JP2022042061A - ペプチド修飾ポリマーとその利用方法 - Google Patents

ペプチド修飾ポリマーとその利用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022042061A
JP2022042061A JP2020147238A JP2020147238A JP2022042061A JP 2022042061 A JP2022042061 A JP 2022042061A JP 2020147238 A JP2020147238 A JP 2020147238A JP 2020147238 A JP2020147238 A JP 2020147238A JP 2022042061 A JP2022042061 A JP 2022042061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
sequence
polymer
cell culture
linker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020147238A
Other languages
English (en)
Inventor
洸洋 高橋
Mitsuhiro Takahashi
越美 伊藤
Etsumi Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2020147238A priority Critical patent/JP2022042061A/ja
Publication of JP2022042061A publication Critical patent/JP2022042061A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、ペプチドのC末端のみをビニル系ポリマーと結像させることでペプチド本来の機能を損なわずに、低コストでヒト多能性幹細胞を含む動物由来細胞を高効率で接着培養させることができる細胞接着性ポリマー、該ポリマーを用いた細胞培養用コート剤、該コート剤を用いた細胞培養部材の製造方法を提供すること。
【解決手段】
機能性ペプチド(P)がリンカー(L)を介してビニル系ポリマーに結合されたペプチド修飾ポリマー(A)であって、機能性ペプチド(P)は実質的にC末端のみでリンカー(L)と結合され、リンカー(L)はアミド結合によってビニル系ポリマーと結合されたペプチド修飾ポリマー(A)によって解決される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ペプチド修飾ポリマーとその利用方法に関する。
ヒトiPS細胞やES細胞といったヒト多能性幹細胞は、病理解明や新薬開発並びに再生医療への応用可能性から注目されている。ヒト多能性幹細胞の利用には、安定かつ安全に培養し、さらには培養した細胞を回収した後に、創薬や医療へ応用する必要がある。しかし、ヒト多能性幹細胞はその低い培養率が課題とされてきた。解決法の一つとして、フィーダー細胞を利用した培養法が試みられてきたが、用いたフィーダー細胞が混入してしまうという問題があることから、安全とはいえなかった。
特許文献1では、細胞培養基材上に細胞外マトリックスであるラミニン及びラミニンフラグメントを塗布することで、フィーダー細胞を用いなくてもヒト多能性幹細胞が培養可能であることが報告されている。しかし、塗布された細胞外マトリックスは細胞接着性が高すぎるため、培養後の細胞を扱う際に細胞剥離することが困難であった。また、基材表面が乾燥状態で細胞マトリックスが失活しやすいことが知られており、ヒト多能性幹細胞の培養効率が低下する。さらに、非常に高価であることから、工業化の観点ではコスト面で課題がある。
特許文献2では、細胞外マトリックス、接着性合成基質を含む無機材料を用いた細胞接着性基材を用いることで、細胞接着性を有しながら剥離も簡便であることが示されているが、細胞外マトリックスを使用した場合は細胞接着性が高く、接着性合成基質を用いた場合は、高い細胞接着性が見込めない。また、細胞外マトリックスを使用する点においてコスト面で課題がある。
特許文献3、及び特許文献4では、細胞接着性に寄与するペプチドを修飾した合成ポリマーを細胞培養基材として細胞接着性を向上させる技術が示されているが、ペプチドの修飾方法として、合成ポリマーの反応性官能基とペプチドを結合させる方法を採用している。しかし、ペプチドにはN末端、C末端以外にも側鎖に反応性官能基が存在しており、ペプチドの結合部位が特異的ではない。ペプチドの側鎖は細胞認識に大きく影響を与えるため、合成ポリマーとの結合点にするとペプチドの活性が低下する。
上述の通り、ヒト多能性幹細胞を含む動物由来細胞において、細胞培養時の高い作業効率、高い細胞接着性、低コストを実現可能な合成ポリマーは存在しない。
国際公開WO2011/043405 国際公開WO2018/116905 国際公開WO2004/085606 特開2018-143211
本発明は、ペプチドのC末端のみをビニル系ポリマーと結合させることでペプチド本来の機能を損なわずに、低コストでヒト多能性幹細胞を含む動物由来細胞を高効率で接着培養させることができる細胞接着性ポリマー、該ポリマーを用いた細胞培養用コート剤、該コート剤を用いた細胞培養部材の製造方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下の〔1〕~〔9〕に関する。
〔1〕機能性ペプチド(P)がリンカー(L)を介してビニル系ポリマーに結合されたペプチド修飾ポリマー(A)であって、機能性ペプチド(P)は実質的にC末端のみでリンカー(L)と結合され、リンカー(L)はアミド結合によってビニル系ポリマーと結合されたペプチド修飾ポリマー(A)。
〔2〕機能性ペプチド(P)が細胞接着性を示す〔1〕記載のペプチド修飾ポリマー(A)
〔3〕機能性ペプチド(P)が、RGD配列、LDV配列、REDV配列、YIGSR配列、PDSGR配列、RYVVLPR配列、LGTIPG配列、RNIAEIIKDI配列、IKVAV配列、LRE配列、DGEA配列、HAV配列、GVKGDKGNPGWPGAP配列、GEFYFDLRLKGDK配列、およびYKLNVNDS配列からなる群から選ばれる少なくとも1種の配列を含む〔1〕または〔2〕に記載のペプチド修飾ポリマー(A)。
〔4〕機能性ペプチド(P)が、ペプチド修飾ポリマー(A)を基準として0.05~10mmol/g含有されることを特徴とする、〔1〕~〔3〕いずれかに記載のペプチド修飾ポリマー(A)。
〔5〕リンカー(L)が、下記一般式(1)の2つのアミノ基を有するリンカー分子(l)から構成される、〔1〕~〔4〕いずれかに記載のペプチド修飾ポリマー(A)。
一般式(1)
Figure 2022042061000001



