以下、本発明の実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
〔第1実施形態〕
図1は、ゲームシステムの構成例を示す図である。
ゲームシステム1000は、ネットワーク9を介して相互にデータ通信が可能に接続されたサーバシステム1100と、プレーヤ端末1500(1500a、1500b)とを含む。
ゲームシステム1000は、プレーヤ端末1500を使用するユーザであるプレーヤ2(2a,2b)に向けて、共有プレイが可能なオンラインゲームを提供するコンピュータシステムである。勿論、ゲームシステム1000は、付加的にその他のサービスの提供を行ってもよい。
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
サーバシステム1100は、例えば本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101に制御基板1150を搭載するコンピュータシステムである。
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ゲーム提供サービスを提供する機能を実現する。
なお、図1では、プレーヤ端末1500(1500a,1500b)を2台のみ描いているが、実際のシステム運用においては、同時に複数のプレーヤ端末1500がサーバシステム1100にアクセス可能である。
また、サーバシステム1100を、1台のサーバ装置であるかのように描いているが、複数の装置で実現する構成であってもよい。例えば、サーバシステム1100は、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。また、サーバシステム1100を構成するハードウェアの設置場所は問わない。離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
図2は、プレーヤ端末1500(1500a,1500b)の構成例を示す正面図である。プレーヤ端末1500は、登録手続を経たユーザが、本実施形態のゲームシステム1000を利用するために使用するコンピュータシステムであって、ネットワーク9を介してサーバシステム1100にアクセスできる電子装置(電子機器)である。プレーヤ端末1500は、ユーザがゲームプレイするための装置である。
なお、図2で示すプレーヤ端末1500は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、コンピュータであれば、スマートウォッチ、スマートグラスなどのウェアラブルコンピュータや、携帯型ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、パソコン、などでもよい。スマートフォンと、当該スマートフォンに通信接続されたスマートウォッチとの組み合わせといった複数の電子機器が通信可能に接続することで1つの機能を果たす場合にはこれらの複数の電子機器を1つのプレーヤ端末1500とみなすことができる。
プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームシステム1000の利用対価等の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
制御基板1550は、(1)CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、(2)VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、(3)ネットワーク9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、(4)インターフェース回路1557、などを搭載する。
インターフェース回路1557には、(1)タッチパネル1506のドライバ回路、(2)方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、(3)スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、(4)マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、(5)カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、(6)メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、プレーヤ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
なお、本実施形態では、プレーヤ端末1500はプログラムや各種の設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
次に、ゲーム提供サービスについて説明する。
プレーヤ端末1500でプレイされるゲームは、サーバシステム1100をゲームサーバとするクライアント・サーバシステムで実行されるオンラインゲームである。
ゲーム進行に係る情報、及びゲーム画面の表示に係る情報は、サーバシステム1100にて生成され、適宜プレーヤ端末1500へ提供される。プレーヤ端末1500は、操作入力兼ゲーム画面表示のための端末として機能する。すなわち、プレーヤ端末1500は、サーバシステム1100から提供された情報に基づいて、ゲーム画面を表示し、操作入力情報を逐一サーバシステム1100へ送信する。サーバシステム1100は、プレーヤ端末1500から送信された操作入力情報に基づいて、ゲームを進行させる。
サーバシステム1100が提供するゲームには、「標準モード」と「指導モード」の2つのモードが用意されており、スタートプレーヤが任意に選択できる。
「標準モード」は、従来と同様のゲームプレイを提供するモードであって、プレーヤが自身のプレーヤキャラクタを使用して自身の力量のみでゲームプレイをするモードである。「指導モード」は、共有プレイ環境を利用してゲストプレーヤがスタートプレーヤのゲームプレイに係る「指導行為」を行うことが可能なモードである。
「指導行為」とは、スタートプレーヤのプレイ行為に外部から影響を与える指導を目的した干渉行為である。代行プレイがその代表例である。その他の指導行為としては、例えば、外部操作に基づく音声をゲーム音声に付加したり、外部操作に基づく表示をゲーム画面に付加すること、が該当する。
本実施形態では、こうした干渉行為は、スタートプレーヤが他プレーヤからゲームプレイに係る指導を受けるのに用いられる。スタートプレーヤはゲームプレイに関する指導を受ける「被指導プレーヤ」であり、指導行為をする他プレーヤは「指導プレーヤ」となる。以降では干渉行為を総括して「指導行為」と言う。
図3は、標準モードによるゲームプレイと、それに伴って保存されるデータの例とを説明するための図である。
ゲーム提供サービスを受ける際、スタートプレーヤは、標準モード又は指導モードの何れかを選択する。標準モードが選択されると、サーバシステム1100は、標準モードによる進行制御を開始することでゲームプレイを開始する。
サーバシステム1100は、標準モードでゲームプレイが実行される毎に、プレーヤ別にプレイ履歴データ620を作成して保存する。プレイ履歴データ620は、例えば固有のプレイID621と、プレイ日時623と、プレーヤアカウント625と、当該履歴データのプレイに係るプレイ開始時セーブデータ626と、プレイ終了時セーブデータ627と、当該履歴データのプレイを再現するために必要なゲーム進行単位毎のプレイ再現用データ630と、が含まれている。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
「ゲーム進行単位」は、ゲームを進行制御する上での区切りである。例えば、格闘対戦ゲームであれば対戦ラウンドが該当し得る。レースゲームであれば、1レースや、1LAP、コースの区画が該当し得る。ゲーム内で行われるチャンピオンシップのシナリオの区切りなどもこれに該当し得る。アクションゲームであれば、ステージ、ある場所からある場所への移動まで、相手キャラクタに遭遇してからダウンするまで、などが該当し得る。育成ゲームや恋愛シミュレーションゲームであれば、ゲーム空間内での経過時間の単位が該当し得る。シューティングゲームではステージ、場面単位、などが該当し得る。RPGであれば、マップ上の範囲、特定のダンジョン、特定キャラクタにエンカウントしてから決着するまで、などが該当し得る。
プレイ再現用データ630は、当該データがどのゲーム進行単位に対応するかを示す再現ゲーム進行単位識別情報631と、操作入力情報時系列データ632と、進行状況情報時系列データ633と、プレイ成績時系列データ635と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
操作入力情報時系列データ632は、当該ゲームプレイに係わるプレーヤ別に用意される。1つの操作入力情報時系列データ632は、当該プレーヤによる操作入力の情報(例えば、操作入力の種類、位置、方向、操作量、操作力、入力時間などの入力を記述する各種情報)を、入力された時間情報(例えば、日時やゲームプレイ開始からの経過時間、ゲーム画面の描画フレーム数など)と対応づけて格納する。
進行状況情報時系列データ633は、その時々のゲーム進行状況を示す情報(例えば、プレイしているステージ番号、対戦ラウンド、ラウンド別の勝敗結果、プレーヤキャラクタ別の位置座標、プレーヤキャラクの位置及び姿勢、プレーヤキャラクタの状態を示すパラメータ値のリスト、アイテムの出現、隠し扉の出現や解錠、特定技の発動、隠しステージの開放、など)を時間情報と対応づけて格納する。
ゲーム内に、NPC(ゲームに登場しコンピュータにより自動制御されるキャラクタ:Non Player Character)が登場する場合には、進行状況情報時系列データ633に、当該NPCに係る制御情報を時系列に格納したNPC制御時系列データ634を含めることができる。
プレイ成績時系列データ635は、その時々のプレーヤのプレイ成績を示す情報(例えば、獲得したポイント、獲得したアイテム、ゲーム進行単位のクリア数、撃墜数、ヒット率、ラウンド別の勝敗結果、所要時間、など)を時間情報と対応づけて格納する。
図4は、ゲームプレイの分析と指導モードの概要を説明するための図である。
ゲーム提供サービスを受ける際、スタートプレーヤが指導モードを選択すると、サーバシステム1100は、スタートプレーヤの過去のゲームプレイを分析して問題点を見つけ、共有プレイ環境を用いた指導モードによる制御を開始する。
