JP2021020563A - 車両エネルギ管理システム及び車両エネルギ管理方法 - Google Patents

車両エネルギ管理システム及び車両エネルギ管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両に対する最適な制御入力を従来と比較して少ない計算コストで決定できる車両エネルギ管理システムを提供すること。【解決手段】車両エネルギ管理システムSは、ハイブリッド車両VのパワートレインPを制御対象とし、燃料消費項と等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいてパワートレインPに対する第1及び第2制御入力を決定する。広域コントローラ3は、車両Vを予定走行ルートに沿って走行させた場合に、この予定走行ルートの始点から終点を範囲とする広域コスト関数JGが最小になるように第1制御入力を決定する。局所コントローラ4は、現在から所定の予測ホライズン時間後まで広域コントローラ3によって決定された第1制御入力の下で車両を走行させた場合に、現在から予測ホライズン時間後を範囲とする局所コスト関数JLが最小になるように第2制御入力を決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両エネルギ管理システム及び車両エネルギ管理方法に関する。より詳しくは、エンジン、発電機、及び電動機を備えるハイブリッド車両の運転モード及びエンジンの運転点を決定する車両エネルギ管理システム及び車両エネルギ管理方法に関する。
近年、動力発生源として駆動モータとエンジンとを備える所謂ハイブリッド車両の開発が盛んである。例えば特許文献1には、エンジンと、エンジンの駆動によって発電する発電機と、バッテリ及び発電機の少なくとも一方からの電力供給によって駆動する電動機と、を備え、運転モードを、電動機を駆動力発生源とするシリーズ方式と、エンジン及び電動機を駆動力発生源とするパラレル方式とで切替可能なハイブリッド車両が示されている。
このようにハイブリッド車両では様々な運転モードで切替可能となっていることから、エネルギ効率、エンジンの排気、走行性能、ドライバビリティ、バッテリの劣化、及びバッテリの安全性等を考慮してバッテリからの出力電力やエンジンの仕事等を管理する必要がある。特にプラグインハイブリッド車両は、高出力かつ大容量のバッテリを搭載することから、制御上多くの選択肢を有するため、このようなエネルギ管理を適切に行う必要がある。
特許5624995号
G.Paganelli,G.Ercole,A.Brahma,Y.Guezennec,G.Rizzoni, "General supervisory control policy for the energy optimization of charge−sustaining hybrid electric vehicles," JSAE Review, vol.22, Issue 4, 2001
ハイブリッド車両のエネルギ管理を担うコントローラは、ルールベースコントローラと、最適化ベースコントローラと、の2種類に大別される。ルールベースコントローラとは、予め定められた規則に従ってバッテリからの出力電力やエンジンの仕事等を管理するものであり、外部充電電力によって走行するCD(Charge Depleting)レンジとエンジン駆動によって走行するCS(Charge Sustaining)レンジとを備えるCDCS戦略によるものが代表的である。ルールベースコントローラは、実装が容易でありかつ高速実行が可能であるという利点があるものの、複雑なハイブリッドシステムにおいて効率的な規則を見出すのが困難であるという欠点がある。
最適化ベースコントローラとは、動的計画法(以下、「DP」との略称を用いる)やモデル予測制御(以下、「MPC」との略称を用いる)等に基づいて燃料消費やバッテリ状態等が最適化されるようにバッテリからの出力電力やエンジンの仕事等を管理するものであり、近年では、非特許文献1に示すような等価消費量最小化戦略(以下、「ECMS」との略称を用いる)が注目されている。
ECMSでは、燃料消費量及び等価係数を用いた換算電力の和によって表されるコスト関数を最小にするようにハイブリッド車両に対する制御入力を決定する。しかしながらこのような最適化問題を解くには多大な計算コストがかかる。このため、走行中の車両において車載コンピュータによって逐次演算を行い、コスト関数を最小にする制御入力を決定するのは困難である。
本発明は、ハイブリッド車両に対する最適な制御入力を従来と比較して少ない計算コストで決定できる車両エネルギ管理システム及び車両エネルギ管理方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る車両エネルギ管理システムは、燃料を消費して動力を発生するエンジンと、当該エンジンの動力を利用して発電する発電機と、バッテリ又は前記発電機の電力を消費して動力を発生する電動機と、を備え、駆動輪を駆動する駆動力発生源及び前記電動機に電力を供給する電力供給源が異なる複数の運転モードの下で走行可能な車両のパワートレインを制御対象とし、燃料を消費すると増加する燃料消費項と前記バッテリの電力を消費すると増加する等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいて前記制御対象に対する第1制御入力及び第2制御入力を決定するものであって、前記車両の予定走行ルートを取得する予定走行ルート取得手段と、前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に、前記予定走行ルートの始点から終点を範囲とする広域コスト関数が小さくなるように前記第1制御入力を決定する広域最適化手段と、前記車両の走行中に、現在から所定の予測時間後まで前記広域最適化手段によって決定された前記第1制御入力の下で前記車両を走行させた場合に、現在から前記予測時間後を範囲とする局所コスト関数が小さくなるように前記第2制御入力を決定する局所最適化手段と、を備えることを特徴とする。
(2)この場合、前記第1制御入力は、前記運転モードを含み、前記第2制御入力は、前記エンジンの出力と前記バッテリの出力と前記エンジンの回転数とを含むことが好ましい。
(3)この場合、前記広域最適化手段は、前記予定走行ルート取得手段によって前記予定走行ルートが取得されてから、前記局所最適化手段によって前記第2制御入力を決定するための演算を開始するまでの間に前記第1制御入力を決定することが好ましい。
(4)この場合、前記広域最適化手段は、前記始点からの距離又は前記予定走行ルート上の位置の関数として前記第1制御入力を決定することが好ましい。
(5)この場合、前記広域コスト関数及び前記局所コスト関数は、前記車両の速度の関数であり、前記広域最適化手段は、交通情報を用いたシミュレーションを行うことによって前記始点から前記終点までの長期速度軌跡を生成するとともに、当該長期速度軌跡を用いて前記広域コスト関数を評価することによって、前記始点から前記終点までの前記第1制御入力を決定し、前記局所最適化手段は、現在及び過去の車両状態情報を入力としたガウス過程回帰モデルによって、現在から前記予測時間後までの短期速度軌跡を生成するとともに、当該短期速度軌跡によって前記局所コスト関数を評価することによって、現在から前記予測時間後までの前記第2制御入力を決定することが好ましい。