(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基、またはこれらを2種以上組み合わせてなる2価の構造を示す。)
〔6〕機能性ペプチド(P)がリンカー(L)を介してビニル系ポリマーに結合されたペプチド修飾ポリマー(A)の製造方法であって、
リンカー分子と反応する官能基を有するモノマーを含むモノマー組成物を重合してプレポリマー(A)を得る第1のステップと、
プレポリマー(A)とリンカー分子(l)を縮合してリンカー(L)が修飾されたプレポリマー(A)を得る第2のステップと、
Fmoc合成法によりプレポリマー(A)に機能性ペプチド(P)を修飾してポリマー(A)を得る第3のステップと、
を含むペプチド修飾ポリマー(A)の製造方法。
〔7〕上記〔1〕~〔5〕いずれかに記載のペプチド修飾ポリマー(A)を含む、細胞培養用コート剤。
〔8〕上記〔7〕に記載の細胞培養用コート剤からなる細胞培養用塗膜を有する細胞培養用部材であって、接着性細胞の培養に用いられる、細胞培養用部材。
[9]細胞培養用基材の表面に、上記〔7〕に記載の細胞培養用コート剤を塗工し、次いで乾燥し、細胞培養用塗膜を設けることを特徴とする、細胞培養用部材の製造方法。
本発明のペプチド修飾ポリマーは、Fmoc合成法で合成ポリマーにペプチドを修飾することでC末端のみが合成ポリマーに結合しており、ペプチド本来の性能を発揮することが可能である。また、ペプチド修飾ポリマーに含まれるペプチド量を任意に調製することができるため細胞接着性の度合いも制御でき、細胞種、求める細胞接着性に応じたコート剤を提供することが可能である。
<ポリマー(A)>
本発明のポリマー(A)は、機能性ペプチド(P)がC末端のみでリンカー(L)に結合し、リンカー(L)がアミド結合でビニル系ポリマーに結合した構造を有するペプチド修飾ポリマーである。加水分解されやすいエステル結合、ウレタン結合等は含まないため、Fmoc合成法の脱保護の過程においてトリフルオロ酢酸(TFA)等の強酸を用いても分解されない。
本発明のペプチド修飾ポリマー(A)の合成方法は、以下の3つの合成ステップを含む。第1のステップは、リンカー分子と反応する官能基を有するモノマーを含むモノマー組成物を重合しプレポリマー(A)を得る。第2のステップは、プレポリマー(A)とリンカー分子(l)を縮合しリンカー(L)が修飾されたプレポリマー(A)を得る。第3のステップは、Fmoc合成法によりプレポリマー(A)に機能性ペプチド(P)を修飾してポリマー(A)を得る。
<リンカー分子と反応する官能基を有するモノマー>
リンカー分子と反応する官能基を有するモノマーとしては、リンカー分子(l)とアミド結合を形成することができる官能基を有するモノマーであれば特に限定されることがない。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボン酸を有するビニルモノマーが挙げられる。
<共重合モノマー>
ビニル系ポリマーであるプレポリマー(A)は、リンカー分子(l)と反応する官能基を有するモノマー以外に、任意のモノマーを複数種共重合させることが可能である。他のモノマーを共重合することで、極性やTg、溶媒溶解性などを制御することができる。前述の通り、加水分解で切断される構造を有さないモノマーであれば、特に限定されることなく使用することが可能である。
例えば、(メタ)アクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ペントキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N-メトキシメチル-N-(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどの1~3級アミド基を有する(メタ)アクリルアミドモノマー;
ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;
スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、アリルベンゼン、エチニルベンゼン、9-ビニルアントラセンなどの芳香族ビニルモノマー;
(トリデカフルオロヘキシル)エチレン、4-ブロモ-3,3,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン、3-ブロモ-3,3,-ジフルオロプロペンなどの含フッ素ビニルモノマー;
α-ブチレン、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトンなどのビニルモノマー;
パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレンなどのパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和化合物;
アセチレン等の、エチレン性不飽和結合を有するモノマー等が挙げられる。
<重合開始剤>
ポリマー(A)の重合は、ラジカル重合開始剤(以下、重合開始剤という)を使用することが好ましい。ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば使用でき、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては、例えば、
ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)、tert-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、ジ-tert-ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;
2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス-シクロヘキサン-1-カルボニトリルなどのアゾビス化合物などが挙げられる。
水溶性重合開始剤としては、例えば、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、など、従来既知のものを好適に使用することができる。
これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。これら重合開始剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.1~10質量部の量を用いるのが好ましい。
第1のステップの重合条件は特に限定されず、適宜調整することができる。
プレポリマー(A)の質量平均分子量は、2,000以上が好ましく、好ましくは2,000~1,000,000であり、より好ましくは2,000~800,000であり、さらに好ましくは3,000~800,000である。分子量が2,000以上であることにより、コート剤の培養基材からの剥離を抑制し、細胞障害性を低下させることができる。さらに、分子量が1,000,000以下であると、有機溶媒への溶解性が高く、コーティング時のハンドリング性が高く好ましい。
<リンカー(L)>
リンカー(L)は、下記一般式(1)で示されるリンカー分子(l)で構成されることが好ましく、ポリマー(A)に修飾されたペプチド(P)の細胞認識を向上させるために必要である。Fmoc合成法の脱保護の過程で使用する強酸による加水分解耐性が求められており、アミド結合で修飾する。
一般式(1)
Figure 2022042061000002

