JP2021196811A - 計算機及び鍛造方案設計方法 - Google Patents

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康彦 小林
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Abstract

【課題】所望する目標形状を成形する型鍛造プロセスを構成する工程案及びその工程案で使用する金型案を適切に決定できるようにする。【解決手段】鍛造方案は、ワークを所定の目標形状に成型するための金型形状及び鍛造条件を含む鍛造工程を少なくとも一つ含み、CPU F41は、ワークの初期形状と目標形状とを受け付け、ワークの目標形状と初期形状とに基づいてシミュレーションを行うことで第1鍛造方案を生成し、所定の基準に基づいて、第1鍛造方案に含まれる第1鍛造工程に類似する類似鍛造工程を含む第2鍛造方案を実績データベースF445から選択し、第2鍛造方案に含まれる、類似鍛造工程に先立つ工程である先行鍛造工程を抽出し、先行鍛造工程、及び先行鍛造工程を用いて鍛造方案を生成することを推奨するメッセージの表示処理を行う。【選択図】図10

Description

本発明は、計算機及び鍛造方案設計方法に関する。
プレス設備を用いて被加工物 (以降、ワークと呼ぶことがある)を所定の部品形状に成形する型鍛造では、形状が複雑なためワークを金型に充填できないことや、プレス設備に荷重制約があること等から一工程での成形が難しい場合、複数の鍛造工程で成形する多工程型鍛造プロセスが必要になる。
多工程型鍛造プロセスを実行するためには、鍛造に必要な鍛造工程数や各鍛造工程で使用する金型形状の設計が必要である。
鍛造を行う鍛造工程の設計に関する技術としては、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。
特開2008−110398号公報
多工程型鍛造プロセスの設計を行う際において、鍛造で成形を狙う部品(以下、目標形状と呼ぶ)の成形に要する鍛造工程数や各鍛造工程で用いる金型形状は未知である。特に、金型形状は設計自由度が膨大であり、金型形状の設計を含めた鍛造工程設計は困難である。
このような多工程型鍛造プロセスの設計は、金型の設計を含めた工程設計を試行錯誤的に検討されており、設計に要する時間、多工程型鍛造プロセスによる目標形状の成形精度、製造コスト等は、設計者のノウハウに大きく依存していた。
近年における製造業における熟練者減少の背景から、金型形状の設計を含めた鍛造工程設計を容易且つ適切に行えるようにすることが要請されている。
このような多工程型鍛造プロセスの設計における課題に対して、特許文献1に開示された技術は、複数の鍛造工程から構成される鍛造工程の設計を対象としていない。そのため、これらの技術を用いて、多工程型鍛造プロセスにおける金型形状の設計を含めた鍛造工程設計を行うことはできない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、所望する目標形状を成形する型鍛造プロセスを構成する鍛造方案及びその鍛造方案で使用する金型形状を容易且つ適切に決定することのできる計算機及び鍛造方案設計方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従う計算機は、プロセッサと、記憶部とを有し、鍛造方案を生成する計算機であって、鍛造方案は、ワークを所定の目標形状に成型するための金型形状及び鍛造条件を含む鍛造工程を少なくとも一つ含み、記憶部には、鍛造方案が複数格納され、プロセッサは、(1)ワークの初期形状と目標形状とを受け付け、(2)目標形状と初期形状とに基づいてシミュレーションを行うことで第1鍛造方案を生成し、(3)所定の基準に基づいて、第1鍛造方案に含まれる第1鍛造工程に類似する類似鍛造工程を含む第2鍛造方案を記憶部から選択し、(4)第2鍛造方案に含まれる、類似鍛造工程に先立つ工程である先行鍛造工程を抽出し、(5)先行鍛造工程、及び先行鍛造工程を用いて鍛造方案を生成することを推奨するメッセージの表示処理を行う。
本発明によれば、所望する目標形状を成形する型鍛造プロセスを構成する工程案及びその工程案で使用する金型案を容易且つ適切に決定することができる。
多工程型鍛造プロセスで成形を狙う目標形状の一例を示す図である。 鍛造前のワークと、目標形状との断面図である。 多工程型鍛造プロセスの1工程で使用する金型の一例を示す図である。 部分金型の種類を説明する図である。 仮想金型における部分金型の領域を説明する図である。 部分金型を組み合わせて構成される仮想金型の一例を示す図である。 型鍛造プロセスの鍛造方案で使用する金型形状案を説明する図である。 型鍛造プロセスにおけるワークの変形過程を示す断面図である。 実施形態に係る計算機システムの全体構成図である。 実施形態に係るプロセス設計計算機の構成図である。 実施形態に係るプロセス設計処理のフローチャートである。 実施形態に係る第1鍛造方案生成処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、実施例を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
以下の説明において、「メモリ」は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
また、以下の説明では、情報の一例として「xxxデータ」といった表現を用いる場合があるが、情報のデータ構造はどのようなものでもよい。すなわち、情報がデータ構造に依存しないことを示すために、「xxxデータ」を「xxxテーブル」と言うことができる。さらに、「xxxデータ」を単に「xxx」と言うこともある。そして、以下の説明において、各情報の構成は一例であり、情報を分割して保持したり、結合して保持したりしても良い。