(6)この場合、前記局所コスト関数は、ギア比の関数であり、前記局所最適化手段は、前記局所コスト関数が小さくなるように前記ギア比を決定するとともに、当該ギア比を前記短期速度軌跡に乗算することによって前記エンジンの回転数を決定することが好ましい。
(7)この場合、前記広域最適化手段は、前記始点から前記終点までの前記第1制御入力を決定した後、前記車両が前記予定走行ルートから外れた場合、交通条件が変化した場合、又は前記シミュレーションによる演算結果と前記車両の現在の状態との間にずれが生じた場合には、現在地点から前記終点までの前記第1制御入力を再度決定することが好ましい。
(8)この場合、前記等価燃料消費項は、前記バッテリの出力電力と等価因子との積によって表され、前記広域最適化手段は、前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に前記広域コスト関数が小さくなるように、前記始点から前記終点までの前記第1制御入力と前記等価因子とを決定し、前記局所最適化手段は、現在から前記予測時間後まで前記広域最適化手段によって決定された前記第1制御入力及び前記等価因子の下で前記車両を走行させた場合に前記局所コスト関数が小さくなるように前記第2制御入力を決定することが好ましい。
(9)この場合、前記バッテリのSOCを取得するSOC取得手段をさらに備え、前記燃料消費項は、前記SOCの関数であり、前記広域最適化手段は、前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に前記広域コスト関数が小さくなるように、前記始点から前記終点までの前記SOCを決定し、前記局所コスト関数は、現在から前記予測時間後における前記SOCと前記広域最適化手段によって決定された前記SOCとの差が大きくなるほど増加するSOC誤差項を含むことが好ましい。
(10)この場合、前記運転モードは、前記バッテリの電力を前記電動機に供給し、当該電動機で発生した動力で前記駆動輪を駆動するEVモードと、燃料を前記エンジンに供給し、当該エンジンで発生した動力で前記発電機を駆動し、当該発電機で発電した電力と、前記バッテリの電力とを前記電動機に供給し、当該電動機で発生した動力で前記駆動輪を駆動するHEVモードと、燃料を前記エンジンに供給し、当該エンジンで発生した動力で前記駆動輪を駆動するエンジンドライブモードと、を含むことが好ましい。
(11)本発明に係る車両エネルギ管理方法は、燃料を消費して動力を発生するエンジンと、当該エンジンの動力を利用して発電する発電機と、バッテリ又は前記発電機の電力を消費して動力を発生する電動機と、を備え、駆動輪を駆動する駆動力発生源及び前記電動機に電力を供給する電力供給源が異なる複数の運転モードの下で走行可能な車両のパワートレインを制御対象とし、燃料を消費すると増加する燃料消費項と前記バッテリの電力を消費すると増加する等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいて前記制御対象に対する第1制御入力及び第2制御入力を決定する方法であって、前記車両の予定走行ルートを取得する工程と、前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に、前記予定走行ルートの始点から終点を範囲とする広域コスト関数が小さくなるように第1コンピュータによって前記第1制御入力を決定する工程と、前記車両の走行中に、現在から所定の予測時間後まで前記第1コンピュータによって決定された前記第1制御入力の下で前記車両を走行させた場合に、現在から前記予測時間後を範囲とする局所コスト関数が小さくなるように第2コンピュータによって前記第2制御入力を決定する工程と、を備えることを特徴とする。
(1)本発明に係る車両エネルギ管理システムは、複数の運転モードの下で走行可能な所謂ハイブリッド車両のパワートレインを制御対象とし、燃料を消費すると増加する燃料消費項とバッテリの電力を消費すると増加する等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいて、制御対象に対する第1及び第2制御入力を決定する。これにより、エネルギ効率やドライバビリティ等が最適化されるように第1及び第2制御入力を決定することができる。また本発明において、広域最適化手段は、車両を予定走行ルートに沿って走行させた場合に、この予定走行ルートの始点から終点までを範囲とする広域コスト関数が小さくなるように第1制御入力を決定し、局所最適化手段は、車両の走行中に、現在から予測時間後まで広域最適化手段によって決定された第1制御入力の下で車両を走行させた場合に、現在から予測時間後を範囲とする局所コスト関数が小さくなるように第2制御入力を決定する。本発明によれば、車両に対する第1制御入力と第2制御入力とを決定する演算を、広域最適化手段による演算と、局所最適化手段による演算とに分けることにより、コスト関数が小さくなるように第1及び第2制御入力を同時に決定する場合と比べれば、車両の走行中に局所最適化手段において実行される演算の計算コストを少なくすることができる。
(2)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、広域最適化手段は、広域コスト関数が小さくなるように運転モードを決定し、局所最適化手段は、局所コスト関数が小さくなるようにエンジンの出力及びエンジンの回転数を決定する。これにより、車両の走行中に局所最適化手段において実行される演算の計算コストを適度に少なくしながら、エネルギ効率やドライバビリティ等を最適化することができる。
(3)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、広域最適化手段は、予定走行ルートが取得されてから、局所最適化手段によって第2制御入力を決定するための演算を開始するまでの間に第1制御入力を決定する。これにより、広域最適化手段によって演算を行うタイミングと、局所最適化手段によって演算を行うタイミングとが重複しないようにできるので、車両エネルギ管理システム全体の計算コストを少なくすることができる。
(4)実際の車両は、予定走行ルート上の各地点を予定していた時間通りに通過することはまれである。このため、広域最適化手段において第1制御入力を時間の関数として決定すると、適切でないタイミングで運転モードが切り替わってしまう場合がある。そこで本発明に係る車両エネルギ管理システムでは、広域最適化手段は、始点からの距離又は予定走行ルート上の関数として第1制御入力を決定する。これにより、実際の車両の位置と予定していた位置との間にずれが生じた場合であっても適切なタイミングで運転モードを切り替えることができる。
