JP2022018949A - フライトコンベアのチェーンおよびフライトコンベア - Google Patents
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Abstract
Description
第1発明のフライトコンベアのチェーンは、フライトを有するフライトコンベアに使用されるチェーンであって、該チェーンは、複数のリンクがピンによって連結されたものであり、該リンクは、該アーム部と、アーム部が連結された第一端部と、隣接するリンクのアーム部と前記ピンによって連結される第二端部と、を有する連結部と、を備えており、該連結部は、フライトコンベアのケーシング内側面と対向する外側面に、該連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成された連結部保護層を有していることを特徴とする。
第2発明のフライトコンベアのチェーンは、第1発明において、前記連結部保護層は、前記連結部の底面および/または前記連結部の第一端部の端面に、該連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成された底面保護層および/または前端面保護層を有していることを特徴とする。
第3発明のフライトコンベアのチェーンは、第1または第2発明において、前記連結部保護層は、該連結部保護層によって前記連結部の底面、前記外側面および前記第一端部の端面によって形成されていた角部に対応する角部が形成されるように設けられていることを特徴とする。
第4発明のフライトコンベアのチェーンは、第1、第2または第3発明において、前記連結部保護層は、前記連結部の底面および/または前記外側面および/または前記第一端部の端面に凹み部を設けて、該凹み部に該連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材を配置して形成されていることを特徴とする。
第5発明のフライトコンベアのチェーンは、第1、第2、第3または第4発明において、前記アーム部の底面に、該アーム部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成されたアーム部保護層が設けられていることを特徴とする。
第6発明のフライトコンベアのチェーンは、第1から第5発明のいずれかにおいて、前記リンク部材は、前記外側面と反対側に位置する内側面にフライトが連結されるフライト連結部を有しており、該フライト連結部の底面に、該フライト連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成されたフライト連結部保護層が設けられていることを特徴とする。
第7発明のフライトコンベアのチェーンは、第1から第6発明のいずれかにおいて、前記連結部保護層および/または前記アーム部保護層および/または前記フライト連結部保護層が肉盛溶接によって形成されていることを特徴とする。
<フライトコンベア>
第8発明のフライトコンベアは、第1から第7発明のいずれかに記載されたフライトコンベアのチェーンが使用されていることを特徴とする。
第1、第2、第3発明によれば、連結部におけるフライトコンベアの居付きと接触する部分に連結部保護層が形成されているので、連結部の耐摩耗性を高くでき、リンクおよびチェーンを長寿命化できる
第4発明によれば、連結部保護層の厚みを均一化しやすくなる。また、連結部保護層を設けても、連結部の形状を連結部保護層を設けない状態と同等に維持し易くなる。
第5発明によれば、アーム部の耐摩耗性を高くできる。
第6発明によれば、フライト連結部の耐摩耗性を高くできる。
第7発明によれば、各保護層の形成が容易になる。
<フライトコンベア>
第8発明によれば、チェーンを長寿命化できるので、フライトコンベアの操業効率の低下を防止できる。
図7に示すように、銅製錬設備Aでは、ロータリースチームドライヤー等の乾燥設備Dによって乾燥された銅精鉱、すなわち乾燥精鉱は、搬送手段Sによって貯蔵設備Tに搬送され、貯蔵設備Tにおいて貯蔵された後、熔錬炉Yに装入されて熔錬される。かかる搬送手段Sにおいて、乾燥設備Dから乾燥精鉱が装入され、流送設備S2まで乾燥精鉱を搬送するためにフライトコンベアS1は設けられる。
つぎに、フライトコンベアS1の概略構造を簡単に説明する。
図3および図4に示すように、フライトコンベアS1は、ケーシングKと、一対のチェーン1,1と、その一対のチェーン1,1間に設けられた複数のフライトFと、から構成されている。
