JP2021523217A - ジアリールピラゾール化合物、該化合物を含む組成物およびその使用 - Google Patents

ジアリールピラゾール化合物、該化合物を含む組成物およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ジアリールピラゾール化合物、該化合物を含む組成物、およびその使用を提供する。前記のジアリールピラゾール化合物は、例えば、式(I)で表われる化合物或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物である。本発明の化合物および組成物は、BRAFキナーゼ変異による増殖性疾患を治療することに用いられ、より優れた薬物動態学的特性を有する。

Description

本発明は、医薬技術分野に属し、特に、ジアリールピラゾール化合物、該化合物を含む組成物およびそれらの使用に関する。具体的に、本発明は、一部の重水素化メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバメートに関し、これらの重水素化化合物およびそれらの組成物は、BRAFキナーゼ変異による増殖性疾患を治療することができ、且つこれらの重水素化化合物は、より優れた薬物動態学的特性および/または薬力学的特性を有する。
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路は、細胞の増殖、生存、分化および移動を調整および制御する多くのエフェクター分子の活性を媒介する。細胞は、例えば、成長因子、サイトカイン、またはホルモンによって刺激され、その結果、細胞膜に関連するRasがGTPに結合し、それによって活性化されてRafを動員する。この相互作用は、Rafのキナーゼ活性を誘導し、MAPK/ERK(MEK)の直接リン酸化を引き起こし、それがさらに細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)をリン酸化する。活性化されたERKは、例えば、キナーゼ、ホスファターゼ、転写因子、細胞骨格タンパク質などの一連のエフェクター分子をリン酸化する。したがって、Ras−Raf−MEK−ERKシグナル伝達経路は、細胞表面受容体からシグナルを細胞核に伝達し、細胞の増殖および生存に不可欠である。
Rafと上流の調節因子Rasと相互作用する能力に応じて、Rafには3つの異なるアイソタイプ、すなわちA−Raf、B−Raf、およびC−Rafがある。Ras遺伝子の1つの活性化変異はすべての腫瘍の約20%で観察され、且つRas−Raf−MEK−ERK経路はすべての腫瘍の約30%で活性化される。B−Rafキナーゼドメインの活性化変異は、黒色腫の約70%、乳頭癌の40%、低悪性度卵巣癌の30%、および結腸直腸癌の10%で発生する。ほとんどのB−Raf変異は、キナーゼドメインに見られ、そのうち、単一置換(V600E)が80%を占めている。変異型B−Rafタンパク質は、MEKのキナーゼ活性の増加を標的とするか、またはC−Rafを活性化することにより、Raf−MEK−ERK経路を活性化する。B−Raf阻害剤は、これらの癌細胞のシグナルカスケードを遮断し、最終的に細胞周期の停止および/または細胞死を誘導することにより、B−Rafキナーゼが関与する細胞を阻害する。
Encorafenib(エンコラフェニブ、LGX−818とも呼ばれ、その化学名は(S)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバメートであり、以下の構造式で示す)は、ノバルティス(Novartis)およびアレイバイオファーマ(Array BioPharma)によって共同開発された新規な経口BRAF阻害剤であり、B−Rafキナーゼ変異(例えばV600変異、即ちアミノ酸600でのグルタミン酸変異)によるMAPK経路の活性化を阻害することができる。エンコラフェニブ単独またはMEK阻害剤であるビニメチニブ(Binimetinib)との併用は、進行期のBRAFv600変異黒色腫の患者の治療に使用される。2018年6月27日、FDAは、BRAFV600EまたはBRAFV600K変異を有する黒色腫患者の治療における、ビニメチニブ(商品名:メクトビ(MEKTOVI))錠剤とエンコラフェニブ(商品名:ビラフトビ(BRAFTOVI))カプセルとの併用を承認した。
Figure 2021523217
多くの薬剤候補について、それらの吸収、分布、代謝および/または排泄(ADME)特性が乏しいことが、臨床試験の失敗の主な原因であることは知られている。現在、多くの市販薬は、乏しいADME特性によって適用範囲が限られている。薬物の急速な代謝は、そもそも効率的に疾患を治療できる多くの薬物が体内からあまりにも早く代謝、除去されるため、薬物として使用できないことにつながる。また、頻繁または高用量の投与により、急速な薬物クリアランスの問題を解決できる可能性があるが、この方法は、患者のコンプライアンスの低下、高用量投与による副作用、および治療コストの増加などの問題につながる可能性がある。さらに、急速に代謝される薬物は、患者を有害な毒性または反応性代謝物にさらす可能性もある。
エンコラテェニブは、BRAF阻害剤としてBRAF V600変異を伴う黒色腫を効果的に治療することができるが、この分野ではまた深刻なアンメットメディカルニーズがある。さらに、エンコラテェニブ化合物は、弱酸性および中性pHで水溶性が低いBCS II化合物であり、経口バイオアベイラビリティーが非常に低いため、良好な経口バイオアベイラビリティおよび創薬可能性を有するBRAFキナーゼによる疾患を治療できる新規化合物の発見は、依然として困難な課題である。したがって、この分野では、選択的阻害活性および/またはより優れた薬力学/薬物動態的特性を備える、BRAF阻害剤に適する化合物を開発することが依然として必要である。本発明は、このような化合物を提供する。
上記の技術的問題を考慮して、本発明は、より優れたBRAFキナーゼ阻害活性、より高いV600変異(例えばV600EおよびV600K)に対する阻害活性および選択性、且つより少ない副作用、より良い薬物動態特性を有し、BRAFキナーゼ変異による増殖性疾患の治療に用いられる新規の重水素化ジアリールピラゾール化合物、該化合物を含む組成物およびその使用を提供する。
本発明において、「本発明の化合物」という用語は、式(I)〜(III)(式(Ia)のようなサブセットを含む)で表われる化合物を指す。また、この用語は、それらの互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む。
これに対して、本発明は、以下の技術的解決策を採用する。
本発明の第1の態様では、式(I)で表れる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を提供する。
Figure 2021523217
ただし、
、Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
、X、X、XおよびXは、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の態様において、本発明は、本発明化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。特定的な実施形態において、本発明の化合物は、有効量で上記の医薬組成物に提供される。特定的な実施形態において、本発明の化合物は、治療有効量で提供される。特定的な実施形態において、本発明の化合物は、予防有効量で提供される。特定的な実施形態において、前記の医薬組成物は、抗癌化合物、鎮痛剤、制吐剤、抗うつ剤および抗炎症剤から選択される他の治療剤をさらに含む。特定的な実施形態において、前記の医薬組成物は、異なるBRAF阻害剤、MEK1/2阻害剤、PI3K阻害剤、CDK4/6阻害剤、c−Met阻害剤、EGFR阻害剤、FGFR阻害剤、MAPK阻害剤またはERK阻害剤から選択される他の治療剤をさらに含む。
別の態様において、本発明は、薬学的に許容される賦形剤と本発明の化合物とを混合して医薬組成物を形成する工程を含む、上記の医薬組成物の調製方法を提供する。
別の態様において、本発明は、被験者に治療有效量で本発明の化合物および医薬組成物を投与することを含む、BRAFキナーゼ変異による増殖性疾患の治療方法を提供する。特定的な実施形態において、BRAF変異はV600変異である。特定的な実施形態において、前記の増殖性疾患は、BRAF V600変異を特徴とする黒色腫、またはBRAF V600変異を特徴とする結腸直腸癌である。特定的な実施形態において、前記の化合物は、経口、皮下、静脈内または筋肉内で投与される。特定的な実施形態において、前記の化合物は長期投与される。
本発明の他の目的および利点は、後記の特定的な実施形態、実施例、および特許請求の範囲から当業者には明らかであろう。
定義
本明細書において、特に明記しない限り、「重水素化」とは、化合物または基における1つまたは複数の水素が重水素で置換されていることを意味する。「重水素化」は、重水素によって一置換、二置換、多置換、または完全に置換されていてもよい。「1つ以上の重水素で置換された」および「重水素で1回以上置換された」という用語は互換的に使用できる。
本明細書において、特に明記しない限り、「非重水素化化合物」とは、重水素原子の含有割合が天然重水素同位体含有量(0.015%)を超えない化合物である。
本明細書において、用語「薬学的に許容される塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、およびアレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険比に釣り合う、塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該分野において周知である。例えば、Bergeらは、薬学的に許容される塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19において詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機酸や有機酸と塩基に由来するものが含まれる。
本発明の化合物は、アモルファスまたは結晶形態であってもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶形で存在し得る。従って、本発明は、本発明の化合物の全てのアモルファス又は結晶形態をその範囲内に含む。「結晶形」という用語は、薬物分子の異なる配置を指し、一般に、薬物原料が固体状態で存在する形態として現される。1つの薬物は、複数の結晶形で存在し得る。同じ薬物の異なる結晶形は、体内での溶解や吸収が異なり、製剤の溶解および放出に影響を与える可能性がある。
「結晶形」という用語は、化学薬物分子の異なる配置を指し、一般に、薬物原料が固体状態で存在する形態として現される。薬物は、複数の結晶形で存在する可能性があり、同一薬物の異なる結晶形は、体内での溶解や吸収が異なり、それによって製剤の溶解および放出に影響を与える可能性がある。
本明細書において、「被験者」という用語とは、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人))および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を惹起するために充分な量を指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、治療される疾患、投与様式、ならびに被験者の年齢、健康状態、および病状などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療有効量および予防性治療有効量を含む。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または病状に関連する1つまたは複数の症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供する、単独でまたは他の治療法と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または病状の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効果を増強する量を含む。
他に特定されない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは病状、またはその疾患、障害もしくは病状に関連する1つもしくは複数の症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または病状の予防において予防上の利点を提供する、単独でまたは他の薬剤と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を含む。
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の治療剤を同時に又は順次投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤として他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤として他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
化合物
一実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を提供する。
Figure 2021523217
ただし、
、Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
、X、X、XおよびXは、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
特定の実施形態において、重水素は、重水素に置換された位置における重水素同位体含有量が、少なくとも天然重水素同位体含有量である0.015%より多く、好ましくは30%超、より好ましくは50%超、さらにより好ましくは75%超、さらにより好ましくは95%超、さらにより好ましくは99%超である。
