JP2021178801A - ホウ素系マグネシウム塩の製造方法、電解液の製造方法、ホウ素系マグネシウム塩、電解液、及び、二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式1:Mg(OR1)2で表されるマグネシウム源化合物と、式2:B(OR2)3で表されるホウ素源化合物と、を反応させて、式3:Mg[B(OR1)(OR2)3]2で表されるホウ素系マグネシウム塩を含む反応生成物を得る、ホウ素系マグネシウム塩の製造方法。(式中、R1及びR2はハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基を有する1価の炭化水素基であり、式2及び式3中のR2はそのいずれか2つ以上が互いに結合して分子内で環を形成してもよい。)
【選択図】図1
Description
ホウ素系マグネシウム塩の製造方法として、非特許文献1には、水素化ホウ素マグネシウム塩を基質として、8当量以上のアルコールと反応させる方法(式A)が記載されている。なお、式A中Rは、フルオロアルキル基を表す。
式A:Mg(BH4)+8ROH→Mg[B(OR)4]2
また、本発明は、電解液の製造方法、ホウ素系マグネシウム塩、電解液、及び、二次電池を提供することも課題とする。
[2] 後述する式4:Mg(R4)2で表される化合物、又は、後述する式5:Mg(OR4)2で表される化合物と、後述する式6:R1OHで表される化合物と、を反応させて、上記マグネシウム源化合物を得ることを含む、[1]に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[3] 上記式4で表される化合物と、上記式6で表される化合物とを反応させて、上記マグネシウム源化合物を得ることを含む、[1]に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[4] 上記R4が、直鎖状、又は、分岐鎖状であって、炭素数が10個以下のアルキル基である、[2]又は[3]に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[5] 上記R4が、直鎖状、又は、分岐鎖状であって、炭素数4個以下のアルキル基である、[2]又は[3]に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[6] ボラン錯体と、後述する式7:R2OHで表される化合物、又は、後述する式8:R8(OH)mで表される化合物と、を反応させて、上記ホウ素源化合物を得ることを含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[7] 上記ボラン錯体と、上記式7で表される化合物とを反応させて、上記ホウ素源化合物を得ることを含む、[6]に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[8] 上記R2の炭素数が1〜6個である、[1]〜[7]のいずれかに記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[9] 上記反応生成物を非プロトン性溶媒で洗浄することを含む、[1]〜[8]のいずれかに記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
[10] [1]〜[9]のいずれかに記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法によりホウ素系マグネシウム塩を製造することと、上記ホウ素系マグネシウム塩と溶媒とを混合して、電解液を得ることとを含む、電解液の製造方法。
[11] 後述する式9:Mg[B(OR9)4]2で表されるホウ素系マグネシウム塩。
[12] 上記R9で表される基の炭素数が1〜6個である、[11]に記載のホウ素系マグネシウム塩。
[13] 上記R9で表される基の少なくとも1つが後述する式1R:*−L−C(R0)n(CX3)3−nで表される基である、[11]に記載のホウ素系マグネシウム塩。
[14] [11]〜[13]のいずれかに記載のホウ素系マグネシウム塩と、溶媒とを含有する電解液。
[15] 上記溶媒が後述する式11:R11(OC2H4)pOR12で表される化合物を含有する、[14]に記載の電解液。
[16] [14]又は[15]に記載の電解液を備える二次電池。
また、本発明によれば、電解液の製造方法、ホウ素系マグネシウム塩、電解液、及び、二次電池も提供できる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
具体的には、式Aで表される反応によってホウ素系マグネシウム塩を複数回合成し、得られた生成物について、それぞれに電気化学活性を評価するという、ち密な実験を粘り強く繰り返してきた。
以下では、本発明の実施形態に係るホウ素系マグネシウム塩の製造方法(以下、「本製造方法」ともいう。)について詳述する。本製造方法は、以下の工程1を含み、後述する工程2、及び/又は、工程3を更に含むことが好ましい。
