JP2022120248A - ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 - Google Patents

ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022120248000001
【課題】細胞に対するウィルスの感染を抑制できる、ウィルス感染抑制剤の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物を含有し、細胞1へのウィルス4付着を抑制することで、細胞へのウィルス感染を抑制する、ウィルス感染抑制剤。
Figure 2022120248000016

(式中、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Xは疎水性部位2であり、Yは、鎖長が、4.5nm以上の親水性高分子からなる高分子鎖である、親水性部位3であり、n+mが2のとき、Lは単結合、又は、2価の基であり、n+mが3以上のとき、Lはn+m価の基である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウィルス感染抑制剤、及び、細胞へのウィルス感染抑制方法に関する。
細胞培養物、及び、生体器官等から採取された試料中においては、複数の細胞が凝集して細胞塊を形成している場合がある。このような細胞塊を含有する試料をフローサイトメーター等を用いて測定する場合には、細胞塊を分散させる処理、及び/又は、分散処理後の細胞が再凝集しないよう維持する処理等が必要になることがある。
特許文献1には、所定の化合物を含有する細胞凝集抑制剤が記載されている。
特開2020-48446号公報
本発明は、細胞に対するウィルスの感染を抑制できる、ウィルス感染抑制剤を提供することを課題とする。また、本発明は、細胞へのウィルス感染抑制方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 後述する式1で表される化合物を含有し、細胞へのウィルス付着を抑制することで、細胞へのウィルス感染を抑制する、ウィルス感染抑制剤。
[2] 後述する式1中のYの親水性高分子がポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載のウィルス感染抑制剤。
[3] 上記親水性高分子の重量平均分子量が4400以上である、[1]又は[2]に記載のウィルス感染抑制剤。
[4] 後述する式1中のYの高分子鎖の鎖長が4.9nm以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のウィルス感染抑制剤。
[5] 細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞からなる群より選択される少なくとも一方と、液体媒体とを含有する対象物に、[1]~[4]のいずれかに記載のウィルス感染抑制剤を添加する、細胞へのウィルス感染抑制方法。
本発明によれば、細胞に対するウィルスの感染を抑制できる、ウィルス感染抑制剤が提供できる。また、本発明によれば、細胞へのウィルス感染抑制方法も提供できる。
細胞に固定された特定化合物を表す模式図である。 PEG-CLSを結合したHek293T細胞の走査型電子顕微鏡像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(ポリ)オキシアルキレン」はポリオキシアルキレン及びオキシアルキレンの双方、又は、いずれかを表す。
[ウィルス感染抑制剤]
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、後述する式1で表される化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)を含有する。
Figure 2022120248000002
式1中、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Xは、ステロール及びステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基、並びに、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、複数あるXは同一でも異なってもよく、複数あるXは互いに連結して環を形成してもよく、Yは、水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な長さが、4.5nm以上の親水性高分子からなる高分子鎖であり、n+mが2のとき、Lは単結合、又は、2価の基であり、n+mが3以上のとき、Lはn+m価の基である。
上記ウィルス感染抑制剤は、細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞(以下、「組織等」ともいう。)に添加して用いることができる。なかでも、組織等に液体媒体を加えたものに添加することが好ましい。また、予め液体媒体に本ウィルス感染抑制剤を分散させ、ここに組織等を添加する方法も好ましい。
特定化合物中、式1のXで表される部位(以下、「疎水性部位」ともいう。)は、細胞が有する細胞膜との親和性が高い。言い換えれば、上記の疎水性部位は細胞膜に吸着しやすく、及び/又は、細胞膜と結合しやすい。つまり、特定化合物は、疎水性部位をアンカーとして細胞膜に固定されやすい。
特定化合物は、式1のYで表される部位(以下、「親水性部位」ともいう。)も有する。
図1は、細胞に固定された特定化合物を表す模式図である。図1の記載のとおり、疎水性部位2と、親水性部位3とを有する特定化合物は、液体媒体と細胞1とを含有する混合物中に添加されると、細胞膜側に疎水性部位が固定され、細胞の外側(液体媒体側)に親水性部位が張り出す形態となる。
この親水性部位が水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な長さが、4.5nm以上の親水性高分子からなると、驚くべきことに、細胞膜へのウィルス4の付着を抑制する効果が得られる。一方、4.5nm未満であると、十分な効果は得られない。
なお、上記鎖長は、水溶液中において、ポリマーの両端にそれぞれ結合させた、蛍光共鳴移動が起こり得る蛍光特性をもつ蛍光色素のペアの間における蛍光共鳴移動の効率をポリマーの長さを変えて計測し、蛍光共鳴移動効率の理論計算式からポリマー末端間の距離を算出する方法で得られた値を意味する。
ウィルス感染抑制剤中における特定化合物の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、一般にウィルス感染抑制剤の全質量に対して、0.01~99.9質量%が好ましい。
なお、ウィルス感染抑制剤は、特定化合物の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤が、2種以上の特定化合物を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
