JP2022117245A - 流動モニタ及び流動モニタリングシステム - Google Patents

流動モニタ及び流動モニタリングシステム Download PDF

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学 大海
Manabu Omi
正之 須田
Masayuki Suda
武 内山
Takeshi Uchiyama
陽子 篠原
Yoko Shinohara
彩子 野邉
Ayako Nobe
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【課題】流体に対して非接触状態で、流体の流動状態をモニタすること。【解決手段】既知の基準周波数で脈動する流体Wが内部を流れ、流体の脈動に応じて変位する流壁3aを有する流路3と、流壁との間に気密を維持した状態で流壁に押し当てられ、流壁の変位に対応して内圧が変化する第1センサ室23と、第1センサ室よりも流体の下流側に配置されると共に流壁との間に気密を維持した状態で流壁に押し当てられ、流壁の変位に対応して内圧が変化する第2センサ室24と、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧を検出する圧力センサ31を有し、検出した差圧の変化に対応した検出信号S1を出力する検出部30と、検出信号に基づいて流体の流動状態を検出する処理部40とを備えている流動モニタ2を提供する。【選択図】図3

Description

本開示は、流動モニタ及び流動モニタリングシステムに関する。
流体を利用する各種の装置、システム等においては、流路を流れる流体の流動状態(例えば流量、流量の変化、流れの異常の有無等)を適切にモニタすることが求められる。例えば下記特許文献1には、圧力センサを利用して、レイノルズ数が小さい層流領域の流体の流量(微小流量)を測定する流量計が開示されている。
この流量計は、流路の途中に設けられた差圧発生部であるキャピラリと、流路のうちキャピラリの上流側と下流側とに位置する部分の圧力差(圧力損失)を検出する圧力センサと、検出した圧力差に基づいて流量を算出する演算処理部と、を備えている。圧力センサは、ダイヤフラムを有し、ダイヤフラムの変位量に基づいて圧力差を検出している。
特開2009-204626号公報
しかしながら、特許文献1に記載の流量計では、ダイヤフラムを利用して圧力差を検出するために、キャピラリの上流側の流路と下流側の流路とを連通する連通部を閉塞するようにダイヤフラムを配置する必要がある。そのため、流路内を流れる流体がダイヤフラムに対して直接的に接触するおそれがあり、流体が汚染される懸念があった。そのため、その後に流体を例えば生化学反応に使用する、或いは生体への注入に用いる等といった使い方を行うことが難しく、改善の余地がある。
さらに流体がダイヤフラムを汚染する懸念も考えられるので、例えば別の種類の流体に変更する場合には、その度にダイヤフラムを含む圧力センサを洗浄或いは交換する等の対策が必要になってしまい、やはり改善の余地がある。
本開示は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、流体に対して非接触状態で、流体の流動状態をモニタすることができる流動モニタ及び流動モニタリングシステムを提供することである。
(1)本開示の一態様に係る流動モニタは、既知の基準周波数で脈動する流体が内部を流れ、前記流体の脈動に応じて変位する流壁を有する流路と、前記流壁との間に気密を維持した状態で前記流壁に押し当てられ、前記流壁の変位に対応して内圧が変化する第1センサ室と、前記第1センサ室よりも前記流体の下流側に配置されると共に、前記流壁との間に気密を維持した状態で前記流壁に押し当てられ、前記流壁の変位に対応して内圧が変化する第2センサ室と、前記第1センサ室の内圧と前記第2センサ室の内圧との差圧を検出する圧力センサを有し、検出した差圧の変化に対応した検出信号を出力する検出部と、前記検出信号に基づいて前記流体の流動状態を検出する処理部と、を備えていることを特徴とする。
本態様に係る流動モニタによれば、流路内を流れる流体の流動に応じて流壁が変位するので、流壁に押し当てられた第1センサ室の内圧及び第2センサ室の内圧をそれぞれ変化させることができる。具体的には、第1センサ室の内圧、及び第2センサ室の内圧を、それぞれ既知の基準周波数に対応した周期で変化させることができる。この際、流路内を流れる流体は、上流側から下流側に向けて流れるにしたがって、主に流壁との間に生じる摩擦損失によってエネルギーを失うため、徐々に圧力が低下する(圧力損失)。従って、第2センサ室が押し当てられている流壁の変位は、第1センサ室が押し当てられている流壁の変位よりも小さくなる。そのため、例えば第1センサ室及び第2センサ室の内容積が同じである場合、第2センサ室の内圧の方が第1センサ室の内圧よりも小さくなる。従って、圧力センサを利用して、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧を検出することができる。
検出部は、圧力センサによって検出した差圧の変化に対応した検出信号を出力する。この検出信号には、既知の基準周波数に対応した周期で変化する圧力損失の変動成分を含む信号が含まれている。これにより、処理部を利用して、検出信号から上記信号を抽出してモニタすることで流路内を流れる流体の流動状態を検出することができる。
例えば、流体の流速が遅くなった場合には、圧力損失が小さくなるため、検出信号の出力自体が小さくなる。そのため、流速が遅くなったことを検出することができる。このように、流体の流動状態として流速及びその変化を検出することが可能である。さらに、流速に基づいて、流体の流量及びその変化を検出することも可能である。さらには、流路内に何等かの理由によって詰まり等が発生した場合には、流速が顕著に小さくなるため、検出信号の出力が小さくなる或いは零に近くなる。従って、詰まりが発生した等の異常の有無についても検出することが可能となる。
このように、流動モニタによれば、流路内を流れる流体の流動状態を検出することができる。特に、第1センサ室及び第2センサ室を流壁に押し当て、流壁の変位を利用して流体の流動状態をモニタするので、流体に対して非接触状態でモニタを行うことができる。従って、従来とは異なり、流体を汚染することがないので、流路内を流れる流体を、例えば生化学反応に使用したり、生体への注入に用いたりすることが可能であり、各種の用途に幅広く用いることができる。さらには、洗浄等の対策を行うことなく、種類の異なる流体を使用することも可能であるので、使い易く利便性を向上することができる。
とりわけ、流動モニタでは、既知の基準数周波数で脈動する流体を流路内に流して流壁を変位させ、圧力センサを利用して第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧を検出し、差圧の変化に対応した検出信号に基づいて流体の流動状態を検出する構成を採用している。従って、従来にはないモニタ構成とすることができ、微小流量で流れる流体であっても、流動状態を高精度に検出することが可能となる。
(2)(1)の態様の流動モニタにおいて、前記処理部は、前記検出信号から前記基準周波数に対応した周波数成分を含む特定信号を抽出するフィルタを備え、前記特定信号に基づいて前記流体の流動状態を検出しても良い。
この場合には、フィルタを利用して検出信号に含まれる信号の中から、既知の基準周波数に対応した周期で変化する圧力損失の周波数成分を含む特定信号を狙って抽出することができる。従って、検出信号に含まれる余計な周波数成分を含む信号をカットすることができ、ノイズの少ない信号を得ることができる。そのため、特定信号の変動をモニタすることで流体の流動状態をより高精度に検出することができる。
(3)(1)の態様の流動モニタにおいて、前記第1センサ室よりも前記流体の上流側に配置され、前記流壁を一定の周期で加圧することで、前記基準周波数とは異なる既知の特定周波数の周波数成分を含むように前記流体を脈動させる加圧部を備え、前記処理部は、前記検出信号から任意に選択した1つの周波数の周波数成分を含む特定信号を抽出するフィルタを備え、前記特定信号に基づいて前記流体の流動状態を検出しても良い。
この場合には、加圧部を利用して流壁を一定の周期で加圧することができ、基準周波数に対応した周期だけでなく、基準周波数とは異なる既知の特定周波数を含むように流体を脈動させることができる。そして、フィルタを利用して検出信号に含まれる信号の中から、任意に選択した1つの周波数に対応した周期で変化する圧力損失の周波数成分を含む特定信号を狙って抽出することができる。これにより、検出信号に含まれる余計な周波数成分を含む信号をカットすることができ、ノイズの少ない信号を狙って得ることができる。そのため、流体の流動状態をより高精度に検出することができる。
