JP2021021777A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021021777A
JP2021021777A JP2019137040A JP2019137040A JP2021021777A JP 2021021777 A JP2021021777 A JP 2021021777A JP 2019137040 A JP2019137040 A JP 2019137040A JP 2019137040 A JP2019137040 A JP 2019137040A JP 2021021777 A JP2021021777 A JP 2021021777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bush
slit
end edge
fixing device
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019137040A
Other languages
English (en)
Inventor
匠 道端
Takumi Michihashi
匠 道端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2019137040A priority Critical patent/JP2021021777A/ja
Publication of JP2021021777A publication Critical patent/JP2021021777A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】加熱回転部に含まれる従動ローラーが摩耗してしまうことを抑制することが可能な定着装置を提供する。【解決手段】定着装置は、加熱回転部と、加圧回転部とを備え、加熱回転部は、加圧回転部からの力を受けて従動回転する従動ローラーと、従動ローラーを回転可能に軸支するベアリングと、ベアリングと従動ローラーとの間に介装されたブッシュ39Aとを含む。ブッシュ39Aは、周方向の一部が途切れた形状を有するようにスリット39sが設けられてなる略円筒状の部材からなる。スリット39sを規定するブッシュ39Aの周方向における一端縁391および他端縁392は、ブッシュ39Aの軸方向と平行な方向において一部において重なる。【選択図】図9

Description

本発明は、用紙等の記録材上に形成されたトナー像を当該記録材に定着させる定着装置に関し、また、カラー/モノクロ等の種別を問わず、電子写真方式を利用して画像を形成する画像形成部に当該定着装置を備えてなる複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置に具備される定着装置としては、安全性と効率の観点から、トナー像が形成された記録材に熱と圧力とを加えることでトナー像を記録材に定着させる熱定着方式のものが利用されている。熱定着方式の定着装置においては、トナー像が形成された記録材が加熱回転部および加圧回転部によって挟み込まれることで定着が行なわれる。
加熱回転部としては、種々の構成のものが知られているが、通常、加熱回転部には、加熱ローラーと称される従動ローラーが設けられる。この加熱回転部に設けられる従動ローラーは、加圧回転部からの力を受けて従動回転するように構成されたものであり、シャーシ等の支持部材に組付けられたベアリングによって回転可能に軸支されている。
ここで、従動ローラーは、定着装置の作動時において加熱回転部に含まれる加熱源によって加熱されることになるが、当該従動ローラーの熱がベアリングを介して外部に伝熱されることで生じるエネルギーロスを抑制する観点から、従動ローラーとベアリングとの間には、高い断熱性を有するブッシュが介装されることが一般的である。
このブッシュは、従動ローラーが熱膨張した後の状態(すなわち、従動ローラーが加熱された後の状態)において当該従動ローラーに固定されている必要があるため、当該熱膨張後において従動ローラーに対して隙間なく密着するように予めその寸法が適切に設定されるか、あるいは、ブッシュに切れ目となるスリットを設け、常温において当該ブッシュを従動ローラーに圧入し、従動ローラーの熱膨張後においても当該従動ローラーに対して隙間なく密着するように構成されるか、のいずれかとされる。
加熱回転部に設けられた従動ローラーとベアリングとの間に上述したブッシュが介装されてなる定着装置が開示された文献としては、たとえば特開平6−337608号公報(特許文献1)がある。当該特許文献1には、上述したうちの後者の構成が採用されたブッシュが開示されている。
すなわち、上記特許文献1に開示の定着装置においては、ブッシュの周方向の所定位置に当該ブッシュの軸方向と平行な方向に沿って延びるスリットが設けられており、このスリットが設けられたブッシュが従動ローラーとベアリングとの間に介装されることにより、従動ローラーの熱膨張後においてもブッシュが従動ローラーに対して密着するように構成されている。
特開平6−337608号公報
通常、上述した従動ローラーには、装置構成上、ベアリングおよびブッシュを介して、当該従動ローラーの軸方向と直交する方向に付勢力が印加される。この付勢力は、ブッシュに上述した如くのスリットが設けられている場合に、ブッシュと従動ローラーとの間に瞬間的な滑りを発生させてしまう原因となる。
すなわち、従動ローラーの回転に伴ってブッシュが回転することにより、当該ブッシュに設けられたスリットも回転する。このスリットの回転に伴い、ブッシュの外周面および内周面に位置するスリットの開口面が、上述した付勢力が付与される方向を向くたびに、当該付勢力は、スリットを規定するブッシュの周方向における一端縁および他端縁に対して斜め方向に力を加えることになる。その結果、当該付勢力は、瞬間的にスリットを押し広げる方向に向けて作用することになる。
このスリットを押し広げる方向に向けて作用する斜め方向の力は、ブッシュと従動ローラーとの間に上述した瞬間的な滑りを発生させることになり、この瞬間的な滑りが従動ローラーの回転に伴って繰り返し発生することにより、従動ローラーには著しい摩耗が発生してしまうことになる。そして、従動ローラーの著しい摩耗は、定着装置の動作不良の原因となる。
したがって、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、加熱回転部に含まれる従動ローラーが摩耗してしまうことを抑制することが可能な定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく定着装置は、記録材上に形成されたトナー像を記録材に定着させる定着装置であって、加熱源を含む加熱回転部と、上記加熱回転部に対向するように配置され、上記加熱回転部を加圧した状態で回転駆動されることにより、上記加熱回転部との間において記録材が搬送されるニップ部を形成する加圧回転部とを備えている。上記加熱回転部は、上記加圧回転部からの力を受けて従動回転する従動ローラーと、上記従動ローラーを回転可能に軸支するベアリングと、上記ベアリングと上記従動ローラーとの間に介装されたブッシュとを含んでいる。上記ブッシュは、周方向の一部が途切れた形状を有するようにスリットが設けられてなる略円筒状の部材からなる。上記スリットを規定する上記ブッシュの周方向における一端縁および他端縁は、上記ブッシュの軸方向と平行な方向において一部において重なっている。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記スリットが、上記スリットが設けられた部分の上記ブッシュを当該ブッシュの外周面側から見た場合に、上記ブッシュの軸方向に対して傾斜して延びるように設けられていてもよい。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記ブッシュが、当該ブッシュの軸方向において上記ベアリングが当て留めされてなるフランジ部を有していてもよく、その場合には、上記スリットの延在方向の中央部から見た場合に、上記スリットの延在方向に位置する一対の端部のうちの上記フランジ部側に位置する端部が、上記スリットの延在方向に位置する一対の端部のうちの上記フランジ部側とは反対側に位置する端部よりも、上記従動ローラーの回転方向に沿った下流側の位置に配置されていることが好ましい。
上記本発明に基づく定着装置にあっては、上記スリットを規定する上記ブッシュの周方向における一端縁および他端縁のうちの上記スリットから見た場合における上記従動ローラーの回転方向に沿った下流側の位置に配置された端縁と、上記ブッシュの内周面と、を結ぶ部分のコーナー部に、湾曲面または傾斜面からなる面取り部が設けられていてもよい。
本発明に基づく画像形成装置は、上述した本発明に基づく定着装置を画像形成のために備えてなるものである。
本発明によれば、加熱回転部に含まれる従動ローラーが摩耗してしまうことを抑制することが可能な定着装置およびこれを備えた画像形成装置とすることができる。