式1中、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数であり、特に制限されないが、それぞれ独立に1~5が好ましく、1~3がより好ましく、1又は2が更に好ましい。
なかでも、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、特定化合物としては、式1A:(X)-L1a-Yで表される化合物が好ましい。なお、式1A中、n、X、及び、Yは、式1中のそれぞれの記号と同義である。また、L1aはn+1価の基であり、その形態としては、式1中のLと同様である。
<疎水性部位>
式1中、Xで表される疎水性部位は、ステロール、及び、ステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基(以下、「置換基A」ともいう)、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基、及び、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、置換基A、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、及び、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、置換基A、及び、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、置換基Aが更に好ましい。
(置換基A)
置換基Aはステロール、及び、ステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基である。
本明細書において、ステロール誘導体とは、ステロイド核を有し、かつ、ステロイド核の3位の炭素原子にヒドロキシ基が結合されてなり、かつ、ステロイド核の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1個が、任意の1価の基で置換された化合物を意味し、1価の基としては特に制限されないが、後述する置換基Wが挙げられ、なかでも、炭化水素基、ヒドロキシ基、及び、ハロゲン原子等が好ましい。
置換基Aとしては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、以下の式2で表される化合物から任意の水素原子を1つ除いた1価の基であることが好ましい。
Figure 2022120248000003
式2中、環A~Dは飽和又は不飽和のステロイド核を表し、式2中、Rは水素原子、又は、1価の基であり、1価の基としては特に制限されないが、後述する置換基Wが挙げられ、なかでも、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基がより好ましく、直鎖状、分岐鎖状、又は、環状のアルキル基がより好ましく、アルキル基の炭素数としては特に制限されないが、1~20個が好ましく、2~10個がより好ましく、3~8個が更に好ましい。
また、上記ステロイド核の炭素原子に結合した水素原子は1価の基で置換されていてもよく、1価の基としては後述する置換基Wが挙げられる。
より具体的には、式2で表される化合物としては、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、22-デヒドロカンペステロール、スチグマステロール、スチグマスタノール、22-ジヒドロスピナステロール、22-デヒドロスチグマスタノール、7-デヒドロスチグマステロール、シトステロール、チルカロール、オイホール、フコステロール、イソフコステロール、コジステロール、クリオナステロール、ポリフェラステロール、クレロステロール、22-デヒドロクレロステロール、フンギステロール、コンドリラステロール、アベナステロール、ベルノステロール、及び、ポリナスタノール等のフィトステロール;
コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレスタノール、コプロスタノール、エピコプロステロール、エピコプロスタノール、22-デヒドロコレステロール、デスモステロール、24-メチレンコレステロール、ラノステロール、24,25-ジヒドロラノステロ-ル、ノルラノステロ-ル、スピナステロール、ジヒドロアグノステロール、アグノステロール、ロフェノール、及び、ラトステロール等の動物性ステロール;
デヒドロエルゴステロール、22,23-ジヒドロエルゴステロール、エピステロール、アスコステロール、及び、フェコステロール等の菌類性ステロール等;
が挙げられる。
式2で表される化合物と、式1のLとの結合位置としては特に制限されないが、ステロイド核の3位の炭素原子に結合したヒドロキシ基が好ましい。ヒドロキシ基とLとの結合は、例えば、エーテル結合、エステル結合、及び、アミド結合等により容易に形成可能である。
特に制限されないが、Yが置換基Aである場合の特定化合物としては、例えば、以下の式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2022120248000004
式3中、環A~D、及び、Rは式2中の各記号と同義である。また、式3中、Y及びmは、式1中の各記号と同義である。
式3中、Lは、単結合、又は、-C(O)-であり、Lは、単結合、又は、m+1価の基であり、Lのm+1価の基の形態は、式1中のLと同様である。
なかでも、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、ステロール、及び、ステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基としては、以下の式3で表される基が好ましい。
Figure 2022120248000005
式4中、Rは水素原子、又は、1価の基であり、1価の基としては特に制限されないが、後述する置換基Wが挙げられ、なかでも、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、ヘテロ原子を有していてもよい1価の炭化水素基がより好ましく、直鎖状、分岐鎖状、又は、環状のアルキル基がより好ましく、アルキル基の炭素数としては特に制限されないが、1~20個が好ましく、2~10個がより好ましく、3~8個が更に好ましい。
また、*は、結合位置を表す。
疎水性部位が、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基である場合、炭素数としては特に制限されないが、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、13以上が更に好ましく、14以上が特に好ましく、15以上が最も好ましい。なお、炭素数の上限としては特に制限されないが、一般に30個以下が好ましく、24個以下がより好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基としては、直鎖状の炭素数8以上のアルキル基が好ましい。
