(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1はスロットマシンXを示す斜視図である。また、図2はスロットマシンXの筐体1内部を示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。また、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっている。なお、本実施形態においては、筐体1は木製であるが、合成樹脂製や金属製等であってもよい。
なお、以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を内面とも呼ぶこととする。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を外面とも呼ぶこととする。
底板4の上面には、各部品に電力を供給するための電源ユニット10、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット11、ホッパーユニット11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。
また、筐体1内には、リールユニット14や基板ユニット16等が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cと、リール15a〜15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)と、これらリール15a〜15cおよび駆動モータ等が取り付けられこれらを一体的に支持するリールフレーム(フレーム部材)13とを有している。また、基板ユニット16は、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた電子回路基板を、基板ケース18に収納したものである。基板ユニット16の電子回路基板は主制御基板(主制御装置)であり、後述するベットボタン35、スタートレバー990、ストップボタン33(ストップボタン33a,33b,33c)、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力手段の制御を行う。なお、主制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイやスピーカ27等の演出用の装置の制御を行う副制御基板(副制御装置)は、前扉20の裏側に設けられている。
また、筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。具体的には、前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。
なお、前扉20は、上側部分と下側部分とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシンXは、遊技店における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技店の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能ないわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。
前扉20の上部中央には、平板状のパネル21が設けられている。また、パネル21は、その中央部に形成された透明な表示窓22と、表示窓22を囲うように形成され、絵柄が描かれた(印刷された)意匠部23とを備えている。
表示窓22の奥には、3個のリール15a〜15cが横一列に設けられている。そして、表示窓22を通してリール15a〜15cの一部が視認可能となっている。各リール15a〜15cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール15a〜15cが停止すると表示窓22を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。そして、3個の回転リールが停止したときに表示窓22を通して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。また、意匠部23の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって意匠部23に描かれた絵柄が背後から照らされるようになっている。
前扉20のパネル21の上部には、報知や演出などを行うための照明装置24が設けられている。また、前扉20の左右両端部には、報知や演出などを行うための照明装置25,25が設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられることによって、遊技機の前面側の外形が凹凸したものとなっている。そして、これら装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。また、このような凹凸した装飾部材26を備える前扉20の側面は、左右方向において左右の側板5,6の外面よりも僅かに内側に位置している。また、このような凹凸した装飾部材26を備える前扉20の上面は、天板2の外面よりも僅かに内側(下側)に位置している。
また、前扉20の上部および下部には複数のスピーカ27が設けられている。スピーカ27は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、照明装置24やスピーカの他に、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する液晶ディスプレイや、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシンXを操作するための操作部30が設けられている。操作部30には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ31、遊技を開始させるためのスタートレバー990、3個のリール15a〜15cそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン33、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口821、メダル投入口821の下方で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン、メダルをゲームに投資(ベット)するときに操作されるベットボタン35等が設けられている。
また、前扉20の下端部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿38とが形成されている。また、操作部30とメダル受け皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。また、下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。
図2および図3に示すように、主制御基板を収納した基板ケース18、リールユニット14、電源ユニット10、ホッパーユニット11、前扉20(ヒンジ29)等は、ネジ50(ネジ50a,50b,50c,50d,50e:雄ネジ)によって筐体1に固定されている。具体的には、基板ケース18は、背板3に対して複数のネジ50aによってネジ止めされている。また、リールユニット14は、各リール15a〜15cが設けられるリールフレーム13が背板3および左右の側板5,6に対して複数のネジ50bによってネジ止めされることで筐体1に固定されている。また、電源ユニット10は、背面を背板3の内面に当接または近接させ、左面を左側の側板5の内面に当接または近接させた状態で、背板3および左側の側板5に対して複数のネジ50cによってネジ止めされている。また、ホッパーユニット11は、底板4に対して複数のネジ50dによってネジ止めされている。また、前扉20を筐体1に連結するためのヒンジ29は、左側の側板5に対して複数のネジ50eによってネジ止めされている。また、この他にも、遊技機の状態を監視するホールコンピュータ等の外部機器に遊技機の状態を知らせる信号を送る外部集中端子板や、前述の入力装置または出力装置と主制御基板または副制御基板とを繋ぐ中継基板等の各種電子回路基板、筐体1の前扉20側を補強するフレーム52等の部品が、筐体1にネジ50によってネジ止めされている。なお、フレーム52には、筐体1の前面開口部を閉塞した前扉20の係合部が係合する被係合部が設けられており、当該係合部が当該被係合部に係合することで前扉20が筐体1の前面開口部を閉塞した状態で固定されるようになっている。
筐体1へのネジ50の取り付けについて、1つのネジ50を例にとって図4を参照しながら説明する。なお、他のネジ50についても同様にして筐体1に取り付けられている。ネジ50は、筐体1に設けられた複数の孔55それぞれに挿入されている。また、筐体1の外面1aには、孔55に対応する位置にザグリ加工が施されて凹部56が形成されている。すなわち、筐体1の外面1aには、孔55それぞれと同軸でかつ孔55よりも径の大きい凹部56が設けられている。ネジ50は、ナット(雌ネジ)58にねじ込まれており、これによりネジ50によって固定される各部品が、筐体1に対して固定されている。すなわち、当該各部品は、ネジ50とナット58とによって構成される締結部材(固着部材)によって、筐体1に固定されている。ここで、本実施形態において筐体1に取り付けられるネジ(雄ネジ)50a〜50eは全て、その頭部が筐体1の内側(内面1b側)に配置され、先端部(頭部とは逆側の端部)が筐体1の外側(外面1a側)を向いた状態で筐体1に取り付けられている。このように全てのネジ50の頭部が筐体1の内側に配置されることで、ネジ50の取付作業を筐体1の内側からまとめて行うことができ、取付作業の効率が上昇する。また、ナット(雌ネジ)58は、凹部56の内側に収まるように配置されている。そして、ネジ50a〜50eの頭部とナット58とによって筐体1を挟んだ状態となっている。