(式中、Rはアルキレン基、アリーレン基、またはこれらを2種以上組み合わせてなる2価の構造を示す。)
アルキレン基としては、炭素数が1~18の直鎖アルキレン基、炭素数が3~6のシクロアルキレン基等が挙げられる。アリーレン基としてはフェニレン基等が挙げられる。
リンカー分子(l)としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4-アミノベンジルアミン、1,4-フェニレンジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-エチレンジアニリン等が挙げられる。
<縮合剤>
ポリマー(A)に含まれるアミド結合を形成する際には、縮合剤を用いることができる。合成条件は特に限定されないが、縮合剤を用いることで温和な条件下での反応が可能である。縮合剤としては、アミド結合を形成できるものであれば特に限定されないが、例えば、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド系縮合剤、ジフェニルリン酸アジドなどの酸アジド縮合剤、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩などのBOP((Benzotriazol-1-yloxy)-tris(dimetylamino)phosphonium hexafluorophosphate)試薬、DMT-MM(4-(4,6-Dimethoxy-1,3,5-triazin-2-yl)-4-methylmorpholinium Chloride)などのトリアゾール系縮合剤などが挙げられる。
<機能性ペプチド(P)>
機能性ペプチドとは、機能性を有するペプチドを示すが、本発明においては、細胞が膜タンパク質や受容体等で認識することのできるアミノ酸配列を有するペプチド配列のことを示している。「病態生理、第9巻 第7 号、527~535頁、1990年」や「大阪府立母子医療センター雑誌、第8巻 第1 号、58~66頁、1992年」に記載されているもの等が知られている。
ポリマー(A)に含まれる機能性ペプチドの割合は、0.05~10mmol/gが好ましく、0.05~8mmol/gがより好ましく、0.1~5mmol/gがさらに好ましい。
<細胞接着性ペプチド>
機能性ペプチドの中でも細胞接着性を有することが好ましく、細胞接着性の観点から、RGD配列、LDV配列、REDV配列、YIGSR配列、PDSGR配列、RYVVLPR配列、LGTIPG配列、RNIAEIIKDI配列、IKVAV配列、LRE配列、DGEA配列、HAV配列、GVKGDKGNPGWPGAP配列、GEFYFDLRLKGDK配列、およびYKLNVNDS配列からなる群から選ばれる少なくとも1種の配列を含むことがより好ましい。
<補助アミノ酸配列>
細胞接着性ペプチドは、熱安定性向上の点から、補助アミノ酸配列を有してもよい。補助アミノ酸配列としては、アミノ酸であれば特に限定されないが、G(グリシン)、A(アラニン)、S(セリン)のいずれか1つ以上有する配列が好ましい。補助アミノ酸配列に含まれるアミノ酸の個数は、特に限定されないが、Fmoc合成法の観点から0~2個が好ましい。
第3のステップにおいて、Fmoc合成法とは、N末端の保護基としてFmoc基(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基)を使用したペプチド合成法であり、固相合成法、液相合成法のいずれであってもよい。合成手順や条件は特に限定されず、公知の方法を使用することができる。
<質量平均分子量(Mw)>
ポリマー(A)の質量平均分子量は、2,000以上が好ましく、好ましくは2,000~1,000,000であり、より好ましくは2,000~800,000であり、さらに好ましくは3,000~800,000である。分子量が2,000以上であることにより、コート剤の培養基材からの剥離を抑制し、細胞障害性を低下させることができる。さらに、分子量が1,000,000以下であると、有機溶媒への溶解性が高く、コーティング時のハンドリング性が高く好ましい。
<細胞培養用コート剤>
本発明の細胞培養用コート剤は、ポリマー(A)、溶媒、任意に架橋剤を含み、ポリマーの含有量は、コート剤の総量中0.1~10質量%が好ましく、0.5~3質量%がより好ましい。この範囲であると、表面層の平均表面粗さRaを好適な範囲に調整することが容易である。
<細胞培養用部材>
本発明の細胞培養用部材は、基材上に、本発明のコート剤からなる塗膜を有するものである。塗膜を形成する方法としては、基材に応じて、様々な塗膜形成方法(塗工・印刷・乾燥方法)を選択することができる。一例として、グラビア・オフセット等の各種印刷方式のほか、インクジェット方式、スプレー方式、浸漬方式等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。塗工および平均表面粗さRaの調整の容易さの観点からスピンコート方法が好適である。塗工後の乾燥は、溶媒を除去できればよく、コート剤に含まれる溶媒等から適宜乾燥温度を選択することができる。工業的には、40~180℃で2分間程度であるのが望ましい。さらに、本発明のコート剤が架橋剤を含む場合、架橋反応を促進させるための工程を設けることが好ましい。架橋条件は、一般的に40~150℃で6~24時間であるが、これらに限定されない。
コート剤からなる塗膜の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択でき限定されないが、100μm以下が好ましい。10μm以下がより好ましく、2~5μmがより好ましい。
基材としては、上記用途で従来公知に用いられる基材であれば制限無く使用することができ、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン、ガラス、シリコーン等が好適に挙げられる。
細胞培養用部材の形態は、立体的な成型体の他、シート状、プレート状、ディッシュ形状であってもよい。シート状のものとしては、フィルム、不織布、紙等が挙げられる。プレート状のものとしては、6穴、12穴、24穴、96穴等の平底プレートが挙げられる。ディッシュ形状のものとしては、直径35mm、60mm、90mm、100mm等のディッシュが挙げられる。
<培養細胞>
本発明の細胞培養基材は、様々な細胞、特に動物細胞を好適に培養することが可能である。動物細胞としては、由来は動物であればよく、ヒト、マウス、サル等が挙げられ、人工細胞であっても構わない。細胞種としては特に限定は無いが、上皮細胞(角膜上皮細胞など)、内皮細胞(ヒト臍帯静脈内皮細胞など)、線維芽細胞(ヒト皮膚線維芽細胞、マウス線維芽細胞など)、血球細胞、収縮性細胞(骨格筋細胞、心筋細胞など)、血液と免疫細胞(赤血球、マクロファージなど)、神経細胞(ニューロン、グリア細胞など)、色素細胞(網膜色素細胞など)、肝細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、幹細胞(ES細胞、iPS細胞、造血幹細胞、皮膚幹細胞、生殖幹細胞、EC細胞、EG細胞、神経幹細胞) 等が挙げられる。中でも、本発明の細胞培養基材は、培養が難しい幹細胞、特にES細胞やiPS細胞に対し好適に利用可能である。
