JP2021156309A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油を油貯留部に案内する案内油路がケースの上下方向に延在する壁面で油貯留部側に開口する車両用駆動装置において、通常走行時に案内油路の油の流通を確保しつつ車両の急制動時に油貯留部から案内油路への油の逆流を抑制する。【解決手段】ケースに対して車両後方に設けられて油を貯留する油貯留部と、油貯留部から回転電機を冷却するために供給された油を油貯留部に案内すると共にケースの上下方向に延在する壁面で油貯留部側に開口する案内油路と、壁面から車両後方に離間した位置に配置された支持部により回動自在に吊り下げられ、取付状態で案内油路を開放すると共に車両前向きの力の作用により支持部周りに車両前方に回動して案内油路を閉鎖可能な閉鎖部材とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、車両用駆動装置に関する。
従来、この種の車両用駆動装置としては、変速装置を収容する第1収容空間および回転電機を収容する第2収容空間を形成するケースと、第1収容区間の下方に設けられて油を貯留する油貯留部と、油貯留部から回転電機に供給された後の油を第2収容空間から油貯留部に戻す油路とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この油路は、油貯留部に向かって傾斜面で開口する開口部を有し、この油路には、開閉機構が設けられている。開閉機構は、対象方向(車両の前方へ向かう方向)に直交する水平方向に沿って延びる揺動軸心周りに揺動自在で揺動軸心よりも下方に重心を有する開閉部材を有する。開閉部材は、対象方向側に重心が移動するように揺動することにより開口部を閉じるように構成されている。こうした構成とすることにより、通常走行時には、この油路における油の流通を適切に確保しつつ、車両の急制動時には、その油路内を逆流する油を低減している。
国際公開2015/163357号
油を第2収容空間から油貯留部に戻す油路がケースの上下方向に延在する壁面で油貯留部側に開口するようにした場合、揺動軸心(開閉部材を支持する支持部)が壁面に設けられると、開閉部材の自重により、通常走行時に、開閉部材が油路を閉鎖してしまい、油路における油の流通を適切に確保できない可能性がある。
本開示は、油を油貯留部に案内する案内油路がケースの上下方向に延在する壁面で油貯留部側に開口する車両用駆動装置において、通常走行時に案内油路の油の流通を確保しつつ車両の急制動時に油貯留部から案内油路への油の逆流を抑制することを主目的とする。
本開示の車両用駆動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の車両用駆動装置は、
車両に搭載され、回転電機と、前記回転電機を収容するケースとを備える車両用駆動装置であって、
前記ケースに対して車両後方に設けられて油を貯留する油貯留部と、
前記油貯留部から前記回転電機を冷却するために供給された油を前記油貯留部に案内すると共に前記ケースの上下方向に延在する壁面で前記油貯留部側に開口する案内油路と、
前記壁面から車両後方に離間した位置に配置された支持部により回動自在に吊り下げられ、取付状態で前記案内油路を開放すると共に車両前向きの力の作用により前記支持部周りに前記車両前方に回動して前記案内油路を閉鎖可能な閉鎖部材と、
を備えることを要旨とする。
本開示の車両用駆動装置では、案内油路が開口する壁面から車両後方に離間した位置に配置された支持部により回動自在に吊り下げられ、取付状態で案内油路を開放すると共に車両前向きの力の作用により支持部周りに車両前方に回動して案内油路を閉鎖可能な閉鎖部材を備える。これにより、通常走行時に案内油路の油の流通を確保しつつ車両の急制動時(車両前向きの比較的大きい力が作用しているとき)に油貯留部から案内油路への油の逆流を抑制することができる。
本開示のハイブリッド駆動装置10を示す概略構成図である。 ハイブリッド駆動装置10の要部を示す拡大図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示のハイブリッド駆動装置10を示す概略構成図であり、図2は、ハイブリッド駆動装置10の要部を示す拡大図である。ハイブリッド駆動装置10は、車両1に搭載されて走行用の騒動力を発生するものであり、図1に示すように、エンジン11と、モータジェネレータ(回転電機)MGと、エンジン11とモータジェネレータMGとを連結すると共に両者の連結を解除するクラッチK0と、動力伝達装置15とを備える。ハイブリッド駆動装置10は、図示するように後輪駆動車両に搭載されてもよく、前輪駆動車両に搭載されてもよく、動力伝達装置15に連結されるトランスファを有する4輪駆動車両に搭載されてもよい。
