JP2022087536A - 自動懸吊装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者による食鳥屠体の懸吊作業負担を軽減できる自動懸吊装置を提供する。【解決手段】懸吊装置108は、屠体Tの脚部Tkを保持するクランプ部77と、クランプ部77を上下方向に移動する駆動部71と、クランプ部77からシャックル102へと脚部Tkを押し出し、クランプ部77からシャックル102へと屠体Tを移動させる移載部72と、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、自動懸吊装置に関する。
一般に、鶏などの食鳥屠体の解体・脱骨処理では、オーバーヘッドコンベア(食鳥屠体搬送ライン)に設けられたシャックルに、脚部を介して逆さに吊り下げられた状態の食鳥屠体を脱羽放血した後、内蔵などの除去(中抜き)、食鳥屠体の冷却、解体、及び脱骨の工程をこの順で行っている。ここで、食鳥屠体の内臓などの除去工程から食鳥屠体の冷却工程に移行する際、一旦シャックルから食鳥屠体を外してこの食鳥屠体を冷却水に浸漬させる場合が多い。
一定時間冷却水に浸漬された食鳥屠体は、その後作業台へと次々に搬送される。作業者は、作業台に次々と搬送されて山積みとなった食鳥屠体の脚部を掴み、再びシャックルに脚部を介して食鳥屠体を逆さに吊り下げる懸吊作業を行う。そして、解体工程へと食鳥屠体が搬送される。
ところで、冷却工程後に作業台へと搬送される食鳥屠体の姿勢が自由であるため、作業者が脚部を掴む際、屠体の脚部位置が常に一定にならない。このため、作業者による食鳥屠体の懸吊作業負担を低減しにくいという課題があった。
そこで、本発明は、作業者による食鳥屠体の懸吊作業負担を軽減できる自動懸吊装置を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る自動懸吊装置は、シャックルに前記食鳥屠体の脚部を保持させて、前記シャックルに前記脚部が上方を向くように前記食鳥屠体を吊り下げるための自動懸吊装置であって、食鳥屠体の脚部を保持するクランプ部と、前記クランプ部を上下方向に移動する駆動部と、前記クランプ部から前記シャックルへと前記脚部を押し出し、前記クランプ部から前記シャックルへと前記食鳥屠体を移動させる移載部と、を備えることを特徴とする。
このように構成することで、クランプ部によって横たわる食鳥屠体の脚部を持ち上げ、そのままシャックルに食鳥屠体を掛けなおすことが可能になる。このため、作業者による食鳥屠体の懸吊作業負担を軽減できる。
上記構成において、前記クランプ部は、第1軸回りに回動自在に支持されたアームに設けられており、前記駆動部は、前記アームに前記第1軸の軸方向に沿う第2軸回りに連結された連結部と、前記連結部を前記第1軸及び前記第2軸と交差する方向に沿って移動する連結移動部と、を備えてもよい。
このように構成することで、クランプ部を上下方向に確実に移動させることができる。また、クランプ部によって横たわる食鳥屠体の脚部を保持して確実に持ち上げることができる。
上記構成において、前記連結移動部は、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸回りに前記アーム及び前記連結部に対して回転し、前記第3軸に対して偏心しているカムドラムと、前記カムドラムの外周面及び前記連結部のいずれか一方に設けられたカム溝と、前記カムドラムの外周面及び前記連結部のいずれか他方に設けられ、前記カム溝に前記カム溝の延在方向に沿って移動可能係合されたカムと、を備えてもよい。
このように構成することで、簡素な構造でクランプ部を上下方向に確実に移動させることができる。より具体的には、カムドラムの外周面に沿って連結部が移動されることで、連結部は、あたかも径方向や上下方向に沿って移動する状態になる。この際、連結部に釣られてアームが第1軸回りに回動される。この結果、クランプ部が上下方向に移動される。
上記構成において、前記カムドラムは、前記第3軸方向からみて外周面が非円形に形成されてもよい。
このように構成することで、連結部を不規則に移動させることができる。このため、アームの回動の自由度を高めることができる。
上記構成において、前記第3軸回りに回転するロータリベースを備え、前記ロータリベース上の外周部に、前記アームが前記第1軸回りに回転自在に支持されており、前記カムドラムは、前記第3軸上に固定されており、前記カムドラムの前記外周面に前記カム溝が設けられているとともに、前記連結部に前記カムが設けられていてもよい。
このように構成することで、簡素な構造で効率よく自動懸吊装置を駆動させることができる。
上記構成において、前記駆動部は、前記食鳥屠体の重心が円弧軌跡を通るように前記クランプ部を移動してもよい。
このように構成することで、クランプ部に余計な負荷を掛けることなく、クランプ部によってスムーズに食鳥屠体を持ち上げることができる。
上記構成において、前記クランプ部は、前記シャックルと対向した状態で前記シャックルに向けて開口部を有するU字状に形成されており、前記クランプ部は、前記シャックルと同期して移動し、前記移載部は、前記クランプ部の移動経路の途中に設けられ、前記クランプ部の前記シャックルとは前記開口部を挟んで反対側から前記シャックル側へとせり出すガイドでもよい。
このように構成することで、移載部の構成を簡素化できる。
上記構成において、前記ガイドは、前記クランプ部の移動方向と交差する第4軸回りに回転自在に支持された円板体でもよい。
このように構成することで、ガイドと食鳥屠体との間での摩擦を低減できる。このため、ガイドによる食鳥屠体の損傷を防止できる。
本発明によれば、クランプ部によって横たわる食鳥屠体の脚部を持ち上げ、そのままシャックルに食鳥屠体を掛けなおすことが可能になる。このため、作業者による食鳥屠体の懸吊作業負担を軽減できる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<食鳥屠体自動懸吊システム>
図1は、本発明に係る懸吊装置(請求項における自動懸吊装置の一例)108を備えた食鳥屠体自動懸吊システム(以下、単に懸吊システムという)100の構成図である。なお、以下の説明では、床面Fに懸吊システム100を設置した状態での懸吊システム100の全体の上下方向を単に上下方向、この上下方向に直交する方向を水平方向と称する場合がある。
図1は、本発明に係る懸吊装置(請求項における自動懸吊装置の一例)108を備えた食鳥屠体自動懸吊システム(以下、単に懸吊システムという)100の構成図である。なお、以下の説明では、床面Fに懸吊システム100を設置した状態での懸吊システム100の全体の上下方向を単に上下方向、この上下方向に直交する方向を水平方向と称する場合がある。