疎水性部位が、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基である場合、炭素数としては特に制限されないが、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、13以上が更に好ましく、14以上が特に好ましく、15以上が最も好ましい。なお、炭素数の上限としては特に制限されないが、一般に30個以下が好ましく、24個以下がより好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基としては、直鎖状の炭素数8以上のアルケニル基が好ましい。
疎水性部位が、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基である場合、炭素数としては特に制限されないが、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、13以上が更に好ましく、14以上が特に好ましく、15以上が最も好ましい。なお、炭素数の上限としては特に制限されないが、一般に30個以下が好ましく、24個以下がより好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基としては、直鎖状の炭素数8以上のアルキニル基が好ましい。
<L>
式1中、Lは、n+m(nとmの和)が2のとき、単結合、又は、2価の基である。n+mが3以上のとき、Lはn+m価の基である。
Lの2価の基としては特に制限されないが、例えば、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-NR-(Rは水素原子又は1価の有機基を表す)、-O-P(O)(OH)-、-O-P(O)(O)-、アルキレン基(炭素数1~10個が好ましい)、シクロアルキレン基(炭素数3~10個が好ましい)、アルケニレン基(炭素数2~10個が好ましい)、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。なお、Mは対イオンであり、Na及びNH 等が挙げられる。
Lの3価以上の基としては、特に制限されないが、例えば、以下の式(1a)~(1d)で表される基が挙げられる。
Figure 2022120248000006
式1a中、Lは3価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、3個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
としては、3価の炭化水素基(炭素数1~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、3価の複素環基(5員環~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、グリセリン残基、トリメチロールプロパン残基、フロログルシノール残基、及びシクロヘキサントリオール残基等が挙げられる。
式1b中、Lは4価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、4個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、Lの好適形態としては、4価の炭化水素基(炭素数1~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、4価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、ペンタエリスリトール残基、及びジトリメチロールプロパン残基等が挙げられる。
式1c中、Lは5価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、5個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、Lの好適形態としては、5価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、5価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、アラビニトール残基、フロログルシドール残基、及びシクロヘキサンペンタオール残基等が挙げられる。
式1d中、Lは6価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、6個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、Lの好適形態としては、6価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、6価の複素環基(6~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、マンニトール残基、ソルビトール残基、ジペンタエリスリトール残基、ヘキサヒドロキシベンゼン、及び、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン残基等が挙げられる。
式1a~式1d中、T~Tで表される2価の基の具体例及び好適形態は、すでに説明したLの2価の基と同様であってよい。
また、Lが7価以上の基である場合には、式1a~式1dで表した基を組み合わせた基を用いることができる。
<親水性部位>
式1中、Yは親水性部位であり、水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な長さが、4.5nm以上の親水性高分子からなる高分子鎖である。なお、本明細書において、「親水性高分子からなる高分子鎖」とは、親水性高分子がLと結合して得られた特定化合物における部分構造を意味し、親水性高分子におけるLとの結合位置としては特に制限されないが、例えば、親水性高分子の末端が挙げられる。
本明細書において親水性高分子とは、親水性基を有する高分子を意味する。
親水性基の種類は特に制限されず、例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック又はランダム結合したポリオキシアルキレン基)、アミノ基、カルボキシ基、カルボキシ基のアルカリ金属塩、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、スルホン酸基、及び、スルホン酸基のアルカリ金属塩等が挙げられる。
親水性高分子の主鎖の構造は特に制限されず、例えば、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、及び、ポリウレア等が挙げられる。
なお、ポリ(メタ)アクリル酸エステルとは、ポリアクリル酸エステル及びポリメタアクリル酸エステルの両方を含む概念である。
