JP2021133337A - 液体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水柱分離の発生を抑制することの可能な液体処理装置を提供する。【解決手段】本発明によれば、ポンプ3の駆動により液体を流通させ、下流側に配置される浄化手段11,12により液体を処理する液体処理装置10であって、ポンプ3と浄化手段11,12の間に配置される上流側弁V6と、制御手段15とを備え、制御手段15は、装置停止信号取得部16と、弁制御部17とを備え、装置停止信号取得部16は、液体処理装置10の停止を指令する停止信号を取得し、弁制御部17は、装置停止情報取得手段16が停止信号を取得したことに応じて上流側弁V6を閉じる制御を行う液体処理装置10が提供される。【選択図】図2
Description
本発明は、ポンプの駆動により流通する液体を処理する液体処理装置に関する。
タンカー等の船舶は、積み荷の原油等を降ろした後、再度目的地に向けて航行する際、航行中の船舶のバランスを取るため、バラスト水と呼ばれる水をバラストタンク内に貯留する。バラスト水をバラストタンクに貯留するため、船舶には、バラストポンプを備えたバラスト装置が設置される。そして、このようなバラスト装置には、バラスト水の注排水による生態系の破壊を防ぐため、浄化手段によりバラスト水を浄化処理するバラスト水処理装置(液体処理装置)が設置される。
例えば、特許文献1には、浄化手段として濾過装置と紫外線照射装置とをともに備えたバラスト水処理装置が開示されている。
ところで、特許文献1に開示されるような液体処理装置は、バラストポンプの下流側に設置される。バラストポンプにより汲み上げられた液体は、バラストポンプを流通した後、液体処理装置の浄化手段により浄化処理されて、例えばバラストタンクに貯留される。しかしながら、液体処理装置の装置停止の際、浄化手段の上流側に設けられる弁と下流側に設けられる弁とを同時に閉じる場合や、浄化手段の前後の弁を閉じない状態でバラストポンプを停止させる場合に、水柱分離による水撃が発生し、浄化手段に不具合を生じさせるおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、水柱分離の発生を抑制することの可能な液体処理装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、ポンプの駆動により液体を流通させ、下流側に配置される浄化手段により液体を処理する液体処理装置であって、前記ポンプと前記浄化手段の間に配置される上流側弁と、制御手段とを備え、前記制御手段は、装置停止信号取得部と、弁制御部とを備え、前記装置停止信号取得部は、前記液体処理装置の停止を指令する停止信号を取得し、前記弁制御部は、前記装置停止情報取得手段が前記停止信号を取得したことに応じて前記上流側弁を閉じる制御を行う液体処理装置が提供される。
このような構成によれば、弁制御部が、流通停止情報取得手段が流通停止信号を取得したことに応じて、浄化手段よりも上流側の上流側弁が優先的に閉じられるため、上流側弁の下流に位置する浄化手段における水柱分離の発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、第1入力手段を備え、前記第1入力手段は、入力を受け付けると、前記停止信号として第1停止信号を生成するよう構成され、前記弁制御部は、前記装置停止信号取得部が前記第1停止信号を取得すると、まず前記上流側弁を閉じる制御を行い、その後、前記浄化手段の下流側に配置される弁を閉じる制御を行う。
好ましくは、紫外線リアクタと、第2入力手段を備え、前記第2入力手段は、入力を受け付けると、前記停止信号として第2停止信号を生成するよう構成され、当該第2停止信号は、前記紫外線リアクタを停止させるための信号であり、前記弁制御部は、前記装置停止信号取得部が前記第2停止信号を取得すると、前記紫外線リアクタが冷却した後に、前記上流側弁を閉じる制御を行い、その後、前記浄化手段の下流側に配置される弁を閉じる制御を行う。
