JP2021082984A - 自己相関器および受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】送電線用広帯域ディジタル電力線搬送方式に対応するための相関器として、相関器のタップ数の規模を小さくした場合でも、所要の相関ピーク電力値が確保できる自己相関器を提供する。【解決手段】自己相関器は21、シングルキャリアブロック伝送におけるシンボルタイミングを生成する自己相関器であって、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンスを有する受信データから、偶対称で自己相関値出力を算出している。また、トレーニングシーケンスは、データブロックの先頭と後方に配置されており、自己相関値出力として、現在の自己相関値出力と所定サンプル数遅延した自己相関値出力の2つの自己相関値出力の合計値を出力している。【選択図】図3

Description

本発明は、自己相関器および受信機に関し、詳しくは、シングルキャリアブロック伝送におけるシンボルタイミングを生成するための自己相関器、および、これを用いた受信機に関する。
高電圧送電線路を用いる広帯域ディジタル電力線搬送においては、限られた周波数帯域(150kHz〜450kHz)で高速伝送を行うため、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)の高多値化変調方式が用いられる。良好なBER(Bit Error Ratio)特性を得るには送信側で生成したナイキスト間隔のシンボルタイミングと、受信側で生成するシンボルタイミングを一致させる必要がある。ただし、通常は送受信のシンボルタイミングは非同期であり、受信側のシンボルタイミングは送信側のシンボルタイミングとは同期がとれていない。
このため、送受信のシンボルタイミングを一致させる必要があり、受信側で送信シンボルタイミングを高精度に推定し、送信シンボルタイミングと同期がとれた受信シンボルタイミングを生成する必要がある。これにより、受信側ロールオフフィルタの出力ではシンボル間干渉が低減され良好なBER特性を得ることができる。特に高い多値化の変調方式ほど高精度化が要求されるので、広帯域ディジタル電力線搬送方式では、高精度な受信シンボルタイミングを生成できるDPLL(Digital Phase Lock Loop:ディジタル位相同期回路)方式の開発が重要となってくる。
例えば、特許文献1には、入力される時間信号に対して自己相関演算を行う自己相関演算部と、入力される時間信号に対して相互相関演算を行う相互相関演算部と、自己相関演算部及び相互相関演算部からの自己相関演算結果及び相互相関演算結果を用いてタイミング同期位置の検出を行うものが開示されている。特許文献1に開示された装置では、様々な受信状況下にあっても、受信データを復調するためのタイミングを高精度で正確に生成できるとしている。
特開2006−238367号公報
特許文献1に開示されているように、自己相関演算は、信号自身の繰り返しパターンを利用して、受信信号のみから相関を求めるものであり、一般的に、自己相関は反射やフェーディングに強く、回路構成上も小規模に実現できるという利点がある。しかし、プリアンブル以外の周期性を持ったデータや雑音でも相関を示してしまうという特性上の欠点がある。一方、相互相関演算は、あらかじめ既知の信号自身のデータ列を受信側に保持して、受信信号と期待値との相関を取るものであり、相互相関は、雑音や無関係なデータに対して、ほとんど相関を検出せず、低C/N(キャリア信号/雑音)のガウス雑音伝送路でも高精度なタイミング同期が実現できるという利点がある。しかし、大きな受信周波数のずれや、反射やフェーディングなどで受信波形が変化すると、各ピークが小さくなり、同期特性が劣化する欠点がある。
これまでの送電線用ディジタル電力線搬送装置で用いているシンボルレートは数十キロbps程度であるため、受信信号に遅延波が存在していても相関器からの相関ピーク位置には大きなズレは無く、また相関ピーク位置にズレが生じタイミング位置がズレたとしても等化器で許容できるズレ幅であるのでBER特性には大きな影響は与えていなかった。しかし、方式が広帯域伝送となりシンボルレートが数百キロbps程度になった場合、これまでDPLLの特性に影響を与えていなかった遅延波の影響が顕著に表れ、遅延波の位相特性によっては相関器からの相関ピーク位置は大きくズレが生じることになる。このため、等化器では対応できずBER特性が大きく劣化してしまうことになる。送信シンボルタイミングを高精度に推定するためには、シンボル間の時間幅が短くなるため、高精度にシンボルタイミングを抽出するためには、より高レートでのオーバーサンプリング数が要求される。