エンジン11は、ガソリンや軽油といった炭化水素系燃料と空気との混合気の燃焼に伴う図示しないピストンの往復運動をクランクシャフト(出力軸)12の回転運動に変換する内燃機関として構成されている。エンジン11のクランクシャフト12は、ダンパ機構13を介して第1伝達軸14aに連結される。ダンパ機構13は、例えば、クランクシャフト12に連結される入力要素と、第1伝達軸14aに連結される出力要素と、入力要素と出力要素との間でトルクを伝達すると共に捩り振動を減衰する複数のコイルスプリング(弾性体)を有する。
モータジェネレータMGは、同期発電電動機(三相交流電動機)として構成されており、図示しないインバータを介して図示しない高電圧蓄電装置(バッテリ)と電力をやり取りする。モータジェネレータMGは、高電圧蓄電装置からの電力により駆動されて駆動トルクを発生する電動機として作動すると共に、車両1の制動に際して回生制動トルクを出力する。また、モータジェネレータMGは、負荷運転されるエンジン11からの動力の少なくとも一部を用いて電力を生成する発電機としても作動する。図1および図2に示すように、モータジェネレータMGは、クラッチK0と共にモータケース8内に収容され、ステータ20およびロータ30を有する。モータケース8は、モータジェネレータMGの軸方向における一端(図1および図2における左端)が開放されたハウジング80と、その一端を覆うようにハウジング80に固定されるカバー89とを有する。
ステータ20は、環状のステータコア21と、ステータコア21に巻回されるステータコイル22とを有する。ステータコア21は、例えばプレス加工により円環状に形成された電磁鋼板を複数積層層して積層方向に連結することにより一体に形成される。このステータコア21は、ステータコア21に形成された複数のボルト孔に挿通された複数のボルト28を介してモータケース8のカバー89に対して回転不能に固定される。ステータコイル22は、U相、V相、W相の3相コイルを有する。
ロータ30は、図2に示すように、ロータコア31と、ロータコア31を保持する保持部材40とを有する。ロータコア31は、例えばプレス加工により円環状に形成された電磁鋼板を複数積層することにより形成される。また、ロータコア31には、周方向に間隔をおいてそれぞれ軸方向に延びる図示しない複数の貫通孔が形成され、各貫通孔には、永久磁石(図示省略)が埋設される。
保持部材40は、環状の外側半部41と、外側半部41に固定される環状の内側半部45と、環状のプレート部材50とを有する。外側半部41および内側半部45は、何れも例えば鋼材製(鉄合金製)の鍛造体に切削加工を施すことにより形成される。また、プレート部材50も鋼材により形成される。
外側半部41は、図2に示すように、筒状の外筒部42と、外筒部42の一端(図2における左端)から径方向外側に延出される環状のフランジ部43と、外筒部42の軸方向における中央部よりも他端側(図2における右端側)から全周に亘って径方向内側に突出する環状の突出部44とを有する。ロータコア31は、焼き嵌め等により保持部材40の外筒部42に固定される。
内側半部45は、径方向に延在する環状壁部46と、環状壁部46の内周部から軸方向における一方側(図2における左側)に延出された筒状の内筒部47と、内筒部47よりも径方向外側で環状壁部46から軸方向における他方側(図2における右側)に延出された筒状部48と、筒状部48よりも径方向外側で環状壁部46から軸方向における一方側に延出された短尺筒状の突出部49とを有する。
図2に示すように、環状壁部46の外周は、外側半部41の突出部44の内周に溶接により固定される。また、保持部材40(外側半部41)のフランジ部43には、環状壁部46と間隔をおいて対向するように、複数のボルトを介してプレート部材50の外周部が固定される。更に、保持部材40(内側半部45)の筒状部48の外周面は、軸受を介してモータケース8のハウジング80により回転自在に支持され、プレート部材50の内周部は、軸受を介してモータケース8のカバー89により回転自在に支持される。これにより、ロータ30は、モータケース8により回転自在に支持される。また、カバー89の内周部は、軸受を介して第1伝達軸14aを回転自在に支持する。保持部材40の内筒部47は、スプラインを介して第2伝達軸14bに連結される。これにより、モータジェネレータMGのロータ30は、第2伝達軸14bに常時連結される。
