JP2021032137A - ファン及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Hideaki Konishi
英明 小西
恒久 佐柳
Tsunehisa Sayanagi
恒久 佐柳
洋峻 富岡
Hirotaka Tomioka
洋峻 富岡
祐希 山下
Takashi Yamashita
祐希 山下
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Abstract

【課題】複数の翼によるアンバランスを改善し易くして複数の翼のバランスの崩れによる騒音を抑制することができるファンを提供する。
【解決手段】室外ファン40は、樹脂製のハブ60と、ハブ60に接続されている樹脂製のn(ただし、nは2以上の整数)枚の翼50と、釣合い重り80a,80b,80cとを備えている。n枚の翼50のうちの少なくとも一つの翼50の重55心は、回転軸91を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼50の重心55と重ならない。釣合い重り80a,80b,80cは、回転軸方向に見てハブ60の内側に配置されている。釣合い重り80a,80b,80cは、n枚の翼50及びハブ60の樹脂よりも比重が大きい材料からなる。ハブ60は、釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定している。
【選択図】図4

Description

ファン、及び当該ファンを備える冷凍サイクル装置
従来のファンの中には、特許文献1(特開平10―176694号公報)に記載されているように、複数の翼が不等ピッチで配列されたファンがある。このような翼の配列には、ファンが発する騒音の一種であるNZ音を低減する効果がある。NZ音とは、1秒当たりの回転数Nと円周上に配列された翼の枚数Zとの積(N×Z)の周波数を持つ騒音である。
翼が不等ピッチで配列されるとファンのバランスが崩れる。そこで、特許文献1に記載のファンでは、翼に錘を装着し、特定の翼の質量を変え、或いは特定の翼の大きさを変えてバランスを調整している。しかしながら、翼が不等ピッチで配列されたことによるバランスの崩れを複数の翼に錘を装着し、特定の翼の質量を変え、或いは特定の翼の大きさを変えて調整しようとすると、ファンの設計や製造が難しくなる。
ファンには、複数の翼によるアンバランスを改善し易くして複数の翼のバランスの崩れによる騒音を抑制するという課題がある。
第1観点のファンは、樹脂製のハブと、ハブに接続されている樹脂製のn(ただし、nは2以上の整数)枚の翼と、釣合い重りとを備えている。n枚の翼のうちの少なくとも一つの翼の重心は、回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼の重心と重ならない。釣合い重りは、回転軸方向に見てハブの内側に配置され、n枚の翼及びハブの樹脂よりも比重が大きい材料からなる。ハブは、釣合い重りを樹脂で把持して固定している。
第1観点のファンは、樹脂よりも比重が大きい釣合い重りによってn枚の翼の重心のアンバランスを改善し、騒音を容易に小さくすることができる。
第2観点のファンは、第1観点のファンであって、釣合い重りは、n枚の翼及びハブの樹脂よりも高い融点を持つ材料からなる。
第2観点のファンは、釣合い重りの融点が翼及びハブの樹脂よりも高いことから、翼及びハブの成形時に変形し難く、精度良くバランス調整をすることができる。
第3観点のファンは、第1観点または第2観点のファンであって、釣合い重りは、ハブの樹脂中にインサートされた金属製部材である。
第3観点のファンの釣合い重りは金属製部材であって、比重が大きく、安価で、且つ熱による変形もない。そのため、ファンは、金属製部材でバランスをとることにより、安価に精度良くバランス調整をすることができる。
第4観点のファンは、第1観点から第3観点のいずれかのファンであって、n枚の翼は、不等ピッチに配置されることによって回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼の重心と重ならない少なくとも一つの翼を含む。
第4観点のファンは、不等ピッチに配列されて大きく重心がずれても、樹脂よりも比重が大きい釣合い重りによって翼の重心のアンバランスを容易に改善することができる。
第5観点のファンは、第1観点から第4観点のいずれかのファンであって、ハブは、釣合い重りの表面のうちの樹脂で覆われていない領域を埋めるシール部材を有する。
第5観点のファンは、シール部材で釣合い重りの表面が覆われていないと水分が釣合い重りと樹脂との間に侵入して釣合い重りの腐食が進む。ファンは、シール部材で釣合い重りの表面を覆うことによって、釣合い重りと樹脂との間への水の侵入を防ぎ、釣合い重りを錆び難くすることができる。
第6観点のファンは、第5観点のファンであって、シール部材の熱膨張率が釣合い重りの熱膨張率よりも大きい。
第6観点のファンは、温度が上昇すると熱膨張率が小さい釣合い重りとハブの間に隙間ができることがある。しかし、熱膨張率が大きいシール部材とハブとの間には隙間ができ難いので、温度変化のある環境下でも釣合い重りに水分が到達するのを十分に抑制できる。
第7観点のファンは、第1観点から第6観点のいずれかのファンであって、ハブは、外周部に円筒状外壁部及び、円筒状外壁部との間に隙間を持ち且つ釣合い重りを把持する把持部を有する。
第7観点のファンは、円筒状外壁部と把持部との間の隙間により、円筒状外壁部の厚みを均一化してバランスが崩れるのを抑制できる。
第8観点のファンは、第1観点から第7観点のいずれかのファンであって、ハブは、リブを有し、リブに取り付けられている金属製クリップを備える。
第8観点のファンは、リブに取り付けられている金属製クリップでファンのバランス調整の微調整をすることができる。
第9観点のファンは、第1観点から第8観点のいずれかのファンであって、ハブは、釣合い重りをハブに係止する抜け防止構造を有する。
第9観点のファンは、抜け防止構造によって釣合い重りとハブとの位置関係がファンの成形後に変化するのを抑制することができ、成形後にファンのバランスが崩れるのを抑制することができる。
第10観点のファンは、第1観点から第9観点のいずれかのファンであって、釣合い重りは、金属製の第1部材を含み、第1部材は、回転軸に対して直交する方向から見て、n枚の翼の重心の位置を全て含むように配置されている。
第10観点のファンは、第1部材により、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、n枚の翼とハブを含む全体の重心位置を回転軸上に合わせ易くなる。
第11観点のファンは、第1観点から第9観点のいずれかのファンであって、釣合い重りは、金属製の第1部材を含み、第1部材の回転軸方向の長さが、ハブの回転軸方向の長さに実質的に等しい。
第11観点のファンは、第1部材により、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、n枚の翼とハブを含む全体の重心位置を回転軸上に合わせ易くなる。
第12観点のファンは、第10観点または第11観点のファンであって、釣合い重りは、第1部材よりも短い金属製の第2部材及び第3部材を含み、第2部材及び第3部材は、回転軸方向に互いに離れて配置されている。
第12観点のファンは、第2部材と第3部材により、偶不釣合いを抑制しやすくなる。
第13観点のファンは、第12観点のファンであって、第2部材と第3部材は、回転軸方向に見て回転軸を通る一つの直線と交わる位置に配置されている。
第13観点のファンは、第2部材と第3部材により、回転軸方向に見たファンの重心位置を回転軸上に配置し易く且つ偶不釣合いを抑制し易くなる。
第14観点の冷凍サイクル装置は、交換器を有し、冷凍サイクルが行われる冷媒回路と、第1観点から第13観点のいずれかのファンと、を備え、ファンは、プロペラファンである。
第14観点の冷凍サイクル装置は、樹脂よりも比重が大きい釣合い重りによってn枚の翼の重心のアンバランスを改善し、騒音を容易に小さくすることができる。
実施形態に係る空気調和機の冷媒回路を示す回路図。 空気調和機の室外機の外観を示す正面図。 図2の室外機の内部の構造を説明するための模式的な断面図。 図2の室外機に用いられる室外ファンの一例を示す背面図。 図4の室外ファンの正面図。 ハブを示す拡大背面図。 図6のI−I線に沿って切断したときの室外ファンの拡大断面図。 図6のII−II線に沿って切断したときの室外ファンの拡大断面図。 釣合い重りの配置を説明するための室外ファンの平面図。 釣合い重りの配置を説明するための室外ファンの平面図。 リブに取り付けられたクリップ型バランサーの側面図。 ブに取り付けられたクリップ型バランサーの正面図。 シール部材を説明するための拡大断面図。 シール部材を説明するための拡大断面図。 変形例に係る室内機の内部の構造を説明するための模式的な断面図。
(1)冷凍サイクル装置の構成
図1には、冷凍サイクル装置の例として、空気調和機1が示されている。空気調和機1は、熱源となる室外機2と、室外機2で得られる熱を利用する室内機3とを備えている。室外機2と室内機3は、冷媒連絡配管4,5で接続されている。室外機2は、冷媒連絡配管4,5と接続するための閉鎖弁26,27を有している。
冷媒連絡配管4,5で接続された室外機2と室内機3には、冷媒回路10が形成される。この冷媒回路10には、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、膨張弁24と、アキュムレータ25と、室内熱交換器31とが含まれている。四方弁22は、例えば、空気調和機1の冷房運転時と暖房運転時とで、冷媒が流れる方向を切り換える。
