JP2022114477A - センサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガード部材による検知精度の低下を抑制できるセンサ装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明におけるセンサ装置(1)は、基板(2)と、感温抵抗素子を備え、前記基板の表面から離間して配置されたセンサ素子(3、4)と、前記センサ素子の周囲に間隔を空けて配置された複数本のガード部材(15)と、を有し、前記ガード部材は、平断面において、長手方向が、前記基板の内方向を向くように配置されることを特徴とする。このとき、前記ガード部材は、平断面において、前記基板の内方向に向けて徐々に細くなるように傾斜する傾斜面(15a)を有することが好ましい。あるいは、前記ガード部材は、平断面において、流線形で形成されることを特徴とする。【選択図】図4

Description

この発明は、例えば、風速を計測可能なセンサ装置に関する。
加熱した流量検知用抵抗素子を流体に曝し、その際の放熱作用に基づいて流体の流量を検出する熱式のセンサ装置が知られている。センサ装置は、流量検知用抵抗素子の他に温度補償用抵抗素子を備えており、流量検知用抵抗素子と温度補償用抵抗素子が、ブリッジ回路に組み込まれている。流量検知用抵抗素子が流体を受けると、流量検知用抵抗素子の温度が低下して抵抗が変化し、これにより、ブリッジ回路より差動出力を得ることができる。この作動出力に基づいて、流体の流量を検出することができる。
例えば、特許文献1では、流量検知用抵抗素子及び温度補償用抵抗素子を備えた各センサ素子が、夫々、リード線を介して絶縁基板から離間して支持されている。
特開2019-215163号公報
ところで、特許文献1に示すセンサ装置では、センサ素子に対し、外部接触から保護するための保護部材が設けられておらず、センサ素子は、外部に曝されている。
そこで、センサ素子の周囲にガード部材を配置する構造が考えられる。しかしながら、流体の流れる方向によっては、流体が、センサ素子に到達するまでに、ガード部材の影響により、検知精度が低下する問題があった。
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ガード部材による検知精度の低下を抑制できるセンサ装置を提供することを目的とする。
本発明におけるセンサ装置は、基板と、感温抵抗素子を備え、前記基板の表面から離間して配置されたセンサ素子と、前記センサ素子の周囲に配置されたガード部材と、を有し、前記ガード部材は、平断面において、長手方向が、前記基板の内方向を向くように配置されることを特徴とする。
或いは、本発明におけるセンサ装置は、基板と、感温抵抗素子を備え、前記基板の表面から離間して配置されたセンサ素子と、前記センサ素子の周囲に配置されたガード部材と、を有し、前記ガード部材は、平断面において、流線形で形成されることを特徴とする。
本発明のセンサ装置においては、ガード部材による検知精度の低下を抑制できる。
図1Aは、第1の実施の形態におけるセンサ装置の部分側面図である。図1Bは、図1Aに示すセンサ装置のA-A線断面図である。図1Cは、第1のセンサ素子及び第2のセンサ素子の拡大側面図である。 本実施の形態のセンサ素子の断面図である。 本実施の形態のセンサ装置の回路図である。 図4A、図4Bは、本実施の形態のガード部材の一例を示す拡大断面図である。 第1のセンサ装置を用いて行った、風速と角度指向特性との関係を示す実験結果である。 図6Aは、比較例におけるセンサ装置の部分側面図である。図6Bは、図6Aに示すセンサ装置のB-B線断面図である。図6Cは、第1のセンサ素子及び第2のセンサ素子の拡大側面図である。 比較例のセンサ装置を用いて行った、風速と角度指向特性との関係を示す実験結果である。 図8Aは、第2の実施の形態におけるセンサ装置の部分側面図である。図8Bは、図8Aに示すセンサ装置のC-C線断面図である。 第2の実施の形態のセンサ装置を用いて行った、風速と角度指向特性との関係を示す実験結果である。 図10Aは、第3の実施の形態におけるセンサ装置の部分側面図である。図10Bは、図10Aに示すセンサ装置のD-D線断面図である。 第3の実施の形態のセンサ装置を用いて行った、風速と角度指向特性との関係を示す実験結果である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<第1の実施の形態のセンサ装置の説明>
