JP2021041560A - 車両用灯具カバー - Google Patents

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Seiji Katayama
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【課題】1次成形品の周囲に2次成形品が配置されて構成された灯具カバーおいて、灯具ボティへの取付脚部付近の外観不良を防止することを可能とする技術を提供する。【解決手段】車両用灯具カバーは、透光性樹脂で構成され、所定の形状の意匠面を構成する前面構成部(12)および該意匠面の背面側に延びる周壁(100b)を構成する周壁構成部(14)を備える第1の樹脂部(10)と、不透明樹脂で構成され、少なくとも一部が周壁構成部(14)の内側に積層される周壁積層部(22)を備える第2の樹脂部(20)とを備え、第1の樹脂部(10)は、周壁(100b)の外側に向かって延びるフランジ(100c)を構成するフランジ構成部(16)を備え、第2の樹脂部(20)は、フランジ構成部(16)の背面側に突出する脚部(26)を備え、脚部(26)は、第2の樹脂部(20)の外周側端部に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用灯具カバーに関し、より詳細には、二色成形で作製される車両用灯具カバーに関する。
従来、射出成形の一方法として、1次成形品を形成した後に、その周囲に2次成形品を形成することで二色成形品を作製する技術が知られており、特許文献1には、二色成形により作製される車両用灯具カバーが開示されている。
特許文献1の車両用灯具カバーは、透明樹脂で構成される1次成形品の周囲に、不透明樹脂で構成される2次成形品が配置される構成を有する。該2次成形品は、その外周部に、灯具ボディに取付けるための脚部(シール足)と、取付部を目隠しするためのフランジとが形成され、断面T字状の構造を有する。
特開2014−176974号公報
上記車両用灯具カバーでは、2次成形品を、外周側を薄肉に、内側を厚肉に設定して、成形時に、内側の樹脂の速度が早く、外側の樹脂の速度が遅くなるようにし、金型の外周側のパーティングラインにガスまたはエアが排出されるようにしている。しかし、外周部に存在する脚部の基部、即ち上記断面T字の交差部分では、樹脂が冷めにくいため、樹脂の流速が早くなり、このため、樹脂が会合するウェルドライン付近で、ガスやエアが透明樹脂部との接合部に閉じ込められ、圧縮されて高温となり、ガス焼けと言われる外観不良が生ずる虞があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、1次成形品の周囲に2次成形品が配置されて構成された車両用灯具カバーおいて、ランプボティへの取付脚部付近の外観不良を防止することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る車両用灯具カバーは、透光性樹脂で構成され、所定の形状の意匠面を構成する前面構成部および該意匠面の背面側に延びる周壁を構成する周壁構成部を備える第1の樹脂部と、不透明樹脂で構成され、少なくとも一部が前記周壁構成部の内側に積層される周壁積層部を備える第2の樹脂部とを備え、前記第1の樹脂部は、前記周壁の外側に向かって延びるフランジを構成するフランジ構成部を備え、前記第2の樹脂部は、前記フランジ構成部の背面側に突出する脚部を備え、前記脚部は、前記第2の樹脂部の外周側端部に設けられている。
上記態様において、前記フランジは、前記第1の樹脂部の外周の一部に形成されていることも好ましい。
また、上記態様において、前記第2の樹脂部は、前記フランジ構成部の裏面に沿ってフランジの中間部まで延びるフランジ積層部を備え、前記フランジ積層部と、前記脚部と、前記フランジ構成部とで、断面T字形状を形成するように構成されていることも好ましい。
また、上記態様において、前記脚部は、前記周壁積層部を延長して形成されていることも好ましい。
