JP2021130507A - 液体用紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】最内層と最外層が異なる種類の熱可塑性樹脂からなる積層体を使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器において、ホットエアーによる熱融着により、充分な接着が行われ、また内面部の断面を、内容物からの浸透から保護できる液体用紙容器を得るを供給する。【解決手段】最内層である接液面にポリエステル系樹脂層を有し、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有し、両端部を熱融着により接合し、筒状に成形されてなり、前記熱融着部分において、容器内側に位置する端部が外側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、折り返された前記ポリエステル樹脂層と前記ポリオレフィン樹脂層とが突き合わされ接しており、かつ、前記熱融着部分において、容器外側に位置する端部のポリオレフィン樹脂層の一部に表面処理が施されて、その濡れ張力が52mN/m以上とされていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、筒状の液体用紙容器の胴貼りの貼合部の改良を行った液体用紙容器に関するものである。
従来、ゲーベルトップ型を代表とする液体用紙容器などの材料として、紙、アルミニウム、プラスチックフィルム等を積層した積層体が用いられている。そしてこのような積層体からなる紙容器は、ジュース、清酒、液体洗剤等を充填する容器として広く使用されている。
この積層体の最内層および最外層には熱接着性に優れたポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂が使用されている。上記積層体を使用して、ブランクから液体用紙容器に成形する場合、積層体からなるブランクの両側縁を貼り合わせて筒状の胴部を形成するが、両側縁を貼り合わせた貼合部の内面部において紙端面が露出していると、積層体の断面が内容物に接することにより、紙端面から内容物を汚染したり、積層体の紙層を伝わって内容成分が浸透して、積層体の強度低下、層間剥離、密封性の不良等が生じたりするという問題がある。特に清酒等浸透性が高く、流通期間の長い内容物については、大きな問題である。
その問題を解消するために、段差が生じないように、あらかじめ胴部の筒状に貼り合せた貼合部の一方の端部を外側から削除し(スカイブ)、かつ、折り返して(ヘミング)端面同士を接着することにより、紙端面を覆って保護するエッジプロテクト処理が施されていた。以下この処理をスカイブヘミング処理と呼ぶ。
しかしながら、スカイブヘミング処理をして紙端面の保護を行っているのは内容物の接する接液側のみで、外界と広く接する貼合部の外面部においては、紙端面の保護は行われていない(特許文献1参照)。
ところで、この積層体の最内層12と最外層13が同一種類の熱可塑性樹脂であれば、貼合部の拡大断面を表す図3(a)に示すように、貼合部6の接合部7Aでは、同一材質の熱可塑性樹脂同士の熱接着となり、接合部7Bでも、同一種類の熱可塑性樹脂同士の熱接着となるため、接合部7全体で充分な接着強度を得ることできる。
しかしながら、図3(b)に示すように、積層体の最内層12と最外層13の熱可塑性樹脂が異なる種類の場合、接合部7Aの接合部分では、同一材質の熱可塑性樹脂同士の熱接着となるが、接合部7Bの接合部分では、異なった種類の熱可塑性樹脂の熱接着となり、充分な接着強度を得ることができず、仮着状態となる。従って、この接合部7Bの接合部分の接着が不十分となり、この接合部7Bの接合部分から剥がれやすくなり、接合部7全体の接着を損なう危険性があるという問題がある。
以上の問題に対し、特許文献2では、積層体の最内層12と最外層13の熱可塑性樹脂が異なる種類の場合でも、貼合部の内面部にスカイブヘミング処理を施すと共に、貼合部の外面部にもスカイブヘミング処理を施すことによって、同じ樹脂同士のみが接するように重畳し、熱融着により接合したエッジプロテクトの液体用紙容器を提案している(図4参照)。
この方法によれば、最内層12と最外層13が異なる種類の熱可塑性樹脂からなる積層体を使用した液体用紙容器において、接合部7Aの接合部分では、同一種類の熱可塑性樹
脂同士の熱融着となり、また、接合部7Bの接合部分でも、同一種類の熱可塑性樹脂同士の熱融着となるため、接合部7全体で充分な接着が行われる。しかし、この方法は、同一種類の熱可塑性樹脂同士を正確に接合させるには、前記一方の端部ともう一方の端部との突き合わせ部Xを、正確に位置合わせしなければ十分な接着強度が得られないという虞がある。
