗抽出液をそのまま、又は、必要に応じて塩化セシウムを用いた密度勾配遠心法により精製し濃縮した後に-80℃で保管した。
レンチウイルスの外殻にVSV-GではなくHCV(C型肝炎ウイルス)のE1-E2分子を発現するものは、Hek293T細胞にヒトOccludin遺伝子をトランスフェクションにより導入した細胞に感染させた。
アデノウイルスはHek293T細胞に感染させた。アデノ随伴ウイルスはHek293T細胞に感染させた。
・浮遊細胞、又は、剥離した接着細胞
Jurkat細胞等の浮遊細胞、及び、Hek293T細胞等の接着細胞をEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)を含むPBS(phosphate-buffered saline)の存在下で浮遊させた細胞;Hek293T細胞等の接着細胞をトリプシンによる短時間の酵素処理で浮遊させた細胞;マイクロプレートに1日間培養した後に必要な遺伝子をプラスミドベクターのトランスフェクションにより導入して更に1日間培養した~80%コンフルエントとなったHek293T細胞等の接着細胞をEDTAを含むPBSの存在下で剥離させた細胞;をそれぞれ準備し、1.5×106 cells/mLの濃度で懸濁した。
24ウェルマイクロプレートに1日間培養したHek293T細胞等の接着細胞;24ウェルマイクロプレートに1日間培養した後に必要な遺伝子をプラスミドベクターのトランスフェクションにより導入して更に1日間培養した~80%コンフルエントとなったHek293T細胞等の接着細胞;これらの細胞懸濁液の培地の液量を200μLまで減少させた後に終濃度0.01~25μMのPEG-CLSを添加し5%CO2存在下で37℃において30分間インキュベーションした後に、感染細胞の割合が~20%となるように、予め計測してあるストック液の力価を基に適宜希釈したウイルスを添加し、5%CO2存在下において、37℃で3時間感染させた。
その後ウイルスとPEG-CLSを含む培地を除き500μLの新鮮培地を添加して2日間細胞を培養した後、細胞へのウイルス感染を遺伝子発現(GFPの蛍光または発現するルシフェラーゼ酵素の活性)によって定量した。
・フローサイトメトリー
GFP遺伝子を含むウイルスを感染させた細胞は培養期間後に培養プレートから回収してPBS溶液に懸濁した後、フローサイトメトリーにてGFPタンパクの発現量を計測することで感染を計測した。GFP蛍光の平均強度を感染量として計測するか、又は、無感染細胞の蛍光値をしきい値としてそれ以上の蛍光値を示す細胞をGFP発現細胞すなわち感染細胞としてその割合を感染量として計測した。
ルシフェラーゼ遺伝子含むウイルスを感染させた接着細胞は、接着状態のままで培養プレートウェル内をPBSで洗浄して培地溶液を除いた後、界面活性剤等を含むPassive Lysis Buffer(プロメガ社 Dual-Luciferase Reporter Assay System)をそれぞれ添加して、室温、15分以上振盪状態でインキュベーションした。
PEG-CLSが導入された細胞の変形を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。1.5×106 cells/mLのHek293T細胞について、PEG-CLSを含まない試料、25μMのPEG-2000CLS、又は、PEG-20000CLSを含む試料を37℃、1時間インキュベーションした後に、以下の方法で固定しSEMで観察した。
PEG-CLSが導入された細胞の変形を蛍光顕微鏡を用いて観察した。
1μg/mLのカルセインーAMを含む存在下RPMI培地中にて、1.5×106cells/mLのJurkat細胞に、PEG-CLSを含まない試料、25μMのPEG-2000CLSを含む試料、及び、PEG-20000CLSを含む試料を、37℃、1時間インキュベーションした後に蛍光顕微鏡にて細胞を撮影し、その後15分、15分、2時間と計3回RPMI培地で洗浄して液中、又は、細胞結合するPEG-CLS濃度を低下させた後に再度細胞を蛍光顕微鏡にて撮影した。
蛍光顕微鏡画像はImageJ(ソフトウェア、NIH)で解析し、各細胞のRoundnessを4×area/(π X major-axis2)として計算した。
図2は、PEG-CLSを結合したHek293T細胞のSEM像である。蛍光顕微鏡写真解析から見出された細胞の膨張の様子を高倍率で観察した。図2の結果から、PEG-CLSの導入の如何に関わらず、細胞表面には、ウイルスの接着を妨害するような構造体を観察することはできなかった。すなわち、ウイルスの感染抑制が、電子顕微鏡SEMの解像度よりも小さい構造体(分子)によりなされていることを示唆された。また鎖長の異なるPEG-2000CLS、PEG-20000CLSについても、構造的な差は、SEM像からは見出されなかった。なお、図2中、「2KPEG-CLS]は「PEG-2000CLS」を、20KPEG-CLSは「PEG-20000CLS」を表す。
数値が1.00以下のものは、ウィルスの感染が抑制されたことを表している。
数値が1.00以下のものは、ウィルスの感染が抑制されたことを表している。
表4の結果から、PEG-CLSはレンチウイルスに対する感染抑制作用を有することがわかった。
表5の結果から、PEG-CLSはアデノ随伴ウィルスに対する感染抑制作用を有することがわかった。
Jurkat細胞等の浮遊細胞、及び、Hek293T細胞等の接着細胞をEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)を含むPBS(phosphate-buffered saline)の存在下で浮遊させた細胞;Hek293T細胞等の接着細胞をトリプシンによる短時間の酵素処理で浮遊させた細胞;マイクロプレートに1日間培養した後に必要な遺伝子をプラスミドベクターのトランスフェクションにより導入して更に1日間培養した~80%コンフルエントとなったHek293T細胞等の接着細胞をEDTAを含むPBSの存在下で剥離させた細胞;をそれぞれ準備し、1.5×106cells/mLの濃度で懸濁した。
数値が1.00以下のものは、ウィルスの感染が抑制されたことを表している。
2 疎水性部位
3 親水性部位
4 ウィルス
Claims (5)
- 下記式1で表される化合物を含有し、細胞へのウィルス付着を抑制することで、細胞へのウィルス感染を抑制する、ウィルス感染抑制剤であって、
式1中、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Xは、ステロール及びステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基、並びに、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、複数あるXは同一でも異なってもよく、複数あるXは互いに連結して環を形成していてもよく、Yは、水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な鎖長が、4.5nm以上の親水性高分子からなる高分子鎖であり、複数あるYは同一でも異なってもよく、n+mが2のとき、Lは単結合、又は、2価の基であり、n+mが3以上のとき、Lはn+m価の基である、ウィルス感染抑制剤。 - 前記親水性高分子がポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のウィルス感染抑制剤。
- 前記親水性高分子の重量平均分子量が4400以上である、請求項1又は2に記載のウィルス感染抑制剤。
- 前記鎖長が4.9nm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のウィルス感染抑制剤。
