JP2021155604A - 硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

硬化性組成物および硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性が優れ、かつ低温環境下における粘度上昇を抑制した硬化性組成物を提供する。【解決手段】アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)、および、重質炭酸カルシウム(C)を含み;(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量が、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より多く;(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計が、26.5重量%以下である、硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物および硬化物に関する。
アルコキシシリル基を有する重合体分子は、当該アルコキシシリル基が加水分解することにより、他の重合体分子との間でシロキサン結合を形成する。そして、この架橋反応によって、ゴム状の硬化物が得られることが知られている。この特徴を利用して、アルコキシシリル基を有する重合体は、建築用シーリング材、接着剤、塗料などの広汎な用途に使用されている。
このような重合体の一例として、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体が挙げられる。アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を含む硬化性組成物は、作業性が良好であり、破断伸びや破断強度などの機械的物性のバランスにも優れている。しかし、ポリオキシアルキレン系重合体は、老化防止剤を使用しないと、3級炭素に結合した水素原子が酸化されやすい。そのため、硬化性組成物の耐候性が悪くなるという問題があった。
この問題を解決するために、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体を混合した硬化性組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、架橋性シリル基を有する特定のビニル系重合体と、特定の架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマーとを含有してなる硬化性組成物が開示されている。
国際公開2005/111150号パンフレット
しかしながら、上述のような従来の硬化性組成物は、耐候性は優れるものの、粘度に関して改善の余地があった。より具体的には、従来の硬化性組成物は、低温環境下における粘度が常温環境下における粘度よりも大幅に上昇する傾向があった。それゆえ、冬季または寒冷地などの低温環境下においては、作業性が低下してしまうという課題があった。
本発明の一態様は、耐候性が優れるとともに、低温環境下における粘度上昇を抑制した硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体および重質炭酸カルシウムを併用し、かつ、これらの組成比を調整することにより、低温環境下における粘度上昇を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る硬化性組成物は、
アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)、および、重質炭酸カルシウム(C)を含む硬化性組成物であって、
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量が、上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より多く、
上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計が、26.5重量%以下である。
本発明の一態様によれば、耐候性が優れるとともに、低温環境下における粘度上昇を抑制した硬化性組成物が提供される。
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタアクリル」を意味する。
〔1.アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A)〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A)を含む。
[1.1.(メタ)アクリル系重合体(A)の主鎖]
(メタ)アクリル系重合体(A)は、主鎖に、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構成単位を含んでいる。主鎖を構成する(メタ)アクリル系モノマーは、特に限定されない。1種類のみの(メタ)アクリル系モノマーを用いてもよいし、2種類以上の(メタ)アクリル系モノマーを組合せて用いてもよい。
(メタ)アクリル系モノマーは、特に限定されず、従来公知のものが使用できる。(メタ)アクリル系モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソプロポキシエチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、tert−ブチル(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、および(メタ)アクリル酸ドコシルが挙げられる。
上述したモノマーの中では、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルが好ましい。これらのモノマーを選択することにより、製造される(メタ)アクリル系重合体(A)は、粘度、ポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性、耐候性、機械物性、耐久性が高水準でバランスよく達成されうる。
(メタ)アクリル系重合体(A)に含まれている(メタ)アクリル系モノマー由来の繰り返し単位は、重合体(A)に含まれている全ての繰り返し単位を基準として、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。(メタ)アクリル系モノマー由来の繰り返し単位の含有率が50モル%以上であれば、製造される(メタ)アクリル系重合体(A)は、ポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性が充分に確保でき、また、良好な耐候性、機械物性および耐久性が得られる。
(メタ)アクリル系重合体(A)としては、市販品を用いることもできる。市販の(メタ)アクリル系重合体(A)の例としては、XMAP(登録商標)SA100S、SA110S、SA120S、SA310S、SA410S(いずれも株式会社カネカ製);ARUFON(登録商標)US−6100、US−6170(いずれも東亞合成株式会社製);アクトフロー(登録商標)(綜研化学株式会社製)が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位をランダムに含んでいることが好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)とは、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基を有しており、かつ、上記アルキル基は炭素数が1〜5のアルコキシ基を有しているモノマーである。アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、2が特に好ましい。アルコキシ基の炭素数は、1〜3が好ましく、1〜2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)の例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソプロポキシエチルが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸2−メトキシエチルが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位の含有率は、(メタ)アクリル系重合体(A)に含まれている全ての繰り返し単位の重量を基準として、2〜30重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位がランダムに含まれており、その含有率が上述の範囲であれば、(メタ)アクリル系重合体(A)自体の粘度、および(メタ)アクリル系重合体(A)を含む硬化性組成物の粘度を低減させることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位の含有率が上記の範囲ならば、(メタ)アクリル系重合体(A)と後述のポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性が高くなる。したがって、良好な性質の硬化性組成物および硬化物を得ることができる。
また、(メタ)アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)、(γ)および(δ)由来の繰り返し単位を含んでいることも好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)とは、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が、1〜5であるモノマーを表す。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)とは、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が、6〜15であるモノマーを表す。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)とは、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が、16〜25であるモノマーを表す。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)由来の繰り返し単位の含有率は、(メタ)アクリル系重合体(A)に含まれている全ての繰り返し単位の重量を基準として、45〜70重量%が好ましく、50〜70重量%がより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)由来の繰り返し単位の含有率は、(メタ)アクリル系重合体(A)に含まれている全ての繰り返し単位の重量を基準として、0〜25重量%が好ましく、10〜25重量%がより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)由来の繰り返し単位の含有率は、(メタ)アクリル系重合体(A)に含まれている全ての繰り返し単位の重量を基準として、15〜25重量%が好ましく、15〜20重量%がより好ましい。このような組成で各(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有することにより、(メタ)アクリル系重合体(A)は、良好な作業性、機械物性および耐候性を得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)由来の繰り返し単位の含有率が上記の範囲ならば、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性が充分に確保できる。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)由来の繰り返し単位が含まれているならば、低温下における粘度の上昇をより確実に防ぎ、作業性の低下を防止することができる。また、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)由来の繰り返し単位の含有率が25重量%以下ならば、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性が充分に確保できる。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)由来の繰り返し単位の含有率が15重量%以上ならば、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性が充分に確保できる。また、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)由来の繰り返し単位の含有率が25重量%以下ならば、低温下における粘度の上昇をより確実に防ぎ、作業性の低下を防止することできる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、tert−ブチル(メタ)アクリル酸tert−ブチルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)の例としては、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)の例としては、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ドコシルが挙げられる。
上述したモノマーの中で、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)としては、アクリル酸ブチルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)としては、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸ドデシルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)としては、アクリル酸オクタデシルが好ましい。これらのモノマーを選択することにより、製造される(メタ)アクリル系共重合体(A)は、粘度、ポリオキシアルキレン系重合体(B)との相溶性、耐候性、機械物性、耐久性が高水準でバランスよく達成されうる。
