JP2021014972A - 冷却システムの異常判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車載の空調ユニットの冷媒を電池の冷却に用いる冷却システムにおいて膨張弁の故障を精度高く判定する。【解決手段】ECUは、バッテリに対する冷却要求があると(S100にてYES)、電磁弁を開状態にするとともに圧縮機を動作させるステップ(S102)と、切替フラグがオフ状態であると(S104にてYES)、第1診断処理と第3診断処理とを実行するステップ(S106,S108)と、切替フラグをオン状態にするステップ(S110)と、切替フラグがオン状態であると(S104にてNO)、第2診断処理と第3診断処理とを実行するステップ(S112,S114)と、切替フラグをオフ状態にするステップ(S116)と、故障ありと判定される場合(S118にてYES)、通知処理を実行するステップ(S120)とを含む、処理を実行する。【選択図】図2

Description

本開示は、冷却システムの異常判定に関し、特に、車載の空調ユニットの冷房に用いられる冷媒を供給することによって車載の蓄電装置を冷却する冷却システムの異常判定に関する。
電力を用いて走行する電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両では、電気エネルギを蓄積するために電池等の蓄電装置が搭載される。蓄電装置は充電や放電によって発熱し、かつ、高温になる場合には内部抵抗の増大等によって損失が増加する場合がある。そのため、蓄電装置を搭載する電動車両において、電池を冷却する冷却システムが搭載される。このような冷却システムとして、たとえば、車載の空調ユニットに用いられる冷媒を車載の電池に供給することによって電池を冷却する構成が公知である。
たとえば、特開2018−034744号公報(特許文献1)には、車載の空調ユニットに用いる冷媒を二次電池の冷却に用いる冷却システムが開示される。
特開2018−034744号公報
このような構成を有する冷却システムには、冷媒を冷却に適した状態(たとえば、低温・低圧の霧状)にするための膨張弁が設けられており、この膨張弁に開かないあるいは閉じない等の故障が発生した場合には、蓄電装置を適切に冷却できない場合がある。そのため、膨張弁が故障しているか否かについて精度高く判定することが求められる。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車載の空調ユニットの冷媒を蓄電装置の冷却に用いる冷却システムにおいて膨張弁の故障を精度高く判定する冷却システムの異常判定装置を提供することである。
本開示のある局面に係る冷却システムの異常判定装置は、車両の室内の冷房を行なう空調ユニットに供給される冷媒を用いて車両に搭載された蓄電装置を冷却する冷却システムの異常判定装置である。冷却システムは、空調ユニットに冷媒を流通させる第1配管に並列に設けられ、冷媒と蓄電装置との間で熱交換可能に設けられる第2配管と、第2配管において蓄電装置と冷媒との間で熱交換が可能な位置よりも上流側の位置に設けられる膨張弁とを含む。この異常判定装置は、第2配管において膨張弁よりも下流を流通する冷媒の温度を検出する第1検出部と、第1検出部よりも下流を流通する冷媒の温度を検出する第2検出部と、膨張弁に対する開度指令と第1検出部の検出結果と第2検出部の検出結果とを用いて膨張弁の故障の有無を判定する判定部とを備える。判定部は、開度指令が膨張弁を閉状態とする開度よりも大きい開度とする指令であって、かつ、第1検出部によって検出される冷媒の温度の第1変化量の大きさが第1しきい値よりも小さい場合、膨張弁が閉故障状態であると判定する。判定部は、開度指令が膨張弁を閉状態とする指令であって、第1検出部によって検出される冷媒の温度の第2変化量の大きさが第2しきい値よりも大きく、かつ、第2検出部によって検出される冷媒の温度の第3変化量の大きさが第3しきい値よりも大きい場合、膨張弁が開故障状態であると判定する。
このようにすると、冷媒の温度の変化量が膨張弁の開度に対応した変化量でない場合に膨張弁が開故障状態であるか、閉故障状態であるかを精度高く判定することができる。
本開示によると、車載の空調ユニットの冷媒を蓄電装置の冷却に用いる冷却システムにおいて膨張弁の故障を精度高く判定する冷却システムの異常判定装置を提供することができる。
本実施の形態における冷却システムの全体構成を示す図である。 ECUで実行される制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1診断処理と第2診断処理と第3診断処理との各々の処理内容を説明するための図である。 膨張弁に対する閉故障の有無を判定する処理を示すフローチャートである。 入口温度としきい値ΔTin(0)との対応関係の一例を説明するための図である。 膨張弁に対する開故障の有無を判定する処理を示すフローチャートである。 電磁弁に対する閉故障の有無を判定する処理を示すフローチャートである。 ECUの動作の一例を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本実施の形態における冷却システム1の全体構成を示す図である。図1に示される冷却システム1は、電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両に搭載される。電動車両は、たとえば、蓄電装置であるバッテリ51を電源とし、バッテリ51の電力を用いて車両を駆動させるモータジェネレータ(図示せず)を駆動源とする。
冷却システム1は、車両の室内の冷房を行なう空調ユニット40に供給される冷媒を用いて車両に搭載されるバッテリ51を冷却する。冷却システム1は、圧縮機10と、コンデンサ20と、ファン22と、アキュムレータ30と、空調ユニット40と、電池冷却ユニット50と、ECU(Electronic Control Unit)100とを備える。