サーバシステム1100は、スタートプレーヤ(図4の例では、被指導プレーヤ2a)の過去のプレイ履歴データ620を対象として分析を行う。分析対象とするプレイ履歴データ620の数は、遡る時間に応じて「1」又は複数とすることができる。
サーバシステム1100は、プレイにおける「問題点」を判定する分析を行う。
「問題点」とは、(1)ゲーム進行単位をクリアできない、(2)ゲームで高成績を残せない(例えば、ステージ終了時に当該ステージの成績に応じて秀・優・並のランキングが付けられるならば、秀・優がとれない、得点が所定の基準値に達しない)、(3)大技を出せない、(4)障害物を回避するアクションができないなどの特定のコマンド又は特定のアクションの操作入力状況(以下、これらを総括して「特定操作入力状況」という)にすることができない又はできる回数が少ない、などである。また例えば、(5)ステージのボスキャラクタを攻略できない、(6)特定アイテムの取得ができない、(7)マップ上の障害物を越えるやり方やタイミングが分からない、(8)操作入力の技量が不足している、(9)攻略の要諦を見極められていない、なども問題点に該当する。
すなわち、「問題点」が意味するところは、ゲーム進行が滞った状態であったり、プレイ成績が伸び悩んでいる理由、ゲーム中に設定された所与の目的を達成できないこと(特には上記(1)(5)(6)など)、とある事象を実現できないこと(特には上記(3)(7)など)、である。
本実施形態では、「問題点」は、操作入力情報時系列データ632と、進行状況情報時系列データ633と、プレイ成績時系列データ635とを参照して、所定種類の分析パラメータの値(分析パラメータ値)を算出し、算出した分析パラメータ値を所定の基準と比較することで判定する。
例えば、アクションRPGであれば、過去複数回のプレイにおいて、ゲームオーバがとあるゲームステージで連続して起きている場合、当該ゲームステージがクリアできないことが問題点となる。進行状況情報時系列データ633から、当該ゲームステージのボスキャラクタのHPが「0」になる前にプレーヤキャラクタのHPが「0」になっていれば、ボスキャラクタが攻略できないことが、詳細な問題点となる。
同じようにステージクリアできない場合でも、例えば、ゲームマップのとある場所に、秘密の抜け道がある難所があるとする。操作入力情報時系列データ632や進行状況情報時系列データ633から、その難所付近でプレーヤキャラクタのHPが「0」になってゲームオーバしていて、プレーヤキャラクタの位置を追跡しても抜け道に至っていなければ、抜け道を見つけられないことが詳細な問題点となる。
また例えば、格闘ゲームであれば、操作入力情報時系列データ632から、大技の操作入力コマンドに類似した入力がいくつも見つかるが、進行状況情報時系列データ633で当該大技の発動は無く、反対に対戦相手から攻撃を受けている場合には、大技の操作入力コマンドを正しく入力できていない技量不足が詳細な問題点となる。
サーバシステム1100は、分析した問題点をプレーヤに提示し、問題点の解消を目的とする指導を受けるか否かのリクエストを受け付ける。そして、リクエストを受け付けたサーバシステム1100は、指導モードを、指導を受ける対象に選択された問題点に係るゲーム進行単位を共有プレイとして進行制御することで実現する。
もしも、問題点が、ゲームプレイ全体に及ぶ内容であれば、サーバシステム1100は、指導モードをゲームの最初から最後までの共有プレイとして実行することもできる。また、問題点が、特定のゲームステージに登場する敵NPCが攻略できない内容であれば、サーバシステム1100は、指導モードを当該特定のゲームステージのみの共有プレイとして実行することができる。勿論、特定のゲームステージを含む複数のゲームステージを共有プレイとして実行するとしてもよい。
図5は、指導モードに係る画面表示例を説明するための図である。
サーバシステム1100は、ゲーム提供サービスを開始すると、プレーヤ端末1500にてモード選択画面W4を表示させる。当該画面では、標準モード選択操作アイコン10と、指導モード選択操作アイコン12とが表示される。指導を受けたいプレーヤ(被指導プレーヤ2a)は後者のアイコンを選択操作して指導をリクエストする。指導モード選択操作アイコン12への操作入力の受け付けは、指導行為を受けるリクエストの受け付けの1つである。
そして、サーバシステム1100は、指導モード選択操作アイコン12の選択操作を受け付けると、当該プレーヤのプレイを分析し、分析結果に基づいてプレーヤ端末1500にて指導選択画面W5を表示させる。
指導選択画面W5は、分析された問題点別の問題点提示部20と、選択確定操作アイコン29と、を含む。問題点提示部20は、例えばタブ切り換え可能に表示される。一つの問題点提示部20は、分析された問題点種類表示21と、当該問題点の指導をする指導プレーヤを示す指導プレーヤ表示23と、当該問題点の指導の仕方を示す指導方法表示25と、を含む。
指導プレーヤ表示23に表示される指導プレーヤは、サーバシステム1100が、問題点種類表示21に表示されている問題点の種類に基づいて、適当と思われる指導プレーヤを自動的に選定して提示する。
サーバシステム1100は、指導プレーヤの候補を、ログイン済であるがゲームプレイしていない(標準モードや指導モードでプレイをしていない)待機状態のプレーヤの中から所与の指導プレーヤ候補選択条件に基づいて選定する。或いは、スタートプレーヤの過去の共有プレイ相手のなかから指導プレーヤ候補選択条件に基づいて選定するとしてもよい。
「指導プレーヤ候補選択条件」は、例えば「問題点種類表示21に表示されている問題点を有していないプレーヤ」「指導プレーヤの候補それぞれのプレーヤレベルが最も高いプレーヤ」「問題点種類表示21に表示されている問題点の指導経験が基準値を超えるプレーヤ」としてもよい。なお、指導経験は後述する指導行為を行った指導プレーヤに付与される指導ポイントの累積値等で表されるものとする。
もし、被指導プレーヤ2aが、指導プレーヤ表示23に表示されている指導プレーヤを不服とする場合は、指導プレーヤ候補表示操作アイコン24を操作して指導プレーヤ候補リスト30を表示させ、候補選択操作アイコン32のなかから好みの指導プレーヤを選択することで切り替えができる。
候補選択操作アイコン32には、各指導プレーヤ候補のアバターやプレーヤの顔写真などのアイコンと、プレーヤレベルと、指導経験情報(図5の例では、指導ポイントの累積値と、当該累積値に基づくランキングとの情報が該当する。この他、指導累積時間や指導回数などを含めることができる。)と、の各表示が含まれる。なお、指導プレーヤ候補リスト30には「指導を受けない(指導プレーヤが未設定)」が含まれており、被指導プレーヤ2aは、当該選択肢を選択することで、今回はこの問題点についての指導は受けないことを選択することができる。
また、指導方法表示25に表示されている指導方法の種類は、問題点種類表示21に表示されている問題点の種類に基づいて予め設定されているが、被指導プレーヤ2aが指導方法候補表示操作アイコン26を操作して指導方法候補リスト34を表示させ、候補選択操作アイコン36のなかから被指導プレーヤ2a自らが指導方法を選択することができる。
そして、選択確定操作アイコン29が操作されたならば、サーバシステム1100は、問題点提示部20それぞれの設定に従って、指導モードの制御を開始する。
図6は、格闘アクションゲームにおける指導モードでの表示例を示す図である。
この例は、プレイ履歴データ620に示される過去複数回分のプレイにおいて、被指導プレーヤ2aが操作するプレーヤキャラクタ4が、とあるゲームステージに登場する敵NPC6との対戦で勝利できていない問題点があり、「代行プレイ」の指導行為が実行されている例である。
格闘アクションゲームにおける指導モード画面W6には、指導モードであることを告げる指導モード通知50と、指導対象問題点通知52と、指導リクエスト操作アイコン54と、が表示される。
指導モードの開始当初、プレーヤキャラクタ4の操作権は被指導プレーヤ2aにある。しかし、被指導プレーヤ2aが所望するタイミングで指導リクエスト操作アイコン54を操作すると、操作権が指導プレーヤ2bに移る。指導プレーヤ2bは、敵NPC6を倒す一部始終を代行して見せることで手本を示し、被指導プレーヤ2aを指導する。格闘アクションゲームにおける問題点が「コンボを出せない」などのケースも同様である。
図7は、アクションRPGにおける指導モードでの表示例を示す図である。
この例では、プレイ履歴データ620に示される過去複数回分のプレイにおいて、被指導プレーヤ2aが操作するプレーヤキャラクタ4が、とあるゲームステージに登場する敵NPC6を攻略できていない問題点があり、「音声通話」と「表示体の追加表示」による指導行為が実行されている例である。
指導モード画面W7には、指導モード通知50と、指導対象問題点通知52と、指導リクエスト操作アイコン54と、が表示される。この例では、指導リクエスト操作アイコン54への操作入力は、最終的な指導行為を受けるリクエスト操作に相当する。なお、指導リクエスト操作アイコン54は、表示しなくてもよい。
指導行為の種類に「代行プレイ」が含まれていないので、プレーヤキャラクタ4の操作権は、指導モードの開始から最後まで被指導プレーヤ2aにある。
指導行為の種類に「音声通話」が含まれているので、サーバシステム1100は、被指導プレーヤ2aのプレーヤ端末1500aと、指導プレーヤ2bのプレーヤ端末1500bとの間での音声チャットを可能にする。
また、指導行為の種類に「表示体の追加表示」が含まれているので、指導プレーヤ2bがプレーヤ端末1500bにて指導のための表示体を表示させる表示体操作を入力すると、サーバシステム1100は、表示体操作に応じて、さまざまな表示体56をゲーム画面内に追加表示させる。
具体的には、表示体56には、複数種類(図7の例では、ゲーム画面に指で描いた時の描画線である手描き表示体56aや、指示表示体56b)が用意されており、指導プレーヤ2bは、タッチパネル1506(図2参照)へ指先やスタイラスペンで手書き操作で入力したり、アイコンの種類の選択操作と指示位置をタッチ操作して表示体を操作することで、敵NPC6の攻略のための移動線やポイントとなるゲーム空間の位置、使用するべきアイテム、使用するべきタイミング、などを表示体56で明示しながら指導できる。
