JP2021179043A - レーザ切断方法およびレーザ切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボン繊維シートをレーザ光で切断加工する場合に、切断加工された縁に繊維の剥離やささくれの発生することを抑制する。【解決手段】カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねて配置し、板状樹脂材3を通して、カーボン繊維シート1にレーザ光を照射することによりカーボン繊維シート1の切断加工を行う。切断加工では、カーボン繊維シート1の表面において、レーザ光の照射位置がラインを描くように照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ光によりカーボン繊維シートを切断する技術に関する。
カーボン繊維シートは、炭素を主成分とする炭素繊維をシート状に形成したものであってよい。カーボン繊維シートに樹脂を含浸させることによりCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が得られる。このようなCFRPは、強度が高く軽量であるため、航空機、自動車、宇宙関連機器(例えばロケットや人工衛星)などに利用されている。
カーボン繊維シートに樹脂を含浸させることによりCFRPを作製する前に、CFRPの用途に応じて、カーボン繊維シートを部分的に切断する加工(以下で単に切断加工ともいう)を行う場合がある。例えば、カーボン繊維シートを部分的にくり抜いたり、カーボン繊維シートにトリミングを行ったりする。
カーボン繊維シートは柔軟であるので、切断加工を機械加工で行う場合には、皺やばり等の発生を抑えるために、カーボン繊維シートにテンションを与えながら機械加工を行う必要がある。しかし、カーボン繊維シートにテンションを均一に与えながら、カーボン繊維シートを機械加工することは困難である。そのため、機械加工によりカーボン繊維シートに皺やばり等が発生しないように機械加工することが困難である。
一方、レーザ光によりカーボン繊維シートを加工する場合には、カーボン繊維シートにおいて、レーザ光により切断加工された縁に、繊維の剥離やささくれが生じてしまう(例えば後述の図5Bを参照)。なお、レーザ光により切断加工を行う技術は、例えば特許文献1に記載されている。
そこで、本発明の目的は、カーボン繊維シートをレーザ光で切断加工する場合に、切断加工された縁に、繊維の剥離やささくれの発生を抑えられる新たな技術を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明によるレーザ切断方法は、カーボン繊維シートをレーザ光で切断する方法であって、
(A)前記カーボン繊維シートと板状樹脂材とを互いに重ねて配置し、
(B)前記板状樹脂材を通して、前記カーボン繊維シートにレーザ光を照射することにより当該カーボン繊維シートの切断加工を行い、
前記切断加工では、前記カーボン繊維シートの表面において、当該レーザ光の照射位置がラインを描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにて前記カーボン繊維シートを前記レーザ光で切断する。
(A)前記カーボン繊維シートと板状樹脂材とを互いに重ねて配置し、
(B)前記板状樹脂材を通して、前記カーボン繊維シートにレーザ光を照射することにより当該カーボン繊維シートの切断加工を行い、
前記切断加工では、前記カーボン繊維シートの表面において、当該レーザ光の照射位置がラインを描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにて前記カーボン繊維シートを前記レーザ光で切断する。
また、本発明によるレーザ切断装置は、上述のレーザ切断方法を実行するための装置であって、レーザ光を生成するレーザ発振器と、前記レーザ発振器で生成されたレーザ光をカーボン繊維シートに向けて射出するレーザヘッドを含むヘッド本体と、前記ヘッド本体を駆動する駆動部と、前記レーザ発振器と前記駆動部を制御する制御部とを備える。前記制御部は、前記レーザ発振器および前記駆動部を制御することにより前記(B)が実行されるように構成されている。
板状樹脂材を通して、カーボン繊維シートにレーザ光を照射し、カーボン繊維シートの表面において、当該レーザ光の照射位置がラインを描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シートをレーザ光で切断する。この時、板状樹脂材の一部が、通過するレーザ光により蒸発して、カーボン繊維シートにおいて、切断加工により形成された縁部に浸透する。このように浸透した樹脂により、切断加工された縁において、繊維の剥離やささくれ等が生じることを抑制できる。よって、カーボン繊維シートにおいて綺麗な切断面を得ることができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施形態によるレーザ切断方法の説明図である。このレーザ切断方法では、レーザ切断装置20を用いてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。
(カーボン繊維シート)
