1.実施形態
搬送設備を備えたピッキング設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ピッキング設備は、収容部21に収容された物品2(図2及び図3参照)のうちの対象物品2T(図2及び図3参照)を取り出して容器1に入れるピッキング作業を行うピッキング作業部3と、容器1を収納する自動倉庫4と、容器1を搬送する搬送装置6と、を備えている。
本実施形態では、物品2には、常温で管理する必要がある常温用物品と、常温より低い温度で管理する必要がある低温用物品とがある。本実施形態では、一例として、常温を10℃〜30℃としている。また、低温を5℃以下としている。尚、低温用物品として、冷蔵用の温度(例えば、−5℃から5℃の温度)で管理する必要がある冷蔵用物品と冷凍用の温度(例えば、-10℃以下)で管理する必要がある冷凍用物品とのうちの双方を扱ってもよいし何れか一方のみを扱ってもよい。また、物品2は、対応する温度で管理されているエリアにおいて搬送されると共に収納されるが、例えば、搬送装置6によって容器1に入れられた状態で搬送される場合等において、物品2が対応する温度で管理されているエリア以外で搬送される場合や収納される場合がある。
図1に示すように、容器1には、常温用物品を収容する常温用容器1Aと、低温用物品を収容する低温用容器1Bと、が含まれている。図1に示すように、ピッキング作業部3には、常温用物品を常温用容器1Aに入れるピッキング作業を行う常温用ピッキング作業部3Aと、低温用物品を低温用容器1Bに入れるピッキング作業を行う低温用ピッキング作業部3Bと、が含まれている。自動倉庫4には、常温用容器1Aを収納する常温用自動倉庫4Aと、低温用容器1Bを収納する低温用自動倉庫4Bと、が含まれている。
搬送装置6は、主搬送部10と、この主搬送部10に接続されている第1副搬送部11、第2副搬送部12、第3副搬送部13、第4副搬送部14、第5副搬送部15、及び第6副搬送部16を備えている。主搬送部10は、常温用容器1Aや低温用容器1Bを出荷作業部5に向けて搬送する搬送部である。第1副搬送部11は、主搬送部10から分岐して常温用ピッキング作業部3Aを経由した後に主搬送部10に合流するように常温用容器1Aを搬送する搬送部である。第2副搬送部12は、主搬送部10から分岐して低温用ピッキング作業部3Bを経由した後に主搬送部10に合流するように低温用容器1Bを搬送する搬送部である。第3副搬送部13は、主搬送部10から分岐して常温用自動倉庫4Aに向けて常温用容器1Aを搬送する搬送部である。第4副搬送部14は、常温用自動倉庫4Aから出庫された常温用容器1Aを主搬送部10に合流させるように搬送する搬送部である。第5副搬送部15は、主搬送部10から分岐して低温用自動倉庫4Bに向けて低温用容器1Bを搬送する搬送部である。第6副搬送部16は、低温用自動倉庫4Bから出庫された低温用容器1Bを主搬送部10に合流させるように搬送する搬送部である。
図1及び図4に示すように、搬送装置6は、容器1に加えて、容器1に入っていない状態の物品2も搬送可能に構成されている。本実施形態では、収容部21に収容されている物品2のうちの対象物品2Tではない物品2であって収容部21から搬出する必要がある物品2を、搬出物品2Uとして、搬送装置6は、容器1に入っていない状態の搬出物品2Uを搬送可能に構成されている。搬送装置6によって搬出物品2Uを搬送する場合は、搬出物品2Uを単体で搬送する場合と、搬出物品2Uを後述する箱25に入れた状態で搬送する場合とがある。図4に示す例では、搬出物品2Uを箱25に入れられた状態で搬送される搬出物品2Uと、単体の状態で搬送される搬出物品2Uとが混在して搬送されている状態を示している。本実施形態における箱25は、ピッキング作業に用いるピッキング用の容器1とは異なる搬送用容器の一例である。本実施形態では、搬送装置6は、スラットコンベヤ等のコンベヤによって構成されている。
