JP2021118363A - 点火コイル - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性を向上することができる点火コイルを提供する。【解決手段】点火コイル1は一次コイル11と二次コイル12と中心コア2と一対の分割コア3とを備える。一対の分割コア3の少なくとも一方はコイル軸方向Xにおける中心コア2のコア前面211にコイル軸方向Xに対向する第一対向面311を有する。それぞれの分割コア3は中心コア2の後端部23に縦方向Yの互いに反対側から対向する第二対向面331を有する。第一対向面311はコイル軸方向Xに直交する面に沿って形成されている。少なくとも一方の第二対向面331及びこれに対向する中心コア2の面部は傾斜面対4を構成している。傾斜面対4を構成する第二対向面331及び中心コア2の前記面部は、コイル軸方向Xにおける第一対向面311から遠い側の部位ほど縦方向Yにおける他方の第二対向面331側に向かうよう形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、点火コイルに関する。
特許文献1に記載の点火コイルは、一次コイル及び二次コイルの内側に挿入されたセンタ鉄心と、センタ鉄心の一端面に配された永久磁石と、一次コイル及び二次コイルの巻回軸方向におけるセンタ鉄心の両面に対向し、センタ鉄心を囲むよう環状に形成されたサイド鉄心とを備える。
サイド鉄心は、それぞれL字形状の第一サイド鉄心部分及び第二サイド鉄心部分を組み合わせることで環状に形成されている。第一サイド鉄心部分は、永久磁石におけるセンタ鉄心と反対側の面に当接しており、第二サイド鉄心部分は、センタ鉄心における永久磁石と反対側の面に当接している。また、第一サイド鉄心部分と第二サイド鉄心部分とは、互いに前記巻回軸方向に直交する直交方向に接合されている。
ここで、第一サイド鉄心と永久磁石との間、或いは第二サイド鉄心とセンタ鉄心との間にギャップ(すなわち間隔)が形成されると、点火コイルとしての性能が低下する。
そこで、特許文献1に記載の点火コイルは、第一サイド鉄心部分と第二サイド鉄心部分との接合面が、前記巻回軸方向に平行になるよう形成されている。これにより、センタ鉄心及び永久磁石に第一サイド鉄心部分と第二サイド鉄心部分とを組み付ける際、第一サイド鉄心部分と第二サイド鉄心部分との接合面同士を前記直交方向に当接させた後、第一サイド鉄心部分と第二鉄心部分とが互いにコイル軸方向に近付くように、互いの接合面間をスライドさせることができる。これにより、第一サイド鉄心と永久磁石との間、及び、第二サイド鉄心とセンタ鉄心との間を、当接した状態にすることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の点火コイルにおいては、第一サイド鉄心部分と第二サイド鉄心部分とを組み付ける際、これらを互いに前記直交方向に近付ける方向に押すとともに、これらを互いに前記巻回軸方向に近付ける方向に押す必要がある。それゆえ、特許文献1の点火コイルは、点火コイルの組付作業が煩雑になりやすく、生産性向上の観点から改善の余地がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、生産性を向上することができる点火コイルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、互いに磁気結合した一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
コイル軸方向(X)の両端部を突出させるよう前記一次コイル及び前記二次コイルの内周側に配された中心コア(2)と、
コイル軸方向に直交する縦方向(Y)における前記一次コイル及び前記二次コイルの両外側にそれぞれ配され、前記中心コアとともに閉磁路を形成する一対の分割コア(3)と、を備え、
一対の前記分割コアの少なくとも一方は、コイル軸方向における前記中心コアの一方側の中心コア端面(211)にコイル軸方向に対向する第一対向面(311)を有し、
それぞれの前記分割コアは、コイル軸方向における前記中心コアの他方側の端部に前記縦方向の互いに反対側から対向する第二対向面(331)を有し、
前記第一対向面は、コイル軸方向に直交する面に沿って形成されており、
少なくとも一方の前記第二対向面、及びこれに対向する前記中心コアの面部(232)は、傾斜面対(4)を構成しており、
前記傾斜面対を構成する前記第二対向面及び前記中心コアの前記面部は、コイル軸方向における前記第一対向面から遠い側の部位ほど、前記縦方向における他方の前記第二対向面側に向かうよう形成されている、点火コイル(1)にある。