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えば、メモリ)及び/又は通信インターフェースデバイス(例えば、ポート)を用いながら行うため、処理の主語がプログラムとされてもよい。プログラムを主語として説明された処理は、プロセッサまたはそのプロセッサを有する計算機が行う処理としてもよい。
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
なお、実施例を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<鍛造方案、鍛造工程、金型形状、目標形状及び部分金型>
ここで、本明細書においては、同一の金型(形状)を使ってワークに対して行う鍛造処理を1つの鍛造工程としており、例えば、同一の金型を他の条件(異なる温度条件等)で複数回連続して使用して鍛造処理を行う場合には、これら複数回の鍛造処理を1つの鍛造工程とする。従って、本明細書においては、「鍛造工程」は金型形状と鍛造条件との組み合わせを有する。そして、「鍛造方案」は、少なくとも一つの鍛造工程を含み、ワークから目標形状に鍛造するための鍛造工程群の案である。
金型形状は、無数の自由曲面に基づいて設計することができるが、無数の自由曲面に基づいて設計すると、考えられる金型形状の数が膨大となり、設計にかかる工数も膨大になる。そこで、本実施形態では、金型を、複数の部分金型(仮想金型ブロック)から構成されるものとし、各部分金型を、複数の機能のいずれかに対応する形状とし、これら部分金型を組合わせることで、金型案の候補となる金型(仮想金型)を創出するようにする。
ここで、例えば、図1に示すような目標形状F110を、図2に示すようにワークF120から成形するための多工程型鍛造プロセスの設計について説明する。なお、図1においては、上から目標形状F110の上面図、側面図、矢視A−A線における断面図を示している。目標形状F110は、軸対称(中心軸に対して対称)かつ上下対称の形状となっているが、これは、一例であって、目標形状は、軸対称でなくてもよく、また上下対象でなくてもよい。
このような目標形状F110を成形するための多工程型鍛造プロセスにおける1工程で使用する金型は、金型形状の設計指針がない場合、あらゆる自由曲面の中から各工程で使用する形状を決定しなければならないため、設計自由度が高く、設計にかかる工数も膨大になる。1工程で使用する金型としては、例えば、図3に示すような形状とすることができる。
ここで、部分金型の機能(役割)の種類について、図1に示す目標形状F110を生成する場合を想定した例を説明する。
図4は、部分金型の種類を説明する図である。
部分金型としては、例えば、部分金型番号が0、1−1、2−1、2−2、3の5つの機能をもったものが考えられる。なお、これらの機能は、目標形状F110を生成する型鍛造工程で必要とされる機能であり、過去の鍛造工程の設計実績などを参考に抽出することができる。
部分金型番号「0」の部分金型の機能は、プレス設備の鍛造における荷重(鍛造荷重)の低減や、ワークの流動性を考慮して、意図して部分金型をワークと接触させない機能である。部分金型番号「1−1」の部分金型の機能は、部分金型が対応する目標形状の領域の形状にワークを変形させる機能である。この機能を有する部分金型の形状は、対応する目標形状の領域の形状が転写されたものとなっている。部分金型番号「2−1」の部分金型の機能は、ワークに目標形状F110への変形はさせず、ワークの直径を拡大させる機能である。この機能を有する部分金型の形状は、例えば、平坦形状となっている。部分金型番号「2−2」の部分金型の機能は、ワークに目標形状F110への転写はせず、ワークの直径を拡大させる機能である。この機能を有する部分金型の形状は、例えば、テーパー形状となっている。部分金型番号「3」の部分金型の機能は、ワークの径方向への変形を拘束する機能である。
これら機能を部分金型に適切に割り当てることにより、目標形状F110を生成する鍛造工程で必要な金型案を生成することができる。また、これら機能の内のいずれかの機能を有する部分金型を複数組み合わせることで、金型案の候補となる金型を、或る程度の限られた個数に抑えて生成することができる。これにより、後述する金型案を決定するための計算処理等を低減することができ、計算時間を短縮することができる。このことは、見方を変えると、比較的良い金型案を効果的に生成することができると言える。
なお、部分金型の機能は、図4に示す例に限られず、多種多様の機能としてもよい。
<仮想金型における部分金型の領域>
次に、仮想金型における部分金型を説明する。
図5は、仮想金型における部分金型の領域を説明する図である。図6は、部分金型を組み合わせて構成される仮想金型の一例を示す図である。なお、図6における部分金型(F141〜F145)上に記載した各番号は、図4に示す部分金型番号を示している。