実開平4−124909号公報 特許3747676号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、最内層と最外層が同一種類の熱可塑性樹脂からなる積層体を使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器はもとより、最内層と最外層が異なる種類の熱可塑性樹脂からなる積層体を使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器においても、筒状に形成する胴部の貼合部において、ホットエアーによる熱融着により、充分な接着が行われ、また内面部の断面を、内容物からの浸透から保護できる液体用紙容器を得ることが本発明の課題である。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、紙を基材とし、最内層と最外層が熱可塑性樹脂からなる積層シートを使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器であって、
前記積層シートは、最内層である接液面にポリエステル系樹脂層を有し、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有し、積層シートの一方の端部と、もう一方の端部とを熱融着により接合し、筒状に成形されてなり、
前記熱融着部分において、容器内側に位置する端部が外側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、折り返された前記ポリエステル樹脂層と前記ポリオレフィン樹脂層とが突き合わされ接しており、
容器内側に位置する端部外面と、容器外側に位置する端部内面のポリエステル系樹脂層とが熱融着されて前記筒状胴部を構成しており、
かつ、前記熱融着部分において、容器外側に位置する端部のポリオレフィン樹脂層の一部に表面処理が施されて、その濡れ張力が52mN/m以上である、
ことを特徴とする液体用紙容器である。今後上記のようなエッジプロテクト処理を通常のスカイブヘミング処理と呼ぶ。
また、請求項2に記載の発明は、前記表面処理が、フレーム処理または、オゾン処理または、コロナ放電処理であることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器である。最内層と最外層とが熱融着される部分の接着性を向上させる処理として、最外層表面に上記処理を施すことが好ましく、その目安となる濡れ張力は52mN/m以上であることが好ましい。
また、請求項3に記載の発明は、紙を基材とし、最内層と最外層が熱可塑性樹脂からなる積層シートを使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器であって、
前記積層シートは、最内層である接液面にポリエステル系樹脂層を有し、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有し、積層シートの一方の端部と、もう一方の端部とを熱融着により接合し、筒状に成形されてなり、
前記熱融着部分において、容器内側に位置する端部が外側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、折り返された前記ポリエステル系樹脂層と前記ポリ
オレフィン樹脂層とが突き合わされ接しており、
かつ、前記熱融着部分において、容器外側に位置する端部が内側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、この折り返されたポリオレフィン系樹脂層と前記ポリエステル系樹脂層とが、これらの間に露出した紙表面を介して接しており、
容器内側に位置する端部であって、折り返されて端部外面に露出した前記ポリエステル系樹脂と、容器外側に位置する端部であって積層シートの最内層の前記ポリエステル系樹脂層とが熱融着されてポリエステル系樹脂層同士の熱融着部を構成しており、
容器外側に位置する端部であって、折り返されて端部内面に露出した前記ポリオレフィン系樹脂層と、容器内側に位置する端部であって積層シートの最外層の前記ポリオレフィン系樹脂層とが熱融着されてポリオレフィン系樹脂層同士の熱融着部を構成している、
ことを特徴とする液体用紙容器である。今後上記のようなエッジプロテクト処理を、二段のスカイブへミング処理と呼ぶ。
前記二段のスカイブヘミング処理を施すことで、紙の露出部分が発生する、エッジプロテクトの突きつけ部X(図6参照)が多少ずれても紙と樹脂が接着して、異なった種類の熱可塑性樹脂同士の熱融着よりも強い接着強度が得られる。また、紙の露出部分は、段差を形成するが、その部分に熱融着した樹脂が溜まるので、外側の樹脂だまりができにくくなり、樹脂だまりに起因するエッジ切れのリスクを低減することができる。