また、親水性高分子は、タンパク質(糖タンパク質)であってもよい。タンパク質としては、ウイルスと結合する、あるいはウイルス外殻の分子を活性化させる、などしてウイルスの細胞への感染を誘導する機能がない分子であれば、特に制限されない。すなわち、親水性高分子として用いることができるタンパク質は、ウイルスの細胞への結合・感染を誘導するタンパク質とは異なるタンパク質である。または細胞内でその遺伝子から発現した場合においてウイルスの感染を誘導するタンパク質分子であっても、疎水基を付加した両親媒性分子として細胞培養液中に添加して細胞膜に結合した場合にウイルス感染を誘導しない分子であれば、制限されない。
一般に、細胞へのウイルスの感染には、タンパク質等の細胞膜発現分子が関与していると推測される。この関与の形態には、例えば、ウイルス外殻に発現するタンパク質と親和性を持ち結合する特定の細胞表面のタンパク質等の分子、すなわちレセプター、及び、ウイルス外殻に発現するタンパク質の一部を切断して細胞表面のタンパク質に結合できる形へ変形する機能を持つタンパク質、すなわちプロテアーゼ;等があると推測される。
上記のいずれの場合であっても、本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤を導入すると、所定の鎖長を有する親水性高分子が立体的に細胞膜表面上から突き出す構造が形成されることにより、近接する細胞とウイルスの表面間の距離が拡大し、これらの細胞膜上のタンパク質等分子がウイルス外殻上の分子と相互作用して機能する頻度が減少する、すなわち細胞膜表面上から突き出す親水性高分子による立体斥力が生じていると推測される。
親水性高分子としては、例えば、合成高分子、タンパク質(糖鎖修飾を含む)、ペプチド、オリゴDNA、及び、糖鎖(タンパク質を含まない)等を使用してもよい。
親水性高分子としては、より具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコール、ポリグリセリン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、ヒドロキシプロピルセルロース、及び、ヒドロキシエチルセルロース等)、デンプン誘導体(プルラン)、ポリビニルアルコール、エチル酢酸ビニル、オイドラギット、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリイソブチレン無水マレイン酸共重合体、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガント、カラヤゴム、及び、ポリビニルメタクリレート等が挙げられる。
親水性高分子としては、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、ポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
ポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンは、ほとんどの生体分子との相互作用が弱く、ウイルスとの相互作用も弱いと推測される。そのため、ウイルスの種類によらず、より優れた感染抑制作用が得られやすいものと推測される。
式1におけるYで表される親水性部位は、上記親水性高分子がLと結合して形成される特定化合物における部分構造(高分子鎖)であり、上記親水性高分子は、水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な長さ(鎖長)が、5.0nm以上である。
鎖長は、4.5nm以上であれば特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、4.9nm以上が好ましく、7.0nm以上がより好ましく、7.3nm以上が更に好ましく、10nm以上が特に好ましく、10.9nm以上が最も好ましい。
一方、鎖長の上限は特に制限されないが、20.0nm以下であると、ウィルス感染抑制剤の親水性が適度な範囲で調整されやすく、ウィルス感染抑制剤が感染抑制対象の細胞の細胞膜により定着しやすい点で好ましい。
なお、上記鎖長は、測定対象とする親水性高分子の両末端に、蛍光共鳴移動が起こり得る蛍光特性をもつ蛍光色素をそれぞれ結合させて得た試料を水溶液中に分散させ、蛍光共鳴移動の効率を測定し、蛍光共鳴移動効率の理論計算式からポリマー末端間の距離を算出する方法である。上記方法によれば、高分子鎖の実効的な長さを測定できる。
例えば、親水性高分子がポリアルキレングリコールである場合、片末端をビオチン化、他方の末端をマレイミド化し、ビオチン側末端はビオチン固定プラスチックプレート上に結合させた蛍光(DyLight649)ラベルストレプトアビジンに結合させ、マレイミド側末端は他の蛍光ラベルしたタンパク質(例えば、Dylight549ラベルしたIEkMCC)のシステイン基と共有結合にて結合させてサンプルを準備する。このサンプルを水に分散させ、蛍光強度を測定すると、DyLight549の蛍光スペクトルとDyLight649の吸収スペクトルがオーバーラップするため、両色素間の距離に応じた蛍光共鳴移動(FRET)が発生し、ポリマー末端間の距離を算出できる。
なお、上記測定方法は、PLoS One. 2014 Nov 10;9(11):e112292に記載されており、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
なお、親水性高分子の鎖長を調整する方法としては特に制限されないが、親水性高分子の一次構造、及び、分子量等により調整することができ、その方法は当業者にとって公知である。
親水性高分子の分子量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、4400以上が好ましく、5000以上がより好ましく、9400以上が更に好ましく、10000以上が特に好ましく、18000以上が最も好ましい。
分子量の上限値としては特に制限されないが、一般に、200000以下が好ましく、100000以下がより好ましい。
なお、本明細書において分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定した重量平均分子量を意味する。
特定化合物としては、特に制限されないが、例えば、以下の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022120248000007
各式中、Rは水素原子、又は、1価の基を表し、RはYの高分子鎖を表し、pは2以上の整数を表し、qは、0~2の整数を表し、Mは対イオン(例えば、Na及びNH 等が挙げられる。)
特定化合物は公知の方法で合成することができ、また、sigma社、nanocs社Biochempeg社、及び、Avanti Polar Lipids社製の市販品を用いることもできる。
〔その他の成分〕
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、本発明の効果を奏する範囲内において、特定化合物以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては特に制限されないが、緩衝化剤、及び、キレート剤等が挙げられる。