例えば、受信側ロールオフフィルタの出力の信号をシンボルレートの、128倍オーバーサンプリング程度でインタポレーションを行う必要がある。このため、128倍オーバーサンプリングで動作をする複素数の相関器が必要となるが、高いサンプリングレートでタップ数が多い相関器を用いた場合、FPGA(Field Programmable Gate Array)の規模が大きくなってしまうことが懸念される。
例えば、128倍オーバーサンプリングを用いた場合、64タップでは、FPGAに乗算数が256でDSP(Digital Signal Processing:ディジタル信号処理)ブロックが64モジュールを必要とし、32タップでは、乗算数が128でDSPブロックが32モジュール必要となる。また、16タップでは、乗算数が64でDSPブロックが16モジュールを必要とし、タップ数が2倍になると回路規模も比例して大きくなる事が分かる。これがオーバーサンプリング時に相関器を適用する場合の課題であり、相関器がFPGAに割当てられるモジュール数(例えば274モジュール)の多くを占有するため、FFT(Fast Fourier Transform)処理など他の処理で行なえるモジュール数をひっ迫してしまう。このことから、相関器は極力小さなタップ数の相関で構成することが望まれる。しかしながら、相関器のタップ数を小さくした場合、相関ピーク電力値や相関特性が必要とするタイミングで出現できないという問題が生じる。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、送電線用広帯域ディジタル電力線搬送方式に対応するための相関器として、相関器のタップ数の規模を小さくした場合でも、所要の相関ピーク電力値が確保できる自己相関器、および、この自己相関器を有する受信機を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、シングルキャリアブロック伝送におけるシンボルタイミングを生成する自己相関器であって、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンスを有する受信データから、偶対称で自己相関値出力を算出することを特徴とするものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記自己相関器の自己相関値出力Ca(t)は、kをトレーニング信号のオーバーサンプリング数、Mを乗算器の数(タップ数)、aをZadoff−Chu系列において偶対称となる最小距離のシンボル数、rd(t)を、時間インデックスtにおける前記受信データの値(複素数)、rd(t)*を、前記受信データrd(t)の複素共役数の値とした場合、次式
Figure 2021082984
で表されることを特徴とするものである。
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、前記乗算器の数Mは、16〜48であることを特徴とするものである。
第4の技術手段は、第1から第3のいずれか1の技術手段において、前記トレーニングシーケンスは、データブロックの先頭と後方に配置されており、前記自己相関値出力として、現在の自己相関値出力と所定サンプル数遅延した自己相関値出力の2つの自己相関値出力の合計値を出力することを特徴とするものである。
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記所定サンプル数は、前記トレーニングシーケンスのシンボル数に相当するサンプル数、または、前記シンボル数の2分の1に相当するサンプル数であることを特徴とするものである。
第6の技術手段は、受信機であって、第1から第5のいずれか1の技術手段の自己相関器を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、送電線用広帯域ディジタル電力線搬送方式に対応するための相関器として、相関器のタップ数の規模を小さくした場合でも、所要の相関ピーク電力値が確保できる相関器を得ることができる。