図1Aは、第1の実施の形態におけるセンサ装置の部分側面図である。図1Bは、図1Aに示すセンサ装置のA-A線断面図である。図1Cは、第1のセンサ素子及び第2のセンサ素子の拡大側面図である。図2は、本実施の形態の第1のセンサ素子3の断面図である。図3は、本実施の形態のセンサ装置1の回路図である。図4A~図4Cは、本実施の形態のガード部材の一例を示す断面図である。
(センサ装置の概要)
図1Bに示されるX1-X2方向及びY1-Y2方向は、平面内にて直交する2方向を示し、図1Aに示すZ1-Z2方向は、X1-X2方向及びY1-Y2方向に互いに直交する高さ方向を指す。
図1A、図1Bに示す第1の実施の形態のセンサ装置1は、基板2と、流量検知用抵抗素子を備えた第1のセンサ素子3と、温度補償用抵抗素子を備えた第2のセンサ素子4と、を有して構成される。
基板2は、絶縁基板であり、特に限定するものではないが、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた一般的なプリント基板であることが好ましく、例えば、FR4基板を提示することができる。
図1Bに示すように、例えば、基板2は円形状である。基板2の外周には、円筒状の支持体7が設けられる。支持体7の高さは、各センサ素子3、4よりも低い。また、基板2の下面には、スティック状の筐体9が接続されている。例えば、筐体9内には、各センサ素子3、4と電気的に接続され、風速を換算し出力するマイコン(図示しない)などが内蔵されている。
図1Cに示すように、第1のセンサ素子3は、一対の第1のリード線6a、6bを介して、基板2の表面2aからZ1方向に離間して支持される。
また、図1Cに示すように、第2のセンサ素子4は、一対の第2のリード線8a、8bを介して、基板2の表面2aから第1のセンサ素子3と同じようにZ1方向に離間して支持される。
図1A、図1Cに示すように、第1のセンサ素子3及び第2のセンサ素子4は、基板2から見て同じ側(上方側)に配置されている。これにより、第1のセンサ素子3と第2のセンサ素子4に作用する環境温度を一致させることができ、検知精度の向上を図ることができるとともに、小型化に寄与することができる。
第1のセンサ素子3の内部構造について、図2を用いて説明する。図2に示すように、第1のセンサ素子3は、感温抵抗素子としての流量検知用抵抗素子10と、流量検知用抵抗素子10の両側に配置された電極キャップ11と、流量検知用抵抗素子10及び電極キャップ11を被覆する絶縁膜12と、を有して構成される。
流量検知用抵抗素子10は、例えば、セラミック等の円柱基板の表面に抵抗被膜が形成されて成る。図示しないが、流量検知用抵抗素子10の抵抗被膜の表面には、トリミングが施されて、抵抗調整がされている。
第1のセンサ素子3の外面は、流量検知面として機能する素子表面5aと、素子表面5aの上下に位置する上面5b及び下面5cとを備える。
図2に示すように、下面5c側に位置する電極キャップ11から第1のリード線6aがZ2方向に延出している。また、上面5b側に位置する電極キャップ11から第1のリード線6bが一旦、Z1方向に延び、途中で折り曲げられて、Z2方向に向け延出している。このため、図2に示すように、一対のリード線6a、6bは、X1-X2方向に所定の間隔を空けて対向し、ともにZ2方向に向けて延出している。そして、一対のリード線6a、6bの端部が基板2の表面2aに接続されている。
第2のセンサ素子4に関しても図2と同様の構造であるが、流量検知用抵抗素子10の代わりに、感温抵抗素子としての温度補償用抵抗素子14が内蔵されている。
