JP2022101024A - 巻き出し治具及び巻き出し方法 - Google Patents

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Akira Kihara
政浩 山崎
Masahiro Yamazaki
貴史 乙川
Takashi Otokawa
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Abstract

【課題】内周規制体レス構造の製管装置によって帯状部材から螺旋管を巻き出す際に、帯状部材が塑性変形して製管装置の許容範囲より小径の巻癖が付与されたとしても、うねり変形を来すことなく曲げ戻して、所望の曲率の巻き出しリングを作成可能とする。【解決手段】製管装置10のフレーム11に巻き出し治具30を着脱可能に取り付ける。巻き出しリング9eとなるべき帯状部材90の先端部分を、フレーム11における螺旋軌道R9の径方向内側に設けられた駆動ローラ13から斜め後方へ押し出す。駆動ローラ13より後方において、巻き出し治具30の治具本体に保持させた調節ガイド40を、帯状部材90の先端部分に内周側から押し当て、かつネジ部材61からなる位置調節機構によって、調節ガイド40を螺旋軌道R9の径方向に位置調節することによって、帯状部材90の先端部分の曲率を調整する。その後、駆動ローラ13によって帯状部材90の先端部分を一周させて巻き出しリング9eを形成する。【選択図】図4

Description

この発明は、螺旋管を巻き出すための巻き出し治具及び巻き出し方法に関し、特に、老朽化した下水道管などの既設管の内周にライニングされる螺旋管状の更生管を製管する際の巻き出しに適した巻き出し治具及び巻き出し方法に関する。
一般に、更生管などの螺旋管を製管する自走式製管装置は、螺旋管の内周を規制するリンクローラなどの内周規制体を有している(特許文献1など参照)。リンクローラは、環状に連なる複数のリンクと、各リンクに設けられたローラを含む環状のフレーム構造になっている。該リンクローラの外周に帯状部材(プロファイル)を巻き付けて製管する。
帯状部材は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂で構成されており、幅方向の両縁部には互いに凹凸嵌合されて製管されるための嵌合部が設けられ、幅方向の中間部には外周側へ突出するリブが設けられている。補強材としてスチールがリブなどに埋め込まれた帯状部材(スチール内包プロファイル)も知られている(特許文献1等参照)。
特許文献2には、リンクローラなどの内周規制体を省略した内周規制体レス構造の製管装置が提案されている。内周規制体レス構造の製管装置は、螺旋管の周長の数分の1~数十分の1の長さのフレームを有している。該フレームに、一対の駆動ローラ、嵌合ガイド、管端ガイド、ブレーキ機構が設けられている。駆動ローラは、螺旋管に沿う螺旋軌道の径方向内側に離れて配置されており、帯状部材を螺旋軌道の後方側へ斜めに押し出す。嵌合ガイドは、螺旋軌道に到達した帯状部材が前記凹凸嵌合によって螺旋管に組み込まれるのを助ける。管端ガイドは、螺旋管の管端部とスライド可能に係合され、製管装置が管端部から脱落するのを防止する。ブレーキ機構は、螺旋管の管端部と摺擦して製管装置にブレーキ力(滑り摩擦抵抗)を付与することによって、駆動ローラと協働して、螺旋管の管径を拡縮させるのに用いられる。
内周規制体レス構造の製管装置によって螺旋管を巻き出す際は、一対の駆動ローラどうしの間に帯状部材の先端部を挿入して、駆動ローラを順転駆動することで、前記帯状部材を比較的大きな曲率半径で一周程度巻回して、周方向に重なった部分の幅方向に対向する嵌合部どうしを凹凸嵌合させる。これによって、約一周分の巻き出しリングが作製される。次に、ブレーキ機構によって製管装置と巻き出しリングとの間にブレーキ力を作用させた状態で、駆動ローラを逆転駆動することによって、巻き出しリングを既設管の口径以下のリング径になるまで縮径させる。続いて、製管装置及び巻き出しリングを既設管の管口内に配置し、ブレーキ機構によってブレーキ力を作用させた状態で、駆動ローラを順転駆動することによって、巻き出しリングを拡径させて既設管の管口の内周面に密着させる。その後、ブレーキ機構を解除して、駆動ローラを順転駆動することによって、巻き出しリングを一周目とする螺旋管が連続的に製管される。
国際公開番号WO2015/186779A1 国際公開番号WO2018/043619A1
この種の内周規制体レス構造の製管装置においては、螺旋軌道から径方向内側(中心側)に離れた駆動ローラによって、帯状部材が、前記径方向に対し斜めかつ外側へ送り出されて螺旋軌道に沿わされる。このため、駆動ローラから螺旋軌道までの間の帯状部材が、螺旋軌道より曲率半径が小さくなるよう曲げられる。又は、螺旋軌道に達したときの帯状部材が屈曲するように曲げられる。帯状部材が合成樹脂だけで構成されていれば、その後、弾性的に拡径され得る。しかし、スチール内包プロファイルなどの剛性が高い帯状部材においては、スチールなどの補強材の塑性変形が起き、小径の巻癖が付与されることがある。一方、製管装置の各要素は前記螺旋軌道の曲率に合わせてレイアウトされており、多少の許容範囲はあるものの、許容範囲より小径の巻癖が付いた帯状部材は、製管装置の各要素と干渉して組み込むことができない。帯状部材を人力等で拡径し(曲げ戻し)ようとすると、力のかけ具合が不均等になり易く、リブが波打ったり倒れたりすることで、巻き出しリングがうねるように変形されることがある。こうなると修復は困難であり、巻き出し作業をやり直さざるを得ない。
本発明は、かかる事情に鑑み、内周規制体レス構造の製管装置によって帯状部材から螺旋管を巻き出す際に、帯状部材が塑性変形して製管装置の許容範囲より小径の巻癖が付与されたとしても、うねり変形を来すことなく曲げ戻して、所望の曲率の巻き出しリングを作成可能とすることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明装置は、内周規制体レス構造の製管装置によって帯状部材を螺旋管に製管するのに先立ち、前記螺旋管の一周目を含む巻き出しリングを作成するための巻き出し治具であって、
