JP2020536926A - L−エピネフリンの安定化注射用医薬用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エピネフリン、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、酒石酸塩、浸透圧調節剤、EDTAまたはNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.0〜4.5の注射用医薬用組成物に関する。

Description

本発明は、エピネフリン、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、酒石酸塩、浸透圧調節剤、EDTAまたはNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.0〜4.5の注射用医薬用組成物に関する。
エピネフリン、アドレナリン、すなわち(−)−3,4−ジヒドロキシ−[(メチルアミノ)メチル]−ベンジル−アルコールは、副腎髄質において合成され貯蔵される内在性のアドレナリン作動性神経伝達物質である。構造的にはカテコール(ジヒドロキシベンゼン)およびアミンの特徴を有する極性化合物であり、通常、塩の形態で入手可能である。エピネフリンは水溶性であり、標的細胞の受容体の種類に応じて、種々の方法で相互作用する。
エピネフリンは、心臓、血圧、気道抵抗、およびエネルギー代謝の調節に関与する神経ホルモンの1つである。エピネフリンは交感神経作動薬に分類され、α受容体およびβ受容体の両方に作用する。エピネフリンは変力作用を起こし、この作用により心拍数、心臓収縮力を増大し、血管を狭め、したがって血圧を上昇させ、気道抵抗を低減して呼吸しやすくし、且つ血糖および血中脂肪酸を増大してストレス時に身体にエネルギーを供給する。エピネフリンは、種々の臨床的適応および投与経路、例えば注射によるか、吸入によるか、または局所的投与、に適した種々の製剤において利用可能である。エピネフリンの用途には少なくとも以下が、すなわち、出血性ショックまたはアレルギー性ショック時の低血圧への対処、喘息発作時の気道の開放、局所麻酔薬などの局所投与される薬物の分配の限定、鼻詰まりの低減、および/または緊急状況における性能補助が含まれる。
エピネフリンは、当業者が容易に利用可能ないくつかのプロセスのうちの1つにより合成的に調製することができる。こうしたプロセスの1つは、1,2−ジヒドロキシベンゼンから出発し、塩化クロロアセチルによって(クロロアセチル)カテコールへと、次いでメチルアミンによって(メチル−アミノアセチル)カテコールへと、さらに水素化によってラセミ体エピネフリンへと、連続的に変換される。ラセミ体をD−酒石酸に溶解すると、光、空気、熱、またはアルカリ性条件に感受性の白色からほぼ白色の粉末が生成する。酸との塩は、容易に形成され、若干の安定性が得られる。当技術分野において、塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩および重酒石酸塩が知られている。
アナフィラキシーなどのアレルギー性緊急事態は、その発生頻度および潜在的重篤性に対する人々の認識の高まりを考慮に入れると、増大しつつある懸念である。アナフィラキシーは、突然の、重篤な、全身性のアレルギー反応であり、治療せずに放置した場合、多くの事例で致命的になることがある。アナフィラキシーは、皮膚、気道、消化管、および心血管系などの種々の身体部域に関わることがある。急性症状はアレルギーを引き起こす物質との接触直後数分から2時間以内に発症するが、稀な例では、発症が4時間も遅延することがある。アナフィラキシー誘発物質との接触および結果として生じるアナフィラキシー性反応の重症度は極めて予測不可能である。したがって、アレルギー専門医は、アナフィラキシーの個人歴または家族歴のある人は、自己投与する緊急治療薬を常に備えておくことを推奨している。さらに、アナフィラキシーのリスクがある小児の世話を任されている成人は同様に、抗アナフィラキシー応急処置の投与の準備をしておくべきである。
アナフィラキシーの症状は、一般に、抗原への暴露後、1から約15分以内に現れる以下のうちの1つまたは複数を含む、すなわち、激越、不安感、紅潮、動悸、錯感覚、掻痒、拍動性耳鳴り、咳、くしゃみ、蕁麻疹、血管性浮腫、咽頭浮腫または気管支痙攣による呼吸困難、吐気、嘔吐、腹痛、下痢、ショック、痙攣、失禁、無反応および死亡の1つまたは複数を含む。アナフィラキシー性反応は、呼吸器症状非存在下であっても、心血管虚脱を含むことがある。
Merck Manualによれば、エピネフリンによる緊急治療はアナフィラキシー治療の成功には不可避である(Merck Manual, 17. sup. Ed., 1053-1054 (1999))。アナフィラキシーの評価および管理に関する世界アレルギー機構(WAO)ガイドラインは、0.01mg/kg体重から成人では最大0.5mg/kg体重まで、小児では0.3mg/kg体重までの用量のエピネフリン;通常、適切な製剤中、希釈度1:1000のエピネフリン(1mg/mL)または希釈度1:2000のエピネフリン(0.5mg/mL)として1mLを投与する、を推奨している。投与は、皮下または筋肉内のいずれかなどに、手作業で行われてよいが、例えば、近年は、自動注射器がエピネフリンを送達する応急処置手段として認められるようになっている。アナフィラキシーのリスクがある人およびアナフィラキシーのリスクがある小児に対して責任のある人は常に、1つまたは複数の自動エピネフリン注射器を、便利な場所に保持することが推奨される。アナフィラキシーの症状が初回用量のエピネフリンを注射した後も持続する場合には、エピネフリンの2回目用量によって患者を治療すべきことがさらに推奨される。
英国特許公告第425,678号は、溶液が約5.7からほぼ中性までの範囲のpH値を有するように緩衝液によって溶液のpH値を調節することを含む、麻酔薬の酸塩と、安定性維持のための酸を通常必要とするエピネフリンまたは生理学的等価物および酸化防止剤を含む、局所麻酔のための実質的に安定な麻酔液を製造するプロセスを開示している。重亜硫酸ナトリウムが、酸化防止剤として挙げられている。
英国特許公告第930,452号および米国特許第3,149,035号は、オキシム、ホウ酸、および重亜硫酸ナトリウムを共に含むカテコールアミンの水溶液を含む、カテコールアミンの安定な医薬用溶液を開示しており、前記溶液は6.5〜6.8のpHを有する。
米国特許第3,966,905号は、ほぼ中性または弱アルカリ性のpHで、カテコールアミン、ポリビニルピロリドン、ホウ酸塩、ならびにアスコルビン酸、エリソルビン酸、アセチルシステイン、およびチオグリセロールからなる群から選択される生理学的に許容される酸化防止剤を含む、安定なカテコールアミン溶液を開示している。
カナダ特許第981182号は、3つの特定の酸化防止剤、すなわち重亜硫酸塩、アスコルビン酸およびチオグリセロールの組合せを用いることによる局所麻酔溶液であって、前記溶液が、メピバカイン、ブピバカインおよびリドカインから選択される局所麻酔薬、L−エピネフリン、重亜硫酸塩、アスコルビン酸およびチオグリセロールを含み、且つ約4のpHである溶液、におけるL−エピネフリンの安定化を開示している。
独国特許(旧東ドイツ仮経済特許)第150694号(DD-A1-150 694)は、酒石酸水素エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む製剤を開示している。国際公開第97/16196号および国際公開第98/2086号は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む製剤を公開している。米国特許第4,734,438号は、ノルエピネフリンおよび重亜硫酸ナトリウムを含む製剤を公開している。
米国特許出願公開第2008/0269347号は、エピネフリン、EDTA、ならびに、システイン、クエン酸、チオグリセロール、アセチルシステイン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの酸化防止剤を含む、エピネフリン製剤を開示している。メタ重亜硫酸ナトリウムは重度のアレルギー反応に関連しているため([0009]を参照)、酸化防止剤としてのメタ重亜硫酸ナトリウムは除外されており、また著者らは開示された製剤におけるEDTAの役割については述べていない。
国際公開第2014/202088号は、クエン酸を酸化防止剤とするが、エピネフリン濃度が非常に低い、安定なエピネフリン製剤を開示している。開示された製剤は、EDTAまたはEGTAなどのキレート化剤をさらに含んでよいが、クエン酸もまた、キレート化剤と称されることは、当業者であれば既知であろうことが開示されている。
国際公開第2014/127018号、国際公開第2014/127015号および国際公開第2014/127020号は、水溶液中に、エピネフリン、錯化剤、例えば、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、および浸透圧調節剤を含む製剤を開示している。錯化剤は、エピネフリンとの包接複合体ならびに熱分解および/または酸化分解に対する安定性の向上をもたらすために含まれる。
米国特許第9,119,876号は、0.5〜1.5mg/mLのエピネフリンおよび/またはその塩、6〜8mg/mLの浸透圧調節剤(例えば、塩化ナトリウム)、2.8〜3.8mg/mLのpH上昇剤(例えば、酒石酸および水酸化ナトリウム)、0.1〜1.1mg/mLの少なくとも重亜硫酸ナトリウムおよび/またはメタ重亜硫酸ナトリウムを含む酸化防止剤、0.001〜0.010mg/mLのpH低下剤および0.01〜0.4mg/mLの遷移金属錯化剤(例えばEDTA)を含む特定の製剤を開示している。段落22、40〜48行には、主張された最も好ましいpH範囲3.5〜4.0はD−エピネフリン形成の低減に寄与することが主張され、段落7、24〜50行には、遷移金属錯化剤(例えばEDTA)は、エピネフリン、重亜硫酸塩および酸素の相互作用から生成される分解物の形成を抑制するかまたは組成物の他の成分の分解を抑制することがあることを開示している。
アレルギー性緊急事態への適用に対して承認されており且つ市販されているエピネフリン製剤の例は、オートインジェクターに封入された皮下または筋肉内注射用製剤であるEpipen(登録商標)(Fastjekt(登録商標))、Emerade(登録商標)、Jext(登録商標)、Adrenaklick(登録商標)およびAuvi−Q(登録商標)である。
Epipen(登録商標)成人用製剤は、1.1mg/mLのエピネフリン(Epipen(登録商標)小児用製剤は、0.55mg/mLのエピネフリン)、6.0mg/mLの塩化ナトリウム、1.67mg/mLメタ重亜硫酸ナトリウム(Na225)を含み、したがってエピネフリンの亜硫酸塩(SO3 2-)等価物に対する比は、0.34(成人用)または0.17(小児用)(すなわち、エピネフリン化合物と亜硫酸塩等価物として測定した酸化防止剤のモル比(E:S))であり、且つpH3.4にするために塩酸を含む。Adrenaklick(登録商標)は、Epipen(登録商標)と同様な組成を有するが、メタ重亜硫酸ナトリウムの代りに重亜硫酸ナトリウムを使用し、保存剤としてクロロブタノールを含む。Auvi−Q(登録商標)は、Adrenaklick(登録商標)と同様な組成を有するが、クロロブタノールを含まない。
欧州特許第2437781号および欧州特許第2437782号は、エピネフリンまたはその塩、ならびに重亜硫酸化合物、メタ重亜硫酸化合物および亜硫酸化合物からなる群から選択される酸化防止剤を含む液体医薬用組成物であって、エピネフリンまたはエピネフリン塩の、亜硫酸塩等価物として測定した酸化防止剤に対するモル比(E:S)が、それぞれ、0.70〜1.30または1.31〜2.20の範囲であり、且つ前記液体組成物のpHが約2.0〜5.0の範囲にある、液体医薬用組成物を開示している。[0056]において、浸透圧調節剤(例えば、NaCl)、pH調節剤(例えば、HClまたはNaOH)、EDTAなどのキレート化剤、担体および他の成分を添加してよいことが開示されている。しかし、[0079]では、開示されたメタ重亜硫酸塩レベルにおいて、EDTAなどのキレート化剤を用いることの利点は、ないように思われることもまた開示されている。したがって、Jext(登録商標)製剤は、2mg/mLの酒石酸エピネフリン、6mg/mLの塩化ナトリウム、0.57mg/mLのメタ重亜硫酸ナトリウム(すなわちE:S比1.0に相当)、およびpH3.4にするための塩酸を含む。