コイル軸方向(X)の両端部を突出させるよう前記一次コイル及び前記二次コイルの内周側に配された中心コア(2)と、
コイル軸方向に直交する縦方向(Y)における前記一次コイル及び前記二次コイルの両外側にそれぞれ配され、前記中心コアとともに閉磁路を形成する一対の分割コア(3)と、を備え、
一対の前記分割コアの少なくとも一方は、コイル軸方向における前記中心コアの一方側の中心コア端面(211)にコイル軸方向に対向する第一対向面(311)を有し、
それぞれの前記分割コアは、コイル軸方向における前記中心コアの他方側の端部に前記縦方向の互いに反対側から対向する第二対向面(331)を有し、
前記第一対向面は、コイル軸方向に直交する面に沿って形成されており、
少なくとも一方の前記第二対向面、及びこれに対向する前記中心コアの面部(232)は、傾斜面対(4)を構成しており、
前記傾斜面対を構成する前記第二対向面及び前記中心コアの前記面部は、コイル軸方向における前記第一対向面から遠い側の部位ほど、前記縦方向における他方の前記第二対向面側に向かうよう形成されている、点火コイル(1)にある。
前記態様の点火コイルにおいて、第一対向面は、コイル軸方向に直交する面に沿って形成されている。さらに、傾斜面対を構成する第二対向面、及び中心コアの面部は、コイル軸方向における第一対向面から遠い側の部位ほど、縦方向における他方の第二対向面側に向かうよう形成されている。それゆえ、中心コアと一対の分割コアとの位置決めを容易にすることができ、点火コイルの生産性を向上させることができる。
以上のごとく、前記態様によれば、生産性を向上することができる点火コイルを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施形態1)
点火コイルの実施形態につき、図1〜図6を用いて説明する。
本形態の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル11と二次コイル12と中心コア2と一対の分割コア3とを備える。
点火コイルの実施形態につき、図1〜図6を用いて説明する。
本形態の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル11と二次コイル12と中心コア2と一対の分割コア3とを備える。
一次コイル11及び二次コイル12は、互いに磁気結合している。中心コア2は、コイル軸方向Xの両端部を突出させるよう一次コイル11及び二次コイル12の内周側に配されている。一対の分割コア3は、コイル軸方向Xに直交する縦方向Yにおける一次コイル11及び二次コイル12の両外側にそれぞれ配されている。一対の分割コア3は、中心コア2とともに閉磁路を形成している。
一対の分割コア3の少なくとも一方は、コイル軸方向Xにおける中心コア2の一方側の端面(以後、コア前面211という。)にコイル軸方向Xに対向する第一対向面311を有する。それぞれの分割コア3は、コイル軸方向Xにおける中心コア2の他方側に形成された後端部23に縦方向Yの互いに反対側から対向する第二対向面331を有する。
第一対向面311は、コイル軸方向Xに直交する仮想的な面に沿って形成されている。また、少なくとも一方の第二対向面331、及びこれに対向する中心コア2の後方テーパ面232は、傾斜面対4を構成している。傾斜面対4を構成する第二対向面331及び後方テーパ面232は、コイル軸方向Xにおける第一対向面311から遠い側の部位ほど、縦方向Yにおける他方の第二対向面331側に向かうよう形成されている。本形態においては、一対の第二対向面331のそれぞれが、傾斜面対4を構成している。
以後、本形態につき詳説する。
以後、本形態につき詳説する。
本形態において、コイル軸方向Xは、一次コイル11及び二次コイル12の巻回軸が延在する方向である。以後、コイル軸方向XをX方向という。また、X方向の一方側であって、中心コア2に対して第一対向面311が位置する側を前方といい、その反対側を後方という。前後の表現は、便宜的なものであり、例えば点火コイル1が搭載される車両に対する点火コイル1の配置姿勢を限定するものではない。また、前述の縦方向YをY方向といい、X方向及びY方向の双方に直交する方向をZ方向という。
本形態の点火コイル1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関に用いるものとすることができる。点火コイル1は、内燃機関に設置されるスパークプラグ(図示略)に接続され、スパークプラグに高電圧を印加する手段として用いられる。
中心コア2は、X方向に長尺に形成されている。中心コア2は、X方向の中央部に形成されたX方向に沿った柱状部22と、X方向における柱状部22の両側に形成された前端部21及び後端部23を有する。