カーボン繊維シート1は、炭素を主成分とする炭素繊維をシート状に形成したものであってよい。この炭素繊維は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)を原料とするPAN系炭素繊維であってもよいし、コールタールピッチ又は石油ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維であってもよい。カーボン繊維シート1の厚みは、0.1mm以上であって1mm未満(例えば0.2mm)であってもよいし、1mm以上であり5mm以下であってもよいが、これらの範囲内の値に限定されない。また、カーボン繊維シート1は、柔軟性を有していてよい。
カーボン繊維シート1は、炭素を主成分とする炭素繊維をシート状に形成したものであってよい。この炭素繊維は、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)を原料とするPAN系炭素繊維であってもよいし、コールタールピッチ又は石油ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維であってもよい。カーボン繊維シート1の厚みは、0.1mm以上であって1mm未満(例えば0.2mm)であってもよいし、1mm以上であり5mm以下であってもよいが、これらの範囲内の値に限定されない。また、カーボン繊維シート1は、柔軟性を有していてよい。
カーボン繊維シート1に樹脂(熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂)を含浸させることにより、カーボン繊維シート1をCFRPにすることができる。例えば、カーボン繊維シート1に樹脂を含浸させたプリプレグシートを複数枚用いてCFRPを形成してもよいし、カーボン繊維シート1を複数枚積層したものに樹脂を含浸させてCFRPを形成してもよい。
(レーザ切断装置の概略構成)
レーザ切断装置20は、CFRPを得るために樹脂が含浸される前のカーボン繊維シート1の一部をレーザ光で切断するために用いられる。レーザ切断装置20は、レーザ発振器21とヘッド本体22と駆動部23と制御部25を備える。
レーザ切断装置20は、CFRPを得るために樹脂が含浸される前のカーボン繊維シート1の一部をレーザ光で切断するために用いられる。レーザ切断装置20は、レーザ発振器21とヘッド本体22と駆動部23と制御部25を備える。
レーザ発振器21は、レーザ光を生成する。レーザ発振器21により生成されたレーザ光は、適宜の光路(例えば光ファイバ)を通してレーザヘッド22aへ案内される。レーザ発振器21は、ヘッド本体22に設けられていてもよい。
ヘッド本体22は、レーザ発振器21で生成されたレーザ光が導かれてくるレーザヘッド22aを備える。レーザヘッド22aは、レーザ発振器21からのレーザ光を、カーボン繊維シート1に向けて(図1の例では下方へ)射出する。また、ヘッド本体22は、カーボン繊維シート1の表面にレーザ光を集光させるためのレンズ22b(例えば凸レンズ22b)を有していてよい。
駆動部23は、図1に示す直交座標系であるxyz座標系のx軸方向とy軸方向とz軸方向の各々にヘッド本体22を駆動可能である。図1の例では、z軸方向は鉛直方向である。また、駆動部23は、ヘッド本体22に対してレーザヘッド22aを所定の回転軸周りに回転駆動可能であってもよい。この場合、当該回転軸の数は1つ又は2つであってよい。
制御部25は、レーザ発振器21を制御することにより、レーザ発振器21によるレーザ光の生成を制御するとともに、駆動部23を制御することにより、駆動部23によるレーザヘッド22aの駆動を制御する。
(レーザ切断方法)
第1実施形態によるレーザ切断方法は、カーボン繊維シート1の一部をレーザ光で切断する。このレーザ切断方法は、上述したレーザ切断装置20を用いて実行されてよい。また、このレーザ切断方法は、カーボン繊維シート1に樹脂を含浸させることにより当該カーボン繊維シート1からCFRPを得る前に実行される。
第1実施形態によるレーザ切断方法は、カーボン繊維シート1の一部をレーザ光で切断する。このレーザ切断方法は、上述したレーザ切断装置20を用いて実行されてよい。また、このレーザ切断方法は、カーボン繊維シート1に樹脂を含浸させることにより当該カーボン繊維シート1からCFRPを得る前に実行される。
図2は、第1実施形態によるレーザ切断方法を示すフローチャートである。図3Aと図3Bは、レーザ切断方法の説明図であり、それぞれ、図1の3A−3A矢視図と3B−3B矢視図である。なお、図1は、図3AのA−A矢視図である。第1実施形態によるレーザ切断方法は、ステップS1とステップS2を有する。
ステップS1では、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを(図1の例では上下に)互いに重ねて配置する。板状樹脂材3の厚み(図1ではz軸方向の寸法)は、例えば、1mm以上であり10mm以下の範囲内の値(例えば5mm)であってよいが、これに限定されない。
以下において、カーボン繊維シート1の厚み方向において、カーボン繊維シート1から見て、レーザ光を射出するレーザヘッド22aの側をヘッド側とし、該ヘッド側と反対側を反ヘッド側とする。ヘッド側は、図1において正のz軸方向の側(上側)であり、反ヘッド側は、図1において負のz軸方向の側(下側)である。
