JP2021002572A - ダミーウェーハ及びその製造方法 - Google Patents

ダミーウェーハ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021002572A
JP2021002572A JP2019115136A JP2019115136A JP2021002572A JP 2021002572 A JP2021002572 A JP 2021002572A JP 2019115136 A JP2019115136 A JP 2019115136A JP 2019115136 A JP2019115136 A JP 2019115136A JP 2021002572 A JP2021002572 A JP 2021002572A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyetheretherketone resin
wafer
polyetheretherketone
resin film
dummy wafer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019115136A
Other languages
English (en)
Inventor
信光 須田
Nobumitsu Suda
信光 須田
潔 滝瀬
Shigeru Takise
潔 滝瀬
麻生 勉
Tsutomu Aso
勉 麻生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2019115136A priority Critical patent/JP2021002572A/ja
Publication of JP2021002572A publication Critical patent/JP2021002572A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

【課題】 ウェーハの欠けや割れを低減することができ、粘着層を省略して粘着成分がウェーハの周縁部から外部に流出するのを防止し、しかも、例え厚いタイプでも容易に得られるダミーウェーハ及びその製造方法を提供する。【解決手段】 コストの削減に資する使用済みの再生ウェーハ1と、この再生ウェーハ1に少なくとも焼付処理して被覆されるポリエーテルエーテルケトン樹脂層10とを備え、このポリエーテルエーテルケトン樹脂層10の厚さを、再生ウェーハ1の周縁部2では10μm以上とし、再生ウェーハ1の周縁部2以外の領域では20μm以上とする。再生ウェーハ1とポリエーテルエーテルケトン樹脂層10を少なくとも焼付処理により密着するので、再生ウェーハ1の機械的強度、具体的には耐衝撃性や強靭性等が向上し、ダミーウェーハの欠けや割れを有効に防止できる。【選択図】 図4

Description

本発明は、半導体集積回路や半導体メモリの製造プロセス等で使用されるダミーウェーハ及びその製造方法に関するものである。
従来、半導体製造装置の調整、処理条件の評価、汚染物質の付着防止等を図る場合には、テスト用のダミーウェーハが使用されている。このダミーウェーハは、例えば実際の半導体製造プロセスで使用されるシリコンウェーハと同一の再生ウェーハからなり、半導体メモリの製造プロセスの安定性を向上させたり、加工形状の評価に使用される(特許文献1、2参照)。使用されたダミーウェーハは、デバイスメーカから再生メーカに送られ、再生ウェーハに付着した膜や材料がケミカル処理等で除去されるとともに、表面が研磨され、その後、デバイスメーカに戻され、以下、このサイクルが、再生ウェーハが再生不能になるまで繰り返される。
ところで、ダミーウェーハは、一般的にはシリコンウェーハと同一の再生ウェーハからなるので、薄く脆く割れ易いという特徴を有する。このようなダミーウェーハを半導体製造装置の調整時等に誤って落とすと、ダミーウェーハが簡単に割れ、大小多数の鋭利な破砕片が四散して清掃等の後処理が必要となるので、ダミーウェーハの取り扱いには慎重を要するという問題がある。
係る問題を解消するため、従来においては、再生ウェーハに被覆保護層を粘着して欠けや割れを抑制可能なダミーウェーハが提案されている。この種のダミーウェーハは、図8に示すように、シリコンウェーハと同一の再生ウェーハ1と、この再生ウェーハ1の表裏両面にそれぞれ粘着される粘着層20と、この一対の粘着層20の露出面にそれぞれ粘着される被覆保護層21とを積層構造に備えて形成される。
ダミーウェーハの一対の粘着層20と被覆保護層21とは、再生ウェーハ1の表裏両面の周縁部2以外の領域に積層され、再生ウェーハ1の周縁部2を露出させる。また、各粘着層20は、例えば所定の薄膜フィルムの表裏両面にアクリル系の粘着材がそれぞれ積層することにより形成され、周縁部が外部に露出する。各被覆保護層21としては、例えば耐熱性、耐水性、電気絶縁性等に優れる透明のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム等があげられる。
特開2016‐163007号公報 特許第3907400号公報
しかしながら、再生ウェーハ1と一対の被覆保護層21とが粘着層20により粘着される場合には、ダミーウェーハの欠けや割れを低減することができるものの、ダミーウェーハが洗浄される際や試験に使用される際、各粘着層20の露出した周縁部から半導体の製造プロセスに悪影響を及ぼす粘着成分が外部に流出し、汚染等を招くおそれがある。この弊害は、処理条件の評価や汚染物質の付着防止を図る場合には、きわめて大きな問題となる。
係る問題を解消する方法としては、(1)一対の粘着層20と被覆保護層21とをそれぞれ拡大形成し、これらを再生ウェーハ1の周縁部2にも積層して再生ウェーハ1の全領域を完全に被包する方法、(2)一対の粘着層20を省略し、再生ウェーハ1の全領域にポリエチレンテレフタレート樹脂塗料を塗布して焼付処理し、再生ウェーハ1の全領域にポリエチレンテレフタレート樹脂層を被覆形成する方法があげられる。
しかし、(1)の方法の場合には、一対の粘着層20と被覆保護層21の周縁部同士を粘着する必要があるが、この粘着作業は、理論的にはともかく、実際にはエアの巻き込み等の影響を受けるので、実現が困難である。また、(2)の方法の場合には、粘着層20を省略するので、粘着成分の流出に伴う汚染等を防ぐことができるものの、ポリエチレンテレフタレート樹脂塗料を塗布して焼付処理する必要がある。したがって、厚いダミーウェーハを要するときには、複数のポリエチレンテレフタレート樹脂層を積層するため、作業を複数回繰り返す必要があり、その結果、製造作業の遅延化や煩雑化を招くという大きな問題が新たに生じる。
本発明は上記に鑑みなされたもので、ウェーハの欠けや割れを低減することができ、粘着層を省略して粘着成分がウェーハの周縁部から外部に流出するのを防止し、しかも、例え厚いタイプでも容易に得ることのできるダミーウェーハ及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、ウェーハと、このウェーハに少なくとも焼付処理して被覆されるポリエーテルエーテルケトン樹脂層とを含み、このポリエーテルエーテルケトン樹脂層の厚さを、ウェーハの周縁部では10μm以上とし、ウェーハの周縁部以外の領域では20μm以上としたことを特徴としている。