こうした指導モードでの指導行為が行われると、サーバシステム1100は、被指導プレーヤ2aと指導プレーヤ2bとに紐付けられた指導履歴データ770を生成・保存する。また、サーバシステム1100は、指導後に、指導プレーヤ2bへ今回の指導行為に対する報酬としての指導ポイントを付与する。
図8は、指導履歴データ770のデータ構成例を示す図である。
指導履歴データ770は、固有の指導ID771と、指導開始から指導終了までの日時を示す指導日時772と、指導プレーヤアカウント773と、被指導プレーヤアカウント774と、指導対象問題点種類775と、指導種類776と、指導労力相当値777と、を含む。
指導労力相当値777は、例えば今回の指導モードに要した時間長を含めることができる。また、指導モード中に、指導プレーヤ2bが保有するアイテムや体力値などの消費媒体を消費する場合には、指導モードに要したアイテムのリストなどを含めることができる。
図9は、指導を受けた被指導プレーヤ2aによる指導後のゲームプレイについて説明するための図である。指導を受けた被指導プレーヤ2aは、自ら問題点を解消すべく標準モードでプレイを繰り返して練習・鍛錬する。サーバシステム1100は、指導前/指導後に係わらず、プレイ履歴データ620を生成・保存する(図3参照)。
図10は、指導を受けた被指導プレーヤ2aの上達に伴う特典付与について説明するための図である。サーバシステム1100には、指導を受けた被指導プレーヤ2aに係り、指導前のプレイ履歴データ620btと、指導履歴データ770と、指導後のプレイ履歴データ620atと、が記憶・保存されている。
サーバシステム1100は、指導前のプレイ履歴データ620btと、指導後のプレイ履歴データ620atとを比較して、被指導プレーヤ2aの上達を判定する。
具体的には、指導前のプレイ履歴データ620btと、指導後のプレイ履歴データ620atとのそれぞれについて、上達判定用パラメータ値を求めて判定する。
「上達判定用パラメータ値」は、上達判定基準に用いられるパラメータの値であって、基本的には、問題点の種類や有無を判定するために用いる分析パラメータ値を含む。また、上達判定基準に必要なパラメータの値を適宜含む。
具体的には、上達判定用パラメータ値として、例えば、ゲーム進行単位のクリア成功/クリア失敗を示すパラメータ値、ゲーム進行単位のクリアに要した所要時間長、ゲーム進行単位のクリアに要したアイテム数、プレーヤキャラクタ4が受けたダメージ数、敵NPC6に与えたダメージ数、レースのコースから外れた回数や距離、特定操作入力状況、などを用いることができる。
サーバシステム1100は、同種の上達判定用パラメータ値を、指導前のプレイ履歴データ620btと指導後のプレイ履歴データ620atとでそれぞれ求めて比較し、その差分が所定の上達判定基準を満たしていれば「上達した(肯定判定)」と判定する。
そして、上達したと肯定判定した場合、サーバシステム1100は、被指導プレーヤ2aと指導プレーヤ2bの少なくとも一方、好ましくは両方に特典を付与する。特典は、被指導プレーヤ2aにとっては上達のご褒美であり、指導プレーヤ2bにとっては上達させた報酬となり、両者それぞれに再び指導の仕組みを使ってみようと思わせる強いモチベーションをもたらす。
なお、特典の内容は、適宜設定可能である。被指導プレーヤ2a向けの特典と、指導プレーヤ2b向けの特典とで内容を同じにしても良いし違えても良い。例えば、ゲームで使用可能なアイテムの付与、新しいゲームステージの開放、アイテム等の抽選権の付与、プレーヤキャラクタ4のスキルアップ、アイテムのレベルアップや合成、ゲーム内通貨の付与、ゲームプレイの対価支払いに使用できる電子情報の付与(例えば、仮想通貨、クーポンの付与など)、とすることができる。勿論、これら以外の内容でも適宜含めることができる。
そして、サーバシステム1100は、特典の内容つまりは価値を変更・決定できる。特典の変更は、価値の高い(或いは低い)特典に切り換えることで実現しても良いし、基準となる標準特典を固定しておいて、追加する特典の質や量を変更することで実現してもよい。本実施形態では、後者の方法で実現する。
特典の変更は、複数の基準に基づいて行われる。
第1に、サーバシステム1100は、上達判定された内容(上達度合や上達した事象。以下「上達内容」という。)に応じて特典を変更・決定する。
具体的には、上達度合が高い程より価値の高い特典となるように変更する。例えば、レースゲームであれば、規定のラップタイムをクリアできていない問題点は、指導前と指導後との両方で起こり得るが、ラップタイムが短縮されていれば、短縮した時間長によって上達度合が異なり、その上達度合に応じて特典内容が変わる。
また、上達した事象については、当該事象は技量が上がることではじめて実現されるので、当該事象を実現するのに必要とされる技量が高い程価値の高い特典となるように変更する。例えば、格闘ゲームにおいて、コマンド入力の難易度が異なる複数の特殊技があった場合に、指導前に繰り出すことができた特殊技の難易度よりも、指導後に繰り出すことができるようになった特殊技の難易度のほうが高いほど、価値の高い特典とする。また、同じ特殊技の入力成功率に着目すれば、指導前よりも指導後のほうが入力成功率の上昇が大きい程、価値の高い特典とする。
第2に、サーバシステム1100は、指導前後の問題点の比較に基づいて特典を変更・決定する。指導前後のプレイそれぞれについて分析された問題点を比較し、指導前にあった問題点が指導後に無くなっている場合、当該問題点が解消された(最大上達度合)と判断できる。また、指導後に無くなった問題点は、換言すると上達した事象と見なすことができる。よって、サーバシステム1100は、指導前後で問題点の解消を判定し、問題点が解消していて、解消された数や、解消された問題点の解消難易度が高いほど、高い価値となるように特典を変更・決定する。
第3に、サーバシステム1100は、被指導プレーヤ2aのプレーヤレベルや、指導プレーヤ2bのプレーヤレベルに基づいて特典を変更・決定する。具体的には。被指導プレーヤ2aが初心者レベルであれば、上達は比較的容易であるが、上級レベルの被指導プレーヤ2aが更に上達するのは困難を伴う。よって、サーバシステム1100は、被指導プレーヤ2aのプレーヤレベルが高いほど、付与する特典をより価値の高い特典に変更する。また、指導プレーヤ2bのプレーヤレベルに着目すれば、比較的レベルの低い指導プレーヤの数は、比較的レベルの高い指導プレーヤの数より多くなる。よって、希少性の観点から比較的レベルの低い指導プレーヤの特典は、比較的レベルの高い指導プレーヤの特典より特典の価値が低くなるように変更・決定する。
なお、指導プレーヤ2bに付与される特典は、当該上達判定に係わった指導プレーヤの数に応じて分割される。例えば、各指導プレーヤ2bによる均等分割としても良いし、指導日時が現在日時に近い方から順に重点配分するとしてもよい。指導後に被指導プレーヤ2aが指導評価を申告・入力できる構成とし、指導履歴データ770に指導評価の結果を含める構成とするならば、特典付与対象の指導プレーヤの指導評価の高い方から順に重点配分するとしてもよい。
次に、こうした指導行為の制御を実現する機能構成について説明する。
図11は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。図1のキーボード1106がこれに該当する。
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
そして、サーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。具体的には、ユーザ管理部202は、(1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与、(2)ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理、(3)プレイ毎に当該プレイの内容をプレイ履歴データ620として記憶管理するプレイ履歴管理、(4)ユーザが保有するゲーム関連アイテムの管理、(5)フレンドプレーヤの登録管理、などを行う。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理機能も適宜含めることができる。
ゲーム管理部210は、共有プレイが可能なオンラインゲームを所与のゲーム進行単位で進行制御するための各種制御を実行する。具体的には、ゲーム管理部210は、プレイ履歴記憶制御部212と、分析部214と、受付部216と、進行制御部220と、上達判定部230と、指導労力相当値算出部232と、頻度判定部234と、特典付与制御部236と、ランキング管理部238と、を有する。
プレイ履歴記憶制御部212は、標準モードでプレイした各プレーヤの当該プレイの内容を記述するデータの保存管理に係る制御を行う。プレイ履歴データ620(図3参照)を生成し、サーバ記憶部500sに記憶させ保存する制御がこれに該当する。
分析部214は、被指導プレーヤの標準モードでのゲームプレイを分析する。具体的には、分析部214は、分析として、分析パラメータ値の算出と、分析パラメータ値に基づくゲームプレイ上の問題点の判定と、を行う。より具体的には、分析部214は、分析パラメータ値に、(1)特定操作入力状況(被指導プレーヤによる特定のコマンド又は特定のアクションの操作入力状況、それらの誤入力回数、など)を示す値、(2)ゲームの特定のゲーム進行単位について被指導プレーヤがクリアする迄に要した労力を表す労力相当値、を含めて算出する。そして、分析パラメータ値に基づいて、問題点を判定する。
受付部216は、被指導プレーヤの操作入力に基づいて、指導プレーヤによる指導行為を受けるリクエストを受け付ける制御を行う。
進行制御部220は、ゲームの進行制御に係る各種処理を実行する。具体的には、進行制御部220は、標準モード制御部222と、指導モード制御部224と、を有する。
指導モード制御部224は、受付部216による受け付けがなされた場合に、被指導プレーヤのゲームプレイモードを指導モードにする制御を行う。そして、指導モード制御部224は更に、指導プレーヤ選定部226と、指導種類決定部228とを有する。
指導プレーヤ選定部226は、分析部214による事前分析結果に含まれる問題点に基づいて指導プレーヤを選定する。また、指導プレーヤ選定部226は、事前分析結果に含まれる問題点が複数の場合に、被指導プレーヤの選択操作を受け付けて、被指導プレーヤの選択操作に基づき選択された問題点に基づいて、指導プレーヤを選定する。指導プレーヤ表示23(図5参照)に表示する指導プレーヤの選定がこれに該当する。
