JP2022052555A - 回転電機用のロータの製造方法 - Google Patents

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毅彦 安立
Takehiko Adachi
孝明 河島
Takaaki Kawashima
功記 三好
Koki Miyoshi
信平 牧尾
Shimpei Makio
浩彰 杉田
Hiroaki Sugita
真梨子 齊藤
Mariko Saito
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Abstract

【課題】ハイドロフォーミングを利用して、ロータシャフトとロータコアとの間の必要な締め代が確保しつつ、内圧を受ける所定部位における望ましくない変形を低減する。【解決手段】回転電機用のロータの製造方法であって、ロータコアと、中空のロータシャフトとを準備する工程と、ロータシャフトの一部である所定部位の硬度を高める硬度増加工程と、ロータコアとロータシャフトとを製造装置に配置し、製造装置においてロータコアの径方向内側にロータシャフトが位置する状態を形成する配置工程と、配置工程の後に、製造装置によりロータシャフト及びロータコアを支持しつつ、ロータシャフトの中空部の内圧を高めることで、ロータシャフトとロータコアとを締結する一体化工程とを含み、硬度増加工程は、一体化工程の前に実行される、製造方法が開示される。【選択図】図2

Description

本開示は、回転電機用のロータの製造方法に関する。
鉄管部材に凸部をハイドロフォーミングで成形する技術が知られている。
特開2009-184573号公報
ところで、ロータシャフトとロータコアとの間の必要な締め代を確保するためには、圧入や焼き嵌めが利用されており、ハイドロフォーミングを利用する技術は知られていない。ハイドロフォーミングでは、ロータシャフトにおけるロータコアとの締結部以外の部位も径方向外側へと内圧を受けるので、当該部位によっては、望ましくない変形が生じうる。
本開示は、ハイドロフォーミングを利用して、ロータシャフトとロータコアとの間の必要な締め代が確保しつつ、内圧を受ける所定部位における望ましくない変形を低減することを目的とする。
1つの側面では、回転電機用のロータの製造方法であって、
ロータコアと、中空のロータシャフトとを準備する工程と、
前記ロータシャフトの一部である所定部位の硬度を高める硬度増加工程と、
前記ロータコアと前記ロータシャフトとを製造装置に配置し、前記製造装置において前記ロータコアの径方向内側に前記ロータシャフトが位置する状態を形成する配置工程と、
前記配置工程の後に、前記製造装置により前記ロータシャフト及び前記ロータコアを支持しつつ、前記ロータシャフトの中空部の内圧を高めることで、前記ロータシャフトと前記ロータコアとを締結する一体化工程とを含み、
前記硬度増加工程は、前記一体化工程の前に実行される、製造方法が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、ハイドロフォーミングを利用して、ロータシャフトとロータコアとの間の必要な締め代が確保しつつ、内圧を受ける所定部位における望ましくない変形を低減することが可能となる。
一実施例によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 ロータの製造方法の流れを示す概略フローチャートである。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その1)である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その2)である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その3)である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その4)である。 図3Dに係る工程を概略的に示す別の断面図である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その5)である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その6)である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その7)である。 図2に示す工程における製造途中の製品状態を概略的に示す断面図(その8)である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。例えば、図面上、隙間がない部材間であってもわずかな隙間(例えば必要なクリアランス分の隙間)が形成される場合がありえ、また、図面上、隙間がある部材間であっても隙間がない場合もありえる。
図1は、一実施例によるモータ1(回転電機の一例)の断面構造を概略的に示す断面図である。
