JP2021063683A - 気体水素のオルト・パラ比を測定する光学装置 - Google Patents

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【課題】 液体水素の製造・輸送や貯蔵の各プロセスでオルト・パラ比を測定装置として設置するのに適した、オルト・パラ比測定装置を提供すること。【解決手段】 試料10に照射するレーザー光を発生するレーザー光源20と、レーザー光源20から照射されたレーザー光に対して、試料10から散乱されたラマン散乱光を平行光に変換して、ハーフミラー30でラマン散乱光を二方向に分枝し、オルト水素による散乱光を透過する第1の帯域通過フィルター42と、パラ水素による散乱光を透過する第2の帯域通過フィルター32と、第1及び第2の帯域通過フィルター42、32を透過した光強度の比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する比率測定部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、気体水素のオルト・パラ比を測定する光学装置に関し、特に簡便な構成とすることで液体水素の製造・輸送や貯蔵の各プロセスに設置するのに好適な装置に関する。
水素分子には、2つの水素原子の核スピンが平行なオルト水素と反平行なパラ水素の2種の核スピン異性体が存在する(図4)。常温の気体水素(ノーマル水素)では、オルト水素とパラ水素の比は3:1であり、これを液化して得られる液体水素も同様のオルト・パラ比を持つ。
しかし、液相ではパラ水素の方がエネルギー的に安定であるため、発熱を伴うオルト→パラ変換が生じる。この発熱により、液体水素の蒸発が生じ(ボイルオフ)、液体水素の輸送や貯蔵における損失原因となる。このため、ボイルオフを避ける目的で、触媒を用いてパラ変換した気体水素を製造する技術の開発が活発に行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
そこで、水素利用のための根幹技術である、製造、輸送、貯蔵の各プロセスで、2種の異性体の比率を測定・モニターする装置が不可欠である。
オルト・パラ比の測定は従来、熱伝導率の違いを利用した電気的な測定方法が用いられてきた(例えば、非特許文献1参照)。しかし、測定可能な温度範囲に制約があり(50Kから140K)、測定装置も大掛かりであった。
一方最近、ラマン散乱を利用した光学的測定によるオルト・パラ比測定装置が開発されている(例えば、非特許文献2参照)。気体水素のラマンスペクトルを測定し、スペクトル強度から、オルト・パラ比を算出するものである。このラマン分光分析法では、測定温度に制約がないという利点がある。
図5は、従来のラマン分光分析法を用いた測定装置を示す要部構成図である。図において、レーザー20は例えばアルゴンガスレーザーで、波長は可視光帯域では514.5nmや488nmである。レーザー20から照射されたレーザー光は集光レンズ22を介して試料10に照射され、試料10からの散乱光として照射レーザー光波長と同一のレイリー散乱(弾性散乱)と、分子振動によって入射光とは異なる波長に散乱されるラマン散乱(非弾性散乱)とが生じる。ラマン散乱は、入射光に対して分子の振動エネルギー(hν)だけシフトしたもので、レイリー散乱よりも10−6倍ほど微弱な光である。ラマン散乱のなかで、入射光よりも低い振動数(長波長)領域に観測されるバンドをストークス散乱といい、高い振動数(短波長)領域に観測されるバンドをアンチストークス散乱という。一般的なラマンスペクトルでは、強度の大きいストークス散乱光を用い解析する。
集光レンズ24、26はレーザー光の試料10への照射で生じたラマン散乱光を、分光器27に集光する。帯域除去フィルター25は、照射レーザー光波長と同一のレイリー散乱光を除去して、分光器27にラマン散乱光が精度よく分光できるように前処理している。分光器27には、例えば回折格子が用いられる。CCDアレイ検出器28は、分光器27で分光したラマン散乱光を波長毎に検出してスペクトルを測定する。パーソナルコンピューター29は、CCDアレイ検出器28が得た信号をラマンシフト値に変換して表示する。
このような構成の従来のラマン分光分析装置により、オルト・パラ比測定を行う場合には、次のように測定作業を行う。
まず、レーザー20からレーザー光を照射し、集光レンズ22を介して試料10に照射する。すると、試料10からレイリー散乱とラマン散乱が散乱されるので、集光レンズ24、26でラマン散乱を分光器27に集光すると共に、帯域除去フィルター25でレイリー散乱を除去する。すると、ラマン散乱光は分光器27で分光され、CCDアレイ検出器28で波長毎に検出して、パーソナルコンピューター29でラマンシフト値に変換して、スペクトルを測定する。そして、パーソナルコンピューター29でラマン散乱光のスペクトル線の内、オルト水素の散乱によるピークとパラ水素の散乱によるピークの強度から、オルト・パラ比を測定する。
特表2017−525903号公報(特に請求項13、14) 特開2018−68089号公報(特に[0005]参照)