指導種類決定部228は、指導プレーヤ又は被指導プレーヤの選択操作に基づいて、指導モードにおける指導行為の種類を決定する。
上達判定部230は、指導モード制御部224による指導モードの制御がなされる前に分析部214が分析した事前分析結果と、指導モードの制御がなされた後に分析部214が分析した事後分析結果とに基づいて、被指導プレーヤのゲームプレイが上達したか否かを判定する。また、上達判定部230は、(1)事前分析結果に含まれる特定操作入力状況及び事後分析結果に含まれる特定操作入力状況、(2)事前分析結果に含まれる労力相当値及び事後分析結果に含まれる労力相当値、(3)ゲーム中に設定された所与の目的を達成したか否か、の少なくとも何れかに基づいて、上達の判定を行う。その際、上達判定部230は、分析部214が分析した問題点毎に上達の度合や上達した事象の有無、すなわち「上達内容」を判定する。
指導労力相当値算出部232は、指導モードのデータに基づいて当該指導モードにおいて指導プレーヤが要した労力を表す労力相当値を算出する。
頻度判定部234は、指導モード制御部224による指導モードの制御がなされた後の被指導プレーヤのプレイ参加状況が、指導モードの制御がなされる前のプレイ参加状況に比べて高頻度になったか否かを判定する。
特典付与制御部236は、上達判定部230の判定結果に基づいて、指導プレーヤ及び/又は被指導プレーヤに所与の特典を付与する。
具体的には、特典付与制御部236は、頻度判定部234により肯定判定された場合に、(1)指導モードにおける指導行為の種類、(2)指導モードの時間長、(3)判定された上達内容、(4)上達判定部230により判定された問題点毎の上達内容、(5)問題点に関して上達判定部230が上達と判定するまでに要した、指導モードの時間長、又は、指導モードの回数、(6)指導プレーヤと前記被指導プレーヤとの関係性、(7)指導プレーヤのプレイレベル、及び/又は、被指導プレーヤのプレイレベル、の少なくとも何れか1つに基づいて付与する特典を可変に制御する。そして、特典付与制御部236は、問題点の種類に対応する標準特典に基づいて、付与する特典を決定する。
ランキング管理部238は、被指導プレーヤの評価操作に基づいて指導プレーヤ別に付与された指導評価を統計処理して、指導プレーヤのランキングを管理する。
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や、ゲーム等に係る操作音や効果音、BGM、音声通話、などの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
音出力部390sは、音声信号を放音する。図1の例では本体装置やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
画像生成部292sは、画像の生成、画像の合成、画像表示部392sにそれらを表示させる画像信号の出力を行う。サーバシステム1100のシステム管理に関する画面やゲームに係る各種画面(又はそれらをプレーヤ端末1500で表示させるためのデータ)などを生成する機能の一部がこれに該当する。
画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。図1の例では、タッチパネル1108がこれに該当する。
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1153が該当する。
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では本体装置が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
図12は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、ゲーム初期設定データ510と、分析基準データ520と、指導プレーヤ候補選択条件データ530と、上達判定基準データ540と、特典定義データ550と、指導ポイント定義データ560と、を記憶する。
また、サーバ記憶部500sは、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、ログインユーザリスト660と、標準モード制御データ700と、指導モード制御データ740と、指導履歴データ770と、上達判定制御データ780と、特典付与制御データ782と、指導プレーヤランキングデータ790と、現在日時800と、を記憶する。サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶する。
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202、ゲーム管理部210としての機能を実現させるためのプログラムである。
配信用クライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500へ提供されるクライアントプログラムのオリジナルである。
ゲーム初期設定データ510は、ゲームの実行制御に必要な各種初期設定データを含む。
分析基準データ520は、被指導プレーヤのゲームプレイを分析して分析結果を判定するためのデータであって、分析結果すなわち問題点別に用意されている。一つの分析基準データ520は、例えば図13に示すように、判定要件521と、問題点種類523と、推奨指導種類527と、を含む。
判定要件521は、判定基準を記述する情報であって、ゲーム進行単位条件521aと、操作入力条件521bと、進行状況条件521dと、プレイ成績条件521fと、の4つの条件のデータを含む。そして、これら4つの条件のAND又はORで、当該基準データにおける判定要件521、つまり問題点種類523の示す問題点があると判定するための基準が記述され、これら4つの条件を記述するパラメータが前述の「分析パラメータ」である。なお、これら4つの条件は、それぞれ「未定」或いは「無条件」すなわち当該条件が実質的に無いこととすることもできる。
ゲーム進行単位条件521aは、プレイ履歴データ620(図3参照)の再現ゲーム進行単位識別情報631が満たすべき要件を示している。例えば、RPGであれば、分析対象プレイにおいて、初期ステージしか行けていないのか、最終ステージまで到達しているかで分析結果が異なる。
操作入力条件521bは、プレイ履歴データ620の操作入力情報時系列データ632が満たすべき要件を示している。そして、操作入力条件521bは、特定操作入力状況条件521cを含む。
例えば、格闘ゲームであれば、操作入力条件521bは、プレイ中に入力された正しいコマンドやアクション(一つ又は複数の操作入力の組合せの意)の種類、連続的に入力された正しいコマンドの組み合わせ、操作ミスと思われる正しいコマンドに類似している誤った操作入力の組合せの有無、それらの出現割合、などが特定操作入力状況条件521cの記述に用いることができる。それらを用いて記述したサブ条件を適切に組み合わせることで、分析対象のプレイをした被指導プレーヤ2aが、特定のコマンドしか使わないのか、満遍なくコマンドを使っているのか、コンボを安定的に成功させられるのか、コンボを狙っているが成功できないのか、といったことを知ることができる。つまり、操作入力条件521bは、被指導プレーヤ2aが何時どのような操作入力を行っているかについての条件を記述している。
進行状況条件521dは、プレイ履歴データ620の進行状況情報時系列データ633が満たすべき要件を示している。そして、進行状況条件521dは、労力相当値条件521eを含む。
例えば、シューティングゲームであれば、進行状況条件521dは、敵キャラクタを撃墜した回数、撃墜した時間間隔、攻撃のヒット率、アイテムの使用タイミングと敵撃破のタイミング、などを条件の記述に用いることができる。労力相当値条件521eは、ゲーム進行単位をクリア又はクリアするしないにかかわらず終了するまでの(1)所与時間、(2)消費したアイテムの種類や数量、(3)消費した耐力値・体力、(4)撃墜・死亡した味方の数、などの労力相当値についての条件を記述している。
そして、それらを用いて記述したサブ条件を適切に組み合わせることで、分析対象のプレーヤについての照準の正確さや、アイテムを上手く使えるか、どのような状況でダメージを受けるか、時間的に長くゲームをプレイできているか、ボスキャラを撃墜できているか、を知ることができる。つまり、進行状況条件521dは、分析対象のプレイにおいて、何時どのような事が起きているかについての条件を記述している。
プレイ成績条件521fは、プレイ履歴データ620のプレイ成績時系列データ635が満たすべき要件を示している。例えば、プレーヤレベル、総得点、得点獲得ペース、アイテムの取得、撃破数、ヒット率、ゲーム進行単位のクリア率、勝敗数、などを条件の記述に用いることができる。つまり、プレイ成績条件521fは、それらを用いて記述したサブ条件を適切に組み合わせることで、分析対象プレイにおけるプレイ成績についての条件を記述している。
推奨指導種類527は、問題点種類523の指導に適当とされる指導行為の種類が設定されている。推奨指導種類527は、指導選択画面W5(図5参照)の指導方法表示25でデフォルト表示される指導方法の種類を示している。
分析基準データ520の具体的な例として、例えば、格闘ゲームであれば、操作入力条件521bと進行状況条件521dとで「相手から攻撃を受けた回数に対する防御コマンドの入力の割合が所与の基準より少ない」を記述した判定要件521とし、問題点種類523を「防御不足」とする分析基準データ520を用意することができる。当該基準データは「防御行為が不慣れな被指導プレーヤのために推奨指導種類527の指導方法が必要である」と分析するためのデータということになる。
また同じく格闘ゲームであれば、操作入力条件521bと進行状況条件521dとによって「コンボのコマンドに類似した誤入力(例えば、技A→技B→技C→技Dの複数コマンドで成立するコンボの場合、技Aと技Bのコマンドは正しく入力できたが、技C又は技Dの入力を失敗している)」を記述した判定要件521とし、問題点種類523を「コンボのコマンド入力ミス」とした分析基準データ520を用意することができる。当該基準データは「コンボが出せない被指導プレーヤのために推奨指導種類527の指導方法が必要である」と分析するためのデータということになる。