第1実施形態では、ステップS1で、図1に示すように、カーボン繊維シート1のヘッド側と反ヘッド側の各々に板状樹脂材3が位置するように、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねて配置する。ステップS1において、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねて配置したものを、以下で単に積層体7ともいう。
カーボン繊維シート1は、その厚み方向から見た場合に、図3Bの例では矩形の形状を有しているが、他の形状を有していてもよい。また、図3Bにおいて描かれている二点鎖線は、後述のステップS2でレーザ光が照射されて切断される加工箇所を示す仮想的な切断対象ラインLである。図3Bの例では、カーボン繊維シート1において、4つの小さな円形の切断対象ラインLと1つの大きな円形の切断対象ラインLがある。
カーボン繊維シート1のヘッド側に配置された板状樹脂材3は、後述のステップS2で使用するレーザ光が透過する材料で形成されたものである。カーボン繊維シート1の反ヘッド側に配置された板状樹脂材3も、同様にレーザ光が透過する材料で形成されたものであってよい。板状樹脂材3は、一例では透明であるが、透明でなくてもよく、例えば半透明であってもよい。各板状樹脂材3は、例えば、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、又はMS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)により形成されたものであってよいが、これらに限定されない。
また、本実施形態では、上述の積層体7にはスペーサ8が含まれる。すなわち、図1に示すように、ステップS1の配置で、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3(ヘッド側と反ヘッド側の各板状樹脂材3)との間に、スペーサ8を設けて隙間5が存在するようにする。スペーサ8は、カーボン繊維シート1において、後述のステップS2で切断加工される箇所ではない非加工箇所に設けられる。スペーサ8で隙間5を確保することにより、カーボン繊維シート1における少なくとも切断対象ラインLとその近傍が、ヘッド側と反ヘッド側に存在する板状樹脂材3と接触しないようにする。スペーサ8は、図1の例では薄板状の小片である。
カーボン繊維シート1の厚み方向におけるスペーサ8の寸法(スペーサ8による隙間5の寸法)は、例えば、1mm以上であり6mm以下の範囲内の値(例えば1mm)であってよいが、これに限定されない。図1の例では、図3Bに示すように、カーボン繊維シート1の外周部における4箇所の各々にスペーサ8が設けられている。
また、ステップS1では、図1のように、上述の積層体7は、レーザ切断装置20の加工テーブル9の表面9aに配置されてよい。この時、図1の例では、カーボン繊維シート1における加工箇所L(図3Bの切断対象ラインL)の真下において、積層体7と加工テーブル9との間に空間11が存在する。この空間11を通して、後述のステップS2での切断加工時に、積層体7の板状樹脂材3から溶融した材料が抜け落ちるようになる。
図1の例では、上記空間11を確保するために、加工テーブル9の表面9aには、当該表面9aから立ち上がるように複数の支持部13が設けられている。これらの支持部13の上端面は、上記空間11が確保されるように、積層体7の下面の複数箇所をそれぞれ支持している。これら複数箇所は、カーボン繊維シート1における上述の加工箇所Lから水平方向にずれた箇所である。図1の例では、4つの支持部13が、それぞれ、積層体7(板状樹脂材3)の下面の四隅を下方から支持している。
ステップS2では、ステップS1で配置した積層体7に対しレーザ光を照射することにより、カーボン繊維シート1の切断加工を行う。すなわち、板状樹脂材3を通して、カーボン繊維シート1にレーザ光を照射することにより当該カーボン繊維シート1の切断加工を行う。この切断加工では、カーボン繊維シート1の表面において、当該レーザ光の照射位置(集光スポット)がライン(図3Bの例では、各切断対象ラインL)を描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。なお、図3Bの場合、レーザ光の照射位置が1つの切断対象ラインを描いたら、次の切断対象ラインをレーザ光の照射位置が描くことを開始するまで、一時的に、レーザ発振器21によるレーザ光の生成が停止されてよい。このようなレーザ光生成の一時的停止は、制御部25によるレーザ発振器21の制御でなされてよい。
ステップS2では、レーザヘッド22aからのレーザ光の集光スポットをカーボン繊維シート1に合わせた(一致した)状態でカーボン繊維シート1に対し切断加工が行われるように、制御部25は、レーザ発振器21と駆動部23を制御する。この制御を以下で単に切断加工制御ともいう。切断加工制御は、例えば、次のように行われる。