なお、ウェーハの少なくとも周縁部以外の領域に表面処理を施して凹凸部を形成することができる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層にフッ素樹脂を含有することができる。
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1、2、又は3に記載したダミーウェーハの製造方法であって、
ウェーハに少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を厚さ10μm以上に形成し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜にポリエーテルエーテルケトン樹脂層用で厚さ10μm以上のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを積層して熱プレスすることにより、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜とポリエーテルエーテルケトン樹脂シートとを融着することを特徴としている。
なお、焼付処理を施したポリエーテルエーテルケトン樹脂膜に表面改質処理を施した後、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜にポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを積層することができる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂膜に対する積層面に表面改質処理を施し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜にポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの積層面を積層することもできる。
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1、2、又は3に記載したダミーウェーハの製造方法であって、
ウェーハの周縁部以外の領域に厚さ10μm以上のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを積層して熱プレスし、ウェーハの少なくとも周縁部に、少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を厚さ10μm以上に形成することを特徴としている。
なお、ウェーハの両面に表面改質処理を施すことができる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの少なくともウェーハに対する積層面に表面改質処理を施し、ウェーハの周縁部以外の両面にポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの積層面を積層することが可能である。
また、ウェーハの全領域に少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を形成することが可能である。
ここで、特許請求の範囲におけるウェーハには、再生ウェーハの他、少なくとも石英ガラスウェーハ、ガラスウェーハ、各種の半導体ウェーハ、アルミニウムのウェーハ、カーボンウェーハ、ステンレス鋼のウェーハ、及びセラミックスのウェーハが含まれる。一般的にダミーウェーハに使用されるウェーハは、再生ウェーハに近い硬度、寸法、重量が必要であり、さらにポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の焼付処理温度に耐えられる材質であることが重要である。但し、重量に関し、ダミーウェーハの軽量化、あるいは重量精度を要求される場合には、ウェーハ表面の研磨、切削、穿孔等の加工により、軽量化や重量調整を図っても良い。
ウェーハの周縁部には、少なくともウェーハの表裏面周縁部、表面周縁部、あるいは裏面周縁部が含まれる。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層の厚さは、ウェーハの周縁部では10μm以上300μm以下、ウェーハの周縁部以外の領域では20μm以上300μm以上が現実的である。ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートは、必要に応じ、枚数を増やすことができる。このポリエーテルエーテルケトン樹脂シートには、樹脂シートの他、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムが含まれる。さらに、本発明に係るダミーウェーハは、実質的な意味に理解されねばならず、テストウェーハやモニターウェーハ等と別称されても良い。
本発明によれば、ウェーハとポリエーテルエーテルケトン樹脂層を少なくとも焼付処理により直接密着するので、ウェーハの機械的強度が向上し、ダミーウェーハの欠けや割れを有効に防止することができる。また、従来の粘着層を省略することができるので、粘着層から半導体の製造プロセスに悪影響を及ぼす粘着成分が外部に流出するおそれを低減することができる。
本発明によれば、ウェーハの欠けや割れを低減することができ、しかも、粘着層を省略して粘着成分がウェーハの周縁部から外部に流出するのを防止することができるという効果がある。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層により、優れた耐衝撃性、強靭性、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、摺動特性等を得ることができ、しかも、ダミーウェーハが薄いタイプでも、厚いタイプでも容易に得ることができる。
請求項2記載の発明によれば、凹凸部の形成により、ウェーハとポリエーテルエーテルケトン樹脂層との密着性を向上させ、ウェーハからポリエーテルエーテルケトン樹脂層が剥離するのを防ぐことができる。
請求項3記載の発明によれば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層にフッ素樹脂を含有するので、ダミーウェーハの撥水性、非粘着性、耐久性等の向上が期待できる。
請求項4記載の発明によれば、スペーサとなるポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを必要枚数積層するので、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層の厚さを容易に調整することができ、厚いダミーウェーハや薄いダミーウェーハを簡単に製造したり、量産に資することが可能となる。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを利用すれば、ダミーウェーハにピンホール対策を簡易に施すことが可能となる。
請求項5又は6記載の発明によれば、高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜と低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートとを適切に密着させたり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの熱プレス時の温度を融点未満の低い温度にすることが可能となる。