また例えば、回避行動と攻撃行動とを取りながら進行するシューティングゲームであるならば、(1)ゲーム進行単位条件521aが「(可動障害物の回避が主なプレイ要素となる)所定ステージ」で、進行状況条件521dが「当該ステージでゲームオーバとなる回数が所定の基準数以上」を記述した判定要件521とし、問題点種類523は「所定ステージ:回避苦手」とした分析基準データ520を用意できる。また、ゲーム進行単位条件521aは同じであるが進行状況条件521dが「当該ステージでゲームオーバとなった場所が特定の仕掛け付近に集中」を記述した判定要件521とし、問題点種類523を「所定ステージ:特定仕掛けの回避タイミング未習得」とした分析基準データ520を用意できる。
また例えば、アクションRPGであるならば、ゲーム進行単位条件521aが「(可動障害物を、抜け道を見つけて回避することでクリアする)所定ステージ」で、進行状況条件521dが「プレーヤキャラクタが可動障害物付近でゲームオーバ」且つ「抜け道付近に移動した痕跡なし」の判定要件521で、問題点種類523を「抜け道未発見」とする分析基準データ520を用意できる。当該基準データは「所定ステージで抜け道を発見できない被指導プレーヤのために推奨指導種類527の指導方法が必要である」と分析するためのデータということになる。
また例えば、障害物を回避し、アイテムを獲得しながら進む横スクロール型アクションゲームであれば、進行状況条件521dとプレイ成績条件521fとによって「ステージ後半のアイテム集積場所でアイテムを取得できていない」内容の判定要件521とし、問題点種類523を「ステージ後半のミス」とした分析基準データ520を用意できる。当該基準データは「ステージでアイテムを十分獲得できない被指導プレーヤのために推奨指導種類527の指導方法が必要である」と分析するためのデータということになる。
図12に戻って、指導プレーヤ候補選択条件データ530は、問題点の種類別に用意されており、当該問題点の指導に適当な指導プレーヤ候補を選択するための条件についての情報を格納している。1つの指導プレーヤ候補選択条件データ530は、適用対象問題点種類と、候補選択条件と、を対応づけて格納する。指導選択画面W5(図5参照)の指導プレーヤ表示23に表示される指導プレーヤは、指導プレーヤ候補選択条件データ530を満たすプレーヤの中から選択される。
上達判定基準データ540は、指導前後での被指導プレーヤ2aの上達内容(上達度合や上達した事象の種類)別に用意され、その内容の上達があったと判定するために必要な各種情報を格納する。
1つの上達判定基準データ540は、例えば図14に示すように、上達認定ポイント541と、上達判定要件543と、上達報酬指導ポイント545と、を対応付けて格納する。
上達認定ポイント541は、当該基準データで上達したと判定された場合に付与されるポイントであって、上達に必要と推定される技量向上を数値化したものである。すなわち、上達認定ポイント541は、上達判定要件543が記述する上達度合が高いほど高い値に設定され、上達した事象を実現するのに必要と推定される技量が高いほど上達判定要件543が高い値に設定されている。
上達判定要件543は、上達度合や上達した事象を記述するための各種データを含む。具体的には、上達判定要件543は、問題点種類条件543aと、操作入力状況差分条件543bと、進行状況差分条件543cと、プレイ成績差分条件543dと、労力相当値差分条件543eと、を含み、これらのAND又はORで記述される。これらを記述するパラメータが前述の「上達判定用パラメータ」ということになる。
問題点種類条件543aは、当該規準データが適用される問題点の種類についての条件を示す。当該条件は、ある問題点が検出されたことを示すために用いられる場合に限らず、指導前後で問題点を比較した場合に、指導後に無くなった問題点を示すために用いることもできる。後者は、上達した事象を記述するのに好適である。
操作入力状況差分条件543bは、“指導前”のプレイ履歴データ620の操作入力情報時系列データ632から求められた分析パラメータ値と、“指導後”のプレイ履歴データ620の操作入力情報時系列データ632から求められた分析パラメータ値と、の差分についての条件を記述している。例えば、特定操作入力状況(具体的には、特定技の連続で構成されるコンボの入力回数、誤入力の回数、など)についての差分の閾値や範囲を定義すれば、特定操作入力について指導前より指導後は上達したと見なす条件を記述できる。
進行状況差分条件543cは、“指導前”のプレイ履歴データ620の進行状況情報時系列データ633から求められた分析パラメータ値と、“指導後”のプレイ履歴データ620の進行状況情報時系列データ633から求められた分析パラメータ値と、の差分についての条件を記述している。例えば、レースゲームであれば、コースアウトした回数、コースアウトした距離、についての差分の閾値や範囲を定義すれば、指導前後での運転が上達したと見なす条件を記述できる。
プレイ成績差分条件543dは、“指導前”のプレイ履歴データ620のプレイ成績時系列データ635から求められた分析パラメータ値と、“指導後”のプレイ履歴データ620のプレイ成績時系列データ635から求められた分析パラメータ値と、の差分についての条件を記述している。例えば、シューティングゲームであれば、ヒット率、撃墜数、被弾数、などの差分の閾値や範囲を定義すれば、指導後により高いプレイ成績を挙げられるようになった、つまり上達したと見なす条件を記述できる。
上達報酬指導ポイント545は、当該基準データの上達を達成させた報酬として、指導プレーヤ2bに付与される指導ポイントを示す。
例えば、特定のゲーム進行単位(例えば、特別な敵NPCの撃墜がクリア条件とされるゲームステージ)についての上達を判定する上達判定基準データ540では、上達判定要件543の進行状況差分条件543cが「特定ゲーム進行単位での特別な敵NPCの撃墜(クリア)を示す進行状況情報があること」が設定されている。そして、労力相当値差分条件543eで示される労力相当値の閾値や範囲が少ない上達判定要件543ほど、上達報酬指導ポイント545が高く設定されている。
図12に戻って、特典定義データ550は、特典の種類毎に用意され、当該特典の内容や特典を付与するための要件に関する各種情報を格納する。1つの特典定義データ550は、例えば図15に示すように、固有の特典ID551と、特典付与要件552と、特典付与対象設定553と、標準特典554と、追加特典555と、を含む。
特典付与要件552は、問題点種類条件552aと、指導種類条件552bと、所要時間長条件552cと、所要回数条件552dと、プレーヤ関係性条件552eと、被指導プレーヤレベル条件552fと、指導プレーヤレベル条件552gと、頻度条件552hと、上達認定ポイント条件552jと、解消条件552kと、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。そして、特典付与要件552は、問題点種類条件552a〜解消条件552kのサブ条件のAND又はORで記述される。これらのサブ条件を記述するパラメータが、前述の「付与判定用パラメータ」となる。なお、これらのサブ条件は、何れも「設定なし」とすることができる。
問題点種類条件552aは、上達判定された問題点の種類についての条件である。
指導種類条件552bは、上達判定された指導の指導行為の種類についての条件である。
所要時間長条件552cは、上達と判定されるまでに要した指導モードの時間長についての条件である。
所要回数条件552dは、上達と判定されるまでに要した指導モードの回数についての条件である。
プレーヤ関係性条件552eは、指導プレーヤと被指導プレーヤとの関係性についての条件である。
被指導プレーヤレベル条件552fは、被指導プレーヤのプレイレベルについての条件である。当該条件と特典内容の設定を適切に組み合わせて設定することで、被指導プレーヤ2aの技量に応じて上達のご褒美の価値を変えることができる。
指導プレーヤレベル条件552gは、指導プレーヤのプレイレベルについての条件である。当該条件と特典内容の設定を適切に組み合わせて設定することで、指導プレーヤ2bの技量に応じて指導の報酬を変えることができる。
頻度条件552hは、指導前後におけるプレイ参加状況の条件、ゲームプレイする頻度についての条件であって、指導後の被指導プレーヤ2aのプレイ参加状況が、指導前のプレイ参加状況に比べて高頻度になったか否かを判定する基準を示す。当該条件を適切に設定することで、指導後の被指導プレーヤ2aが指導内容を身につけるためにどれだけ頻繁にゲームプレイしたかに応じた特典(ご褒美)の設定が可能になる。
上達認定ポイント条件552jは、上達内容についての条件である。本実施形態では、必要とされる技量に着目して、上達内容(上達度合や上達した事象)を上達認定ポイント541として数値化する。よって、上達認定ポイント条件552jは、当該ポイントの閾値や範囲で記述され得る。当該条件を適切に設定することで、上達内容に応じて段階的に特典を付与することも可能になる。
解消条件552kは、問題点が解消されたと見なせるほどに上達したことを要件に含めるために設定される。当該条件が設定された特典定義データ550の特典は、問題点解消の際に付与される特別な特典となる。
標準特典554は、付与される特典の基準となる内容を定義する。
追加特典555は、標準特典に追加される特典の種類毎に用意される。一つの追加特典555は、追加特典種類と、追加数算出関数(又はテーブルデータ)と、を対応づけて格納している。追加数算出関数は、特典付与要件552の各サブ条件を記述するパラメータ値(例えば、所要時間長条件552cに関しては時間長、上達認定ポイント条件552jが示すポイント値、など)を変数とする関数であって、当該パラメータ値と正の関数を設定するか負の関数を設定するかは、標準特典の設定や、上達内容の分け方、等に応じて適宜設定可能である。
図12に戻って、指導ポイント定義データ560は、指導が実行される毎に報酬として指導プレーヤ2bに付与される付与ポイント量別に用意される。1つの指導ポイント定義データ560は、当該定義データが適用されるための適用要件を決める、問題点種類・指導種類・指導労力相当値条件(当該定義データを適用するための指導労力相当値の要件;範囲や閾値)と、付与ポイント量とを対応づけて格納している。付与ポイント量は、問題点の内容が、解消の難易度が高いほど付与量が大きくなり、また指導労力相当値が大きいほど付与量が大きくなるように設定されている。なお、指導ポイント定義データ560は、当該定義データが適用されるための適用要件を記述するパラメータ値を変数とする付与ポイント量を算出する関数やテーブルデータで実現してもよい。
図16は、ユーザ管理データ600のデータ構成例を示す図である。