特定の実施形態において、式(I)で表われる化合物は、少なくとも1個の重水素原子、より好ましくは少なくとも2個の重水素原子、より好ましくは少なくとも3個の重水素原子、より好ましくは少なくとも4個の重水素原子、より好ましくは少なくとも5個の重水素原子、より好ましくは少なくとも6個の重水素原子、より好ましくは少なくとも7個の重水素原子、より好ましくは少なくとも8個の重水素原子、より好ましくは少なくとも9個の重水素原子、より好ましくは少なくとも10個の重水素原子、より好ましくは少なくとも11個の重水素原子、より好ましくは少なくとも12個の重水素原子、より好ましくは少なくとも13個の重水素原子、より好ましくは少なくとも14個の重水素原子、より好ましくは少なくとも15個の重水素原子、より好ましくは少なくとも16個の重水素原子、より好ましくは少なくとも17個の重水素原子、より好ましくは少なくとも18個の重水素原子、より好ましくは少なくとも19個の重水素原子、より好ましくは少なくとも20個の重水素原子、より好ましくは少なくとも21個の重水素原子、より好ましくは少なくとも22個の重水素原子、より好ましくは少なくとも23個の重水素原子、より好ましくは少なくとも24個の重水素原子を含む。
別の特定の実施形態において、「Y、Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択される」とは、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択される技術構成、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択される技術構成、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択される技術構成、このように類推して、Yが水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択されるまで技術構成を含む。より具体的に、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、或いはYがトリフルオロメチル、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、或いはYがトリフルオロメチル、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、或いはYがトリフルオロメチル、このように類推して、Yが水素、Yが重水素、Yがハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、或いはYがトリフルオロメチルである技術構成を含む。
別の特定の実施形態において、「R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または重水素から選択される」とは、Rが水素または重水素から選択され、Rが水素または重水素から選択され、Rが水素または重水素から選択され、Rが水素または重水素から選択される技術構成を含む。より具体的に、Rが水素またはRが重水素、Rが水素またはRが重水素、Rが水素またはRが重水素、Rが水素またはR41が重水素である技術構成を含む。
別の特定の実施形態において、「X、X、X、XおよびXは、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される」とは、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、このように類推して、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択されるまで技術構成を含む。より具体的に、XがCH、XがCD、XがCHDまたはXがCHD,XがCH、XがCD、XがCHDまたはXがCHD,XがCH、XがCD、XがCHDまたはXがCHD、このように類推して、XがCH、XがCD、XがCHDまたはXがCHDであるまで技術構成を含む。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yが、それぞれ独立して水素または重水素から選択され、且つR−R、X−Xが上記の通りであり、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yが、それぞれ独立して水素であり、且つR−R、X−Xが上記の通りであり、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yが、それぞれ独立して水素であり、且つR−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yがそれぞれ独立して水素であり、XがCDであり、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yがそれぞれ独立して水素であり、XがCDであり、X、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yがそれぞれ独立して水素であり、XがCDであり、X、X、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yがそれぞれ独立して水素であり、XがCDであり、X−XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Y−Yがそれぞれ独立して水素であり、XがCDであり、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択される。
別の特定の実施形態において、Rは重水素であり;別の特定の実施形態において、Rは水素である。
別の特定の実施形態において、Rは重水素であり;別の特定の実施形態において、Rは水素である。
別の特定の実施形態において、Rは重水素であり;別の特定の実施形態において、Rは水素である。
別の特定の実施形態において、RおよびRは重水素であり;別の特定の実施形態において、RおよびRは水素である。
別の特定の実施形態において、Rは重水素であり;別の特定の実施形態において、Rは水素である。
別の特定の実施形態において、XはCHであり;別の特定の実施形態において、XはCDである。
別の特定の実施形態において、XはCHであり;別の特定の実施形態において、XはCDである。
別の特定の実施形態において、XはCHであり;別の特定の実施形態において、XはCDである。
別の特定の実施形態において、XはCHであり;別の特定の実施形態において、XはCDである。
別の特定の実施形態において、XはCHであり;別の特定の実施形態において、XはCDである。
別の特定の実施形態において、RおよびRは重水素であり、XはCDであり;別の特定の実施形態において、RおよびRは水素であり、XはCHである。
別の特定の実施形態において、Rは重水素であり、XおよびXはCDであり;別の特定の実施形態において、Rは水素であり、XおよびXはCHである。
別の実施形態において、本発明は、式(Ia)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関する。
Figure 2021523217
ただし、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
、X、X、XおよびXは、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の実施形態において、本発明は、式(II)または(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関する。
Figure 2021523217
ただし、
、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
、X、X、XおよびXは、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRが水素であり、XがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびX−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRは水素であり、XがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびX−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRが水素であり、XおよびXがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRが水素であり、XおよびXがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、XがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびX−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、XがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびX−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、XおよびXがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、XおよびXがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、XおよびXがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、XおよびXがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、X−XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、Rが水素であり、X−XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRが水素であり、XおよびXがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRは水素であり、XおよびXがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRが水素であり、X−XがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、RおよびRが水素であり、X−XがCHであり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、R−Rが水素であり、X−XがCHであり、Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択され、追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X−Xがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、Rが水素であり、R−Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XがCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XおよびXがそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XがCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、XがCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、R−Rが水素であり、Rがそれぞれ独立して水素または重水素から選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、R−Rが水素であり、XがCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、R−Rが水素であり、XがCHまたはCDから選択される。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、X−XがCHであり、R−Rが水素である。
別の特定の好ましい実施形態において、前記の化合物が以下の構造からなる群から選択されるもの、またはその薬学的に許容される塩であるが、それらに限定されない。
Figure 2021523217
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本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでも良く、したがって、例えば鏡像異性体および/またはジアステレオマー形態のような様々な「立体異性体」の形態で存在し得る。例えば、本発明の化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であってもよく、或いはラセミ混合物および1つ以上の立体異性体に富んだ混合物を含む立体異性体混合物の形態であってもよい。異性体は、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成や結晶化を含む当業者に公知の方法によって混合物から分離することができ;または、好ましい異性体は、非対称合成により調製することができる。
当業者は、有機化合物が、溶媒中で反応するか、または溶媒から沈殿あるいは結晶化して、当該溶媒と複合体を形成し得ることを理解できる。これらの複合体は「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物のすべての溶媒和物を含む。
「溶媒和物」という用語とは、一般的に、加溶媒分解反応により形成された、溶媒と組み合わせた化合物またはその塩の形態を指す。この物理的な会合は、水素結合が含まれる。通常の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが含まれる。本発明の化合物は、例えば結晶形態で調製され、且つ溶媒和されることができる。適切な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、さらに化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物が含まれる。特定の実施形態において、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、前記の溶媒和物が単離される。「溶媒和物」は、溶液状態の溶媒和物と分離可能な溶媒和物が含まれる。代表的な溶媒和物として、水和物、エタノレート、およびメタノレートが挙げられる。