制御部25は、外部から加工開始指令を受けると、駆動部23の制御を介して、レーザヘッド22aを動作開始位置に位置決めする。この時、制御部25は、駆動部23の制御を介して、上記回転軸回りにレーザヘッド22aを回転させることによりレーザヘッド22aの姿勢(向き)も制御してよい。次いで、制御部25は、レーザ発振器21を制御することにより、レーザ発振器21にレーザ光を連続的に生成させるとともに、駆動部23を制御することによりレーザヘッド22aを(例えばz軸と垂直な方向に)移動させる。この時、制御部25は、駆動部23の制御を介してレーザヘッド22aの姿勢を制御してもよい。このような制御により、切断加工が行われる。すなわち、レーザ光の集光スポットをカーボン繊維シート1に合わせた状態で、集光スポットが、カーボン繊維シート1の表面において切断対象ラインLを描くように移動することで、当該切断対象ラインLにてカーボン繊維シート1がレーザ光で切断される。
なお、上述の加工開始指令は、例えば人がレーザ切断装置20の操作部(例えばボタン)を操作することにより生成されて制御部25に入力されてよい。また、制御部25は、加工開始指令を受けたら上述の切断加工制御を行うように構成されている。
上述したステップS2を行う前に、ステップS1において、積層体7をクランプ部材15で挟み込んで、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに固定してよい。図4は、図1の積層体7おいて、クランプ部材15を図示した状態を示す。図1では、図示を省略しているが、図4のように、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3を互いに重ねた積層体7の全体を上下に挟み込んで、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに固定するクランプ部材15が設けられてよい。図4の例では、各クランプ部材15は、この図の紙面の奥側の支持部13と、紙面の手前側の支持部13との間で積層体7を上下に挟み込んでいる。
クランプ部材15が、カーボン繊維シート1の厚み方向(鉛直方向)にスペーサ8と重なる位置において積層体7を挟み込むのがよい。また、クランプ部材15は、積層体7の外周部を上下に挟み込んでよい。この場合、図4では、この図の左右方向の両側にクランプ部材15を設けているが、図4の紙面の手前側と奥側にもクランプ部材15を設けてもよい。すなわち、これら4つのクランプ部材15で、それぞれ、積層体7における外周部の4箇所において積層体7を挟み込んでもよい。
クランプ部材15により、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とが互いにずれることを防止できる。クランプ部材15は、図4のように弾性変形することにより生じる弾性力で積層体7の全体を挟み込む金属製クリップであってもよいが、他の適宜の手段であってもよい。クランプ部材15は、図4の例では加工テーブル9から独立したものであるが、加工テーブル9に取り付けられたものであってもよい。
(第1実施形態による効果)
第1実施形態によると、板状樹脂材3を通して、カーボン繊維シート1にレーザ光を照射し、カーボン繊維シート1の表面において、当該レーザ光の照射位置がラインを描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。この時、板状樹脂材3の一部が、通過するレーザ光により蒸発して、カーボン繊維シート1において、切断加工により形成された切断縁部に浸透する。このように浸透した樹脂により、切断加工された縁において、繊維の剥離やささくれ等が生じることを抑制できる。よって、カーボン繊維シート1において綺麗な切断面を得ることができる。
第1実施形態によると、板状樹脂材3を通して、カーボン繊維シート1にレーザ光を照射し、カーボン繊維シート1の表面において、当該レーザ光の照射位置がラインを描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。この時、板状樹脂材3の一部が、通過するレーザ光により蒸発して、カーボン繊維シート1において、切断加工により形成された切断縁部に浸透する。このように浸透した樹脂により、切断加工された縁において、繊維の剥離やささくれ等が生じることを抑制できる。よって、カーボン繊維シート1において綺麗な切断面を得ることができる。
また、カーボン繊維シート1のヘッド側と反ヘッド側の各々に板状樹脂材3が位置するように、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねて配置している。したがって、レーザヘッド22aからのレーザ光は、ヘッド側の板状樹脂材3を通過するだけでなく、カーボン繊維シート1を通過した後、反ヘッド側の板状樹脂材3にも入射する。これにより、切断縁部には、ヘッド側の板状樹脂材3からの蒸発樹脂だけでなく、反ヘッド側の板状樹脂材3の蒸発樹脂も浸透する。よって、カーボン繊維シート1の両面において切断縁に繊維の剥離やささくれ等が生じることをより確実に抑制できる。
カーボン繊維シート1に樹脂を含浸させてCFRPを形成する前に、カーボン繊維シート1の一部を切断して除去するので、除去された当該一部を廃棄する処理が容易になる。すなわち、CFRPの一部を切断して除去した場合には、当該一部を廃棄するためには、CFRPの当該一部を含浸済み樹脂とカーボン繊維とに分離する必要があるが、本実施形態により、この分離の手間が省ける。