ユーザ管理データ600は、所定の登録手続をしたユーザ毎に用意され、当該ユーザに係る各種データを格納する。1つのユーザ管理データ600は、例えば、固有のユーザアカウント601と、フレンド登録データ603と、プレーヤレベル605と、支払原資残高607と、プレイ履歴データ620(図3参照)と、問題点登録データ650と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
フレンド登録データ603は、友人と認めたプレーヤ間で相互に相手別に設定されるデータである。1つのフレンド登録データ603は、フレンドアカウントと、関係性の値(例えば、親密度など)とを対応づけて格納している。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
プレーヤレベル605は、当該ユーザが標準モードでゲームプレイしたプレイ成績に応じて、成績が高いほど高レベルとなるように自動的に設定される。
支払原資残高607は、ゲームプレイの対価や、ゲームに係るアイテム等の購入、などの対価支払いに用いられる原資の残高情報である。原資は、例えばポイントやアイテム、ゲーム内通貨、電子マネー、など適宜設定可能である。原資は、別途、現実通貨による購入や、イベント参加など所与の付与条件を満たすことで入手できる。
問題点登録データ650は、当該ユーザのプレイ履歴データ620を分析して判明した問題点毎に用意され、当該問題点に関する各種データを格納する。1つの問題点登録データ650は、例えば、固有の問題点ID651と、判明した日時である登録日時652と、問題点種類653と、当該問題点に係り判定された上達判定結果654と、当該問題点に係り、付与された特典を示す付与済特典IDリスト655と、当該問題点が解消したと見なされた場合に立てられる解消フラグ656と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
図12に戻って、標準モード制御データ700は、標準モードでのゲームプレイ毎に作成され、当該ゲームプレイにおける進行状況を記述する各種データを格納する。いわゆる、プレイデータである。1つの標準モード制御データ700は、例えば図17に示すように、固有のプレイID701と、プレイ開始からプレイ終了までの日時を示すプレイ日時703と、プレーヤアカウント705と、ゲーム進行単位別制御データ710と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
ゲーム進行単位別制御データ710は、ゲーム進行単位識別情報711と、操作入力情報時系列データ712と、進行状況情報時系列データ713と、NPC制御時系列データ714と、プレイ成績時系列データ715と、を含む。ゲーム進行単位別制御データ710は、プレイ履歴データ620のプレイ再現用データ630(図3参照)の元データである。
図12に戻って、指導モード制御データ740は、指導モードでのゲームプレイ毎に作成され、当該ゲームプレイにおける進行状況を記述する各種データを格納する。一つの指導モード制御データ740は、例えば図18に示すように、固有の指導ID741と、指導開始から指導終了までの日時を示す指導日時742と、被指導プレーヤアカウント743と、分析結果データ745と、指導選択設定データ750と、指導モード進行制御データ760と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
分析結果データ745は、分析パラメータ値746と、判明問題点種類リスト747と、を含む。分析パラメータ値746は、分析基準データ520(図13参照)の判定要件521を記述するパラメータ値である。分析結果データ745には、上達判定基準データ540(図14参照)の上達判定要件543を記述するパラメータ値を適宜含めても良い。
指導選択設定データ750は、分析により判明した問題点別に用意され、当該問題点について指導選択画面W5(図5参照)で選択・設定された内容を格納する。具体的には、1つの指導選択設定データ750は、問題点種類751と、担当指導プレーヤアカウント752と、適用指導種類753と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
指導モード進行制御データ760は、指導モードの進行制御に係る情報を格納する。例えば、指導モードプレーヤアカウント761と、代行プレイ用の操作権設定プレーヤアカウント762と、ゲーム進行単位別制御データ763(データ構成は、プレイ履歴データ620の同名データに同じ:図3参照)と、指導労力相当値764と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、指導種類が「表示体の追加表示」であれば、表示体の種類や表示位置など制御情報も適宜含まれることとなる。
図12に戻って、上達判定制御データ780は、上達判定を実行する際に作成され、上達判定に必要な各種データを格納する。上達判定制御データ780は、例えば、上達の判定対象とする問題点を示す対象問題点IDと、上達判定要件543(図14参照)を判定するためのパラメータ値である上達判定用パラメータ値(例えば、操作入力状況差分条件543b〜労力相当値差分条件543eのそれぞれを記述するためのパラメータの値)と、上達認定ポイントと、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。
特典付与制御データ782は、特典付与に係るステップを実行する際に作成され、特典付与の制御に係る各種データを格納する。例えば、特典付与制御データ782は、どの問題点について特典付与の制御を行うかを示す対象問題点IDと、上達判定の結果である上達認定ポイントと、特典付与要件552(図15参照)を満たしているかを判定するための付与要件判定用パラメータ値と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。なお、付与要件判定用パラメータ値は、特典付与要件552を記述するサブ条件のパラメータの値を所定順に格納する。
指導プレーヤランキングデータ790は、指導行為を行ったプレーヤ毎に作成される。1つの指導プレーヤランキングデータ790は、例えば、指導プレーヤアカウントと、総獲得指導ポイントと、ランキングの順位と、を対応付けて格納する。
図19は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
操作入力部100は、ユーザによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。図2の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506、などがこれに該当する。
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、プレーヤ端末1500の動作を制御する。図2の制御基板1550がこれに該当する。
そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を有する。
プレーヤ端末演算部260は、プレーヤ端末1500をサーバシステム1100と通信するクライアント装置としての機能を実現させる制御を行う。具体的には、プレーヤ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、画像表示制御部262と、を含む。
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へなされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。
画像表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データ等に基づいてゲーム画面や各種の操作画面等を表示するための制御を行う。
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。図2のスピーカ1510がこれに該当する。
画像生成部292は、画像表示制御部262の処理結果に基づいて、画像の生成・画像の合成、画像表示部392にそれらを表示させる画像信号の出力、などを行う。図2の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)、グラフィックコントローラがこれに該当する。
画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。図2の例では、タッチパネル1506がこれに該当する。
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図2の例では無線通信モジュール1553がこれに該当する。
なお、本実施形態では、ゲーム画面や各種の画面の画像をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、プレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、画像表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御などを行い、画像生成部292が3DCGをレンダリングし、ゲーム画面を生成するための各種制御を実行することになる。
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図2の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
具体的には、端末記憶部500は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部260として機能させるためのクライアントプログラム502と、操作入力データ690と、現在日時800と、を記録する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。
次に、ゲームシステム1000の動作について説明する。
図20は、サーバシステム1100で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、被指導プレーヤ2a及び指導プレーヤ2bとなり得るプレーヤは、ログイン状態にあるものとする。また、発明の理解を容易にするために、プレーヤがこれからゲームプレイを開始するスタートプレーヤであり、ゲームプレイを始めて行う場合を想定して説明する。