前記製管装置のフレームに着脱可能な治具本体と、
前記フレームにおける前記螺旋管と対応する仮想の螺旋軌道の径方向内側から帯状部材を斜め後方へ押し出す駆動ローラより前記螺旋軌道の後方に離れて、かつ前記帯状部材の内周面と対面するようにして、前記治具本体に前記螺旋軌道の径方向へ変位可能に保持された調節ガイドと、
前記調節ガイドを、前記径方向に位置調節する位置調節機構と、
を備えたことを特徴とする。
巻き出しの際は、製管装置のフレームに治具本体を取り付ける。次に、駆動ローラを駆動して、帯状部材の先端部を、駆動ローラから後方側へ押し出して調節ガイドまで送る。この過程で、帯状部材の先端部に比較的小径の巻癖が付与され得る。帯状部材の先端部が調節ガイドと対面する位置に達したら、駆動ローラを停止させる。続いて、位置調節機構によって調節ガイドを螺旋軌道の径方向に位置調節する。これによって、帯状部材の巻癖径を調整できる。具体的には、調節ガイドが、湾曲された帯状部材の先端部に内周側から当たって径方向外側へ押すことで、帯状部材が曲げ戻し(拡径)される。巻き出し治具を用いることによって、曲げ戻し力が不均等になるのを防止でき、帯状部材がスチールなどの剛性補強材を内包していても、うねり変形を来すのを回避できる。
その後、一対の駆動ローラを再駆動させて、帯状部材を一周程度リング状に巻く。ここで、駆動ローラを停止させる。巻き出し治具は取り外す。そして、帯状部材における先端部と、該先端部に対して一周ずれた部分との幅方向に対向する嵌合部どうしを凹凸嵌合させる。これによって、一周分の巻き出しリングが作成される。
前記治具本体が、軸線を前記螺旋軌道の幅方向へ向けた軸部を中心にして前記フレームに対し回転可能に設けられたレバーを含み、前記レバーに前記調節ガイドが支持されており、
前記位置調節機構が、前記レバーの前記フレームに対する角度を調整する角度調節機構であることが好ましい。
レバーの角度調節によって、調節ガイドを前記径方向へ位置調節でき、帯状部材の巻癖径を調整できる。
前記治具本体の前記幅方向の両側部にそれぞれ前記レバーが設けられ、前記調節ガイドが、前記幅方向へ延びて前記両側部のレバーの先端部に架け渡されていることが好ましい。
これによって、曲げ戻し力が不均等になるのを確実に防止でき、帯状部材のうねり変形を確実に回避できる。前記調節ガイドは、ロール(円柱)形状でもよく、角柱形状でもよく、板形状であってもよい。
前記軸部が、前記螺旋軌道の径方向内側かつ前記駆動ローラより前記螺旋軌道の後方における前記フレームに配置されており、前記レバーが、前記軸部を介して前記フレームに直接的に連結されていることが好ましい。
これによって、治具本体の構成が簡素化される。したがって、巻き出し治具をコンパクト化かつ軽量化できる。したがって、巻き出し治具の製管装置への取り付け及び撤去作業を容易化できる。治具本体と製管装置との連結部である軸部が、螺旋軌道の径方向内側に配置されているため、巻き出し治具の全体が巻き出しリングの内周側に配置されるようにでき、巻き出し工程後の巻き出し治具の撤去作業を一層容易化できる。
前記角度調節機構が、前記フレームと前記治具本体との間に、架渡長さを調節可能に架け渡された架渡部材を含むことが好ましい。
架渡部材の架渡長さを調節することで、レバーを角度調節でき、調節ガイドを前記径方向に位置調節できる。
前記治具本体が、前記螺旋軌道の径方向外側に配置されて前記フレームに着脱可能に固定された治具本体部を含み、前記治具本体部に前記軸部を介して前記レバーが回転可能に連結されており、
前記レバーが、前記軸部から前記螺旋軌道を径方向に跨ぐように延び、前記レバーの先端部が、前記螺旋軌道の径方向内側に配置されており、前記調節ガイドが、着脱機構を介して前記レバーの先端部に着脱可能に取り付けられていることが好ましい。
これによって、帯状部材をリング状に約一周程度巻いた後、又は巻き出しリングを形成した後、その内側に配置された調節ガイドをレバーから分離して簡単に撤去できる。ひいては巻き出し治具を簡単に撤去できる。
前記レバーが、前記軸部から二方向へ伸びる第1腕部及び第2腕部を有し、前記第1腕部の先端部に前記調節ガイドが設けられ、
前記角度調節機構が、前記治具本体部と前記第2腕部との間に、架渡長さを調節可能に架け渡された架渡部材を含むことが好ましい。
架渡部材の架渡長さを調節することで、第2腕部と治具本体との角度を調節でき、調節ガイドを位置調整できる。
前記架渡部材は、前記第2腕部に螺合されて前記治具本体の前記先端部に突き当て可能なネジ部材であることが好ましい。前記ネジ部材のねじ込み量を調節することによって、レバーを角度調節でき、帯状部材の巻癖径を調整できる。
更に、前記角度調節機構が、前記治具本体に対する前記レバーの回転可能範囲を規制する回転規制手段を含むことが好ましい。回転規制手段によりレバーの回転可能範囲を規制することによって、例えば帯状部材が組み込まれていないフリー状態のとき、レバーと治具本体との間に手が挟まれるのを回避できる。
本発明方法は、内周規制体レス構造の製管装置によって帯状部材を螺旋管に製管するのに先立ち、前記螺旋管の一周目を含む巻き出しリングを作成する方法であって、
前記製管装置のフレームに、巻き出し治具の治具本体を着脱可能に取り付け、
前記巻き出しリングとなるべき帯状部材の先端部分を、前記フレームにおける前記螺旋管と対応する仮想の螺旋軌道の径方向内側に設けられた駆動ローラから前記螺旋軌道に向けて斜め後方へ押し出し、
前記駆動ローラより前記螺旋軌道の後方において、前記治具本体に前記螺旋軌道の径方向へ変位可能に保持された調節ガイドを、前記帯状部材の先端部分に内周側から押し当て、
前記治具本体に係合された位置調節機構によって、前記調節ガイドを前記径方向に位置調節することによって、前記帯状部材の先端部分の曲率を調整し、
その後、前記駆動ローラによって前記帯状部材の先端部分を一周させて前記巻き出しリングを形成することを特徴とする。
これによって、帯状部材の先端部分をうねり変形させることなく曲げ戻すことができ、所望の曲率の巻き出しリングを作成することができる。