特に、任意に選択した1つの周波数の周波数成分を含む特定信号だけを狙って抽出することができるので、例えば検出信号に含まれる信号の中からノイズが最も少ない信号を抽出することができる。従って、環境ノイズが既知の基準周波数に近い周波数を有していた場合であっても、特定周波数を選択することで、環境ノイズの影響を受けることなく、流体の流動状態を高精度に検出するといった使い方を行える。
(4)(3)の態様の流動モニタにおいて、前記加圧部は、前記流壁を互いに異なる周期で加圧することで、複数の異なる前記特定周波数の周波数成分を含むように前記流体を脈動させても良い。
この場合には、任意に選択することができる周波数の選択肢を増やすことができるので、環境ノイズ等に影響を受けることなく、流体の流動状態をさらに高精度に検出することができる。
(5)(2)から(4)のいずれかの態様の流動モニタにおいて、前記フィルタは、ロックインアンプであっても良い。
この場合には、ロックインアンプを利用できるので、検出信号に含まれる信号の中からノイズが最も少ない信号を精度良く抽出し易いうえ、抽出した信号を増幅させる処理等も可能である。従って、流体の流動状態をさらに高精度に検出することができる。
(6)(1)から(5)のいずれかの態様の流動モニタにおいて、前記流路のうち前記第1センサ室と前記第2センサ室との間に位置する部分には、前記第1センサ室側における前記流体の圧力よりも、前記第2センサ室側における前記流体の圧力を低下させる圧力損失増大部が設けられても良い。
この場合には、流路内を流れる流体が、上流側から下流側に向けて流れるにしたがって、流壁との間に生じる摩擦損失によってエネルギーを失うだけでなく、圧力損失増大部によって圧力がさらに低下する。これにより、上流側と下流側とで流体の圧力損失を意図的に大きくすることができる。従って、圧力センサを利用して、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧の変化を感度良く検出し易い。従って、高いS/N比での検出信号を出力することができ、流体の流動状態をさらに精度良く検出することができる。
(7)(6)の態様の流動モニタにおいて、前記圧力損失増大部は、前記流路の流路径を狭める狭窄部であっても良い。
この場合には、狭窄部によって流路の流路径(流路の断面積)を狭めることで、流路抵抗を増大させることができるので、上流側と下流側とで流体の圧力損失を意図的に大きくすることができる。特に、流路径を意図的に狭めるだけの簡便な構成で済むので構成の簡略化を図ることができるうえ、流路径を任意に変更することで、圧力損失の調整を行うことが可能である。
(8)(6)の態様の流動モニタにおいて、前記圧力損失増大部は、前記第1センサ室から前記第2センサ室に達するまでの前記流体の流れの向きを変えることで、前記流体の流動距離を増大させる変向部であっても良い。
この場合には、変向部によって、例えば流路を途中でU字状或いは波型状に湾曲させる、又は急峻に屈曲させる等して、流路抵抗を増大させることができると共に、第1センサ室から第2センサ室に至るまでの流路長を確保することができる。これらのことにより、上流側と下流側とで流体の圧力損失を意図的に大きくすることができる。特に、流体の流れの向きを変えるだけの簡便な構成で済むので構成の簡略化を図ることができるうえ、流れの向きを任意に変更することで、圧力損失の調整を行うことが可能である。
(9)(1)から(8)のいずれかの態様の流動モニタにおいて、前記流体を既知の基準周波数で脈動させながら前記流路内に供給する供給部を備えても良い。
この場合には、供給部(例えばローラポンプ等のいわゆる脈動ポンプ等)を利用して、流体を既知の基準周波数で脈動させながら流路内に適切に供給することができるので、流動状態の検出を安定して行うことができる。また、供給部を利用することで、必要に応じて流体を供給或いは停止等することができ、使い易い。
(10)(1)から(9)のいずれかの態様の流動モニタにおいて、前記第1センサ室の内容積は、前記第2センサ室の内容積と同一とされても良い。
この場合には、第1センサ室及び第2センサ室の内容積が同一であるので、流路内を流れる流体の圧力損失によって、第2センサ室が押し当てられている流壁の変位が、第1センサ室が押し当てられている流壁の変位よりも小さいことに対応して、第2センサ室の内圧を第1センサ室の内圧よりも確実に小さくすることができる。従って、圧力センサを利用して、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧の変化を確実に検出することができる。特に、第1センサ室及び第2センサ室の内容積を同一に形成することができるので、両センサ室を容易に形成し易く、構成の簡略化を図ることができる。
(11)(1)から(9)のいずれかの態様の流動モニタにおいて、前記第1センサ室の内容積は、前記第2センサ室の内容積と異なり、前記第1センサ室の内容積と前記第2センサ室の内容積との比率は、前記第1センサ室が押し当てられている前記流壁の変位と、前記第2センサ室が押し当てられている前記流壁の変位との比率とは異なる比率とされても良い。
この場合には、第1センサ室及び第2センサ室の内容積の比率が、流壁の変位の比率と異なっているので、流路内を流れる流体の圧力損失によって、第2センサ室が押し当てられている流壁の変位が、第1センサ室が押し当てられている流壁の変位よりも小さいことに対応して、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との間に差圧を確実に生じさせることができる。特に、第1センサ室及び第2センサ室の内容積の比率を調整することで、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧をより大きくさせることもできるので、差圧の変化を感度良く検出することが可能である。
(12)(1)から(11)のいずれかの態様の流動モニタにおいて、前記圧力センサは、前記第1センサ室の内圧と前記第2センサ室の内圧との差圧に応じて撓み変形するカンチレバーを備え、前記検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記検出回路からの出力信号を前記検出信号として出力しても良い。
この場合には、流路内を流れる流体の流動に応じて流壁が変位し、それによって第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧が生じると、これに対応してカンチレバーが撓み変形する。これにより、カンチレバーの撓み量(変位量)に対応して変位検出抵抗の抵抗値が変化するので、検出回路から出力される出力信号である検出信号が変化する。従って、カンチレバーの撓み量に基づいた検出信号をモニタすることで、結果的に流体の流動状態の検出を行うことができる。
特に、カンチレバーを利用するので、第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧が微小であったとしても、カンチレバーを反応良く追従させて撓み変形させることができるので、流動状態を感度良く検出することができる。
(13)本開示の一態様に係る流動モニタリングシステムは、(1)から(12)のいずれか1項に記載の流動モニタと、検出された流動状態が予め設定された設定範囲内であるか否かを判断する判断部と、検出された流動状態が前記設定範囲から外れたと前記判断部が判断したときに、その旨を外部に報知する報知部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る流動モニタリングシステムによれば、上述の流動モニタを具備しているので、流路内を流れる流体の流動状態を常にモニタすることができ、流体を各種の用途に使用することができる。特に、判断部が流体の流動状態が予め設定された設定範囲であるか否かを判断すると共に、例えば流路内の詰まり等によって流体の流動状態に意図しない不具合が生じた場合には設定範囲から外れたと判断する。これにより、報知部がその旨を外部に報知するので、不具合が生じたことを速やかに把握することができる。従って、流体を利用した各種のデバイスに好適に使用し易く、利便性を向上することができる。
(14)(13)の態様の流動モニタリングシステムにおいて、前記判断部は、判断結果に基づいて前記流路内への前記流体の供給を制御しても良い。
この場合には、例えば使用中に流体の流動状態に何等かの意図しない不具合が生じた場合に、流体の供給を一時的に停止する等の対策を適切に行うことができる。
本開示の一態様によれば、流体に対して非接触状態で、流体の流動状態をモニタすることができる。