カーボン繊維シート1と板状樹脂材3との間に隙間5が存在するように、積層体7が配置され、隙間5を確保した状態で、切断加工が行われる。したがって、切断加工時に、板状樹脂材3においてレーザ光により溶融した部分がカーボン繊維シート1に溶着してカーボン繊維シート1と板状樹脂材3とが結合してしまうことを回避できる。カーボン繊維シート1の材質により、当該結合を容易に解除できる場合には、スペーサ8を設けなくてもよい。
図5Aは、第1実施形態の実施例によるレーザ切断方法により実際に切断加工されたカーボン繊維シート1を、その厚み方向から見た画像である。図5Aは、図3Bに示す各切断対象ラインLに対して切断加工を行った場合を示す。図5Aのように、カーボン繊維シート1には、切断対象ラインLでの切断加工により、4つの小さな円形穴と1つの大きな円形穴が形成されている。図5Aの実施例において、カーボン繊維シート1は、繊維の剥離やささくれ等が発生することなく綺麗に切断されていて、板状樹脂材3から綺麗に分離できている。
一方、図5Bは、比較例の方法により、図3Bに示す各切断対象ラインLに対して切断加工を行った場合を示す。すなわち、図5Bは、板状樹脂材3とスペーサ8を用いずに、図1において支持部13の上に直接を置いたカーボン繊維シート1に、板状樹脂材3を通さずにレーザ光を直接照射して切断加工した場合を示す。図5Bでは、図5Aと違って、繊維の剥離やささくれ等が生じている。図5Bと図5Aの比較から本実施形態の効果が確認できる。
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態によるレーザ切断方法の説明図である。図7は、第2実施形態によるレーザ切断方法を示すフローチャートである。以下において、第2実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態によるレーザ切断方法の説明図である。図7は、第2実施形態によるレーザ切断方法を示すフローチャートである。以下において、第2実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。
ステップS1では、図6のように、複数枚のカーボン繊維シート1を用いて、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを交互に重ねて配置する。したがって、ステップS1においてカーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねた積層体7は、複数枚のカーボン繊維シート1を含んでいる。
ステップS1で上述のように配置した各カーボン繊維シート1と、当該カーボン繊維シート1にヘッド側から隣接する板状樹脂材3との間にはスペーサ8が設けられて隙間5が形成される。また、各カーボン繊維シート1と、当該カーボン繊維シート1に反ヘッド側から隣接する板状樹脂材3との間にもスペーサ8が設けられて隙間5が形成される。これらのスペーサ8は、上述の積層体7に含まれる。各スペーサ8は、第1実施形態の場合と同様に、非加工箇所に設けられる。
ステップS2では、ステップS1で配置した積層体7に含まれる複数のカーボン繊維シート1をヘッド側から順に1枚ずつ切断加工する。この切断加工では、カーボン繊維シート1の表面において、当該レーザ光の照射位置(集光スポット)がライン(各切断対象ラインL)を描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。
ステップS2では、ステップS1で配置した複数枚のカーボン繊維シート1のそれぞれの切断対象ラインLは鉛直方向から見た場合に、互いに一致していてよい。
ステップS2は、ステップS21〜S23を有する。ステップS2において、制御部25は、外部から加工開始指令を受けると、ステップS2の切断加工を実行するようにレーザ発振器21の制御と駆動部23の制御を行ってよい。すなわち、この制御により、ステップS21〜S23が行われる。
ステップS21では、ステップS1で配置した複数のカーボン繊維シート1のうち最もヘッド側のカーボン繊維シート1を切断加工する動作開始位置にレーザヘッド22aを位置決めする。このように位置決めされたレーザヘッド22aから射出されたレーザ光の集光スポットは、最もヘッド側のカーボン繊維シート1に一致する。この位置決めは、制御部25が駆動部23を制御することにより行われる。この時、制御部25は、駆動部23の制御を介して、上記回転軸回りにレーザヘッド22aを回転させることによりレーザヘッド22aの姿勢も制御してよい。
ステップS22では、ステップS1で配置した複数のカーボン繊維シート1のうち、切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1にレーザ光の集光スポットを合わせた状態で、当該カーボン繊維シート1に対し切断加工を行う。
すなわち、制御部25は、レーザ発振器21を制御することにより、レーザ発振器21にレーザ光を連続的に生成させるとともに、駆動部23を制御することによりレーザヘッド22aを(例えばz軸と垂直な方向)移動させる。この時、制御部25は、駆動部23の制御を介してレーザヘッド22aの姿勢を制御してもよい。このような制御により、ステップS22の切断加工が行われる。その後、制御部25は、レーザ発振器21を制御することにより、再度のステップS22を開始するまでレーザ発振器21によるレーザ光の生成を停止させる。