仮想金型における部分金型の領域は、例えば、目標形状F110の領域に基づいて決定されている。本実施形態では、図5に示すように、目標形状F110において、高さが変化する部分の少なくとも一部を領域の境界とし、その領域に対応する金型の領域(部分)を部分金型としている。具体的には、目標形状F110の中心から順に領域A1〜A5とし、図6に示すように、それら領域に対応(それら領域と対向)する金型F140の領域を部分金型F141〜F145としている。具体的には、領域A1には、部分金型F141が対応し、領域A2には、部分金型F142が対応し、領域A3には、部分金型F143が対応し、領域A4には、部分金型F144が対応し、領域A5には、部分金型F145が対応する。なお、領域A1は、上面が円形の領域であり、他の領域A2〜A5は、上面が円環状となっており、それらの領域に対応する部分金型F141〜F145は、上面が同一の形状となっている。このように、部分金型の領域を、円形又は円環状に対応するようにすると、目標形状が軸対称である場合には、部分金型全体に対して同一の機能を割り当てることができる。
本実施形態においては、部分金型F141〜F145に対して、図4に示す部分金型の機能のいずれかを対応付けることにより、複数の仮想金型を容易に生成することができる。図6の例では、部分金型F141は、部分金型番号「0」の機能を有する部分金型であり、部分金型F142、F143は、部分金型番号「1−1」の機能を有する部分金型であり、部分金型F144、F145は、部分金型番号「2−1」の機能を有する部分金型である。
なお、本実施形態では、部分金型F141〜F145を組合わせることにより金型F140を構成しているが、金型F140は、適切な金型案を検出するために利用される仮想的な金型である。したがって、実際に目標形状を生成する際には、金型F140の形状を一体的に成形した金型を製作して使用してもよく、金型F140のように、部分金型を組合わせて構成される金型を製作して使用してもよい。
<複数の鍛造工程から構成される鍛造方案の一例>
次に、ワークF120から目標形状F110を生成する複数の鍛造工程から構成される鍛造方案の一例について説明する。
図7は、型鍛造プロセスの工程案で使用する金型案を説明する図である。
鍛造方案F180は、金型案(金型形状)F150による鍛造工程(第1工程)と、金型案F160による鍛造工程(第2工程)と、金型案F170による鍛造工程(第3工程)との3つの鍛造工程により構成されている。
金型案F150は、領域A1〜A5に対応する部分金型F151〜F155により構成されている。部分金型F151には、部分金型番号「1−1」に対応する部分金型が割り当てられ、部分金型F152〜F155には、部分金型番号「2−1」に対応する部分金型が割り当てられている。したがって、金型案F150は、ワーク側の全面が平坦な形状の金型である。
金型案F160は、領域A1〜A5に対応する部分金型F161〜F165により構成されている。部分金型F161には、部分金型番号「0」に対応する部分金型が割り当てられ、部分金型F162、F163には、部分金型番号「1−1」に対応する部分金型が割り当てられ、部分金型F164、F165には、部分金型番号「2−1」に対応する部分金型が割り当てられている。したがって、金型案F160は、ワーク側の内周側に目標形状F110に基づく溝形状を転写させる金型である。
金型案F170は、領域A1〜A5に対応する部分金型F171〜F175により構成されている。部分金型F171〜F173には、部分金型番号「0」に対応する部分金型が割り当てられ、部分金型F174には、部分金型番号「1−1」に対応する部分金型が割り当てられ、部分金型F175には、部分金型番号「3」に対応する部分金型が割り当てられている。したがって、金型案F170は、ワークの外周部の形状転写と最外周の変形拘束を実現する金型である。
なお、各工程の金型案に相当する金型の押込み量(上下の金型を挟み込む量)は、部分金型番号「1−1」に対応する部分金型による押込みによって実現されるワークの厚みを目標形状F110と同じ厚みにするために必要な押込み量に設定される。
次に、図7に示す鍛造方案F180によるワークの変形過程について説明する。
図8は、型鍛造工程におけるワークの変形過程を示す断面図である。
まず、金型案F150に対応する金型を用いた第1鍛造工程では、鍛造前のワークF120がワークF190の形状に変形される。具体的には、第1鍛造工程では、部分金型番号「1−1」の部分金型F151によって、ワークF120の領域A1が目標形状F110の形状に成形され、部分金型番号「2−1」の部分金型F152〜F155によって、領域A2〜A5は、目標形状F110の形状には成形されずに、直径が拡大される。
次に、金型案F160に対応する金型を用いた第2鍛造工程では、ワークF190がワークF200の形状に変形される。具体的には、第2鍛造工程では、部分金型番号「1−1」の部分金型F162、F163によって、ワークF190の領域A2、A3が目標形状F110の形状に成形され、部分金型番号「2−1」の部分金型F164、F165によって、領域A4、A5は、目標形状F110の形状には成形されずに、直径が拡大される。なお、第1鍛造工程において目標形状F110の形状に成形された領域A1については、部分金型番号「0」の部分金型F161がワークF190と接触しないので、プレス機構における荷重を低減する効果が得られる。
次に、金型案F170に対応する金型を用いた第3鍛造工程では、ワークF200がワークF210の形状、すなわち、目標形状F110と一致する形状に変形される。具体的には、第2鍛造工程では、部分金型番号「1−1」の部分金型F174によって、領域A4は目標形状F110の形状に成形され、部分金型番号「3」の部分金型F175によって、領域A5は、径方向への変形が拘束され、最外周部の成形が行われる。なお、第1鍛造工程及び第2鍛造工程において既に目標形状F110の形状に成形された領域A1〜A3については、部分金型番号「0」の部分金型F171〜F173がワークF200と接触しないので、プレス機構における荷重を低減する効果が得られる。
<システム構成>