流動モニタ及び流動モニタリングシステムの第1実施形態を示す構成図である。 図1に示す脈動ポンプの構成図である。 図1に示す状態から液体の脈動に対応してチューブ壁が変位した状態を示す図である。 図1に示す圧力センサ周辺の断面図である(図5に示すA-A線に沿った断面図に相当)。 図1に示す圧力センサの平面図である。 検出回路の構成図である。 既知の基準周波数で周期的に脈動する液体の速度変動の一例を示す図である。 チューブ内を流れる液体の圧力損失変動の一例を示す図である。 第1センサ室の内圧と第2センサ室の内圧との差圧の変化に対応した検出信号(特定信号)の波形の一例を示す図である。 第1実施形態の変形例を示す流動モニタ及び流動モニタリングシステムの構成図である。 流動モニタ及び流動モニタリングシステムの第2実施形態を示す構成図である。 第2実施形態の変形例を示す流動モニタ及び流動モニタリングシステムの構成図である。 流動モニタ及び流動モニタリングシステムの第3実施形態を示す構成図である。 第3実施形態の変形例を示す流動モニタ及び流動モニタリングシステムの構成図である。
(第1実施形態)
以下、本開示に係る流動モニタ及び流動モニタリングシステムの第1実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、流体として液体を例に挙げ、液体の流動状態を検出する場合を説明する。
(流動モニタリングシステム)
図1に示すように、本実施形態の流動モニタリングシステム1は、チューブ3内を流れる液体Wの流動状態を検出する流動モニタ2と、検出された流動状態が予め設定された設定範囲内であるか否かを判断する判断部4と、検出された流動状態が設定範囲から外れたと判断部4が判断したときに、その旨を外部に報知する報知部5と、を備えている。
なお、本実施形態では、チューブ3内を流れる液体Wの流動状態を検出する場合を例に挙げて説明する。各図面では、液体Wをドット状のハッチングとして表している。なお、流動状態とは、液体Wの流れに関連する各種のパラメータであり、例えば流速、流量、流量の変化、流れの異常の有無等が挙げられる。
以下、流動モニタ2について先に説明し、流動モニタリングシステム1の他の構成部材については、後に詳細に説明する。
(流動モニタ)
図1に示すように、流動モニタ2は、液体Wが内部を流れるチューブ(本発明に係る流路)3と、チューブ3内に液体Wを供給する脈動ポンプ(本発明に係る供給部)10と、第1センサ室23及び第2センサ室24を有するセンサ筐体20と、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧を検出する圧力センサ31を有し、検出した差圧の変化に対応した検出信号S1を出力する検出部30と、検出信号S1に基づいて液体Wの流動状態を検出する処理部40と、を備えている。
チューブ3は、可撓性及び弾性を少なくとも有する、いわゆる送液用チューブであって、一定の内径(断面積)で長尺に形成されている。なお、使用する液体Wの種類や用途等に応じて、必要に応じてチューブ3に酸化処理等の各種処理を施しても構わないし、耐熱性、透明性等の各種の特性を付加しても構わない。
チューブ3の一端部側は、脈動ポンプ10を介して給水タンク6に接続されている。チューブ3の他端部側は、図示しない外部機器等に接続可能とされている。これにより、脈動ポンプ10を利用して、給水タンク6内の液体Wをチューブ3内に供給することができ、チューブ3の一端部側から他端部側に向かう一方向に液体Wを流動させることができる。なお、チューブ3の一端部側(給水タンク6側)を上流側といい、チューブ3の他端部側を下流側という。
脈動ポンプ10は、給水タンク6内に貯留されている液体Wを吸込み、既知の基準周波数で脈動させながらチューブ3の下流側に向けて供給するポンプとされている。本実施形態の脈動ポンプ10は、図2に示すように、複数の圧搾ローラ11を利用してチューブ3を周期的にしごくことで液体Wを脈動させながら送液する、いわゆるローラポンプとされている。
脈動ポンプ10は、平面視円形状のローラ収容部12aが形成されたポンプ本体12と、ローラ収容部12a内に配置された中央ローラ13及び複数の圧搾ローラ11と、を主に備えている。
ポンプ本体12には、ローラ収容部12aに沿うように平面視U字状に形成されたチューブ溝14が形成されている。チューブ3は、チューブ溝14内に嵌め込まれることで保持されている。これにより、チューブ3は、複数の圧搾ローラ11を外側から囲むように配置されている。
中央ローラ13は、ローラ収容部12aの中央部において中心軸線Cと同軸上に配置されている。中央ローラ13は、複数の圧搾ローラ11の回転を案内する案内ローラとして機能する。複数の圧搾ローラ11は、中央ローラ13の周囲を囲むように中心軸線Cを中心として周方向に均等配置されている。図示の例では、6つの圧搾ローラ11を配置している場合を例にしているが、圧搾ローラ11の数は6つに限定されるものではない。
6つの圧搾ローラ11は、周方向に互いに摺接し合い、且つ中央ローラ13に対してそれぞれ摺接するように配置され、図示しない歯車輪列等の動力伝達機構を介して自転しながら、中心軸線C回りを公転可能とされている。
6つの圧搾ローラ11の公転方向は、例えば図2に示す矢印M1の如く、チューブ3の上流側から下流側に向かう方向とされている。さらに6つの圧搾ローラ11の自転方向は、図2に示す矢印M2の如く、公転方向に対して逆方向とされている。
さらに6つの圧搾ローラ11は、公転の過程において、チューブ溝14内に保持されているチューブ3を押潰すことが可能とされている。これにより、チューブ3を押し潰しながら圧搾ローラ11を回転させることができ、液体Wを下流側に向けて送ることができる。さらに、チューブ3を圧搾していた圧搾ローラ11がチューブ3から離間する際、チューブ3を押潰していた分だけチューブ3内に負圧が発生するので、負圧を利用して給水タンク6内からチューブ3内に液体Wを吸込むことが可能となる。
これらの動作が繰り返されることで、複数の圧搾ローラ11を利用してチューブ3を周期的にしごくことができ、液体Wを周期的に脈動させながら下流側に供給(送液)することが可能となる。その結果、既知の基準周波数(すなわち脈動ポンプ10の回転周波数)で脈動させながら液体Wを下流側に供給することができる。
なお、脈動ポンプ10は、後述する判断部4を含む制御部7によって作動が制御されている。
脈動ポンプ10によって供給された液体Wは、既知の基準周波数で脈動しながらチューブ3内を下流側に向かって流れる。この際、先に述べたように、チューブ3は少なくとも可撓性及び弾性を有しているので、チューブ壁(本発明に係る流壁)3aは、液体Wの脈動に応じて上流側から下流側に向かって波打つように膨らんで変位する。
図1に示すように、センサ筐体20は、内部が第1キャビティ21とされた第1センサ室23と、内部が第2キャビティ22とされた第2センサ室24と、第1センサ室23と第2センサ室24とを接続すると共に、第1キャビティ21内と第2キャビティ22内とを連通させる連結筐体25と、を備えている。
センサ筐体20は、第1センサ室23がチューブ3の上流側に位置し、且つ第2センサ室24がチューブ3の下流側に位置するようにチューブ3に沿って配置され、図示しない固定部材等を利用してチューブ3に一体的に組み合わされている。
第1センサ室23は、下方に開口した有頂筒状に形成されている。具体的には、第1センサ室23は横断面視円形状に形成されている。ただし、第1センサ室23の形状は、この場合に限定されるものではなく、例えば横断面視四角形状等、適宜変更して構わない。
特に第1センサ室23は、下方に開口した開口部がチューブ壁3aに対して隙間なく密着するように、チューブ3に対して上方から押し当てられている。これにより、第1センサ室23は、チューブ壁3aとの間に気密が維持された状態で押し当てられている。従って、第1キャビティ21は、チューブ壁3aによって塞がれた密閉空間とされている。
なお、チューブ壁3aのうち、第1センサ室23が押し当てられている部分を第1チューブ壁3bという。
第2センサ室24は、第1センサ室23と同様に下方に開口した有頂筒状(例えば横断面視円形状)に形成され、第1センサ室23に対して間隔をあけた状態で第1センサ室23よりも下流側に配置されている。
第2センサ室24は、下方に開口した開口部が第1チューブ壁3bよりも下流側に位置するチューブ壁3aに対して隙間なく密着するように、チューブ3に対して上方から押し当てられている。これにより、第2センサ室24は、チューブ壁3aとの間に気密が維持された状態で押し当てられている。従って、第2キャビティ22は、チューブ壁3aによって塞がれた密閉空間とされている。
なお、チューブ壁3aのうち、第2センサ室24が押し当てられている部分を第2チューブ壁3cという。
連結筐体25は、チューブ3に沿って延びるように形成され、第1センサ室23の上端部と第2センサ室24の上端部とを接続している。連結筐体25は、断面積が第1センサ室23及び第2センサ室24よりも遥かに小さい筒状に形成されている。ただし、各図面では、図面を見易くするために、連結筐体25を誇張して図示している。
連結筐体25によって、チューブ3に沿って配置されている第1センサ室23内と第2センサ室24内とは互いに連通している。つまり、第1キャビティ21と第2キャビティ22とは、連結筐体の内部を通じて互いに連通している。
