JP2021531147A - 人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器のための装置、及び最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官 - Google Patents

Abstract

本開示は、人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器（１）のための装置であって、閉鎖要素（９）が要素面にわたってそれぞれ面状に延び、そして前記閉鎖要素（９）が一緒に弁開口を閉鎖する閉鎖位置と、前記弁開口を通る貫流が解放される開放位置との間で変位可能である、弁要素（６）と、アンカー要素（７）であって、自己拡張可能なアンカーを有し、そして心臓の右心房への静脈開口に隣接して、前記上大静脈又は下大静脈の領域内に前記弁要素（６）を固着するように構成されている、アンカー要素（７）と、可撓性のシールカラー（８）と、を有する、閉鎖機器（１）のための装置に関する。さらに、最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官が提供される。

Description

本発明は、人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器のための装置、並びに最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官に関する。

最小限の侵襲性で植え込むことができる僧帽弁又は三尖弁人工器官が、特許文献１に基づき公知である。弁人工器官は、位置決め及び位置固定のために、自己拡張性の広幅メッシュに不動に結合されている。ステントはその形状が左心房又は右心房の三次元的に測定されたジオメトリに適合されており、植え込み後には心房の内壁に当接する。

欧州特許出願公開第３２３１３９３号明細書

本発明の課題は、植え込み部位に確実に位置付け可能であり、且つ確実な開閉を可能にする、人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器のための装置、及び最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官を提供することである。

解決のために、人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器のための装置が提供される。対等の請求項１６は、最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官に関する。さらなる構成は従属請求項の対象である。

１つの態様によれば、人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器のための装置であって、閉鎖要素が要素面にわたってそれぞれ面状に延び、そして前記閉鎖要素が一緒に弁開口を閉鎖する閉鎖位置と、前記弁開口を通る貫流が解放される開放位置との間で変位可能である、弁要素と、アンカー要素であって、自己拡張可能なアンカーを有し、そして心臓の右心房への静脈開口に隣接して、前記上大静脈又は下大静脈の領域内に前記弁要素を固着するように構成されている、アンカー要素と、可撓性のシールカラーと、を有する、閉鎖機器のための装置が提供される。

更なる態様によれば、このような装置を有する、最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官が提供される。

提案された閉鎖機器は、アンカー要素によって植え込み部位に確実に位置固定することができる。閉鎖要素を備えた弁要素は、貫流を阻止又は許容するために信頼性の高い開閉を保証する。

互いに隣接する閉鎖要素は少なくとも閉鎖位置で、縁部側の区分内でオーバーラップしていてよい。

弁要素は一方向弁として形成されていてよい。

一部又は全ての閉鎖要素は、円錐周面の閉鎖面に相応する閉鎖位置に配置されていてよい。

一部又は全ての閉鎖要素は、貫流方向に対して横方向に配置された閉鎖面を形成するように閉鎖位置に配置されていてよい。

閉鎖要素は閉鎖位置から開放位置への変位のために、持ち上げることにより貫流方向に互いに間隔を置いて変位させられるようになっていてよい。

閉鎖要素は、旋回することにより閉鎖位置と開放位置との間で変位可能であってよい。

閉鎖要素が、旋回軸線を中心として旋回可能であり、可撓性のシールカラーによって生成された平面の領域内に、又は平面に隣接して配置されていてよい。

旋回軸線が弁開口と交差するように形成されていてよい。

一部又は全ての閉鎖要素は少なくとも対を成して保持要素によって結合されていてよい。

一部又は全ての閉鎖要素は面剛性を有する閉鎖要素として構成されていてよい。

アンカー要素は、以下のアンカー区分、すなわち、心膜又は合成膜状プラスチック材料で覆われた第１アンカー区分、及び心膜及び合成膜状プラスチック材料がない第２アンカー区分、のうちの少なくとも一つを有していてよい。