本実施形態の遊技機においては、ナット58として、爪付きナットを用いている。このように爪付きナットを用いることで、遊技機の製造コストを削減できる。また、孔55周辺部等の損傷を抑えられるので、ネジ50を一旦外して再度取り付けなおすこと等も容易となり、遊技機の再利用性を高めることができる。なお、ナット58として、爪付きナット以外のナットを用いてもよい。また、ナット58を用いず、孔55に締結部材としてのネジ(雄ネジ)50が直接螺合するような構成としてもよい。具体的には、木製の筐体1に対して締結部材としてのネジとして木ネジを用いて筐体1にねじ込むこととしてもよい。また、孔55の内周面が雌ネジ状となっており、この雌ネジ状の内周面に対して締結部材としてのネジ50が螺合する構成としてもよい。
天板2、背板3、底板4または側板5,6に取り付けられたネジ50は全て、天板2、背板3、底板4または側板5,6の外面(筐体1の外面)よりも外側に突出していない状態となっている。具体的には、ネジ50は、ネジ50の頭部が筐体1の内側に配置されており、ネジ50の先端(頭部とは逆側の端部)が筐体1の外面よりも1mm〜2mm程度凹んだ状態(内側に位置した状態)となっている。なお、ネジ50の先端が筐体1の外面と面一となっていてもよい。また、複数のネジ50のうちの一部または全部が、ネジ50の頭部が筐体1の外側を向くように配置されていてもよい。また、この場合にネジ50の頭部は、凹部56の内側に収まるように配置されることが好ましい。すなわち、ネジ50の頭部が筐体1の外側を向く場合であっても、ネジ50の頭部の頂点が、筐体1の外面と面一あるいは当該外面よりも例えば、1mm〜2mm程度凹んだ状態(内側に位置した状態)となっていることが好ましい。また、天板2、背板3、底板4または側板5,6に取り付けられたナット58は全て、天板2、背板3、底板4または側板5,6の外面よりも突出していない状態となっている。具体的には、ナット58は、凹部56の内側に配置されており、ナット58の遊技機外側を向く面が筐体1の外面よりも1mm〜2mm凹んだ状態(内側に位置した状態)となっている。
次に、把手60および把手60が取り付けられる把手取付部61について、図5および図6を参照しながら説明する。左右の側板5,6それぞれには、把手取付部61が設けられており、この把手取付部61それぞれに、把手60が取り付けられている。遊技機を運ぶ者は、把手60の内側に手を入れて遊技機を持ち上げることが可能となっている。把手取付部61および把手60の構成は、左右の側板5,6で同様であるため、ここでは右側の側板6について説明し、左側の側板5については説明を省略する。
把手60は、把手本体部65とフランジ部66と係止部67とを備え、合成樹脂により形成されている。また、把手本体部65は、有底筒状となっている。また、把手本体部65は、有底筒状の開口65a側を構成し左右方向に延びる筒状の第1直線部68と、有底筒状の底65b側を構成し第1直線部68に対して上方に延びる筒状の第2直線部69と、第1直線部68と第2直線部69とを繋ぐ筒状の屈曲部70とを備えている。また、屈曲部70は、その内面が、第1直線部68側から第2直線部69側に向かって滑らかに曲がる曲面となっている。
把手本体部65の開口65a側の端縁には、フランジ部66が設けられている。また、係止部67は、把手60を筐体1に対して係止するための部分であり、把手本体部65の下方に設けられている。また、把手本体部65の外面であって、第1直線部68と第2直線部69との境目近傍には、第1直線部68の上方に突出するようにして側板6の内面に当接または近接する当接面71が形成されている。
把手60は、把手本体部65の開口65a側を、側板6の外側(右側)に向けた状態で配置されている。そして、把手60は、正面視における断面形状および外形が略L字状となっている。また、開口65aは、前後方向に長尺で上下方向に短尺な矩形状となっている。
把手60は、有底筒状の把手本体部65の中心軸を通る平面(上下方向および左右方向に延びる平面)で把手60を分割したような形状の、第1部材75と第2部材76とによって形成されている。第1部材75と第2部材76とには、例えば爪状等の係止部77と、この係止部77が係止される例えば孔状等の被係止部78とが、それぞれに複数ずつ設けられており、各係止部77が対応する各被係止部78に係止されることで一体化されている。なお、把手60は、第1部材75と第2部材76とに分かれておらず、合成樹脂等により一体的に成形されていてもよい。
把手取付部61は、側板6の上下方向中心よりもやや下方であって前後方向中心よりもやや後方に穿設された把手孔62と、フランジ嵌挿用凹部63とを備えている。フランジ嵌挿用凹部63は、側板6の外面に形成された凹部である。フランジ嵌挿用凹部63は、把手孔62における側板6外面側の周縁を囲うようにして形成されている。換言すると、フランジ嵌挿用凹部63の底面を、外周部を残して貫通させるようにして把手孔62が形成されている。また、把手孔62の内周面形状は、把手60の第1直線部68の外周面形状と略一致している。また、把手孔62の内周は、フランジ部66の外周よりも小さくなっている。また、フランジ嵌挿用凹部63の内周面形状は、フランジ部66の外周面形状と略一致している。また、フランジ嵌挿用凹部63の左右方向の長さ(側板6の外面からの凹み量)は、フランジ部66の左右方向の長さ(厚み)よりも1mm〜2mm程度長くなっている。
ここで、把手取付部61への把手60の取り付けについて説明する。把手60は、把手本体部65の底65b側から把手孔62に挿入され、フランジ部66の裏面(側板6側を向く面)がフランジ嵌挿用凹部63の底面に当接するまで挿入される。フランジ部66の裏面がフランジ嵌挿用凹部63の底面に当接すると、把手60の左方への移動が規制され、把手60がそれ以上側板6に挿入されることが防止される。把手60が把手孔62に挿入されていく際には、係止部67が、把手60の上下方向の長さが短くなる方向に弾性変形し、当該挿入が阻害されないようになっているが、フランジ部66の裏面がフランジ嵌挿用凹部63の底面に当接するまで把手60が挿入されると、弾性変形した係止部67が元に戻り、係止部67が側板6の内面に掛かるようになっている。また、フランジ部66の裏面がフランジ嵌挿用凹部63の底面に当接した状態において、把手60の当接面71は、側板6の内面に当接または近接した状態となっている。すなわち、把手60は、把手取付部61に取り付けられた状態では、フランジ部66と係止部67および当接面71とによって側板6を挟み込んだ状態となっており、これにより把手60の抜け落ち(左右方向への移動)が防止されている。また、把手60は、把手取付部61に取り付けられた状態において、第1直線部68が、把手孔62の内周面に当接または近接しており、把手60の上下方向および前後方向への移動が規制されている。また、把手60が把手取付部61に取り付けられた状態において、フランジ部66の表面(右側(側板6の外側)を向く面)は、側板6(筐体1)の外面よりも1mm〜2mm程度凹んだ状態(内側に位置した状態)となっている。なお、フランジ部66の表面が側板6(筐体1)の外面と面一となっていてもよい。
次に、筐体1の内部に設けられた電源ユニット10について説明する。電源ユニット10は、図7に示すように、電源筐体90と、電源筐体90の内部に収納された電源装置(図示せず)と、電源装置のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ92と、コネクタ94と、電源筐体90の前面を覆う前面カバー95とを備えている。また、前面カバー95には、前面カバー95から露出する電源スイッチ92を覆う、開閉可能な電源スイッチカバー95aが設けられている。
コネクタ94には、商用電源(AC100V)を供給するコンセントに接続される電源ケーブル(図示せず)が接続される。具体的には、電源ケーブルの一端部に設けられたコネクタがコネクタ94に接続され、電源ケーブルの他端部に設けられたプラグがコンセントに接続される。電源装置は、遊技機の外部から電源ケーブルを介して送られる電力から直流電源(例えば、5V、12V、24V等)を作り、遊技機の各部品に電力を供給する。
電源筐体90は、略直方体の箱状となっている。また、電源筐体90には、電源筐体90の左面に連続して設けられ、当該左面の前縁上方部から前方に突出する板状部96が設けられている。また、板状部96の左面は、電源筐体90の左面と面一となっている。また、板状部96には、前述のネジ50cが挿通されるネジ挿通孔96a,96aが設けられている。また、電源筐体90は、電源筐体90の右面に連続して設けられ、当該右面の後縁下方部から右方に突出する板状部97が設けられている。すなわち、板状部96と板状部97とは、電源筐体90の互いに対角となる位置に設けられている。また、板状部97の背面は、電源筐体90の背面よりも後方に位置しており、電源筐体90の背面と平行となっている。また、板状部97には、前述のネジ50cが挿通されるネジ挿通孔97aが設けられている。また、電源筐体90は、背面の上縁および右縁上部を後方に突出させるようにして形成された突出部98,98を有している。また、突出部98,98の後端は、板状部97の背面と面一となっている。
電源スイッチ92は、電源筐体90の前面側に設けられている。電源スイッチ92がON状態にされると、電源装置が遊技機の各部品への電力供給を行い、電源スイッチ92がOFF状態にされると、電源装置が遊技機の各部品への電力供給をストップするようになっている。なお、電源スイッチ92がOFF状態でも電源装置が一部の部品に電力を供給するようになっていてもよい。