A. Farkas "Orthohydrogen, parahydrogen and heavy hydrogen" Cambridge University Press, Cambridge, UK, 1935 『ラマン分光を用いたオルト水素・パラ水素比の算出』、Raman application data、日本分光株式会社、2009https://www.jasco.co.jp/jpn/technique/applicationdata/Raman/230-AN-0006.html
しかし、上記のラマン分光分析法では、スペクトル測定を行うために、レーザー装置に加えて、分光器、CCDアレイ検出器が必要である。そこで、液体水素の製造・輸送や貯蔵の各プロセスでオルト・パラ比を測定装置としては、極めて高価・大型であるという課題があった。
本発明は上記の課題を解決したもので、既存装置と比較して簡易且つ堅固な光学機構を有するオルト・パラ比測定装置を提供することである。
[1]本発明のオルト・パラ比測定装置は、例えば図1に示すように、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定するオルト・パラ比測定装置であって、試料10に照射するレーザー光を発生するレーザー光源20と、レーザー光源20から照射されたレーザー光に対して、試料10から散乱されたラマン散乱光を平行光に変換するコリメータレンズ24と、コリメータレンズ24で平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝するハーフミラー30と、ハーフミラー30で分岐された一方のラマン散乱光のうち、オルト水素による散乱光を透過する第1の帯域通過フィルター42と、ハーフミラー30で分岐された他方のラマン散乱光のうち、パラ水素による散乱光を透過する第2の帯域通過フィルター32と、第1の帯域通過フィルター42を透過した光強度と、第2の帯域通過フィルター32を透過した光強度の比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する比率測定部とを備えるものである。
[2]本発明のオルト・パラ比測定装置において、好ましくは、例えば図1に示すように、前記比率測定部は、第1の帯域通過フィルター42で波長選択したオルト水素のラマン散乱光の光強度を測定する第1のフォトダイオード46と、第2の帯域通過フィルター32で波長選択したパラ水素のラマン散乱光の光強度を測定する第2のフォトダイオード36と、前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比を測定する演算部50とを備えるとよい。
[3]本発明のオルト・パラ比測定装置は、例えば図3に示すように、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定するオルト・パラ比測定装置であって、試料10に照射するレーザー光を発生するレーザー光源20と、レーザー光源20から照射されたレーザー光に対して、試料10から散乱されたラマン散乱光を平行光に変換するコリメータレンズ24と、コリメータレンズ24で平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝するビームスプリッタ31と、ビームスプリッタ31で分岐された一方のラマン散乱光のうち、オルト水素による散乱光を透過する第1の帯域通過フィルター42と、ビームスプリッタ31で分岐された他方のラマン散乱光のうち、パラ水素による散乱光を透過する第2の帯域通過フィルター32と、ビームスプリッタ31で第1の帯域通過フィルター42側に分岐した光強度、第2の帯域通過フィルター32側に分岐した光強度、並びに第1の帯域通過フィルター42を透過した光強度と第2の帯域通過フィルター32を透過した光強度の比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する比率測定部とを備えるものである。
[4]本発明のオルト・パラ比測定装置において、好ましくは、例えば図3に示すように、前記比率測定部は、第1の帯域通過フィルター42で波長選択したオルト水素のラマン散乱光の光強度を測定する第1のフォトダイオード46と、第2の帯域通過フィルター32で波長選択したパラ水素のラマン散乱光の光強度を測定する第2のフォトダイオード36と、前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比を測定する演算部50とを備え、ビームスプリッタ31で第1の帯域通過フィルター42側に分岐した光強度と第2の帯域通過フィルター32側に分岐した光強度との比率、並びに演算部50で演算した第1及び第2のフォトダイオード(42、32)の信号強度比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定するとよい。