圧縮機10は、配管12の一方端と配管13の一方端との間に設けられる。圧縮機10は、配管13から流入する冷媒を断熱的に圧縮し、高温高圧の気相状態の冷媒を配管12に吐出する。圧縮機10は、たとえば、ECU100からの制御信号C1に応じて動作する。なお、冷媒は、冷却システム1の冷凍サイクル内で気体および液体間の相変化を生じるものであれば、その種類は特に限定されない。
配管12の他方端には、熱交換器であるコンデンサ20が(具体的には、コンデンサ20内に設けられる配管の一方端が)連結される。コンデンサ20において、コンデンサ22内を流通する冷媒と外気との間で熱交換が行なわれる。コンデンサ20は(具体的には、コンデンサ20内に設けられる配管の他方端は)、配管14の一方端に連結される。
ファン22は、たとえば、ECU100からの制御信号C2に応じてコンデンサ20に送風する。ファン22が動作することでコンデンサ20内の冷媒と外気との熱交換が促進され、冷媒が冷却される。これにより、冷媒の一部は、高圧のまま液化されて過冷却状態となる。その結果、冷媒は、少なくとも一部が液化された状態(通常、気液混合状態)で配管14に流通する。
配管14の他方端は、配管38と配管60とへの分岐点となる。すなわち、配管14の他方端には、配管38の一方端と、配管60の一方端とが連結される。配管14の一方端と他方端との間には、冷媒のコンデンサ20側への逆流を防止する逆止弁26が設けられる。配管14における配管14の一方端と逆止弁26との間の所定の位置には、配管28の一方端が連結される。そのため、配管14を流通する冷媒は、途中で配管28に分岐し、配管14の他方端まで流通した冷媒は、配管38と配管60とに分岐して流通し得る。
配管13には、アキュムレータ30が設けられる。アキュムレータ30は、配管28から流通する冷媒の気体成分と液体成分とを分離し、分離された気体成分を配管13に供給する。そのため、圧縮機10は、液体成分が分離された低圧の冷媒を圧縮して、高温高圧の冷媒として配管12へ吐出する。配管28の一方端と、配管13との連結点との間には、電磁弁24が設けられる。
電磁弁24は、ECU100からの制御信号C7に応じて動作する。電磁弁24が開状態である場合には、配管14を流通する冷媒が配管28を流通することが可能となる。また、電磁弁24が閉状態である場合には配管14から配管28への冷媒の流通が遮断される。
空調ユニット40は、送風ダクト41と、エバポレータ42と、ブロア44と、送風温度センサ104と、電磁弁34と、膨張弁36と、冷媒温度センサ102とを含む。
送風ダクト41は、エバポレータ42を通過した空気が車両の室内に供給されるように構成される。エバポレータ42は、熱交換器である。エバポレータ42内の配管の一方端は、配管38の他方端に連結される。また、エバポレータ42内の配管の他方端は、配管28の他方端に連結される。ブロア44は、ECU100からの制御信号C4に応じてモータ等を駆動させてブロアファンを駆動し、エバポレータ42に対して送風する。
電磁弁34は、空調用の電磁弁である。電磁弁34は、ECU100からの制御信号C5に応じて動作する。電磁弁34が開状態である場合には配管38を流通する冷媒は、エバポレータ42に流通可能となる。また、電磁弁34が閉状態である場合には配管38からエバポレータ42への冷媒の流通が遮断される。
膨張弁36は、空調用の膨張弁である。膨張弁36は、ECU100からの制御信号C6に応じて動作する。膨張弁36は、配管38を流通する高圧の液冷媒を膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させる。これにより、冷媒は減圧され、気液混合状態の湿り蒸気となってエバポレータ42内に設けられる配管の一方端に供給される。
空調ユニット40の冷房動作時においては、電磁弁34が開状態になるように制御され、膨張弁36が車両の室内の目標温度に応じて設定される開度になるように制御され、ブロア44が動作するように制御される。ブロア44から送風される空気は、エバポレータ42内の配管を通過する冷媒によって吸熱されて送風ダクト41に供給される。
配管28の一方端と他方端との間には、配管66との連結点が設けられる。冷媒温度センサは、当該連結点と配管28の他方端との間に設けられる。
電池冷却ユニット50は、配管62,64と、電磁弁52と、第1膨張弁54と、第2膨張弁56と、第1入口温度センサ106と、第2入口温度センサ108と、第1出口温度センサ110と、第2出口温度センサ112とを含む。
配管62,64の各々は、所定位置においてバッテリ51に当接して設けられる。配管62の一方端と、配管64の一方端とは、配管60の他方端に連結される。すなわち、配管60の他方端が配管62,64への分岐点となる。配管60の一方端と他方端との間には、電磁弁52が設けられる。
電磁弁52は、バッテリ51の冷却要求の有無に応じて開閉状態が制御される。電磁弁52は、ECU100からの制御信号C3に応じて動作する。電磁弁52が開状態である場合には配管60を流通する冷媒は、配管62,64の各々に流通可能となる。また、電磁弁52が閉状態である場合には配管60から配管62,64への冷媒の流通が遮断される。配管38には、空調ユニット40が連結されている。
第1膨張弁54は、配管62の一方端側であって、配管62においてバッテリ51と冷媒との間で熱交換が可能な位置(たとえば、配管62とバッテリ51とが当接する部位)よりも上流側に設けられる。
第1膨張弁54は、配管60から分岐して配管62に流入する高圧の液冷媒を膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させる。これにより、冷媒は減圧され、気液混合状態の湿り蒸気となって配管62を流通する。第1膨張弁54は、ECU100からの制御信号C8に応じて動作する。すなわち、第1膨張弁54の開度は、ECU100によって調整される。
第1入口温度センサ106は、配管62における第1膨張弁54よりも下流側であって、配管62においてバッテリ51と冷媒との間で熱交換が可能な位置よりも上流側に設けられる。
第1出口温度センサ110は、第1入口温度センサ106よりも下流側であって、配管62の他方端側、すなわち、配管62においてバッテリ51と冷媒との間で熱交換が可能な位置よりも下流側の位置に設けられる。
