JP2022116536A - 磁気ギアード電気機械及び発電システム - Google Patents
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Abstract
Description
発熱部としてのステータコイルの周辺部位については、ステータに設けられた冷却ジャケットにより冷却可能である。これに対し、他の発熱部の例であるポールピースについては、ポールピースが回転部材であることから、冷却ジャケットの設置が難しい。特に、ステータのうちステータコイルよりもポールピース側の部位については、ステータコイル及びポールピースという2つの発熱源からの入熱によって他の部位に比べて温度上昇リスクが高いにもかかわらず、冷却ジャケットからの距離に起因して、冷却ジャケットによる高い冷却効果は期待できない。
しかし、ポールピースを含む磁気経路部材ホルダが回転部材である磁気ギアード電気機械の場合、回転部品であるポールピース間に冷媒流路を形成することは構造の複雑化を招く。
ステータコイルを含むステータと、
前記ステータとの間に第1半径方向隙間を有して配置される複数のポールピースを含み、前記第1半径方向隙間を含む第1冷却通路が前記ステータとの間に形成される第1ロータと、
複数のロータ磁石を含み、径方向において前記第1ロータを挟んで前記ステータとは反対側にて、前記ポールピースとの間に第2半径方向隙間を有して配置され、前記第2半径方向隙間を含む第2冷却通路が前記第1ロータとの間に形成される第2ロータと、
前記ステータ、前記第1ロータ及び前記第2ロータに対して軸方向の一端側に形成される冷却気体の入口キャビティと、
前記ステータ、前記第1ロータ及び前記第2ロータに対して前記軸方向の他端側に形成され、前記第1冷却通路および前記第2冷却通路の各々を通過した前記冷却気体を受け入れるための出口キャビティと、
を備え、
前記第1半径方向隙間の寸法W1は、前記第2半径方向隙間の寸法W2よりも大きい。
図1A及び図1Bは、それぞれ、磁気ギアード電気機械の例を示す概略図である。ここで、図1A及び図1Bにおいて、「軸方向」は磁気ギアード電気機械10のロータ(30,40)の回転軸(rotational axis)に平行な方向であり、「径方向」はロータ(30,40)の回転軸(rotational axis)に直交する方向である。
一実施形態では、図1Aに示すように、磁気ギアード電気機械10は、原動機2によって駆動されて発電を行い、発電により生成した電力Pを例えば電力系統であってもよい電力供給先4に向けて供給するように構成される磁気ギアード発電機10Aである。
他の実施形態では、図1Bに示すように、磁気ギアード電気機械10は、例えば電力系統であってもよい電力供給源6からの電力Pの供給を受けて、回転機械8を駆動するように構成される磁気ギアードモータ10Bである。
磁気ギアード発電機10Aは、ステータ磁石22及びステータコイル24を含むステータ20と、ポールピース32を含む第1ロータ30と、ロータ磁石42を含む第2ロータ40とを備える。図1Aに示す例では、ステータ20は、軸受B1を介して原動機2の回転シャフト3を支持するハウジング21の内部に配置される。第1ロータ30は、原動機2の回転シャフト3とともに回転するように構成される。第1ロータ30は、ポールピース32の軸方向両端にそれぞれ設けられる第1エンドプレート34を含み、各々の第1エンドプレート34が回転シャフト3に連結される。第2ロータ40は、ロータ磁石42の軸方向両端にそれぞれ設けられる第2エンドプレート44を含む。各々の第2エンドプレート44は、第2ロータ40が回転シャフト3及び第1ロータ30よりも高速で回転することを許容するように、軸受B2を介して回転シャフト3(又は回転シャフト3とともに回転する第1ロータ30)に取り付けられる。第2ロータ40は、ポールピース32及び第1エンドプレート34を含む第1ロータ30と回転シャフト3とによって囲まれる領域内に設けられる。
なお、図1Aに示す実施形態では、磁気ギアード発電機10Aは、径方向の内側に向かって、ステータ20、第1ロータ30、第2ロータ40の順に配置された構成を有する。別の実施形態では、磁気ギアード発電機10Aは、径方向の内側に向かって、第2ロータ40、第1ロータ30、ステータ20の順に配置された構成を有する。この場合、円筒状の回転シャフト3の径方向内側に、第2ロータ40、第1ロータ30及びステータ20が配置される。