クラッチK0は、第1伝達軸14a(エンジン11のクランクシャフト12)と第2伝達軸14b(モータジェネレータMGのロータ30)とを連結すると共に両者の連結を解除するものである。本実施形態において、クラッチK0は、第2伝達軸14bに常時連結されるロータ30の保持部材40をクラッチドラムとして利用する多板摩擦式の油圧クラッチであり、モータケース8内すなわちロータ30の径方向内側に配置される。図2に示すように、クラッチK0は、クラッチドラムとしての保持部材40に加えて、第1伝達軸14aに常時連結されるクラッチハブ61と、複数の摩擦プレート(第1摩擦係合プレート)63と、摩擦プレート63と交互に配設される複数のセパレータプレート(第2摩擦係合プレート)64およびバッキングプレート65と、ピストン67と、複数のリターンスプリング(図示省略)と、キャンセルプレート(キャンセル油室画成部材)68とを有する。
クラッチハブ61は、筒状部と、筒状部の一端(図2における左端)から径方向内側に延出された環状壁部とを有する。筒状部の外周面には、スプラインが形成されている。環状壁部の内周は、第1伝達軸14aから延出された鍔状部(フランジ部)に溶接により固定される。また、クラッチドラムとなる保持部材40の外筒部42の内周面には、図2に示すように、突出部44よりもフランジ部43側に位置するようにスプラインが形成されている。
摩擦プレート63は、両面に摩擦材が貼着された環状部材であり、各摩擦プレート63の外周部は、保持部材40の外筒部42のスプラインに嵌合される。セパレータプレート64は、両面が平滑に形成された環状部材であり、各セパレータプレート64の内周部は、クラッチハブ61の筒状部のスプラインに嵌合される。バッキングプレート65は、複数の摩擦プレート63のうちピストン67から最も遠い摩擦プレート63と当接可能となるように、保持部材40の外筒部42のスプラインに嵌合される。
ピストン67は、保持部材40の内筒部47の外周面と突出部49の内周面とによりそれぞれシール部材を介して軸方向に移動自在に支持される。保持部材40の環状壁部46とピストン67との間にクラッチK0の係合油室69aが画成される。
キャンセルプレート68は、ピストン67に対して保持部材40の環状壁部46とは反対側に配置される環状部材である。キャンセルプレート68の内周部は、スナップリングを用いて保持部材40の内筒部47に固定される。また、キャンセルプレート68の外周面は、シール部材を介してピストン67を軸方向に移動自在に支持する。これにより、ピストン67とキャンセルプレート68との間に、係合油室69a内で発生する遠心油圧をキャンセルするための遠心油圧キャンセル室69bが画成される。
複数のリターンスプリングは、ピストン67とキャンセルプレート68との軸方向における間に、周方向に間隔をおいて配置される。各リターンスプリングは、ピストン67を摩擦プレート63およびセパレータプレート64から離間する側に付勢する。
モータケース8は、モータジェネレータMGやクラッチK0等を収容する。モータケース8のハウジング80は、アルミニウム合金の鋳造により形成され、軸方向における一端(図2における左端)すなわちエンジン11側の端部が開放されると共に軸方向における他端すなわち動力伝達装置15側の端部が閉鎖された略有底筒状体である。モータケース8のカバー89は、アルミニウム合金の鋳造により形成された円盤状部材である。カバー89は、複数のボルトを介してハウジング80に固定される。
ハウジング80は、筒状の外殻部81と、外殻部81の他端を塞ぐ端壁82とを有する。ハウジング80の外殻部81の一端(前端)すなわち開放端側の外周には、複数のボルト孔を有する前側フランジ部81fが形成されており、この前側フランジ部81fは、複数のボルト孔に挿通される複数のボルトを介してエンジン11のエンジンブロック110の端部(後端部)に締結(固定)される(図1参照)。
ハウジング80の外殻部81の他端部は、端壁82よりも前側フランジ部81fとは反対側に突出しており、外殻部81の他端側(後端側)の外周には、複数のボルト孔を有する後側フランジ部81rが形成されている。この後側フランジ部81rは、複数のボルト孔に挿通される複数のボルトを介して動力伝達装置15のトランスミッションケース150の前側壁部151に締結(固定)される(図2参照)。
