JP2021011939A - 流体制御弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体洩れ量の抑制が図れる流体制御弁装置を提供する。【解決手段】2次空気制御弁1は、電磁力によってポペットバルブ4を吸引して軸方向に変位させる電磁弁である。2次空気制御弁1は、コイルスプリング7とバルブ軸部5bと閉弁時に弁座に接触する弁体5とを備える。2次空気制御弁1は、弁体5を支持し、弁体5とともに軸方向に変位するバルブ頭部5aおよびシャフト部6を備える。2次空気制御弁1は、バルブ頭部5aとシャフト部6とを連結する弾性変形可能な自在継手部9を備える。自在継手部9は、弾性変形することによって弁座に対して弁体5を傾いた姿勢にする。【選択図】図2
Description
この明細書における開示は、流体通路を流れる流体の流れを制御する流体制御弁装置に関する。
特許文献1には、流体制御弁が開示されている。この流体制御弁は、ガソリンエンジンの始動時に、2次空気流路管内に発生する2次空気を、排気ガス浄化装置としての三元触媒コンバータに導いて三元触媒の暖機を促進させる2次空気供給システムに設けられている。
特許文献1の装置では、エンジンの排ガスが逆流することによる排気圧が流体制御弁に作用した場合に、排ガスに含まれる異物が弁体やバルブシートに付着することがある。この状態で弁体が閉弁すると、噛みこまれた異物によって弁体がバルブシートに対して傾いて流体洩れ量が大きくなる。
この明細書における開示の目的は、流体洩れ量の抑制が図れる流体制御弁装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された流体制御弁装置のひとつは、流体が流下する流体通過口(55)が形成された弁座(3)を内部に有するハウジング(2)と、弁座に接触して閉弁し弁座から離間して開弁することにより流体通過口を開閉可能な弁体(5)と、弁体を支持し、弁体とともに軸方向に変位する弁体支持部(5b,6)と、弁体支持部に設けられた弾性変形可能な部分であり、弾性変形して弁座に対して弁体を傾いた姿勢にする自在継手部(9;109;209;309)と、を備える。
この流体制御弁装置によれば、自在継手部が弾性変形することによって弁座に対して弁体を傾いた姿勢にできる機能を有する。異物等を噛み込んだ状態で閉弁動作が行われた場合に、弁体が弁座を押す力が大きくなるにつれて自在継手部が弾性変形するようになる。この弾性変形によって弁体が傾くため、弾性変形前に弁座から浮いていた弁体の部分が弁座に接触するようになり、弁体と弁座の接触面積が増加する。このように閉弁動作が進行することによれば、流体洩れ量の抑制が図れる流体制御弁装置を提供できる。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る流体制御弁装置について図1〜図3を参照しながら説明する。2次空気制御弁1は、明細書に開示の目的を達成可能な、流体の流量を制御する流体制御弁装置の一例である。2次空気制御弁1は、ガソリンエンジン等の内燃機関の始動時に、2次空気流路管11,12内に発生する2次空気について、流下流量を制御する流体制御弁装置である。2次空気制御弁1は、2次空気供給システムに組み込まれている。2次空気供給システムは、流量が制御される2次空気を、排気ガス浄化装置としての三元触媒コンバータ13に導いて三元触媒の暖機を促進させる。2次空気供給システムは、例えば、自動車等のエンジンルームに搭載されている。電動エアポンプ14と2次空気制御弁1とは、気密性を確保するように2次空気流路管11を介して接続されている。2次空気制御弁1とエンジン排気管16とは、気密性を確保するように2次空気流路管12を介して接続されている。
第1実施形態に係る流体制御弁装置について図1〜図3を参照しながら説明する。2次空気制御弁1は、明細書に開示の目的を達成可能な、流体の流量を制御する流体制御弁装置の一例である。2次空気制御弁1は、ガソリンエンジン等の内燃機関の始動時に、2次空気流路管11,12内に発生する2次空気について、流下流量を制御する流体制御弁装置である。2次空気制御弁1は、2次空気供給システムに組み込まれている。2次空気供給システムは、流量が制御される2次空気を、排気ガス浄化装置としての三元触媒コンバータ13に導いて三元触媒の暖機を促進させる。2次空気供給システムは、例えば、自動車等のエンジンルームに搭載されている。電動エアポンプ14と2次空気制御弁1とは、気密性を確保するように2次空気流路管11を介して接続されている。2次空気制御弁1とエンジン排気管16とは、気密性を確保するように2次空気流路管12を介して接続されている。
三元触媒コンバータ13は、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の3つの物質を一括して化学反応により、無害な成分に変化させる。これらの物質は、エンジン10の各気筒の燃焼室から排出される排気ガス中の有害成分とされている。三元触媒コンバータ13は、特に酸化作用によって炭化水素を無害な水に変化させる内燃機関の排気ガス浄化装置である。
エンジン10は、吸入空気と燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得る熱エネルギーにより出力を得る。エンジン10は、各気筒の燃焼室内に吸入空気を供給するためのエンジン吸気管15と、エンジン排気管16とを有する。エンジン排気管16は、各気筒の燃焼室から流出した排気ガスを三元触媒コンバータ13を経由して外部に排出する配管である。エンジン10は、シリンダボア内でピストン17を摺動自在に支持するシリンダブロックと、吸気ポートおよび排気ポートが形成されたシリンダヘッドとを備える。