実施の形態1に係る画像形成装置の概略図である。 実施の形態1に係る定着装置の模式断面図である。 図2に示す定着装置の模式平面図である。 図2に示す定着装置の要部の概略斜視図である。 図2に示す定着装置の模式側面図である。 図5に示す支持部近傍の模式断面図である。 図5に示す支持部近傍の組付構造を示す分解図である。 図5に示す支持部に含まれるブッシュの概略斜視図である。 図2に示す定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。 第1変形例に係る定着装置の支持部近傍の模式側面図である。 第2変形例に係る定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。 第3変形例に係る定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。 第4変形例に係る定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。 実施の形態2に係る定着装置の模式断面図である。 実施の形態3に係る定着装置の模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、本発明が適用された画像形成装置および定着装置として、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンターおよびこれに具備された定着装置を例示して説明を行なう。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像形成装置の概略図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置1の概略的な構成および動作について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、給紙ユニット8とを主として備えている。装置本体2は、記録材としての用紙Sに画像を形成するための部位である画像形成部2Aと、画像形成部2Aに用紙Sを供給するための部位である給紙部2Bとを含んでいる。給紙ユニット8は、画像形成部2Aに供給するための用紙Sを収納するものであり、給紙部2Bに着脱自在に設けられている。
画像形成装置1の内部には、複数のローラー3が設置されており、これにより用紙Sが所定の方向に沿って搬送される搬送経路4が、上述した画像形成部2Aおよび給紙部2Bに跨って構築されている。また、図1中に示すように、装置本体2には、画像形成部2Aに用紙Sを供給するための手差しトレイ9が別途設けられていてもよい。
画像形成部2Aは、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像を形成可能な作像ユニット5と、当該作像ユニット5に含まれる感光体を露光するための露光ユニット6と、作像ユニット5に張架された中間転写ベルト7aと、搬送経路4上であってかつ中間転写ベルト7aの走路上に設けられた転写部7と、転写部7よりも下流側の部分の搬送経路4上に設けられた、後述する本実施の形態に係る定着装置10Aとを主として備えている。
作像ユニット5は、露光ユニット6からの露光を受けてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像あるいはブラック(K)のみからなるトナー像を感光体の表面に形成し、これを中間転写ベルト7aに転写する(いわゆる一次転写)。これにより、中間転写ベルト7aには、カラートナー像あるいはモノクロトナー像が形成されることになる。
中間転写ベルト7aは、その表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像を転写部7へと移送し、給紙部2Bから転写部7へと搬送されてきた用紙Sとともに転写部7において圧接される。これにより、中間転写ベルト7aの表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像が用紙Sへと転写される(いわゆる二次転写)。
カラートナー像あるいはモノクロトナー像が転写された用紙Sは、その後、定着装置10Aによって加圧および加熱される。これにより、用紙Sにカラー画像あるいはモノクロ画像が形成されることになり、当該カラー画像あるいはモノクロ画像が形成された用紙Sは、その後、装置本体2から排出される。
図2は、本実施の形態に係る定着装置の模式断面図であり、図3は、図2に示す定着装置の模式平面図である。次に、これら図2および図3を参照して、本実施の形態に係る定着装置10Aの構成および動作について説明する。なお、図2は、定着ベルト31の幅方向の中央部における断面を表わした図(すなわち、図3中に示すII−II線に沿った断面図)であり、図3においては、理解を容易とするために、定着ベルト31を想像線にて示している。
図2および図3に示すように、定着装置10Aは、加圧回転部としての加圧ローラー20と、定着ベルト31を含む加熱回転部としての定着ベルトユニット30と、用紙Sの搬送を案内するための各種のガイド51〜53とを主として備えている。
加圧ローラー20は、たとえばアルミニウム合金または鉄等からなる金属製の芯金21と、当該芯金21を覆うように設けられたたとえばシリコーンゴムまたはフッ素ゴム等からなるゴム製の弾性層22とを含んでいる。加圧ローラー20は、弾性層22を覆うように設けられたたとえばフッ素系樹脂等からなる離型層をさらに有していてもよい。
芯金21は、中実円柱状または中空円筒状等の各種の形状のものが利用でき、その外径は特に制限されるものではないが、たとえば20mm以上100mm以下とされる。弾性層22の厚みおよび離型層の厚みも特に制限されるものではないが、弾性層22の厚みはたとえば1mm以上20mm以下とされ、離型層の厚みはたとえば5μm以上100μm以下とされる。
加圧ローラー20は、定着ベルト31の外周面に対向するように配置されており、その軸方向の両端部は、図示しない軸支部によって回転可能に軸支されている。加圧ローラー20は、図示しないたとえばモーター等の駆動源によって回転駆動される。なお、加圧ローラー20は、図示しない付勢部材によって定着ベルトユニット30側に向けて弾性付勢可能に構成されている。
定着ベルトユニット30は、上述した定着ベルト31に加え、加圧パッド32と、支持部材33と、従動ローラーとしての加熱ローラー34と、加熱源35と、補助パッド36とを主として有している。
定着ベルト31は、無端状であり、耐熱性や強度、表面の平滑性等を考慮してたとえば複数の層にて構成されている。具体的には、定着ベルト31は、たとえばポリイミド樹脂またはステンレス合金あるいはニッケル電鋳等からなる基材層と、たとえばシリコーンゴムまたはフッ素ゴム等からなるゴム製の弾性層と、たとえばフッ素系樹脂等からなる離型層とを含んでいる。これら複数の層は、定着ベルト31の内側から外側に向けて基材層、弾性層、離型層の順で位置している。
定着ベルト31の周方向長さは特に制限されるものではないが、たとえば定着ベルト31の外径は10mm以上100mm以下とされる。基材層の厚み、弾性層の厚みおよび離型層の厚みも特に制限されるものではないが、基材層の厚みはたとえば5μm以上100μm以下とされ、弾性層の厚みはたとえば10μm以上300μm以下とされ、離型層の厚みはたとえば5μm以上100μm以下とされる。
加圧パッド32は、定着ベルト31の幅方向(すなわち、加圧ローラー20の軸方向)に沿って延在する長尺板状の部材にて構成されており、定着ベルト31の内側の空間に配置されている。これにより、加圧パッド32は、定着ベルト31を間に挟んで加圧ローラー20と対向するように定着ベルト31の内周面に向き合っている。
加圧パッド32は、たとえば液晶ポリマー樹脂またはポリフェニレンスルファイド樹脂あるいはポリイミド樹脂等からなる樹脂製の部材、もしくはアルミニウム合金または鉄等からなる金属製の部材にて構成される。また、加圧パッド32は、上述したいずれかの部材と、たとえばシリコーンゴムまたはフッ素ゴム等からなるゴム製の部材との複合部品によって構成されていてもよい。
加圧パッド32の表面は、図示しない摺接シートによって覆われていてもよい。摺接シートとしては、たとえば基材としてのガラス繊維の織布の表面がフッ素系樹脂からなるコート層によって覆われたものが利用できる。当該摺接シートを設けた場合には、定着ベルト31と加圧パッド32との間の摺動性が向上することになる。
支持部材33は、定着ベルト31の幅方向に沿って延在する長尺板状の部材にて構成されており、加圧パッド32から見て加圧ローラー20が位置する側とは反対側に位置するように、定着ベルト31の内側の空間に配置されている。支持部材33は、加圧パッド32を支持するとともに、加圧パッド32を補強するためのものである。
支持部材33は、加圧パッド32に対向する平板状の基部33aと、当該基部33aから加圧ローラー20が位置する側とは反対側に向けて立設された一対の平板状の立壁部(当該立壁部には、上流側立壁部33bおよび下流側立壁部33cが含まれる)とを有する断面略C字状の形状を有している。
一対の立壁部の一方である上流側立壁部33bは、用紙Sの搬送方向における上流側の位置(すなわち、図2中における下方側の位置)において基部33aから立設されており、一対の立壁部の他方である下流側立壁部33cは、用紙Sの搬送方向における下流側の位置(すなわち、図2中における上方側の位置)において基部33aから立設されている。