<接着性細胞>
接着性細胞とは、一般に、増殖のために適切な表面に自身を接着させる必要がある細胞である。本発明に用いられる接着性細胞は、特に限定されないが、例えば、iPS細胞、CHO細胞、HEK293細胞、HuH7細胞、Vero細胞、NIH3T3細胞などが挙げられる。
<細胞の培養方法>
本実施形態における培養条件は、通常の動物細胞の培養条件でよく、例えば、5体積%CO雰囲気下で、温度37℃である条件とすることができる。
細胞用培地としては、従来公知の細胞用培地を使用することができる、例えば、市販されている各種培地(αMEM、MEM、DMEM、IMDEM、RPMI1640、DMEM/F12など)や、これらの組み合わせが挙げられる。細胞用培地には、必要に応じて、各種増殖因子(上皮成長因子やインスリン様成長因子、神経成長因子、肝細胞増殖因子、血管内皮増殖因子、塩基性繊維芽細胞増殖因子、トランスフェリン、ステロイドホルモン、2-メルカプトエタノールなど)や各種動物血清(ウシ胎児血清(FBS)やウシ血清など)、血清代替物などを添加するのが好ましい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、実施例及び比較例における「mol」は物質量を表し、「mol/g」は全単量体中の物質量の割合を表す。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「GPC-101」を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「KF-805L」(昭和電工社製:GPCカラム:8mmID×300mmサイズ)を直列に2本接続して用い、試料濃度1wt%、流量1.0ml/min、圧力3.8MPa、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。データ解析はメーカー内蔵ソフトを使用して検量線および分子量、ピーク面積を算出し、保持時間15~30分の範囲を分析対象として質量平均分子量を求めた。
実施例で使用したモノマー、溶剤、試薬を下記に示す。
・AA:アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
・DEAA:N,N’-ジエチルアクリルアミド
・BMAm:N-ブトキシメチルアクリルアミド
・AIBN:2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)
・EDA:エチレンジアミン
・4-DADPM:4,4’-ジアミノジフェニルメタン
・PyBOP:1H-Benzotriazol-1-yloxytripyrrolidinophosphonium Hexafluorophosphate
・DMT-MM:4-(4,6-Dimethoxy-1,3,5-triazin-2-yl)-4-methylmorpholinium Chloride
・DCC:ジクロロメタン
<プレポリマー(A)の合成>
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応容器に、トルエンを75g、滴下層にAA((株)日本触媒製)を0.2g、DEAA(KJケミカルズ(株)製)を49.8g、AIBN(富士フイルム和光純薬(株)製)を0.5g仕込み、窒素気流下、室温で滴下層の混合液を反応層に1時間かけて滴下し、滴下後75℃で8時間反応させた。室温に冷却し反応停止後、ダイヤフラムポンプで溶剤を除去し、プレポリマー(A)である(P1-1)を得た。プレポリマー(A)は、AA由来の構成単位を0.05mmol/g含み、質量平均分子量は132,000であった。
[合成例2~8]
合成例1と同様の方法で、表1の組成及び仕込量に従って合成を行い、プレポリマー(A)である(P1-2)~(P1-8)を得た。
<プレポリマー(A)の合成>
[合成例9]
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、DCC50g、プレポリマー(A)である(P1-1)20g、縮合剤であるPyBOP0.5gを仕込み、室温で30分間撹拌した。攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた空の反応容器を用意し、DCC10g、リンカー分子(l)であるEDA0.6gを仕込み、撹拌した。DEAを含む溶液に、(P1-1)を含む溶液を室温、窒素雰囲気下で滴下し、3時間室温で撹拌した。3時間の反応後、水30gで2回洗浄し、ダイヤフラムポンプでDCCを除去し、リンカー(L)が修飾されたプレポリマー(A)である(P2-1)を得た。
[合成例11~18]
合成例8と同様の方法で、表2の組成及び仕込量に従って合成を行い、プレポリマー(A)である(P2-2)~(P2-9)を得た。
<べプチド修飾ポリマー(A)の合成>
[実施例1]
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、DCC5g、側鎖保護基導入Fmocアミノ酸であるAsp(4-tert-Butyl N-[(9H-Fluoren-9-ylmethoxy)carbonyl]-L-aspartate)4.2g、縮合剤であるPyBOP1.1gを仕込み、30分間室温撹拌した。攪拌機、窒素導入管を備えた別の反応容器に、DCC80g、プレポリマー(A)である(P2-1)40gを仕込み、Fmoc-Aspを含むDCC溶液を室温で添加し、1時間室温で反応させた。水で再沈殿後、20%ピペリジンを含むDMF溶液でFmoc基を脱保護し、再度水で再沈殿し、溶媒を除去した。以上の操作を1サイクルとし、Fmocアミノ酸修飾の度に本サイクルを実施した。Asp、Gly、Argの導入後、溶媒を除去し、TFA/水=9/1の強酸水溶液で2時間静置することで、側鎖の脱保護を実施した。ダイヤフラムポンプで溶媒を除去し、機能性ペプチド(P)であるRGDペプチドを0.05mmol/g含む、ポリマー(A)を得た。
[実施例2~10]
実施例1と同様の方法で、表3の組成及び仕込量に従って合成を行い、ポリマー(A)である(P3-2)~(P3-10)を得た。
[比較例1]
攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、水10g、Fmoc固相合成法により合成されたRGDペプチド3.5g、縮合剤であるDMT-MM(東京化成工業(株)製)2.8gを仕込み、30分間室温撹拌した。攪拌機、窒素導入管を備えた別の反応容器に、エタノール10g、プレポリマー(A)である(P2-2)5gを仕込み、エタノール溶液に上述のRGDペプチドを含む水溶液を添加し、2時間室温撹拌した。溶媒除去後、DCCを加え、水で洗浄した後、ダイヤフラムポンプで溶媒を完全に除去し、ポリマー(A)である(P3-11)を得た。
[比較例2]
比較合成例1と同様の方法で、表3の組成及び仕込量に従って合成を行い、ポリマー(A)である(P3-12)を得た。(P3-12)は非機能性のGGGペプチドを含む。
Figure 2022042061000003
Figure 2022042061000004
Figure 2022042061000005