本発明の実施形態に係るホウ素系マグネシウム塩の製造方法は、式1:Mg(OR1)2で表されるマグネシウム源化合物と、式2:B(OR2)3で表されるホウ素源化合物と、を反応させて、式3:Mg[B(OR1)(OR2)3]2で表されるホウ素系マグネシウム塩を含む反応生成物を得ること(以下、「工程1」ともいう。)を含む。
式S1:Mg(OR1)2+2B(OR2)3→Mg[B(OR1)(OR2)3]2
ルイス酸性の異なるイオンが同一系中に併存すると、より強いルイス酸性を有するイオン種が負電荷をより強く引き付ける。従って、より強いルイス酸性を有するホウ素がより強くアニオン種を引き付け、マグネシウムと相互作用しているアニオン種がホウ素化合物側に引き抜かれ、結果として、目的とするホウ素系マグネシウム塩が得られたものと推測される。
この際、使用される溶媒としては、水を含有しなければ特に制限されないが、一般に、鎖状エーテル、及び、環状エーテル等が好ましい。
鎖状エーテルとしては、後述する特定エーテル化合物等が好ましく、なかでも、1,2−ジメトキシエタン(DME)が好ましい。
また、従来の水素化マグネシウムを基質とした合成方法では、不純物の多くが水素化マグネシウムの塩等であるため、ホウ素系マグネシウム塩との分離は非常に困難だった。
本製造方法は、上記のとおり、反応生成物を溶媒洗浄するだけで、ホウ素系マグネシウム塩を高純度化できる点も優れている。
R1の炭素数が1〜5個であると、ホウ素系マグネシウム塩のアニオンのサイズがより小さく、カチオンの運動性がより向上する点で好ましい。
R1の炭化水素基が有するハロゲン化アルキル基の数は特に制限されず、1個以上が好ましく、炭素原子に結合した水素原子のすべてがハロゲン化アルキル基で置換されていることがより好ましい。
炭素数が1個のメチル基;
炭素数が2個のエチル基;
炭素数が3個のプロピル基、イソプロピル基;
炭素数が4個のブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基;
炭素数が5個のペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基;
炭素数が6個のヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,4−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチル−2−メチル−プロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基;
炭素数が7個のヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,2,2−トリメチルブチル基、1,1,2−トリメチルブチル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、2,3,3−トリメチルブチル基;
炭素数が8個のオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルブチル基、2,2−ジエチルブチル基、1,1,2,2−テトラメチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2,2,3,3−テトラメチルブチル基、1,1−ジメチル−2−エチルブチル基;
炭素数が9個のノニル基、2−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、4−メチルオクチル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,3−ジメチルヘプチル基、2,4ジメチルヘプチル基、2,6ジメチルヘプチル基、3,3ジメチルヘプチル基、3,4ジメチルヘプチル基、3,5ジメチルヘプチル基、4,4ジメチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、4−エチルヘプチル基、2,2,3−トリメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルヘキシル基、2,2,5−トリメチルヘキシル基、2,3,3−トリメチルヘキシル基、2,3,4−トリメチルヘキシル基、2,3,5−トリメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルヘキシル基、3,3,4−トリメチルヘキシル基、2メチル−3−エチルヘキシル基、3−メチル−3−エチルヘキシル基、3−エチル−4−メチルヘキシル基、3−エチル−5−メチルヘキシル基、2,2,3,3−テトラメチルペンチル基、2,2,3,4−テトラメチルペンチル基、2,2,4,4−テトラメチルペンチル基、2,3,3,4−テトラメチルペンチル基、2,2−ジメチル−3−エチルペンチル基、2,3−ジメチル−3−エチルペンチル基、2,4−ジメチル−3−エチルペンチル基、3,3−ジエチルペンチル基;炭素数が10個のデシル基、イソデシル基;等が挙げられる。
式1R中、R0の1価の炭化水素基としては炭素数が1〜10個のアルキル基、炭素数が2〜10個のアルケニル基、炭素数が3〜10個のアリール基、及び、炭素数が7〜10個のアラルキル基等が挙げられ、いずれもハロゲン原子で置換されていないことが好ましい。