支持部材33は、たとえば電気亜鉛めっき鋼板(SECC)等の金属製の部材にて構成される。支持部材33は、幅方向の両端部が後述する一対のシャーシ40L,40Rによって支持されることで固定されている。当該支持部材33の一対のシャーシ40L,40Rに対するより具体的な組付構造については、後において詳述することとする。
なお、加圧パッド32は、支持部材33の基部33aに対向する主面から立設された位置決めピン32aが支持部材33の基部33aに設けられた貫通孔に挿通されることで位置決めされるとともに、当該加圧パッド32の周囲に設けられた図示しないフック状の係止部等が支持部材33の基部33aの周縁部等に係止されることにより、支持部材33によって軽保持された状態で組付けられている。
加熱ローラー34は、定着ベルト31の幅方向に沿って延在する円筒状の部材にて構成されており、支持部材33から見て加圧ローラー20が位置する側とは反対側に位置するように、定着ベルト31の内側の空間に配置されている。これにより、加熱ローラー34の外周面は、定着ベルト31の内周面に向き合っている。加熱ローラー34は、加熱源35にて発生する熱を定着ベルト31に伝熱するものである。
加熱ローラー34は、たとえばアルミニウム合金等からなる金属製の中空円筒状の部材にて構成される。加熱ローラー34の外径は特に制限されるものではないが、たとえば10mm以上100mm以下とされる。なお、加熱ローラー34は、効率的な伝熱を行なうためにその内周面が黒色層にて覆われていることが好ましく、また、その外周面がフッ素系樹脂等からなる保護層によって覆われていてもよい。
加熱ローラー34は、幅方向の両端部が後述する一対のシャーシ40L,40Rによって回転可能に支持されている。当該加熱ローラー34の一対のシャーシ40L,40Rに対するより具体的な組付構造については、後において詳述することとする。
加熱源35は、定着ベルト31の幅方向と平行な方向に沿って延在する一対の棒状ヒーターであるロングヒーターおよびショートヒーターを含んでおり、加熱ローラー34の内側の空間に配置されている。加熱源35は、加熱ローラー34を介して定着ベルト31を加熱するものであり、その軸方向の両端部が図示しない保持部によって保持されている。ロングヒーターおよびショートヒーターは、たとえばいずれもハロゲンヒーターからなる。
ロングヒーターは、定着ベルト31の幅方向における略全域に対応した領域に発熱部を有しており、当該発熱部が発熱することにより、主としてその輻射熱によって加熱ローラー34を介して定着ベルト31を加熱するものである。なお、当該発熱部の軸方向長さは、画像形成装置1に供給される各種サイズの用紙のうち、その幅が最大である用紙の当該幅に対応している。
ショートヒーターは、定着ベルト31の幅方向における中央部に対応した領域のみに発熱部を有しており、当該発熱部が発熱することにより、主としてその輻射熱によって加熱ローラー34を介して定着ベルト31を加熱するものである。なお、当該発熱部の軸方向長さは、画像形成装置1に供給される各種サイズの用紙のうち、その幅が最小である用紙の当該幅に対応している。
なお、加熱源35としては、上述したハロゲンヒーター以外にも、IH(電磁誘導加熱)方式の加熱源等を利用することもでき、さらには、これ以外にも、加熱ローラー34または定着ベルト31を抵抗発熱体にて構成することでこれらを加熱源とすることもできる。
補助パッド36は、定着ベルト31の幅方向に沿って延在する長尺板状の部材にて構成されており、定着ベルト31の内側の空間に配置されるように、支持部材33に設けられた下流側立壁部33cの外側表面上に固定されている。補助パッド36は、定着ベルト31を案内するためのガイドであるとともに、定着ベルト31の内周面に潤滑剤を塗布するものでもある。
より詳細には、補助パッド36は、定着ベルト31の回転方向において後述するニップ部Nよりも下流側の位置に設けられており、塗布部としての潤滑剤供給部36aを有している。この潤滑剤供給部36aは、たとえばグリス等の潤滑剤が含浸されたフェルトによって構成されており、当該潤滑剤供給部36aに定着ベルト31の内周面が当接することにより、潤滑剤が定着ベルト31の内周面に供給される。これにより、定着ベルト31と加圧パッド32との間の摺動性が向上することになる。
ここで、上述したように、加圧ローラー20は、図示しない付勢部材によって定着ベルトユニット30側に向けて弾性付勢可能に構成されている。そのため、付勢部材が有する付勢力によって加圧ローラー20が定着ベルト31に近づく方向に弾性付勢されることにより、定着ベルト31が加圧ローラー20によって加圧パッド32に向けて押し付けられることになる。これにより、加圧パッド32が加圧ローラー20によって押圧された押圧状態が実現されることになる。
一方、定着ベルト31は、上述した加圧パッド32、加熱ローラー34および補助パッド36に張架されている。これにより、定着ベルト31は、加圧パッド32の加圧ローラー20側の主面上を摺動するように回転することができ、この回転により、定着ベルト31のうちの加熱ローラー34に接触した部分が加熱源35によって加熱され、その後、定着ベルト31の当該部分が後述するニップ部Nに移動することで、ニップ部Nに供給された用紙Sおよび当該用紙S上に形成されたトナー像が、定着ベルト31の当該部分によって加熱されることになる。
すなわち、本実施の形態に係る定着装置10Aにおいては、上述したように、加圧ローラー20が定着ベルトユニット30側に向けて付勢された状態において、加圧ローラー20が図示しない上述した駆動源によって図2中に示す矢印A方向に向けて回転駆動されることにより、定着ベルト31が、加圧パッド32上を摺動するように図2中に示す矢印B方向に向けて従動回転する。このとき、従動ローラーとしての加熱ローラー34も図2中に示す矢印C方向に向けて従動回転することになる。
これにより、加圧ローラー20と定着ベルトユニット30との間(より厳密には、加圧ローラー20と定着ベルト31の外周面との間)には、用紙Sが搬送されるニップ部Nが形成されることになる。換言すれば、加圧ローラー20および定着ベルトユニット30は、それらの間に形成されるニップ部Nが用紙の搬送経路4上に位置することとなるように、当該搬送経路4を挟み込むように配置されている。
搬送経路4上の位置であって、用紙Sの搬送方向に沿ってニップ部Nよりも上流側の位置(すなわち、図2中における下方側の位置)には、入口側ガイド51が設けられている。入口側ガイド51は、搬送経路4上を送られてきた用紙Sが確実にニップ部Nに投入されるようにするためのガイドである。
また、搬送経路4上の位置であって、用紙Sの搬送方向に沿ってニップ部Nよりも下流側の位置(すなわち、図2中における上方側の位置)には、分離用ガイド52および出口側ガイド53が設けられている。分離用ガイド52は、ニップ部Nから排出されるに際して定着ベルト31に密着した状態にある用紙Sを当該定着ベルト31から分離するためのガイドであり、出口側ガイド53は、分離用ガイド52によって定着ベルト31から分離された用紙Sを確実に搬送経路4上に戻すためのガイドである。
以上の構成を有することにより、本実施の形態に係る定着装置10Aにあっては、定着動作時において(すなわち、上述した押圧状態において)、用紙S上に形成されたトナー像に対して熱および圧力がニップ部Nにおいて加えられることになり、これによってトナー像が用紙Sに定着されることになる。
図4は、図2に示す定着装置の要部の概略斜視図であり、図5は、図2に示す定着装置の模式側面図である。ここで、図4は、定着ベルトユニット30の後述する支持部37Lが位置する側の端部の構造を示したものであり、当該図4においては、定着ベルト31の図示を省略している。また、図5は、図3中に示す矢印V方向から見た場合の側面図であり、当該図5においては、シャーシ40Lの図示を省略している。次に、前述の図3とこれら図4および図5とを参照して、本実施の形態に係る定着装置10Aにおける定着ベルトユニット30の保持構造について詳説する。
図3に示すように、定着ベルトユニット30の両端部には、互いに対向するように一対のシャーシ40L,40Rが配置されている。一対のシャーシ40L,40Rの各々は、金属製の板状部材からなり、定着ベルトユニット30を保持している。
より具体的には、上述したように、定着ベルトユニット30のうちの支持部材33の両端部が一対のシャーシ40L,40Rに固定されるとともに、定着ベルトユニット30のうちの加熱ローラー34の両端部が回転可能に一対のシャーシ40L,40Rによって支持されることにより、定着ベルトユニット30が一対のシャーシ40L,40Rによって保持されている。
具体的には、図3および図4(特に図4)に示すように、シャーシ40Lの所定位置には、平面視略矩形状の孔部が設けられており、支持部材33の左側端部が当該孔部に対して嵌め込まれることにより、支持部材33の左側端部がシャーシ40Lに対して組付けられることで固定されている。
一方、ここではその詳細な図示は省略するものの、シャーシ40Rの所定位置には、平面視略矩形状の孔部が設けられており、支持部材33の右側端部が当該孔部に対して嵌め込まれることにより、支持部材33の右側端部がシャーシ40Rに対して組付けられることで固定されている。