「水和物」という用語は、水と組み合わせた化合物を指す。通常、化合物の水和物に含まれる水分子の数の、該水和物中の該化合物分子の数に対する比率は、一定である。したがって、化合物の水和物は、たとえば、一般式ROで表れる。ここで、Rは該化合物であり、xは0より大きい数である。所定の化合物は、複数のタイプの水和物を形成する可能性がある。例えば、一水和物(xは1)、低次水和物(xは0より大きく1より小さい数、例えば、半水和物(R0.5O))、および多水和物(xは1より大きい数、例えば、二水和物(RO)および六水和物(RO))が挙げられる。
本発明の化合物は、非晶質または結晶質(結晶多形)のいずれでもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶として存在してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のすべての非晶質または結晶形をその範囲に含む。「結晶多形」という用語とは、特定の結晶が堆積して並んだ化合物の結晶形(あるいはその塩、水和物または溶媒和物)を指す。すべての多形体は同じ元素組成を有する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の要因により、優勢な結晶形が生じる可能性がある。化合物の様々な多形体は、異なる条件下で結晶化することによって調製できる。
また、本発明には、式(I)に記載されたものと同等の同位体標識化合物を含むが、1つ以上の原子は、原子質量または質量数が天然に典型的に見られる原子質量または質量数と異なる原子によって置換されている。本発明の化合物に導入できる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれH、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げる。上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内にある。放射性同位体(例えばHおよび14C)を導入したものなどの一部の同位体標識された本発明の化合物は、薬物および/または基質の組織分布に関する測定に用いられる。トリチウム(即ち、H)と炭素−14(即ち、14C)の同位体は、その製造と検出が容易であるため特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHのようなより重い同位体での置換は、代謝安定性が優れているため、治療で利点がある。例えば、インビボでの半減期の延長や投与量の削減ができるので、状況に応じて優先に考えられることがある。通常、同位体標識された本発明の式(I)の化合物およびそのプロドラッグは、以下のスキームおよび/または実施例および調製例で開示されるプロセスが行われる場合、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することにより調製することができる。
さらに、プロドラッグも本発明の明細書に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、インビボで、例えば血液中での加水分解によって医学的な効果を有する活性形態に変換される化合物を指す。薬学的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiおよびV. Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium SeriesのVol.14,Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、ならびにD.Fleisher、S.RamonおよびH.Barbra“Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs”,Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2)115−130に記載されたが、それらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
プロドラッグは、患者に投与されると、インビボで母体化合物を放出する、任意の共有結合の本発明の化合物である。プロドラッグは、典型的には、通常の操作またはインビボで切断されて母体化合物を生じることができるように官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグには、例えば、水酸基、アミノ基またはメルカプト基が任意の基に結合している本発明の化合物が含まれ、それらを患者に投与すると、切断されて、水酸基、アミノ基またはメルカプト基を形成することができる。したがって、プロドラッグの代表例としては、式(I)で表される化合物の水酸基、アミノ基またはメルカプト基とのアセテート/アセトアミド、ホルメート/ホルムアミドおよびベンゾエート/ベンズアミド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。また、カルボン酸(−COOH)の場合は、メチルエステル、エチルエステル等のエステルを用いることができる。エステル自体は活性を有してもよく、および/またはヒトの体内の条件下で加水分解されてもよい。適切な薬学的に許容されるインビボで加水分解可能なエステル基には、人体中で容易に分解して母体酸またはその塩を放出する基が含まれる。
医薬組成物、製剤およびキット
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、治療有効量の活性成分を含む。一部の実施形態において、前記の医薬組成物は、予防有効量の活性成分を含む。
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物に使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、キット(例えば、医薬パック)も含む。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2の容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。また、一部の実施形態において、提供されるキットは、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1の容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いる非経口投与として、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術が挙げられる。
通常、有効量で本発明によって提供する化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
前記した本発明の病状を予防するために使用される場合、本発明によって提供される化合物は、前記の病状を発症するリスクのある被験者に投与され、典型的には、医師の推奨に基づいて上記の用量レベルで投与される。特定の病状を発症するリスクのある被験者には、典型的に、前記の病状の家族歴史を有する被験者、または遺伝子検査もしくはスクリーニングによって前記の病状を発症しやすい被験者が含まれる。
本発明によって提供される医薬組成物(「長期投与」)は長期的に投与することもできる。長期投与とは、例えば3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年、5年などの長期間にわたって化合物またはその医薬組成物を投与できるか、または、例えば被験者の余生において無期限に連続的に投与できることを指す。一部の実施形態において、長期投与は、例えば治療ウィンドウ内で、長期間にわたって血液中に一定レベルの前記の化合物を提供することを意図している。
本発明の医薬組成物は、様々な投与方式を用いてさらに送達することができる。例えば、一部の実施形態において、医薬組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度が有効レベルまで速く増加させるために、ボーラス注射によって投与することができる。ボーラス用量の配置は、身体全体で望まれる活性成分の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分のゆっくりとした放出を可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)は、より速い送達を可能にし、これは、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学組成物は、連続注入、例えば、IV滴注によって投与されて、被験者の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供する。さらに、他の実施形態において、医薬組成物は、最初にボーラス用量で投与され、続いて連続して注入される。
経口投与用の組成物は、バルク液体の溶液もしくは懸濁液またはバルク粉末の形態をとり得る。しかしながら、一般的に、上記組成物は、精確な投薬量で投与できるために、単位投与量で提供される。用語「単位製剤」とは、ヒト被験者および他の哺乳動物への単位投与量に好適な物理的な不連続単位を指し、各単位は、好適な薬学賦形剤と、所望の治療効果をもたらすのに適合な活性物質とを所定量で含む。典型的な単位製剤としては、液体組成物が予め測定されて予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物において、上記の化合物は、通常、少量の成分(約0.1〜約50重量%または好ましくは約1〜約40重量%)であり、残りは、所望の投薬形態を形成するのに役立つ様々な担体または賦形剤および加工助剤である。
経口投与の用量について、1日あたり1〜5回、特に2〜4回、典型的には3回の経口投与量が、代表的なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01〜約20mg/kgの本発明の化合物を提供し、好ましい用量は、それぞれ約0.1〜約10mg/kg、特に、約1〜約5mg/kgを提供する。
一般に、経皮用量は、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低い血液中レベルを提供するように選択され、通常、約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは、約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%、そしてより好ましくは、約0.5重量%〜約15重量%の範囲の量である。
注射剤の用量レベルは、約1〜約120時間、特に、24〜96時間にわたって約0.1mg/kg/時間〜少なくとも10mg/kg/時間の範囲である。約0.1mg/kg〜約10mg/kgまたはそれ以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量は、40〜80kgのヒト患者にとって約2g/日を超えない。
経口投与に適した液体の形態は、好適な水性または非水性の担体、および緩衝剤、懸濁剤、分散剤(dispensing agents)、着色剤、香料などを含み得る。固体の形態は、例えば、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン);または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)。
注射可能な組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された食塩水もしくはリン酸緩衝食塩水または当該分野で公知の他の注射可能な賦形剤に基づくものである。以上のとおり、そのような組成物における活性化合物は、典型的には、約0.05〜10重量%である少量の成分であり、残りは、注射可能な賦形剤などである。
経皮の組成物は、典型的には、活性成分を含む局所用軟膏またはクリームとして製剤化される。軟膏として製剤化される場合、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏基剤または水混合性軟膏基剤と混合される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型クリーム基剤とともに、クリームとして製剤化される。このような経皮的製剤は、当該分野で周知であり、一般に、活性成分または製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさらなる成分を含む。そのような公知の経皮の製剤および成分のすべてが、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、経皮的投与は、レザバー(reservoir)タイプもしくは多孔質膜タイプ、または多種の固体マトリックスのパッチを用いて実現される。
経口投与、注射、または局所的な投与のための組成物の上述の構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,1985,Mack Publishing Company,Easton,PennsylvaniaのPart8(参照により本明細書中に組み入れられる)に示されている。