上記態様によれば、1次成形品の周囲に2次成形品が配置されて構成された車両用灯具カバーおいて、ランプボティへの取付脚部付近の外観不良を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両用灯具カバーの概略正面図である。 同車両用灯具カバーの図1のII−II線に沿う拡大断面図である。 同車両用灯具カバーの製造に用いる金型の側断面図である。 比較例に係る車両用灯具カバーの、図2に対応する拡大断面図である。 第1の実施の形態(A)および比較例(B)に係る車両用灯具カバーにおける、第2の樹脂部成形時の樹脂流動パターンを示す図である。 第2の実施の形態に係る車両用灯具カバーの概略正面図である。 (A)〜(C)は、同車両用灯具カバーの拡大断面図である。 同形態の第2の樹脂部成形時の樹脂流動パターンを示す図である。 (A)および(B)は、同形態の変形例にかかる車両用灯具カバーの図7に対応する拡大断面図である。 (A)および(B)は、本発明の別の実施の形態に係るにかかる車両用灯具カバーの図2に対応する拡大断面図である。 図10(A)の実施の形態の変形例に係る車両用灯具カバーの図10(A)に対応する拡大断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施の形態において、同一の機能を有する部材には同一の名称を付し、重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
(灯具カバーの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両用灯具カバー(以下、単に「灯具カバー」という。)100の概略正面図である。また、図2は、図1のII−II線に沿う、拡大断面図である。なお、以下の実施の形態に係る説明において、灯具カバーに関して前後左右等の方向を示す用語は、特に言及しない限り、灯具カバーを装着したヘッドランプを正面視した場合の方向を意味する。
灯具カバー100は、車両の左前端部に配置されるヘッドランプ用の前面カバーである。ヘッドランプは、主としてランプボディ(図示せず)と灯具カバー100とで構成されている。ランプボディは、正面視で灯具カバー100の前面部100aと整合する形状を有する、前面を開口した容器状部材である。灯具カバー100は、ランプボディの前面開口を覆うように装着される。なお、ランプ内部のランプユニットやリフレクタ等の構成は公知であるので説明を省略する。
図1に示すように、灯具カバー100は、灯具正面視において、横長略矩形状に形成された前面部100aと、前面部100aの外周縁から後方に延びる周壁100bと、周壁100bの全周に亘り、周壁部100bの後端部から外周側に向かって延びるフランジ100cとを備える。
灯具カバー100は、灯具が車両に装着された時に、その前面部100aが、車体の表面形状に沿って延びる意匠面を形成するように構成されている。
図2に示すように、灯具カバー100は、例えば無色透明のポリカーボネート(PC)樹脂等の透光性樹脂で構成される第1の樹脂部10と、例えば、黒色のABS樹脂等の不透明樹脂で構成される第2の樹脂部20とを備える。なお、上記樹脂は単なる例示であって、車両用灯具に用いられる種々の樹脂を用いることができる。
第1の樹脂部10は、前面部100aを構成する前面構成部12と、周壁部100bの外周側部分を構成する周壁構成部14と、フランジ100cを構成するフランジ構成部16を備える。前面構成部12は、ランプ前方に向けて凸状に湾曲した、ほぼ均一な厚みの板状に形成されている。周壁構成部14は、前面構成部12の外周縁部より、後方へ向かって延びている。フランジ構成部16は、周壁構成部14の後端から外周側に向かって、連続している。また、フランジ構成部16は、後述する第2の樹脂部20の脚部26に沿ってクランク状に屈曲して、外周側に外縁部16aを備える。
前面構成部12の裏面側の外周近傍には、全周に亘って第2の樹脂部20と接する突条12aが設けられている。
第2の樹脂部20は、周壁積層部22と、フランジ積層部24と、脚部26とを備える。周壁積層部22は、第1の樹脂部10の突条12aから周壁構成部14の裏面に沿って、周壁100bの後端まで延びている。フランジ積層部24は周壁積層部22の後端から、フランジ構成部16の裏面に沿って、外周方向に向かってフランジ構成部16の途中まで延在している。脚部26は、フランジ100cの後面から後方へ突出している。
第1の樹脂部10のフランジ構成部16は脚部26の基部で、クランク状に折れ曲がっており、更に外周に延びる外縁部16aを備える。
このようにして、フランジ構成部16の外縁部16aと、フランジ積層部24と、脚部26とで、略T字形状を形成している。脚部26は、ランプボディへの取り付け部分であり、シール材で固定されるシール足として機能する。また、フランジ構成部16の外縁部16aは、シール溝のシール材の溢れ、吹き出しを防ぐ蓋のような役割を果たす。