また、図3ないし図5(特に図4)に示すように、シャーシ40Lの所定位置には、平面視略円形状の孔部が設けられており、当該孔部に加熱ローラー34の左側端部が差し込まれている。ここで、シャーシ40Lに設けられた上記孔部には、ベアリング38が組付けられており、当該ベアリング38と加熱ローラー34の左側端部との間には、高い断熱性を有するブッシュ39Aが介装されている。これにより、加熱ローラー34の左側端部が、ブッシュ39Aを介してベアリング38によって回転可能に支持されている。なお、以下においては、この加熱ローラー34の左側端部に組付けられたブッシュ39Aおよびベアリング38を含めて支持部37Lと称する。
一方、ここではその詳細な図示は省略するものの、シャーシ40Rの所定位置には、平面視略円形状の孔部が設けられており、当該孔部に加熱ローラー34の右側端部が差し込まれている。ここで、シャーシ40Lに設けられた上記孔部には、ベアリング38が組付けられており、当該ベアリング38と加熱ローラー34の右側端部との間には、高い断熱性を有するブッシュ39Aが介装されている。これにより、加熱ローラー34の右側端部が、ブッシュ39Aを介してベアリング38によって回転可能に支持されている。なお、以下においては、この加熱ローラー34の右側端部に組付けられたブッシュ39Aおよびベアリング38を含めて支持部37Rと称する。
なお、上述した支持部37L,37Rに含まれるブッシュ39Aは、定着装置10Aの作動時において、加熱源35によって加熱された加熱ローラー34の熱が支持部37L,37Rを介してベアリング38およびシャーシ40L,40Rを経由して外部に伝熱されてしまうことで生じるエネルギーロスを抑制する観点から設けられたものである。
そのため、ブッシュ39Aは、高い断熱性を有していることが好ましく、ブッシュ39Aの材質は、たとえばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、または、これらのガラス繊維強化樹脂あるいは炭素繊維強化樹脂とされる。
ここで、上述した支持部37L,37Rに含まれるベアリング38は、図示しない付勢部材により、加熱ローラー34の軸方向と直交する方向であってかつ加圧パッド32から遠ざかる方向に向けて弾性付勢されている。この図示しない付勢部材によるベアリング38に対する弾性付勢は、当該ベアリング38および上述したブッシュ39Aを介して、加熱ローラー34を上記方向に向けて弾性付勢することにより、主として加圧パッド32および加熱ローラー34に張架された定着ベルト31に弛みが発生することを防止するためのものである。
図6は、図5に示す支持部近傍の模式断面図であり、図7は、当該支持部近傍の組付構造を示す分解図である。また、図8は、図5に示す支持部に含まれるブッシュの概略斜視図である。ここで、図6は、図5中に示すVI−VI線に沿った断面図である。次に、これら図6ないし図8を参照して、図5に示す支持部37Lの詳細な構造について説明する。なお、ここではその説明は省略するが、支持部37Rは、加熱ローラー34の軸方向と直交する平面を基準として、以下において説明する支持部37Lと鏡面対称の構造を有している。
図6および図7に示すように、ベアリング38は、いわゆる玉軸受けであり、内輪38aと、外輪38bと、転動体としての玉38cとを有している。玉38cは、内輪38aと外輪38bとの間に介在するようにベアリング38の周方向に沿って複数配置されており、これにより内輪38aと外輪38bとが相対的に周方向に沿って回転することができる。
図6ないし図8に示すように、ブッシュ39Aは、略円筒状の形状を有しており、一方の軸方向端面である外側端面39aと、他方の軸方向端面である内側端面39bと、内周面39cと、外周面39dとを有している。ブッシュ39Aは、外側端面39aが位置する側の軸方向端部にフランジ部39eを有している。
ここで、ブッシュ39Aには、周方向の一部が途切れた形状を有するようにスリット39sが設けられている。当該スリット39sは、外側端面39aおよび内側端面39bの双方に達するように延在しているとともに、ブッシュ39Aの径方向において内周面39cおよび外周面39dの双方に達するように貫通している。
図6および図7に示すように、ブッシュ39Aは、加熱ローラー34の左側端部に外挿されることで組付けられている。より詳細には、ブッシュ39Aは、その一方の軸方向端部に設けられたフランジ部39eが外側に配置されるように、加熱ローラー34の左側端部に圧入によって組付けられている。
一方、ベアリング38は、その内輪38aがブッシュ39Aに外挿されており、その外輪38bがシャーシ40Lの上述した平面視略円形状の孔部に嵌め込まれている。より詳細には、ベアリング38は、ブッシュ39Aに圧入によって組付けられているとともに、シャーシ40Lに回転不能に固定されている。
なお、図7に示すように、加熱ローラー34をシャーシ40Lに組付けるに際しては、予めシャーシ40Lに設けられた上記孔部にベアリング38を組付けておき、当該ベアリング38にブッシュ39Aを圧入するとともに、ブッシュ39Aに加熱ローラー34を圧入することで行なう。これにより、上記孔部に加熱ローラー34の左側端部が差し込まれることになり、シャーシ40Lに固定されたベアリング38によってブッシュ39Aを介して加熱ローラー34が回転可能に軸支されることになる。
このとき、ベアリング38は、ブッシュ39Aに設けられたフランジ部39eにブッシュ39Aの軸方向において当て留めされる。すなわち、フランジ部39eは、ブッシュ39Aに対するベアリング38の位置決めに利用されることになる。
ここで、ブッシュ39Aは、加熱ローラー34が熱膨張した後の状態(すなわち、加熱ローラー34が加熱源35によって加熱された後の状態)において、当該加熱ローラー34に固定されていること(すなわち、ブッシュ39Aと加熱ローラー34との間に滑りが生じないこと)が求められる。そのため、上述のようにブッシュ39Aに切れ目となるスリット39sを設け、常温において当該ブッシュ39Aを加熱ローラー34に圧入することにより、加熱ローラー34の熱膨張後においても、ブッシュ39Aが加熱ローラー34に対して隙間なく密着することになる。
しかしながら、上述したように、本実施の形態に係る定着装置10Aにあっては、ベアリング38が図示しない付勢部材によって付勢されていることにより、加熱ローラー34に対して当該加熱ローラー34の軸方向と直交する方向に向けて付勢力が常に付与された状態となる。
そのため、仮に上述したブッシュに設けられるスリットを従来公知の構成のものとした場合(すなわち、ブッシュの軸方向と平行な方向に沿って延びるようにスリットを設けた場合)には、前述のとおり、上述した付勢力がスリットを押し広げる方向に向けて作用することになってしまい、ブッシュと従動ローラーとの間に瞬間的な滑りが発生してしまう。
この点、本実施の形態に係る定着装置10Aにあっては、ブッシュ39Aに設けられるスリット39sを以下のとおりの形状とすることにより、この瞬間的な滑りの発生を抑制可能にしている。
図9は、図2に示す定着装置の作動時におけるブッシュの経時的な状態を示す模式断面図である。以下、前述の図8とこの図9とを参照して、ブッシュ39Aに設けられたスリット39sの具体的な形状について説明するとともに、当該形状のスリット39sとすることにより、上述したブッシュ39Aと加熱ローラー34との間に生じ得る瞬間的な滑りが抑制できる理由について詳説する。
図8および図9に示すように、本実施の形態に係る定着装置10Aにおいては、ブッシュ39Aに設けられたスリット39sが、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39Aをその外周面39d側から見た場合に、当該ブッシュ39Aの軸方向に対して傾斜して延びるように設けられている。
ここで、スリット39sの傾斜角および幅が適切に調節されることにより、当該スリット39sを規定するブッシュ39Aの周方向における一端縁391および他端縁392は、ブッシュ39Aの軸方向と平行な方向において一部において重なっている。換言すれば、スリット39sは、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39Aをその外周面39d側から見た場合に、当該ブッシュ39Aの軸方向と交差する方向に延在した部分を有している。
なお、上述した一端縁391は、スリット39sを規定するブッシュ39Aの周方向における一対の端縁のうちの加熱ローラー34の回転方向(すなわち、図中に示す矢印C方向)の下流側に位置する端縁であり、上述した他端縁392は、上記一対の端縁のうちの上記回転方向の上流側に位置する端縁である。
このように構成することにより、ブッシュ39Aの軸方向と平行な方向においてスリット39sが外側端面39aから内側端面39bにまで達するように形成された部分が、ブッシュ39Aの周方向のいずれの位置にも存在しないことになる。すなわち、ブッシュ39Aの周方向のいずれの位置においても、ブッシュ39Aの軸方向と平行な方向においてブッシュ39Aの周壁の少なくとも一部が位置することになる。
そのため、ベアリング38とブッシュ39Aとは、これらが対向する周方向のいずれの位置においても、軸方向と平行な方向のいずれかの位置において必ず当接した状態で配置されることになり、上述した図示しない付勢部材による付勢力に基づいてベアリング38からブッシュ39Aに対して付与される力が、これらの当接部においてこれらの径方向に作用することになる。