<緩衝化剤>
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、緩衝化剤を含有していてもよい。
ウィルス感染抑制剤中における緩衝化剤の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、一般にウィルス感染抑制剤の全質量に対して、0.001~99質量%が好ましい。なお、ウィルス感染抑制剤は、緩衝化剤の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤が、2種以上の緩衝化剤を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
緩衝化剤としては、特に制限されないが、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び、イプシロン-アミノカプロン酸等が挙げられる。
<キレート剤>
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、キレート剤を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤におけるキレート剤の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するウィルス感染抑制剤が得られる点で、一般にウィルス感染抑制剤の全質量に対して、0.001~99質量%が好ましい。なお、ウィルス感染抑制剤は、キレート剤の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。ウィルス感染抑制剤が、2種以上のキレート剤を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
キレート剤としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、アスコルビン酸、エチドロン酸、及び、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)等のヒドロキシ酸系;
エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、グリコールエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン-N,N′-ジコハク酸、及び、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸等のアミノカルボン酸系;
カルボキシメチルタルトロン酸(CMT)、及び、カルボキシメチルオキシコハク酸(CMOS)等のエーテルカルボン酸系;
等が挙げられる。
〔ウィルス感染抑制剤の用途〕
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤は、細胞にウィルスが付着するのを抑制する目的で、液体媒体に本ウィルス感染抑制剤を分散させたものを組織等に添加して用いることができる。また、組織等に液体媒体を加えたものに添加することもできる。また、予め液体媒体に本ウィルス感染抑制剤を分散させ、ここに組織等を添加してもよい。本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤を用いることで、各細胞表面へのウィルスの付着を抑制することができる。
また、本発明の実施形態に係るウイルス感染抑制剤は、適切な濃度・鎖長範囲で使用した場合には、別の用途として細胞分散剤として機能することができる(特開2020-048446号公報)。すなわち接着・相互作用する細胞間の距離を拡張することができる。
従って、本発明の実施形態に係るウイルス感染抑制剤の添加により、外部溶液中におけるウイルスの細胞への付着を抑制するとともに、すでにウイルス感染を起こした細胞から出芽するウイルスが隣接・接着する細胞へ細胞間感染を引き起こす事を抑制することができる。
特に、親水性高分子がポリアルキレングリコールである場合、非毒性で鎖長を制御しやすい点で、より優れている。本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制剤においては、上記親水性高分子からなる高分子鎖は細胞内へ導入されないものと推測される。一方で、結合・剥離しやすい疎水性部位により、細胞膜上へ上記高分子鎖を固定し、必要なときには溶液中(細胞を含む、細胞懸濁液中)に親水性高分子を保持し、不要になれば溶液を洗浄することで、速やかに除去できる。
(置換基W)
置換基Wとしては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、及び、ペンタデシル等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、及び、シクロヘキシル等)、アルケニル基(例えば、ビニル、及び、アリル等)、アルキニル基(例えば、エチニル、及び、プロパルギル等)、芳香族炭化水素環基(芳香族炭素環、アリール等ともいい、例えば、フェニル、p-クロロフェニル、メシチル、トリル、キシリル、ナフチル、アントリル、アズレニル、アセナフテニル、フルオレニル、フェナントリル、インデニル、ピレニル、及び、ビフェニリル等)、芳香族へテロ環基(5又は6員環の芳香族へテロ環基が好ましく、また環構成ヘテロ原子は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、ホウ素、及び、セレン原子が好ましく、例えば、ピリジル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、トリアゾリル(例えば、1,2,4-トリアゾール-1-イル、及び、1,2,3-トリアゾール-1-イル等)、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、チエニル、キノリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾチエニル、インドリル、カルバゾリル、カルボリニル、ジアザカルバゾリル(上記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル、ピリダジニル、トリアジニル、キナゾリニル、フタラジニル、ボロール、アザボリン等)、ヘテロ環基(芳香族でないヘテロ環基で、飽和環であっても不飽和環であってもよく、5又は6員環が好ましく、また環構成ヘテロ原子は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、又は、セレン原子が好ましく、例えば、ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2-ピリジルアミノスルホニル等)、