例えば、磁気ギアード発電機10Aにおける発電は以下の原理により行われてもよい。原動機2の回転シャフト3とともに回転する第1ロータ(低速ロータ)30のポールピース32によって、ステータ磁石22の磁束が変調され、変調された磁場からロータ磁石42が磁力を受けて第2ロータ(高速ロータ)40が回転する。このとき、第1ロータ(低速ロータ)30に対する第2ロータ(高速ロータ)40の回転数の比(増速比)は、ロータ磁石42の極対数NHに対するポールピース32の極数NLの比(=NL/NH)で表される。第2ロータ(高速ロータ)40が回転することで、電磁誘導によってステータコイル24に電流が発生する。
すなわち、磁気ギアードモータ10Bは、ステータ磁石22及びステータコイル24を含むステータ20と、ポールピース32を含む第1ロータ30と、ロータ磁石42を含む第2ロータ40とを備える。図1Bに示す例では、ステータ20は、軸受B1を介して回転機械8の回転シャフト9を支持するハウジング21の内部に固定される。第1ロータ30は、ポールピース32の軸方向両端にそれぞれ設けられる第1エンドプレート34を含み、各々の第1エンドプレート34が回転シャフト9に連結される。第2ロータ40は、ロータ磁石42の軸方向両端にそれぞれ設けられる第2エンドプレート44を含む。各々の第2エンドプレート44は、第2ロータ40が回転シャフト9及び第1ロータ30よりも高速で回転することを許容するように、軸受B2を介して回転シャフト9(又は回転シャフト9とともに回転する第1ロータ30)に取り付けられる。第2ロータ40は、ポールピース32及び第1エンドプレート34を含む第1ロータ30と回転シャフト9とによって囲まれる領域内に設けられる。
図1Bに示す実施形態では、磁気ギアードモータ10Bは、径方向の内側に向かって、ステータ20、第1ロータ30、第2ロータ40の順に配置された構成を有する。別の実施形態では、磁気ギアードモータ10Bは、径方向の内側に向かって、第2ロータ40、第1ロータ30、ステータ20の順に配置された構成を有する。この場合、円筒状の回転シャフト9の径方向内側に、第2ロータ40、第1ロータ30及びステータ20が配置される。
続けて、図2を参照して、上述した磁気ギアード電気機械10(10A,10B)の内部構造について説明する。
図2は、一実施形態に係る磁気ギアード電気機械10の径方向断面図である。
図2に示すように、磁気ギアード電気機械10のステータ20は、周方向に配列された複数のステータ磁石22とステータコイル24とを含む。ステータ磁石22及びステータコイル24は、ステータコア23に取り付けられる。
図2には、ステータ磁石22がステータコア23の表面に取り付けられた表面磁石型(SPM;Surface Permanent Magnet)の構造例を示している。他の実施形態では、ステータ20は、ステータ磁石22がステータコア23に埋め込まれた埋込磁石型(IPM;Interior Permanent Magnet)の構造を有していてもよい。
ポールピース32は、ステータ20との間に第1半径方向隙間G1を隔てて配置される。第1半径方向隙間G1は、径方向における寸法W1を有し、第1ロータ30とステータ20との間に形成される後述の第1冷却通路60の一部である。
非磁性部材33は、マトリックス樹脂に強化繊維を複合化させた繊維強化プラスチック(FRP)であってもよく、例えば、炭素繊維を強化繊維として用いたCFRPや、ガラス繊維を強化繊維として用いたGFRPであってもよい。第1エンドプレート34は、回転シャフト3,9との接続位置からポールピース32に向かって径方向に沿って延在する環状プレートである。
第2ロータ40は、図1A及び図1Bを参照して上述したとおり、ポールピース32、非磁性部材33及び第1エンドプレート34を含む第1ロータ30によって囲まれるように配置されてもよい。
図2には、ロータ磁石42がロータコア43の表面に取り付けられた表面磁石型(SPM;Surface Permanent Magnet)の構造例を示している。他の実施形態では、第2ロータ40は、ロータ磁石42がロータコア43に埋め込まれた埋込磁石型(IPM;Interior Permanent Magnet)の構造を有していてもよい。