また、搬送装置6は、第1作業用搬送部17と第2作業用搬送部18と第3作業用搬送部19とを備えている。これら第1作業用搬送部17、第2作業用搬送部18、及び第3作業用搬送部19は、主搬送部10の下流側端部に接続されている。主搬送部10によって搬送された容器1は、第1作業用搬送部17によって出荷作業部5に搬送される。主搬送部10によって搬送された搬出物品2Uは、第2作業用搬送部18によって第1搬出作業部7に搬送される、又は、第3作業用搬送部19によって第2搬出作業部8に搬送される。
第1作業用搬送部17は、容器1を出荷作業部5に搬送する搬送部である。第2作業用搬送部18は、搬出物品2Uを第1搬出作業部7に搬送する搬送部である。第3作業用搬送部19は、搬出物品2Uを第2搬出作業部8に搬送する搬送部である。出荷作業部5は、第1エリアA1に設けられており、第1搬出作業部7及び第2搬出作業部8は、第2エリアA2に設けられている。尚、自動倉庫4(常温用自動倉庫4A及び低温用自動倉庫4B)は、第1エリアA1に設けられている。第2エリアA2には、第1物品用エリアA3と第2物品用エリアA4とが含まれており、第1搬出作業部7は第1物品用エリアA3に設けられ、第2搬出作業部8は第2物品用エリアA4に設けられている。つまり、本実施形態では、第2エリアA2は、第1エリアA1とは異なるエリアであり、容器1は、搬送装置6によって第1エリアA1に搬送され、搬出物品2Uは、搬送装置6によって第2エリアA2(第1物品用エリアA3又は第2物品用エリアA4)に搬送される。
搬送装置6は、容器1をピッキング作業部3に搬送する。本実施形態では、搬送装置6は、常温用容器1Aを常温用ピッキング作業部3Aに搬送し、低温用容器1Bを低温用ピッキング作業部3Bに搬送する。ピッキング作業部3では、1つの出荷先に出荷するオーダー情報D1に従い、当該オーダー情報D1に示された1つ以上の対象物品2T(図2及び図3参照)を容器1に入れる作業を行う。つまり、常温用ピッキング作業部3Aでは、オーダー情報D1に示されている対象物品2Tのうちの常温用物品を常温用容器1Aに入れる作業を行う。低温用ピッキング作業部3Bでは、オーダー情報D1に示されている対象物品2Tのうちの低温用物品を低温用容器1Bに入れる作業を行う。
そして、搬送装置6は、ピッキング作業部3において対象物品2Tが入れられた容器1を自動倉庫4に搬送する。本実施形態では、搬送装置6は、常温用ピッキング作業部3Aにおいて常温用物品が入れられた常温用容器1Aを常温用自動倉庫4Aに搬送し、低温用ピッキング作業部3Bにおいて低温用物品が入れられた低温用容器1Bを低温用自動倉庫4Bに搬送する。
そして、常温用自動倉庫4A及び低温用自動倉庫4Bは、複数のオーダー情報D1に基づいて出荷順に容器1を搬出する。これにより、出荷作業部5に備えられている第1作業用搬送部17には、出荷順が先の容器1ほど搬送経路の下流側となるように、容器1が出荷順に搬送される。そして、出荷作業部5では、低温用容器1Bに収容されている低温用物品を保温用容器(図示せず)に入れ替える入替作業や、同じオーダー情報D1に含まれる物品2を収容している常温用容器1Aと保温用容器とを同じ第1カゴ車26に載せる出荷作業等が行われる。
次に、ピッキング作業部3について説明する。図2及び図3に示すように、ピッキング作業部3は、収容部21に収容された物品2のうちの対象物品2Tを取り出して容器1に入れるピッキング作業を行う作業部である。ピッキング作業部3は、搬送装置6の搬送経路に沿って、複数の区間Aに分割されている。より詳しくは、ピッキング作業部3は、搬送装置6における第1副搬送部11の搬送経路や第2副搬送部12の搬送経路に沿って複数の区間Aに分割されている。本実施形態では、ピッキング作業部3には、収容部21として流動棚が設置されている。また、収容部21と第1副搬送部11又は第2副搬送部12との間に、作業者Mがピッキング作業を行うピッキング作業箇所22が形成されている。以下、第1副搬送部11を例としてピッキング作業部3について説明を加えるが、第1副搬送部11の搬送方向に沿う方向を第1方向Xとし、上下方向Z視で、第1方向Xに対して直交する方向をY方向として説明する。