図1に示すように、懸吊システム100は、脱羽放血し、さらに内蔵などを除去(中抜き)、冷却工程を行った後の食鳥屠体(以下、単に屠体という)Tを、解体を行うためのオーバーヘッドコンベア101に設けられた複数のシャックル102に自動で懸吊するためのシステムである。
懸吊システム100は、冷却工程で用いられるチラー103から排出された屠体Tの搬送方向の上流から下流に向かって順に設けられたリフトコンベア104と、体幹整列装置110と、頭脚方向決め装置105と、背腹方向決め装置107を有するロータリ懸吊機106と、を備えている。ロータリ懸吊機106に、懸吊装置108が設けられている。
なお、以下の説明において、屠体Tの体幹とは、屠体Tの脊椎骨の延在方向に沿う方向をいうものとする。換言すれば、尾端骨と脊椎骨とを結ぶ直線と平行な方向を屠体Tの体幹というものとする。また、屠体Tの幅とは、体幹方向と直交する方向(脊椎骨から尾端骨に至る延在方向と直交する方向)の幅をいうものとする。
なお、以下の説明において、屠体Tの体幹とは、屠体Tの脊椎骨の延在方向に沿う方向をいうものとする。換言すれば、尾端骨と脊椎骨とを結ぶ直線と平行な方向を屠体Tの体幹というものとする。また、屠体Tの幅とは、体幹方向と直交する方向(脊椎骨から尾端骨に至る延在方向と直交する方向)の幅をいうものとする。
チラー103は、例えば図示しない上流側オーバーヘッドラインから屠体Tが投入されるチラータンク103aを有している。チラータンク103aには、冷却水が貯留されている。また、チラータンク内には、冷却水に水没される螺旋状のスクリュー羽根(図示しない)が設けられている。このような構成のもと、チラータンク103aに投入された屠体Tは、冷却水に浸漬されながら中心軸回りに回転するスクリュー羽根によって冷却水内を搬送される。そして、冷却水内を搬送されつつ、冷却水に一定時間浸漬された屠体Tは、スクリュー羽根によってチラータンク103aから排出される。排出された屠体Tは、チラー排出シュート103bを介してリフトコンベア104に搬送される。なお、チラー形状はこの形に限らない、冷却水が満たされた他の形でもよい。
図2は、リフトコンベア104の側面図である。
図2に示すように、リフトコンベア104は、チラー103から排出された屠体Tを一定の高さまで搬送する。リフトコンベア104は、チラーから103から排出された屠体Tが投入されるホッパー104aと、ホッパー104aから一羽ずつ屠体Tを拾い上げて上方に屠体Tを搬送するコンベア本体104bと、を備えている。
図2に示すように、リフトコンベア104は、チラー103から排出された屠体Tを一定の高さまで搬送する。リフトコンベア104は、チラーから103から排出された屠体Tが投入されるホッパー104aと、ホッパー104aから一羽ずつ屠体Tを拾い上げて上方に屠体Tを搬送するコンベア本体104bと、を備えている。
コンベア本体104bは、上下方向に延びるガイドレール104cと、ガイドレール104cに沿って周回移動するチェーン104dと、チェーン104dに取り付けられた複数のフライト(桟)104eと、を備えている。チェーン104dと一体となって周回移動するフライト104eによってホッパー104aに投入された屠体Tが拾い上げられ、この屠体Tが上方へと搬送される。上方に搬送された屠体Tは、コンベア排出シュート104fを介して体幹整列装置110に搬送される。
図1に戻り、体幹整列装置110は、リフトコンベア104から排出された屠体Tの体幹を整列させる。換言すれば、体幹整列装置110は、屠体Tの脊椎骨に沿う方向を同一方向に整列させるための装置である。体幹整列装置110によって体幹が整列された屠体Tは、姿勢を維持したまま体幹整列排出シュート9を介して頭脚方向決め装置105に搬送される。
頭脚方向決め装置105は、体幹整列装置110から排出された屠体Tの頭部側と脚部側の向きを揃える。なお、脱羽放血した後、内蔵などの除去(中抜き)、及び冷却工程を経た屠体Tにおいて、頭部側とは頸椎側をいうものとする。脚部側とは尾端骨側をいうものとする。
<ロータリ懸吊機>
図3は、図1のA部拡大図である。図4は、図3のB矢視図である。
ロータリ懸吊機106は、頭脚方向決め装置105から排出された屠体Tの肢部をシャックル102に吊り下げるためのものである。
図3、図4に示すように、ロータリ懸吊機106は、フレーム40と、フレーム40に回転自在に支持され、複数(本実施形態では16個)の背腹方向決め装置107が設置された円板(請求項におけるロータリベースの一例)41と、懸吊装置108と、を備える。
図3は、図1のA部拡大図である。図4は、図3のB矢視図である。
ロータリ懸吊機106は、頭脚方向決め装置105から排出された屠体Tの肢部をシャックル102に吊り下げるためのものである。
図3、図4に示すように、ロータリ懸吊機106は、フレーム40と、フレーム40に回転自在に支持され、複数(本実施形態では16個)の背腹方向決め装置107が設置された円板(請求項におけるロータリベースの一例)41と、懸吊装置108と、を備える。
円板41の径方向中央には、シャフト42の一端側が固定されている。シャフト42は、軸線方向(請求項における第3軸の軸方向)と上下方向とが一致するようにフレーム40に回転自在に支持されている。円板41とシャフト42とは一体となって回転する。シャフト42の円板41が設けられている一端は、フレーム40の下側で回転自在に支持されている。シャフト42の他端は、フレーム40の上側で回転自在に支持されている。
シャフト42の軸方向中央よりも上寄りには、円板41の直径よりもやや直径の小さいスプロケット43が固定されている。スプロケット43は、シャフト42及び円板41と一体となってシャフト42と同軸上に回転する。スプロケット43には、オーバーヘッドコンベア101のオーバーヘッドチェーン101aが噛み合わされている。つまり、円板41とオーバーヘッドコンベア101とは同期して駆動する。オーバーヘッドチェーン101aに、シャックル102が一定の間隔で取り付けられて吊り下げられている。
フレーム40には、スプロケット43よりもやや上側に、上下方向からみてスプロケット43の外周に沿うようにガイドレール101bが設けられている。ガイドレール101bは、水平方向に沿って敷設されている。ガイドレール101bは、オーバーヘッドチェーン101aの引き回し方向を決定するもので、ガイドレール101bに沿ってオーバーヘッドチェーン101aが周回される。また、ガイドレール101bには、シャックル102が移動自在に吊り下げられている。そして、ガイドレール101bに沿ってシャックル102が移動される。