好ましくは、前記浄化手段は、フィルタにより前記液体を濾過処理する濾過装置を備える。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
1.バラスト装置1の構成
図1は、本発明の実施形態に係る液体処理装置としてのバラスト水処理装置10と、これを船舶のバラスト装置1に導入した様子を示す概略図である。本願のバラスト装置1は、バラストタンク2及びポンプとしてのバラストポンプ3を備え、バラストポンプ3によりバラストタンク2に対してバラスト水の注排水を行うものである。なお、海水等の船外の水をシーチェストSC1から船内に取り込んで複数のバラストタンク2に注水を行う動作をバラスト動作、バラストタンク2に貯留されたバラスト水を船外排出口SC2から排水する動作をデバラスト動作と呼ぶ。また、本明細書における「バラスト水」について、バラストタンク2に導入(流入)される前又はバラストタンク2から排出(流出)された後に拘わらず、船内に取り込まれた水を全て「バラスト水」と表現する。また、船内に取り込むバラスト水には、海水、淡水、汽水等が含まれるものとする。
図1は、本発明の実施形態に係る液体処理装置としてのバラスト水処理装置10と、これを船舶のバラスト装置1に導入した様子を示す概略図である。本願のバラスト装置1は、バラストタンク2及びポンプとしてのバラストポンプ3を備え、バラストポンプ3によりバラストタンク2に対してバラスト水の注排水を行うものである。なお、海水等の船外の水をシーチェストSC1から船内に取り込んで複数のバラストタンク2に注水を行う動作をバラスト動作、バラストタンク2に貯留されたバラスト水を船外排出口SC2から排水する動作をデバラスト動作と呼ぶ。また、本明細書における「バラスト水」について、バラストタンク2に導入(流入)される前又はバラストタンク2から排出(流出)された後に拘わらず、船内に取り込まれた水を全て「バラスト水」と表現する。また、船内に取り込むバラスト水には、海水、淡水、汽水等が含まれるものとする。
図1に示すように、バラスト装置1は、各構成要素を接続してバラスト水を流通させる第1ラインL1〜第5ラインL5と、これらのライン上に設けられる開閉弁V1〜開閉弁V5とを備える。ここで、「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
各ラインの接続関係を具体的に説明すると、第1ラインL1は、シーチェストSC1とバラストポンプ3を接続するラインであり、開閉弁V1を有する。第2ラインL2及び第3ラインL3は、バラストポンプ3と各バラストタンク2を接続するラインである。バラスト水処理装置10がバラストポンプ3とバラストタンク2の間に配置されるため、バラスト水処理装置10よりも上流側を第2ラインL2、バラスト水処理装置10よりも下流側を第3ラインL3としている。第3ラインL3は、開閉弁V2及び開閉弁V3を有する。第1ラインL1〜第3ラインL3を合わせて、バラストラインとも称する。
第4ラインL4は、一端が開閉弁V1とバラストポンプ3の間の位置において第1ラインL1と接続され、他端が開閉弁V2と開閉弁V3の間の位置において第3ラインL3と接続される。第4ラインL4には、開閉弁V4が設置される。第4ラインL4は、後述するデバラスト動作時に使用されるラインであり、デバラストラインとも称する。第5ラインL5は、一端がバラスト水処理装置10と開閉弁V2の間の位置において第3ラインL3と接続され、他端は船外排出口SC2と接続される。第5ラインL5には、開閉弁V5が設置される。
なお、上述したバラスト装置1の構成は、本発明に係るバラスト水処理装置10を導入する対象であるバラスト装置の一例を示したに過ぎず、以下に説明するバラスト水処理装置10は、任意の構成のバラスト装置に適用することが可能である。
2.バラスト水処理装置10の構成