上述のように構成されたセンサ筐体20において、第1センサ室23の開口部とチューブ壁3aとの間、第2センサ室24の開口部とチューブ壁3aとの間に、例えばクッション性を有する弾性体を介在させても構わない。これにより、第1センサ室23内及び第2センサ室24内の気密性をさらに高めることができる。
なお、弾性体としては、例えばチューブ3の弾性よりも低い弾性の弾性材料、例えば合成ゴム、シリコン、高分子ゲル等が挙げられる。これにより、チューブ3を変形させることなく弾性体を押潰すように弾性変形させることが可能となる。
なお、本実施形態では、センサ筐体20の内部(第1キャビティ21及び第2キャビティ22を含む)には、空気を閉じ込めている構成としているが、特定のガス(気体)を閉じ込めるような構成としても構わない。
さらに、第1センサ室23及び第2センサ室24は、内容積が互いに同一となるように形成されている。
第1センサ室23は、第1チューブ壁3bとの間に気密が維持された状態で押し当てられているので、図3に示すように第1チューブ壁3bが液体Wの脈動に応じて変位したときに、該変位に対応して内圧が変化する。同様に、第2センサ室24は、第2チューブ壁3cとの間に気密が維持された状態で押し当てられているので、第2チューブ壁3cが液体Wの脈動に応じて変位したときに、該変位に対応して内圧が変化する。
なお、図3では、給水タンク6の図示を省略している。
ただし、チューブ3内を流れる液体Wは、上流側から下流側に向けて流れるにしたがって、主にチューブ壁3aとの間に生じる摩擦損失によってエネルギーを失うため、徐々に圧力が低下する(圧力損失)。従って、第2チューブ壁3cの変位は、図3に示すように第1チューブ壁3bの変位よりも小さくなる。そのため、第2センサ室24の内圧の方が、第1センサ室23の内圧よりも小さくなる。従って、圧力センサ31を利用して、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧を検出することができる。
圧力センサ31は、図1、図4及び図5に示すように、連結筐体25に一体的に組み合わされたセンサ基板32を有している。
センサ基板32は、例えばプリント回路基板とされ、連結筐体25に対して直交するように組み合わされている。これにより、センサ基板32は、第1センサ室23内と第2センサ室24内の連通を遮断するように配置されている。ただし、センサ基板32には、連結筐体25の内側に位置する部分に、該センサ基板32を厚み方向に貫通する貫通孔33が形成されている。これにより、第1センサ室23内と第2センサ室24内とは、貫通孔33を通じて互いに連通している。
センサ基板32のうち第1センサ室23側を向く第1主面32a上には、図4及び図5に示すように、SOI基板50が配置されていると共に、液体Wの流動状態の検出に必要とされる各種の電子部品が実装されている。ただし、SOI基板50等は、第1主面32a上に配置される場合に限定されるものではなく、センサ基板32のうち第2センサ室24側を向く第2主面32b上に配置されても構わない。
圧力センサ31は、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧に応じて撓み変形するカンチレバー35を備えている。
カンチレバー35は、SOI基板50を利用して形成され、連結筐体25の内部において貫通孔33を塞ぐように配置されている(図1参照)。SOI基板50は、シリコン支持層51、シリコン酸化膜等の絶縁層52及びシリコン活性層53を熱的に張り合わせた半導体基板であって、センサ基板32の第1主面32aに対して重なった状態で接合されている。
ただし、カンチレバー35はSOI基板50によって形成される場合に限定されるものではない。なお、シリコン支持層51を一定電位に維持する(例えば、シリコン支持層51をセンサ基板32のグラウンド等に接続)等して、SOI基板50に厚さ方向の電位差の変動が生じることを抑制することが好ましい。
図5に示すように、SOI基板50の平面視で互いに直交する2方向のうちの一方向を前後方向L1といい、他方向を左右方向L2という。SOI基板50は、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。ただし、SOI基板50の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
図4及び図5に示すように、SOI基板50は、貫通孔33を覆うようにセンサ基板32の第1主面32a上に配置されている。シリコン支持層51及び絶縁層52には、これらシリコン支持層51及び絶縁層52を厚み方向に貫通する連通孔55が形成されている。連通孔55は、貫通孔33を通じて第2センサ室24内に連通していると共に、後述する第1ギャップ56を通じて第1センサ室23内に連通している。
シリコン活性層53は、絶縁層52の全面に亘って形成されている。そのため、シリコン活性層53は連通孔55を第1センサ室23側から覆っている。さらにシリコン活性層53のうち、SOI基板50の平面視で連通孔55の内側に位置する部分には、該シリコン活性層53を厚さ方向に貫通する平面視C形状の第1ギャップ56が形成されている。シリコン活性層53のうち第1ギャップ56の内側に位置する部分がカンチレバー35とされている。
従って、カンチレバー35は、SOI基板50の平面視で、第1ギャップ56をあけた状態で連通孔55を部分的に覆っている。なお、第1ギャップ56のギャップ幅は、例えば数百nm~数十μmの微小幅とされている。
カンチレバー35は、片持ち状に支持された状態でSOI基板50に形成されている。具体的にはカンチレバー35は、先端部が自由端とされたレバー本体36と、レバー本体36とシリコン活性層53とを一体的に接続すると共に、レバー本体36を片持ち状態で支持する2つのレバー支持部37とを備え、連通孔55を覆うように配置されている。これにより、カンチレバー35は、レバー本体36の先端部側が自由端とされた片持ち梁構造とされ、レバー支持部37を中心として第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧に応じて撓み変形する。
なお、前後方向L1に沿ってレバー支持部37からレバー本体36に向かう方向を前方といい、その反対方向を後方という。
カンチレバー35の基端部には、該カンチレバー35を厚さ方向に貫通する第2ギャップ57が形成されている。第2ギャップ57は、カンチレバー35の基端部においてSOI基板50における左右方向L2の中央部に位置するように形成されている。なお、第2ギャップ57のギャップ幅は、第1ギャップ56のギャップ幅と同等とされている。
2つのレバー支持部37は、第2ギャップ57を間に挟んで左右方向L2に並ぶように配置されている。これにより、カンチレバー35はレバー支持部37を中心として撓み変形し易い構造とされている。
第2ギャップ57は、前後方向L1に沿って直線状に延びると共に、左右方向L2に間隔をあけて互いに平行に配置された第1直線ギャップ57a及び第2直線ギャップ57bと、左右方向L2に沿って直線状に延びると共に、第1直線ギャップ57aと第2直線ギャップ57bとを接続する第3直線ギャップ57cと、を備え、全体として平面視C形状に形成されている。
なお、第2直線ギャップ57bは、第1直線ギャップ57aよりも後方に向かって長く形成されており、後述する第2溝部64に接続されている。
シリコン活性層53には、カンチレバー35を含むようにピエゾ抵抗層60(圧電抵抗層)が形成されている。ピエゾ抵抗層60は、平面視で連通孔55よりも一回り大きいサイズとなるように形成されている。これにより、ピエゾ抵抗層60は、少なくともカンチレバー35の全面に亘って形成されている。なお、ピエゾ抵抗層60は、例えばリン等のドーパント(不純物)がイオン注入法や拡散法等の各種の方法によりドーピングされることで形成されている。
ピエゾ抵抗層60のうちカンチレバー35が形成された部分、すなわち、レバー本体36及び2つのレバー支持部37が形成された部分は、カンチレバー35の撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗61として機能する。
シリコン活性層53のうちピエゾ抵抗層60を除いた領域には、例えばピエゾ抵抗層60よりも電気抵抗率が小さい導電性材料(例えばAU等)からなる外部電極62が形成されている。なお、ピエゾ抵抗層60及び外部電極62の上面に、図示しない絶縁膜を保護膜として被膜することで、外部との電気的な接触を防止することも可能である。
シリコン活性層53には、該シリコン活性層53を複数の領域に区画する複数の溝部が形成されている。本実施形態では、第1溝部63及び第2溝部64が、シリコン活性層53の上面から絶縁層52に達する深さで形成されている。