灯具カバー100は、第1の樹脂部10を1次成形品、第2の樹脂部20を2次成形品として、射出成形により製造される二色成形品である。
(金型の構成)
ここで、灯具カバー100を製造するための金型40について説明する、図3は、金型40の側断面図である。金型40は、いわゆる対向方式の二色成形用金型として構成されている。
金型40は、主として、1次コア側金型41、2次コア側金型42、および一対のキャビティ側金型43A,43Bを備える。1次コア側金型41と2次コア側金型42は、水平方向に延びるX軸上において、互いに対向して配置されている。1次コア側金型41は、可動盤45に支持されており、2次コア側金型42は、固定盤46に支持されている。
1対のキャビティ側金型43A,43Bは、1次コア側金型41と、2次コア側金型42との間に、X軸と直交する鉛直方向に延びるY軸周りに回転可能に配置された回転部材44に、Y軸に関して互いに背中合わせとなるように固定されている。
また、可動盤45は、回転部材44に対して、矢印A1で示す方向に移動可能に構成されている。回転部材44は、固定盤46に対して、矢印A2で示す方向に移動可能に構成されている。
また、金型40は、型締めにより当接した1次コア側金型42と第1のキャビティ側金型43Aとの間に形成される1次空間部C1に、可動盤45に支持された加熱シリンダ47から供給される透光性樹脂材料を射出するとともに、型締めにより当接した2次コア側金型42と第2のキャビティ側金型43Bとの間に形成される2次空間部C2に、固定盤46に支持された加熱シリンダ48から供給される不透明樹脂材料を射出するように構成されている。
金型40には、各キャビティ側金型43A,43Bの複数箇所に油圧シリンダ49が配置されている。油圧シリンダ49は、そのプランジャ51を各キャビティ側金型43A,43Bの内周面に向けるようにして、その周方向に所定間隔をおいて配置されている。これにより、各油圧シリンダ49は、そのプランジャ51をX軸と直交する方向から1次空間部C1に突出させることができるようになっている。
(灯具カバーの製造方法)
次に、灯具カバー100の製造方法について説明する。まず、1次コア側金型41および2次コア側金型42と、1対のキャビティ側金型43A,43Bとを型締めする。このとき、1次コア側金型41側のキャビティ側金型43Aに配置された油圧シリンダ49のプランジャ51を1次空間部C1に突出させる。一方、2次コア側金型42側のキャビティ側金型43Bに配置された油圧シリンダ49のプランジャ51は2次空間部C2から退避した状態にする。この状態で、加熱シリンダ47から透明樹脂材料を1次空間部C1に射出する。
次に、1次コア側金型41および2次コア側金型42と1対のキャビティ側金型43A、43Bとを型開きする。このとき、プランジャ51が1次成形品(即ち、第1の樹脂部10)に係合して、1次成形品が、1次空間部C1に射出された樹脂材料の収縮作用によって1次コア側金型41に貼り付こうとするのを防止する。
この結果、第1の樹脂部10は、キャビティ側金型43Aに保持された状態で、1次コア型金型41から離脱する。その後、回転部材44をY軸周りに180°回転させて、1次成形品(第1の樹脂部10)が保持されたキャビティ側金型43Aを2次コア型金型に対向させる。このとき、回転部材44に保持された第1の樹脂部10にはプランジャ51が係合しているため、キャビティ側金型43Aに保持された状態が維持される。
次に、1次コア側金型41および2次コア側金型42と1対のキャビティ側金型43A,43Bとを型締めする。この状態で、加熱シリンダ48から供給される不透明樹脂材料を、2次空間部C2における第1の樹脂部10以外の部分に射出して2次成形品(第2の樹脂部20)を成形する。
その後、2次コア側金型42側、キャビティ側金型43A(この時、図3における、キャビティ側金型43Bの位置にある)に配置された各油圧シリンダ49のプランジャ51を2次空間部C2から退避させ、1次コア側金型41および2次コア側金型42と1対のキャビティ側金型43A,43Bとを型開きし、二色成形品として完成した灯具カバー100を取り出す。
(作用)
ここで、本実施の形態に係る灯具カバー100の作用を、比較例を参照しながら説明する。
まず比較例を説明する。図4は、比較例に係る灯具カバー900の拡大断面図であり、第1の実施の形態に係る灯具カバー100についての図2の拡大断面図と対応する図である。灯具カバー900は、第1の実施の形態に係る灯具カバー100と略同様の形状、構造を有し、同一の材料で構成されている。即ち、灯具カバー900は、前面部900a、周壁900b、フランジ900cを備え、これらは、第1の樹脂部910および第2の樹脂部920で構成されている。