本発明に係る自己相関器が用いられる受信機側の構成の一部を示す図である。 本発明に用いる広帯域ディジタル電力線搬送用のブロック伝送データの構成例を示す図である。 本発明に係る自己相関器の例を示す図である。 本発明に係る自己相関器における、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンス自己相関測定の関係を説明するための図である。 相互相関器の例を示す図である。 本発明に係る自己相関器(タップ=16)の時間特性を示す図である。 本発明に係る自己相関器(タップ=20)の時間特性を示す図である。 本発明に係る自己相関器(タップ=24)の時間特性を示す図である。 比較例としての相互相関器(タップ=16)の時間特性を示す図である。 比較例としての相互相関器(タップ=32)の時間特性を示す図である。 比較例としての相互相関器(タップ=64)の時間特性を示す図である。 本発明に係る自己相関器と比較例としての相互相関器の各相関器の相関ピーク応答特性を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の自己相関器および受信機に係る好適な実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本発明はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内および均等の範囲内におけるすべての変更を含む。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。
図1は、本発明に係る自己相関器が用いられる受信機の構成の一部を示す図である。
送電線路から受信されたRF信号は復調器11で復調され、復調された信号は所要のサンプリング速度となるように1/dデシメーション部12で1/dにデシメーションされる。デシメーションされた信号はナイキストフィルタ(ロールオフフィルタ)部13で帯域制限される。そして、送信信号から回り込んでくるエコー信号をエコーキャンセル部14で除去し、受信信号の要素のみを抽出する。
次に、送信側から送信されたトレーニング信号から受信信号のシンボルタイミングを生成するため、k倍インタポレーション部15でk倍のオーバーサンプリングでインタポレーションを行う。k倍のオーバーサンプリングされた信号はDPLL20とシンボルデータ生成部16へと出力される。DPLL20では自己相関器21により受信信号の相関計測値が出力され、相関ピーク探索部22で相関ピーク値が探索され、相関ピーク位置算出部23で探索された相関ピーク位置から受信シンボルタイミングを算出する。
シンボルタイミング位置の補正値制御部24では、送信シンボルタイミングと受信シンボルタイミングが同期するよう、受信シンボルタイミングを補正し、シンボルタイミング生成部25では、補正されたシンボルタイミングでシンボルタイミング信号を生成する。そして、シンボルデータ生成部16では、生成されたシンボルタイミング信号に基づいてインタポレーションされた受信データを打ち抜き、シンボルレートに対応したシンボルデータが抽出される。出力されたシンボルデータは周波数オフセットが存在するので、周波数オフセット推定・補正部17で周波数オフセットが補正され、等化器18へ入力される。等化器18ではシンボルデータから遅延波の要素が除去され、送信されたシンボルデータを推定した信号が出力される。
図2は、広帯域ディジタル電力線搬送用のブロック伝送データの構成例を示す図である。送電線用広帯域ディジタル電力線搬送においては、シングルキャリアブロック伝送を適用するため、図2に示すようにデータシンボルの先頭と後方にトレーニングシーケンス(以下、「TS」ともいう。)が配置される。そして、本実施形態では、受信シンボルタイミングを高精度に生成するため、式(1)で示すZadoff−Chu系列をTSとして用いている。
Figure 2021082984
式(1)において、NtsはTSのシンボル数であり、Zadoff−Chu系列の系列長(整数)として与えられる。mは任意の整数である。定数mは、PAPR(Peak to Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)を小さくするために、系列長に等しいシンボル数Ntsと互いに素となるように選択される。