収容部21は、複数の収容箇所23を備えている。そして、複数の収容箇所23のそれぞれには、異なる種類の物品2が収容されている。本実施形態では、収容部21は、第1方向X及び上下方向Zに複数並ぶ状態で棚板24が設置されており、これら複数の棚板24のそれぞれの上方に収容箇所23が形成されている。また、本例では、収容箇所23に収容されている物品2は、物品種類毎に、段ボール箱等の上面が開口した箱25に入れられている。
本実施形態では、ピッキング作業部3に、第1表示器31が備えられている。図示の例では、棚板24の夫々における先端(第2方向Yにおけるピッキング作業箇所22が存在する側の端部)に、第1表示器31が設けられている。つまり、第1表示器31は、複数の区間Aの夫々において、複数の収容箇所23の夫々に対応して設けられている。図2に示すように、第1表示器31は、取り出す物品2の個数を表示する第1表示部32と、点灯及び消灯可能な第1点灯部33と、作業者Mが押し操作可能な第1スイッチ部34と、を有している。本実施形態では、第1点灯部33が、押し操作可能に構成されており、当該第1点灯部33が第1スイッチ部34としての機能も有している。
また本実施形態では、ピッキング作業部3に、第2スイッチ部36が備えられている。図示の例では、区間Aの夫々に、第2スイッチ部36が備えられている。第2スイッチ部36は、第1副搬送部11のフレームに支持されている。第2スイッチ部36は、ピッキング作業部3の各区間Aにおいて1つの容器1に対して収容すべき対象物品2Tを全て収容した場合に作業者Mが操作するスイッチである。本例では、第2スイッチ部36は、第2方向Yに長尺のテープスイッチにより構成されている。
図2に示すように、第1副搬送部11は、搬送する容器1に対応する位置に第2表示器41を備えている。ここでは、第1副搬送部11は、第1副搬送部11によって搬送される容器1と一体的に第2表示器41を移動させる。第2表示器41は、点灯及び消灯可能な第2点灯部42と、オーダー情報D1を識別する識別情報であるオーダーIDを表示する第2表示部43と、を有している。第2表示器41は、後述する制御装置Hとの間で無線通信可能に構成されている。尚、第2副搬送部12は、第1副搬送部11と同様に第2表示器41を備えている。
ピッキング作業箇所22では、第1表示部32の表示と第2表示部43の表示とに基づいて、オーダー情報D1で指定された対象物品2Tを、収容部21から取り出して容器1に入れるピッキング作業が作業者Mによって行われる。複数のピッキング作業箇所22のそれぞれで、このようなピッキング作業が、1つのオーダー情報D1に対して1回又は複数回行われる。
また、ピッキング作業箇所22では、ピッキング作業に加えて、第1表示器31の表示に基づいて、搬出情報D2で指定された種類及び数量の物品2である搬出物品2Uを、収容部21から取り出して搬送装置6に載せる搬出作業が作業者Mによって行われる。搬出作業では、収容部21の箱25から搬出物品2Uを取り出してその搬出物品2Uを搬送装置6に直接載せる場合や、搬出物品2Uを収容している箱25ごと収容部21から取り出して、箱25に収容された状態で搬出物品2Uを搬送装置6に載せる場合がある。尚、搬出作業は、ピッキング作業とは時期を異ならせて行うものであり、ピッキング作業部3において容器1が搬送装置6によって搬送されていない状態で行われる。