次に、一実施形態に係る計算機システムの構成について説明する。
図9は、一実施形態に係る計算機システムの全体構成図である。
計算機システムF10は、プロセス設計システムの一例としてのプロセス設計計算機F40と、管理計算機F20と、1以上の表示用計算機F30とを備える。プロセス設計計算機F40と管理計算機F20とは、ネットワークF11を介して接続されている。また、プロセス設計計算機F40と表示用計算機F30とは、ネットワークF11を介して接続されている。
計算機システムF10を構成する計算機、すなわちプロセス設計計算機F40、管理計算機F20及び表示用計算機F30は、各種情報処理が可能な装置、一例としてサーバ、コンピュータ等である。
なお、本実施例の計算機システムF10を構成する計算機は、複数の情報処理装置が通信ネットワークを介して通信可能に構成された、いわゆるクラウドにより構成されてもよい。
プロセス設計計算機F40は、例えば、記憶資源F44(図10参照)とCPU F41(図10参照)を最低限備えるサーバであり、後述するプロセス設計プログラムF441(図10参照)がインストールされている。記憶資源F44には、プロセス設計プログラムF441の入力条件であるワーク形状や目標形状を示すCADデータや計算実行条件、および計算実行後の工程案の概略図や有限要素解析の解析結果ファイルなどが保存されている。
管理計算機F20は、プロセス設計計算機F40のシステム管理者によって使用される計算機である。システム管理者は、管理計算機F20を利用することにより、プロセス設計計算機F40の記憶媒体容量や、ユーザごとの利用率などを監視してサービス運用を行う。
表示用計算機F30は、プロセス設計計算機F40を利用するユーザによって使用される計算機である。表示用計算機F30は、プロセス設計計算機F40にアクセスして、プロセス設計計算機F40のGUI F442(図10参照)に対して、ユーザにより入力された多工程の自動設計条件、許容する鍛造荷重の最大値などといったテキスト形式の情報や、目標形状やワーク形状といったCADデータの送信を行う。なお、ユーザにより入力された条件はプロセス設計計算機F40の記憶資源F44に保存され、保存されたデータに基づいてプロセス設計計算機F40が工程設計を行う。また、表示用計算機F30は、工程設計の結果として得られた工程案を、プロセス設計計算機F40のGUI F442を介して、表示する。これにより、工程案をユーザが閲覧することができる、。
<<ハードウェア>>
次に、一実施形態に係るプロセス設計計算機の構成について説明する。
図10は、一実施形態に係るプロセス設計計算機の構成図である。
プロセス設計計算機F40は、一例としては、パーソナルコンピュータ、汎用計算機である。プロセス設計計算機F40は、プロセッサの一例としてのCPU F41、ネットワークインターフェースF42(図ではNet I/Fと省略)、ユーザインターフェースF43(図ではUser I/F)、記憶部の一例としての記憶資源F44、及びこれら構成物を接続する内部ネットワークを含む。
CPU F41は、記憶資源F44に格納されたプログラムを実行することができる。記憶資源F44は、CPU F41で実行対象となるプログラムや、このプログラムで使用する各種情報、CADデータ等を格納する。本実施形態では、記憶資源F44は、プロセス設計プログラムF441と実績データベースF445とを格納する。記憶資源F44としては、例えば、半導体メモリ、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であってよく、揮発タイプのメモリでも、不揮発タイプのメモリでもよい。
ネットワークインターフェースF42は、ネットワークF11を介して外部の装置(例えば、管理計算機F20、表示用計算機F30等)と通信するためのインターフェースである。
ユーザインターフェースF43は、例えば、タッチパネル、ディスプレイ、キーボード、マウス等であるが、作業者(ユーザ)からの操作を受け付け、情報表示ができるのであれば、他のデバイスであってもよい。ユーザインターフェースF43は、これら複数のデバイスで構成されてもよい。
<<<プロセス設計計算機で動作するプログラム>>>
<プロセス設計プログラム>
プロセス設計プログラムF441は、GUI(Graphical User Interface)F442と、最適工程判定モジュールF443と、最適工程設計モジュールF444とを含む。
GUI F442は、CPU F41に実行されることにより、設計条件の入力処理と、目標値を満たす工程案の提示処理を行う。
GUI F442は、設計条件の入力画面を表示させて、以下の情報の入力を受け付ける。なお、各情報又は各情報の一部の項目の入力を受け付けなくてもよい。
*工程設計で設計する最大工程数
*設計変数の定義、例えば、部分金型の種類、部分金型の割当て領域
*使用する有限要素シミュレーションソルバーの指定
*ワーク形状
*目標形状。目標形状は、この工程案の設計における目標の形状であり、鍛造処理での最終製品の形状であってもよく、鍛造処理における中間の目標形状(中間目標形状)であってもよい。
*目的関数の定義。目的関数の定義としては、例えば、工程案で鍛造した鍛造形状と目標形状との形状誤差を最小化、鍛造荷重を最小化などといった評価方法を指定してもよい。
*制約条件。制約条件としては、例えば、使用するプレス機構の鍛造荷重、金型の摩耗等を含んでもよい。
*有限要素シミュレーションの最大計算回数
*有限要素シミュレーションにおけるメッシュのサイズ
*目標値。目標値は、目的関数に関する評価値であり、例えば、許容される形状誤差の値(例えば最大値)、プレス機構において許容される鍛造荷重の値(例えば、最大値)等である。