冷房運転時には、実線で示されている経路で冷媒を流すように四方弁22が切り換えられる。冷房運転時には、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が、室外熱交換器23に流れる。室外熱交換器23では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器23で熱を奪われた冷媒は、膨張弁24で減圧される。膨張弁24で減圧された冷媒は、室内熱交換器31に流れる。室内熱交換器31では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室内熱交換器31で熱を室内空気から得た冷媒は、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。アキュムレータ25を通過する際に、冷媒は、ガス冷媒と液冷媒に分離され、主にガス冷媒が圧縮機21に吸入される。このように、冷媒回路10で蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器31での熱交換によって熱を奪われた室内空気で室内が冷房される。室外熱交換器23には、室外ファン40により、室外空気が供給される。室内熱交換器31には、室内ファン32により、室内空気が供給される。室内ファン32は、例えば、クロスフローファンである。
暖房運転時には、破線で示されている経路で冷媒を流すように四方弁22が切り換えられる。暖房運転時には、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁22を通って室内熱交換器31に流れる。室内熱交換器31では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室内熱交換器31で放熱した冷媒は、膨張弁24で減圧される。膨張弁24で減圧された冷媒は、室外熱交換器23に流れる。室外熱交換器23では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器23で熱を室外空気から得た冷媒は、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。このように、冷媒回路10で蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器31での熱交換によって熱を得た室内空気で室内が暖房される。
(2)室外機2の構成
室外機2は、図2及び図3に示されているように、実質的に直方体の外観を持つケーシング28を有している。室外機2では、ケーシング28の内部空間が、仕切板29により送風機室S1と機械室S2とに分割されている。機械室S2には、図3に示されている圧縮機21以外に、図3では図示を省略されているが、例えば、四方弁22と膨張弁24とアキュムレータ25とが配置される。送風機室S1には、室外熱交換器23と室外ファン40とが配されている。この室外熱交換器23は、平面視において、L字型の形状を有する。ただし、室外機2に用いられる室外熱交換器23の形状は、L字型の形状を有するものには限られない。
ケーシング28には、室外熱交換器23を挟んで室外ファン40とは反対の側に、送風機室S1に繋がる開口部28a,28bが形成されている。室外ファン40が駆動されると、開口部28a,28bから室外熱交換器23を通過して送風機室S1に室外空気が流れ込む。ケーシング28において、室外ファン40を挟んで室外熱交換器23とは反対の側にベルマウス28cが配置されている。ベルマウス28cは、室外ファン40の回転軸方向に見て、円形の開口部28dを有している。室外ファン40が駆動されると、ベルマウス28cを通して送風機室S1の内部から室外に向って空気が吹出される。このベルマウス28cの円形の開口部28dは、グリル28eによって覆われている。室外ファン40が駆動されると、ケーシング28の開口部28a,28bからケーシング28の内部に吸い込まれる室外空気は、室外熱交換器23、室外ファン40、ベルマウス28cの円形の開口部28d及びグリル28eを通過して、ケーシング28の外部に吹出される。このように室外熱交換器23を通過する室外空気が、室外熱交換器23の中を流れる冷媒と熱交換される。
室外ファン40は、ファンモータ90によって駆動される。ファンモータ90は、ファンモータ台95によって支持されている。ファンモータ台95は、室外機2が設置されている状態で、ファンモータ90の回転軸91が実質的に水平方向に延びるように、ファンモータ90をケーシング28に固定している。ここでは、ファンモータ90が回転軸91を持つ場合が示されているが、室外ファン40が回転軸を持つように構成されてもよい。水平方向に延びる回転軸91に室外ファン40が取り付けられている場合に、室外ファン40は、実質的に水平な方向に流れる気流を発生する。
(3)室外ファンの構成の概要
図4及び図5に示されているように、室外ファン40は、樹脂製のハブ60と、ハブ60に接続されている樹脂製の翼50と、釣合い重り80a,80b,80cとを備えている。図4には、室外ファン40を背面側(室外熱交換器23の側)から見た状態が示されている。図4に描かれている翼50の面が、負圧面52である。言い換えると、負圧面52は、室外ファン40を回転させたときに空気が流入する側(空気の流通方向の上流)の面である。図5には、室外ファン40を正面側(グリル28eの側)から見た状態が示されている。図5に描かれている翼50の面が、圧力面51である。圧力面51は、室外ファン40を回転させたときに空気が流出する側(空気の流通方向の下流)の面である。図4及び図5に示された室外ファン40の回転方向は、矢印AR1,AR2,AR3,AR4の方向である。
図4及び図5に示されている室外ファン40は、3枚の翼50を有している。しかし、室外ファン40が備える翼50の枚数は、3枚には限らない。他のファンに適用する場合他のファンが備える翼の枚数は、2枚であってもよく、4枚以上であってもよい。以下の説明では、3枚の翼50の各々を区別して説明するときには、符号にA,B,Cの添え字を付けて、翼50A、翼50B、翼50Cのように説明する。図4に示されている翼50Aと翼50Bと翼50Cは、互いに同じ材質で同じ形状を有している。また、各翼50の外周部41が同じ円周上に配置されている。従って、これら翼50A、翼50B、翼50Cのような互いに形状が同じ同形状の翼を等ピッチで配置したときには、複数の同形状の翼のうちの1つだけを回転方向に120度回転させれば、隣接する同形状の翼と回転させた同形状の翼とが完全に重なって一致する。そして、同形状の翼が互いに一致するということは、材質が同じであれば、同形状の翼の重心が一致するということを意味する。言い換えると、等ピッチで配置された同形状の翼の重心も、等ピッチで配置されているということである。このように重心が等ピッチで配置されると、各同形状の翼に働く遠心力は互いに打ち消しあって、同形状の翼に掛かる遠心力によってファンを径方向に引っ張る(または押す)力が生じない。
ところで、翼50Aと翼50Bと翼50Cのピッチ角度Pt1,Pt2,Pt3は互いに異なる。言い換えると、室外ファン40は、不等ピッチのファンである。ピッチ角度Pt1,Pt2,Pt3は、例えば、110度、120度、130度である。従って、不等ピッチで配置されている翼50A、翼50B、翼50Cのうちの少なくとも一つの翼50の重心55は、120度回転させたときに隣接する翼の重心と一致しない。例えば、ピッチ角度Pt1が110度であるから、回転方向に、翼50Cを120度回転させても、翼50Cと翼50Aとは重ならず、互いの重心55も10度ずれる。このようなズレが生じると、室外ファン40は、3枚の翼50に掛かる遠心力によって、外周方向に引っ張る力を受ける。このような力のために室外ファン40の回転が不安定になり、騒音が生じる。言い換えると、3枚の翼50の重心55の偏りによって、振動(騒音)を生じさせる力が発生する。
このような室外ファン40に掛かる力を打ち消すために、釣合い重り80a,80b,80cがハブ60の内側に配置されている。ここでは、室外ファン40が3個の釣合い重り80a,80b,80cを備える場合について説明する。しかし、ここで説明する技術を他のファンに適用する場合の釣合い重りの数は、3個には限られない。そのような場合の他のファンの釣合い重りの数は1個でもよく、2個でもよく、あるいは4個以上でもよい。
釣合い重り80a,80b,80cは、3枚の翼50及びハブ60の樹脂よりも比重が大きい材料からなっている。ここで説明する釣合い重り80a,80b,80cは、鉄からなっている。しかし、他のファンに適用される場合の釣合い重りの材料は、鉄には限られない。例えば、他のファンの釣合い重りの材料は、鉄以外の金属であってもよい。鉄以外の金属としては、例えば、ステンレス、銅、アルミニウムがある。また、他のファンの釣合い重りの材料は、金属以外の材料であってもよい。金属以外の材料としては、例えば、セラミック、金属粉末と樹脂またはゴムとの混合物がある。
釣合い重り80a,80b,80cは、ハブ60の内側、さらに詳細には円筒状外壁部61よりも内側に配置される。翼50に生じる遠心力は、回転軸91から重心55までの距離に比例する。従って、翼50の重心55の偏りによって室外ファン40に生じる振動させる力を重りで打ち消すとき、質量の小さな重りを回転軸91から遠くに配置することが考えられる。しかし、ハブ60の内側に配置される釣合い重り80a,80b,80cで室外ファン40に生じる振動させる力を打ち消す場合は、釣合い重り80a,80b,80cの比重が大きい方が有利である。比重が大きいほど、同じ重さの釣合い重りでも、小さな体積で釣合い重りを構成でき、ファンの設計の自由度が増すからである。
ハブ60は、釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定している。釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定するために、インサート成形により翼50及びハブ60と一体成形されている。釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定することにより、室外ファン40は、質量の大きな釣合い重り80a,80b,80cを安定して保持することができる。
(4)室外ファンの詳細構成
(4−1)翼
室外ファン40は、プロペラファンである。複数の翼50は、ハブ60の円筒状外壁部61に固定されている。言い換えると、複数の翼50は、ハブ60の外周縁から突出するように形成されている。室外ファン40は、外周部41を通る円の直径が、例えば500mmから700mmである。