第2膨張弁56は、配管64の一方端側であって、配管64においてバッテリ51と冷媒との間で熱交換が可能な位置(たとえば、配管64とバッテリ51とが当接する部位)よりも上流側に設けられる。
第2膨張弁56は、配管60から分岐して配管64に流入する高圧の液冷媒を膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させる。これにより、冷媒は減圧され、気液混合状態の湿り蒸気となって配管62を流通する。第2膨張弁56は、ECU100からの制御信号C9に応じて動作する。すなわち、第2膨張弁56の開度は、ECU100によって調整される。
第2入口温度センサ108は、配管64における第2膨張弁56よりも下流側であって、配管64においてバッテリ51と冷媒との間で熱交換が可能な位置よりも上流側に設けられる。
第2出口温度センサ112は、第2入口温度センサ108よりも下流側であって、配管64の他方端側、すなわち、配管64においてバッテリ51と冷媒との間で熱交換が可能な位置よりも下流側の位置に設けられる。
配管62の他方端と、配管64の他方端とは、配管66の一方端に連結される。すなわち、配管66の一方端が配管62,64の合流点となる。配管66の他方端は、配管28における配管13との連結点と、配管28の他方端との間に連結される。配管66の途中には、逆止弁32が設けられる。逆止弁32は、配管28から配管66への冷媒の流通を抑制する。
以上のような構成を有する冷却システム1において、たとえば、空調ユニット40を用いた冷房および電池冷却ユニット50を用いたバッテリ51の冷却の非実行時においては、電磁弁34,52がいずれも閉状態となるとともに、電磁弁24が開状態となる。これにより、圧縮機10から配管12に吐出される冷媒は、コンデンサ20および配管14を流通した後に、配管28および配管13を流通して圧縮機10に戻る。
一方、空調ユニット40を用いた冷房および電池冷却ユニット50を用いたバッテリ51の冷却の実行時においては、電磁弁24が閉状態となり、電磁弁34、52が開状態となる。これにより、圧縮機10から配管12に吐出される冷媒は、コンデンサ20および配管を流通した後に、空調ユニット40および電池冷却ユニット50を流通し、その後、配管28において合流した後に配管13を流通して圧縮機10に戻る。
なお、空調ユニット40を用いた冷房の実行時であって、電池冷却ユニット50を用いたバッテリ51の非実行時においては、電磁弁24,52が閉状態となり、電磁弁34が開状態となる。また、空調ユニット40を用いた冷房の非実行時であって、電池冷却ユニット50を用いたバッテリ51の実行時においては、電磁弁24、34が閉状態となり、電磁弁52が開状態となる。
ECU100は、たとえば、各種の情報を記憶するメモリおよび各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(いずれも図示せず)を含む。メモリには、各種プログラムが記憶されている。ECU100は、たとえば、メモリに記憶されたプログラムをCPUを用いて実行するソフトウェア処理を実行したり、ECU100に内蔵される専用の電子回路を用いたハードウェア処理を実行したりする。本実施の形態に係る冷却システム1の異常判定装置は、ECU100によって実現される。
ECU100には、冷媒温度センサ102と、送風温度センサ104と、第1入口温度センサ106と、第2入口温度センサ108と、第1出口温度センサ110と、第2出口温度センサ112とが接続される。
冷媒温度センサ102は、エバポレータ42から配管28に流通する冷媒の温度Teを検出する。冷媒温度センサ102は、検出された冷媒の温度Teを示す信号をECU100に送信する。
送風温度センサ104は、ブロア44からエバポレータ42を通過する空気の温度(以下、送風温度と記載する)Tfを検出する。送風温度センサ104は、検出された送風温度Tfを示す信号をECU100に送信する。
第1入口温度センサ106は、配管62において、第1膨張弁54よりも下流であって、冷却対象となるバッテリ51と配管62とが当接する位置よりも上流の所定位置を流通する冷媒の温度(以下、第1入口温度と記載する)Tin_aを検出する。第1入口温度センサ106は、検出された第1入口温度Tin_aを示す信号をECU100に送信する。
第2入口温度センサ108は、配管64において、第2膨張弁56よりも下流であって、冷却対象となるバッテリ51と配管62とが当接する位置よりも上流の所定位置を流通する冷媒の温度(以下、第2入口温度と記載する)Tin_bを検出する。第2入口温度センサ108は、検出された第2入口温度Tin_bを示す信号をECU100に送信する。
第1出口温度センサ110は、配管62において、第1入口温度センサ106よりも下流側であって、冷却対象となるバッテリ51と配管62とが当接する位置よりも下流の所定位置を流通する冷媒の温度(以下、第1出口温度と記載する)Tout_aを検出する。第1出口温度センサ110は、検出された第1出口温度Tout_aを示す信号をECU100に送信する。
第2出口温度センサ112は、配管64において、第2入口温度センサ108よりも下流側であって、冷却対象となるバッテリ51と配管62とが当接する位置よりも下流の所定位置を流通する冷媒の温度(以下、第2出口温度と記載する)Tout_bを検出する。第2出口温度センサ112は、検出された第2出口温度Tout_bを示す信号をECU100に送信する。
以上のような構成を有する冷却システム1において、冷媒を冷却に適した状態(たとえば、低温・低圧の霧状)にするための第1膨張弁54および第2膨張弁56が設けられており、これらの膨張弁に開かないあるいは閉じない等の故障が発生した場合には、バッテリ51を適切に冷却できない場合がある。そのため、これらの膨張弁が故障しているか否かについて精度高く判定することが求められる。
そこで、本実施の形態においては、ECU100は、第1膨張弁54に対する開度指令が第1膨張弁54の開度を閉状態を示す開度よりも大きい開度とする指令であって、かつ、第1入口温度センサ106によって検出される第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値よりも小さい場合、第1膨張弁54が閉故障状態であると判定するものとする。