請求項7記載の発明によれば、スペーサとなるポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを必要枚数積層すれば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層の厚さを容易に調整することができ、厚いダミーウェーハや薄いダミーウェーハを簡単に製造したり、量産することができる。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの利用により、ダミーウェーハにピンホール対策を簡易に施すことができる。また、ウェーハの少なくとも周縁部にポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工すれば良いので、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートにポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を重ねて塗工する手間を省くことができる。したがって、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の使用量の削減が期待できる。
請求項8記載の発明によれば、ウェーハの両面に表面改質処理を施すので、ウェーハと低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートとを適切に密着させることができる。
請求項9記載の発明によれば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの積層面に表面改質処理を施すので、ウェーハと低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートとを適切に密着させたり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの熱プレス時の温度を融点未満の低い温度にすることが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、ウェーハの周縁部のみならず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートにもポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して焼付処理するので、周縁部以外が厚い肉厚のダミーウェーハを製造することが可能となる。
本発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の実施形態における再生ウェーハを模式的に示す説明図である。 本発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の実施形態における再生ウェーハの全領域にポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗布して仮乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料に焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を形成した状態を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の実施形態における再生ウェーハの凹凸部とポリエーテルエーテルケトン樹脂膜との関係を模式的に示す要部断面説明図である。 本発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の実施形態における再生ウェーハのポリエーテルエーテルケトン樹脂膜に表裏一対のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムを積層した状態を模式的に示す断面説明図である。 本発明の第2の発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の実施形態における再生ウェーハに一対のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムをそれぞれ積層した状態を模式的に示す断面説明図である。 本発明の第2の発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の実施形態における再生ウェーハの周縁部と一対のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムにポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗布して仮乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を形成した状態を模式的に示す断面説明図である。 本発明の第2の発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法の第2の実施形態を模式的に示す断面説明図である。 再生ウェーハに被覆保護層を粘着した従来のダミーウェーハを模式的に示す断面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるダミーウェーハは、図1ないし図4に示すように、コストの削減に資する使用済みの再生ウェーハ1と、この再生ウェーハ1に少なくとも焼付処理して被覆されるポリエーテルエーテルケトン樹脂層10とを積層構造に備え、このポリエーテルエーテルケトン樹脂層10の厚さを部分的に変更し、再生ウェーハ1の周縁部2では10μm以上とし、再生ウェーハ1の周縁部2以外の領域では20μm以上に厚くするようにしている。
再生ウェーハ1は、図1に示すように、例えば結晶欠陥密度の異なる安価な単結晶のシリコンウェーハからなり、平面円形の円板に形成されており、周縁部2を含む全領域がポリエーテルエーテルケトン樹脂層10に被包される。この再生ウェーハ1は、シリコンウェーハと略同じ大きさに形成される。例えば、シリコンウェーハがφ150mmタイプの場合にはφ150mmの大きさに形成され、φ200mmタイプの場合にはφ200mmの大きさに形成されるとともに、φ300mmタイプの場合にはφ300mmの大きさに形成される。
再生ウェーハ1の厚さは、ダミーウェーハ全体の厚さにもよるが、例えば150μm以上835μm以下、一般的には775μm程度とされる。また、再生ウェーハ1のXY方向には、ダミーウェーハの軽量化を図る場合、必要数の貫通孔が穿孔される。再生ウェーハ1の周縁部(再生ウェーハ1の周縁から半径内方向に2mm以下の領域)2は、欠け防止の観点から、先細りの台形あるいは半円形に形成され、表裏面周縁部、表面周縁部、あるいは裏面周縁部には、必要に応じ、所定の模様が形成される。この所定の模様としては、例えば製造会社名や製品番号等があげられる。