次に、バラスト水処理装置10の構成を説明する。バラスト水処理装置10は、バラストポンプ3の駆動により船内を流通するバラスト水、具体的には船内に取り込まれるバラスト水及び船内から排出するバラスト水を処理してバラスト水中に含まれる微生物・異物の含有量を低減するために導入される。本実施形態のバラスト水処理装置10は、図1に示すように、バラストポンプ3とバラストタンク2(あるいは船外排出口SC2)との間に設けられる。ここで、バラスト水処理装置10の流路について、第2ラインL2と接続されるバラストポンプ3側の接続部を上流側接続部P1、第3ラインL3と接続されるバラストタンク2側の接続部を下流側接続部P2とする。
次に、バラスト水処理装置10の構成を説明する。バラスト水処理装置10は、バラストポンプ3の駆動により船内を流通するバラスト水、具体的には船内に取り込まれるバラスト水及び船内から排出するバラスト水を処理してバラスト水中に含まれる微生物・異物の含有量を低減するために導入される。本実施形態のバラスト水処理装置10は、図1に示すように、バラストポンプ3とバラストタンク2(あるいは船外排出口SC2)との間に設けられる。ここで、バラスト水処理装置10の流路について、第2ラインL2と接続されるバラストポンプ3側の接続部を上流側接続部P1、第3ラインL3と接続されるバラストタンク2側の接続部を下流側接続部P2とする。
本実施形態のバラスト水処理装置10は、浄化手段として、フィルタによりバラスト水を濾過処理する濾過装置11と、バラスト水に紫外線を照射して微生物を殺菌処理する紫外線リアクタ12とを備える。また、バラスト水処理装置10は、第1入力手段としての緊急停止ボタン13と、第2入力手段としての装置停止ボタン14と、装置内を流通するバラスト水の流通を制御する制御手段15とを備える。なお、濾過装置11及び紫外線リアクタ12は既知の任意の構成を適用することができる。
加えて、バラスト水処理装置10は、各構成要素を接続してバラスト水を流通させる第6ラインL6〜第10ラインL10と、これらに設置される上流側弁V6、開閉弁V7、開閉弁V8、開度調整弁V9、及び開閉弁V10〜開閉弁V12を備える。
第6ラインL6は、上流側接続部P1と濾過装置11を接続するラインであり、上流側弁V6及び開閉弁V7が設置される。上流側弁V6は、後述するように、制御手段15により開閉制御可能とするため、流量調整弁(例えば、バタフライバルブ)とするのが好ましいが、電磁弁としてもよい。第7ラインL7は、濾過装置11と紫外線リアクタ12を接続するラインであり、開閉弁V8が設置される。第8ラインL8は、紫外線リアクタ12と下流側接続部P2を接続するラインである。なお、第8ラインL8には、開度調整の可能な開度調整弁V9及び流量計(図示せず)が設置される。これにより、バラスト水処理装置10を流通するバラスト水の流量を調整することが可能となる。第9ラインL9は、一端が上流側接続部P1と開閉弁V7の間の位置において第6ラインL6と接続され、他端が開閉弁V8と紫外線リアクタ12の間の位置において第7ラインL7と接続される。第9ラインL9は濾過装置11をバイパスするラインであるためバイパスラインとも称する。第9ラインL9には、開閉弁V10と開閉弁V11が設置される。第10ラインL10は、一端が開閉弁V10と開閉弁V11の間の位置において第9ラインL9と接続され、他端が開度調整弁V9と下流側接続部P2の間の位置において第8ラインL8と接続される。第10ラインL10には、開閉弁V12が設置される。
緊急停止ボタン13は、バラスト水処理装置10に異常が発生した場合等に装置を停止させるボタンである。緊急停止ボタン13が押下されると、停止信号としての第1停止信号S1が生成され、後述する制御手段15の装置停止信号取得部16に伝達される。一方、装置停止ボタン14は、バラスト水の浄化処理が終了した後に押下することで、バラスト水処理装置10を停止させるボタンである。装置停止ボタン14が押下されると、停止信号としての第2停止信号S2が生成され、装置停止信号取得部16に伝達される。