一実施形態において、(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量分布、すなわち、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.8以下であることが好ましい。また、(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量分布は、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、さらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。分子量分布が大きすぎると硬化性組成物の粘度が増大し、作業性が低下する傾向にある。
本願明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される数値である。GPC測定には、移動相としてクロロホルム、固定相としてポリスチレンゲルカラムを用いることができる。また、これらの分子量は、ポリスチレン換算で算出できる。
このように分子量分布の小さい(メタ)アクリル系重合体(A)は、例えば、後述のリビングラジカル重合によって好適に製造することができる。
(メタ)アクリル系重合体(A)の数平均分子量は、特に限定されないが、10,000〜80,000が好ましく、20,000〜50,000がより好ましい。数平均分子量が10,000以上ならば、(メタ)アクリル系重合体(A)の特性を充分に発揮させられる。数平均分子量が80,000以下ならば、粘度が高くなりすぎず、充分な作業性を確保できる。
[1.2.(メタ)アクリル系重合体(A)のアルコキシシリル基]
(メタ)アクリル系重合体(A)のアルコキシシリル基は、下記一般式(1)により表される。
−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (1)。
式中、RおよびRは、独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基である(このとき、R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個存在するR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)。RまたはRが2個以上存在するとき、当該RまたはRは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Yは、炭素数1〜20のアルコキシ基である。Yが2個以上存在するとき、当該Yは同一であってもよく、異なっていてもよい。
aは、0、1、2または3である。bは、0、1または2である。mは、0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1の関係を満たしている。
一般に、アルコキシ基は、炭素数が少ない方が反応性は高い。すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、の順に、反応性が低くなる。したがって、(メタ)アクリル系重合体(A)の製造方法や用途に応じて、適宜アルコキシ基を選択できる。
アルコキシシリル基としては、より具体的には、ジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、ジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
(メタ)アクリル系重合体(A)に導入されているアルコキシシリル基の数は、分子全体として、平均して1個より多い。一実施形態において、アルコキシシリル基の数は、好ましくは1.1個以上であり、より好ましくは1.2個以上である。別の実施形態において、アルコキシシリル基の数は、好ましくは2.2個以上であり、より好ましくは2.4個以上である。(メタ)アクリル系重合体(A)に導入されているアルコキシシリル基の数の上限は、4.0以下が好ましく、3.5個以下がより好ましい。
アルコキシシリル基の数が上記の範囲であれば、(メタ)アクリル系重合体(A)を用いた硬化性組成物および硬化物の物性が良好となる。(メタ)アクリル系重合体(A)は、少なくとも一方の末端部分にアルコキシシリル基を有していることが好ましく、両方の末端部分にアルコキシシリル基を有していることが好ましい。
一実施形態において、(メタ)アクリル系重合体(A)は、アルコキシシリル基の含有量が相対的に多いXブロック、および、アルコキシシリル基の含有量が相対的に少ないYブロック、を有し、分子中にXYジブロック構造またはXYXトリブロック構造を含むことが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系重合体(A)の分子全体の構造は、XYジブロック構造またはXYXトリブロック構造を含んでいれば特に限定されず、例えば、XYXYテトラブロック構造であってもよい。ここで、「XYXトリブロック構造」とは、当業者間で一般に言われている「ABAトリブロック構造」を意味する。
Xブロックに含まれるアルコキシシリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位は、平均で1.0個より多く、1.5個以上が好ましく、1.7個以上がより好ましい。また、Xブロックに含まれるアルコキシシリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位は、Xブロックに含まれる全ての繰り返し単位の重量を基準として、3重量%超が好ましく、4.5重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましい。
好ましい一実施形態において、(メタ)アクリル系重合体(A)はXYXトリブロック重合体であり、(メタ)アクリル系重合体(A)の末端部分を構成するブロック(Xブロック)は、それぞれ、アルコキシシリル基を1個より多く有しているのが好ましい。
Yブロックに含まれるアルコキシシリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位は、Yブロックに含まれる全ての繰り返し単位の重量を基準として、0〜3重量%であり、0〜2重量%が好ましく、0〜1重量%がより好ましい。
分子中にXYジブロック構造またはXYXトリブロック構造を含む(メタ)アクリル系重合体(A)において、アルコキシシリル基を有するモノマー由来の繰り返し単位は、末端(一端または両端)部分の領域に局在している。
[1.3.(メタ)アクリル系重合体(A)の製造方法]
(メタ)アクリル系重合体(A)の重合方法は特に限定されず、公知の重合方法を用いることができる(ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法など)。中でも、重合体分子の末端に官能基を導入でき、分子量分布の小さい(メタ)アクリル系重合体(A)を合成できることから、リビング重合法が好ましい。リビング重合法の例としては、リビングラジカル重合法、リビングカチオン重合法、リビングアニオン重合法が挙げられ、その中でもリビングラジカル重合法が(メタ)アクリル系モノマーの重合に適している。リビングラジカル重合法の例としては、以下が挙げられる。
・原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization;ATRP(J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 5614; Macromolecules. 1995, 28, 1721を参照))
・一電子移動重合(Sigle Electron Transfer Polymerization;SET−LRP(J. Am.
Chem. Soc. 2006, 128, 14156; JPSChem 2007, 45, 1607を参照))
・可逆移動触媒重合(Reversible Chain Transfer Catalyzed Polymerization;RTCP(「有機触媒で制御するリビングラジカル重合」『高分子論文集』68, 223-231 (2011);
特開2014−111798を参照))
・可逆的付加−開裂連鎖移動重合法(RAFT重合)
・ニトロキシラジカル法(NMP法)
・有機テルル化合物を用いる重合法(TERP)法
・有機アンチモン化合物を用いる重合法(SBRP法)
・有機ビスマス化合物を用いる重合法(BIRP)
・ヨウ素移動重合法。
[1.3.1.製造方法の第1の形態]
一例において、(メタ)アクリル系重合体(A)は、特開2007−302749公報に記載の方法によって製造される。その中でも、アルケニル基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル系重合体に、アルコキシシリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下にて付加させる方法が、制御がより容易である点において好ましい。
この方法では、以下のようにしてアルコキシシリル基を(メタ)アクリル系重合体に導入する。
1.(メタ)アクリル系モノマーをリビングラジカル重合し、(メタ)アクリル系重合体を得る。
2.1で得られた(メタ)アクリル系重合体に、重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物(ジエン化合物)を反応させ、アルケニル基を少なくとも1個有する(メタ)アクリル系重合体を得る。
3.2で得られた(メタ)アクリル系重合体に、アルコキシシリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下にて付加させる。
より具体的には、上記の方法は、リビングラジカル重合による(メタ)アクリル系重合体の製造において、重合反応の終期または所定モノマーの反応終了後に、ジエン化合物(1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなど)を反応させることにより実施される。
アルコキシシリル基を有するヒドロシラン化合物は、特に限定されない。代表例としては、一般式(2)で示される化合物が例示される。
H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R3−a(Y) (2)。
一般式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(RSiO−で示されるトリオルガノシロキシ基から選択される(式中、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。3個存在するRは、同一であってもよく、異なっていてもよい)。RまたはRが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
Yは、炭素数1〜20のアルコキシ基である。Yが2個以上存在するとき、当該Yは同一であってもよく、異なっていてもよい。
aは、0、1、2または3である。bは、0、1または2である。mは、0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1の関係を満たしている。
これらヒドロシラン化合物の中でも、下記一般式(3)で表される化合物が、入手容易な点から好ましい。
H−Si(R3−a(Y) (3)。
一般式(3)中、RおよびYは上述の通りである。aは、1〜3の整数である。
アルコキシシリル基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際には、通常、遷移金属触媒が用いられる。遷移金属触媒の例としては、白金系触媒、例えば、白金単体;担体に白金固体を分散させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体;白金−オレフィン錯体;白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金系触媒以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・HO、NiCl、TiClが挙げられる。
[1.3.2.製造方法の第2の形態]
一実施形態において、(メタ)アクリル系重合体(A)は、下記第1a工程および第2a工程、または、下記第1b工程および第2b工程、を含む製造方法によって製造できる。この製造方法では、分子中にXYジブロック構造またはXYXトリブロック構造を含む(メタ)アクリル系重合体(A)が製造される。なお、以下の記載において、「アルコキシシリル基を有するモノマーを0重量%含む」とは、「アルコキシシリル基を有するモノマーを含まない」ことを意味する。
(第1a工程)リビング重合開始剤によって、アルコキシシリル基を有するモノマーを(好ましくは3重量%超)含む(メタ)アクリル系モノマー混合物を重合させる工程。
(第2a工程)第1a工程後の反応系に、アルコキシシリル基を有するモノマーを0〜3重量%含む(メタ)アクリル系モノマー混合物を加えて重合させる工程。
(第1b工程)リビング重合開始剤によって、アルコキシシリル基を有するモノマーを0〜3重量%含む(メタ)アクリル系モノマー混合物を重合させる工程。
(第2b工程)第1b工程後の反応系に、アルコキシシリル基を有するモノマーを(好ましくは3重量%超)含む(メタ)アクリル系モノマー混合物を加えて重合させる工程。
以下、(メタ)アクリル系重合体(A)の構造ごとに、各工程をより具体的に説明する。
(共重合体がXYジブロック構造である場合)
XYジブロック構造の分子である(メタ)アクリル系重合体(A)は、上述の第1a工程および第2a工程によって、または第1b工程および第2b工程によって、製造できる。このとき、第1a工程または第2b工程によって、アルコキシシリル基の含有量が相対的に多いXブロックが形成される。一方、第2a工程または第1b工程によって、アルコキシシリル基の含有量が相対的に少ないYブロックが形成される。
第1a工程においては、リビング重合開始剤によって、アルコキシシリル基を有するモノマーを重合させる。リビング重合開始剤としては、例えば、分子内にハロゲン基を1つ有する開始剤を用いることができる。