コネクタ94は、電源筐体90の背面の中心よりも下方に、当該背面から後方に突出して設けられている。また、コネクタ94は、オスコネクタとなっており、3つのピン100と、3つのピン100を囲う壁部101とを備えている。また、3つのピン100および壁部101が電源筐体90の背面から後方に突出しているが、壁部101の方が3つのピン100よりも当該背面からの突出量が大きくなっている。また、3つのピン100および壁部101の、電源筐体90背面からの突出量は、板状部97および突出部98,98の、電源筐体90背面からの突出量よりも大きくなっている。
筐体1の背板3には、図8に示すように、電源ユニット10のコネクタ94を後方に露出させるための開口105が設けられている。すなわち、コネクタ94は、背面視において遊技機の外側から見えるようになっており、電源ケーブルのコネクタを電源ユニット10のコネクタ94に差し込む際に、後方から真っ直ぐ差せるようになっている。また、開口105の開口断面は、コネクタ94の背面視における外形よりも大きくなっている。
電源ユニット10は、板状部96のネジ挿通孔96a,96aそれぞれに挿通されたネジ50cが、筐体1の側板5に固定され、板状部97のネジ挿通孔97aに挿通されたネジ50cが、筐体1の背板3に固定されることで、筐体1に固定されている。また、電源筐体90の左面および板状部96の左面は、筐体1の側板5に当接または近接している。また、突出部98,98の後端および板状部97の背面は、筐体1の背板3に当接または近接しており、電源筐体90の背面と筐体1の背板3との間には隙間が形成されている。また、電源筐体90の背面には、電源ユニット10の各部品を互いに固定するためのネジ99が、その頭部を電源筐体90の背面から後方に突出させた状態で取り付けられているが、当該頭部が、電源筐体90の背面と筐体1の背板3との間の隙間に収まるようになっている。
また、コネクタ94は、後側の端部が、開口105部分の内側(開口105に囲われた領域)に入り込んだ状態となっている。換言すると、コネクタ94の後端は、背板3の内面(筐体1の内面)よりも、後方に位置している。また、コネクタ94の後端は、背板3の外面(筐体1の外面)よりも1mm〜2mm程度凹んだ状態(前方(内側)に位置した状態)となっている。なお、コネクタ94の後端が、背板3の外面と面一となっていてもよい。
次に、メダル補給穴110およびメダル補給穴110を塞ぐメダル補給穴カバー112について、図9を参照しながら説明する。筐体1の背板3には、メダル補給穴110とメダル補給穴カバー112とが設けられている。メダル補給穴110は、店舗等において、スロットマシンXの後側からメダルを補給可能とする穴であり、このメダル補給穴110を介してホッパーユニット11にメダルを補給可能になっている。また、メダル補給穴カバー112は、メダル補給穴110を使用しない場合(メダル補給穴110を介したメダルの補給を行わない場合)に、メダル補給穴110を塞いでおくためのカバーである。
背板3には、メダル補給穴110の左側に、孔(カバー取付孔)120が設けられている。また、背板3の外面には、孔120に対応する位置にザグリ加工が施されて凹部122が形成されている。すなわち、背板3の外面には、孔120と同軸でかつ孔120よりも径の大きい凹部122が設けられている。また、背板3には、メダル補給穴110の右縁に隣接する部分を一部切り欠くようにして、凹部(係止用凹部)124が形成されている。
メダル補給穴カバー112は、略矩形板状となっている。また、メダル補給穴カバー112の背面左側には、後方に突出する係止用突出部126が設けられている。係止用突出部126は、略円筒状であり、突出方向先端部に、係止用の爪126aが形成されている。係止用突出部126は、孔120に挿入されるようになっており、挿入される際には爪126a部分が縮径して孔120に挿入されるととともに、挿入されると縮径されていた爪126a部分が元に戻り孔120の縁に係止されるようになっている。また、メダル補給穴カバー112の背面右側には、後方に突出する係止片128が設けられている。係止片128は、凹部124に適合する形状となっている。また、係止片128のメダル補給穴カバー112背面からの突出量は、係止用突出部126のメダル補給穴カバー112背面からの突出量よりも小さくなっている。また、メダル補給穴カバー112の右側上部には、指を差し入れ可能な穴129が設けられており、メダル補給穴カバー112の取り付け、取り外しの際に、作業者が穴129に指を挿入してメダル補給穴カバー112を持ったりメダル補給穴カバー112を下方に押し下げたりすることができるようになっている。
メダル補給穴カバー112は、筐体1の内側から取り付けられ、メダル補給穴110を内側から覆って塞ぐようになっている。また、メダル補給穴カバー112は、係止用突出部126が孔120に挿入され孔120の縁に係止されるとともに、係止片128が凹部124に係止された状態で、背板3に取り付けられるようになっている。このとき、メダル補給穴カバー112は、係止用突出部126が孔120の縁に係止されることで、背板3からの逸脱が防止されているとともに、係止用突出部126が孔120に挿入され、係止片128が凹部124に係止されることで、背板3に対する位置決めがされている。
メダル補給穴カバー112の背面は、背板3の内面に当接した状態となっている。また、係止用突出部126の後端は、背板3の外面よりも突出していない状態となっている。具体的には、係止用突出部126の爪126aは、凹部122の内側に配置されており、係止用突出部126の後端が、背板3の外面よりも1mm〜2mm程度凹んだ状態(内側に位置した状態)となっている。すなわち、メダル補給穴カバー112は、筐体1の外面よりも外側に突出した部分を有しないように形成され、取り付けられている。なお、係止用突出部126の後端等、メダル補給穴カバー112の一部が、筐体1の外面と面一となっていてもよい。
本実施形態の遊技機によれば、天板2と背板3と底板4と2つの側板5,6とを備え、箱形に形成された遊技機筐体1と、遊技機筐体1に取り付けられる把手60および複数のネジ50と、電源ケーブルが接続されるコネクタ94を有し、遊技機筐体1に収容され、所定の部品に電力を供給する電源ユニット10と、を備え、把手60と、コネクタ94と、天板2、背板3または側板5,6に取り付けられる全てのネジ50とが、遊技機筐体1よりも外側に突出していないので、遊技機を梱包する際等に、把手60、コネクタ94またはネジ50が引っ掛かったりして梱包がしにくいといったことや、把手60、コネクタ94またはネジ50等が損傷してしまったりすることを防止できる。また、コネクタ94の少なくとも一部が遊技機筐体1の内面よりも外側に突出しているので、遊技機筐体1の外部からコネクタ94へ電源ケーブルを接続する作業が容易となる。また、このようにコネクタ94、すなわち電源ユニット10の一部を遊技機筐体1の内面よりも外側に突出させて配置することで、電源ユニット10を筐体1の左奥に寄せて配置することが可能となり、電源ユニット10に対する不正な操作を防止することができる。
なお、基板ユニット16または電源ユニット10が、遊技に係る抽選に関する設定を変更する際に操作される設定変更ボタン(ボタンスイッチ)と設定変更キースイッチとを備えていてもよい。特に電源ユニット10が設定変更ボタンや設定変更キースイッチを備えている場合には、電源ユニット10を筐体1の左奥に寄せて配置することによる不正に設定が変更されることへの防止効果が高くなるが、仮に基板ユニット16が設定変更ボタンや設定変更キースイッチを備えている場合であっても、基本的には設定変更の際には電源スイッチ92も併せて操作されるため、この場合でも電源ユニット10を筐体1の左奥に寄せて配置することで不正な設定変更操作の防止につながる。
なお、把手60と、コネクタ94と、天板2、背板3または側板5,6に取り付けられるネジ50とは、その外側の端が、筐体1の外面(天板2、背板3または側板5,6の外面)よりも1mm〜2mm程度内側に位置するように配置されていてもよい。このように構成することで、各部材の製造上の誤差や、筐体1への取り付け誤差等が生じた場合(公差最大までずれた場合であっても)であっても、把手60やコネクタ94やネジ50が筐体1の外側に突出することを防止できる。なお、全ての把手60、コネクタ94およびネジ50の全てが筐体1の外面よりも1mm〜2mm程度内側に位置するように配置する必要はなく、特に誤差の生じやすい部材のみ、1mm〜2mm程度内側に位置するように配置されていればよい。
また、コネクタ94に接続される電源ケーブルのコネクタは、L型のコネクタとしてもよい。すなわち、電源ケーブルのコネクタは、コネクタ94に接続された状態において、電源ケーブルが例えば左右方向に延びる形状としてもよい。このような構成によれば、コネクタ94が、背板3の外面に近い位置に配置されている本実施形態の遊技機のような構成であっても、電源ケーブルのコネクタ部分において電源ケーブルに負荷がかかることを防止でき(例えば、電源ケーブルのコネクタ部分とケーブル部分との接続箇所が遊技機の後方の壁等に押し付けられ、当該接続箇所に負荷がかかることを防止でき)、当該コネクタ部分において電源ケーブルが断線してしまうことを防止できる。なお、電源ケーブルのコネクタをL型コネクタとする場合において、当該L型コネクタは、その一部が筐体1の外面よりも外側に突出するようになっていてもよく、突出しないようになっていてもよい。