また、ガイドレール101bの下方には、ガイドレール101bの敷設方向に沿ってシャックル姿勢ガイド101c(図5参照)が設けられている。シャックル姿勢ガイド101cは、シャックル102の吊り下がった姿勢を制御する。通常シャックル姿勢ガイド101cは、シャックル102が自重で自然に吊り下がる姿勢を保持するように敷設されている。
<背腹方向決め装置>
複数の背腹方向決め装置107は、円板41上に周方向に沿って等間隔に複数配置されている。背腹方向決め装置107は、頭脚方向決め装置105から排出された屠体Tの背部と腹部の向きを揃えるためのものである。背腹方向決め装置107は、頭脚方向決め排出シュート27を介して排出された屠体Tが投入される屠体ホルダ44を備える。
複数の背腹方向決め装置107は、円板41上に周方向に沿って等間隔に複数配置されている。背腹方向決め装置107は、頭脚方向決め装置105から排出された屠体Tの背部と腹部の向きを揃えるためのものである。背腹方向決め装置107は、頭脚方向決め排出シュート27を介して排出された屠体Tが投入される屠体ホルダ44を備える。
屠体ホルダ44は、円板41と同期して移動するシャックル102の真下に位置している。また、屠体ホルダ44は、上下方向からみて屠体Tの体形に対応するように一方向に長い長方形状で、屠体Tを収納可能な箱状に形成されている。屠体ホルダ44は、この屠体ホルダ44の上下方向からみた長手方向が円板41の径方向に沿うように配置されている。
ここで、体幹整列装置110及び頭脚方向決め装置105を経た屠体Tの姿勢は、屠体Tの頭部側と脚部側の向きが揃っている。このような姿勢を維持したまま、図4におけるおおよそ地点P1において、頭脚方向決め排出シュート27から背腹方向決め装置107の屠体ホルダ44に屠体Tが投入される。屠体Tは、屠体ホルダ44内で体幹方向が円板41の径方向に沿うように、かつ脚部側が円板41の径方向外側を向いた姿勢で維持される。
そして、図4におけるおおよそ地点P2から地点P5の間において、屠体ホルダ44内で屠体Tが体幹を軸とした軸回りに回転されて屠体Tの姿勢が伏臥位の状態となるように揃えられる。換言すれば、背腹方向決め装置107によって、屠体Tの背部と腹部との方向が一定方向に決定される。この後、おおよそ図4における地点P6から地点P12において、懸吊装置108によって屠体ホルダ44内の屠体Tの脚部がシャックル102に吊り下げられる。以下、懸吊装置108について詳述する。
[第1実施形態]
<懸吊装置>
図5は、懸吊装置108の概略構成図である。
図3、図5に示すように、懸吊装置108は、屠体Tを吊り上げるクランプユニット70と、クランプユニット70を構成する後述のクランプアーム(請求項におけるアームの一例)76を駆動させる駆動部71と、クランプユニット70からシャックル102に屠体Tを移載する移載部72と、を備える。
<懸吊装置>
図5は、懸吊装置108の概略構成図である。
図3、図5に示すように、懸吊装置108は、屠体Tを吊り上げるクランプユニット70と、クランプユニット70を構成する後述のクランプアーム(請求項におけるアームの一例)76を駆動させる駆動部71と、クランプユニット70からシャックル102に屠体Tを移載する移載部72と、を備える。
<クランプユニット>
クランプユニット70は、各屠体ホルダ44の径方向内側にそれぞれ設けられたスイング機構73と、各屠体ホルダ44の径方向外側にそれぞれ設けられたサポート機構74と、を備える。
クランプユニット70は、各屠体ホルダ44の径方向内側にそれぞれ設けられたスイング機構73と、各屠体ホルダ44の径方向外側にそれぞれ設けられたサポート機構74と、を備える。
スイング機構73は、円板41の上面41aに立設された上下方向に長い支柱75と、支柱75の上部75aに第1軸J1回りに一端76aが回転自在に支持されたクランプアーム76と、クランプアーム76の支柱75とは反対側の他端76bに設けられたクランプ部77と、を備える。第1軸J1は、円板41の周方向に沿っている。
クランプアーム76は、円板41の周方向からみて径方向内側に向かって凸となるL字状に形成されている。クランプアーム76の一端76aと他端76bとの間の屈曲部76cに、駆動部71を構成する後述のスライダ93が回転自在に連結されている。
クランプアーム76は、円板41の周方向からみて径方向内側に向かって凸となるL字状に形成されている。クランプアーム76の一端76aと他端76bとの間の屈曲部76cに、駆動部71を構成する後述のスライダ93が回転自在に連結されている。
図6は、クランプ部77及びサポート機構74の一部の斜視図である。
クランプ部77は、屠体Tの脚部Tk(図5参照)を把持するものである。
図6に示すように、クランプ部77は、板状の部材を屈曲させて円板41の周方向からみてL字状に形成されたクランプ本体78を有している。すなわち、クランプ本体78は、クランプアーム76の他端76bから延出された取付ベース79と、取付ベース79のクランプアーム76とは反対側端から屈曲延出されたクランプベース80と、が一体成形されたものである。クランプベース80における円板41の周方向両端(以下、単にクランプベース80の周方向両端という)には、それぞれ第1クランプ凹部80aが形成されている。
クランプ部77は、屠体Tの脚部Tk(図5参照)を把持するものである。
図6に示すように、クランプ部77は、板状の部材を屈曲させて円板41の周方向からみてL字状に形成されたクランプ本体78を有している。すなわち、クランプ本体78は、クランプアーム76の他端76bから延出された取付ベース79と、取付ベース79のクランプアーム76とは反対側端から屈曲延出されたクランプベース80と、が一体成形されたものである。クランプベース80における円板41の周方向両端(以下、単にクランプベース80の周方向両端という)には、それぞれ第1クランプ凹部80aが形成されている。
またクランプベース80の周方向両端には、それぞれクランプ爪81が回転自在に支持されている。クランプ爪81は、クランプベース80の周方向両端の辺に沿うように、取付ベース79側からクランプベース80の取付ベース79とは反対側の先端80bに渡って延びている。クランプベース80に対するクランプ爪81の回転軸線は、クランプベース80の取付ベース79側に位置されている。
クランプベース80に対してクランプ爪81が回動されることにより、クランプ爪81の取付ベース79とは反対側の先端81aがクランプベース80の先端80bに対して接近、離間(開閉)される。