自己拡張可能なアンカーは、以下のグループ、すなわち自己拡張可能な螺旋要素と自己拡張可能なステントとのグループから成る少なくとも一つのアンカーを有していてよい。

一部又は全ての閉鎖要素は生物学的材料から成っていてよい。生物学的材料としては、例えば心膜を使用することができる。

一部又は全ての閉鎖要素は非生物学的材料から成っていてよい。利用可能な非生物学的材料は例えばプラスチックである。

図面を参照しながらさらなる実施例を以下に詳述する。

図１は静脈内に植え込まれた閉鎖機器を示す概略図である。 図２は図１の閉鎖機器の要素を示す概略図である。 図３は閉鎖機器の要素の別の実施態様を示す概略斜視図である。 図４は静脈の領域内に植え込まれたさらなる閉鎖機器を示す概略図である。 図５は別の閉鎖機器を示す概略図である。 図６は更なる閉鎖機器の閉鎖要素を示す概略図である。 図７は持ち上げカバーを備えた閉鎖機器を示す概略図である。 図８は持ち上げ漏斗を備えた静脈内の閉鎖機器を示す概略図である。 図９は別の弁要素を示す概略図である。 図１０は更なる弁要素を示す概略図である。

図１は、静脈２の領域内の最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器１を示す概略図である。閉鎖機器１によって、静脈２内の流路を開閉することができる。図１において矢印Ａによって示された貫流方向でのみ貫流が可能である。逆方向では、閉鎖機器１は閉鎖して逆流を可能にしない。

大静脈３の区分、肝静脈４の区分、並びに心臓５の右心房の区分が示されている。

閉鎖機器１は、弁要素６と、アンカー要素７と、環状に形成された可撓性のシールリング８とを有している。図示の実施態様では、アンカー要素７は自己拡張性のアンカーとして形成されている。アンカーは螺旋７ａを有している。

弁要素６は閉鎖要素９を有するように構成されている。閉鎖要素９は変位可能であり、中心マスト１０を中心として配置又は張設されている。閉鎖要素９によってセイル（帆）（Segel）が形成されている。図２からより詳細に判るように、これらのセイルは層状に、そして側方でオーバーラップした状態で配置されている。貫流を可能にするために、閉鎖要素９は傾倒又は旋回するので（図２における破線の位置）、互いに隣接する閉鎖要素間には貫通部２０が形成可能になる。

図３は、閉鎖機器１のさらなる実施態様の要素を示す概略図である。閉鎖要素９は、これらに下方から流れが接近すると、貫流空間２０が解放されるように開く。上側領域３０内では、閉鎖要素９はシーム３１によって縫い合わされている。

図４は、最小限の侵襲性で植え込まれる閉鎖機器１の別の実施態様を示す概略図である。弁要素６は、２つのフラップ４０，４１を有する閉鎖要素９によって形成されている。これらのフラップはそれぞれ旋回軸４２を中心として旋回可能である。アンカー要素７はステント４３を有するように形成されている。このステント４３には鈎４４が設けられており、これにより固着を支援する。或いは、図４に更に示されているように、弁要素６を開くために、閉鎖要素９を互いに重なり合って（互いに向き合って）旋回させることもできる。

図５は、閉鎖機器１の一実施態様の要素を示す概略図である。この閉鎖機器の場合、弁要素６の閉鎖要素９は唯一の旋回可能なフラップ５０を有している。閉鎖要素９はニチノールリング５１内に縫い込まれている。

図６は、更なる実施態様を示す概略図である。この実施態様では、閉鎖機器１の閉鎖要素９は、持ち上げディスク６０によって形成されている。これらの持ち上げディスクは下方から流れが接近すると持ち上がることにより、互いに隣接する閉鎖要素間で貫流空間２０を解放する。上方から見て、互いに隣接する閉鎖要素は縁部側で重なっている。

図７は、閉鎖機器の別の実施態様を示す概略図である。この実施態様では、閉鎖要素は持ち上げカバー７０によって形成されている。持ち上げカバーは下方から流れが接近すると持ち上げられ、貫流空間２０を解放する。

同等の機能を有するように、図８に示された閉鎖機器の実施態様が形成されている。この実施態様では、持ち上げカバー６０は梨形状を有するように形成されている。

閉鎖機器の図９に示された実施態様の場合、同等に重なった花弁状部材の閉鎖要素９は、可撓性シールリング８内部で閉鎖状態にある。閉鎖要素９の装置に流れが接近すると、閉鎖要素９は開放旋回し、そして互いに隣接する閉鎖要素の間で貫流領域を解放する。