第1溝部63は、シリコン活性層53のうち第1ギャップ56よりも前方側に位置する領域に形成されていると共に、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。第1溝部63は、前端部がSOI基板50の前方側の側面に達し、且つ後端部が第1ギャップ56に連通するように形成されている。
これにより、ピエゾ抵抗層60及び外部電極62のうち、第1ギャップ56よりも前方側に位置する部分は、第1溝部63によって左右方向L2に分断されている。
第2溝部64は、シリコン活性層53のうち第2ギャップ57よりも後方側に位置する領域に形成されていると共に、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。より具体的には、第2溝部64は、シリコン活性層53のうち第2ギャップ57における第2直線ギャップ57bよりも後方側に位置する領域に形成されている。第2溝部64は、前端部が第2直線ギャップ57bに連通し、且つ後端部がSOI基板50の後方側の側面に達するように形成されている。
これにより、ピエゾ抵抗層60及び外部電極62のうち、第2ギャップ57よりも後方側に位置する部分は、第2溝部64によって左右方向L2に分断されている。
上述した第1溝部63及び第2溝部64によって、外部電極62は第1外部電極62a及び第2外部電極62bに区画されている。従って、第1外部電極62a及び第2外部電極62bは、変位検出抵抗61を経由する通電経路を除き、直接的な相互の電気的接続は切り離されている。
変位検出抵抗61は、第1外部電極62a及び第2外部電極62bに対してそれぞれ電気接続されている。これにより、第1外部電極62a及び第2外部電極62b間に電圧が印加されると、この電圧印加に起因する電流は第1外部電極62aから変位検出抵抗61を経由して第2外部電極62bに流れる。
図6に示すように検出部30は、変位検出抵抗61を含むホイートストンブリッジ回路71を有する検出回路70を備え、カンチレバー35の撓み変形に基づいて、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧の変化に対応した検出信号S1を出力する。具体的には、検出部30は、変位検出抵抗61の抵抗値変化に対応したホイートストンブリッジ回路71からの出力信号を検出信号S1として出力する。
検出回路70は、ホイートストンブリッジ回路71と、ホイートストンブリッジ回路71に対して所定の基準電圧Vccを印加する基準電圧発生回路72と、差動増幅回路73と、を備え、例えばセンサ基板32の第1主面32a上に実装されている(図4参照)。
ホイートストンブリッジ回路71は、変位検出抵抗61及び第1固定抵抗74が直列接続された枝辺と、第2固定抵抗75及び第3固定抵抗76が直列接続された枝辺と、が基準電圧発生回路72に対して並列に接続されている。
変位検出抵抗61は、第1端が基準電圧Vccの供給線に接続され、第2端がノードN1に接続されている。第1固定抵抗74は、第1端がノードN1に接続され、第2端が電源線GNDに接続されている。第2固定抵抗75は、第1端が基準電圧Vccの供給線に接続され、第2端がノードN2に接続されている。第3固定抵抗76は、第1端がノードN2に接続され、第2端が電源線GNDに接続されている。
なお、第1固定抵抗74、第2固定抵抗75及び第3固定抵抗76は、例えばセンサ基板32に実装された外付け抵抗とされている。
差動増幅回路73は、例えば計測アンプであって、ノードN1とノードN2との間の電位差を所定の増幅率で増幅して検出信号S1として、処理部40に出力する。この電位差は、ピエゾ抵抗層60の抵抗値変化に応じた値、すなわちカンチレバー35の変位に基づいた値となる。差動増幅回路73は、反転入力端子(-端子)がノードN1に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN2に接続されている。
なお、第1外部電極62aは変位検出抵抗61の第1端として機能し、基準電圧Vccの供給線が接続される。第2外部電極62bは変位検出抵抗61の第2端及び第1固定抵抗74の第1端として機能し、ノードN1を介して差動増幅回路73の反転入力端子(-端子)が接続される。
図1に示す処理部40は、差動増幅回路73から出力された検出信号S1に基づいて、液体Wの流動状態を検出する。検出信号S1には、既知の基準周波数(脈動ポンプ10の回転周波数)に対応した周期で変化する液体Wの圧力損失の変動成分を含む信号が含まれている。本実施形態では、この信号を特定信号S2という。
これにより、処理部40を利用して、検出信号S1から特定信号S2を抽出してモニタすることで、チューブ3内を流れる液体Wの流動状態を検出することができる。
処理部40は、検出信号S1から特定信号S2を抽出するフィルタを備えている。具体的にフィルタは、検出信号S1をフィルタ処理して特定信号S2を抽出するバンドパスフィルタ41とされている。バンドパスフィルタ41は、既知の基準周波数である脈動ポンプ10の回転周波数を把握しており、適切なフィルタ処理を行うことが可能とされている。
これにより、フィルタ処理後にバンドパスフィルタ41から出力された特定信号S2をモニタすることで、液体Wの流動状態を検出することができる。
なお、バンドパスフィルタ41を含む処理部40は、例えばセンサ基板32の第1主面32a上に実装されている。ただし、図1では、処理部40をセンサ基板32から離れた位置に模式的に図示している。
(流動モニタリングシステム)
上述のように構成された流動モニタ2を具備する流動モニタリングシステム1について、詳細に説明する。
図1に示すように、流動モニタリングシステム1は、流動モニタ2によって検出された液体Wの流動状態が予め設定された設定範囲内であるか否かを判断する判断部4と、検出された流動状態が設定範囲から外れたと判断部4が判断したときに、その旨を外部に報知する報知部5と、流動モニタ2を含む各種構成品を総合的に制御する制御部7と、を備えている。
制御部7は、例えば演算処理部であるCPUであって、メモリ8に予め格納されたプログラム或いはテーブル等に基づいて各種の演算処理を実行する。メモリ8は、例えばバンドパスフィルタ41から出力された特定信号S2を記憶する機能をさらに有していると共に、液体Wの流動状態が正常であるか否かを判断するための判断テーブル等についても記憶する。
判断部4は、例えば制御部7を構成する一部とされ、メモリ8に記憶された判断テーブル等に基づいてバンドパスフィルタ41から出力された特定信号S2をモニタし、液体Wの流動状態が予め設定された設定範囲内であるか否かを判断することが可能とされている。さらに判断部4は、液体Wの流動状態が設定範囲から外れたと判断した場合には、報知部5を通じてその旨を外部に報知させる。
報知部5は、例えば表示部、音声出力部、振動発生部等であって、表示、音声或いは振動等によって、外部に報知することが可能とされている。
さらに判断部4は、チューブ3内への液体Wの供給する制御する機能も有している。具体的には、判断部4は脈動ポンプ10の作動を制御しており、例えば液体Wの流動状態が設定範囲から外れたと判断した場合に、脈動ポンプ10の作動を停止させて液体Wの供給を一時的に停止させることが可能とされている。
(流動モニタ及び流動モニタリングシステムの作用)
次に、上述のように構成された流動モニタ2を含む流動モニタリングシステム1を利用して、チューブ3内を流れる液体Wの流動状態を検出する場合について説明する。
この場合には、図2に示すように、制御部7によって制御される脈動ポンプ10が作動を開始し、既知の基準周波数である回転周波数で圧搾ローラ11を回転、すなわち自転させながら公転させる。これにより、給水タンク6内から液体Wを吸込みながら、チューブ3の下流側に向けて、既知の基準周波数で周期的に脈動させながら液体Wを供給することができる。つまり、図7に示すように、液体Wは基準周波数で周期的に速度が変動しながらチューブ3内を流れる。
これにより、チューブ壁3aの全体は、液体Wの脈動に応じて上流側から下流側に向けて波打つように膨らんで変位する。そのため、図3に示すように、第1センサ室23は、第1チューブ壁3bとの間に気密が維持された状態で押し当てられているので、第1チューブ壁3bが液体Wの脈動に応じて変位したときに、該変位に対応して内圧(第1キャビティ21の圧力)が変化する。同様に第2センサ室24は、第2チューブ壁3cとの間に気密が維持された状態で押し当てられているので、第2チューブ壁3cが液体Wの脈動に応じて変位したときに、該変位に対応して内圧(第2キャビティ22の圧力)が変化する。
これにより、第1センサ室23の内圧及び第2センサ室24の内圧を、既知の基準周波数に対応した周期で変化させることができる。
ただし、チューブ3を流れる液体Wは、上流側から下流側に向けて流れるにしたがって、主にチューブ壁3aとの間に生じる摩擦損失によって圧力損失が生じるので、第2センサ室24の内圧の方が第1センサ室23の内圧よりも小さくなる。従って、圧力センサ31を利用して、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧を検出することができる。
