JP2022102665A - 逆打ち支柱の構築方法及び逆打ち支柱 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022102665000001
【課題】鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造の杭体とが一体となった逆打ち支柱を、地中溝内で高精度かつ経済的に構築することである
【解決手段】鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造よりなる矩形断面の杭体とを備える逆打ち支柱の構築方法であって、地盤を掘削し、矩形断面の地中溝を構築する工程と、該地中溝に鉄筋かごを建て込んだのち、前記柱材を吊り下ろし位置決めを行う工程と、トレミー管を前記地中溝に挿入し、入隅部に配置する工程と、前記トレミー管を用いて前記地中溝にコンクリートを打設する工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造の杭体とが一体となった逆打ち支柱を、地中溝内で構築するための逆打ち支柱の構築方法、及び逆打ち支柱に関する。
例えば、先行して柱材を建込んだ地中孔にコンクリートを打設する先決め工法を採用して、柱材と鉄筋コンクリート造の杭体を一体とする逆打ち支柱の建込み工事を行う場合、まず、地盤を削孔して円形断面の地中孔を設ける。次に、この地中孔に鉄筋かごを吊り下ろすとともに、鉄筋かごの内方に柱材を挿入して位置決めを行う。こののち、鉄筋かごと柱材との間に、少なくとも一対のトレミー管を柱材を挟むようにして配置し、鉄筋かごが埋設されるまで、トレミー管を用いてコンクリートを打設する。
上記の工事で採用する円形断面の地中孔は、アースドリルを採用して構築される場合が多い。アースドリルは、地盤の削孔工事に広く用いられている削孔機であり、他の削孔方法と比較して施工性や工費の面で有利であるが、構築可能な地中孔の孔径は、最大で3m程度であることが知られている。
このような円形断面の地中孔を採用して、特許文献1で開示されているような、矩形断面のプレキャスト柱や断面十字形のクロスH形鋼等よりなる柱材を建て込む場合には、矩形断面の柱材と円形断面の地中孔との間に、トレミー管の設置空間を確保することができる。
しかし、柱材に、特許文献2で開示されているような、鋼管を採用しようとすると、円形断面の地中孔との間にトレミー管の配置に適切な隙間が存在しないため、トレミー管の設置空間を確保するべく、地中孔の孔径を調整する必要が生じる。
特開2020-172817号公報 特開2002-054164号公報
トレミー管を配置するための設置空間としては、平面視でトレミー管の管径に近隣部材とのクリアランスを加えた長さを直径とする円形領域を確保することが求められる。したがって、柱材を挟んで対をなしてトレミー管を配置しようとすると、地中孔には、設置空間に必要な円形領域の直径の2倍の長さを柱材の外径に足し合わせた大きさの孔径が必要となるが生じる。
また、柱材にダイヤフラムを設ける場合には、ダイヤフラムの出寸法をさらに足し合わせた大きさに、地中孔の孔径を設定しなければならない。加えて、近年では超高層建物や大規模な地下構造の地下柱への適用を求められ場合が多いことから、逆打ち支柱が大断面となる場合も多く、このような条件に対応する地中孔は、当然ながら大口径となる。
このような、アースドリルでは対応できない大口径の地中孔は、例えばTBH(Tone Boring Hole)工法により形成することが可能である。TBH工法は、逆循環機構を適用したトップドライブ方式の掘削機を用いて地盤を削孔する工法であり、おもに場所打ちコンクリート杭を構築する際に採用されている。
しかし、地中孔が大口径になると、地中削孔に要する作業期間が長引くとともに掘削土量が増大することから工期及び工費ともに増大し、経済的に不利となりやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造の杭体とが一体となった逆打ち支柱を地中溝内で、高精度かつ経済的に構築することである。