エンジン10の吸気ポートおよび排気ポートは、吸気バルブ18および排気バルブ19によって開閉される。エンジン10のシリンダヘッドには、先端部が燃焼室に露出するようにスパークプラグ20が取り付けられている。吸気ポートの壁面または吸気バルブ18の背壁面には、燃料を噴射する電磁式の燃料噴射弁21が取り付けられている。
エンジン吸気管15の内部には、吸気ポートを介してエンジン10の燃焼室に連通する吸気通路が形成されている。この吸気通路には、エンジン10の燃焼室内に吸入される吸入空気が流れる。エンジン吸気管15の内部には、吸入空気を濾過するエアクリーナ22と、スロットルバルブ24とが収容されている。スロットルバルブ24は、アクセルペダル23の踏み込み量、すなわちアクセル開度に対応して開閉動作を行う。
エンジン排気管16の内部には、排気ポートを介してエンジン10の燃焼室に連通する排気通路が形成されている。この排気通路には、エンジン10の燃焼室から流出して三元触媒コンバータ13に向かう排気ガスが流れる。エンジン排気管16には、排気ガス中の酸素濃度である、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ25、触媒温度センサ26、および排気温度センサ等が設置されている。触媒温度センサ26は三元触媒の温度を検出し、排気温度センサは排気ガス温度を検出する。
2次空気供給システムは、2次空気制御弁1、2次空気流路管11,12、電動エアポンプ14等によって構成されている。2次空気流路管11や2次空気流路管12の内部には、エンジン排気管16内の排気通路に連通する2次空気通路が形成されており、この2次空気通路を2次空気が流れる。
電動エアポンプ14は、2次空気流路管11の上流端に気密的に接続されている。電動エアポンプ14は、電動モータと、電動モータによって回転駆動されるポンプインペラと、ポンプインペラ側への異物の侵入を防止するエアフィルタとを有する。電動エアポンプ14は、電動モータを収容するモータハウジング31と、ポンプインペラを回転自在に収容するポンプハウジング32と、フィルタケース34とを有する。フィルタケース34は、エアダクト33を介してポンプハウジング32に気密的に結合されている。
2次空気制御弁1は、2次空気流路管11と2次空気流路管12の間に気密性を確保するように接続されている。2次空気制御弁1には、2次空気の圧力を検出する圧力センサ27等が設置されている。2次空気制御弁1は、電磁式の通路開閉弁を構成するエアスイッチングバルブと逆止弁とを一体化した電磁式の流体制御弁である。エアスイッチングバルブは、以下、ASVとも称する。電磁式の流体制御弁は、コンビバルブモジュールとも称する。ASVは、ハウジング2の内部に形成される2次空気通路を開閉する装置である。逆止弁は、2次空気流路管12とエンジン排気管16の合流部から、排気ガス等の流体がASV側および電動エアポンプ側のシステム内部に逆流する不具合を防止する。
逆止弁は、ハウジング2よりも2次空気流れの下流側に結合されたハウジング41と、ハウジング41に保持された金属プレート42とを備える。逆止弁は、薄板状のリードバルブ44とリードストッパ45とを備える。リードバルブ44は、金属プレート42に形成された複数個の空気通過口43を開閉する。リードストッパ45は、リードバルブ44の開き具合または最大開度を規制する部材である。
ハウジング41は、2次空気流路管12の上流端に気密性を確保するように接続されている。リードバルブ44の開弁時に、複数の空気通過口43からハウジング41内の流体導出通路46に流入した2次空気は出力ポート47より2次空気流路管12内に流出する。リードバルブ44は、電動エアポンプ14から吐出される2次空気の圧力によって開弁する逆止弁を構成する。
ASVは、ハウジング2に設けられたバルブシート3と、バルブシート3に対して接近、離間して弁座の中心軸線に沿うように往復直線運動を行うポペットバルブ4とを備える。ASVは、ソレノイド部が発生する電磁力によってポペットバルブ4を吸引して軸方向に変位させる電磁弁である。ポペットバルブ4は、コイルスプリング7と、バルブ軸部5bと、閉弁時に弁座に接触する弁体5とを備える。弁体5は、バルブ軸部5bの端部に一体に設けられたバルブ頭部5aとシール部5cとを備える。バルブ軸部5bは、空気通過口55をその軸方向に貫通するように設けられている。バルブ頭部5aは、上流側または上方に位置する背面部が弁座よりも下流側または下方に位置するように設けられている。弁体5は、下流側または下方から、弁座に着座するように設けられている。
コイルスプリング7は、バルブ頭部5aおよびバルブ軸部5bを閉弁作動方向に付勢する弾性部材である。シール部5cは、バルブ頭部5aの周囲を取り囲むように焼き付け等の手段を用いて取り付けられたシールゴムである。シール部5cは、弁体5の閉弁状態において弁座に接触して空気通過口55を閉じる。シール部5cは、弁体5の開弁状態において弁座から離間して空気通過口55を開放する。
バルブ軸部5bは、自在継手部9を介してシャフト部6に結合している。シャフト部6は硬質材で形成されており、例えば金属である。バルブ軸部5bは、シャフト部6に対して同軸となるように設置されている。バルブ軸部5bは硬質材で形成されており、例えば金属である。シャフト部6は、可動コア67に結合されており、可動コア67と一体に軸方向に変位する。バルブ軸部5bは、弁体側に位置する第1軸部である。シャフト部6は、第1軸部よりもソレノイド部側に位置する第2軸部である。