(5)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、広域最適化手段は、交通情報を用いたシミュレーションを行うことによって始点から終点までの長期速度軌跡を生成するとともに、この長期速度軌跡を用いて広域コスト関数を評価することによって、始点から終点までの第1制御入力を決定し、局所最適化手段は、ガウス過程回帰モデルによって現在から予測時間後までの短期速度軌跡を生成するとともに、この短期速度軌跡によって局所コスト関数を評価することによって、現在から予測時間後までの第2制御入力を決定する。これにより、車両の走行中に局所最適化手段において実行される演算の計算コストを適度に少なくしながら、エネルギ効率やドライバビリティ等を最適化することができる。
(6)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、局所最適化手段は、局所コスト関数が小さくなるようにギア比を決定するとともに、このギア比を短期速度軌跡に乗算することによって現在から予測時間後までのエンジンの回転数を決定する。これにより、現在から予測時間後までのエンジンの回転数を各時刻における独立した変数として扱う場合に比べて、車両の走行中に局所最適化手段において実行される演算の計算コストを少なくすることができる。
(7)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、広域最適化手段は、一旦、始点から終点までの第1制御入力を決定した後、車両が予定走行ルートから外れた場合、交通条件が変化した場合、又はシミュレーションによる演算結果と車両の現在の状態との間にずれが生じた場合には、現在地点から終点までの第1制御入力を再度決定する。これにより、ドライバの特性や実際の交通状態の変化に応じて、適切なタイミングで第1制御入力を更新することができる。
(8)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、広域最適化手段は、車両を予定走行ルートに走行させた場合に広域コスト関数が小さくなるように、始点から終点までの第1制御入力と等価因子とを決定し、局所最適化手段は、現在から予測時間後まで広域最適化手段によって決定された第1制御入力及び等価因子の下で車両を走行させた場合に局所コスト関数が小さくなるように第2制御入力を決定する。本発明では、このように第1制御入力に加えて等価因子を広域最適化手段によって決定することにより、車両の走行中に局所最適化手段において実行される演算の計算コストを適度に少なくしながら、エネルギ効率やドライバビリティ等を最適化することができる。
(9)本発明に係る車両エネルギ管理システムにおいて、広域最適化手段は、車両を予定走行ルートに沿って走行させた場合に広域コスト関数が小さくなるように、始点から終点までのSOCを決定する。また局所最適化手段によって評価される局所コスト関数は、現在から予測時間後におけるSOCと広域最適化手段によって決定されたSOCとの差が大きくなるほど増加するSOC誤差項を含む。これにより、局所最適化手段では、実際のSOCが広域最適化手段によって決定されたSOCに近づくように第2制御入力を決定することができる。
(10)本発明に係る車両エネルギ管理システムの制御対象は、運転モードを、EVモードと、HEVモードと、エンジンドライブモードとで切替可能とする。これにより、エネルギ効率やドライバビリティ等が最適化されるよう、適切なタイミングで運転モードを切り替えたり、HEVモードにおけるエンジンの運転点を決定したりすることができる。
(11)本発明に係る車両エネルギ管理方法は、複数の運転モードの下で走行可能な所謂ハイブリッド車両のパワートレインを制御対象とし、燃料を消費すると増加する燃料消費項とバッテリの電力を消費すると増加する等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいて、制御対象に対する第1及び第2制御入力を決定する。これにより、エネルギ効率やドライバビリティ等が最適化されるように第1及び第2制御入力を決定することができる。また本発明では、車両を予定走行ルートに沿って走行させた場合に、この予定走行ルートの始点から終点までを範囲とする広域コスト関数が小さくなるように第1コンピュータによって第1制御入力を決定した後、車両の走行中に、現在から予測時間後まで広域最適化手段によって決定された第1制御入力の下で車両を走行させた場合に、現在から予測時間後を範囲とする局所コスト関数が小さくなるように第2コンピュータによって第2制御入力を決定する。本発明によれば、車両に対する第1制御入力と第2制御入力とを決定する演算を、第1コンピュータによる演算と、第2コンピュータによる演算とに分けることにより、コスト関数が小さくなるように第1及び第2制御入力を同時に決定する場合と比べれば、車両の走行中に第2コンピュータにおいて実行される演算の計算コストを少なくすることができる。
本発明の一実施形態に係る車両エネルギ管理システム及びハイブリッド車両の構成を示す図である。 各運転モードにおいて実現可能な牽引力と車速との関係を示す図である。 検証シミュレーションを行うことによって得られた車速、路面勾配、及び走行距離の時間変化を示す図である。 検証シミュレーションを行うことによって得られた車速、SOC、及び燃料消費量の距離変化を示す図である。 実現される牽引力がドライバによる要求牽引力を下回った頻度を本実施形態に係る車両とCDCS戦略による車両とで比較した図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る車両エネルギ管理方法が適用された車両エネルギ管理システムS及びハイブリッド車両V(以下、単に「車両」という)の構成を示す図である。
車両VのパワートレインPは、電力を蓄えるバッテリBと、燃料を消費して動力を発生するエンジンEと、このエンジンEの出力軸と第1動力伝達機構G1を介して接続され、エンジンEの動力を利用して発電する発電機Gと、バッテリB又は発電機Gの電力を消費して動力を発生する駆動モータMと、駆動モータMの出力軸と第2動力伝達機構G2を介して接続された駆動輪Wと、エンジンEの出力軸と第2動力伝達機構G2との間に設けられたクラッチCと、を備える。なお以下では、車両Vは、外部から供給される電力でバッテリBを充電する充電器(図示せず)を搭載する所謂プラグインハイブリッド車両である場合を例に説明する。
発電機G及び駆動モータMとバッテリBとは、直流電力を昇圧又は降圧し、バッテリBの出力電力を制御するコンバータCNVと、コンバータCNVから出力される直流電力を交流電力に変換し駆動モータMに供給したり、駆動モータM又は発電機Gから出力される交流電力を直流電力に変換しコンバータCNVに供給したりするインバータINVと、を介して接続されている。
以上のようなパワートレインPを搭載する車両Vは、駆動輪Wを駆動する駆動力発生源及び駆動モータMに電力を供給する電力供給源がそれぞれ異なる複数の運転モードの下で走行可能となっている。より具体的には、車両Vでは、運転モードを、EVモードと、HEVモードと、エンジンドライブモードと、の間で切り替えることが可能となっている。
EVモードでは、クラッチCをオフにするとともに、バッテリBの電力を駆動モータMに供給し、この駆動モータMで発生した動力で駆動輪Wを駆動する。すなわちEVモードでは、駆動力発生源は駆動モータMであり、電力供給源はバッテリBである。