アルコキシシリル基を有するモノマーの量は、開始剤の1モル当量に対して、1〜10モル当量とすることができる。また、必要に応じて、アルコキシシリル基を有さないモノマーを1〜100モル当量、一緒に重合してもよい。好ましくは、第1a工程において反応系に加えられるアルコキシシリル基を有するモノマーの量は、第1a工程において反応系に加えられるモノマー混合物の3重量%超を占めている。
第2a工程においては、第1a工程後の反応系に、アルコキシシリル基を有さないモノマーを加えて重合させる。アルコキシシリル基を有さないモノマーの投入量は、第1a工程で得られる重合物の1モル当量に対して、2〜600モル当量でありうる。第2a工程において反応系に加えられるアルコキシシリル基を有するモノマーの量は、第2a工程において反応系に加えられるモノマー混合物の、0〜3重量%を占めている。
第1b工程においては、リビング重合開始剤によって、アルコキシシリル基を有さないモノマーを重合させる。リビング重合開始剤としては、第1a工程と同じものが利用できる。アルコキシシリル基を有さないモノマーの量は、開始剤の1モル当量に対して、2〜600モル当量とすることができる。第1b工程において反応系に加えられるアルコキシシリル基を有するモノマーの量は、第1b工程において反応系に加えられるモノマー混合物の、0〜3重量%を占めている。
第2b工程においては、第1b工程後の反応系に、アルコキシシリル基を有するモノマーを加えて重合させる。アルコキシシリル基を有するモノマーの量は、第1b工程で得られる重合体1当量に対して、1〜10モル当量とすることができる。また、必要に応じて、アルコキシシリル基を有さないモノマーを1〜100モル当量、一緒に重合してもよい。好ましくは、第2b工程において反応系に加えられるアルコキシシリル基を有するモノマーの量は、第2b工程において反応系に加えられるモノマー混合物の3重量%超を占めている。
(共重合体がXYXトリブロック構造である場合)
XYXトリブロック構造の分子である(メタ)アクリル系重合体(A)は、上述の第1a工程および第2a工程の後、追加の重合工程(1)を経ることによって、製造できる。このとき、第1a工程および追加の重合工程(1)によって、アルコキシシリル基が相対的に多く含まれるXブロックが形成される。なお、この製造方法に関しては、特開2018−162394号の記載を参照することができる。
追加の重合工程(1)では、第2a工程後の反応系に、アルコキシシリル基を有するモノマーを加えて重合させる。アルコキシシリル基を有するモノマーの投入量は、第2a工程で得られる重合体の1モル当量に対して、1〜10モル当量でありうる。また、必要に応じて、アルコキシシリル基を有さないモノマーを1〜100モル当量、一緒に重合してもよい。好ましくは、追加の重合工程(1)において反応系に加えられるアルコキシシリル基を有するモノマーの量は、当該工程において反応系に加えられるモノマー混合物の、3重量%超を占めている。
YXYトリブロック構造の分子である(メタ)アクリル系重合体(A)は、上述の第1b工程および第2b工程の後、追加の重合工程(2)を経ることによって、製造できる。このとき、第2b工程によって、アルコキシシリル基が相対的に多く含まれるXブロックが形成される。
追加の重合工程(2)では、第2b工程後の反応系に、アルコキシシリル基を有さないモノマーを加えて重合させる。アルコキシシリル基を有さないモノマーの投入量は、第2b工程で得られる重合体の1モル当量に対して、1〜10モル当量でありうる。追加の重合工程(2)において反応系に加えられるアルコキシシリル基を有するモノマーの量は、当該工程において反応系に加えられるモノマー混合物の、0〜3重量%を占めている。
(共重合体が4つ以上のブロックを有する場合)
上述した第1a工程、第2a工程、第1b工程、第2b工程および追加の重合工程を適宜組み合わせることによって、4つ以上のブロックを有する(メタ)アクリル系重合体(A)を製造することができる。
[1.3.3.リビングラジカル重合による(メタ)アクリル系重合体(A)の製造に関する一般的な事項]
上記に例示した製造方法はいずれも、リビングラジカル重合法を採用することにより、好適に実行できる。その中でも、原子移動ラジカル重合、一電子移動重合、および可逆移動触媒重合が好ましい。
より好ましい製造方法としては、ATRPまたはSET−LRPを利用して、遷移金属または遷移金属化合物と配位子とからなる遷移金属錯体を触媒とする、(メタ)アクリル系モノマーのリビングラジカル重合方法を挙げることができる。さらに、遷移金属類を触媒としないRTCPも挙げられる。
遷移金属錯体を触媒とするリビングラジカル重合のメカニズムには、現在のところ、ATRPおよびSET−LRPの2通りの解釈がある。ATRPに基づいて解釈すると、リビングラジカル重合は、以下の2つの反応の平衡からなる(例として、銅錯体を使用する場合で説明する)。
(a)1価銅錯体は、重合体末端のハロゲンを引き抜いてラジカルを発生させ、2価銅錯体となる。
(b)2価銅錯体は、重合末端のラジカルにハロゲンを付加し、1価銅錯体となる。
一方、SET−LRPに基づいて解釈すると、リビングラジカル重合は、以下の3つの反応の平衡からなる(例として、銅錯体を使用する場合で説明する)。
(a)0価の金属銅または銅錯体は、重合体末端のハロゲンを引き抜いてラジカルを発生させて、2価銅錯体となる。
(b)2価銅錯体は、重合末端のラジカルにハロゲンを付加して、0価銅錯体となる。
(c)1価銅錯体は、不均化して、0価および2価の銅錯体となる。
上述した製造方法も、いずれかのリビングラジカル重合系として解釈されうるが、本発明では両者を特に区別しない。触媒に遷移金属または遷移金属化合物と配位子とを用いたリビングラジカル重合系であれば全て、本発明の範疇に含まれる。
また、ATRPを改良した合成方法である、Activators Regenerated by Electron Transfer:ARGETも報告されている(Macromolecules. 2006, 39, 39)。この方法は、重合の遅延または停止の原因となる高酸化遷移金属錯体を、還元剤を用いて減らすことによって、遷移金属錯体が少ない低触媒条件においても、速やかに高反応率まで重合反応を進行させることができる。このARGETも、本発明では採用できる。
以下、上述した製造方法に使用できる各種の薬剤について、個別に説明する。これらの薬剤はいずれも、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。また、これらの薬剤自体を重合系に投入してもよいし、重合系内でこれらの薬剤が生成するようにしてもよい。
(a.開始剤)
開始剤としては、分子内にハロゲン基を1つ有するラジカル開始剤を使用することができる。このような開始剤の例としては、2−ブロモイソ酪酸エチル(α−ブロモ酪酸エチルとも称する)、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸メチル、(1−ブロモエチル)ベンゼン、アリルブロミド、2−ブロモプロピオン酸メチル、クロロ酢酸メチル、2−クロロプロピオン酸メチル、(1−クロロエチル)ベンゼンが挙げられる。
また、開始剤として、アルコキシシリル基を有する開始剤を用いてもよい。あるいは、重合反応前または重合反応後などに、開始剤中にアルコキシシリル基を導入してもよい。このような方法によっても、アルコキシシリル基を少なくとも末端部に有する(メタ)アクリル系重合体(A)を製造できる。
(b.重合触媒)
還元剤を使用する場合も還元剤を使用しない場合も、ATRP系においては、周期表の7族、8族、9族、10族または11族元素を中心金属とする金属錯体を、重合触媒として用いることができる。その中でも、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄、または2価のニッケルの錯体が好適であり、なかでも、廉価であることから銅の錯体が特に好ましい。
(c.多座アミン)
配位子として使用されうる多座アミンの例としては、二座配位の多座アミン(2,2−ビピリジンなど)、三座配位の多座アミン(N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンなど)、四座配位の多座アミン(ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン(MeTREN)など)、ポリアミン(ポリエチレンイミンなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
(d.塩基)
重合系中に存在または発生する酸を中和して、酸の蓄積を防ぐために、塩基を重合系に添加してもよい。塩基の例としては、モノアミン、(メチルアミンなど)、ポリアミン(エチレンジアミンなど)、無機塩基(リチウム、ナトリウム、カルシウム、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウムなど)が挙げられるがこれらに限定されない。
(e.還元剤)
銅錯体を触媒とするリビングラジカル重合においては、還元剤を併用することにより、重合活性が向上することが知られている(ARGET ATRP)。ARGET ATRPにおいては、重合反応の遅延または停止の原因となる高酸化遷移金属錯体(ラジカル同士のカップリングなどによって生じる)を、還元して減少させることにより、重合活性が向上すると考えられている。これによって、通常ならば数百〜数千ppm必要な遷移金属触媒を、数十〜数百ppmまで減少させることができる。本発明の一実施形態における製造方法では、還元剤を用いて、ARGET ATRPと同様の反応機構とすることができる。
還元剤の例としては、金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、典型金属、遷移金属など);金属化合物(金属塩、金属錯体など);有機スズ化合物(オクチル酸スズ、2−エチルヘキシル酸スズなど);リンまたはリン化合物(トリメチルホスフィンなど);硫黄または硫黄化合物(ロンガリット類、ハイドロサルファイト類など);金属水素化物(水素化ナトリウムなど);ケイ素水素化物(トリクロロシランなど);ホウ素水素化物(ボラン、水素化ホウ素ナトリウムなど);窒素水素化合物(ヒドラジンなど);リンまたはリン化合物(ホスフィンなど);硫黄または硫黄化合物(硫化水素など);還元作用を示す有機化合物(アルコール、アルデヒド、フェノール類、クエン酸など)が挙げられる。
(f.溶媒)
溶媒の例としては、高極性非プロトン性溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)など);カーボネート系溶媒(エチレンカーボネートなど);アルコール系溶媒(メタノールなど);ニトリル系溶媒(アセトニトリルなど);ケトン系溶媒(アセトンなど);エーテル系溶媒(ジエチルエーテルなど);ハロゲン化炭化系溶媒(クロロホルムなど);エステル系溶媒(酢酸エチルなど);炭化水素系溶媒、イオン性液体、水、超臨界流体が挙げられる。ただし、ATRPは、溶媒を用いない条件でも実施可能である。
〔2.アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)を含む。
[2.1.ポリオキシアルキレン系重合体(B)の主鎖]
ポリオキシアルキレン系重合体(B)の主鎖構造は、直鎖状であってもよいし、分枝状であってもよい。また、これらの構造を有する分子の混合物であってもよい。これらの中でも、ポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシプロピレントリオールからなる群より選択される1つ以上に由来する主鎖が、特に好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)の主鎖の例は、実質的に一般式(4)「−R−O−」で示される繰り返し単位を有するものが挙げられる(式中、Rは2価のアルキレン基である)。ここで、「実質的に」とは、一般式(4)で表される繰り返し単位が、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の全繰り返し単位を基準として、50モル%以上(好ましくは80モル%以上)含まれていることを指す。
一般式(4)中にあるRは、2価のアルキレン基ならば特に限定されない。Rは、炭素数1〜14のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4の直鎖状または分岐状のアルキレン基であることがより好ましい。
一般式(4)で表される繰り返し単位は、特に限定されない。具体例としては、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−が挙げられる。この中でも、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の主鎖は、−CHCH(CH)O−からなるポリプロピレンオキシドであることが好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、主鎖構造中にウレタン結合またはウレア結合を含んでいてもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)の数平均分子量は、特に制限はされない。数平均分子量は、好ましくは5,000以上であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜25,000である。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)としては、市販品を用いることもできる。市販のポリオキシアルキレン系重合体(B)の例としては、カネカMSポリマー(登録商標)S203H、S303H、S810(いずれも株式会社カネカ製);サイリル(登録商標)SAX350、SAX220(いずれも株式会社カネカ製);エクセスター(登録商標)ES−S2410、ES−S2420、ES−S3430、ES−S3630(いずれもAGC株式会社製)が挙げられる。
[2.2.ポリオキシアルキレン系重合体(B)の製造方法]
ポリオキシアルキレン系重合体(B)の分子構造は、使用用途や目的とする特性により相違する。例えば、ポリオキシアルキレン系重合体(B)として、特開昭63−112642記載の化合物を使用できる。このようなポリオキシアルキレン系重合体(B)は、通常の重合方法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)で合成することができる。さらに、セシウム金属触媒、ポルフィリン/アルミ錯体触媒(特開昭61−197631号公報、特開昭61−215622号公報、特開昭61−215623号公報および特開昭61−218632号公報などを参照)、複合金属シアン化錯体触媒(特公昭46−27250号公報、特公昭59−15336号公報など)、ポリフォスファゼン塩からなる触媒(特開平10−273512号公報などを参照)を用いた方法によっても合成することができる。