作業者Mがピッキング作業を行う場合は、対象物品2Tが収容されている収容箇所23に対応する第1表示器31の第1点灯部33を点灯すると共に当該第1表示器31の第1表示部32に対象物品2Tの個数が表示される。また、作業指示装置45は、作業者Mが搬出作業を行う場合は、搬出物品2Uが収容されている収容箇所23に対応する第1表示器31の第1点灯部33を点灯すると共に当該第1表示器31の第1表示部32に搬出物品2Uの個数が表示される。このように、ピッキング作業を行う場合には、第1表示器31によって、作業者Mに対して、収容部21に収容された物品2のうちの対象物品2Tが指示される。また、搬出作業を行う場合には、第1表示器31によって、作業者Mに対して、収容部21に収容された物品2のうち搬出物品2Uが指示される。つまり、第1表示器31が、作業者Mに対して、収容部21に収容された物品2のうちの対象物品2T及び搬出物品2Uを指示する作業指示装置45に相当する。尚、第1表示器31を、複数の異なる形態の表示を行うことができるように構成し、対象物品2Tを指示する場合の表示の形態と搬出物品2Uを指示する場合の表示の形態とを異ならせてもよい。例えば、第1点灯部33を、複数の色で点灯可能に構成し、対象物品2Tを指示する場合に第1点灯部33を点灯させる色と、搬出物品2Uを指示する場合に第1点灯部33を点灯させる色と、を異ならせてもよい。
図5に示すように、ピッキング設備は、自動倉庫4、搬送装置6、及び作業指示装置45を制御する制御装置Hを備えている。制御装置Hは、例えば演算処理部と記憶部とを備えたコンピュータにて構成されている。制御装置Hは、ピッキング作業モードと、搬出モードと、に動作モードを切り換え可能に構成されている。制御装置Hは、管理装置(図示せず)からピッキング作業モードへの切り換えが指令された場合に、動作モードをピッキング作業モードに切り換え、管理装置から搬出モードへの切り換えが指令された場合は、動作モードを搬出モードに切り換える。管理装置は、ピッキング設備の管理者等により操作される。管理装置は、制御装置Hにピッキング作業モードへの切り換えを指令する場合には、この指令情報を送信した後にオーダー情報D1を制御装置Hに送信する。管理装置は、制御装置Hに搬出モードへの切り換えを指令する場合には、この指令情報を送信した後に搬出情報D2を制御装置Hに送信する。オーダー情報D1には、オーダーIDを示すオーダーID情報と、仕分け先に出荷する対象物品2Tの種類を示す種類情報と、対象物品2Tの種類毎の個数を示す個数情報と、が含まれている。また、搬出情報D2には、搬出IDを示す搬出ID情報と、搬出する搬出物品2Uの種類を示す種類情報と、搬出物品2Uの種類毎の個数を示す個数情報と、搬出物品2Uの搬送元となるピッキング作業部3を示す搬送元情報と、搬出物品2Uの搬送先となる搬出作業部を示す搬送先情報と、が含まれている。
ピッキング作業モードでは、制御装置Hは、オーダー情報D1に対応する容器1をピッキング作業部3に搬送するように搬送装置6を制御すると共に、当該オーダー情報D1に示された対象物品2Tを指示するように作業指示装置45を制御し、更に、ピッキング作業が完了した容器1をピッキング作業部3から規定の第1エリアA1へ搬送するように搬送装置6を制御する。本実施形態では、ピッキング作業モードにおいて、制御装置Hは、ピッキング作業が完了した容器1をピッキング作業部3から第1エリアA1の自動倉庫4に搬送した後、第1エリアA1において自動倉庫4から出荷作業部5へ搬送するように搬送装置6を制御する。
搬出モードでは、制御装置Hは、搬出情報D2に示された搬出物品2Uを指示するように作業指示装置45を制御すると共に、搬送装置6に載せられた搬出物品2Uをピッキング作業部3から規定の第2エリアA2へ搬送するように、搬送装置6を制御する。ここで、搬出情報D2に示された搬出物品2Uの種類毎の個数が、収容部21において箱25に収容されている当該搬出物品2Uの個数以上である場合には、当該搬出物品2Uは、箱25に収容された状態で搬送装置6により搬送される。一方、搬出情報D2に示された搬出物品2Uの種類毎の個数が、収容部21において箱25に収容されている当該搬出物品2Uの個数未満である場合には、当該搬出物品2Uは、単体の状態で搬送装置6により搬送される。
次に、搬出モードについて説明を加える。搬出モードについて説明するにあたり、予め設定された条件である第1設定条件に該当する搬出物品2Uを第1物品とし、予め設定された条件であって第1設定条件とは異なる条件である第2設定条件に該当する搬出物品2Uを第2物品とする。