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂層10は、図2や図4に示すように、少なくとも粉体のポリエーテルエーテルケトン樹脂を主成分とするポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11、あるいはポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11とスペーサとなるポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12とが溶融した一体物からなり、再生ウェーハ1の周縁部2を含む全領域を露出させることなく完全に被包して機械的強度を向上させるよう機能する。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂は、水や少量の溶剤の配合により調製され、スプレー装置等から再生ウェーハ1に噴射して塗工される。ポリエーテルエーテルケトン樹脂が使用されるのは、耐衝撃性、強靭性、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、摺動特性、低吸水率に優れ、アウトガスが発生しにくく、水分の影響が少ないからである。このポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、例えば切削されたり、粉砕された微細のキータスパイアポリエーテルエーテルケトン KT−851NL SP〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製:製品名〕等があげられる。
なお、ダミーウェーハの撥水性、非粘着性、耐久性等を向上させたい場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の他、選択的にフッ素樹脂(例えば、PTFEやPFA等)等が配合される。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11は、再生ウェーハ1にポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料が塗工されて乾燥し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点(343℃)以上の温度で焼付処理(加熱処理)が施されることにより厚さ10μm以上の薄膜に形成される。ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の乾燥温度は、常温(23℃)以上250℃以下の範囲とされる。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12は、厚さ10μm以上に成形されたポリアリーレンエーテルケトン樹脂フィルムの一種であり、易入手性、成形の容易化、製造コスト等の点で優れる。このポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の物性は、例えば23℃における比重が1.2以上1.4以下、ガラス転移点が130℃以上160℃以下、23℃における引張弾性率(押出方向、押出方向の直角方向)が2000N/mm以上5000N/mm以下、23℃における引張降伏強度(押出方向、押出方向の直角方向)が50N/mm以上100N/mm以下、23℃における引張最大強度(押出方向、押出方向の直角方向)が50N/mm以上200N/mm以下、23℃における引張破断時伸び(押出方向、押出方向の直角方向)が50%以上400%以下、23℃における吸水率が1.0以下、周波数1GHz(23℃)における比誘電率が3.5以下、周波数1GHz(23℃)における誘電正接が0.007以下とされる。
係るポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12は、溶かせる溶剤が殆どないので、耐薬品性、耐加水分解性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性に優れ、レーザにより溶着や印字が可能である。さらに、難燃性にも優れ、純度が高いので、例え燃焼しても、毒ガスの発生することがないという特徴を有する。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂層10の厚さは、再生ウェーハ1の周縁部2では、ダミーウェーハの強度を維持したり、ピンホールの発生を防止する観点から、10μm以上、具体的には、10μm以上30μm以下、好ましくは15μm以上30μm以下、より好ましくは20μm以上30μm以下が良い。また、再生ウェーハ1の周縁部2以外の大部分の領域では、ダミーウェーハを厚くする観点から、20μm以上、例えば20μm以上300μm以下、好ましくは100μm以上300μm以下、より好ましくは100μm以上250μm以下、さらに好ましくは100μm以上200μm以下が良い。
上記構成において、ダミーウェーハを製造する場合には、先ず、図1に示すように、再生ウェーハ1を用意し、この再生ウェーハ1の表裏両面に表面処理を施して表裏両面を粗し、再生ウェーハ1の表裏両面に、表面粗さ(最大高さ)が1μmR以上30μmR以下の微細な凹凸部3を不規則に形成する(図3参照)。再生ウェーハ1は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の適切な塗着のため、予め脱脂等の洗浄が施されることが好ましい。再生ウェーハ1の表裏両面は平坦化されるのではなく、微細な凹凸部3が形成されるが、これは、再生ウェーハ1とポリエーテルエーテルケトン樹脂との密着性を向上させ、再生ウェーハ1からポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11が剥離するのを防止するためである。
表面処理の具体例としては、砂やビーズ、微粒子等を吹き付けるブラスト処理、研磨処理、コロナ処理、エキシマ処理、紫外線照射処理、溶剤処理等があげられる。これらの中では、環境対応性や生産性等に優れるブラスト処理が最適である。また、凹凸部3の表面粗さ(最大高さ)は、JIS B 0651:2001に準拠し、専用の測定機器により測定することが可能である。測定機器としては、例えばSJ‐210〔株式会社ミツトヨ製:製品名〕やPS10‐SET〔マール・ジャパン株式会社製:製品名〕等があげられる。
なお、凹凸部3は、再生ウェーハ1の周縁部2を含む全面に形成されることが望ましいが、周縁部2に対する形成が困難な場合や周縁部2の重要度が低い場合には、再生ウェーハ1の周縁部2に対する形成を省略しても良い。
次いで、再生ウェーハ1の周縁部2を含む全領域にポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を直接塗工して250℃以下で仮乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の水分を除去する(図2参照)。ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を仮乾燥させる条件としては、塗膜表面の平坦性に影響を及ぼすことから、常温以上250℃以下、好ましくは常温以上150℃以下、より好ましくは常温以上100℃未満が最適である。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を仮乾燥させたら、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の高い温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層10用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11を厚さ10μm以上30μm以下、好ましくは15μm以上30μm以下、より好ましくは20μm以上30μm以下に形成する。焼付処理時の条件は、特に限定されるものではないが、例えば加熱温度が343℃以上400℃以下、好ましくは355℃以上370℃以下、より好ましくは360℃前後、加熱時間が20分以上、好ましくは25分以上、より好ましくは30分前後が最適である。