螺旋状に巻回された帯状部材の一周ずれて対向する縁どうしを、前記駆動ローラより後方の前記螺旋軌道上の嵌合予定位置において嵌合させる嵌合ガイドを、前記フレームから外すか前記嵌合予定位置から退避させておき、
前記帯状部材の先端部分を一周させた後、前記巻き出し治具を撤去するとともに、前記嵌合ガイドを前記嵌合予定位置にセットすることが好ましい。
これによって、巻き出しリングの形成工程の特に曲げ戻し時の力で嵌合ガイドが破損するのを回避できる。
本発明によれば、内周規制体レス構造の製管装置によって螺旋管を巻き出す際の帯状部材の先端部分に小径の巻癖が形成されたとしても、該帯状部材の先端部分をうねり変形させることなく曲げ戻すことができ、所望の曲率の巻き出しリングを作成することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る巻き出し治具の平面図である。 図2は、前記巻き出し治具の斜視図である。 図3は、製管装置に取り付けた前記巻き出し治具を用いて巻き出しリングを作成する方法を、曲げ戻し前の状態で示す正面図である。 図4は、前記巻き出し治具による曲げ戻しの様子を示す正面図である。 図5は、前記巻き出しリングを、前記製管装置及び巻き出し治具の一部要素と共に示す斜視図である。 図6(a)は、図3のVIa-VIa線に沿う断面図である。図6(b)は、図5のVIb-VIb線に沿う、前記巻き出しリングの断面図である。図6(c)は、図9の円部VIcの拡大断面図である。 図7(a)は、前記巻き出し治具の第1腕部の先端部を、調節ガイドが脱落不能にセットされた状態で示す拡大正面図である。 図7(b)は、前記巻き出し治具の第1腕部の先端部を、調節ガイドのセットが解除された状態で示す拡大正面図である。 図8は、前記巻き出し治具を、巻き出しリング及び製管装置から分離して撤去する様子を示す正面図である。 図9は、前記巻き出しリングを一周目とする更生管を製管する様子を示す、更生施工中の既設管の側面断面図である。 図10は、図9のX-X線に沿う正面断面図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係る巻き出し治具を、帯状部材の先端部を曲げ戻しする直前の状態で示す正面断面図である。 図12は、前記第2実施形態に係る巻き出し治具の斜視図である。 図13は、図14のXIII-XIII線に沿う、前記巻き出し治具の平面図である。 図14は、前記第2実施形態に係る巻き出し治具を、帯状部材の先端部を曲げ戻した状態で示す、図13のXIV-XIV線に沿う正面断面図である。 図15は、前記第2実施形態において巻き出しリングを作成した状態の正面図である。
<第1実施形態(図1~図10>
本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図9に示すように、老朽化した下水道管からなる既設管1の内周に更生管9がライニングされることで、既設管1が更生されている。既設管としては、下水道管のほか、上水道管、農業用水管、水力発電導水管、ガス管、トンネル等が挙げられる。
図6(a)に示すように、更生管9は、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂を主成分とする帯状部材90(プロファイル)によって構成されている。帯状部材90は、平坦な帯本体91と、該帯本体91の幅方向の両縁部に設けられた嵌合部93,94と、帯本体91の外周側面から突出された複数のリブ95とを含む。リブ95には、スチール製の帯板状の補強材96が埋め込まれている。したがって、帯状部材90は、スチール内包プロファイルである。図6(c)に示すように、更生管9においては、帯状部材90が螺旋状に巻回されるとともに互いに一周ずれて隣接する嵌合部93,94どうしが凹凸嵌合によって接合されている。
図9において模式的に示すように、更生管9は、製管装置10によって製管される。図10に示すように、製管装置10は、前掲特許文献2に開示された製管装置と同様の内周規制体レス構造になっており、既設管1の内周に沿って、図10において反時計回りに螺旋状に推進(自走)されながら、帯状部材90の未製管の後続帯部90bを螺旋状に巻回して更生管9(螺旋管)に漸次組み込むことで、更生管9を延伸形成する。
図8に示すように、製管装置10は、フレーム11と、駆動部12と、軌道ガイド14と、嵌合ガイド15と、管端ガイド16と、ブレーキ付与部17を備えている。これら製管装置10の各要素11~17が、更生管9(螺旋管)と対応する仮想の螺旋軌道Rの曲率及ピッチに合わせて配置及び組付されている。言い換えると、製管装置10によって、螺旋軌道Rの一部分が仮想的に画成されている。製管装置10の推進方向に沿う前後方向は、螺旋軌道Rの周方向へ向けられ、高さ方向は、螺旋軌道Rの径方向へ向けられている。詳しくは、製管装置10の高さ方向の底部は、螺旋軌道Rの径方向外側へ向けられ、頂部は螺旋軌道Rの径方向内側へ向けられている。
図10に示すように、フレーム11は、フレーム本体11aと、ブレーキフレーム部11bと、後方フレーム部11dを含む。フレーム11ひいては製管装置の全長は、更生管9の周長の数分の1~数十分の1程度である。図9に示すように、該フレーム11が、更生管9の延伸方向の先端の約一周分の管端リング9e上に配置されている。図10に示すように、ブレーキフレーム部11bは、フレーム本体11aの部から推進方向の前方側へ延びている。フレーム本体11aとブレーキフレーム部11bとが、連結バー11cによって連結されている。後方フレーム部11dは、フレーム本体11aから推進方向の後方側へ片持ちアーム状に延びている。
製管装置10は、リンクローラ等の内周規制体を有していない。このため、管端リング9eの周方向におけるフレーム11が配置された部分を除く部分は、内周側へ解放される。