図1には、モータ1の回転軸Iが図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)Iが延在する方向を指し、径方向とは、回転軸Iを中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸Iから離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸Iに向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸Iまわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなり、ステータ21の内周部には、コイル22が巻回される複数のスロット(図示せず)が形成される。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。ロータ30は、ロータコア32と、ロータシャフト34とを備える。ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータシャフト34は、モータハウジング10にベアリング14a、14b(軸受の一例)を介して回転可能に支持される。なお、ロータシャフト34は、モータ1の回転軸Iを画成する。また、本実施例では、ロータシャフト34は、円形の断面形状であるが、断面形状は任意である。
ロータシャフト34は、車輪に動力を伝達する動力伝達機構60に連結される。すなわち、ロータシャフト34には、モータ1の回転トルクを車軸(図示せず)に伝達するための動力伝達機構60が接続される。図1には、当該動力伝達機構60の一部を形成する軸部材61が図示されている。なお、動力伝達機構60は、減速機構や、差動歯車機構、クラッチ、変速機等を含んでよい。図1に示す例では、軸部材61は、ロータシャフト34の径方向外側にスプライン結合される。この場合、ロータシャフト34の端部の径方向外側の周面には、スプライン結合部(複数の軸方向の凸条からなる歯車部)を形成する動力伝達部345を有することになる。なお、軸部材61は、ロータシャフト34の径方向内側にスプライン結合されてもよい。
ロータコア32は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなる。ロータコア32の内部には、永久磁石321が埋め込まれてよい。あるいは、永久磁石321は、ロータコア32の外周面に埋め込まれてもよい。なお、永久磁石321が設けられる場合、永久磁石321の配列等は任意である。
ロータコア32の軸方向の両側には、エンドプレート35A、35Bが取り付けられる。エンドプレート35A、35Bは、ロータコア32を支持する支持機能の他、ロータ30のアンバランスの調整機能(切削等されることでアンバランスを無くす機能)を有してよい。
ロータシャフト34は、図1に示すように、中空部343を有する。中空部343は、ロータシャフト34の軸方向の全長にわたり延在する。
ロータシャフト34は、図1に示すように、軸方向で、ロータコア32が設けられる区間SC1の部位と、ベアリング14a、14bが設けられる区間SC2の部位と、後述する第1噴出孔341及び第2噴出孔342が設けられる区間SC3の部位とを含む。区間SC2は、軸方向の両端部にそれぞれ延在し、区間SC3は、軸方向で区間SC1と区間SC2との間に延在する。
本実施例では、一例として、ロータシャフト34は、区間SC2において、外周面が径方向内側に凹む形態である。ロータシャフト34は、大径部34Aと、大径部34Aよりも外径が小さい小径部34Bとを含む。小径部34Bは、図1に示すように、軸方向で大径部34Aの両側に形成される。ベアリング14a、14bは、小径部34Bに設けられる。なお、大径部34Aと小径部34Bとの間の径方向の段差は、回転軸Iに対して略直角に形成されてもよいし、テーパ状に形成されてもよい。本実施例では、一例として、大径部34Aと小径部34Bとの間の径方向の段差は、一端側(図の右側)では、回転軸Iに対して略直角に形成され、他端側(図の右側)では、テーパ状に形成されている。
また、ロータシャフト34は、軸方向のベアリング支持面34a、34bを有する。軸方向のベアリング支持面34a、34bは、ベアリング14a、14bのインナレースの軸方向の端面に軸方向に当接することで、ベアリング14a、14bを支持する。軸方向のベアリング支持面34a、34bは、ロータシャフト34の小径部34Bにおいて外周面が径方向内側に凹むことで形成される。軸方向のベアリング支持面34a、34bは、ロータシャフト34の周方向の全周にわたり形成されてよい。
ロータシャフト34は、径方向内側に凸となる凸部の形態の厚肉部347を周方向に沿って有する。厚肉部347は、ロータシャフト34の軸方向の略中心位置(区間SC1における軸方向の略中心位置)に形成される。ただし、変形例では、厚肉部347は、ロータシャフト34の軸方向の中心位置に対して軸方向でわずかにオフセットされてもよいし、形成されなくてもよい。厚肉部347は、例えば鋳造やフローフォーミング、摩擦圧接等により形成されてもよい。フローフォーミングによる厚肉部347の形成方法は、後述する。なお、摩擦圧接の場合、ロータシャフト34は、当該中心位置で軸方向に分割される2ピースにより形成されてもよい。なお、ロータシャフト34が厚肉部347を備える場合、区間SC1のうちの中央部の剛性が端部の剛性よりも高くなる。
ロータシャフト34は、第1噴出孔341を有する。第1噴出孔341は、中空部343から外部へと径方向に貫通する。すなわち、第1噴出孔341は、中空部343に開口する開口341aと、コイル22のコイルエンド22Aに対向する開口341bとを有し、開口341a及び開口341b間に延在する。第1噴出孔341の開口341bは、コイル22のコイルエンド22Aに対向する態様で、ロータコア32に対し軸方向にずれた位置に配置される。なお、第1噴出孔341は、周方向に複数個形成されてもよい。