また、本発明の化合物は、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容される製剤にも関する。1つの実施形態において、上記の製剤は、水を含む。別の実施形態において、上記の製剤は、シクロデキストリン誘導体を含む。最も一般的なシクロデキストリンは、連結される糖部分上に必要に応じて1つ以上の置換基(メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む、それぞれ6、7および8個のα−1,4−結合グルコース単位からなるα−、β−およびγ−シクロデキストリンである。一部の実施形態において、シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ−シクロデキストリン、例えば、Captisolとしても知られるスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンである。例えば、米国特許第5,376,645号を参照する。一部の実施形態において、上記の製剤は、ヘキサプロピル−β−シクロデキストリン(例えば、水において10〜50%)を含む。
適応症
本発明の化合物は、キナーゼ活性を調節することができるので、キナーゼが疾患の病理および/または症状に役割を果たす疾患および障害の治療に使用することができる。本発明の化合物および組成物、ならびに使用される方法によって阻害されるキナーゼの例としては、B−Rafの変異型を含むB−Rafが含まれるが、これらに限定されない。
好ましい実施形態では、本発明は、BRAFキナーゼ変異を特徴とする増殖性疾患を治療する方法に関する。この方法は、投与レジメンでBRAF阻害剤を投与することによってBRAF阻害剤治療に対する耐性を抑制することを含む。
好ましいは、この方法におけるBRAF変異は、例えばBRAF V600EのようなV600変異である。
好ましいは、この方法における増殖性疾患としては、膀胱癌、乳癌、脳癌、頭頸部癌、肝臓癌、胆道癌、急性および慢性リンパ球性白血病、急性および慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、結腸直腸癌、胃癌、胃腸間質腫瘍、神経膠腫、リンパ腫、黒色腫、多発性骨髄腫、骨髄増殖性および髄外増殖性疾患、神経内分泌癌、肺癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、腎細胞癌、肉腫、および乳頭状甲状腺癌のような甲状腺癌などの癌が挙げられるが、これらに限定されない。他の増殖性疾患には、肥満細胞白血病、胚細胞腫瘍、小細胞肺癌、消化管間質腫瘍、神経芽細胞腫、および骨肉腫が含まれる。
より好ましくは、本発明の化合物によって治療される増殖性疾患は、V600変異(例えばBRAF V600E)を特徴とする黒色腫、またはV600変異(例えばBRAF V600E)を特徴とする結腸直腸癌である。
併用療法
本発明の化合物は、1つまたは複数の治療剤(医薬品の組み合わせ)と組み合わせて治療有効量で投与しても良い。例えば、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、挿入抗生物質(inserted antibiotics)、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調節剤、抗体、細胞毒性薬、抗ホルモン剤、抗アンドロゲン剤、血管新生阻害薬、キナーゼ阻害剤、パンキナーゼ阻害剤または成長因子阻害剤などの他の抗腫瘍剤または抗増殖剤と相乗効果を有してもよい。
本発明の一実施形態において、他の治療剤は、抗癌剤、鎮痛剤、制吐剤、抗うつ剤または抗炎症薬から選択される。さらに、他の治療剤は、異なるBRAF阻害剤、MEK1/2阻害剤、PI3K阻害剤、CDK4/6阻害剤、c−Met阻害剤、EGFR阻害剤、FGFR阻害剤、MAPK阻害剤、またはERK阻害剤であり、本発明の化合物と同時に投与される。例えば、Raf阻害剤と組み合わせたMEK1/2阻害剤の添加は、ERKシグナル伝達の明らかな阻害を著しく阻害するため、細胞の増殖および形質転換を抑制する。MEK1/2阻害剤治療単独での治療は、臨床において用量制限毒性を引き起こしているので、RafとMEK1/2阻害剤との組み合わせは、より好ましい治療戦略である。
MEK1/2阻害剤の例として、AS703026(EMD Serono);MSC1936369B(EMD Serono);GSK1120212(GlaxoSmithKline);AZD6244(AstraZeneca);PD−0325901(Pfizer);ARRY−438162(Array BioPharma);RDEA119(Ardea Biosciences);GDC0941(Genentech);GDC0973(Genentech);TAK−733(Millennium Pharma);RO5126766(Hoffman−La Roche)およびXL−518(Exelixis)が挙げられる。
CDK4/6阻害剤は当技術分野で知られており、フラボピリドール、PI446A−05、LEE011、AT7519、BMS265246、LY2835219およびPD−0332991を含む。
PI3K阻害剤は当技術分野で知られており、ペリホシン、CAL−101、PX−866、BEZ235、SF1126、INK1117、GDC−0941、BKM120、XL147、XL765、Palomid529、GSK105965、Zstk474、PTW33597、IC87114、TG100−115、CAL283、PI−103、BYL719、GNE−477、GUDC−907およびAEZS−136を含む。
c−Met阻害剤は当技術分野で知られており、クリゾチニブ、PHA−665752、SU11274、PF−04217903、foretinib、SGX523、JNJ−38877605、GSK1363089、AMG208およびINCB28060を含む。
EGFR阻害剤は、エルロチニブ、およびモノクローナル抗体(例えば、セツキシマブ、パニツムマブ)であることが好ましい。
FGFR阻害剤は、AZD4547およびBGJ398を含む、選択的かつATP競合性の汎FGFRキナーゼ阻害剤であることが好ましい。
本発明は、さらに、別々、同時または順次に投与するための、本発明のBARF阻害剤と、MEK1/2阻害剤、PI3K阻害剤、CDK4/6阻害剤、c−Met阻害剤、EGFR阻害剤またはFGFR阻害剤から選択される第2阻害剤とを含む治療性組み合わせに関する。より具体的には、この治療性組み合わせは、別々、同時または順次に投与するための本発明の化合物と第2阻害剤とを含み、上記の第2阻害剤は、MEK1/2阻害剤、PI3K阻害剤、CDK4/6阻害剤、c−Met阻害剤、EGFR阻害剤、またはFGFR阻害剤、或いはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
さらに、本発明は、本発明の化合物および第2阻害剤を含む組み合わせを治療有効量で患者に投与することを含む、患者におけるB−Rafの変異を特徴とする増殖性疾患を治療する方法に関する。好ましくは、上記の第2阻害剤は、MEK1/2阻害剤、PI3K阻害剤、CDK4/6阻害剤、c−Met阻害剤、EGFR阻害剤またはFGFR阻害剤から選択される。より具体的には、本発明は、本発明の組み合わせを治療有効量で患者に投与することを含む、患者におけるB−Rafの変異(例えばV600変異)を特徴とする増殖性疾患(例えば、BRAF V600変異を特徴とする黒色腫)を治療する方法に関する。好ましくは、これらの阻害剤は、治療有効量で投与され、それらを組み合わせると有益な効果を提供する。投与は、別々、同時または順次に実施しても良い。
また、本発明は、必要とする患者における増殖性疾患、特にB−Rafの変異、特にBRAF V600変異を特徴とする増殖性疾患(例えば、BRAF V600変異を特徴とする黒色腫)を治療または予防するための、本発明の医薬組成物または薬物の組み合わせの調製に関する。
本発明の化合物の調製方法
本発明の化合物(それらの塩を含む)は、既知の有機合成技術で調製され、様々な可能な合成経路(以下に示すもの)のいずれかに従って合成することができる。本発明の化合物を調製する反応は、有機合成分野の当業者によって容易に選択される適切な溶媒中で実施される。適切な溶媒は、反応が行われる温度(例えば、溶媒の凍結温度から沸点までの範囲の温度)で、出発物質(反応物)、中間体または生成物と実質的に反応しないものであっても良い。所定の反応は、1つの溶媒または1つ以上の溶媒の混合物で実施することができる。当業者は、特定の反応工程に応じて、特定の反応工程の溶媒を選択することができる。
本発明の化合物の調製は、異なる化学基の保護および脱保護を含んでも良い。当業者は、保護および脱保護の必要性ならびに適切な保護基の選択を容易に決定することができる。保護基の化学的性質は、例えば、Wuts and Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、4th Ed.,John Wiley&Sons:New Jersey、(2006)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学異性体分離剤と反応させて一対のジアステレオマー化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学純度のエナンチオマーを回収することにより、個々の立体異性体として調製することができる。エナンチオマーの分割は、本発明の化合物のジアステレオマー誘導体、好ましくは解離可能な複合体(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)を使用して実施することができる。ジアステレオマーは、物理特性(例えば、融点、沸点、溶解性、反応性など)が大きく異なるため、これらの非類似性を利用して簡単に分離することができる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィー、好ましくは溶解度の差異に基づく分離/分割技術によって分離することができる。さらに、光学純度のエナンチオマーが、ラセミ化をしない実用的な手段によって、分解用試薬とともに回収される。ラセミ混合物の分離によって化合物の立体異性体を得ることに適用可能な技術のより詳細な説明は、Jean Jacques、Andre Collet、Samue1 H. Wilen、「Enantiomers、Racemates and Resolutions」、John Wiley And Sons、Inc.,1981に記載されている。
反応は、当技術分野で知られている任意の適切な方法に従って監視することができる。例えば、生成物の形成は、分光学的手段(例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えばHまたは13C)、赤外(IR)分光法、分光光度法(例えば、UV−可視)、質量分析(MS))、またはクロマトグラフィー法(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC))によって監視することができる。
本発明の式(I)で表われる化合物は、以下の反応スキーム1に示されるように調製することができる。
反応スキーム1
Figure 2021523217
ここで、Y、Y、Y、Y、Y、R、R、R、R、X、X、X、XおよびXは、本発明の内容に定義されている通りである。式(I)で表われる化合物は、適切な塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンなど)および適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、THFなど)の存在下で、式(I−1)で表われる化合物を、スルホン化試薬であるXSOClと反応させることによって調製することができる。反応は、約0℃から約1000℃の範囲の温度で実施され、完了するまでに最大約20時間かかる場合がある。反応混合物は、必要に応じて、さらに反応させて、保護基を除去する。
式(I−1)で表われる化合物は、以下の反応スキーム2に示されるように調製することができる。
反応スキーム2
Figure 2021523217
ここで、Y、Y、Y、Y、Y、R、R、R、R、X、X、X、XおよびXは、本発明の内容に定義されている通りである。Mは、脱離基(例えば、ヨウ素、臭素、塩素、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)である。各Zは、例えば、水素、メチルなどであっても良く、または2つのZ基が結合して環状ボロン酸エステルを形成しても良い。2つのP基は、ともに水素であっても良く、または2つのP基は合わせて適切な窒素保護基を表す(例えば、一方のPが水素あっても良く、他方のPがBocあっても良い)。式(I−2)で表われる化合物は、適切な遷移金属触媒(例えば、Pd(PPhまたはPdCl(dppf))、適切な溶媒(例えば、DME、ジオキサン、トルエン、エタノールなど)および適切な塩基(例えば、無水炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムなど)の存在下で、式(I−4)で表われる化合物を式(I−3)で表われる化合物と反応させることによって調製することができる。反応は、約20℃から120℃の範囲の温度で実施され、完了するまでに約2時間かかる場合がある。式(I)で表われる化合物は、式(I−2)で表われる化合物から保護基Pを除去することにより(例えば、DMEおよびジオキサンの存在下で塩化水素のような強酸で処理することにより)合成することができる。
式(I−4)で表われる化合物は、以下の反応スキーム3に示されるように調製することができる。
反応スキーム3
Figure 2021523217
ここで、Y、Y、R、R、R、R、X、X、XおよびXは、本発明の内容に定義されている通りである。Mは、脱離基(例えば、ヨウ素、臭素、塩素、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)である。Vは、脱離基(例えば、ヨウ素、臭素、塩素、トリフルオロメタンスルホニルオキシなど)である。式(I−4)で表われる化合物は、式(I−5)で表われるアミン化合物を式(I−6)で表われる化合物と反応させることによって調製することができる。反応は、適切な溶媒(例えば、DMSO、NMP、ジオキサンまたはイソプロパノール)中、適切な塩基(例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)の存在下、約25℃から約120℃の範囲の温度で実施される。
実施例