また、灯具カバー900は、第1の樹脂部910が、前面構成部912、周壁構成部914、およびフランジ構成部916を備え、第2の樹脂部920が、周壁積層部922、フランジ積層部924、および脚部926を備える点でも灯具カバー1000と共通する。また、周壁積層部922は、フランジ積層部924よりも厚肉に構成されている。
しかし、灯具カバー100では、フランジ積層部24が周壁積層部22の後端から外周方向に向かってフランジ100cの途中まで延在し、脚部26が第2の樹脂部20の外周端部でフランジ100cの後方へ突出し、フランジ構成部16の外縁部16aと、フランジ積層部24と、脚部26とで、略T字形状を形成している。
一方、灯具カバー900では、フランジ積層部924が脚部926を介してフランジ900cの外周端部まで延在し、脚部926が周壁積層部922の後端とフランジ積層部924の外周端部との中間に設けられて、フランジ積層部924と脚部926による第2の樹脂部920のみでT字形状を形成している点で異なる。なお、脚部926(シール足)がT字形状を有する形状は、特許文献1でもみられる、従来一般的な形状である。
このような形状の違いは、第2の樹脂部20の成形時の樹脂の流動パターンに以下のような違いをもたらす。
図5は、第2の樹脂部成形時の樹脂の樹脂会合部付近の流動パターンを示す図である。図5(A)は、第1の実施の形態に係る灯具カバー100の第2の樹脂部20を、図5(B)は、比較例に係る灯具カバー900の第2の樹脂部920を示す。
図5(B)に示すように、第2の樹脂部920では、ゲート(図示せず)から射出された樹脂材料は、フランジ積層部924より厚肉に構成された周壁積層部922では、薄肉のフランジ積層部924よりも温度が低下しにくく、粘度が低くなるため、流速が速くなる。一方、フランジ積層部924では、相対的に温度が低下しやすく、粘度が高くなり、流速が遅くなる。
しかし、T字形状の交差部となる、脚部926とフランジ積層部924との交差部928では、三方から樹脂が接するため、樹脂の温度が下がりにくくなり、樹脂の流速が速くなる。従って、樹脂の会合部付近での流動先端は線F2で示すような形状となる。
この結果、樹脂の会合部M2で、第2の樹脂部920と、第1の樹脂部910との間に空隙G2が生じてガスや空気が閉じ込められる。空隙G2に閉じ込められたガスや空気は、パーティングラインに逃げることができない。さらに流入する樹脂材料に圧縮されて、温度が上昇し、空隙G2付近の樹脂が変色する、“ガス焼け”と呼ばれる外観不良を生じる。
図5(A)に示すように、本実施の形態に係る第2の樹脂部20では、ゲート(図示せず)から射出された樹脂材料は、フランジ積層部24より厚肉に構成された周壁積層部22において流速が早くなり、フランジ積層部24では、相対的に流速が遅くなる。従って、樹脂の会合部付近での流動先端はF1で示す形状となる。
この結果、樹脂の会合部M1において、脚部26の外周端部付近で、第2の樹脂部20と、第1の樹脂部10との間に空隙G1が生じるが、空隙G1のガスは、白い矢印で示すように、パーティングラインPLに逃げることができる。また空隙G1は、さらに流入する樹脂材料により速やかに閉じられる。
このように、本実施の形態に係る灯具カバー100では、2次成形品である第2の樹脂部20において、外周部に配置されるランプボディへの取付部を、樹脂が三方で接する交差部を備えるT字形状を有しない構成としたので、外周部で樹脂が先行するのを防止して、樹脂会合部における空隙の発生を防止することができる。この結果、空隙内でガスや空気が圧縮されて起こる、外観不良(ガスやけ)の発生を防止することが可能となる。
また、上記比較例と同様のT字形状のシール足を備える従来の灯具カバーでは、ガスやけを防止するために、周壁積層部の肉厚を十分に大きくして、T字形状の交差部で樹脂が先行しないように設計する必要がある。一方、本実施の形態に係る灯具カバー100では、このような樹脂の先行を考慮する必要がないため、周壁積層部の肉厚設計の自由度が向上し、薄肉化することができる。この結果、灯具カバー100を軽量化することができ、また、製造コストを削減することができる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る灯具カバー200の正面図であり、図7(A)は、灯具カバー200の、図6のVIIA−VIIA線に沿う断面図、図7(B)は、図6のVIIB−VIIB線に沿う断面図、図7(C)は、図6のVIIC−VIIC線に沿う断面図である。