ロータシャフト34は、更に、第1噴出孔341とは異なる軸方向の位置に、第2噴出孔342を有する。第2噴出孔342は、中空部343から外部へと径方向に貫通する。すなわち、第2噴出孔342は、中空部343に開口する開口342aと、コイル22のコイルエンド22Bに対向する開口342bとを有し、開口342a及び開口342b間に延在する。第2噴出孔342の開口342bは、コイル22のコイルエンド22Bに対向する態様で、ロータコア32に対し軸方向にずれた位置に配置される。なお、第2噴出孔342は、周方向に複数個形成されてもよい。
ロータシャフト34内は、油供給源90に接続される。油供給源90は、ポンプ94を含んでよい。この場合、ポンプ94の種類や駆動態様は任意である。例えば、ポンプ94は、モータ1の回転トルクにより動作するギアポンプであってもよい。ロータシャフト34内には、ロータシャフト34の一端(図の右側の端部)側から油が供給される。なお、ポンプ94は、モータハウジング10に隣接するハウジング(図示せず)であって、動力伝達機構60を収容するハウジング内に配置されてよい。
図1では、一例として、油供給源90は、管路部材92と、管路部材92の一端(図の右側の端部)側に接続されるポンプ94とを含む。
管路部材92は、中空に形成され、内部が油路801を画成する。すなわち、管路部材92は、油路801として機能する中空部92Aを有する。中空部92Aは、管路部材92の軸方向の全長にわたり延在する。ただし、中空部92Aは、一端側(図の左側の端部であって、ポンプ94側とは逆側の端部)は開口しない。すなわち、管路部材92は、一端(図の左側の端部)が閉塞される。
管路部材92は、ロータシャフト34の内周面340に対して径方向で隙間を有する態様でロータシャフト34内に延在する。具体的には、管路部材92は、外径r4を有する。外径r4は、ロータシャフト34の内周面340の、区間SC1、SC3での内径r1、r3よりも有意に小さい(なお、図1では、区間SC1、SC3での内径r1、r3は同じである)。外径r4は、例えばロータシャフト34の内周面340の、区間SC2での内径r2と略等しい。
管路部材92は、内部から外部へと径方向に貫通する吐出孔93を備える。吐出孔93は、ロータコア32の軸方向の略中心位置に対応する軸方向の位置と、その両側とに設けられる。なお、吐出孔93の軸方向の位置や数等は任意である。
次に、図1に示す矢印R1~R6を参照して、油供給源90からの油の流れについて概説する。図1には、油の流れが矢印R1~R6で模式的に示されている。
油供給源90から供給される油は、管路部材92の中空部92Aを通って軸方向に流れ(矢印R1参照)、吐出孔93から径方向外側へと吐出される(矢印R2参照)。吐出孔93から径方向外側へと吐出された油は、ロータシャフト34の内周面340に当たり、ロータシャフト34の内周面340を伝って第1噴出孔341及び第2噴出孔342へと軸方向に流れる(矢印R3、R4参照)。なお、この場合、ロータシャフト34の内周面340を伝って軸方向外側へと流れる油は、区間SC1においてロータコア32の径方向内側から熱を奪うことができ、ロータコア32を効率的に冷却できる。
ここで、本実施例では、厚肉部347が設けられるので、吐出孔93から径方向外側へと吐出された油は、第1噴出孔341及び第2噴出孔342のそれぞれへと略均等に分配される。これにより、コイルエンド22A、22Bへと分配して導かれる油の均等化を図ることができる。この結果、ロータコア32を径方向内側から、軸方向に沿って均一に冷却できるとともに、第1噴出孔341及び第2噴出孔342を介してコイルエンド22A、22Bをそれぞれ同様に冷却できる。ただし、変形例では、吐出孔93の軸方向の位置と厚肉部347の軸方向の位置とにズレを設けること等によって、第1噴出孔341及び第2噴出孔342のそれぞれへと流れる油の流量の間に、差(すなわち分配量に関する差)を積極的に設定することも可能である。
また、本実施例では、厚肉部347が設けられるので、吐出孔93から径方向外側へと吐出された油は、ある程度の厚みを有しつつ、ロータシャフト34の内周面340を伝うことができる。すなわち、厚肉部347が堰部として機能し、ロータシャフト34の内周面340における油の溜まりが促進される。
ロータシャフト34の内周面340を伝って軸方向外側へと流れた油は、モータ1の回転時の遠心力の作用により、第1噴出孔341を通って径方向外側へと吐出される(矢印R5参照)。第1噴出孔341の開口341bは、上述のようにコイルエンド22Aに径方向で対向する。従って、第1噴出孔341を通って径方向外側へと吐出された油は、コイルエンド22Aに当たり、コイルエンド22Aを効率的に冷却できる。
また、ロータシャフト34の内周面340を伝って軸方向外側へと流れた油は、モータ1の回転時の遠心力の作用により、第2噴出孔342を通って径方向外側へと吐出される(矢印R6参照)。第2噴出孔342の開口342bは、上述のようにコイルエンド22Bに径方向で対向する。従って、第2噴出孔342を通って径方向外側へと吐出された油は、コイルエンド22Bに当たり、コイルエンド22Bを効率的に冷却できる。
このように、本実施例では、ロータシャフト34の内周面340を伝う油の流れを促進することが可能となる。この結果、ロータシャフト34の内周面340を伝う油によりロータコア32を径方向内側から効率的に冷却できるとともに、第1噴出孔341及び第2噴出孔342を介してコイルエンド22A、22Bを効率的に冷却できる。