すなわち、クランプ部77における円板41の周方向両側は、クランプベース80とクランプ爪81とが協働して各先端80b,81a側に開口部77aを有するU字状に形成されている。この開口部77aをクランプ爪81が開閉する形になる。
すなわち、クランプ部77における円板41の周方向両側は、クランプベース80とクランプ爪81とが協働して各先端80b,81a側に開口部77aを有するU字状に形成されている。この開口部77aをクランプ爪81が開閉する形になる。
クランプ爪81には、クランプベース80側の辺に、第1クランプ凹部80aに対応して第2クランプ凹部81bが形成されている。このようなクランプ爪81は、図示しないスプリングによってクランプベース80側に(クランプ爪81が閉じる側に)常時付勢されている。
このような構成のもと、クランプアーム76が第1軸J1回りに回動されると、クランプアーム76の他端76bに設けられたクランプ部77が第1軸J1を中心として円弧状に、かつ上下方向に揺動される。クランプ部77が下降された位置は、屠体ホルダ44における円板41の径方向外側端(屠体ホルダ44の長手方向外側端)と径方向で隣り合うように近接配置される位置となる。クランプ部77が上昇された位置は、シャックル102と円板41の径方向で隣り合うように近接配置される位置となる。
ここで、クランプ部77が下降された位置において、クランプベース80とクランプ爪81との間(第1クランプ凹部80aや第2クランプ凹部81b)の位置は、屠体ホルダ44に伏臥位の姿勢で収納されている屠体Tの脚部Tkの位置とほぼ同じ位置になる。
円板41には、各屠体ホルダ44の径方向外側に、周方向に長い長方形状の開口部83が形成されている。この開口部83に、サポート機構74を構成する後述のサポートアーム84が挿通されている。
サポート機構74は、クランプ部77に屠体Tの脚部Tk(図5参照)を把持させるサポートを行うものである。
サポート機構74は、クランプ部77に屠体Tの脚部Tk(図5参照)を把持させるサポートを行うものである。
図5、図6に示すように、サポート機構74は、サポートアーム84の他に、このサポートアーム84をスライド移動自在に支持するアームホルダ88と、サポートアーム84に設けられたサポート部90及びプッシャローラ86と、を主構成としている。
サポートアーム84は、四角柱状に形成され、上下方向に沿って延びている。サポートアーム84は、円板41の開口部83の形状に対応するように水平方向の断面が円板41の周方向に長い長方形状に形成されている。このようなサポートアーム84が開口部83に挿通されて、円板41の上面41a及び下面41bからサポートアーム84が突出されている。
サポートアーム84は、四角柱状に形成され、上下方向に沿って延びている。サポートアーム84は、円板41の開口部83の形状に対応するように水平方向の断面が円板41の周方向に長い長方形状に形成されている。このようなサポートアーム84が開口部83に挿通されて、円板41の上面41a及び下面41bからサポートアーム84が突出されている。
アームホルダ88は、円板41の下面41bで開口部83より径方向内側に設けられたブラケット82を介して支持されている。アームホルダ88は、円板41の周方向両側からサポートアーム84を支持するガイドローラ91を備える。これらガイドローラ91によって、サポートアーム84は、円板41の開口部83を介して上下方向にスライド移動自在に支持される。
サポート部90は、サポートアーム84の上端84aに取り付けられている。サポート部90は、円板41の周方向及び上下方向に沿う板状の部材である。サポート部90は、クランプ部77が下降された位置において、このクランプ部77と径方向で隣り合う位置に配置されている。より具体的には、クランプ部77が下降された位置において、クランプベース80を挟んで径方向の両側に屠体ホルダ44とサポート部90とが近接配置される。クランプベース80の面方向とサポート部90の面方向とは、互いに同一方向である。
サポート部90の上端90aには、2つのサポート凹部92が円板41の周方向に沿って並んで形成されている。サポート凹部92は、いわゆるV溝状に形成されている。2つのサポート凹部92は、これらサポート凹部92における最下端の頂点92aの位置が、クランプ部77の各クランプ凹部80a,81bや開口部77aと上下方向で対向する位置となるように形成されている。すなわち、サポート凹部92における最下端の頂点92aの位置は、屠体ホルダ44に伏臥位の姿勢で収納されている屠体Tの脚部Tkの位置とほぼ同じ位置になる。
プッシャローラ86は、サポートアーム84の下端84bに、ブラケット85を介して設けられている。プッシャローラ86は、円板41の下方に設けられたガイドレール87上を移動する。ガイドレール87は、円板41の外径とほぼ同一の直径の円に沿うように形成されている。すなわち、円板41の回転に伴うプッシャローラ86の移動軌跡に沿ってガイドレール87が形成されている。ガイドレール87上をプッシャローラ86が移動することにより、サポートアーム84が上下方向に沿って移動する。
<駆動部>
図5に示すように、クランプアーム76を駆動させる駆動部71は、クランプアーム76の屈曲部76cに第2軸J2回りに回転自在に連結されたスライダ93と、外周面94aにスライダ93がスライド移動自在に係合されるカムドラム94と、を備える。
図5に示すように、クランプアーム76を駆動させる駆動部71は、クランプアーム76の屈曲部76cに第2軸J2回りに回転自在に連結されたスライダ93と、外周面94aにスライダ93がスライド移動自在に係合されるカムドラム94と、を備える。
スライダ93は、一端96aがクランプアーム76に連結された連結部96と、連結部96の他端96bに一体化されているカム97と、を有する。クランプアーム76と連結部96との連結軸である第2軸J2は、支柱75とクランプアーム76との連結軸である第1軸J1と平行である。
カム97は、円板41の径方向を厚さ方向とする非円形の板状の部材である。このようなカム97が、カムドラム94に係合される。
カム97は、円板41の径方向を厚さ方向とする非円形の板状の部材である。このようなカム97が、カムドラム94に係合される。
カムドラム94は、シャフト42に対して偏心して設けられた柱状のものである。カムドラム94には、軸方向(第3軸、上下方向)に貫通するシャフト挿通孔94bが形成されている。このシャフト挿通孔94bにシャフト42が挿通されている。カムドラム94の下端面94cからシャフト42の一端側が突出されて、この突出された一端側に円板41が設けられている。一方、カムドラム94の上端面94dからシャフト42の他端側が突出されて、この突出された他端側にスプロケット43が固定されている。