ハウジング80の端壁82の中央部には、貫通穴82hが形成されており、第2伝達軸14bは、貫通穴82hから動力伝達装置15側に突出する。第2伝達軸14bと貫通穴82hとの隙間には、シール部材が配置される。端壁82の貫通穴82hから突出する第2伝達軸14bの先端部には、複数のボルトを介してフレックスプレート140の内周部が締結(固定)される。そして、フレックスプレート140の外周部は、トランスミッションケース150内に配置されるトルクコンバータ16のフロントカバー160に固定(溶接)された複数の連結ピースに複数のボルトを介して締結(固定)される。
動力伝達装置15は、トルク増幅機能を有するトルクコンバータ(流体伝動装置)16や、ロックアップクラッチCL、変速機構(自動変速機)17、機械式のオイルポンプ18、作動油を調圧する油圧制御装置19、変速機構17等を収容するトランスミッションケース150等を有する。トルクコンバータ16は、フレックスプレート140(図2参照)を介して第2伝達軸14bに常時連結される入力部材としてのフロントカバー160(図2参照)と、フロントカバー160に固定されるポンプインペラと、変速機構17の入力軸17iに連結されるタービンランナと、タービンランナからポンプインペラに向かう作動油の流れを整流してトルクを増幅させるステータとを有する。ただし、動力伝達装置15は、トルクコンバータ16の代わりに、ステータを有さない流体継手を有してもよい。ロックアップクラッチCLは、フロントカバー160と変速機構17の入力軸17iとを連結すると共に両者の連結を解除するものである。
変速機構17は、入力軸17iに加えて、出力軸17o、複数の遊星歯車、それぞれ複数のクラッチおよびブレーキ(変速用係合要素)を有する例えば4段−10段変速式の多段変速機構である。変速機構17は、第2伝達軸14bからトルクコンバータ16およびロックアップクラッチCLのうちの何れか一方を介して入力軸17iに伝達された動力を複数段階に変速して出力軸17oからデファレンシャルギヤDFを介して左右の駆動輪DWに出力する。ただし、変速機構17は、デュアルクラッチトランスミッションであってもよく、機械式の無段変速機構であってもよい。
オイルポンプ18は、巻掛け伝動機構を介してトルクコンバータ16のポンプインペラに連結されるギヤポンプあるいはベーンポンプであり、変速機構17の入力軸17iとは別軸上に配置される。オイルポンプ18は、巻掛け伝動機構を介して第2伝達軸14bからの動力により駆動され、トランスミッションケース150の下部に固定されたオイルパン156に貯留されている作動油(ATF)を吸引して油圧制御装置19や後述の油圧制御装置70に圧送する。
油圧制御装置19は、トランスミッションケース150の下部で且つオイルパン18よりも車両上方に取り付けられ、複数の油路が形成されたバルブボディや、複数のレギュレータバルブ、複数のリニアソレノイドバルブ等を有する。油圧制御装置19は、オイルポンプ18からの油圧(作動油)を調圧してトルクコンバータ16や、ロックアップクラッチCL、変速機構17のクラッチおよびブレーキ等に供給する。トランスミッションケース150は、アルミニウム合金製の鋳造品である。
また、ハイブリッド駆動装置10は、モータケース8のハウジング80の下部に固定されると共にオイルパン156よりも底面の位置が高い(深さが浅い)オイルパン86と、クラッチK0に油圧を供給する油圧制御装置70とを有する。油圧制御装置70は、モータケース8の下部で且つオイルパン86よりも車両上方に取り付けられ、複数の油路が形成されたバルブボディや、レギュレータバルブ、リニアソレノイドバルブ等を有する。油圧制御装置70は、オイルポンプ18からの油圧を調圧してクラッチK0の係合油室69aに係合油圧を供給する。クラッチK0の遠心油圧キャンセル室69bには、油圧制御装置70からドレンされる作動油が供給される。油圧制御装置70から係合油室69aに係合油圧が供給されると、ピストン67は、係合油圧の作用によりキャンセルプレート68に向けて移動し、セパレータプレート64および摩擦プレート63が押圧されて摩擦係合することにより、クラッチK0が係合する。更に、モータケース8内のモータジェネレータMGのステータ20およびロータ30には、油圧制御装置70からドレンされる作動油の一部が潤滑・冷却媒体として供給される。