つぎに、本実施形態のフライトコンベアS1のチェーン1を説明する。 本実施形態のフライトコンベアS1のチェーン1は、リンク10に保護層を設けたことに特徴を有しているが、まず、チェーン1およびリンク10の基本的な構成を説明する。
図1および図2に示すように、リンク10は、上述したように、アーム部11と、連結部15と、フライト連結部12とを有しており、これらが一体で形成されている。具体的には、図2に示すように、後述のアーム部11の第二端部(図2(A)、(B)では右端部)が後述の連結部15の架橋壁17の前端面15d(図2(A)、(B)では左端面)と連続するようにアーム部11および連結部15が設けられている。また、アーム部11の内方側面(図2(A)では下方の側面)には、アーム部11の内方側面と連続するようにフライト連結部12が設けられている。
以下では、アーム部11、連結部15およびフライト連結部12の構造について詳しく説明する。
アーム部11は、その第一端部(図2(A)、(B)では左端部)から第二端部に向かって延びる長尺な板状の部材であり、その底面が平坦面に形成されている。このアーム部11は、複数のリンク10によってチェーン1を形成した際に、その長手方向がチェーン1の移動方向に沿った方向となるように設けられている(図1(B)参照)。このアーム部11は、その第一端部(図2では左端部)にアーム部11の長手方向と直交するようにピン孔11hが形成されている。このピン孔11hは、ピン2が挿通される貫通孔であり、ピン2の直径と同等となるように形成されている。具体的には、ピン孔11hにピン2が挿通された状態でピン2の中心軸周りにピン2とアーム部11とが相対的に回転でき、しかも、両者のがたつきが少なくなる大きさにピン孔11hは形成されている。
アーム部11の第二端部は、連結部15の架橋壁17の前端面15dに連結されている(なお、連結部15の架橋壁17が特許請求の範囲にいう「連結部の第一端部」に相当する)。この連結部15は、架橋壁17と、この架橋壁17の前端面15dとは反対側の後端面15eと連続するように設けられた一対の連結壁16,16と、から構成されている。
架橋壁17は、その幅の長さ(図2(A)の上下方向の長さ)がアーム部11の幅よりも長くなっており、アーム部11は架橋壁17の幅方向の中間に位置するように連結されている。
また、一対の連結壁16,16は、アーム部11の長手方向に沿って延びる板状の部材であり、両者間にアーム部11の長手方向(図2(A)、(B)の左右方向)に沿って延びる溝15hが形成されるように設けられている。一対の連結壁16,16間の溝15hは、その幅、つまり、一対の連結壁16,16の内面間の距離がアーム部11の幅より若干長くなるように形成されている。つまり、一対の連結壁16,16間に他のリンク10のアーム部11を配置できるように形成されている。しかも、この溝15hは、他のリンク10のアーム部11が挿入されると、架橋壁17の前端面15dに連結されているアーム部11と他のリンク10のアーム部11とがほぼ同軸上に並ぶように形成されている(図2(A)参照)。
図1に示すように、フライト連結部12は、フライトFの下端部をリンク10に連結するために設けられており、アーム部11の一方の側面に設けられている。具体的には、フライト連結部12は、フライトFの下端部を挿入する凹み部12hを有している。この凹み部12hは、フライトFの下端部を挿入すると、フライトFの表面がアーム部11の長手方向と直交するように形成されている。したがって、フライトFの下端部を凹み部12hに挿入して両者を連結すれば、フライトFをリンク10によって形成されたチェーン1に連結でき、しかも、フライトFをその表面がチェーン1の移動方向と直交するように配置することができる。なお、フライトFの下端部を凹部12hに挿入した状態で両者を固定する方法はとくに限定されない。例えば、ボルトやねじ等によって固定することができる。
ところで、フライトコンベアS1で搬送物Mを搬送すると、搬送物Mがチェーン1とケーシングKの側壁K2との間、つまり、チェーン1とライナLとの間に漏れ出す場合がある。漏れだした搬送物MがケーシングK内の水蒸気を吸湿すると、チェーン1とライナLとの間に居付きDPが形成される(図4参照)。かかる居付きDPが形成されると、チェーン1におけるリンク10の連結部15が接触し、リンク10の連結部15が摩耗する可能性がある。