また、図2に示す例示的な実施形態では、複数のロータ磁石42が、ロータコア43の表面上に周方向に隙間を空けて配置される2以上の磁石グループ(Gr1,Gr2)を構成する。例えば、各々の磁石グループ(Gr1,Gr2)は、磁化方向が同一である複数のロータ磁石42によって構成される。
第2エンドプレート44は、軸受B2の取付け位置からロータコア43に向かって径方向に沿って延在する環状プレートである。
また、閉塞部材45は、マトリックス樹脂に強化繊維を複合化させた繊維強化プラスチック(FRP)であってもよく、例えば、炭素繊維を強化繊維として用いたCFRPや、ガラス繊維を強化繊維として用いたGFRPであってもよい。閉塞部材45は、図2に示すように、周方向に交互に並ぶ磁石グループ(Gr1,Gr2)間の周方向隙間の少なくとも一部を閉塞してもよい。この場合、ロータコア43からの各ロータ磁石42の突出高さよりも、ロータコア43からの閉塞部材45の表面までの高さは小さくてもよい。
上記構成の磁気ギアード電気機械10(10A,10B)では、ステータコイル24における銅損やポールピース32における鉄損に起因した発熱への対策として、磁気ギアード電気機械10の内部に冷却気体流路が設けられる。
同図に示すように、幾つかの実施形態では、磁気ギアード電気機械10は、冷却気体が導入される入口キャビティ50と、ステータ20と第1ロータ30との間の第1冷却通路60及び第1ロータ30と第2ロータ40との間の第2冷却通路62の各々を通過した冷却気体を受け入れるための出口キャビティ70とを含む。
入口キャビティ50は、ステータ20、第1ロータ30及び第2ロータ40に対して軸方向の一端側に形成される。これに対し、出口キャビティ70は、ステータ20、第1ロータ30及び第2ロータ40に対して軸方向の他端側に形成される。換言すれば、出口キャビティ70は、軸方向において、ステータ20、第1ロータ30及び第2ロータ40を挟んで入口キャビティ50の反対側に位置する。
なお、入口キャビティ50には、ステータコイル24の一部がステータコア23から軸方向に突出して形成されるコイルエンド24Aが露出している。
図3に示す例示的な実施形態では、入口キャビティ50は、一方の第1エンドプレート34Aの入口開口54を介して、第1ロータ30の内部に形成される上流側中間キャビティ56に連通する。上流側中間キャビティ56は、第1ロータ30の一方の第1エンドプレート34Aと、これに対向する第2ロータ40の一方の第2エンドプレート44Aとの間に形成される環状空間である。第2冷却通路62の上流端は上流側中間キャビティ56に流体的に接続され、入口キャビティ50内の冷却気体が上流側中間キャビティ56を経由して第2冷却通路62に導入される。
図3に示す例示的な実施形態では、出口キャビティ70は、軸受B1を介して回転シャフト(3,9)に取り付けられるハウジング21の他方の径方向壁21Bと、これに対向するステータ20の軸方向端面および第1ロータ30の第1エンドプレート34Bとによって画定される。すなわち、出口キャビティ70は、軸方向において、ハウジング21の他方の径方向壁21Bと、ステータ20及び第1ロータ30の他方の第1エンドプレート34Bとの間に形成され、回転シャフト(3,9)を取り囲む環状空間である。出口キャビティ70は、ハウジング21の軸方向の他端側に設けられた冷却気体出口72を介して出口ダクト(不図示)と連通しており、出口キャビティ70から冷却気体出口72を介して出口ダクトへと冷却気体が排出されるようになっている。冷却気体出口72は、ハウジング21の軸方向の他端側において、周方向における複数箇所に設けられていてもよい。
なお、出口キャビティ70には、ステータコイル24の一部がステータコア23から軸方向に突出して形成されるコイルエンド24Aが露出している。
図3に示す例示的な実施形態では、出口キャビティ70は、他方の第1エンドプレート34Bの出口開口74を介して、第1ロータ30の内部に形成される下流側中間キャビティ58に連通する。下流側中間キャビティ58は、第1ロータ30の他方の第1エンドプレート34Bと、これに対向する第2ロータ40の他方の第2エンドプレート44Bとの間に形成される環状空間である。第2冷却通路62の下流端は下流側中間キャビティ58に流体的に接続され、第2冷却通路62を通過して高温化した冷却気体は、下流側中間キャビティ58を経由して出口キャビティ70へと導かれる。