さらに、ECU100は、第1膨張弁54に対する開度指令が第1膨張弁54の開度を閉状態を示す開度とする指令であって、第1入口温度センサ106によって検出される第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値よりも大きく、かつ、第1出口温度センサ110によって検出される第1出口温度Tout_aの変化量の大きさがしきい値よりも大きい場合、第1膨張弁54が開故障状態であると判定するものとする。
このようにすると、配管62内を流通する冷媒の温度の変化量が第1膨張弁54の開度に対応した変化量でない場合に第1膨張弁54が開故障状態であるか、閉故障状態であるかを精度高く判定することができる。
さらに、第2膨張弁56の故障の有無についても第2入口温度センサ108と第2出口温度センサ112の検出結果を用いて同様に判定される。そのため、配管64内を流通する冷媒の温度の変化量が第2膨張弁56の開度に対応した変化量でない場合に第2膨張弁56が開故障状態であるか、閉故障状態であるかを精度高く判定することができる。
なお、本実施の形態において、開故障とは、制御信号に関係なく膨張弁が開状態となる故障の種類を示すものとする。開故障状態になると閉じ状態を示す開度を指令開度とする制御信号を膨張弁に対して送信しても閉じ状態にならず、閉じ状態を示す開度よりも大きい開度の状態が維持される。閉故障とは、制御信号に関係なく膨張弁が閉状態となる故障の種類を示すものとする。閉故障状態になると閉じ状態を示す開度よりも大きい開度を指令開度とする制御信号を膨張弁に対して送信しても閉じ状態が維持される。これらの故障は、たとえば、膨張弁の弁体が固着する等を原因として発生する場合がある。
以下、図2を参照して、ECU100で実行される制御処理の一例を説明する。図2は、ECU100で実行される制御処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、ECU100により、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU100は、バッテリ51の冷却要求があるか否かを判定する。ECU100は、たとえば、バッテリ51の温度がしきい値よりも高い場合にバッテリ51の冷却要求があると判定する。バッテリ51の冷却要求があると判定される場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。
S102にて、ECU100は、開状態になるように電磁弁52を制御するとともに圧縮機10を動作させる。S104にて、ECU100は、切替フラグがオフ状態であるか否かを判定する。切替フラグは、後述する第1診断処理と第3診断処理とを含む一連の診断処理が実行済であるか否かを示す。すなわち、切替フラグは、第1診断処理と第2診断処理とを切り替えて実行するためのフラグである。切替フラグがオフ状態であると判定される場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。
S106にて、ECU100は、第1診断処理を実行する。具体的には、ECU100は、第1膨張弁54に対する閉故障の診断処理を実行するとともに、第2膨張弁56に対する開故障の診断処理を実行する。膨張弁に対する閉故障の診断処理、および、膨張弁に対する開故障の診断処理の詳細な処理内容については後述する。
S108にて、ECU100は、第3診断処理を実行する。具体的には、ECU100は、電磁弁52に対する閉故障の診断処理を実行する。電磁弁52に対する閉故障の診断処理の詳細な処理内容については後述する。S110にて、ECU100は、切替フラグをオン状態にする。
一方、S104にて、切替フラグがオン状態であると判定される場合(S104にてNO)、処理はS112に移される。
S112にて、ECU100は、第2診断処理を実行する。具体的には、ECU100は、第1膨張弁54に対する開故障の診断処理を実行するとともに、第2膨張弁56に対する閉故障の診断処理を実行する。S114にて、ECU100は、第3診断処理を実行する。S116にて、ECU100は、切替フラグをオン状態にする。
S118にて、ECU100は、故障があるか否かを判定する。具体的には、ECU100は、各診断処理の結果、電磁弁52の閉故障、第1膨張弁54の開故障、第1膨張弁54の閉故障、第2膨張弁56の開故障および第2膨張弁56の閉故障のうちのいずれかの故障がある場合に故障があると判定する。故障があると判定される場合(S118にてYES)、処理はS120に移される。
S120にて、ECU100は、通知処理を実行する。具体的には、ECU100は、たとえば、表示装置に警告灯や故障が発生した旨の文字情報を表示させたり、表示音を発生させたりすることによって、ユーザに故障の発生を通知する。
なお、バッテリ51に対する冷却要求がないと判定される場合や(S100にてNO)、故障がないと判定される場合には(S118にてNO)、この処理は終了される。
以下、第1診断処理と第2診断処理と第3診断処理との各々の処理内容について詳細に説明する。図3は、第1診断処理と第2診断処理と第3診断処理との各々の処理内容を説明するための図である。
図3には、各診断処理における電磁弁52の制御状態と、第1膨張弁54の制御状態と、第2膨張弁56の制御状態と、各診断処理によって実行される故障判定の種類とが示される。故障判定の種類としては、電磁弁52の閉故障の判定と、第1膨張弁54の開故障の判定と、第1膨張弁54の閉故障の判定と、第2膨張弁56の開故障の判定と、第2膨張弁56の閉故障の判定とが含まれる。
そのため、図3に示すように、第1診断処理において、電磁弁52は、開状態に制御され、第1膨張弁54は、開度が閉状態を示す0%になるように制御され、第2膨張弁56は、開度が初期開度になるように制御される。