HEVモードでは、クラッチCをオフにするとともに、燃料をエンジンEに供給し、このエンジンEで発生した動力で発電機Gを駆動する。またHEVモードでは、発電機Gで発電した電力と、バッテリBの電力とを駆動モータMに供給し、この駆動モータMで発生した動力で駆動輪Wを駆動する。すなわちHEVモードでは、駆動力発生源は駆動モータMであり、電力供給源は発電機G及びバッテリBである。
エンジンドライブモードでは、クラッチCをオンにするとともに、燃料をエンジンEに供給し、このエンジンEで発生した動力で駆動輪Wを駆動する。またこのエンジンドライブモードでは、ドライバからの要求に応じてバッテリBの電力を駆動モータMに供給し、この駆動モータMで発生した動力で駆動輪Wを駆動することにより、エンジンEのみでは不足する駆動力をアシストすることも可能となっている。すなわちエンジンドライブモードでは、駆動力発生源はエンジンEのみ又はエンジンE及び駆動モータMであり、電力供給源はバッテリBである。
以上のような車両Vでは、後述の車両エネルギ管理システムSから入力される制御入力に応じて、パワートレインPの運転モードを切り替えたり、バッテリBの出力、エンジンEの出力及び回転数を制御したりすることが可能となっている。
図2は、各運転モードにおいて実現可能な牽引力と車速との関係を示す図である。なお図2には、バッテリBのSOC(満充電容量に対する残容量の割合を百分率で表したもの)が低い場合と高い場合とに分けて図示する。なおEVモードは、バッテリBのSOCが高い場合にしか実行されないことから、SOCが高い場合しか図示しない。
図2に示すように、EVモードでは、車速がV2より高い領域では牽引力が0となり、加速することができない。またEVモードにおいて実現できる牽引力は、他の運転モードよりも小さい。従ってEVモードは、車速がV2以下の領域でありかつドライバによる要求牽引力が小さい場合に実行される傾向がある。
HEVモードでは、車速がV3(>V2)より高い領域では牽引力が0となり、加速することができない。一方、エンジンドライブモードでは、車速がV3より高い領域でもHEVモードよりも大きな牽引力を発生させることが可能となっている。またこれらHEVモードとエンジンドライブモードとを比較すると、車速がV1(<V2)より低い領域では、HEVモードの方が大きな牽引力を実現できるが、車速がV1より高い領域では、エンジンドライブモードの方が大きな牽引力を実現できる。このため車速がV1より低くかつドライバによる要求牽引力が比較的大きい場合には、HEVモードが選択され、車速がV1より高くかつドライバによる要求牽引力が比較的大きい場合には、エンジンドライブモードが選択される傾向がある。
またこれらHEVモード及びエンジンドライブモードでは、上述のようにバッテリBを電力供給源とするため、SOCが低くなるとバッテリBから供給できる電力も制限されることから、実現できる牽引力も小さくなる。このようにパワートレインPにおいて実現できる牽引力は、車速だけでなくバッテリBのSOCによっても変化する。またHEVモードでは、エンジンドライブモードよりも比較的自由にエンジンEの運転点を決定できるため、車両V全体でのエネルギ効率を向上するためには、エンジンドライブモードよりもHEVモードの方が有利である場合が多い。以上のような理由から、ドライバによる要求牽引力を適切に実現し(すなわち、ドライバビリティを向上し)、かつ車両V全体のエネルギ効率を向上するためには、運転モードを適切に選択し、かつバッテリBのSOCを適切に制御することが重要となっている。
図1に戻り、車両エネルギ管理システムSは、以上のような車両VのパワートレインPを制御対象とし、上述のような制御目標(すなわち、ドライバビリティを向上し、かつ車両V全体のエネルギ効率を向上すること等)が実現されるように、パワートレインPに対する複数の制御入力を決定し、パワートレインPへ入力する。ここで車両エネルギ管理システムSによって決定する制御入力は、運転モード、エンジンEの出力、エンジンEの回転数、及びバッテリBの出力の4つとする。
車両エネルギ管理システムSは、上述の4つの制御入力を生成し、これら制御入力をパワートレインPへ入力する最適化コントローラ2と、車両Vの現在位置、予定走行ルート、及び交通情報等を取得するナビゲーションシステム5と、車両Vに搭載されたアクセルペダルやブレーキペダル(図示せず)のドライバによる操作量に基づいて、後述の牽引力Ptracに対する要求に相当する要求牽引力Pdemを算出する要求牽引力算出部6と、バッテリBのSOCを取得するバッテリセンサ7と、を備える。
後に説明するように、最適化コントローラ2は、各々独立したコンピュータである広域コントローラ3と局所コントローラ4とによって構成されている。またこれら広域コントローラ3、局所コントローラ4、ナビゲーションシステム5、及び要求牽引力算出部6のうち、局所コントローラ4、ナビゲーションシステム5、及び要求牽引力算出部6は、車載装置1として車両Vに搭載されている。広域コントローラ3は、車両Vの外に設けられたコンピュータであり、走行中の車両Vに搭載された車載装置1との間で、無線による通信が可能となっている。
最適化コントローラ2は、ECMSに基づく演算を行うことによって、パワートレインPに対する制御入力を決定する。より具体的には、最適化コントローラ2は、状態変数ベクトルx(下記式(1−2)参照)、仮想入力ベクトルu(下記式(1−3)参照)、等価因子λ、及びバッテリ出力Pbattの関数であるコスト関数J(下記式(1−1)参照)が最小になるように4つの制御入力を決定し、パワートレインPへ入力する。
Figure 2021020563
状態変数ベクトルxは、上記式(1−2)に示すように2成分である。第1成分x1は、車速νであり、第2成分x2は、バッテリSOCであり、それぞれ媒介変数τの関数である。また仮想入力ベクトルuは、上記式(1−3)に示すように3成分である。第1成分は、運転モードの種類を示す運転モード変数M(M∈[0,1,2,3]=[ストップ,EVモード,HEVモード,エンジンドライブモード])であり、第2成分は、エンジン出力Pengであり、第3成分は、エンジン回転数ωengであり、それぞれ媒介変数τの関数である。なおこの媒介変数τは、時間、位置、又は距離等に相当する。
上記式(1−1)に示すように、コスト関数Jは、燃料消費項mと、等価燃料消費項λ・Pbattとの和の所定範囲[t〜t+T]にわたる総和によって表される。燃料消費項mは、状態変数ベクトルx及び仮想入力ベクトルuの関数であり、燃料を消費するとその値が増加する。この燃料消費項mには、既知の関数が用いられ、以下ではその関数形の具体的な説明は省略する。
等価燃料消費項は、上記式(1−1)に示すように、等価因子λとバッテリ出力Pbattとの積によって表される。すなわち、この等価燃料消費項λ・Pbattは、バッテリBから電力が出力されると(すなわち、バッテリ出力Pbattが正になると)増加し、バッテリBに電力が入力されると(すなわち、バッテリ出力Pbattが負になると)減少する。またこの等価燃料消費項における等価因子λは、電力消費を燃料消費に変換するための係数であり、これを導入することにより、価値が異なる燃料と電力とを単一のコスト関数Jによって評価することが可能となっている。この等価因子λが小さい場合、バッテリBの充電及び放電は、コスト関数Jにおいて過小評価される。すなわち、等価因子λが小さい場合、EVモードやバッテリBからのアシストは、コスト関数Jを小さくする。これに対し等価因子λが大きい場合、エンジンEの動力を用いたバッテリBの充電は、コスト関数Jを小さくする。この等価因子λは、例えば下記式(2)に示すような範囲内に制限される。下記式(2)において、Qlhvは、低位加熱値であり、例えば44.4[MJ/kg]である。またηgen_av,ηbatt_av,ηmot_av,ηeng_avは、それぞれ、発電機G、バッテリB、駆動モータM、及びエンジンEの効率の平均値である。