前端部21は、中心コア2の前端に形成されており、一次コイル11及び二次コイル12よりも前方に突出している。前端部21は、柱状部22よりもY方向の両側に突出するよう形成された一対の前方鍔部210を有する。前方鍔部210は、中心コア2のコア前面211の面積を稼ぎ、これにより、X方向に直交する断面の面積が大きい後述の磁石5をコア前面211に配置できるようにする役割を有する。
後端部23は、中心コア2の後端に形成されており、一次コイル11及び二次コイル12よりも後方に突出している。後端部23は、柱状部22よりもY方向の両側に突出するよう形成された一対の後方鍔部231を有する。後方鍔部231は、Y方向における前方鍔部210よりも、柱状部22からの突出量が小さくなるよう形成されている。後方鍔部231は、後端部23が後述の二次スプール13よりも内周側に収まるように、前方鍔部210と比べて小さく突出している。
後端部23は、Y方向の両側面に、後方に向かうほど互いに近付くよう傾斜した後方テーパ面232を有する。後方テーパ面232は、後方鍔部231のY方向の突出側の端部から後方に向かって形成されている。一対の後方テーパ面232の後端縁同士は、中心コア2の後端に形成された連結面233を介して接続されている。Z方向から見たとき、各第二対向面331の仮想的な延長直線よりも後方にはみ出ないよう形成されている。これにより、後述するように中心コア2と分割コア3とを互いに傾斜面対4においてスライドさせる際、分割コア3が連結面233に干渉し、スライドできなくなることが防止される。本形態において、連結面233は、後方を向くとともにX方向に直交する平面状に形成されている。
中心コア2の前方には、磁石5が配されている。磁石5は、X方向に厚みを有する矩形板状に形成されている。磁石5は、コア前面211に対面して当接するよう配されている。磁石5は、X方向から見たときの大きさがコア前面211と同等であり、コア前面211の略全面に配されている。磁石5は、点火コイル1の出力電圧の向上のため、中心コア2に磁気バイアスをかけ、一次コイル11への通電の遮断時の磁束Φの変化量を大きくして、二次コイル12に誘起される電圧を高めるためのものである。磁石5は、その断面積が大きい程、中心コア2に大きい磁気バイアスを印加することができる。中心コア2及び磁石5をY方向の両側から部分的に覆うように一対の分割コア3が配されている。
一対の分割コア3は、互いに同形状となるよう形成されているとともに、互いに姿勢をY方向に反転させたような姿勢で配されている。それぞれの分割コア3は、Y方向に互いに向かい合うよう開口した略U字状を呈している。分割コア3は、前方から順に、第一辺部31、第二辺部32、及び第三辺部33を有する。
第一辺部31は、磁石5の前方に配されており、Y方向に延在するよう形成されている。各分割コア3の第一辺部31同士は、互いにY方向に対向する縦対向面312を有する。各縦対向面312は、Y方向におけるコア前面211の中央領域に配されている。ここで、コア前面211におけるY方向の中央領域とは、例えば、コア前面211を、Y方向において3つの領域に等分したときの、中央の領域とすることができる。つまり、コア前面211におけるY方向の中央領域は、コア前面211におけるY方向の中心付近の、ある程度の幅をもった領域を意味する。本形態において、各縦対向面312は、Y方向におけるコア前面211の略中心に配されている。Y方向における一対の縦対向面312の間には、若干の間隔が形成されている。なお、当該間隔は形成されていなくてもよく、一対の縦対向面312が互いに当接していてもよい。
各第一辺部31の後方を向く面は、コア前面211とX方向に対向する第一対向面311を構成している。第一対向面311は、X方向に直交する平面状に形成されている。第一対向面311は、磁石5の前面に対面して接合されている。
第二辺部32は、第一辺部31における縦対向面312と反対側の端部から後方に向かってX方向に延設されている。第二辺部32は、一次コイル11及び二次コイル12を外周側から覆うよう配されている。第二辺部32は、第一辺部31と第三辺部33とを連結している。
第三辺部33は、第二辺部32の後端部からY方向に、中心コア2の後端部23に向かって延設されている。各第三辺部33における中心コア2の後端部23側の端面は中心コア2の後方テーパ面232に対向する第二対向面331である。