[5]本発明のオルト・パラ比測定装置において、好ましくは、さらに試料10の気体温度を測定する気体温度計を備え、前記比率測定部は、気体温度計で測定した試料10の気体温度と、前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定するとよい。
[6]本発明のオルト・パラ比測定装置において、好ましくは、さらに、試料10から散乱された散乱光から、レイリー散乱を除去する帯域除去フィルターを、前記コリメータレンズとビームスプリッタ31との間に設けるとよい。
[7]本発明のオルト・パラ比測定装置において、好ましくは、レーザー光源はNd:YVO(ネオジウム:イットリウム・四酸化バナジウム)又はイットリビウム(Y)とアルミニウム(Al)の複合酸化物(YAl12)から組成されるガーネット(G)構造の結晶であり、前記レーザー光は波長532nmであるとよい。
[8]本発明のオルト・パラ比測定装置において、好ましくは、オルト水素による散乱光はラマンシフト波数589.54±2cm−1であり、前記パラ水素による散乱光はラマンシフト波数361.67±2cm−1であるとよい。
本発明のオルト・パラ比測定装置によれば、上記の構成[1]、[3]を用いることにより、分光器・回折格子に加えてCCDアレイ検出器を用いることなく、従来装置と同様の原理でオルト・パラ比測定が可能となる。
また、本発明のオルト・パラ比測定装置によれば、上記の構成[2]、[4]において比率測定部に第1及び第2のフォトダイオードを用いることにより、分光器・回折格子に加えてCCDアレイ検出器を用いることなく、簡単な電子回路構成により、従来装置と同様の原理でオルト・パラ比測定が可能となる。
本発明の一実施例を示すオルト・パラ比測定装置の要部構成図で、ハーフミラーを用いる場合を示している。 本発明の一実施例を示す水素ガスのラマンスペクトル(励起波長:532nm)である。 本発明の他の実施例を示すオルト・パラ比測定装置の要部構成図で、ビームスプリッタを用いる場合を示している。 本発明の測定装置の測定対象であるオルト水素とパラ水素の説明図である。 従来のラマン分光分析法を用いた測定装置を示す要部構成図である。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は、本発明の一実施例を示すオルト・パラ比測定装置の要部構成図である。図において、本発明のオルト・パラ比測定装置は、レーザー20、集光レンズ22、34、44、コリメータレンズ24、ハーフミラー30、帯域通過フィルター32、42、フォトダイオード36、46、演算回路(演算部)50で構成される。比率測定部としては、フォトダイオード36、46及び演算回路(演算部)50が含まれる。
試料10は、気体状の水素ガスを含有する気体や液体水素である。常温の気体水素では、オルト水素とパラ水素の比は3:1であり、これを液化して得られる液体水素も同様のオルト・パラ比を持つ。しかし、液相ではパラ水素の方がエネルギー的に安定であるため、発熱を伴うオルト→パラ変換が生じ、ボイルオフを生ずる。そこで、ボイルオフを避ける目的で、触媒を用いてパラ変換した気体水素を製造し、輸送し、貯蔵することが行われている。
レーザー20は、例えばNd:YVO(ネオジウム:イットリウム・四酸化バナジウム)をレーザー媒質として使用した半導体レーザー励起の固体レーザーである。レーザー共振器内部の非線形光学結晶によって、近赤外線の波長(1064nm)の第2高調波である波長532nmのグリーンレーザ光を発生させる。レーザー20としては、YAGレーザーを用いてもよい。YAGレーザーは、イットリビウム(Y)とアルミニウム(Al)の複合酸化物(YAl12)から組成されるガーネット(G)構造の結晶で近赤外線の波長(1064nm)を発振するレーザー媒体で、好ましくはネオジウム(Nd)をドープしてもよい。オルト・パラ比測定装置用には、第2高調波である波長532nmのグリーンレーザ光を発生させる。
集光レンズ22は、レーザー20の波長532nmのレーザー光を、試料10である水素ガスに集光する。
コリメータレンズ24は、波長532nmのレーザー光照射により試料10で生じたラマン散乱を平行光にする。
ハーフミラー30は、コリメータレンズ24で平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝するもので、分枝された光強度は1:1になっている。
帯域通過フィルター32は、ハーフミラー30で分岐された他方のラマン散乱光のうち、パラ水素による散乱光を透過する。帯域通過フィルター32の材質としては、例えば誘電体多層膜が用いられる。
集光レンズ34は、帯域通過フィルター32を透過したパラ水素による散乱光をフォトダイオード36に集光する。
フォトダイオード36は、第2の帯域通過フィルター32で波長選択したパラ水素のラマン散乱光の光強度を測定する。パラ水素による散乱光はラマンシフト波数361.67±2cm−1の帯域に含まれている。
帯域通過フィルター42は、ハーフミラー30で分岐された一方のラマン散乱光のうち、オルト水素による散乱光を透過する。帯域通過フィルター42の材質としては、例えば誘電体多層膜が用いられる。
集光レンズ44は、帯域通過フィルター42を透過したオルト水素による散乱光をフォトダイオード46に集光する。