また、前記二段のスカイブヘミング処理は、前記通常のスカイブヘミング処理よりスカイブする厚みが深いため、エッジプロテクトシール部の総厚みが薄くなることで、コシが柔らかくなり、耐衝撃性が向上することが期待される。
本発明によって、最内層と最外層が同一種類の熱可塑性樹脂からなる積層体を使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器はもとより、最内層と最外層が異なる種類の熱可塑性樹脂からなる積層体を使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器においても、筒状に形成する胴部の貼合部が、ホットエアーによる熱融着により、充分な接着が行われ、また内面部の断面を、内容物からの浸透から保護できる液体用紙容器を提供することができる。
本発明に係る液体用紙容器の一実施態様を示した斜視図である。 図1に示した液体用紙容器の横断面を示した断面説明図である。 (a)は、胴部を形成する積層体の最内層と最外層が、同一種類の熱可塑性樹脂の場合であり、(b)は、胴部を形成する積層体の最内層と最外層が、異なる種類の熱可塑性樹脂の場合の胴部の貼合部を拡大して示した拡大断面説明図である。 特許文献2で提案された貼合部を拡大して示した拡大断面説明図である。 本発明に係る液体用紙容器の実施形態1の胴部の貼合部を拡大して示した拡大断面説明図である。 本発明に係る液体用紙容器の実施形態2の胴部の貼合部を拡大して示した拡大断面説明図である。 本発明に係る液体用紙容器に用いる積層体の一例(a)と他の例(b)を示す断面模式図である。 図1に示した液体用紙容器のブランクを示した平面模式図である。 本発明に係る液体用紙容器の実施形態2における、スカイブヘミング処理の手順を説明する図である。
以下、本発明の液体用紙容器の実施形態例について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態の一例であるゲーベルトップ型の液体用紙容器の斜視図である。紙
容器の形状については、特に限定されず、図1に示したような口栓付きのゲーベルトップ型を始めとして、特に図示しないが、ブリック型や角柱型など任意である。本実施形態例では、図1に示すように、胴部2は胴部シール部5で貼り合わせ、頂部1と底部3をそれぞれ合わせて融着する事で、4角柱の容器本体と切り妻屋根形のゲーベルトップからなり、ゲーベルトップの注出口栓装着面に口栓取り付け孔を開け、口栓取り付け孔部分に注出口栓4を突設した液体用紙容器である。また、図2は、図1に示した液体用紙容器の横断面を示した断面説明図であり、図3(a)および(b)は、図2の液体用紙容器10の胴部シール部5に形成された貼合部6を拡大して示した拡大断面説明図である。(a)は、胴部を形成する積層体の最内層12(a)と最外層13(a)が、同一種類の熱可塑性樹脂の場合であり、(b)は、胴部を形成する積層体の最内層12(b)と最外層13(b)が、異なる種類の熱可塑性樹脂の場合である。
<実施形態1>
本発明に係る液体用紙容器の実施形態1について、図を用いて詳細に説明する。液体用紙容器10の胴部2は、紙を主体とする積層体20を材料とし、この積層体20の一例は、図7(a)に示すように、基材層11を紙とし、最内層12と最外層13を熱可塑性樹脂とする構成になっている。そして、最内層12と最外層13では、異なった種類の熱可塑性樹脂を使用している。本実施形態例では、最内層12をポリエステル系樹脂、最外層13をポリオレフィン系樹脂とした層構成からなる。
主強度材となる基材層11の紙としては、含浸またはコーティング加工紙が使用されることが多い。紙の種類としては100%バージンパルプからなるもの、100%再生故紙からなるもの、それらを任意の割合で混合したもの、NBKP材、LBKP材の使用率、木材パルプ以外のケナフ、バンブー等の植物繊維材料、又クレーコート処理された紙など、様々な種類の紙を用いることが可能である。
最内層12および最外層13に使用する熱可塑性樹脂は、内容物の保護、特に液状の物質を入れても洩れない機能、また、熱シールにより胴部2の貼り合わせ、そして、胴部2と頂部1および底部3とを接合するための接着を可能にする機能を持っている必要がある。
最内層12を構成する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリエステル等の樹脂が使用できる。本実施形態では、ポリエチレンテレフタレートである。また、適切な厚みは、ある程度の接着強度を持たせるためから、30〜60μm程度である。