本実施形態では、第1設定条件及び第2設定条件のそれぞれは、搬出物品2Uの管理温度、使用期限、物品種別、搬出後の処理方法、の少なくとも1つを規定する条件としている。搬出物品2Uの管理温度を規定する条件としては、例えば、管理温度が常温であるか低温であるか等、搬出物品2Uの管理温度が規定された複数の温度領域のいずれに該当するかを条件とすることが考えられる。また、使用期限を規定する条件としては、例えば、設定日時(例えば、現在日時や管理装置が搬出情報D2を作成する日時等)から使用期限までの期間が設定期間(例えば、1週間や1カ月)以下であること等を条件とすることが考えられる。尚、使用期限としては、搬出物品2Uが飲食物である場合における賞味期限又は消費期限や、搬出物品2Uが医薬品である場合における使用期限等が考えられる。また、搬出物品2Uの物品種別を規定する条件としては、例えば、搬出物品2Uが複数種類ある場合において指定した種類に該当することや、複数種類の物品2が複数のカテゴリーに分けられている場合において指定したカテゴリーに該当すること等が考えられる。また、搬出後の処理方法を規定する条件としては、例えば、出荷作業部以外の作業部から搬出物品2Uを出荷する場合であってその作業部が複数ある場合に、いずれの作業部から出荷するかや、搬出物品2Uを転売、安売り、譲渡、廃棄等の指定した目的のために搬出する場合に、いずれの目的に該当するか等を条件とすることが考えられる。また、搬出後の処理方法を規定する条件として、例えば、ピッキング作業部3で扱う物品2の種類に変更があったためにピッキング作業で扱う対象から外れた物品2に該当したことを条件とすることも考えられる。
一例として、本実施形態では、第1設定条件を、廃棄する物品2に該当したこととしている。また、第2設定条件を、ピッキング作業で扱う対象から外れた物品2に該当したこととしている。そして、搬出情報D2に含まれる搬送先情報は、搬出物品2Uが廃棄する物品2(第1物品)である場合は第1搬出作業部7(第1物品用エリアA3)を示す情報となり、搬出物品2Uがピッキング作業で扱う対象から外れた物品2(第2物品)である場合は第2搬出作業部8(第2物品用エリアA4)を示す情報となっている。尚、搬出情報D2に含まれる搬送元情報は、搬出物品2Uが常温物品である場合は常温用ピッキング作業部3Aを示す情報となり、搬出物品2Uが低温物品である場合は低温用ピッキング作業部3Bを示す情報となっている。
搬出モードでは、制御装置Hは、搬送装置6に載せられた第1物品を、ピッキング作業部3から第1物品用エリアA3へ搬送し、搬送装置6に載せられた第2物品を、ピッキング作業部3から第2物品用エリアA4へ搬送するように、搬送装置6を制御する。また、搬出モードでは、制御装置Hは、第1搬出処理と第2搬出処理とを時期を異ならせて実行する。そして、第1搬出処理では、制御装置Hは、第1物品を指示するように作業指示装置45を制御すると共に、搬送装置6に載せられた第1物品を、ピッキング作業部3から第2エリアA2(ここでは第1物品用エリアA3)に搬送するように、搬送装置6を制御する。第2搬出処理では、制御装置Hは、第2物品を指示するように作業指示装置45を制御すると共に、搬送装置6に載せられた第2物品を、ピッキング作業部3から第2エリアA2(ここでは第2物品用エリアA4)に搬送するように、搬送装置6を制御する。
次に、図6に示すフローチャートに基づいて制御装置Hの搬送制御について説明する。制御装置Hは、管理装置からピッキング作業モードに切り換える指令があった場合(S1:Yes)は、動作モードをピッキング作業モードに切り換え(S2)、管理装置から搬出モードに切り換える指令があった場合(S3:Yes)は、動作モードを搬出モードに切り換える(S4)。搬出モードでは、搬出情報D2に示される物品2が第1物品である場合(S5:Yes)は、第1搬出処理を実行し(S6)、搬出情報D2に示される物品2が第2物品である場合(S5:No)は、第2搬出処理を実行する(S7)。管理装置からピッキング作業モードに切り換える指令がなく且つ搬出モードに切り換える指令がない場合(S1:No、S3:No)は、現状の作業モードを維持する。