以下、特定的な実施形態によって本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためのみに使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解しべきである。以下の実施例において、特定の条件を明記しない実験方法は、一般に、通常の条件または製造業者が推奨する条件に従う。特に明記しない限り、部およびパーセンテージは、重量部および重量パーセントである。
本公開で使用される略語は、以下の意味を持つ。
Figure 2021523217
中間体A 2−クロロ−4−(3−ヨード−1−(プロパン−2−イル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジンの調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物A−2の合成
化合物1(5.0g,73.4mmol)を47%の臭化水素酸(20ml)溶液に加え、80℃で反応液を3h反応させ、常圧下で蒸留し、60〜70℃の留分を回収して、収率65%で無色の液体6.2gを得た。
工程2 化合物A−4の合成
化合物A−3(3.0g,27.8mmol)をDMF(20ml)溶液に加え、溶液を0℃まで冷却し、さらにKCO(4.6g,33.3mmol,10ml)を加え、低温で0.5h攪拌し、化合物A−2(4.3g,33.3mmol)をゆっくり滴下し、滴下が完了した後、90℃に昇温し、10h反応させた。反応液をDCM(50ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、72%の収率で白色固体3.1gを得た。LC−MS(APCI):m/z=158.21.06(M+1)
工程3 化合物A−5の合成
窒素保護下で、化合物A−4(3.0g,19.1mmol)を無水THF(40ml)溶液に加え、−5℃に冷却した後、CHMgBr(19.1ml,57.3mmol,3ml/L)の無水THF溶液を滴下し、滴下が完了した後、ゆっくりと加熱還流し、4h反応させ、飽和塩化アンモニウムで反応をクエンチし、その後、希塩酸でpH値を中性に調整し、酢酸エチル(50ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=2:3)で分離し、61%の収率で黄色固体2.0gを得た。LC−MS(APCI):m/z=175.21.06(M+1)
工程4 化合物A−6の合成
化合物A−5(2.0g,11.5mmol)、PTSA(4.2g,23.0mmol)を、アセトニトリル(15ml)溶液に順次に加え、0℃まで冷却した後、亜硝酸ナトリウム(1.43g,20.7mmol)およびヨウ化カリウム(3.82g,23.0mmol)の水溶液(5ml)を滴下した。該反応液を室温で3h反応させ、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発乾固させて、75%の収率でオレンジ色固体2.5gを得た。
工程5 化合物A−8の合成
窒素保護下で、化合物A−6(2.0g,7.01mmol)をDMF(15ml)溶液に加え、120℃に昇温した後、化合物A−7(1.9g,10.5mmol,10ml)を加え、120℃で攪拌し、0.5h反応させた。ジクロロメタン(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:3)で分離して、80%の収率で生成物1.9gを得た。LC−MS(APCI):m/z=341.06(M+1)
工程6 化合物A−9の合成
窒素保護下で、化合物A−8(1.9g,5.6mmol)、炭酸グアニジン(1.6g,12.8mmol)を、NMP(20ml)溶液に順次に加え、同時に水分離装置を設置した。溶液を130℃に昇温し、130℃で攪拌し、10h反応させた。反応終了後、ジクロロメタン(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=2:3)で分離して、81%の収率で生成物1.5gを得た。LC−MS(APCI):m/z=336.86(M+1)
工程7 化合物A−10の合成
化合物A−9(1.5g,4.5mmol)をTFA(15ml)液に加え、0℃まで冷却した後、亜硝酸ナトリウム(0.93g,13.4mmol)固体を添加し、該反応液を室温で1h反応させた。さらに、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発乾固させて、油状物をMTBE(10ml)でスラリー化し、濾過して、87%の収率で白色固体1.3gを得た。LC−MS(APCI):m/z =338.15(M+1)
工程8 中間体化合物Aの合成
化合物A−10(1.3g,3.86mmol)をPOCl(15ml)溶液に加え、110℃に昇温し、該温度で還流し、10h反応させた。反応終了後、回転蒸発乾固させて、反応液をジクロロメタン(30ml×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=4:1)で分離して、73%の収率で生成物1.0gを得た。LC−MS(APCI):m/z =356.32(M+1)
中間体B (S)−(メチル−d) (1−アミノプロパン−2−イル)カルバメートの調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物B−2の合成
化合物B−1(1.3g,4.5mmol)をトルエン(15ml)溶液に溶解し、0℃まで冷却し、さらにCDOD(0.5g,15mmol)およびトリエチルアミン(1.7g,17mmol)のトルエン(10ml)溶液を滴下し、滴下が完了した後、室温で2h反応させた。氷水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、化合物B−2のトルエン液を得た。そのまま次の工程で使用した。
工程2 化合物B−4の合成
0℃で、化合物B−3の塩酸塩(0.5g,2.4mmol)、トリエチルアミン(0.73g,7.2mmol)を、ジクロロメタン(10ml)溶液に順次に加え、上記工程での化合物B−2のトルエン液を滴下し、滴下が完了した後、室温で5h反応させた。水(10ml)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(20ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=4:1)で分離して、80%の収率で白色固体0.45gを得た。
工程3 中間体化合物Bの合成
0℃で、4M塩酸のジオキサン(4ml)溶液を、化合物B−4(0.45g,1.9mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液にゆっくり加え、室温に昇温し、6h反応させた。反応終了後、回転蒸発乾固させて、溶液を石油エーテル(10ml)でスラリー化し、吸引濾過して、77%の収率で生成物0.2gを得た。
中間体C メチル (1−アミノプロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメートの調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物C−3の合成
化合物C−2(4.6g,61.8mmol)、化合物C−1(11.5g,67.6mmol)、水酸化ナトリウム(7.16g,67.7mmol)および水(60ml)の混合物を0℃で攪拌し、3h反応させた。反応終了後、水(60ml)を添加し、酢酸エチル(60ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=10:1)で分離して、88%の収率で油状物11.2gを得た。
工程2 化合物C−4の合成
窒素雰囲気下で、−78℃の条件下で、塩化オキサリル(6.0g,47.2mmol)のDCM(60ml)溶液に、DMSO(4.8g,61.5mmol)をゆっくり添加し、混合液を−78℃で0.5時間攪拌し、混合物に化合物C−3(8.0g,38.2mmol)のDCM(20ml)溶液を添加し、−78℃で混合物をさらに1h攪拌した後、トリエチルアミン(16ml)を混合物に加え、混合物を室温に昇温し、1N塩酸(50ml)、炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、加熱により濃縮し、体積比PE:EA=8:1でスラリー化し、87%の収率で白色固体生成物5.3gを得た。
工程3 化合物C−5の合成
1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(0.27g,1.9mmol)を、化合物C−4(4.0g,19.3mmol)の重水素化クロロホルム(30ml)溶液に加え、反応液を室温で30h攪拌した後、水(10ml)で反応をクエンチし、有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を乾燥させ、回転蒸発乾固させて、98%の収率で油状物3.9gを得た。
工程4 化合物C−6の合成
窒素雰囲気下で、化合物C−5(4.0g,18.9mmol)、tert−ブタンスルフィンアミド(2.7g,22.6mmol)を、THF(60ml)液に順次に加え、室温でチタン酸テトライソプロピル(11.8g,41.5mmol)を添加した後、60℃に加熱して3h反応させた。反応液を室温まで冷却し、水で反応をクエンチし、酢酸エチル(60ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=4:1)で分離して、58%の収率で生成物3.5gを得た。LC−MS(APCI):m/z=315.80(M+1)
工程5 化合物C−7の合成
−50℃の条件下で、NaBH(0.73g,19.1mmol)を化合物C−6(2.0g,6.3mmol)のメタノール(20ml)溶液に加え、低温で1h反応させた。1Mの塩酸で反応をクエンチし、ジクロロメタン(30ml×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、回転蒸発乾固させて、油状物として生成物2.1gを得た。そのまま次の工程で使用した。
工程6 化合物C−8の合成
0℃で4M塩酸のジオキサン(10ml)溶液を化合物C−7(2.0g,6.3mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液にゆっくりと加え、0℃で6h反応させた。反応終了後、溶媒を回転蒸発乾固させて、さらなる処理をせずに、そのまま次の工程で使用した。
工程7 化合物C−9の合成
0℃でトリエチルアミン(1.43g,14.1mmol)を化合物C−8(1.5g,7.0mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液に加え、混合液に、クロロギ酸メチル(0.8g,8.5mmol)液を滴下した後、室温で5時間反応させた。反応終了後、水(10ml)で反応をクエンチし、反応液をジクロロメタン(20ml×2)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=4:1)で分離して、58%の収率で白色固体1.1gを得た。
工程8 中間体化合物Cの合成
水素雰囲気で、Pd−C(0.2g,10%)を化合物C−9(1.0g,3.7mmol)のエタノール(5ml)と1N塩酸の溶液(5ml)に加え、攪拌し、5h反応させた。反応終了後、濾過して、濾液を直接に濃縮し、生成物0.4gを得た。。
実施例1 (S)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバメート(化合物L−1)の調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物2の合成
窒素保護下で、中間体化合物A(1.0g,2.8mmol)、化合物1(0.52g,3.1mmol)、炭酸ナトリウム(1.2g,11.2mmol)を、DMSO(20ml)溶液に順次に加え、90℃に昇温し、この温度で攪拌し、16h反応させた。反応終了後、DCM(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:2)で分離して、63%の収率で生成物0.8gを得た。LC−MS(APCI):m/z=452.33(M+1)
工程2 化合物4の合成
窒素保護下で、化合物2(0.5g,1.11mmol)、化合物3(0.5g,1.33mmol)、炭酸ナトリウム(0.47g,4.43mmol)、Pd(dppf)Cl(0.09g,0.11mmol)を、トルエン(20ml)と水(4ml)との混合溶液に加え、80℃に加熱して2h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、31%の収率で生成物0.2gを得た。LC−MS(APCI):m/z=569.09(M+1)
工程3 化合物5の合成
0℃で4M塩酸のジオキサン(4ml)溶液を化合物4(0.2g,0.35mmol)のDCM(10ml)溶液に加え、室温まで昇温し、6h反応させた。反応終了後、溶液を回転蒸発乾固させて、さらなる処理をせずに、そのまま次の工程で使用した。LC−MS(APCI):m/z =469.27(M+1)
工程4 化合物L−1の合成
化合物5(0.15g,0.32mmol)、トリエチルアミン(0.16g,1.6mmol)をDCM(10ml)液に加え、0℃まで冷却した後、MsCl(0.11g,1.0mmol)をゆっくり滴下した。滴下が完了した後、室温まで昇温し、5h反応させた。反応終了後、反応液を直接に回転蒸発乾固させて、残留物を得た。さらに、トルエン(9ml)、メタノール(1ml)、水(10ml)、炭酸ナトリウム(2g)を順次に該残留物に加え、85℃に加熱して10h反応させた。室温まで冷却し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20:1)で分離して、35%の収率で生成物50mgを得た。LC−MS(APCI):m/z=547.31(M+1)+。1H NMR (400MHz,CDCl3) δ 8.08(d,J=11.4Hz,2H),7.61(d,J=6.3Hz,1H),7.42(d,J=5.6Hz,1H),6.48(d,J=5.1Hz,1H),5.32(d,J=18.8Hz,1H),5.17(s,1H),4.59(d,J=13.2Hz,1H),3.79(s,1H),3.61(s,3H),3.24(s,1H),2.98(d,J=16.6Hz,3H),2.01(s,1H),1.31(s,3H).