緊急停止ボタン13及び装置停止ボタン14は、バラスト水処理装置10あるいは遠隔制御盤に設置される。緊急停止ボタン13及び装置停止ボタン14は、例えば、バラスト装置の動作を制御するバラストコントローラに設置されることが好適である。また、緊急停止ボタン13及び装置停止ボタン14は、それぞれ物理的なボタンであっても、バラストコントローラに設けられたモニターに表示される画面上のボタンであっても良い。さらに、ボタンに代えて、音声入力装置等の他の手段を用いることも可能である。
制御手段15は、図2に示すように、装置停止信号取得部16と、弁制御部17とを備える。装置停止信号取得部16は、緊急停止ボタン13から第1停止信号S1を取得し、装置停止ボタン14から第2停止信号S2を取得する。また、弁制御部17は、上述した上流側弁V6、開閉弁V7、開閉弁V8、開度調整弁V9、及び開閉弁V10〜開閉弁V12の開閉を制御することにより、バラスト水処理装置10内を流通するバラスト水の流通を制御する。特に、本実施形態の弁制御部17は、装置停止信号取得部16が停止信号としての第1停止信号S1又は第2停止信号S2を取得したことに応じて、上流側弁V6を閉じる制御を行う。制御手段15による各弁の具体的な開閉制御については、後述する。
3.バラスト装置1及びバラスト水処理装置10の動作
次に、バラスト装置1の動作及びバラスト装置1の動作中のバラスト水処理装置10の動作について説明する。バラスト装置1は、ユーザである船員の操作によりバラストポンプ3を駆動させるとともに、各開閉弁の開閉状態を切り替えることで、以下のバラスト動作及びデバラスト動作を行う。また、バラスト装置1の動作中のバラスト水処理装置10の動作は、制御手段15により制御される。ただし、バラスト水処理装置10の一部又は全部の動作を、船員により手動に行うことも可能である。
次に、バラスト装置1の動作及びバラスト装置1の動作中のバラスト水処理装置10の動作について説明する。バラスト装置1は、ユーザである船員の操作によりバラストポンプ3を駆動させるとともに、各開閉弁の開閉状態を切り替えることで、以下のバラスト動作及びデバラスト動作を行う。また、バラスト装置1の動作中のバラスト水処理装置10の動作は、制御手段15により制御される。ただし、バラスト水処理装置10の一部又は全部の動作を、船員により手動に行うことも可能である。
図3は、バラスト装置1によるバラスト動作時のバラスト水の流路を示す図である。太線で示されるラインがバラスト動作時にバラスト水の流れる流路である。バラスト装置1においては、第1ラインL1〜第3ラインL3がバラスト水の流れる流路であり、この動作時は、制御手段15の弁制御部17によりバラスト装置1の開閉弁V1〜V3が開かれ、その他の開閉弁V4,V5が閉じられる。バラスト水処理装置10においては、制御手段15の弁制御部17が、上流側弁V6、開閉弁V7,V8及び開度調整弁V9を開くとともに、開閉弁V10〜開閉弁V12を閉じる制御を行うことで、バラスト水が濾過装置11及び紫外線リアクタ12を流通するようにする。この際、制御手段15は、これら濾過装置11及び紫外線リアクタ12の起動命令も出力する。これにより、バラスト水は、濾過装置11及び紫外線リアクタ12を流通することで浄化され、バラストタンク2に貯留される。
一方、図4は、バラスト装置1によるデバラスト動作時のバラスト水の流路を示す図である。太線で示されるラインがデバラスト動作時にバラスト水の流れる流路である。バラスト装置1においては、第1ラインL1の一部、第2ラインL2、第3ラインL3の一部、第4ラインL4、第5ラインL5がバラスト水の流れる流路であり、この動作時には、開閉弁V3〜V5が開かれ、その他の開閉弁V1,V2が閉じられる。このとき、バラスト水処理装置10においては、制御手段15の弁制御部17が、上流側弁V6、開度調整弁V9及び開閉弁V10,V11開くとともに、開閉弁V7,V8,V12を閉じる制御を行うことで、バラスト水が濾過装置11をバイパスし、紫外線リアクタ12のみを流通するようにする。また、制御手段15は、紫外線リアクタ12の起動命令も出力する。バラストタンク2に貯留されていたバラスト水が紫外線リアクタ12を流通することにより、貯留中に繁殖した微生物・異物が浄化される。船外へ排出するバラスト水には濾過装置11による濾過処理を行わないのは、バラストタンク2内のバラスト水は、バラスト動作時に一度濾過処理を行っているためである。