特に、本実施例では、ロータシャフト34の内周面340は、区間SC1での内径r1が、区間SC2での内径r2よりも有意に大きい。すなわち、ロータシャフト34の内周面340は、ロータコア32が設けられる区間SC1において拡径されている。これにより、ロータシャフト34の軽量化が図られるとともに、ロータシャフト34の内周面340と永久磁石321との間の径方向の距離を短くでき(内径r1≒内径r2の場合に比べて短くでき)、磁石冷却性能を効果的に高めることができる。
なお、図1では、特定の構造のモータ1が示されるが、モータ1の構造は、中空部343を有するロータシャフト34にロータコア32が締結される限り、任意である。従って、例えば、管路部材92等は、省略されてもよい。例えば、管路部材92が省略される場合、軸部材61の中空部から油が供給されてもよい。この場合、軸部材61は、ロータシャフト34の径方向内側に嵌合されてもよい。
また、図1では、特定の冷却方法が開示されているが、モータ1の冷却方法は任意である。従って、例えば、ロータコア32に油路が形成されてもよいし、モータハウジング10内の油路により径方向外側からコイルエンド22A、22Bに向けて油が滴下されてもよい。また、図1では、油供給源90の管路部材92は、モータ1における軸方向で動力伝達機構60と接続される側から、ロータシャフト34内に挿入されるが、モータ1における軸方向で動力伝達機構60と接続される側とは逆側から、ロータシャフト34内に挿入されてもよい。また、油冷に加えて、冷却水を利用した水冷方式が利用されてもよい。
次に、図2及び図3A~図3Iを参照して、上述した実施例のモータ1におけるロータ30の製造方法の例について説明する。図3Bには、回転軸Iに平行なZ方向とともに、Z方向に沿ったZ1側とZ2側が定義されている。以下では、説明上、一例として、製造工程中において、Z方向が上下方向に対応し、Z2側が下側であるとする。また、図3B等には、製造装置200における基準軸Iが示される。基準軸Iは、ワークの芯出しの際の中心軸を構成し、上述した回転軸Iに対応する。
図2は、ロータ30の製造方法の流れを示す概略フローチャートであり、図3A~図3Iは、図2に示すいくつかの工程におけるロータシャフト34及びロータコア32の状態を概略的に示す断面図である。なお、図3B~図3D及び図3F~図3Iは、基準軸Iを含む平面で切断した際の断面図であり、図3Eは、基準軸Iに垂直な平面で切断した際の断面図である。
まず、ロータ30の製造方法は、ワークとして、ロータシャフト34及びロータコア32のそれぞれ(互いに結合されていない状態)を、準備する準備工程(ステップS500)を含む。なお、ロータシャフト34の厚肉部347は、フローフォーミング加工又はスピニング加工等により形成されてよい。
図3Aに示すように、本実施例では、ワークのロータシャフト34は、軸方向両側に軸方向のベアリング支持面34a、34b(図1も参照)を有する。軸方向のベアリング支持面34aは、ロータシャフト34における軸方向一方側の小径部34Bの外周面における径方向の段差部より形成され、軸方向のベアリング支持面34bは、ロータシャフト34における軸方向他方側の小径部34Bの外周面における径方向の段差部により形成される。軸方向のベアリング支持面34a、34bは、ベアリング14a、14bを介して受ける軸方向の荷重を受け持つ。
また、本実施例では、ワークのロータシャフト34は、軸方向両側に径方向のベアリング支持面34c、34dを有する。径方向のベアリング支持面34c、34dは、ベアリング14a、14bを介して受ける径方向の荷重を受け持つ。
また、本実施例では、ワークのロータシャフト34は、動力伝達部345を有する。動力伝達部345は、切削等により形成されてよい。
なお、この段階でのロータシャフト34は、図3Aに示すように、区間SC1に対応する部分の内径r1’が、製品状態の内径r1(図1参照)よりもわずかに小さくてよい。ただし、変形例では、内径r1’は、製品状態の内径r1(図1参照)と略同じであってもよい。この場合、後述する締結工程は、ロータシャフト34とロータコア32との間の締結力を高めるための工程となる。
また、ロータシャフト34と同様に、この段階でのロータコア32は、外径が製品状態の外径よりもわずかに小さくてよい。これは、後述する締結工程においてロータコア32は、ロータシャフト34の拡径に伴って径方向外側にわずかに変形するためである。
ついで、ロータ30の製造方法は、ロータシャフト34の一部である所定部位8の硬度を高める硬度増加工程(ステップS500A)を含む。所定部位8は、好ましくは、他の部位に比べて比較的高い硬度を有することが好適である部位である。本実施例では、一例として、所定部位8は、径方向のベアリング支持面34c、34dを形成する部位と、動力伝達部345を形成する部位とを含む。
この場合、本実施例において、所定部位8は、図3Aに示すように、ロータシャフト34を軸方向で4つの部位80~83に分けたときの、部位81、82、83であるものとする。部位81は、径方向のベアリング支持面34cを含む部位であり、部位82は、径方向のベアリング支持面34dを含む部位であり、部位83は、動力伝達部345を含む部位である。なお、所定部位8は、部位81、82、83のみを含んでもよいが、部位81、82、83に対して軸方向に隣接する部位(軸方向に比較的短い範囲の部位)を含んでもよい。例えば、部位81に係る所定部位8は、軸方向のベアリング支持面34aよりも軸方向内側の部位を含んでもよい。