実施例2 (S)−(メチル−d) (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバメート(化合物L−2)の調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物7の合成
窒素保護下で、化合物6(0.5g,1.5mmol)、中間体化合物B(0.2g,1.5mmol)、炭酸ナトリウム(0.63g,6.0mmol)を、DMSO(20ml)溶液に順次に加え、90℃まで昇温し、該温度で攪拌し、16h反応させた。反応終了後、DCM(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:2)で分離して、65%の収率で生成物0.42gを得た。LC−MS(APCI):m/z=447.80(M+1)
工程2 化合物8の合成
窒素保護下で、化合物7(0.4g,0.90mmol)、化合物3(0.4g,1.07mmol)、炭酸ナトリウム(0.38g,3.6mmol)、Pd(dppf)Cl(0.07g,0.09mmol)を、トルエン(20ml)と水(4ml)との混合溶液に順次に加え、80℃まで加熱し、2h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、40%の収率で生成物0.2gを得た。LC−MS(APCI):m/z=565.03(M+1)
工程3 化合物9の合成
0℃で4M塩酸のジオキサン(4ml)溶液を化合物8(0.2g,0.35mmol)のDCM(10ml)溶液にゆっくりと加え、室温まで昇温し、6h反応させた。反応終了後、溶液を回転蒸発乾固させて、さらなる処理をせずに、そのまま次の工程で使用した。LC−MS(APCI):m/z =465.27 (M+1)
工程4 化合物L−2の合成
化合物9(0.2g,0.43mmol)、トリエチルアミン(0.22g,2.1mmol)をDCM(10ml)液に順次に加え、0℃まで冷却した後、MsCl(0.15g,1.3mmol)をゆっくり滴下した。滴下が完了した後、室温まで昇温し、5h反応させた。反応終了後、反応液を直接に回転蒸発乾固させて、残留物を得た。トルエン(9ml)、メタノール(1ml)、水(10ml)、炭酸ナトリウム(2g)を該残留物に加え、85℃まで昇温し、10h反応させた。室温まで冷却し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20:1)で分離して、30%の収率で生成物70mgを得た。LC−MS(APCI):m/z=543.21(M+1)H NMR (400MHz,CDCl) δ 8.01(d,J=11.4Hz,2H),7.63(d,J=6.3Hz,1H),7.40(d,J=5.8Hz,1H),6.58(d,J=6.1Hz,1H),5.47(d,J=18.8Hz,1H),5.17(s,1H),4.59(d,J=12.2,Hz,1H),3.80(s,1H),3.61(s,1H)3.24(s,1H),3.10(d,J=16.6Hz,3H),2.21(s,1H),1.35(s,3H),1.27(d,6H).
実施例3 (S)−(メチル−d) (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバメート(化合物L−3)の調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物10の合成
窒素保護下で、中間体化合物A(0.6g,1.7mmol)、中間体化合物B(0.23g,1.7mmol)、炭酸ナトリウム(0.71g,6.8mmol)を、DMSO(20ml)溶液に加え、90℃まで昇温し、該温度で攪拌し、16h反応させた。反応終了後、DCM(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:2)で分離して、84%の収率で生成物0.65gを得た。LC−MS(APCI):m/z=454.92(M+1)
工程2 化合物11の合成
窒素保護下で、化合物10(0.6g,1.3mmol)、化合物3(0.59g,1.6mmol)、炭酸ナトリウム(0.56g,5.3mmol)、Pd(dppf)Cl(0.10g,0.13mmol)を、トルエン(20ml)と水(4ml)との混合溶液に加え、80℃に加熱し、2h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、43%の収率で生成物0.32gを得た。LC−MS(APCI):m/z=572.10(M+1)
工程3 化合物12の合成
0℃で4M塩酸のジオキサン(4ml)溶液を、化合物11(0.3g,0.52mmol)のDCM(10ml)溶液にゆっくりと加え、室温まで昇温し、6h反応させた。反応終了後、溶液を回転蒸発乾固させて、さらなる処理をせずに、そのまま次の工程で使用した。LC−MS(APCI):m/z =472.09(M+1)
工程4 化合物L−3の合成
化合物12(0.25g,0.53mmol)、トリエチルアミン(0.27g,2.6mmol)をDCM(10ml)液に加え、0℃まで冷却した後、MsCl(0.18g,1.6mmol)をゆっくり滴下した。滴下が完了した後、室温まで昇温し、5h反応させた。反応終了後、反応液を直接に回転蒸発乾固させて、残留物を得た。トルエン(9ml)、メタノール(1ml)、水(10ml)、炭酸ナトリウム(2g)を該残留物に加え、85℃まで昇温し、10h反応させた。室温まで冷却し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20:1)で分離して、26%の収率で生成物75mgを得た。LC−MS(APCI):m/z=550.29(M+1)H NMR (400MHz,CDCl) δ 8.13(d,J=11.4Hz,2H),7.63(d,J=6.3Hz,1H),7.40(d,J=5.8Hz,1H),6.65(d,J=6.1Hz,1H),5.47(d,J=18.8Hz,1H),5.17(s,1H),4.63(d,J=12.2,Hz,1H),3.70(s,1H),3.54(s,1H),3.16(d,J=16.6Hz,3H),2.11(s,1H),1.38(s,3H).
実施例4 メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−4);
(S)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−4−S);および
(R)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−4−R)の調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物13の合成
窒素保護下で、化合物6(0.4g,1.1mmol)、中間体化合物C(0.16g,1.1mmol)、炭酸ナトリウム(0.50g,4.6mmol)を、DMSO(15ml)溶液に加え、溶液を90℃まで昇温し、該温度で攪拌し、16h反応させた。反応終了後、反応液をジクロロメタン(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:2)で分離して、75%の収率で生成物0.40gを得た。LC−MS(APCI):m/z=449.53(M+1)
工程2 化合物14の合成
窒素雰囲気下で、化合物13(0.4g,0.9mmol)、化合物3(0.5g,1.4mmol)、炭酸ナトリウム(0.40g,3.56mmol)、Pd(dppf)Cl(0.08g,0.1mmol)を、トルエン(20ml)と水(4ml)との混合溶液に加え、80℃に加熱し、2h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、55%の収率で生成物0.28gを得た。LC−MS(APCI):m/z=567.12(M+1)
工程3 化合物15の合成
0℃で、4M塩酸のジオキサン(2ml)溶液を化合物14(0.28g,0.50mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液にゆっくりと加え、室温まで昇温し、6h反応させた。反応終了後、溶液を直接に回転蒸発乾固させて、さらなる処理をせずに、そのまま次の工程で使用した。LC−MS(APCI):m/z=467.29(M+1)
工程4 化合物L−4の合成
トリエチルアミン(0.13g,1.28mmol)を化合物15(0.2g,0.43mmol)のジクロロメタン(10ml)液に加え、該溶液を0℃まで冷却した後、メタンスルホニルクロリド(0.15g,1.3mmol)を上記溶液にゆっくり滴下し、該反応液を室温で5h反応させた。反応終了後、反応液を直接に回転蒸発乾固させて、残留物にトルエン(9ml)、メタノール(1ml)、水(10ml)、炭酸ナトリウム(2g)を添加し、該溶液を85℃で10h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20:1)で分離して、27%の収率で生成物65mgを得た。LC−MS(APCI):m/z=545.08(M+1)H NMR(400MHz,CDCl) δ 8.05(d,2H),7.61(d,1H),7.45(d,1H),6.40(d,1H),5.29(d,1H),5.18(s,1H),4.62(d,1H),3.89(d,1H),3.58(s,3H),3.10(d,3H),2.05(s,1H),1.29(d,6H).