ポルフィリン/アルミ錯体触媒、複合金属シアン化錯体触媒またはポリフォスファゼン塩からなる触媒を用いる方法を採用すれば、分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下、好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.2以下のオキシアルキレン重合体を得ることができる。分子量分布が小さいポリオキシアルキレン系重合体(B)を使用すれば、硬化物の低モジュラスおよび高伸びを維持しつつ、硬化性組成物の粘度を小さくできるので好ましい。
[2.3.ポリオキシアルキレン系重合体(B)のアルコキシシリル基]
ポリオキシアルキレン系重合体(B)のアルコキシシリル基は、特に限定されず、上述の(メタ)アクリル系重合体(A)のアルコキシシリル基と同じ構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。具体例としては、ジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、ジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)に導入されているアルコキシシリル基の数は、1分子あたり、1.2個超が好ましく、1.2〜4.0個がより好ましく、1.5〜2.5個がさらに好ましい。アルコキシシリル基の数が上記の範囲であれば、硬化性組成物に良好な硬化性を与えることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)のアルコキシシリル基は、分子の少なくとも一方の末端部分に位置することが好ましく、分子の両方の末端部分に位置することがより好ましい。アルコキシシリル基が分子の末端部分に位置していれば、硬化物に良好なゴム弾性を与えることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体にアルコキシシリル基を導入する方法は、従来公知の方法を使用することができる。例えば、複合金属シアン化錯体触媒を用いて得られるオキシアルキレン重合体へのアルコキシシリル基の導入は、特開平3−72527号公報を参照することができる。また、ポリフォスファゼン塩および活性水素を触媒として得られるオキシアルキレン重合体へのアルコキシシリル基の導入は、特開平11−60723号公報を参照することができる。
その他にも、以下の導入方法が挙げられる。
(1)末端に水酸基などの官能基を有するオキシアルキレン重合体と、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させて、不飽和基含有オキシアルキレン重合体を得る。あるいは、末端に水酸基などの官能基を有するオキシアルキレン重合体と、不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により、不飽和基含有オキシアルキレン重合体を得る。その後、得られた反応生成物にアルコキシシリル基を有するヒドロシランを作用させて、ヒドロシリル化する。
(2)(1)と同様にして得た不飽和基含有オキシアルキレン重合体に、メルカプト基およびアルコキシシリル基を有する化合物を反応させる。
(3)末端にY官能基の官能基を有するオキシアルキレン重合体に、Y’官能基およびアルコキシシリル基を有する化合物を反応させる。ここで、Y官能基とは、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基などである。Y’官能基とは、Y官能基に対して反応性を示す官能基である。
上記(3)の方法で使用できる、Y’官能基およびアルコキシシリル基を有する化合物の例としては、アミノ基含有シラン類(γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなど)、メルカプト基含有シラン類(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなど)、エポキシシラン類(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど)、ビニル型不飽和基含有シラン類(ビニルトリエトキシシランなど)、塩素原子含有シラン類(γ−クロロプロピルトリメトキシシランなど)、イソシアネート含有シラン類(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなど)、ハイドロシラン類(メチルジメトキシシランなど)が挙げられる。
〔3.重質炭酸カルシウム(C)〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、重質炭酸カルシウム(C)を含む。
重質炭酸カルシウム(C)としては、充填材として用いられる公知の重質炭酸カルシウムを用いることができる。このような重質炭酸カルシウム(C)の例としては、石灰石、貝殻、白亜、大理石などを機械的に粉砕・加工したものが挙げられる。重質炭酸カルシウム(C)は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重質炭酸カルシウム(C)の比表面積は、1.0〜3.5m/gが好ましく、1.2〜3.0m/gがより好ましい。重質炭酸カルシウム(C)の比表面積は、粉体比表面積測定装置により求められる。
重質炭酸カルシウム(C)の平均粒径(D50)は、0.8〜5.0μmが好ましく、1.0〜3.0μmがより好ましい。重質炭酸カルシウム(C)の平均粒径は、比表面積から計算によって求められる。平均粒径が小さいほど、硬化物の強度が増す傾向にある。
本発明で使用される重質炭酸カルシウム(C)は、表面処理されたものであっても、無処理のものであってもよい。重質炭酸カルシウムの表面処理に用いられる表面処理剤の例としては、有機物および各種界面活性剤(脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステルなど)、各種カップリング剤(シランカップリング剤、チタネートカップリング剤など)が挙げられる。
重質炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウムの重量に対して0.1〜20重量%の量の表面処理剤で処理することが好ましく、1〜5重量%の量の表面処理剤で処理することがより好ましい。表面処理剤の使用量が0.1重量%未満の場合には、作業性および接着性の改善効果が充分でないことがある。表面処理剤の使用量が20重量%を越えると、硬化性組成物の貯蔵安定性が低下することがある。
〔4.可塑剤(D)〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、可塑剤(D)を含有させてもよい。可塑剤(D)を用いることにより、硬化物の物性を変化させることができる。例えば、可塑剤(D)を配合することにより、硬化物の伸びおよび強度を増大させることができる。
可塑剤の例としては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレートなど)、非芳香族二塩基酸エステル類(ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシルなど)、脂肪族エステル類(オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルなど)、ポリアルキレングリコールのエステル類(ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなど)、リン酸エステル類(トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなど)、トリメリット酸エステル類、ポリスチレン類(ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレンなど)、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン、塩素化パラフィン類、炭化水素系油(アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなど)、プロセスオイル類、ポリエーテル類(ポリエーテルポリオール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)、および、ポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体など);エポキシ可塑剤類(エポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、エピクロルヒドリン誘導体およびそれらの混合物など)。2塩基酸と2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類(セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などと、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどと、から得られるポリエステルなど);ビニル系重合体類(アクリル系可塑剤などのビニル系モノマーを、種々の方法で重合して得られる);フタル酸エステルを水添したシクロヘキサンジカルボン酸エステル系重合体が挙げられる。
エポキシ可塑剤類の具体例としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ジ−(2−エチルヘキシル)4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカーボキシレート(E−PS)、エポキシオクチルステアレ−ト、エポキシブチルステアレ−トなどが挙げられる。上述したエポキシ可塑剤の中では、E−PSが好ましい。エポキシ基を有する化合物を可塑剤として使用すると、硬化物の復元性を高めることができる。
アクリル系可塑剤は、溶剤および連鎖移動剤を使用せずに、高温連続重合法にて作製できる(米国特許第4414370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5010166号明細書を参照)。アクリル系可塑剤の具体例としては、ARUFON UP-1000、UP-1020、UP-1110(以上、東亞合成(株)製)、JDX-P1000、JDX-P1010、JDX-P1020(以上、ジョンソンポリマー(株)製)が挙げられる。
〔5.その他の添加剤〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、上述の(メタ)アクリル系重合体(A)、ポリオキシアルキレン系重合体(B)、重質炭酸カルシウム(C)および可塑剤(D)以外にも、種々の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤を含有させることによって、硬化性組成物および硬化物の諸物性を調節することができる。添加剤の例としては、以下が挙げられる。これらの添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
(充填材)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、重質炭酸カルシウム(C)以外の充填材を含有させてもよい。上述の重質炭酸カルシウム(C)と共に、必要に応じて、さらなる充填材を用いることにより、硬化物の強度を増大させることができる。
このような充填材の例としては、膠質炭酸カルシウム、木粉、補強性充填材(パルプ、木綿チップ、アスベスト、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸など)、カーボンブラックなど)、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛、シラスバルーン、繊維状充填材(石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバーなど)が挙げられる。
上記充填材の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、5〜5000重量部が好ましく、10〜2500重量部より好ましく、15〜1500重量部が特に好ましい。
(錫系硬化触媒)
本発明における硬化性組成物は、公知の縮合触媒を用いてシロキサン結合を形成することにより、架橋、硬化させることができる。
このような縮合触媒の例として、錫系硬化触媒が挙げられる。錫系硬化触媒の具体例としては、ジアルキル錫カルボン酸塩類(ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレートなど)、ジアルキル錫オキサイド類(ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混合物など)、4価錫化合物(ジアルキル錫オキサイド、ジアルキル錫ジアセテートなど)とアルコキシシリル基を有する低分子ケイ素化合物(テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなど)との反応物、2価の錫化合物類(オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫など)、モノアルキル錫類(モノブチル錫化合物(モノブチル錫トリスオクトエート、モノブチル錫トリイソプロポキシドなど)、モノオクチル錫化合物など)、アミン系化合物と有機錫化合物との反応物または混合物(ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物または混合物など)、キレート化合物(ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ビスアセチルセトナート、ジブチル錫ビスエチルアセトナート、ジオクチル錫ビスエチルアセトナートなど)錫アルコラート類(ジブチル錫ジメチラート、ジブチル錫ジエチラート、ジオクチル錫ジメチラート、ジオクチル錫ジエチラートなど)が挙げられる。