図8は、図6のVIII−VIII矢視図であり、切断対象ラインLが上述した図3Bに示すものである場合において1回目のステップS22により形成された貫通孔Hを示す。ステップS22の結果、カーボン繊維シート1の切断対象ラインLの部分が貫通孔Hとなる。貫通孔Hは、図8のように、カーボン繊維シート1の表面に沿って細長く延びるとともにカーボン繊維シート1を貫通している。図8の例では、1枚のカーボン繊維シート1において、4つの小さな円形の貫通孔Hと1つの大きな円形の貫通孔Hが形成されている。
ステップS22を終えた後、制御部25は、ステップS1で配置した複数枚のカーボン繊維シート1の全てを切断加工していない場合には、ステップS23へ移行し、複数枚のカーボン繊維シート1の全てを切断加工した場合には、レーザ切断方法を終了する。
ステップS23では、レーザヘッド22aからのレーザ光の集光スポットが、切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1に合うように、レーザヘッド22aを反ヘッド側(図6の例では下方)の位置に移動させる。この移動は、制御部25が駆動部23を制御することにより行われる。この時、制御部25は、駆動部23の制御を介して、上記回転軸回りにレーザヘッド22aを回転させることによりレーザヘッド22aの姿勢も制御してよい。
ステップS23の次に、再びステップS22を行う。再度のステップS22では、直前のステップS23により切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1にレーザ光の集光スポットを合わせた状態で、当該カーボン繊維シート1に対し切断加工を行う。すなわち、制御部25は、レーザ発振器21を制御することにより、レーザ発振器21にレーザ光を連続的に生成させるとともに、駆動部23を制御することによりレーザヘッド22aを(例えばz軸と垂直な方向)移動させる。これにより、当該切断加工が行われる。
その後は、ステップS1で配置した複数枚のカーボン繊維シート1の全てを切断加工するまで、上述のステップS22とステップS23を繰り返し行う。この繰り返しを自動で行うように制御部25は構成されていてよい。
ステップS1で配置した複数枚のカーボン繊維シート1のそれぞれの切断対象ラインLは、位置、寸法、および形状が互いに同じであり、カーボン繊維シート1の厚み方向から見た場合に、互いに一致している。例えば、これらのカーボン繊維シート1の切断対象ラインLは、いずれも図3Bに示すものである。したがって、2回目以降のステップS22では、切断加工するカーボン繊維シート1のヘッド側に位置する切断加工済みのカーボン繊維シート1における貫通孔Hを通して、レーザヘッド22aからのレーザ光が、切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1に照射される。この時、当該カーボン繊維シート1のヘッド側に2枚以上の切断加工済みのカーボン繊維シート1が存在する場合には、当該2枚以上のカーボン繊維シート1の各々の貫通孔Hは、鉛直方向にみた場合に一致しており、切断加工済みの各カーボン繊維シート1の貫通孔Hを通して、レーザ光が、切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1に照射される。
第2実施形態において、上述しなかった点は、第1実施形態と同様であってよい。例えば、図6では、図示を省略しているが、上述した図4のように、積層体7の全体をクランプ部材15で挟み込むことにより、各カーボン繊維シート1とこれに隣接する板状樹脂材3を互いに固定してよい。
また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。更に、第2実施形態では、ステップS1で、複数枚のカーボン繊維シート1を一度に配置し、ステップS2で、これらカーボン繊維シート1を順に切断加工するので、切断加工を効率よく行うことができる。
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態によるレーザ切断方法の説明図である。以下において、第3実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。第3実施形態について、以下で説明しない点は、第1実施形態の場合と同様である。
図9は、本発明の第3実施形態によるレーザ切断方法の説明図である。以下において、第3実施形態について、第1実施形態と異なる点について説明する。第3実施形態について、以下で説明しない点は、第1実施形態の場合と同様である。
ステップS1では、図9のように、複数枚のカーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねて配置する。この時、複数のカーボン繊維シート1を互いに接触させるように重ね、当該複数のカーボン繊維シート1のうち、最もヘッド側のカーボン繊維シート1と当該カーボン繊維シート1にヘッド側から隣接する板状樹脂材3との間に、スペーサ8を配置することで隙間5が存在するようにする。また、当該複数のカーボン繊維シート1のうち、最も反ヘッド側のカーボン繊維シート1と当該カーボン繊維シート1に反ヘッド側から隣接する板状樹脂材3との間に、スペーサ8を配置することで隙間5が存在するようにする。