工程5 化合物L−4−SおよびL−4−Rの合成
キラル分取カラムでラセミ化合物L−4を分離して、化合物L−4−Sおよび化合物L−4−Rを得た。
実施例5 メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d))−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−5);
(S)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d))−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−5−S);および
(R)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d))−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−5−R)の調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程1 化合物16の合成
窒素保護下で、中間体化合物A(0.5g,1.5mmol)、中間体化合物C(0.2g,1.5mmol)、炭酸ナトリウム(0.63g,6.0mmol)を、DMSO(20ml)溶液に順次に加え、溶液を90℃まで昇温し、該温度で攪拌し、16h反応させた。反応終了後、反応液をジクロロメタン(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:2)で分離して、68%の収率で生成物0.45gを得た。LC−MS(APCI):m/z=456.68(M+1)
工程2 化合物17の合成
窒素雰囲気下で、化合物16(0.45g,0.98mmol)、化合物3(0.55g,1.54mmol)、炭酸ナトリウム(0.42g,3.95mmol)、Pd(dppf)Cl(0.08g,0.1mmol)を、トルエン(20ml)と水(4ml)との混合溶液に順次に加え、80℃に加熱し、2h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、70%の収率で生成物0.40gを得た。LC−MS(APCI):m/z=574.16(M+1)
工程3 化合物18の合成
0℃で4M塩酸のジオキサン(2ml)溶液を、化合物17(0.40g,0.70mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液にゆっくりと加え、室温まで昇温し、6h反応させた。反応終了後、溶液を直接に回転蒸発乾固させて、さらなる処理をせずに、そのまま次の工程で使用した。LC−MS(APCI):m/z=474.21(M+1)
工程4 化合物L−5の合成
トリエチルアミン(0.23g,2.21mmol)を化合物18(0.35g,0.74mmol)のジクロロメタン(10ml)液に加え、該溶液0℃まで冷却した後、メタンスルホニルクロリド(0.25g,2.2mmol)を上記溶液にゆっくり滴下し、該反応液を室温で5h反応させた。反応終了後、反応液を直接に回転蒸発乾固させて、残留物にトルエン(9ml)、メタノール(1ml)、水(10ml)、炭酸ナトリウム(2g)を加え、該溶液を85℃で10h反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール(v/v)=20:1)で分離して、30%の収率で生成物120mgを得た。LC−MS(APCI):m/z=552.33(M+1)H NMR (400MHz,CDCl) δ 8.02(d,2H),7.61(d,1H),7.45(d,1H),6.40(d,1H),5.22(d,1H),5.18(s,1H),4.59(d,1H),3.58(s,3H),2.98(d,3H),2.05(s,1H).
工程5 化合物L−5−SおよびL−5−Rの合成
キラル分取カラムでラセミ化合物L−4を分離して、化合物L−5−Sおよび化合物L−5−Rを得た。
生物活性試験
(1)キナーゼ活性実験
ADP−GloTM Kinase Assay kit(Promega,V9102)キットを使用して、BRAF(Invitrogen,PV3848)、cRAF(BPS Bioscience,40008)およびBRAF(V600E)(Invitrogen,40533)に対する試験化合物の阻害活性を測定した。
DMSO(MP、196055)を使用して化合物を、それぞれ10個の濃度で3倍勾配希釈した。384ウェルプレート(Perkin Elmer、60002290)の各ウェルに100nlの化合物希釈液および2.5μLのBRAFまたはcRAFまたはBRAF(V600E)を加え、2組で行った。25℃で15分間インキュベートした後、2.5μLの基質を添加して反応を開始し、25℃で60分間インキュベートした。系内の最終反応濃度は、5nM BRAFまたは1.5nM cRAFまたは5nM BRAF(V600E)、10mm ATP、200nM MEK1、HEPES 50mm、EGTA 1mm、MgCl2 10mm、Brij35 0.01%であった。試験化合物の濃度は、300、100、33.33、11.11、3.7、1.23、0.412、0.137、0.046、0.015、0nMであり、DMSOの最終濃度は1%であった。次に、10μLのADP Glo reagentを添加し、25℃でさらに40分間インキュベートした。さらに、Evnvisionマイクロプレートリーダー(Perkin Elmer 2104)によって各濃度の化合物の存在下での酵素活性を測定し、酵素活性に対する各濃度の化合物の阻害活性を算出した。4パラメーター方程式に従ってGraphpad 5.0ソフトウェアを使用して酵素活性に対する異なる濃度の化合物の阻害活性をフィッティングし、IC50値を算出した。
本発明の化合物は、上記のキナーゼ阻害実験で試験された。重水素化されていない親化合物であるエンコラフェニブと比較して、本発明の化合物は、BRAFおよびcRAFキナーゼに対して同等またはそれ以上に強い阻害効果を有することが見出され、本発明の化合物がBRAF V600E変異に対してより強力な活性を有することを示した。代表的な化合物の例の結果を以下の表1にまとめる。



表1
Figure 2021523217
(2)細胞毒性実験
A375は、BRAF V600E変異を有する黒色腫細胞株であり、HT−29は、BRAF V600E変異を有する結腸直腸癌細胞株である。
A375(付着性、細胞数/ウェル:3000、培地:RPMI−1640+10%FBS)およびHT−29(付着性、細胞数/ウェル:3000、培地:RPMI−1640+10%FBS)対数増殖期の細胞を採取した。トリパンブルー色素排除試験法によって細胞生存率を検出し、細胞生存率が90%以上であることを確保した。細胞を96ウェルプレートに接種し、37℃、5%COの条件下で一晩培養した。10倍の液は薬物溶液を調製し、最大濃度が1μMであり、3.16倍希釈で、9つの濃度を得た。96ウェルプレートの各ウェルに10μLの薬物溶液を加え、3組で行い、続いて72時間インキュベートした。等量のCTG溶液を各ウェルに加え、細胞プレートをオービタルシェーカーで5分間振とうして細胞を溶解し、室温で20分間置いて発光シグナルを安定させた後、SpectraMaxマルチラベルマイクロプレートリーダー(MD,2104−0010A)で発光値を読み取った。データは、raphPadPrism 5.0ソフトウェアで分析し、非線形S曲線回帰を使用してフィッティングし、用量反応曲線が得られ、それによってIC50値を算出した
本発明の化合物は、上記の細胞毒性実験で試験された。重水素化されていない親化合物であるエンコラフェニブと比較して、本発明の化合物は、A375およびHT−29に対してより強い阻害効果を有することが見出され、本発明の化合物がBRAF V600E変異に対して強力な活性を有することを示した。代表的な化合物の例の結果を以下の表2にまとめる。
表2
Figure 2021523217
(3)代謝安定性の評価
ミクロソーム実験:ヒト肝臓ミクロソーム(HLM):0.5mg/mL,Xenotech;ラット肝臓ミクロソーム(RLM):0.5mg/mL,Xenotech;補酵素(NADPH/NADH):1mM,Sigma Life Science;塩化マグネシウム:5mM、100mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)。
ストック溶液の調製:一定量の実施例化合物および対照化合物の粉末を正確に秤量し、それぞれDMSOで5mMに溶解した。
リン酸塩緩衝液(100mM,pH7.4)の調製:予め用意された0.5Mのリン酸二水素カリウム150mLと0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液700mLとを混合し、更に0.5Mのリン酸水素二カリウム溶液で混合液のpH値を7.4に調整し、使用前に超純水で5倍に希釈し、塩化マグネシウムを加えて、リン酸カリウム100mM、塩化マグネシウム3.3mMを含む、pHが7.4であるリン酸塩緩衝液(100mM)を得た。
NADPH再生系溶液(6.5mMのNADP、16.5mMのG−6−P、3U/mLのG−6−PD、3.3mMの塩化マグネシウムを含む)を調製し、使用前に湿った氷上に置いた。
停止液の調製:50ng/mLの塩酸プロプラノロールと200ng/mLのトルブタミド(内部標準)を含むアセトニトリル溶液。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mLの遠心管に入れ、ヒト肝臓ミクロソームをそれぞれ812.5μL添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLの肝臓ミクロソーム希釈液を得た。25057.5μLのリン酸塩緩衝液(pH7.4)を50mLの遠心管に入れ、SDラット肝臓ミクロソームをそれぞれ812.5μL添加し、均一に混合して、タンパク質濃度が0.625mg/mLの肝臓ミクロソーム希釈液を得た。
サンプルのインキュベーション:対応する化合物のストック溶液を、70%アセトニトリルを含む水溶液でそれぞれ0.25mMに希釈し、作業溶液として使用した。398μLのヒト肝臓ミクロソームまたはラット肝臓ミクロソームの希釈液を96ウェルのインキュベーションプレート(N=2)にそれぞれ加え、0.25mMの作業溶液2μLにそれぞれ添加して均一に混合した。
代謝安定性アッセイ:予め冷却された停止液300μLを96ウェルのディープウェルプレートの各ウェルに添加し、氷上に置いて停止プレートとした。96ウェルのインキュベーションプレートおよびNADPH再生系を37℃の水浴に置いて、100rpmで振とうし、5分間プレインキュベートした。インキュベーションプレートの各ウェルから80μLのインキュベーション溶液を取出し、停止プレートに加え、均一に混合し、NADPH再生系溶液20μLを補充して0分間サンプルとした。インキュベーションプレートの各ウェルに80μLのNADPH再生系溶液を更に添加し、反応を開始し、時間を計り始めた。対応する化合物の反応濃度は1μMで、タンパク濃度は0.5mg/mLである。反応の10分間、30分間、90分間に、それぞれ100μLの反応液を採取し、停止プレートに加え、3分間ボルテックス操作を行い、反応を停止させた。5000×g、4℃の条件下で停止プレートを10分間遠心分離した。予め100μLの蒸留水を入れた96ウェルプレートに、100μLの上清を加え、均一に混合し、LC−MS/MSを用いてサンプルを分析した。
データ分析:LC−MS/MSシステムによって対応する化合物および内部標準のピーク面積を検出し、化合物と内部標準のピーク面積の比を計算した。時間に対する化合物残存量の百分率の自然対数をプロットすることによって、傾きを測定して、以下の式に従ってt1/2及びCLintを計算した。ここで、V/Mは1/タンパク質濃度に等しい。
Figure 2021523217
1/2(min);CLint(μL/min/mg)
本発明の化合物および重水素化されていない化合物を同時に試験して比較することにより、ヒト肝臓ミクロソームおよびラット肝臓ミクロソームにおける化合物の代謝安定性を評価した。なお、重水素化されていない化合物であるエンコラフェニブを対照サンプルとして使用した。ヒト肝臓ミクロソームおよびラット肝臓ミクロソームの実験において、重水素化されていない化合物であるエンコラフェニブと比較して、本発明の化合物は、代謝安定性が大幅に改善された。代表的な実施例化合物の実験結果を以下の表3にまとめる。
Figure 2021523217
(4)ラットにおける薬物動態実験