また、ROは環状のアルキル基であってもよく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[3.3.1]ノニル基、ビシクロ[3.2.2]ノニル基、及び、アダマンチル基等であってもよい。
ROの炭素数が7〜10個のアラルキル基としては、ベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル、1−メチル−2−フェネチル、1−メチル−1−フェネチル、1,1−ジメチル−2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルプロピル、2−メチル−2−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、及び、4−フェニルブチル等が挙げられる。
本製造方法は、上記工程(以下、「工程2」ともいう。)を含むことが好ましい。
本製造方法は工程2を含むことが好ましい。工程2は、式4:Mg(R4)2で表される化合物、又は、式5:Mg(OR4)2で表される化合物と、式6:R1OHで表される化合物と、を反応させて、マグネシウム源化合物を得ること(工程)である。
式S2−2:Mg(OR4)2+2R1OH → Mg(OR1)2+2HOR4
なお、上記反応は、例えば、不活性ガス雰囲気下において式4、又は、式5で表される化合物の溶液を撹拌しながら式6で表されるアルコールを滴下することで進行する。この際の反応温度としては特に制限されないが、式6で表されるアルコールを滴下した後、0〜40℃に維持することが好ましく、式6で表されるアルコールの揮発がより抑制される点で、滴下時に0〜10℃に維持した後、その後、温度を上げて、10〜40℃に維持することがより好ましい。
鎖状エーテルとしては、後述する特定エーテル化合物等が好ましく、なかでも、1,2−ジメトキシエタン(DME)が好ましい。
なお、炭素数が1〜10個の直鎖状、及び、分岐鎖状アルキル基は、R1の説明において例示したとおりである。
なお、R4のアルキル基の炭素数の下限は、直鎖状の場合1個以上であり、分岐鎖状、及び、環状の場合3個以上である。
一方、R2で表される基のいずれか1個以上が、式1のR1で表される基と異なる場合、及び、R2で表される基の2つ以上が互いに異なる場合、ホウ素系マグネシウム塩のアニオン[B(OR1)(OR2)3]−は非対称構造となる。
本製造方法は、上記工程(以下「工程3」ともいう。)を含むことが好ましい。
本製造方法は工程3を含むことが好ましい。工程3は、ボラン錯体と、式7:R2OHで表される化合物、又は、式8:R8(OH)m表される化合物と、を反応させて、ホウ素源化合物を得ることである。
式8中、R8はハロゲン原子で置換されていてもよいm価の炭化水素基を表し、mは2又は3を表す。
シクロペンタン−1,2,3−トリイル基、シクロペンタン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,3−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,4−トリイル基、シクロヘキサン−1,2,5−トリイル基、及び、シクロヘキサン−1,3,5−トリイル基等の環式脂肪族炭化水素基;
ベンゼン−1,2,3−トリイル基、ベンゼン−1,2,4−トリイル基、ベンゼン−1,2,5−トリイル基、及び、ベンゼン−1,3,5−トリイル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
R8の炭素数としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果が得られる点で、1〜20個が好ましく、2〜15個がより好ましく。3〜10個が更に好ましく、4〜8個が特に好ましい。
ここで、工程1と工程3とを同時に実施するとは、典型的には、以下の式S3に示した手順で反応を進めることを意味する。
上記反応の反応溶媒は水を含有しなければ特に制限されないが、後述する特定エーテル化合物がより好ましい。
なお、ボラン錯体の量に対する式7で表される化合物の量は特に制限されず、2.9〜3.1(式7で表される化合物/ボラン錯体のモル比)が好ましい。
本方法は、上記以外に更に、得られた反応生成物を溶媒で洗浄する工程を有していてもよい。この際、使用する溶媒としては特に制限されないが、反応生成物中に含有される可能性のあるホウ素源化合物、及び、フッ素源化合物との反応性がより低い点で、非プロトン性溶媒が好ましい。
このような洗浄溶媒の中でも、反応生成物中の不純物をより溶解しやすい観点で、ドナー性の高いもの好ましい。洗浄溶媒のドナー数は0.1以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、10.0以上が特に好ましい。ドナー数の上限は特に制限されないが、一般に50.0以下が好ましく、31.0以下がより好ましく、17.0以下が更に好ましい。
ドナー数は上記文献の20頁の表のほか、EUROPEAN CHEMICAL BULLETIN,2015,vol.4,No.2,92−97の95ページの表2等に記載されている。