室外ファン40の各翼50は、回転方向(矢印AR1,AR2の方向)の前方に位置する前縁53と後方に位置する後縁54とを有している。後縁54は、回転方向に向って凹んだ窪み部58を有している。各翼50は、少なくとも窪み部58の回転方向の最も前方に位置し且つ肉厚が周囲の部分よりも厚い補強用凸部59を有している。各翼50は、圧力面51に、補強用凸部59を有している。室外ファン40は、これら補強用凸部59により、窪み部58の周辺の翼50に応力が集中する箇所を補強されている。
回転軸方向に見て、前縁53は、回転方向に対して凹状の曲線を描く。回転軸方向に見て、前縁53は、外周部41に近づくに従って、回転方向に迫り出している。言い換えると、回転軸方向に見て、前縁53とハブ60との接続部43と回転軸91を通る直線よりも、前縁53の外周端45が回転方向の前方に位置する。各翼50の後縁54は、窪み部58の部分を除くと、図4に二点差線で示した曲線Cv1を描く。曲線Cv1は、回転方向とは逆の方向に対して凸状の滑らかな曲線を描く。回転軸方向に見て、後縁54とハブ60との接続部44と回転軸91を通る直線よりも、後縁54の外周端46が回転方向の前方に位置する。この曲線Cv1よりも回転方向に凹んだ部分が、窪み部58である。
各翼50は、回転軸91に垂直な平面に対して傾斜している。各翼50の後縁54が前縁53よりも風の吹出方向(翼50からグリル28eに向う方向)に突出している。言い換えると、前縁53がファンモータ90に近い位置に配置され、後縁54がファンモータ90から遠い位置に配置されている。また、各翼50の圧力面51には凹面が形成され、負圧面52には凸面が形成されている。翼50の肉厚は、ハブ60と接続部分において大きくなっており、外周部41に向かうにつれて小さくなっている。
(4−2)ハブ
室外ファン40は、ファンモータ90の回転軸91に取り付けられるハブ60を備えている。図6には、ハブ60が拡大して示されている。ハブ60は、円筒状外壁部61と底部62とボス69とを備えている。ボス69は、底部62からハブ60の円筒状外壁部61の中心軸に沿って延びている。ボス69の中心には、ファンモータ90の回転軸91が挿入される。ボス69には、回転軸91が連結され、室外ファン40にはボス69を介してファンモータ90の駆動力が伝えられる。ボス69には、回転軸方向に凹んだ6つの凹部69aが形成されている。
ハブ60の形状の概略は、有底円筒型である。円筒状外壁部61は、ハブ60の外周部に形成された中空の略円筒型の壁である。底部62は、円筒状外壁部61と同じ外径を持つ円盤状の部材であって、円筒状外壁部61の一方の端を塞ぐ部材である。樹脂製の底部62は、樹脂製の円筒状外壁部61と同時に射出成形により形成される。
ハブ60には、回転軸方向に見て、ボス69から放射状に延びる複数の第1リブ71が形成されている。ここで示されている第1リブ71の9つであるが、第1リブ71の数は9つには限られない。第1リブ71は、底部62にも固定されている。また、ハブ60には、円筒状外壁部61と底部62とで形成される隅部に、複数の第2リブ72が形成されている。ここで示されている第2リブ72の5つであるが、第2リブ72の数は5つには限られない。第2リブ72の回転軸方向の長さは、第1リブ71の回転軸方向の長さよりも短い。
(4−3)把持部
図7には、図6のI−I線に沿ってハブ60を切断したときのハブ60の断面が示されている。また、図8には、図6のII−II線に沿ってハブ60を切断したときのハブ60の断面が示されている。ハブ60は、図6、図7及び図8に示されている把持部63A,63B,63Cを有している。把持部63A,63B,63Cは、底部62から立ち上がる筒状の部分である。把持部63A,63B,63Cは、それぞれ、円筒状外壁部61との間に隙間Is1,Is2,Is3を持っている。円筒状外壁部61は、バランスを考慮して厚みが設定されている。そのため、成形時に円筒状外壁部61の一部の樹脂量が少なくなると、言い換えると円筒状外壁部61の樹脂量に偏りが生じるとバランスが崩れる原因ともなる。円筒状外壁部61と把持部63A,63B,63Cとの間の隙間Is1、Is2,Is3により、射出成形時に、把持部63A,63B,63Cによって円筒状外壁部61に樹脂の偏りができるのを抑制している。もし、隙間Is1、Is2,Is3が無く、把持部63A,63B,63Cと円筒状外壁部61とが接続していると、射出成形時に円筒状外壁部61において樹脂の流れに偏りができやすく、円筒状外壁部61の樹脂量に偏りが生じ易くなる。
(4−4)釣合い重り
釣合い重り80a,80b,80cは、円筒形の鉄棒を上下と中間部分を円環状に削り取った形状を有している。従って、釣合い重り80a,80b,80cは、それぞれ、図7及び図8に示されているように、上下の段差81と中間部分の溝82とを有する。把持部63A,63B,63Cは、釣合い重り80a,80b,80cの側面の全体を覆っている。釣合い重り80a,80b,80cがインサート成形されるため、把持部63A,63B,63Cは、釣合い重り80a,80b,80cの段差81と溝82に嵌り込んだリング状のリブ64,65を有する。これらリング状のリブ64,65が、釣合い重り80a,80b,80cをハブに係止するために、ハブ60が有する抜け防止構造である。
釣合い重り80a,80bにおいては、釣合い重り80a,80bの回転軸方向の長さが、ハブ60の回転軸方向の長さLhよりも短い。釣合い重り80a,80bの長さは、例えば、ハブ60の高さh1の2分の1よりも短い。それに対し、釣合い重り80cの回転軸方向の長さLcは、ハブ60の回転軸方向の長さLhに実質的に等しい。ここで、長さLcが長さLhに実質的に等しいとは、長さLcが長さLnの±10%の範囲に収まっていることを意味する。言い換えると、長さLcが長さLhに実質的に等しいとは、0.9×Lh≦Lc≦1.1×Lhの関係が満たされるということである。
図9及び図10には、室外ファン40を上方(図3に示されている方向)から見た状態が示されている。釣合い重り80a,80bは、釣合い重り80c(第1部材)よりも短い金属製の第2部材及び第3部材である。図9に示されているように、釣合い重り80a(第2部材)と釣合い重り80b(第3部材)は、回転軸方向に離れて配置されている。釣合い重り80aの重心85と釣合い重り80bの重心86も回転軸方向に離れて配置される。また、図6に示されているように、釣合い重り80aと釣合い重り80bは、回転軸方向に見て、回転軸91を通る1つの直線Ln1と交わる位置に配置されている。これらの釣合い重り80a,80bは、遠心力により生じる振動の改善だけでなく、偶アンバランスにより生じる振動の改善に有効に用いられる。
釣合い重り80cは、図10に示されているように、ハブ60の回転軸91に対して直交する方向から見て、3枚の翼50の重心55の位置を全て含むように配置されている金属製の第1部材である。釣合い重り80cの重心87は、回転軸方向において、翼50の重心55の位置の近傍に配置される。このような釣合い重り80cは、主に遠心力による振動の改善に有効に用いられる。
釣合い重り80a,80b,80cの融点は、翼50及びハブ60の樹脂よりも高い。そのため、釣合い重り80a,80b,80cをインサートして、翼50及びハブ60を射出成形により成形するときに、釣合い重り80a,80b,80cが変形し難い。そのため、釣合い重り80a,80b,80cをインサートした室外ファン40は、精度良くバランス調整をすることができる。
(4−5)クリップ型バランサー
図11及び図12には、第1リブ71または第2リブ72に取り付けられた状態の金属製のクリップ型バランサー88が示されている。クリップ型バランサー88は、室外ファン40の径方向に見て、U字形の形状を有する。このようなU字形のクリップ型バランサー88は、弾性を有する金属板を曲げて形成される。クリップ型バランサー88は、第1リブ71または第2リブ72を挟み込んで第1リブ71または第2リブ72に係止する。クリップ型バランサー88は、室外ファン40の成形後に取り付けられる。第1リブ71または第2リブ72に押し込まれるときに、クリップ型バランサー88は、第1リブ71または第2リブ72によって脚部が広げられて、第1リブ71または第2リブ72を弾性力により挟み込む。クリップ型バランサー88は、第1リブ71または第2リブ72を挟みこんだ状態でしっかり固定するため、第1リブ71または第2リブ72に向って突出する係止部89を有している。これら係止部89は、例えばプレス成形によって形成できる。
クリップ型バランサー88は、遠心力により生じる振動及び/または偶不釣合いにより生じる振動を緩和するために、後から取り付けられる部材である。クリップ型バランサー88は、釣合い重り80a,80b,80cと協働してバランスを補正して前述の振動を抑制する。従って、釣合い重り80a,80b,80cだけで振動が発生しない状態にまでバランスが保たれているときには、クリップ型バランサー88は、取り付けられなくてもよい。クリップ型バランサー88は、遠心力により生じる振動を緩和する場合には、例えば、第1リブ71に取り付けられる。クリップ型バランサー88は、偶不釣合いを補正する場合には、例えば、回転軸方向の長さの異なる第1リブ71と第2リブ72に選択的に取り付けられる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