本実施形態において、トランスミッションケース150内には、図1および図2に示すように、潤滑・冷却媒体としての作動油が供給される変速機構17よりもハウジング80側(前側)に位置するように隔壁158が固定または形成されている。更に、隔壁158とそれを貫通する回転要素との隙間には、シール部材が配置される。これにより、モータケース8がトランスミッションケース150に固定されると、ハウジング80の端壁82とトランスミッションケース150の隔壁158との軸方向における間に動力伝達装置15のトルクコンバータ16の収容空間Aが画成される。
この収容空間Aは、それぞれ作動油が飛散する空間となるモータケース8の内部および隔壁158よりも変速機構17側の空間から隔てられ、図示しない通気孔を介して大気と連通する。すなわち、収容空間Aは、モータジェネレータMGや変速機構17に供給される潤滑・冷却媒体としての作動油の流入が規制される空気室となる。この結果、トルクコンバータ16すなわちフロントカバー160およびポンプインペラの周囲の作動油の存在が規制されて攪拌抵抗を低減することができるから、トルクコンバータ16を効率よく作動させることができる。
モータケース8のハウジング80の外郭部81の後側フランジ部81rの下部のうちオイルパン86の取付位置よりも若干上側の部分には、車両前後方向に貫通する貫通穴81hが形成されている。また、トランスミッションケース150の前側壁部151の下部のうちオイルパン156の取付位置よりも上側の部分には、車両前後方向に貫通すると共に貫通穴81hに連通する貫通穴151hが形成されている。オイルパン86に貯留されている作動油(油圧制御装置70からドレンされてモータジェネレータMGの潤滑・冷却などに用いられた作動油)の油面が貫通穴81hにさしかかると、オイルパン86側の作動油が貫通穴81hおよび貫通穴151hを介してオイルパン156側に流通する。以下、貫通穴81hおよび貫通穴151hにより形成される油路を「案内油路」という。案内油路は、ハウジング80の外殻部81の後側フランジ部81rにおける車両前後方向に延在する壁面81aでオイルパン86側に開口すると共にトランスミッションケース150の前側壁部151における車両前後方向に延在する壁面151aでオイルパン156側に開口する。
トランスミッションケース150の、壁面151aに対して車両後方で且つ案内油路よりも若干上方には、車両下方に向かって延出されるボス部153が形成されている。このボス部153には、ボルト157を介してプレート部材170が車両下方から固定されており、このプレート部材170には、連結部172を介してプレート部材174が連結されている。連結部172は、例えば、蝶番を用いた連結部として構成されている。プレート部材170は、連結部172が、トランスミッションケース150の壁面151aとボス部153との車両前後方向における間でかつ案内油路よりも若干車両上方に位置すると共に車両左右方向に延びる(壁面151aに沿って延びる)ように、ボルト157を介してボス部153に固定される。
プレート部材174は、連結部172により吊り下げられ、連結部172よりも車両下方に重心を有すると共に連結部172周りに回動自在となっている。プレート部材174は、連結部172に連結される基部175と、基部175から屈曲部を介して延出される延出部176とを有する。延出部176は、プレート部材174が図2における実線の状態(取付状態)から反時計回りに回動して図2における破線の状態になったときに、延出部176が壁面151a(案内油路の開口の周縁部)に当接して案内油路を閉鎖するように形成されている。延出部176の閉鎖部分には、案内油路とは反対側から案内油路側に凹む凹部177が形成されている。ここで、閉鎖部分は、延出部176のうち、プレート部材174により案内油路が閉鎖されたときに車両前後方向において案内油路と重複する部分をいう。凹部177は、プレート部材174により案内油路が閉鎖されたときに案内油路内に収容されるように形成されている。
こうして構成されるハイブリッド駆動装置10では、車両1が停車しているときや略一定速度で走行しているときなど、プレート部材174に車両前後方向の力が作用していないときには、取付状態として(図2における実線に示すように)、案内油路(貫通穴81hおよび貫通穴151h)を開放する。これにより、オイルパン86側の作動油が案内油路を介してオイルパン156側に流通するのを許容する。