シャフト42が挿通されたカムドラム94は、フレーム40にシャフト42に対して相対回転可能に固定されている。すなわち、カムドラム94自体がシャフト42の軸線回りに回転することはなく、シャフト42が軸線回りに回転する。
カムドラム94は、軸方向からみて外周面94aが非円形に形成されている。カムドラム94の外周面94aには、全周に渡ってカム溝95が設けられている。このカム溝95にカム97がスライド移動自在に係合されている。カム97は、カム溝95(カムドラム94の外周面94a)に沿ってスライド移動することにより、径方向及び上下方向に沿って移動する。
カムドラム94は、軸方向からみて外周面94aが非円形に形成されている。カムドラム94の外周面94aには、全周に渡ってカム溝95が設けられている。このカム溝95にカム97がスライド移動自在に係合されている。カム97は、カム溝95(カムドラム94の外周面94a)に沿ってスライド移動することにより、径方向及び上下方向に沿って移動する。
このようにカム97が移動されることにより、カム97と一体化されている連結部96が円板41の径方向及び上下方向に沿って移動される。すなわち、カムドラム94、カム溝95、及びカム97は、第1軸J1及び第2軸J2に直交する円板41の径方向及び上下方向に沿って連結部96を移動させる連結移動部98として構成される。連結移動部98によって連結部96が移動されることにより、クランプアーム76が第1軸J1回りに回動される。
<移載部>
移載部72は、クランプ部77が上昇された位置に対応して設けられている。移載部72は、クランプ部77が上昇した位置で、かつクランプベース80の真上となる位置に設けられている。移載部72は円板状に形成されており、その面方向は、クランプ部77が上昇した位置でのクランプベース80の面方向に対してやや傾いている。より具体的には、移載部72は、クランプ部77が上昇した位置において、クランプベース80の先端80bに向かうに従ってクランプベース80に徐々に接近するように設けられている。
移載部72は、クランプ部77が上昇された位置に対応して設けられている。移載部72は、クランプ部77が上昇した位置で、かつクランプベース80の真上となる位置に設けられている。移載部72は円板状に形成されており、その面方向は、クランプ部77が上昇した位置でのクランプベース80の面方向に対してやや傾いている。より具体的には、移載部72は、クランプ部77が上昇した位置において、クランプベース80の先端80bに向かうに従ってクランプベース80に徐々に接近するように設けられている。
また、移載部72は、オーバーヘッドコンベア101の搬送方向下流側に向かうに従って、クランプベース80の先端80b側へとせり出すように設けられている。換言すれば、移載部72は、クランプ部77のシャックル102とは開口部77aを挟んで反対側からシャックル102側へとせり出すように設けられている。
さらに、移載部72は、フレーム40に、第4軸J4回りに回転自在に設けられている。第4軸J4は、クランプ部77の揺動方向と交差している。
さらに、移載部72は、フレーム40に、第4軸J4回りに回転自在に設けられている。第4軸J4は、クランプ部77の揺動方向と交差している。
<懸吊装置の作用>
次に、図4~図8に基づいて、懸吊装置108の作用について説明する。
図7、図8は、懸吊装置108の作用説明図である。
まず、ロータリ懸吊機106のうち、地点P2から地点P5(図4参照)の間において、背腹方向決め装置107によって屠体Tの姿勢が伏臥位の状態となるように揃えられる。この後、図6、図7に示すように、クランプアーム76が回動されてクランプ部77が下降される(図7における矢印Y1参照)。この状態では、クランプ部77の2つの開口部77aは、屠体Tの2つの脚部Tkのそれぞれほぼ真上に位置される。
次に、図4~図8に基づいて、懸吊装置108の作用について説明する。
図7、図8は、懸吊装置108の作用説明図である。
まず、ロータリ懸吊機106のうち、地点P2から地点P5(図4参照)の間において、背腹方向決め装置107によって屠体Tの姿勢が伏臥位の状態となるように揃えられる。この後、図6、図7に示すように、クランプアーム76が回動されてクランプ部77が下降される(図7における矢印Y1参照)。この状態では、クランプ部77の2つの開口部77aは、屠体Tの2つの脚部Tkのそれぞれほぼ真上に位置される。
続いて、サポートアーム84と一体となってサポート部90が上昇される。すると、サポート部90のサポート凹部92に屠体Tの脚部Tkが収まる。このとき、サポート凹部92は、いわゆるV溝状に形成されているので、各サポート凹部92の頂点92aに屠体Tの脚部Tkが位置決めされる。この状態で、さらにサポート部90が上昇され、このサポート部90によって、屠体Tの脚部Tkがクランプ部77の開口部77aへと押し込まれる。この際、サポート凹部92によって屠体Tの脚部Tkが位置決めされているので、クランプ部77の開口部77aに合わせて屠体Tの脚部Tkが確実に押し込まれる。
すると、クランプ部77のクランプ爪81が図示しないスプリングのばね力に抗して開口部77aを開放する方向に向かって押し広げられる。そして、屠体Tの脚部Tkがさらに押し込まれて各クランプ凹部80a,81bに到達すると、図示しないスプリングのばね力が作用してクランプ爪81が開口部77aを閉塞する方向に向かって移動する。これにより、クランプ部77の各クランプ凹部80a,81bに屠体Tの脚部Tkが収まり、クランプ部77によって屠体Tの脚部Tkが保持される。
続いて、図8に示すように、クランプアーム76が回動されてクランプ部77が上昇される(図8における矢印Y2参照)。このとき、クランプ部77は、第1軸J1を中心とする円弧状に上昇する。第1軸J1は、屠体ホルダ44における円板41の径方向内側に位置されている一方、クランプ部77が下降されている状態において、クランプ部77は屠体ホルダ44における円板41の径方向外側に位置されている。また、屠体Tの脚部Tkは屠体ホルダ44における円板41の径方向外側を向いている。
この状態からクランプ部77が円弧状に、つまり、径方向内側に向かって移動しながら上方に向かって移動される。すると、屠体Tの脚部Tkが上方に向かって移動するのと同時に屠体Tは脚部Tkが上方を向くように、クランプ部77に屠体Tが吊り下げられる。このとき、屠体Tの重心は、クランプ部77の移動軌跡に対応するように、円弧軌跡を通る。