この中でも、キレート化合物(ジブチル錫ビスアセチルアセトナートなど)および錫アルコラート類は、シラノール縮合触媒としての活性が高い点が好ましい。また、ジブチル錫ジラウレートは、硬化性組成物に添加しても着色が少なく、廉価であり、入手が容易である点が好ましい。
錫系硬化触媒の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との総量100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
(非錫系硬化触媒)
上記で挙げた錫系硬化触媒以外の化合物も、縮合触媒として使用可能である。このような非錫系硬化触媒の例としては、チタン化合物(テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、ビス(アセチルアセトナート)ジイソプロポキシチタン、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトセテート)など);有機アルミニウム化合物類(アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなど);ジルコニウム化合物類(ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)など)が挙げられる。
また、非錫系硬化触媒としてアミジン化合物も使用できる(例えば、国際公開第2008/078654号を参照)。アミジン化合物の例としては、1−(o−トリル)ビグアニド、1−フェニルグアニジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンが挙げられるが、これらに限られるものではない。
非錫系硬化触媒の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との総量100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
(脱水剤)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物を1成分型の硬化性組成物として実施する場合には、(i)水分を含有する配合成分を予め脱水および乾燥してから使用するか、または、(ii)各成分の混練中に、加熱・減圧などにより組成物を脱水することが好ましい。この観点から、硬化性組成物に脱水剤を添加することが好ましい。
脱水剤の具体例としては、合成ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、生石灰、酸化マグネシウムが挙げられる。
また、アルコキシシラン化合物も脱水剤として好適に利用できる。アルコキシシラン化合物は、水と反応することにより組成物を脱水する。アルコキシシラン化合物の例としては、n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。この中でもビニルトリメトキシシランは、脱水効果が高く好適に使用できる。
脱水剤(特に、ビニルトリメトキシシランなどの水と反応しうるアルコキシシラン化合物)の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、2〜15重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
(接着性付与剤)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、接着性付与剤を添加してもよい。接着付与剤を添加することにより、シーリング材がサイディングボードなどの被着体から剥離する危険性を低減できる(この剥離は、外力により目地幅などが変動することによって生じる)。また、接着性を向上させるためのプライマーを使用する必要性がなくなる場合もある。この場合は、施工作業の簡略化が期待される。
接着性付与剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤の具体例としては、イソシアネート基含有シラン類(γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなど)、アミノ基含有シラン類(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなど)、メルカプト基含有シラン類(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなど)、エポキシ基含有シラン類(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなど)カルボキシシラン類(β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(β−カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなど)、ビニル型不飽和基含有シラン類(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシランなど)、ハロゲン含有シラン類(γ−クロロプロピルトリメトキシシランなど)、イソシアヌレートシラン類(トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレートなど)が挙げられる。また、シランカップリング剤を変性させた誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステルなども、シランカップリング剤として用いることができる。
接着性付与剤の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
(物性調整剤)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を含有させてもよい。物性調整剤を用いることにより、硬化物の硬度を上げたり、逆に硬化物の硬度を下げて伸びを出したりすることができる。
物性調整剤の例としては、アルキルアルコキシシラン類(メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシランなど)、アルキルイソプロペノキシシラン(ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなど)、官能基を有するアルコキシシラン類(γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなど)、シリコーンワニス類、ポリシロキサン類が挙げられる。
物性調整剤の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、0.1〜80重量部が好ましく、0.1〜50重量部がより好ましい。
(チクソ性付与剤(垂れ防止剤))
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、垂れを防止し、作業性を良くするために、チクソ性付与剤(垂れ防止剤)を含有させてもよい。
チクソ性付与剤の例としては、ポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘導体類、金属石鹸類(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウムなど)が挙げられる。
チクソ性付与剤の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、0.2〜25重量部がより好ましい。
(光硬化性物質)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、光硬化性物質を含有させてもよい。光硬化性物質とは、光の作用によって短時間で化学変化をおこし、物性的変化(硬化など)を生ずる物質である。光硬化性物質を含有させることにより、硬化物表面の粘着性(残留タック)を低減できる。典型的な光硬化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近など)に、1日間、室温にて静置することにより硬化させることができる。光硬化性物質には、有機単量体、オリゴマー、樹脂およびこれらを含む組成物など、多くのものが知られており、その種類は特に限定されない。光硬化性物質の例としては、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂が挙げられる。
不飽和アクリル系化合物の具体例としては、低分子量アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルアルコールなど)の(メタ)アクリル酸エステル類;酸(ビスフェノールA、イソシアヌル酸)または低分子量アルコールなどを、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどで変性させた、アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸エステル類(主鎖がポリエーテルであり末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール、主鎖がポリエーテルであるポリオール中でビニル系モノマーをラジカル重合することにより得られるポリマーポリオール、主鎖がポリエステルで末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、主鎖がビニル系あるいは(メタ)アクリル系共重合体であり主鎖中に水酸基を有するポリオールなど);エポキシ樹脂(ビスフェノールA型やノボラック型など)と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られるエポキシアクリレート系オリゴマー類;ポリオール、ポリイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレートなどを反応させることにより得られる分子鎖中に、ウレタン結合および(メタ)アクリル基を有する、ウレタンアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
光硬化性物質の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましい。
(空気酸化硬化性物質)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、空気酸化硬化性物質を含有させてもよい。空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋硬化しうる不飽和基を有している化合物を指す。空気酸化硬化性物質を含有させることにより、硬化物表面の粘着性(残留タック)を低減できる。典型的な空気酸化硬化性物質は、例えば空気中にて、室内に1日間静置することにより硬化させることができる。
空気酸化硬化性物質の例としては、乾性油(桐油、アマニ油など);乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂;アクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂などを乾性油により変性させた物質;1,2−ポリブタジエン;1,4−ポリブタジエン;C5〜C8ジエンの重合体または共重合体;C5〜C8ジエンの重合体または共重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)が挙げられる。上述した中では、桐油、液状のジエン系重合体およびその変性物が好ましい。
空気酸化硬化性物質の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましい。
(酸化防止剤および光安定剤)
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物には、酸化防止剤および/または光安定剤を含有させてもよい。酸化防止剤および光安定剤は、各種のものが知られている。例えば、[猿渡健市 他『酸化防止剤ハンドブック』大成社、1976年][大沢善次郎 監『高分子材料の劣化と安定化』シーエムシー、1990年、235-242ページ]などに記載された物質が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、アデカスタブ PEP−36、アデカスタブ AO−23などのチオエーテル系酸化防止剤(以上、全て株式会社ADEKA製);Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上、全てチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などリン系酸化防止剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤;が挙げられる。上述した中では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(またはジもしくはトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート挙げられる。
市販されている酸化防止剤の例としては、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上、全て大内新興化学工業株式会社製);アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−616、アデカスタブ AO−635、アデカスタブ AO−658、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−15、アデカスタブ AO−18、アデカスタブ 328、アデカスタブ AO−37(以上、全て株式会社ADEKA製);IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上、全てチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製);SumilizerGM、SumilizerGA−80、SumilizerGS(以上、全て住友化学株式会社製)が挙げられる。