Emerade(登録商標)製剤は、2mg/mLの酒石酸エピネフリン、6mg/mLの塩化ナトリウム、0.5mg/mLのメタ重亜硫酸ナトリウム(E:S比1.14に相当)、EDTAおよびpH3.4にするための塩酸を含む。
エピネフリンのL−立体配置は、D−エナンチオマーよりも20〜50倍、有効である。医薬用製剤において、L−エピネフリンは、主として3つの異なる反応:熱分解または酸化分解、重亜硫酸塩の添加、およびにラセミ化、よって分解することが報告されている(Stepensky D. et al., J. Pharm. Sci, Vol. 93, No. 4, 969-980, 2004を参照)。したがって、エピネフリン製剤の有効期間は、例えば、アドレノクロム、エピネフリンスルホン酸(ESA)およびD−エピネフリンなどの、分解物の形成によって、限定される。
エピネフリンの修飾または分解は、いくつかの理由から望ましくない。エピネフリンの修飾は、活性成分の力価の低下、望ましくない生理的作用を有する可能性のある化合物の形成、および溶液を不快で市場性のないものにする暗色の外観という結果をもたらす。こうした溶液の調製および包装処置が実際にできる限り不活性雰囲気中で行われたとしても、その間の自動酸化による活性化合物の初期損失は、相当なものであり、こうした溶液は、化合物の劣化速度を低減して、その結果、溶液の有効期間を長くするために、温度調節をして保管しなければならない。
エピネフリンは、アルカリ性溶液中で、アルデヒド、弱い酸化剤、空気中の酸素によって、およびアドレナリン−o−キノンの形成を伴う自動酸化によって容易に破壊され、次いでアドレノクロムに変換される。この反応の速度は、pHと共に増加し、溶液中のエピネフリンの最大安定性のためのpHは、約3〜4.5であることが見出されている。アルカリ性溶液中で、ならびに空気、光または高温に曝された場合、エピネフリンは酸化によりピンク色になってアドレノクロムに変化し、アドレノクロムはさらにアドレノルチンおよびメラニンへと分解されるか、または酸化は、どちらも褐色を呈するポリマーの形成につながる。
酸化分解を防ぐために、システイン、クエン酸、チオグリセロール、アセチルシステイン、アスコルビン酸、エリソルビン酸、アセチルシステイン、チオグリセロール、重亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸ナトリウムまたはスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンなどの錯化剤が、エピネフリン製剤において使用される。市販されているエピネフリン製剤の大多数において、メタ重亜硫酸ナトリウムは、エピネフリンの酸化分解を防ぐために酸化防止剤として使用されるが、メタ重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムは、いくつかの重度のアレルギー反応に関与していた。
さらに、重亜硫酸ナトリウムは、エピネフリンと直接反応して生物学的に不活性なスルホン酸誘導体であるエピネフリンスルホン酸(ESA)を形成することがある。アナフィラキシー治療のための市販のエピネフリン製品中のESAの安全性および/または毒性は、未だ十分には理解されていない。さらに、エピネフリン製剤の効力もまた、製品の有効期間にわたってのこうした反応によって実質的に低減される可能性がある。
したがって、メタ重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムの潜在的なアレルゲン性作用およびESAの形成のために、これら酸化防止剤の濃度は、比較的低く保たれなければならず、当分野の技術者であれば、Epipen(登録商標)製剤、Adrenaklick(登録商標)製剤およびAuvi−Q(登録商標)製剤中に含まれるものよりも高い重亜硫酸ナトリウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウムの濃度(より低いE:S比に相当)の回避を試みるであろうが、Jext(登録商標)製剤およびEmerade(登録商標)製剤中に存在するメタ重亜硫酸ナトリウム濃度(それぞれ、E:S比1.0および1.14)、または欧州特許第2437781号および欧州特許第2437782号において提案されるものよりも低いメタ重亜硫酸ナトリウム濃度をもまた支持するであろう。
しかし、酸化防止剤であるメタ重亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムの濃度を低下させることは、酸化分解の増加という不利益を有する。明らかに、すでに1.14のE:S比−Emerade(登録商標)における値−において酸化防止剤レベルは長期安定性を保証するには不十分である。2017年7月に、Emerade(登録商標)はドイツおよびオランダにおいて、変色および沈殿により回収されている(https://www.deutsche-apotheker-zeitung.de/news/artikel/2017/07/04/wieder-ein-adrenalin-pen-rueckruf)。このプレスリリースによれば、30カ月の使用期限までの安定性を保証することができず、すでに24カ月後に、Emerade(登録商標)のオートインジェクターは規格要件をもはや満たさない。新たなバッチは、わずか18カ月の使用期限で販売されている。
酸化は、(メタ重亜硫酸ナトリウムのような)酸化防止剤の添加によって防止することができ、重亜硫酸塩の添加は、亜硫酸塩含有の酸化防止剤の濃度を可能な限り低く保つことによって低減することができるが、その一方で、ラセミ化を防止するための戦略はまれにしか発表されていない。米国特許第9,119,876号は、3.0〜4.5の弱酸性pH範囲は、D−エピネフリン形成の低減に寄与する可能性があったことを開示している。しかし、本発明につながる実験において、市販の製剤中のエピネフリンのラセミ化−pH3.4のEpipen(登録商標)におけるものなど−は、相当なものであり、したがってD−エピネフリンがL−体よりも著しく生理的活性が低いという事実に関連して、エピネフリンのラセミ化は防止すべきであることが見出された。
したがって、本発明の目的は、L−エピネフリンを、有効期間にわたって、3つの主要な分解経路に対して安定化し、調節されたpHを維持し、且つ潜在的にアレルゲン性の賦形剤であるメタ重亜硫酸ナトリウムを可能な限り低濃度で含有する、製剤を開発することであった。
驚くべきことに、キレート化剤である酒石酸塩およびEDTAは、ESA形成(重亜硫酸塩の添加)を低減するのに加えて、広範なメタ重亜硫酸ナトリウム濃度範囲にわたって、D−エピネフリンの形成を顕著に低減(ラセミ化を阻害)することが見出されている(実施例5、6、7および8ならびに図1〜12を参照)。また、酒石酸塩単独ではD−エピネフリン形成の長期間の低減には不十分であることおよび酒石酸塩はEDTAと共に使用すると最も効率的であることも見出されている。酒石酸塩およびEDTAの存在下で、E:S比0.6において最小のD−エピネフリン形成が認められ、より低いメタ重亜硫酸ナトリウム濃度またはE:S比3<1.2<0.6において最小のESA形成が観察された。しかし、E:S比≧1.2(または低濃度のメタ重亜硫酸ナトリウム)において、D−エピネフリン形成が顕著に増大し、2017年7月のドイツでのEmerade(登録商標)の回収が示すように、実時間の保管での酸化ダメージが起こりうるところから、D−エピネフリン形成、ESA形成および酸化分解を考慮した最適なE:S比は、0.6である。これはまた、酸化防止剤のメタ重亜硫酸ナトリウムの濃度が時間と共に劇的に低下し(実施例9および図13−メタ重亜硫酸ナトリウムの出発含有量が低くてもE:S=1.2、60℃で28日後にすでに、その>70%が、E:S=3でもその>90%が分解されることを示す−を参照)、したがってより長い保管期間後または有効期間の終わりには酸化防止剤の許容不能な低濃度をもたらすことをも考慮に入れている。成人用製剤(エピネフリン1.1mg/mL)に対して見出された0.6という最適なE:S比はまた、小児用製剤(エピネフリン0.55mg/mL)についても確認された(実施例10および図14〜17を参照)。これらの結果は、室温で6および12カ月間にわたり長期保管された時の成人用および小児用の製剤の両方について確認されている(実施例11および図18〜21を参照)。
したがって驚くべきことに、キレート化剤のEDTAおよび酒石酸塩の添加によって、重亜硫酸塩の添加のみが低減されるばかりではなく(Milano E. A. et al., J. Parent. Sci. Techn. Vol. 36, No. 6, 232-236, 1982)、D−エピネフリンの形成も顕著に低減されることが見出されている。さらに、驚くべきことに、EDTAを0.04〜0.31mg/mL、好ましくは0.08〜0.24mg/mL、特に好ましくは0.09〜0.16mg/mLの範囲で、最も好ましくは0.13mg/mL、含有し、あるいはNa2EDTA*2H2Oを0.05〜0.4mg/mL、好ましくは0.1〜0.3mg/mL、特に好ましくは0.12〜0.2mg/mLの範囲で、最も好ましくは0.16mg/mL含有し、0.9〜0.1、好ましくは0.8〜0.15、より好ましくは0.7〜0.3、特に好ましくは0.65〜0.45、最も好ましくは0.6のE:S(エピネフリン化合物と、亜硫酸塩等価物(=亜硫酸イオン、SO3 2-)として測定した酸化防止剤のメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムとのモル比)を有する医薬用エピネフリン組成物は、成人用(6mMエピネフリン)製剤および小児用(3mMエピネフリン)製剤の両方に関して、3つの異なるエピネフリン分解経路(酸化、重亜硫酸塩の添加およびラセミ化)の全てを防止し、潜在的なアレルゲン性賦形剤であるメタ重亜硫酸ナトリウムの濃度を可能な限り低く保つために、最適な医薬用組成物であることが見出されている。EDTAの代りに、EGTAを類似的に使用することができる。
これらの医薬用組成物は、3〜9mM、好ましくは3.5〜7mM、より好ましくは4.5〜5.5mM、特に好ましくは5mMのメタ重亜硫酸ナトリウムを含有するエピネフリン製剤(成人用)および1.5〜9mM、好ましくは1.7〜7mM、より好ましくは2.3〜3mM、特に好ましくは2.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウムを含有するエピネフリン製剤(小児用)に相当する。より高いL−エピネフリン:亜硫酸塩等価物比(より低いメタ重亜硫酸ナトリウム濃度)を有する製剤は、2017年7月のドイツでのEmerade(登録商標)の回収が示すように、酸化ダメージのリスクのために、且つ酸化防止剤であるメタ重亜硫酸ナトリウムの時間経過に伴う顕著な減少が観察されたことにより、最適には及ばないと考えられる。メタ重亜硫酸ナトリウムの代りに、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムを類似的に使用することができる。しかし、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムは、1つの亜硫酸塩等価物のみを含むため、相当する濃度は、6〜18mM、好ましくは7〜14mM、より好ましくは9〜11mM、特に好ましくは10mMの亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムを含む本発明のエピネフリン製剤(成人用)および3〜18mM、好ましくは3.4〜14mM、より好ましくは4.6〜6mM、特に好ましくは5mMの亜硫酸ナトリウムまたは重亜硫酸ナトリウムを含む本発明のエピネフリン製剤(小児用)である。