バルブ軸部5bとシャフト部6は、弁体5を支持し、弁体5とともに軸方向に変位する弁体支持部に含まれる。自在継手部9は、弁体支持部に設けられた弾性変形可能な部分である。弁体支持部は、軸方向に変位することにより、弁座に対して弁体5を開閉する。自在継手部9は、バルブ軸部5bとシャフト部6とを連結する弾性変形可能な部材である。自在継手部9は、シャフト部6の軸心に対してバルブ軸部5bの軸心が傾いた状態になったときにこの傾き状態に追随して弾性変形する材質によって形成されている。
自在継手部9は外力が作用していない状態において柱状体をなしている。自在継手部9は、バルブ軸部5bやシャフト部6よりも、軸方向に直交する径方向に大きい体格を有している。自在継手部9は、それ自体が軸方向および径方向に伸縮可能な部材である。バルブ軸部5bとシャフト部6は、自在継手部9が非変形状態であるときに比べて、自在継手部9の弾性変形によって離間したり接近したりすることができる。自在継手部9は、軸心または軸方向に対して、弓なりに曲がる撓み部でもある。
自在継手部9は、互いに接触していないバルブ軸部5bとシャフト部6とを連結する連結部である。バルブ軸部5bとシャフト部6と間には、軸方向に所定の長さを有する自在継手部9が介在している。自在継手部9は、弁体側の一端面9aにおいてバルブ軸部5bの先端面に接着されている。自在継手部9は、コイルスプリング7側の他端面9bにおいてシャフト部6の先端面に接着されている。自在継手部9の一端面9aとバルブ軸部5bの先端面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。自在継手部9の他端面9bとシャフト部6の先端面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。自在継手部9とバルブ軸部5bまたはシャフト部6とは接合部を接着剤によって一体に結合してもよいし、ねじ、かしめ金具等の結合部品を用いて一体に結合してもよい。
例えば、粉塵、粒子、凝固物などの異物が弁座や弁体5に付着した場合に、異物を噛み込んだ状態で弁体5が閉弁動作することがある。この状態では、弁体5は異物を噛み込んだ部分のみで異物を介して弁座に接触し、弁体5と弁座とが接触していない隙間から流体が洩れるという不具合が発生することになる。このような現象が起こると、流体制御弁装置は所望の流量制御機能を適正に発揮することができない。そこで、ASVは、弁座の中心軸に対してバルブ軸部5bの軸心を傾けることが可能な自在継手部9を有する構成により、この現象を抑制することに寄与する。
自在継手部9は、例えば、弾性変形可能な樹脂、シリコーンゴム等のエラストマで形成されている。自在継手部9は、フッ素を含み、金属酸化物を含まないゴムによって形成されていることが好ましい。自在継手部9は、例えば金属酸化物を含まないフロロシリコンゴムによって形成されていることが好ましい。フロロシリコンゴムは、200℃の環境下において劣化しない耐熱性を有するため、好ましい特性を有する自在継手部9を提供できる。
自在継手部9は、150℃の環境下において硬化および溶融しないような耐熱性を有する材質によって形成されていることが好ましい。
シャフト部6における中間部の外周には、シャフト部6における摺動部への粉塵の侵入を防止するための円環状のシールラバー63が装着されている。さらにシールラバー63におけるコイルスプリング7側には、プレートプレッシャ64が設置されている。プレートプレッシャ64は、ポペットバルブ4の最大リフト量を規制するストッパとして機能する。
2次空気供給システムは、電子式制御装置(ECU)であるエンジン制御ユニットを備える。エンジン制御ユニットは、エンジン10の運転状態に基づいて2次空気制御弁1の動力源であるアクチュエータと電動エアポンプ14の動力源である電動モータとを制御する。ECUは、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラム、データを保存する記憶装置、入力回路、出力回路、電磁弁駆動回路およびポンプ駆動回路等を有する。ECUは、イグニッションスイッチがオンされると、制御プログラムに基づいて2次空気制御弁1のアクチュエータに供給する駆動電力を調整してASVの開閉動作を制御する。ECUは、電動エアポンプ14の電動モータに供給する供給電力を調整して電動エアポンプ14の回転動作、例えば回転速度を制御する。
ECUは、エンジン始動時に、排気温度センサによって排気ガス温度を検出する。ECUは、排気ガス温度が所定値以下であるとき、ポペットバルブ4を開弁駆動するように、2次空気制御弁1のアクチュエータに駆動電力を供給する。このとき、電動エアポンプ14の電動モータにも電力が供給されるため、2次空気流路管11,12の内部に2次空気流が発生する。ECUは、電動エアポンプ14の異常故障を診断する故障診断機能を備える。ECUは、圧力センサ27によって検出した2次空気流路管11,12の2次空気圧力が所定の圧力範囲から外れている場合に異常であると判定する。ECUは、2次空気制御弁1のアクチュエータへの供給電力および電動エアポンプ14の電動モータを制限または遮断する。
ASVのハウジング2、ハウジング41は、金属材料、例えば、アルミニウムダイカスト等により製造される。ハウジング2には、円筒状の筒壁部51が形成されている。筒壁部51の内側には、ポペットバルブ4が通路を開閉自在に収容、保持されている。筒壁部51には、ポペットバルブ4の軸方向に対して半径方向に延びる入力パイプ52が一体に設けられている。