また、本実施形態の遊技機においては、コネクタ94の後端が背板3の前面よりも後方に位置するものとしたが、電源ユニット10のその他の部分の後端が背板3の前面よりも後方に位置することとしてもよい。例えば、電源筐体90の後端が、背板3の前面よりも後方に位置していてもよい。また、電源筐体90の背面に、電源ユニット10で発生する熱を放熱するためのヒートシンクが設けられ、このヒートシンクが背板3の前面よりも後方に位置することとしてもよい。またこれらの場合に、コネクタ94は、その後端が背板3の前面よりも前方に位置していてもよく、後方に位置していてもよい。すなわち、電源ユニット10は、少なくともその一部が、開口105(開口に囲われた領域)の内側に位置し、当該一部が背板3の前面よりも後方に突出するようになっているとよい。このような構成によれば、電源ユニット10をできるだけ後方、さらに述べると左奥に配置することができ、不正な操作が行われる可能性を低減することができる。また、電源筐体90または前記ヒートシンクの少なくとも一部が背板3の前面よりも後方に突出するように、開口105の内側に入り込ませて配置することで、電源ユニット10の放熱性を高めることができる。なお、開口105の大きさは、この開口105の内側に配置される部材の大きさに応じて適宜設定すればよく、また複数の開口105が設けられていてもよい。また、本実施形態の遊技機においては、筐体1の内面と電源筐体90の突出部98,98および板状部97が当接または近接するようになっているが、例えば、筐体1の背板3の内面と電源筐体90の背面とが当接していていもよい。また、電源筐体90(電源ユニット10)は、筐体1の背板3および/または側板5,6に当接していなくてもよいが、コネクタ94ができる限り開口105に近づくとともに、できる限り遊技者等から遠ざかる位置に電源ユニット10が配置(本実施形態の遊技機においては、電源ユニット10が、できる限り後方に配置され、筐体1の背板3に近接又は当接するように配置)されることが望ましい。コネクタ94をできるだけ開口105に近づけることで、たとえコネクタ94の一部が筐体1の内面よりも外側に突出していなくても、電源ケーブルの接続をある程度容易にすることができる。
また、スロットマシンXは、メダル補給穴カバー112を備えていなくてもよいが、備えている場合には、メダル補給穴カバー112は、前述のように筐体1の外面よりも外側に突出した部分を有しないように形成され、取り付けられることが好ましい。すなわち、筐体1の外面(天板2、背板3、底板4、側板5または側板6の外面)よりも突出する部材が(電源ケーブルを除いて)存在しないように遊技機が構成されることが好ましい。
次に、筐体1の変形例である筐体141について図10を参照しながら説明する。筐体141は、筐体1と同様に、天板142、背板143、底板144および左右の側板145,146を備え、当該筐体141の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。また、天板142、底板144および左右の側板145,146の後端面142a,144a,145a,146aは、背板143の外側の板面143aよりも後方に突出している。また、天板142、底板144および左右の側板145,146の後端面142a,144a,145a,146aは、互いに面一となっている。なお、これらの後端面142a,144a,145a,146aは、互いに完全に面一でなくてもよく、略面一となっていてもよい。
このような筐体141を備える遊技機においては、ネジ50もしくはメダル補給穴カバー112等の背板143に取り付けられる部材、または電源ユニット10(コネクタ94)等の少なくとも一部が背板143の前面よりも後方に突出する部材は、天板142、底板144および左右の側板145,146の後端面142a,144a,145a,146aを通る仮想平面よりも突出していなければよい。すなわち、ネジ50、メダル補給穴カバー112または電源ユニット10(コネクタ94)等の一部が、背板143の外面143aよりも外側に突出していても、天板142、底板144および左右の側板145,146に囲われた領域内に収まっていればよい。具体的には、例えば、頭部が外側に位置するように取り付けられたネジ50の頭部や、ナット58等が、背板143の外面143aよりも外側に突出していてもよい。このような構成によれば、天板142、底板144および左右の側板145,146の後端面142a,144a,145a,146aによって、梱包材としての段ボール箱等が背板143の外面143aに向かってくるのを防ぐことができるので、ネジ50、メダル補給穴カバー112または電源ユニット10(コネクタ94)等が前記仮想平面よりも後方に突出していなければ、ネジ50、メダル補給穴カバー112または電源ユニット10(コネクタ94)等に梱包材等が引っ掛かったりすることを防止できる。なお、天板142、底板144および左右の側板145,146の後端面142a,144a,145a,146aは、互いに面一となっていなくてもよい。また、天板142、底板144または左右の側板145,146のうち、後端面142a,144a,145a,146aが背板143の外面143aよりも後方に突出していないものがあってもよい。天板142、底板144または左右の側板145,146のうち、少なくとも1つの後端面142a,144a,145a,146aが背板143の外面143aよりも後方に突出しており、ネジ50、メダル補給穴カバー112または電源ユニット10(コネクタ94)等の後端が、背板143の外面143aよりも後方に突出した端面142a,144a,145a,146aよりも後方に突出していなければ、前記同様にネジ50、メダル補給穴カバー112または電源ユニット10(コネクタ94)等に梱包材等が引っ掛かる等して、ネジ50、メダル補給穴カバー112または電源ユニット10が損傷したり、梱包の妨げとなったりすることを防止できる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図11(a)はスロットマシンXを示す斜視図である。また、図11(b)はスロットマシンXの筐体1内部を示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。また、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっている。
なお、以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」とも呼ぶこととする。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」とも呼ぶこととする。筐体1は木製、合成樹脂製、または金属製等である。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。
底板4の上面には、各部品に電力を供給するための電源ユニット10、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット11、ホッパーユニット11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。
また、筐体1内には、リールユニット14等が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cと、リール15a〜15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)と、これらリール15a〜15cおよび駆動モータ等が取り付けられこれらを一体的に支持するリールフレーム(フレーム部材)13とを有している。
また、筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。具体的には、前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分と下側部分とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシンXは、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能ないわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。
前扉20の上部中央には、平板状のパネル21が設けられている。また、パネル21は、その中央部に形成された透明な表示窓22と、表示窓22を囲うように形成され、絵柄が描かれた(印刷された)意匠部23とを備えている。
表示窓22の奥には、3個のリール15a〜15cが横一列に設けられている。そして、表示窓22を通してリール15a〜15cの一部が視認可能となっている。各リール15a〜15cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール15a〜15cが停止すると表示窓22を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。そして、3個の回転リールが停止したときに表示窓22を通して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。また、意匠部23の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって意匠部23に描かれた絵柄が背後から照らされるようになっている。
前扉20のパネル21の上部には、報知や演出などを行うための照明装置24が設けられている。また、前扉20の左右両端部には、報知や演出などを行うための照明装置25,25が設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられることによって、遊技機の前面側の外形が凹凸したものとなっている。そして、これら装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。また、このような凹凸した装飾部材26を備える前扉20の側面は、左右方向において左右の側板5,6の外面よりも僅かに内側に位置している。また、このような凹凸した装飾部材26を備える前扉20の上面は、天板2の外面よりも僅かに内側(下側)に位置している。