さらに、pHを保ち、製剤をさらに安定化するために、酒石酸塩を、酒石酸エピネフリンまたは酒石酸塩として、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比が、成人用および小児用のいずれについても、0.6〜1.3、好ましくは0.8〜1.2、特に好ましくは1.0であるように添加してよく、あるいは本発明の医薬用組成物中の酒石酸塩の濃度は、2〜8mM、好ましくは2〜4mM(小児用製剤)または4〜8mM(成人用製剤)、より好ましくは2〜4mM(小児用製剤)または5〜7mM(成人用製剤)、特に好ましくは2.5〜3.5または5.5〜6.5mM、最も好ましくは3または6mMである。
さらに、本発明の医薬用組成物中のエピネフリンの濃度は、2〜8mM、好ましくは2〜4mM(小児用製剤)または4〜8mM(成人用製剤)、より好ましくは2〜4mM(小児用製剤)または5〜7mM(成人用製剤)、特に好ましくは2.5〜3.5または5.5〜6.5mM、最も好ましくは3または6mM(それぞれ、小児用または成人用製剤)である。
したがって、本発明の一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比(E:S)0.9〜0.1で、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が2〜8mMである医薬用組成物である。
本発明のさらなる一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.9〜0.1で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.6〜1.3で、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が2〜8mMである医薬用組成物である。
本発明の別の実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.9〜0.1で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.6〜1.3で、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が2〜8mMである医薬用組成物である。
本発明の好ましい一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.8〜0.15で、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、小児用および成人用製剤に対してそれぞれ、2〜4または4〜8mMである医薬用組成物である。
本発明のさらに好ましい一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.8〜0.15で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、小児用および成人用製剤に対してそれぞれ、2〜4または4〜8mMである医薬用組成物である。
本発明の別の好ましい実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.8〜0.15で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含む、pH3〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、小児用および成人用製剤に対してそれぞれ、2〜4または4〜8mMである医薬用組成物である。
本発明のより好ましい一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.7〜0.2で、8〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2〜4または5〜7mMである医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.7〜0.2で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、8〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2〜4または5〜7mMである医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.7〜0.2で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、8〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2〜4または5〜7mMである医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.65〜0.45で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.65〜0.45で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.65〜0.45で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明の特定の一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.6で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明のさらなる特定の一実施形態は、エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤を、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.6で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.6で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.6で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比1.0で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、2.5〜3.5または5.5〜6.5mMである医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.6で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比1.0で、8〜9.5mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.8〜4.0の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、3または6mMである医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、エピネフリンおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを、エピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.6で、酒石酸塩を、エピネフリンの酒石酸塩に対するモル比1.0で、8.2〜9.2mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.9の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が、3または6mMである医薬用組成物である。
本発明のさらなる一実施形態は、4〜8mMのエピネフリン、3〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、6〜18mMの亜硫酸ナトリウムおよび6〜18mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明のさらなる一実施形態は、4〜8mMのエピネフリン、3〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、6〜18mMの亜硫酸ナトリウムおよび6〜18mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、4〜8mg/mLの酒石酸塩、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明のさらなる一実施形態は、4〜8mMのエピネフリン、3〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、4〜8mg/mLの酒石酸塩、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の好ましい一実施形態は、5〜7mMのエピネフリン、3.5〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、7〜14mMの亜硫酸ナトリウムおよび7〜14mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、8〜9mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのEDTAを含むpH3.3〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明のさらに好ましい一実施形態は、5〜7mMのエピネフリン、3.5〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、7〜14mMの亜硫酸ナトリウムおよび7〜14mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、5〜7mg/mLの酒石酸塩、8〜9mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのEDTAを含むpH3.3〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の好ましい一実施形態は、5〜7mMのエピネフリン、3.5〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、5〜7mg/mLの酒石酸塩、8〜9mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのEDTAを含むpH3.3〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明のより好ましい一実施形態は、5.5〜6.5mMのエピネフリン、4.5〜5.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、9〜11mMの亜硫酸ナトリウムおよび9〜11mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、8〜9mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、5.5〜6.5mMのエピネフリン、4.5〜5.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、9〜11mMの亜硫酸ナトリウムおよび9〜11mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、5.5〜6.5mg/mLの酒石酸塩、8〜9mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、5.5〜6.5mMのエピネフリン、4.5〜5.