洗浄溶媒としては、ホウ素系マグネシウム塩の溶解性がより低く、かつ、不純物(例えば、ボラン錯体とアルコール化合物との反応物)の溶解性がより高い点で、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、及び、1,4−ジオキサンからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒を含有することが好ましく、1,4−ジオキサンを含有することがより好ましく、1,4−ジオキサンからなることが更に好ましい。
ここで、式3中、R1は、式1のR1と、R2は、式2のR2とそれぞれ同一の基を表し、好適形態も同様である。
式9:Mg[B(OR9)4]2
R9が連結して形成される環は、脂肪族環が好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に、環の骨格に含まれる炭素の数は、2〜6個が好ましい。R9が連結して形成される環は、例えば以下の式で表されるものが挙げられる。
また、マグネシウム源化合物のOR1で表される基、及び、ホウ素源化合物のOR2で表される基を調整することで、従来は困難であった非対称構造を有するアニオンを含むホウ素系マグネシウム塩の合成もできる。
また、使用する原料が従来の水素化マグネシウムを基質とする方法と比較してより安価であり、その傾向は、本製造方法が工程2、及び/又は、工程3を含む場合より顕著である。
本発明の実施形態に係る電解液はすでに説明したホウ素系マグネシウム塩と溶媒とを含有する。電解液中におけるホウ素系マグネシウム塩の含有量としては特に制限されないが、一般に、0.05〜1mol/Lが好ましい。
本電解液は、ホウ素系マグネシウム塩、溶媒、及び、必要に応じて他の成分を、典型的には不活性ガス雰囲気で混合して製造することができる。
本電解液をマグネシウム二次電池の電解液として用いれば、優れた電気化学活性が得られる。
ホウ酸エステルは、例えば、トリメチルボレート、トリエチルボレート、及び、これらの誘導体が挙げられる。
硫酸エステルは、例えば、トリメチルサルフェート、トリエチルサルフェート、及び、これらの誘導体が挙げられる。
亜硫酸エステルは、例えば、エチレンサルファイト、及び、その誘導体が挙げられる。
鎖状スルホンは、例えば、アルキルスルホン、及び、その誘導体が挙げられる。
ニトリルは、例えば、アセトニトリル、バレロニトリル、プロピオニトリル、トリメチルアセトニトリル、シクロペンタンカルボニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、及び、その誘導体が挙げられる。
アミドは、例えば、ジメチルホルムアミド、及び、その誘導体が挙げられる。スルトンは、例えば、1,3−プロパンスルトン、及び、その誘導体が挙げられる。
なお、溶媒は上記化合物の一種を単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
式11:R11(OC2H4)pOR12
なかでも、より優れた本発明の効果を有する電解液が得られやすい点で、メチル基、又は、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
また、式11中、pは、2〜4の整数であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
電解液が上記溶媒を含有すると、高温環境下での取り扱いがより容易となり、又は、充放電反応の効率がより向上して、電圧のロスがより抑制される。
なお、上記成分は一種を単独で用いても、二種以上を併用してもよい。上記成分を二種以上併用する場合には、その合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
図1は、本発明の実施形態に係る二次電池の構成を示す模式図である。図1に示すとおり、二次電池1は、正極11と、負極12と、電解液13と、容器14と、を備えている。本二次電池は、優れた電気化学活性を有する。
正極集電体として使用される物質は、特に制限されないが、耐食性により優れ、より安価である点で、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、及び、アルミニウム等が好ましい。
正極活物質として使用される物質は、特に制限されないが、典型的には、マグネシウムイオンを挿入及び脱離可能なものが好ましく、MgFeSiO4、MgMn2O4、及び、V2O5等が挙げられる。
正極11の具体的な構成としては、例えばステンレス鋼上にV2O5の層が配置された積層体が挙げられる。
一方、負極12は、マグネシウム、及び、マグネシウム合金が好ましい。
まず、電解液13を作製する。電解液13の作製方法はすでに説明したとおりである。
次に、正極活物質を正極集電体に接触させて正極11を作製する。このようにして得られた電解液13、正極11及び負極12を用いて二次電池1を作製できる。
実施例で使用した材料は以下のとおりである。
Sigma−Aldrich 製品番号:345113−800ML
富士フイルム和光純薬株式会社 製品番号: 201−14865
東京化成工業株式会社 製品番号: T2346
Sigma−Aldrich 製品番号: 176192−800ML