そして、車両1が減速しているときなど、プレート部材174に車両前向きの力が作用するときには、プレート部材174が連結部172周りに図2における時計回りに回動する。特に、車両1が急減速しているときなど、プレート部材174に作用する車両前向きの力が閾値よりも大きいときには、プレート部材174の延出部176がトランスミッションケース150の壁面151a(案内油路の開口の周縁部)に当接して案内油路を閉鎖する。車両1が急減速しているときには、オイルパン156に貯留されている作動油などにも車両前向きの比較的大きい力が作用するものの、プレート部材174によって案内油路が閉鎖されることにより、オイルパン156に貯留されている作動油が案内油路に浸入する(オイルパン86側に逆流する)のを抑制することができる。また、プレート部材174が凹部177を有することにより、オイルパン156側から案内油路に浸入しようとする作動油を凹部177で受け止めることができ、この作動油により、プレート部材174による案内油路のより十分な閉鎖を行なうことができる。
上述の実施形態では、プレート部材174は、凹部177を有するものとしたが、この凹部177を有しないものとしてもよい。
上述の実施形態では、トランスミッションケース150内に、変速機構17よりもハウジング80側(前側)に位置するように隔壁158が固定または形成され、ハウジング80の端壁82とトランスミッションケース150の隔壁158との軸方向における間に動力伝達装置15のトルクコンバータ16の収容空間Aが画成されるものとした。しかし、トランスミッションケース150内に隔壁158が固定または形成されないものとしてもよい。
以上説明したように、本開示の車両用駆動装置は、車両(1)に搭載され、回転電機(MG)と、前記回転電機(MG)を収容するケース(8,150)とを備える車両用駆動装置であって、前記ケース(8,150)に対して車両後方に設けられて油を貯留する油貯留部(156)と、前記油貯留部(156)から前記回転電機(MG)を冷却するために供給された油を前記油貯留部(156)に案内すると共に前記ケース(8,150)の上下方向に延在する壁面(151a)で前記油貯留部(156)側に開口する案内油路(82,151h)と、前記壁面(151a)から車両後方に離間した位置に配置された支持部により回動自在に吊り下げられ、取付状態で前記案内油路(82,151h)を開放すると共に車両前向きの力の作用により前記支持部周りに前記車両前方に回動して前記案内油路(82,151h)を閉鎖可能な閉鎖部材(174)と、を備えることを要旨とする。
本開示の車両用駆動装置では、案内油路が開口する壁面から車両後方に離間した位置に配置された支持部により回動自在に吊り下げられ、取付状態で案内油路を開放すると共に車両前向きの力の作用により支持部周りに車両前方に回動して案内油路を閉鎖可能な閉鎖部材を備える。これにより、通常走行時に案内油路の油の流通を確保しつつ車両の急制動時(車両前向きの比較的大きい力が作用しているとき)に油貯留部から案内油路への油の逆流を抑制することができる。
本開示の車両用駆動装置において、前記閉鎖部材(174)は、前記支持部により支持される基部(175)と、前記基部(175)から屈曲部を介して延出されると共に前記壁面(151a)に当接して前記案内油路(82,151h)を閉鎖可能な延出部(176)とを有するものとしてもよい。この場合、前記延出部(176)には、前記延出部(176)が前記壁面(151a)に当接したときに前記案内油路(82,151h)内に収容されるように前記案内油路(82,151h)とは反対側から前記案内油路(82,151h)側に凹む凹部(177)が形成されているものとしてもよい。こうすれば、車両の急制動時(車両前向きの比較的大きい力が作用しているとき)に、油貯留部側から案内油路に浸入しようとする油を凹部で受け止めることができ、この油により、閉鎖部材による案内油路のより十分な閉鎖を行なうことができる。
本開示の車両用駆動装置において、エンジン(11)と、変速機構(17)と、前記回転電機(MG)の動力を前記変速機構(17)に伝達する流体伝動装置(16)と、前記エンジン(11)と前回転電機(MG)とを連結すると共に両者の接続を解除するクラッチ(K0)とを更に備え、前記流体伝動装置(16)および前記変速機構(17)は、前記回転電機(MG)に対して車両後方に配置され、前記ケース(8,150)は、前記回転電機(MG)を収容する第1ケース部(8)と、前記変速機構(17)および前記流体伝動装置(16)を収容する第2ケース部(150)とを有し、前記第1ケース部(8)の車両後方側の端部は、前記第2ケース部(150)の車両前方側の端部に固定され、