図1に示すように、第1のセンサ素子3及び第2のセンサ素子4は、一方向に長い形状となっている。ここで、「一方向に長い」とは、一方向に対して直交するどの方向の長さよりも長い状態を指す。具体的には、第1のセンサ素子3及び第2のセンサ素子4は、X1-X2方向及びY1-Y2方向よりもZ1-Z2方向に長く形成されている。限定するものではないが、第1のセンサ素子3及び第2のセンサ素子4は、縦長の円柱状で形成される。
図1Bに示すように、第1のセンサ素子3、第2のセンサ素子4、第1のセンサ素子3に対しX1側の側方に延出する第1のリード線6b、及び、第2のセンサ素子4に対しX1側の側方に延出する第2のリード線8bは、X1-X2方向に一列に配列されている。
図3に示すように、流量検知用抵抗素子10は、温度補償用抵抗素子14とともに、ブリッジ回路を構成する。図3に示すように、流量検知用抵抗素子10と、温度補償用抵抗素子14と、抵抗器16、17とでブリッジ回路18を構成している。図3に示すように、流量検知用抵抗素子10と抵抗器16とで第1の直列回路19を構成し、温度補償用抵抗素子14と抵抗器17とで第2の直列回路20を構成している。そして、第1の直列回路19と第2の直列回路20とが、並列に接続されてブリッジ回路18を構成している。
図3に示すように、第1の直列回路19の出力部21と、第2の直列回路20の出力部22とが、夫々、差動増幅器(アンプ)23に接続されている。ブリッジ回路18には、差動増幅器23を含めたフィードバック回路24が接続されている。フィードバック回路24には、トランジスタ(図示せず)等が含まれる。
抵抗器16、17は、流量検知用抵抗素子10、及び温度補償用抵抗素子14よりも抵抗温度係数(TCR)が小さい。流量検知用抵抗素子10は、例えば、所定の周囲温度よりも所定値だけ高くなるように制御された加熱状態で、所定の抵抗値Rs1を有し、また、温度補償用抵抗素子14は、例えば、前記の周囲温度にて、所定の抵抗値Rs2を有するように制御されている。なお、抵抗値Rs1は、抵抗値Rs2よりも小さい。流量検知用抵抗素子10と第1の直列回路19を構成する抵抗器16は、例えば、流量検知用抵抗素子10の抵抗値Rs1と同様の抵抗値R1を有する固定抵抗器である。また、温度補償用抵抗素子14と第2の直列回路20を構成する抵抗器17は、例えば、温度補償用抵抗素子14の抵抗値Rs2と同様の抵抗値R2を有する固定抵抗器である。
流量検知用抵抗素子10は、周囲温度よりも高い温度となるように調整されており、第1のセンサ素子3が風を受けると、発熱抵抗である流量検知用抵抗素子10の温度は低下する。このため、流量検知用抵抗素子10が接続された第1の直列回路19の出力部21の電位が変動する。これにより、差動増幅器23により差動出力が得られる。そして、フィードバック回路24では、差動出力に基づいて、流量検知用抵抗素子10に駆動電圧を印加する。そして、流量検知用抵抗素子10の加熱に要する電圧の変化に基づき、筐体9内に配置されたマイコンにて風速を換算し出力することができる。なお、マイコンは、各センサ素子3、4と、各リード線6a、6b、8a、8bを介して電気的に接続されている。
また、温度補償用抵抗素子14は、流体そのものの温度を検知し、流体の温度変化の影響を補償する。このように、温度補償用抵抗素子14を備えることで、流体の温度変化が流量検知に影響するのを低減でき、流量検知を精度よく行うことができる。上記したように、温度補償用抵抗素子14は、流量検知用抵抗素子10よりも十分に抵抗が高く、且つ、温度が周囲温度付近に設定されている。このため、温度補償用抵抗素子14が風を受けても、温度補償用抵抗素子14が接続された第2の直列回路20の出力部22の電位は、ほとんど変化しない。したがって、出力部22の電位を基準電位として、流量検知用抵抗素子10の抵抗変化に基づく差動出力を精度よく得ることができる。
なお、図3に示す回路構成は、一例であり、これに限定されるものではない。
第1の実施の形態のセンサ装置1においては、図1Aや図1Bに示すように、各センサ素子3、4の周囲に間隔を空けて、複数本のガード部材15が設けられている。