また、前扉20の上部および下部には複数のスピーカ27が設けられている。スピーカ27は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、照明装置24やスピーカの他に、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する液晶ディスプレイや、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシンXを操作するための操作部30が設けられている。操作部30には、クレジットされたメダルを払い出すための精算スイッチ31、遊技を開始させるためのスタートレバー990、3個のリール15a〜15cそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン33、メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口821、メダル投入口821の下方で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン、メダルをゲームに投資(ベット)するときに操作されるベットボタン35等が設けられている。
また、前扉20の下端部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿38とが形成されている。また、操作部30とメダル受け皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。また、下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。
筐体1における天板2は、木製、合成樹脂製、または金属製等である。なお、天板2は、例えば板状の樹脂(外側)と板状の金属(内側)とを2枚重ねた構造としてもよい。図12に示すように、天板2には、複数の取付穴201が設けられている。取付穴201は、遊技機を遊技場の島設備に取り付ける際に用いられる穴(島固定用穴)である。すなわち、取付穴201は、筐体1の島設備への取り付けに用いられる。
作業者は、前扉20を開いた状態で筐体1の内側から固定部材(締結部材)としてのネジ(例えば木ネジ)を、下から上に向かって取付穴201にねじ込み、さらにネジを取付相手部材(島側の部材)にもねじ込むことで、遊技機を島設備に固定する。これによりネジの頭部は、筐体1の内側に配置されることとなる。取付穴201は、ネジを螺合させることが可能に形成されており、取付穴201の直径は、例えばネジにおけるねじ山が形成されている部分(ねじ部)の直径(ねじ部の外径)よりも小さくなっている。なお、本実施形態では、取付穴201を円形状(丸穴)としているが、ネジを螺合させることが可能な形状であれば、楕円、長穴等となっていてもよい。また、取付穴201は、貫通穴に限らず非貫通の穴であってもよい。すなわち、取付穴201は、天板2の内面側に設けられた一定の深さを有する凹み形状であってもよい。また、固定部材としてネジを用いることとするが、例えば釘等の他の固定部材を用いてもよい。
本実施形態では、天板2における左側と右側とに、取付穴201を、前後方向(奥行方向)に沿って、所定の間隔ごとに一列に並ぶように設けている。本実施形態では、左側に3箇所、右側に3箇所の合計6箇所の取付穴201を設けている。6箇所の取付穴201は、すべてが遊技機の取り付け(固定)に用いられる必要はない。すなわち、取付穴201は、天板2における左側と右側とに少なくとも1箇所ずつ設けられているものであればよい。ただし、本実施形態のように取付穴201を6箇所に設けた場合、作業者は、使用する取付穴201を適宜選択することができる。すなわち、左側3箇所のうちのいずれか1箇所の取付穴201と、右側3箇所のうちのいずれか1箇所の取付穴201と、を選択することできる。このように複数の取付穴201を設けておくことで、取付相手部材の劣化等によりネジ締めが困難な場合に、使用する取付穴201の位置を前後方向で変更することができる。なお、取付穴201は、固定部材(ネジ)をねじ込むために設けられている仮穴ともいえ、固定部材(ネジ)をねじ込む際の目安となる。
<主制御基板およびサブ制御基板>
図12に示すように、筐体1の内部における上側(天板側)には、主制御基板ユニット220が設けられている。また、図13に示すように、前扉20の裏側(背面側)における上側には、副制御基板ユニット230が設けられている。また、図15は、図14に示すY−Y線における断面図である。図15に示すように、主制御基板ユニット220は、主制御基板221と、主制御基板221を覆う(主制御基板221を内部に収容する)主制御基板ケース222とを備えている。主制御基板221には、複数の電子部品(CPU、ROM、RAM、I/O等)が実装されている。主制御基板221は、ベットボタン35、スタートレバー990、ストップボタン33(ストップボタン33a,33b,33c)、メダルセンサ等の入力装置からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット14や、ホッパーユニット11等の出力装置の制御を行う。また、主制御基板ケース222は、透明な樹脂等で形成され、主制御基板221を保護している。
また、副制御基板ユニット230は、副制御基板231と、副制御基板231を覆う(副制御基板231を内部に収容する)副制御基板ケース232とを備えている。副制御基板231には、複数の電子部品が実装されている。副制御基板231は、主制御基板221から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置(液晶ディスプレイやスピーカ27等)の制御を行う。また、副制御基板ケース232は、透明な樹脂等で形成され、副制御基板231を保護している。
ここで遊技機の島設備への取り付けにおいて生じ得る問題について説明する。作業者は天板2に設けられている取付穴201を用いてネジ締めを行うが、その際にゴミ(木、樹脂、金属等のくずや粉等)が発生することがある。このゴミ(異物)が、仮に主制御基板221または副制御基板231に付着した場合、誤動作や故障等の不具合が生じるおそれがある。特にゴミが金属製のゴミである場合、回路のショート等を招くおそれがある。
図15における破線a、破線bおよび破線cは、それぞれの取付穴201(3箇所)から鉛直方向(鉛直下方、直下)に引いた破線である。本実施形態では、上記の問題の発生を抑制するために、取付穴201の鉛直下方(直下)となる位置に、主制御基板221および副制御基板231が設けられていない(配置されていない)。換言すると、取付穴201の鉛直下方とはならない位置に、主制御基板221および副制御基板231を配置している。さらに換言すると、取付穴201、主制御基板221および副制御基板231の位置関係が、取付穴201の鉛直下方に、主制御基板221および副制御基板231が存在しない位置関係となっている。このように構成することで、遊技機を島設備へ固定する際のネジ締めでゴミが発生した場合であっても、取付穴201から鉛直下方に落下するゴミが、主制御基板221および副制御基板231のいずれにも付着することがない。これにより、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。
また、前後方向における最も後方に設けられている取付穴201の鉛直下方に(いずれの取付穴201の鉛直下方にも)、主制御基板221を覆う主制御基板ケース222が配置されていない。また、前後方向における最も前方に設けられている取付穴201の鉛直下方に(いずれの取付穴201の鉛直下方にも)、副制御基板231を覆う副制御基板ケース232が配置されていない。このため、ネジ締めの際のゴミが主制御基板ケース222および副制御基板ケース232のいずれにも付着することがない。したがって、当該ゴミが主制御基板ケース222および副制御基板ケース232を伝って内部に侵入することがない。取付穴201の鉛直下方に、基板のみならず基板ケース(主制御基板ケース222および副制御基板ケース232)をも配置されないように構成することで、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<メイン裏箱基板およびサブ裏箱基板>
図12に示すように、筐体1の内部における上側(天板側)には、メイン裏箱基板ユニット223およびサブ裏箱基板ユニット224が設けられている。メイン裏箱基板ユニット223は背板3に取り付けられている。サブ裏箱基板ユニット224は左側板5に取り付けられている。図16は、各基板ユニットの基板ケースを取り外した状態(基板を露出させた状態)を示している。メイン裏箱基板ユニット223は、メイン裏箱基板223a(図16)とメイン裏箱基板223aを覆うメイン裏箱基板ケース223b(図12)とを備えている。また、サブ裏箱基板ユニット224は、サブ裏箱基板224a(図16)とサブ裏箱基板224aを覆うサブ裏箱基板ケース224b(図12)とを備えている。図16に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置には、メイン裏箱基板223aおよびサブ裏箱基板224aがいずれも配置されていない。このため、ネジ締めの際のゴミがメイン裏箱基板223aおよびサブ裏箱基板224aに付着せず、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。また、図12に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置に、メイン裏箱基板ケース223bおよびサブ裏箱基板ケース224bも配置されていない。よって、ネジ締めの際のゴミが、メイン裏箱基板ケース223bおよびサブ裏箱基板ケース224bに付着することがなく、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<外部端子板(外部集中端子板)>