この実施形態では、入力パイプ52内の入力ポート53から流体導入通路54を経由して、弁座の内側に位置する空気通過口55に2次空気が流下する。ハウジング2の出口部には、空気通過口55と逆止弁の空気通過口43とを連通させる連通路56が形成されている。ハウジング2の出口部に位置する開口端縁部には、ハウジング41と結合する結合部57が形成されている。この実施形態では、空気通過口55、流体導入通路54および連通路56によって、ASVの内部に形成される2次空気通路が構成されている。
筒壁部51の内周部には、ハウジング2の内部を流体導入通路54と連通路56とに区画する円環状の隔壁部58が設けられている。図2に示すように、少なくとも隔壁部58には、弁体5が着座することが可能な円環状の弁座と通路壁とが一体に設けられている。バルブシート3には、流体が流下する流体通過口として、2次空気が通過する円形状の空気通過口55が形成されている。
ASVは、ポペットバルブ4を開弁方向に駆動するバルブ駆動装置であるアクチュエータを備えている。このアクチュエータは、筒壁部51と、通電によって磁力を発生するコイル8を含む電磁石と、この電磁石に吸引される可動コア67とを備えている。電磁石は、ソレノイド部でもあり、コイル8、ステータコア65およびヨーク66を有する。ステータコア65およびヨーク66は、コイル8に駆動電力が供給されることにより磁化されて電磁石となる。ステータコア65は、可動コア67を吸引するための吸引部を有する。
可動コア67は、バルブ軸部5bの上部に位置する径小部の外周に圧入固定されている。コイル8に駆動電力が供給されると、可動コア67は磁化されてポペットバルブ4を伴ってストローク方向である軸方向の下方に移動する。この実施形態におけるASVは、コイル8とともに磁気回路を形成する複数の磁性体としてステータコア65、ヨーク66および可動コア67を有する。コイル8およびステータコア65、ヨーク66および可動コア67は、弁体支持部を駆動する電磁力を発生するソレノイド部に含まれる。コイル8とともに磁気回路を形成する複数の磁性体として、ヨーク66を廃止しステータコア65および可動コア67のみを有するように構成してもよい。ステータコア65は、2個以上に分割された構成であってもよい。
コイルスプリング7は、プレートプレッシャ64と可動コア67との間に収容されて保持されている。コイルスプリング7は、可動コア67に対して、可動コア67をデフォルト位置に戻す方向に付勢力であるスプリング荷重を発生する。コイルスプリング7は、ポペットバルブ4および可動コア67に対して、シャフト部6を弁座から離れる方向に付勢する付勢力を発生する荷重付与手段として機能する。
コイル8は、樹脂製のコイルボビン69の外周に、絶縁被膜を施した導線が複数回巻装されている。コイル8は、駆動電力が供給されると磁気吸引力を発生する励磁コイルであり、通電されると周囲に磁束を発生する。この磁束の発生により、可動コア67、ステータコア65およびヨーク66が磁化されるため、可動コア67がステータコア65に吸引されてストローク方向に移動する。コイル8およびコイルボビン69は、筒壁部51またはヨーク66の内周とステータコア65の円筒状部の外周との間に形成される円筒状空間に保持されている。
コイル8は、コイルボビン69の一対の鍔状部間に巻装されたコイル部、およびコイル部より取り出された一対の端末リード線を有する。コイル部の外周側は、樹脂ケースとして機能する樹脂モールド部材によって被覆されて保護されている。コイル8の一対の端末リード線は、一対の外部接続端子であるターミナル70に、例えば、かしめ、溶接等により電気的に接続されている。一対のターミナル70の先端部は、樹脂製のコネクタハウジング71のコネクタ72内に露出している。ターミナル70は、外部電源側または電磁弁駆動回路側のコネクタに差し込まれて、電気的な接続をなすコネクタピンとして機能する。
バルブシート3は、弁体5が開閉する弁座を含み、ハウジング2と同一の材料によって形成されている。バルブシート3は、空気通過口55の開口周縁部に設けられた弁座と、弁座の周囲から2次空気流れの下流側に延びる通路壁とを備えている。
ポペットバルブ4は、バルブ頭部5aが弁座から下流側へ最も離間しているバルブ全開時に、逆止弁と弁座との間に形成される空間でバルブ頭部5aが保持されている。ポペットバルブ4は、開弁動作時に、ポペットバルブ4の軸心に沿った下流側、すなわち逆止弁側に移動する。ポペットバルブ4がバルブ軸部5bの軸方向に沿って往復運動することにより、バルブ頭部5aおよび弁体5は弁座に対して軸方向に変位する。ASVは、ポペットバルブ4が開弁側に最も移動すると、バルブ頭部5aおよび弁体5が弁座から離間して、空気通過口55を開放するバルブ全開位置に設定される。ASVは、ポペットバルブ4が閉弁方向に移動すると、弁体5が弁座に着座して空気通過口55を閉鎖するバルブ全閉位置に設定される。
第1実施形態の流体制御弁装置がもたらす作用効果について説明する。流体制御弁装置は、弁座に接触して閉弁し弁座から離間して開弁することにより空気通過口55を開閉可能な弁体5と、弁体5を支持し、弁体5とともに軸方向に変位する弁体支持部とを備える。流体制御弁装置は、弁体支持部に設けられた弾性変形可能な部分であり、弾性変形して弁座に対して弁体5を傾いた姿勢にする自在継手部9を備える。