冷却ジャケット26には、冷却ジャケット26に接続される不図示の冷媒供給管を介して冷媒(例えば、冷却水や冷却空気)が供給される。ステータ20から熱を奪って高温になった冷媒は、冷却ジャケット26に接続される不図示の冷媒排出管から排出される。
ここで、第1流れF1の圧力損失は、入口キャビティ50と第1冷却通路60の上流端との接続部における圧力損失と、第1冷却通路60における圧力損失と、第1冷却通路60の下流端と出口キャビティ70との接続部における圧力損失との和で表される。これに対し、第2流れF2の圧力損失は、第1エンドプレート34Aの入口開口54における圧力損失と、上流側中間キャビティ56における圧力損失と、第2冷却通路62における圧力損失と、下流側中間キャビティ58における圧力損失と、第1エンドプレート34Bの出口開口74における圧力損失との和で表される。
よって、第1流れF1と第2流れF2との流量分配比は、第1流れF1の圧力損失に関与する上述の各流路部分の流路断面積、および、第2流れF2の圧力損失に関与する上述の各流路部分の流路断面積の相対的な関係を変更することによって調節可能である。
この場合、両寸法W1,W2が同一である場合に比べて、第1半径方向隙間G1を通過する冷却気体の第1流れF1の流量が増加する。その結果、第1冷却通路60の出口付近においても冷却気体の過度な温度上昇を抑制可能となり、冷却ジャケット26による冷却が難しい発熱部であるポールピース32及びステータ磁石22から冷却気体への放熱を促進することができる。
また、ポールピース32を含む第1ロータ30とステータ20との間の第1冷却通路60、および、ポールピース32を含む第1ロータ30と第2ロータ40との間の第2冷却通路62を形成することで、冷却構造の簡素化を図れる。
そこで、幾つかの実施形態では、第1ロータ30の第1エンドプレート34(34A,34B)に設けられる入口開口54又は出口開口74の少なくとも一方は、第2冷却通路62の流路断面積よりも小さい開口面積を有する。
これにより、入口開口54又は出口開口74の少なくとも一方が絞りとして機能し、入口キャビティ50から第2冷却通路62を介して出口キャビティ70へと流れる冷却気体の流量が絞られる。その結果、入口キャビティ50から第1冷却通路60を介して出口キャビティ70へと流れる冷却気体の流量が増加する。
同図に示すように、第1エンドプレート34Aは、周方向に複数の入口開口54を有していてもよい。同様に、第1エンドプレート34Bは、周方向に複数の出口開口74を有していてもよい。
第1エンドプレート34の入口開口54又は出口開口74の「開口面積」とは、図4に示すように、複数の開口(入口開口54又は出口開口74)を有する第1エンドプレート34の場合、複数の開口(54,74)の合計面積である。また、第2冷却通路62の「流路断面積」とは、図3に示すような径方向断面において、第2冷却通路62が占める総面積である。
幾つかの実施形態では、図5に示されるように、複数のロータ磁石42は、ロータコア43の表面上に周方向に隙間Gcを空けて配置される2以上の磁石グループ(Gr1,Gr2)を構成する。例えば、各々の磁石グループ(Gr1,Gr2)は、磁化方向が同一である複数のロータ磁石42によって構成される。この周方向隙間Gcの少なくとも一部を閉塞するように閉塞部材45が設けられる。
これにより、ポールピース32からの放熱促進に寄与する第2半径方向隙間G2は維持したまま、第2冷却通路62の流路断面積を減少させることができる。その結果、入口キャビティ50から第1冷却通路60を介して出口キャビティ70へと流れる冷却気体の流量が増加し、第1冷却通路60の出口付近においても冷却気体の過度な温度上昇をより効果的に抑制できる。よって、冷却ジャケット26による冷却が難しい発熱部であるポールピース32及びステータ磁石22から冷却気体への放熱をより一層促進することができる。
これにより、磁気ギアード電気機械10の運転中における閉塞部材45とポールピース32との接触を防止できる。