各ガード部材15の下端は、基板2の外周を囲む支持体7の上端部に固定支持されている。各ガード部材15は、各センサ素子3、4の周囲に、等間隔で配置されることが好ましい。図1に示す第1の実施の形態では、ガード部材15は、円筒状の支持体7の周囲に沿って4本設けられているため、各ガード部材は、90度間隔で配置されることが好適である。
図1Aに示すように、各ガード部材15の上端には、リング状の固定部材26が設けられる。固定部材26はなくてもよいが、固定部材26を設けることで、各ガード部材15を外部接触などに対し、安定して支持することができる。固定部材26をZ1-Z2方向に切断して現れる断面は、円形或いは楕円形である。これにより、斜め上方からの気流に対し、水平360度の検知精度に及ぼす影響を弱めることができると考えられる。「水平360度」とは、第1のセンサ素子3の軸中心に向かう平面内の全方向を指す。
(ガード部材15)
ガード部材15の形状について、詳しく説明する。図1Aに示すように、ガード部材15は、高さ方向であるZ1-Z2方向に長く延びる柱状である。ガード部材15は、第1のセンサ素子3よりも高い位置にまで形成される。これにより、固定部材26を、第1のセンサ素子3よりも高い位置に設置することができる。
図4Aは、図1Bに示すガード部材15の一つを拡大した断面図である。図1B及び図4Aに示すように、ガード部材15は、平断面において、長手方向が、基板2の内方向を向くように配置される。ここで、「平断面」とは、図1Aのように、水平方向のA―A線から平面方向に向けて切断して現れる切断面を指す。また、「基板2の内方向」とは、基板2の略中心O(図1B参照)に向かう方向である。あるいは、「基板2の内方向」とは、基板2内に設けられた第1のセンサ素子3に向かう方向である。「基板2の外方向」とは、基板2の内方向とは逆方向であり、基板2の中心Oから離れる方向である。また、「長手方向」とは、ガード部材15の平断面において、長さの最も長い方向である。このように、ガード部材15の平断面は、細長い形状であり、長手方向を基板2の内方向に向けることで、長手方向に直交するガード部材15の幅Tを、支持体7の略円周方向に一致させることができる。ここで、「幅T」は、長手方向に直交する幅寸法のうち最大幅を指すが、最大幅は、長手方向の長さより十分短い。また、図4Aに示すように、幅寸法が、場所によって異なる形状では、最大幅(幅T)は、基板2の外方向寄りに形成されることが好ましい。このように、ガード部材15の長手方向を基板2の内方向に向けることで、基板2の外方向から内方向に向けて吹く風が、ガード部材15により、遮断されにくくなり、換言すれば、ガード部材15に直接当たる風向範囲を小さくでき、水平360度からの検知精度を向上させることができる。なお、各ガード部材15は、同じ形状であることが、水平360度からの検知精度を向上させるうえで、好ましい。
図4Aに示すように、ガード部材15は、平断面において、基板2の内方向に向けて、徐々に細くなるように傾斜する傾斜面15a、15aを備えることが好ましい。図4Aに示すように、ガード部材15は、平断面にて、基板2の外方向を向く外面15bと、傾斜面15aとが連続して形成されている。外面15bは、基板2の外方向に向けて突出する凸曲面で形成されていることが好ましい。また、外面15bと反対側の内面15cも、基板2の内方向に向けて突出する凸曲面で形成されることが好ましい。図4Aに示すように、ガード部材15は、内面15c側のほうが、外面15b側より細くなっている。
換言すれば、図4Aに示すガード部材15の平断面が、流線形で形成される。「流線形」とは、流れの中に置いたときに、周囲で渦の発生を抑制でき、圧力抵抗を最大限小さくできる形状を指す。
したがって、図4Aに示すように、センサ装置1の外部からガード部材15の外面15bに向けて略水平に吹く風Wは、ガード部材15の外面15bから内面15cに向けて、渦を生じることなく、スムースに流れる。