この条件の設定は、加熱温度が343℃未満の場合には、部分的にポリエーテルエーテルケトン樹脂の溶融不足が生じ、逆に加熱温度が400℃を越える場合には、再生ウェーハ1の周縁部2からポリエーテルエーテルケトン樹脂が流れ落ち、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11が薄くなるおそれがあるからである。係る焼付処理により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の塗膜が溶融して硬化し、再生ウェーハ1の全領域に高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11が被覆形成される。
次いで、焼付処理を施した高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表裏両面に表面改質処理を施し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表裏両面にポリエーテルエーテルケトン樹脂層10用で厚さ10μm以上のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を積層してポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点未満の温度で熱プレスする(図4参照)。ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表裏両面は表面改質処理されるが、これは、高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11と低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12とを強固に密着させたり、熱プレス温度を低くして融点未満とするためである。表面改質処理の具体例としては、例えばプラズマ処理やコロナ処理等があげられる。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表面改質処理された表裏両面の接触角は、JIS R 3257に準拠した測定法で30°以上70°未満、好ましくは40°以上69°以下、より好ましくは50°以上59°以下が良い。この接触角は、例えばポータブル接触角計PCA‐11[協和界面科学株式会社製:製品名]や接触角計PG‐X[株式会社マツボー製:製品名]等により測定することができる。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12は、厚さ10μm以上であれば特に限定されるものではないが、スペーサ機能を確保する観点から、例えば厚さ10μm以上300μm以下、好ましくは厚さ100μm以上250μm以下、より好ましくは厚さ100μm以上200μm以下の樹脂フィルムに成形され、再生ウェーハ1の周縁部2を除く表裏両面にポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11を介して被覆される。このポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12は、少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11に対向する積層面13が表面改質処理された後、この積層面13がポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表面改質処理された表裏両面にそれぞれ積層して熱プレスされる。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の積層面13は表面改質処理されるが、これは、高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11と低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12とを強固に密着させたり、熱プレス温度を低くして融点未満に調整するためである。表面改質処理の具体例としては、上記同様、プラズマ処理やコロナ処理等が該当する。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の表面改質処理された積層面13の接触角は、JIS R 3257に準拠した測定法で30°以上70°未満、好ましくは40°以上69°以下、より好ましくは50°以上59°以下が良い。この接触角は、例えばポータブル接触角計PCA‐11[協和界面科学株式会社製:製品名]や接触角計PG‐X[株式会社マツボー製:製品名]等により測定することができる。
こうしてポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を積層して熱プレスすると、高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の大部分と低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12とが溶融して一体化し、これらがポリエーテルエーテルケトン樹脂層10を形成して厚いダミーウェーハを簡単に製造することができる。
上記によれば、再生ウェーハ1とポリエーテルエーテルケトン樹脂層10を焼付処理と熱プレスにより密着するので、再生ウェーハ1の機械的強度、具体的には耐衝撃性や強靭性等が向上し、ダミーウェーハの欠けや割れを有効に防止することができる。したがって、例え半導体製造装置の調整時等にダミーウェーハを誤って落としても、再生ウェーハ1とポリエーテルエーテルケトン樹脂層10との一体化により、ダミーウェーハにヒビが入るものの、鋭利な多数の破砕片が四散することがないので、後処理がきわめて容易となる。また、焼付処理を施すので、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層10が非常に強固となり、しかも、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層10の密着が実に安定する。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の利用により、ピンホール対策の他、粘着層20を省略することができるので、ダミーウェーハの洗浄時や試験時に、粘着層20から半導体の製造プロセスに悪影響を及ぼす粘着成分が外部に流出するおそれを確実に排除することができる。したがって、処理条件の評価や汚染物質の付着防止に支障を来すことが全くない。また、一対の粘着層20と被覆保護層21の周縁部同士を粘着する困難な作業を省略することができる。