硬度増加工程は、硬度を高めることができる処理を行う工程であれば任意であり、本実施例では、焼入れを行う工程である。なお、焼入れ処理の詳細な条件は、任意であり、確保されるべき硬度等に応じて適宜設定されてよい。また、焼入れは、高周波焼入れやレーザー焼入れ等であってよい。なお、硬度増加工程は、焼入れ等の各種熱処理以外にも、例えば鍛造、圧延加工、転圧加工等の塑性加工を含んでよく、また、これらの組み合わせとして、部位81、82、83を塑性変形させてから熱処理等により再結晶化(結晶の微細化)を実現する処理等を含んでもよい。
ロータシャフト34のうちの、径方向のベアリング支持面34c、34dを形成する部位81、82に対する焼入れは、当該部位81、82の径方向外側の表面に対してのみ実行されてよい。これにより、部位81、82の径方向外側の表面(すなわち径方向のベアリング支持面34c、34d)の硬度が、部位81、82の径方向内側の表面よりも高くなり、部位81、82のベアリング14a、14bを介して受ける荷重に対する耐久性を高めることができる。
また、ロータシャフト34のうちの、動力伝達部345を形成する部位83に対する焼入れは、当該部位の径方向外側の表面に対してのみ実行されてよい。これにより、部位83の径方向外側の表面(すなわち径方向外側の動力伝達部345)の硬度が、部位83の径方向内側の表面よりも高くなり、部位83(動力伝達部345)の耐久性を高めることができる。なお、動力伝達部345がロータシャフト34の径方向内側に形成される場合、動力伝達部345を形成する部位83に対する焼入れは、当該部位83の径方向内側の表面に対してのみ実行されてよい。
ついで、ロータ30の製造方法は、図3Bに示すように、ロータシャフト34及びロータコア32を、製造装置200に対してセットする工程(ステップS501)(配置工程の一例)を含む。製造装置200は、製造設備の形態であり、以下で説明する各種の治具や型を備える。図3Bに示す例では、製造装置200は、Z2側の固定型201を備え、固定型201の中空部2011内にロータシャフト34のZ2側の部位(小径部34B及び大径部34Aの端部)が挿入される。なお、変形例では、固定型201の中空部2011内にロータシャフト34のZ1側の部位(ベアリング14aが設けられる側の小径部34B及び大径部34Aの端部)が挿入されてもよい。
固定型201は、ロータコア32のZ2側の端面32bを支持する支持面2012を有する。支持面2012は、ロータコア32のZ2側の端面32b全体を支持してもよいし、端面32bの一部を支持してもよい。
このようにして、ロータシャフト34及びロータコア32が、製造装置200の固定型201に対してセットされた状態では、製造装置200の固定型201は、ロータシャフト34及びロータコア32を同時にZ2側から支持し、ロータシャフト34及びロータコア32のZ2側への移動(変位)を拘束する。
なお、ロータシャフト34及びロータコア32が、製造装置200の固定型201に対してセットされた状態では、図3Bに模式的に示すように、ロータシャフト34の外径r11は、ロータコア32の内径(軸心の孔の径)r12よりもわずかに小さい。これにより、ロータコア32の径方向内側にロータシャフト34を容易にセットできる。ただし、上述したように、変形例では、ロータシャフト34の外径r11は、ロータコア32の内径(軸心の孔の径)r12と略同じであってもよい。
また、ロータシャフト34及びロータコア32は、必ずしも同時に製造装置200の固定型201に対してセットされる必要はなく、順に製造装置200の固定型201に対してセットされてもよい。
ついで、ロータ30の製造方法は、図3Cに示すように、ロータシャフト34の中心軸I(図3A参照)を、基準軸Iに合わせる工程(ステップS502)を含む。すなわち、ロータ30の製造方法は、ロータシャフト34を、製造装置200において規定される基準軸Iに対して芯出しする工程を含む。
本実施例では、図3Cに示すように、ロータシャフト34の芯出しは、一例として、製造装置200のシール型202、203により実現される。なお、シール型202、203は、基準軸Iに対して正確に芯出しされている設備側の構成である。
具体的には、Z2側のシール型202は、ロータシャフト34に対してZ2側からZ方向に沿ってZ1側へと移動して、ロータシャフト34に対してセットされる。シール型202は、ロータシャフト34のZ2側の小径部34Bの内径(図1の内径r2参照)に対応する外径を有する部位2021を有する。部位2021の中心軸は、基準軸Iに対して正確に一致する。なお、部位2021は、基準軸Iに垂直な平面で切断した際の断面の外形が円形であり、当該円形の外径は、ロータシャフト34のZ2側の小径部34Bの内径よりもわずかに小さくてよい。これにより、ロータシャフト34は、基準軸Iに対して正確に芯出しされたシール型202の部位2021により、径方向内側から芯出しされる。
なお、シール型202は、図3Cに示すように、部位2021のZ2側に径方向外側への段差面2022を有してよい。シール型202がロータシャフト34に対してセットされた状態では、シール型202の段差面2022は、ロータシャフト34のZ2側の端面348bに対して軸方向に対向又は当接してよい。
また、Z1側のシール型203は、ロータシャフト34に対してZ1側からZ方向に沿ってZ2側へと移動して、ロータシャフト34に対してセットされる。シール型203は、ロータシャフト34のZ1側の小径部34Bの内径(図1の内径r2参照)に対応する外径を有する部位2031を有する。部位2031の中心軸は、基準軸Iに対して正確に一致する。なお、部位2031は、基準軸Iに垂直な平面で切断した際の断面の外形が円形であり、当該円形の外径は、ロータシャフト34のZ1側の小径部34Bの内径よりもわずかに小さくてよい。これにより、ロータシャフト34は、基準軸Iに対して正確に芯出しされたシール型203の部位2031により、径方向内側から芯出しされる。