*実績データベースF445の活用の有無の選択
また、GUI F442は、CPU F41に実行されることにより、目標値を満たす工程案についての結果画面を提示する。結果画面は、以下の情報を含んでもよい。
*得られた工程案の概略を示す図
*概略の工程案を詳細表示するための解析結果ファイルへのリンク(閲覧用リンク)
ユーザは、表示用計算機F30により、閲覧用リンクを選択することによって、解析結果ファイルにアクセスでき、解析結果の内容(例えば、鍛造荷重、応力、歪み等)を評価することができる。なお、解析結果ファイルへのアクセスおよび解析結果の評価は、表示用計算機F30にある有限要素シミュレーションソフトの結果表示機能を利用して行ってもよく、解析結果ファイルのテキストデータに対して表計算ソフトなど用いて行ってもよい。
最適工程判定モジュールF443は、CPU F41に実行されることにより、工程案における工程数の指定と、最適工程の可否判定とを行う。最適工程判定モジュールF443は、GUI F442で指定された最大工程数以下の範囲で、固定数を指定する。最適工程の可否判定では、最適工程判定モジュールF443は、最適工程設計モジュールF444で決定した最適工程がGUI F442で指定された形状精度などの目標値を満足しているかを評価することにより、最適工程が目標値を満たす工程案であるか否かを判定する。
最適工程設計モジュールF444は、CPU F41に実行されることにより、金型形状などの工程情報生成と、有限要素モデルの生成とシミュレーションの実行と、シミュレーション結果に基づく最適設計条件の探索とを行う。最適工程設計モジュールF444による具体的な処理については、図11を参照して後述する。
実績データベースF445には、過去に行われた鍛造方案が複数格納されている。実績データベースF445に格納されている鍛造方案は、プロセス設計プログラムF441により算出された鍛造方案のみならず、プロセス設計プログラムF441により算出される鍛造方案に類似する、実施済みの鍛造方案も含まれる。
プロセス設計計算機F40では、GUI F442が、ユーザから設計条件の入力及び自動設計の開始の指示を受け付けると、入力された条件を、最適工程判定モジュールF443に渡し、最適工程判定モジュールF443が、工程数と設計条件を最適工程設計モジュールF444に入力する。最適工程設計モジュールF444は、入力された工程数と設計条件とに基づいて最適工程を探索し、導出した最適工程を最適工程判定モジュールF443に返す。また、最適工程設計モジュールF444は、鍛造形状に基づいて実績データベースF445から再計算向け推奨工程を検索し、最適工程探索に用いる。最適工程判定モジュールF443は、返された最適工程が目標値を満足していれば目標値を満たす工程案をGUI F442に返し、GUI F442が返された最適工程の結果をユーザにより閲覧可能にする。一方、最適工程設計モジュールF444が返した最適工程が目標値を満足しなければ、最適工程判定モジュールF443が工程数を再設定し(工程数を1増やし)、最適工程設計モジュールF444が再設定された工程数に基づいて最適工程の設計をやり直す。
以上のプロセス設計計算機F40によると、ユーザはGUI F442に対する設計条件の入力だけの操作で、試行錯誤的な検討なしに容易に最適工程を設計できる。また、GUI F442を使用しているので、ユーザは直感的に操作を行うことができる。
次に、一実施形態に係るプロセス設計計算機F40における処理動作について説明する。
<<プロセス設計処理>>
図11は、一実施形態に係るプロセス設計処理のフローチャートである。
プロセス設計計算機F40のGUI F442は、ワークの初期形状、目標形状、最大工程数、部分金型の種類、部分金型の割当て領域、有限要素シミュレーションソルバーなどといった設計条件についてのユーザ入力を受け付ける(ステップ(1))。
次に、最適工程判定モジュールF443及び最適工程設計モジュールF444は、最適工程である第1鍛造方案を生成する(ステップ(2))。ステップ(2)の詳細な処理について、図12を参照して説明する。
まず、最適工程判定モジュールF443は、最適工程を決定する工程の工程数(候補値)を1(第1値の一例)に設定し(ステップ(10))、最適工程設計モジュールF444が以下の繰り返し処理(ステップ(11−1)、(11−2)、(11−2))を実行することにより、最適な工程を決定する処理を実行する(ステップ(11))。
繰り返し処理では、最適工程設計モジュールF444は、繰り返し処理における部分金型の割当てについての条件を決め、この部分金型の割当てについての条件に従って、金型案を生成する(ステップ(11−1))。ここで、部分金型の割当てについての条件とは、各部分金型の割当て領域に対してどの機能を持つ部分金型を割り当てる(設定する)かということであり、この条件の生成においては、最適工程設計モジュールF444は、最適化ソルバーを用いて行ってもよいし、任意の方法で割当て条件を決定するようにしてもよい。
次に、最適工程設計モジュールF444は、金型形状の部分金型番号「1−1」、「1−2」を割当てた部分金型の領域のワーク厚みが目標形状の厚みになるように各工程の押込み量の条件生成を行う(ステップ(11−2))。次いで、最適工程設計モジュールF444は、これらの条件に基づいて有限要素シミュレーションの解析を行い、これらの条件に従う工程により鍛造される鍛造形状と目標形状との形状誤差や、この工程における鍛造荷重などの解析結果を算出する(ステップ(11−3))。