室外ファン40は、例えば、インサート成形により釣合い重り80a,80b,80cを樹脂中にインサートされる。金型の中で金型により釣合い重り80a,80b,80cを保持するために、室外ファン40では、釣合い重り80a,80b,80cの端部が樹脂から露出している。金属製の釣合い重り80a,80b,80cの端部が樹脂から露出していると、空気中の水分などにより、金属製の釣合い重り80a,80b,80cが錆びる場合がある。このような釣合い重り80a,80b,80cの錆びを防止するため、図13及び図14に示されているように、釣合い重り80a,80b,80cの表面のうちの樹脂で覆われていない領域を、シール部材75で埋めてもよい。シール部材75は、例えば、樹脂製の接着剤である。シール部材75の熱膨張率は、釣合い重り80a,80b,80cの熱膨張率よりも大きいことが好ましい。通常、金属の熱膨張率は樹脂の熱膨張率よりも小さい。そのため、温度が高くなると、熱膨張率の大きい把持部63A,63B,63Cと、熱膨張率の小さい釣合い重り80a,80b,80cとの間に隙間が生じることがある。釣合い重り80a,80b,80cの熱膨張率よりも熱膨張率の大きいシール部材75は、このような隙間の発生を抑制することができる。シール部材75の熱膨張率は、ハブ60を構成している樹脂の熱膨張率と実質的に同じであることが好ましい。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、室外ファン40がプロペラファンである場合について説明した。しかし、ここで開示した技術を適用できるファンは、プロペラファンには限られない。例えば、ハブを有する多翼ファンに、上述の技術を適用することができる。多翼ファンとしては、例えば図15に示されている室内ファン32のような遠心ファンであってもよい。図1に示されているように、室内ファン32は、空気調和機1の室内機3に取り付けられている。遠心ファンである室内ファン32は、樹脂製のハブ160と、主板170と、n枚の翼150とを備えている。n枚の翼150が、主板170を介してハブ160に取り付けられている。n枚の翼150のうちの少なくとも一つの翼150の重心は、回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼150の重心と重ならない構成となっている。ハブ160には、上述の釣合い重り80a,80b,80cに相当する釣合い重りが配置される。ハブ160は、図示を省略しているが、釣合い重りを樹脂で把持して固定している。遠心ファンとしては、例えば、ターボファン、シロッコファンがある。
(5−3)変形例C
上記実施形態では、室外ファン40の各翼50に窪み部58が設けられる場合について説明した。しかし、本開示の技術が適用できるファンは、窪み部58を持つ形状のファンには限られず、窪み部58を持たないファンであってもよい。また、窪み部を持つファンに適用する場合、窪み部の数は1つに限られるものではない。
(5−4)変形例D
上記実施形態では、n枚の翼50うちの少なくとも一つの翼50の重心55は、回転軸91を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼50の重心55と重ならない場合として、不等ピッチのファンを例に挙げて説明した。しかし、このように、重心55が不均等に配置されるのは不等ピッチのファンに限られない。例えば、複数の翼の形状が互いに異なるために、重心の配置位置が不均等になる場合がある。
(6)特徴
(6−1)
上述の室外ファン40または上述の室内ファン32は、樹脂よりも比重が大きい釣合い重り80a,80b,80cによって3枚の翼50の重心55のアンバランスを改善し、騒音を容易に小さくすることができる。
(6−2)
上述の室外ファン40は、釣合い重り80a,80b,80cの融点が翼50及びハブ60の樹脂よりも高いことから、翼50及びハブ60の成形時に変形し難く、精度良くバランス調整をすることができる。
(6−3)
上述の室外ファン40の釣合い重り80a,80b,80cが金属製部材である場合、比重が大きく、安価で、且つ熱による変形もない。そのため、室外ファン40は、金属製部材(釣合い重り80a,80b,80c)でバランスをとることにより、安価に精度良くバランス調整をすることができる。
(6−4)
上述の室外ファン40は、不等ピッチに配列されて大きく重心がずれても、樹脂よりも比重が大きい釣合い重り80a,80b,80cによって翼50の重心55のアンバランスを容易に改善することができる。
(6−5)
上述の室外ファン40は、シール部材75で釣合い重りの表面が覆われていないと水分が釣合い重りと樹脂との間に侵入して釣合い重り80a,80b,80cの腐食が進む。室外ファン40は、シール部材75で釣合い重り80a,80b,80cの表面を覆うことによって、釣合い重り80a,80b,80cと樹脂との間への水の侵入を防ぐ。その結果、シール部材75により、釣合い重り80a,80b,80cが錆び難くなる。
(6−6)
上述の室外ファン40は、温度が上昇すると熱膨張率が小さい金属製の釣合い重り80a,80b,80cと樹脂製のハブ60の間に隙間ができることがある。熱膨張率が大きいシール部材75とハブ60との間に隙間ができ難いので、温度変化のある環境下でも釣合い重り80a,80b,80cに水分が到達するのを十分に抑制できる。
(6−7)
上述の室外ファン40は、円筒状外壁部61と把持部63A,63B,63Cとの間の隙間Is1、Is2,Is3により、射出成形時に、把持部63A,63B,63Cによって樹脂の流れに偏りが生じるのを抑制している。その結果、円筒状外壁部61の樹脂量に偏りが生じるのを抑制し、円筒状外壁部61の厚みを均一化してバランスが崩れるのを抑制できる。
(6−8)
上述の室外ファン40は、第1リブ71及び/または第2リブ72に取り付けられている金属製クリップであるクリップ型バランサー88により、室外ファン40のバランス調整の微調整をすることができる。
(6−9)
上述の室外ファン40は、抜け防止構造であるリブ64,65によって釣合い重り80a,80b,80cとハブ60との位置関係が室外ファン40の成形後に変化するのを抑制することができる。その結果、室外ファン40は、リブ64,65により、成形後に室外ファン40の全体のバランスが崩れるのを抑制することができる。
(6−10)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80cが、回転軸91に対して直交する方向から見て、3枚の翼50の重心55の位置を全て含むように配置されている金属製の第1部材である。このような第1部材である釣合い重り80cにより、室外ファン40は、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、3枚の翼50とハブ60を含む全体の重心位置を回転軸上に合わせ易くなる。
(6−11)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80cが、回転軸方向の長さが、ハブ60の回転軸方向の長さLhに実質的に等しい金属製の第1部材である。このような第1部材である釣合い重り80cにより、室外ファン40は、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、3枚の翼50とハブ60を含む全体の重心位置を回転軸91の上に合わせ易くなる。
(6−12)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80a,80bが、回転軸方向に見て回転軸を通る一つの直線と交わる位置に配置されている金属製の第2部材と第3部材である。このような第2部材と第3部材である釣合い重り80a,80bにより、室外ファン40は、回転軸方向に見た室外ファン40の重心位置を回転軸91の上に配置し易く且つ偶不釣合いを抑制し易くなる。
(6−13)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80a,80bが、回転軸方向に見て回転軸91を通る一つの直線と交わる位置に配置されている。室外ファン40は、釣合い重り80a,80bにより、回転軸方向に見たファンの重心位置を回転軸91の上に配置し易く且つ偶不釣合いを抑制し易くなる。
(6−14)
上述の室外ファン40または上述の室内ファン32は、冷凍サイクル装置に備えられる。冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルを実施する装置である。冷凍サイクル装置は、空気調和機1以外に、例えば、ヒートポンプ給湯器、冷蔵庫、及び庫内を冷却する冷却装置に適用することができる。空気調和機1は、冷凍サイクルが行われる冷媒回路10に設けられ、冷媒回路10を循環する冷媒と空気との間の熱交換を行う熱交換器である室外熱交換器23と室内ファン32を備えている。室外ファン40は、室外熱交換器23に空気の流れを生じさせるファンである。室内ファン32は、室内熱交換器31に空気の流れを生じさせるファンである。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和機(冷凍サイクル装置の例)
10 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器の例)
31 室内熱交換器(熱交換器の例)
32 室内ファン
40 室外ファン
50,50A,50B,50C 翼
60 ハブ
64,65 リブ(抜け防止構造の例)
75 シール部材
80a,80b 釣合い重り(第2部材、第3部材の例)
80c 釣合い重り(第1部材の例)
88 クリップ型バランサー(金属製クリップの例)
特開平10―176694号公報
ファン、及び当該ファンを備える冷凍サイクル装置
従来のファンの中には、特許文献1(特開平10―176694号公報)に記載されているように、複数の翼が不等ピッチで配列されたファンがある。このような翼の配列には、ファンが発する騒音の一種であるNZ音を低減する効果がある。NZ音とは、1秒当たりの回転数Nと円周上に配列された翼の枚数Zとの積(N×Z)の周波数を持つ騒音である。
翼が不等ピッチで配列されるとファンのバランスが崩れる。そこで、特許文献1に記載のファンでは、翼に錘を装着し、特定の翼の質量を変え、或いは特定の翼の大きさを変えてバランスを調整している。しかしながら、翼が不等ピッチで配列されたことによるバランスの崩れを複数の翼に錘を装着し、特定の翼の質量を変え、或いは特定の翼の大きさを変えて調整しようとすると、ファンの設計や製造が難しくなる。
ファンには、複数の翼によるアンバランスを改善し易くして複数の翼のバランスの崩れによる騒音を抑制するという課題がある。