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、5.5〜6.5mg/mLの酒石酸塩、8〜9mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の特定の一実施形態は、6mMのエピネフリン、5.0mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、10mMの亜硫酸ナトリウムおよび10mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、8〜9mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、6mMのエピネフリン、5.0mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、10mMの亜硫酸ナトリウムおよび10mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、6mg/mLの酒石酸塩、8〜9mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、6mMのエピネフリン、5.0mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、6mg/mLの酒石酸塩、8〜9mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、6mMのエピネフリン、5.0mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、6mg/mLの酒石酸塩、8.4mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.9の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の特定の実施形態は、2mg/mLの酒石酸エピネフリンまたは1.1mg/mLのエピネフリン基剤および0.9mg/mLの酒石酸塩、0.95mg/mLのメタ重亜硫酸ナトリウム、8.4mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.9の、成人用製剤として成人に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の実施形態は、2〜4mMのエピネフリン、1.5〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3〜18mMの亜硫酸ナトリウムおよび3〜18mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の実施形態は、2〜4mMのエピネフリン、1.5〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3〜18mMの亜硫酸ナトリウムおよび3〜18mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、2〜4mMの酒石酸塩、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の実施形態は、2〜4mMのエピネフリン、1.5〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、2〜4mMの酒石酸塩、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3〜4.5の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の好ましい一実施形態は、2〜4mMのエピネフリン、1.7〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3.4〜14mMの亜硫酸ナトリウムおよび3.4〜14mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、8.5〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の好ましい実施形態は、2〜4mMのエピネフリン、1.7〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3.4〜14mMの亜硫酸ナトリウムおよび3.4〜14mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、2〜4mMの酒石酸塩、8.5〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の好ましい実施形態は、2〜4mMのエピネフリン、1.7〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、2〜4mMの酒石酸塩、8.5〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明のより好ましい一実施形態は、2.5〜3.5mMのエピネフリン、2.3〜3mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、4.6〜6mMの亜硫酸ナトリウムおよび4.6〜6mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、2.5〜3.5mMのエピネフリン、2.3〜3mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、4.6〜6mMの亜硫酸ナトリウムおよび4.6〜6mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、2.5〜3.5mMの酒石酸塩、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別のより好ましい実施形態は、2.5〜3.5mMのエピネフリン、2.3〜3mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、2.5〜3.5mMの酒石酸塩、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.3〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の特に好ましい一実施形態は、3mMのエピネフリン、2.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、5mMの亜硫酸ナトリウムおよび5mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の特に好ましい一実施形態は、3mMのエピネフリン、2.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、5mMの亜硫酸ナトリウムおよび5mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、3mMの酒石酸塩、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の特に好ましい一実施形態は、3mMのエピネフリン、2.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3mMの酒石酸塩、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.7〜4.2の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の特に好ましい一実施形態は、3mMのエピネフリン、2.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3mMの酒石酸塩、9mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.9の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の別の特定の一実施形態は、1mg/mLの酒石酸エピネフリンまたは0.55mg/mLのエピネフリン基剤および0.45mg/mLの酒石酸塩、0.48mg/mLのメタ重亜硫酸ナトリウム、9mg/mLのNaCl、0.13mg/mLのEDTAまたは0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.9の、小児用製剤として小児に対して使用される医薬用組成物である。
本発明の医薬用組成物は、グルコース、グリセリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マンニトール、ポリソルベート、プロピレングリコール、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ソルビトール、尿素、キシリトール、および/またはそれらの組合せなどの浸透圧調節剤、好ましくはNaClによって、等浸透圧製剤を維持するように調節される。
本発明の医薬用組成物のpHは、乳酸、酒石酸、グルタミン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、酢酸、グリシン、およびアスパラギン酸の1つまたは複数の酸または塩形態、ならびに水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、および水酸化バリウムなどのpH上昇剤、好ましくは水酸化ナトリウムによって、ならびに酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、クエン酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸、ピロリン酸、コハク酸、硫酸、およびまたは酒石酸などのpH低下剤、好ましくは塩酸によって、調節される。
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、エピネフリンと、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤、酒石酸塩、NaCl、EDTAまたはNa2EDTA*2H2Oを、水と共に適切な剤形にすることを特徴とする、本発明の医薬用組成物の調製のためのプロセスである。
本発明はさらに、エピネフリンが少なくとも1つの症状を軽減するのに適している、任意の医学的病態を治療するための、組成物の送達のための装置、投与経路、および方法に関する。本発明のエピネフリン製剤は、それによって改善されるいかなる医学的病態に対して使用されてもよいが、特定の場合には、それに対して本発明の組成物が使用される医学的病態は、アレルギー性緊急事態の状況下のもの、例えば、アナフィラキシーなどを含む、アレルギー反応である。アナフィラキシーの治療は、アナフィラキシーの少なくとも1つの症状を改善するかまたは軽減することに関する。特定の場合、本発明のエピネフリン製剤は、不整脈、例えば心拍出量の低減または完全な阻害に至る心停止など、において、血液が身体中心部へと向けられるように、α−刺激血管収縮を介して末梢血管抵抗を促進するために使用される。こうした製剤およびその量は、心臓の易刺激性が医学的に許容されないレベルに増大することがない限りにおいて、使用される。
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、アレルギー性緊急事態の状況下のアレルギー反応およびアナフィラキシーおよび全身性毒性応答の状況下のアナフィラキシー様反応からなる群から選択される、生理学的および/または病態生理学的状態の治療に使用するための、本発明の医薬用組成物である。
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、アレルギー性緊急事態の状況下のアレルギー反応およびアナフィラキシーおよび全身性毒性応答の状況下のアナフィラキシー様反応からなる群から選択される、生理学的および/または病態生理学的状態の治療のための薬剤の調製のための本発明の医薬用組成物の使用である。
本発明の別の実施形態は、本発明の医薬用組成物を含む薬剤を投与することによる、アレルギー性緊急事態の状況下のアレルギー反応およびアナフィラキシーおよび全身性毒性応答の状況下のアナフィラキシー様反応からなる群から選択される、生理学的および/または病態生理学的状態の治療方法である。