東京化成工業株式会社 製品番号: D1843
Sigma−Aldrich 製品番号: 192120−800ML
富士フイルム和光純薬株式会社 製品番号: 084−10315
東京化成工業株式会社 製品番号: H0424
東京化成工業株式会社 製品番号: T0435
東京化成工業株式会社 製品番号: H1279
関東化学株式会社 電気化学用 製品番号: 14121−08
関東化学株式会社 有機合成用脱水溶媒 製品番号: 11337−05
使用した略号は以下のとおりである。
HFIP: hexafluoroisopropoxy group
TFE: 2,2,2−tetrafluoroethoxy group
FP: fluorinated pinacolate group / Hexafluoro−2,3−bis(trifluoromethyl)−2,3−butanedialkoxide
以下の試薬を用い、以下の手順に沿って、Mg[B(HFIP)4]2を合成した。
Di−n−butylmagnesium solution 1.0 M in heptane (Sigma−Aldrich, 345113−800ML)
Tetrahydrofuran−Borane Tetrahydrofuran Solution (Fujifilm Wako, 201−14865)
1,1,1,3,3,3−Hexafluoro−2−propanol (Fujifilm−Wako, 084−10315)
Ethylene glycol dimethyl ether
1,4−Dioxane anhydrous
そこへ1,1,1,3,3,3−Hexafluoro−2−propanol 1.04mL(10.0mmol)を10分かけて滴下し、その間25℃で溶液を撹拌し続けた。
得られた白色固体をEthylene glycol dimethyl ether 20mLに溶解させ、均一な溶液を調製した。調製した溶液にTetrahydrofuran−Borane Tetrahydrofuran Solutionを12.2mL(11.0mmol)加え、25℃で30分撹拌した。
乾燥処理により、粗生成物としてMg[B(HFIP)4]2と過剰のB(HFIP)3を含む白色固体が得られた。
なお、Mg[B(HFIP)4]2の構造は、核磁気共鳴スペクトルによって確認した。Mg[B(HFIP)4]2の構造を以下に示した。
Ar雰囲気のグローブボックス中にて、容量200mLのナスフラスコ底に長さ2cmの磁気撹拌子を設置し、シリンジを用いてDi−n−butylmagnesium solution 1.0 M in heptaneを5mL(5mmol)入れた。
そこへ2,2,2−Trifluoroethanol 0.72mL(10.0mmol)を10分かけて滴下し、その間25℃で溶液を撹拌し続けた。
得られた白色固体をEthylene glycol dimethyl ether 20 mLに溶解させ、均一な溶液を調製した。調製した溶液にTetrahydrofuran−Borane Tetrahydrofuran Solutionを12.2 mL (11.0 mmol)加え、25℃で30分撹拌した。
Ar雰囲気のグローブボックス中にて、容量200mLのナスフラスコ底に長さ2cmの磁気撹拌子を設置し、シリンジを用いてDi−n−butylmagnesium solution 1.0M in heptaneを5mL(5mmol)入れた。
そこへ1,1,1,3,3,3−Hexafluoro−2−propanol 1.04mL(10.0mmol)を10分かけて滴下し、その間25℃で溶液を撹拌し続けた。
非特許文献1に記載された方法に沿って、Mg[B(HFIP)4]2を合成した。水素化ホウ素マグネシウムをジメトキシエタンに溶解し、マグネシウムに対して8.5倍モルのヘキサフルオロイソプロパノールを加えた。溶液を室温に維持して、24時間攪拌し、その後、減圧乾燥して、Mg[B(HFIP)4]2を含む反応生成物を得た。
実施例1、及び、比較例の反応生成物をマグネシウム二次電池の電解液として用いた際の電気化学活性を評価した。
電解液の調製、3極式セル及び電池の組み立てなどのすべての操作はアルゴン雰囲気のグローブボックスにおいて行った。
白金を作用電極とし、0.6mLの電解液を入れ、Mgを対電極、銀を参照電極として、3極式セルを組み立てた。アルゴン雰囲気のグローブボックスにおいて、50mV/sのスキャン速度でサイクル電圧電流テストを行った。サイクル電圧電流テストの結果を図2に示した。
なお、電位は、図2中に(1)〜(6)の数字及び矢印で示した順に変化させた。図2の0Vvs.Mg2+/Mg付近に観測された酸化還元電流はそれぞれマグネシウムの溶解析出に対応する。
図3中、0Vvs.Mg2+/Mg付近に観測された酸化還元電流はそれぞれマグネシウムの溶解析出に対応する。凡例等は図2と同様である。
図3によれば、ロットC1、及び、ロットC2では、ロット1、及び、ロット2と比べて電流値が小さく、初期サイクル(1st)の応答が悪い。また溶解側のピーク形状が歪である(段階的に電流が流れる)。これは電解液中に不純物が存在していることを示唆している。
図2及び図3の結果をまとめて表1に示した。