Figure 2021020563
最適化コントローラ2は、所定のドライビングサイクル[t〜t+T]にわたるコスト関数Jを最小にするような状態変数ベクトルx、仮想入力ベクトルu、等価因子λ、及びバッテリ出力Pbattのドライビングサイクルにわたる軌跡を、例えばDPやMPC等の既知のアルゴリズムによって算出するとともに、これによって得られる運転モードM、エンジン出力Peng、バッテリ出力Pbatt、及びエンジン回転数ωengを制御入力としてパワートレインPへ入力する。
なお最適化コントローラ2では、下記式(3−1)及び(3−2)に示すようなバッテリBのSOCを示す状態変数ベクトルxの第2成分x2(τ)に対する拘束条件及びバッテリ出力Pbatt(τ)に対する拘束条件を満たすように、コスト関数Jを最小にする状態変数ベクトルx等を算出する。これにより、バッテリBのSOCを所定の下限値SOCminと所定の上限値SOCmaxとの間に制限できるので、バッテリBの過放電及び過充電による劣化を抑制できる。なお図2を参照して説明したように、バッテリ出力Pbattは、バッテリBのSOCが低くなると制限されることから、下記式(3)に示すような拘束条件を課すことにより、バッテリBのSOCが過度に低くなるのを制限できるので、結果としてドライバビリティを向上することもできる。
Figure 2021020563
また最適化コントローラ2では、下記(4−1)及び(4−2)に示すようなエンジン回転数ωengに対する拘束条件及びエンジン出力Pengに対する拘束条件を満たすように、コスト関数Jを最小にする状態変数ベクトルx等を算出する。これにより、燃費の悪い運転点でエンジンEが運転されるのを抑制できる。
Figure 2021020563
また最適化コントローラ2では、式(1−1)に示すコスト関数Jを最小にする状態変数ベクトルx等を算出するにあたり、以下で説明するように運転モード毎に定義されるパワーバランス方程式が成立するようにエンジン出力Peng、バッテリ出力Pbatt、エンジン回転数ωengを算出する。
<HEVモードにおけるパワーバランス方程式>
HEVモードでは、エンジンE及びバッテリBの両方から出力されるエネルギによって駆動輪Wを駆動する。このため、バッテリ出力Pbattが正である場合、パワーバランス方程式は下記式(5−1)によって表され、またバッテリ出力Pbattが負である場合、パワーバランス方程式は下記式(5−2)によって表される。
Figure 2021020563
上記式(5−1)及び(5−2)において、ηgenは発電機Gによるエンジン出力から電力への変換効率を示し、ηbattはバッテリBにおける放電及び充電の効率を示し、ηmotは、駆動モータMによる電力から機械出力への変換効率を示す。なおエンジン出力PengとエンジントルクTengとエンジン回転数ωengとの間には、下記式(6)が成立する。一般的には、これらエンジントルクTeng及びエンジン回転数ωengは、BSFCエリアに制御されるが、最適化コントローラ2では、コスト関数Jを最小にするように、これらエンジントルクTeng及びエンジン回転数ωengを任意の領域に制御する。
Figure 2021020563
<エンジンドライブモードにおけるパワーバランス方程式>
エンジンドライブモードでは、エンジンE及びバッテリBの両方から出力されるエネルギによって駆動輪Wを駆動する。このため、バッテリ出力Pbattが正である場合、パワーバランス方程式は下記式(7−1)によって表され、またバッテリ出力Pbattが負である場合、パワーバランス方程式は下記式(7−2)によって表される。
Figure 2021020563
上記式(7−1)及び(7−2)において、ηclは、クラッチCを含むエンジンEから駆動輪Wまでの間の機械経路における変換効率を示す。なおこのηclは、ηgen・ηmotよりも大きい。またエンジンドライブモードでは、エンジン回転数ωengは、車速νと、エンジンEから駆動輪Wまでのギア比iと、タイヤ半径Rと、の間で下記式(8)が成立する。
Figure 2021020563
<EVモードにおけるパワーバランス方程式>
EVモードでは、バッテリBから出力されるエネルギによって駆動輪Wを駆動する。このため、バッテリ出力Pbattが正である場合、パワーバランス方程式は下記式(9−1)によって表され、またバッテリ出力Pbattが負である場合、パワーバランス方程式は下記式(9−2)によって表される。またEVモードでは、下記式(9−3)に示すように、エンジン出力Peng及びエンジン回転数ωengは0となる。なおパワートレインPでは、車両の減速時には、EVモードを選択する。
Figure 2021020563
要求牽引力Pdemが正である場合、ブレーキ出力Pbreakは0とする。また牽引力Ptracがドライバによる減速要求を満たさない場合、ドライバによる減速要求を満たすように、ブレーキ出力Pbreakは下記式(10)を満たすように制御される。
Figure 2021020563
また最適化コントローラ2において、バッテリSOCは、下記式(11)によって算出される値が用いられる。下記式(11)において、“Uoc”は、バッテリBの開回路電圧であり、“R”は、バッテリBの内部抵抗であり、“Qbmax”は、バッテリBの最大容量である。
Figure 2021020563
以上のように、コスト関数Jは、多くの変数(x,u,λ,Pbatt)の関数であることから、コスト関数Jを最小にするような変数(x,u,λ,Pbatt)のドライビングサイクルにわたる軌跡を算出するには多大な計算コストを要する。このため、これを車載コンピュータで逐次演算し、最適な制御入力を決定するのは困難である。そこで本発明に係る最適化コントローラ2では、コスト関数Jを最小にするような4つの制御入力を決定する演算を、図1に示すように、各々独立したコンピュータである広域コントローラ3と局所コントローラ4とに分担する。以下では、広域コントローラ3によって4つの制御入力のうちの1つである運転モードを決定し、局所コントローラ4によって4つの制御入力のうちの残り3つであるエンジンEの出力、エンジンEの回転数、及びバッテリBの出力を決定する場合について説明する。
広域コントローラ3は、ドライバによるナビゲーションシステム5の操作によって、このナビゲーションシステム5によって取得される予定走行ルートに沿って車両Vを走行させた場合に、下記式(12−1)に示すような、予定走行ルートの始点から終点を範囲とする広域コスト関数Jが最小になるように運転モード等を決定する。より具体的には、広域コントローラ3は、下記式(12−1)に示すように、始点から終点までの予定走行ルート上にN+1点(Nは、2以上の複数)の地点を定義するとともに、媒介変数t(k=0,1,…,N)を各地点における位置とし、各地点tにおける燃料消費項mと等価燃料消費項λ・Pbattとの和の始点から終点までの総和と、終端SOC誤差項φ(x2)と、の和によって広域コスト関数Jを定義する。