第1観点のファンは、樹脂製のハブと、ハブに接続されている樹脂製のn(ただし、nは2以上の整数)枚の翼と、釣合い重りとを備えている。n枚の翼のうちの少なくとも一つの翼の重心は、回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼の重心と重ならない。釣合い重りは、回転軸方向に見てハブの内側に配置され、n枚の翼及びハブの樹脂よりも比重が大きい材料からなる。ハブは、釣合い重りを樹脂で把持して固定している。
第1観点のファンは、樹脂よりも比重が大きい釣合い重りによってn枚の翼の重心のアンバランスを改善し、騒音を容易に小さくすることができる。
第2観点のファンは、第1観点のファンであって、釣合い重りは、n枚の翼及びハブの樹脂よりも高い融点を持つ材料からなる。
第2観点のファンは、釣合い重りの融点が翼及びハブの樹脂よりも高いことから、翼及びハブの成形時に変形し難く、精度良くバランス調整をすることができる。
第3観点のファンは、第1観点または第2観点のファンであって、釣合い重りは、ハブの樹脂中にインサートされた金属製部材である。
第3観点のファンの釣合い重りは金属製部材であって、比重が大きく、安価で、且つ熱による変形もない。そのため、ファンは、金属製部材でバランスをとることにより、安価に精度良くバランス調整をすることができる。
第4観点のファンは、第1観点から第3観点のいずれかのファンであって、n枚の翼は、不等ピッチに配置されることによって回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼の重心と重ならない少なくとも一つの翼を含む。
第4観点のファンは、不等ピッチに配列されて大きく重心がずれても、樹脂よりも比重が大きい釣合い重りによって翼の重心のアンバランスを容易に改善することができる。
第5観点のファンは、第1観点から第4観点のいずれかのファンであって、ハブは、釣合い重りの表面のうちの樹脂で覆われていない領域を埋めるシール部材を有する。
第5観点のファンは、シール部材で釣合い重りの表面が覆われていないと水分が釣合い重りと樹脂との間に侵入して釣合い重りの腐食が進む。ファンは、シール部材で釣合い重りの表面を覆うことによって、釣合い重りと樹脂との間への水の侵入を防ぎ、釣合い重りを錆び難くすることができる。
第6観点のファンは、第5観点のファンであって、シール部材の熱膨張率が釣合い重りの熱膨張率よりも大きい。
第6観点のファンは、温度が上昇すると熱膨張率が小さい釣合い重りとハブの間に隙間ができることがある。しかし、熱膨張率が大きいシール部材とハブとの間には隙間ができ難いので、温度変化のある環境下でも釣合い重りに水分が到達するのを十分に抑制できる。
第7観点のファンは、第1観点から第6観点のいずれかのファンであって、ハブは、外周部に円筒状外壁部及び、円筒状外壁部との間に隙間を持ち且つ釣合い重りを把持する把持部を有する。
第7観点のファンは、円筒状外壁部と把持部との間の隙間により、円筒状外壁部の厚みを均一化してバランスが崩れるのを抑制できる。
第8観点のファンは、第1観点から第7観点のいずれかのファンであって、ハブは、リブを有し、リブに取り付けられている金属製クリップを備える。
第8観点のファンは、リブに取り付けられている金属製クリップでファンのバランス調整の微調整をすることができる。
第9観点のファンは、第1観点から第8観点のいずれかのファンであって、ハブは、釣合い重りをハブに係止する抜け防止構造を有する。
第9観点のファンは、抜け防止構造によって釣合い重りとハブとの位置関係がファンの成形後に変化するのを抑制することができ、成形後にファンのバランスが崩れるのを抑制することができる。
第10観点のファンは、第1観点から第9観点のいずれかのファンであって、釣合い重りは、金属製の第1部材を含み、第1部材は、回転軸に対して直交する方向から見て、n枚の翼の重心の位置を全て含むように配置されている。
第10観点のファンは、第1部材により、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、n枚の翼とハブを含む全体の重心位置を回転軸上に合わせ易くなる。
第11観点のファンは、第1観点から第9観点のいずれかのファンであって、釣合い重りは、金属製の第1部材を含み、第1部材の回転軸方向の長さが、ハブの回転軸方向の長さに実質的に等しい。
第11観点のファンは、第1部材により、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、n枚の翼とハブを含む全体の重心位置を回転軸上に合わせ易くなる。
第12観点のファンは、第10観点または第11観点のファンであって、釣合い重りは、第1部材よりも短い金属製の第2部材及び第3部材を含み、第2部材及び第3部材は、回転軸方向に互いに離れて配置されている。
第12観点のファンは、第2部材と第3部材により、偶不釣合いを抑制しやすくなる。
第13観点のファンは、第12観点のファンであって、第2部材と第3部材は、回転軸方向に見て回転軸を通る一つの直線と交わる位置に配置されている。
第13観点のファンは、第2部材と第3部材により、回転軸方向に見たファンの重心位置を回転軸上に配置し易く且つ偶不釣合いを抑制し易くなる。
第14観点のファンは、第1観点から第13観点のいずれかのファンであって、翼の枚数が、2枚または3枚である。
15観点の冷凍サイクル装置は、交換器を有し、冷凍サイクルが行われる冷媒回路と、第1観点から第14観点のいずれかのファンと、を備え、ファンは、プロペラファンである。
15観点の冷凍サイクル装置は、樹脂よりも比重が大きい釣合い重りによってn枚の翼の重心のアンバランスを改善し、騒音を容易に小さくすることができる。
実施形態に係る空気調和機の冷媒回路を示す回路図。 空気調和機の室外機の外観を示す正面図。 図2の室外機の内部の構造を説明するための模式的な断面図。 図2の室外機に用いられる室外ファンの一例を示す背面図。 図4の室外ファンの正面図。 ハブを示す拡大背面図。 図6のI−I線に沿って切断したときの室外ファンの拡大断面図。 図6のII−II線に沿って切断したときの室外ファンの拡大断面図。 釣合い重りの配置を説明するための室外ファンの平面図。 釣合い重りの配置を説明するための室外ファンの平面図。 リブに取り付けられたクリップ型バランサーの側面図。 ブに取り付けられたクリップ型バランサーの正面図。 シール部材を説明するための拡大断面図。 シール部材を説明するための拡大断面図。 変形例に係る室内機の内部の構造を説明するための模式的な断面図。
(1)冷凍サイクル装置の構成
図1には、冷凍サイクル装置の例として、空気調和機1が示されている。空気調和機1は、熱源となる室外機2と、室外機2で得られる熱を利用する室内機3とを備えている。室外機2と室内機3は、冷媒連絡配管4,5で接続されている。室外機2は、冷媒連絡配管4,5と接続するための閉鎖弁26,27を有している。
冷媒連絡配管4,5で接続された室外機2と室内機3には、冷媒回路10が形成される。この冷媒回路10には、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、膨張弁24と、アキュムレータ25と、室内熱交換器31とが含まれている。四方弁22は、例えば、空気調和機1の冷房運転時と暖房運転時とで、冷媒が流れる方向を切り換える。
冷房運転時には、実線で示されている経路で冷媒を流すように四方弁22が切り換えられる。冷房運転時には、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が、室外熱交換器23に流れる。室外熱交換器23では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器23で熱を奪われた冷媒は、膨張弁24で減圧される。膨張弁24で減圧された冷媒は、室内熱交換器31に流れる。室内熱交換器31では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室内熱交換器31で熱を室内空気から得た冷媒は、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。アキュムレータ25を通過する際に、冷媒は、ガス冷媒と液冷媒に分離され、主にガス冷媒が圧縮機21に吸入される。このように、冷媒回路10で蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器31での熱交換によって熱を奪われた室内空気で室内が冷房される。室外熱交換器23には、室外ファン40により、室外空気が供給される。室内熱交換器31には、室内ファン32により、室内空気が供給される。室内ファン32は、例えば、クロスフローファンである。
暖房運転時には、破線で示されている経路で冷媒を流すように四方弁22が切り換えられる。暖房運転時には、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁22を通って室内熱交換器31に流れる。室内熱交換器31では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室内熱交換器31で放熱した冷媒は、膨張弁24で減圧される。膨張弁24で減圧された冷媒は、室外熱交換器23に流れる。室外熱交換器23では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器23で熱を室外空気から得た冷媒は、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。このように、冷媒回路10で蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器31での熱交換によって熱を得た室内空気で室内が暖房される。
(2)室外機2の構成
室外機2は、図2及び図3に示されているように、実質的に直方体の外観を持つケーシング28を有している。室外機2では、ケーシング28の内部空間が、仕切板29により送風機室S1と機械室S2とに分割されている。機械室S2には、図3に示されている圧縮機21以外に、図3では図示を省略されているが、例えば、四方弁22と膨張弁24とアキュムレータ25とが配置される。送風機室S1には、室外熱交換器23と室外ファン40とが配されている。この室外熱交換器23は、平面視において、L字型の形状を有する。ただし、室外機2に用いられる室外熱交換器23の形状は、L字型の形状を有するものには限られない。