アシル基(例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2-エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2-エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2-エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2-ピリジルアミノカルボニル等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2-ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2-エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル、2-ピリジルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2-ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、例えば、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2-ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジエチルシリル等)等が挙げられる。
これらの各基は、更に置換基を有していてもよく、この置換基としては上記の置換基が挙げられる。例えば、アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基、アルキル基にヒドロキシ基が置換したヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、置換基Wが更に複数の置換基を有する場合、複数の置換基同士は互いに結合して環を形成してもよい。
[ウィルス感染抑制方法]
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制方法は、細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞からなる群より選択される少なくとも一方と、液体媒体と、を含有する対象物に、上記のウィルス感染抑制剤を添加する、細胞へのウィルス感染抑制方法である。
本発明の実施形態に係るウィルス感染抑制方法が適用できる組織等としては特に制限されず、生体器官から採取された組織(気管支、鼻腔、及び、咽頭等)であってもよいし、培養された細胞又は組織であってもよいし、生体器官そのものであってもよい。
液体媒体としては特に制限されないが、例えば、水、水溶性有機溶媒、及び、水溶液と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。なかでも、水、又は、水と水溶性有機溶媒の混合溶媒が好ましい。
ウィルス感染抑制剤を対象物に添加する方法としては特に制限されないが、例えば、対象物に所定量のウィルス感染抑制剤を加える(必要に応じて撹拌してもよい)方法、及び、予めウィルス感染抑制剤と液体媒体とを混合し、得られた混合液を対象物に加える方法等が挙げられる。
なお、ウィルス感染抑制剤の添加量としては特に制限されないが、一般に、対象物中において、0.1nM~10mMが好ましい。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(特定化合物の準備)
特定化合物は、いずれもBiochempegから購入した。特定化合物は以下の式で表される化合物であり、使用した特定化合物とその鎖長とが表1に示されている。なお、以下では、各特定化合物をあわせてPEG-CLSといい、高分子鎖(PEG鎖)の重量平均分子量により、「PEG-2000CLS」等と呼ぶものとする。
Figure 2022120248000008
Figure 2022120248000009
なお、表1における「鎖長」は、水溶液中において、ポリマーの両端にそれぞれ結合させた、蛍光共鳴移動が起こり得る蛍光特性をもつ蛍光色素のペアの間における蛍光共鳴移動の効率をポリマーの長さを変えて計測し、蛍光共鳴移動効率の理論計算式からポリマー末端間の距離を算出する方法で得られた値を意味する。PEG-CLSにおいては、(鎖長)=0.035×(PEG鎖の重量平均分子量)0.5797で計算される「鎖長」を小数第2位を四捨五入して小数第1位までの数として求められるものである。
(ウィルスの準備)
・レンチウイルス
理研バイオリソース研究センター(RIKEN BRC)からpCAG-HIVgp、pCMV-VSV-G-RSV-Rev(これらのVSV-GをHCV E1E2に組み替えたもの)、及び、AddgeneからpLV-eGFP(又はpLenti CMV Puro LUC)を入手した。これらのプラスミドベクターをポリエチレンイミンを用いてDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地中で培養中のHEK293T細胞にトランスフェクションし、その48時間後に培地溶液からレンチウイルスを回収した。
レンチウイルス(又はその組み替え体)の回収溶液は、0.22μmのフィルターにより夾雑物をろ過した後に、必要に応じてPEG8000による共沈法又は超遠心法により濃縮し、ディープフリーザー内で-80℃で保管した。
・アデノ随伴ウィルス
AddgeneからAAV-GFP、pAAV2/2、pAdDeltaF6を入手した。これらのプラスミドベクターをポリエチレンイミンを用いてDMEM培地中で培養中のHEK293T細胞にトランスフェクションし、48時間後に培地溶液と細胞破砕液からアデノ随伴ウィルスを回収した。
・アデノウィルス
RIKEN BRCからAx1-CA-gfpを入手した。これをDMEM培地中で培養中のHEK293T細胞に感染させて増幅し、48時間後に培地溶液と細胞破砕液から回収した。
アデノ随伴ウイルス、及び、アデノウイルスは各粗抽出液をそのまま、又は、必要に応じて塩化セシウムを用いた密度勾配遠心法により精製し濃縮した後に-80℃で保管した。
準備したこれらのウィルスのうち、レンチウイルス(VSV(水疱性口炎ウイルス)のGタンパクを外殻に持つ)はHek293T細胞、及び、Jurkat細胞に感染させた。
レンチウイルスの外殻にVSV-GではなくHCV(C型肝炎ウイルス)のE1-E2分子を発現するものは、Hek293T細胞にヒトOccludin遺伝子をトランスフェクションにより導入した細胞に感染させた。
アデノウイルスはHek293T細胞に感染させた。アデノ随伴ウイルスはHek293T細胞に感染させた。
(感染実験方法)
・浮遊細胞、又は、剥離した接着細胞