[ポリマー溶液(コーティング液)の調製]
合成例2、9、実施例1~10および[比較例1~2]で得られたポリマー(P1-2)(P2-2)(P3-1~12)をポリマー濃度が1%となるようエタノールに希釈し、ポリマー溶液を調製した。
[細胞培養用部材(S-1~10、12~16)の作製]
下記の直径35mmの未処理ディッシュ(D-1)に、上述のコーティング液を1mL添加し、3000rpmで30秒間スピンコートした。室温で24時間乾燥させ、コーティング液で内面が被覆された細胞培養用部材(S-1~10、12~16)を調製した。
[細胞培養用部材(S-11)の作製]
下記の直径35mmの未処理ディッシュ(D-2)に、上述のコーティング液を1mL添加し、3000rpmで30秒間スピンコートした。室温で24時間乾燥させ、コーティング液で内面が被覆された細胞培養用部材(S-1~11)を調製した。
・未処理細胞培養用部材(D-1)
コーニング製細胞培養用ディッシュ(材質:ポリスチレン)(培養表面は未処理)を使用した。
・未処理細胞培養用部材(D-2)
AGCテクノグラス製細胞培養用ディッシュ(材質:ポリスチレン)(培養表面は未処理)を使用した。
[実施例11]
<耐水性試験>
得られた細胞培養用コート剤を、精密秤量した浅型金属容器に2.0g添加し、150℃で10分加熱し乾燥させた。オーブンから取り出し、浅型金属容器ごと精密秤量した後、浅型金属容器にイオン交換水5.0gを加え一晩静置した。浅型金属容器からイオン交換水を吸引排出した後、再度150℃で10分乾燥し、浅型金属容器を精密秤量した。下記式で水への溶解度を算出し、耐水性を4段階の評価基準に基づいて評価した。