かかる目的を達成するため、本発明の逆打ち支柱の構築方法は、鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造よりなる矩形断面の杭体とを備える逆打ち支柱の構築方法であって、地盤を掘削し、矩形断面の地中溝を構築する工程と、該地中溝に鉄筋かごを建て込んだのち、前記柱材を吊り下ろし位置決めを行う工程と、トレミー管を前記地中溝に挿入し、入隅部に配置する工程と、前記トレミー管を用いて前記地中溝にコンクリートを打設する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の逆打ち支柱は、矩形断面の地中溝内で構築される鉄筋コンクリート造の杭体と、前記地中溝内に挿入され、前記杭体の内方に少なくとも下端部が定着される鋼管よりなる柱材と、を備えることを特徴とする。
上述する本発明の逆打ち支柱の構築方法及び逆打ち支柱によれば、矩形断面の地中溝をに形成するとともに、トレミー管を、地中溝の入隅部に配置する。このように、矩形断面の地中溝を採用すると、鋼管よりなる柱材と地中溝の入隅部との間に形成される隙間を利用して、トレミー管を配置できるため、円形断面の地中孔を採用する場合と比較して、断面積を狭小化できる。
したがって、地中溝を採用すると、作業期間及び掘削土量を大幅に低減できることに伴って、地盤掘削に係る省力化を図ることができ、逆打ち支柱を経済的に施工することが可能となる。
また、少なくとも一対のトレミー管を、柱材を挟んで対向する入隅部に配置するから、トレミー管より吐出されたコンクリートの側圧は、柱材に対してバランスよく作用する。このため、コンクリートの打設作業中に柱材の姿勢が鉛直軸に対して傾斜する等の不具合を抑制することが可能となる。これにより、鉛直性を保持した柱材と鉄筋コンクリート造の杭体とによる逆打ち支柱を、高い精度で経済的に構築することが可能となる。
さらに、矩形断面の地中溝を構築するにあたり、水平多軸掘削機を採用すれば、この掘削機に搭載されている姿勢修正装置により鉛直精度の高い地中溝を構築できる。したがって、その内方に出来形精度の高い逆打ち支柱を確実に構築することが可能となる。
本発明によれば、矩形断面の地中溝を採用することで、鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造の杭体とが一体となった逆打ち支柱を、地中溝内で高精度かつ経済的に構築することが可能となる。
本発明の実施の形態における打設後のコンクリートを養生中の逆打ち支柱を示す図である。 本発明の実施の形態におけるトレミー管を利用して地中溝にコンクリートを打設する様子を示す図である。 本発明の実施の形態におけるトレミー管を利用して地中溝にコンクリートを打設する様子(他の事例)を示す図である。 本発明の実施の形態における矩形断面の地中溝及び円形断面の地中孔を利用して逆打ち支柱を構築する場合の断面積を比較した図である(柱部の断面)。 本発明の実施の形態における矩形断面の地中溝及び円形断面の地中孔を利用して逆打ち支柱を構築する場合の断面積を比較した図である(定着部の断面)。 本発明の実施の形態における矩形断面の地中溝及び円形断面の地中孔を利用して逆打ち支柱を構築する場合の断面積を比較した図である(他の事例:柱部の断面)。 本発明の実施の形態における矩形断面の地中溝及び円形断面の地中孔を利用して逆打ち支柱を構築する場合の断面積を比較した図である(他の事例:定着部の断面)。 本発明の実施の形態における逆打ち支柱の構築方法を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態における逆打ち支柱の構築方法を示す図である(その2)。 本発明の実施の形態における逆打ち支柱の構築方法を示す図である(その3)。
本発明は、鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造の杭体とが一体となった逆打ち支柱を、矩形断面の地中溝を利用して先決め工法により構築するものである。以下に、図1~図10を参照しつつ、詳細を説明する。
≪≪逆打ち支柱≫≫
図1で示すように、地盤中には、地中溝Hの下部に構築される杭体2と、杭体2に下端部が挿入されている柱材3と、よりなる逆打ち支柱1が構築されている。杭体2は、鉄筋コンクリート造の場所打ち杭よりなり、地中溝Hの溝壁に沿う外形状の鉄筋かご21と、該鉄筋かご21を埋設するコンクリート22とにより構築されている。