ここで、オーバーヘッドチェーン101aに取り付けられているシャックル102は、シャックル102の自重で自然に吊り下がっている姿勢では、クランプ部77の上昇時に干渉する位置に配置されている。このため、図7、図8に示すように、クランプ部77が上昇される位置では、シャックル102の吊り下がった姿勢を制御するシャックル姿勢ガイド101cは、シャックル102が円板41の径方向外側に向かって起き上るようにシャックル102をガイドしている(敷設されている)。このため、クランプ部77の上昇時に、このクランプ部77とシャックル102とが干渉することがない。
図5に示すように、クランプ部77が上昇しきると、シャックル102の姿勢は、シャックル102の自重で自然に吊り下がっている姿勢に戻る。クランプ部77は、円板41の径方向でシャックル102と対向する。つまり、クランプ部77の径方向外側にシャックル102が位置された状態になる。この状態では、クランプ部77の開口部77aは、シャックル102側を向いている。このような状態で、対応するシャックル102及びクランプ部77(スイング機構73)が移載部72を通過する。
移載部72は、クランプ部77が上昇した位置において、クランプ部77のシャックル102とは開口部77aを挟んで反対側からシャックル102側へとせり出すように設けられている。このため、クランプ部77に吊り下げられた屠体Tの脚部Tkが、移載部72を通過する際に、クランプ部77の開口部77a側へと押し出されていく。そして、クランプ部77の開口部77aを介して押し出された屠体Tの脚部Tkがシャックル102へと乗り移る。これにより、シャックル102への屠体Tの懸吊作業が完了する。
このように、懸吊システム100では、まず体幹整列装置110によって屠体Tの体幹を整列させ、次いで頭脚方向決め装置105によって屠体Tの頭部側と脚部側の向きを揃え、次いで背腹方向決め装置107によって屠体Tの背部と腹部の向きを揃えている。この後、懸吊装置108によって、シャックル102に屠体Tの脚部Tkを吊り下げる。
懸吊装置108は、屠体Tの脚部Tkを保持するクランプ部77と、クランプ部77を上下方向に移動する駆動部71と、クランプ部77からシャックル102へと屠体Tを移動させる移載部72と、を備える。このため、背腹方向決め装置107で横たわる屠体Tの脚部Tkを持ち上げ、そのままシャックル102に屠体Tを掛けなおすことが可能になる。よって、作業者による食鳥屠体の懸吊作業負担を軽減できる。
クランプ部77は、第1軸J1回りに回動自在に支持されたクランプアーム76に設けられている。駆動部71は、クランプアーム76に第1軸J1と平行な第2軸J2回りに連結された連結部96と、連結部96を第1軸J1及び第2軸J2と直交する方向、つまり、円板41の径方向及び上下方向に沿って移動する連結移動部98を備えている。このため、第1軸J1回りにクランプアーム76を確実に回動させることができる。
クランプアーム76を円板41の周方向からみて径方向内側に向かって凸となるL字状に形成することにより、クランプアーム76を直線状に形成する場合と比較して、支点(第1軸J1)と作用点(クランプ部77)との間の距離に対する支点と力点(第2軸J2)との間の距離を確保しやすい。このため、クランプアーム76を、第1軸J1を中心に回動させる場合の負荷を低減しやすい。よって、連結移動部98によって、容易にクランプアーム76を回動させることができる。
連結移動部98は、カムドラム94、カム溝95、及びカム97によって構成されている。このように、カムドラム94のカム溝95に沿ってカム97を移動させることにより、簡素な構造で円板41の径方向及び上下方向に沿って連結部96を移動させることができる。この連結部96に釣られるようにして、第1軸J1回りにクランプアーム76を容易、かつ確実に回動させることができる。また、クランプ部77によって横たわる屠体Tの脚部Tkを保持して確実に持ち上げることができる。
カムドラム94は、軸方向からみて外周面94aが非円形に形成されている。このため、連結部96を不規則に移動させることができる。このため、クランプアーム76の回動の自由度を高めることができる。
また、円板41とカムドラム94とを第3軸J3の同軸上に配置し、円板41上にスイング機構73を設けている。そして、固定されたカムドラム94の周囲をスイング機構73が公転移動することにより、連結移動部98を介してクランプアーム76を回動させている。このように各部の駆動を複雑化することなく、簡素な構造で効率よく懸吊装置108を駆動させることができる。
また、円板41とカムドラム94とを第3軸J3の同軸上に配置し、円板41上にスイング機構73を設けている。そして、固定されたカムドラム94の周囲をスイング機構73が公転移動することにより、連結移動部98を介してクランプアーム76を回動させている。このように各部の駆動を複雑化することなく、簡素な構造で効率よく懸吊装置108を駆動させることができる。
クランプアーム76を第1軸J1回りに回動させることにより、クランプ部77を、第1軸J1を中心とする円弧軌跡を通るように移動させることができる。この際、クランプ部77が円弧状に、つまり、径方向内側に向かって移動しながら上方に向かって移動される。これにより、クランプ部77によって、屠体Tを、この屠体Tの重心が円弧軌跡を通るように持ち上げることができる。このため、クランプ部77に余計な負荷を掛けることなく、クランプ部77によってスムーズに屠体Tを持ち上げることができる。
クランプ部77は、クランプベース80とクランプ爪81とが協働して各先端80b,81a側に開口部77aを有するU字状に形成されている。クランプ部77が上昇しきった状態では、クランプ部77の開口部77aは、シャックル102側を向いている。
このような構成のもと、移載部72は、クランプ部77のシャックル102とは開口部77aを挟んで反対側からシャックル102側へとせり出すように設けられている。このため、簡素な構造でありながら、対応するシャックル102及びクランプ部77(スイング機構73)が移載部72を通過する際、クランプ部77からシャックル102へと容易に屠体Tを乗り移すことができる。
このような構成のもと、移載部72は、クランプ部77のシャックル102とは開口部77aを挟んで反対側からシャックル102側へとせり出すように設けられている。このため、簡素な構造でありながら、対応するシャックル102及びクランプ部77(スイング機構73)が移載部72を通過する際、クランプ部77からシャックル102へと容易に屠体Tを乗り移すことができる。