最外層13を構成する熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、変性ポリエチレン等の樹脂が使用できる。本実施例では、低密度ポリエチレンである。また、適切な厚みは、30〜50μm程度である。
液体用紙容器10の胴部2に使用する積層体20では、最内層12と最外層13の熱可塑性樹脂が同一の種類であっても、異なった種類のものであってもよい。
また、積層体20の他の例を図7(b)に示す。図7(b)に示すように、最内層12と最外層13の間には、バリア層17を設けることができ、このバリア層17としては、水蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材であってもよい。
例えば、遮光性とバリア性を有するアルミニウム箔、アルミニウムなどの金属蒸着膜を
有する樹脂のフィルム、バリア性を有する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート、ガスバリア性を有するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルム等を使用することができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーコールボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム等を使用することができる。
つぎに、本発明において、上記のような材料を使用して、紙の基材層11を主体として、熱可塑性樹脂からなる最内層12および最外層13、あるいは、バリア層17を積層した積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料を接着層を介してラミネートする方法を使用することができる。図6(a)および(b)に接着層14、15、16を示す。
ラミネート方法は、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法等で行うことができる。
また、最外層13の表面に印刷層18を設けてもよく、その場合には、最外層13の表面にコロナ放電処理などの易接着処理を行って、印刷層との接着性を高めることが好ましい。
図8は、図1に示した液体用紙容器のブランクを示した平面模式図である。本発明においては、最外層13にポリエチレン樹脂を用いて、その表面にフレーム処理または、オゾン処理または、コロナ放電処理を行なうことができ、図8の液体用紙容器10の展開図にその処理範囲Dを示す。フレーム処理、オゾン処理、コロナ放電処理は、樹脂表面の分子の改質を図ることにより濡れ性および接着性を改善し、ヒートシール性も向上する。充分なシール強度を得るには、濡れ張力は最外層表面において52mN/m以上であることが好ましい。
以上のように、本発明の実施形態1は、最内層12と最外層13が異なる種類の熱可塑性樹脂からなる積層体20を使用した液体用紙容器10において、最内層12と最外層13が熱融着する接合面に対して、表面処理を施すことによって、接合面の濡れ張力が上がり、異なる種類の熱可塑性樹脂同士でも接着性を上げることができることを特徴としている。
<実施形態2>
次に、実施形態2を図を用いて詳細に説明する。本発明の液体用紙容器10において主要となる点は、図6の拡大断面模式図に示すように、胴部2に形成された貼合部6は、貼合部6の内面部に通常のスカイブヘミング処理を施し、それに加えて、貼合部6の外面部には二段のスカイブヘミング処理を施している点である。従って、図8に示すように、ブランクの両側縁では、貼合した時に貼合部6の内面部となる側縁では、表面側からスカイブヘミング処理が施され、他方の貼合部6の外面部となる側縁では、裏面から二段のスカイブヘミング処理が施されることになる。
次に、図9を参照して、胴部2に形成された貼合部6における本実施形態に係るスカイブヘミング処理の手順を説明する。貼合部6の内面部となる側縁では、通常のスカイブヘミング処理、そして貼合部6の外面部には二段のスカイブヘミング処理を施す手順を説明する。
図9(a)は、液体用紙容器10に使用される積層体の断面模式図である。図9(b)では、貼合部6の内面部となる側縁において、通常のスカイブヘミング処理が施される。図9(b)に示されるように、貼合部6の内面部となる側縁の端部が外側から削られ(削除部分211)、かつ、次に図9(c)に示されるように、貼合部6の内面部となる側縁の端部は折り返されて端面同士が接着剤にて接着されることにより、折り返された前記ポリエステル樹脂層と前記ポリオレフィン樹脂層とが突き合わされ、第1の折り返し部213を形成させる。