柱材3は、複数の鋼管31をネジ継手等の機械式継手を利用して管軸方向にジョイントすることにより形成され、下端部は底蓋で閉塞されている。そして、杭体2に埋設される定着部3bにはその外周面に、コンクリート22との付着性を向上することを目的に、複数の頭部付きスタッド32が植設されている。また、定着部3bより上方側に位置する柱部3aには、所定の高さ位置に複数の外ダイヤフラム33が設置されている。
このような構成の柱材3は、杭体2のコンクリート22が硬化し所定の圧縮強度を発現するまでの間、頭部に設けられたヤットコ4を介して、地表面上に設置された柱材支持架台5に吊り下げ状態で支持されている。また、柱材3の地中溝H内での位置決め及び鉛直性の確保は、図1(b)で示すように、上記の柱材支持架台5と、柱材3の柱部3aに設けられた位置調整装置6を介して行われる。なお、位置調整装置6は、柱部3aの外周面から溝壁に向けて放射方向に伸縮する複数の伸縮装置により構成されている。
≪≪地中溝≫≫
このような柱材3と鉄筋コンクリート造の杭体2とが一体となった逆打ち支柱1が構築される地中溝Hは矩形断面に形成されている。本実施の形態では、図1(b)で示すように、断面が正方形の角孔に形成されている。したがって、杭体2の断面も正方形となっている。
その構築方法はいずれでもよいが、例えば、地盤に地中溝を構築する際に広く用いられている水平多軸掘削機を用いると良い。なお、水平多軸掘削機の概略については、逆打ち支柱1の構築方法とともに後述する。このような、角孔よりなる地中溝Hの断面寸法は、柱材3及び鉄筋かご21だけでなく、図2及び図4(a)で示すように、杭体2を構築する際に使用するトレミー管Tの設置空間Teを考慮して決定される。
≪≪トレミー管≫≫
トレミー管Tは、杭体2を構築する際に用いるコンクリート22の打設管であり、地中溝H内の入隅部であって、柱材3と鉄筋かご21との間に設定した所定位置にそれぞれ1本ずつ(合計4本)、柱材支持架台5を利用して吊り下ろされている。入隅部は、地中溝Hの溝壁が交差する入隅そのもの、およびその近傍を含むものである。トレミー管Tは一般に、管径L5が200mmもしくは250mmのものが使用され、これらはいずれも近隣部材との間に干渉防止のために100mmのクリアランスを必要とする。
したがって、図4(a)で示すように、トレミー管Tの設置空間Teとしては、トレミー管Tの管径L5に100mm×2を加えた長さの直径L6を有する円形領域を確保することが求められる。また、トレミー管Tの配置間隔は3m以内、1本のトレミー管Tの分担面積は2.5m以内に設定することが求められる。
なお、図1及び図2では、鉄筋かご21を地中溝Hの外周面に沿わせて配置する場合を事例に挙げたため、トレミー管Tを柱材3と鉄筋かご21との間に配置したが、必ずしもこれに限定するものではない。例えば、図3及び図6(a)で示すように、柱材3の柱部3aに設ける外ダイヤフラム33の出寸法L2が大きい場合には、外ダイヤフラム33と略同様の外径を有する鉄筋かご21を採用することがある。このような場合には、トレミー管Tを鉄筋かご21と地中溝Hの溝壁との間に設置する。
≪≪矩形断面の地中溝と円形断面の地中孔の断面積比較≫≫
上記のとおり、地中溝Hに矩形断面を採用すると、図4(a)及び図6(a)で示すように、柱材3と地中溝Hの入隅部との間に形成される隙間を利用して、トレミー管Tの設置空間を設けることできる。このため、図4(b)及び図6(b)で示すように、円形断面の地中孔Hrに採用する場合と比較して、その断面積を大幅に狭小化できる。
以下に、矩形断面の地中溝Hと円形断面の地中孔Hrのぞれぞれについて、同寸法の柱材3、鉄筋かご21、及びトレミー管Tを孔内に配置した場合の断面積を比較した結果を示す。
≪出寸法L2の小さい外ダイヤフラム(直径1710mm)を設ける場合≫
図4(a)は、図2における矩形断面(正方形)の地中溝Hであって、外ダイヤフラム33が設けられている柱材3の柱部3aにおける平面視断面であり、図5(a)は、頭部付きスタッド32が設けられている柱材3の定着部3bにおける平面視断面である。
地中溝Hには、外径L1の柱材3が、軸心を地中溝Hの軸心に合致させた状態で配置されている。柱材3には、出寸法L2の外ダイヤフラム33と突出長さL3(L2>L3)の頭部付きスタッド32が設けられているため、外ダイヤフラム33が設けられている部分が最大径(L1+L2)となっている。なお、柱材3には、外径L1:1500mm、外ダイヤフラム33の出寸法L2:105mm、頭部付きスタッド32の突出長さL3:100mmの寸法のものを採用した。