本実施の形態では、図4Aに示すガード部材15の平断面において、基板2の内方向に向けての外周形状が、傾斜面15aで形成されることが好ましい。傾斜面15aは、ガード部材15の外面15bの中心から内面15cの中心に向けて、ガード部材15を二等分する中心線Lに対し、内面15cに向かうほど一対の傾斜面15a同士が近づくように、傾斜している。傾斜面15aは、直線状であっても曲面状であってもよい。このように、ガード部材15が傾斜面15aを有することで、風Wは、傾斜面15aに沿って、基板2の内方向に流れやすくなる。基板2の内方向の略延長線上に、第1のセンサ素子3が設けられており(図1B参照)、したがって、風Wは適切に第1のセンサ素子3に作用する。これにより、センサ装置1の外部からガード部材15の外面15b方向に向けて略水平に吹く風Wを、適切に第1のセンサ素子3まで導くことができ、検知精度の向上を図ることができる。
また、ガード部材15の外面15bが、凸曲面で形成されることで、外面15bから傾斜面15aにかけて流線形に形成でき、風Wを、外面15bから傾斜面15aに沿って、基板2の内方向に向けて、スムースに流すことができる。また、ガード部材15の内面15cも凸曲面であることが好ましく、これにより、内面15c付近で渦の発生を抑制できる。
ガード部材15の形状は、図4Aに限定されるものでなく、例えば、図4Bのように、外面15bが直線状に突出した形状とすることができる。このとき、外面15bを、三角形の2辺を有して構成することができる。また、2辺が交わる外面頂点は丸みを帯びた形状とすることができる。ただし、外面15bを凸曲面で形成し、傾斜面15aに連続した外周形状で形成することで、流線形にできる。その結果、ガード部材15の周囲で渦の発生を効果的に抑制することができ、風Wをスムースに基板2の内方向に流すことができる。これにより、風Wが、センサ装置1の外部からガード部材15の外面15b方向に略水平に流れる際、図4Aに示すように、風Wがガード部材15の傾斜面15aである側面を通り抜けて、基板2の内方向にスムースに移動でき、検知精度の低下を抑制できる。また、別の形状としては、例えば、平断面が細長い矩形状のガード部材15であって、長手方向を基板2の内方向に向けた構成であってもよい。幅Tを細くすることで、上記の渦の発生を極力、抑制することができる。ただし、矩形状の場合、幅寸法はどの場所でも略同じであり、全体的に幅が細くなることでガード部材15の強度が低下しやすい。このため、例えば、図4Aのようにガード部材15の平断面を流線形にして、幅の広い箇所を設けることで、ガード部材15の強度を上げることができる。
(比較例との対比)
これに対し、図6A~図6Cに示す比較例のセンサ装置30では、各センサ素子3、4のX1-X2方向の両側に、ガード部材31が設けられている。図6Bに示すように、ガード部材31の平断面は、略矩形状である。
図6Bに示すように、比較例では、ガード部材31の平断面は、基板2の中心Oに向けての内方向に向く内面31cと、内面31cとは逆側の外面31bと、内面31cと外面31bとの間を繋ぐ一対の側面31a、31aとを備える。外面31bと内面31cはほ同じ幅寸法で直線状に形成されており、また、側面31aは凸曲面で形成されている。あるいは、側面31aは、X1-X2方向に略平行な直線状で形成されている。図6Bに示す比較例では、内面31c及び外面31bは、側面31aに比べて長さが長い。図6Bに示すように、比較例では、ガード部材31の長手方向が、基板2の内方向(中心Oに向かう方向)とは直交する方向に向いている。換言すれば、ガード部材31の短手方向が、基板2の内方向に向けられている。また、比較例における第1のガード部材31は、図4Aの実施の形態のガード部材15と異なって、基板2の内方向に向けて徐々に細くなる形状とはなっていない。あるいは、第1のガード部材31は流線形で形成されていない。
第1の実施の形態のセンサ装置1と、比較例のセンサ装置30を用いて、水平360度から風を作用させたときの流量検知について実験を行った。なお、以下では、第1の実施の形態のセンサ装置1を用いた実験を「実施例1」として説明する。