また、第2ロータ40のロータコア43の表面上に設けた閉塞部材45によって、ポールピース32からの放熱への寄与が小さい領域(ポールピース32から遠い領域)を閉塞することで、第2冷却通路62におけるポールピース32からの放熱促進効果を損なわずに、第2冷却通路62の流路断面積を減少させることができる。これにより、入口キャビティ50から第1冷却通路60を介して出口キャビティ70へと流れる冷却気体の流量が増加し、冷却ジャケット26による冷却が難しい発熱部であるポールピース32及びステータ磁石22から第1冷却通路60への放熱が促進される。
なお、図6Dに示す例では、各々の非磁性部材33の図心39と各々のポールピース32の図心38とが同一の径方向位置に存在する。
これにより、ポールピース32の表面36Aと表面位置が一致するように非磁性部材33を形成した後、ポールピース32への損傷を回避しながら非磁性部材33を切削することで、非磁性部材33の第1表面37Aの凹み形状を実現できる。
なお、図6Cに示すように、非磁性部材33の第2表面37Bについても、周方向に関する第2表面37Bの中央部においてポールピース32の表面36Bに対する凹み量が最大となるように、ポールピース32からの距離の増加に伴いポールピース32の表面36Bに対する凹み量が増加する凹み形状であってもよい。
例えば、図2及び図3に示した磁気ギアード電気機械10は、径方向の内側に向かって、ステータ20、第1ロータ30、第2ロータ40の順に配置された構成を有するが、第1ロータ30の径方向外側に第2ロータ40が位置し、第1ロータ30の径方向内側にステータ20が位置する構成であってもよい。この場合、円筒状の回転シャフト3,9の径方向内側に、第2ロータ40、第1ロータ30及びステータ20が配置される。
以下、幾つかの実施形態に係る磁気ギアード電気機械10及びこれを用いた発電システム1について、概要を記載する。
ステータコイル(24)を含むステータ(20)と、
前記ステータ(20)との間に第1半径方向隙間(G1)を有して配置される複数のポールピース(32)を含み、前記第1半径方向隙間(G1)を含む第1冷却通路(60)が前記ステータ(20)との間に形成される第1ロータ(30)と、
複数のロータ磁石(42)を含み、径方向において前記第1ロータ(30)を挟んで前記ステータ(20)とは反対側にて、前記ポールピース(32)との間に第2半径方向隙間(G2)を有して配置され、前記第2半径方向隙間(G2)を含む第2冷却通路(62)が前記第1ロータ(30)との間に形成される第2ロータ(40)と、
前記ステータ(20)、前記第1ロータ(30)及び前記第2ロータ(40)に対して軸方向の一端側に形成される冷却気体の入口キャビティ(50)と、
前記ステータ(20)、前記第1ロータ(30)及び前記第2ロータ(40)に対して前記軸方向の他端側に形成され、前記第1冷却通路(60)および前記第2冷却通路(62)の各々を通過した前記冷却気体を受け入れるための出口キャビティ(70)と、
を備え、
前記第1半径方向隙間(G1)の寸法W1は、前記第2半径方向隙間(G2)の寸法W2よりも大きい。
また、ポールピース(32)を含む第1ロータ(30)とステータ(20)との間の第1冷却通路(60)、および、ポールピース(32)を含む第1ロータ(30)と第2ロータ(40)との間の第2冷却通路(62)を形成することで、冷却構造の簡素化を図れる。
前記第1ロータ(30)は、前記入口キャビティ(50)及び前記出口キャビティ(70)にそれぞれ面するように前記ポールピース(32)の軸方向の両端に設けられる一対のエンドプレート(34A,34B)を含み、
前記入口キャビティ(50)は、一方の前記エンドプレート(34A)に設けられた入口開口(54)を介して前記第2冷却通路(62)に連通し、
前記出口キャビティ(70)は、他方の前記エンドプレート(34B)に設けられた出口開口(74)を介して前記第2冷却通路(62)に連通し、
前記入口開口(54)又は前記出口開口(74)の少なくとも一方は、前記第2冷却通路(62)の流路断面積よりも小さい開口面積を有する。
前記複数のロータ磁石(42)は、前記第2ロータ(40)のロータコア(43)の表面に周方向に隙間を空けて配置される2以上の磁石グループ(Gr1,Gr2)を構成し、