フォトダイオード46は、第1の帯域通過フィルター42で波長選択したオルト水素のラマン散乱光の光強度を測定する。オルト水素による散乱光はラマンシフト波数589.54±2cm−1である。帯域通過フィルター42の材質としては、例えば誘電体多層膜が用いられる。
演算回路50は、第1及び第2のフォトダイオード36、46の信号強度比を演算するもので、例えばOPアンプのようなアナログ演算回路でもよく、またマイクロプロセッサのようなデジタル演算回路でもよい。これにより、比率測定部は、第1の帯域通過フィルター42を透過した光強度と第2の帯域通過フィルター32を透過した光強度の比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する。ここで、オルト水素とパラ水素の比率が既知の標準試料を用いて、フォトダイオード36、46を含む計測装置しての感度校正を行う構成とするのが好ましい。
好ましくは、試料10の気体温度を測定する気体温度計を設けるとよい。
気体温度計を設ける場合は、比率測定部は、気体温度計で測定した試料10の気体温度と、第1の帯域通過フィルター42を透過した光強度と第2の帯域通過フィルター32を透過した光強度の比から、試料10に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する。
このように構成された装置の動作を次に説明する。
レーザー20の発生した波長532nmのレーザー光を、試料10である水素ガスに集光し、生じたラマン散乱をハーフミラー30で二つに分ける。一方の光路にパラ水素による散乱光(J=0)を選択的に透過する帯域通過フィルター32(バンド幅:5nm程度)を設置し、透過光をフォトダイオード36により検出する。もう一方の光路にオルト水素による散乱光(J=1)を透過する帯域通過フィルター42(バンド幅:5nm程度)を設置し、透過光をフォトダイオード46で検出する。比率測定部により、二つのフォトダイオード36、46の信号強度及び気体温度から、オルト・パラ比を算出する。
続いて、図1に示す本発明のオルト・パラ比測定装置で測定した、波長532nmのレーザーを用いて測定した、気体水素分子のラマンスペクトルを図2に示す。
スペクトル中、360cm−1付近のピークはパラ水素のJ=0(J:角運動量子数)を始状態とする遷移に起因しており、590cm−1付近のピークはオルト水素のJ=1を始状態遷移に起因している。
続いて、本発明の他の実施例を、図3を用いて説明する。図3は、オルト・パラ比測定装置の要部構成図で、ビームスプリッタを用いる場合を示している。なお、図3において、前出の図1と同一作用をするものには同一符号を付して説明を省略する。
図3において、図1のハーフミラー30に代えて、ビームスプリッタ31を用いている。ハーフミラー30の場合は、コリメータレンズで平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝した光強度は1:1になっている。これに対して、ビームスプリッタ31の場合は、コリメータレンズで平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝した光強度は任意の比率(1:x)に分割されている。そこで、比率測定部においては、二つのフォトダイオード36、46の信号強度及び気体温度に加えて、ビームスプリッタ31の二方向の分割比も考慮して、オルト・パラ比を算出する。
なお、本発明の実施例として図1、図3に示す実施例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者に自明な範囲での設計変更も本発明の範囲に含まれる。
例えば、試料10から散乱された散乱光から、レイリー散乱を除去する帯域除去フィルターを、コリメータレンズ24とハーフミラー30又はビームスプリッタ31との間に設けてもよい。
本発明のオルト・パラ比測定装置は、液体水素の製造、輸送、貯蔵の各プロセスで必須である。水素利用社会に向けた積極的な取り組みが国内外でなされていることを考えると、既存装置と比較して著しく小型・安価な本装置は、大きな需要がある。
10:試料
20:レーザー
22、26、34、44:集光レンズ
24:コリメータレンズ
25:帯域除去フィルター(レーザー照射光用)
30:ハーフミラー
31:ビームスプリッタ
32:帯域通過フィルター(パラ水素ラマン散乱光透過用)
36、46:フォトダイオード
42:帯域通過フィルター(オルト水素ラマン散乱光透過用)
50:演算回路

Claims (8)

  1. 試料に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定するオルト・パラ比測定装置であって、
    前記試料に照射するレーザー光を発生するレーザー光源と、
    前記レーザー光源から照射されたレーザー光に対して、前記試料から散乱されたラマン散乱光を平行光に変換するコリメータレンズと、
    前記コリメータレンズで平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝するハーフミラーと、