図8に示すように、フレーム11に、駆動部12、軌道ガイド14、嵌合ガイド15、管端ガイド16、ブレーキ付与部17が設けられている。フレーム本体11aに駆動部12が保持されている。駆動部12は、少なくとも一対(ここでは二対)の駆動ローラ13と、これら駆動ローラ13を回転駆動させる油圧モータ(図示省略)及びギア等の動力伝達機構(図示省略)を含む。駆動ローラ13は、螺旋軌道Rの径方向内側(中心側)に離れて配置されている。製管時には、帯状部材90の後続帯部90bが、対をなす駆動ローラ13間に導入されて、推進方向の後方側かつ径方向外側へ斜めに押し出される。
軌道ガイド14は、駆動ローラ13から押し出された帯状部材90の後続帯部90bを螺旋軌道Rへ案内するものであり、インナーガイドローラ14a及びアウターガイドレール14bを有している。アウターガイドレール14bの前端部(基端部)が、フレーム本体11aに連結されている。アウターガイドレール14bは、そこから螺旋軌道Rの後方側かつ径方向外側へ斜めに伸びている。後方フレーム部11dとアウターガイドレール14bとが、製管装置10の高さ方向に対向されている。アウターガイドレール14bの上面(螺旋軌道Rの径方向内側を向く面)は、螺旋軌道Rより小さい曲率半径の凹曲面に形成され、後方側(図8において左側)へ向かうにしたがって螺旋軌道Rに漸近されている。アウターガイドレール14bの後端部(先端部)は、嵌合予定位置P15に近接して配置されている。
後方フレーム部11dの後端部にインナーガイドローラ14aが設けられている。インナーガイドローラ14aは、アウターガイドレール14bの径方向内側に離れて、アウターガイドレール14bの後端部と対峙している。
図8に示すように、嵌合予定位置P15は、駆動ローラ13より後方側の螺旋軌道R上に設定されている。駆動ローラ13から斜めに押し出された帯状部材90の後続帯部90bは、嵌合予定位置P15において螺旋軌道Rに達する。嵌合予定位置P15又はその前後近傍には嵌合ガイド14が配置されている。図6(b)に示すように、嵌合ガイド14は、螺旋軌道R上を挟んで内周側(同図において上側)のインナーローラ15aと、外周側(同図において下側)のプレート状ないしはブロック状のアウターガイド15bを含む。嵌合ガイド14は、これらインナーローラ15a及びアウターガイド15bの間に、後続帯部90b及び管端リング9eを挟むことで、後続帯部90bの第2嵌合部94と、管端リング9eの第1嵌合部93との凹凸嵌合を助ける。
図10に示すように、駆動部12ないしは軌道ガイド14の径方向外側に管端ガイド16が設けられている。管端ガイド16は、管端リング9eと周方向へスライド可能に係合され、製管装置10が管端リング9eから脱落するのを防止する。
ブレーキフレーム部11bに前後2段のブレーキ付与部17が設けられている。これらブレーキ付与部17とブレーキフレーム部11bと連結バー11cによって、ブレーキアタッチメント18が構成されている。各ブレーキ付与部17は一対のブロック状部材を有している。更生管9を拡縮させる際、これら一対のブロック状部材によって管端リング9eを挟み付け、管端リング9eと摺擦されることによって、製管装置10にブレーキ力(滑り摩擦抵抗)を付与する。
図3に示すように、製管装置10には、更生管9(螺旋管)を巻き出すための巻き出し治具30が付加されている。巻き出し治具30は、製管装置10に着脱可能である。以下の説明では、特に断らない限り、巻き出し治具30が製管装置10に装着された状態であるものとする。
図1及び図2に示すように、巻き出し治具30は、治具本体31と、調節ガイド40と、角度調節機構60(位置調節機構)とを備えている。治具本体31は、治具本体部31aと、レバー31bを含む。図3に示すように、治具本体部31aは、螺旋軌道Rの径方向外側に配置されている。治具本体部31aの幅方向ひいては巻き出し治具30の幅方向は、製管装置10の幅方向(螺旋軌道Rの幅方向)と一致され、長手方向は、製管装置10の前後方向(螺旋軌道Rの周方向)に沿っている。
図1及び図2に示すように、治具本体部31aは、一対の主枠材32と、複数の横架材33~35を有している。一対の主枠材32は、幅方向(図1において上下)に対峙して、それぞれ長手方向(図1において左右)へ延びている。これら主枠材32に横架材33,34,35が架け渡されている。横架材33,34,35は、それぞれ幅方向(図1において上下)へ延びる平板形状に形成され、互いに前後に離れて配置されている。前方側(図1において右側)の2つの横架材33には、ボルト挿通孔33bが形成されている。ボルト(図示せず)が、該挿通孔33bを通して、図1において二点鎖線にて示すアウターガイドレール14bにねじ込まれている。これによって、治具本体部31aが、アウターガイドレール14bを介してフレーム11の底部に着脱可能に取り付けられている。図3に示すように、治具本体部31aは、フレーム11よりも後方側(図3において左側)へ延び、更には嵌合予定位置P15よりも後方側へ延びている。
図1及び図2に示すように、治具本体部31aの幅方向(図1において上下)の両側部にそれぞれレバー31bが設けられている。図2及び図3に示すように、各レバー31bは、基端部から上下二方向へ伸びる一対の腕部37,38を有し、概略V字状の板形状に形成されている。レバー31bの基端部は、治具本体部31aの長手方向の中間部に配置されている。一対のレバー31bの基端部と治具本体部31aの前記中間部とが、連結軸部材36を介して連結されている。連結軸部材36の軸線は、治具本体部31aの幅方向(図1において上下)へ向けられている。レバー31bが、治具本体部31aに対して、連結軸部材36を中心にして回転可能になっている。
図3に示すように、第1腕部37は、連結軸部材36から後方側かつ螺旋軌道Rの径方向内側(図3において左上)へ斜めに延び、螺旋軌道Rを径方向に跨いでいる。第1腕部37の先端部(後端部)は、螺旋軌道Rの径方向内側に配置されている。図2及び図3に示すように、第2腕部38は、連結軸部材36から後方側かつ径方向外側(図3において左下方向)へ斜めに延びている。一対のレバー31bの第2腕部38の先端部(後端部)どうしが連結プレート39によって連結されている。