前記磁気ギアード電気機械(10)は、少なくとも一つの前記隙間に設けられる閉塞部材(45)を備える。
この点、上記(3)の構成によれば、周方向に隣り合う磁石グループ(Gr1,Gr2)間の隙間(周方向隙間Gc)のうち少なくとも一つに閉塞部材(45)を設けたので、ポールピース(32)からの放熱促進に寄与する第2半径方向隙間(G2)は維持したまま、第2冷却通路(62)の流路断面積を減少させることができる。その結果、入口キャビティ(50)から第1冷却通路(60)を介して出口キャビティ(70)へと流れる冷却気体の流量が増加し、第1冷却通路(60)の出口付近においても冷却気体の過度な温度上昇をより効果的に抑制できる。よって、冷却ジャケット(26)による冷却が難しい発熱部であるポールピース(32)及びステータ磁石(22)から冷却気体への放熱をより一層促進することができる。
前記閉塞部材(45)は、前記第2ロータ(40)の前記ロータコア(43)の前記表面上に設けられ、前記ロータ磁石(42)の径方向寸法(H)よりも小さな径方向寸法(h)を有する。
この点、上記(4)の構成によれば、第2ロータ(40)のロータコア(43)の表面上に設けた閉塞部材(45)によって、ポールピース(32)からの放熱への寄与が小さい領域を閉塞することで、第2冷却通路(62)におけるポールピース(32)からの放熱促進効果を損なわずに、第2冷却通路(62)の流路断面積を減少させることができる。これにより、入口キャビティ(50)から第1冷却通路(60)を介して出口キャビティ(70)へと流れる冷却気体の流量が増加し、冷却ジャケット(26)による冷却が難しい発熱部であるポールピース(32)及びステータ磁石(22)から第1冷却通路(60)への放熱が促進される。
また、上記(4)の構成によれば、閉塞部材(45)の径方向寸法(H)がロータ磁石(42)の径方向寸法(h)よりも小さいため、磁気ギアード電気機械(10)の運転中における閉塞部材(45)とポールピース(32)との接触を防止できる。
前記第1ロータ(30)は、周方向において前記複数のポールピース(32)と交互に配置される複数の非磁性部材(33)を含み、
各々の前記非磁性部材(33)の前記第1冷却通路(60)に面する第1表面(37A)は、前記ポールピース(32)の表面(36A)に対して前記径方向において凹んでいる。
各々の前記非磁性部材(33)の前記第2冷却通路(62)に面する第2表面(37B)は、前記ポールピース(32)の表面(36B)に対して前記径方向において凹んでいる。
前記非磁性部材(33)の前記第1表面(37A)は、前記周方向に関する前記第1表面(37A)の中央部において前記ポールピース(32)の前記表面(36A)に対する凹み量が最大となるように、前記ポールピース(32)からの距離の増加に伴い前記ポールピース(32)の前記表面(36A)に対する凹み量が増加する。
なお、第1表面(37A)と同様に、非磁性部材(33)の第2表面(37B)についても、上記(7)で述べた凹み形状を有していてもよい。
前記第1ロータ(30)は、周方向において前記複数のポールピース(32)と交互に配置される複数の非磁性部材(33)を含み、
前記径方向に沿った断面において、各々の前記非磁性部材(33)の図心(39)が、各々の前記ポールピース(32)の図心(38)に対して前記第2冷却通路(62)側に位置する。
原動機(2)と、
前記原動機(2)によって駆動される磁気ギアード発電機(10A)と、
を備え、
前記磁気ギアード発電機(10A)は、上記(1)~(8)の何れかの構成を有する磁気ギアード電気機械(10)により構成される。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 原動機
3,9 回転シャフト
4 電力供給先
6 電力供給源
8 回転機械
10 磁気ギアード電気機械
10A 磁気ギアード発電機
10B 磁気ギアードモータ
20 ステータ
21 ハウジング
21A,21B 径方向壁
22 ステータ磁石
23 ステータコア
24 ステータコイル
24A コイルエンド
25 スロット
26 冷却ジャケット
30 第1ロータ
32 ポールピース
33 非磁性部材
34,34A,34B 第1エンドプレート
36A,36B 表面