水への溶解度(%)=100-[(z-x)/(y-x)]×100
x:浅型金属容器の質量(g)
y:イオン交換水で処理する前の質量(g)
z:イオン交換水で処理した後の質量(g)

◎:水への溶解度≦2%
○:2%<水への溶解度≦4%
△:4%<水への溶解度≦10%
×:10%<水への溶解度
<細胞のATPアッセイ(毒性試験)>
細胞培養用コート剤の細胞毒性を細胞のATPを測定することで評価した。U字底96ウェルプレートに、得られた細胞培養用コート剤を各ウェルに約0.4mlずつ注入した。これを吸引排出した後、50℃で3時間乾燥させることにより、ポリマー溶液で内面が被覆されたプレートを調製した。
これをエチレンオキサイドガス滅菌した後、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)にウシ胎児血清(FBS)を10%添加したものを培地とし、マウス線維芽細胞用細胞株(NIH3T3細胞)を1ウェルあたり1×10個/100μL播種し、5%CO/37℃のインキュベーターで5日目まで培養した。
細胞毒性は、1,5日後にATPアッセイを行うことによって評価した。具体的には、培養後のウェルに100μLのATP試薬(『塊』のATP測定試薬:東洋ビーネット社製)を添加、5回ピペッティングし、5分間室温で静置した後、100mlの試薬・細胞溶解液を別プレートに分取し1分間撹拌した。これをMithrasLB940(Berthold社製)を用いて発光量を測定した。