図4は、本発明に係る自己相関器における、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンスと自己相関測定の関係を説明するための図である。図4に示す各値は、TSのシンボル数Ntsが64の場合であり、定数mを61とした場合のZadoff−Chu系列の値u(t)を示している。図4から分かるように、Zadoff−Chu系列は偶対称の系列となる。なお、図2に示すデータシンボルのシンボル数Nは、例えば960であり、ブロックのシンボル数は1088である。また、TSおよびデータシンボルはDFT(Discrete Fourier Transform)ブロックである。
図3は、本発明に係る自己相関器の例を示す図である。図3に示す自己相関器21は、M個(本実施形態では、M=16)の乗算器W〜Wと、2M−1個の遅延器D〜D2(M−1)+1と、2つの加算器A1、A2を備えており、Zadoff−Chu系列を偶対称で自己相関を測定する構成となっている。図3において、kは図1に示したk倍インタポレーション部15におけるオーバーサンプリング数で、遅延器D〜DM−1および、遅延器DM+1〜D2(M−1)+1は、サンプリング数のk倍(128倍)の遅延量を有している。また、自己相関を測定するシンボル間のサンプル数が128オーバーサンプリングとすると、遅延器Dの遅延量akは、最小距離となる偶対称のシンボル間(2シンボル)のサンプリング数である256サンプリングが用いられる。
遅延器DからDM−1で遅延された系列の一方の値と、遅延器DからD2(M−1)+1で遅延された系列の他方の値の複素共役値とが、乗算器W〜Wで乗算され、乗算結果は加算器Aによって1サンプリングごとに加算され、合計が加算器Aから出力される。加算器Aの出力値である自己相関値出力Ca(t)は、次式(2)となる。なお、先述したように式(2)において、kはトレーニング信号のオーバーサンプリング数、Mは乗算器の数、aはZadoff−Chu系列において偶対称となる最小距離のシンボル数、rd(t)は、時間インデックスtにおける受信データの値(複素数)、rd(t)は、受信データrd(t)の複素共役数の値である
Figure 2021082984
自己相関器21の自己相関値出力Ca(t)のみに基づいて、相関ピークを求め、シンボルタイミング信号を得ることが可能であるが、Zadoff−Chu系列のTSはデータブロックのNシンボルの前方と後方に配置されているので、受信側ではZadoff−Chu系列の偶対称を利用して、複数箇所での自己相関値出力Ca(t)を用いて大きな相関ピークを得ることが可能である。
図4に示すように、TSを構成するZadoff−Chu系列のシンボル数Ntsを偶数とした場合、2つのTSは、それぞれのTSのシンボル数Ntsの2分の1の値(時間インデックスt=32での値)の前後で偶対称となる他、後方ブロックの前方のTSの先頭の値(t=0での値)の前後で偶対称となり、それぞれ相関値にピークが生じる。
このため、式(3)で示すように、自己相関値出力Ca(t)とNサンプル(N=32)遅延した自己相関値出力Ca(t-N)を加算器Aで加算することで、現在の相関ピーク値とNサンプル遅延している相関ピーク値とが加算されることになるため、大きな相関ピーク値の相関関数として得ることができる。
Figure 2021082984
ここで、Cad(t)は現在の自己相関値出力Ca(t)と、所定サンプルとして、32シンボルに相当するサンプル数(32×128=4096サンプリング)遅延した自己相関値出力Ca(t-N)の和である。このように、前方のTS系列と後方のTS系列の2つのTSを利用することにより、2個所ピーク値(32シンボル間隔)の和をとることによって、よりノイズに強い相関ピーク値を得ることができる。
図4を用いて自己相関値出力Cad(t)について説明すると、前方ブロックの後方のTSと後方ブロックの前方のTSとは連続して受信される。そして、例えば、前方の(n―1)番目のブロックの後方のTSで自己相関値出力Ca(t)を求めるとともに、前方の(n―1)番目のブロックの後方のTSと後方のn番目のブロックの前方のTSの2つのTSを利用して、Nシンボル(N=32)遅延した自己相関値出力Ca(t-N)を求め、両者を加算している。あるいは、自己相関値出力Ca(t)とNシンボル(N=32)遅延した自己相関値出力Ca(t-N)は、前方の(n―1)番目のブロックの後方のTSと後方のn番目のブロックの前方のTSの2つのTSを利用して、自己相関値出力Ca(t)を求め、後方のn番目のブロックの前方のTSから、Nシンボル(N=32)遅延した自己相関値出力Ca(t-N)を求めてもよい。ちなみに、図4の矢印で示した自己相関値測定を行うTSの2つの値に基づく各乗算器の出力値は1となり、Cad(t)およびCa(t-N)の値は、それぞれ16の値を有するピーク値となる。