したがって、当該力が、スリット39sを押し広げる方向に向けて作用することが抑制できることになり、結果として、ブッシュ39Aと加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止できることになる。以下、この点についてより詳細に説明する。
図9においては、上述したようにブッシュ39Aの経時的な状態が示されているため、ブッシュ39Aは、図9(A)から図9(C)の順で図中に示す矢印C方向に向けて回転する。ここで、当該図9は、ブッシュ39Aの断面を示したものであるため、上述したブッシュ39Aの回転に伴い、スリット39sは、図中に示す下方の位置から上方の位置へと次第に移動することになる。
なお、当該図9に示す断面は、図示しない付勢部材によるベアリング38に対する付勢方向とは反対方向から見た断面であり、ベアリング38からブッシュ39Aに対しては、紙面奥側から紙面手前側の方向に向けて力が印加されることになる。なお、当該力は、図中に示すブッシュ39Aの回転軸Rと紙面直交方向において重なる位置に配置されたブッシュ39Aの周壁に主として印加されることになる。以下、この位置を便宜上、「圧力印加位置」と称する。
図9(A)に示すように、ブッシュ39Aの回転に伴ってスリット39sが移動することにより、まずは、ブッシュ39Aの上述した一端縁391のうちのベアリング38に重なる領域であってかつ最も回転方向下流側に位置する端点(以下、この点を「一端縁391の始点P1S」と称する)が圧力印加位置に到達する。
次に、図9(B)に示すように、ブッシュ39Aの回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39Aの上述した他端縁392のうちのベアリング38に重なる領域であってかつ最も回転方向下流側に位置する端点(以下、この点を「他端縁392の始点P2S」と称する)が圧力印加位置に到達し、さらにその後、ブッシュ39Aの上述した一端縁391のうちのベアリング38に重なる領域であってかつ最も回転方向上流側に位置する端点(以下、この点を「一端縁391の終点P1E」と称する)が圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39Aの一端縁391寄りの部分とが当接した状態が維持され、また、他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達した時点から一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39Aの一端縁391寄りの部分および他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
次に、図9(C)に示すように、ブッシュ39Aの回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39Aの上述した他端縁392のうちのベアリング38に重なる領域であってかつ最も回転方向上流側に位置する端点(以下、この点を「他端縁392の終点P2E」と称する)が圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39Aの他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
このように、上記構成を採用することにより、スリット39sが圧力印加位置を通過するに際して、当該圧力印加位置において、常にベアリング38と加熱ローラー34との間にブッシュ39Aの周壁の少なくとも一部が挟まれた状態となる。これにより、ベアリング38とブッシュ39Aとがこれらの径方向において当接した状態が常に維持されることになり、これらの当接部においてベアリング38からブッシュ39Aに対して力が印加されることになる。そのため、上述のとおり、当該力が、スリット39sを押し広げる方向に向けて作用することが抑制できることになり、結果として、ブッシュ39Aと加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止できることになる。
したがって、本実施の形態に係る定着装置10Aおよびこれを備えた画像形成装置1とすることにより、加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制できることになり、加熱ローラー34が著しく摩耗することで発生する定着装置10Aの動作不良の発生を防止することが可能になる。
ここで、上述したように、本実施の形態においては、スリット39sの傾斜角および幅が適切に調節されることにより、当該スリット39sを規定するブッシュ39Aの周方向における一端縁391および他端縁392が、ブッシュ39Aの軸方向と平行な方向において一部において重なるように構成されている。具体的には、図9(A)を参照して、ベアリング幅をTとし、スリット39sの傾斜角をαとし、スリット幅をDとした場合に、これらが、α≦arctan(T/D)の条件を満たすことにより、上記一端縁391および他端縁392が、ブッシュ39Aの軸方向と平行な方向において一部において重なることになる。
また、本実施の形態においては、図8および図9に示すように、スリット39sの延在方向の中央部から見た場合に、スリット39sの延在方向に位置する一対の端部のうちのフランジ部39e側(すなわち、外側端面39a側)に位置する端部が、スリット39sの延在方向に位置する一対の端部のうちのフランジ部39e側とは反対側(すなわち、内側端面39b側)に位置する端部よりも、加熱ローラー34の回転方向(すなわち、図中に示す矢印C方向)に沿った下流側の位置に配置されている。
このように構成することにより、加熱ローラー34の回転に伴って、ブッシュ39Aが加熱ローラー34の軸方向に沿って位置ずれを起こしてしまうことが未然に防止できることになる。これは、スリット39sの傾斜方向と加熱ローラー34の回転方向とが所定の条件を満たすことで得られる効果である。
すなわち、ベアリング38からブッシュ39Aに対して印加される力は、加熱ローラー34が回転することに伴い、スリット39sを規定するブッシュ39Aの周方向における一端縁391および他端縁392のうち、一端縁391(すなわち、加熱ローラー34の回転方向の下流側に位置する端縁)に対してより強く印加される。
そのため、上記構成を採用することで、当該一端縁391に力が加わるに際し、当該力の分力のうちのブッシュ39Aの軸方向に作用する分力の方向が、フランジ部39e側とは反対側に向くようにすることにより、当該フランジ部39eがベアリング38に対して常時押し付けられることになり、ブッシュ39Aの上述した位置ずれが未然に防止できることになる。
ここで、本実施の形態の如くの構成を採用した場合には、上述したように、ベアリング38からブッシュ39Aに対して印加される力が、スリット39sを規定するブッシュ39Aの周方向における一端縁391および他端縁392のうちの一端縁391に対してより強く印加される。これに伴い、加熱ローラー34に対しても、ブッシュ39Aの当該一端縁391側において力が印加され易くなり、徐々にではあるがブッシュ39Aが摩耗することも想定される。この点の改善がさらに図られた定着装置を、後において第1変形例として示すこととする。
また、本実施の形態においては、スリット39sが、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39Aをその外周面39d側から見た場合に、当該ブッシュ39Aの軸方向に対して傾斜して延びるように設けられた場合を例示して説明を行なったが、ベアリング38からブッシュ39Aに対して印加される力がスリット39sを押し広げる方向に向けて作用することが抑制できるのであれば、スリット39sの形状は、必ずしも上述した形状に限られない。ここで、種々想定されるスリット39sの他の形状のうちの幾つかを、後において第2ないし第4変形例として例示することとする。
(第1変形例)
図10は、第1変形例に係る定着装置の支持部近傍の模式側面図である。以下、この図10を参照して、第1変形例に係る定着装置10A1について説明する。
図10に示すように、第1変形例に係る定着装置10A1においては、ブッシュ39A1の所定位置に面取り部39gが設けられている。この面取り部39gが設けられた位置は、ブッシュ39A1の上述した一端縁391と、ブッシュ39A1の内周面39cと、を結ぶコーナー部であり、すなわち、スリット39sを規定するブッシュ39A1の周方向における一対の端縁のうち、スリット39sから見た場合における加熱ローラー34の回転方向(すなわち、図中に示す矢印C方向)に沿った下流側の位置に配置された端縁の加熱ローラー34側のコーナー部である。ここで、面取り部39gとしては、これを湾曲面にて構成してもよいし傾斜面にて構成してもよいが、本変形例においては、これを湾曲面にて構成している。
また、上述したブッシュ39Aと同様に、ブッシュ39A1においても、スリット39sが、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39A1をその外周面39d側から見た場合に、当該ブッシュ39A1の軸方向に対して傾斜して延びるように設けられている。したがって、面取り部39gが設けられた上記コーナー部も、ブッシュ39A1の軸方向に対して傾斜して延びることになる。