連結部保護層20は、上述した連結部15の外側面15sだけでなく、連結部15の底面15bと連結部15の架橋壁17の前端面15dの両方、または、いずれか一方に連結部保護層20を形成してもよい。
図1および図2に示すように、連結部15の底面15bに底面保護層22を設けてもよい。かかる底面保護層22を設ければ、ケーシングKの底壁K1の上面との摩擦によって連結部15が摩耗することを防止できる。つまり、チェーン1が移動するとリンク10の連結部15はケーシングKの底壁K1の上面を滑りながら移動するので、連結部15の底面15bはケーシングKの底壁K1との間の摩擦によって摩耗する。しかし、底面保護層22を設けておけば、底面保護層22は連結部15を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成されているので耐摩耗性が高くなっている。したがって、底面保護層22を設けておけば、連結部15の底面15bがケーシングKの底壁K1の上面と直接接触する場合に比べて、連結部15の寿命、つまり、リンク10の寿命を長くすることができる。
また、連結部15の架橋壁17の前端面15dには前端面保護層23を設けてもよい。かかる前端面保護層23を設ければ、チェーン1の移動方向において、連結部15の移動方向前方に居付きDPが形成されても、この居付きDPには前端面保護層23を接触させることができる。前端面保護層23は連結部15を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成されているので耐摩耗性が高くなっている。したがって、前端面保護層23を設けておけば、連結部15が居付きDPと接触する場合に比べて、連結部15の寿命、つまり、リンク10の寿命を長くすることができる。
連結部15に形成される連結部保護層20(つまり、上述した側面保護層21、底面保護層22および前端面保護層23)は、上述したように、連結部15の素材よりも高硬度な材料によって形成されていればよく、とくに限定されない。
連結部保護層20を形成する方法はとくに限定されない。例えば、肉盛溶接等の方法で連結部保護層20を形成することができる。例えば、肉盛溶接の場合には、連結部保護層20を形成するための成分構成を有する溶接材料を、熱源で熔融して連結部保護層20を形成する箇所に対して被覆、肉盛すれば連結部保護層20を形成することができる。肉盛溶接によって連結部保護層20を形成すれば、連結部保護層20を簡便に形成できる。かかる肉盛溶接に使用される溶接材料もとくに限定されない。例えば、JISZ3251「硬化肉盛用被覆アーク溶接棒」で規定される5.2%Cr-1.2%Mo-1.45%Wを代表組成とするDF3C-Bや、30クロム鋳鉄系の溶接棒であるDFCrAを肉盛溶接に使用する溶接材料として挙げることができる。
上記例では、連結部15に連結部保護層20を設ける場合を説明したが、アーム部11やフライト連結部12に連結部保護層20と同等の機能有する保護層(アーム部保護層25、フライト連結部保護層26)を設けてもよい(図2参照)。アーム部11やフライト連結部12は居付きDPと接触する可能性は低いが、チェーン1が移動するとケーシングKの底壁K1の上面を滑りながら移動するので、アーム部11の底面11bやフライト連結部12の底面12bはケーシングKの底壁K1との間の摩擦によって摩耗する。したがって、アーム部11の底面11bやフライト連結部12の底面12bに、上述した連結部保護層20と同等の素材や同様の方法によって保護層(アーム部保護層25およびフライト連結部保護層26)を設けてもよい。すると、連結部15だけでなく、アーム部11やフライト連結部12の耐摩耗性も高くできるので、リンク10を高寿命化しやすくなり、チェーン1も高寿命化しやすくなる。
上記例では、リンク10の連結部15が一対の連結壁16,16を有する場合を説明した。しかし、リンク10は、連結部15が連結壁16を一つだけ有する構造としてもよい。例えば、図1およい図2において、一対の連結壁16,16のうち、いずれか一方だけを設けた構造としてもよい。この場合でも、連結壁16は、連結壁16とアーム部11とを連結すると、架橋壁17の前端面15dに連結されているアーム部11と他のリンク10のアーム部11とがほぼ同軸上に並ぶように形成されていることが望ましい。
[実施例1]
リンクを機械構造用炭素鋼(SS)で形成し、連結部において以下1)~3)に記載した範囲に5mm深さの掘り込み加工を行い、掘り込み加工後の加工面に30クロム鋳鉄系の溶接棒であるDFCrAを使用して、6mmの厚みの肉盛溶接を行った。そして、この肉盛溶接に形成された肉盛溶接部の表層に対して1mmの除去加工(機械加工)を行い、5mmの厚みの保護層を形成した。