第2膨張弁56の初期開度とは、たとえば、バッテリ51を冷却するために必要となる第2膨張弁56の開度を示す。バッテリ51を冷却するために必要となる第2膨張弁56の開度は、たとえば、予め定められた値であってもよいし、バッテリ51の現在の温度と目標温度との差分とからマップ等を用いて算出されてもよい。マップ等は、たとえば、実験等によって適合され予めECU100のメモリに記憶される。第1診断処理によって、第1膨張弁54の開故障の判定と、第2膨張弁56の閉故障の判定とが実行される。膨張弁の開故障の有無および膨張弁の閉故障の有無の詳細な判定方法については、後述する。
第2診断処理において、電磁弁52は、開状態に制御され、第1膨張弁54は、開度が初期開度になるように制御され、第2膨張弁56は、開度が閉状態を示す0%になるように制御される。
第1膨張弁54の初期開度は、第2膨張弁56の初期開度と同様に設定される。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。第2診断処理によって、第1膨張弁54の閉故障の判定と、第2膨張弁56の開故障の判定とが実行される。
さらに、第3診断処理において、電磁弁52は、開状態に制御され、第1膨張弁54は、開度が初期開度になるように制御され、第2膨張弁56は、開度が初期開度になるように制御される。第3診断処理によって、電磁弁52の閉故障の判定が実行される。電磁弁52の閉故障の有無の詳細な判定方法については、後述する。
以下、図4を用いて膨張弁に対する閉故障の有無を判定する処理について説明する。図4は、膨張弁に対する閉故障の有無を判定する処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、S200にて、ECU100は、閉故障の判定対象となる膨張弁の開度を初期開度に固定する。閉故障の判定対象となる膨張弁は、第1診断処理においては、第2膨張弁56であり、第2診断処理においては、第1膨張弁54である。初期開度については、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S202にて、ECU100は、所定期間における入口温度の変化量を算出する。ECU100は、たとえば、所定期間が経過した時点における閉故障の判定対象となる膨張弁が設けられる配管の入口温度から当該膨張弁の開度を初期開度に固定した時点の入口温度を減算することによって所定期間における入口温度の変化量を算出する。
なお、閉故障の判定対象となる膨張弁が第1膨張弁54である場合には、ECU100は、第1入口温度センサ106によって検出される第1入口温度Tin_aの所定期間における変化量を算出する。また、閉故障の判定対象となる膨張弁が第2膨張弁56である場合には、ECU100は、第2入口温度センサ108によって検出される第2入口温度Tin_bの所定期間における変化量を算出する。
S204にて、ECU100は、算出された入口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)以下であるか否かを判定する。しきい値ΔTin(0)は、閉故障の判定対象となる膨張弁の開度に対して冷媒の温度が変化したか否かを判定するための値であって、たとえば、判定対象となる膨張弁が設けられる配管を流通する冷媒の入口温度に応じて設定されてもよい。
図5は、入口温度としきい値ΔTin(0)との対応関係の一例を説明するための図である。図5に示すように、たとえば、入口温度として0℃、10℃、20℃、40℃、50℃および60℃に対してそれぞれしきい値ΔTinとしてa、b、c、d、eおよびfが対応づけられるマップがECU100のメモリに記憶される。しきい値ΔTin(0)は、たとえば、入口温度が高くなるほど値が小さくなるように設定されてもよい。このようなマップは、実験等によって適合される。ECU100は、たとえば、閉故障の判定対象となる膨張弁の開度を初期開度に固定した時点の入口温度と、図5に示すようなマップとからしきい値ΔTin(0)を設定する。
なお、入口温度として列挙された上記温度の間の温度(たとえば、0℃から10℃までの間など)に対応づけられるしきい値ΔTin(0)は、たとえば、線形補間などによって算出されてもよい。あるいは、列挙された上記温度のうちの隣接する温度にそれぞれ対応づけられるしきい値のうちのいずれかが対応づけられてもよい。たとえば、0℃から10℃までの中間の温度には、しきい値aおよびしきい値bのうちのいずれかが対応づけられてもよい。
入口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)以下であると判定される場合(S204にてYES)、処理はS206に移される。
S206にて、ECU100は、閉故障の判定対象となる膨張弁が閉故障状態であると判定する。なお、ECU100は、たとえば、所定期間が経過した時点で膨張弁の開度の固定を解除してもよい。また、入口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)よりも大きいと判定される場合(S204にてNO)、この処理は終了される。
次に、図6を用いて膨張弁に対する開故障の有無を判定する処理について説明する。図6は、膨張弁に対する開故障の有無を判定する処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、S300にて、ECU100は、開故障の判定対象となる膨張弁の開度を閉状態を示す開度である0%に固定する。開故障の判定対象となる膨張弁は、第1診断処理においては、第1膨張弁54であり、第2診断処理においては、第2膨張弁56である。
S302にて、ECU100は、所定期間における入口温度の変化量を算出する。ECU100は、たとえば、所定期間が経過した時点における開故障の判定対象となる膨張弁が設けられる配管の入口温度から当該膨張弁の開度を0%に固定した時点の入口温度を減算することによって所定期間における入口温度の変化量を算出する。