移載部72は、フレーム40に、第4軸J4回りに回転自在に設けられた円板状である。第4軸J4は、クランプ部77の揺動方向と交差している。このように、フレーム40に移載部72が回転自在に設けられているので、移載部72によってクランプ部77から屠体Tの脚部Tkを押し出す際の移載部72と脚部Tkとの間の摩擦抵抗を極力低減できる。このため、移載部72によって屠体Tの脚部Tkが擦れてしまうことを抑制できる。
クランプ部77に屠体Tの脚部Tkを保持させるにあたり、上下方向に昇降するサポート機構74を用いている。このため、サポート機構74のサポート部90とクランプ部77とによって屠体Tの脚部Tkを把持する形になる。よって、クランプ部77によって、柔らかい屠体Tの脚部Tkを確実に保持させることができる。
なお、上述の第1実施形態では、移載部72は円板状であり、移載部72を通過する際に、この移載部72によってクランプ部77に吊り下げられた屠体Tの脚部Tkが開口部77a側へと押し出されていく場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、クランプ部77によって持ち上げられた屠体Tの脚部Tkを、開口部77a側へと押し出し、この開口部77aを介してシャックル102に乗り移らせる構造であればよい。例えば、以下のような構造であってもよい。
[第2実施形態]
<移載部>
図4、図6を援用しながら図9に基づいて、第2実施形態の移載部272について具体的に説明する。
図9は、第2実施形態における懸吊装置208の移載部272の概略構成図である。図9は、前述の図5に対応している。なお、以下の第2実施形態の説明において、前述の第1実施形態と同一態様には同一符号を付して説明を省略する。
<移載部>
図4、図6を援用しながら図9に基づいて、第2実施形態の移載部272について具体的に説明する。
図9は、第2実施形態における懸吊装置208の移載部272の概略構成図である。図9は、前述の図5に対応している。なお、以下の第2実施形態の説明において、前述の第1実施形態と同一態様には同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態において、円板41に(図4参照)に複数の背腹方向決め装置107、スイング機構73、及びサポート機構74が周方向に沿って等間隔に配置されている等の基本的構成は、前述の第1実施形態と同様である。
第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態の移載部72と第2実施形態の移載部272とが異なる点にある。そして、第1実施形態の移載部72が配置されている箇所に、この移載部72に代わって移載部272が配置されている。
第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態の移載部72と第2実施形態の移載部272とが異なる点にある。そして、第1実施形態の移載部72が配置されている箇所に、この移載部72に代わって移載部272が配置されている。
図9に示すように、移載部272は、エアシリンダ120と、エアシリンダ120のロッド121の先端に取り付けられたプッシャ122と、を備える。プッシャ122の形状は、第1実施形態におけるサポート機構74のクランプベース80(図6参照)とほぼ同一形状である。
このような構成のもと、クランプ部77が上昇しきった状態で、かつ径方向でクランプ部77とシャックル102とが対向された状態で、ロッド121を伸長させるようにエアシリンダ120を駆動させる(図9における矢印Y3参照)。すると、クランプ部77に吊り下げられた屠体Tの脚部Tkが、クランプ部77の開口部77a側へと押し出されていく。そして、クランプ部77の開口部77aを介して押し出された屠体Tの脚部Tkがシャックル102へと乗り移る。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、上述の第2実施形態では、プッシャ122は、第1実施形態におけるサポート機構74のクランプベース80とほぼ同一形状である場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、クランプ部77に保持された屠体Tの脚部Tkを開口部77a側へと押し出せる構造であればよい。
その他、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、懸吊装置108,208は、懸吊システム100の一構成である場合について説明した。そして、懸吊装置108,208は、背腹方向決め装置107によって、姿勢が伏臥位の状態となるように揃えられた屠体Tの脚部Tkを持ち上げるものである場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、懸吊装置108,208を単体で使用することも可能である。
例えば、上述の実施形態では、懸吊装置108,208は、懸吊システム100の一構成である場合について説明した。そして、懸吊装置108,208は、背腹方向決め装置107によって、姿勢が伏臥位の状態となるように揃えられた屠体Tの脚部Tkを持ち上げるものである場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、懸吊装置108,208を単体で使用することも可能である。
上述の実施形態では、連結移動部98は、第1軸J1及び第2軸J2と直交する方向に連結部96を移動させる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、連結移動部98は、第1軸J1及び第2軸J2と完全に直交する方向に連結部96を移動させなくてもよい。連結移動部98は、第1軸J1及び第2軸J2と交差する方向に沿って連結部96を移動させるように構成されていればよい。
上述の実施形態では、駆動部71は、クランプアーム76の屈曲部76cに第2軸J2回りに回転自在に連結された連結部96を有するスライダ93と、外周面94aにスライダ93がスライド移動自在に係合されるカムドラム94と、を備える場合について説明した。カムドラム94、カム溝95、及びカム97が、第1軸J1及び第2軸J2に直交する円板41の径方向及び上下方向に沿って連結部96を移動させる連結移動部98として構成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、駆動部71は、クランプ部77を上下方向に移動するように構成されていればよい。クランプアーム76を用いなくてもよい。