また、スペーサ機能を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の枚数を増減すれば、厚いダミーウェーハや薄いダミーウェーハを容易に製造することができるので、ポリエチレンテレフタレート樹脂塗料を複数回塗布して焼付処理する必要がなく、ダミーウェーハの製造作業の円滑化、簡素化、迅速化、容易化等が期待できる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11にポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を積層するので、例えポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表裏両面が汚れていたとしても、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12により隠蔽することができ、ダミーウェーハの体裁を整えることが可能となる。さらに、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層10の主成分がポリエーテルエーテルケトン樹脂なので、ダミーウェーハの耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、摺動特性を向上させ、しかも、優れた低吸水率を得ることが可能となる。
次に、図5及び図6は本発明の第2の発明の実施形態を示すもので、この場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の形成と、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の積層の順序を変更するようにしている。
この実施形態において、ダミーウェーハを製造する場合には、先ず、図5に示すように、再生ウェーハ1を用意し、この再生ウェーハ1の表裏両面に必要に応じ、表面改質処理を施す。表面改質処理するのは、再生ウェーハ1と低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12との密着性を向上させることができるからである。
表面改質処理の具体例としては、上記同様、プラズマ処理やコロナ処理等があげられる。また、再生ウェーハ1の表面改質処理された表裏両面の接触角は、JIS R 3257に準拠した測定法で30°以上70°未満、好ましくは40°以上69°以下、より好ましくは50°以上59°以下が良い。接触角は、例えばポータブル接触角計PCA‐11[協和界面科学株式会社製:製品名]や接触角計PG‐X[株式会社マツボー製:製品名]等で測定可能である。
次いで、再生ウェーハ1の周縁部2を除く表裏両面にポリエーテルエーテルケトン樹脂層10用で厚さ10μm以上のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を積層してポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点未満の温度で熱プレスする(図5参照)。ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12は、上記同様、厚さ10μm以上であれば限定されるものではないが、例えば厚さ10μm以上300μm以下、好ましくは厚さ100μm以上250μm以下、より好ましくは厚さ100μm以上200μm以下の樹脂フィルムに成形され、再生ウェーハ1の周縁部2を除く表裏両面に積層されてスペーサとして機能する。
このポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12は、少なくとも再生ウェーハ1に対向する積層面13が表面改質処理された後、この積層面13が再生ウェーハ1の表裏両面にそれぞれ積層して熱プレスされる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の積層面13が表面改質処理されるのは、再生ウェーハ1と低結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12とを適切に密着させたり、熱プレス温度を融点未満に低くするためである。表面改質処理の具体例としては、上記同様、プラズマ処理やコロナ処理等が該当する。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の表面改質処理された積層面13の接触角は、JIS R 3257に準拠した測定法で30°以上70°未満、好ましくは40°以上69°以下、より好ましくは50°以上59°以下が良い。接触角は、例えばポータブル接触角計PCA‐11[協和界面科学株式会社製:製品名]や接触角計PG‐X[株式会社マツボー製:製品名]等で測定可能である。
次いで、再生ウェーハ1の露出した周縁部2と一対のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12とにポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を直接塗工して250℃以下で仮乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の水分を除去する(図6参照)。ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料には、ダミーウェーハの撥水性、非粘着性、耐久性等を向上させたい場合には、選択的にフッ素樹脂等が配合される。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を仮乾燥させる条件としては、塗膜表面の平坦性に影響を及ぼすことから、常温以上250℃以下、好ましくは常温以上150℃以下、より好ましくは常温以上100℃未満が好適である。
こうしてポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を仮乾燥させたら、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の高い温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層10用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11を形成し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の厚さを、10μm以上30μm以下、好ましくは15μm以上30μm以下、より好ましくは20μm以上30μm以下に形成する。
焼付処理時の条件は、特に限定されるものではないが、例えば加熱温度が343℃以上400℃以下、好ましくは355℃以上370℃以下、より好ましくは360℃前後、加熱時間が20分以上、好ましくは25分以上、より好ましくは30分前後が好適である。