以上のように、バラスト動作時においてもデバラスト動作時においても、バラスト水処理装置10は、バラスト水の流路におけるバラストポンプ3の下流側に位置することになる。
ところで、上述したバラスト動作時又はデバラスト動作時において緊急停止ボタン13が押下されると、上述したように第1停止信号S1が生成され、これにより濾過装置11及び紫外線リアクタ12の電源が停止される。また、第1停止信号S1は制御手段15の装置停止信号取得部16に伝達され、弁制御部17は、装置停止信号取得部16が第1停止信号S1を取得したことに応じて、上流側弁V6、開閉弁V7、開閉弁V8、開度調整弁V9、及び開閉弁V10〜開閉弁V12を閉じる。ここで、本実施形態に係る弁制御部17は、上述した各弁のうち、上流側弁V6を優先的に閉じるよう構成される。ここで、「優先的に」とは、該当する弁を他の弁よりも例えば数秒早く閉じることを言う。すなわち、装置停止信号取得部16が第1停止信号S1を取得すると、弁制御部17はまず上流側弁V6を閉じる制御を行い、その後、濾過装置11の下流側に配置される開閉弁V8と紫外線リアクタ12の下流側に配置される開度調整弁V9とを含む、開閉弁V7、開閉弁V8、開度調整弁V9、及び開閉弁V10〜開閉弁V12を閉じる制御を行う。
このように、本実施形態の制御手段15は、緊急停止ボタン13が押下された際に上流側弁V6を優先的に閉じるよう構成されていることから、装置の緊急停止時に、上流側弁V6よりも下流側において水柱分離が発生することを抑制することが可能となっている。したがって、比較的強度の高くない濾過装置11のフィルタ(図示せず)や紫外線リアクタ12の紫外線ランプを保護する保護管(図示せず)の近傍で水柱分離による水撃が発生することを抑制でき、装置の緊急停止時に濾過装置11及び紫外線リアクタ12に不具合が起こることを防止することが可能となっている。なお、上流側弁V6が閉じる動作は、バラストポンプ3の停止動作と比較して緩やかに(例えば、5秒以上かけて)行われる。動作が緩やかであるとは、具体的には、上流側弁V6が全開状態から全閉状態となるまでの上流側弁V6を流れるバラスト水の流量の変化量が、バラストポンプ3が停止する際のバラストポンプ3の吐出量の変化量と比較して小さいということである。したがって、上流側弁V6が閉じる動作によって、水柱分離が発生することはない。
一方、上述したバラスト動作時又はデバラスト動作時において、装置停止ボタン14が押下されると、第2停止信号S2が生成され、バラスト水処理装置10は、まず紫外線リアクタ12の紫外線ランプ(図示せず)を消灯し、その後、紫外線リアクタ12にバラスト水を循環させることで紫外線ランプを冷却する。つまり、第2停止信号S2は、紫外線リアクタ12を停止させるための信号であるとも言える。そして、装置停止ボタン14が押下されてから紫外線リアクタ12の冷却が完了した後に、バラスト水処理装置10は、紫外線リアクタ12の冷却が完了した旨を報知する。ここで、紫外線リアクタ12の冷却の完了は、紫外線リアクタ12に設置した温度センサーが所定温度を検知したことで完了とみなすことができる。また、これに代えて装置停止ボタン14が押下されてから、紫外線ランプを冷却するのに必要な時間である所定時間の経過後に、紫外線リアクタ12の冷却が完了したとみなしてもよい。報知の手段としては、バラスト水処理装置10に設けられたモニターに表示させる方式や、音声にて報知する方式等、任意の手段を用いることができる。船員は、当該報知によりUVランプの冷却が完了したことを認識でき、バラストポンプ3を停止するタイミングを知ることができる。当該報知を受けた後に、船員がバラストポンプ3を停止することによって、バラスト動作又はデバラスト動作が終了する。