各第二対向面331は、後方に向かうほど、Y方向において互いに近付く側に向かうよう傾斜し、中心コア2の後方テーパ面232に直接接合されている。第二対向面331とこれに対向する後方テーパ面232とは、互いに略平行に形成されている。そして、第二対向面331とこれに対向する後方テーパ面232とが、傾斜面対4を構成している、すなわち、第二対向面331と後方テーパ面232のそれぞれは、X方向の後方の部位ほどY方向における第二辺部32から遠ざかるよう傾斜している。傾斜面対4を構成する第二対向面331及び後方テーパ面232は、Z方向から見たとき、例えばX方向に対して45°程度傾斜する方向に形成することが可能であるが、これに限られない。
傾斜面対4を構成する第二対向面331と後方テーパ面232との一方である幅広面41は、他方である幅狭面42よりも傾斜面対4の傾斜方向における幅が大きくなるよう形成されている。本形態においては、傾斜面対4を構成する後方テーパ面232が幅広面41であり、第二対向面331が幅狭面42である。後方テーパ面232の一部は、後方鍔部231の表面によって構成されている。このように、中心コア2に後方鍔部231を形成するとともに後方鍔部231から後方テーパ面232を形成することにより、後方テーパ面232を幅広に形成しやすい。そして、幅狭面42は、傾斜方向における幅広面41の内側に収まるよう、つまり幅広面41から傾斜方向にはみ出さないよう、配されている。
中心コア2、分割コア3は、例えば、Z方向に厚みを有する軟磁性材料からなる複数の電磁鋼板をZ方向に積層してなる。また、図2に示すごとく、Z方向において、それぞれの分割コア3の両端位置は、中心コア2の両端位置と一致している。図2においては、便宜上、中心コア2にハッチングを施している。なお、例えば分割コア3は、中心コア2よりもZ方向に突出していてもよい。
図1に示すごとく、中心コア2は、コネクタモジュール6の一部を構成している。コネクタモジュール6は、中心コア2やコネクタ部61の端子等を成形型内に配し、成形型内に絶縁性を有する樹脂を注入するインサート成形により、一体に形成される。コネクタモジュール6における中心コア2周囲の部位である一次スプール64の外周部には、一次コイル11が巻回されている。
コネクタモジュール6は、前端にコネクタ部61を有する。コネクタ部61は、点火コイル1を外部機器等に接続するためのコネクタである。コネクタ部61は、点火コイル1のケース7に嵌合するコネクタモジュール6の嵌合壁62から前方に突出するよう構成されている。嵌合壁62と一次スプール64とは、磁石5のZ方向の一方側において互いに連結壁63を介して連結している。
コネクタモジュール6は、嵌合壁62と連結壁63と一次スプール64及び中心コア2とに囲まれた、Z方向の一方側及びY方向の両側に開放された配置凹部60を有する(図3参照)。凹部60内には、磁石5、各分割コア3の第一辺部31、及びイグナイタ14が挿入されている。なお、図3における符号60にて示す太線は、配置凹部60の概略の位置及び概略の形状を示すものである。
イグナイタ14は、配置凹部60内における各分割コア3の第一辺部31の前方に配されている。イグナイタ14は、一次コイル11への通電及びその遮断の制御を行う。イグナイタ14は、各分割コア3の縦対向面312にX方向に重なる位置に配されている。図示は省略するが、イグナイタ14は、Z方向における配置凹部60の開放側と反対側に突出する端子を備え、連結壁63には当該端子を通すための開口が形成されている。
一次スプール64の外周側には、二次コイル12を巻回する二次スプール13が配されている。二次スプール13の外周部に、二次コイル12が巻回されている。二次スプール13は、電気的絶縁性を有する樹脂等を筒状に形成してなり、一次スプール64の後方から組み付けられる。二次スプール13の最小内径は、中心コア2の後端部23よりも大きく、これにより、二次スプール13を一次スプール64の後方から組み付けることができる。
点火コイル1を構成する部品は、ケース7及びこれに嵌合された嵌合壁62の内側に収容されている。ケース7は、電気的絶縁性を有する樹脂からなる。ケース7は、Z方向における配置凹部60が開放する側と反対側が開放されている。ケース7の前方の壁部には、嵌合壁62を嵌合するための嵌合凹部71が形成されている。嵌合凹部71は、ケース7の前方の壁部の一部が、ケース7の開放端からZ方向に切り欠かれたような形状を有する。そして、コネクタモジュール6の嵌合壁62を嵌合凹部71に嵌合させつつ、コネクタモジュール6がケース7の開放部からケース7内に組み付けられる。
ケース7及び嵌合壁62によって囲まれた領域には、封止樹脂が配されている。封止樹脂は、例えば電気的絶縁性を有する熱硬化性樹脂からなる。封止樹脂は、ケース7及び嵌合壁62内に収容された点火コイル1の構成部品を封止している。なお、図面においては、封止樹脂の図示を省略している。