図17に示すように、筐体1の内部には、外部端子板ユニット225が設けられている。本実施形態では、外部端子板ユニット225は右側板6に取り付けられている。外部端子板ユニット225は、外部端子板225aと、外部端子板225aの周囲を囲む外部端子板ケース225bとを備えている。なお、外部端子板ケース225bは、外部端子板225a全体を覆うケースであってもよい。外部端子板225aは、遊技機を外部の電子機器(データ表示装置やホールコンピュータ等)に接続するために設けられ、外部端子板225aからは、遊技機の状態等を表す各種の外部情報信号が外部の電子機器に向けて出力される。本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置に、外部端子板225aが配置されていない。このため、ネジ締めの際のゴミが外部端子板225aに付着せず、不具合が発生するのを抑制できる。また、取付穴201の鉛直下方となる位置に外部端子板ケース225bも配置されていない。このため、不具合が発生する確率をさらに低減できる。なお、本実施形態では、外部端子板ユニット225が右側板6に取り付けられるものとしたが、外部端子板ユニット225は例えば左側板5に取り付けられていてもよい。その場合であっても、取付穴201の鉛直下方には、外部端子板ユニット225が配置されない。
<電源ユニット>
図12に示すように、筐体1の内部における下側(底板側)には、略直方体の箱状である電源ユニット10が配置されている。電源ユニット10は、底板4に載置され左側板5に固定されている。電源ユニット10は、電源基板ケース251、電源スイッチカバー252、電源スイッチ(図示せず)、および電源基板254(図16参照)等を備えている。そして、本実施形態では、図18に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置に電源基板254が配置されていない。したがって、ネジ締めの際のゴミが電源基板254に付着せず、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。
また、図19に示すように、取付穴201の鉛直下方に電源ユニット10自体が配置されていない。このため、ネジ締めの際のゴミが電源ユニット10(電源基板ケース251)に付着することがない。したがって、当該ゴミが電源基板ケース251を伝って内部に侵入することがない。これにより、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<前扉に設けられている基板>
図20は、前扉20を背面側から見た図であり、各基板ユニットの基板ケース等を取り外して、基板を露出させた状態としている。前扉20の背面側には、副制御基板231、複数のLED基板234、および複数の中継基板233が設けられている。LED基板234は、少なくとも1つの光源(LED)が実装された基板である。また、中継基板233には、所定の基板(メイン裏箱基板等)と所定の装置(入力装置、出力装置等)とを繋ぐ中継基板や、所定の基板(サブ制御基板等)と所定の基板(LED基板等)とを繋ぐ中継基板等がある。なお、本実施形態では、図15に示すように、副制御基板231は、前扉20に設けられる基板の中で、最も後方側に配置されている。換言すると、前扉20に設けられる副制御基板231以外の基板は、副制御基板231よりも前方側に配置されている。
本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置に、前扉20に設けられているすべての基板がいずれも配置されていない。なお、前扉20に設けられる副制御基板231、LED基板234および中継基板233以外の基板としては、液晶制御基板等がある。このように構成することで、ネジ締めの際のゴミが、前扉20に設けられているすべての基板のいずれにも付着することがない。これにより、誤動作や故障等の不具合の発生を抑制できる。
また、副制御基板231以外の前扉20に設けられる基板で、基板ケースに覆われているもの(基板ケースに収納されているもの)が存在してもよい。例えば、図20で示した2つの中継基板233は、図13に示すように、それぞれ中継基板ケース233aに覆われている。なお、本実施形態では、図15に示すように、副制御基板ケース232は、前扉20に設けられる基板ケースの中で最も後方側に配置されている。換言すると、前扉20に設けられる副制御基板ケース232以外の基板ケースは、副制御基板ケース232よりも前方側に配置されている。本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置に、前扉20に設けられている基板を覆うすべての基板ケースのいずれもが配置されていない。これにより、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<リールLED基板(リールバックライト基板)>
図12に示すように、筐体1の内部であって上下方向の略中央部には、板状の中板7(リールフレーム13を構成)が取り付けられている。また、この中板7には、リールユニット14が配置されている。中板7は、リールユニット14の支持部材といえる。リールユニット14における各リール15a〜15cは、上段図柄、中段図柄、および下段図柄の3図柄に光を照射する光源(LED)が実装されたリールLED基板(リールバックライト基板)228(図16参照)を備えている。そして、図15に示すように、本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置には、リールバックライト基板228が配置されていない。このため、ネジ締めの際のゴミがリールバックライト基板228に付着せず、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。
<すべての基板>
本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置に、すべての基板が配置されていない。当該すべての基板には、筐体1の内部に設けられる基板と、前扉20に設けられる基板とがある。このため、ネジ締めの際のゴミがいずれの基板にも付着せず、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。
<すべての基板ケース>
本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置に、各基板を覆うすべての基板ケースのいずれもが配置されていない。当該すべての基板ケースには、筐体1の内部に設けられる基板ケースと、前扉20に設けられる基板ケースとがある。このため、ネジ締めの際のゴミがいずれの基板ケースにも付着せず、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<変形例1>
本実施形態では、図15に示すように、前後方向において、取付穴201の鉛直下方に、主制御基板221および副制御基板231が配置されていないものとしたが、以下のように構成してもよい。図18に示すように、左取付穴201と右取付穴201との左右方向間隔を左右方向間隔Aとする。また、主制御基板221の左右方向長さを左右方向長さBとする。また、図20に示すように、副制御基板231の左右方向長さを左右方向長さCとする。本変形例では、取付穴201の左右方向間隔Aを、主制御基板221の左右方向長さBおよび副制御基板231の左右方向長さCの両方よりも広い間隔とする。言い換えると、左右方向間隔Aの内側に、主制御基板221(左右方向長さB)および副制御基板231(左右方向長さC)が配置されるように構成する。
このように構成することで、仮に主制御基板221がより前方側に配置された場合や、副制御基板231がより後方側に配置された場合であっても、取付穴201が主制御基板221の左右方向両端および副制御基板231の左右方向両端よりも左右方向外側に設けられているため(取付穴201が左右方向に逃げているため)、取付穴201の鉛直下方となる位置に、主制御基板221および副制御基板231が配置されない。このため、ネジ締めの際のゴミが主制御基板221および副制御基板231に付着せず、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。
<変形例2>
本実施形態では、図15に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置に、リールバックライト基板228が配置されていないものとしたが、取付穴201の鉛直下方となる位置にリールバックライト基板228を配置してもよい。図15に示すように、リール15bは、リール本体部229、リールテープ226、リフレクタ227、リールバックライト基板228等を備えている。帯状のシート部材であるリールテープ226は、リール本体部229に巻回されている。なお、説明を省略するが、リール15a,15cも同様の構成となっている。したがって、取付穴201の鉛直下方となる位置にリールバックライト基板228が配置された場合であっても、リールバックライト基板228の上方側には常にリールテープ226が存在する。換言すると、リールバックライト基板228の上方側はリールテープ226に覆われている。さらに換言すると、取付穴201とリールバックライト基板228との間には、リールテープ226が配置されている(介在している)。