サーバシステム1100は、ゲームプレイモードのモード選択を受け付ける(ステップS12)。スタートプレーヤのプレーヤ端末1500にてモード選択画面W4(図4参照)を表示させ、選択操作入力の結果を取得するのに係る処理が、これに該当する。
モード選択の結果が、標準モードの場合(ステップS14の標準)、サーバシステム1100は、標準モードでゲーム進行制御を実行してゲームプレイを実現し(ステップS16)、ゲーム終了後にプレイ履歴データ620(図3参照)を保存する(ステップS18)。
次に、サーバシステム1100は、スタートプレーヤのユーザ管理データ600の問題点登録データ650(図16参照)を参照して、未解消の問題点があるかを判定する。そして、未解消の問題点があれば(ステップS20のYES)、サーバシステム1100は、指導済で未解消の問題点毎にループAを実行する(ステップS70〜ステップS84)。
スタートプレーヤは、今回初めてゲームプレイする想定であるので、この段階では初回のゲームプレイは終わったが指導を受けたことは無いので、ループAはスキップされる。
サーバシステム1100は、ゲーム終了処理を実行して(ステップS90)、一連の処理を終了する。
では、同じプレーヤが2回目以降のゲームプレイを行うことを想定して、更に処理の流れの説明を続ける。同じプレーヤが、2回目以降のゲームプレイを行うと、その都度、プレイ履歴データ620が保存されるが(ステップS18)、未だ指導行為を受けていないので、ループAはスキップされて処理の流れは終わる(ステップS20のNO)。
プレーヤは、何度かゲームプレイをした結果、自分が苦手とするところを認識するようになる。そして、誰かの指導を受けたいと思ったならば、モード選択において「指導モード」を選択する。そして、サーバシステム1100は、モード選択の結果が「指導モード」である場合(ステップS14の指導)、指導モード処理を実行する(ステップS30)。
図21は、指導モード処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理において、サーバシステム1100は、スタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)の過去のゲームプレイを分析する(ステップS32)。具体的には、プレイ時刻が近い方から所定数のプレイ履歴データ620を分析対象として、分析パラメータ値を求める。分析対象が複数の場合には、それぞれについて分析パラメータ値を求めてその統計値(例えば、平均値、中央値、分析パラメータ値が表す内容によっては最大値又は最小値)をもって、今回の分析パラメータ値746とする(図18参照)。そして、サーバシステム1100は、判定要件521が満たされる分析基準データ520(図13参照)を検索し、その問題点種類523を判明問題点種類リスト747(図18参照)へ設定する。
次に、サーバシステム1100は、判明問題点種類リスト747と、スタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)の問題点登録データ650とを比較して、判明問題点種類リスト74に未登録の問題点があれば、新たな問題点登録データ650を作成する(ステップS34)。
次に、サーバシステム1100は、指導選択画面W5をプレーヤ端末1500にて表示させ、スタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)へ向けて、判明した問題点を提示する(ステップS36)。
また、サーバシステム1100は、指導選択画面W5にて、提示した問題点別にデフォルトで提示する指導プレーヤ2bと指導方法とを決定する(ステップS38)。具体的には、サーバシステム1100は、提示する問題点の種類が適用対象問題点種類に適合する指導プレーヤ候補選択条件データ530(図12参照)に従って指導プレーヤ候補を選出し、1名をデフォルトとする。また、提示する問題点が問題点種類523に設定されている分析基準データ520の推奨指導種類527をデフォルトの指導方法とする(図13参照)。そして、サーバシステム1100は、問題点別の指導プレーヤ2b及び指導行為の種類(指導種類)の選択を受け付ける(ステップS40)。
すなわち、ステップS36〜ステップS40によって、スタートプレーヤのプレーヤ端末1500aでは、指導選択画面W5(図5参照)が表示される。
そして、スタートプレーヤによる同画面への操作入力に応じて、サーバシステム1100は、指導選択設定データ750(図18参照)を適宜設定・変更する。
次に、サーバシステム1100は、指導プレーヤ2bが選定されている(指導を受けることをプレーヤに拒否されなかった)問題点毎に、ループBを実行する(ステップS50〜ステップS60)。
ループBでは、サーバシステム1100は、ループBの処理対象とされている問題点の担当指導プレーヤをゲストプレーヤとする共有プレイ環境を構築し(ステップS52)、担当指導プレーヤのプレーヤ端末1500bでの操作入力に応じて、適用指導種類753の示す種類の指導行為を実現させる(ステップS54)。
例えば、適用指導種類753が「代行プレイ」の場合、サーバシステム1100は、プレーヤキャラクタ4の操作権を、スタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)から、担当の指導プレーヤ2bへ変更して代行プレイを可能にする。適用指導種類753が「表示体の追加表示」であれば、プレーヤキャラクタ4の操作権はスタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)のままに、担当の指導プレーヤ2bによる表示体の表示操作に応じて、ゲーム画面内に表示体56(図7参照)を追加表示させる。
指導モードにて実行されるゲーム進行単位は、処理対象とする問題点の内容によって決定する。例えば、横スクロール型のアクションゲームであって、問題点が「飛来障害物の回避ミス」で飛来障害物が全ゲーム進行単位で登場する場合には、ステップS54では、全ゲーム進行単位を通じて代行プレイを可能とし、指導リクエスト操作アイコン54(図6参照)の操作を検出すると代行プレイを開始するとしてもよい。或いは、最初から所定数のゲーム進行単位で指導リクエスト操作に応じて代行プレイするとしてもよい。また、問題点が「第3ステージのボスキャラクタを攻略できず」であれば、当該第3ステージからプレイを開始し、指導リクエスト操作に応じて代行プレイを実行するとしてもよい。
そして、処理対象とする問題点に応じたゲーム進行単位で指導モードを実現したならば、サーバシステム1100は、今回の指導における指導労力相当値764(図18参照)を算出し(ステップS56)、指導履歴データ770(図8参照)を保存して(ステップS58)、ループBを終了する(ステップS60)。
そして、指導がリクエストされた全ての問題点についてループBを実行したならば、サーバシステム1100は、指導プレーヤ2bに今回の指導に係る報酬として、指導ポイントを付与し(ステップS62)、指導モード処理を終了して、一連の処理を終了する。
なお、ステップS62で付与される指導ポイントは、ゲームシステム1000の運用者から付与されるが、当該ポイントを被指導プレーヤ2aが支払う構成も可能である。その場合、支払われる指導ポイント分は、被指導プレーヤ2aの支払原資残高607(図16参照)から差し引けばよい。
指導を受けた被指導プレーヤ2aは、受けた指導の内容を自身のものとするために、指導後に標準モードでゲームプレイする(図9参照)。
図20に戻って、指導後の標準モードでも、サーバシステム1100は、指導前と同様の処理を行い(ステップS12〜ステップS16)、ゲームプレイが終了すると指導後の成果が反映されたであろうゲームプレイのプレイ履歴データ620を保存する(ステップS18)。これで、スタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)に係る指導前のプレイ履歴データ620btと、指導履歴データ770と、指導後のプレイ履歴データ620atとが、サーバシステム1100に保存されたことになる(図10参照)。
指導前のプレイ履歴データ620btから判明した問題点について、指導後のゲームプレイで解消されたか否かはこの段階では不明なので、サーバシステム1100は、スタートプレーヤ(被指導プレーヤ2a)に未解消の問題ありと判定し(ステップS20のYES)、ループAを実行する(ステップS70〜ステップS84)。
ループAにおいて、サーバシステム1100は、処理対象の問題点について上達判定をするための上達判定用パラメータ値を算出する(ステップS72)。
具体的には、サーバシステム1100は、上達判定基準データ540(図14参照)のうち、上達判定要件543の問題点種類条件543aが処理対象の問題点の種類に適合する基準データを検索し、当該規準データの上達判定要件543が満たされているかを判定するため上達判定用パラメータ値(例えば、操作入力状況差分条件543b〜労力相当値差分条件543eのそれぞれを記述するためのパラメータの値)を求める。
そして、サーバシステム1100は、求めた上達判定用パラメータ値を用いて上達判定する(ステップS74)。具体的には、検索した上達判定基準データ540の上達判定要件543が満たされていなければ、上達したとは判定しない。もし、満たしていれば、検索した上達判定基準データ540の上達認定ポイント541を判定した結果、すなわち特典付与制御データ782(図12参照)に付与要件判定用パラメータ値の一つとして格納する。
また、サーバシステム1100は、上達したと判定された上達判定基準データ540の上達報酬指導ポイント545(図14参照)を、担当指導プレーヤへ付与する(ステップS76)。なお、当該ステップで付与される指導ポイントは、ゲームシステム1000の運用者から付与されるが、当該ポイントを被指導プレーヤ2aが支払う構成も可能である。その場合、支払われる指導ポイント分は、被指導プレーヤ2aの支払原資残高607(図16参照)から差し引けばよい。
上達判定された上達内容によっては、判定対象の問題点が解消されたと見なされる。その場合、サーバシステム1100は、処理対象の問題点の問題点登録データ650(図16参照)の解消フラグ656を「1」にセットしてフラグ立てをする(ステップS78)。
次に、サーバシステム1100は、特典付与要件552(図15参照)を判定するための付与要件判定用パラメータ値(所要時間長条件552c〜頻度条件552hを記述するためのパラメータの値)を算出する(ステップS80)。