加えて、装置停止ボタン14が押下され、第2停止信号S2が生成されると、第2停止信号S2は制御手段15の装置停止信号取得部16に伝達される。弁制御部17は、装置停止信号取得部16が第2停止信号S2を取得すると、紫外線リアクタ12が冷却した後に、上流側弁V6を閉じる制御を行う。なお、装置停止ボタン14が押下された後の動作において、冷却が完了した旨の報知のタイミングと上流側弁V6が閉じるタイミングは同時でなくても良く、報知より前に上流側弁V6を閉じても良い。ただし、報知より後に上流側弁V6を閉じる場合には、上流側弁V6が閉じる前にバラストポンプ3が停止しないよう、報知後早急に上流側弁V6を閉じる必要がある。
このように、本実施形態の制御手段15は、装置停止ボタン14が押下されてから紫外線リアクタ12の冷却が完了した後であってバラストポンプ3が停止するよりも前に、上流側弁V6を閉じるよう構成されている。一般に、バラスト水処理装置10を停止させる際、船員の操作により又は自動でバラストポンプ3を停止させると、バラストポンプ3の下流側において水柱分離が発生する可能性がある。そして、水柱分離が発生すると、バラストポンプ3の下流側に配置されるバラスト水処理装置10が、水柱分離による水撃を受けるおそれがある。しかしながら、本実施形態に係るバラスト水処理装置10は、バラストポンプ3が停止するよりも前に上流側弁V6を閉じるよう構成されていることから、上流側弁V6よりも下流側において水柱分離が発生することを防止することが可能となっている。その結果、濾過装置11のフィルタ(図示せず)や紫外線リアクタ12の紫外線ランプを保護する保護管(図示せず)の近傍で水柱分離による水撃が発生することを防止でき、濾過装置11及び紫外線リアクタ12に不具合が起こることを防止することが可能となっている。
4.変形例
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態では、制御手段15の装置停止信号取得部16が、バラスト水処理装置10の停止を指令する停止信号として、緊急停止ボタン13による第1停止信号S1及び/又は装置停止ボタン14による第2停止信号S2を取得し、これに応じて上流側弁V6を閉じる構成であった。しかしながら、バラスト水処理装置10の停止を指令する停止信号として、緊急停止ボタン13及び装置停止ボタン14以外に別途設けたボタンからの信号を取得するよう構成することも可能である。例えば、バラスト水処理装置10を設置する船舶の操舵室等に別途入力ボタン(図示せず)を設置し、装置停止の際に、船員に当該入力ボタンを押下してもらう構成とすることができる。
・上記実施形態では、V6を上流側弁としたが、V6が備わっていない場合はポンプと浄化手段の間に配置される開閉弁V7を上流側弁として優先的に閉じるよう構成してもよい。
・上流側弁を電磁弁でなく流量調整弁とする場合、第1停止信号S1及び又は第2停止信号S2を取得した後、上流側弁の開度を完全に閉じるのではなく、わずかに開く程度(例えば、開度5%)に閉じてもよい。
・上記実施形態では、上流側弁V6は制御手段15の弁制御部17により開閉が制御されていたが、上流側弁V6を手動で開閉することでも水柱分離の発生を抑制することが可能である。すなわち、バラスト水処理装置10の浄化手段(濾過装置11及び紫外線リアクタ12)の保護方法として、装置を緊急停止する際には、船員はまず上流側弁V6を閉じてから、その他の弁を閉じる操作を行えば良い。また、バラスト水処理装置10の浄化手段(濾過装置11及び紫外線リアクタ12)の保護方法として、船員は、バラストポンプ3を停止する場合には、その前に上流側弁V6を閉じれば良い。
・上流側弁V6の種類としては、バタフライ弁の他、仕切弁や玉型弁とすることも可能である。
・上記実施形態では、バラストポンプ3と濾過装置11の間に配置される上流側弁V6を優先的に閉じる上流側弁としていたが、紫外線リアクタ12よりも上流側にある弁、例えば開閉弁V10,V11(デバラスト動作時にバラスト水が流通する弁)を優先的に閉じる上流側弁とすることも可能である。これにより、デバラスト動作時において、紫外線リアクタ12を保護することが可能となる。