なお、開故障の判定対象となる膨張弁が第1膨張弁54である場合には、ECU100は、第1入口温度センサ106によって検出される第1入口温度Tin_aの所定期間における変化量を算出する。また、開故障の判定対象となる膨張弁が第2膨張弁56である場合には、ECU100は、第2入口温度センサ108によって検出される第2入口温度Tin_bの所定期間における変化量を算出する。
S304にて、ECU100は、所定期間における出口温度の変化量を算出する。ECU100は、たとえば、所定期間が経過した時点における開故障の判定対象となる膨張弁が設けられる配管の出口温度から当該膨張弁の開度を0%に固定した時点の出口温度を減算することによって所定期間における出口温度の変化量を算出する。
なお、開故障の判定対象となる膨張弁が第1膨張弁54である場合には、ECU100は、第1出口温度センサ110によって検出される第1出口温度Tout_aの所定期間における変化量を算出する。また、開故障の判定対象となる膨張弁が第2膨張弁56である場合には、ECU100は、第2出口温度センサ112によって検出される第2出口温度Tout_bの所定期間における変化量を算出する。
S306にて、ECU100は、入口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)以上であって、かつ、出口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTout以上であるか否かを判定する。しきい値ΔTin(1)は、たとえば、入口温度に応じて設定されてもよい。また、しきい値ΔToutは、たとえば、出口温度に応じて設定されてもよい。また、しきい値ΔTin(1)あるいはΔToutは、マップ等を用いて設定してもよい。マップ等を用いたしきい値の設定方法については、図5を用いて説明した方法と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。
入口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)以上であって、かつ、出口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTout以上であると判定される場合(S306にてYES)、処理はS308に移される。
S308にて、ECU100は、開故障の判定対象となる膨張弁が開故障状態であると判定する。なお、ECU100は、たとえば、所定期間が経過した時点で膨張弁の開度の固定を解除してもよい。また、入口温度の変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)よりも小さかったり、あるいは、出口温度の変化量の大きさがしきい値ΔToutよりも小さかったりすると(S306にてNO)、この処理は終了される。
次に、図7を用いて電磁弁52に対する閉故障の有無を判定する処理について説明する。図7は、電磁弁52に対する閉故障の有無を判定する処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、S400にて、ECU100は、電磁弁52の下流の各経路(すなわち、配管62および配管64)に設けられる膨張弁(すなわち、第1膨張弁54および第2膨張弁56)の開度が初期開度になるように制御する。初期開度については上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返さない。
S402にて、ECU100は、所定期間における各経路の入口温度の変化量を算出する。すなわち、ECU100は、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量と、所定期間における第2入口温度Tin_bの変化量とを算出する。
S404にて、ECU100は、各経路の入口温度の変化量の大きさがいずれもしきい値ΔTin(2)以下であるか否かを判定する。すなわち、ECU100は、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値ΔTin(2)以下であって、かつ、所定期間における第2入口温度Tin_bの変化量の大きさがしきい値ΔTin(2)以下であるか否かを判定する。
なお、第1入口温度Tin_aの変化量の大きさに対するしきい値と、第2入口温度Tin_bの変化量の大きさに対するしきい値とについて同じ値のしきい値ΔTin(2)が設定されるものとして説明したが、異なるしきい値が設定されてもよい。各経路の入口温度の変化量の大きさがいずれもしきい値ΔTin(2)以下であると判定される場合(S404にてYES)、処理はS406に移される。
S406にて、ECU100は、電磁弁52が閉故障状態であると判定する。なお、各経路の入口温度の変化量の大きさのうちのいずれかがしきい値ΔTin(2)よりも大きいと判定される場合(S404にてNO)、この処理は終了される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態におけるECU100の動作の一例について図8を用いて説明する。
図8は、ECU100の動作の一例を説明するための図である。図8の縦軸は、バッテリ51の冷却要求と、電磁弁52に対する開閉指令と、第1膨張弁54に対する指令開度と、第2膨張弁56に対する指令開度と、第1入口温度Tin_aと、第1出口温度Tout_aと、第2入口温度Tin_bと、圧縮機10の回転数と、切替フラグの状態とを示す。図8の横軸は、時間を示す。
図8のLN1は、バッテリの冷却要求の変化を示す。図8のLN2は、電磁弁52に対する開閉指令の変化を示す。図8のLN3は、第1膨張弁54に対する指令開度の変化を示す。図8のLN4は、第2膨張弁56に対する指令開度の変化を示す。図8のLN5は、第1入口温度Tin_aの変化を示す。図8のLN5’(破線)は、第1膨張弁54の開故障時の第1入口温度Tin_aの変化を示す。図8のLN6は、第1出口温度Tout_aの変化を示す。図8のLN6’(破線)は、第1膨張弁54の開故障時の第1出口温度Tout_aの変化を示す。図8のLN7は、第2入口温度Tin_bの変化を示す。図8のLN7’(破線)は、第2膨張弁56の閉故障時の第2入口温度Tin_bの変化を示す。図8のLN8は、圧縮機10の回転数の変化を示す。図8のLN9は、切替フラグの状態の変化を示す。