光安定剤の例としては、紫外線吸収剤(チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上、全てチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などのベンゾトリアゾール系化合物;チヌビン1577などトリアジン系光安定剤、CHIMASSORB81などのベンゾフェノン系化合物;チヌビン120(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)などのベンゾエート系化合物;ヒンダードアミン系化合物)が挙げられる。上述した中では、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。
ヒンダードアミン系化合物の具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステルが挙げられる。
市販されている光安定剤の例としては、チヌビン622LD、チヌビン144、CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB119FL;(以上、全てチバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、アデカスタブ LA−52、アデカスタブ LA−57、アデカスタブ LA−62、アデカスタブ LA−67、アデカスタブ LA−63、アデカスタブ LA−68、アデカスタブ LA−82、アデカスタブ LA−87(以上、全て旭電化工業製);サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−292、サノールLS−2626、サノールLS−1114、サノールLS−744、サノールLS−440(以上、全て三共製)が挙げられる。
酸化防止剤および光安定剤を、併用してもよい。これらを併用することにより、それぞれの効果がさらに向上し、硬化物の耐熱性、耐候性などが向上することがある。例えば、耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物(HALS)とを組合せることできる。この組合せは、それぞれの薬剤の効果をより向上させることができ、好ましい。
酸化防止剤および/または光安定剤の配合量は、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)の総量100重量部に対して、それぞれ、0.1〜20重量部が好ましい。
〔6.硬化性組成物〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物において、(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より多い。また、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物において、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計は、26.5重量%以下である。含有量の合計は、好ましくは25.0重量%以下であり、より好ましくは23.0重量%以下である。含有量の合計が上記の条件を満たすことにより、低温環境下における粘度上昇を抑制した硬化性組成物が得られる。
(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、18.0重量%以上であることが好ましく、20.0重量%以上であることがより好ましい。含有量の合計が上記の範囲ならば、得られる組成物が硬化性組成物として充分に機能できる。
(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との配合比は、上記の条件を満たす範囲で適宜に調節することができる。硬化物の耐候性を充分に発現させるためには、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との配合比は、重量比で、(53/47)〜(97/3)が好ましく、(60/40)〜(85/15)がより好ましい。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物における重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、17重量%以上であることが好ましく、22重量%以上であることがより好ましい。また、上記含有量は、73.5重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることがより好ましく、50重量%以下であることがさらに好ましい。重質炭酸カルシウム(C)の含有量が上記の範囲であれば、得られる硬化物は従来品と同等の強度を有している。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量が上記の範囲である硬化性組成物は、同等量の膠質炭酸カルシウムを含む硬化性組成物に比べて、粘度が上昇しにくく作業性が良いという利点がある。
同様の理由により、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との合計100重量部に対して、60重量部以上であることが好ましく、70重量部以上であることがより好ましい。また、上記含有量は、400重量部以下であることが好ましく、300重量部以下であることがより好ましい。
これに関して、従来、硬化物の物性を改善するために、充填剤として重質炭酸カルシウム(C)を硬化性組成物に配合する技術が存在した。しかし、硬化性組成物中の重質炭酸カルシウムの含有量が多すぎると、硬化物の強度(引張応力、破断時の伸び率など)が低下する傾向があることが知られていた。しかし、本発明者らは、本発明の構成によれば、重質炭酸カルシウム(C)を高配合しても、従来技術と同等の強度を有する硬化物が得られるという新知見を見出したのである。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物における可塑剤(D)の含有量は、10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。また、上記含有量は、40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましい。可塑剤(D)の含有量は、硬化性組成物に求められる物性により、適宜調節される。例えば、可塑剤(D)の含有量を上昇させると、硬化性組成物は、チキソ性が低下し、また硬化物の強度が低下する傾向にある。逆に、可塑剤(D)の含有量を低下させると、硬化性組成物は、粘度が上昇し、作業性が低下する傾向にある。
同様の理由により、可塑剤(D)の含有量は、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との合計100重量部に対して、80重量部以上であることが好ましく、90重量部以上であることがより好ましい。また、上記含有量は、300重量部以下であることが好ましく、200重量部以下であることがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、23℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)と、5℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)との比(V/V)が、1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましく、1.2以下であることがさらに好ましい。V/Vの値が上記の範囲であれば、低温環境下における硬化性組成物の粘度上昇を、充分に抑制できていると言える。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、5℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)が、2000Pa・s以下であることが好ましく、1500Pa・s以下であることがより好ましく、1200Pa・s以下であることがさらに好ましい。Vの値が上記の範囲であれば、低温環境下において充分に粘度の低い硬化性組成物であると言える。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、23℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)が、1800Pa・s以下であることが好ましく、1300Pa・s以下であることがより好ましく、1000Pa・s以下であることがさらに好ましい。Vの値が上記の範囲であれば、常温環境下において充分に粘度の低い硬化性組成物であると言える。
なお、粘度(V)および粘度(V)は、粘度計(トキメック社製BS型粘度計、ローターNo.7)を用いて、23℃または5℃、2rpmの条件で測定した数値である。
〔7.硬化性組成物の形態〕
本発明一実施形態に係る硬化性組成物は、1成分型であってもよいし、2成分型であってもよい。1成分型の硬化性組成物とは、全ての配合成分を予め配合した後、密封保存したものである。1成分型の硬化性組成物は、使用後に空気中の湿気により硬化する。一方、2成分型の硬化性組成物においては、硬化触媒、充填材、可塑剤、水などの成分を配合した組成物を別途用意する。2成分型の硬化性組成物は、上記の組成物と、(メタ)アクリル系重合体(A)およびポリオキシアルキレン系重合体(B)を含む組成物とを混合して使用する。
硬化性組成物を2成分型として調製すると、2成分の混合時に、着色剤をさらに添加することができる。このことにより、例えば、限られた硬化性組成物の種類から、サイディングボードの色に合わせて豊富な色揃えのシーリング材を提供することができるようになる。それゆえ、2成分型の硬化性組成物は、多色化に対する市場からの要望に容易に応えることができ、低層建物用途などに好適である。着色剤は、例えば、顔料、可塑剤、必要に応じて充填材を混合し、ペースト化したものが、作業性が高く好ましい。
また、2成分型の硬化性組成物は、2成分の混合時に遅延剤を添加することができる。これにより、硬化速度を作業現場にて微調整することができる。
〔8.硬化性組成物の用途〕
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物および硬化物の用途は、特に限定されない。一例として、建築用および工業用のシーリング剤(ワーキングジョイントに用いられる高耐久性建築用弾性シーリング剤に加えて、サイディングボード用シーリング剤、複層ガラス用シーリング剤、車両用シーリング剤など)、電気・電子部品材料(太陽電池裏面封止剤など)、電気絶縁材料(電線・ケーブル用絶縁被覆材など)、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、コンタクト接着剤、タイル用接着剤、反応性ホットメルト接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、缶蓋などのシール材、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、注型材料、各種成形材料、人工大理石、網入りガラスや合わせガラスの切断部の防錆・防水用封止材、防振・制振・防音・免震材料(自動車、船舶、家電などに使用される)、液状シール剤(自動車部品、電機部品、各種機械部品などに使用される)、防水剤が挙げられる。
上述した中でも、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物および硬化物は、シーリング材および接着剤として特に有用である。とりわけ、耐候性もしくは耐久性が要求される用途、または透明性が必要な用途に有用である。また、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物および硬化物、耐候性および接着性に優れるので、目地埋めのない外壁タイル接着工法に使用できる。さらに、線膨張係数の異なる材料の接着や、ヒートサイクルにより繰り返し変位を受けるような部材の接着に用いる弾性接着剤の用途に有用である。さらに、透明性を活用して、下地が見える用途でのコーティング剤、透明材料(ガラス、ポリカ、メタクリル樹脂など)の貼り合わせに用いる接着剤としても有用である。
〔まとめ〕
本発明には、以下の態様が含まれている。
<1>
アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)、および、重質炭酸カルシウム(C)を含む硬化性組成物であって、
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量が、上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より多く、
上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計が、26.5重量%以下である、
硬化性組成物。
<2>
上記硬化性組成物の、23℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)と、5℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)との比(V/V)が1.4以下である、<1>に記載の硬化性組成物。
<3>
上記重質炭酸カルシウム(C)の含有量が、17重量%以上、73.5重量%以下である、<1>または<2>に記載の硬化性組成物。
<4>
可塑剤(D)を、10重量%以上、40重量%以下の含有量で含む、<1>〜<3>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<5>
上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計が、25.0重量%以下である、<1>〜<4>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<6>
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の数平均分子量が10,000〜80,000である、<1>〜<5>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<7>