ケーシング28には、室外熱交換器23を挟んで室外ファン40とは反対の側に、送風機室S1に繋がる開口部28a,28bが形成されている。室外ファン40が駆動されると、開口部28a,28bから室外熱交換器23を通過して送風機室S1に室外空気が流れ込む。ケーシング28において、室外ファン40を挟んで室外熱交換器23とは反対の側にベルマウス28cが配置されている。ベルマウス28cは、室外ファン40の回転軸方向に見て、円形の開口部28dを有している。室外ファン40が駆動されると、ベルマウス28cを通して送風機室S1の内部から室外に向って空気が吹出される。このベルマウス28cの円形の開口部28dは、グリル28eによって覆われている。室外ファン40が駆動されると、ケーシング28の開口部28a,28bからケーシング28の内部に吸い込まれる室外空気は、室外熱交換器23、室外ファン40、ベルマウス28cの円形の開口部28d及びグリル28eを通過して、ケーシング28の外部に吹出される。このように室外熱交換器23を通過する室外空気が、室外熱交換器23の中を流れる冷媒と熱交換される。
室外ファン40は、ファンモータ90によって駆動される。ファンモータ90は、ファンモータ台95によって支持されている。ファンモータ台95は、室外機2が設置されている状態で、ファンモータ90の回転軸91が実質的に水平方向に延びるように、ファンモータ90をケーシング28に固定している。ここでは、ファンモータ90が回転軸91を持つ場合が示されているが、室外ファン40が回転軸を持つように構成されてもよい。水平方向に延びる回転軸91に室外ファン40が取り付けられている場合に、室外ファン40は、実質的に水平な方向に流れる気流を発生する。
(3)室外ファンの構成の概要
図4及び図5に示されているように、室外ファン40は、樹脂製のハブ60と、ハブ60に接続されている樹脂製の翼50と、釣合い重り80a,80b,80cとを備えている。図4には、室外ファン40を背面側(室外熱交換器23の側)から見た状態が示されている。図4に描かれている翼50の面が、負圧面52である。言い換えると、負圧面52は、室外ファン40を回転させたときに空気が流入する側(空気の流通方向の上流)の面である。図5には、室外ファン40を正面側(グリル28eの側)から見た状態が示されている。図5に描かれている翼50の面が、圧力面51である。圧力面51は、室外ファン40を回転させたときに空気が流出する側(空気の流通方向の下流)の面である。図4及び図5に示された室外ファン40の回転方向は、矢印AR1,AR2,AR3,AR4の方向である。
図4及び図5に示されている室外ファン40は、3枚の翼50を有している。しかし、室外ファン40が備える翼50の枚数は、3枚には限らない。他のファンに適用する場合他のファンが備える翼の枚数は、2枚であってもよく、4枚以上であってもよい。以下の説明では、3枚の翼50の各々を区別して説明するときには、符号にA,B,Cの添え字を付けて、翼50A、翼50B、翼50Cのように説明する。図4に示されている翼50Aと翼50Bと翼50Cは、互いに同じ材質で同じ形状を有している。また、各翼50の外周部41が同じ円周上に配置されている。従って、これら翼50A、翼50B、翼50Cのような互いに形状が同じ同形状の翼を等ピッチで配置したときには、複数の同形状の翼のうちの1つだけを回転方向に120度回転させれば、隣接する同形状の翼と回転させた同形状の翼とが完全に重なって一致する。そして、同形状の翼が互いに一致するということは、材質が同じであれば、同形状の翼の重心が一致するということを意味する。言い換えると、等ピッチで配置された同形状の翼の重心も、等ピッチで配置されているということである。このように重心が等ピッチで配置されると、各同形状の翼に働く遠心力は互いに打ち消しあって、同形状の翼に掛かる遠心力によってファンを径方向に引っ張る(または押す)力が生じない。
ところで、翼50Aと翼50Bと翼50Cのピッチ角度Pt1,Pt2,Pt3は互いに異なる。言い換えると、室外ファン40は、不等ピッチのファンである。ピッチ角度Pt1,Pt2,Pt3は、例えば、110度、120度、130度である。従って、不等ピッチで配置されている翼50A、翼50B、翼50Cのうちの少なくとも一つの翼50の重心55は、120度回転させたときに隣接する翼の重心と一致しない。例えば、ピッチ角度Pt1が110度であるから、回転方向に、翼50Cを120度回転させても、翼50Cと翼50Aとは重ならず、互いの重心55も10度ずれる。このようなズレが生じると、室外ファン40は、3枚の翼50に掛かる遠心力によって、外周方向に引っ張る力を受ける。このような力のために室外ファン40の回転が不安定になり、騒音が生じる。言い換えると、3枚の翼50の重心55の偏りによって、振動(騒音)を生じさせる力が発生する。
このような室外ファン40に掛かる力を打ち消すために、釣合い重り80a,80b,80cがハブ60の内側に配置されている。ここでは、室外ファン40が3個の釣合い重り80a,80b,80cを備える場合について説明する。しかし、ここで説明する技術を他のファンに適用する場合の釣合い重りの数は、3個には限られない。そのような場合の他のファンの釣合い重りの数は1個でもよく、2個でもよく、あるいは4個以上でもよい。
釣合い重り80a,80b,80cは、3枚の翼50及びハブ60の樹脂よりも比重が大きい材料からなっている。ここで説明する釣合い重り80a,80b,80cは、鉄からなっている。しかし、他のファンに適用される場合の釣合い重りの材料は、鉄には限られない。例えば、他のファンの釣合い重りの材料は、鉄以外の金属であってもよい。鉄以外の金属としては、例えば、ステンレス、銅、アルミニウムがある。また、他のファンの釣合い重りの材料は、金属以外の材料であってもよい。金属以外の材料としては、例えば、セラミック、金属粉末と樹脂またはゴムとの混合物がある。
釣合い重り80a,80b,80cは、ハブ60の内側、さらに詳細には円筒状外壁部61よりも内側に配置される。翼50に生じる遠心力は、回転軸91から重心55までの距離に比例する。従って、翼50の重心55の偏りによって室外ファン40に生じる振動させる力を重りで打ち消すとき、質量の小さな重りを回転軸91から遠くに配置することが考えられる。しかし、ハブ60の内側に配置される釣合い重り80a,80b,80cで室外ファン40に生じる振動させる力を打ち消す場合は、釣合い重り80a,80b,80cの比重が大きい方が有利である。比重が大きいほど、同じ重さの釣合い重りでも、小さな体積で釣合い重りを構成でき、ファンの設計の自由度が増すからである。
ハブ60は、釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定している。釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定するために、インサート成形により翼50及びハブ60と一体成形されている。釣合い重り80a,80b,80cを樹脂で把持して固定することにより、室外ファン40は、質量の大きな釣合い重り80a,80b,80cを安定して保持することができる。
(4)室外ファンの詳細構成
(4−1)翼
室外ファン40は、プロペラファンである。複数の翼50は、ハブ60の円筒状外壁部61に固定されている。言い換えると、複数の翼50は、ハブ60の外周縁から突出するように形成されている。室外ファン40は、外周部41を通る円の直径が、例えば500mmから700mmである。
室外ファン40の各翼50は、回転方向(矢印AR1,AR2の方向)の前方に位置する前縁53と後方に位置する後縁54とを有している。後縁54は、回転方向に向って凹んだ窪み部58を有している。各翼50は、少なくとも窪み部58の回転方向の最も前方に位置し且つ肉厚が周囲の部分よりも厚い補強用凸部59を有している。各翼50は、圧力面51に、補強用凸部59を有している。室外ファン40は、これら補強用凸部59により、窪み部58の周辺の翼50に応力が集中する箇所を補強されている。
回転軸方向に見て、前縁53は、回転方向に対して凹状の曲線を描く。回転軸方向に見て、前縁53は、外周部41に近づくに従って、回転方向に迫り出している。言い換えると、回転軸方向に見て、前縁53とハブ60との接続部43と回転軸91を通る直線よりも、前縁53の外周端45が回転方向の前方に位置する。各翼50の後縁54は、窪み部58の部分を除くと、図4に二点差線で示した曲線Cv1を描く。曲線Cv1は、回転方向とは逆の方向に対して凸状の滑らかな曲線を描く。回転軸方向に見て、後縁54とハブ60との接続部44と回転軸91を通る直線よりも、後縁54の外周端46が回転方向の前方に位置する。この曲線Cv1よりも回転方向に凹んだ部分が、窪み部58である。
各翼50は、回転軸91に垂直な平面に対して傾斜している。各翼50の後縁54が前縁53よりも風の吹出方向(翼50からグリル28eに向う方向)に突出している。言い換えると、前縁53がファンモータ90に近い位置に配置され、後縁54がファンモータ90から遠い位置に配置されている。また、各翼50の圧力面51には凹面が形成され、負圧面52には凸面が形成されている。翼50の肉厚は、ハブ60と接続部分において大きくなっており、外周部41に向かうにつれて小さくなっている。
(4−2)ハブ
室外ファン40は、ファンモータ90の回転軸91に取り付けられるハブ60を備えている。図6には、ハブ60が拡大して示されている。ハブ60は、円筒状外壁部61と底部62とボス69とを備えている。ボス69は、底部62からハブ60の円筒状外壁部61の中心軸に沿って延びている。ボス69の中心には、ファンモータ90の回転軸91が挿入される。ボス69には、回転軸91が連結され、室外ファン40にはボス69を介してファンモータ90の駆動力が伝えられる。ボス69には、回転軸方向に凹んだ6つの凹部69aが形成されている。
ハブ60の形状の概略は、有底円筒型である。円筒状外壁部61は、ハブ60の外周部に形成された中空の略円筒型の壁である。底部62は、円筒状外壁部61と同じ外径を持つ円盤状の部材であって、円筒状外壁部61の一方の端を塞ぐ部材である。樹脂製の底部62は、樹脂製の円筒状外壁部61と同時に射出成形により形成される。