同時に、図9(b)に示されるように、貼合部6の外面部となる側縁に二段のスカイブヘミング処理を施す。図9(b)を見てわかるように、二段のスカイブヘミング処理は、貼合部6の外面部となる側縁の端部が内側から削られ、かつ、次に図9(c)に示されるように、折り返されて端面同士を接着することにより、この折り返された前記ポリオレフィン系樹脂層と前記ポリエステル系樹脂層とが、これらの間に露出した紙表面を介して並び、第2の折り返し部253を形成させる。
そして、図9(d)に示すように積層シートを折り曲げて、貼合部6の内面部の第1折り返し部213と外面部の第2折り返し部253とを、同じ樹脂同士のみが接するように重畳し、熱融着により接合して貼合部6を形成し筒状に成形する。
二段のスカイブヘミング処理を施すことによって、貼合部6の熱融着部に紙の露出部分Cが発生し、エッジプロテクトの突きつけ部Xが多少ずれても樹脂の代わりに紙と樹脂が接着して、強い接着強度が得られる。また、紙の露出部分Cは、段差を形成するが、その部分に熱融着した樹脂が溜まるので、外側の樹脂だまりができにくくなり、樹脂だまりに起因するエッジ切れのリスクを低減することができる。また、二段のスカイブヘミング処理は、通常のスカイブヘミング処理よりスカイブする厚みが深いため、エッジプロテクトシール部の総厚みが薄くなるので、コシが柔らかくなり、耐衝撃性が向上する。
なお、上記本発明の液体用紙容器の胴部2の貼合部6の形成においては、貼合部6の内面部に二段のスカイブヘミング処理、外面部に通常のスカイブヘミング処理を施してもよく、同様の効果が得られる。
上記より、最内層12と最外層13が異なる種類の熱可塑性樹脂からなる積層体20を使用した液体用紙容器10において、胴部2に形成された貼合部6は、充分な接着強度を有し、内容物が貼合部6の内面部の断面に接しないように保護することに加えて、貼合部6の総厚みが薄くなることで、コシが柔らかくなり、耐衝撃性を向上することが可能となる。
<筒状への成形方法>
積層シートの筒状への成形は、次のようにして行う(図8参照)。先ず、折り曲げ線を介して連設して第1パネル21、第2パネル22、第3パネル23、第4パネル24、第5パネル(糊代片)25が形成されている積層シート10の、貼合部6の内面部の端部になる第1パネル21の端部に、通常のスカイブヘミング処理を施し、第1折り返し部213を形成させる。
同時に、貼合部6の外面部の端部になる第5パネル25の端部に、二段のスカイヘミ
ング処理を施し、第2折り返し部253を形成させる。
ついで、第1パネル21の端部の第2折り返し部213の内側面にコロナ放電処理を施し、さらに、第3パネル23と第4パネル24、第1パネル21と第2パネル22をそれぞれ折り曲げ線から折り曲げ、第1パネル21の内側面が第5パネル25の外側面に重なるように、第1パネル21の第1折り返し部213が第5パネル25の第2折り返し部253の下側になるように重ねると、熱融着により第1パネルの端部と第5パネルの端部とは接合され、積層シートは筒状に成形される。
なお、これら一連のスカイブヘミング作業とフレーム処理、筒状加工は、専用の加工機で容易に行うことができる。
以下に本発明の実施形態1の実施例1および実施形態2の実施例2を具体的に説明する。
<実施例1>
以下の層構成の積層体を用いて、図1に示したような形状で、1辺が85mm、容量が2リットルの口栓付き液体用紙容器を作成した。
積層体の層構成:(最内層)共重合PET(40μm)/ドライラミネート/紙(360g/m)/EMAA(20μm)/アルミナ蒸着PET(12μm)/ドライラミネート/LLDPE(60μm)(最外層)
積層体の内側には、図8のDに示した位置にコロナ放電処理を施し、本発明で使用する積層シートを得た。
この積層シートから図8に示すような、折り曲げ線を介して第1パネル21、第2パネル22、第3パネル23、第4パネル24、第5パネル25がそれぞれ連設された積層シート10を作製した。
<実施例2>
以下の層構成の積層体を用いて、図1に示したような形状で、1辺が85mm、容量が2リットルの口栓付き液体用紙容器を作成した。
積層体の層構成:(最内層)共重合PET(40μm)/ドライラミネート/2軸延伸PET(12μm)/ドライラミネート/AL(9μm)/EMAA(20μm)/紙(360g/m)/押し出しPE(60μm)(最外層)
そして、貼合部6の内面部の端部になる第1パネル21の端部には通常のスカイブヘミング処理、貼合部6の外面部の端部になる第5パネル25の端部には、二段のスカイヘミング処理を施し、本発明で使用する積層シートを得た。後は実施例1と同様な方法で積層シート10を作製した。
最外層のポリエチレン樹脂の表面の濡れ張力と、シール強度を表1に示す。シール強度が5N以上あれば、充分に接着している状態といえるので、濡れ張力は、最外層表面において52mN/m以上あることが好ましいことがわかった。濡れ張力の測定方法は、JIS K6768:1999に従った。