ここで、「水平方向」とは、図1Bに示すX1-X2方向及びY1-Y2方向からなる平面内にて形成される方向である。この水平方向は、図2に示すように、Z1-Z2方向に直立した第1のセンサ素子3の径方向であり、例えば、第1のセンサ素子3の断面が円であれば、第1のセンサ素子3の軸中心を通る垂線方向を意味する。「水平360度」は、第1のセンサ素子3に対する「径方向360度」と同義である。
実験では、センサ装置1、30に対し、水平360度から風を作用させた。実施例1に対する実験では、風速は、インバータの運動周波数を3Hz、10Hz、及び15Hzの3段階に制御した。また、比較例に対する実験では、風速は、インバータの運動周波数を3Hz、7Hz、10Hz、及び14Hzの4段階に制御した。運動周波数が高いほど風速が大きくなる。これら風速を、センサ装置1、30で測定した。
実施例1の実験結果は図5に、比較例の実験結果は図7に示されている。図5、図7に示すように、風配図を模した円形グラフの外周の数値は、中心に位置するセンサ装置1、30に向けての風の方向を示している。
円グラフ内の0、2、6、8、10、12の数値は風速値である。また、円グラフ内に太く表示された複数の曲線は、図5では、インバータの運動周波数を3Hz、10Hz、及び15Hzに調整し、水平360度からの風をセンサ装置1にて測定した際に計測された風速の実測値である。また、図7では、インバータの運動周波数を3Hz、7Hz、10Hz、及び14Hzに調整し、水平360度からの風をセンサ装置30にて測定した際に計測された風速の実測値である。図5には、インバータの運動周波数を15Hzに調整した際に理想的な測定値としての理想値も示した。また、図7には、インバータの運動周波数を14Hzに調整した際に理想的な測定値としての理想値も示した。
図7に示す比較例では、約57度~約110度、及び約210度~273度方向に対する風量検知精度が極端に低下することがわかった。このうち、90度方向及び270度方向は、図6Bに示すX1-X2方向である。X1-X2方向は、図6Bに示すように、第1のガード部材31が配置された方向である。このため、X1-X2方向近辺に流れる風は、第1のガード部材31の影響を強く受けてしまい、第1のセンサ素子3まで適切に到達しない。その結果、極端な風量検知精度の低下につながる。
一方、図5に示す実施例1では、ガード部材15が配置された方向は、45度、135度、225度、315度であるが、これら方向に対する風量測定値は、比較例のように極端に低下せず、十分に高い風量検知精度を維持できることがわかった。実施例1では、図4Aに示すように、平断面にて、ガード部材15を流線形で形成した。これにより、ガード部材15付近の気流中に渦が発生するのを抑制でき、風Wを、スムースに第1のセンサ素子3まで導くことができる。この結果、比較例と比べて、優れた風量検知精度を得ることができた。
以上より、第1の実施の形態のセンサ装置1によれば、水平360度の風量検知精度を向上できるとわかった。
また、図6Cに示すように、比較例では、各センサ素子3、4の高さが一致している。このため、第1のガード部材31の配置とともに、第1のセンサ素子及び第2のセンサ素子4の並び方向であるX1-X2方向近辺の風量検知に対しては、更に、第1のセンサ素子3に風が作用しにくくなり、検知精度が大幅に低下する。
これに対し、第1の実施の形態では、図1Cに示すように、第1のセンサ素子3が、第2のセンサ素子4よりも高い位置にある。また、第1のセンサ素子3は、第2のセンサ素子4に接続された第2のリード線8bよりも高い位置に配置されている。したがって、第1の実施の形態では、第1のセンサ素子3と第2のセンサ素子4の並び方向であるX1-X2方向からの気流は、第1のセンサ素子3に適切に作用し、良好な風量検知精度を取得することができる。図5では、90度及び270度の方向からの気流に該当する。図5に示すように、90度方向からの風量検知精度は優れていることがわかった。図5に示すように、約260度~約273度方向からの風量検知は、第1のリード線6bの影響で多少精度が劣るものの、十分に高い検知精度を維持できるとわかった。
<第2の実施の形態のセンサ装置、及び第3の実施の形態のセンサ装置の説明>