次に、ケース7内に配される点火コイル1の構成部品の組付方法の一例につき、図4〜図6を用いて説明する。
図4に示すごとく、コネクタモジュール6における一次コイル11が巻回された一次スプール64を、二次コイル12が巻回された二次スプール13内に通す。また、配置凹部60内にイグナイタ14を挿入し、イグナイタ14の図示しない端子を、コネクタ部61内の図示しない端子に溶接等により接合する。
そして、コネクタモジュール6から露出する中心コア2のコア前面211に、磁石5を配置する。これにより、磁石5は、その磁力により中心コア2のコア前面211に接合する。
次に、図4、図5に示すごとく、分割コアチャック8及びコネクタチャック9を備えた組立装置を用いて、一対の分割コア3をコネクタモジュール6に組み付ける。
まず、左右一対の分割コアチャック8で、一対の分割コア3を把持する。この時、コネクタチャック9は、コネクタモジュール6の嵌合凹部71を把持している。該コネクタチャック9は、ばねやダンパーなどの弾性変位部材10を介して、組立装置のベース100で支持されている。
そして、図4〜図6に示すごとく、一対の分割コア3をコネクタモジュール6に対してY方向に組み付ける。図4、図5に示すごとく、一対の分割コア3は、第一辺部31を配置凹部60内における磁石5とイグナイタ14との間を通すよう、コネクタモジュール6に対して互いにY方向に近付ける。そして、図5に示すごとく、それぞれの分割コア3の第三辺部33の第二対向面331を、中心コア2の後端部23の互いに反対側の後方テーパ面232に当接させる。かかる状態においては、磁石5と各分割コア3の第一辺部31の第一対向面311との間に、X方向の間隔が形成され得る。
まず、左右一対の分割コアチャック8で、一対の分割コア3を把持する。この時、コネクタチャック9は、コネクタモジュール6の嵌合凹部71を把持している。該コネクタチャック9は、ばねやダンパーなどの弾性変位部材10を介して、組立装置のベース100で支持されている。
そして、図4〜図6に示すごとく、一対の分割コア3をコネクタモジュール6に対してY方向に組み付ける。図4、図5に示すごとく、一対の分割コア3は、第一辺部31を配置凹部60内における磁石5とイグナイタ14との間を通すよう、コネクタモジュール6に対して互いにY方向に近付ける。そして、図5に示すごとく、それぞれの分割コア3の第三辺部33の第二対向面331を、中心コア2の後端部23の互いに反対側の後方テーパ面232に当接させる。かかる状態においては、磁石5と各分割コア3の第一辺部31の第一対向面311との間に、X方向の間隔が形成され得る。
そして、かかる状態から、図5、図6に示すごとく、更に一対の分割コア3をY方向に互いに近付く方向に押圧する。これにより、後方テーパ面232と第二対向面331とが互いにスライドし、一対の分割コア3が互いにY方向に近付きながら中心コア2及び磁石5を含めたコネクタモジュール6全体が一対の分割コア3に対して前方に移動する。これにより、図6に示すごとく、磁石5が各分割コア3の第一辺部31に近付き、やがて磁石5と各分割コア3の第一辺部31の第一対向面311とが当接する。以上のように、コネクタモジュール6に対して一対の分割コア3が位置決めされる。
その後、一対の分割コアチャック8は、元の位置へ退避する。
その後、一対の分割コアチャック8は、元の位置へ退避する。
尚、上記実施例では、コネクタモジュール6が前後(図面上下)に変動可能に支持され、一対の分割コア3に対して前方(図面下方)に移動する構成としたが、これに代え、図7に示すように、コネクタモジュール6が組立装置に固定されたコネクタチャック9に固定され、一対の分割コア3が、コネクタモジュール6に対して後方(図面上方)に移動する構成としてもよい。
この場合、コネクタチャック9は、ばねやダンパーなどの弾性変位部材10を介さず、組立装置のベース100で支持され、コネクタチャック9は、コネクタモジュール6の嵌合凹部71を把持する。そして、図7に示すごとく、一対の分割コア3をコネクタモジュール6に対してY方向に組み付ける。
図7に示すごとく、一対の分割コアチャック(図7においては省略。図6の符号8参照)は、該一対の分割コア3を把持しつつ、一対のガイド99に沿って夫々前進する。分割コアチャックは、一対の分割コア3の第一辺部31を配置凹部60内における磁石5とイグナイタ14との間を通すよう、コネクタモジュール6に対して該一対の分割コア3を互いにY方向に近付ける。
そして、一対の分割コアチャックは、図7に示すごとく、それぞれの分割コア3の第三辺部33の第二対向面331を、中心コア2の後端部23の互いに反対側の後方テーパ面232に当接させる。かかる状態においては、磁石5と各分割コア3の第一辺部31の第一対向面311との間に、X方向の間隔が形成され得る。しかしながら、かかる状態から、一対の分割コアチャックは、図7に示すごとく、更に一対の分割コア3をY方向に互いに近付く方向に押圧する。