Figure 2021130507
したがって上記より、本発明によって、充分な接着強度を有し、内容物が貼合部6の内面部の断面に接しないように保護することができる液体用紙容器を供給することが可能であることがわかった。
1・・・液体用紙容器の頂部
2・・・液体用紙容器の胴部
3・・・液体用紙容器の底部
4・・・液体用紙容器の注出口栓
5・・・液体用紙容器の側部シール部
6・・・液体用紙容器の胴部の貼合部
7・・・樹脂が熱融着する接合面
10・・・液体用紙容器本体
11・・・液体用紙容器に使用された積層体の紙基材部
12・・・液体用紙容器に使用された積層体の最内層
12(a)、12(b)...図3(a)、(b)での積層体の最内層
13・・・液体用紙容器に使用された積層体の最外層
13(a)、13(b)...図3(a)、(b)での積層体の最外層
14,15,16・・・接着層
17・・・バリア層
18・・・印刷層
20・・・液体用紙容器に使用された積層体
21・・・第1パネル
211・・・二段のスカイブヘミング処理の削除部分
212・・・二段のスカイブヘミング処理の削除した残りの部分
213・・・第1折り返し部
22・・・第2パネル
23・・・第3パネル
24・・・第4パネル
25・・・第5パネル(糊代片)
251・・・スカイブヘミング処理の削除部分
252・・・スカイブヘミング処理の削除した残りの部分
253・・・第2折り返し部
A,B・・・貼合部の接合面
C・・・紙の露出部分
D・・・積層体にコロナ放電処理およびフレーム処理を施す領域
X・・・エッジプロテクトの突きつけ部

Claims (3)

  1. 紙を基材とし、最内層と最外層が熱可塑性樹脂からなる積層シートを使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器であって、
    前記積層シートは、最内層である接液面にポリエステル系樹脂層を有し、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有し、積層シートの一方の端部と、もう一方の端部とを熱融着により接合し、筒状に成形されてなり、
    前記熱融着部分において、容器内側に位置する端部が外側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、折り返された前記ポリエステル樹脂層と前記ポリオレフィン樹脂層とが突き合わされ接しており、
    容器内側に位置する端部外面と、容器外側に位置する端部内面のポリエステル系樹脂層とが熱融着されて前記筒状胴部を構成しており、
    かつ、前記熱融着部分において、容器外側に位置する端部のポリオレフィン樹脂層の一部に表面処理が施されて、その濡れ張力が52mN/m以上である、
    ことを特徴とする液体用紙容器。
  2. 前記表面処理が、フレーム処理または、オゾン処理または、コロナ放電処理であることを特徴とする請求項1に記載の液体用紙容器。
  3. 紙を基材とし、最内層と最外層が熱可塑性樹脂からなる積層シートを使用して筒状の胴部を形成した液体用紙容器であって、
    前記積層シートは、最内層である接液面にポリエステル系樹脂層を有し、最外層にポリオレフィン系樹脂層を有し、積層シートの一方の端部と、もう一方の端部とを熱融着により接合し、筒状に成形されてなり、
    前記熱融着部分において、容器内側に位置する端部が外側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、折り返された前記ポリエステル系樹脂層と前記ポリオレフィン樹脂層とが突き合わされ接しており、
    かつ、前記熱融着部分において、容器外側に位置する端部が内側から削られ、かつ、折り返されて端面同士を接着することにより、この折り返されたポリオレフィン系樹脂層と前記ポリエステル系樹脂層とが、これらの間に露出した紙表面を介して接しており、
    容器内側に位置する端部であって、折り返されて端部外面に露出した前記ポリエステル系樹脂と、容器外側に位置する端部であって積層シートの最内層の前記ポリエステル系樹脂層とが熱融着されてポリエステル系樹脂層同士の熱融着部を構成しており、
    容器外側に位置する端部であって、折り返されて端部内面に露出した前記ポリオレフィン系樹脂層と、容器内側に位置する端部であって積層シートの最外層の前記ポリオレフィン系樹脂層とが熱融着されてポリオレフィン系樹脂層同士の熱融着部を構成している、
    ことを特徴とする液体用紙容器。
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