Jurkat細胞等の浮遊細胞、及び、Hek293T細胞等の接着細胞をEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)を含むPBS(phosphate-buffered saline)の存在下で浮遊させた細胞;Hek293T細胞等の接着細胞をトリプシンによる短時間の酵素処理で浮遊させた細胞;マイクロプレートに1日間培養した後に必要な遺伝子をプラスミドベクターのトランスフェクションにより導入して更に1日間培養した~80%コンフルエントとなったHek293T細胞等の接着細胞をEDTAを含むPBSの存在下で剥離させた細胞;をそれぞれ準備し、1.5×10 cells/mLの濃度で懸濁した。
5%CO存在下において、細胞懸濁液に終濃度0.01~25μMのPEG-CLSを添加し、穏やかに回転しながら37℃で30分間保持し、細胞膜へPEG-CLSを結合させた。30分間のインキュベーションを行い、飽和に近い分子結合密度を得た。
インキュベーション後、細胞液へ任意の濃度の各ウイルスを添加した。コントロールサンプル(PEG-CLSを含まないサンプル)における感染細胞の割合が~20%となるように、予め計測したウイルスストックの力価を基に適宜希釈し、十分なダイナミックレンジを確保した。
5%CO存在下、37℃で2時間穏やかに回転しながらウイルスを感染させた。2時間経過後、混合液をそのまま、又は混合液に対してPBSによる細胞懸濁と遠心分離の複数回繰り返しによる洗浄でウイルスと遊離PEG-CLSを培養液中から除去した後に、細胞培養用プレートに移して2日間培養を行った後に、細胞へのウイルス感染を遺伝子発現(GFPの蛍光または発現するルシフェラーゼ酵素の活性)によって定量した。
・接着細胞
24ウェルマイクロプレートに1日間培養したHek293T細胞等の接着細胞;24ウェルマイクロプレートに1日間培養した後に必要な遺伝子をプラスミドベクターのトランスフェクションにより導入して更に1日間培養した~80%コンフルエントとなったHek293T細胞等の接着細胞;これらの細胞懸濁液の培地の液量を200μLまで減少させた後に終濃度0.01~25μMのPEG-CLSを添加し5%CO存在下で37℃において30分間インキュベーションした後に、感染細胞の割合が~20%となるように、予め計測してあるストック液の力価を基に適宜希釈したウイルスを添加し、5%CO存在下において、37℃で3時間感染させた。
その後ウイルスとPEG-CLSを含む培地を除き500μLの新鮮培地を添加して2日間細胞を培養した後、細胞へのウイルス感染を遺伝子発現(GFPの蛍光または発現するルシフェラーゼ酵素の活性)によって定量した。
(計測方法)
・フローサイトメトリー
GFP遺伝子を含むウイルスを感染させた細胞は培養期間後に培養プレートから回収してPBS溶液に懸濁した後、フローサイトメトリーにてGFPタンパクの発現量を計測することで感染を計測した。GFP蛍光の平均強度を感染量として計測するか、又は、無感染細胞の蛍光値をしきい値としてそれ以上の蛍光値を示す細胞をGFP発現細胞すなわち感染細胞としてその割合を感染量として計測した。
(ルシフェラーゼアッセイ)
ルシフェラーゼ遺伝子含むウイルスを感染させた接着細胞は、接着状態のままで培養プレートウェル内をPBSで洗浄して培地溶液を除いた後、界面活性剤等を含むPassive Lysis Buffer(プロメガ社 Dual-Luciferase Reporter Assay System)をそれぞれ添加して、室温、15分以上振盪状態でインキュベーションした。
ルシフェラーゼ遺伝子含むウイルスを感染させた浮遊細胞は培養プレートから回収して遠心分離で培地を除き、更にPBSで洗浄した後に、界面活性剤等を含むPassive Lysis Buffer(プロメガ社 Dual-Luciferase Reporter Assay System)をそれぞれ添加し、溶液内で懸濁した後、室温、15分以上振盪状態でインキュベーションを行った。
その後、各ライシス(Lysis)液を回収し細胞を遠心分離で除去した後、その溶液より最大20μLをルシフェリン及びATPを含む100μLのLAR II溶液(プロメガ社 Dual-Luciferase Reporter Assay System)に混合し、ルミノメーターで酵素反応を計測することで、細胞溶液内のルシフェラーゼ発現量を定量した。
・顕微鏡観察
PEG-CLSが導入された細胞の変形を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。1.5×10 cells/mLのHek293T細胞について、PEG-CLSを含まない試料、25μMのPEG-2000CLS、又は、PEG-20000CLSを含む試料を37℃、1時間インキュベーションした後に、以下の方法で固定しSEMで観察した。
固定方法:細胞は遠心分離によりPEG-CLS溶液を除去、その後2.5%グルタールアルデヒドを含むPBSで細胞を懸濁して4℃で1日放置して前固定を行った。その後にグルタールアルデヒドを除去してPBSに再懸濁した。懸濁液をホルダー上に滴下・吸引しメンブレン上に細胞を吸着させた。吸着細胞に対して、後固定液(1%四塩化オスミウム-0.1Mリン酸緩衝液 1:1)で、1時間固定した。その後50%、70%、80%、90%、95%、100%、100%、100%エタノールで、各10分脱水を行った。脱水後の試料を酢酸3-メチルブチルに約10分浸漬した後に臨界点乾燥装置で乾燥させた。乾燥サンプルに対してオスミウムプラズマコーターで、オスミウム蒸着(5nm)した。
・蛍光顕微鏡観察
PEG-CLSが導入された細胞の変形を蛍光顕微鏡を用いて観察した。
1μg/mLのカルセインーAMを含む存在下RPMI培地中にて、1.5×10cells/mLのJurkat細胞に、PEG-CLSを含まない試料、25μMのPEG-2000CLSを含む試料、及び、PEG-20000CLSを含む試料を、37℃、1時間インキュベーションした後に蛍光顕微鏡にて細胞を撮影し、その後15分、15分、2時間と計3回RPMI培地で洗浄して液中、又は、細胞結合するPEG-CLS濃度を低下させた後に再度細胞を蛍光顕微鏡にて撮影した。
蛍光顕微鏡画像はImageJ(ソフトウェア、NIH)で解析し、各細胞のRoundnessを4×area/(π X major-axis)として計算した。
その結果、PEG-2000CLS、PEG-20000CLSが導入された細胞はいずれもRoundnessが増加することがわかった。また、細胞が膨張・球形化していることがわかった。この結果はSEMの観察と一致した。また、洗浄によりPEG-CLSが除去され細胞状態が復元することもわかった。
(結果)
図2は、PEG-CLSを結合したHek293T細胞のSEM像である。蛍光顕微鏡写真解析から見出された細胞の膨張の様子を高倍率で観察した。図2の結果から、PEG-CLSの導入の如何に関わらず、細胞表面には、ウイルスの接着を妨害するような構造体を観察することはできなかった。すなわち、ウイルスの感染抑制が、電子顕微鏡SEMの解像度よりも小さい構造体(分子)によりなされていることを示唆された。また鎖長の異なるPEG-2000CLS、PEG-20000CLSについても、構造的な差は、SEM像からは見出されなかった。なお、図2中、「2KPEG-CLS]は「PEG-2000CLS」を、20KPEG-CLSは「PEG-20000CLS」を表す。