これは、加熱温度が343℃未満の場合には、部分的にポリエーテルエーテルケトン樹脂の溶融不足が生じ、逆に加熱温度が400℃を越える場合には、再生ウェーハ1の周縁部2からポリエーテルエーテルケトン樹脂が流れ落ち、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11が薄くなるおそれがあるからである。係る焼付処理により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の塗膜が溶融して硬化し、再生ウェーハ1の全領域に高結晶のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11が被覆形成され、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11がポリエーテルエーテルケトン樹脂層10となるので、厚いダミーウェーハを簡単に製造することができる。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、再生ウェーハ1とポリエーテルエーテルケトン樹脂層10を少なくとも焼付処理により密着するので、再生ウェーハ1の機械的強度、具体的には耐衝撃性や強靭性等が向上し、ダミーウェーハの欠けや割れを有効に防止することが可能となる。したがって、例え半導体製造装置の調整時等にダミーウェーハを誤って落としても、再生ウェーハ1とポリエーテルエーテルケトン樹脂層10との一体化により、ダミーウェーハにヒビが入るものの、鋭利な多数の破砕片が四散することがないので、後処理がきわめて容易となる。
また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の使用により、ピンホール対策の他、粘着層20の省略が期待できるので、ダミーウェーハの洗浄時や試験時に、粘着層20から半導体の製造プロセスに悪影響を及ぼす粘着成分が外部に流出するおそれを確実に排除することができる。したがって、処理条件の評価や汚染物質の付着防止に支障を来すことが全くない。また、一対の粘着層20と被覆保護層21の周縁部同士を粘着する困難な作業を省略することができる。
また、スペーサ機能を有するポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の枚数を増減すれば、厚いダミーウェーハや薄いダミーウェーハを容易に製造することができるので、ポリエチレンテレフタレート樹脂塗料を複数回塗布して焼付処理する必要がなく、製造作業の円滑化、簡素化、迅速化、容易化等が期待できる。さらに、ポリエーテルエーテルケトン樹脂層10の主成分がポリエーテルエーテルケトン樹脂なので、ダミーウェーハの耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、摺動特性を向上させ、しかも、優れた低吸水率を得ることが可能となる。
次に、図7は本発明の第2の発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、再生ウェーハ1の表裏両面にポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を熱プレスした後、再生ウェーハ1の露出した周縁部2のみにポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を直接塗工して250℃以下で仮乾燥させ、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の水分を除去し、その後、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の高い温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層10用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11を厚さ10μm以上に形成するようにしている。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11は、再生ウェーハ1の周縁部2を被包し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の周縁部に一体的に接合して整合され、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12と共にポリエーテルエーテルケトン樹脂層10を形成する。このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の厚さは、10μm以上であれば特に制約されるものではなく、10μm以上30μm以下でも良いし、10μm以上300μm以下でも良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、一対のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12に対するポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の塗工を省略するので、ポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料の使用量を大幅に削減することができるのは明らかである。
なお、上記実施形態では一対のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を積層したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の表裏両面に、2枚、3枚、4枚等のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12をそれぞれ積層しても良いし、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜11の片面に、2枚、3枚、4枚等のポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12を積層しても良い。また、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム12の再生ウェーハ1に対向する積層面13に表面改質処理を施したが、非積層面にも表面改質処理を施しても良い。
本発明に係るダミーウェーハ及びその製造方法は、ダミーウェーハの製造分野で使用される。
1 再生ウェーハ(ウェーハ)
2 周縁部
3 凹凸部
10 ポリエーテルエーテルケトン樹脂層
11 ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜
12 ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム(ポリエーテルエーテルケトン樹脂
シート)
13 積層面
20 粘着層

Claims (10)

  1. ウェーハと、このウェーハに少なくとも焼付処理して被覆されるポリエーテルエーテルケトン樹脂層とを含み、このポリエーテルエーテルケトン樹脂層の厚さを、ウェーハの周縁部では10μm以上とし、ウェーハの周縁部以外の領域では20μm以上としたことを特徴とするダミーウェーハ。
  2. ウェーハの少なくとも周縁部以外の領域に表面処理を施して凹凸部を形成した請求項1記載のダミーウェーハ。
  3. ポリエーテルエーテルケトン樹脂層にフッ素樹脂を含有した請求項1又は2記載のダミーウェーハ。