図8Aは、第2の実施の形態におけるセンサ装置の部分側面図である。図8Bは、図8Aに示すセンサ装置のC-C線断面図である。図10Aは、第3の実施の形態におけるセンサ装置の部分側面図である。図10Bは、図10Aに示すセンサ装置のD-D線断面図である。
図8A及び図8Bに示すように、第2の実施の形態では、ガード部材15が、各センサ素子3、4の周囲に6本配置されている。各ガード部材15は、60度間隔の等間隔で配置される。
また、図10A及び図10Bに示すように、第3の実施の形態では、ガード部材15が、各センサ素子3、4の周囲に8本配置されている。各ガード部材15は、45度間隔の等間隔で配置される。
第2の実施の形態、及び、第3の実施の形態に設けられたガード部材15は、図4Aで示したガード部材15と同じ形状である。すなわち、図8B及び図10Bに示すガード部材15は、平断面において、長手方向が、基板2の中心Oの方向(基板2の内方向)を向くように配置されている。また、ガード部材15の平断面は、徐々に細くなる傾斜面15aを備えることが好ましい。また、基板2の外方向を向く外面15bは、凸曲面であることが好ましい。換言すれば、図8B及び図10Bに示すガード部材15の平断面は、流線形で形成されることが好ましい。
図9は、第2の実施の形態のセンサ装置を用いて行った、風速と角度指向特性との関係を示す実験結果である。ここで、第2の実施の形態のセンサ装置40を用いて行った実験を「実施例2」とする。図11は、第3の実施の形態のセンサ装置50を用いて行った、風速と角度指向特性との関係を示す実験結果である。ここで、第3の実施の形態のセンサ装置50を用いて行った実験を「実施例3」とする。
図9に示す実施例2、及び図11に示す実施例3では、図7に示す比較例に比べて飛躍的に、水平360度の風量検知精度が向上したことがわかった。また、図5に示す実施例1、図9に示す実施例2、及び図11に示す実施例3を対比すると、ガード部材15を4本とした実施例1が、理想値により近い検知精度を有していることがわかった。
また、図6Aに示すガード部材31を、平断面において、長手方向が基板2の内方向を向くように配置できる。このとき、ガード部材31を、図4Aで示したように、基板2の内方向に向けて徐々に細くなるように傾斜する傾斜面15aを有するように形成することができる。このように、本実施の形態では、ガード部材の数を2本にできるが、係る場合、補強の意味もかねて、各ガード部材31の上端には、各ガード部材31間を繋ぐ固定部材26が設けられることが好ましい。これにより、各ガード部材31を外部接触などに対し、安定して支持することができる。
また、センサ素子3、4の周囲に、ガード部材15を1本だけ設け、更に、ガード部材15の上端に庇部等を接続して、センサ素子3、4を保護する構造も考えられる。ただし、係る構造では、ガード部材15が1本だけであるため、保護機能が低く、且つ強度も弱い。また、ガード部材15の上端に設ける庇部等の構造によっては、水平360度の検知精度に影響を及ぼす可能性がある。そこで、ガード部材15は、センサ素子3、4の周囲に複数本配置することが好ましい。
ガード部材15の本数は多いほど、センサ素子3、4に対する保護強化を図ることができるが、多すぎると水平360度の検知精度が低下しやすい。そこで、上記の実験結果から、ガード部材15の本数は、4本から8本の間で調整することが好ましく、特に、4本に設定することが好ましいとした。
本実施の形態では、第1のセンサ素子3及び第2のセンサ素子4の形状や配置を限定するものではない。すなわち、図6Cのように、第1のセンサ素子3と第2のセンサ素子4とがX1-X2方向で対向する形態も、本実施の形態に含まれる。ただし、第1のセンサ素子3及び第2のセンサ素子4の並び方向であるX1-X2方向の風量検知精度を向上させるためには、図1Cに示すように、第1のセンサ素子3を第2のセンサ素子4より高い位置に形成することが好ましい。また、第1のセンサ素子3を、第2のセンサ素子4に接続された第2のリード線8bよりも高い位置に配置することが好ましい。