図1及び図2に示すように、一対のレバー31bの第1腕部37の先端部どうし間に、調節ガイド40が回転可能かつ着脱可能に架け渡されて支持されている。これによって、調節ガイド40が治具本体31に保持されている。調節ガイド40は、軸線を巻き出し治具30の幅方向(図2において上下)へ向けたロール形状に形成されている。図6(a)に示すように、調節ガイド40の軸長は、帯状部材90の幅と同程度かそれより少し大きい。調節ガイド40の材質は、好ましくは鉄、鋼鉄などの所要の剛性を有する金属であるが、前記所要の剛性を有する限り樹脂であってもよい。図3に示すように、調節ガイド40は、嵌合予定位置P15よりも後方側に離れて、かつ螺旋軌道Rの径方向内側に配置されている。これによって、調節ガイド40は、帯状部材90の内周面と対面される。
図7(a)に示すように、各第1腕部37の先端部には、調節ガイド40に対する着脱機構70が設けられている。着脱機構70は、ガイド保持部材71と、2つ(複数)の固定ネジ73を含む。かつ、第1腕部37の先端部には、着脱機構70のためのU字状の保持穴72が形成されている。保持穴72は、第1腕部37の先端部における第2腕部38を向く側縁部(図7(a)において下側縁部)に開口されている。図1及び図6(a)に示すように、調節ガイド40の両端の軸部41が保持穴72に回転可能に嵌め込まれている。
図7(a)に示すように、ガイド保持部材71は、板形状に形成され、第1腕部37の側面に宛がわれている。ガイド保持部材71の先端部(後端部)は、半円凹部71aが形成されることによって、該半円凹部71aを挟んで両側部分が一対の係止爪71b,71dとなっている。
ガイド保持部材71には、長孔71cが形成されている。長孔71cの長手方向は、第1腕部37の延び方向に沿っている。かつ、該延び方向に互いに離間された2つの固定ネジ73が、長孔71cを通して第1腕部37にねじ込まれている。固定ネジ73を緩めることによって、ガイド保持部材71が、第1腕部37の延び方向に沿ってセット位置(図7(a))と退避位置(図7(b))との間で進退可能である。固定ネジ73を締め込むことによって、ガイド保持部材71の第1腕部37に対する位置が固定される。
図7(a)に示すように、ガイド保持部材71がセット位置のとき、半円凹部71aに軸部41の中間の小径部41bが側方から嵌め込まれている。かつ一対の係止爪71b,71dが、軸部41の外端の大径部41aと係止されている。特に、保持穴72の開口72a側の係止爪71dが保持穴72内に突出されることによって、軸部41が抜け止めされている。これによって、調節ガイド40がレバー31bに脱落不能に拘束されている。
図7(b)に示すように、ガイド保持部材71が退避位置のとき、半円凹部71a及び係止爪71b,71dが軸部41から離れることで、軸部41が保持穴72の開口72aから抜け出ることができ、調節ガイド40がレバー31bから分離可能になる。
以下の説明では、特に断らない限り、調節ガイド40がレバー31bに装着され、ガイド保持部材71がセット位置(図7(a))にされているものとする。
図2及び図3に示すように、第2腕部38の先端部(後端部)と治具本体部31aとに間に角度調節機構60(位置調節機構)が設けられている。角度調節機構60によって、治具本体部31aに対するレバー31bの角度が調整され、ひいては、調節ガイド40が、治具本体部31aに対して螺旋軌道Rの径方向(製管装置10の高さ方向)に位置調節可能になっている。
詳しくは、図2及び図3に示すように、角度調節機構60は、ネジ部材61(架渡部材)と、ナット62と、回転規制手段64を含む。連結プレート39の底面(下面)にナット62が固定されている。連結プレート39には、ナット62の雌ネジ穴と連通する貫通孔39cが形成されている。ネジ部材61が、貫通孔39cに通されるとともにナット62にねじ込まれることによって、第2腕部38と係合されている。ナット62は、ネジ部材61に対する第2腕部側の係合部を構成している。
ネジ部材61の先端部(図3において上端部)は、治具本体部31aの後端部の横架材35に突き当て可能かつ横架材35から離間可能である。横架材35は、ネジ部材61に対する治具本体部側の係合部ないしは受け部を構成している。ネジ部材61における先端部からナット62との螺合部までの部分は、治具本体部31aと第2腕部38との間に架け渡される架け渡し部分61aを構成している。ネジ部材61のねじ込み量によって、架け渡し部分61aの長さ(すなわち架渡長さ)が調節される。これによって、第1腕部37の起立可能な角度が規制され、ひいては調節ガイド40の上昇可能な高さが規制される。図3及び図4に示すように、調節ガイド40が帯状部材90から上昇方向(螺旋軌道Rの径方向内側)への力を受けているときは、ネジ部材61のねじ込み量によって調節ガイド40を高さ調節できる。
図2及び図3に示すように、回転規制手段64は、治具本体部31aに対するレバー31bの回転可能範囲を規制している。特に、第1腕部37の伏臥可能な角度を規制している。例えば、回転規制手段64は、棒状のゴムからなる弾性部材によって構成されている。該回転規制手段64が、横架材35と連結プレート39とに架け渡され、その上端部が横架材35に連結固定され、かつ下端部が連結プレート39に連結されている。第1腕部37が伏臥方向すなわち治具本体部31aの後端部に近づく向き(図3において反時計回り)に回転しようとすると、棒状ゴムからなる回転規制手段64が伸長されて弾性力が高まり、回転が抑止される。これによって、巻き出し治具30が、帯状部材90が組み込まれていないフリー状態のとき、レバー31bと治具本体部31aとの間に手が挟まれるのを回避できる。
なお、回転規制手段は、棒状ゴムに限らず、バネであってもよく、レバー31bが所定角度まで回転されると突き当たってそれ以上の回転を阻止するストッパであってもよい。
前記の内周規制体レス構造の製管装置10によって、帯状部材90から更生管9を製管する際は、それに先立ち、次のようにして、更生管9の一周目を含む巻き出しリング9aを作成する。
巻き出し治具30を用意して、その治具本体部31aを製管装置10のフレーム11にボルト締めにて取り付ける。レバー31bには調節ガイド40を取り付け、ガイド保持部材71をセット位置にして固定ネジ73を締め込むことによって、調節ガイド40をレバー31bから脱落不能にする。