これにより、後方テーパ面232に対し第二対向面331がスライドし、一対の分割コア3が互いにY方向に近付きながら、中心コア2及び磁石5を含めたコネクタモジュール6に対して、後方に移動する。これにより、図7に示すごとく、磁石5が各分割コア3の第一辺部31に近付き、一対の分割コアチャックが前進を続けると、やがて各分割コア3の第一辺部31の第一対向面311と磁石5とが当接する。
以上のように、コネクタモジュール6に対して一対の分割コア3が位置決めされる。
以上のように、コネクタモジュール6に対して一対の分割コア3が位置決めされる。
次に、本形態の作用効果につき説明する。
本形態においては、点火コイル1において、第一対向面311は、X方向に直交する面に沿って形成されている。さらに、傾斜面対4を構成する第二対向面331及び後方テーパ面232は、後方の部位ほど、Y方向における他方の第二対向面331側に向かうよう傾斜している。それゆえ、中心コア2と一対の分割コア3とを組み付ける際には、前述のごとく一対の分割コア3のそれぞれの第二対向面331を中心コア2の後方テーパ面232に向けてY方向に押圧することにより、傾斜面対4において中心コア2と一対の分割コア3とがスライドし、中心コア2と一対の分割コア3との間のX方向とY方向との双方の位置決めをすることができる。つまり、一対の分割コア3を一方向(Y方向)に操作するだけで、中心コア2と一対の分割コア3との間の二方向(X方向及びY方向)の位置決めを実現することが可能となる。それゆえ、中心コア2と一対の分割コア3との位置決めを容易にすることができ、点火コイル1の生産性を向上させることができる。また、一対の分割コア3を、前述のごとく磁石5が一対の分割コア3に当接するまで押圧することにより、X方向における磁石5と分割コア3の第一対向面311との間、及び中心コア2の後方テーパ面232と分割コア3の第二対向面331との間に、ギャップが形成されることを防止することができる。
本形態においては、点火コイル1において、第一対向面311は、X方向に直交する面に沿って形成されている。さらに、傾斜面対4を構成する第二対向面331及び後方テーパ面232は、後方の部位ほど、Y方向における他方の第二対向面331側に向かうよう傾斜している。それゆえ、中心コア2と一対の分割コア3とを組み付ける際には、前述のごとく一対の分割コア3のそれぞれの第二対向面331を中心コア2の後方テーパ面232に向けてY方向に押圧することにより、傾斜面対4において中心コア2と一対の分割コア3とがスライドし、中心コア2と一対の分割コア3との間のX方向とY方向との双方の位置決めをすることができる。つまり、一対の分割コア3を一方向(Y方向)に操作するだけで、中心コア2と一対の分割コア3との間の二方向(X方向及びY方向)の位置決めを実現することが可能となる。それゆえ、中心コア2と一対の分割コア3との位置決めを容易にすることができ、点火コイル1の生産性を向上させることができる。また、一対の分割コア3を、前述のごとく磁石5が一対の分割コア3に当接するまで押圧することにより、X方向における磁石5と分割コア3の第一対向面311との間、及び中心コア2の後方テーパ面232と分割コア3の第二対向面331との間に、ギャップが形成されることを防止することができる。
また、一対の第二対向面331のそれぞれが、傾斜面対4を構成している。すなわち、中心コア2の後端部23におけるY方向の両側のそれぞれに、傾斜面対4が形成されている。それゆえ、前述のように中心コア2と一対の分割コア3とを、各傾斜面対4においてスライドさせつつ組み付けることにより、それぞれの分割コア3において、X方向における磁石5との間、及び中心コア2の後方テーパ面232との間に、ギャップが形成されることを防止することができる。
また、中心コア2は、後方テーパ面232における後端縁同士をY方向に連結する連結面233を有する。これにより、後方テーパ面232は、Y方向において互いに離れた位置に配される。それゆえ、前述のように中心コア2と一対の分割コア3とを各傾斜面対4においてスライドさせつつ組み付ける際、一対の分割コア3同士が当接することに起因して、前述のスライド動作が阻害されることを防止することができる。
ここで、中心コア2と一対の分割コア3とを組み付ける際の組付公差や、これらの寸法公差等に起因して、Z方向から見たときに後方テーパ面232と第二対向面331とが、互いに相手方の面からはみ出るよう形成される場合が想定され得る。かかる場合は、中心コア2及び分割コア3によって形成される磁路回路の有効断面積が減少する。