そして、サーバシステム1100は、特典付与要件552が満たされた特典定義データ550であって、且つその特典ID5551が、被指導プレーヤ2aの問題点登録データ650のうち、処理対象の問題点の付与済特典IDリスト655に登録されていない該当があれば、当該定義データに従って特典を付与する(ステップS82)。すなわち、特典付与対象設定553の設定に従って被指導プレーヤ2aや指導プレーヤ2bに、標準特典554と、追加特典555とを付与する。そして、特典ID551を付与済特典IDリスト655に追加する。
サーバシステム1100は、スタートプレーヤに係り指導済で未解消の全ての問題点についてループAを実行したならば、ゲーム終了処理を実行して(ステップS90)一連の処理を終了する。
以上、本実施形態によれば、共有プレイを利用した援助・指導の仕組みに持続性をもたらす技術を提供することができる。
具体的には、ゲームシステム1000(特にはサーバシステム1100)は、ゲームに係る制御パターンとして、今まで通りのゲームプレイを楽しむための標準プレイモードと、共有プレイによる指導行為を実現する指導モードとを切り換えて制御できる。
そして、ゲームシステム1000は、被指導プレーヤ2aのプレイについて分析し、分析結果に基づく指導行為を受けるリクエストを被指導プレーヤ2aから受け付け、リクエストがあれば指導モードでの制御を実行する。そして、指導前と指導後とで分析結果を比較して、被指導プレーヤが指導前後で上達したか否かを判定し、上達していれば、被指導プレーヤ2aや、指導プレーヤ2bへ特典を付与する。
特典は、被指導プレーヤ2aにしてみれば、上達すると貰えるご褒美であり、指導プレーヤ2bにしてみれば、上達達成への成功報酬となる。よって、被指導プレーヤ2aには、指導後に自ら練習して上達するためのモチベーションを与える。その結果として上達に至れば、被指導プレーヤ2aは、別の問題点が生じれば再び指導を受けようと思うだろう。また、指導プレーヤ2bは、また指導行為をしてみようと思わせるモチベーションを得るだろう。従って、共有プレイを利用した援助・指導の仕組みに持続性をもたらすことができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態とを比較すると、第1実施形態ではゲーム管理の各機能をサーバシステム1100にて実現しているが、第2実施形態ではゲーム管理をプレーヤ端末1500にて実現している点が異なる。なお、以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
図22は、本実施形態におけるプレーヤ端末1500Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態のプレーヤ端末1500Bは、第1実施形態のプレーヤ端末演算部260に代えて、ゲーム管理部210Bと、指導プレーヤ端末制御部240と、を有する。
ゲーム管理部210Bは、第1実施形態におけるゲーム管理部210に相当し、被指導プレーヤ2aのプレーヤ端末1500aとしての機能を実現する。但し、ランキング管理部238の機能は、本実施形態でもサーバシステム1100にあるものとする。
具体的には、先ず標準モードについて、ゲーム管理部210Bは、自機でゲーム進行制御を行い、また上達判定を行う。特典の付与に関しては、ゲーム管理部210Bは、適宜必要に応じてサーバシステム1100と各種データ(例えば、特典付与要件552を判定するための付与要件判定用パラメータ値のうち指導プレーヤ2bに関するパラメータ値など)のやり取りを行い、付与する特典を決定したならば指導プレーヤ2bへの特典付与をサーバシステム1100へリクエストする。或いは、指導プレーヤ2bとのピアツーピア方式での通信接続を確立する情報をサーバシステム1100にリクエストし、ピアツーピア接続を確立したのち、指導プレーヤ2bのプレーヤ端末1500Bへ特典の付与をリクエストする。
また、指導モードついて、ゲーム管理部210Bは、共有プレイを実現するために、ゲストプレーヤ(指導プレーヤ2b)のプレーヤ端末1500Bとピアツーピア方式での通信接続を確立する。その為に、ゲーム管理部210Bは、例えば、指導プレーヤ2bのプレーヤ端末1500bとピアツーピア接続を確立するためのホストプレーヤとゲストプレーヤとのアカウントやパスの情報の交換、指導プレーヤ選定に係る情報や、などをサーバシステム1100から取得する。
指導プレーヤ端末制御部240は、ゲストプレーヤとして被指導プレーヤ2aのプレーヤ端末1500aと通信接続された場合に、当該プレーヤ端末のユーザが、指導プレーヤ2bとして指導行為をするための操作入力を受け付け、当該操作入力の情報を含む各種情報のやり取りを被指導プレーヤ2aのプレーヤ端末1500Bとの間で実現する。
また、ユーザ管理データ600のデータの参照や更新については、ゲーム管理部210Bが都度にサーバシステム1100へリクエストするものとする。
本実施形態の端末記憶部500は、図23に示すように、ゲームプログラム506と、ゲーム初期設定データ510と、分析基準データ520と、指導プレーヤ候補選択条件データ530と、上達判定基準データ540と、特典定義データ550と、標準モード制御データ700と、指導モード制御データ740と、当該プレーヤ端末を使用するプレーヤを被指導プレーヤ2aとする指導履歴データ770と、上達判定制御データ780と、特典付与制御データ782と、現在日時800と、を記憶する。
ゲームプログラム506は、クライアントプログラム502に代えて記憶される。当該プログラムを実行することで、端末処理部200は、ゲーム管理部210Bと、指導プレーヤ端末制御部240と、を実装できる。
ゲーム初期設定データ510〜特典定義データ550は、予めサーバシステム1100からダウンロードして記憶されるとしても良いし、参照が必要になる都度に、サーバシステム1100に適宜参照リクエストして必要なデータを取得するとしてもよい。
本実施形態のプレーヤ端末1500Bにおける処理の流れは、第1実施形態におけるサーバシステム1100における処理の流れ(図20、図21参照)と同様である。すなわち、第1実施形態におけるサーバシステム1100における処理の流れにおける処理実行主体を、プレーヤ端末1500Bに読み代えればよい。
そして、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
(変形例その1)
例えば、第1実施形態ではサーバシステム1100がゲーム管理部210の機能を有する例を示し、第2実施形態では被指導プレーヤ2aのプレーヤ端末1500aがゲーム管理部210の機能を有する例を示したが、その中間的構成も可能である。すなわち、第1実施形態をベースとして、ゲーム管理部210の一部の機能を被指導プレーヤ2aのプレーヤ端末1500aで実行する構成とすることができる。逆に、第2実施形態をベースとするならば、ゲーム管理部210Bの一部の機能をサーバシステム1100で実行する構成とすることもできる。或いは、指導プレーヤ2bのプレーヤ端末1500bにてゲーム管理部210Bの一部の機能をサーバシステム1100で実行する構成とすることもできる。
(変形例その2)
また、上記実施形態では、問題点別の指導方法は、デフォルトは自動的に決定されるが、被指導プレーヤ2aがデフォルトの選択を変更可能としているが、これに限らない。同様にデフォルトは自動的に決定されるが、指導プレーヤ2bが選択を変更可能な構成としてもよい。その場合、例えば、ループBの処理を開始早々に、処理対象問題点の担当である指導プレーヤ2bのプレーヤ端末1500bにて、指導方法の選択肢を提示し、当該指導プレーヤによる選択を受け付けるステップを設ければよい。
(変形例その3)
また、上記実施形態では、標準モードは共有プレイ環境を使用せず、指導モードにて共有プレイ環境を使用するように説明したが、標準モードでも共通プレイ可能な構成も可能である。
(変形例その4)
また、上記実施形態では、被指導プレーヤ2aが指導プレーヤ2bを選択する構成としたが、指導プレーヤ2bが、自身が指導する相手すなわち被指導プレーヤ2aを選択する構成としてもよい。
具体的には、第1実施形態をベースとするならば、サーバシステム1100(指導プレーヤ選定部226)は、指導をしたいプレーヤの登録を受け付けて登録情報を管理し、登録されたプレーヤ(指導プレーヤの候補)と指導モードを選択した被指導プレーヤ2aの問題点それぞれとをマッチングすることで、その問題点を担当する指導プレーヤを決定する。更に、サーバシステム1100(指導プレーヤ選定部226)は、マッチングの際、登録されたプレーヤ(指導プレーヤの候補)のプレーヤ端末1500bにて、マッチング候補の問題点に関する情報(例えば、問題点種類、上達時に付与が予想される特典のリスト、など)や、被指導プレーヤ2aに関する情報(例えば、プレーヤレベル、過去に同じ問題点で指導を受けた回数、など)をリスト化して提示する。そして、当該リストから登録されたプレーヤ(指導プレーヤの候補)による指導引き受けする問題点の選択を受け付けてマッチングさせるとしてもよい。
(変形例その5)
また、本発明は、ゲームプレイの契約や購入形態に係わらず適用できる。例えば、ゲーム提供サービスに係る契約に、試供用の仮契約と、本契約との2形態がある場合でも適用できる。本契約は、ゲームソフトウェアのダウンロード購入(恒久的なプレイ権の一括購入や分割購入)、ゲームソフトウェアを記録した情報記憶媒体のパッケージ購入、サブスクリプション契約、を含む意味である。
より具体的には、仮契約中に指導を受けたユーザが本契約で契約更新した場合に、当該ユーザに指導した指導プレーヤ2bに対して報酬を付与する構成を追加することができる。
また、第1実施形態を元にした場合、ユーザ管理データ500に、契約形態の履歴を示す情報を含めておく。そして、サーバシステム1100が、ステップS12の前に、スタートプレーヤの契約形態の履歴を確認して、仮契約から本契約へ契約形態を変更した後の最初のプレイであることを検出する第1の追加ステップと、当該ステップで検出された場合に、スタートプレーヤに指導した指導プレーヤへ所与の報酬を付与する第2の追加ステップと、を実行する構成とする。
すなわち、ゲームプレイに係る契約形態が所与の形態変更条件(仮契約から本契約に変更された)を満たす被指導プレーヤを検出し、当該被指導プレーヤに指導した指導プレーヤに所与の報酬を付与する、構成を実現することができる。