さらに、本発明は、アナフィラキシーなどのアレルギー性緊急事態を含む、エピネフリンを必要とする医学的病態を治療するためのキットを提供する。本発明の医薬用組成物は、他の製剤よりも驚くほど向上した安定性を提供する。安定性の向上は、少なくとも患者の安全、有効期間増加、廃棄物低減、コスト削減、および/または使用者にとっての利便性の向上に関して恩恵を与える。本発明の組成物は、室温で安定であり、且つ冷蔵の必要なしに保管することが可能な製剤を提供する。したがって、装置またはキットは、クリニック、救急治療室、飛行機、学校、公共の場、レストラン、住宅において、個人が持参して、あるいは緊急治療センターまたは病院において、例えば緊急事態での容易なアクセスのために、緊急クラッシュカートまたは医療キットに配置される。
こうした治療は、一時的なものであることがあり、本発明の特定の実施形態において、大部分の場合、一時的である。本発明の製剤、方法、およびキットは、エピネフリンが医学的目的に必要とされるいかなる状況に対しても適している。本発明の特定の実施形態において、本発明の方法またはキットは、患者が専門的な医療援助を求めるための十分な時間を確保するために、アナフィラキシーの少なくとも1つの症状からの緊急的救済を提供する。したがって、本発明の装置およびキットは、専門的保育環境および家庭において例えば、特に、アナフィラキシーのリスクがある1人または複数人が生活していることが既知である場所において、応急処置キットに含めるのに好適である。本発明の装置およびキットはまた、アナフィラキシーのリスクがある人またはアナフィラキシーのリスクがある人の世話を担っている人が便利に携行することができる。医療機関の救急治療室においていわゆるクラッシュカートに包含するのにも好適である。本発明の方法は、例示的な前述のいかなる状況においても、アナフィラキシーなどの、アレルギー性緊急事態のリスクがある人を治療するのに適している。
エピネフリンは典型的に、アナフィラキシーにおいて皮下または筋肉内への注射によって投与されるが、いかなる投与経路も適切である可能性がある。注射は、クリニックまたは病院環境において、医療専門家によって行われうる。別法として、オートインジェクターの形態は、例えば、医療専門家にとって、または特定の刺激に対する重度のアレルギー応答に苦しんでいる患者による自己投与にとって、便利なアプリケーターを提供する。
エピネフリンは通常、注射器具によって非経口的に投与される。一般的な注射器具は、単純な手動シリンジ式からオートインジェクターにまで及ぶ。手動シリンジ式は、注射外筒およびプランジャーを含むシリンジと適切な寸法の針を含むことになる。こうした単純なシリンジは、予め充填されたカートリッジを受けるように作製されてよく、シリンジ内に充填された薬物の製剤と共に包装されてよく、あるいは、例えばバイアルと共に使用されてよい。製剤化されたエピネフリンなどの薬物は、調製され、例えば、ガラス製の容器、アンプル、予充填カートリッジ、シリンジ、あるいは単一または複数用量の容器であってよいバイアルに充填されてよい。
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、本発明の医薬用組成物を含むガラス製シリンジである。本発明の別の実施形態は、本発明の医薬用組成物を含むオートインジェクターである。本発明の別の実施形態は、
a)ガラス製シリンジまたはオートインジェクターおよび
b)ガラス製容器、アンプル、予充填カートリッジまたはバイアルに保管された、本発明の医薬用組成物
の個別のパックからなるセット(キット)である。
医学的病態の治療において使用するための例示的エピネフリン製剤は、特定の実施形態において、筋肉内注射によって送達されてよい。特定の実施形態において、注射器具は、1.1mLの本発明のエピネフリン製剤を提供し、希釈度1:1000(0.3mg)の無菌溶液から0.3mLエピネフリンの単一用量を送達することになる(成人の治療)。別法として、注射器具は、1.1mLの本発明のエピネフリン製剤を提供し、希釈度1:2000(0.15mg)の無菌溶液から0.3mLのエピネフリンの単一用量を送達してよい(小児の治療)。
自動注射器またはオートインジェクター、例えば、米国特許第5,358,489号、米国特許第5,400,644号、米国特許第5,665,071号、米国特許第5,695,472号および米国特許第9,186,459号に開示の例示的装置など、が当技術分野において知られている。一般に、全ての自動注射器は、注射される容積のエピネフリン溶液を含む。一般に、自動注射器は、エピネフリン溶液を保持して、薬物送達のための針と流体連通する貯蔵部、ならびに針を自動的に配置し、患者に針を挿入し、且つ用量を患者に送達するメカニズムを含む。例証的且つ例示的な自動注射器は、米国特許公開第2005/0222539号に記述されている。
例示的注射器は、溶液1mL当たり約0.5または1mgのいずれかの濃度(それぞれ、1:2000または1:1000)で、約0.3mLのエピネフリン溶液を提供する。各注射器は、一用量のエピネフリンを送達することができ、オートインジェクター内に残存するいかなるエピネフリン(一般に、エピネフリンの元の容積の約80%)も、送達には利用できず、廃棄しなければならない。
さらに、オートインジェクターは、患者が成人であっても小児であっても、0.3mLの均一容積のエピネフリンを当該患者に送達する。成人用が、希釈度1:1000のエピネフリン0.3mLを送達する一方で、小児用は、希釈度1:2000のエピネフリン0.3mLを送達する。医薬品のこの容積は、幼い小児には不快感を与えるかもしれないが、重篤なアナフィラキシーの治療におけるエピネフリンの救命性によっていかなる不快感も相殺される。しかし、本発明のさらなる目的は、約30kg未満の人におけるアナフィラキシー治療のための組成物および方法に対するニーズを満たす一方で、より少ない用量のエピネフリンが患者に送達されうることである。
したがって、アレルギー性緊急事態などの医学的病態の治療は、本発明が特にそれに好適である、アナフィラキシーの治療を含む。さらに、アレルギー性緊急事態の治療は、エピネフリンによって治療されてよい他のアレルギー性病態の治療を含む。例えば、薬物に対するアナフィラキシー様反応の症状は、アナフィラキシーのそれと非常に類似しており、同様な方法で治療される。反応が全身性免疫応答(アナフィラキシー)であるか全身性毒性応答(アナフィラキシー様反応)であるかが明らかではない場合、受容されている一次治療はエピネフリンによるものである。この意味で、アレルギー性緊急事態の治療は、アナフィラキシー、アナフィラキシー様反応またはその両方の治療を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、患者におけるアナフィラキシーなどのアレルギー性緊急事態の治療方法を提供する。方法は、それを必要とする患者に、約0.3mLのエピネフリン溶液から基本的になる0.3mg用量のエピネフリンを自動的に注射することを含む。エピネフリン溶液中のエピネフリン濃度は、溶液1mL当たりエピネフリン約1mgである。
より小用量のエピネフリン(0.3mL中0.15mg用量)は、体重が約30kg未満の小さな患者の治療に特に適している。したがって、用量が約0.15mgであるいくつかの実施形態において、患者の体重は約30kg未満である。特定の実施形態において、患者の体重は、約15kg未満である。
市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによりエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリン含有量は、試料中の総エピネフリン量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、0.55および1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。総エピネフリンの定量およびエナンチオマー比の決定に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、0.55および1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリン含有量は、試料中の総エピネフリン量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリンの含有量は、試料中のエピネフリンの総量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をEDTA(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、28日後に、HPICによって亜硫酸塩量を決定し、残存メタ重亜硫酸ナトリウム濃度を算出した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリンの含有量は、試料中のエピネフリンの総量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(0.55mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(0.55mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリンの含有量は、試料中のエピネフリンの総量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、1.1mg/mLまたは0.55mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。 2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、1.1mg/mLまたは0.55mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
本発明の医薬用組成物は、有効量の1つまたは複数のエピネフリン製剤を含む。製剤は、薬学的に許容される担体中に溶解または分散されていてよい。担体は、本発明の安定性向上剤であっても、そうでなくてもよい。句「薬学的にまたは薬理学的に許容される」は、必要に応じて、例えばヒトなどの動物に投与された場合、有害な、アレルギー性のあるいは他の好ましくない反応を引き起こすことがない分子実体または組成物を表す。少なくとも1つのエピネフリン製剤および/または追加の活性成分を含む医薬用製剤の調製は、参照することにより本明細書に組み込まれているRemingon's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990によって例示されているように、本開示を検討している当業者には既知であろう。さらに、動物(例えばヒト)への投与に関して、調製物はFDA生物学的基準局(FDA Office of Biological Standards)によって要求されるように、無菌性、発熱性、一般的安全性、および純度基準を満たすべきであることが理解されよう。
本明細書において使用される「薬学的に許容される担体」は、当業者には既知であろうように、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定化剤、ゲル、バインダー、賦形剤、崩壊剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、染料、などの物質およびそれらの組合せを含む(例えば、参照することにより本明細書に組み込まれているRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329を参照)。任意の従来の担体が活性成分に適合しない場合を除く限りにおいて、医薬用組成物へのその使用は、容認される。
エピネフリン製剤は、液体の形態で投与されてよく、いずれにせよ、注射のような投与経路に関しては無菌である必要がある。特定の実施形態において、投与は静脈内に、皮内に、髄腔内に、動脈内に、腹腔内に、筋内に、皮下に、局所的に、脂質組成中(例えば、リポソーム)で、行われるが、本発明は、いかなる適切な方法で、または他の方法あるいは当業者に知られているように、前述のものいかなる組合せによって投与されてもよい(例えば、参照することにより本明細書に組み込まれているRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990を参照)。