なお、圧力損失は、図8に示すように流速に比例するため、同じ基準周波数で周期的に変動する。
従って、図3に示すように、検出部30によって、圧力センサ31で検出した差圧の変化に対応した検出信号S1を出力することができる。
具体的には、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧が生じると、これに対応してカンチレバー35が撓み変形する。これにより、カンチレバー35の撓み量(変位量)に対応して変位検出抵抗61の抵抗値が変化するので、図6に示すホイートストンブリッジ回路71から出力される検出信号S1が変化する。
この際、検出信号S1には、既知の基準周波数に対応した周期で変化する圧力損失の変動成分を含む信号(特定信号S2)が含まれている。これにより、バンドパスフィルタ41を利用して、検出信号S1をフィルタ処理して特定信号S2を抽出してモニタすることで、液体Wの流動状態を検出することができる。
例えば、液体Wの流速が遅くなった場合には、圧力損失が小さくなるため、図9に示す30秒以降の波形のように特定信号S2の出力自体が小さくなる。すなわち、特定信号S2の振幅が小さくなる。これにより、液体Wの流速が遅くなったことを検出することができる。このように、流体の流動状態として流速の変化を検出することが可能である。さらには、液体Wの流量の変化を検出することも可能である。
さらには、チューブ3内に何等かの理由(異物の混入や泡の発生等)によって詰まり等が発生した場合には、液体Wの流速が顕著に小さくなるため、特定信号S2の出力(振幅)が小さくなる、或いは零に近くなる。従って、詰まりが発生した等の異常の有無についても検出することが可能となる。
このように、本実施形態の流動モニタ2によれば、チューブ3内を流れる液体Wの流動状態を検出することができる。そして、流動モニタリングシステム1によれば、流動モニタ2を具備しているので、液体Wの流動状態を常にモニタすることができ、液体Wを各種の用途に使用することができる。
特に、図1に示すように、判断部4が流動モニタ2から出力された特定信号S2をモニタして、液体Wの流動状態が予め設定された設定範囲内であるか否かを判断しているので、流動状態の異常の有無等を速やかに把握することができる。つまり、液体Wの流動状態が設定範囲から外れたと判断部4が判断した場合には、報知部5がその旨を外部に報知するので、チューブ3の詰まり等が生じたことを速やかに把握することができる。それに加え、この場合には、判断部4を含む制御部7が脈動ポンプ10の作動を停止させるので、液体Wの供給を一時的に停止でき、不具合に対する対策を行い易い。
以上説明したように、本実施形態の流動モニタ2及び流動モニタリングシステム1によれば、チューブ3内を流れる液体Wの流動状態を検出することができる。
特に、第1センサ室23及び第2センサ室24をチューブ壁3a(第1チューブ壁3b及び第2チューブ壁3c)に押し当てることで、液体Wの流動状態をモニタするので、液体Wに対して非接触状態でモニタを行うことができる。従って、従来とは異なり、液体Wを汚染することがないので、チューブ3内を流れる流体を、例えば生化学反応に使用したり、生体への注入に用いたりすることが可能であり、各種の用途に幅広く用いることができる。
さらには、洗浄等の対策を行うことなく、種類の異なる液体Wへの切換えも可能であるので、使い易く利便性を向上することができる。
とりわけ、既知の基準数周波数で脈動する液体Wをチューブ3内に流してチューブ壁3aを変位させ、圧力センサ31を利用して第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧を検出し、差圧の変化に対応した検出信号S1(特定信号S2)に基づいて液体Wの流動状態を検出する構成を採用している。従って、従来にはないモニタ構成とすることができ、微小流量で流れる液体Wであっても、流動状態を高精度に検出することが可能となる。
さらに、バンドパスフィルタ41を利用して検出信号S1に含まれる信号の中から、既知の基準周波数に対応した周期で変化する圧力損失の周波数成分を含む特定信号S2を狙って抽出することができる。従って、検出信号S1に含まれる余計な周波数成分を含む信号をカットすることができ、ノイズの少ない信号を得ることができる。そのため、液体Wの流動状態をより高精度に検出することができる。
さらに、圧力センサ31がカンチレバー35を利用して、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧を検出するので、該差圧が微小であったとしても、カンチレバー35を反応良く追従させて撓み変形させることができ、流動状態を感度良く検出することができる。
特にカンチレバー35は、図4及び図5に示すように、レバー本体36を片持ち状態で支持するレバー支持部37を中心に撓み変形する。そのため、変位検出抵抗61のうち主にレバー支持部37に形成された部分が、感度への寄与度(貢献度)が大きい応力検知部位となり、カンチレバー35の撓み量に正確に対応して抵抗値が変化する。そのため、液体Wの流動状態の精度良く且つ感度良く行い易い。
さらに、図1に示すように、第1センサ室23及び第2センサ室24の内容積が同一であるので、チューブ3内を流れる液体Wの圧力損失によって、第2チューブ壁3cの変位が第1チューブ壁3bの変位よりも小さいことに対応して、第2センサ室24の内圧を第1センサ室23の内圧よりも確実に小さくすることができる。従って、圧力センサ31を利用して、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧の変化を確実に検出することができる。
さらに、第1センサ室23及び第2センサ室24の内容積を同一に形成することができるので、センサ筐体20を容易に形成し易く、構成の簡略化を図ることができる。
(第1実施形態の変形例)
第1実施形態では、第1センサ室23の内容積と第2センサ室24の内容積とを同一とした場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。
例えば図10に示すように、第1センサ室23の内容積が第2センサ室24の内容積とは異なるようにセンサ筐体20を構成しても構わない。この場合には、第1センサ室23の内容積と第2センサ室24の内容積との比率が、第1チューブ壁3bの変位と第2チューブ壁3cの変位との比率に対して異なる比率とすれば良い。なお、図10では、給水タンク6の図示を省略している。
この場合であっても、チューブ3内を流れる流体の圧力損失によって、第2チューブ壁3cの変位が第1チューブ壁3bの変位よりも小さいことに対応して、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との間に差圧を確実に生じさせることができる。従って、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
特に、第1センサ室23及び第2センサ室24の内容積の比率を調整することで、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧をより大きくさせることもできるので、差圧の変化を感度良く検出することが可能である。
具体的には、図10に示すように、第1センサ室23の内容積を第2センサ室24の内容積よりも小さく形成(すなわち、第1キャビティ21を第2キャビティ22よりも小さく形成)することで、第1チューブ壁3bの変位に応じて第1センサ室23の内圧をより大きく変化させることがき、且つ第2チューブ壁3cの変位に応じて第2センサ室24の内圧をより小さく変化させることができる。これにより、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧の変化をさらに大きくさせることができる。
なお、図10に示すように、第1センサ室23の内容積と第2センサ室24の内容積とが異なるようにセンサ筐体20を構成することに関しては、後述する第2実施形態及び第3実施形態に適用しても構わない。
(第2実施形態)
次に、本開示に係る流動モニタ及び流動モニタリングシステムの第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の流動モニタ80は、第1センサ室23よりも上流側であって、且つ脈動ポンプ10よりも下流側に配置され、チューブ壁3aを一定の周期で加圧する加圧部81を備えている。加圧部81は、偏心軸O1回りに回転可能に配置され、チューブ壁3aを一定の周期で押潰すように加圧する偏心カム82と、偏心カム82を偏心軸O1回りに回転させる駆動モータ83と、を備えている。なお、図11では給水タンク6の図示を省略している。