    前記ハーフミラーで分岐された一方のラマン散乱光のうち、オルト水素による散乱光を透過する第1の帯域通過フィルターと、
    前記ハーフミラーで分岐された他方のラマン散乱光のうち、パラ水素による散乱光を透過する第2の帯域通過フィルターと、
    前記第1の帯域通過フィルターを透過した光強度と、前記第2の帯域通過フィルターを透過した光強度の比から、前記試料に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する比率測定部と、
    を備えるオルト・パラ比測定装置。
  2. 前記比率測定部は、
    前記第1の帯域通過フィルターで波長選択したオルト水素のラマン散乱光の光強度を測定する第1のフォトダイオードと、
    前記第2の帯域通過フィルターで波長選択したパラ水素のラマン散乱光の光強度を測定する第2のフォトダイオードと、
    前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比を演算する演算部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のオルト・パラ比測定装置。
  3. 試料に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定するオルト・パラ比測定装置であって、
    前記試料に照射するレーザー光を発生するレーザー光源と、
    前記レーザー光源から照射されたレーザー光に対して、前記試料から散乱されたラマン散乱光を平行光に変換するコリメータレンズと、
    前記コリメータレンズで平行光に変換されたラマン散乱光を二方向に分枝するビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタで分岐された一方のラマン散乱光のうち、オルト水素による散乱光を透過する第1の帯域通過フィルターと、
    前記ビームスプリッタで分岐された他方のラマン散乱光のうち、パラ水素による散乱光を透過する第2の帯域通過フィルターと、
    前記ビームスプリッタで前記第1の帯域通過フィルター側に分岐した光強度、前記第2の帯域通過フィルター側に分岐した光強度、並びに前記第1の帯域通過フィルターを透過した光強度と前記第2の帯域通過フィルターを透過した光強度の比から、前記試料に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定する比率測定部と、
    を備えるオルト・パラ比測定装置。
  4. 前記比率測定部は、
    前記第1の帯域通過フィルターで波長選択したオルト水素のラマン散乱光の光強度を測定する第1のフォトダイオードと、
    前記第2の帯域通過フィルターで波長選択したパラ水素のラマン散乱光の光強度を測定する第2のフォトダイオードと、
    前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比を演算する演算部と、
    を備え、前記ビームスプリッタで前記第1の帯域通過フィルター側に分岐した光強度と前記第2の帯域通過フィルター側に分岐した光強度との比率、並びに前記演算部で演算した前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比から、前記試料に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定することを特徴とする請求項3に記載のオルト・パラ比測定装置。
  5. さらに前記試料の気体温度を測定する気体温度計を備え、
    前記比率測定部は、前記気体温度計で測定した前記試料の気体温度と、前記第1及び第2のフォトダイオードの信号強度比から、前記試料に含まれるオルト水素とパラ水素の比率を測定することを特徴とする請求項2又は4に記載のオルト・パラ比測定装置。
  6. さらに、前記試料から散乱された散乱光から、レイリー散乱を除去する帯域除去フィルターを、前記コリメータレンズと前記ビームスプリッタとの間に設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のオルト・パラ比測定装置。
  7. 前記レーザー光源はNd:YVO(ネオジウム:イットリウム・四酸化バナジウム)又はイットリビウム(Y)とアルミニウム(Al)の複合酸化物(YAl12)から組成されるガーネット(G)構造の結晶であり、前記レーザー光は波長532nmであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のオルト・パラ比測定装置。
  8. 前記オルト水素による散乱光はラマンシフト波数589.54±2cm−1であり、前記パラ水素による散乱光はラマンシフト波数361.67±2cm−1であることを特徴とする請求項7に記載のオルト・パラ比測定装置。
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