製剤に関して、溶液は、投与製剤に適合する方法で、治療上有効であるような量で投与されることになる。製剤は、注射溶液などの非経口的投与用に製剤化されたような、種々の剤形で容易に投与される。さらに、本発明によれば、投与に適した本発明の組成物は、不活性希釈剤を含むかまたは含まない、薬学的に許容される担体中で提供される。担体は、同化可能であるべきであり、液状担体を含む。任意の従来の媒体、剤、希釈剤または担体が受容者に対してまたはそこに含まれる組成物の治療的有効性に対して有害である場合を除く限りにおいて、本発明の方法の実施において使用するための投与可能な組成物におけるその使用は適切である。担体または希釈剤の例は、脂肪、油、水、生理食塩水、脂質、リポソーム、樹脂、バインダー、フィラーなど、またはそれらの組合せを含む。組成物はまた、1つまたは複数の成分の酸化を遅らせるために種々の酸化防止剤を含んでよい。さらに、微生物の作用の防止を、パラベン(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールまたはそれらの組合せを含むが、これらに限定されることのない、種々の抗菌剤および抗真菌剤などの保存剤によって行うことができる。
本発明によれば、組成物は、任意の従来の実用的な方法で、すなわち溶解、懸濁、乳化、混合、カプセル化、吸収などによって、担体と組み合わされる。こうした処置は当業者にとっては日常的手順である。
本発明の医薬用組成物は、ヒト医学または獣医学において薬剤として使用されうる。患者または宿主は、いかなる哺乳類種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯類;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなど、に属していてもよい。動物モデルは、それらがヒト疾患の治療に関するモデルを提供する、実験的研究にとって興味深い。
動物患者に投与される本発明の組成物の実投与量は、体重、病態の重症度、治療しようとする疾患のタイプ、以前のまたは併用の治療的介入、患者の特発性などの身体的および生理学的要因ならびに投与経路によって決定することができる。投与量および投与経路に依存して、好ましい投与量および/または有効量の投与回数は、対象の応答に応じて変化してよい。投与を担当する医師は、いずれにせよ、個々の対象に対して組成物中の活性成分の濃度および適切な用量を決定することになる。
特定の実施形態において、医薬用組成物は、例えば、少なくとも約0.05%の活性化合物を含んでよい。他の実施形態において、活性化合物は、例えばユニットの質量の約1%から約75%、または約25%から約60%、およびその中から引き出される任意の範囲を含んでよい。当然ながら、治療上有用な各組成物中の活性化合物の量は、適切な投与量が化合物の任意の所与の単位用量で得られるように整えることができる。溶解度、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与経路、製品の有効期間などの要因、ならびに他の薬理学的考慮は、こうした薬理学的製剤調製分野の当業者によって熟考されることになり、したがって種々の投与量および治療レジメンが望ましい可能性がある。
他の非限定的な例において、1用量はまた、1投与当たり、約1μg/kg体重、約5μg/kg体重、約10μg/kg体重、約50μg/kg体重、約100μg/kg体重、約200μg/kg体重、約350μg/kg体重、約500μg/kg体重、約1mg/kg体重、約5mg/kg体重、約10mg/kg体重、約50mg/kg体重、約100mg/kg体重、約200mg/kg体重、約350mg/kg体重、約500mg/kg体重から、約1000mg/kg体重以上、およびその中から引き出される任意の範囲を含んでよい。本明細書に列挙された数字から引き出される範囲の非限定的例において、約5mg/kg体重から約100mg/kg体重、約5μg/kg体重から約500mg/kg体重、などが、前述の数字に基づいて、投与されてよい。
さらなる実施形態において、エピネフリン製剤は、非経口的経路を介して投与されてよい。本明細書において使用される用語「非経口的な」は、消化管を迂回する経路を含む。具体的には、本明細書に開示の医薬用組成物は、例えば、静脈内に、皮内に、筋内に、動脈内に、髄腔内に、皮下に、または腹腔内に投与されてよいが、これらに限定されるものではない。
遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合した水中に調製されてよい。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中、ならびに油中に調製されてよい。通常の保管および使用条件下で、これら調製物は、微生物の成長を防止するために、保存剤を含む。
注射用途に適した医薬品の形態には、無菌水溶液または分散液ならびに無菌注射用溶液または分散液の即時調製のための無菌粉末が含まれる。全ての場合において、形態は無菌でなければならず、且つ容易な注射可能性が存在する範囲内で液体でなければならない。形態は、製造および保管の条件下で安定でなければならず、且つ細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および/または植物油を含む、溶媒または分散媒であってよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤の使用によって、維持されてよい。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール、などによって達成することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウム、を含むことは好ましいであろう。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅延する剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン、の組成物中での使用によって達成することができる。
水溶液としての非経口的投与に関して、例えば、溶液は必要に応じて適切に緩衝されるべきであり、液体希釈剤は先ず、十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされるべきである。これら特定の水溶液は、特に静脈内、筋内、皮下、および腹腔内投与に適している。これに関連して、使用することができる無菌水性媒体は、本開示を検討している当業者には既知であろう。例えば、1投与量は1mLの等張NaCl溶液中に溶解されてよく、且つ1000mLの皮下点滴療法液に添加されるかまたは提案された注入部位に注射されてよい(例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences" 15th Edition, pages 1035-1038 and 1570-1580を参照)。投薬におけるいくつかの変形例が、治療を受ける対象の状態に応じて必然的に発生することがある。投与の担当者は、いずれにせよ、個々の対象に対して適切な用量を決定することになる。さらに、ヒトへの投与に関して、調製物は、FDA生物学的基準局によって要求されるように、無菌性、発熱性、一般的安全性、および純度基準を満たすべきである。
無菌注射溶液は、活性化合物を、必要な量で適切な溶媒中に、必要に応じて上に列挙した種々の他の成分と共に、配合し、それに続いて無菌濾過することによって調製される。一般に、分散液は、種々の無菌活性成分を、基礎となる分散媒および上に列挙したものの中から必要とされる他の成分を含む無菌媒体中に、配合することによって調製される。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これら技術は、活性成分に任意の追加の所望の成分を加えた粉末を、予め無菌濾過したそれらの溶液から産生する。粉末化された組成物は、例えば、安定化剤を含むかまたは含まない、水または生理食塩水などの液体担体と組み合わせられる。
本明細書に記述のいかなる組成物も、キットの中に含まれてよい。非限定的な例において、本発明のエピネフリン製剤は、キットの中に含まれてよい。したがって、キットは、適切な容器手段および本発明のエピネフリン製剤を含むことになる。
キットは、適切にアリコート化されたエピネフリン製剤を含んでよい。特定の場合、製剤は、EDTAならびに、アセチルシステイン、システイン、チオグリセロール、またはクエン酸のうちの1つまたは複数を含む。キットの構成要素は、水性溶媒中または凍結乾燥形態のいずれかで包装されてよい。キットの容器手段は、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ビン、シリンジまたは他の容器手段を含み、その中に組成物が入れられてよく、好ましくは適切にアリコート化されてよい。
キット内に2つ以上の構成要素がある場合、キットはまた一般に、その中に追加の構成要素が別々に入れられた、第2、第3または他の追加の容器を含むことになる。しかし、1バイアル中に構成要素の種々の組合せが含まれてもよい。本発明のキットはまた、典型的に、エピネフリン製剤を含む手段および任意の他の試薬容器を市販用に、密接に封じ込んで含むことになる。こうした容器は、射出成形またはブロー成形されたプラスチック容器を含み、その中に所望のバイアルが保持される。
キットの構成要素が1つおよび/または複数の液状溶液として提供される場合、液状溶液は、水溶液であり、無菌水溶液が特に好ましい。エピネフリン製剤はまた、シリンジで注入可能な組成物に製剤化されてもよい。その場合、容器手段はそれ自体がシリンジ、ピペット、および/または他のそうした器具であってよく、そこから製剤が身体の適切な部域に適用され、動物に注射され、および/またはキットの他の構成要素に加えるか且つ/または混合されてもよい。
しかし、キットの構成要素は、乾燥粉末として提供されてもよい。試薬および/または構成要素が、乾燥粉末として提供される場合、粉末は適切な溶媒の添加によって再構成されてよい。溶媒がまた別の容器手段中で提供されてよいことも想定される。
容器の数および/または種類に関わらず、本発明のキットはまた、究極のエピネフリン製剤を動物の体内に注射/投与および/または配置するのを助けるための器具を含み且つ/またはその器具と共に包装されてもよい。こうした器具は、シリンジ、オートインジェクター、または医学的に承認された任意のこうした注射剤送達媒体であってよい。
エピネフリンは、その最終的な非塩形態で使用することができる。その一方で、本発明はまた、当分野において製造者に知られている種々の有機または無機塩基から誘導される、薬学的に許容される塩の形態での、エピネフリンの使用をも包含する。適切な酸添加塩は、生理学的または薬理学的に許容される全ての酸の無機または有機塩、例えば、ハロゲン化物、特に塩酸塩、臭化水素酸塩、乳酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、リン酸塩、メチルスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩である。酒石酸エピネフリンは、薬学的に許容される好ましい塩形態である。エピネフリンの薬学的に許容される塩形態は、大部分は、従来の方法によって調製される。
さらなる実施形態がなくても、当業者であれば、最も広範囲で上の記述を使用することが可能であろうと考えられる。したがって、好ましい実施形態は、いかなる点においても決して限定することのない、単に記述的な開示とみなされるべきである。
したがって、以下の実施例は、本発明を限定することなく説明するよう意図されている。別段の指示がない限り、パーセントのデータは、質量パーセントを意味する。温度は全て、摂氏温度(℃)で示される。
(実施例1)
エナンチオマー比(D−エピネフリン対L−エピネフリン)決定のためのキラルHPLC