灯具カバー200は、第1の実施の形態に係る灯具カバー100とは異なる形状を有する車両の左前照灯用の灯具カバーである。灯具カバー200は、車両外側に向かって屈曲および湾曲しつつ先細になる略平行四辺形に形成された前面部200aと、前面部200aの外周を、前面部200bの外周縁から後方に延びる周壁200bと、周壁200bの後端位置から外周側に向かって延びるフランジ200cとを備える。しかし、図6に示すように、フランジ200cが、灯具カバー200の全周ではなく、下面にのみ設けられている点、また、周壁200bが左右の辺には設けられていない点で異なる。
また、灯具カバー200は、灯具カバー100と同様に、第1の樹脂部210と第2の樹脂部220を備える。第1の樹脂部210は、意匠面を形成する前面構成部212と、周壁200bの外周部を構成する周壁構成部214とを備え、前面構成部212の裏面の外周部には全周に向かって、第2の樹脂部220と接する突条212aを備える。
図7(A)に示すように、フランジ200cを備える部分においては、周壁構成部214の後端から外周に向かって延在するフランジ構成部216を備える。一方、第2の樹脂部220は、周壁構成部214の内側に沿って延在する周壁積層部222と、周壁220Bの後端から後方へ突出する脚部226とを備える。即ち、脚部は第2の樹脂部220の外周部に設けられている。しかし、フランジ積層部は備えず、脚部226は、周壁積層部222を延長するように設けられて、フランジ200cの裏面から後方へ突出している。
また、図7(B)に示すように、周壁200bおよびフランジ200cを備えない部分においては、第1の樹脂部210は、周壁構成部およびフランジ構成部を備えない。また、第2の樹脂部は、周壁積層部222およびフランジ積層部224を備えず、第1の樹脂部の前面構成部212の裏面から後方に突出する脚部226のみを備える。
また、図7(C)に示すように、周壁200bを備え、フランジ200cを備えない部分においては、第1の樹脂部210は、フランジ構成部212を備えない。また、第2の樹脂部220は、周壁構成部214の内側に沿って延在する周壁積層部222と、周壁220Bの後端から後方へ突出する脚部226とを備える。
灯具カバー200では、第2の樹脂部220は、均一な肉厚を有する板で構成された筒状に形成される。また、外周縁近傍で、樹脂が三方から接する交差部を有するT字形状を有しない。このため、第2の樹脂部220成形時の樹脂の流動パターンは、図8に示すように、ほぼ均一に流れて、樹脂の会合部M3付近での流動先端は線F3で示すような形状となる。このように、樹脂の会合部M3において、外周部近傍で樹脂が先行し、内部にガスや空気が取り込められる空隙が生じるのを防止することができる。
このように、フランジが存在する部分において、第2の樹脂部の脚部が、周壁積層部を延長して形成された本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、空隙内でガスや空気が圧縮されて起こる、外観不良(ガスやけ)の発生を防止することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、周壁積層部222は、灯具カバーの全周に亘って、均一な肉厚を有する筒状に形成される。フランジ積層部より肉厚にする必要があるという制限がなく、均一であればよいので、第2の樹脂部220(周壁積層部222および脚部226)の肉厚の自由度が向上する。
ここで、フランジは、灯具カバーの全周に設けられている必要はなく、少なくとも一部に設けられていればよい。また、一部に設けられる場合において、フランジが設けられる場所は、ランプボディ側において、車体取付部を有する下面または上面が好ましい。特に、下面には車体のスペースに余裕がある場合が多く、車体取付部となる、ランプボティのシール溝の外側の張り出しスペースをフランジで覆うようになっている。ランプボディの側面、特に、車体外側になる側面は、ランプが車体のコーナー部ギリギリに配置されるため、スペースの余裕がなく、フランジが構成できない場合が多い。このように、フランジが灯具カバー外周の一部のみに設けられる形態の場合、
少なくともフランジが設けられていない部分の第2の樹脂部220は、図7(B)および図7(C)のように、フランジ積層部を備えず、直線状に延びる形状となる。