そこで、傾斜面対4を構成する第二対向面331と後方テーパ面232との一方である幅広面41は、他方である幅狭面42よりも傾斜面対4の傾斜方向における幅が大きくなるよう形成されている。さらに、幅狭面42は、前記傾斜方向における幅広面41の内側に収まるよう配されている。このように、傾斜面対4を構成する一対の面の一方側を幅広面41とすることにより、中心コア2と分割コア3とが若干位置ずれしたとしても、Z方向から見たときに幅広面41の内側に幅狭面42が収まるよう配されやすい。それゆえ、幅狭面42の面積分は少なくとも磁路面積を確保することができ、磁路回路の有効断面積が減少することを防止することができる。
また、幅広面41は、中心コア2に形成されている。さらに、X方向における中心コア2の第一対向面311から遠い側の端部は、Y方向の両側に突出した後方鍔部231を有し、それぞれの後方鍔部231の表面の少なくとも一部が幅広面41を構成している。このように、後方鍔部231を形成することで、中心コア2の幅広面41としての後方テーパ面232を、幅狭面42としての分割コア3の第二対向面331よりも幅広に形成しやすい。さらに、中心コア2及び分割コア3に形成される磁束Φは、磁気的に最短経路となるよう形成されるが、中心コア2の後端部23に後方鍔部231を形成することにより、中心コア2と分割コア3とに形成される環状の閉磁路の最短経路を短くしやすい。
また、一対の分割コア3のそれぞれの一部は、中心コア2の前方において、互いにY方向に対向する縦対向面312を有し、各縦対向面312は、縦方向における中心コア2端面の中央領域に配されている。ここで、前述のごとく、中心コア2及び分割コア3に形成される磁束Φは、磁気的に最短経路となるよう形成されるため、中心コア2の前端部21と分割コア3との間に流れる磁束Φは、前端部21におけるY方向の端部に流れやすく、コア前面211におけるY方向の中央領域には流れ難い。そこで、各縦対向面312を、コア前面211におけるY方向の中央領域に配することにより、一対の縦対向面312間に間隔が形成されている場合であっても、点火コイル1の性能が低下し難い。
以上のごとく、本形態によれば、生産性を向上することができる点火コイルを提供することができる。
(実施形態2)
本形態は、図8に示すごとく、実施形態1に対して、中心コア2の後端部23の形状を変更した形態である。つまり、本形態においては、実施形態1における後方鍔部(図1における符号231参照)が形成されていない。本形態において、傾斜面対4を構成する第二対向面331及び後方テーパ面232は、X方向との間になす角が45°未満である。
本形態は、図8に示すごとく、実施形態1に対して、中心コア2の後端部23の形状を変更した形態である。つまり、本形態においては、実施形態1における後方鍔部(図1における符号231参照)が形成されていない。本形態において、傾斜面対4を構成する第二対向面331及び後方テーパ面232は、X方向との間になす角が45°未満である。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本形態は、図9に示すごとく、実施形態2に対して、傾斜面対4を構成する幅広面41を分割コア3側に形成し、幅狭面42を中心コア2側に形成した形態である。本形態においては、X方向における第三辺部33の厚みが、第一辺部31におけるX方向の厚みよりも大きくなっている。そして、傾斜面対4の傾斜方向において、後方テーパ面232は、第二対向面331の内側に収まるよう配されている。
その他は、実施形態2と同様である。
本形態は、図9に示すごとく、実施形態2に対して、傾斜面対4を構成する幅広面41を分割コア3側に形成し、幅狭面42を中心コア2側に形成した形態である。本形態においては、X方向における第三辺部33の厚みが、第一辺部31におけるX方向の厚みよりも大きくなっている。そして、傾斜面対4の傾斜方向において、後方テーパ面232は、第二対向面331の内側に収まるよう配されている。
その他は、実施形態2と同様である。