ステップS1において互いに接触させるように重ねるカーボン繊維シート1の枚数は、図9では2枚であるが、3枚以上であってもよい。複数枚のカーボン繊維シート1と板状樹脂材3とを互いに重ねた積層体7は、複数枚のカーボン繊維シート1とスペーサ8を含んでいる。また、各スペーサ8は、第1実施形態の場合と同様に、非加工箇所に設けられる。
ステップS1で配置した複数枚のカーボン繊維シート1のそれぞれの切断対象ラインLは、位置、寸法、および形状が互いに同じであり、カーボン繊維シート1の厚み方向から見た場合に、互いに一致している。例えば、これらのカーボン繊維シート1の切断対象ラインLは、いずれも図3Bに示すものである。
ステップS2では、ステップS1で配置した積層体7に対しレーザ光を照射することにより、カーボン繊維シート1の切断加工を行う。すなわち、板状樹脂材3を通して、カーボン繊維シート1にレーザ光を照射することにより当該カーボン繊維シート1の切断加工を行う。この切断加工では、最もヘッド側のカーボン繊維シート1の表面において、当該レーザ光の照射位置(集光スポット)がライン(切断対象ラインL)を描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにてカーボン繊維シート1をレーザ光で切断する。
この時、互いに重なっている複数枚のカーボン繊維シート1のうち、反ヘッド側のカーボン繊維シート1にレーザ光が十分に到達せず、その結果、当該反ヘッド側のカーボン繊維シート1の切断加工が不十分である場合には、ステップS2を再び行ってもよい。これにより、反ヘッド側のカーボン繊維シート1も十分に切断加工がなされる。この時、レーザヘッド22aを、前回のステップS2の場合よりも、若干(カーボン繊維シート1の厚み程度)反ヘッド側に移動させた状態で行ってもよい。また、この時、第2実施形態のように、切断加工済のヘッド側のカーボン繊維シート1の貫通孔H(図8を参照)を通して、下側のカーボン繊維シート1の切断対象ラインLにレーザ光が照射される。このようなステップS2の繰り返しは、互いに重なっている複数枚のカーボン繊維シート1の全ての切断加工が十分に成されるまで行われてよい。このような切断加工の繰り返しは、制御部25がレーザ発振器21と駆動部23を制御することにより自動的に行われてよい。
第3実施形態において、上述しなかった点は、第1実施形態と同様であってよい。第3実施形態においても、第1実施形態および第2実施形態と同様の効果が得られる。
図10は、積層体7に含まれるカーボン繊維シート1の枚数が3枚である場合について、第3実施形態によるレーザ切断方法の1回の切断加工により実際に切断された各カーボン繊維シート1を、その厚み方向から見た画像である。図10は、図3Bに示す各切断対象ラインLに対して切断加工を行った場合を示す。図10の例では、最上位(最もヘッド側)と中間のカーボン繊維シート1は、綺麗に切断加工されているが、最下位(最も反ヘッド側)のカーボン繊維シート1は、十分に切断されていない。このような場合、例えば、レーザヘッド22aから射出するレーザ光の強度を高くして1回のステップS2で全てのカーボン繊維シート1が十分に切断加工されるようにしてよい。あるいは、ステップS2を上述のように複数回行うことにより、全てのカーボン繊維シート1が十分に切断加工されるようにしてもよい。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1、2の一方又は両方を採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じであってよい。
(変更例1)
第2実施形態におけるステップS23において、制御部25は、レーザヘッド22aを反ヘッド側(図6の例では下方)の位置に移動させる代わりに、駆動部23を制御することにより、駆動部23により、レーザ光集光用のレンズ22bを当該レンズ22bの光軸方向(例えば反ヘッド側)に調整(移動)してもよい。これにより、レーザヘッド22aからのレーザ光の集光スポットが、切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1に合うようにしてもよい。
第2実施形態におけるステップS23において、制御部25は、レーザヘッド22aを反ヘッド側(図6の例では下方)の位置に移動させる代わりに、駆動部23を制御することにより、駆動部23により、レーザ光集光用のレンズ22bを当該レンズ22bの光軸方向(例えば反ヘッド側)に調整(移動)してもよい。これにより、レーザヘッド22aからのレーザ光の集光スポットが、切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シート1に合うようにしてもよい。
(変更例2)
上述の各実施形態において、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3を重ねる方向は、上述では鉛直方向であったが、他の方向であってもよい。
上述の各実施形態において、カーボン繊維シート1と板状樹脂材3を重ねる方向は、上述では鉛直方向であったが、他の方向であってもよい。
1 カーボン繊維シート
3 板状樹脂材
5 隙間
7 積層体
8 スペーサ
9 加工テーブル
9a 表面
11 空間
13 支持部
15 クランプ部材
20 レーザ切断装置
21 レーザ発振器
22 ヘッド本体
22a レーザヘッド