たとえば、図8のLN1に示すようにバッテリ51の冷却要求がない(オフ)場合を想定する。この場合、図8のLN2に示すように電磁弁52は、閉状態になるように制御される。また、図8のLN3およびLN4に示すように第1膨張弁54に対して指令される開度についても、第2膨張弁56に対して指令される開度についても0%になる。そのため、図8のLN5、LN6およびLN7に示すように第1入口温度Tin_a、第1出口温度Tout_aおよび第2入口温度Tin_bのいずれも変化しない状態になる。また、図8のLN8に示すように圧縮機10の回転数はゼロである。このとき、図8のLN9に示すように切替フラグはオフ状態であるものとする。
時間T(0)にて、たとえば、バッテリ51の温度がしきい値を超えるなどして、図8のLN1に示すように、バッテリ51の冷却が要求される場合には(S100にてYES)、図8のLN2に示すように電磁弁52が開状態に制御されるとともに図8のLN8に示すように圧縮機10の動作が開始される(S102)。そして、切替フラグがオフ状態であると(S104にてYES)、第1診断処理が実行される(S106)。
すなわち、第1膨張弁54の開故障の有無を判定する処理が実行されるとともに、第2膨張弁56の閉故障の有無を判定する処理が実行される。具体的には、図8のLN3に示すように、第1膨張弁54に対する指令開度が0%に固定されることによって第1膨張弁54の開度が0%で維持される(S300)。また、図8のLN4に示すように、第2膨張弁56に対する指令開度が初期開度に固定されることによって第2膨張弁56の開度が初期開度で維持される(S200)。
時間T(0)から所定期間が経過する時間T(1)にて、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量が算出されるとともに(S302)、所定期間における第1出口温度Tout_aの変化量が算出される(S304)。さらに、所定期間における第2入口温度Tin_bの変化量が算出される(S204)。
たとえば、図8のLN5’に示すように第1入口温度Tin_aが時間T(0)から時間T(1)にかけて低下するとともに、図8のLN6’に示すように第1出口温度Tout_aについても同様に時間T(0)から時間T(1)にかけて低下した場合を想定する。このとき、第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)以上であって、かつ、第1出口温度Tout_aの変化量の大きさがしきい値ΔTout以上となる場合には(S306にてYES)、第1膨張弁54が開故障状態であると判定される(S308)。
一方、図8のLN5に示すように、第1入口温度Tin_aが時間T(0)から時間T(1)にかけて維持される場合には、第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)よりも小さくなり(S306にてNO)、第1膨張弁54が開故障状態であると判定されない。あるいは、図8のLN6に示すように、第1出口温度Tout_aが時間T(0)から時間T(1)にかけて維持される場合には、第1出口温度Tout_aの変化量の大きさがしきい値ΔToutよりも小さくなり(S306にてNO)、第1膨張弁54が開故障状態であると判定されない。
また、図8のLN7に示すように、第2入口温度Tin_bの変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)を超える場合には(S204にてNO)、第2膨張弁56が閉故障状態であると判定されない。
これに対して、図8のLN7’に示すように、第2入口温度Tin_bが維持され、その変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)以下となる場合(S204にてYES)、第2膨張弁56が閉故障状態であると判定される(S206)。
時間T(1)にて所定期間が経過した後においては、第3診断処理が実行される(S106)。すなわち、第1膨張弁54の開度および第2膨張弁56の開度がいずれも初期開度に固定される(S400)。
そして、時間T(1)から所定期間が経過した後の時間T(2)において、所定期間における各経路の入口温度の変化量が算出される(S402)。すなわち、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量と第2入口温度Tin_bの変化量とが算出される。
所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量の大きさと、第2入口温度Tin_bの変化量の大きさとのうちの少なくともいずれかがしきい値ΔTin(2)よりも大きい場合には(S404にてNO)、電磁弁52が閉故障状態であると判定されない。一方、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量の大きさと、第2入口温度Tin_bの変化量の大きさとのうちのいずれもがしきい値ΔTin(2)以下である場合には(S404にてYES)、電磁弁52が閉故障状態であると判定される(S406)。
時間T(2)にて、図8のLN9に示すように第3診断処理が実行された後に切替フラグがオン状態に設定される(S110)。故障ありと判定される場合には(S118にてYES)、通知処理が実行される(S116)。
なお、バッテリ51の冷却要求がある状態が継続する場合には(S100にてYES)、電磁弁52の開状態と圧縮機10の動作状態が維持される(S102)。切替フラグがオン状態であるため(S104にてNO)、第2診断処理が実行される(S112)。
すなわち、第1膨張弁54の閉故障の診断処理を実行するとともに、第2膨張弁56の開故障の診断処理を実行する。具体的には、第1膨張弁54の開度が初期開度になるように制御されるとともに(S200)、第2膨張弁56の開度が0%になるように制御される(S300)。