Figure 2021020563
上記式(12−1)において、終端SOC誤差項φ(x2)は、終点におけるバッテリBのSOCと所定の目標終点SOCとの誤差が大きくなるほど増加する。このような終端SOC誤差項φ(x2)を広域コスト関数Jに含めることにより、車両Vが終点に到着したときに、バッテリBのSOCが目標終点SOCに近づけることができる。
また広域コントローラ3では、交通情報を用いたシミュレーションを行うことによって、予定走行ルートの始点から終点までの長期速度軌跡(すなわち、始点から終点までの間のN点の地点における車速νの集合)を生成するとともに、この長期速度軌跡を用いて広域コスト関数Jを評価する。したがって、上記式(1−2)に示すように一般的なコスト関数Jは車速νの関数であるが、広域コントローラ3では、シミュレーションによって生成した長期速度軌跡によって始点から終点までの車速を固定するため、上記式(12−2)に示すように状態変数ベクトルxは1成分となる。
また広域コントローラ3では、下記式(13)に示すように、エンジン出力Pengを予め定められたBSFCボトム関数foptに入力することによって、エンジン回転数ωengを決定する。したがって、上記式(1−3)に示すように一般的なコスト関数Jはエンジン回転数ωengの関数であるが、広域コントローラ3では、下記式(3)に従って算出したエンジン回転数ωengによって始点から終点までのエンジン回転数を固定するため、上記式(12−3)に示すように仮想入力ベクトルuは2成分となる。
Figure 2021020563
また広域コントローラ3では、下記式(14−1)及び(14−2)に示すように、バッテリBのSOCを示す状態変数ベクトルx2(t)に対する拘束条件及びバッテリ出力Pbatt(t)に対する拘束条件を満たすように、広域コスト関数Jを最小にする始点から終点までのSOC(t)、等価因子λ(t)、及び運転モードM(t)を、予定走行ルート上の位置である媒介変数tの関数として決定する。以上のようにして広域コントローラ3によって決定された始点から終点までのSOC(t)、等価因子λ(t)、及び運転モードM(t)は、局所コントローラ4へ送信される。またこのようにして広域コントローラ3によって決定された運転モードM(t)は、車両Vに搭載された局所コントローラ4を介し、制御入力としてパワートレインPへ入力される。
Figure 2021020563
ここで広域コントローラ3によって、上述のような広域コスト関数Jを評価し運転モードM(t)等を決定する広域最適化演算を行うタイミングについて説明する。広域コントローラ3は、ドライバによって図示しないイグニッションスイッチがオンにされてからオフにされるまでの間において、1回又は複数回、上記広域最適化演算を行う。
1回目の広域最適化演算は、ドライバがナビゲーションシステム5に対し車両Vの目的地を入力する操作を行うことにより、ナビゲーションシステム5が現在の車両Vの位置を始点とし目的地を終点とする予定走行ルートを取得したことに応じて広域コントローラ3によって実行される。より具体的には、広域コントローラ3は、ナビゲーションシステム5によって予定走行ルートが取得されてから、局所コントローラ4によって後述の局所最適化演算を開始するまでの間に1回目の広域最適化演算を行い、当初設定した予定走行ルートの始点から終点までの運転モードM(t)等を決定し、これらを局所コントローラ4へ送信する。
広域コントローラ3は、1回目の広域最適化演算を行った後、直近の広域最適化演算を行った時に設定した予定走行ルートから車両Vが外れた場合、予定走行ルート及びその近傍において事故が発生することにより、交通条件が直近の広域最適化演算を行った時から変化した場合、又は直近の広域最適化演算を行った時に算出されたSOC(t)と走行中の車両Vにおいてバッテリセンサ7を介して取得されるバッテリBのSOCとの間でずれが生じた場合には、その時の車両Vの地点を始点とし、この始点から終点までの予定走行ルートを再度取得し、再度取得した予定走行ルートの下で再度広域最適化演算を行い、始点から終点までの運転モードM(t)等を更新し、これらを局所コントローラ4へ送信する。
局所コントローラ4は、広域コントローラ3の広域最適化演算の演算結果を用いた以下で説明する局所最適化演算を車両Vの走行中に所定の演算周期の下で繰り返し実行することにより、エンジン出力、バッテリ出力、及びエンジン回転数を決定するとともに、これらを広域コントローラ3によって決定された運転モードと併せて制御入力としてパワートレインPへ入力する。
局所コントローラ4は、車両Vの走行中に、現在から所定の予測ホライズン時間hp(例えば、10秒)後まで広域コントローラ3によって決定された運転モードM及び等価因子λの下で車両Vを走行させた場合に、現在から予測ホライズン時間hp後を範囲とする下記式(13−1)に示すような局所コスト関数Jが最小になるようにエンジン出力、バッテリ出力、及びエンジン回転数を決定する。下記式(15−1)〜(15−4)において、媒介変数τは、現在の時刻kから予測ホライズン時間hp後の時刻k+hpまでの間における離散時間である。局所コントローラ4は、下記式(13−1)に示すように、現在の時刻kから予測ホライズン時間hp後の時刻k+hpまでの時間を、所定のサンプリングレートks(例えば、2秒)の下でM点に分割し、各時刻における燃料消費項mfと等価燃料消費項λ・Pbattとの和の現在の時刻kから予測ホライズン時間hp後の時刻k+hpまでの総和と、終端SOC誤差項φ(x2k+hp)と、の和によって局所コスト関数Jを定義する。また以下では、広域コントローラ3によって位置の関数として決定された運転モードM、等価因子λ、バッテリSOCを、時刻kにおける車両Vの地点から検索することによって得られる値には、括弧書きで符号sを付して表す。
Figure 2021020563
上記式(15−1)において、終端SOC誤差項φ(x2k+hp)は、時刻k+hpにおけるバッテリBのSOCと、広域コントローラ3における広域最適化演算によって得られるSOC(s)との誤差が大きくなるほど増加する。このような終端SOC誤差項φ(x2k+hp)を局所コスト関数Jに含めることにより、広域コントローラ3における広域最適化演算によって得られるSOC(s)を目標として、これに近づくようにバッテリBのSOCを制御することができる。
また局所コントローラ4は、現在及び過去の車両状態情報を入力としたガウス過程回帰モデルを用いることによって現在の時刻kから予測ホライズン時間hp後の時刻k+hpまでの短期速度軌跡(すなわち、時刻kから時刻k+hpまでの間のM点の時刻における車速νの集合)を生成するとともに、この短期速度軌跡を用いて局所コスト関数Jを評価する。ここでガウス過程回帰モデルに入力する現在及び過去の車両状態情報としては、例えば、所定時間前から現在までの車速の履歴、車両Vが現在走行中の道路の制限速度、先行車に対する自車の相対速度、自車と先行車との間の距離、自車と停止位置や赤信号等との間の距離、車両Vが現在走行中の道路の勾配等が用いられる。なおより精度良く短期速度軌跡を生成する場合、例えば、先行車の車速、先行車の加速度、自車の後続車に対する相対速度、自車から前方の曲がり角までの距離、及びこの曲がり角の曲率半径等をガウス過程回帰モデルに入力してもよい。