流体制御弁装置によれば、自在継手部9が弾性変形することによって弁座に対して弁体5を傾いた姿勢にできる。異物等を噛み込んだ状態で閉弁動作が行われた場合に、弁体5が弁座を押す力が大きくなるにつれて自在継手部9が弾性変形するようになる。この弾性変形によって弁体5が傾くため、弾性変形前に弁座から浮いていた弁体5の部分が弁座に接触するようになり、弁体5と弁座の接触面積が増加する。このように閉弁動作が進行することによって、流体制御弁装置は流体洩れ量を抑制できる。
流体制御弁装置は、弁体支持部を駆動する電磁力を発生するソレノイド部を備える。弁体支持部は、弁体5側に位置する第1軸部と、第1軸部よりもソレノイド部側に位置する第2軸部とを含む。自在継手部9は、第1軸部と第2軸部の間に介在して、互いに非接触である第1軸部と第2軸部とを連結する連結部である。この構成によれば、自在継手部9が弾性変形すると、弁体5側の第1軸部の軸心を第2軸部の軸心に対して傾かせることができる。この傾きにより、弾性変形前に弁座から浮いていた弁体5の部分を弁座に接触させることができ、弁体が異物等を噛み込んだ状態であっても流体洩れ量を抑制できる。
自在継手部9はフッ素を含み、金属酸化物を含まないゴムによって形成されている。これによれば、200℃の環境下でも弾性変形可能な自在継手部9を備えるため、高温環境下で使用可能な流体制御弁装置を提供できる。例えば、自動車等のエンジンルームに搭載されている2次空気供給システムにおいて好適な流体制御弁装置を提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の自在継手部9の他の形態である自在継手部109について図4を参照して説明する。図4において、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の自在継手部9の他の形態である自在継手部109について図4を参照して説明する。図4において、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図4は、自在継手部109と弁体支持部との結合状態を示している。自在継手部109は、弁体支持部と結合する部位およびこれに係る構成が第1実施形態に対して相違する。
自在継手部109は、バルブ軸部5bとシャフト部6との間に介在する介在部91と、介在部91よりも外周側に介在部91と一体に設けられた外周包囲部92とを有する。自在継手部109は、第1実施形態に記載した自在継手部9と同様の材質によって形成されている。
介在部91は、バルブ軸部5bとシャフト部6に挟まれた盤状部である。バルブ軸部5bにおける先端部と介在部91における弁体側の端面91aとは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。シャフト部6における先端部と介在部91におけるソレノイド部側の端面91aとは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。
外周包囲部92は、介在部91を取り囲むように介在部91に一体に設けられた筒状部である。外周包囲部92は、介在部91よりも長い軸方向長さを有する。外周包囲部92は、弁体側とソレノイド部側との両方について介在部91よりも軸方向に突出する形状である。この形状により、自在継手部109は、弁体側とソレノイド部側との両方に軸方向に凹む凹部93を備えている。凹部93は、底面である端面91aと、端面91aを囲む内周面とを含んで形成されている。
バルブ軸部5bにおける先端部側の外周面と外周包囲部92における弁体側の内周面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。シャフト部6における先端部側の外周面と外周包囲部92におけるソレノイド部側の内周面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。
第2実施形態の流体制御弁装置は、弁体支持部に設けられた弾性変形可能な部分であり、弾性変形して弁座に対して弁体5を傾いた姿勢にする自在継手部109を備える。自在継手部109は、第1軸部における先端部と第2軸部における先端部とに接触して支持する介在部91と、第1軸部における外周部と第2軸部における外周部とに接触して支持する外周包囲部92とを含む。
この自在継手部109によれば、第1軸部および第2軸部を、介在部91によって軸方向に支持でき、さらに外周包囲部92によって径方向に支持できる。この支持構造により、弾性変形状態において弁体支持部の脱落防止機能を高めた自在継手部109を備えた流体制御弁装置を提供できる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態の自在継手部9の他の形態である自在継手部209について図5を参照して説明する。図5において、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第3実施形態では、第1実施形態の自在継手部9の他の形態である自在継手部209について図5を参照して説明する。図5において、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図5は、自在継手部209と弁体支持部との結合状態を示している。自在継手部209は、弁体支持部と結合する部位およびこれに係る構成が第1実施形態に対して相違する。
自在継手部209は、バルブ軸部5bとシャフト部6との間に介在する介在部291と、介在部291よりも外周側に介在部291と一体である外周包囲部292とを有する。自在継手部209は、第1実施形態に記載した自在継手部9と同様の材質によって形成されている。
介在部291は、バルブ軸部5bとシャフト部6に挟まれた盤状部である。バルブ軸部5bにおける先端部と介在部291における弁体側の端面291aとは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。シャフト部6における先端部と介在部291におけるソレノイド部側の端面291aとは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。
外周包囲部292は、介在部291を取り囲むように介在部291に一体に設けられた筒状部である。外周包囲部292は、介在部291よりも長い軸方向長さを有する。外周包囲部292は、弁体側とソレノイド部側との両方について介在部291よりも軸方向に突出する形状である。この形状により、自在継手部209は、弁体側とソレノイド部側との両方に軸方向に凹む凹部を備えている。端面291aは凹部の底面である。
バルブ軸部5bにおける先端部側の外周面と外周包囲部292における弁体側の内周面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。シャフト部6における先端部側の外周面と外周包囲部292におけるソレノイド部側の内周面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。
バルブ軸部5bは、軸方向に隣接する他の部位である小径軸部5b1よりも径外側に突出して外径が大きく形成された第1大径部5b2を有する。第1大径部5b2は、バルブ軸部5bの先端部に位置している盤状部である。したがって、バルブ軸部5bの先端部は、弁体側の部位よりも径外側に突出して外径が大きい部分である。第1大径部5b2は、バルブ軸部5bの先端部において全周にわたって設けられている。
シャフト部6は、軸方向に隣接する他の部位である小径軸部61よりも径外側に突出して外径が大きく形成された第2大径部62を有する。第2大径部62は、シャフト部6の先端部に位置している盤状部である。したがって、シャフト部6の先端部は、ソレノイド部側の部位よりも外径が大きい部分である。第2大径部62は、シャフト部6の先端部において全周にわたって設けられている。
外周包囲部292には、第1軸部の第1大径部5b2と第2軸部の第2大径部62とが嵌る凹部292aが設けられている。凹部292aは、径外側に凹んで、第1大径部5b2や第2大径部62が嵌り合う形状に形成されている。凹部292aは、外周包囲部292において全周にわたって設けられて、環状溝部を形成している。外周包囲部292には、弁体側とソレノイド部側において、径内側に突出する環状部293が設けられている。弁体側の環状部293は、その内周面が小径軸部5b1に接触して小径軸部5b1を径方向に支持している。ソレノイド部側の環状部293は、その内周面が小径軸部61に接触して小径軸部61を径方向に支持している。
第3実施形態の流体制御弁装置は、弁体支持部に設けられた弾性変形可能な部分であり、弾性変形して弁座に対して弁体5を傾いた姿勢にする自在継手部209を備える。自在継手部209は、第1軸部における先端部と第2軸部における先端部とに接触して支持する介在部291と、第1軸部における外周部と第2軸部における外周部とに接触して支持する外周包囲部292とを含む。
この自在継手部209によれば、第1軸部および第2軸部を、介在部291によって軸方向に支持でき、さらに外周包囲部292によって径方向に支持できる。この支持構造により、弾性変形状態において弁体支持部の脱落防止機能を高めた自在継手部209を備えた流体制御弁装置を提供できる。
外周包囲部292には、径外側に凹んで、第1軸部の第1大径部5b2と第2軸部の第2大径部62とが嵌る凹部292aが設けられている。この自在継手部209によれば、第1大径部5b2と凹部292aとの嵌合により、軸方向について第1軸部の脱落防止機能を強化できる。さらに第2大径部62と凹部292aとの嵌合により、軸方向について第2軸部の脱落防止機能を強化できる。この支持構造により、弾性変形状態において弁体支持部の脱落防止機能を一層高めた自在継手部209を提供できる。
(第4実施形態)
第4実施形態の流体制御弁装置について図6を参照して説明する。図6において、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第4実施形態の流体制御弁装置について図6を参照して説明する。図6において、第1実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図6は、自在継手部9に接触して自在継手部9を径方向に支持するガイド部651を示している。第4実施形態の流体制御弁装置は、第1実施形態に対して、ガイド部651を有する点が相違する。
ガイド部651は、ステータコア65において開口部を形成している。ガイド部651は、内周面651aが自在継手部9の外周部である側面9cに接触するように設けられている。ガイド部651の内周面651aは、弾性変形していない状態の自在継手部9の外径寸法よりも若干小さい内径寸法を有している。したがって、ガイド部651の内周面651aは、自在継手部9を軸方向に変位可能に支持する状態において、自在継手部9を径内側に圧縮している。つまり、ガイド部651の内周面651aは、自在継手部9を径内側に圧縮する圧縮代が設定されるような内径寸法を有している。この構成により、ガイド部651は、自在継手部9に密着した状態で、軸方向に変位可能な自在継手部9を径方向に支持している。
第4実施形態の流体制御弁装置は、自在継手部9における側面9cに接触して、自在継手部9を軸方向に変位可能に支持するガイド部651を備える。ガイド部651によれば、自在継手部9を径方向に支持して、自在継手部9が径方向に過剰に変位しないように規制することができる。この効果により、弁体が弁座に対して径方向に大きく位置ずれしない流体制御弁装置を提供できる。
ガイド部651は、自在継手部9を圧縮して弾性変形させた状態で自在継手部9における側面9cに接触している。この構成によれば、ガイド部651は自在継手部9に密着した状態で自在継手部9を軸方向に変位可能に支持する。これによれば、凝縮水などの水分がガイド部651と自在継手部9との間を通過してソレノイド部側に侵入することを抑えることができる。したがって、第4実施形態の流体制御弁装置によれば、水分の侵入によるソレノイド部の不具合を抑制できる。
ガイド部651は、ステータコア65の一部である。これによれば、自在継手部9を径方向に支持するステータコア65を提供できるので、ガイド部651を装備するための部品点数を抑えることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態の流体制御弁装置について図7および図8を参照して説明する。図7、図8において、前述の実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態および第4実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
第5実施形態の流体制御弁装置について図7および図8を参照して説明する。図7、図8において、前述の実施形態と同様の構成は同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏する。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態および第4実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図7は、閉弁状態における自在継手部309およびガイド部651を示している。図8は、開弁状態における自在継手部309およびガイド部651を示している。自在継手部309は、第1実施形態に記載した自在継手部9と同様の材質によって形成されている。
第5実施形態の自在継手部309は、第4実施形態と同様に、自在継手部309に接触するガイド部651によって径方向に支持されている。自在継手部309は、互いに接触していないバルブ軸部5bとシャフト部6とを連結する連結部である。バルブ軸部5bとシャフト部6と間には、軸方向に所定の長さを有する自在継手部309が介在している。
自在継手部309は、ガイド部651が径方向に接触する摺動部391と、摺動部391の両側に設けられた第1規制部394および第2規制部395とを備える。自在継手部309は、弁体側の一端面394aにおいてバルブ軸部5bの先端面に接着されている。自在継手部309は、コイルスプリング7側の他端面395aにおいてシャフト部6の先端面に接着されている。自在継手部309の一端面394aとバルブ軸部5bの先端面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。自在継手部309の他端面395aとシャフト部6の先端面とは、接着剤を塗布して接触した状態で熱によって焼き付け接合されている。自在継手部309とバルブ軸部5bまたはシャフト部6とは接合部を接着剤によって一体に結合してもよいし、ねじ、かしめ金具等の結合部品を用いて一体に結合してもよい。
摺動部391は、ガイド部651に圧縮されながらガイド部651に対して軸方向に摺動する部分である。ガイド部651は、内周面651aが摺動部391の外周部である側面391aに接触するように設けられている。ガイド部651の内周面651aは、弾性変形していない状態の摺動部391の外径寸法よりも若干小さい内径寸法を有している。したがって、ガイド部651の内周面651aは、摺動部391を軸方向に変位可能に支持する状態において、摺動部391を径内側に圧縮している。つまり、ガイド部651の内周面651aは、摺動部391を径内側に圧縮する圧縮代が設定されるような内径寸法を有している。この構成により、ガイド部651は、摺動部391に密着した状態で、軸方向に変位可能な自在継手部309を径方向に支持している。
第1規制部394は、摺動部391よりも弁体側において、摺動部391よりも径外側に突出して外径が大きく形成された部分である。第2規制部395は、摺動部391よりもシャフト部6側において、摺動部391よりも径外側に突出して外径が大きく形成された部分である。図7に示す閉弁状態においてガイド部651は、側面391aに接触して摺動部391を圧縮したまま第1規制部394におけるソレノイド部側の端面394bに接触する。図8に示す開弁状態においてガイド部651は、側面391aに接触して摺動部391を圧縮したまま第2規制部395における弁体側の端面395bに接触する。またガイド部651は、自在継手部309に対して、図7の閉弁状態と図8の開弁状態とにわたって第1規制部394と第2規制部395の間を軸方向に相対移動するともいえる。
第5実施形態の流体制御弁装置は、自在継手部309の側面391aに接触して、自在継手部309を軸方向に変位可能に支持するガイド部651を備える。この構成によれば、ガイド部651によって自在継手部309を径方向に支持して、自在継手部309が径方向に過剰に変位しないように規制できる。第5実施形態の流体制御弁装置は、弁体が弁座に対して径方向に大きく位置ずれしない効果を奏する。