過電圧の絶対値が小さいほど、及び/又は、電流値の絶対値が大きいほど電気化学活性が高い。
11 正極
12 負極
13 電解液
14 容器
Claims (16)
- 式1:Mg(OR1)2で表されるマグネシウム源化合物と、
式2:B(OR2)3で表されるホウ素源化合物と、を反応させて、
式3:Mg[B(OR1)(OR2)3]2で表されるホウ素系マグネシウム塩を含む反応生成物を得る、ホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
(式1中、R1はハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基を有する1価の炭化水素基であり、分子内に複数あるR1は同一でも異なってもよく、式2中、R2はハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基を有する1価の炭化水素基であり、分子内に複数あるR2は同一でも異なってもよく、式3中、R1は、前記式1のR1と同一の基を表し、R2は、前記式2のR2と同一の基を表し、式2及び式3中のR2はそのいずれか2つ以上が互いに結合して分子内で環を形成してもよい。) - 式4:Mg(R4)2で表される化合物、又は、式5:Mg(OR4)2で表される化合物と、
式6:R1OHで表される化合物と、を反応させて、前記マグネシウム源化合物を得ることを含む、請求項1に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
(式4及び5中、R4はアルキル基を表し、複数あるR4は同一でも異なってもよく、式6中、R1は、前記式1のR1と同一の基を表す。) - 前記式4で表される化合物と、前記式6で表される化合物とを反応させて、前記マグネシウム源化合物を得ることを含む、請求項2に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
- 前記R4が、直鎖状、又は、分岐鎖状であって、炭素数が10個以下のアルキル基である、請求項2又は3に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
- 前記R4が、直鎖状、又は、分岐鎖状であって、炭素数4個以下のアルキル基である、請求項2又は3に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
- ボラン錯体と、
式7:R2OHで表される化合物、又は、式8:R8(OH)mで表される化合物と、
を反応させて、前記ホウ素源化合物を得ることを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
(式7中、R2は前記式2のR2と同一の基を表し、式8中、R8はハロゲン原子で置換されていてもよいm価の炭化水素基を表し、mは2又は3を表す。) - 前記ボラン錯体と、前記式7で表される化合物とを反応させて、前記ホウ素源化合物を得ることを含む、請求項6に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
- 前記R2の炭素数が1〜6個である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
- 前記反応生成物を非プロトン性溶媒で洗浄することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のホウ素系マグネシウム塩の製造方法によりホウ素系マグネシウム塩を製造することと、
前記ホウ素系マグネシウム塩と溶媒とを混合して、電解液を得ることとを含む、電解液の製造方法。 - 式9:Mg[B(OR9)4]2で表されるホウ素系マグネシウム塩。
(式9中、R9はそれぞれ独立にハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基を有する1価の炭化水素基を表し、R9のいずれか2つ以上が互いに連結して環を形成してもよい。ただし、分子内に4つあるR9の全てが同一の基であるものを除く。) - 前記R9で表される基の炭素数が1〜6個である、請求項11に記載のホウ素系マグネシウム塩。
- 前記R9で表される基の少なくとも1つが式1R:*−L−C(R0)n(CX3)3−nで表される基である、請求項11に記載のホウ素系マグネシウム塩。
(式1R中、Lは単結合、又は、2価の炭化水素基を表し、ROは水素原子、又は、1価の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは0〜3の整数を表し、*は結合位置を表す。) - 請求項11〜13のいずれか1項に記載のホウ素系マグネシウム塩と、溶媒とを含有する電解液。
- 前記溶媒が式11:R11(OC2H4)pOR12で表される化合物を含有する、請求項14に記載の電解液。
(式11中、R11及びR12はそれぞれ独立に、炭素数が1〜14個の1価の炭化水素基を表し、pは1〜8の整数を表す。) - 請求項14又は15に記載の電解液を備える二次電池。
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