ステップ(12)では、最適工程設計モジュールF444は、上記した繰り返し処理を実行して、それらの繰り返し処理で得られた結果に基づいて、所定の目標値が最小となる工程を決定することで、指定された工程数における最適工程を導出し、導出した最適工程を最適工程判定モジュールF443に通知する。ここで、目標値は、例えば、プレス設備の荷重制約の下での目標形状との形状誤差に関する値(目標形状精度)、すなわち、鍛造されたワークの形状と、目標形状との形状の一致度に関する値としてもよい。
次いで、最適工程判定モジュールF443は、通知された最適工程が、所定の目標値(目標形状精度など)を満足しているか否かを判定する(ステップ(13))。この結果、最適工程が、所定の目標値を満足していないと判定した場合(ステップ(13):No)には、最適工程判定モジュールF443は、最適工程を判定する工程数を1増やして最適工程設計モジュールF444に通知し(ステップ(14))、処理をステップ(12)に進める。これにより、ステップ(12)では、工程数を1増やした値(第2値の一例)に対して最適工程を決定する処理が行われることとなる。
一方、最適工程が、所定の目標値を満足していると判定した場合(ステップ(13):Yes)には、最適工程判定モジュールF443は、目標値を満足している最適工程を、プロセスにおける最適な工程案としてGUI F442に渡し、GUI F442は、この工程案を出力し(ステップ(15))、図12に示す処理を終了する。ステップ(15)において提示された最適工程案が第1鍛造方案になる。
図11に戻って、最適工程設計モジュールF444は、最適工程判定モジュールF443が最適と判定した工程案である第1鍛造方案に含まれる第1鍛造工程に類似する鍛造工程(類似鍛造工程)を有する第2鍛造方案を、実績データベースF445から検索して選択する(ステップ(3))。
具体的には、最適工程設計モジュールF444は、第1鍛造工程に含まれる金型形状をキーとして、この金型形状に類似する特徴量を有する金型形状を含む類似鍛造工程を、実績データベースF445から検索する。特徴量の一例としては、金型形状またはワークの面積の一致率、金型形状またはワークの点の位置(座標)の一致率、第1鍛造工程の金型形状またはワークの点とこの点に対応する類似鍛造工程の金型形状またはワークの点との間の距離の近さ、などが挙げられる。
このように、類似率に基づいて第2鍛造方案を検索しているので、鍛造条件が類似する第2鍛造方案を的確かつ迅速に検索することができる。
第2鍛造方案を選択する際、最適工程設計モジュールF444は、最適工程判定モジュールF443を介して複数の第2鍛造方案をGUI F442に提示し、いずれかの第2鍛造方案をユーザに選択させてもよい。この際、上述した特徴量が最大である(つまり類似率が最も高い)第2鍛造方案と、特徴量が最小である(つまり類似率が最も低い)第2鍛造方案を提示してもよい。
また、実績データベースF445に、鍛造方案としてワークの初期形状が含まれている場合、ステップ(1)で入力されたワークの初期形状と実績データベースF445に格納されている鍛造方案に含まれる初期形状との類似率についても、第2鍛造方案の選択のキーとしてもよい。これにより、鍛造条件がより類似する第2鍛造方案を選択することができる。
次いで、最適工程設計モジュールF444は、ステップ(3)で選択した第2鍛造方案に含まれる類似鍛造工程より工程的に先んじた(工程的に前の)鍛造工程、すなわち先行鍛造工程を選択する(ステップ(4))。この際、ステップ(3)と同様に、最適工程設計モジュールF444は、最適工程判定モジュールF443を介して複数の先行鍛造工程をGUI F442に提示し、いずれかの先行鍛造工程をユーザに選択させてもよい。
次いで、最適工程設計モジュールF444は、ステップ(4)で選択した類似鍛造工程が目標値を満たすものであるか否かを判定する(ステップ(5))。ここにいう目標値とは、類似率の目標値である。
この結果、目標値を満たす類似鍛造工程があると判定した場合(ステップ(5):YES)には、最適工程設計モジュールF444は、第2鍛造方案に含まれる類似鍛造工程より前の鍛造工程、すなわち先行鍛造工程を用いて鍛造方案を生成することを推奨するメッセージをGUI F442を介して表示させる(ステップ(7))。
一方、目標値を満たす類似鍛造工程がないと判定した場合(ステップ(5):NO)には、最適工程設計モジュールF444は、第1鍛造方案を推奨するメッセージをGUI F442を介して表示させる(ステップ(7))。
この際、類似鍛造工程の類似率を同時に表示することもでき、これにより、第1鍛造方案を選択すべきか第2鍛造方案を選択すべきかをユーザが明確に判断することができる。
この後、ユーザにより鍛造方案の選択を待ち、GUI F442を介してユーザからの選択入力があったら、選択入力された鍛造方案を工程案として出力する(ステップ(8))。また、最適工程設計モジュールF444は、先行鍛造工程を含む鍛造方案を実績データベースF445に格納してもよい。
従って、本実施例によれば、実績データベースF445に格納された過去の鍛造方案を参照することにより、第1鍛造方案では目標形状にまで加工しきれないことが予想される場合においても、先行鍛造工程を用いてより精度の高い鍛造工程、鍛造方案を生成してユーザに提示することができる。
一例として、第1鍛造方案を用いただけ、つまりシミュレーションだけでは予測が難しいレベルの鍛造時の塑性流動が生じる場合がある。例えば、一回のプレス時には、予想したように横方向の端部まで素材が流れない。この場合、最初は、経験を元にまずは横に広げないといけない場合がある。かかる経験に基づく鍛造方案が実績データベースF445に格納されているので、第1鍛造方案に含まれる第1鍛造工程に類似する類似鍛造工程をキーとして、この類似鍛造工程に先行する先行鍛造工程を採用することにより、より精度の高い鍛造を行うことができる。