このように構成することにより、ブッシュ39A1と加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止できることになり、加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制可能となるばかりでなく、上述した面取り部39gを設けることによってさらに加熱ローラー34の最も摩耗し易い部分に力が印加されてしまうことが回避できることになり、この点においてもさらに加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制可能となる。したがって、当該構成を採用することにより、定着装置10A1の動作不良の発生をさらにより確実に防止することが可能になる。
(第2変形例)
図11は、第2変形例に係る定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。本変形例に係る定着装置10A2においても、ブッシュ39A2は、図11(A)から図11(C)の順で図中に示す矢印C方向に向けて回転し、これに伴ってスリット39sは、図中に示す下方の位置から上方の位置へと次第に移動することになる。
図11に示すように、上述したブッシュ39Aと同様に、ブッシュ39A2においても、スリット39sが、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39A2をその外周面39d側から見た場合に、当該ブッシュ39A2の軸方向に対して傾斜して延びるように設けられている。
ここで、スリット39sは、上述したベアリング幅T、傾斜角α、スリット幅Dが、α=arctan(T/D)の条件を満たしている。すなわち、ブッシュ39A2においては、スリット39sの傾斜角および幅が調節されることにより、当該スリット39sを規定するブッシュ39A2の周方向における一端縁391および他端縁392が、ブッシュ39A2の軸方向と平行な方向において、一端縁391の終点P1Eおよび他端縁392の始点P2Sにおいてのみ重なっている。
図11(A)に示すように、ブッシュ39A2の回転に伴ってスリット39sが移動することにより、まずは、ブッシュ39A2の一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達する。
次に、図11(B)に示すように、ブッシュ39A2の回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39A2の一端縁391の終点P1Eと他端縁392の始点P2Sとが同時に圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達した時点から一端縁391の終点P1Eおよび他端縁392の始点P2Sが同時に圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A2の一端縁391寄りの部分とが当接した状態が維持される。
次に、図11(C)に示すように、ブッシュ39A2の回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39A2の他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の終点P1Eおよび他端縁392の始点P2Sが同時に圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A2の他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
このように、本変形例においても、スリット39sが圧力印加位置を通過するに際して、当該圧力印加位置において、ベアリング38とブッシュ39A2とがこれらの径方向において当接した状態が常に維持されることになるため、ベアリング38からブッシュ39A2に対して力が印加される力が、スリット39sを押し広げる方向に向けて作用することが抑制できることになる。
したがって、ブッシュ39A2と加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止できることになり、加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制可能となるため、定着装置10A2の動作不良の発生を防止することが可能になる。
(第3変形例)
図12は、第3変形例に係る定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。本変形例に係る定着装置10A3においても、ブッシュ39A3は、図12(A)から図12(C)の順で図中に示す矢印C方向に向けて回転し、これに伴ってスリット39sは、図中に示す下方の位置から上方の位置へと次第に移動することになる。
図12に示すように、ブッシュ39A3においては、スリット39sが、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39A3をその外周面39d側から見た場合に、V字状の形状を有するように設けられている。すなわち、ブッシュ39A3においても、当該スリット39sを規定するブッシュ39A3の周方向における一端縁391および他端縁392が、ブッシュ39A3の軸方向と平行な方向において一部において重なっている。
図12(A)に示すように、ブッシュ39A3の回転に伴ってスリット39sが移動することにより、まずは、ブッシュ39A3の一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達する。
次に、図12(B)に示すように、ブッシュ39A3の回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39A3の他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達し、さらにその後、ブッシュ39A3の一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A3の一端縁391寄りの部分とが当接した状態が維持され、また、他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達した時点から一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A3の一端縁391寄りの部分および他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
次に、図12(C)に示すように、ブッシュ39A3の回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39A3の他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A3の他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
このように、本変形例においても、スリット39sが圧力印加位置を通過するに際して、当該圧力印加位置において、ベアリング38とブッシュ39A3とがこれらの径方向において当接した状態が常に維持されることになるため、ベアリング38からブッシュ39A3に対して力が印加される力が、スリット39sを押し広げる方向に向けて作用することが抑制できることになる。
したがって、ブッシュ39A3と加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止できることになり、加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制可能となるため、定着装置10A3の動作不良の発生を防止することが可能になる。
(第4変形例)
図13は、第4変形例に係る定着装置の作動時におけるブッシュの状態を経時的に示す模式断面図である。本変形例に係る定着装置10A4においても、ブッシュ39A4は、図13(A)から図13(C)の順で図中に示す矢印C方向に向けて回転し、これに伴ってスリット39sは、図中に示す下方の位置から上方の位置へと次第に移動することになる。
図13に示すように、ブッシュ39A4においては、スリット39sが、当該スリット39sが設けられた部分のブッシュ39A4をその外周面39d側から見た場合に、クランク状の部分を複数含むように屈曲状に設けられている。すなわち、ブッシュ39A4においても、当該スリット39sを規定するブッシュ39A4の周方向における一端縁391および他端縁392が、ブッシュ39A4の軸方向と平行な方向において一部において重なっている。
図13(A)に示すように、ブッシュ39A4の回転に伴ってスリット39sが移動することにより、まずは、ブッシュ39A4の一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達する。