また上記式(15−4)に示すように、局所コントローラ4では、仮想入力ベクトルuの第2成分を、媒介変数τの関数であるエンジン回転数ωeng(τ)ではなく、時刻kから時刻k+hpまでの間では定数であるギア比rとする。すなわち、局所コントローラ4では、局所コスト関数Jを、ギア比rの関数とする。また局所コントローラ4は、下記式(16−1)に示すようなギア比rに対する拘束条件を満たすように、局所コスト関数Jを最小にする時刻kから時刻k+hpまでのエンジン出力Peng(τ)、バッテリ出力Pbatt(τ)、及びギア比rを決定する。また局所コントローラ4は、下記式(16−2)に示すように、局所コスト関数Jを最小にするギア比rに時刻kから時刻k+hpまでの短期速度軌跡ν(τ)を乗算することによって、時刻kから時刻k+hpまでのエンジン回転数ωeng(τ)を決定する。このように局所コントローラ4における局所最適化演算では、局所コスト関数Jを最小にするようなギア比rを決定した後、下記式(16−2)に示すようにして媒介変数τの関数であるエンジン回転数ωeng(τ)を決定することにより、局所コントローラ4における局所最適化演算の計算コストを少なくできる。
Figure 2021020563
また局所コントローラ4は、下記式(17−1)及び(17−2)に示すようなバッテリ出力Pbatt(τ)に対する拘束条件を満たすように、局所コスト関数Jを最小にする時刻kから時刻k+hpまでのエンジン出力Peng(τ)、バッテリ出力Pbatt(τ)、及びエンジン回転数ωeng(τ)(すなわち、ギア比r)を決定する。ここで下記式(17−1)において、Pbatt,min(x2)及びPbatt,,max(x2)は、それぞれバッテリBのSOCを示す状態変数ベクトルxの第2成分x2の関数として定義される下限及び上限である。上記式(3−1)〜(3−2)を参照して説明したように、下記式(17−1)に示すような拘束条件を課すことにより、バッテリBの過放電及び過充電による劣化を抑制することができる。
Figure 2021020563
また上記式(17−2)において、B(τ)及びB(τ)は、それぞれ時間に依存する下限関数及び上限関数である。このような時間依存する下限関数B(τ)及び上限関数B(τ)の間でバッテリ出力Pbatt(τ)を制限することにより、過度の放電深度(DOD)によるバッテリBの劣化を抑制することができる。なおこれら下限関数B(τ)及び上限関数B(τ)の関数形の詳細については、説明を省略する。
局所コントローラ4は、以上のような局所最適化演算を所定の演算周期の下で繰り返し実行することによって、演算周期ごとに現在の時刻kから予測ホライズン時間hp後の時刻k+hpまでのエンジン出力Peng(τ)、バッテリ出力Pbatt(τ)、及びエンジン回転数ωeng(τ)を決定する。また局所コントローラ4は、演算周期ごとに決定した時刻kから時刻k+hpまでのエンジン出力Peng(τ)、バッテリ出力Pbatt(τ)、及びエンジン回転数ωeng(τ)のうち、現在の時刻kからサンプリングレートks後のエンジン出力Peng(k+ks)、バッテリ出力Pbatt(k+ks)、及びエンジン回転数ωeng(k+ks)のみを抽出するとともに、これらを、広域コントローラ3によって決定された運転モードM(s)と併せて制御入力としてパワートレインPへ入力する。
次に、本実施形態に係る車両エネルギ管理システムSによる効果を検証するために行った検証シミュレーションの結果について、図3〜図5を参照しながら説明する。
図3は、検証シミュレーションを行うことによって得られた車速(上段)、路面勾配(中段)、及び走行距離(下段)の時間変化を示す図である。図3に示すように、この検証シミュレーションでは、市街地、及び高速自動車道路(制限速度がある区間と制限速度が無い区間とを含む)を含む経路に沿って車両を走行させた。またこの検証シミュレーションでは、自車以外の車はランダムに配置し、先行車が自車よりも遅い場合にはこの先行者を追い越すようにした。このため、図3に示すように車速は一定でなく、また追い越しには大きな出力が必要となる。またこの検証シミュレーションでは、本実施形態に係る車両エネルギ管理システムSの制御下による車両とCDCS戦略による車両とで比較した。
図4は、検証シミュレーションを行うことによって得られた車速(上段)、SOC、及び燃料消費量の距離変化を示す図である。なお図4には、広域コントローラ3における広域最適化演算によって算出されたSOC及び燃料消費量の距離変化を、それぞれ破線で示す。
図4に示すように、CDCS戦略による車両は、初期の段階では燃料の消費が抑制されるように積極的にバッテリの電力が用いられるため、燃料の消費は遅いもののSOCの減少が著しい。またCDCS戦略による車両は、後期の段階ではSOCが所定のレベルで維持されるにするため、燃料の消費が速くなる。
これに対し本実施形態に係る車両によれば、終端における燃料消費量はCDCS戦略による車両とほぼ同等となるものの、SOCは、全ての期間においてCDCS戦略による車両よりも高いレベルを推移する。またSOCは、広域最適化演算によって事前に算出されたSOCと概ね一致する。
図5は、実現される牽引力がドライバによる要求牽引力を下回った頻度を本実施形態に係る車両とCDCS戦略による車両とで比較した図である。図5の左側は、所定速度以上の高速領域における結果を示し、右側は所定速度以下の低速領域における結果を示す。
図5の右側に示すように、低速領域において牽引力がドライバによる要求を下回る頻度は、CDCS戦略による車両よりも本実施形態に係る車両の方が僅かに多い。しかしながら図5の左側に示すように、高速領域において牽引力がドライバによる要求を下回る頻度は、CDCS戦略による車両よりも本実施形態に係る車両の方が有意に少ない。これは図4を参照して説明したように本実施形態に係る車両では、CDCS戦略による車両よりもSOCを高く維持できるためである。以上より、本実施形態に係る車両によれば、CDCS戦略による車両よりも、高速領域におけるドライバビリティを大きく向上できるといえる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
S…車両エネルギ管理システム
V…ハイブリッド車両(車両)
P…パワートレイン(制御対象)
B…バッテリ
E…エンジン
G…発電機
M…駆動モータ(電動機)
W…駆動輪
1…車載装置
2…最適化コントローラ
3…広域コントローラ(広域最適化手段)
4…局所コントローラ(局所最適化手段)
5…ナビゲーションシステム(予定走行ルート取得手段)
6…要求牽引力算出部
7…バッテリセンサ(SOC取得手段)

Claims (11)