また、この柱材3に隣接して、管径L5のトレミー管Tが入隅部に各々1本ずつ合計4本配置されている。なお、トレミー管Tは、管径L5:200mm(ジョイント部は250mm)の寸法のものを採用した。さらに、これらを囲うようにして鉄筋かご211が、地中溝Hの溝壁に沿って配置されている。なお、鉄筋かご21には、かぶり厚L4:100mmを確保する。
そして、トレミー管Tの設置空間Teは、地中溝Hの入隅部であって鉄筋かご21と柱材3との間に、トレミー管Tのジョイント部を考慮して直径L6:450mmを確保した。
図4(a)及び図5(a)を見ると、矩形断面の地中溝Hでは、一辺が2400mmの正方形に設定することで、上記の寸法を有する柱材3、鉄筋かご21及びトレミー管Tを配置できる。つまり、矩形断面の地中溝H内で、外径L1:1500mmの柱材3と杭体2を一体とする逆打ち支柱1を構築しようとすると、深度1mあたりの掘削土量は5.8mとなる。
次に、比較例として上記と同寸法の柱材3、鉄筋かご21及びトレミー管Tを、円形断面の地中孔Hrに配置する場合の事例を示す。図4(b)は、円形断面の地中孔Hrであって、外ダイヤフラム33が設けられている柱材3の柱部3aにおける平面視断面であり、図5(b)は、頭部付きスタッド32が設けられている柱材3における定着部3bの平面視断面である。
なお、円形断面の地中孔Hrでは、トレミー管T1本当たりの分担面積やコンクリートを吐出した際に柱材3に作用する側圧のバランスを考慮しても、トレミー管Tの本数は3本で足りる。しかし、位置調整装置6との干渉を避けること及び精度確保を考慮し、矩形断面の地中溝Hに配置する場合と同様に、4本のトレミー管Tを配置した。
図4(b)及び図5(b)をみると、円形断面の地中孔Hrでは、少なくとも断面径を3033mmに設定する必要があり、掘削時には断面径3100mmで掘削することになる。つまり、円形断面の地中孔Hr内で、外径L1:1500mmの柱材3と杭体2を一体とする逆打ち支柱1を構築しようとすると、深度1mあたりの掘削土量は7.5mとなる。
このように、矩形断面の地中溝Hと円形断面の地中孔Hrとでは、深度1m当たりの掘削土量に1.7m程度の差を生じる。したがって、地中溝Hに長大な孔長が求められるほど、作業期間及び掘削土量を大幅に低減できるとともに、地盤掘削に係る省力化を図ることができ、ひいては、逆打ち支柱1の施工を経済的に実施することが可能となる
また、矩形断面の地中溝Hでは、トレミー管Tを入隅部に配置すればよいため、円形断面の地中孔Hrに配置する場合と比較して、トレミー管Tを容易にかつ精度よく所定位置に配置できる。したがって、コンクリート22を吐出させた際に作用する側圧に起因して、鉛直姿勢で位置決めした柱材3を傾斜させる事態を抑制し、鉛直性を保持した柱材3と矩形断面に形成された杭体2とによる逆打ち支柱1を、高い施工性を確保しつつ経済的に構築することが可能となる。
≪出寸法L2の大きい外ダイヤフラム(直径2200mm)を設ける場合≫
図6(a)は、図3における矩形断面(正方形)の地中溝Hであって、外ダイヤフラム33が設けられている柱材3の柱部3aにおける平面視断面であり、図7(a)は、頭部付きスタッド32が設けられている柱材3の定着部3bにおける平面視断面である。
地中溝Hには、外径L1の柱材3が、軸心を地中溝Hの軸心に合致させた状態で配置されている。柱材3には、出寸法L2の外ダイヤフラム33と突出長さL3(L2>L3)の頭部付きスタッド32が設けられているため、外ダイヤフラム33が設けられている部分が最大径(L1+L2)となっている。なお、柱材3は、外径L1:1500mm、外ダイヤフラム33が出寸法L2:350mm、頭部付きスタッド32が突出長さL3:100mmの寸法のものを採用した。
また、この柱材3の外周面に沿うようにして、同心円をなす鉄筋かご21が配置されている。鉄筋かご21は、外径を外ダイヤフラム33の外縁径と同じ大きさに設定することとし、外径L7:2200mmとした。そして、外ダイヤフラム33及び鉄筋かご21に隣接して、管径L5のトレミー管Tが入隅部に各々1本ずつ合計4本配置した。トレミー管Tの設置空間Teは、上記のとおり直径L6:450mmを確保した。