制御装置Hは、ピッキング作業モードでは、オーダー情報D1に基づいて、1つ又は複数の容器1を割り当て、その割り当てた容器1をピッキング作業部3に搬送する。これにより、当該容器1に対して、ピッキング作業部3においてピッキング作業が行われる。その後、制御装置Hは、オーダー情報D1に示された対象物品2Tの全てが収容された容器1を自動倉庫4に収納するように、搬送装置6及び自動倉庫4を制御する。制御装置Hは、オーダー情報D1に示されている物品2が常温物品である場合は、図7に一点鎖線の矢印〔1〕に示すように、容器1を常温用ピッキング作業部3Aに搬送し、ピッキング作業後、オーダー情報D1に示された常温物品の全てが収容された容器1を常温用自動倉庫4Aに収納するように、搬送装置6及び自動倉庫4を制御する。また、制御装置Hは、オーダー情報D1に示されている物品2が低温物品である場合は、図7に二点鎖線の矢印〔2〕に示すように、容器1を低温用ピッキング作業部3Bに搬送し、ピッキング作業後、オーダー情報D1に示された低温物品の全てが収容された容器1を低温用自動倉庫4Bに収納するように、搬送装置6及び自動倉庫4を制御する。そして、ピッキング作業モードでは、制御装置Hは、オーダー情報D1に基づいて、一点鎖線の矢印〔3〕及び二点鎖線の矢印〔4〕に示すように、容器1が自動倉庫4から出荷作業部5に搬送されるように、搬送装置6及び自動倉庫4を制御する。このとき、1つのオーダー情報D1に対して容器1が複数割り当てられている場合は、それら複数の容器1が連続して出荷作業部5に搬送されるように、搬送装置6及び自動倉庫4を制御する。
制御装置Hは、搬出モードの第1搬出処理では、搬出情報D2に基づく搬出作業により、ピッキング作業部3の搬送装置6に載せられた搬出物品2Uを第1搬出作業部7に搬送する。本実施形態では、制御装置Hは、搬出物品2Uが第1物品であって且つ常温物品である場合は、図8に一点鎖線の矢印〔5〕及び一点鎖線の矢印〔7〕で示すように、常温用ピッキング作業部3Aから第1搬出作業部7に搬送する。また、制御装置Hは、搬出物品2Uが第1物品であって且つ低温物品である場合は、図8に破線の矢印〔6〕及び矢印〔7〕で示すように、低温用ピッキング作業部3Bから第1搬出作業部7に搬送する。
制御装置Hは、搬出モードの第2搬出処理では、搬出情報D2に基づく搬出作業により、ピッキング作業部3の搬送装置6に載せられた搬出物品2Uを第2搬出作業部8に搬送する。本実施形態では、制御装置Hは、搬出物品2Uが第2物品であって且つ常温物品である場合は、図9に破線の矢印〔8〕及び一点鎖線の矢印〔10〕で示すように、低温用ピッキング作業部3Bから第2搬出作業部8に搬送する。また、制御装置Hは、搬出物品2Uが第2物品であって且つ低温物品の場合は、図9に一点鎖線の矢印〔9〕及び矢印〔10〕で示すように、低温用ピッキング作業部3Bから第2搬出作業部8に搬送する。
制御装置Hは、搬出モードからピッキング作業モードに切り換える場合において、搬出モードにおける搬出作業が完了する(例えば、ピッキング作業部3において搬送装置6によって搬出物品2Uが搬送されていない状態となる)まで搬出モードを維持し、搬出モードにおける搬出作業が完了した後にピッキング作業モードに切り換える。また、制御装置Hは、ピッキング作業モードから搬出モードに切り換える場合において、ピッキング作業モードにおけるピッキング作業が完了する(例えば、ピッキング作業部3において搬送装置6によって容器1が搬送されていない状態となる)までピッキング作業モードを維持し、ピッキング作業モードにおけるピッキング作業が完了した後に搬出モードに切り換える。つまり、ピッキング作業モードと搬出モードとは、時期を異ならせて実行する。