6匹のSprague−Dawleyラット(オス、7−8週齢、体重約210g)を2グループに分け、各グループ3匹ずつ、それぞれに、経静脈または経口(経口10mg/kg)で単回投与量の化合物を投与し、その薬物動態学の差異を比較した。
標準飼料でラットを飼育し、水を与えた。試験の16時間前から絶食させた。薬物をPEG400およびジメチルスルホキシドで溶解した。投与した後の0.083時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間および24時間の時点で眼窩採血を行った。
ラットにエーテルを吸入させて一時麻酔を行い、眼窩から300μLの血液サンプルを採取して試験管に入れた。試験管中には1%のヘパリン塩溶液30μLがある。使用前に、試験管を60℃で一晩乾燥させた。最後の時点の血液サンプルの採取が完了した後、エーテルで麻酔した後にラットを殺処分した。
血液サンプルを採取した直後に、穏やかに試験管を少なくとも5回転倒させ、十分に混合し、氷上に置いた。血液サンプルを4℃、5000rpmで5分間遠心分離して、赤血球と血漿を分離した。100μLの血漿をピペットで清潔なプラスチック遠心管に入れ、化合物の名称と時点を表記した。分析まで血漿を−80℃で保存した。血漿中の本発明の化合物濃度をLC−MS/MSにより測定した。薬物動態パラメーターは、異なる時点における各動物の血中濃度に基づいて計算した。
実験は、本発明の化合物が動物の体内でより優れた薬物動態特性を有し、したがってより優れた薬力学および治療効果を有することを示す。
上記の内容は、特定の好ましい実施形態を参照して本発明に対するさらなる詳細な説明であるが、本発明の実施形態がこれらの記載に限定されない。当業者にとって明らかであるように、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、すべてが本発明の保護範囲内にあるとみなされるべきである。
Encorafenib(エンコラフェニブ、LGX−818とも呼ばれ、その化学名は(S)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル)カルバメートであり、以下の構造式で示す)は、ノバルティス(Novartis)およびアレイバイオファーマ(Array BioPharma)によって共同開発された新規な経口BRAF阻害剤であり、B−Rafキナーゼ変異(例えばV600変異、即ちアミノ酸600でのグルタミン酸変異)によるMAPK経路の活性化を阻害することができる。エンコラフェニブ単独またはMEK阻害剤であるビニメチニブ(Binimetinib)との併用は、進行期のBRAFv600変異黒色腫の患者の治療に使用される。2018年6月27日、FDAは、BRAFV600EまたはBRAFV600K変異を有する黒色腫患者の治療における、ビニメチニブ(商品名:メクトビ(MEKTOVI))錠剤とエンコラフェニブ(商品名:ビラフトビ(BRAFTOVI))カプセルとの併用を承認した。
Figure 2021523217
エンコラェニブは、BRAF阻害剤としてBRAF V600変異を伴う黒色腫を効果的に治療することができるが、この分野ではまた深刻なアンメットメディカルニーズがある。さらに、エンコラェニブ化合物は、弱酸性および中性pHで水溶性が低いBCS II化合物であり、経口バイオアベイラビリティーが非常に低いため、良好な経口バイオアベイラビリティおよび創薬可能性を有するBRAFキナーゼによる疾患を治療できる新規化合物の発見は、依然として困難な課題である。したがって、この分野では、選択的阻害活性および/またはより優れた薬力学/薬物動態的特性を備える、BRAF阻害剤に適する化合物を開発することが依然として必要である。本発明は、このような化合物を提供する。
別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X およびX がそれぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択される。別の特定の実施形態において、本発明は、式(Ia)、式(II)または式(III)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物に関し、ここで、XがCDであり、XおよびXがCHであり、RおよびRが水素であり、RおよびRがそれぞれ独立して水素または重水素から選択され、X およびX がそれぞれ独立してCHまたはCDから選択される。
本公開で使用される略語は、以下の意味を持つ。
Figure 2021523217
工程2 化合物A−4の合成
化合物A−3(3.0g,27.8mmol)をDMF(20ml)溶液に加え、溶液を0℃まで冷却し、さらにKCO(4.6g,33.3mmol,10ml)を加え、低温で0.5h攪拌し、化合物A−2(4.3g,33.3mmol)をゆっくり滴下し、滴下が完了した後、90℃に昇温し、10h反応させた。反応液をDCM(50ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=1:1)で分離して、72%の収率で白色固体3.1gを得た。LC−MS(APCI):m/z=158.21(M+1)
工程3 化合物A−5の合成
窒素保護下で、化合物A−4(3.0g,19.1mmol)を無水THF(40ml)溶液に加え、−5℃に冷却した後、CHMgBr(19.1ml,57.3mmol,3ml/L)の無水THF溶液を滴下し、滴下が完了した後、ゆっくりと加熱還流し、4h反応させ、飽和塩化アンモニウムで反応をクエンチし、その後、希塩酸でpH値を中性に調整し、酢酸エチル(50ml×3)で抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル(v/v)=2:3)で分離し、61%の収率で黄色固体2.0gを得た。LC−MS(APCI):m/z=175.21(M+1)
実施例5 メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−5);
(S)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d )−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−5−S);および
(R)−メチル (1−((4−(3−(5−クロロ−2−フルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル)−1−(プロパン−2−イル−d )−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−2−イル)アミノ)プロパン−2−イル−1,1,3,3,3−d)カルバメート(化合物L−5−R)の調製。
Figure 2021523217
以下の経路で合成した。
Figure 2021523217
工程5 化合物L−5−SおよびL−5−Rの合成
キラル分取カラムでラセミ化合物L−を分離して、化合物L−5−Sおよび化合物L−5−Rを得た。


Claims (16)

  1. 式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物であって、
    Figure 2021523217
    ただし、
    、Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、またはトリフルオロメチルから選択され;
    、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
    、X、X、XおよびXは、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
    追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである、
    式(I)で表われる化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
  2. 前記の化合物が、式(Ia)で表われる化合物であって、
    Figure 2021523217
    ただし、
    、R、RおよびRが、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
    、X、X、XおよびXが、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
    追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである、
    請求項1に記載の化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
  3. 前記の化合物が、式(II)または(III)で表われる化合物であって、
    Figure 2021523217
    ただし、
    、R、RおよびRが、それぞれ独立して水素または重水素から選択され;
    、X、X、XおよびXが、それぞれ独立してCH、CD、CHDまたはCHDから選択され;
    追加の条件は、前記化合物が少なくても1つの重水素原子を含むことである、
    請求項1または2に記載の化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
  4. がCHである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. が水素である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. およびRが水素であり、XがCHである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. が水素であり、XおよびXがCHである、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. がCDである、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 前記の化合物が、
    Figure 2021523217
    Figure 2021523217
    Figure 2021523217
    からなる群から選択される、
    請求項1に記載の化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物。
  10. 薬学的に許容される賦形剤と
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物と
    を含む、医薬組成物。
  11. 他の治療剤をさらに含む、
    請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 他の治療剤が異なるBRAF阻害剤、MEK1/2阻害剤、PI3K阻害剤、CDK4/6阻害剤、c−Met阻害剤、EGFR阻害剤、FGFR阻害剤、MAPK阻害剤またはERK阻害剤から選択される、
    請求項11に記載の医薬組成物。
  13. BRAF変異による増殖性疾患を治療する医薬品の調製における、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物、若しくは請求項10または11に記載の医薬組成物の使用。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物或いはその互変異性体、立体異性体、プロドラッグ、結晶形、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物、若しくは請求項10または11に記載の医薬組成物を投与することを含む、被験者におけるBRAF変異による増殖性疾患を治療および/または予防する方法。
  15. 前記のBRAF変異がV600変異であり;
    好ましくは、前記のBRAF変異がV600E変異である、
    請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の方法。
  16. 前記の増殖性疾患がBRAF V600変異を特徴とする黒色腫、またはBRAF V600変異を特徴とする結腸直腸癌であり;
    好ましくは、前記の増殖性疾患がBRAF V600E変異を特徴とする黒色腫、またはBRAF V600E変異を特徴とする結腸直腸癌である、
    請求項13に記載の使用、または請求項14に記載の方法。
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