偏心カム82は、一定の厚みを有する円板状に形成され、該偏心カム82の中心から偏心した位置に設けられた偏心軸O1回りに回転可能とされている。偏心カム82は、偏心軸O1回りの回転によって、外周面82aがチューブ壁3aを押潰すように加圧する加圧状態と、外周面82aがチューブ壁3aから離間して、チューブ壁3aの加圧を解除する非加圧状態とが、一定の周期で切り換わるように構成されている。
駆動モータ83は、モータ制御部84によって作動が制御されるモータであって、偏心カム82を脈動ポンプ10の回転周波数(すなわち既知の基準周波数)とは異なる既知の特定周波数で回転させる。これにより、特定周波数の周波数成分を含むように液体Wを脈動させることが可能となる。
モータ制御部84は、制御部7によって作動が制御されている。さらに、モータ制御部84は、既知の基準周波数である脈動ポンプ10の回転周波数、及び加圧部81における特定周波数を把握しており、任意に選択したいずれかの周波数をバンドパスフィルタ41に付与する機能も有している。
本実施形態のバンドパスフィルタ41は、検出回路70から出力された検出信号S1から、任意に選択した1つの周波数の周波数成分を含む特定信号S2を抽出することが可能とされている。具体的には、バンドパスフィルタ41は、モータ制御部84によって選択された周波数で検出信号S1をフィルタ処理することで、特定信号S2を抽出するように構成されている。
(流動モニタ及び流動モニタリングシステムの作用)
上述のように構成された本実施形態の流動モニタ80及び流動モニタリングシステム1であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
それに加え、本実施形態では、加圧部81を利用してチューブ壁3aを一定の周期で加圧することができ、基準周波数に対応した周期だけでなく、基準周波数とは異なる特定周波数を含むように液体Wを脈動させることができる。
そして、バンドパスフィルタ41を利用して、検出回路70から出力された検出信号S1に含まれる信号の中から、任意に選択した1つの周波数(すなわち、基準周波数又は特定周波数)に対応した周期で変化する圧力損失の周波数成分を含む特定信号S2を狙って抽出することができる。これにより、検出信号S1に含まれる余計な周波数成分を含む信号をカットすることができ、ノイズの少ない信号を得ることができる。そのため、液体Wの流動状態をより高精度に検出することができる。
特に、任意に選択した1つの周波数の周波数成分を含む特定信号S2だけを狙って抽出することができるので、検出信号S1に含まれる信号の中から、ノイズが最も少ない信号を抽出することができる。従って、例えば環境ノイズが既知の基準周波数に近い周波数を有していた場合であっても、特定周波数を選択することで、環境ノイズの影響を受けることなく、液体Wの流動状態を高精度に検出するといった使い方を行える。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態では、バンドパスフィルタ41を用いた場合を例に挙げて説明したが、フィルタとしては、バンドパスフィルタ41に限定されるものではなく、バンドパスフィルタ41に代えてロックインアンプとしても構わない。
この場合であっても、第2実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。特に、ロックインアンプを利用する場合には、検出信号S1に含まれる信号の中から、任意に選択した周波数にピンポイントで一致する周波数の周波数成分だけを抽出することができる。従って、例えばノイズが最も少ない信号を精度良く抽出し易いうえ、抽出した信号を増幅させる処理等も可能である。従って、液体Wの流動状態をさらに高精度に検出することができる。
このように、本開示におけるフィルタとしては、検出信号S1をフィルタ処理することができれば良く、ロックインアンプ等のようなハードウェアによるメカニカルフィルタであっても構わないし、バンドパスフィルタ等のようなソフトウェアによるフィルタ回路(電子回路)等、幅広く適用することができる。
従って、バンドパスフィルタ41に代えて、ロックインアンプのような他のフィルタを、第1実施形態や後述する第3実施形態に適用しても構わない。
(第2実施形態の変形例)
さらに上記第2実施形態において、加圧部81を利用して、複数の異なる特定周波数の周波数成分を含むように液体Wを脈動させても構わない。
例えば図12に示すように、加圧部81は、偏心カム82よりも上流側に配置された加圧プレート85をさらに備えている。なお、図12では給水タンク6の図示を省略している。
なお、加圧プレート85は、偏心カム82よりも上流側に配置される場合に限定されるものではなく、偏心カム82よりも下流側であって、且つ第1センサ室23よりも上流側に配置されていても構わない。
加圧プレート85は、一定の厚みを有する円板状に形成されたプレート本体86と、プレート本体86の外縁部からさらに外方に突出すると共に、プレート本体86の周方向に等間隔をあけて配置された複数の加圧片87とを備え、プレート本体86の中心を貫く回転軸O2回りに回転可能とされている。
加圧片87は、周方向に沿って延びるように形成され、外周面87aを利用してチューブ壁3aを押潰すように加圧することが可能とされている。なお、図示の例では、加圧プレート85は、3つの加圧片87を有しているが、加圧片87の数は3つに限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
このように構成された加圧プレート85は、駆動モータ83によって回転軸O2回りを回転することで、加圧片87の外周面87aがチューブ壁3aを押潰すように加圧する加圧状態と、外周面87aがチューブ壁3aから離間して、チューブ壁3aの加圧を解除する非加圧状態とが、一定の周期で切り換わるように構成されている。
本実施形態の駆動モータ83は、偏心カム82及び加圧プレート85を互いに異なる2つの特定周波数で回転させる。具体的には、駆動モータ83は、偏心カム82を第1特定周波数で回転させ、加圧プレート85を第2特定周波数で回転させる。なお、第1特定周波数及び第2特定周波数は、いずれも脈動ポンプ10の回転周波数(すなわち既知の基準周波数)とは異なる。
これにより、第1特定周波数及び第2特定周波数の周波数成分を含むように液体Wを脈動させることが可能となる。
モータ制御部84は、既知の基準周波数である脈動ポンプ10の回転周波数、偏心カム82を駆動する際の第1特定周波数、及び加圧プレート85を駆動する際の第2特定周波数を把握しており、任意に選択したいずれかの周波数をバンドパスフィルタ41に付与する。
このように構成された流動モニタ80の場合には、第2実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、任意に選択することができる周波数の選択肢を増やすことができる。従って、例えば環境ノイズが偶然にも偏心カム82を駆動する際の第1特定周波数に近い周波数を有している場合であっても、フィルタ処理によってカットすることができる。従って、液体Wの流動状態をさらに高精度に検出することができる。
なお、図12では、加圧部81が偏心カム82及び加圧プレート85を利用して、チューブ3を2箇所で加圧する場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、3箇所以上で加圧することで、3つ以上の異なる特定周波数の周波数成分を含むように液体Wを脈動させても構わない。
(第3実施形態)
次に、本開示に係る流動モニタ及び流動モニタリングシステムの第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態の流動モニタ90は、チューブ3のうち第1センサ室23と第2センサ室24との間に位置する部分に、第1センサ室23側における液体Wの圧力よりも、第2センサ室24側における液体Wの圧力を低下させる圧力損失増大部が設けられている。具体的には、圧力損失増大部は、チューブ3の流路径(断面積)を狭める狭窄部91とされている。
なお、図13では給水タンク6の図示を省略している。
(流動モニタ及び流動モニタリングシステムの作用)
このように構成された本実施形態の流動モニタ90及び流動モニタリングシステム1であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
それに加え、チューブ3内を流れる液体Wが上流側から下流側に向けて流れるにしたがって、チューブ壁3aとの間に生じる摩擦損失によってエネルギーを失うだけでなく、狭窄部91によって圧力がさらに低下する。つまり、狭窄部91によってチューブ3の断面積を狭めることができるので、流路抵抗を増大させることができ、圧力を低下させることができる。従って、上流側と下流側とで液体Wの圧力損失を意図的に大きくすることができる。
従って、カンチレバー35を具備する圧力センサ31を利用して、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧の変化を感度良く検出し易い。そのため、高いS/N比での検出信号S1を出力することができ、液体Wの流動状態をさらに精度良く検出することができる。