自在継手部309は、摺動部391と、摺動部391の第1軸部側に形成された第1規制部394と、摺動部391の第2軸部側に形成された第2規制部395とを備える。開弁状態では第2規制部395がガイド部651に接触している。閉弁状態では第1規制部394がガイド部651に接触している。この構成によれば、開弁状態において弁体の移動を規制でき、閉弁状態において弁体が適正な姿勢で弁座に接触するように規制できる。また、第1規制部394は、バルブ軸部5bの傾きを吸収して、バルブ軸部5bが過剰に傾かないようにすることに寄与している。
ガイド部651は、自在継手部309を圧縮して弾性変形させた状態で自在継手部309における側面391aに接触している。この構成によれば、ガイド部651は自在継手部309に密着した状態で自在継手部309を軸方向に変位可能に支持する。これにより、凝縮水などの水分がガイド部651と自在継手部309との間を通過してソレノイド部側に侵入することを抑えることができる。第5実施形態の流体制御弁装置によれば、水分の侵入によるソレノイド部の不具合を抑制できる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書が開示する目的を達成可能な流体制御弁装置は、第4実施形態の自在継手部9を、第2実施形態や第3実施形態の自在継手部に置き換えた実施形態を含んでいる。
2…ハウジング、 3…バルブシート(弁座)、 5…弁体
5b…バルブ軸部(弁体支持部)、 6…シャフト部(弁体支持部)
8…コイル(ソレノイド部)、 9,109,209,309…自在継手部
55…空気通過口(流体通過口)、 65…ステータコア(ソレノイド部)
66…ヨーク(ソレノイド部)、 67…可動コア(ソレノイド部)
5b…バルブ軸部(弁体支持部)、 6…シャフト部(弁体支持部)
8…コイル(ソレノイド部)、 9,109,209,309…自在継手部
55…空気通過口(流体通過口)、 65…ステータコア(ソレノイド部)
66…ヨーク(ソレノイド部)、 67…可動コア(ソレノイド部)
Claims (9)
- 流体が流下する流体通過口(55)が形成された弁座(3)を内部に有するハウジング(2)と、
前記弁座に接触して閉弁し前記弁座から離間して開弁することにより前記流体通過口を開閉可能な弁体(5)と、
前記弁体を支持し、前記弁体とともに軸方向に変位する弁体支持部(5b,6)と、
前記弁体支持部に設けられた弾性変形可能な部分であり、弾性変形して前記弁座に対して前記弁体を傾いた姿勢にする自在継手部(9;109;209;309)と、
を備える流体制御弁装置。 - 前記弁体支持部を駆動する電磁力を発生するソレノイド部(8,65,66,67)を備え、
前記弁体支持部は、前記弁体側に位置する第1軸部(5b)と、前記第1軸部よりも前記ソレノイド部側に位置する第2軸部(6)とを含み、
前記自在継手部は、前記第1軸部と前記第2軸部の間に介在して、互いに非接触である前記第1軸部と前記第2軸部とを連結する連結部である請求項1に記載の流体制御弁装置。 - 前記自在継手部(109;209)は、前記第1軸部における先端部と前記第2軸部における先端部とに接触して支持する介在部(91;291)と、前記第1軸部における外周部と前記第2軸部における外周部とに接触して支持する外周包囲部(92;292)とを含む請求項2に記載の流体制御弁装置。
- 前記第1軸部は、軸方向に隣接する他の部位よりも径外側に突出して外径が大きく形成された第1大径部(5b2)を有し、前記第2軸部は、軸方向に隣接する他の部位よりも径外側に突出して外径が大きく形成された第2大径部(62)を有し、
前記外周包囲部(292)には、径外側へ凹んで、前記第1大径部と前記第2大径部とが嵌る凹部(292a)が設けられている請求項3に記載の流体制御弁装置。 - 前記自在継手部における側面(9c;391a)に接触して、前記自在継手部を軸方向に変位可能に支持するガイド部(651)を備える請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の流体制御弁装置。
- 前記自在継手部は、前記ガイド部が径方向に接触して軸方向に摺動する摺動部(391)と、前記摺動部よりも前記第1軸部側において前記摺動部よりも径外側に突出して外径が大きく形成された第1規制部(394)と、前記摺動部よりも前記第2軸部側において前記摺動部よりも径外側に突出して外径が大きく形成された第2規制部(395)と、を備え、
開弁状態では前記第2規制部が前記ガイド部に接触し、閉弁状態では前記第1規制部が前記ガイド部に接触している請求項5に記載の流体制御弁装置。 - 前記ガイド部は、前記自在継手部を圧縮して弾性変形させた状態で前記自在継手部における前記側面に接触している請求項5または請求項6に記載の流体制御弁装置。
- 前記ガイド部は、ステータコア(65)の一部である請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の流体制御弁装置。
- 前記自在継手部は、フッ素を含み、金属酸化物を含まないゴムによって形成されている請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の流体制御弁装置。
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