エピネフリン溶液を、直接、HPLCにかけた(0.55mg/mLエピネフリン製剤)かまたはプラセボ溶液で1:2に希釈したものをかけた(1.1mg/mLエピネフリン製剤)。クロマトグラフィーによる分離を、Vanquish Flex system(Thermo Scientific)上で行った。2μlの試料をキラルHPLCカラム(Orpak CDBS−453、4.6mm×150mm、3μmの粒径、Shodex)に注入した。クロマトグラフィーによる分離を、溶離液A(99%[v/v]10mM酢酸アンモニウム、pH4.0;1%[v/v]アセトニトリル)中、15℃で、35分間、流速0.6mL/分で行った。L−およびD−エピネフリンのUV検出を280nmで行った。対応するピーク面積を積分してエナンチオマー比を算出した。
(実施例2)
総エピネフリンおよびESAの定量のためのPGC(多孔性グラファイトカーボン)HPLC
エピネフリン溶液を、直接、PGC−HPLCにかけた(0.55mg/mLエピネフリン製剤)かまたはプラセボ溶液で1:2に希釈したものをかけた(1.1mg/mLエピネフリン製剤)。クロマトグラフィーによる分離を、Vanquish Flex system(Thermo Scientific)上で、流速0.5〜1.5mL/分で行った。2μlの試料をPCGカラム(HYPERCARB PGC、4.6mm×100mm、3μmの粒径、Thermo Scientific)に注入した。クロマトグラフィーによる分離を、60℃で、60分間、0.2%TFAから0.05%TFA75%アセトニトリルへのグラジエントで、次いで100%イソプロパノールへのグラジエントで、最後に0.2%TFAへのグラジエントを用いて行った。エピネフリンおよびESAのUV検出を280nmで行った。対応するピーク面積を積分し、エピネフリンおよびESAの量を、各々のUVレスポンスファクターを考慮に入れて、外部検量線を用いて、算出した。
(実施例3)
亜硫酸塩としてのメタ重亜硫酸ナトリウムの決定のためのHPIC(高性能イオンクロマトグラフィー)
エピネフリン溶液を、0.37%ホルムアルデヒドを含む水で、1:100(1.67mg/mLのNa225を含む製剤)、1:50(0.95mg/mLおよび0.48mg/mLのNa225を含む製剤)および1:25(0.16mg/mLのNa225を含む製剤)に希釈した。クロマトグラフィーによる分離を、Dionex Ion chromatograph ICS3000上で行った。50μlの試料を、ガードカラム(AG4aSC、4mm×50mm、Thermo Scientific)を用いて、HPICカラム(AS4aSC、4mm×250mm、Thermo Scientific)に注入した。クロマトグラフィーによる分離を、溶離液A(水中、1.3mM炭酸水素ナトリウムおよび1.4mM炭酸ナトリウム)中、30℃で、20分間、流速2mL/分で行った。セル温度35℃で、サプレッサー法による電気電導度検出を行った。対応するピーク面積を積分し、亜硫酸塩の量を、外部検量線を用いて、算出した。
(実施例4)
総エピネフリンおよびESAの代替定量(実施例11、図18〜21のみ)
A:総エピネフリンのHPLC定量
総エピネフリンのHPLC定量を、USPエピネフリン注射液(USP Epinephrine Injection)に従って、UV280nm検出器およびL7充填剤を含む4.6mm×15cmのカラムを搭載したクロマトグラフィーシステムを用いて、行った。
B:ESAの定量
エピネフリン溶液を、直接、C18−HPLCにかけた(0.55mg/mLエピネフリン製剤)かまたはプラセボ溶液で1:2に希釈したものをかけた(1.1mg/mLエピネフリン製剤)。クロマトグラフィーによる分離を、Agilent 1260 system上で、流速0.8mL/分で行った。50μlの試料を、C18カラム(Kromasil 100−5−C18、4.6mm×250mm、粒径5μm、Sigma−Aldrich)に注入した。クロマトグラフィーによる分離を、30℃で、57分間、0.01Mの1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム一水和物から0.005Mの1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム一水和物50%アセトニトリルへのグラジエントで、次いで0.01Mの1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム一水和物へのグラジエントで、行った。ESAのUV検出を280nmで行った。対応するピーク面積を積分し、ESAの量を、USP不純物F標準品に対して、算出した。
(実施例5)
Epipenの小児用および成人用製剤において、EDTAの添加はD−エピネフリンおよびESAの形成を低減し総エピネフリンおよびL−エピネフリンを安定化する
凡例図1:
市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによりエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリン含有量は、試料中の総エピネフリン量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図2:
市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図1および図2が示す結果
Epipenの製剤(SyriQシリンジ中に保管)へのキレート化剤EDTAの添加によって、形成された不純物であるD−エピネフリンおよびESAの量は、小児用(0.55mg/mL)および成人用(1.1mg/mL)力価の両方について有意に低減される。
凡例図3:
市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、0.55および1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図4:
市販のエピネフリン製剤(小児用:0.55mg/mLおよび成人用:1.1mg/mL)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2O存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。総エピネフリンの定量およびエナンチオマー比の決定に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、0.55および1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図3および図4が示す結果:
Epipenの製剤(SyriQシリンジ中に保管)へのキレート化剤EDTAの添加によって、総(D−&L−)エピネフリンおよびL−エピネフリンの安定性は、小児用(0.55mg/mL)および成人用(1.1mg/mL)力価の両方について有意に増大される。
(実施例6)
キレート化剤の酒石酸塩およびEDTAの添加は、D−エピネフリンの形成を長期間、低減し、ESAの形成を低減し、総エピネフリンおよびL−エピネフリンを安定化する

凡例図5:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリン含有量は、試料中の総エピネフリン量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図6:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図5および図6が示す結果:
酒石酸エピネフリン(キレート化剤の酒石酸塩はpH安定化のために使用される)の使用によってすでに、1.1mg/mLエピネフリン製剤におけるD−エナンチオマーの形成は有意に低減される。しかし、酒石酸塩単独での添加は、長期安定性のためには不十分である。EDTAのさらなる添加によってのみ、長期安定性が得られる。さらに、ESA形成は、酒石酸塩およびEDTAの添加によって低減される。
凡例図7:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図8:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34)を0.16mg/mLのNa2EDTA*2H2Oおよび0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図7および図8が示す結果:
酒石酸エピネフリンおよびEDTAの使用によって、1.1mgエピネフリン製剤において、総(D−&L−)エピネフリンおよびL−エピネフリンの安定性は、有意に増大する。
(実施例7)
キレート化剤の酒石酸塩およびEDTAの添加は、D−エピネフリンおよびESAの形成を、広範なメタ重亜硫酸塩濃度範囲にわたって、低減する
凡例図9:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリンの含有量は、試料中のエピネフリンの総量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図10:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図9および図10が示す結果:
種々のE:S比を有するエピネフリン製剤(1.1mg/mL)は、酒石酸塩およびEDTAの存在下で、D−エピネフリンレベルの低減を示した。長期間のL−エピネフリンの安定性のためには、酒石酸塩単独の添加では不十分であった。ラセミ化を防止するための最適なE:S比は0.6である。
ESA形成は、E:S比に高度に依存する。比が小さくなるほどESAの形成は少なくなる。しかし、約1.2のE:S比がすでに、酸化防止剤の量が少な過ぎることにより、酸化ダメージをもたらすことがある(Emerade(登録商標)の回収[前述]およびメタ重亜硫酸ナトリウムの定量[以下に示す]を参照)。
(実施例8)
高E:S比を伴っての、キレート化剤の酒石酸塩およびEDTAの添加は、総エピネフリンおよびL−エピネフリンを安定化する
凡例図11:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図12:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(1.1mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図11および図12が示す結果:
種々のE:S比を有するエピネフリン製剤(1.1mg/mL)は、酒石酸塩およびEDTAの添加によって、総エピネフリンおよびL−エピネフリンに関して安定化される。さらに、総エピネフリンおよびL−エピネフリンの安定性は、E:S比の増加に伴って増加する。
しかし、約1.2のE:S比がすでに、酸化防止剤の量が少な過ぎることにより、酸化ダメージをもたらすことがある(Emerade(登録商標)の回収[前述]およびメタ重亜硫酸ナトリウムの定量[以下に示す]を参照)。
したがって、E:S比=0.6の製剤が長期安定性にとって最適であるとみなされる。
(実施例9)
酸化防止剤のメタ重亜硫酸ナトリウムの濃度は、時間経過と共に劇的に低下する

凡例図13:
種々のエピネフリン成人用製剤(全て1.1mg/mLおよびE:S:0.34〜3.00)をEDTA(0.05〜0.4mg/mL)および0.9mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、28日後に、HPICによって亜硫酸塩量を決定し、残存メタ重亜硫酸ナトリウム濃度を算出した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図13が示す結果:
試験した全ての製剤において、時間経過と共に酸化防止剤濃度は劇的に低下した。しかし、E:S比≧1.2において、残存メタ重亜硫酸ナトリウムレベルは、非常に低いため、酸化ダメージが有効期間の終わり頃に起こる可能性がある。
したがって、E:S比=0.6の製剤が長期安定性にとって最適であるとみなされる。
(実施例10)