22b レンズ
23 駆動部
25 制御部
L 切断対象ライン(加工箇所)
H 貫通孔
3 板状樹脂材
5 隙間
7 積層体
8 スペーサ
9 加工テーブル
9a 表面
11 空間
13 支持部
15 クランプ部材
20 レーザ切断装置
21 レーザ発振器
22 ヘッド本体
22a レーザヘッド
22b レンズ
23 駆動部
25 制御部
L 切断対象ライン(加工箇所)
H 貫通孔
Claims (6)
- カーボン繊維シートをレーザ光で切断するレーザ切断方法であって、
(A)前記カーボン繊維シートと板状樹脂材とを互いに重ねて配置し、
(B)前記板状樹脂材を通して、前記カーボン繊維シートにレーザ光を照射することにより当該カーボン繊維シートの切断加工を行い、
前記切断加工では、前記カーボン繊維シートの表面において、当該レーザ光の照射位置がラインを描くように当該照射位置を移動させることにより、当該ラインにて前記カーボン繊維シートを前記レーザ光で切断する、レーザ切断方法。 - 前記カーボン繊維シートの厚み方向において、前記カーボン繊維シートから見て、レーザ光を射出するレーザヘッドの側をヘッド側とし、該ヘッド側と反対側を反ヘッド側として、
前記(A)では、前記カーボン繊維シートのヘッド側と反ヘッド側の各々に板状樹脂材が位置するように、前記カーボン繊維シートと板状樹脂材とを互いに重ねて配置する、請求項1に記載のレーザ切断方法。 - 前記カーボン繊維シートと前記板状樹脂材との間に、スペーサを配置することで隙間が存在するように前記(A)を行い、
前記隙間が存在している状態で前記(B)を行う、請求項1又は2に記載のレーザ切断方法。 - 前記(A)では、前記カーボン繊維シートと前記板状樹脂材とを交互に重ねて配置し、
前記カーボン繊維シートの厚み方向において、前記カーボン繊維シートから見て、レーザ光を射出するレーザヘッドの側をヘッド側とし、該ヘッド側と反対側を反ヘッド側として、
前記(B)では、
(B1)前記(A)で配置した複数の前記カーボン繊維シートのうち、最もヘッド側のカーボン繊維シートにレーザ光の集光スポットを合わせた状態で、当該カーボン繊維シートに対し前記切断加工を行い、
(B2)前記レーザヘッドからのレーザ光の集光スポットが、前記切断加工が未だ行われていない最もヘッド側の前記カーボン繊維シートに合うように、前記レーザヘッドを反ヘッド側の位置に移動させ、又は、レーザ光集光用のレンズを当該レンズの光軸方向に調整し、
(B3)次いで、前記(B2)により前記切断加工が未だ行われていない最もヘッド側のカーボン繊維シートにレーザ光の集光スポットを合わせた状態で、当該カーボン繊維シートに対し前記切断加工を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレーザ切断方法。 - 前記カーボン繊維シートの厚み方向において、前記カーボン繊維シートから見て、レーザ光を射出するレーザヘッドの側をヘッド側とし、該ヘッド側と反対側を反ヘッド側として、
複数の前記カーボン繊維シートを互いに接触させるように重ね、当該複数のカーボン繊維シートのうち、最もヘッド側のカーボン繊維シートと当該カーボン繊維シートにヘッド側から隣接する前記板状樹脂材との間に、スペーサを配置することで隙間が存在するように前記(A)を行う、請求項1に記載のレーザ切断方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ切断方法を実行するためのレーザ切断装置であって、
レーザ光を生成するレーザ発振器と、
前記レーザ発振器で生成されたレーザ光を、カーボン繊維シートに向けて射出するレーザヘッドを含むヘッド本体と、
前記ヘッド本体を駆動する駆動部と、
前記レーザ発振器と前記駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記レーザ発振器および前記駆動部を制御することにより前記(B)が実行されるように構成されている、レーザ切断装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020085166A JP2021179043A (ja) | 2020-05-14 | 2020-05-14 | レーザ切断方法およびレーザ切断装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114641367A (zh) * | 2019-10-31 | 2022-06-17 | 株式会社天田集团 | 用于工件支撑工作台的工件支承体及热加工机 |
-
2020
- 2020-05-14 JP JP2020085166A patent/JP2021179043A/ja active Pending
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CN114641367A (zh) * | 2019-10-31 | 2022-06-17 | 株式会社天田集团 | 用于工件支撑工作台的工件支承体及热加工机 |
CN114641367B (zh) * | 2019-10-31 | 2024-04-12 | 株式会社天田集团 | 用于工件支撑工作台的工件支承体及热加工机 |
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