クランプアーム76を用いる場合であっても、クランプアーム76の形状を円板41の周方向からみて径方向内側に向かって凸となるL字状としなくてもよい。
上述の実施形態では、クランプ部77は、第1軸J1を中心とする円弧軌跡を通るように移動する場合について説明した。そして、クランプ部77によって、屠体Tを、この屠体Tの重心が円弧軌跡を通るように持ち上げる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、クランプ部77に屠体Tを持ち上げる構造であればよい。クランプ部77の移動軌跡は円弧軌跡に限られるものではない。
上述の実施形態では、サポート機構74を設け、このサポート機構74とクランプ部77とが協働してクランプ部77に屠体Tの脚部Tkを保持させる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、サポート機構74を設けずに屠体Tの脚部Tkにクランプ部77を押し付けてこのクランプ部77に屠体Tの脚部Tkを保持させるようにしてもよい。
上述の実施形態では、カムドラム94は、軸方向からみて外周面94aが非円形に形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、カムドラム94は、少なくとも第3軸J3に対して偏心されていればよい。
41…円板(ロータリベース)、71…駆動部、72,272…移載部、76…クランプアーム(アーム)、77…クランプ部、77a…開口部、94…カムドラム、94a…外周面、95…カム溝、96…連結部、97…カム、98…連結移動部、102…シャックル、108,208…懸吊装置(自動懸吊装置)、J1…第1軸、J2…第2軸、J3…第3軸、J4…第4軸、T…食鳥屠体、Tk…脚部
Claims (8)
- シャックルに食鳥屠体の脚部を保持させて、前記シャックルに前記脚部が上方を向くように前記食鳥屠体を吊り下げるための自動懸吊装置であって、
食鳥屠体の脚部を保持するクランプ部と、
前記クランプ部を上下方向に移動する駆動部と、
前記クランプ部から前記シャックルへと前記脚部を押し出し、前記クランプ部から前記シャックルへと前記食鳥屠体を移動させる移載部と、
を備える
ことを特徴とする自動懸吊装置。 - 前記クランプ部は、第1軸回りに回動自在に支持されたアームに設けられており、
前記駆動部は、
前記アームに前記第1軸の軸方向に沿う第2軸回りに連結された連結部と、
前記連結部を前記第1軸及び前記第2軸と交差する方向に沿って移動する連結移動部と、
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載自動懸吊装置。 - 前記連結移動部は、
前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸回りに前記アーム及び前記連結部に対して回転し、前記第3軸に対して偏心しているカムドラムと、
前記カムドラムの外周面及び前記連結部のいずれか一方に設けられたカム溝と、
前記カムドラムの外周面及び前記連結部のいずれか他方に設けられ、前記カム溝に前記カム溝の延在方向に沿って移動可能係合されたカムと、
を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の自動懸吊装置。 - 前記カムドラムは、前記第3軸方向からみて外周面が非円形に形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の自動懸吊装置。 - 前記第3軸回りに回転するロータリベースを備え、
前記ロータリベース上の外周部に、前記アームが前記第1軸回りに回転自在に支持されており、
前記カムドラムは、前記第3軸上に固定されており、
前記カムドラムの前記外周面に前記カム溝が設けられているとともに、前記連結部に前記カムが設けられている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の自動懸吊装置。 - 前記駆動部は、前記食鳥屠体の重心が円弧軌跡を通るように前記クランプ部を移動する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の自動懸吊装置。 - 前記クランプ部は、前記シャックルと対向した状態で前記シャックルに向けて開口部を有するU字状に形成されており、
前記クランプ部は、前記シャックルと同期して移動し、
前記移載部は、前記クランプ部の移動経路の途中に設けられ、前記クランプ部の前記シャックルとは前記開口部を挟んで反対側から前記シャックル側へとせり出すガイドである
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の自動懸吊装置。 - 前記ガイドは、前記クランプ部の移動方向と交差する第4軸回りに回転自在に支持された円板体である
ことを特徴とする請求項7に記載の自動懸吊装置。
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JP2020199518A JP2022087536A (ja) | 2020-12-01 | 2020-12-01 | 自動懸吊装置 |
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JP2020199518A Pending JP2022087536A (ja) | 2020-12-01 | 2020-12-01 | 自動懸吊装置 |
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JP (1) | JP2022087536A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7511050B2 (ja) | 2022-05-13 | 2024-07-04 | メイン フード プロセシング テクノロジー ベー.フェー. | 家禽を吊り下げ替えする方法およびシステム、家禽を吊り下げるためのシャックル |
-
2020
- 2020-12-01 JP JP2020199518A patent/JP2022087536A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7511050B2 (ja) | 2022-05-13 | 2024-07-04 | メイン フード プロセシング テクノロジー ベー.フェー. | 家禽を吊り下げ替えする方法およびシステム、家禽を吊り下げるためのシャックル |
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