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量分布が1.8以下である、<1>〜<6>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<8>
上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、トリブロック重合体であり、
上記(メタ)アクリル系重合体(A)の末端部分を構成するブロックは、それぞれ、アルコキシシリル基を1個より多く有する、
<1>〜<7>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<9>
上記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、全ての繰り返し単位の重量を基準として、
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)由来の繰り返し単位を、45〜70重量%、
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)由来の繰り返し単位を、0〜25重量%、
(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)由来の繰り返し単位を、15〜25重量%、
含んでおり、
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が1〜5であり、
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が6〜15であり、
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキルの炭素数が16〜25である、
<1>〜<8>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<10>
上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位をランダムに含んでおり、
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基を有しており、かつ、上記アルキル基は炭素数が1〜5のアルコキシ基を有している、
<1>〜<9>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<11>
<1>〜<10>のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる、硬化物。
上記各項目で記載した内容は、他の項目においても適宜援用できる。本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。したがって、異なる実施形態にそれぞれ開示されている技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本明細書中に記載された学術文献および特許文献のすべてが、本明細書中において参考文献として援用される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
以下の製造例において、(メタ)アクリル系重合体(A)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。GPCのカラムには、ポリスチレン架橋ゲルを充填したカラム(shodex GPC K-804;昭和電工(株)製)を使用した。GPCの溶媒には、クロロホルムを使用した。
〔製造例1〕
以下の手順に従い、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)に由来する構造単位を有する(メタ)アクリル系重合体(A)を合成した。
(準備)
2000mLの3つ口フラスコを用意した。この中に、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)としてアクリル酸2−メトキシエチル110g、アクリル酸n−ブチル700g、およびアクリル酸オクタデシル190gを入れて混合した(合計1000g)。この混合物を、「(メタ)アクリル系モノマー混合物A−1」と称する。
次に、別の攪拌容器を用意した。この中に、第二臭化銅(CuBr)52.7mg、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン(MeTREN)54.4mg、メタノール1.82gを仕込み、窒素気流下にて、均一溶液になるまで攪拌を行った。この均一溶液を「銅溶液」と称する。なお、銅溶液中に含まれている銅は、(メタ)アクリル系モノマー混合物A−1の全量に対して、15ppmに相当する。
さらに、別の攪拌容器を用意した。この中に、メタノール30.8mL、アスコルビン酸1.0g、トリエチルアミン1.58mLを仕込み、窒素気流下にて30分間攪拌して均一溶液とした。この均一溶液を、「アスコルビン酸溶液」と称する。
(第1工程)
攪拌機に、α−ブロモ酪酸エチル5.84g(開始剤)、(メタ)アクリル系モノマー混合物A−1を全量の20重量%、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル13.93g、メタノール151.76g(和光純薬化学工業株式会社製)、銅溶液の全量を投入し、窒素気流下にて30分間攪拌して、均一溶液とした。このとき使用した攪拌機は、ジャケット温調付き攪拌装置であり、ジャケット温度は45℃に設定した。
次に、重合系内の温度が40℃以上になった時点で、アスコルビン酸溶液を連続滴下することにより、重合反応を開始させた。このときのアスコルビン酸溶液の滴下速度は、1時間あたり144mgのアスコルビン酸が重合系に投入される速度とした。
重合系内の温度をモニターしたところ、アスコルビン酸の滴下開始と同時に温度が上昇し、最大温度に到達した後、徐々に温度が低下していった。重合系内の温度からジャケット温度を減じた温度差が1℃になった時点で、重合系内の反応溶液を少量サンプリングし、ガスクロマトグラフで分析した。その結果、最初に投入した(メタ)アクリル系モノマー混合物A−1のうち、90重量%が消費されていた。
(第2工程)
次に、第1工程で投入しなかった(メタ)アクリル系モノマー混合物A−1の残り(全量の80重量%)を、150分間かけて、重合系に連続的に滴下した。また、逐次的にサンプリングを行い、ガスクロマトグラフで分析した。そして、重合系に投入した(メタ)アクリル系モノマー混合物A−1の全量のうち、94重量%が消費されるまで重合させた。
(第3工程)
次に、この重合系に、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル13.73gを投入した。アスコルビン酸溶液の連続滴下を1.5時間継続した後、アスコルビン酸溶液の滴下を停止して、重合を終了させた。
ジャケット温度を80℃に変更してから、溶媒を脱揮した。脱揮には、最初はダイヤフラムポンプを用い、次いで真空ポンプを用いた。脱揮終了後に、ジャケット温度が60℃以下になるまで冷却した。
(精製)
ジャケット温調付き攪拌装置に、酢酸ブチル1000gを投入して、脱揮を終えたポリマーと均一溶液になるまで混合攪拌した。この均一溶液に、吸着剤を加えて、1時間攪拌した。吸着剤としては、10gのキョーワード500SH(協和化学工業株式会社製)、および、10gのキョーワード700SEN−S(協和化学工業株式会社製)を用いた。
攪拌終了後、得られた混合物を、バグフィルター濾布を敷いた濾過器によって濾過した。これによって、清澄なポリマー溶液を得た。この溶液に、約20gの酢酸ブチルに溶解させた1.5gの酸化防止剤(SumilizerGS;住友化学株式会社製)を加え、均一になるまで混合した。その後、溶液から溶媒を脱揮して、(メタ)アクリル系重合体(A)−1を得た。脱揮には、最初はダイヤフラムポンプを用い、次いで真空ポンプを用いた。
得られた(メタ)アクリル系重合体(A)−1の数平均分子量(Mn)は38,000であり、重量平均分子量(Mw)は43,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.1であった。
〔製造例2〕
(準備)
2000mLの3つ口フラスコを用意した。この中に、アクリル酸n−ブチル707g、アクリル酸エチル107g、および、アクリル酸オクタデシル186gを入れて混合した(合計1000g)。この混合物を、「(メタ)アクリル系モノマー混合物A−2」と称する。
(重合)
攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素した。この反応容器に、7.41gの臭化第一銅、および、200gの(メタ)アクリル酸エステルモノマー混合物A−2を仕込み、加熱攪拌した。次に、アセトニトリル88.73gおよび開始剤(ジエチル2,5−ジブロモアジペート)10.79gを添加し、混合した。混合液の温度を約65℃に調節した後、ペンタメチルジエチレントリアミン0.15gを添加して、重合反応を開始させた。その後、(メタ)アクリル酸エステルモノマー混合物A−2の残部800gを逐次投入し、重合反応を進行させた。重合反応中には、ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜追加し、重合速度を調整した。重合反応の全体で使用したペンタメチルジエチレントリアミンの総量は、1.49gであった。重合が進行すると反応熱により反応系の温度は上昇傾向を示すが、反応系の温度は約80℃〜約90℃に調整した。モノマー転化率(重合反応率)が95%となった時点で、揮発分を減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。この段階までに要した時間は、5時間であった。
得られた重合体濃縮物に、1,7−オクタジエン189.85g、アセトニトリル354.94g、ペンタメチルジエチレントリアミン2.99gを加えた。次に、反応系の温度を約80℃〜約90℃に調節しながら4時間加熱攪拌することにより、重合体の末端に1,7−オクタジエンを反応させた。
(精製)
反応終了時点で、反応容器内の気相部に酸素−窒素混合ガスを導入した。次に、反応系の温度を約80℃〜約90℃に保ちながら、反応液を4時間加熱攪拌することにより、反応液中に含まれる重合触媒と酸素とを接触させた。次に、アセトニトリルおよび未反応の1,7−オクタジエンを減圧脱揮して除去し、重合体濃縮物を得た。ここまでの工程に要した時間は、6時間であった。
重合体濃縮物に酢酸ブチル1000gを加えて稀釈した後、濾過助剤を添加して攪拌した。次に、不溶な触媒成分を濾過除去した。
濾液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN−Sおよびキョーワード500SH)を添加した。次に、反応容器内の気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して、約100℃で1時間加熱攪拌した。次に、不溶成分(吸着剤など)を濾過除去し、清澄な濾液を得た。この操作を2回繰り返した後、濾液を濃縮して、重合体粗精製物を得た。
重合体粗精製物に、熱安定剤(スミライザーGS:住友化学(株)製)および吸着剤(キョーワード700SEN−S、キョーワード500SH)を添加した。系を昇温して、約170℃〜約200℃の高温下にて2時間程度、加熱攪拌および減圧脱揮を施すことにより、重合体粗生成物を吸着精製した。次に、重合体に対して10倍量の酢酸ブチルを加えて稀釈し、吸着剤(キョーワード700SENおよびキョーワード500SH)を追加した。次に、反応容器内の気相部を酸素−窒素混合ガス雰囲気とし、約170℃〜約200℃の高温下にて4時間程度加熱攪拌することにより、吸着精製を続行した。次に、重合体を90倍量の酢酸ブチルで稀釈した後、濾過して吸着剤を除去した。濾液を濃縮して、両末端にアルケニル基を有する重合体を得た。
(アルコキシシリル基の導入)
得られた重合体1000gに対し、メチルジメトキシシラン(DMS)19.1g、オルト蟻酸メチル5.4g、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のイソプロパノール溶液(1.32×10−4mmol/μL)0.388mLを混合し、約115℃にて加熱攪拌した。1時間程度経過した後、揮発分(未反応のDMSなど)を減圧留去して、(メタ)アクリル系共重合体(A)−2を得た。この(メタ)アクリル系共重合体(A)−2は、分子の両末端にジメトキシシリル基を有する重合体である。
得られた(メタ)アクリル系重合体(A)−2の数平均分子量(Mn)は42,000であり、重量平均分子量(Mw)は52,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.2であった。
〔実施例および比較例で使用した各成分〕
・(メタ)アクリル系重合体(A)−1:製造例1で合成したもの
・(メタ)アクリル系重合体(A)−2:製造例2で合成したもの
・ポリオキシアルキレン系重合体(B):サイリル(登録商標)SAX220(株式会社カネカ製)
・重質炭酸カルシウム(C):(白石カルシウム株式会社製、ホワイトンSB赤、平均粒径1.8μm、比表面積12,000cm/g)
・可塑剤(D):アクトコール(登録商標)P−23(三井化学株式会社製;ポリプロピレングリコール系可塑剤;分子量3000)
・膠質炭酸カルシウム:白艶華CCR(白石カルシウム株式会社製)
・酸化チタン:タイペーク(登録商標)R−820(石原産業株式会社製)
・紫外線吸収剤:チヌビン(登録商標)328(BASFジャパン株式会社製)
・光安定剤:チヌビン(登録商標)770(BASFジャパン株式会社製)
・酸化防止剤:イルガノックス(登録商標)1010(BASFジャパン株式会社製)
・脱水剤:Silquest A−171(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製;ビニルトリメトキシシラン)
・接着付与剤:Silquest A−1120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)
・硬化触媒:ネオスタンU−220H(日東化成(株)製;ジブチル錫ビスアセチルアセトナート)。
〔実施例1〕