- 細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞からなる群より選択される少なくとも一方と、液体媒体とを含有する対象物に、請求項1~4のいずれか1項に記載のウィルス感染抑制剤を添加する、細胞へのウィルス感染抑制方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021017024A JP7701713B2 (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2021017024A JP7701713B2 (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2022120248A true JP2022120248A (ja) | 2022-08-18 |
| JP7701713B2 JP7701713B2 (ja) | 2025-07-02 |
Family
ID=82849271
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2021017024A Active JP7701713B2 (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP7701713B2 (ja) |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011500755A (ja) * | 2007-10-22 | 2011-01-06 | イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー | ウイルス融合のインヒビターのコレステロール誘導体 |
| JP2014510754A (ja) * | 2011-03-28 | 2014-05-01 | ユニヴァーシティー オブ ユタ リサーチ ファウンデーション | ウイルス侵入の阻害に関する方法および組成物 |
| JP2020048446A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 細胞凝集抑制剤、細胞凝集抑制方法、細胞分散方法、及び、細胞分析方法 |
-
2021
- 2021-02-05 JP JP2021017024A patent/JP7701713B2/ja active Active
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011500755A (ja) * | 2007-10-22 | 2011-01-06 | イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー | ウイルス融合のインヒビターのコレステロール誘導体 |
| JP2014510754A (ja) * | 2011-03-28 | 2014-05-01 | ユニヴァーシティー オブ ユタ リサーチ ファウンデーション | ウイルス侵入の阻害に関する方法および組成物 |
| JP2020048446A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 細胞凝集抑制剤、細胞凝集抑制方法、細胞分散方法、及び、細胞分析方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP7701713B2 (ja) | 2025-07-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP7286078B2 (ja) | 細胞凝集抑制剤、細胞凝集抑制方法、細胞分散方法、及び、細胞分析方法 | |
| CN102241790B (zh) | 一种两亲性壳聚糖衍生物及其制备方法和应用 | |
| CN104043137B (zh) | 基于介孔二氧化硅的肠道靶向磁共振造影剂及其制备方法 | |
| CN110514489B (zh) | 一种用于癌症监测的特异性全血捕获循环肿瘤细胞的生物涂层及其制备方法 | |
| CN106289927A (zh) | 一种从肿瘤细胞上清中分离微囊泡及其外泌体的方法 | |
| CN108904447A (zh) | 一种肝肿瘤靶向载体材料、胶束制剂及其制备方法 | |
| CN111393640B (zh) | 单宁酸修饰聚乙烯亚胺化合物及其制备方法以及基因载体 | |
| US9427408B2 (en) | Silica-matrix forming compositions, materials formed therefrom, and methods of using the same | |
| JP7701713B2 (ja) | ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 | |
| CN109771669B (zh) | 一种多巴胺功能化纳米银粒子的dna释放载体及其制备方法 | |
| CN107375952A (zh) | T1/t2双弛豫铂‑氧化铁‑金纳米颗粒及制备方法 | |
| CN114652819B (zh) | 一种靶向肿瘤微环境可降解的多功能纳米材料及其制备方法 | |
| CN102701186A (zh) | 一种水溶性碳纳米管及其制备应用方法 | |
| CN111317714A (zh) | 一种二氢杨梅素纳米乳液的制备 | |
| CN113876716B (zh) | 一种治疗胃肠道疾病的生物粘附性纳米粒及其制备方法 | |
| CN117695405A (zh) | 一种包裹核酸药物的多肽递送系统及其应用 | |
| CN108126207A (zh) | 氧化石墨烯靶向药物载体材料及其制备方法和应用 | |
| CN113955762B (zh) | 一种介孔硅纳米材料及其制备方法和应用 | |
| CN113866073B (zh) | 用于高效捕获癌细胞的酶敏感纳米材料及制备方法和应用 | |
| CN115745830A (zh) | 联萘二甲酸衍生物及其制备方法和应用 | |
| CN104208709A (zh) | 一种脑靶向水溶性药物负载及其制备方法与应用 | |
| CN108743951A (zh) | 一种pH响应可降解中空介孔有机硅纳米粒子的制备方法 | |
| EP3865555A1 (en) | Light-emitting colorant-containing particle, and labeling agent for pathological diagnosis | |
| WO2022234721A1 (ja) | 蛍光色素含有ナノ粒子及びその製造方法 | |
| CN110464848A (zh) | 人工抗原递呈细胞及其制备方法与应用 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20231128 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20241030 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20241126 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20250121 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20250415 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20250528 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20250610 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20250613 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7701713 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |















