JP2021013907A - 蛍光体保護フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性フィルムが蛍光体層に積層される際に密着性良く積層されると共に、ガスバリア性フィルムとプライマー層の密着性にも優れた蛍光体保護フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】ガスバリア性フィルムの一方の面にプライマー層を備えた蛍光体保護フィルム1の製造方法であって、ガスバリア性フィルム6のプライマー層5を形成する面にプラズマ処理7を施し、濡れ指数を62dyn/cm以上とする工程と、プライマー層を塗布形成する工程と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、量子ドット等の蛍光体を用いた波長変換シートなどの蛍光体を保護するための蛍光体保護フィルムの製造方法に関する。
量子ドット等の蛍光体を用いた波長変換シートは、輝度および色再現性が高く、ディスプレイへの採用が望まれている。しかし量子ドット等の蛍光体は酸素または水蒸気との接触によって劣化する。そのため波長変換シートではしばしば高分子フィルムにガスバリア層を形成したガスバリア性フィルムが蛍光体を含む蛍光体層の片側または両側に配置された構造を採用している。
例えば特許文献1には、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂に量子ドットを分散させた蛍光体層の両面にガスバリア性フィルムを貼り合わせることで、蛍光体層への酸素等の侵入を防止している。しかしながら、特許文献1に記載の蛍光体層は、ガスバリア性フィルムとの密着性が悪く、蛍光体層とガスバリア性フィルムとの間に剥がれを生じる恐れがあった。
特許文献1に記載のような量子ドットフィルムに限らず、蛍光体層とガスバリア性フィルムとを積層した構造を有する積層体においては、ガスバリア性フィルムの剥がれは蛍光体の性能低下に多大な影響を及ぼすため、ガスバリア性フィルムと蛍光体層の密着性の向上が求められている。そのための一手法として、ガスバリア性フィルムと蛍光体層の間に、密着性を高めるためのプライマー層を設けることも提案されている。
国際公開第2014/113562号
しかしながら、プライマー層を設けることでガスバリア性フィルムと蛍光体層の間の密着性が高まることが期待される一方で、今度はプライマー層とガスバリア性フィルムの間で剥離が発生する恐れが生じていた。そのため、プライマー層とガスバリア性フィルムを密着性良く積層する方法が望まれていた。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みなされたもので、プライマー層が設けられることでガスバリア性フィルムが蛍光体層に積層される際に密着性良く積層されると共に、ガスバリア性フィルムとプライマー層の密着性にも優れた蛍光体保護フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、ガスバリア性フィルムの一方の面にプライマー層を備えた蛍光体保護フィルムの製造方法であって、
ガスバリア性フィルムのプライマー層を形成する面にプラズマ処理を施し、濡れ指数を62dyn/cm以上とする工程と、
プライマー層を塗布形成する工程と、を備えた蛍光体保護フィルムの製造方法を提供する。
上記蛍光体保護フィルムの製造方法によれば、ガスバリア性フィルムのプライマー層を形成する面をプラズマ処理し、濡れ指数(表面張力)を62dyn/cm以上とすることで、ガスバリア性フィルムのプライマー層を形成する面の接触角が小さくなり、プライマー層に対する濡れ性が向上し、ガスバリア性フィルムへのプライマー層の密着性を向上させることができる。その結果、蛍光体層と蛍光体保護フィルムとの間の剥がれが生じ難く、シート端部から水分や酸素が侵入して蛍光体層の発光特性が劣化することを防ぐことができる。
上記蛍光体保護フィルムにおいて、前記ガスバリア性フィルムは前記一方の面側にガスバリア層を備えることが好ましい。ガスバリア層を前記一方の面側、すなわちプライマー層を積層する側とすることで、蛍光体保護フィルムの端部からの酸素や水分の侵入をより効果的に防止することができる。
上記蛍光体保護フィルムの製造方法において、前記ガスバリア層は、無機酸化物層と、ガスバリア性被覆層とを含み、ガスバリア性被覆層表面に前記プラズマ処理を施すのが好ましい。
上記蛍光体保護フィルムにおいて、前記ガスバリア性フィルムは、前記他方の面の最表面にマット層を備えるのが好ましい。
本発明によれば、蛍光体保護フィルムのガスバリア性フィルムとプライマー層を密着性良く積層することができ、蛍光体層に貼り合されたときに剥離してしまうことがなく、剥離した部位から酸素や水分が侵入して発光特性が劣化することを防ぐことができる蛍光体保護フィルムを得ることができる。
本発明の製造方法で蛍光体保護フィルムを製造する工程の概要を示す図である。 蛍光体保護フィルムを蛍光体層に積層する工程の概要を示す図である。 蛍光体保護フィルムを蛍光体層の両面に積層した例の断面模式図である。
以下、本発明の蛍光体保護フィルムの製造方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施態様に限定されるものではない。
本実施態様の蛍光体保護フィルムの製造方法は、ガスバリア性フィルムの一方の面に配置されたプライマー層を備える蛍光体保護フィルムの製造方法であって、ガスバリア性フィルムの前記プライマー層を形成する面にプラズマ処理を施し、濡れ指数を62dyn/cm以上とする工程を有する。また、本実施態様の蛍光体保護フィルムの製造方法は、プラズマ処理を施したガスバリア性フィルム上に上記プライマー層形成用組成物を塗布し、上記プライマー層を形成する工程を有する。
図1は、本発明の製造方法で蛍光体保護フィルムを製造する工程の概要を示す図である。図1に示した蛍光体保護フィルム1を製造する場合、例えば以下の手順で製造することができる。なお、各層の形成方法は公知のグラビアコーティング等のウェットコーティング法、真空成膜法などのドライコーティング法から適宜採用して形成することができる。まず、基材3上にアンカーコート層4aを形成し、その上に無機薄膜層4b及びガスバリア性被覆層4cを順次形成してガスバリア層4を形成する。一方、基材3のガスバリア層4を積層した面と反対側の面には、光拡散層となるマット層2を形成し、ガスバリア性フィルム6を得る。なお、その詳細は後述する。
ガスバリア層4のガスバリア性被覆層4c上に、プラズマ処理7を施し、濡れ指数(表面張力)が62dyn/cm以上となる様にする。プラズマ処理7は、密閉またはシール機構を有する半密閉状態を減圧してアルゴン、ヘリウム、キセノン等の不活性ガスまたは酸素等の酸化性ガスを含むガスにより数Torr下で交流、又は直流等の電力を印可してプラズマが発生される低圧プラズマ法、または半密閉空間をヘリウム等の不活性ガスを充填して大気圧下で交流を印可して放電が形成される大気圧プラズマ法、などの公知のプラズマ処理法により形成されたプラズマ空間に、基材3に積層されたガスバリア層4を通過させることで、ガスバリア層4の表面を改質する。
続いて、得られたガスバリア層4のプラズマ処理面上に、プライマー層形成用組成物を塗布し、プライマー層5を形成する。なおプライマー層5とマット層2の、またガスバリア層4とマット層2の形成順序は特に限定されず、マット層2を予め基材3に形成しておいてもよく、ガスバリア層4やプライマー層5の形成後に設けても良い。これにより蛍光体保護フィルム1が得られる。
図2は、上述の様にして得られた蛍光体保護フィルムを蛍光体層に積層する工程の概要を示す図である。蛍光体層8に蛍光体保護フィルム1のプライマー層5を対向させて積層する。蛍光体保護フィルム1は、図3に示す様に蛍光体層8の両面に積層しても良く、蛍光体保護フィルム1、1´のプライマー層5が蛍光体層8と対向する様に積層する。以上の方法により、良好なガスバリア性を有すると共に、ガスバリア層4と蛍光体層8との密着性に優れた波長変換シート9を得ることができる。
続いて、本発明の製造方法が適用される蛍光体保護フィルムを構成する各部材とその形成方法について個別に説明する。
(基材)
基材3は、高分子フィルムであることが望ましい。高分子フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリプロピレン及びシクロオレフィン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;並びにトリアセチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されない。高分子フィルムはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム又はポリオレフィンフィルムであることが好ましく、ポリエステルフィルム又はポリアミドフィルムであることがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが更に好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明性、加工適性及び密着性の観点から望ましい。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明性及びガスバリア性の観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
高分子フィルムは、必要に応じて、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び滑り剤等の添加剤を含んでいてもよい。また、高分子フィルムの表面は、コロナ処理、フレーム処理及びプラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材3の厚さは、特に制限されないが、3μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。この厚さが3μm以上であると加工が容易であり、100μm以下であるとガスバリア性フィルム6の総厚を薄くすることができる。
(ガスバリア層)
ガスバリア層4は、水蒸気透過度及び酸素透過度を更に向上させるために設けられる層
である。ガスバリア層4は、光学的な観点から、透明性が高いことが望ましい。ガスバリア層4は単層であっても多層であってもよいが、図1に示したように、アンカーコート層4a、無機薄膜層4b及びガスバリア性被覆層4cを有することが望ましい。
ガスバリア層4の無機薄膜層4bとガスバリア性被覆層4cは、大気中で成膜されたものでも真空中で成膜されたものでもよい。真空成膜としては、物理気相成長法及び化学気相成長法等が挙げられる。物理気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等が挙げられる。化学気相成長(CVD)法としては、熱CVD法、プラズマCVD(PECVD)法及び光CVD法等が挙げられる。成膜方法は、無機薄膜層4bとガスバリア性被覆層4cとで異なっていてもよい。
<アンカーコート層>
アンカーコート層4aは、基材3と無機薄膜層4bの間の密着性を向上させるために、それらの間に設けられるものである。また、アンカーコート層4aは、水分や酸素の透過を防止するバリア性を有していてもよい。
アンカーコート層4aは、例えば、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコーン樹脂又はアルキルチタネート等から選択された樹脂を用いて形成することができる。アンカーコート層は、上述した樹脂を単独で用いて、又は上述した樹脂を2種類以上組み合わせた複合樹脂を用いて、形成することができる。
アンカーコート層4aは、上述した樹脂を含む溶液を基材3上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
アンカーコート層4aの厚さは、5〜500nmの範囲内とすることが好ましく、10〜100nmの範囲内とすることがより好ましい。ここで、厚さが5nm以上であると、基材3と無機薄膜層4bとの間の密着性及び水分や酸素に対するバリア性が向上する傾向があり、500nm以下であると、内部応力が十分抑制された均一な層を形成することができる傾向がある。
<無機薄膜層>
無機薄膜層4bの形成方法は真空蒸着法、スパッタリング法、又はPECVD法であることが好ましい。真空蒸着法では、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム(Electron Beam)加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法がより好ましく、スパッタリング法では、反応性スパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタリング法であることがより好ましい。膜の均質性の観点からはスパッタリング法が好ましく、コストの観点からは、真空蒸着法が好ましく、目的、用途に応じて選択することができる。
スパッタリング法及びPECVD法におけるプラズマの生成方法としては、DC(Direct Current)方式、RF(Radio Frequency)方式、MF(Middle Frequency)方式、DCパルス方式、RFパルス方式、及びDC+RF重畳方式等を挙げることができる。
真空成膜では通常、金属、或いは、珪素等の酸化物、窒化物又は窒化酸化物等の膜が形成される。無機薄膜層4bとしては、アルミニウム、チタン、銅、インジウム、スズ等の金属、又はそれらの酸化物(アルミナ等)、或いは、珪素、珪素酸化物の膜が好ましい。
また、金属や珪素の酸化物だけでなく、金属や珪素の窒化物や窒化酸化物の膜が形成されてもよい。また、複数の金属を含む膜が形成されてもよい。上述のアルミニウム、チタン、銅、インジウム、珪素の酸化物、窒化物、窒化酸化物は、透明性とバリア性の両方に優れる。珪素を含む酸化物、窒化酸化物はバリア性が高く特に好ましい。
真空成膜により形成される無機薄膜層4bの厚さは、5nm以上100nm以下であることが好ましい。無機薄膜層4bの厚さが5nm以上であると、より良好なバリア性を得ることができる傾向がある。また、無機薄膜層4bの厚さが100nm以下であると、クラックの発生を抑制し、クラックによる水蒸気バリア性及び酸素バリア性の低下を抑制できる傾向がある。更に、無機薄膜層4bの厚さが100nm以下であると、材料使用量の低減及び膜形成時間の短縮等に起因してコストを低減できるので、経済的観点から好ましい。
<ガスバリア性被覆層>
ガスバリア性被覆層4cは、後工程での二次的な各種損傷を防止すると共に、高いバリア性を付与するために設けられるものである。ガスバリア性被覆層4cは、シロキサン結合を含んでいてもよい。ガスバリア性被覆層4cは、大気中で形成することもできる。ガスバリア性被覆層4cを大気中で形成する場合は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチレンビニルアルコールのような極性を持つ化合物、ポリ塩化ビニリデン等の塩素を含む化合物、及びSi原子を含む化合物、Ti原子を含む化合物、Al原子を含む化合物、Zr原子を含む化合物等を含有する塗布液を無機薄膜層4b上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。
ガスバリア性被覆層4cを大気中で形成する際の塗布液の塗布方法としては、具体的には、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
(プライマー層)
本発明の製造方法が適用される蛍光体保護フィルム1に使用するプライマー層5は、蛍光体層8との密着性を向上させるものであれば特に限定はない。プライマー層5の厚さは、一般的には乾燥後の厚さで、1nm〜1μmであることが好ましく、5〜500nmであることがより好ましい。
プライマー層5に用いる材料としては、例えば、アクリルポリオール、ポリビニルアセタール、ポリエステルポリオール、及びポリウレタンポリオール等から選択されるポリオール類と、イソシアネート化合物とを反応させて得られる有機高分子;アミン類と、ポリイソシアネート化合物及び水との反応によりウレア結合を有する有機化合物;ポリエチレンイミン及びその誘導体;ポリオレフィン系エマルジョン;ポリイミド;メラミン;フェノール;有機変性コロイダルシリカ等の無機充填材;並びに、シランカップリング剤及びその加水分解物のような有機シラン化合物等が挙げられる。
プライマー層5に用いる材料としては、蛍光体層8中のバインダー樹脂と化学的に結合する樹脂を含むことが特に好ましく、蛍光体層8のバインダー樹脂にエポキシ樹脂を含む場合は、アミノ酸基を有するシランカプリング剤を含む硬化性樹脂組成物を、ガスバリア層4のプラズマ処理した表面に塗布・乾燥することによって硬化させたものを用いることが好ましい。このプライマー層5を介してガスバリア層4と蛍光体層8を積層することにより、優れた密着性を得ることができる。
優れた密着性が発現するのは、蛍光体層8のバインダー樹脂にエポキシ樹脂が含まれている場合には、その蛍光体層8中に存在するエポキシ樹脂と、プライマー層5中に存在す
るアミノ基と、が化学反応し結び付くことが原因であると考えられる。
また、アミノ基を有するシランカプリング剤は加水分解縮合により、プライマー層5中でシロキサン結合を形成することが優れた密着性の発現に寄与すると同時に、耐湿性の向上とガスバリア性低下抑制にも寄与している。
アミノ基を有するシランカプリング剤としては特に限定されないが、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、などを挙げることができる。
硬化性樹脂組成物としては、特に限定はされないが、各種の紫外線硬化型樹脂組成物や熱硬化性樹脂組成物を使用することができる。紫外線硬化型樹脂組成物としては、(重合性多官能)モノマー・オリゴマーと、光重合開始剤と、フィラー、顔料、紫外線吸収剤などの添加剤と、を含んでいるのが通常である。熱硬化性樹脂組成物としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、などの熱硬化性樹脂と、それらに対応した硬化剤と、添加剤・希釈剤など、を混合して作製した熱硬化性樹脂配合物を指す。この熱硬化性樹脂配合物を加熱し、重合や架橋飯能を起こさせて三次元構造を形成する事によって硬化させることができる。
(マット層)
マット層2は、1以上の光学的機能や帯電防止機能を発揮させるために、基材3のガスバリア層4とは反対側の表面に設けられている。ここで、光学的機能としては、特に限定されるものではないが、干渉縞(モアレ)防止機能、反射防止機能、拡散機能等が挙げられる。これらの中でも、マット層2は、光学的機能として少なくとも干渉縞防止機能を有することが好ましい。本実施形態では、マット層2が少なくとも干渉縞防止機能を有するものである場合について説明する。
マット層2は、バインダー樹脂と、微粒子とを含んで構成されていてもよい。そして、マット層2の表面から微粒子の一部が露出するように微粒子がバインダー樹脂に埋め込まれることにより、マット層2の表面には微細な凹凸が生じていてもよい。このようなマット層2を基材3のガスバリア層4とは反対側の表面に設けることにより、ニュートンリング等の干渉縞の発生をより十分に防止することができ、蛍光体層8に積層されたときに高効率且つ高精細、長寿命の波長変換シート9を得ることが可能となる。
バインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、光学的透明性に優れた樹脂を用いることができる。より具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。また、有機樹脂以外に、シリカバインダーを用いることもできる。これらの中でも、材料の幅広さからアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂を用いることが望ましく、耐光性や光学特性に優れることからアクリル系樹脂を使用することがより望ましい。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子の他、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂などの有機微粒子を用いることができる。これらの中でも、微粒子としては、シリカ、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等からなる屈折率1.40〜1.55の微粒子を用いることが、透過率の上で好ましい。屈折率が低い微粒子は高価であり、一方、屈折率が高すぎる微粒子は透過率を損ねる傾向がある。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
微粒子の平均粒径は、0.1〜30μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。微粒子の平均粒径が0.1μm以上であると、優れた干渉縞防止機能が得られる傾向があり、30μm以下であると、透明性がより向上する傾向がある。
マット層2における微粒子の含有量は、マット層2全量を基準として0.5〜30質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。微粒子の含有量が0.5質量%以上であると、光拡散機能と干渉縞の発生を防止する効果がより向上する傾向があり、30質量%以下であると、輝度を低減させることがない。
マット層2は、上述したバインダー樹脂及び微粒子を含む塗布液を基材3のガスバリア層4とは反対側の表面上に塗布し、乾燥硬化させることで形成することができる。塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、及びダイコーター等による塗布方法が挙げられる。
マット層2の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.3〜10μmであることがより好ましい。マット層2の厚さが0.1μm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、光学的機能を十分に得やすくなる傾向がある。一方、マット層2の厚さが20μm以下であることにより、マット層2に微粒子を用いた場合、マット層2の表面へ微粒子が露出して、凹凸付与効果が得られやすくなる傾向がある。
以上説明した構成を有する、本発明の製造方法により形成された蛍光体保護フィルムは、酸素や水蒸気の透過に関するバリア性が必要とされる用途に用いることができ、例えば、液晶用バックライトに用いる発光体を含有した波長変換シート、特に量子ドット発光体を含有した波長変換シートのガスバリア性フィルムに適用することができる。
(実施例1)
ガスバリア性フィルムを以下のようにして作製した。
まず、基材としてのPETフィルムの片面に、無機薄膜層として酸化珪素を真空蒸着法により設け、更に、無機薄膜層上にガスバリア性被覆層を形成した。このガスバリア性被覆層は、テトラエトキシシランとポリビニルアルコールとを質量比1:1で混合した塗液をウェットコーティング法により塗工した後、180℃で1分間加熱乾燥することによって形成した。これにより、基材の一方の面上に無機薄膜層及びガスバリア性被覆層が設けられたガスバリア性フィルムを得た。なお、このガスバリア性フィルムの厚さは23.5μmであり、基材の厚さは23μmであり、無機薄膜層の厚さは30nmであり、ガスバリア性被覆層の厚さは0.5μmである。
次に、上記基材の反対側の表面上に、アクリル系ポリオール樹脂(DIC社製、商品名:アクリディックA−814)100質量部、イソシアネート系硬化剤(DIC社製、商品名:バーノックDN−980、ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物)8.5質量部、微粒子(ポリウレタン、平均粒径2μm)10質量部、溶剤(酢酸エチル)70質量部からなるマット層形成用組成物を塗布し、80℃で1分間加熱乾燥させて硬化させ、厚さ3μmのマット層を形成した。これにより、マット層がさらに積層されたガスバリア性フィルムを得た。
次に、上記ガスバリア性フィルムのガスバリア性被覆層に、コロナ放電によりプラズマ処理を行った。放電密度を19Wmin/m〜111Wmin/mまで、表1に示す様に6条件設定した試料2〜6と、比較のためプラズマ処理を行わない試料1を作成した。
次に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(アミン系シランカップリング剤信越化学工業株式会社製、商品名:KBE−903)100質量部とジルコニウムテトラアセチルアセテート(マトモトファインケミカル社製商品名:オルガチックスZC−700)100質量部と酢酸エチル2200質量部とを混合して固形分5質量%のプライマー組成物を調整した。得られたプライマー組成物を、ワイヤーバー#2を用いてガスバリア性被覆層上に塗布し、120℃で1分間乾燥させて硬化させ厚み100nmのプライマー層を形成した。
次に、プライマー層の表面に、光硬化性樹脂アロニックスD800(東亜合成製)を500μm厚みで塗布し、さらに蛍光体層の代わりにPETフィルムを重ね貼り合わせる。次に、ハロゲンランプ光源装置:TECHNOLIGHT KTX−100R((株)ケンコー・トキナー製)を用い、樹脂を硬化させた。硬化処理は60万Luxで3分間とした。
(評価)
樹脂硬化後、貼り合わせたフィルムを15mm幅の短冊に切り出し、引っ張り試験機を用いて90度剥離試験を実施し密着力を評価した。
引っ張り試験は100mm/minで実施し、2N/m以上(材料破壊を含む)を合格とした。結果を表1にまとめる。
Figure 2021013907
バリア層表面へのコロナ放電処理により、濡れ指数(表面張力)を62dyn/cm以上とすることで、バリア層−易接着層間の密着力が合格レベルまで向上することを確認した。
1・・・蛍光体保護フィルム
2・・・マット層
3・・・基材
4・・・ガスバリア層
4a・・・アンカーコート層
4b・・・無機薄膜層
4c・・・ガスバリア性被覆層
5・・・プライマー層
6・・・ガスバリア性フィルム
7・・・プラズマ処理
8・・・蛍光体層
9・・・波長変換シート

Claims (4)

  1. ガスバリア性フィルムの一方の面にプライマー層を備えた蛍光体保護フィルムの製造方法であって、
    ガスバリア性フィルムのプライマー層を形成する面にプラズマ処理を施し、濡れ指数を62dyn/cm以上とする工程と、
    プライマー層を塗布形成する工程と、を備えた蛍光体保護フィルムの製造方法。
  2. 前記ガスバリア性フィルムは、前記一方の面にガスバリア層を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体保護フィルムの製造方法。
  3. 前記ガスバリア層は、無機酸化物層と、ガスバリア性被覆層とを含み、ガスバリア性被覆層表面に前記プラズマ処理を施すことを特徴とする請求項2記載の蛍光体保護フィルムの製造方法。
  4. 前記ガスバリア性フィルムは、前記他方の面の最表面にマット層を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蛍光体保護フィルムの製造方法。
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