好ましくは、製管装置10における嵌合ガイド15及びブレーキアタッチメント18は、フレーム11から外しておくか、正規の位置から退避させておく。
前記巻き出し治具30付きの製管装置10を人孔4(図9)内に搬入する。
さらに、帯状部材90の先端部分をドラム5(図9)から繰り出して人孔4内に引き込む。
図3に示すように、人孔4内において、駆動部12を駆動するとともに、帯状部材90の先端部分を、対をなす駆動ローラ13の間に通す。これによって、帯状部材90の先端部分を駆動ローラ13から後方側かつ径方向外側へ斜めに押し出す。更に、帯状部材90の先端部分を、軌道ガイド14及び嵌合予定位置P15を経て、調節ガイド40まで送る。この過程で、帯状部材90の先端部分が螺旋軌道Rよりも小径の円弧状に湾曲される。湾曲によってスチール製の補強材96(図6(a))が塑性変形され、帯状部材90の先端部分に螺旋軌道Rよりも小径の巻癖が付与され得る。
図3に示すように、帯状部材90の先端部分が調節ガイド40と対面する位置に達したら、駆動ローラ13を停止させる。
図4に示すように、続いて、角度調節機構60によって、調節ガイド40を製管装置10の高さ方向(螺旋軌道Rの径方向)に位置調節する。具体的には、ネジ部材61を横架材35に突き当てて締め込む。これによって、架け渡し部分61aの長さ(架渡長さ)が増大され、レバー31bが図4において反時計方向へ回転変位され、第2腕部38の先端部が治具本体部31aから離間されるとともに、第1腕部37の先端部が治具本体部31aに接近される。このため、調節ガイド40が、帯状部材90の先端部分に内周側から当たって径方向外側へ押す。この結果、帯状部材90の先端部分が曲げ戻し(拡径)される。
調節ガイド40によって、帯状部材90の先端部分を幅方向に均一に径方向外側へ押すことができるため、帯状部材90に加わる曲げ戻し力が不均等になるのを防止できる。したがって、曲げ戻しの際にスチール補強材96を内包するリブ95が波打ったり倒れたりするのを防止でき、帯状部材90がうねるように変形されるのを回避できる。
好ましくは、ネジ部材61における頭部からナット62までの長さや、ナット62から横架材35までの長さを参照しながら、ネジ部材61の締め込み量を調節する。前記長さが所定の大きさになったら締め込みを停止する。これによって、帯状部材90の先端部分を所望の曲率まで曲げ戻すことができる。
好ましくは、曲げ戻し後の帯状部材90の先端部分の曲率半径は、既設管1の管半径より少し小さくしておく。
曲げ戻し時には嵌合ガイド15を外すか退避させておくことで、帯状部材90の曲げ戻し変形時の力で、薄板状の嵌合ガイド15が破損するのを回避できる。また、ブレーキアタッチメント18を外しておくことで、ブレーキアタッチメント18が作業の邪魔になるのを回避できる。
その後、図5に示すように、駆動ローラ13を再駆動させて、帯状部材90を一周程度リング状に巻く。続いて、駆動ローラ13を再度停止させる。
そして、図8示すように、巻き出し治具30を製管装置10から取り外して撤去する。治具本体31については、アウターガイドレール14bとの連結ボルト(図示省略)を外すことで、製管装置10から容易に分離できる。また、図7(b)に示すように、固定ネジ73を緩めて、ガイド保持部材71を退避位置へ位置させる。これによって、調節ガイド40に対する拘束が解除される。かつネジ部材61を緩めて、第1腕部37の先端部が帯状部材90から離れるように、レバー31bを図8において時計方向へ回転変位させる。これによって、軸部41が、保持穴72の開口72aから抜け出て、調節ガイド40がレバー31bから解放される。これによって、調節ガイド40を治具本体部31a及びレバー31bから分離して撤去できる。すなわち、帯状部材90のリングの外側の治具本体部31aは勿論、リングの内側の調節ガイド40をも簡単に撤去することができる。
さらに、図8に示すように、製管装置10に嵌合ガイド15及びブレーキアタッチメント18を取り付け、又は正規の位置にセットする。
帯状部材90におけるブレーキアタッチメント18と対応する部分には、ブレーキ付与部17を係合させる。
そして、図5及び図6(b)に示すように、嵌合ガイド15内又は嵌合予定位置P15において、帯状部材90における先端部と、該先端部から一周ずれた部分との幅方向に隣接する嵌合部93,94どうしを凹凸嵌合させる。これによって、一周分の巻き出しリング9aが作成される。
続いて、図10に示すように、製管装置10及び巻き出しリング9aを既設管1の管口1e内に設置する。前記曲げ戻し工程において、巻き出しリング9aを既設管1の口径より少し小径にしておくことによって、管口1e内への設置作業を容易に行なうことができる。
次に、駆動ローラ13を駆動して、帯状部材90における後続帯部90bを巻き出しリング9aに送り込むとともに、ブレーキ付与部17によって巻き出しリング9aと製管装置10との間に滑り摩擦抵抗を付与する。これによって、巻き出しリング9aが拡径されて、既設管1の内壁に密着される。その後、ブレーキ付与部17を巻き出しリング9aから解放する。
そして、図9及び図10に示すように、駆動ローラ13を本格駆動することによって、巻き出しリング9aに続いて更生管9を製管する。該更生管9が既設管1の内壁に密着されることで、帯状部材90の隣接する嵌合部93,94どうしが嵌合される際の反力を確実に得ることができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
<第2実施形態(図11~図15>
図15に示すように、第2実施形態においては、巻き出し治具30Bの全体が螺旋軌道Rの内周側に配置されている。図11~図13に示すように、巻き出し治具30Bは、治具本体50と、調節ガイド40を備えている。治具本体50は、一対のレバー51と、連結部材54を含む。レバー51は、概略三角形の板形状に形成されている。一対のレバー51が、巻き出し治具30Bの幅方向(図13において上下方向)に離れて平行に対向して配置されている。これらレバー51の基端部が、インナーガイドローラ14aの軸部14cを介して製管装置10のフレーム10における推進後方側を向く後端部と連結されている。