加算器Aで加算された自己相関値出力Cad(t)は、2乗されることで絶対値|Cad|(t)として自己相関器21の自己相関値出力として、相関ピーク探索部22に出力される。なお、式(3)では、32シンボル離れた2か所の自己相関値出力を加算しているが、32シンボルずつ遅延した3か所の自己相関値出力を加算することも可能である。
次に、本発明に係る自己相関器と従来の相互相関器の時間特性について説明する。図5は、相互相関器の例を示す図である。相互相関器31を用いる場合は、図1におけるDPLL20の自己相関器21が相互相関器31に置き換わる。DPLLに用いる相互相関器31では、相互相関器31のタップ数をZadoff−Chu系列のTSのシンボル数Ntsと等しくした場合、オーバーサンプリング数kと同一の遅延時間となる遅延器D〜DN−1がZadoff−Chu系列のTSのシンボル数Nts−1個配置され、k倍インタポレーション部15からインタポレーション信号が入力される。
遅延器Dの出力にはZadoff−Chu系列のTSのシンボル数Nts個の乗算器W〜WNtsが配置され、参照信号となる複素共役のZadoff−Chu系列信号と乗算される。乗算されたNts個の信号は、1サンプリングごとに加算器で加算され、合計値C(t)が出力される。そして、合計値C(t)と合計値C(t)の複素共役の信号C(t)とを乗算することで絶対値の相関値|C(t)|が出力される。なお、相互相関器31のタップ数を少なくする場合は、乗算器Wとともに遅延器Dの数を減らすことができる。
図6Aは、本発明に係る自己相関器(タップ=16)の時間特性を示す図であり、図6Bは、本発明に係る自己相関器(タップ=20)の時間特性を示す図であり、図6Cは、本発明に係る自己相関器(タップ=24)の時間特性を示す図である。また、図7Aは、比較例としての相互相関器(タップ=16)の時間特性を示す図であり、図7Bは、比較例としての相互相関器(タップ=32)の時間特性を示す図であり、図7Cは、比較例としての相互相関器(タップ=64)の時間特性を示す図である。また、図8は、本発明に係る自己相関器と比較例としての相互相関器の各相関器の相関ピーク応答特性を示す図である。なお、図7A、図7B、図7Cは、従来の相互相関器の回路構成による時間特性を示したものであり、本発明に係る自己相関器の回路構成による時間特性とは、回路方式が異なるものである。
本発明に係る自己相関器では、図6A、図6B、図6Cに示すように、タップ数が16、20、24の何れにおいても、2個所のピークポイントが一定のサンプリング間隔(Nシンボル×kオーバーサンプリング分)で現れる特性を有している。タップ数を大きくすれば、より大きなピーク値が得られるので、タップ数が48くらいまでは実用的であるが、タップ数の増加はオーバーサンプリング数に乗じて回路規模が大きくなり、例えばタップ数を64まで大きくすることは実用的ではない。このためFPGAへの実装の容易性やコスト面から、16〜48タップがオーバーサンプリング時には現実的である。これは128倍のようにオーバーサンプリング数が大きくなるほど顕著に表れる。
また、図8は、横軸がピーク位置のサンプル点を0とした場合の相対サンプリング数を示し、縦軸が相関値を示している。図8に示すように、タップ数が16の自己相関器21とタップ数が16の部分相互相関器31において、相関値が最大となる前後の相関関数を比較すると、タップ数が16の部分相互相関器31は急峻なピーク特性を得ることができていない。このため、これらからシンボルタイミングとして抽出した場合、タイミング位置を推測するためのアルゴリズムや適用回路が非常に大きなものになると推測される。この点は、相互相関器31のタップ数を32および64とした場合と比べても同様で、相関値が最大となる前後の相関関数を比較した場合、16タップの自己相関器が最も急峻なピークを持つ特性が得られる。