前記第1ケース部(8)と前記第2ケース部(150)内に設けられた隔壁(158)との車両前後方向における間には、前記流体伝動装置(16)が配置される空間(A)が画成され、前記油貯留部(156)は、前記第2ケース部(150)の下部のうち前記変速機構(17)の下方に設けられるものとしてもよい。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、車両用駆動装置の製造産業などに利用可能である。
1 車両、8 モータケース、10 ハイブリッド駆動装置、11 エンジン、12 クランクシャフト、13 ダンパ機構、14a 第1伝達軸、14b 第2伝達軸、15 動力伝達装置、16 トルクコンバータ、17 変速機構、17i 入力軸、17o 出力軸、18 オイルポンプ、19 油圧制御装置、20 ステータ、21 ステータコア、22 ステータコイル、28 ボルト、30 ロータ、31 ロータコア、40 保持部材、41 外側半部、42 外筒部、43 フランジ部、44 突出部、45 内側半部、46 環状壁部、47 内筒部、48 筒状部、49 突出部、50 プレート部材、61 クラッチハブ、63 各摩擦プレート、63 摩擦プレート、64 セパレータプレート、、65 バッキングプレート、66 スナップリング、67 ピストン、68 キャンセルプレート、69a 係合油室、69b 遠心油圧キャンセル室、70 油圧制御装置、80 ハウジング、81 外殻部、81a 壁面、81f 前側フランジ部、81h 貫通穴、81r 後側フランジ部、82 端壁、82h 貫通穴、86 オイルパン、89 カバー、110 エンジンブロック、140 フレックスプレート、150 トランスミッションケース、151 前側壁部、151a 壁面、151h 貫通穴、153 ボス部、156 オイルパン、157 ボルト、158 隔壁、160 フロントカバー、170,174 プレート部材、172 連結部、175 基部、176 延出部、177 凹部。

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、回転電機と、前記回転電機を収容するケースとを備える車両用駆動装置であって、
    前記ケースに対して車両後方に設けられて油を貯留する油貯留部と、
    前記油貯留部から前記回転電機を冷却するために供給された油を前記油貯留部に案内すると共に前記ケースの上下方向に延在する壁面で前記油貯留部側に開口する案内油路と、
    前記壁面から車両後方に離間した位置に配置された支持部により回動自在に吊り下げられ、取付状態で前記案内油路を開放すると共に車両前向きの力の作用により前記支持部周りに前記車両前方に回動して前記案内油路を閉鎖可能な閉鎖部材と、
    を備える車両用駆動装置。
  2. 請求項1記載の車両用駆動装置であって、
    前記閉鎖部材は、前記支持部により支持される基部と、前記基部から屈曲部を介して延出されると共に前記壁面に当接して前記案内油路を閉鎖可能な延出部とを有する、
    車両用駆動装置。
  3. 請求項2記載の車両用駆動装置であって、
    前記延出部には、前記延出部が前記壁面に当接したときに前記案内油路内に収容されるように前記案内油路とは反対側から前記案内油路側に凹む凹部が形成されている、
    車両用駆動装置。
  4. 請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の車両用駆動装置であって、
    エンジンと、変速機構と、前記回転電機の動力を前記変速機構に伝達する流体伝動装置と、前記エンジンと前回転電機とを連結すると共に両者の接続を解除するクラッチとを更に備え、
    前記流体伝動装置および前記変速機構は、前記回転電機に対して車両後方に配置され、
    前記ケースは、前記回転電機を収容する第1ケース部と、前記変速機構および前記流体伝動装置を収容する第2ケース部とを有し、
    前記第1ケース部の車両後方側の端部は、前記第2ケース部の車両前方側の端部に固定され、
    前記第1ケース部と前記第2ケース部内に設けられた隔壁との車両前後方向における間には、前記流体伝動装置が配置される空間が画成され、
    前記油貯留部は、前記第2ケース部の下部のうち前記変速機構の下方に設けられる、
    車両用駆動装置。
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