図6(a)及び図7(a)を見ると、矩形断面の地中溝Hでは、鉄筋かご21のかぶり厚L4:100mmを考慮しても、一辺2400mmの正方形に設定することで、上記の寸法を有する柱材3、鉄筋かご21及びトレミー管Tを配置できる。したがって、深度1mあたりの掘削土量は5.8mとなる。
次に、比較例として上記と同寸法の柱材3、鉄筋かご21及びトレミー管Tを、円形断面の地中孔Hrに配置する場合の事例を示す。図6(b)は、円形断面の地中孔Hrであって、外ダイヤフラム33が設けられている柱材3の柱部3aにおける平面視断面であり、図7(b)は、頭部付きスタッド32が設けられている柱材3の定着部3bにおける平面視断面である。
図6(b)及び図7(b)をみると、円形断面の地中孔Hrでは、柱材3の外径L1:1500mm、鉄筋かご21の外径L7:2200mm、トレミー管Tの設置空間Teに必要な直径L6:450mmを足し合わせた3100mmを、孔径とする必要がある様子がわかる。してみると、深度1mあたりの掘削土量は7.5mとなる。したがって、矩形断面の地中溝Hと円形断面の地中孔Hrとでは、深度1m当たりの掘削土量に1.7m程度の差を生じる。
上記のとおり、柱部3aに設ける外ダイヤフラム33の出寸法L2の大きさにより、トレミー管Tの配置位置を、柱材3と鉄筋かご21の間もしくは鉄筋かご21と溝壁の間のいずれの位置に設ける場合にも、矩形断面の地中溝Hを採用すると、円形断面の地中孔Hrを採用する場合より深度1m当たりの掘削土量を低減でき、より経済的に逆打ち支柱1を構築できることがわかる。
≪≪逆打ち支柱の構築方法≫≫
上述する矩形断面の地中溝H内で、柱材3と杭体2を一体にした逆打ち支柱1を構築する手順を、矩形断面の地中溝Hを構築する手順と併せて、以下にその詳細を説明する。なお、本実施の形態では、鉄筋かご21と柱材3との間にトレミー管Tを配置する場合を事例に挙げる。
≪地中溝の構築≫
まず、図8(a)~図8(c)で示すように、逆打ち支柱1の構築予定位領域に溝壁防護工(ガイドウォール)7を構築したのち、矩形断面の地中溝Hを構築する。地中溝Hを掘削する手順や掘削に用いる掘削機はいずれを採用してもよいが、本実施の形態では、水平多軸掘削機10を採用して掘削する場合を事例に挙げる。
≪水平多軸掘削機≫
図8(a)で示すように、水平多軸掘削機10は、揚重機等に吊り下げられた略直方体の本体フレーム101と、本体フレーム101の下端に設けられた対をなすカッタードラム102とを備える。
カッタードラム102は、水平軸周りに回転するドラムの外周面にカッターが設けられており、このカッタードラム102が回転することで、本体フレーム101の下方側の地盤を掘削することができる。これにより、水平多軸掘削機10を用いて地盤を掘削すると、図8(a)で示すように、本体フレーム101の平面視と略同径の矩形断面を有する掘削溝H1が形成される。
したがって、例えば、構築予定の矩形断面の地中溝Hにおける矩形断面の一辺が、地中溝H1の長さと略同等である場合には、まず、図8(a)(b)で示すように、地中溝H1の幅方向に間隔を設けて、地中溝H1及び地中溝H2を並列に構築する。こののち、図8(c)で示すように、地中溝H1及び地中溝H2の間を掘削することで、矩形断面の地中溝Hを構築することができる。
なお、矩形断面の地中溝Hにおける一辺が、地中溝H1の長さより長大である場合には、地中溝H1の長さ方向に間隔を設けて複数の地中溝H1を直列に先行して構築する。こののち、隣り合う地中溝H1を連結するようにして後行の地中溝H1を構築することで、大断面の矩形断面の地中溝Hを構築することができる。
また、本体フレーム101には、カッタードラム102で地盤を掘削したことにより発生する土砂を安定液Wとともに排泥する排泥ポンプ及び排泥ポンプに接続された排泥管を備えている(図示せず)。さらに、本体フレーム101には、姿勢修正装置103が設けられている。
姿勢修正装置103は、図8(a)で示すように、本体フレーム101の外周面から溝壁に向けて伸縮自在な平板を複数備えている。この姿勢修正装置103の張出し量を適宜調整して溝壁に当接させることにより、掘削方向を鉛直状に維持し、高い精度で地中溝H1の鉛直性を維持することができる。
≪鉄筋かごの建込み≫
地中溝Hを構築して、1次溝壁内処理(安定液Wの全置換)を行う。その後、溝壁測定により精度検証を行うとともに2次溝底処理(スライム処理)を実施したのち、図9(b)で示すように、杭体2を構成する鉄筋かご21を地中溝Hに吊り下ろして建込むとともに、地表面上に地中溝Hの溝壁防護工(ガイドウォール)7を囲うようにして柱材支持架台5を設置する。