次に、タップ数32の相互相関器31の相関関数においては、図7Bに示すように、5か所の相関ピークポジションが出現しており、それぞれのピークポジションの間隔は非周期的になっている。そして、最も高いピーク値が得られている2つのピークの間隔は一定(64シンボル=8192サンプル)となっている。この2つのピークポイントを利用してシンボルタイミングの抽出は可能と考えるが、他のピーク値とのレベル差が得られていないので、雑音などによる影響を考慮した場合、ピークポジション探索のための閾値の設定が難しくなると考えられる。この点は、図7Aに示すタップ数16の相互相関器31の時間特性についても同様である。
一方、タップ数64の相互相関器31の相関関数においては、図7Cに示すように、高い相関ピーク値が2個所で現れ、ピークポジションの間隔は一定のサンプリング間隔(64シンボル=8192サンプル)となっている。このため、相関ピーク値の特性としてはタップ数64の相互相関器が最も適切であるが、前述したようにFPGAのDSPモジュール数の規模が増大するため、回路規模の観点から適用は難しい。
以上から、タップ数が16の自己相関器21の相関ピーク特性は、タップ数64の相互相関器31よりピーク電力値は劣るものの、シンボルタイミングを抽出するためのピーク時における相関関数は十分な電力値と、最も急峻なピーク特性となっている。そして、FPGAの回路規模を最小限とすることが可能となる観点からも、タップ数が16の自己相関器21は、広帯域ディジタル電力線搬送のDPLL方式に適用する相関器として適している。
このように、本実施形態の自己相関器は、受信側に参照信号となるZadoff−Chu系列を必要とせず、相互相関器に比べて周波数オフセットが存在するシンボル列においても相関特性の劣化が少ない。また、所定サンプル数離れた相関値出力の和を求める場合、相互相関器では、前後のTSの遅延時間分の周波数オフセットによる誤差の影響を受けるが、自己相関器では、このような誤差の影響を受けることがない。したがって、本実施形態の自己相関器は、遅延波や雑音による影響が小さい場合では、相関ピーク位置がシンボルタイミングとして適用できる。
11…復調器、12…1/dデシメーション部、13…ナイキストフィルタ(ロールオフフィルタ)部、14…エコーキャンセル部、15…k倍インタポレーション部、16…シンボルデータ生成部、17…補正部、18…等化器、20…DPLL、21…自己相関器、22…相関ピーク探索部、23…相関ピーク位置算出部、24…補正値制御部、25…シンボルタイミング生成部、31…相互相関器、A1…加算器、A2…加算器、D…遅延器、W…乗算器。

Claims (6)

  1. シングルキャリアブロック伝送におけるシンボルタイミングを生成する自己相関器であって、Zadoff−Chu系列が配置されたトレーニングシーケンスを有する受信データから、偶対称で自己相関値を算出することを特徴とする自己相関器。
  2. 前記自己相関器の自己相関値出力Ca(t)は、kをトレーニング信号のオーバーサンプリング数、Mを乗算器の数(タップ数)、aをZadoff−Chu系列において偶対称となる最小距離のシンボル数、rd(t)を、時間インデックスtにおける前記受信データの値(複素数)、rd(t)を、前記受信データrd(t)の複素共役数の値とした場合、次式
    Figure 2021082984
    で表されることを特徴とする、請求項1に記載の自己相関器。
  3. 前記乗算器の数Mは、16〜48であることを特徴とする、請求項1または2に記載の自己相関器。
  4. 前記トレーニングシーケンスは、データブロックの先頭と後方に配置されており、前記自己相関値出力として、現在の自己相関値出力と所定サンプル数遅延した自己相関値出力の2つの自己相関値出力の合計値を出力することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1に記載の自己相関器。
  5. 前記所定サンプル数は、前記トレーニングシーケンスのシンボル数に相当するサンプル数、または、前記シンボル数の2分の1に相当するサンプル数であることを特徴とする、請求項4に記載の自己相関器。
  6. 請求項1から5のいずれか1に記載の自己相関器を有する受信機。
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