・上記実施形態では、バラスト水処理装置10が浄化手段として濾過装置11及び紫外線リアクタ12を備える構成であった。しかしながら、濾過装置11と紫外線リアクタ12の何れか一方を省略することや、バラスト水を浄化処理する他の装置を用いることも可能である。
・上記実施形態では、液体処理装置としてバラスト水処理装置10をバラスト装置1に適用した例を示したが、本発明の液体処理装置は、バラスト水を処理するもの以外にも、河川、湖沼、池、工業水等の様々な水を処理する液体処理装置として用いることができる。
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態では、制御手段15の装置停止信号取得部16が、バラスト水処理装置10の停止を指令する停止信号として、緊急停止ボタン13による第1停止信号S1及び/又は装置停止ボタン14による第2停止信号S2を取得し、これに応じて上流側弁V6を閉じる構成であった。しかしながら、バラスト水処理装置10の停止を指令する停止信号として、緊急停止ボタン13及び装置停止ボタン14以外に別途設けたボタンからの信号を取得するよう構成することも可能である。例えば、バラスト水処理装置10を設置する船舶の操舵室等に別途入力ボタン(図示せず)を設置し、装置停止の際に、船員に当該入力ボタンを押下してもらう構成とすることができる。
・上記実施形態では、V6を上流側弁としたが、V6が備わっていない場合はポンプと浄化手段の間に配置される開閉弁V7を上流側弁として優先的に閉じるよう構成してもよい。
・上流側弁を電磁弁でなく流量調整弁とする場合、第1停止信号S1及び又は第2停止信号S2を取得した後、上流側弁の開度を完全に閉じるのではなく、わずかに開く程度(例えば、開度5%)に閉じてもよい。
・上記実施形態では、上流側弁V6は制御手段15の弁制御部17により開閉が制御されていたが、上流側弁V6を手動で開閉することでも水柱分離の発生を抑制することが可能である。すなわち、バラスト水処理装置10の浄化手段(濾過装置11及び紫外線リアクタ12)の保護方法として、装置を緊急停止する際には、船員はまず上流側弁V6を閉じてから、その他の弁を閉じる操作を行えば良い。また、バラスト水処理装置10の浄化手段(濾過装置11及び紫外線リアクタ12)の保護方法として、船員は、バラストポンプ3を停止する場合には、その前に上流側弁V6を閉じれば良い。
・上流側弁V6の種類としては、バタフライ弁の他、仕切弁や玉型弁とすることも可能である。
・上記実施形態では、バラストポンプ3と濾過装置11の間に配置される上流側弁V6を優先的に閉じる上流側弁としていたが、紫外線リアクタ12よりも上流側にある弁、例えば開閉弁V10,V11(デバラスト動作時にバラスト水が流通する弁)を優先的に閉じる上流側弁とすることも可能である。これにより、デバラスト動作時において、紫外線リアクタ12を保護することが可能となる。
・上記実施形態では、バラスト水処理装置10が浄化手段として濾過装置11及び紫外線リアクタ12を備える構成であった。しかしながら、濾過装置11と紫外線リアクタ12の何れか一方を省略することや、バラスト水を浄化処理する他の装置を用いることも可能である。
・上記実施形態では、液体処理装置としてバラスト水処理装置10をバラスト装置1に適用した例を示したが、本発明の液体処理装置は、バラスト水を処理するもの以外にも、河川、湖沼、池、工業水等の様々な水を処理する液体処理装置として用いることができる。
1 :バラスト装置
2 :バラストタンク
3 :バラストポンプ(ポンプ)
10 :バラスト水処理装置(液体処理装置)
11 :濾過装置(浄化手段)
12 :紫外線リアクタ(浄化手段)
13 :緊急停止ボタン(第1入力手段)
14 :装置停止ボタン(第2入力手段)
15 :制御手段
16 :装置停止信号取得部
17 :弁制御部
L1〜L9 :ライン
P1 :上流側接続部
P2 :下流側接続部
S1 :第1停止信号(停止信号)
S2 :第2停止信号(停止信号)
SC1 :シーチェスト