また、本実施の形態では、第1のセンサ素子3と第2のセンサ素子4の並び方向であるX1-X2方向にガード部材15が配置されないように、ガード部材15を、第1のセンサ素子3と第2のセンサ素子4の並び方向から、ずらすことが好ましい。これにより、第1のセンサ素子3と第2のセンサ素子4の並び方向からの風量検知精度を向上させることができる。
また、各ガード部材15は、第2のセンサ素子4に比して、第1のセンサ素子3から略等距離に配置されることが好ましい。図1Bに示すように、各ガード部材15は、基板2の基準点としての中心Oから等距離に配置されている。そして、第1のセンサ素子3は、第2のセンサ素子4に比べて、基板2の中心Oに近い位置に配置される。このため、各ガード部材15は、第1のセンサ素子3から略等距離に配置される。この結果、水平360度からの気流が第1のセンサ素子3に均一に作用し、検知精度を向上させることができる。
上記では、センサ装置1は、風を検知するものとして説明したが、検知する流体としては、風以外にガスや、液体であってもよい。
本発明では、水平360度検知を高精度に行うことができ、様々なアプリケーションに適用することができる。例えば、空調設備や、風の制御系、分析用などに適用することが可能である。
1、30、40、50 センサ装置
2 基板
3 第1のセンサ素子
4 第2のセンサ素子
6 リード線
6a、6b 第1のリード線
7 支持体
8a、8b 第2のリード線
9 筐体
10 流量検知用抵抗素子
11 電極キャップ
12 絶縁膜
14 温度補償用抵抗素子
15 ガード部材
15a 傾斜面
15b 外面
15c 内面
18 ブリッジ回路
19 第1の直列回路
20 第2の直列回路
23 差動増幅器
24 フィードバック回路
26 固定部材
31 第1のガード部材
32 第2のガード部材
L 中心線
O 中心
W 風

Claims (7)

  1. 基板と、
    感温抵抗素子を備え、前記基板の表面から離間して配置されたセンサ素子と、
    前記センサ素子の周囲に配置されたガード部材と、を有し、
    前記ガード部材は、平断面において、長手方向が、前記基板の内方向を向くように配置されることを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記ガード部材は、平断面において、前記基板の内方向に向けて徐々に細くなるように傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記ガード部材は、前記傾斜面と連続し、前記基板の外方向を向く外面を有し、前記外面は、前記外方向に突出する凸曲面で形成されることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。
  4. 基板と、
    感温抵抗素子を備え、前記基板の表面から離間して配置されたセンサ素子と、
    前記センサ素子の周囲に配置されたガード部材と、を有し、
    前記ガード部材は、平断面において、流線形で形成されることを特徴とするセンサ装置。
  5. 前記ガード部材は、前記センサ素子の周囲に間隔を空けて複数本設けられ、互いに、等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のセンサ装置。
  6. 前記ガード部材は、4本から8本、配置されることを特徴とする請求項5に記載のセンサ装置。
  7. 前記感温抵抗素子として流量検知用抵抗素子を備えた第1のセンサ素子と、
    前記感温抵抗素子として温度補償用抵抗素子を備えた第2のセンサ素子と、を有し、
    複数本の前記ガード部材は、前記基板の基準点から等距離に配置され、
    前記第1のセンサ素子は、前記第2のセンサ素子に比べて、前記基準点に近い位置に配置されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のセンサ装置。
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