このように構成することで、ネジ締めの際にゴミが発生した場合であっても、落下したゴミがリールテープ226に当たるため、リールテープ226の内側に侵入することがない。このため、落下したゴミがリールバックライト基板228に付着しない。これにより、誤動作や故障等の不具合が発生するのを抑制できる。
<変形例3>
本実施形態では、図19に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置に、リール15aとリール15cとが配置されているものとしたが、取付穴201の鉛直下方となる位置に、リール(リール15a〜15c)が配置されていないように構成してもよい。ここで、リール15aの左端からリール15cの右端までの左右方向幅を左右方向幅Dとする。(1)左右方向間隔Aを変更せずに、左右方向幅Dを左右方向間隔Aよりも小さくする。換言すると、左リールの左端から右リールの右端までの左右方向幅Dが、取付穴201の左右方向間隔Aよりも小さい。なお、左右方向幅Dを小さくする方法としては、各リールの幅を小さくする方法がある。または(2)左右方向幅Dを変更せずに、左右方向間隔Aを左右方向幅Dよりも大きくする。換言すると、取付穴201の左右方向間隔Aが、左リールの左端から右リールの右端までの左右方向幅Dよりも大きい。なお、(1)と(2)とに分けたが、左右方向幅Dおよび左右方向間隔Aの両方を変更してもよい。
なお、リール15a〜15cはそれぞれ、枠体の外周側にリールテープが巻回されて構成されている。リールテープの左右方向幅は、枠体の左右方向幅よりも小さくなっている。上記では、左右方向幅Dを、リール15aにおける枠体の左端からリール15cにおける枠体の右端までとしたが、左右方向幅Dを、リール15aにおけるリールテープの左端からリール15cにおけるリールテープの右端までとしてもよい。後者の左右方向幅Dの場合、前者の左右方向幅Dの場合よりも例えば2〜3mm程度小さくなる。
取付穴201の鉛直下方となる位置に、リール15a〜15cがいずれも配置されないように構成することで、ネジ締めの際のゴミがリール15a〜15c(各リールテープ)のいずれにも付着しない。このため、リール15a〜15cを伝って内側にゴミが侵入しない。これにより、当該ゴミがリールバックライト基板228に付着せず、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<変形例4>
本実施形態では、図19に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置に、ホッパーユニット11が配置されているが、取付穴201の鉛直方向において、天板2(取付穴201)とホッパーユニット11との間には、中板7が配置されている。この中板7は、ネジ締めの際のゴミがホッパーユニット11の内部に侵入するのを妨げる。したがって、当該ゴミがホッパーユニット11の内部に侵入することにより不具合が発生するのを抑制できる。
本変形例では、さらに以下のように構成する。図19に示すように、ホッパーユニット11の左右方向幅を左右方向幅Eとする。(1)取付穴201の左右方向間隔Aを変更せずに、ホッパーユニット11の左右方向幅Eを小さくし、ホッパーユニット11を取付穴201の左右方向間隔Aの内側に配置する。換言すると、左右方向幅Eが左右方向間隔Aよりも小さい。または(2)ホッパーユニット11の左右方向幅Eを変更せずに、取付穴201の左右方向間隔Aをホッパーユニット11の左右方向幅Eよりも大きくし、取付穴201の位置をホッパーユニット11よりも左右方向外側とする。換言すると、左右方向間隔Aが左右方向幅Eよりも大きい。なお、(1)と(2)とに分けたが、左右方向幅Eおよび左右方向間隔Aの両方を変更してもよい。
取付穴201の鉛直下方となる位置に、ホッパーユニット11が配置されないように構成することで、ネジ締めの際のゴミがホッパーユニット11の内部により侵入しにくくなる。これにより、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<変形例5>
本実施形態では、図19に示すように、筐体1の内部における下側(底板側)に、キャッシュボックス12が配置されている。キャッシュボックス12は、底板4の上の右側に配置されている。取付穴201の鉛直下方にキャッシュボックス12が配置されているが、取付穴201の鉛直方向において、天板2(取付穴201)とキャッシュボックス12との間に、中板7が配置されている。この中板7は、ネジ締めの際のゴミがキャッシュボックス12の内部に侵入するのを妨げる。したがって、当該ゴミがキャッシュボックス12の内部に侵入することにより不具合が発生するのを抑制できる。なお、取付穴201の鉛直方向に、底板4が配置されている。
本変形例では、さらに以下のように構成する。図19に示すように、キャッシュボックス12の左右方向幅を左右方向幅Fとする。(1)取付穴201の左右方向間隔Aを変更せずに、キャッシュボックス12の左右方向幅Fを小さくし、キャッシュボックス12を右側に寄せて配置する。または(2)キャッシュボックス12の左右方向幅Fを変更せずに、取付穴201の左右方向間隔Aを小さくする。なお、(1)と(2)とに分けたが、左右方向幅Fおよび左右方向間隔Aの両方を変更してもよい。
取付穴201の鉛直下方となる位置に、キャッシュボックス12が配置されないように構成することで、ネジ締めの際のゴミがキャッシュボックス12の内部により侵入しにくくなる。これにより、不具合が発生する確率をさらに低減できる。
<変形例6>
本実施形態では、図19に示すように、取付穴201の鉛直下方となる位置に、電源ユニット10が配置されていないものとしたが、取付穴201の鉛直下方となる位置に電源ユニット10が配置されるように構成してもよい。取付穴201の鉛直下方に電源ユニット10が配置されていたとしても、取付穴201の鉛直方向において、天板2(取付穴201)と電源ユニット10との間に、中板7が配置されている。この中板7はネジ締めの際のゴミが電源ユニット10に付着するのを妨げる。したがって、当該ゴミが電源ユニット10の内部に侵入せず、不具合が発生するのを抑制できる。
<変形例7>
本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置にすべての基板が配置されていないものとしたが、仕様等により取付穴201の鉛直下方となる位置に基板を配置する場合がある(ただし、少なくとも主制御基板221および副制御基板231は配置されていない)。本変形例では、取付穴201の鉛直下方となる位置に所定の基板を配置する場合であっても、基板の板面が上方を向いた基板を配置しないものとする。板面が上方を向いた基板とは、基板の板面と鉛直方向(上下方向)とが垂直となっているものに限らず、基板の板面が水平面に対して所定の角度だけ傾いているものであってもよい。図21に示すように、基板の板面と水平面とがなす角度を基板の傾斜角度αとすると、本変形例では、取付穴201の鉛直下方に、基板の傾斜角度αが0°〜45°程度となっている基板(上向き基板)は配置しない。
基板の板面が上方を向いていると、板面に付着したゴミが下方へ落下せずにその場所に留まり続ける。このため、基板の不具合の原因となる。本変形例では、取付穴201の鉛直下方となる位置に、板面が上方を向いた基板を配置しないため、かかる不具合が発生するのを抑制できる。
<変形例8>
本実施形態では、取付穴201の鉛直下方となる位置にすべての基板ケースが配置されていないものとしたが、仕様等により取付穴201の鉛直下方となる位置に基板ケースを配置する場合がある。図22は、基板ユニット330の一例を示している。基板ユニット330は、コネクタ311が実装された基板310と、基板310を覆う基板ケース320とを備えている。図22(a)に示すように、基板ケース320には、コネクタ311を露出させるコネクタ開口部321が設けられている。図22(b)は、基板310を板面が上方を向くように(基板310の板面が鉛直方向と略垂直となるように)配置した状態(断面)を示しており、基板310の上方を覆う基板ケース320には、上下方向の貫通穴であるコネクタ開口部321が設けられている。このようなコネクタ開口部321を、開口が上方を向いている(上方に向かって開口している)という。基板ケース320は、コネクタ開口部321の向きが上方向となるように配置されている。なお、図22(b)では断面であることを示すハッチングを省略している。また、図示は省略するが、基板ケース320は、コネクタ開口部321の向きが下方向となるように配置されていてもよい。
本変形例では、基板ケース320が、コネクタ開口部321の向きが上下方向となるように配置されているが、取付穴201の鉛直下方(直下)に、基板ケース320が配置されていても、コネクタ開口部321は配置されていない。このように構成することで、取付穴201から鉛直下方に落下したゴミが、コネクタ開口部321の内周面とコネクタ311の側面との隙間から、基板ケース320の内部に侵入するのを防止できる。これにより、不具合が発生するのを抑制できる。
<ホッパーレール>
図23(a)に示すように、底板4の上面には、金属製のベース部401が配置されている。また、ベース部401の上面には、レール部410が設けられている。レール部410は、ベース部401を挟むようにして、ネジ締めにより底板4に固定されている。レール部410は、一対のレール部、すなわち左レール部420と右レール部430とを備えている。左レール部420および右レール部430は前後方向に延びており、互いに略平行となるように配置されている。なお、底板4にも島設備への取付穴202が複数設けられている。また、図23(b)に示すように、ホッパーユニット11における下方の左右両側には、金属製で長尺板状に形成されたスライド部11aが設けられている。レール部410は、スライド部11aを前後方向にスライド可能に保持する。