ハブ60には、回転軸方向に見て、ボス69から放射状に延びる複数の第1リブ71が形成されている。ここで示されている第1リブ71の9つであるが、第1リブ71の数は9つには限られない。第1リブ71は、底部62にも固定されている。また、ハブ60には、円筒状外壁部61と底部62とで形成される隅部に、複数の第2リブ72が形成されている。ここで示されている第2リブ72の5つであるが、第2リブ72の数は5つには限られない。第2リブ72の回転軸方向の長さは、第1リブ71の回転軸方向の長さよりも短い。
(4−3)把持部
図7には、図6のI−I線に沿ってハブ60を切断したときのハブ60の断面が示されている。また、図8には、図6のII−II線に沿ってハブ60を切断したときのハブ60の断面が示されている。ハブ60は、図6、図7及び図8に示されている把持部63A,63B,63Cを有している。把持部63A,63B,63Cは、底部62から立ち上がる筒状の部分である。把持部63A,63B,63Cは、それぞれ、円筒状外壁部61との間に隙間Is1,Is2,Is3を持っている。円筒状外壁部61は、バランスを考慮して厚みが設定されている。そのため、成形時に円筒状外壁部61の一部の樹脂量が少なくなると、言い換えると円筒状外壁部61の樹脂量に偏りが生じるとバランスが崩れる原因ともなる。円筒状外壁部61と把持部63A,63B,63Cとの間の隙間Is1、Is2,Is3により、射出成形時に、把持部63A,63B,63Cによって円筒状外壁部61に樹脂の偏りができるのを抑制している。もし、隙間Is1、Is2,Is3が無く、把持部63A,63B,63Cと円筒状外壁部61とが接続していると、射出成形時に円筒状外壁部61において樹脂の流れに偏りができやすく、円筒状外壁部61の樹脂量に偏りが生じ易くなる。
(4−4)釣合い重り
釣合い重り80a,80b,80cは、円筒形の鉄棒を上下と中間部分を円環状に削り取った形状を有している。従って、釣合い重り80a,80b,80cは、それぞれ、図7及び図8に示されているように、上下の段差81と中間部分の溝82とを有する。把持部63A,63B,63Cは、釣合い重り80a,80b,80cの側面の全体を覆っている。釣合い重り80a,80b,80cがインサート成形されるため、把持部63A,63B,63Cは、釣合い重り80a,80b,80cの段差81と溝82に嵌り込んだリング状のリブ64,65を有する。これらリング状のリブ64,65が、釣合い重り80a,80b,80cをハブに係止するために、ハブ60が有する抜け防止構造である。
釣合い重り80a,80bにおいては、釣合い重り80a,80bの回転軸方向の長さが、ハブ60の回転軸方向の長さLhよりも短い。釣合い重り80a,80bの長さは、例えば、ハブ60の高さh1の2分の1よりも短い。それに対し、釣合い重り80cの回転軸方向の長さLcは、ハブ60の回転軸方向の長さLhに実質的に等しい。ここで、長さLcが長さLhに実質的に等しいとは、長さLcが長さLnの±10%の範囲に収まっていることを意味する。言い換えると、長さLcが長さLhに実質的に等しいとは、0.9×Lh≦Lc≦1.1×Lhの関係が満たされるということである。
図9及び図10には、室外ファン40を上方(図3に示されている方向)から見た状態が示されている。釣合い重り80a,80bは、釣合い重り80c(第1部材)よりも短い金属製の第2部材及び第3部材である。図9に示されているように、釣合い重り80a(第2部材)と釣合い重り80b(第3部材)は、回転軸方向に離れて配置されている。釣合い重り80aの重心85と釣合い重り80bの重心86も回転軸方向に離れて配置される。また、図6に示されているように、釣合い重り80aと釣合い重り80bは、回転軸方向に見て、回転軸91を通る1つの直線Ln1と交わる位置に配置されている。これらの釣合い重り80a,80bは、遠心力により生じる振動の改善だけでなく、偶アンバランスにより生じる振動の改善に有効に用いられる。
釣合い重り80cは、図10に示されているように、ハブ60の回転軸91に対して直交する方向から見て、3枚の翼50の重心55の位置を全て含むように配置されている金属製の第1部材である。釣合い重り80cの重心87は、回転軸方向において、翼50の重心55の位置の近傍に配置される。このような釣合い重り80cは、主に遠心力による振動の改善に有効に用いられる。
釣合い重り80a,80b,80cの融点は、翼50及びハブ60の樹脂よりも高い。そのため、釣合い重り80a,80b,80cをインサートして、翼50及びハブ60を射出成形により成形するときに、釣合い重り80a,80b,80cが変形し難い。そのため、釣合い重り80a,80b,80cをインサートした室外ファン40は、精度良くバランス調整をすることができる。
(4−5)クリップ型バランサー
図11及び図12には、第1リブ71または第2リブ72に取り付けられた状態の金属製のクリップ型バランサー88が示されている。クリップ型バランサー88は、室外ファン40の径方向に見て、U字形の形状を有する。このようなU字形のクリップ型バランサー88は、弾性を有する金属板を曲げて形成される。クリップ型バランサー88は、第1リブ71または第2リブ72を挟み込んで第1リブ71または第2リブ72に係止する。クリップ型バランサー88は、室外ファン40の成形後に取り付けられる。第1リブ71または第2リブ72に押し込まれるときに、クリップ型バランサー88は、第1リブ71または第2リブ72によって脚部が広げられて、第1リブ71または第2リブ72を弾性力により挟み込む。クリップ型バランサー88は、第1リブ71または第2リブ72を挟みこんだ状態でしっかり固定するため、第1リブ71または第2リブ72に向って突出する係止部89を有している。これら係止部89は、例えばプレス成形によって形成できる。
クリップ型バランサー88は、遠心力により生じる振動及び/または偶不釣合いにより生じる振動を緩和するために、後から取り付けられる部材である。クリップ型バランサー88は、釣合い重り80a,80b,80cと協働してバランスを補正して前述の振動を抑制する。従って、釣合い重り80a,80b,80cだけで振動が発生しない状態にまでバランスが保たれているときには、クリップ型バランサー88は、取り付けられなくてもよい。クリップ型バランサー88は、遠心力により生じる振動を緩和する場合には、例えば、第1リブ71に取り付けられる。クリップ型バランサー88は、偶不釣合いを補正する場合には、例えば、回転軸方向の長さの異なる第1リブ71と第2リブ72に選択的に取り付けられる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
室外ファン40は、例えば、インサート成形により釣合い重り80a,80b,80cを樹脂中にインサートされる。金型の中で金型により釣合い重り80a,80b,80cを保持するために、室外ファン40では、釣合い重り80a,80b,80cの端部が樹脂から露出している。金属製の釣合い重り80a,80b,80cの端部が樹脂から露出していると、空気中の水分などにより、金属製の釣合い重り80a,80b,80cが錆びる場合がある。このような釣合い重り80a,80b,80cの錆びを防止するため、図13及び図14に示されているように、釣合い重り80a,80b,80cの表面のうちの樹脂で覆われていない領域を、シール部材75で埋めてもよい。シール部材75は、例えば、樹脂製の接着剤である。シール部材75の熱膨張率は、釣合い重り80a,80b,80cの熱膨張率よりも大きいことが好ましい。通常、金属の熱膨張率は樹脂の熱膨張率よりも小さい。そのため、温度が高くなると、熱膨張率の大きい把持部63A,63B,63Cと、熱膨張率の小さい釣合い重り80a,80b,80cとの間に隙間が生じることがある。釣合い重り80a,80b,80cの熱膨張率よりも熱膨張率の大きいシール部材75は、このような隙間の発生を抑制することができる。シール部材75の熱膨張率は、ハブ60を構成している樹脂の熱膨張率と実質的に同じであることが好ましい。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、室外ファン40がプロペラファンである場合について説明した。しかし、ここで開示した技術を適用できるファンは、プロペラファンには限られない。例えば、ハブを有する多翼ファンに、上述の技術を適用することができる。多翼ファンとしては、例えば図15に示されている室内ファン32のような遠心ファンであってもよい。図1に示されているように、室内ファン32は、空気調和機1の室内機3に取り付けられている。遠心ファンである室内ファン32は、樹脂製のハブ160と、主板170と、n枚の翼150とを備えている。n枚の翼150が、主板170を介してハブ160に取り付けられている。n枚の翼150のうちの少なくとも一つの翼150の重心は、回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼150の重心と重ならない構成となっている。ハブ160には、上述の釣合い重り80a,80b,80cに相当する釣合い重りが配置される。ハブ160は、図示を省略しているが、釣合い重りを樹脂で把持して固定している。遠心ファンとしては、例えば、ターボファン、シロッコファンがある。
(5−3)変形例C
上記実施形態では、室外ファン40の各翼50に窪み部58が設けられる場合について説明した。しかし、本開示の技術が適用できるファンは、窪み部58を持つ形状のファンには限られず、窪み部58を持たないファンであってもよい。また、窪み部を持つファンに適用する場合、窪み部の数は1つに限られるものではない。
(5−4)変形例D
上記実施形態では、n枚の翼50うちの少なくとも一つの翼50の重心55は、回転軸91を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼50の重心55と重ならない場合として、不等ピッチのファンを例に挙げて説明した。しかし、このように、重心55が不均等に配置されるのは不等ピッチのファンに限られない。例えば、複数の翼の形状が互いに異なるために、重心の配置位置が不均等になる場合がある。