(メタ)アクリル系重合体(A)、ポリオキシアルキレン系重合体(B)、重質炭酸カルシウム(C)、可塑剤(D)、膠質炭酸カルシウム、酸化チタン、紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤を表1に記載の割合で混合し、充分に混錬した後、3本ペイントロールに3回通して分散させた。
次いで、120℃で2時間減圧脱水を行い、50℃以下に冷却した。その後、脱水剤、接着付与剤および硬化触媒を表1に記載の割合で加えて混練した。混練は、実質的に水分の存在しない状態で行った。その後、防湿性の容器に密閉し、1液型硬化性組成物を得た。
この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、26.0重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、18.2重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、26.0重量%であった。
〔実施例2〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、24.2重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、24.2重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、24.2重量%であった。
〔実施例3〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、19.1重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、34.4重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、24.8重量%であった。
〔実施例4〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、21.6重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、53.9重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、21.6重量%であった。
〔実施例5〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、26.2重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、18.4重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、26.2重量%であった。
〔実施例6〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、24.3重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、24.3重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、24.3重量%であった。
〔比較例1〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、31.8重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、15.9重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、15.9重量%であった。
〔比較例2〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、31.8重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、15.9重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、15.9重量%であった。
〔比較例3〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、19.2重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、34.4重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、24.8重量%であった。
〔比較例4〕
各成分の配合量を表1に記載の通りに変更して、硬化性組成物を得た。この硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、32.2重量%であった。また、重質炭酸カルシウム(C)の含有量は、22.3重量%であった。さらに、可塑剤(D)の含有量は、15.9重量%であった。
〔各物性の評価方法〕
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた硬化性組成物について、各物性を以下のようにして測定・評価した。結果を表1に示す。
(硬化性組成物の粘度)
硬化性組成物の23℃において測定される粘度(V)は室温(23℃)において、粘度計(トキメック社製BS型粘度計、ローターNo.7)を用いて、2rpmでの値を測定した。
硬化性組成物の5℃において測定される粘度(V)は、硬化性組成物を測定直前まで5℃の乾燥機に入れておき、上記と同じ装置を用いて2rpmでの値を測定した。
(硬化物の引張物性)
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして、23℃×3日、50℃×4日の養生を行って硬化させた後、3号ダンベル型に打ち抜いた。島津(株)製オートグラフを用いて引張速度200mm/分で引張試験(23℃、50%R.H.)を行い、100%引張モジュラス、および破断時の伸び(%)を測定した。
(耐候性)
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして、23℃×3日、50℃×4日の養生を行って硬化させた後、アルミ板にはりつけてスガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーターを用いて、促進耐候性試験を行った。
2500時間後の表面の状態が、初期と同じ状態であるものを「良好」と評価し、表面にクラック(割れ)が生じたものを「不良」と評価した。
Figure 2021155604
〔結果〕
実施例1〜6に係る硬化性組成物は、(i)(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量がポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より多く、かつ、(ii)(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計が26.5重量%以下であった。これらの硬化性組成物は、VとVとの比(V/V)が1.4以下であった。つまり、これらの硬化性組成物は、低温環境下における粘度の上昇が充分に抑制されていた。また、実施例1〜6に係る硬化性組成物は、常温(23℃)における粘度Vも、低温(5℃)における粘度Vも、いずれも充分に低い値であった。
特に、(メタ)アクリル系重合体(A)−1を配合した実施例5、6に係る硬化性組成物は、VおよびVが特に低く、これらの比(V/V)も特に小さかった。このことから、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位を含む(メタ)アクリル系重合体(A)を配合することにより、作業性が特に優れた硬化性組成物が得られることが示唆される。
実施例1〜4を比較すると、V/Vの値は、実施例1で1.3であり、実施例2〜4では1.2であった。このことから、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計が24.2重量%〜26.0重量%の間の領域に(例えば、含有量の合計が25.0重量%以下)、V/Vの値が1.2から1.3へと変化する閾値があることが示唆される。それゆえ、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計は、好ましくは25.0重量%程度以下であると言える。
実施例1〜6に係る硬化性組成物は、重質炭酸カルシウム(C)を高配合しているにもかかわらず、硬化物の耐候性が良好であった。さらに、実施例1〜4に係る組成物に関して、硬化物の強度を試験したところ、従来品と同等の機械物性を有していた。
これに対し、比較例1、4に係る硬化性組成物は、ポリオキシアルキレン系重合体(B)を含まず、硬化性組成物における(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量が26.5重量%超であった。比較例2に係る硬化性組成物は、(メタ)アクリル系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)との含有量の合計が26.5重量%超であった。これらの硬化性組成物は、V/Vの値が1.4を超えており、低温環境下における粘度上昇が抑制できていなかった。
また、比較例3に係る硬化性組成物は、(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量が、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より少なかった。この硬化性組成物を硬化させてなる硬化物は耐候性に劣り、長期の使用に耐えないものであった。
本発明は、シーリング材、接着剤などに利用することができる。

Claims (11)

  1. アルコキシシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、アルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)、および、重質炭酸カルシウム(C)を含む硬化性組成物であって、
    上記(メタ)アクリル系重合体(A)の含有量が、上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量より多く、
    上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計が、26.5重量%以下である、
    硬化性組成物。
  2. 上記硬化性組成物の、23℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)と、5℃、2rpmの条件で測定される粘度(V)との比(V/V)が1.4以下である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 上記重質炭酸カルシウム(C)の含有量が、17重量%以上、73.5重量%以下である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 可塑剤(D)を、10重量%以上、40重量%以下の含有量で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 上記(メタ)アクリル系重合体(A)と上記ポリオキシアルキレン系重合体(B)との組成物中の含有量の合計が、25.0重量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 上記(メタ)アクリル系重合体(A)の数平均分子量が10,000〜80,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 上記(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量分布が1.8以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、トリブロック重合体であり、
    上記(メタ)アクリル系重合体(A)の末端部分を構成するブロックは、それぞれ、アルコキシシリル基を1個より多く有する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 上記(メタ)アクリル系共重合体(A)は、全ての繰り返し単位の重量を基準として、
    (メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)由来の繰り返し単位を、45〜70重量%、
    (メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)由来の繰り返し単位を、0〜25重量%、
    (メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)由来の繰り返し単位を、15〜25重量%、
    含んでおり、
    上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(β)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が1〜5であり、
    上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(γ)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基の炭素数が6〜15であり、
    上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(δ)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキルの炭素数が16〜25である、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)由来の繰り返し単位をランダムに含んでおり、
    上記(メタ)アクリル酸エステルモノマー(α)は、(メタ)アクリル酸とエステル結合しているアルキル基を有しており、かつ、上記アルキル基は炭素数が1〜5のアルコキシ基を有している、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる、硬化物。
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