この場合において、フランジ200cを備える部分の第2の樹脂部は、本発明の他の実施の形態にかかる構成であってもよいが、本実施の形態に係る第2の樹脂部220のように、脚部226が、周壁積層部224を延長して形成される形状、すなわち図7(B)および図7(C)に示す形状と同じ形状であると、第2の樹脂部220は、外周方向に屈曲部を備えず、灯具カバー200の全周に亘って、均一な肉厚を有する筒状という単純な形状となるため、金型製造の観点から好ましい。
(第2の実施の形態の変形例)
なお、本実施の形態に係る第2の樹脂部に、以下の変形を加えても良い。即ち、図9(A)のように、第2の樹脂部220Aにおいて、連続する周壁積層部222Aおよび脚部226Aを、後端に向かって薄肉になるように構成してもよい。あるいは、図9(B)のように、フランジ200cの後端部から後方に突出する脚部226Bを周壁積層部222Aよりも薄肉に構成してもよい。
このようにすれば実施の形態1と同様に、第2の樹脂部成形時の樹脂の流動パターンを、内側(前方)が速く、外周部を遅く制御できるので、空隙の発生を確実に防止することができる。また、第2の樹脂部220A,220Bの形状が単純であるので、内側にある前端部と外周部にある後端部Rの肉厚の差がわずかでも流動パターンを確実に制御することができるので、肉厚設定の自由度を阻害することがない。
(第3の実施の形態)
図10(A)は、第1の実施形態に係る灯具カバー300の拡大断面図であり、灯具カバー100に係る図2の拡大断面図と対応する図である。灯具カバー300は、灯具カバー100と略同様の形状、構造を有し、同一の材料で構成されている。
また、灯具カバー300は、第1の樹脂部310が、前面構成部312、周壁構成部314、およびフランジ構成部316を備え、第2の樹脂部320が、周壁積層部322、フランジ積層部324、および脚部326を備える点でも灯具カバー1000と共通する。また、周壁積層部322は、フランジ積層部324よりも厚肉に構成されている。
第2の樹脂部320は、第2の樹脂部20と同一の構成有する。第1の樹脂部310は、前面構成部312は、前面構成部12と同様に、ランプ前方に向けて凸状に湾曲した、ほぼ均一な厚みの板状に形成されている。周壁構成部314は、前面構成部312の外周縁部より、後方へ向かって延びている。しかし、フランジ構成部316が、周壁構成部314の後端から外周端部317まで、屈曲せずに延在している点で第1の実施の形態に係る第1の樹脂部10とは異なる。このように、灯具カバー300では、フランジ構成部316と、フランジ積層部624と、脚部326とでシール足部分の略T字形状を形成している。
本実施の形態では、第2の樹脂部320の形状が第2の樹脂部20と同一であるため、第2の樹脂部成形時の樹脂の流動パターンは、図5(A)に示すものと同様になる。従って、第1の樹脂部31の形状に関わらず、第1の実施の形態に係る灯具カバー100と同様の効果を奏することができる。
(第4の実施の形態)
図10(B)は、第1の実施形態に係る灯具カバー400の拡大断面図であり、灯具カバー100に係る図2の拡大断面図と対応する図である。灯具カバー400は、灯具カバー100と略同様の形状、構造を有し、同一の材料で構成されている。
また、灯具カバー400は、第1の樹脂部410が、前面構成部412、周壁構成部414、およびフランジ構成部416を備え、第2の樹脂部420が、周壁積層部422、フランジ積層部424、および脚部426を備える点でも灯具カバー1000と共通する。また、周壁積層部422は、フランジ積層部424よりも厚肉に構成されている。
しかし、第2の樹脂部420のフランジ積層部424が、周壁積層部422の後端と、第2の樹脂部420の外周端部に設けられた脚部426との間で、クランク状に折れ曲がっている点で異なる。これに伴い、第1の樹脂部410のフランジ構成部416は、フランジ積層部424に沿う形状となるようにクランク状に折れ曲がっている。また、フランジ構成部416は、第2の樹脂部420の脚部の426に沿ってさらにクランク状に屈曲して、外周側に外縁部416aを備える。そして、フランジ構成部416の外縁部416aと、フランジ積層部424の外周側部分424aと、脚部426とで、シール足部分のT字形状を形成している。
このように構成しても、第2の樹脂部420には、三方で樹脂と接するT字形状の交差部が存在しないため、第2の樹脂部420成形時に、外周部の脚部426の基部で樹脂の先行が起こることなく、第1の実施の形態に係る灯具カバーと同等の効果を奏することができる。