(6)特徴
(6−1)
上述の室外ファン40または上述の室内ファン32は、樹脂よりも比重が大きい釣合い重り80a,80b,80cによって3枚の翼50の重心55のアンバランスを改善し、騒音を容易に小さくすることができる。
(6−2)
上述の室外ファン40は、釣合い重り80a,80b,80cの融点が翼50及びハブ60の樹脂よりも高いことから、翼50及びハブ60の成形時に変形し難く、精度良くバランス調整をすることができる。
(6−3)
上述の室外ファン40の釣合い重り80a,80b,80cが金属製部材である場合、比重が大きく、安価で、且つ熱による変形もない。そのため、室外ファン40は、金属製部材(釣合い重り80a,80b,80c)でバランスをとることにより、安価に精度良くバランス調整をすることができる。
(6−4)
上述の室外ファン40は、不等ピッチに配列されて大きく重心がずれても、樹脂よりも比重が大きい釣合い重り80a,80b,80cによって翼50の重心55のアンバランスを容易に改善することができる。
(6−5)
上述の室外ファン40は、シール部材75で釣合い重りの表面が覆われていないと水分が釣合い重りと樹脂との間に侵入して釣合い重り80a,80b,80cの腐食が進む。室外ファン40は、シール部材75で釣合い重り80a,80b,80cの表面を覆うことによって、釣合い重り80a,80b,80cと樹脂との間への水の侵入を防ぐ。その結果、シール部材75により、釣合い重り80a,80b,80cが錆び難くなる。
(6−6)
上述の室外ファン40は、温度が上昇すると熱膨張率が小さい金属製の釣合い重り80a,80b,80cと樹脂製のハブ60の間に隙間ができることがある。熱膨張率が大きいシール部材75とハブ60との間に隙間ができ難いので、温度変化のある環境下でも釣合い重り80a,80b,80cに水分が到達するのを十分に抑制できる。
(6−7)
上述の室外ファン40は、円筒状外壁部61と把持部63A,63B,63Cとの間の隙間Is1、Is2,Is3により、射出成形時に、把持部63A,63B,63Cによって樹脂の流れに偏りが生じるのを抑制している。その結果、円筒状外壁部61の樹脂量に偏りが生じるのを抑制し、円筒状外壁部61の厚みを均一化してバランスが崩れるのを抑制できる。
(6−8)
上述の室外ファン40は、第1リブ71及び/または第2リブ72に取り付けられている金属製クリップであるクリップ型バランサー88により、室外ファン40のバランス調整の微調整をすることができる。
(6−9)
上述の室外ファン40は、抜け防止構造であるリブ64,65によって釣合い重り80a,80b,80cとハブ60との位置関係が室外ファン40の成形後に変化するのを抑制することができる。その結果、室外ファン40は、リブ64,65により、成形後に室外ファン40の全体のバランスが崩れるのを抑制することができる。
(6−10)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80cが、回転軸91に対して直交する方向から見て、3枚の翼50の重心55の位置を全て含むように配置されている金属製の第1部材である。このような第1部材である釣合い重り80cにより、室外ファン40は、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、3枚の翼50とハブ60を含む全体の重心位置を回転軸上に合わせ易くなる。
(6−11)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80cが、回転軸方向の長さが、ハブ60の回転軸方向の長さLhに実質的に等しい金属製の第1部材である。このような第1部材である釣合い重り80cにより、室外ファン40は、偶不釣合いの発生を抑制しつつ、3枚の翼50とハブ60を含む全体の重心位置を回転軸91の上に合わせ易くなる。
(6−12)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80a,80bが、回転軸方向に見て回転軸を通る一つの直線と交わる位置に配置されている金属製の第2部材と第3部材である。このような第2部材と第3部材である釣合い重り80a,80bにより、室外ファン40は、回転軸方向に見た室外ファン40の重心位置を回転軸91の上に配置し易く且つ偶不釣合いを抑制し易くなる。
(6−13)
上述の室外ファン40では、釣合い重り80a,80bが、回転軸方向に見て回転軸91を通る一つの直線と交わる位置に配置されている。室外ファン40は、釣合い重り80a,80bにより、回転軸方向に見たファンの重心位置を回転軸91の上に配置し易く且つ偶不釣合いを抑制し易くなる。
(6−14)
上述の室外ファン40または上述の室内ファン32は、冷凍サイクル装置に備えられる。冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルを実施する装置である。冷凍サイクル装置は、空気調和機1以外に、例えば、ヒートポンプ給湯器、冷蔵庫、及び庫内を冷却する冷却装置に適用することができる。空気調和機1は、冷凍サイクルが行われる冷媒回路10に設けられ、冷媒回路10を循環する冷媒と空気との間の熱交換を行う熱交換器である室外熱交換器23と室内ファン32を備えている。室外ファン40は、室外熱交換器23に空気の流れを生じさせるファンである。室内ファン32は、室内熱交換器31に空気の流れを生じさせるファンである。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 空気調和機(冷凍サイクル装置の例)
10 冷媒回路
23 室外熱交換器(熱交換器の例)
31 室内熱交換器(熱交換器の例)
32 室内ファン
40 室外ファン
50,50A,50B,50C 翼
60 ハブ
64,65 リブ(抜け防止構造の例)
75 シール部材
80a,80b 釣合い重り(第2部材、第3部材の例)
80c 釣合い重り(第1部材の例)
88 クリップ型バランサー(金属製クリップの例)
特開平10―176694号公報

Claims (14)

  1. 樹脂製のハブ(60)と、
    前記ハブに接続されている樹脂製のn(ただし、nは2以上の整数)枚の翼(50,50A,50B,50C)と、
    釣合い重り(80a,80b,80c)と
    を備え、
    前記n枚の翼のうちの少なくとも一つの翼の重心は、回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼の重心と重ならず、
    前記釣合い重りは、回転軸方向に見て前記ハブの内側に配置され、前記n枚の翼及び前記ハブの樹脂よりも比重が大きい材料からなり、
    前記ハブは、前記釣合い重りを樹脂で把持して固定している、ファン(40,32)。
  2. 前記釣合い重りは、前記n枚の翼及び前記ハブの樹脂よりも高い融点を持つ材料からなる、
    請求項1に記載のファン。
  3. 前記釣合い重りは、前記ハブの樹脂中にインサートされた金属製部材である、
    請求項1または請求項2に記載のファン(40,32)。
  4. 前記n枚の翼は、不等ピッチに配置されることによって前記回転軸を中心に(360÷n)度回転させたときに隣接する翼の重心と重ならない少なくとも一つの翼を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  5. 前記ハブは、前記釣合い重りの表面のうちの樹脂で覆われていない領域を埋めるシール部材(75)を有する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  6. 前記シール部材の熱膨張率が前記釣合い重りの熱膨張率よりも大きい、
    請求項5に記載のファン(40,32)。
  7. 前記ハブは、外周部に円筒状外壁部及び、前記円筒状外壁部との間に隙間を持ち且つ前記釣合い重りを把持する把持部を有する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  8. 前記ハブは、リブを有し、
    前記リブに取り付けられている金属製クリップ(88)を備える、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  9. 前記ハブは、前記釣合い重りを前記ハブに係止する抜け防止構造(64,65)を有する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  10. 前記釣合い重りは、金属製の第1部材を含み、
    前記第1部材は、前記回転軸に対して直交する方向から見て、前記n枚の翼の重心の位置を全て含むように配置されている、
    請求項1から9のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  11. 前記釣合い重りは、金属製の第1部材(80c)を含み、
    前記第1部材の前記回転軸方向の長さが、前記ハブの前記回転軸方向の長さに実質的に等しい、
    請求項1から9のいずれか一項に記載のファン(40,32)。
  12. 前記釣合い重りは、前記第1部材よりも短い金属製の第2部材及び第3部材(80a,80b)を含み、
    前記第2部材及び前記第3部材は、前記回転軸方向に互いに離れて配置されている、
    請求項10または請求項11に記載のファン(40,32)。
  13. 前記第2部材と前記第3部材は、前記回転軸方向に見て前記回転軸を通る一つの直線と交わる位置に配置されている、
    請求項12に記載のファン(40,32)。
  14. 熱交換器(23,31)を有し、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(10)と、
    請求項1から13のいずれかに記載のファン(40,32)と、
    を備え、
    前記ファンは、プロペラファンである、冷凍サイクル装置(1)。
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