  1. 燃料を消費して動力を発生するエンジンと、当該エンジンの動力を利用して発電する発電機と、バッテリ又は前記発電機の電力を消費して動力を発生する電動機と、を備え、駆動輪を駆動する駆動力発生源及び前記電動機に電力を供給する電力供給源が異なる複数の運転モードの下で走行可能な車両のパワートレインを制御対象とし、燃料を消費すると増加する燃料消費項と前記バッテリの電力を消費すると増加する等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいて前記制御対象に対する第1制御入力及び第2制御入力を決定する車両エネルギ管理システムであって、
    前記車両の予定走行ルートを取得する予定走行ルート取得手段と、
    前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に、前記予定走行ルートの始点から終点を範囲とする広域コスト関数が小さくなるように前記第1制御入力を決定する広域最適化手段と、
    前記車両の走行中に、現在から所定の予測時間後まで前記広域最適化手段によって決定された前記第1制御入力の下で前記車両を走行させた場合に、現在から前記予測時間後を範囲とする局所コスト関数が小さくなるように前記第2制御入力を決定する局所最適化手段と、を備えることを特徴とする車両エネルギ管理システム。
  2. 前記第1制御入力は、前記運転モードを含み、
    前記第2制御入力は、前記エンジンの出力と前記バッテリの出力と前記エンジンの回転数とを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両エネルギ管理システム。
  3. 前記広域最適化手段は、前記予定走行ルート取得手段によって前記予定走行ルートが取得されてから、前記局所最適化手段によって前記第2制御入力を決定するための演算を開始するまでの間に前記第1制御入力を決定することを特徴とする請求項2に記載の車両エネルギ管理システム。
  4. 前記広域最適化手段は、前記始点からの距離又は前記予定走行ルート上の位置の関数として前記第1制御入力を決定することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両エネルギ管理システム。
  5. 前記広域コスト関数及び前記局所コスト関数は、前記車両の速度の関数であり、
    前記広域最適化手段は、交通情報を用いたシミュレーションを行うことによって前記始点から前記終点までの長期速度軌跡を生成するとともに、当該長期速度軌跡を用いて前記広域コスト関数を評価することによって、前記始点から前記終点までの前記第1制御入力を決定し、
    前記局所最適化手段は、現在及び過去の車両状態情報を入力としたガウス過程回帰モデルによって、現在から前記予測時間後までの短期速度軌跡を生成するとともに、当該短期速度軌跡によって前記局所コスト関数を評価することによって、現在から前記予測時間後までの前記第2制御入力を決定することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の車両エネルギ管理システム。
  6. 前記局所コスト関数は、ギア比の関数であり、
    前記局所最適化手段は、前記局所コスト関数が小さくなるように前記ギア比を決定するとともに、当該ギア比を前記短期速度軌跡に乗算することによって前記エンジンの回転数を決定することを特徴とする請求項5に記載の車両エネルギ管理システム。
  7. 前記広域最適化手段は、前記始点から前記終点までの前記第1制御入力を決定した後、前記車両が前記予定走行ルートから外れた場合、交通条件が変化した場合、又は前記シミュレーションによる演算結果と前記車両の現在の状態との間にずれが生じた場合には、現在地点から前記終点までの前記第1制御入力を再度決定することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両エネルギ管理システム。
  8. 前記等価燃料消費項は、前記バッテリの出力電力と等価因子との積によって表され、
    前記広域最適化手段は、前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に前記広域コスト関数が小さくなるように、前記始点から前記終点までの前記第1制御入力と前記等価因子とを決定し、
    前記局所最適化手段は、現在から前記予測時間後まで前記広域最適化手段によって決定された前記第1制御入力及び前記等価因子の下で前記車両を走行させた場合に前記局所コスト関数が小さくなるように前記第2制御入力を決定することを特徴とする請求項5から7の何れかに記載の車両エネルギ管理システム。
  9. 前記バッテリのSOCを取得するSOC取得手段をさらに備え、
    前記燃料消費項は、前記SOCの関数であり、
    前記広域最適化手段は、前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に前記広域コスト関数が小さくなるように、前記始点から前記終点までの前記SOCを決定し、
    前記局所コスト関数は、現在から前記予測時間後における前記SOCと前記広域最適化手段によって決定された前記SOCとの差が大きくなるほど増加するSOC誤差項を含むことを特徴とする請求項5から8の何れかに記載に車両エネルギ管理システム。
  10. 前記運転モードは、
    前記バッテリの電力を前記電動機に供給し、当該電動機で発生した動力で前記駆動輪を駆動するEVモードと、
    燃料を前記エンジンに供給し、当該エンジンで発生した動力で前記発電機を駆動し、当該発電機で発電した電力と、前記バッテリの電力とを前記電動機に供給し、当該電動機で発生した動力で前記駆動輪を駆動するHEVモードと、
    燃料を前記エンジンに供給し、当該エンジンで発生した動力で前記駆動輪を駆動するエンジンドライブモードと、を含むことを特徴とする請求項2から9の何れかに記載の車両エネルギ管理システム。
  11. 燃料を消費して動力を発生するエンジンと、当該エンジンの動力を利用して発電する発電機と、バッテリ又は前記発電機の電力を消費して動力を発生する電動機と、を備え、駆動輪を駆動する駆動力発生源及び前記電動機に電力を供給する電力供給源が異なる複数の運転モードの下で走行可能な車両のパワートレインを制御対象とし、燃料を消費すると増加する燃料消費項と前記バッテリの電力を消費すると増加する等価燃料消費項との和の所定範囲にわたる総和を含むコスト関数に基づいて前記制御対象に対する第1制御入力及び第2制御入力を決定する車両エネルギ管理方法であって、
    前記車両の予定走行ルートを取得する工程と、
    前記車両を前記予定走行ルートに沿って走行させた場合に、前記予定走行ルートの始点から終点を範囲とする広域コスト関数が小さくなるように第1コンピュータによって前記第1制御入力を決定する工程と、
    前記車両の走行中に、現在から所定の予測時間後まで前記第1コンピュータによって決定された前記第1制御入力の下で前記車両を走行させた場合に、現在から前記予測時間後を範囲とする局所コスト関数が小さくなるように第2コンピュータによって前記第2制御入力を決定する工程と、を備えることを特徴とする車両エネルギ管理方法。
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