表2は、Hek293T細胞に対し25μmol/LとなるようPEG-CLSを添加し、2時間レンチウイルスを感染させた後、ウイルスとPEG-CLSを除去して48時間の細胞培養後にFACSで感染細胞(GFP発現細胞)の割合を計測し、コントロールとなるPEG-CLS無添加の細胞における発現細胞を対照に正規化した結果である。
数値が1.00以下のものは、ウィルスの感染が抑制されたことを表している。
Figure 2022120248000010
表3は、Hek293T細胞に対し25μmol/LとなるようPEG-CLSを添加し、2時間アデノウイルスを感染させた後、ウイルスとPEG-CLSを除去して48時間の細胞培養後にFACSで感染細胞(GFP発現細胞)の割合を計測し、コントロールとなるPEG-CLS無添加の細胞における発現細胞を対照に正規化した結果である。
数値が1.00以下のものは、ウィルスの感染が抑制されたことを表している。
Figure 2022120248000011
表2、及び、表3の結果から、PEG-CLSのPEG鎖の鎖長が4.5nm以上であると、優れたウィルス感染抑制作用を有することがわかった。一方で、PEG-CLSの鎖長が4.5nm未満であると、ウィルス感染抑制作用は得られなかった。
表4は、Jurkat細胞に対し各濃度のPEG-20000CLS存在下で48時間レンチウイルスを感染させFACSにて感染細胞(GFP発現細胞)の割合を計測し、コントロールとなるPEG-CLS無添加の細胞における発現細胞を対照に正規化した結果である。
表4の結果から、PEG-CLSはレンチウイルスに対する感染抑制作用を有することがわかった。
Figure 2022120248000012
表5は、Hek293T細胞に対し各濃度のPEG-20000CLS存在下で2時間アデノ随伴ウイルスを感染させた後、ウイルスとPEG-CLSを除去して48時間の細胞培養後にFACSで感染細胞(GFP発現細胞)の割合を計測し、コントロールとなるPEG-CLS無添加の細胞における発現細胞を対照に正規化した結果である。
表5の結果から、PEG-CLSはアデノ随伴ウィルスに対する感染抑制作用を有することがわかった。
Figure 2022120248000013
(レンチウイルス細胞取り込み量計測実験方法)
Jurkat細胞等の浮遊細胞、及び、Hek293T細胞等の接着細胞をEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)を含むPBS(phosphate-buffered saline)の存在下で浮遊させた細胞;Hek293T細胞等の接着細胞をトリプシンによる短時間の酵素処理で浮遊させた細胞;マイクロプレートに1日間培養した後に必要な遺伝子をプラスミドベクターのトランスフェクションにより導入して更に1日間培養した~80%コンフルエントとなったHek293T細胞等の接着細胞をEDTAを含むPBSの存在下で剥離させた細胞;をそれぞれ準備し、1.5×10cells/mLの濃度で懸濁した。
5%CO存在下において、細胞懸濁液に終濃度0.01~25μMのPEG-CLSを添加し、穏やかに回転しながら37℃で30分間保持し、細胞膜へPEG-CLSを結合させた。30分間のインキュベーションを行い、飽和に近い分子結合密度を得た。
インキュベーション後、細胞液へDID(1,1′-Dioctadecyl-3,3,3′,3′-Tetramethylindodicarbocyanine Perchlorate)を予め混合することで蛍光標識したレンチウイルスを添加した。
5%CO存在下、37℃で2時間穏やかに回転しながらウイルスを感染させた。2時間経過後、混合液をそのまま、又は混合液に対してPBSによる細胞懸濁と遠心分離の複数回繰り返しによる洗浄でウイルスと遊離PEG-CLSを培養液中から除去した後に、感染細胞に結合し取り込まれたウイルスの量をDIDの蛍光強度をフローサイトメトリーで計測することで評価した。
表6は、Hek293T細胞に対し0.1~25μmol/LとなるようPEG-20000CLSを添加し、2時間DIDにより蛍光標識したレンチウイルスを感染させた後、ウイルスとPEG-CLSを除去した直後にFACSでウイルスを取り込んだ細胞(DID蛍光量が掲出された細胞)の割合を計測し、コントロールとなるPEG-CLS無添加の細胞における発現細胞を対照に正規化した結果である。
数値が1.00以下のものは、ウィルスの感染が抑制されたことを表している。
Figure 2022120248000014
本ウィルス感染抑制剤は、細胞にウィルスが付着するのを抑制する目的で、組織等に添加して用いることができる。本ウィルス感染抑制剤を用いることで、各細胞表面へのウィルスの付着を抑制することができる。
1 細胞
2 疎水性部位
3 親水性部位
4 ウィルス

Claims (5)

  1. 下記式1で表される化合物を含有し、細胞へのウィルス付着を抑制することで、細胞へのウィルス感染を抑制する、ウィルス感染抑制剤であって、
    Figure 2022120248000015

    式1中、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、Xは、ステロール及びステロール誘導体からなる群より選択される少なくとも1種から任意の水素原子を除いた1価の基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルケニル基、並びに、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8以上のアルキニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、複数あるXは同一でも異なってもよく、複数あるXは互いに連結して環を形成していてもよく、Yは、水溶液中における末端の蛍光共鳴移動効率から実測した実効的な鎖長が、4.5nm以上の親水性高分子からなる高分子鎖であり、複数あるYは同一でも異なってもよく、n+mが2のとき、Lは単結合、又は、2価の基であり、n+mが3以上のとき、Lはn+m価の基である、ウィルス感染抑制剤。
  2. 前記親水性高分子がポリアルキレングリコール、及び、ポリグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のウィルス感染抑制剤。
  3. 前記親水性高分子の重量平均分子量が4400以上である、請求項1又は2に記載のウィルス感染抑制剤。
  4. 前記鎖長が4.9nm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のウィルス感染抑制剤。
  5. 細胞と細胞間基質からなる組織、及び、細胞からなる群より選択される少なくとも一方と、液体媒体とを含有する対象物に、請求項1~4のいずれか1項に記載のウィルス感染抑制剤を添加する、細胞へのウィルス感染抑制方法。
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