これにより、鍛造工程と金型形状とを自動生成する本実施例の計算機システムF10(特にプロセス設計計算機F40)の利便性を向上することができるとともに、この計算機システムF10が対象とする範囲を拡大することができる。
また、上記したプロセス設計処理によると、金型案を含む鍛造工程案を、ユーザが試行錯誤的な検討をすることなく、適切に設計することができる。また、本実施形態では、最適工程を導出する工程数を1から順に設定するようにし、設定された工程数での最適工程を導出し、導出した最適工程が目標値を満足するか否かにより、目標形状を得るためのプロセスでの最適な鍛造工程案とすることで、目標形状を得るための工程数を最小の工程数とすることができ、従来の試行錯誤的な工程案より工程数を減らせる可能性がある。これにより、実際の加工に使用する金型の個数を低減できることによりコストの削減を実現でき、また、工程数削減による製造リードタイムの短縮を実現できる。
<バリエーション>
なお、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
<<部分金型>>
なお、上記実施形態では、目標形状に基づいて部分金型の領域を決定していたが、部分金型の領域はこれに限られず、目標形状に関わらず、任意の領域としてもよい。例えば、目標形状の中心側の領域に対応する部分金型の径方向の幅を、目標形状の中心軸に近いほど大きくし、中心軸から離れるほど小さくしてもよい。また、上記実施形態では、部分金型の上面形状を円形、又は円環状としていたが、部分金型の上面形状はこれに限られず、任意の形状としてもよい。例えば、部分金型を、八面体(例えば、上面形状が六角形の八面体)としてもよい。
また、金型(仮想金型)における部分金型の数は、任意に決定してもよい。また、例えば、部分金型の数を固定的に決定していてもよいし、プロセス設計処理において目標値を満たさない場合(ステップ(4):No)に、より大きな数に変更するようにしてもよい。
<<その他>>
また、上記実施形態では、プロセス設計計算機F40に有限要素シミュレーションの実行機能を備え、この有限要素シミュレーションの実行機能を利用する例を示していたが、本発明はこれに限られず、有限要素シミュレーションの実行は、必ずしもプロセス設計計算機F40において行わなくてもよい。例えば、有限要素モデルの生成は、プロセス設計計算機F40で実行し、有限要素シミュレーションについては、例えば、表示用計算機F30にある、ユーザが既に所有している有限要素シミュレーションソフトを用いて解析を実行し、得られた解析結果をプロセス設計計算機F40に返すようにしてもよい。この場合、プロセス設計計算機F40において有限要素シミュレーションを実行しなくてもよいので、プロセス設計計算機F40の負荷を軽減することができる。また、プロセス設計計算機F40にある有限要素シミュレーションソフトの実行を行うとユーザの費用負担が発生するような場合には、プロセス設計計算機F40で有限要素シミュレーションソフトの実行をしなくてもよくなるので、プロセス設計計算機F40を利用する費用を低減することができる。
また、上記実施形態では、プロセス設計システムを、1つのプロセス設計計算機F40により構成する例を示していたが、本発明はこれに限られず、プロセス設計システムを複数の計算機により構成するようにしてもよい。
例えば、部分金型の機能は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な機能としてもよい。例えば、鍛造前のワークの位置あわせを行う機能を含んでもよい。部分金型の機能の種類を増やすことで、操業条件、成形性、ワークの材料特性などを加味した適切な金型案を含む工程案を決定できる。
また、上記実施形態では、軸対称の目標形状を例に説明したが、本発明はこれに限られず、目標形状が3次元複雑形状である場合にも適用できる。また、上下対称の目標形状を例に説明したが、上下対称の形状でなくてもよい。この場合には、上側の金型と、下側の金型の形状とを別に考慮するようにすればよく、例えば、上側の金型の部分金型と、下側の金型の部分金型とは、対応する領域の幅(径方向の幅)が異なっていてもよく、また、金型を構成する部分金型の個数が異なっていてもよい。
<類似鍛造工程を出力した後の処理>
また、目標値を満たす類似鍛造工程があったと判定した後、先行鍛造工程に加えて第1鍛造方案を採用するだけでなく、先行鍛造工程の結果に基づいて再度第1鍛造方案を生成してもよい。あるいは、既に出力されている第1鍛造方案に対してユーザが微調整を加えてもよい。
また、上記実施形態では、類似鍛造工程に先行する先行鍛造工程を検索していたが、例えば第1鍛造方案が複数の鍛造工程を含むとき、先行鍛造工程として第1鍛造方案に含まれる鍛造工程の間の鍛造工程を検索して選択してもよい。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラムまたはスクリプト言語で実装できる。
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段またはCD−RW、CD−R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
F10…計算機システム、F11…ネットワーク、F20…管理計算機、F30…表示用計算機、F40…プロセス設計計算機、F41…CPU、F42…ネットワークインターフェース、F43…ユーザインターフェース、F44…記憶資源、F441…プロセス設計プログラム、F442…GUI、F443…最適工程判定モジュール、F444…最適工程設計モジュール、F445…実績データベース