次に、図13(B)に示すように、ブッシュ39A4の回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39A4の他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達し、さらにその後、ブッシュ39A4の一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の始点P1Sが圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A4の一端縁391寄りの部分とが当接した状態が維持され、また、他端縁392の始点P2Sが圧力印加位置に到達した時点から一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A4の一端縁391寄りの部分および他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
次に、図13(C)に示すように、ブッシュ39A4の回転に伴ってスリット39sがさらに移動することにより、ブッシュ39A4の他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する。
このとき、一端縁391の終点P1Eが圧力印加位置に到達した時点から他端縁392の終点P2Eが圧力印加位置に到達する時点までの間は、圧力印加位置において、常にベアリング38とブッシュ39A4の他端縁392寄りの部分とが当接した状態が維持される。
このように、本変形例においても、スリット39sが圧力印加位置を通過するに際して、当該圧力印加位置において、ベアリング38とブッシュ39A4とがこれらの径方向において当接した状態が常に維持されることになるため、ベアリング38からブッシュ39A4に対して力が印加される力が、スリット39sを押し広げる方向に向けて作用することが抑制できることになる。
したがって、ブッシュ39A4と加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止できることになり、加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制可能となるため、定着装置10A4の動作不良の発生を防止することが可能になる。
(実施の形態2)
図14は、実施の形態2に係る定着装置の模式断面図である。以下、この図14を参照して、本実施の形態に係る定着装置10Bについて説明する。なお、本実施の形態に係る定着装置10Bは、上述した実施の形態1に係る定着装置10Aに代えて、画像形成装置1に具備されるものである。
図14に示すように、定着装置10Bは、上述した実施の形態1に係る定着ベルトユニット30に代えて、定着ベルト31、従動ローラーとしての加熱ローラー34、加熱源35、従動ローラーとしての定着ローラー34’からなる定着ベルトユニット30’を有している。当該定着ベルトユニット30’は、実施の形態1における定着ベルトユニット30において加圧パッド32の設置を廃止し、代わりに定着ローラー34’を設置したものである。
定着ローラー34’は、加圧ローラー20に対向するように位置しており、加圧ローラー20の軸方向に沿って延在している。定着ローラー34’は、芯金34a’と、当該芯金34a’を覆うように設けられたたとえばシリコーンゴム等からなるゴム製の弾性層34b’とによって構成されている。なお、定着ローラー34’は、弾性層を覆うようにたとえばフッ素系樹脂からなる離型層をさらに有していてもよい。
定着ベルト31は、定着ローラー34’の外周面に掛け回されている。これにより、定着ベルト31は、定着ローラー34’の外周面上の位置と加熱ローラー34の外周面上の位置とを含む無限軌道上を図中に示す矢印B方向に向けて移動する。このとき、従動ローラーとしての加熱ローラー34も図中に示す矢印C方向に向けて従動回転することになり、従動ローラーとしての定着ローラー34’も図中に示す矢印C’方向に向けて従動回転することになる。
なお、ここではその説明を省略するが、本実施の形態における定着装置10Bは、上述した構成を除き、実施の形態1における定着装置10Aと同様の構成を有している。そのため、加熱ローラー34を回転可能に支持する支持部37L,37Rの構成は、実施の形態1におけるそれと同様である。
このように構成された定着装置10Bならびにこれを備えた画像形成装置1とした場合にも、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、ブッシュと加熱ローラー34との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止でき、結果として加熱ローラー34が摩耗してしまうことが抑制可能な定着装置およびこれを備えた画像形成装置とすることができる。
ここで、加熱ローラー34に加えて、または、加熱ローラー34に代えて、定着ローラー34’に対しても、本発明の適用が可能である。すなわち、定着ローラー34’は、加圧ローラー20から押圧力を受けるものであるとともに、定着ベルト31からも付勢力を受けるものである。そのため、定着ローラー34’においても、その支持部において上述した加熱ローラー34と同様の問題が発生する場合があり、これを防止するために本発明を適用してもよい。
(実施の形態3)
図15は、実施の形態3における定着装置の要部の概略図である。以下、この図15を参照して、本実施の形態における定着装置10Cについて説明する。なお、本実施の形態における定着装置10Cは、上述した実施の形態1における定着装置10Aに代えて上述した画像形成装置1に組み込まれるものである。
図15に示すように、定着装置10Cは、上述した実施の形態1における定着ベルトユニット30に代えて、従動ローラーとしての加熱ローラー34”および加熱源35からなる加熱ローラーユニット30”を有している。当該加熱ローラーユニット30”は、実施の形態1における定着ベルトユニット30において定着ベルト31、加圧パッド32および加熱ローラー34の設置を廃止し、代わりに加熱ローラー34とは異なる構成の加熱ローラー34”を設置したものである。
加熱ローラー34”は、加圧ローラー20に対向するように位置しており、加圧ローラー20の軸方向に沿って延在している。加熱ローラー34”は、筒状の芯金34a”と、当該芯金34a”を覆うように設けられたたとえばシリコーンゴム等からなるゴム製の弾性層34b”とによって構成されている。なお、加熱ローラー34”は、弾性層を覆うようにたとえばフッ素系樹脂からなる離型層をさらに有していてもよい。また、加熱源35は、加熱ローラー34”の芯金34a”の内側に配置されている。
加圧ローラー20は、加熱ローラー34”に圧接される。これにより、加圧ローラー20と加熱ローラー34”との間には、用紙Sが搬送されるニップ部Nが形成されることになるとともに、加圧ローラー20が回転駆動されることにより、従動ローラーとしての加熱ローラー34”も図中に示す矢印C”方向に向けて従動回転することになる。
なお、ここではその説明を省略するが、本実施の形態における定着装置10Cは、上述した構成を除き、実施の形態1における定着装置10Aと同様の構成を有しており、加熱ローラー34”を回転可能に支持する支持部の構成は、実施の形態1における加熱ローラー34の支持部37L,37Rの構成と同様である。
ここで、加熱ローラー34”は、加圧ローラー20から押圧力を受けるものであるため、加熱ローラー34”においても、その支持部において上述した実施の形態1に係る加熱ローラー34と同様の問題が発生する場合がある。
したがって、上記のように構成された定着装置10Cならびにこれを備えた画像形成装置1することにより、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになり、ブッシュと加熱ローラー34”との間に瞬間的な滑りが発生してしまうことが未然に防止でき、結果として加熱ローラー34”が摩耗してしまうことが抑制可能な定着装置およびこれを備えた画像形成装置とすることができる。
(その他の形態等)
上述した実施の形態1ないし3およびその変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて当然に相互に組み合わせることが可能である。
また、上述した実施の形態1ないし3およびその変形例においては、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンターおよびこれに具備される定着装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、電子写真方式を採用した各種の画像形成装置およびこれに具備される定着装置に本発明を適用することができる。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 画像形成装置、2 装置本体、2A 画像形成部、2B 給紙部、3 ローラー、4 搬送経路、5 作像ユニット、6 露光ユニット、7 転写部、7a 中間転写ベルト、8 給紙ユニット、9 手差しトレイ、10A〜10C,10A1〜10A4 定着装置、20 加圧ローラー、21 芯金、22 弾性層、30,30’ 定着ベルトユニット、30” 加熱ローラーユニット、31 定着ベルト、32 加圧パッド、32a 位置決めピン、33 支持部材、33a 基部、33b 上流側立壁部、33c 下流側立壁部、34,34” 加熱ローラー、34’ 定着ローラー、34a’,34” 芯金、34b’,34b” 弾性層、35 加熱源、36 補助パッド、36a 潤滑剤供給部、37L,37R 支持部、38 ベアリング、38a 内輪、38b 外輪、38c 玉、39A,39A1〜39A4 ブッシュ、39a 外側端面、39b 内側端面、39c 内周面、39d 外周面、39e フランジ部、39g 面取り部、39s スリット、391 一端縁、392 他端縁、40L,40R シャーシ、51 入口側ガイド、52 分離用ガイド、53 出口側ガイド、N ニップ部、P1S,P2S 始点、P1E,P2E 終点、R 回転軸、S 用紙。