≪柱材の位置決め≫
次に、図10(a)で示すように、地中溝H内で鋼管31をジョイントしながら柱材3を所望の部材長となるよう組み立て、ヤットコ4を介して柱材支持架台5に支持させる。なお、鋼管31には、適宜頭部付きスタッド32や外ダイヤフラム33を設けておく。こうして組み立てた柱材3について、柱材支持架台5と位置調整装置6を利用して、位置決めを行うとともにその姿勢を鉛直に保持する。
≪トレミー管の配置及びコンクリートの打設≫
こののち、図10(b)で示すように地中溝Hにトレミー管Tを吊り下ろし、図4(a)で示すように、地中溝Hの入隅部各々に設定した設置空間Teに、4本のトレミー管Tを配置する。そして、地中溝H内で3次溝底処理(スライム処理)を行い、図2で示すように、コンクリートの打設作業を行う。
このように、柱材3を囲んで4つの入隅部各々に1本ずつ、トレミー管Tを配置すると、吐出されたコンクリート22の側圧が柱材3に対してバランスよく作用する。したがって、コンクリート22の打設作業中に柱材3の姿勢が鉛直軸に対して傾斜する等の不具合を抑制できる。
トレミー管Tを引き上げつつ、鉄筋かご21を埋設する深さまでコンクリート22を打設することにより、コンクリート22の打設作業が終了したのち、トレミー管Tを地中溝Hから引き抜く。
≪コンクリートの養生≫
図1で示すように、柱材3を柱材支持架台5に支持させた状態で、所定時間(12時間以上)にわたってコンクリート22を養生する。コンクリート22の強度発現が確認され、柱材3と矩形断面に形成された杭体2が一体となったのち、位置調整装置6、柱材支持架台5を撤去するとともに、地中溝Hの埋戻しを行う。
上記のとおり、逆打ち支柱1の構築方法によれば、矩形断面の地中溝Hを採用することで、鉛直性を保持した柱材3と矩形断面の杭体2とによる逆打ち支柱1を、高い精度で経済的に構築することが可能となる。また、地中溝Hを構築するにあたり、水平多軸掘削機10を採用することで、姿勢修正装置103により鉛直精度の高い地中溝Hを構築できる。したがって、その内方に出来形精度の高い逆打ち支柱1を確実に構築することが可能となる。
なお、地中溝Hの埋戻し工事は、例えば、安定液Wにセメント系固化材を添加して固化させる泥水固化工法を採用するとよい。また、柱材3は、管内清掃を行うとともにコンクリートを充填し、いわゆるコンクリート充填鋼管構造(CFT造)とする。
本発明の逆打ち支柱1の構築方法及び逆打ち支柱1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、地中溝Hの矩形断面を正方形に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、長方形を採用し杭体2を壁状に構築してもよい。
1 逆打ち支柱
2 杭体
21 鉄筋かご
22 コンクリート
3 柱材
3a 柱部
3b 定着部
31 鋼管
32 頭部付きスタッド
33 外ダイヤフラム
4 ヤットコ
5 柱材支持架台
6 位置調整装置
7 溝壁防護工(ガイドウォール)
10 水平多軸掘削機
101 本体フレーム
102 カッタードラム
103 姿勢修正装置

H 地中溝(矩形断面)
Hr 地中孔(円形断面)
H1 地中溝
H2 地中溝
T トレミー管
W 安定液

Claims (2)

  1. 鋼管よりなる柱材と鉄筋コンクリート造よりなる矩形断面の杭体とを備える逆打ち支柱の構築方法であって、
    地盤を掘削し、矩形断面の地中溝を構築する工程と、
    該地中溝に鉄筋かごを建て込んだのち、前記柱材を吊り下ろし位置決めを行う工程と、
    トレミー管を前記地中溝に挿入し、入隅部に配置する工程と、
    前記トレミー管を用いて前記地中溝にコンクリートを打設する工程と、
    を含むことを特徴とする逆打ち支柱の構築方法。
  2. 矩形断面の地中溝内で構築される鉄筋コンクリート造の杭体と、
    前記地中溝内に挿入され、前記杭体の内方に少なくとも下端部が定着される鋼管よりなる柱材と、
    を備えることを特徴とする逆打ち支柱。
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