Claims (14)

  1. プロセッサと、記憶部とを有し、鍛造方案を生成する計算機であって、
    前記鍛造方案は、ワークを所定の目標形状に成型するための金型形状及び鍛造条件を含む鍛造工程を少なくとも一つ含み、
    前記記憶部には、前記鍛造方案が複数格納され、
    前記プロセッサは:
    (1)前記ワークの初期形状と前記目標形状とを受け付け、
    (2)前記目標形状と前記初期形状とに基づいてシミュレーションを行うことで第1鍛造方案を生成し、
    (3)所定の基準に基づいて、前記第1鍛造方案に含まれる第1鍛造工程に類似する類似鍛造工程を含む第2鍛造方案を前記記憶部から選択し、
    (4)前記第2鍛造方案に含まれる、前記類似鍛造工程に先立つ工程である先行鍛造工程を抽出し、
    (5)前記先行鍛造工程を用いて前記鍛造方案を生成することを推奨するメッセージの表示処理を行う、
    計算機。
  2. 請求項1に記載の計算機であって、
    前記鍛造方案は、前記ワークの前記初期形状を含み、
    前記プロセッサは、(3)の処理において、前記記憶部に格納された前記鍛造方案に含まれる前記初期形状と、(1)の処理において受け付けた前記初期形状と、にさらに基づいて前記第2鍛造方案を選択する、
    計算機。
  3. 請求項1に記載の計算機であって、
    前記プロセッサは:
    (6A)前記先行鍛造工程で得られる前記ワークの形状と、前記目標形状と、に基づいてシミュレーションを行うことで、前記鍛造方案を生成する、
    計算機。
  4. 請求項1に記載の計算機であって、
    前記プロセッサは:
    (6B)前記先行鍛造工程と、前記第1鍛造工程とを含む前記鍛造方案を生成する、
    計算機。
  5. 請求項1に記載の計算機であって、
    前記プロセッサは、(3)の処理において、前記第1鍛造工程に含まれる前記金型形状又は前記第1鍛造工程後の前記ワークの形状と、前記記憶部に格納された前記鍛造方案に含まれる前記鍛造工程の前記金型形状又は前記鍛造工程後の前記ワークの形状と、の類似率に基づいて、前記第2鍛造方案を選択する、
    計算機。
  6. 請求項5に記載の計算機であって、
    前記プロセッサは:
    (7)前記類似率の表示処理を行う、
    計算機。
  7. 請求項5に記載の計算機であって、
    前記類似率は、前記第1鍛造工程に含まれる前記金型形状又は前記第1鍛造工程後の前記ワークの形状と、前記記憶部に格納された前記鍛造方案に含まれる前記鍛造工程の前記金型形状又は前記鍛造工程後の前記ワークの形状と、の面積の一致率、各点の一致率、及び各点の距離の近さの少なくとも一つである
    計算機。
  8. プロセッサと、記憶部とを有する計算機により鍛造方案を設計する方法であって、
    前記鍛造方案は、ワークを所定の目標形状に成型するための金型形状及び鍛造条件を含む鍛造工程を少なくとも一つ含み、
    前記記憶部には、前記鍛造方案が複数格納され、
    (1)前記ワークの初期形状と前記目標形状とを受け入れ、
    (2)前記目標形状と前記初期形状とに基づいてシミュレーションを行うことで第1鍛造方案を生成し、
    (3)所定の基準に基づいて、前記第1鍛造方案に含まれる第1鍛造工程に類似する類似鍛造工程を含む第2鍛造方案を前記記憶部から選択し、
    (4)前記第2鍛造方案に含まれる、前記類似鍛造工程に先立つ工程である先行鍛造工程を抽出し、
    (5)前記先行鍛造工程を用いて前記鍛造方案を生成することを推奨するメッセージの表示処理を行う、
    鍛造方案設計方法。
  9. 請求項8に記載の鍛造方案設計方法であって、
    前記鍛造方案は、前記ワークの前記初期形状を含み、
    (3)の処理において、前記記憶部に格納された前記鍛造方案に含まれる前記初期形状と、(1)の処理において受け付けた前記初期形状と、にさらに基づいて前記第2鍛造方案を選択する、
    鍛造方案設計方法。
  10. 請求項8に記載の鍛造方案設計方法であって、
    (6A)前記先行鍛造工程で得られる前記ワークの形状と、前記目標形状と、に基づいてシミュレーションを行うことで、前記鍛造方案を生成する、
    鍛造方案設計方法。
  11. 請求項8に記載の鍛造方案設計方法であって、
    (6B)前記先行鍛造工程と、前記第1鍛造工程とを含む前記鍛造方案を生成する、
    鍛造方案設計方法。
  12. 請求項8に記載の鍛造方案設計方法であって、
    (3)の処理において、前記第1鍛造工程に含まれる前記金型形状又は前記第1鍛造工程後の前記ワークの形状と、前記記憶部に格納された前記鍛造方案に含まれる前記鍛造工程の前記金型形状又は前記鍛造工程後の前記ワークの形状と、の類似率に基づいて、前記第2鍛造方案を選択する、
    鍛造方案設計方法。
  13. 請求項12に記載の鍛造方案設計方法であって、
    (7)前記類似率の表示処理を行う、
    鍛造方案設計方法。
  14. 請求項12に記載の鍛造方案設計方法であって、
    前記類似率は、前記第1鍛造工程に含まれる前記金型形状又は前記第1鍛造工程後の前記ワークの形状と、前記記憶部に格納された前記鍛造方案に含まれる前記鍛造工程の前記金型形状又は前記鍛造工程後の前記ワークの形状と、の面積の一致率、各点の一致率、及び各点の距離の近さの少なくとも一つである
    鍛造方案設計方法。
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