また、灯具カバー400では、フランジ400bを構成するフランジ構成部416とフランジ積層部424のクランク部の長さを適宜設計することで、灯具内の容積を確保することができる。
(第3の実施の形態の変形例)
図11は、第3の実施の形態に係る灯具カバー300の変形例に係る灯具カバー300Aの、図10Aに対応する断面図である。灯具カバー300Aは灯具カバー300と概略同一の構成を有するが、第1の樹脂部310Aが、第2の樹脂部320Aの脚部326Aの基部328において、第2の樹脂部320A方向へ突出する突起319を備える点で異なる。これに伴い、第2の樹脂部320Aの脚部326Aの基部328では、突起319と相補する形状となるように、凹部329が形成されている。なお、突起319は、周方向に連続して延在する突条であってもよく、点在する複数の突起であってもよい。
凹部329は、第2の樹脂部320A成形時に、脚部326Aへの樹脂の流入を妨げないように設計されている。また、凹部329により、フランジ積層部324Aと脚部326Aが屈曲する基部328での肉厚が、脚部326Aおよびフランジ積層部324Aと同等になるように設計されていることが好ましい。
実際、第1,第3〜4の実施の形態において、第2の樹脂部の脚部の基部では、第2の樹脂部成形時の樹脂の流速への影響は小さいものの、2方向から樹脂が接しているため、フランジ積層部や脚部に比べて肉厚になっているとも言える。
本変形例のように、第2の樹脂部320Aの脚部326Aの基部328に凹部329を設けることにより、基部328と、フランジ積層部324Aおよび脚部326Aとの間に生じる肉厚の僅かな差をさらに小さくすることができる。従って、本変形例は、第1および第4の実施の形態にも適用できる。
本発明の実施の形態として、ヘッドランプ用の前面カバーに適用した例を挙げたがこれに関わらず、種々の車両用灯具の前面カバーに適用しうることはいうまでもない。また、本発明は実施の形態に限られず、本開示に基づく種々の変形又は修正が、本発明の範囲に含まれる。
車両用灯具カバー 100,200,200A,200B,300,300A,400
周壁 100b,200b,300b,400b
フランジ 100c,200c,300c,400c
第1の樹脂部 10,110,210,310,310A,410
前面構成部 12,212,312,412
周壁構成部 14,214,314,414
フランジ構成部 16,216,316,416
第2の樹脂部 20,120,220,220A,220B,320,320A,420
周壁積層部 22,222,222A,322,422
フランジ積層部 14
脚部 26,226,226A,226B,326,326A,426

Claims (4)

  1. 透光性樹脂で構成され、所定の形状の意匠面を構成する前面構成部および該意匠面の背面側に延びる周壁を構成する周壁構成部を備える第1の樹脂部と、
    不透明樹脂で構成され、少なくとも一部が前記周壁構成部の内側に積層される周壁積層部を備える第2の樹脂部とを備え、
    前記第1の樹脂部は、前記周壁の外側に向かって延びるフランジを構成するフランジ構成部を備え、
    前記第2の樹脂部は、前記フランジ構成部の背面側に突出する脚部を備え、前記脚部は、前記第2の樹脂部の外周側端部に設けられていることを特徴とする車両用灯具カバー。
  2. 前記フランジは、前記第1の樹脂部の外周の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具カバー。
  3. 前記第2の樹脂部は、前記フランジ構成部の裏面に沿ってフランジの中間部まで延びるフランジ積層部を備え、前記フランジ積層部と、前記脚部と、前記フランジ構成部とで、断面T字形状を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具カバー。
  4. 前記脚部は、前記周壁積層部を延長して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具カバー。
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WO2023013677A1 (ja) * 2021-08-04 2023-02-09 株式会社小糸製作所 2色成形レンズ

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