また、制御装置Hは、複数の搬出情報D2に基づいて第1搬出処理や第2搬出処理を実行する場合は、先に実行している搬出処理が完了した後(例えば、当該搬出処理で搬出する搬出物品2Uがピッキング作業部3における搬送装置6によって搬送されていない状態となった後)に次の搬出処理を実行する。つまり、制御装置Hは、複数の搬出情報D2に基づいて実行する複数の搬出処理は、時期を異ならせて実行する。
2.その他の実施形態
次に、ピッキング設備のその他の実施形態について説明する。
(1)上記の実施形態では、出荷作業部5が設けられた第1エリアA1と第1搬出作業部7及び第2搬出作業部8が設けられた第2エリアA2とが異なるエリアである構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されるものではない。例えば、出荷作業部5と、第1搬出作業部7及び第2搬出作業部8との少なくとも一方と、を共通の作業部とし、第1エリアA1と第2エリアA2とが同じエリアである構成としてもよい。
(2)上記の実施形態では、第2エリアA2が、第1搬出作業部7が設けられた第1物品用エリアA3と第2搬出作業部8が設けられた第2物品用エリアA4との2つのエリアを備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されるものではない。例えば、第2エリアA2が、1つの搬出作業部が設けられたエリアである構成としてもよく、3つ以上の搬出作業部が設けられたエリアである構成としてもよい。
(3)上記の実施形態では、第1搬出処理と第2搬出処理とを時期を異ならせて実行する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されるものではない。例えば、搬出物品2Uに第1物品と第2物品との双方がある場合に、それら第1物品と第2物品との双方を搬送装置6に載せ、第1物品と第2物品とが混在する状態で搬出物品2Uを第2エリアA2に搬送するようにしてもよい。尚、この場合において、第2エリアA2に搬出作業部が設けられたエリアを1つのみ備えて、第1物品と第2物品とを同じエリア(同じ搬出作業部)に搬送するようにしてもよいし、第2エリアA2に第1物品用エリアA3と第2物品用エリアA4とを備えて、第1物品を第1物品用エリアA3に搬送し、第2物品を第2物品用エリアA4に搬送するようにしてもよい。
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明したピッキング設備の概要について説明する。
ピッキング設備は、収容部に収容された物品のうちの対象物品を取り出して容器に入れるピッキング作業を作業者が行うピッキング作業部と、前記ピッキング作業が完了した前記容器を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御装置と、を備え、
前記搬送装置は、前記容器に入っていない状態の物品も搬送可能に構成され、前記収容部に収容されている物品のうちの前記対象物品ではない物品であって前記収容部から搬出する必要がある物品を、搬出物品として、前記ピッキング作業部は、前記作業者に対して、前記収容部に収容された物品のうちの前記対象物品及び前記搬出物品を指示する作業指示装置を備え、前記制御装置は、ピッキング作業モードと、搬出モードと、に動作モードを切り換え可能であり、前記ピッキング作業モードでは、前記制御装置は、前記容器を前記ピッキング作業部に搬送するように前記搬送装置を制御すると共に、前記対象物品を指示するように前記作業指示装置を制御し、更に、前記ピッキング作業が完了した前記容器を前記ピッキング作業部から規定の第1エリアへ搬送するように前記搬送装置を制御し、前記搬出モードでは、前記制御装置は、前記搬出物品を指示するように前記作業指示装置を制御すると共に、前記搬送装置に載せられた前記搬出物品を前記ピッキング作業部から規定の第2エリアへ搬送するように、前記搬送装置を制御する。