図15に示すように、軸部14cは、螺旋軌道Rの径方向内側かつ駆動ローラ13より螺旋軌道Rの後方における後方フレーム部11dに配置されている。軸部14cの軸線は、巻き出し治具30B及び製管装置10の幅方向(図15の紙面と直交する方向)へ向けられている。図11~図13に示すように、該軸部14cが、一対のレバー51の基端部間に架け渡されている。レバー51は、軸部14cを中心にして後方フレーム部11dに対して回転可能である。
詳細な図示は省略するが、軸部14cは、後方フレーム部11dに対して着脱可能になっており、これによって、レバー51がフレーム10に対して着脱可能になっている。ひいては、巻き出し治具30Bが装置本体10に対して着脱可能になっている。
なお、巻き出し治具30Bと製管装置10とを連結する軸部が、インナーガイドローラ14aの軸部14cとは別途に設けられていてもよい。
図11~図13に示すように、一対のレバー51は、軸部14cから推進方向の後方(図13において左側)へ延びている。これらレバー51の後端部どうし間に筒形状の調節ガイド40が架け渡されている。これによって、調節ガイド40が治具本体50に保持されている。調節ガイド40は、軸部14cより螺旋軌道Rの後方に離れて配置されている。調節ガイド40が、軸線を巻き出し治具30Bの幅方向へ向け、レバー51に対して該軸線のまわりに回転可能である点は、第1実施形態と同様である。
一対のレバー51の中間部どうし間に連結部材54が架け渡されている。連結部材54は、軸線を巻き出し治具30Bの幅方向へ向けた円柱形状に形成されている。連結部材54は、レバー51に対して当該連結部材54の軸線のまわりに回転可能である。連結部材54の中間部には、1の直径方向に貫通する貫通孔54cが形成されている。
連結部材54には、角度調節機構(位置調節機構)として、架渡部材80が係合されている。架渡部材80は、雄ネジを有する首下部51と頭部52を含むボルトによって構成されている。該架渡部材80が、連結部材54と直交するように向けられ、首下部81の中間部分が貫通孔54cに通されている。頭部82は、架渡部材80が連結部材54から一方側へ抜けるのを阻止する抜け止めとなっている。
架渡部材80の首下部81の先端部(頭部82とは反対側の端部)には、突き当て部材83が設けられている。突き当て部材83は、有蓋のキャップナット85と、一対の突き当て板部86を一体に有している。キャップナット85が、首下部81の先端部に被さるように取り付けられている。キャップナット85の両側部に突き当て板部86が溶接されている。突き当て板部86における首下部81とは反対側を向く端面には、円筒凹面状の嵌合凹部86aが形成されている。
図14に示すように、突き当て部材83は、後方フレーム部11の後端部のパイプ状の横架材11e(突き当て受け部材)に突き当て可能である。突き当て状態では、横架材11eの周側部が嵌合凹部86aに嵌合される。
首下部81における連結部材54との交差部から突き当て部材83までの部分には、ナット84(架渡長さ調節手段)が螺合されている。ナット84は、連結部材54に突き当て可能である。架渡部材80におけるナット84から突き当て部材83までの部分が、フレーム11と治具本体50との間に架け渡される架け渡し部分80aを構成している。ナット84の首下部81上における位置を調節することによって、架け渡し部分80aの長さ(架渡長さ)が増減される。
第2実施形態の巻き出し治具30Bにおいては、治具本体50が実質的に一対のレバー51及び連結部材54だけで構成されているため、コンパクトかつ軽量である。したがって、帯状部材90の巻き出しに際して、製管装置10に巻き出し治具30Bを容易に取り付けることができる。既設管1内又は人孔4内の狭隘な空間(図9参照)においても、巻き出し治具30Bの取り付け作業を容易に行うことができる。
そして、図11に示すように、帯状部材90の先端部を駆動ローラ13から後方側へ送り出す。これによって、帯状部材90の先端部が螺旋軌道Rよりも小さい曲率半径まで湾曲された状態で、該帯状部材90の内周面が調節ガイド40と対向される。
ここで、駆動ローラ13を停止したうえで、嵌合凹部86aに横架材11eの側部を嵌めることによって、突き当て部材83を横架材11eに突き当てる。続いて、ボルト頭部82を回り止めしながら、ナット84をボルト頭部82へ向けて回して連結部材54に押し当てる。更に、ナット84をボルト頭部82へ向けてねじ込む。これによって、図14に示すように、架け渡し部分80aの長さが増大される。これに伴って、治具本体50が図14において反時計まわりに回転され、調節ガイド40が螺旋軌道Rの径方向外側へ変位される。この結果、帯状部材90の先端部を曲げ戻して、螺旋軌道Rの曲率半径に近づけることができる。
その後、図15に示すように、駆動ローラ13を再駆動させて、帯状部材90を一周程度リング状に巻く。続いて、駆動ローラ13を再度停止させる。
そして、軸部14cを後方フレーム部11dから一旦外すことで、巻き出し治具30Bを製管装置10から分離して撤去する。巻き出し治具30Bの全体が螺旋軌道Rの内周側に配置されているために、調節ガイド40をレバー51から分離する必要が無く、巻き出し治具30Bを簡単に撤去できる。加えて、巻き出し治具30Bはコンパクトで軽量であるため、製管装置10からの分離、撤去作業を一層容易化できる。既設管1内又は人孔4内の狭隘な空間(図9参照)においても、巻き出し治具30Bの分離、撤去作業を容易に行うことができる。
続いて、軸部14cを再度取り付け、インナーガイドローラ14aをセットする。また、第1実施形態と同様に、製管装置10に嵌合ガイド15及びブレーキアタッチメント18を取り付け、又は正規の位置にセットする(図10参照)。さらに、嵌合ガイド15内又は嵌合予定位置P15において、帯状部材90における先端部と、該先端部から一周ずれた部分との幅方向に隣接する嵌合部93,94どうしを凹凸嵌合させる(図5及び図6(b)参照)。これによって、一周分の巻き出しリング9aが作成される。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、帯状部材90の内周面の損傷が許容される場合には、調節ガイド40は、ロール形状に限らず、プレート状ないしはブロック状であってもよい。調節ガイド40が回転可能でなくてもよい。