更なる実施形態において、閉鎖機器１の弁要素６は、閉鎖要素９を形成するチューブ１００を有するように形成されている。そしてチューブ１００は、これに流れが接近すると拡張し、そして次いで再び開口を閉鎖するように収縮する。

前記明細書、請求項、並びに図面に開示された特徴は、個別でも、任意の組み合わせでも、種々の実施態様を実現するために有意義であり得る。

Claims (16)

1. 人体の上大静脈又は下大静脈内に最小限の侵襲性で植え込むことができる閉鎖機器（１）のための装置であって、
   弁要素（６）であって、閉鎖要素（９）が要素面にわたってそれぞれ面状に延び、そして前記閉鎖要素（９）が一緒に弁開口を閉鎖する閉鎖位置と、前記弁開口を通る貫流が解放される開放位置との間で変位可能である、弁要素（６）と、
   アンカー要素（７）であって、自己拡張可能なアンカーを有し、そして心臓の右心房への静脈開口に隣接して、前記上大静脈又は下大静脈の領域内に前記弁要素（６）を固着するように構成されている、アンカー要素（７）と、
   可撓性のシールカラー（８）と、
   を有する、閉鎖機器（１）のための装置。
2. 互いに隣接する複数の閉鎖要素が少なくとも前記閉鎖位置で、縁部側の区分内で重なっていることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記弁要素（３）が一方向弁として形成されていることを特徴とする、請求項１又は２に記載の装置。
4. 一部又は全ての前記閉鎖要素（９）が、円錐周面の閉鎖面に相応する前記閉鎖位置に配置されていることを特徴とする、請求項１〜３の少なくとも一項に記載の装置。
5. 一部又は全ての前記閉鎖要素（９）が、貫流方向に対して横方向に配置された閉鎖面を形成するように、前記閉鎖位置に配置されていることを特徴とする、請求項１〜４の少なくとも一項に記載の装置。
6. 前記閉鎖要素（９）が、前記閉鎖位置から前記開放位置への変位のために、前記貫流方向で持ち上げることにより互いに間隔を置いて変位させられるようになっていることを特徴とする、請求項５に記載の装置。
7. 前記閉鎖要素（９）が、旋回することにより、前記閉鎖位置と前記開放位置との間で変位可能であることを特徴とする、請求項１〜６の少なくとも一項に記載の装置。
8. 前記閉鎖要素（９）が、旋回軸線を中心として旋回可能であり、前記可撓性のシールカラー（８）から広がる平面の領域内に、又は前記平面に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項７に記載の装置。
9. 旋回軸線が前記弁開口と交差するように形成されていることを特徴とする、請求項７又は８に記載の装置。
10. 一部又は全ての前記閉鎖要素（９）が少なくとも対を成して保持要素によって結合されていることを特徴とする、請求項１〜９の少なくとも一項に記載の装置。
11. 一部又は全ての前記閉鎖要素（９）が面剛性を有する閉鎖要素として構成されていることを特徴とする、請求項１〜１０の少なくとも一項に記載の装置。
12. 前記アンカー要素（７）が以下のアンカー区分の少なくとも一つ、すなわち、
    心膜又は合成膜状プラスチック材料で覆われた第１アンカー区分、及び
    心膜及び合成膜状プラスチック材料がない第２アンカー区分、
    のうちの少なくとも一つを有していることを特徴とする、請求項１〜１１の少なくとも一項に記載の装置。
13. 前記自己拡張可能なアンカーが、以下のグループ、すなわち、
    自己拡張可能な螺旋要素と自己拡張可能なステントのうちの少なくとも１つのアンカーを有していることを特徴とする、請求項１〜１２の少なくとも一項に記載の装置。
14. 一部又は全ての前記閉鎖要素が生物学的材料から成っていることを特徴とする、請求項１〜１３の少なくとも一項に記載の装置。
15. 一部又は全ての前記閉鎖要素が非生物学的材料から成っていることを特徴とする、請求項１〜１４の少なくとも一項に記載の装置。
16. 請求項１〜１５の少なくとも一項に記載の装置を有する、最小限の侵襲性で植え込むことができる三尖弁人工器官。

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