本構成によれば、制御装置の動作モードがピッキング作業モードである場合には、搬送装置によって容器がピッキング作業部に搬送され、作業指示装置によって作業者に対して対象物品が指示される。そのため、作業者は、作業指示装置の指示に基づいて、ピッキング作業部に搬送された容器に対象物品を入れるピッキング作業を適切に行うことができる。そして、ピッキング作業によって対象物品が入れられた容器は搬送装置によって第1エリアに搬送される。また、制御装置の動作モードが搬出モードである場合には、作業指示装置によって作業者に対して搬出物品が指示される。そのため、作業者は、作業指示装置の指示に基づいて、収容部から搬出物品を取り出してその搬出物品を搬送装置に載せることができる。そして、搬送装置に載せられた搬出物品は搬送装置によって第2エリアに搬送される。
このように、本構成によれば、ピッキング作業とは別に搬出物品を収容部から取り出して搬出する必要がある場合に、制御装置の動作モードを搬出モードとし、作業者が搬出物品を搬送装置に載せるだけで、ピッキング作業に用いられる搬送装置を利用して、搬出物品を第2エリアに搬送することができる。そのため、搬出物品を搬出するために、搬送装置を避けて人手で搬出物品を搬出する等の作業が必要なくなり、収容部から取り出す搬出物品の搬出作業を簡略化することができる。
ここで、前記第2エリアには、第1物品用エリアと第2物品用エリアとが含まれ、予め設定された条件である第1設定条件に該当する前記搬出物品を第1物品とし、予め設定された条件であって前記第1設定条件とは異なる条件である第2設定条件に該当する前記搬出物品を第2物品として、前記搬出モードでは、前記制御装置は、前記搬送装置に載せられた前記第1物品を、前記ピッキング作業部から前記第1物品用エリアへ搬送し、前記搬送装置に載せられた前記第2物品を、前記ピッキング作業部から前記第2物品用エリアへ搬送するように、前記搬送装置を制御すると好適である。
本構成によれば、搬出物品のうちの第1設定条件に該当する第1物品を、第1物品用エリアに搬送することができ、搬出物品のうちの第2設定条件に該当する第2物品を、第2物品用エリアに搬送することができる。このように、本構成によれば、収容部から搬出した第1物品と第2物品とを異なるエリアに搬送することができるため、互いに異なる条件に該当する第1物品と第2物品とに対して、それぞれ異なる取り扱いをすることが容易となる。
また、予め設定された条件である第1設定条件に該当する前記搬出物品を第1物品とし、予め設定された条件であって前記第1設定条件とは異なる条件である第2設定条件に該当する前記搬出物品を第2物品として、前記搬出モードでは、前記制御装置は、第1搬出処理と第2搬出処理とを時期を異ならせて実行し、前記第1搬出処理では、前記制御装置は、前記第1物品を指示するように前記作業指示装置を制御すると共に、前記搬送装置に載せられた前記第1物品を、前記ピッキング作業部から前記第2エリアに搬送するように、前記搬送装置を制御し、前記第2搬出処理では、前記制御装置は、前記第2物品を指示するように前記作業指示装置を制御すると共に、前記搬送装置に載せられた前記第2物品を、前記ピッキング作業部から前記第2エリアに搬送するように、前記搬送装置を制御すると好適である。
本構成によれば、制御装置が第1搬出処理を実行することによって第1物品を第2エリアに搬送することと、制御装置が第2搬出処理を実行することによって第2物品を第2エリアに搬送することとを、時期を異ならせて行うことができる。このように、本構成によれば、収容部から搬出した第1物品と第2物品とを時期を異ならせて搬出することができるため、互いに異なる条件に該当する第1物品と第2物品とに対して、それぞれ異なる取り扱いをすることが容易となる。
また、前記第1設定条件及び前記第2設定条件のそれぞれは、前記搬出物品の管理温度、使用期限、物品種別、搬出後の処理方法、の少なくとも1つを規定する条件であると好適である。
本構成によれば、搬出物品の管理温度、使用期限、物品種別、又は搬出後の処理方法に対して規定した条件に基づいて、搬出物品を第1物品と第2物品とに分けることができる。従って、第2エリアに搬出された第1物品と第2物品とに対して、それぞれが該当する条件に応じた適切な取り扱いをすることが容易となる。