なお、シール型203は、図3Cに示すように、部位2031のZ1側に径方向外側への段差面2032を有してよい。シール型203がロータシャフト34に対してセットされた状態では、シール型203の段差面2032は、ロータシャフト34のZ1側の端面348aに対して軸方向に対向又は当接してよい。本実施例では、好ましい例として、シール型203がロータシャフト34に対してセットされた状態では、シール型203の段差面2032は、ロータシャフト34のZ1側の端面348aに対して軸方向に離間して対向する。
このようにして、ロータシャフト34は、基準軸Iに対して正確に芯出しされたシール型202、203により、径方向内側から芯出しされる。この場合、ロータシャフト34の中心軸Iが基準軸Iに対してずれていると、ロータシャフト34は、シール型202、203により、中心軸Iが基準軸Iに一致するように、位置や姿勢が矯正される。これにより、ロータシャフト34は、ロータコア32が径方向外側に配置された状態においても、シール型202、203により径方向内側から精度良く芯出しされることができる。
なお、シール型202、203は、同時にロータシャフト34に対してセットされてもよいし、時間差を有する態様でセットされてもよい。例えば、シール型202がロータシャフト34に対してセットされ、ついで、シール型203がロータシャフト34に対してセットされてもよい。また、シール型202は、固定型201と同様、可動しない型であってもよい。この場合、シール型202は、固定型201と一体であってもよい。
ついで、ロータ30の製造方法は、図3Dに示すように、ロータコア32の中心軸I(図3A参照)を、基準軸Iに合わせる工程(ステップS503)を含む。すなわち、ロータ30の製造方法は、ロータコア32を、製造装置200において規定される基準軸Iに対して芯出しする工程を含む。
本実施例では、図3Dに示すように、ロータコア32の芯出しは、一例として、製造装置200の芯出装置204により実現される。芯出装置204は、図3D及び図3Eに示すように、基準軸Iに対して垂直な平面内で移動可能であり、基準軸Iに対して進退可能に配置される。芯出装置204は、図3Eに示すように、好ましくは、3つ以上設けられる。また、芯出装置204は、図3Dに示すように、好ましくは、ロータコア32の軸方向の全長にわたり作用するように、ロータコア32の軸方向全体にわたり軸方向に延在する。
図3D及び図3Eに示す例では、芯出装置204は、3つ、基準軸Iまわりに120度の間隔をおいて設けられる。芯出装置204が基準軸Iに向かって進むと(矢印R300参照)、ロータコア32の外周面に、芯出装置204の径方向内側の先端部2041が当接する。各芯出装置204は、先端部2041の基準軸Iまでの距離が所定半径r30になるまで、基準軸Iに向かって移動する。所定半径r30は、ロータコア32の正規の外径(回転軸Iを中心とした外径)に対応してよい。これにより、ロータコア32を基準軸Iに対して精度良く芯出しすることができる。
このようにして、ロータコア32は、基準軸Iに向かって正確に規定された所定半径r30まで進む芯出装置204により、径方向外側から芯出しされる。この場合、ロータコア32の中心軸Iが基準軸Iに対してずれていると、ロータコア32は、芯出装置204により、中心軸Iが基準軸Iに一致するように、位置や姿勢が矯正される。これにより、ロータコア32は、ロータシャフト34が径方向内側に配置された状態においても、芯出装置204により径方向外側から精度良く芯出しされることができる。
なお、図3D及び図3Eに示す例では、芯出装置204は、先端部2041がロータコア32の外周面に対して線接触(軸方向の線接触)するように形成されているが、面接触するように形成されてもよい。この場合、先端部2041は、基準軸Iに沿った方向に視て、ロータコア32の外周面に沿った湾曲面を有してよい。
ついで、ロータ30の製造方法は、図3Fに示すように、ロータコア32をステップS503で芯出しされた状態で、製造装置200に対して強固に固定する工程(ステップS504)を含む。図3Fに示す例では、製造装置200は、Z1側の可動型205を備える。可動型205は、基準軸Iに平行に並進移動が可能である。可動型205は、ロータコア32のZ1側の端面32aに向かってZ方向に沿って移動し、端面32aに当接することで、ロータコア32を製造装置200に対して固定する。
また、本実施例では、可動型205は、上述した固定型201と同様に、径方向内側が中空部2051となる円環状の形態である。可動型205は、ロータコア32の端面32aに当接する状態では、中空部2051内にロータシャフト34のZ1側の部位(小径部34B及び大径部34Aの端部)が挿入される。
このようにして、ロータシャフト34及びロータコア32が、製造装置200の可動型205に対してセットされた状態では、製造装置200の可動型205は、ロータシャフト34及びロータコア32を同時にZ1側から支持し、ロータシャフト34及びロータコア32のZ1側への移動(変位)を拘束する。
また、ロータコア32が製造装置200の可動型205に対してセットされた状態では、ロータコア32は、可動型205と固定型201の間で軸方向に挟持されることで、軸方向の押圧力によって径方向の変位も拘束される。従って、その後、芯出装置204がロータコア32から離れる方向に移動(退避)しても(図3Fの矢印R401参照)、ロータコア32の芯出しされた状態が維持される。