なお、連結部の長さL、高さH、および幅Wは、それぞれ100mm、60mm、90mmである。
1)連結部の外側面おいて、チェーンの進行方向に対して前端部となる面端、および、リンク連結部の底面に接続する面端からそれぞれ20mmの範囲
2)連結部の底面において、チェーンの進行方向に対して前端部となる面端、および、リンク連結部の外側面に接続する面端からそれぞれ20mmとなる範囲
3)リンク連結部の前端面において、リンク連結部の外側面に接続する面端、および、リンク連結部の底面に接続する面端からそれぞれ20mmの範囲
リンクに保護層を形成しないこと以外は、実施例1と同一にして実操業を行った。その結果、10カ月を経過した時点でチェーンの交換が必要となった。
2 ピン
10 リンク
11 アーム部
12 フライト連結部
15 連結部
15b 底面
15s 外側面
15d 架橋壁の前端面
15e 架橋壁の後端面
15g 凹み部
16 連結壁
17 架橋壁
20 連結部保護層
21 側面保護層
22 底面保護層
23 前端面保護層
25 アーム部保護層
26 フライト連結部保護層
S1 フライトコンベア
F フライト
K ケーシング
K1 底壁
K2 側壁
M 搬送物
Claims (8)
- フライトを有するフライトコンベアに使用されるチェーンであって、
該チェーンは、
複数のリンクがピンによって連結されたものであり、
該リンクは、
アーム部と、
該アーム部が連結された第一端部と、隣接するリンクのアーム部と前記ピンによって連結される第二端部と、を有する連結部と、を備えており、
該連結部は、
フライトコンベアのケーシング内側面と対向する外側面に、該連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成された連結部保護層を有している
ことを特徴とするフライトコンベアのチェーン。 - 前記連結部保護層は、
前記連結部の底面および/または前記連結部の第一端部の端面に、該連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成された底面保護層および/または前端面保護層を有している
ことを特徴とする請求項1記載のフライトコンベアのチェーン。 - 前記連結部保護層は、
前記連結部の底面、前記外側面および前記第一端部の端面によって形成されていた角部に対応する角部を形成するように設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載のフライトコンベアのチェーン。 - 前記連結部保護層は、
前記連結部の底面および/または前記外側面および/または前記第一端部の端面に凹み部を設けて、該凹み部に該連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材を配置して形成されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のフライトコンベアのチェーン。 - 前記アーム部の底面に、該アーム部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成されたアーム部保護層が設けられている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のフライトコンベアのチェーン。 - 前記リンク部材は、
前記外側面と反対側に位置する内側面にフライトが連結されるフライト連結部を有しており、
該フライト連結部の底面に、該フライト連結部を形成する素材よりも硬度の高い素材によって形成されたフライト連結部保護層が設けられている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のフライトコンベアのチェーン。 - 前記連結部保護層および/または前記アーム部保護層および/または前記フライト連結部保護層が肉盛溶接によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のフライトコンベアのチェーン。 - 請求項1から7のいずれかに記載されたフライトコンベアのチェーンが使用されている
ことを特徴とするフライトコンベア。
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