Claims (5)

  1. 記録材上に形成されたトナー像を記録材に定着させる定着装置であって、
    加熱源を含む加熱回転部と、
    前記加熱回転部に対向するように配置され、前記加熱回転部を加圧した状態で回転駆動されることにより、前記加熱回転部との間において記録材が搬送されるニップ部を形成する加圧回転部とを備え、
    前記加熱回転部は、前記加圧回転部からの力を受けて従動回転する従動ローラーと、前記従動ローラーを回転可能に軸支するベアリングと、前記ベアリングと前記従動ローラーとの間に介装されたブッシュとを含み、
    前記ブッシュは、周方向の一部が途切れた形状を有するようにスリットが設けられてなる略円筒状の部材からなり、
    前記スリットを規定する前記ブッシュの周方向における一端縁および他端縁が、前記ブッシュの軸方向と平行な方向において一部において重なっている、定着装置。
  2. 前記スリットが設けられた部分の前記ブッシュを当該ブッシュの外周面側から見た場合に、前記スリットが、前記ブッシュの軸方向に対して傾斜して延びるように設けられている、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ブッシュが、当該ブッシュの軸方向において前記ベアリングが当て留めされてなるフランジ部を有し、
    前記スリットの延在方向の中央部から見た場合に、前記スリットの延在方向に位置する一対の端部のうちの前記フランジ部側に位置する端部が、前記スリットの延在方向に位置する一対の端部のうちの前記フランジ部側とは反対側に位置する端部よりも、前記従動ローラーの回転方向に沿った下流側の位置に配置されている、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記スリットを規定する前記ブッシュの周方向における一端縁および他端縁のうちの前記スリットから見た場合における前記従動ローラーの回転方向に沿った下流側の位置に配置された端縁と、前記ブッシュの内周面と、を結ぶ部分のコーナー部に、湾曲面または傾斜面からなる面取り部が設けられている、請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の定着装置を画像形成のために備えた、画像形成装置。
JP2019137040A 2019-07-25 2019-07-25 定着装置および画像形成装置 Pending JP2021021777A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019137040A JP2021021777A (ja) 2019-07-25 2019-07-25 定着装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019137040A JP2021021777A (ja) 2019-07-25 2019-07-25 定着装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021021777A true JP2021021777A (ja) 2021-02-18

Family

ID=74574927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019137040A Pending JP2021021777A (ja) 2019-07-25 2019-07-25 定着装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021021777A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06337608A (ja) * 1993-05-27 1994-12-06 Canon Inc 定着装置
JP2001056020A (ja) * 1999-06-11 2001-02-27 Ntn Corp 断熱スリーブ、定着ローラ用軸受装置および定着装置
JP2007079149A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Kyocera Mita Corp 画像形成装置におけるベルト式定着装置
JP2015052762A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 コニカミノルタ株式会社 定着装置及び画像形成装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06337608A (ja) * 1993-05-27 1994-12-06 Canon Inc 定着装置
JP2001056020A (ja) * 1999-06-11 2001-02-27 Ntn Corp 断熱スリーブ、定着ローラ用軸受装置および定着装置
JP2007079149A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Kyocera Mita Corp 画像形成装置におけるベルト式定着装置
JP2015052762A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 コニカミノルタ株式会社 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8655244B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
US8693936B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
US8219016B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
EP2921911B1 (en) Fixing device and image forming apparatus
EP2345938B1 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
USRE45015E1 (en) Image heating apparatus using flexible sleeve
JP5669010B2 (ja) 定着装置及びその定着装置を備えた画像形成装置
JP4574574B2 (ja) 定着装置、定着装置の制御方法、及び画像形成装置
JP5776311B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
US9342044B2 (en) Fixing device and image forming apparatus and method of assembling the fixing device
US20130202335A1 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
JP6701569B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2016142987A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP7374278B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4597641B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2018066900A (ja) 画像加熱装置
JP2009204731A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2021021777A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2019008159A (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP7251304B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6907589B2 (ja) 定着装置
JP7115105B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6864256B2 (ja) 定着装置、画像形成装置
JP5008519B2 (ja) 定着装置、画像形成装置、及び、フレーム
US9298144B2 (en) Backup belt assembly for a fusing system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231003