ついで、ロータ30の製造方法は、図3Gに示すように、シール型202、203によりロータコア32の中空部343をロータシャフト34の外部に対してシールするシール工程(ステップS505)を含む。本実施例では、シール工程は、Z1側のシール型203を、ロータシャフト34(固定型201)に対してZ1側からZ方向に沿ってZ2側へと更に移動させることを含む。これにより、ロータシャフト34のZ1側の軸方向端部348の開口349をシール型203によりシールできる。また、この場合、ロータシャフト34は、ステップS502で芯出しされた状態で、製造装置200に対して強固に固定される。このようにして、ロータシャフト34の芯出しは、ステップS502ではある程度のレベルで実現され、本ステップS505において完全なレベルで実現されてもよい。
本実施例では、シール工程では、上述したように、シール型203はロータシャフト34に対してZ方向Z2側に更に移動される。この際、シール型203は、好ましくは、ロータシャフト34の軸方向端部348を塑性変形させる。この場合、ロータシャフト34の軸方向端部348は、シール型203の作用により主に径方向内側で塑性変形する。これにより、シール型203とロータシャフト34の軸方向端部348との間の接触面圧を効果的に高めることができ、その結果、シール型203とロータシャフト34との間のシール性を高めることができる。
ところで、本実施例では、上述したようにシール工程の際にシール型203がロータシャフト34に対してZ方向Z2側に更に移動されると、シール型203によりロータシャフト34がシール型202に向けて押圧されることになる。すなわち、ロータシャフト34がシール型202とシール型203との間で軸方向の押圧力を受ける。この結果、Z2側においても、上述したZ1側と同様のメタルシールが実現される。すなわち、シール型202がロータシャフト34のZ2側の軸方向端部348を塑性変形させることで、ロータシャフト34のZ2側の軸方向端部348とシール型202との間のシール(いわゆるメタルシール)を実現する。
ついで、ロータ30の製造方法は、図3Hに示すように、ハイドロフォーミングによりロータシャフト34にロータコア32を固定(締結)する締結工程(ステップS506)(一体化工程の一例)を含む。例えば、図3Hに模式的に示すように、ロータシャフト34がシール型202、203に押さえられた状態で、中空部343内に流体が導入され、流体を加圧することで、ロータシャフト34の内周面340に対して内周面340に垂直な力(内圧)を付与する(図3Hの矢印R31、矢印R32参照)。これにより、ロータシャフト34が拡径し、ロータシャフト34とロータコア32との間の径方向の締め代が確保される(図3I参照)。すなわち、ロータシャフト34の内径r1’が内径r1へと拡大されるのに伴い、その分だけ外径r11が増加し、締め代が確保される。このようなハイドロフォーミングによれば、圧入のような、ロータシャフト34とロータコア32の嵌合方法で生じうる不都合(例えば圧入の際のロータコア32の倒れ等)を防止できる。
ここで、本実施例では、ステップS506の締結工程の前に、上述したように、ロータコア32は、芯出装置204により芯出しされている。従って、ロータコア32が芯出しされた状態で、ロータコア32とロータシャフト34とを締結できる。また、本実施例では、ステップS506の締結工程は、固定型201と可動型205との間で軸方向及び径方向の変位が拘束された状態が維持される。従って、締結工程中にロータコア32の芯出しされた状態が損なわれてしまう可能性を低減できる。
また、本実施例では、上述したように、ロータコア32が芯出しされた状態で、ロータシャフト34が拡径されるので、拡径されたロータシャフト34は、径方向外側においても、芯出しされたロータコア32によって芯出しされることになる。これにより、ロータコア32及びロータシャフト34とを、基準軸Iに対して精度良く芯出しされた状態で締結できる。
ついで、ロータ30の製造方法は、ロータシャフト34において第1噴出孔341及び第2噴出孔342に対応する孔を形成する噴出孔形成工程(ステップS508)を含む。なお、噴出孔形成工程は、ロータシャフト34を製造装置200から取り出してから実行されてよい。噴出孔形成工程(ステップS508)が終了すると、最終的なロータシャフト34が出来上がる。
ついで、ロータ30の製造方法は、その他の仕上げ工程(ステップS510)を含む。その他の仕上げ工程は、永久磁石321を固定する工程や、着磁を行う工程や、エンドプレート35A、35Bにより回転バランスを調整する工程等を含んでよい。
このようにして、図2及び図3A~図3Iを参照して説明したロータ30の製造方法によれば、ロータコア32及びロータシャフト34が、製造装置200の基準軸Iに対して芯出しされた状態を形成し、かつ、当該状態を維持しつつ、ハイドロフォーミングによりロータコア32とロータシャフト34を一体化できる。これにより、回転軸Iまわりのアンバランスが低減されたロータ30を製造できる。また、芯出しされた状態でハイドロフォーミングによりロータシャフト34を拡径できるので、ロータコア32とロータシャフト34との締結に係る締め代を周方向に沿って均一化できる。
ところで、本実施例では、上述したように、硬度増加工程(ステップS500A)で硬度が高められる所定部位8は、径方向のベアリング支持面34c、34dを形成する部位81、82と、動力伝達部345を形成する部位83とを含む。そして、これらの部位81、82、83は、小径部34Bに設定されるので、シール工程において塑性変形される軸方向端部348に含まれるか、あるいは、軸方向端部348の近傍に位置する。