37A 第1表面
37B 第2表面
38,39 図心
40 第2ロータ
42 ロータ磁石
43 ロータコア
44,44A,44B 第2エンドプレート
45 閉塞部材
50 入口キャビティ
52 冷却気体入口
54 入口開口
56 上流側中間キャビティ
58 下流側中間キャビティ
60 第1冷却通路
62 第2冷却通路
70 出口キャビティ
72 冷却気体出口
74 出口開口
B1,B2 軸受
F1 第1流れ
F2 第2流れ
G1 第1半径方向隙間
G2 第2半径方向隙間
Gc 隙間
H,h 径方向寸法
P 電力
Claims (9)
- ステータコイルを含むステータと、
前記ステータとの間に第1半径方向隙間を有して配置される複数のポールピースを含み、前記第1半径方向隙間を含む第1冷却通路が前記ステータとの間に形成される第1ロータと、
複数のロータ磁石を含み、径方向において前記第1ロータを挟んで前記ステータとは反対側にて、前記ポールピースとの間に第2半径方向隙間を有して配置され、前記第2半径方向隙間を含む第2冷却通路が前記第1ロータとの間に形成される第2ロータと、
前記ステータ、前記第1ロータ及び前記第2ロータに対して軸方向の一端側に形成される冷却気体の入口キャビティと、
前記ステータ、前記第1ロータ及び前記第2ロータに対して前記軸方向の他端側に形成され、前記第1冷却通路および前記第2冷却通路の各々を通過した前記冷却気体を受け入れるための出口キャビティと、
を備え、
前記第1半径方向隙間の寸法は、前記第2半径方向隙間の寸法よりも大きい
磁気ギアード電気機械。 - 前記第1ロータは、前記入口キャビティ及び前記出口キャビティにそれぞれ面するように前記ポールピースの軸方向の両端に設けられる一対のエンドプレートを含み、
前記入口キャビティは、一方の前記エンドプレートに設けられた入口開口を介して前記第2冷却通路に連通し、
前記出口キャビティは、他方の前記エンドプレートに設けられた出口開口を介して前記第2冷却通路に連通し、
前記入口開口又は前記出口開口の少なくとも一方は、前記第2冷却通路の流路断面積よりも小さい開口面積を有する
請求項1に記載の磁気ギアード電気機械。 - 前記複数のロータ磁石は、前記第2ロータのロータコアの表面に周方向に隙間を空けて配置される2以上の磁石グループを構成し、
少なくとも一つの前記隙間に設けられる閉塞部材を備える
請求項1又は2に記載の磁気ギアード電気機械。 - 前記閉塞部材は、前記第2ロータの前記ロータコアの前記表面上に設けられ、前記ロータ磁石の径方向寸法よりも小さな径方向寸法を有する
請求項3に記載の磁気ギアード電気機械。 - 前記第1ロータは、周方向において前記複数のポールピースと交互に配置される複数の非磁性部材を含み、
各々の前記非磁性部材の前記第1冷却通路に面する第1表面は、前記ポールピースの表面に対して前記径方向において凹んでいる
請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁気ギアード電気機械。 - 各々の前記非磁性部材の前記第2冷却通路に面する第2表面は、前記ポールピースの表面に対して前記径方向において凹んでいる
請求項5に記載の磁気ギアード電気機械。 - 前記非磁性部材の前記第1表面は、前記周方向に関する前記第1表面の中央部において前記ポールピースの前記表面に対する凹み量が最大となるように、前記ポールピースからの距離の増加に伴い前記ポールピースの前記表面に対する凹み量が増加する
請求項5又は6に記載の磁気ギアード電気機械。 - 前記第1ロータは、周方向において前記複数のポールピースと交互に配置される複数の非磁性部材を含み、
前記径方向に沿った断面において、各々の前記非磁性部材の図心が、各々の前記ポールピースの図心に対して前記第2冷却通路側に位置する
請求項1乃至7の何れか一項に記載の磁気ギアード電気機械。 - 原動機と、
前記原動機によって駆動される磁気ギアード発電機と、
を備え、
前記磁気ギアード発電機は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の磁気ギアード電気機械により構成される
発電システム。
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