以下、左レール部420を用いて説明する。右レール部430は、左レール部420と同様の構成であるため、説明を省略する。図24(a)は、図23(a)に示すP方向から左レール部420のみを見た図である。図24(b)は、図23(a)に示すQ方向(前方)から左レール部420のみを見た図である。また、図24(c)は、図23(a)に示すR方向から左レール部420、およびベース部401を見た図である。
図24(b)に示すように、左レール部420は、前方から見るとクランク形状となっており、取付部421と、側方ガイド部422と、上方ガイド部423とを備えている。取付部421は、筐体1(底板4)への固定に用いられる部位である。側方ガイド部422は、底板4と略垂直な面を備えており、スライド部11aの左右方向への動きを規制する部位である。上方ガイド部423は、底板4と略平行な面を備えており、スライド部11aの上方への動きを規制する部位である。また、上方ガイド部423は、ベース部401の上面との間に所定の隙間(スライド部11aの厚さよりも大きい)を形成している。
また、図24(a)に示すように、左レール部420は、側方から見るとL字状となっており、上方ガイド部423の後端から下方に向かって延びるように形成されたストッパー部424を備えている。図24(c)に示すように、ストッパー部424は、ベース部401に設けられた穴に挿し通され、その先端は底板4に設けられた凹部(図示せず)に収容されている。
ここで、図24(b)に示すように、ストッパー部424の左右方向の長さを左右方向長さZとする。ストッパー部424の左右方向長さZとは、側方ガイド部422の内側の面から、ストッパー部424における側方ガイド部422側とは反対側の端面(筐体1の内部において内側に位置する端面)までの長さである。なお、本例では、側方ガイド部422の内側の面と、ストッパー部424との間に左右方向隙間βを設けているが、この左右方向隙間βは設けられていなくてもよい(側方ガイド部422の後端側とストッパー部424とが連なる形状となっていてもよい)。このストッパー部424の左右方向長さZは、メダルの直径の半分(1/2)未満の長さとなっている。
ここで、ベース部401と、側方ガイド部422と、上方ガイド部423との間にメダルを存在させた状態(メダルが挟まった状態)で、ホッパーユニット11のスライド部11aを後方側に向かって移動させる場合を考える。メダルは、スライド部11aに押されて徐々に後方側へと移動する。そして、メダルはストッパー部424に接触する。このとき、ストッパー部424の左右方向長さZが、メダルの直径の半分(1/2)未満の長さとなっているため、メダルは停止することなく、そのまま後方側へと押し出されて、レールから排出される。仮にストッパー部424の左右方向長さZが、メダルの直径の半分以上である場合、ストッパー部424とスライド部11aとの間にメダルが挟まって停止し、ホッパーユニット11がそれ以上後方側へ移動しない状態となる。この場合、ホッパーユニット11を手前に引き出してメダルを取り除き、再度ホッパーユニット11を前方から後方へ移動させなければならないという手間が生じる。本例では、ストッパー部424の左右方向長さZを、メダルの直径の半分(1/2)未満としているため、そのような手間の掛かる作業が発生するのを防止できる。
<取付穴の変形例>
図30は、天板2を裏面から見た図である。第2の実施形態では、小径の取付穴201を示したが、図30に示すように、所定の範囲を有する取付穴350としてもよい。取付穴350は、枠部材352に設けられており、枠部材352は、下方から木製の板部351に取り付けられている。取付穴350は、その上方側が板部351に覆われている(塞がれている)状態となっている。なお、枠部材352は、金属製または樹脂製等である。本変形例では、略四角形状の取付穴350を、左右方向に沿って6箇所に設けている。天板2は、少なくとも板部351と枠部材352とを備えている。取付穴350は、その範囲の内側においてネジをねじ込むことが可能となっている。なお、図30では、取付穴350を6箇所に設けているが、6箇所よりも多くても少なくてもよい。
作業者は、取付穴350の内側におけるいずれかの箇所(位置)を選択してネジをねじ込むことができる。遊技場において遊技機を移動する際、遊技機を取り外して別の場所(島設備)へ取り付けるが、その際に一度設けた穴(貫通穴)を再び使用すると、穴径が拡大していることや取付相手側が劣化していること等に起因して固定が不十分となることがある。本変形例のように、所定の範囲を有する取付穴350とすることで、作業者がネジをねじ込む位置を選択する自由度が広がる。これにより、ネジ締めの位置を適宜変更することができ、遊技機の取り付け、取り外しを繰り返す場合であっても、遊技機を確実に固定できる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。以下、第2の実施の形態で説明した構成と同一または相当する機能を有する構成については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図25(a)に示すように、本実施形態に係るスロットマシンMは、回胴部500を備えている。回胴部500は、図25(b)に示すように、種々の部品を設置可能に形成された支持体としての枠体521と、枠体521に固定されたリールユニット530および基板ユニット540と、枠体521に設けられたフレームベース510とを備えている。枠体521は樹脂製であり、フレームベース510は金属製である。
図26(a)に示すように、枠体521における左右両側には、筐体1の内部への取り付けに用いられる取付穴522がそれぞれ設けられている。取付穴522は、長穴となっている。また、図26(b)は、枠体521を背面側から見た図であるが、取付穴522の周囲には、他の面よりも一段突出するように形成された第1当て面523が設けられている。第1当て面523を設けることで、寸法の管理、調節が容易となる。
図27(a)に示すように、筐体1の内部における左右両側には留め具550が設けられている。図27(b)に示すように、留め具550は、本体部551と、本体部551に回転可能に支持されたつまみ部552を備えている。本体部551における最も前方側(つまみ部552側)の面は、第2当て面553となっている。また、つまみ部552の先端形状は所定の厚さを有するリブ状となっており、枠体521の取付穴522に挿し通すことが可能な形状となっている。
回胴部500を筐体1に組み付ける際には、まず、作業Aを行う。作業Aは、2箇所のつまみ部552を2箇所の取付穴522に挿通させつつ、回胴部500を奥側に押し当てる。次に、2箇所のつまみ部552を90°回転させる。この作業Aを行うと、枠体521が、つまみ部552の裏側の面と本体部551の第2当て面553との間に挟み込まれる。このとき、枠体521の第1当て面523と本体部551の第2当て面553とが当接する。これにより、回胴部500の前後方向(奥行方向)の位置が規制される。なお、このとき、回胴部500は左右方向には若干移動させることが可能となっている。
図28(a)に示すように、筐体1の左側板5における内側の面には、第3当て面5aが設けられている。また、左側板5の内側の面には、上下方向に沿って2箇所にねじ穴5bが設けられている。このねじ穴5bには雌ねじ部が設けられている。
図28(b)に示すように、枠体521の左側の側壁(左側壁)における外側の面には、第4当て面524が設けられている。また、枠体521の左側壁には、上下方向に沿って2箇所に貫通穴525が設けられている。貫通穴525は、ねじ穴5bに対応する位置に設けられている。
図29に示すように、固定部材560は、雄ねじ部561と頭部562とを備えている。頭部562は、径方向外側に向かって突出した薄板状の2つの突出部を有している。このような頭部562を設けることで、工具を用いることなく手動で固定部材560を締め付けることができる。
上述の作業Aの後に行う作業Bは、雄ねじ部561を有する固定部材560を、貫通穴525に挿通させてねじ穴5bにねじ込む。この作業Bを行うと、枠体521(回胴部500)が筐体1の左側板5に押し当てられ、左側板5の第3当て面5aと枠体521の第4当て面524とが当接する。これにより、回胴部500の左右方向の位置が規制される。なお、このとき、枠体521の右側の側壁と、筐体1の右側板6との間には、所定の隙間が形成されている。
本実施形態によれば、回胴部500の前後方向および左右方向の位置を、当て面同士が接触(当接)する関係により規制している。このため、筐体1に回胴部500を組み付ける際の組付け誤差を低減できる。これにより、リールユニットの位置ずれを抑制でき、リールの位置がずれることによって遊技者が違和感を抱く可能性を抑制できる。
また、本実施形態では、回胴部500を片側(左側)のみで固定することとしている。すなわち、回胴部500を片側(左側)のみで位置決めすることとしている。仮に回胴部500を、左側および右側の両方で固定可能に構成すると、左または右のうち、先に固定部材560で締め付けた方に回胴部500が寄ってしまうという問題が生じる。本実施形態では、片側(左側)でのみ回胴部500を固定する構成としているため、そのような問題が生じるのを防止できる。
また、留め具550および固定部材560を用いて回胴部500を筐体1に容易に取り付けできる構成とすることで、作業者によって組み付け位置がばらつくのを抑えられる。すなわち、誰が作業を行っても同等の組み付け位置とすることができる。
なお、本発明は、前述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。