そして、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量が算出される(S202)。さらに、所定期間における第2入口温度Tin_bの変化量と、第2出口温度Tout_bの変化量とが算出される(S302,S304)。
たとえば、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)以下である場合には(S204にてYES)、第1膨張弁54が閉故障であると判定される(S206)。一方、所定期間における第1入口温度Tin_aの変化量の大きさがしきい値ΔTin(0)よりも大きい場合には(S204にてNO)、第1膨張弁54が閉故障であると判定されない。
また、所定期間における第2入口温度Tin_bの変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)以上であって、かつ、所定期間における第1出口温度Tout_bの変化量の大きさがしきい値ΔTout以上となる場合には(S306にてYES)、第2膨張弁56が開故障状態であると判定される(S308)。
一方、所定期間における第2入口温度Tin_bの変化量の大きさがしきい値ΔTin(1)よりも小さい場合や、あるいは、第2出口温度Tout_bの変化量の大きさがしきい値ΔToutよりも小さい場合には(S306にてNO)、第2膨張弁56が開故障状態であると判定されない。
第2診断処理が実行された後においては、第3診断処理が実行される(S114)。なお、第3診断処理の実行時におけるECU100の動作は、S108の第3診断処理の実行時におけるECU100の動作と同様である。そのため、その詳細な説明は繰り返さない。第3診断処理が実行された後には、切替フラグがオフ状態に設定される(S116)。故障ありと判定される場合には(S118にてYES)、通知処理が実行される(S116)。
以上のようにして、本実施の形態に係る冷却システム1の異常判定装置によると、配管62内を流通する冷媒の温度の変化量が第1膨張弁54の開度に対応した変化量でない場合に第1膨張弁54が開故障状態であるか、閉故障状態であるかを精度高く判定することができる。さらに、配管64内を流通する冷媒の温度の変化量が第2膨張弁56の開度に対応した変化量でない場合に第2膨張弁56が開故障状態であるか、閉故障状態であるかを精度高く判定することができる。したがって、車載の空調ユニットの冷媒を蓄電装置の冷却に用いる冷却システムにおいて膨張弁の故障を精度高く判定する冷却システムの異常判定装置を提供することができる。
以下、変形例について記載する。
上述の実施の形態では、ECU100は、バッテリ51の冷却要求があると判定される場合に、切替フラグに応じて第1診断処理および第2診断処理のうちのいずれかを実行するものとして説明したが、たとえば、バッテリ51の冷却要求があると判定され、かつ、予め定められた実行条件が成立する場合に、切替フラグに応じて第1診断処理および第2診断処理のうちのいずれかを実行するものとしてもよい。
予め定められた実行条件は、たとえば、冷却要求がトリップにおける初回の要求であるという条件を含むようにしてもよい。ここで「トリップ」とは、車両がイグニッションオン(IG−ON)されてからイグニッションオフ(IG−OFF)されるまで期間である。すなわち、トリップとは、車両のシステムが起動してから停止するまでの期間である。
さらに上述の実施の形態では、ECU100が初回開度を設定する処理を実行したり、電磁弁52の開閉状態、第1膨張弁54の開度および第2膨張弁56の開度を制御する処理を実行したり、圧縮機10を制御する処理を実行したりするものとして説明したが、複数のECUを連携させて、上記処理を実行してもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を適宜組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 冷却システム、10 圧縮機、12,13,14,28,38,60,62,64,66 配管、20 コンデンサ、22 ファン、24,34,52 電磁弁、26,32 逆止弁、30 アキュムレータ、36 膨張弁、40 空調ユニット、41 送風ダクト、42 エバポレータ、44 ブロア、50 バッテリ、54 第1膨張弁、56 第2膨張弁、100 ECU、102 冷媒温度センサ、104 送風温度センサ、106 第1入口温度センサ、108 第2入口温度センサ、110 第1出口温度センサ、112 第2出口温度センサ。

Claims (1)

  1. 車両の室内の冷房を行なう空調ユニットに供給される冷媒を用いて前記車両に搭載された蓄電装置を冷却する冷却システムの異常判定装置であって、前記冷却システムは、前記空調ユニットに前記冷媒を流通させる第1配管に並列に設けられ、前記冷媒と前記蓄電装置との間で熱交換可能に設けられる第2配管と、前記第2配管において前記蓄電装置と前記冷媒との間で熱交換が可能な位置よりも上流側の位置に設けられる膨張弁とを含み、
    前記第2配管において前記膨張弁よりも下流を流通する冷媒の温度を検出する第1検出部と、
    前記第1検出部よりも下流を流通する冷媒の温度を検出する第2検出部と、
    前記膨張弁に対する開度指令と前記第1検出部の検出結果と前記第2検出部の検出結果とを用いて前記膨張弁の故障の有無を判定する判定部とを備え、
    前記判定部は、
    前記開度指令が前記膨張弁を閉状態とする開度よりも大きい開度とする指令であって、かつ、前記第1検出部によって検出される前記冷媒の温度の第1変化量の大きさが第1しきい値よりも小さい場合、前記膨張弁が閉故障状態であると判定し、
    前記開度指令が前記膨張弁を前記閉状態とする指令であって、前記第1検出部によって検出される前記冷媒の温度の第2変化量の大きさが第2しきい値よりも大きく、かつ、前記第2検出部によって検出される前記冷媒の温度の第3変化量の大きさが第3しきい値よりも大きい場合、前記膨張弁が開故障状態であると判定する、冷却システムの異常判定装置。
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