細胞毒性=(培養5日後の発光量)/(培養1日後の発光量)×100

◎:50%以上(非常に良好)
○:20%以上50%未満(良好)
△:15%以上20%未満(やや不良)
×:15%未満(不良)
<iPS細胞の細胞占有面積率の測定>
接着性細胞は、基材やフィーダー細胞などへの接着を経て増殖することが知られている。そこで、細胞の接着性の指標として、今回は細胞占有面積率を採用した。細胞占有面積率が高い程、細胞が接着性を示し高い増殖活性が示唆される。
細胞培養容器(S-1)にReproFF2培地((株)リプロセル製)を2mL添加し、さらにヒトiPS細胞(Customized iPS model cell、(株)リプロセル製)を一定量(約1×10cells/cm)播種し、5%CO/37℃のインキュベーターで5日間培養を行った。培地は2日に1会の頻度で交換を行った。培養5日後の細胞培養容器を位相差顕微鏡((株)ニコン製)を用いて目視観察を行い、細胞専有面積率を測定した。

◎:細胞占有面積率 80%以上
○:細胞占有面積率 50%以上~80%未満
△:細胞占有面積率 20%以上~50%未満
×:細胞占有面積率 20%未満
<アルカリホスファターゼ(AP)染色>
未分化性iPS細胞は高いアルカリホスファターゼ活性を示す。逆に、分化細胞はアルカリホスファターゼ活性を示さず染色されない。試薬として、Sigma-Aldrich製の「Leukocyte Alkaline Phosphatase Kit」を使用した。
iPS細胞を培養した後、シャーレ中の培地を除いてPBS(リン酸緩衝液)を加え、細胞を洗浄した後、PBSを除く。続いて、固定液を加え、1分間静置後、染色液を除去し水で洗浄し、封入剤を入れ、カバーガラスで多い顕微鏡観察する。アルカリホスファターゼ活性を示す場合(陽性)、赤く染色される。下記のように、陽性、陰性を判断した。

○:陽性
×:陰性
[実施例12~22][比較例3~7]
表4に従って細胞培養用容器、培地を変更し、実施例11に記載の手順で耐水性、ATPアッセイ(細胞毒性)、iPS細胞の細胞占有面積率の測定、アルカリホスファターゼ染色を評価した。比較例7は未処理細胞培養用部材(D-1)をそのまま使用した。結果は表4に記載した。
上記4項目において表4の通り、本発明のコート剤が従来技術に対して優位な結果を示すことを確認した。
Figure 2022042061000006

本発明のペプチド修飾ポリマーは、機能性ペプチドをFmoc合成法で合成ポリマーに修飾することで、ペプチドの機能を損なうことなくペプチド修飾ポリマーを安価に提供することができる。
また、本発明のコート剤を使用することで、毒性がなく、合成ポリマーとしては高効率かつ高品質でiPS細胞の培養ができる点において有用である。


Claims (9)

  1. 機能性ペプチド(P)がリンカー(L)を介してビニル系ポリマーに結合されたペプチド修飾ポリマー(A)であって、機能性ペプチド(P)は実質的にC末端のみでリンカー(L)と結合され、リンカー(L)はアミド結合によってビニル系ポリマーと結合されたペプチド修飾ポリマー(A)。
  2. 機能性ペプチド(P)が細胞接着性を示す請求項1記載のペプチド修飾ポリマー(A)
  3. 機能性ペプチド(P)が、RGD配列、LDV配列、REDV配列、YIGSR配列、PDSGR配列、RYVVLPR配列、LGTIPG配列、RNIAEIIKDI配列、IKVAV配列、LRE配列、DGEA配列、HAV配列、GVKGDKGNPGWPGAP配列、GEFYFDLRLKGDK配列、およびYKLNVNDS配列からなる群から選ばれる少なくとも1種の配列を含む請求項1または2に記載のペプチド修飾ポリマー(A)。
  4. 機能性ペプチド(P)が、ペプチド修飾ポリマー(A)を基準として0.05~10mmol/g含有されることを特徴とする、請求項1~3いずれかに記載のペプチド修飾ポリマー(A)。
  5. リンカー(L)が、下記一般式(1)の2つのアミノ基を有するリンカー分子(l)から構成される、請求項1~4いずれかに記載のペプチド修飾ポリマー(A)。
    一般式(1)
    Figure 2022042061000007