SC2 :船外排出口
V1〜V5 :開閉弁
V6 :上流側弁
V7,V8,V10〜V12 :開閉弁
V9 :開度調整弁
2 :バラストタンク
3 :バラストポンプ(ポンプ)
10 :バラスト水処理装置(液体処理装置)
11 :濾過装置(浄化手段)
12 :紫外線リアクタ(浄化手段)
13 :緊急停止ボタン(第1入力手段)
14 :装置停止ボタン(第2入力手段)
15 :制御手段
16 :装置停止信号取得部
17 :弁制御部
L1〜L9 :ライン
P1 :上流側接続部
P2 :下流側接続部
S1 :第1停止信号(停止信号)
S2 :第2停止信号(停止信号)
SC1 :シーチェスト
SC2 :船外排出口
V1〜V5 :開閉弁
V6 :上流側弁
V7,V8,V10〜V12 :開閉弁
V9 :開度調整弁
Claims (4)
- ポンプの駆動により液体を流通させ、下流側に配置される浄化手段により液体を処理する液体処理装置であって、
前記ポンプと前記浄化手段の間に配置される上流側弁と、制御手段とを備え、
前記制御手段は、装置停止信号取得部と、弁制御部とを備え、
前記装置停止信号取得部は、前記液体処理装置の停止を指令する停止信号を取得し、
前記弁制御部は、前記装置停止情報取得手段が前記停止信号を取得したことに応じて前記上流側弁を閉じる制御を行う液体処理装置。 - 請求項1に記載の液体処理装置であって、
第1入力手段を備え、
前記第1入力手段は、入力を受け付けると、前記停止信号として第1停止信号を生成するよう構成され、
前記弁制御部は、前記装置停止信号取得部が前記第1停止信号を取得すると、まず前記上流側弁を閉じる制御を行い、その後、前記浄化手段の下流側に配置される弁を閉じる制御を行う、液体処理装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の液体処理装置であって、
紫外線リアクタと、
第2入力手段を備え、
前記第2入力手段は、入力を受け付けると、前記停止信号として第2停止信号を生成するよう構成され、当該第2停止信号は、前記紫外線リアクタを停止させるための信号であり、
前記弁制御部は、前記装置停止信号取得部が前記第2停止信号を取得すると、前記紫外線リアクタが冷却した後に、前記上流側弁を閉じる制御を行い、その後、前記浄化手段の下流側に配置される弁を閉じる制御を行う、液体処理装置。 - 請求項1〜請求項3の何れかに記載の液体処理装置であって、
前記浄化手段は、フィルタにより前記液体を濾過処理する濾過装置を備える、液体処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020033506A JP2021133337A (ja) | 2020-02-28 | 2020-02-28 | 液体処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020033506A JP2021133337A (ja) | 2020-02-28 | 2020-02-28 | 液体処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021133337A true JP2021133337A (ja) | 2021-09-13 |
Family
ID=77662327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020033506A Pending JP2021133337A (ja) | 2020-02-28 | 2020-02-28 | 液体処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021133337A (ja) |
-
2020
- 2020-02-28 JP JP2020033506A patent/JP2021133337A/ja active Pending
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