この点、硬度増加工程(ステップS500A)がシール工程(ステップS505)よりも後に実行される比較例(図示せず)では、シール工程(ステップS505)により軸方向端部348が塑性変形されるので、かかる塑性変形により所定部位8の寸法精度が悪化するおそれがある。例えば、上述したようにシール工程において、硬度増加工程を経ていない軸方向端部348を塑性変形させようとすると、塑性変形量が比較的大きくなりやすく、所定部位8の寸法精度に影響を及ぼすおそれがある。この結果、所定部位8の寸法精度を高めるための後処理が必要となりうる。
これに対して、本実施例によれば、上述したように、硬度増加工程(ステップS500A)がシール工程(ステップS505)よりも前に実行されるので、上述した比較例で生じるおそれのある不都合を低減できる。すなわち、本実施例によれば、上述したように、硬度増加工程(ステップS500A)の後にシール工程が実行されるので、シール工程において軸方向端部348を塑性変形させる際に、塑性変形は、焼入れにより硬度が高められた表面側では生じ難い。これにより、上述した比較例で生じるおそれのある不都合を低減できる。
より具体的には、例えばZ1側の軸方向端部348に関して、シール工程では、上述したように、シール型203はロータシャフト34の軸方向端部348の端面348aに対して径方向内側から作用する。他方、Z1側の軸方向端部348における部位81に係る焼入れは、Z1側の軸方向端部348における径方向外側の表面に対してのみ実行される。このように、シール工程による塑性変形と、焼入れによる硬度増加とは、径方向の逆側となり、互いに棲み分けされる。従って、本実施例によれば、シール工程に起因して、Z1側の軸方向端部348における径方向外側が有意に塑性変形してしまうことで、部位81の寸法精度が低下してしまう可能性を、低減できる。また、硬度増加工程(ステップS500A)がシール工程(ステップS505)より前に実行される場合でも、焼入れされた部位81によってシール工程による塑性変形が有意に阻害されることがない。
また、シール工程が実行されるまでに、Z1側の軸方向端部348における径方向外側が焼入れにより硬化されているので、シール工程におけるZ1側の軸方向端部348の径方向外側への変形(倒れ)が抑制される。この結果、軸方向端部348における径方向内側での塑性変形が促進され、シール型203とロータシャフト34との間のシール性を高めることができる。
なお、本実施例では、部位82に対する焼入れは、硬度増加工程(ステップS500A)において、部位81及び部位83に対する焼入れとともに連続的に実行されるので、効率的に製造方法を実現できるが、これに限られない。部位82は、軸方向端部348に含まれないことから、部位81及び部位83に比べて、上述したシール工程に起因した不都合が生じがたい。従って、部位82に対する焼入れは、シール工程(ステップS505)よりも後に実行されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、各実施形態の効果のうちの、従属項に係る効果は、上位概念(独立項)とは区別した付加的効果である。
1・・・モータ(回転電機)、8(81、82、83)・・・所定部位、32・・・ロータコア、34・・・ロータシャフト、343・・・中空部、34B・・・小径部、34A・・・大径部、14a、14b・・・ベアリング(軸受)、60・・・動力伝達機構、200・・・製造装置

Claims (5)

  1. 回転電機用のロータの製造方法であって、
    ロータコアと、中空のロータシャフトとを準備する工程と、
    前記ロータシャフトの一部である所定部位の硬度を高める硬度増加工程と、
    前記ロータコアと前記ロータシャフトとを製造装置に配置し、前記製造装置において前記ロータコアの径方向内側に前記ロータシャフトが位置する状態を形成する配置工程と、
    前記配置工程の後に、前記製造装置により前記ロータシャフト及び前記ロータコアを支持しつつ、前記ロータシャフトの中空部の内圧を高めることで、前記ロータシャフトと前記ロータコアとを締結する一体化工程とを含み、
    前記硬度増加工程は、前記一体化工程の前に実行される、製造方法。
  2. 前記硬度増加工程は、前記所定部位における径方向内側表面及び径方向外側表面のうちの、一方の表面の硬度を他方の表面の硬度よりも高める、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一体化工程の前、前記硬度増加工程の後、かつ前記配置工程の後に、前記製造装置により前記他方の表面側から前記ロータシャフトの軸方向端部を塑性変形させることで、前記ロータシャフトの中空部を外部に対してシールするシール工程を更に含む、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記ロータシャフトは、前記ロータコアと締結される大径部と、前記大径部よりも外径が小さくかつ前記軸方向端部を含む小径部とを有し、
    前記所定部位は、前記小径部に設定される、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記所定部位は、前記ロータシャフトにおける軸受が設けられる部位、及び、前記ロータシャフトにおける動力伝達機構に接続される部位のうちの、少なくともいずれか一方を含む、請求項4に記載の製造方法。
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