    (式中、Rはアルキレン基、アリーレン基、またはこれらを2種以上組み合わせてなる2価の構造を示す。)
  6. 機能性ペプチド(P)がリンカー(L)を介してビニル系ポリマーに結合されたペプチド修飾ポリマー(A)の製造方法であって、
    リンカー分子と反応する官能基を有するモノマーを含むモノマー組成物を重合してプレポリマー(A)を得る第1のステップと、
    プレポリマー(A)とリンカー分子(l)を縮合してリンカー(L)が修飾されたプレポリマー(A)を得る第2のステップと、
    Fmoc合成法によりプレポリマー(A)に機能性ペプチド(P)を修飾してポリマー(A)を得る第3のステップと、
    を含むペプチド修飾ポリマー(A)の製造方法。
  7. 請求項1~5いずれかに記載のペプチド修飾ポリマー(A)を含む、細胞培養用コート剤。
  8. 請求項7に記載の細胞培養用コート剤からなる細胞培養用塗膜を有する細胞培養用部材であって、接着性細胞の培養に用いられる、細胞培養用部材。
  9. 細胞培養用基材の表面に、請求項7に記載の細胞培養用コート剤を塗工し、次いで乾燥し、細胞培養用塗膜を設けることを特徴とする、細胞培養用部材の製造方法。
JP2020147238A 2020-09-02 2020-09-02 ペプチド修飾ポリマーとその利用方法 Pending JP2022042061A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020147238A JP2022042061A (ja) 2020-09-02 2020-09-02 ペプチド修飾ポリマーとその利用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020147238A JP2022042061A (ja) 2020-09-02 2020-09-02 ペプチド修飾ポリマーとその利用方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022042061A true JP2022042061A (ja) 2022-03-14

Family

ID=80629274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020147238A Pending JP2022042061A (ja) 2020-09-02 2020-09-02 ペプチド修飾ポリマーとその利用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022042061A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023127779A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 積水化学工業株式会社 細胞足場材形成用塗工液及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023127779A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 積水化学工業株式会社 細胞足場材形成用塗工液及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102469649B1 (ko) 세포 배양 기재
JP6759958B2 (ja) 温度応答性基材、その製造方法及びその評価方法
JP6080777B2 (ja) 細胞培養のための合成被覆
JP5831666B1 (ja) 細胞培養用部材
JP6205372B2 (ja) 細胞培養のための合成接着培地
JP5916256B2 (ja) 細胞培養のための合成組成物および被覆
JP2013500980A (ja) ペプチド−ポリマー細胞培養物品およびその製造方法
US11499136B2 (en) Cell culture substrate
Nishimura et al. Photocleavable peptide–poly (2-hydroxyethyl methacrylate) hybrid graft copolymer via postpolymerization modification by click chemistry to modulate the cell affinities of 2D and 3D materials
JP2008237088A (ja) 細胞培養基材及び細胞培養方法
WO2019035436A1 (ja) 多能性幹細胞の培養基材及び多能性幹細胞の製造方法
KR20100049532A (ko) 세포 배양 기재
JP2022042061A (ja) ペプチド修飾ポリマーとその利用方法
Reed et al. The effects of cell culture parameters on cell release kinetics from thermoresponsive surfaces
Kowalczuk et al. Asymmetric Block Extension of Star‐Shaped [PEG‐SH] 4–toward Poly (dehydroalanine)‐Functionalized PEG Hydrogels for Catch and Release of Charged Guest Molecules
JP7323182B2 (ja) 細胞接着性の親水性改質細胞培養基材
JP7271870B2 (ja) 多能性幹細胞の培養基材及び多能性幹細胞の製造方法
JP2021151210A (ja) マイクロキャリアおよびそれを用いた細胞の培養方法
JPWO2020066685A1 (ja) タンパク質付着抑制用共重合体、共重合体の製造方法、樹脂改質剤、成形材料、共重合体含有組成物、塗膜および物品
JP6314458B2 (ja) 温度応答性を有する細胞培養基材およびその製造方法
JP6024796B2 (ja) 細胞培養基材及び細胞培養方法
JPH06339367A (ja) 細胞培養材料、製造および培養方法
JP2019104783A (ja) 共重合体、基材用表面処理剤および細胞培養基材
Dey Thermo-responsive surfaces for enzyme free mammalian cell culture
JP2013176402A (ja) 細胞培養基材及び細胞培養方法