さらに、チューブ3の断面積を意図的に狭めるだけの簡便な構成で済むので構成の簡略化を図ることができるうえ、断面積を任意に変更することで、圧力損失の調整を行うことが可能である。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態では、圧力損失増大部として狭窄部91を例に挙げて説明したが、圧力損失を意図的に増大させることができれば良く、狭窄部91に限定されるものではない。例えば、図14に示すように、チューブ3のうち第1センサ室23と第2センサ室24との間に位置する部分をU字状に湾曲させた変向部(Uターン部)92を設け、第1センサ室23から第2センサ室24に達するまでの液体Wの流れの向きを変えることで、液体Wの流動距離を増大させても構わない。従って、変向部92が圧力損失増大部として機能する。
なお、本実施形態のセンサ筐体20は、チューブ3に設けられた変向部92に対応して、第1センサ室23と第2センサ室24とが直列に接続されるように形成されている。なお、図14では給水タンク6の図示を省略している。
このように構成された流動モニタ90の場合には、変向部92を液体Wが通過するときに流路抵抗を増大させることができると共に、第1センサ室23から第2センサ室24に至るまでの流路長を確保することができる。従って、上流側と下流側とで流体の圧力損失を意図的に大きくすることができるので、第3実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
特に、液体Wの流れの向きを変えるだけの簡便な構成で済むので構成の簡略化を図ることができるうえ、流れの向きを任意に変更することで、圧力損失の調整を行うことが可能である。
なお、変向部92は、チューブ3をU字状に湾曲させる場合に限定されるものではなく、例えば90度に近い角度で急峻にチューブ3を屈曲させることで構成しても構わないし、波型状(ジグザグ状)にチューブ3を連続的に湾曲させることで構成しても構わない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
上記各実施形態では、圧力センサ31の一例として、カンチレバー35を利用したセンサを例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、第1センサ室23の内圧と第2センサ室24の内圧との差圧を検出できれば、その他の構造を採用しても構わない。
また、上記各実施形態では、ホイートストンブリッジ回路71を利用して、変位検出抵抗61の抵抗値変化を検出したが、この場合に限定されるものではない。変位検出抵抗61の抵抗値変化を検出できれば、検出回路70をどのように構成しても構わない。
また、上記各実施形態では、脈動ポンプ10を利用して液体Wをチューブ3内に供給したが、脈動ポンプ10に限定されるものではない。既知の基準周波数で脈動するように液体Wを供給することができれば、他の構成を採用しても構わない。
また、上記第2実施形態では、偏心カム82や加圧プレート85を利用してチューブ3を加圧したが、一定の周期でチューブ3を加圧して液体Wを脈動させることができれば、他の構成を採用しても構わない。例えば、ピストン機構等を利用して、チューブ3を一定の周期で加圧しても構わない。
W…液体(流体)
1…流動モニタリングシステム
2、80、90…流動モニタ
3…チューブ(流路)
3a…チューブ壁(流壁)
4…判断部
5…報知部
7…制御部
10…脈動ポンプ(供給部)
23…第1センサ室
24…第2センサ室
30…検出部
31…圧力センサ
35…カンチレバー
40…処理部
41…バンドパスフィルタ(フィルタ)
61…変位検出抵抗
70…検出回路
81…加圧部
91…狭窄部(圧力損失増大部)
92…変向部(圧力損失増大部)

Claims (14)

  1. 既知の基準周波数で脈動する流体が内部を流れ、前記流体の脈動に応じて変位する流壁を有する流路と、
    前記流壁との間に気密を維持した状態で前記流壁に押し当てられ、前記流壁の変位に対応して内圧が変化する第1センサ室と、
    前記第1センサ室よりも前記流体の下流側に配置されると共に、前記流壁との間に気密を維持した状態で前記流壁に押し当てられ、前記流壁の変位に対応して内圧が変化する第2センサ室と、
    前記第1センサ室の内圧と前記第2センサ室の内圧との差圧を検出する圧力センサを有し、検出した差圧の変化に対応した検出信号を出力する検出部と、
    前記検出信号に基づいて前記流体の流動状態を検出する処理部と、を備えていることを特徴とする流動モニタ。
  2. 請求項1に記載の流動モニタにおいて、
    前記処理部は、前記検出信号から前記基準周波数に対応した周波数成分を含む特定信号を抽出するフィルタを備え、前記特定信号に基づいて前記流体の流動状態を検出する、流動モニタ。
  3. 請求項1に記載の流動モニタにおいて、
    前記第1センサ室よりも前記流体の上流側に配置され、前記流壁を一定の周期で加圧することで、前記基準周波数とは異なる既知の特定周波数の周波数成分を含むように前記流体を脈動させる加圧部を備え、
    前記処理部は、前記検出信号から任意に選択した1つの周波数の周波数成分を含む特定信号を抽出するフィルタを備え、前記特定信号に基づいて前記流体の流動状態を検出する、流動モニタ。
  4. 請求項3に記載の流動モニタにおいて、
    前記加圧部は、前記流壁を互いに異なる周期で加圧することで、複数の異なる前記特定周波数の周波数成分を含むように前記流体を脈動させる、流動モニタ。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載の流動モニタにおいて、
    前記フィルタは、ロックインアンプである、流動モニタ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の流動モニタにおいて、
    前記流路のうち前記第1センサ室と前記第2センサ室との間に位置する部分には、前記第1センサ室側における前記流体の圧力よりも、前記第2センサ室側における前記流体の圧力を低下させる圧力損失増大部が設けられている、流動モニタ。
  7. 請求項6に記載の流動モニタにおいて、
    前記圧力損失増大部は、前記流路の流路径を狭める狭窄部である、流動モニタ。
  8. 請求項6に記載の流動モニタにおいて、
    前記圧力損失増大部は、前記第1センサ室から前記第2センサ室に達するまでの前記流体の流れの向きを変えることで、前記流体の流動距離を増大させる変向部である、流動モニタ。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の流動モニタにおいて、
    前記流体を既知の基準周波数で脈動させながら前記流路内に供給する供給部を備えている、流動モニタ。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の流動モニタにおいて、
    前記第1センサ室の内容積は、前記第2センサ室の内容積と同一とされている、流動モニタ。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の流動モニタにおいて、
    前記第1センサ室の内容積は、前記第2センサ室の内容積と異なり、
    前記第1センサ室の内容積と前記第2センサ室の内容積との比率は、前記第1センサ室が押し当てられている前記流壁の変位と、前記第2センサ室が押し当てられている前記流壁の変位との比率とは異なる比率とされている、流動モニタ。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の流動モニタにおいて、
    前記圧力センサは、前記第1センサ室の内圧と前記第2センサ室の内圧との差圧に応じて撓み変形するカンチレバーを備え、
    前記検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記検出回路からの出力信号を前記検出信号として出力する、流動モニタ。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の流動モニタと、
    検出された流動状態が予め設定された設定範囲内であるか否かを判断する判断部と、
    検出された流動状態が前記設定範囲から外れたと前記判断部が判断したときに、その旨を外部に報知する報知部と、を備えていることを特徴とする流動モニタリングシステム。
  14. 請求項13に記載の流動モニタリングシステムにおいて、
    前記判断部は、判断結果に基づいて前記流路内への前記流体の供給を制御する、流動モニタリングシステム。
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