  4. 請求項1、2、又は3に記載したダミーウェーハの製造方法であって、ウェーハに少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を厚さ10μm以上に形成し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜にポリエーテルエーテルケトン樹脂層用で厚さ10μm以上のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを積層して熱プレスすることにより、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜とポリエーテルエーテルケトン樹脂シートとを融着することを特徴とするダミーウェーハの製造方法。
  5. 焼付処理を施したポリエーテルエーテルケトン樹脂膜に表面改質処理を施した後、このポリエーテルエーテルケトン樹脂膜にポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを積層する請求項4記載のダミーウェーハの製造方法。
  6. ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂膜に対する積層面に表面改質処理を施し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂膜にポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの積層面を積層する請求項4又は5記載のダミーウェーハの製造方法。
  7. 請求項1、2、又は3に記載したダミーウェーハの製造方法であって、ウェーハの周縁部以外の領域に厚さ10μm以上のポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを積層して熱プレスし、ウェーハの少なくとも周縁部に、少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂層用のポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を厚さ10μm以上に形成することを特徴とするダミーウェーハの製造方法。
  8. ウェーハの両面に表面改質処理を施す請求項7記載のダミーウェーハの製造方法。
  9. ポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの少なくともウェーハに対する積層面に表面改質処理を施し、ウェーハの周縁部以外の両面にポリエーテルエーテルケトン樹脂シートの積層面を積層する請求項7又は8記載のダミーウェーハの製造方法。
  10. ウェーハの全領域に少なくともポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料を塗工して乾燥させ、このポリエーテルエーテルケトン樹脂塗料にポリエーテルエーテルケトン樹脂の融点以上の温度で焼付処理を施してポリエーテルエーテルケトン樹脂膜を形成する請求項7、8、又は9記載のダミーウェーハの製造方法。
JP2019115136A 2019-06-21 2019-06-21 ダミーウェーハ及びその製造方法 Pending JP2021002572A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019115136A JP2021002572A (ja) 2019-06-21 2019-06-21 ダミーウェーハ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019115136A JP2021002572A (ja) 2019-06-21 2019-06-21 ダミーウェーハ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021002572A true JP2021002572A (ja) 2021-01-07

Family

ID=73995489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019115136A Pending JP2021002572A (ja) 2019-06-21 2019-06-21 ダミーウェーハ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021002572A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114161258A (zh) * 2021-12-10 2022-03-11 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种氧化镓晶片防解理的边缘磨削方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114161258A (zh) * 2021-12-10 2022-03-11 中国电子科技集团公司第四十六研究所 一种氧化镓晶片防解理的边缘磨削方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5716678B2 (ja) 積層体の製造方法および積層体
KR101433555B1 (ko) 적층체와 그 제조 방법 및 그것을 이용한 디바이스 구조체의 제조 방법
KR101301507B1 (ko) 반도체 제조장치용 히터 제조방법 및 그에 따라 제조된 히터
JP5913608B2 (ja) 電子機器用カバーガラス及びその製造方法
JP6447135B2 (ja) 積層体、積層体の製造方法、およびフレキシブル電子デバイスの製造方法
JP5742725B2 (ja) ポリイミドフィルムとその製造方法、積層体の製造方法
JP5270810B1 (ja) 電子機器用カバーガラス及びその製造方法、並びにタッチセンサモジュールの製造方法
JP2016167078A5 (ja)
JP2013010342A (ja) 積層体とその製造方法及びそれを用いたデバイス構造体の製造方法
JPWO2015041190A1 (ja) リジッド複合積層板とその製造方法、積層体および該積層体を用いたデバイスの製造方法
KR20170008743A (ko) 복합체, 적층체 및 전자 디바이스, 그리고 그들의 제조 방법
JP2015078107A (ja) パネルのエッジ強度を強化する方法
KR20130140707A (ko) 적층체, 지지판을 구비한 표시 장치용 패널, 표시 장치용 패널 및 표시 장치
JP2021002572A (ja) ダミーウェーハ及びその製造方法
TWI646624B (zh) 具有可光圖案化的軟性突出接觸表面的靜電夾盤
JP4639313B2 (ja) フッ素樹脂コーティングプレート及び吸着ステージ
TWI555642B (zh) The manufacturing method of the layered body
TW201335814A (zh) 感應器一體型覆蓋玻璃之製造方法、及感應器一體型覆蓋玻璃
TW201607623A (zh) 將保護性塗層施用至基板邊緣的方法
JP6201513B2 (ja) 積層体の製造方法及びそれを用いたデバイス構造体の製造方法
JP2015146415A (ja) Soi複合基板の製造方法
JP2020178080A (ja) ダミーウェーハ及びその製造方法
JP2012201015A (ja) 熱板溶着用治具およびその製造方法、金属部材
JP7256311B2 (ja) 静電チャック装置
JP7287814B2 (ja) 樹脂膜