本形態においても、実施形態2と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、前記各実施形態においては、中心コアの後端部におけるコイル軸方向に直交する縦方向の両側に傾斜面対を形成したが、縦方向の一方側のみを傾斜面対とし、他方側の第二対向面とこれに対向する中心コアの面部を、縦方向に直交する平面状とすることも可能である。この場合も、実施形態1と同様に、一対の分割コアの第二対向面によって中心コアの後端部を挟み込むよう組み付けることにより、中心コアと一対の分割コアとの間のコイル軸方向と縦方向との双方の位置決めをすることができる。この場合は、傾斜面対を構成する側の分割コアを中心コアの後方テーパ面に縦方向に押し付けることにより、一対の分割コアが縦方向に近付くとともに、中心コアが前方に移動する。このとき、傾斜面対を構成しない側の分割コアは、前述のごとく傾斜面対を構成する側の分割コアを中心コアの後方テーパ面に押し付ける際の支えになるとともに、傾斜面対を構成しない側の分割コアの第二対向面と中心コアとの間はコイル軸方向にスライドする。
また、前記各実施形態において、傾斜面対を構成する第二対向面及び中心コアの面部は、Z方向に直交する形状が直線状となるテーパ面としたが、これに限られず、若干湾曲した湾曲面とすることも可能である。なお、この場合、湾曲度合いが高すぎるとスライド性能が低下することも懸念されるため、傾斜面対を湾曲面とする場合は、湾曲度合いをある程度低くすることが好ましい。
1 点火コイル
11 一次コイル
12 二次コイル
2 中心コア
211 コア前面
3 分割コア
311 第一対向面
331 第二対向面
4 傾斜面対
11 一次コイル
12 二次コイル
2 中心コア
211 コア前面
3 分割コア
311 第一対向面
331 第二対向面
4 傾斜面対
Claims (7)
- 互いに磁気結合した一次コイル(11)及び二次コイル(12)と、
コイル軸方向(X)の両端部を突出させるよう前記一次コイル及び前記二次コイルの内周側に配された中心コア(2)と、
コイル軸方向に直交する縦方向(Y)における前記一次コイル及び前記二次コイルの両外側にそれぞれ配され、前記中心コアとともに閉磁路を形成する一対の分割コア(3)と、を備え、
一対の前記分割コアの少なくとも一方は、コイル軸方向における前記中心コアの一方側の中心コア端面(211)にコイル軸方向に対向する第一対向面(311)を有し、
それぞれの前記分割コアは、コイル軸方向における前記中心コアの他方側の端部に前記縦方向の互いに反対側から対向する第二対向面(331)を有し、
前記第一対向面は、コイル軸方向に直交する面に沿って形成されており、
少なくとも一方の前記第二対向面、及びこれに対向する前記中心コアの面部(232)は、傾斜面対(4)を構成しており、
前記傾斜面対を構成する前記第二対向面及び前記中心コアの前記面部は、コイル軸方向における前記第一対向面から遠い側の部位ほど、前記縦方向における他方の前記第二対向面側に向かうよう形成されている、点火コイル(1)。 - 一対の前記第二対向面のそれぞれが、前記傾斜面対を構成している、請求項1に記載の点火コイル。
- 前記中心コアは、前記面部におけるコイル軸方向の前記第一対向面から遠い側の端縁同士を前記縦方向に連結する連結面(233)を有する、請求項2に記載の点火コイル。
- 前記傾斜面対を構成する前記第二対向面と前記中心コアの前記面部との一方である幅広面(41)は、他方である幅狭面(42)よりも前記傾斜面対の傾斜方向における幅が大きくなるよう形成されており、かつ、前記幅狭面は、前記傾斜方向における前記幅広面の内側に収まるよう配されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火コイル。
- 前記幅広面は、前記中心コアに形成されており、コイル軸方向における前記中心コアの前記第一対向面から遠い側の端部は、前記縦方向の両側に突出した突出部(231)を有し、それぞれの前記突出部の表面の少なくとも一部が前記幅広面を構成している、請求項4に記載の点火コイル。
- 一対の前記分割コアのそれぞれの一部は、コイル軸方向における前記中心コアの前記中心コア端面が向く側において、互いに前記縦方向に対向する縦対向面(312)を有し、前記各縦対向面は、前記縦方向における前記中心コア端面の中央領域に配されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の点火コイル。
- 前記点火コイルの出力電圧を向上させる磁石(5)をさらに有し、
該磁石は、前記中心コア端面と前記一対の分割コアの前記第一対向面との間において、前記中心コア端面に取り付けられ、
前記一対の分割コアが前記中心コアに対して前記縦方向に押圧され、少なくとも一方の前記第二対向面とこれに対向する前記中心コアの後方テーパ面(232)とが互いにスライドし、前記中心コア端面が前記磁石を介して、前記第一対向面に当接するよう構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の点火コイル。
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