E:S比0.6を伴っての、酒石酸塩およびEDTAの添加は、小児用製剤においても、D−エピネフリンおよびESAの形成を低減し、総エピネフリンおよびL−エピネフリンの両方を安定化する
凡例図14:
種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリンの含有量は、試料中のエピネフリンの総量に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図15:
種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図14および図15が示す結果:
0.55mg/mLエピネフリン製剤(小児用力価)においても、酒石酸塩およびEDTAの添加ならびにE:S比を0.6に調節することによって、D−エピネフリンは、低減する。長期間のL−エピネフリン安定性のためには、酒石酸塩単独の添加では不十分である。対照的に、ESA形成の低減に関して、酒石酸塩の添加はすでに十分である。
凡例図16:
種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(0.55mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図17:
種々のエピネフリン小児用製剤(全て0.55mg/mLおよびE:S:0.17〜0.6)をNa2EDTA*2H2O(0.05〜0.4mg/mL)および0.45mg/mL酒石酸塩の存在下または非存在下で、60℃で28日間インキュベートした。各製剤について、6、14および28日後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(0.55mg/mL)に対して得られる。E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図16および図17が示す結果:
0.55mg/mLエピネフリン製剤中の総エピネフリンは、酒石酸塩およびEDTAの添加ならびにE:S比の増加によって、安定化される。E:S比0.6において、高い安定性が得られる。
L−エピネフリンの安定化のためには、高E:S比を伴っての、酒石酸塩およびEDTAの両方の存在が不可欠である。
(実施例11)
E:S比0.6ならびにキレート化剤の酒石酸塩およびEDTAの添加は、室温での長期保管時にも、D−エピネフリンおよびESAの形成を低減し、総エピネフリンおよびL−エピネフリンの両方を安定化する
凡例図18:
2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。D−エピネフリンの含有量は、試料中のエピネフリンの総量に対して得られる。
E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図19:
2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、HPLCによって総ESA含有量を決定した。
E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図18および図19が示す結果:
室温で12カ月の保管時に、酒石酸塩およびEDTAを含む、E:S比0.6のエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL)は、より低いE:S比でキレート化剤を含まない製剤と比較して、D−エピネフリンレベルの低下を示す。ESA形成も同様に、最適化された製剤において、低減する。したがって、室温でのデータは、ラセミ化およびESA形成に関して、最適化された製剤の優越性を裏付ける。
凡例図20:
2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、HPLCによって総エピネフリン含有量を決定した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、1.1mg/mLまたは0.55mg/mL)に対して得られる。
E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
凡例図21:
2種のエピネフリン製剤(1.1mg/mL[E:S:0.34]および0.55mg/mL[E:S:0.17])を、Na2EDTA*2H2O(0.16mg/mL)および酒石酸塩(0.45mg/mL)を含む2種の最適化されたエピネフリン製剤(1.1mg/mLおよび0.55mg/mL、[どちらもE:S:0.6])と共に、25℃で12カ月間インキュベートした。各製剤について、6および12カ月後に、キラルHPLCによってエナンチオマー比を決定した。総エピネフリン(D&L)の定量およびエナンチオマー比に基づき、各試料中のL−エピネフリン含有量を算出した。値は、エピネフリンの出発量(それぞれ、1.1mg/mLまたは0.55mg/mL)に対して得られる。
E:S=エピネフリンの亜硫酸塩等価物(SO3 2-)に対するモル比。
図20および図21が示す結果:
室温で12カ月の保管時に、酒石酸塩およびEDTAを含む、E:S比0.6のエピネフリン製剤(0.55mg/mLおよび1.1mg/mL)は、より低いE:S比でキレート化剤を含まない製剤と比較して、総エピネフリンレベルの増加を示す。L−エピネフリンレベルは、最適化された製剤において、比較相手の製剤よりも有意に高い。したがって、室温でのデータは、最適化された製剤の優越性を裏付ける。

Claims (14)

  1. エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤をエピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.9〜0.1で含み、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含むpH3.0〜4.5の医薬用組成物であって、エピネフリンの濃度が2〜8mMである医薬用組成物。
  2. エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤をエピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.8〜0.15で含み、酒石酸塩をエピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で含み、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含み、pHが3.0〜4.5であり、エピネフリンの濃度が2〜4または4〜8mMである、請求項1に記載の医薬用組成物。
  3. エピネフリンならびにメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤をエピネフリンの亜硫酸塩等価物に対するモル比0.7〜0.2で含み、酒石酸塩をエピネフリンの酒石酸塩に対するモル比0.8〜1.2で含み、8〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oを含み、pHが3.3〜4.2であり、エピネフリンの濃度が2〜4または5〜7mMである、請求項1または2に記載の医薬用組成物。
  4. 4〜8mMのエピネフリンと、3〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、6〜18mMの亜硫酸ナトリウムおよび6〜18mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.31mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oとを含むpH3〜4.5の医薬用組成物。
  5. 5〜7mMのエピネフリンと、3.5〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、7〜14mMの亜硫酸ナトリウムおよび7〜14mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、5〜7mMの酒石酸塩と、8〜9mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのEDTAとを含み、pHが3.3〜4.2である、請求項4に記載の医薬用組成物。
  6. 5.5〜6.5mMのエピネフリンと、4.5〜5.5mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、9〜11mMの亜硫酸ナトリウムおよび9〜11mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、5.5〜6.5mMの酒石酸塩と、8〜9mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oとを含み、pHが3.3〜4.2である、請求項4または5に記載の医薬用組成物。
  7. 2〜4mMのエピネフリンと、1.5〜9mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3〜18mMの亜硫酸ナトリウムおよび3〜18mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、6〜10mg/mLの浸透圧調節剤、0.04〜0.13mg/mLのEDTAまたは0.05〜0.4mg/mLのNa2EDTA*2H2Oとを含むpH3〜4.5の医薬用組成物。
  8. 2〜4mMのエピネフリンと、1.7〜7mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、3.4〜14mMの亜硫酸ナトリウムおよび3.4〜14mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、2〜4mMの酒石酸塩と、8.5〜9.5mg/mLの浸透圧調節剤、0.08〜0.24mg/mLのEDTAまたは0.1〜0.3mg/mLのNa2EDTA*2H2Oとを含み、pHが3.3〜4.2である、請求項7に記載の医薬用組成物。
  9. 2.5〜3.5mMのエピネフリンと、2.3〜3mMのメタ重亜硫酸ナトリウム、4.6〜6mMの亜硫酸ナトリウムおよび4.6〜6mMの重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、2.5〜3.5mMの酒石酸塩と、8.5〜9.5mg/mLのNaCl、0.09〜0.16mg/mLのEDTAまたは0.12〜0.2mg/mLのNa2EDTA*2H2Oとを含み、pHが3.3〜4.2である、請求項7または8に記載の医薬用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬用組成物の調製のための方法であって、エピネフリンと、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよび重亜硫酸ナトリウムからなる群から選択される酸化防止剤と、NaClと、EDTAまたはNa2EDTA*2H2Oを、水と共に適切な剤形にすることを特徴とする、方法。
  11. アレルギー性緊急事態の状況下のアレルギー反応およびアナフィラキシーおよび全身性毒性応答の状況下のアナフィラキシー様反応からなる群から選択される、生理学的および/または病態生理学的状態の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬用組成物。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬用組成物を含む、ガラス製シリンジ。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬用組成物を含む、オートインジェクター。
  14. a)ガラス製シリンジまたはオートインジェクター、および
    b)ガラス製容器、アンプル、予充填カートリッジまたはバイアルに保管された、本発明の医薬用組成物
    の個別のパックからなるセット(キット)。
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