第1実施形態の調節ガイド40の着脱機構は、クランプ、止めネジなどであってもよい。
第2実施形態の連結部材54の貫通孔54cの内周面に雌ネジが形成され、該雌ネジに架渡部材80が螺合されていてもよい。
架渡部材が伸縮ロッドによって構成されていてもよい。
位置調節機構は、角度調節機構60,80に代えて、調節ガイド40を螺旋軌道Rの径方向に沿って直線的に昇降させる昇降機構を含んでいてもよい。
本発明は、例えば老朽化した下水道管等の既設管の更生施工技術に適用できる。
螺旋軌道
15 嵌合予定位置
1 既設管
9 更生管(螺旋管)
9a 巻き出しリング
90 帯状部材
95 リブ
96 補強材
10 製管装置
11 フレーム
11d 後方フレーム部
11e 横架材(突き当て受け部材)
13 駆動ローラ
14c 軸部
16 管端ガイド
30 巻き出し治具
30B 巻き出し治具
31 治具本体
31a 治具本体部
31b レバー
36 連結軸部材
37 第1腕部
38 第2腕部
40 調節ガイド
41 軸部
60 角度調節機構(位置調節機構)
61 ネジ部材(架渡部材)
61a 架け渡し部分
62 ナット
64 回転規制手段
70 着脱機構
71 ガイド保持部材
50 治具本体
51 レバー
54 連結部材
54c 貫通孔
80 架渡部材(角度調節機構)
80a 架け渡し部分
83 突き当て部材
84 ナット(架渡長さ調節手段)
86 突き当て板部
86a 嵌合凹部

Claims (9)

  1. 内周規制体レス構造の製管装置によって帯状部材を螺旋管に製管するのに先立ち、前記螺旋管の一周目を含む巻き出しリングを作成するための巻き出し治具であって、
    前記製管装置のフレームに着脱可能な治具本体と、
    前記フレームにおける前記螺旋管と対応する仮想の螺旋軌道の径方向内側から帯状部材を斜め後方へ押し出す駆動ローラより前記螺旋軌道の後方に離れて、かつ前記帯状部材の内周面と対面するようにして、前記治具本体に前記螺旋軌道の径方向へ変位可能に保持された調節ガイドと、
    前記調節ガイドを、前記径方向に位置調節する位置調節機構と、
    を備えたことを特徴とする巻き出し治具。
  2. 前記治具本体が、軸線を前記螺旋軌道の幅方向へ向けた軸部を中心にして前記フレームに対し回転可能に設けられたレバーを含み、前記レバーに前記調節ガイドが支持されており、
    前記位置調節機構が、前記レバーの前記フレームに対する角度を調整する角度調節機構であることを特徴とする請求項1に記載の巻き出し治具。
  3. 前記治具本体の前記幅方向の両側部にそれぞれ前記レバーが設けられ、前記調節ガイドが、前記幅方向へ延びて前記両側部のレバーの先端部に架け渡されていることを特徴とする請求項2に記載の巻き出し治具。
  4. 前記軸部が、前記螺旋軌道の径方向内側かつ前記駆動ローラより前記螺旋軌道の後方における前記フレームに配置されており、前記レバーが、前記軸部を介して前記フレームに直接的に連結されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の巻き出し治具。
  5. 前記角度調節機構が、前記フレームと前記治具本体との間に、架渡長さを調節可能に架け渡された架渡部材を含むことを特徴とする請求項4に記載の巻き出し治具。
  6. 前記治具本体が、前記螺旋軌道の径方向外側に配置されて前記フレームに着脱可能に固定された治具本体部を含み、前記治具本体部に前記軸部を介して前記レバーが回転可能に連結されており、
    前記レバーが、前記軸部から前記螺旋軌道を径方向に跨ぐように延び、前記レバーの先端部が、前記螺旋軌道の径方向内側に配置されており、前記調節ガイドが、着脱機構を介して前記レバーの先端部に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の巻き出し治具。
  7. 前記レバーが、前記軸部から二方向へ伸びる第1腕部及び第2腕部を有し、前記第1腕部の先端部に前記調節ガイドが設けられ、
    前記角度調節機構が、前記治具本体部と前記第2腕部との間に、架渡長さを調節可能に架け渡された架渡部材を含むことを特徴とする請求項6に記載の巻き出し治具。
  8. 内周規制体レス構造の製管装置によって帯状部材を螺旋管に製管するのに先立ち、前記螺旋管の一周目を含む巻き出しリングを作成する方法であって、
    前記製管装置のフレームに、巻き出し治具の治具本体を着脱可能に取り付け、
    前記巻き出しリングとなるべき帯状部材の先端部分を、前記フレームにおける前記螺旋管と対応する仮想の螺旋軌道の径方向内側に設けられた駆動ローラから前記螺旋軌道に向けて斜め後方へ押し出し、
    前記駆動ローラより前記螺旋軌道の後方において、前記治具本体に前記螺旋軌道の径方向へ変位可能に保持された調節ガイドを、前記帯状部材の先端部分に内周側から押し当て、
    前記治具本体に係合された位置調節機構によって、前記調節ガイドを前記径方向に位置調節することによって、前記帯状部材の先端部分の曲率を調整し、
    その後、前記駆動ローラによって前記帯状部材の先端部分を一周させて前記巻き出しリングを形成することを特徴とする巻き出し方法。
  9. 螺旋状に巻回された帯状部材の一周ずれて対向する縁どうしを、前記駆動ローラより後方の前記螺旋軌道上の嵌合予定位置において嵌合させる嵌合ガイドを、前記フレームから外すか前記嵌合予定位置から退避させておき、
    前記帯状部材の先端部分を一周させた後、前記巻き出し治具を撤去するとともに、前記嵌合ガイドを前記嵌合予定位置にセットすることを特徴とする請求項8に記載の巻き出し方法。
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